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1947/10/07 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会第一分科会 第2号
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1947/10/07 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会第一分科会 第2号

#1
第001回国会 決算委員会第一分科会 第2号
  付託事件
○昭和二十年度歳入歳出總決定
○昭和二十年度特別會計歳入歳出決算
  ―――――――――――――
  委員の異動
八月二十三日(土曜日)決算委員長に
おいて、分科擔當委員を左の通り追加
選定した。
           駒井 藤平君
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月七日(火曜日)
   午前十時三十二分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○昭和二十年度歳出歳入總決算
○昭和二十年度特別會計歳入歳出決算
  ―――――――――――――
#2
○主査(西山龜七君) これより決算委員會第一分科會を開きます。本分科會の所管は歳入、大藏省、農林省でございます。昭和二十年度歳入歳出総決算竝びに昭和二十年度特別會計歳入歳出決算でございます。歳入大蔵省所管の部について大藏省竝びに遞信省政府委員より御説明を願います。
#3
○政府委員(小坂善太郎君) 昭和二十年度の一般會計歳入決算の御説明をいたすのでありますが、その大要につきまして私から御説明を申上げます。
 昭和二十年度の歳入決算額は、經常部におきまして百七億八千三百四十四萬餘圓、臨時部におきましては百二十七億四百四萬餘圓、合計いたしますると二百三十四億八千七百四十八萬餘圓であります。これを豫算額に比ベますると、經常部におきましては三十七億二千八百六十四萬餘圓、臨時部におきましては十九億四千五十一萬餘円、合計いたしますると五十六億六千九百十六萬餘圓の減少となつておるのであります。
 次にその内容に入りまして少しく詳細にお述べ申上げますると、歳入經常部の中で金額の最も多額に上りますものは租税でありまするが、租税の決算額は八十一億七千百八十四萬餘圓でありまして、これを豫算額に比ベますると、入場税、遊興飲食税等、豫算額に比べたら増加したものを差引きまして、結局二十五億六千四百七十八萬餘圓の減少となつておるのであります。これは空襲等の戰時の災害によりまする租税の減免や、戰爭の熾烈化及び終戰の影響等によりまして、所得その他課税物件の減少が相當著しかつたためでありまして、所得税につきましては、十五億九千七百二十五萬餘圓、法人税につきましては五億二千七十三萬餘圓、酒税におきましては四億九千四百四十五萬餘圓、物品税におきましては一億一千百六十八萬餘圓等の減少が主なるものであります。次にこの還付税の收入でありまするが、その決算額は一億人千四百九十九萬餘圓でありまして、その豫算額に比べますると、八千二萬餘圓の減少であります。次に印紙收入でありまするが、その決算額は一億六千二百十六萬餘圓でありまして、豫算額に比べて一億一千七百七十二萬餘圓の減少であります。次に官業及び官有財産收入におきましては、その決算額は十五億八千三百九十四萬餘圓でありまして、これをその豫算額に比べますると、十一億四千六百四十萬餘圓の減少となつておるのでありまして、その主なるものは特別會計益金の受入れにおきまして、專賣局の戰災等のために十億八千五百八十六萬餘圓を減少したのであります。
 次に雜收入におきましては、その決算額は六億八千三十萬餘圓でありまして、これは日本銀行納付金の基礎となる餘剩金が多かつたために、日本銀行納付金におきまして二億二千七百七十三萬餘圓を増加しておりまするが、懲罰及び沒收金その他で減少したものもありまするので、結局豫算額に比べまして、一億八千十萬餘圓の増加となつておるのであります。
 以上は歳入經常部における内譯の大要でありまするが、次に臨時部における租税の決算額は十九億八千三十三萬餘圓でありまして、これをその豫算額に比べますると、六億七千九百四十五萬餘圓の減少となつておりまして、これは戰災等による減免のために臨時利得税における六億七千三百四十八萬余圓の減少が主なるものとなつておるのであります。
 次に臨時雜收入におきましては、その決算額は五億二千六十九萬餘圓でありまして、豫算額に比べまして二千六百六十六萬餘圓の減少となつておるのであります。
 次に公債金收入におきましては、その決算額は九十億二千九百十二萬餘圓でありまして、豫算額に比べますると、二十四億八百十萬餘圓を減少しておるのであります。
 次に前年度餘剩金受入におきましては、その決算額は十一億六千八百四十四萬餘圓でありまして、豫算額に比べますると、十一億六千八百二十五萬餘圓を増加しております。
 最後に款項目不明による決算額は五百四十五萬餘圓でありまして、戰時災害によつて書類滅失等のために、受入科目の不明となつたものであります。
 以上は一般會計における歳入決算の大體について御説明申上げたのでありまするが、結局昭和二十年度の歳入決算額はその全體を通じますると、先程申上げましたように、その豫算額と比べて五十六億六千九百十六萬餘圓の減少となつておる次第であります。昭和二十年度一般會計における歳入の實績につきましては、會計檢査院よりの檢査の結果に基きまして、意見を報告せられたものが三件あります。この外既往年度に屬するものが十一件ありまするから、これを合計いたしますると、十四件ということになつておるのであります。これらはいずれも會計檢査院の意見の通りでありまして、甚だ遺憾とするところであります。以上一般會計における歳入決算の概略について申述べた次第であります。
 次に昭和二十年度の大藏省の決算につきまして大體の御説明を申上げたいと存じます。昭和二十年度の大藏省所管一般會計歳出豫算計上額は、歳出經常部におきまして五十二億九百二十七萬二十四圓、歳出臨時部におきまして百五億四千二百二十四萬二千九百八十一圓、合計いたしますると百五十七億五千百五十一萬三千五圓でありまして、この外に前年度より繰越しました金額が、歳出臨時部におきまして一億四千四百三十四萬八百八十七圓餘、第一豫備金より支出いたしました金額が、歳出經常部におきましては三十五萬圓、歳出臨時部におきまして五百七十萬九千七百九圓、緊急對策費といたしまして三億三百七十九萬千七百一圓、合計いたしますると三億九百八十五萬千四百十圓、第二豫備金より支出いたしました金額が、歳出臨時部におきまして一億八千四百九十五萬四千百九十四圓、豫備金外臨時支出におきまして、國庫餘剩金支出二千九百十九萬八千圓、緊急財政處分支出三千二百三十三萬三千圓、合計いたしますると六千百五十三萬千圓程ありまするから、以上を合計いたしますると、昭和二十年度の豫算現額は、歳出經常部五十二億九百六十二萬二十四圓、歳出臨時部百十二億四千二百五十七萬四百七十二圓餘、合計いたしますると百六十四億五千二百十九萬四百九十六圓餘と相成ります。これに對しまして、昭和二十年度において支出いたしました金額は、歳出經常部におきまして四十八億九千三百十萬五千三百三十二圓餘、歳出臨時部におきましては九億三百九十九萬九千七百七十三圓餘、合計いたしますると五十七億九千七百十萬五千百六圓餘と相成るのでありまして、これを前に述べました豫算現額に比較いたしますると、歳出經常部におきましては三億千六百五十一萬四千六百九十一圓餘、歳出臨時部におきまして百三億三千八百五十七萬六百九十八圓餘、合計いたしますと百六億五千五百人漫五千三百九十圓餘の減少でございます。この減少額の内四千四百七十五萬七千百三十一圓餘は、會計法第二十7條及び同第二十八條によりまして翌年度に繰り越しました金額でありまして、これを差引きましたる百六億千三十二萬八千二百五十八圓餘は、全く不用となりました金額でございます。かくのごとく多額の不用額を生じましたのは、主として臨時軍事費特別會計への繰入金の減少いたしましたのが百一億千三百五十八萬三千九百二十九圓ありまするのと、昭和二十年度の豫算は、實行上努めて經費の節約を圖りました結果でございます。
 次に昭和二十年度大藏省所管決算につきまして、會計檢査院から批難報告せられましたものは、一般會計特別會計を通じまして二件でございます。かくのごとく會計檢査院より批難報告せられましたことは、甚だ遺憾とするところでありまするが、その批難につきましては、別に辯明書を差出して置きました次第でございまするから、辯明書によりまして御了承を願いたいと存じます。
 以上は大藏省所管一般會計決算の大體でございまするが、何卒十分御審議の上適當の御判斷を下されんことを願い上げる次第であります。
#4
○主査(西山龜七君) 次に遞信省の政府委員より御説明を願います。
#5
○政府委員(大野勝三君) それでは大藏省所管通信事業特別會計竝びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の昭和二十年度決算の概要につきまして御説明申上げます。
 先ず通信事業特別會計について申上げます。資本勘定の歳入豫算額は五億三千六百六十四萬餘圓であります。これに對しまして、收入濟額は一億三千十八漫餘圓でありますから、差引四億六百四十五萬餘圓の減收となつております。これは主として業務勘定過剩金の受入がなかつたによるものであります。又歳出の豫算額は五億三千六百六十萬餘圓であります。これに前年度からの繰越額一億一千八百二十八萬餘圓を加えますと、豫算現額は六億五千四百八十八萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は二億一千百二十一萬餘圓でありますから、差引四億四千三百六十七萬餘圓の支出減少となつております。その内百四十六萬餘圓は翌年度に繰越したものでありまして、殘りの四億四千二百二十萬餘圓が不用となつた金額でありますが、これは主として經費節減の結果と、豫定の費額までを要しなかつたことによつて生じたものであります。
 尚資本勘定の收支計算の結果を申し上げますと、資本勘定の收入に屬する金額は二十億八千二百七十五萬餘圓、又支出に屬する金額は二十二億九千七百四十七萬餘圓でありまして、差引一億一千四百七十二萬餘圓の不足を生じましたので、これは資本を減額して本勘定の決算を了したのであります。
 次に用品勘定の歳入豫算額は一億三千五百十五萬餘圓でありまして、これに對して收入濟額は三千三百二十八萬餘圓でありますから、差引一億百八十六萬餘圓の城收と相成つております。これは主として用品供給代等が豫定よりも少なかつたことによるのであります。又歳出豫算額は一億三千五百十五萬餘円でありまして、これに前年度からの繰越額二百八十八萬餘圓を加えますと、歳出豫算現額は一億三千八百三萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は一億一千二百五十四萬餘圓でありますから、差引二千五百四十八萬餘圓の支出減少となつております。この内二萬餘圓は翌年度に繰越したものでありまして、殘額の二千五百四十六萬餘圓が不用となつた金額であります。これは主として經費の節減と、豫定の費額までを要しなかつたことによりまして生じたものであります。
 尚用品勘定の收支計算の結果を申上げますと、用品勘定の收入に屬する金額は二億九千七十九萬餘圓、又支出に屬する金額は三億二千六百八十萬餘圓でありまして、差引三千六百萬餘圓の不足を生じました。この不足は資本勘定に移りまして、本勘定の決算を了したものであります。
 次に業務勘定の歳入豫算額は十二億四千四百八十九萬餘圓であります。これに對しまして收入濟額は十四億五千九百三十八萬餘圓でありますから、差引二億一千四百四十九萬餘圓の増收となつております。これは主として昭和二十一年勅令第百十一號第一項及び同勅令第百八十號第一項による借入金收入があつたのであります。又歳出豫算額は九億二千七百八十一萬餘圓でありまして、これに前年度からの繰越額六百五十餘萬圓と豫備金外臨時支出額四億四千二百七十八萬餘圓を加えますと、歳出豫算現額は十三億七千六百六十五萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は十三億一千八百九十一萬餘圓でありますから、差引五千七百七十四萬餘圓の支出減少となつております。この中百五十四萬餘圓は翌年度に繰越したものでありまして、殘餘の五千六百二十萬餘圓が不用となつた金額であります。これは主として經費節減の結果と豫定の費額までを要しなかつたとによつて生じたものであります。
 尚業務勘定の收支計算の結果を申上げますと、收入に屬する金額は十五億八千五百八十三萬餘圓、支出に屬する金額は十四億三千九百十五萬餘圓でありまして、差引一億四千六百六十七萬餘圓の過剩を生じましたのであります。これは昭和二十一年勅令第百十一號によつて本勘定の翌年度の歳入に繰入れまして、本勘定の決算を了したのであります。
 次に簡易生命保險及び郵便年金特別會計について御説明申上げます。保險勘定の歳入豫算額は十四億七千百五萬餘圓、收入濟額は十五億一千九百三十萬餘圓でありますから、差引四千八百二十四萬餘圓の増收となつております。これは主として保險契約者が多かつたのによるものであります。又歳出豫算額は五億九千四百六十六萬餘圓でありまして、これに前年度からの繰越額七十一萬餘圓と、豫備金外臨時支出額六千八百十四萬餘圓を加えますと、豫算現額は六億六千三百五十二萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は六億五千九百七十一萬餘圓でありますから、差引三百八十萬餘圓の支出減少となつております。これは全く不用となつた金額でありまして、主として經費の節減の結果と實行上豫定の費額までを要しなかつたのによるものであります。又歳入の收入濟額十五億一千九百三十萬餘圓から歳出の支出濟額六億五千九百七十一萬餘圓を差引きました過剩金八億五千九百五十八萬餘圓は積立金に組入れ、本勘定の決算を了したのであります。尚この積立金は昭和二十年度末におきまして五十三億六千百九十一萬餘圓となつております。
 最後に年金勘定について御説明申上げます。年金勘定の歳入豫算額は六億六千百七十九萬餘圓であり、これに對しまして收入濟額は六億五千四百九十三萬餘圓でありますから、差引六百八十六萬餘圓の減收となつております。これは主として郵便年金の契約者が少かつたのによるものであります。又歳出豫算額は八千三百七十九萬餘圓でありまして、これは豫算現額も同額でありますが、これに對しまして支出濟額は七千六百三十萬餘圓でありますから、差引七百四十九萬餘圓の支出減少となつております。この金額は全く不用となつた金額でありますが、これは主として經費の節減に結果と、豫定の費額までを要しなかつたのによつて生じたものであります。
 又歳入の收入濟額は六億五千四百九十三萬餘圓から歳出の支出濟額七千六百三十萬餘圓を差引きました剩餘金五億七千八百六十二萬餘圓は積立金に組入れて、本勘定の決算を了した次第であります。尚積立金は昭和二十年度末におきまして二十二億一千七十三萬餘圓となつております。
 以上は大藏省所管昭和二十年度通信事業竝びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の決算の概要でありますが、その詳細につきましては、お手許に差上げてあります書類によりまして御了承を願いたいと存じます。
 次に、以上申述べました昭和二十球度決算に關しまして、會計檢査院から受けました批雜事項でございますが、これは通信關係といたしましては、一般會計の歳出におきまして一件、特別會計の歳入においては一件、歳出において三件、合せまして五件ございます。いずれも檢査報告のございました通りでございますが、當時の實情から申しますれば、いろいろと事情はあるのでございますけれども、とにかくかような事柄の起きましたことにつきましては、十分遺憾に考えておるところでございます。何率よろしく御審議の程をお願い申上げます。
#6
○主査(西山龜七郎君) 續いて、本分科會所管の決定檢査報告につきまして、會計檢査院東谷事務總長の御説明を願います。
#7
○會計檢査院事務總長(東谷傳次郎君) 御指名によりまして、御説明を申上げたいと思います。歳入關係といたしまして、大藏省關係という面につきまして、只今政府から御説明がございましたので、やはりその範圍におきまして、檢査報告につきまして御説明を申上げたいと存じます。
 歳入の決算期は、只今政務次官から御説明になりました通りでありまして、二百三十四億餘圓でございまするが、そのうち會計檢査院におきまして未確定、即ち檢査が終らないという理由によりまま支、未確定に整理いたしましたものが一億八千八百餘萬圓あるのでございます。その主なものは、大體において租税關係でございまして、經常部の租税で七千八百餘萬圓、臨時部におきまして約一億一千三十五萬餘圓、合計いたしまして、只今申しましたように一億八千八百萬圓が未確定に整理されておるのでございますが、これらに租税の賦課徴收に關しまして、それぞれ各税務署長その他の方々に照會を發しておるのでありまするが、その囘答がこの決算確定時期までには參りません關係と、未證明……證明が只今のところ照會に對して未囘答でありまするが、會計檢査院への証明自體が參つていないというような關係を以ちまして一億八千萬圓が未確定ということに相成つておるのでございます。そういたしまして總決算中の歳入におきまして、御承知のごとく二十年度は空襲によりまして戰災が各地に起つたのでございまするが、それらの關係で會計檢査院への證明書類を亡失いたしましたものが相當にございまする關係で證明廳から各實行廳から會計檢査院への證明が不能になつたとしうものが大分ございまして、それらのものが歳入におきまして九千五百五十九萬餘圓というものがあるのでございます。その中の大部分は大藏省關係の租税の關係でありまして、九千四百五十七萬餘圓というものが租税關係の證明不能になつているのでございます。この證明不能に相成りましたものは會計檢査院から申しますれば、從つて檢査ができない、檢査不能ということに相成るのでございまするが、それらのものをどう處理するかということにつきましては、何時かも御説明を申上げたと思つているのでありまするが、檢査院では非常に研究をいたしまして、證明不能即ち檢査不能のままでおくということは、結局決算を未確定のままにおくということでありまするが、未確定のままにおいても何時まで經つてもこれを確定することはでき得ないのでございまするので、これは戰災、大震災當時の例によりまして、實地檢査をいたしましたり、或いは各廳につきまして、いろいろの御説明を聽き、その他會計檢査院にあります書類によりまして、類推檢査をいたしまして、信證を得たものはそこで一先ず檢査を了したことにして、その他のものはいたし方ございませんので、檢査を濟ましたということにいたしまして、確定金額の中に織込んでございます。即ち只今申しました九千五百萬圓は未確定ではなく、確定金額に入つているのでございます。その次にやはりこの戰災の關係によりまして、決算の款項不明というものが相當にあるのでございまして、歳入の關係におきましては、五百八十萬餘圓というものが款項不明でございまして、その大部不は大藏省關係の五百十五萬餘圓がそれであります。その他各省に幾らかづつあるのでございます。
 次に決算額と日百銀行との證明額、政府の方で支出をいたして決算をいたします。それに對して日本銀行では幾らの金を實際に出しておるかということがゐ會計檢査院に證明があるのでございますが、その政府の決算額と日本銀行の證明する現金の證明額との對照をいたしますると、歳入におきましては日本銀行の方の證明が四百八十七萬五千餘圓多いのでございます。決算より多いことになつているのでございます。これはどういうわけかと申しますると、その一、二の事例だけを申上げておきまするが、出納閉鎖期までに日本銀行に拂込ができなかつたもの、或いは二十一年度の歳入を間違つて二十年度の歳入に日本銀行に入れておる、結局それは、日本銀行に證明が多くなる關係であります。そういう點と、もう一つ非常に大きいのは、戰災によりまして日本銀行におきましてもどの事由でこれが合わないのかということの分りませんものが、不符號の事由の分らないものが、五百三十五萬餘圓あるのでござすまして、これらのものを差引いたしますと、只今申しましたように、日本銀行の證明額の方が四百八十七萬五千餘圓多くなつているということに相成つているのでございます。そういたしまして會計檢査院で檢査をいたしまして歳入關係で租税について申上げますと、賦課徴收がよろしくないというような點で檢査報告に掲げましたものが大月税務署關係で一萬九千餘圓というものが取り不足であるということに相成つたのであります。又郡山税務署におきましては一萬五千餘圓取り不足であるということに相成りまして、これらは政府當局におかれまして後始末をされて、全部只今では徴收員進んで、追徴いたされまして進んでいるのであります。
 次にやはり二十年度におきましては板橋税務署で犯罪事件がございまして、收入官吏として権限のないものが税金の滯納者から騙取いたしました金が一萬三千圓ばかりあるのでありますが、その中改めて政府が滯納者から徴收いたしました金額を控除いたしました殘額の三千二百八十一圓というものは徴收に至らないことになつたのでありまして、これらにつきましてはそれぞれ政府の方で責任者の處分があつたのであります。
 更に檢査報告に掲げました事項としまして既往年度として十一件ばかりあるのでございますが、歳入關係の既往年度についてこれから一應御説明申し上げたいと存じます。
 會計檢査院で檢査が濟まない囘答未濟若しくは證明未濟によりまして未確定といたしましたものが昭和十五年度以降存しているのであります。昭和十五年から十九年度まであるのでございますが、昭和十五年度の分は會計檢査院で全部二十年度の決済の檢査確定と同時に確定いたしました。十六年度におきましては二百三十五萬餘圓未確定があつたのでありまするが、そのうち六十五萬餘圓を確定いたしまして、現在百五十九萬餘圓が尚未確定になつているのであります。十七年度におきましては百四十四萬餘圓が未確定に相成つておつたのでありますが、爾後四十三萬餘圓確定いたしまして、今日尚百萬餘圓が未確定に相成つているのであります。十八年度におきましては四千四百八萬餘圓未確定があつたのでありますが、その中三千七百五十六圓餘圓を確定いたしまして、今日未確定は六百五十一萬餘圓に相成つているのであります。十九年度におきましては二億四千二百萬餘圓が未確定でございましたのを、爾後一億五千百五十七萬餘圓確定いたしまして、今日尚九千五十六萬餘圓が未確定に相成つているのであります。そういたしまして既往年度分の不當事項として掲げましたものは先程申上げました十五年度分におきまして既往事件が三件、十六年度におきまして同じく三件、十七年度はございません。十八年度が五件、十九年度はございませんという状況になつているのでございます。
 簡單に非雜事項のことを申上げておきますが、十五年度におきましては京橋税務所で徴收不足が五千餘圓、一官税務署は、これは今度はその反對に餘計取つた徴收過、納税者から政府が餘計に取上げたというのでありますが、これは八千餘圓、兩國税務署で同じく取過ぎが五千餘円というふうに十五年度はなつておるのであります。これらの徴收過のものは納税者に返しておらるるのであります。現在では是正されております。
 尚十六年度におきまして同じく三件でありますが、京橋税務署で徴收不足が三萬三千餘圓、八王子税務署で同じく徴收不足が一萬餘圓、横濱税務署で同じく徴收不足が千八百餘圓ということに相成つております。これが十六年度の三件でありますが、これも是正されて今日ではある次第であります。
 十八年度では五件ございまるが、靜岡税務署で四萬一千餘圓の徴收不足、水道橋税務署で一萬二千餘圓の徴收不足、熊本税務署で八千餘圓の徴收不足、同じく熊本税務署で六千餘圓の徴收不足、昭和税務署で五千餘圓の徴收不足がございまするが、これらも會計檢査院の指摘通り、今日では是正されておるのでございます。以上を以ちまして歳入關係の一般説明を終りたいと存じます。
 更に大藏省關係の一般會計の歳出及び特別會計の歳入歳出につきまして概略を御説明申上げたいと存じます。大藏省關係の未確定でございまするが、一般會計の歳出におきまして、総額は三千餘萬圓ということに相成つておるのでございます。大體證明未濟ということに相成つております。尚特別會計におきまして、通信事業特別會計におきまして、未確定の金額は二百三十八萬餘圓ということに相成つておるのであります。先程御説明いたしましたように、やはりこの歳出におきましても、乃至は特別會計の歳入歳出におきましても、戰災關係で證明不能になつたものが相當あるのでありまして、大藏省の歳出で申しますと、これが五百餘萬圓ということに相成つております。更に特別會計で申上げますると、造幣局關係で歳出が三十三萬圓、專賣局で歳入が九千二百餘萬圓、歳出が四千餘萬圓ということになつております。通信事業特別會計におきまして、資本勘定で二百餘萬圓、用品で歳入が千圓餘り、歳出が三十六萬餘圓、業務勘定におきまして歳入が七十一萬餘圓、歳出が三百八十八萬餘圓ということに相成つております。
 款項不明の點でございまするが、歳出におきまして、大藏省關係で八千圓ということになつております。特別會計におきましては、通信事業特別會計におきまして、大きなものを申上げますると、業務勘定で五十八萬餘円、歳出で二十萬餘圓ということに相成つておるのであります。
 日本銀行との證明との關係におきましては、特別會計におきまして、印刷局で日本銀行の證明がほんの僅か五圓ばかり、五圓十二銭というものが分つたということになつております。これは戰災による不明のものであります。専賣局におきまして、歳入がやはり日本銀行の方が多うございまするが六十五萬餘圓ということになつております。歳出では日本銀行が少うございまして、これは四百六十五圓ということになつております。
 批難事項、會計檢査院の檢査報告に掲げました事項でございまするが、これは極く概略に申上げたいと思いますが、只今では遞信省、當時の逓信院の電波局の航空保安部におきまして眞空管の購入でございまするが、實際には納入の事實が疑わしいと會計檢査院が見ておつたのでございまするが、これは政府の方では入つておつたが、直ぐ不良品で引替えたということになつておるのでございまするが、それらに對しまして八千五萬餘圓を支拂つております。結局年度違いと申しまするか、二十一年の三月三十日に契約されて、その日のこういうむずかしいものが全部入つたということになつておる。三月三十日に拂つておられるのでありますが、實地檢査官の信證では入つていなかつた、その後において實際は入つておるのだ。こういうことでここに掲げたわけでございますが、今日では入つておるのでございます。
 更に遞信院の關係でございまするが、逓信院の總務局において歳入に編入すべきものが五萬五千圓ばかりあるのでございます。これは官舍を建てるというので前金拂五萬五千円を拂われたのでありますが、その後全然工事に著手していないということに相成つております。會策察地檢査におきまして調べたところ、全然出來ていないというので返えさす。結局今日ではこれは返納さしておられるのでございますが、當利はそういう經緯で決算上工合が惡いということに相成つておるわけであります。
 尚小石川郵便局におきまして、犯罪事件がございまして、郵便切手の賣却代金の中から二萬三百圓を横領しておつたのでありまするが、その後返濟をいたしました五千圓ばかりを差引いた一萬五千圓がやはり缺損ということに相成つたのでございまして、これはそのこと自體がまあよろしくないというのでございます。
 尚松本逓信局におきまして、逓信局の廳舍を新築するというのでありましたが、これも年度内即ち二十一年三月三十一日までにできたんだということに相成つておるのでありまするが、事實はそうではありませんで、同じ年の七月に會計檢査院の者が實地檢査をいたしましたところ、まだできないというような状態なのに、できたものとして全額の四十七萬九千圓が支拂われておるというのでありまして、會計法上よろしくない。
 尚中央無線電信講習所でございまするが、ここで電界強度測定器その他のものを購入されたのでありますが、やはりこれも二十一年の三月三十一日に全部納入濟であるということに相成つておりまするが、同じ年の二十一年九月に會計實地檢査をいたしましたところ入つていない。全然納入がないという事實なのでございます。その後十月乃至十一月に納入になつたということなのであります。こういつた事件は實は年度違いとして數件その他にも掲げてあるのでありますが、實はこういつたものは會計檢査院の檢査の實績から見ますと、一つの例示に過ぎないといいますか、例示であるのでございますが、やはりこういつたものは正式に豫算を繰り越して、それは必要な工事をやつておられるのでありまするから、この點は會計檢査院も認めるのであります。必要な工事、必要な物品ということでありますが、やはりそれには會計法を遵守されまして、豫算を正式に繰越して、そうして實際に入つたときに在いはできたときに支拂うというふうにされませんことには、會計法は何のためにあるかということも分らんようなことにあるのであります。又こういつたことから會計上の不始末ということも起り易いのでありますから、これは單り遞信局だけを責めるのではございませんで、その他ここに例として掲げてありますのも、中央氣象臺あり、宮城縣の厚生省關係にあるというようなことでございまして、これらの點は會計檢査院としては、豫算の使用上面白くないというように考えておるわけでございます。最後にこの借入金におきまして、大藏省の預金部資金の運營をしたものがあるのでありまするが、これは終戰直後陸軍の共濟組合が持つております有價證乳券三千餘萬圓を預金部運用として買上げたのでありまするが、その中の七百九十二萬餘圓というものは朝鮮とか臺灣或いは滿洲でありますとか、そういうところの社債であるとか、滿鐵あたりの公債というふうなものでありまして、戰爭に負けました直後即ち八月二十日に買つたのでありまするが、その當時から見ると先行はやはり不安であると見るのが普通であるのにこれを貰つておる。即ち預金部の預金法の第四條に明らかでありますように、有利確實な面に運用するということになつておるのに、こういうことをされておるのは面白くないということに相成つてここに掲げたのでございます。その外既往年度の關係におきましては不當事項はなかつたのでございまして、未確定にされましたものは逐次確定をいたしておるのでございます。これを以ちまして極めて簡單でありましたが、私の説明を終りたいと思います。
#8
○主査(西山龜七君) 次に農林省主管のことにつきまして政府委員より説明を願います。
#9
○政府委員(清井正君) 昭和二十年度農林省所管經費決算の大要につきまして御説明申上げます。先ず一般會計について御説明申上げます。
 昭和二十年度農林省所管の豫算額は歳出經常部におきまして一億八千二百三十七萬餘圓、歳出臨時部におきまして十五億四千四十一萬餘圓、合計十七億二千二百七十八萬餘圓でございまして、豫算決定後の増加額は歳出經常部におきまして五百萬餘圓、歳所臨時部におきまして十六億八千五百十四萬餘圓、合計十六億九千十五萬餘圓でございますから、合計額は歳出經常部におきまして一億八千七百三十七萬餘圓、歳出臨時部におきまして三十二億二千五百五十六萬餘圓、合計三十四億一千二百五十四萬餘圓と相成るのでございます。この増加を生じましたのは、前年度から繰趣しましたる金額が二億八千七百九十一萬餘圓、又豫備金におきまして第一豫備金支出が七百九十九萬餘圓、緊急對策費第一豫備金支出が九千二百四十二萬餘圓、第二豫備金支出が七億五千四百八十六萬餘圓、又豫備金外臨時支出におきまして國庫剩餘金支出が二千八百八十一萬餘圓、緊急財政處分支出において五億一千八百十一萬餘圓がありましたことによるのでございます。これら豫備金の中第一豫備金におきまして、支出いたしましたのは特定給與、現役及優遇職員給補填金、家畜傳染病豫防費、軍馬資源保護施設死傷補償金及死傷手當、租税外拂戻金、臨時家族手當、勤續手當、臨時定員外職員給補填金、小切手支拂未済償還金等でございまして、緊急對策費第一豫備金におきまして支出いたしましたのは、疎開者就農費補助等でございます。次に第二豫備金におきまして支出いたしました主なるものは、開懇及干拓費、松根油擴充増産對策費、米変供出奬勵金、農産物増産費、堆肥増産報奬金、作付轉換施肥補助、焼畑施設補助等でございまして、豫備金外におきまして臨時支出いたしましたものの中、國庫剩餘金におきまして支出いたしました主なものは價格調整補給金等でございまして、緊急財政處分におきまして支出いたしました主なるものは食糧増産對策諸費、風水害應急及復舊諸費、漁船再保險特別會計へ繰入補足等でございます。
 次口支出済額、翌年度繰越額及び不用額に付て御説明申上げます。支出済額は歳出經常部におきまして一億七千六百三十萬餘圓、歳出臨時部におきまして二十九億八十四萬餘圓、合計三十億七千七百十四萬餘圓でございまして、これを先程申上げました豫算規額に比較いたしますと、歳出經常部におきまして一千百七萬餘圓、歳出臨時部におきまして三億二千四百七十一萬餘圓、合計三億三千五百七十九萬餘圓を減少いたしておるのでございます。この減少額の中翌年度に繰越しました金額は、會計法第二十七條によりまして一億二千百六十萬餘圓、同じく會計法第二十八條によりまして二十六萬餘圓、又明治四十四年法律第二號によりまして百三十三萬餘圓でございまして、差引節約その他によりまして全く不用となりました金額は二億一千二百五十八萬餘圓でございます。之を以ちまして一般會計についての御説明を終りたいと思います。
 次に特別會計の決算につきまして申上げます。先ず最初に食糧管理特別會計について申上げます。この歳入の收入済額は三十二億四千三百二十一萬餘圓でございまして、歳出の支出済額は二十九億四百三十萬餘圓でございます。故に歳入歳出差引が三億三千八百九十萬餘圓の剩餘を生ずることと相成ります。この剩餘金は食糧管理特別會計法第八條によりまして、翌年度の歳入に繰入れまして本年度の決瀬を結了いたした次第でございます。
 第二には薪炭需給調節特別會計について申し上げます。この値入の收入済額は五億四千八十四萬餘圓でございまして、これに本年度におけるところの收入末済額一千八百十四萬餘圓、前年度より繰越ししましたる支出未済額にして、本年後におきまして支出済となりましたる金額一億三千四百七十二萬餘圓、翌年度に繰越したる薪栄の價格四億六百七十六萬餘圓、本年度における借入金償還額七千萬圓を加算いたしますと、收入の合計は十一億七千四十七萬餘圓と相成るのでございます。そうして歳出の支出済額は四億八千四百十六萬餘圓でございまして、これに本年度における支出末済額四億三百萬餘圓、前年度より繰越しました收入末済のもので、本年度で收入済となりました金額一千八百二十二萬餘圓、前年度から繰越しました薪炭の價格一億七百三十萬餘圓、本年度におきまして借入いたしました金額五千五百萬圓を加算いたしますと、支出の合計は十億六千六百四十二萬餘圓と相成るのでございまして、收入支出の差引は一億四百四萬餘圓の殘餘を生ずるのでございますが、この殘餘金の中前年度から越して來ました損失額五千六百五十萬餘圓を補填いたしましても、尚四千七百五十四萬餘圓の殘餘を生ずるのでございます。この殘餘金は薪炭需給調節特別會計法第八條によりまして、翌年度の繰入に繰入すべきものでありますが、此の殘餘金に相當する額は、薪炭その他の資産として現物を手持するものでありますから、歳入に繰入いたしませず、そのまま本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 第三には農業家畜再保險特別會計について申上げます。先ず農業勘定について申上げます。此の歳入の收入済額は五千五十六萬餘圓でございまして、歳出の支出済額は五千五十一萬餘圓でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと五萬餘圓でございますけれども、未經過再保險料に相當する金額が百八十四萬餘圓でございますので、差引百七十八萬餘圓の不足を生ずることと相成るのでございますが、この不足金の中六萬餘圓に對しましては、農業家畜再保險特別會計法第七條によりまして、農業家畜再保險業務勘定の決算上の剩餘より本勘定の積立金に組入るべき金額がありますので、これより補足いたし、殘額百七十二萬餘圓に對しては、同法第六條によりまして積立金より補足いたしまして、本年度の決算を結了いたしておる次第でございます。
 次に家畜勘定について申上げます。この歳入の收入済額は二百七萬餘圓でございまして、歳出の支出済額は三百二萬餘圓でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと四萬餘圓でございますけれども、未經過再保險料に相當する金額が百五十二萬餘圓ございますので、差引百四十七萬餘圓の不足を生ずるのでございますが、この不足金の中六萬餘圓に對しましては農業家畜再保險特別會計法第七條によりまして、農業家畜再保險業務勘定の決算上の剩餘より本勘定の積立金に組入るべき金額がありますので、これより補足いたし殘餘百四十一萬餘圓に對しましては同法第六條によりまして補足いたすべき積立金がありませんので、そのまま本年度の決算を結了したのでございます。
 次に業務勘定について申上げます。この歳入の收入済額は四十三萬餘圓でございまして、歳出の支出済額は三十一萬餘圓でございますから、差引十二萬餘團の剩餘を生ずるのであります。この剩餘金に對しましては、農業家畜再保險特別會計法第七條によりまして、六萬餘圓を農業勘定、六萬餘圓を家畜勘定のそれぞれ積立金に組入れまして、本年度の決算を結了したのでございます。
 第四には森林火災保險特別會計について申上げます。この歳入の收入済額は五十八萬餘圓でございまして、歳出の支出濱額は三十二萬餘圓でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと二十六萬餘圓でございますけれども、翌年度の歳入に繰入れするところの未經過保險料に相當する金額が六萬餘圓、支拂備金に相當する金額が七萬餘圓、この合計十三萬餘圓を控除いたしますと、結局十二萬餘圓の剩餘を生じたことと相成るのでございます。この剩餘金に對しましては、森林火災保險特別會計法第三條によりまして、積立金に組入れまして本年度の決算を結了した次第でございます。
 最後に漁船再保險特別會計について申上げます。この歳入の收入濟額は千三百九十五萬餘圓でございまして、歳出の支出濟額は千三百五萬餘圓でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと八十九萬餘圓でございますけれども、翌年度の歳入に繰入れまするところの未經過再保險料に相當する金額が二百六十四萬餘圓がありますから、これを控除いたしますると百七十四萬餘圓の不足を生ずることと相成ります。この不足金に對しましては、補足いたします積立金がありませんので、このまま本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 以上を以ちまして農林省所管の一般會計及び特別會計の決算について、その概要を御説明申上げた次第でございます。
 尚今年度の決算につきまして、會計檢査院よりの批難事項が一點ございます。それは青森縣に支出いたしました作付轉換施設に關する補助金についてでございますが、御批難の事項は當省といたしましても、甚だ遺憾に存ずる次第でございます。尚詳細なる御説明は別途辯明書に記載いたしておりますので御了承願いたいと思います。何率よろしく御審議の程を願いたいと思います。
#10
○主査(西山龜七君) 續いて農林省所管の方につきまして、會計檢査院の方より御説明願いたいと思います。
#11
○會計檢査院事務總長(東谷傳次郎君) 農林省關係の決算につきまして、只今政府委員の方から御説明があつたのでございますが、その一般會計の農林省所管の歳出決算額の中におきまして、會計檢査院におきまして檢査が終了しないで未確定におきましたものが二億五千五百餘萬圓あるのでございます。これはこの總決算の一般會計の總歳出の未確定の三億六千六百餘萬圓が、全體としての未確定でありますが、この中の非常に大きな部分は農林省關係において未確定になつておるということに相成るのでありまして、これは會計檢査院においていろいろとお尋ねしておるのでありますが、この決算確定時期までには確答が參らなかつたので、確定するに至らなかつたのであります。囘答未濟の他、尚多少證明未濟と言いますか、調査未濟というものもあるのでございます。
 尚農林省關係におきましても、やはり戰災によりましての證明不能というものが幾らかあるのでありまして、一般會計で申しますと、歳出で二千六百餘萬圓というものが證明不能と相成つておるのでございます。特別會計におきましては、極く小さな金でございますが、食糧管理特別會計におきまして五十七萬六千餘圓というものが證明未濟になつておるのでございます。尚日本銀行の證明額と對照いたしました結果によりますと、特別會計におきまして、森林火災保險におきまして日本銀行の方が決算よりも多額であるというのが、極く小さい金でありますが、九十八圓何がしということになつておるのであります。
 尚會計檢査院で、一般會計の農林省の關係で檢査報告に掲げまして具合のよろしくないというふうに斷定いたしましたものが一件あるのでございます。只今政府委員の方から御説明に相成つた通りでございまして、青森縣に作付轉換の關係の補助として三百五十萬圓を二十一年の四月、即ち二十年度の年度を過ぎました整理期間中に補助金を交付されたのでございますが、これは實續によりまして實際にできたものに對して補助をするということに相成つておるのでございますが、青森縣からこれだけ行なつたんだという報告がありましたので、これに對して全額を補助して貰うのでありますが、實際に調べて見ますと、これは二千五百町歩でございますが、その中できておりますのは千七百十九町歩でございまして、その他の分の關係の補助金というもの、即ち三百五十萬圓の中百九萬何がしというものは縣から政府に返還せしめるという必要があるのでございまして、この補助のこういつたやり方があまり面白くない、こういうことに相成つてこれに掲げたわけでありますが、先程申しました未確定の中に食糧増産對策諸費というものが一億六千萬圓ばかりの未確定がありますが、その中の相當大きな部分というものがこれに似通つてもののように考えて、今處理をいたしておる次第であります。大體以上を持ちまして會計檢査院側の説明を終りたいと存じます。
#12
○主査(西山龜七君) それではこれより質疑なり御意見なりをお述べ願いたいと思います。
#13
○小川友三君 今の農林省關係の青森縣の作付轉換に對する三百五十萬圓の支出をしたい、ところが調査をして見たらば千七百十九町歩で差引相當町歩がまだ未開墾地であつたということに政府當局は支出をやつたということは、非常にこれは惡いことでありまして、これは面白くないと會計檢査院の事務總長は仰しやいましたが、面白くないどころか、これは會計檢査院法違反ですから、處分をして頂くなり適當に御解決を願いたいと思つておりますが、それがどうなつておるかお伺いいたしたいと思います。
 それから事務總長さんの御説明で未確定の金が農林省の分で二千二百五十萬圓ある、それが今どういうふうに解決がついておるかという御説明がありませんでしたから、その點をお伺い申上げる次第であります。
 それから大藏省の預金部の資金問題になりますが、終戰後五日目のどさくさの八月二十日に滿鐵の社債であるとか、そうした屑紙同様のものを、常識的に考えて何人も推定できるものを預金部の第四條の規則に違反してこれを買入れたという者は、預金部の誰であるかということを突き止めて頂いたかどうか、そうしてこれを處分したかどうか、これは國民に對しまして、とにかく三千萬圓というそうしたぼろ株や鼻紙同様のものを買入れたということに對して、どういう工合に處分したか、或いは立替えさしたかということにつきましてお伺い申上げます。
 それから大藏省の歳出歳入に對する會計檢査院の方の御説明に對して御質問申上げますが、會計檢査院で未確定の分が一億八千八百餘萬圓あると申されまして、併しそれは戰災のために書類が燒けておるので、調査が誠に不十分であるが、併しそれを調査したことにして、調査をしないものを調査したことにして、事務を整理してしまつたという御報告がありましたので、甚はだ慙愧に堪えない次第であります。調査不能であるから、調査不能でまだこれは確定していないというふうに残すのがこれは當然でありまして、檢査をしないものを檢査をしたというような辻褄を無理に合せるということは、我々議員として反對をするものであります。その好き例は昭和十五年から十九年までの未確定の經過を事務總長の方は報告されまして、これは誠に當を得た報告であります。昭和十五年、十六年、十七年、十八年、十九年を通じて相當額の未確定がある。十九年だけにおいても未確定分が九千五十六萬餘圓という厖大な未確定をやつておるということは、政府全部ではありませんが、一部にそういう未確定の材料を作るということは、責任を國民の公僕として官吏が取つていないものが澤山あるからでありまして、會計檢査院の詳細なる調査によつて各税務署で税金を餘計取つたものもあり、又少く取つて知らん顏をしておつて、調査不十分であるという幾多の例を擧げられましたが、會計檢査院竝びに我々決算委員が打つて一丸となつて、出納の遂行に當つて責任を持つてやりたい。かように考えますので、昭和二十年度の一億八千餘萬圓の未確定分を調査不十分のものをなぜ確定にしたかということに對する責任ある御答辯をお願いいたしたいのであります。
#14
○政府委員(東谷傳次郎君) 順序が不同に相成りまして、或いは相濟まんことになるかと思うのでありまするが、戰災によりまして證明不能になつたものを確定金額に入れた一億八千萬圓というのはちよつとあれでありましたが、その關係は全體的に申上げますと一般會計におきましては、歳入で九千五百萬圓、歳出で二億五千六百餘萬圓、これは特別會計におきましてそれぞれの金額があるのでございまするが、これは先程御説明を申上げました御了承を得なかつたのでございまするが、實は只今仰せの通りにいろいろと當時の會計檢査院は總會議で決めているのでありまするが、總會議におきまして、いろいろ論議があつたのでございまして、先程申上げましたように、證明不能はイコール大體におきまして、會計檢査院が不能であるということに言えるのでありまするが、併しながら會計檢査院の檢査におきましては、從來これは二十年度でありまするが、十九年度までそれぞれ檢査をいたしておるのでございます。書面で檢査をいたし、實地について檢査をいたしておるのであります。そういたしまして、二十一年度はやはり引續いて檢査を詳しくいたしておるのでありまして、二十年度までの檢査の實績竝びに二十一年度、二十二年度の檢査の状況及び實地に參りまして當該事實のありますところに參りまして、二十年度の實地説明を聞いたのであります。廣く言えば實地檢査をなしたのであります。そういたしまして、その實地檢査の結果と從來の檢査の結果とを參酌いたしまして、これならば大體信證が得らられるというところで、大部分のものは決算を確定いたしたのでありまするが、やはりそこまで行かないで、實地檢査も旅費の關係その他で思うように行きませんので、實地檢査の及ばないところなどは、正確に申しますれば、證明不能イコール檢査不能ということになるのでございまするが、先程の證明不能の中、信證を得られたものは決算を確定いたすことにいたしましても、檢査ができないものをどうするかというところに逢著いたしまして、非常に檢査院としても悩んだことでございまして、これは證明不能だから直ちに確定の方に移すということはいたしてもならないし、いたさなかつたのであります。いろいろと論議をいたしました末に、いつまで待ちましてもこれは未確定という金額で殘るものである、いつまでも殘ります。これは燒けてしまつて證明が不能なんでありますから調べようがないのでありまして、こういつた調べようのないものを檢査不能額として擧げようかという論議もあつたのでありますが、檢査未確定というのは答辯を聽き、證明が來れば檢査は宜い惡いと確定ができるのでありますが、證明の不能なものは、宜いとも惡いとも確定が永遠にできない、そういつたようなものは正直にここに掲げまして、決算金額に默つておるのでなしに濟ましたということにして、決算が濟まなければ決算確定ということになりませんから、決算不能という事實を確認しまして、止むを得す檢査を濟ましたことにするということにいたしたのでありまして、理窟としては濟んでおらんのでございまするが、やはり決算の處理といたしましては確定か未確定かということを相成るのでありまして、未確定ではない、まあ未確定というのは未だ確定しないということでありまして、その裏にはやはり實質的に囘答が來、證明が來れば確定ができるというものを未確定の範圍に入れる、そうして明かに檢査できたものを確定にするということにはしておりまするが、未確定として殘すのにはやはり永遠に確定のできないものはそこに入れないことにしようということで、甚だどうも私説明に苦しむのでございますが、そういうふうなわけを以ちまして會計檢査院の檢査の通りの、總會議におきましてこういうふうな整理をいたしたことになつたのでありまして、その點答辯にならんようなことにもなるかも知れませんが、御了承を願いたいと思います。尚こういつた理窟のつかないといいますか、ことで、決算を確定することにいたしましたことは、惡い事例を申上げて甚だ恐縮でございますが、確か大震災のときに止むを得ない事實としてそういうふうに整理したように記憶いたしておるのであります。何率御了承願いたいと思います。
 それから青森縣の問題でございまするが、會計檢査院としては、ここに掲げてありまするように、本件はよろしくない、不當であるということに思つておるのでありまするが、この檢査院の檢査によりまして、當局におかれましては、それぞれ處置をお濟ましになつたのでありまして、本件の百九萬二千二百八十圓に對しましては、本年の五月二十二日に、青森縣から國庫に返納濟でございまして、處理は終つておるのでございます。尚これの責任者といいますか、關係者に對しましては、これは辯明書にも書いてございまするが、それぞれ農林次官のお名前を以て注意書をお出しになりまして、將來に對する戒告を與えておらるるのでございます。
 それから農林省の關係におきまして、先程申しましたように、未確定の金額が合計二億五千萬円ばかりあるのでございまするが、の未確定の分、後始末をどうしたかという御質問でございまするが、實は會計檢査院のシステムとしまして、これらの後始末のものは、私共事務總局の者がいろいろと檢査を濟ませしてて、後日檢査官會議に付議いたしまして、その決定を俟ちまして、初めて會計檢査院全體としての意思が決まるわけでございまして、本日はまだその域に達していないので、整理中でございますのでありますが、大體は答辯は頂いておるのでありまして、その中の、詳しく申上げればいろいろございまするが、この中におきましては、やはりそのまま檢査を確定してよろしいと、質問をして囘答を得まして、それで會計檢査院が納得が行くというものもございますし、そうでなくこれからやはりいろいろと案を練りまして、檢査官會議の議決を經て、二十一年度の檢査報告として、場合によると掲げなければならないというものもあるのでございます。それぞれ會計檢査院においては處理進行中でございます。
 最後に官金の問題でございまするが、これも政府の辯明におかれましても、やはりよろしくないというので、いろいろ事情は申し述べられておりまするが、そういうふうに確か辯明書に掲げておるのでありまして、この處理としまして、買戻させるという手も普通ならあるわけでございまするが、御承知のごとく陸軍の共濟組合は解散いたしておるのでありまして、この手が打てないので、確かそのままにこれはなつておるのでありまするが、その當時にやはり買收といいますか、運用を決定いたしまして、關係者、責任者に對して、責任を云々ということもありまして、餘程大藏當局もその點はいろいろと調査をなさつたのでありますが、丁度その當時の方は最早退官いたしておらるるのでありまして、まあ現在のところでは責任者の追究ということは、退官ということによつて終つておるということになつておるのであります。御質問に對する御説明は……或いは説明が落しておりましたならば、後刻御説明いたしたいと思いますが……一應これで終ります。
#15
○小川友三君 大變詳細に亙りまして御答辯を頂きまして、誠に光榮に存じます次第であります今の大藏省の三千萬圓事件でありまするが、これが退官をしてしまつたから、泥棒でいえば逃げてしまつたから、もう現行犯じやないから、捕まえないというような氣持もありますが、これは少くとも二千萬圓の國民の資本を使うのに、大臣の判が承認か、次官の承認か、局長の承認か、必ずあるはずであります。課長くらいの承認でこうした三千萬圓の支出ができ得るはずはないのでありまして、確かに書類は、日本の官吏の建前上、責任者の判が三つ以上あると信じております。承認した人は明らかに立證をせられるものでありまして、而も空襲後の平和の日本に立ち還つた五日目でありまして、そうして五日後になつても、平和になつても、三千萬圓という大事件が解決がつかないで有耶無耶になつてしました、私たちとしては、日本人として相當な人物に相違ないと信ずるのであります。負けたりといえども軍の相當の長官級の者が、三千萬圓という巨大なる金額の臺灣、朝鮮、滿洲、滿鐵等のぼろ株を持つて來まして、それは常識で考えても只同然であるというのを承知でありながら、三千萬圓を國民の大藏省から騙取をしたという大事件でありまして、本件はこれは是が非でも解剖して頂いて、とにかく金額を返して貰うというところまで御盡力をお願いしたいと、本員は固く信ずるのでありまするが、今日はすでに十二時でありまして、次の委員會で結構でありますから、そのときの三千萬圓支出をした大臣か、次官か、局長か、課長の證明書の原文、或いは寫の御提出を願いたいのであります。それからこの臺灣、朝鮮、滿洲、滿鐵の株券、社債の有記券のものであると思いまするから、その最後の株主、或いはその社債所有者の姓名を知らして貰いたいのであります。又軍の人から買つたという、その軍の人の住所、氏名、或いは位等を明記して頂きまして、明らかにこの點につきまして、御報告を頂きたいのであります。丁度十二時でありますから、又質問を保留いたしまして、これで打切ります。
○會計檢査院事務總長(東谷傳次郎君)
 只今の御意見につきまして、政府當局からいろいろ御説明などがあると思いますが、ちよつと私申し落しましたので、その點だけ補足いたしたいと思います。只今の三千萬圓と仰せになりましたが、有價證券三千萬圓の買入れ方を申請いたしてあつたのでありまするが、會計檢査院で、その中よろしくないという批難をいたしておりますのは、別表にもありますように、三千七百萬圓の中七百九十二萬圓でありますから、その點だけをお含みおきを願いたいのであります。
#16
○小川友三君 七百九十二萬圓であるということを承認いたしました。今お伺いしました、その當時の大藏省の大臣か、次官か、局長か、その書類を出して頂くことにつきまして御承認が願えることであるかどうか、お伺いします。
#17
○政府委員(北島武雄君) 只今のお話では、原議でございましようか。決算をいたしました原議の寫を出して貰いたいというお話でございましようか。誰が判を押したということで……。
#18
○小川友三君 七百九十二萬圓のぼろ株を買つた時の支出をした責任者の承認があるわけであります。その承認書の寫を出して頂きたい。
#19
○政府委員(北島武雄君) 官廳の内部で申しますと、こういうものを買つていいかという伺いが出まして、その判を押しましたその責任者は誰であつたかということをはつきりさせろ、こういうことでありますか。
#20
○小川友三君 そうであります。
#21
○政府委員(北島武雄君) それから尚只今のお語の中で、最後の株主なり、有價證券の所在者は誰かというお話でありましたが、最後に陸軍共濟組合が買つて持つておつたものを肩替りしたものでありますから、最後の所有者は陸軍共濟組合であります。その點は改めて書類を出さなくてもお分りになると思います。
#22
○主査(西山龜七君) 今日はこれで散會いたしたいと思います。
   午後零時五分散會
 出席者は左の通り。
   主査      西山 龜七君
   副主査
           小川 友三君
           山崎  恒君
           中川 幸平君
           田中 利勝君
           深川タマヱ君
           下條 康麿君
           駒井 藤平君
  政府委員
   大藏政務次官  小坂善太郎君
   逓信事務官
   (總務局長)  大野 勝三君
   農林事務官
   (農林大臣官房
   會計課長)   清井  正君
   會計檢査院
   (事務總長)  東谷傳次郎君
ソース: 国立国会図書館
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