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1947/10/21 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会第一分科会 第4号
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1947/10/21 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算委員会第一分科会 第4号

#1
第001回国会 決算委員会第一分科会 第4号
  付託事件
○昭和二十年度歳入歳出総決算(内閣
 提出)
○昭和二十年度特別会計歳入歳出決算
 (内閣提出)
――――――――――――――――
昭和二十二年十月二十一日(火曜日)
   午前十一時三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十年度歳入歳出総決算
○昭和二十年度特別会計歳入歳出決算
  ―――――――――――――
#2
○主査(西山龜七君) それではこれより決算第一分科会を開会いたします。過日小川委員よりの質疑に対しまして、先ず最初に会計檢査院束谷事務総長の御答弁を願います。
#3
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 先般の分科会で小川先生から御質問がございましたことにつきまして御答弁を申上げたいと存じます。それは檢査報告の四十二ページにございます官金の問題でありまして、陸軍の共済組合から大藏省の預金部におきまして満洲、中國、朝鮮などの外地の関係の有價証券七百九十二万余円を買入れたという件に対する質問で、ございましたのでありまするが、この件につきましては御承知の如く政府の弁明書がございまして、政府の弁明書の二〇ページに書いてあるのでありますが、政府におかれましても、大体会計檢査院の批難の要旨の通りであつて、一應承服されまして、今後再びかかる事件のないようにするというような弁明をしておらるるのであります。これにつきましては、小川先生から、これは檢査院の言う通りに悪いが、これは悪いということだけでは國民が納まらないので、七百九十二万円の在外の有價証券を陸軍の共済組合に買戻さす必要があるように思うが、会計檢査院の方ではどういうふうに思うか、これに対する処置はどうなつておるかどいうような御質問であつたのであります。その時にも一應御説明は申上げて置きましたが、更にその後の詮議の模樣を申上げますと、会計檢査院では只今のところこれを陸軍の共済組合で買戻さなければならないというふうに意思決定をいたしておらんのでございます。檢査官会議を事務総局でいろいろ開き、更に檢査官会議とも合同会議を開いたのでございまするが、結論から申上げますれば共済組合が在外の有價証券を買戻さないままでよくはないか、いたし方ないであろうという決定をいたしたわけでございますが、それはどういうわけかと申しますると、陸軍共済組合はもうすでに二十年の何月かに、終戰後解散をいたしておるのでございます。そういたしまして清算の事務に只今入つておりまして、海外から引揚げて來る共済組合員、即ち労働者に対する給付をすれば、もう後は残らない計算になるのであけりす。即ちそういうようなことを見ますると、残余財産はないことになるわけなのでありましてかたがた本件は何分外地債でありまして、外地債の移轉、即ち大藏省の預金部が持つておりまする証券を共済組合が仮に買戻すといたしますと、これは有價証券の移轉になるのでありますが、移轉になりますると、これは少々面倒な手続がございますし、そういう面を考え、更に自主的に見ますと、共済組合は海外から帰つて來る人に財産を給付するということを考えますと、残余財産はない、若しこのままで共済組合が買戻すということになれば、約八百万円に相当する金が穴があく、結局それだけに相当するものは組合員に給付ができないということになるわけであります。併し七百九十二万円は、只今から見れば價値のないといつてもよろしいような外國債でありまするので、それだけ國損を來しており、國民に迷惑をかけるということになるのでありますが、それならばこれを買戻すためにどうしたらよろしいか、今のままで買戻せば、今申しましたように組合員が迷惑するということになります。組合員に迷惑をかけないようにするとなればこの間も第一復員局の方から御説明がありましたが、共済組合の病院を千六百万円かで政府の方へ賣つたのがございますのですが、これは帳簿價額で賣つておりますから、幾らかこれを時價に引直すというと、相当大きな金になるのでありますが、これをまあ時價に引直さなくても八百万円程度高く政府の方で買つて頂くということになれば、共済組合が財源ができまして、その財源で買戻すことができるのでありますが、その財源はどうしたらよろしいかと言えば、大藏当局はこの國会に八百万円の予算を要求して、國会の御承認を得て初めてそれを共済組合の方に購買代金の追加支拂として支拂うわけになるのでありますが、そういたしますと、八百万円はやはり國民の膏血による予算措置になるのでありまして、國民がやはりその点でも迷惑をするということになるのでありまして、結局このままにいたしまして國民の迷惑はこのままでかかるのでありますが、それならば迷惑のかからないと申しますか、安く買つたものを高く買戻してやる、追加支拂いしてやるという面で見ましても、これは当然の痛手でありますけれども、國民にやはり新たなる痛手を負わす、そうしてその痛手によつて買戻すということになるのでありまして、かれこれ考えまするというと、やはりこの有價証券の移轉が面倒であるということを考えますると、一應このままにしていくということの方が却つて事態の收拾策としては宜しいのではないかというふうに会計檢査院では考えた次第でありまして、何とぞ御了承を願いたいと思います。
#4
○小川友三君 世の中に腐つても「たい」であるという言葉がありますが、後世の歴史家が日本の軍部はあつた当時誠によかつた、実に往生際がよく、飛ぶ鳥も跡を濁さずすばらしいものであつたと言われたいのであります。ところがこの根本問題に関聯して軍部を批判したときに、ポツダム宣言受諾によつて日本の國内の資産も評價することができ得ない状態に八月十五日からなつた。軍部でもそれを無論知つておるのは当然でありまして、ところが終戰の昭和二十年の八月二十一日に日本の対外資産であるところの、北支開発債券外數十の公債社債等を合計して金額七百九十二万八千六百十六円という厖大なるものを、大藏省の一金融局長に陸軍共済組合の名において迫りまして、相当無理な交渉をしたように報告をせられて、その金を取り、実に見苦しい敗戰のさ中に、而も軍部がそうした行動を取りまして、これを解決しなかつた場合は、世界の國々に向つて、日本の軍隊は世界一の陸海軍を誇つたけれども、さて負けて見たときには、その六日目の態たらくとして只同様になつた融債公債等を振り廻して、大藏省の金融局長の式村義雄君を膝詰談判的行動によつて、そうして七百九十二万八千六百十六円という金を取つてしまつたということは、これを返さない限り、永久に日本の軍部歴史の一大汚点として残るのであります。それは軍人精神のために散つた幾百万の明治以來の軍人に対しまして、本委員は何と申訳を言うてよいかわからない程の実はこの行動に対しまして残念さを感ずるものでありまして、そのためばかりでなく、日本の國民に與えた軍部の軍事行動によるところの何千億という損失、何百万という青年將兵並びにか弱き罪なき老幼男女までが戰死傷をしておるというその跡始末に、師表たるべき軍人がこうした慘憺たるところの行動を取りまして、今にそれを支拂うということができないと、空嘯いておるというような状態に至りましては、本委員は断乎として承知できないのであります。今日まで実は引き延ばして参つておりまして善処せられたいことを待機しておつたのでありますが、その解決がないという事情を知りまして、本委員は本日東京地方檢察廳に、大藏省前金融局長であつた式村義雄君並びに陸軍共済組合の当事者に対しまして告発を提示する決意を固めておる者であります。只今も会計檢査院の事務総長さんの御答弁がありましたが、帳簿價格によつて、病院を買入れた價格によつてこれを訂正するという帳簿上の事実は、成る程お説の通りでありまするが、七百九十二万八千六百十六円という金は返つて來ないのであります。この金を返さすのは本委員の主張する所であります。なぜならば、只同様になつたるところの対外資産であるところの公債、社債を軍部が強硬に交渉すれば七百九十万という金を返すが、強硬に交渉をしなかつたところに、日本の数十万人の國民がこれら対外資産を数十億万円抱きかかえて持つておるのであります。その中には勿論海外引揚同胞の家族もおります。戰災者も沢山おるのであります。その金額は数十億円に上つて、おるのは事実でありまして、その金をその公債並びに社債に対しまして政府当局が陸軍共済組合と同樣に支拂つておるのならば、まだ軍部が悪いことをした、飛び鳥が跡を濁した、日本の軍部がひどいことを終戰のどさくさにやつたという汚点が少くなるのでありますが、ただ一つ日本の軍部のみが関係しておる陸軍共済組合が、時のその組合の幹部であつた陸軍次官並びに軍務局長、そうした大きな肩書を以ちまして、金をせしめてしまつたような行動を取つたことに対しましては、断乎として國民を代表する議員として本事件は承服でき得ないのであります。先日も笹森國務大臣に、陸軍共済組合は復員廳の方にお引継ぎになつた事実があるかどうかということを聽きましたが、それは知らないという話でありまして、尻切れとんぼになつておりまして、私の質問は少し止まつておつたのでありまするが、今日の第一分科委員会に当りまして、自分の所信を披瀝しまして、大藏当局並びに会計檢査院御当局並びに陸軍共済組合を引継がれておりまする現在の厚生大臣管下の第一復員局のお方に、もしか答弁がありましたならば拜聽いたしまして、告訴の材料ばかりでなく、國民に解決するところの本当の眞心を披瀝して頂きたい。かように最後に信ずる者であります。
#5
○政府委員(遠藤武勝君) 只今小川さんからお話しになりましたことについて一言申上げて置きます。この前私が申上げましたことからの誤解ではないかと思いますが、当時陸軍省の共済組合の関係者が、大藏省の主務局長を非常に強要をして金を取つて行つたというふうな言い方を只今のお話でされましたけれども、当時私は直接その仕事をしたわけではございませんので、実際のことを私が身を以て知つておつたというのではありませんけれども、何だか軍の威力を用いて強要したといつたふうな事実は少しもなかつたと思います。又そういうことは、当時の当局者も言つてはおりません。これは当時の事情をよく大藏省の主務局長にお話ししましてお願いをしまして、一般の情勢から見て、又一應法律的な見地に立つても、大藏省で多分研究された結果だと思いますが、当時の情勢から見て必要だと思われて取られた処置だと思うのであります。何だかそこで強引に仕事をしたといつたふうな氣分はなかつたと思います。ただ当時の情勢を見られて、止むを得ん処置だとして取られた処置だと思います。尚あと返すか返さんかという問題につきましては、先程檢査院の事務総長からお話がございましたことで大体お分りだと思いますが、一應私共としましては、政府に賣りました千六百万円余の病院の價格というものが、全く建設した帳簿價格で賣りましたので、時價で考えれば、まだ相当な値を出して貰つても差支えないではないかというので、この問題を中心にしまして、処理する方法として、案として大藏省に提議しておつたのでありまするけれども、只今檢査院の方からお話になりましたような事情もございますので、その処置はちよつと取りにくいような状況でございます。ただ取りましても、金を一般会計から出して、預金部の方に廻すというだけの仕事でございますので、ただこの問題を中心に考えますれば、実際は千六百万円以上、更に八百万円ばかりのものを加えただけの價値ある品物を、政府に千六百万円で賣つたのでございますから、その意味で、國庫、國の財産というものに対して、共済組合がそれだけの物を安く賣つたというふうに考えて頂きますれば、この問題はそういう意味において御了承願えるのではないかといふふうな氣もするのであります。そう考えまして、この金の形において事務的な処理をするということはちよつとできんような次第でございますけれども、そういうふうにお考え願えれば結構だと、こういうふうに思う次第であります。
#6
○小川友三君 先程の、陸軍の共済組合が相当無理を言つたということは、前囘の委員会で、政府委員の方から、非常に無理を言つて買つて貰つたという速記録に基ずきまして本員は申上げたのであります。それから関係方面によつて、この海外の公債並びに社債というものが賣買の制限を受けておりますのは、昭和二十年の八月十五日に遡つておることと思つておりますが、それについてちよつとお伺いしたいと思います。
#7
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 只今の御質問でございますが、この当時はその制限はまだございませんのでありまして、その後二十年の年末頃にこの制限が付いたと記憶しております。この当時になかつたということだけは記憶しております。
#8
○山崎恒君 この議題となつておりまする還金の問題でありまするが、小川委員から縷々その虚を衝かれておるのでありまするが、正当な理論から参りますれば、小川さんの御意見も誠に一理ある御意見と思うのでありまするが、何にいたしましても、当時を想起いたしますれば、御案内のように、敗戰の直後でありまして、殊にこの共済制度そのものが、軍部のお互いのいわゆる俸給の何分の一かを積み合つて、名前のごとく共済し合うところの團体の金で、長い間軍がこうした施設を共済的にやつて積立てた、いわば零細な金を積んでおつたものと断定するのであります。さような関係からいたしまして、特に外地方面のいわば國策会社に類するところの社債は、ひとりこうした事例のみならず、國内のいずれの團体をみましても、いずれの大きな会社を見ましても、相当大きな数字を、國内の会社、或いは國家、或いは團体が持つておるようなわけでありまして、小さい例を申上げますれば、私共千葉縣におきましても、すでに農民の零細な金を集めた貯金でありまするが、私は縣農業会長の立場から、五千万円のやはりこうした額面を持つております。併しながらこれは、國を賭しての戰爭でありましたので、いずれも國策会社であります関係上、我々喜んでこうしたものに投資をしておつたのでございまするが、敗戰直後におきましても、國策会社であるだけに、私共は國が当然補償でき得るものというような断定を持つておつたのでございます。然るに終戰後におきますところの占領政策は、徐々に経済界に及ぼしまして、現在のごとき苦しい立場になつておるのでございまするが、定めしこの事件発生当時におきましても、勿論この弁明書にありまするように、國策会社でありまするが故に、当然國そのものが何とかしてくれるだろうというような、何とかできるだろうというような考えが当事者間ではあつたろうと思うのであります。又傳統あるところの軍が解散するに際しましても、長い間の歴史あるところの共済組合の零細な、殊に給料の何千分の一が、何百分の一かを積立てた金でありまするが故に、とにかくこれを返してやりたいというのが、当時の統帥者の氣持であつたろうと思うのであります。かようなことを想起いたしますれば、とにかくすべては、敗戰の今日でありますので、これが見通しあるところの処理ではなかつたろうと思いまするが、当然かような処置に出ることが、私共は当時の事情からいたしまして、止むを得ない処置であつたろうと、かように存ずるのであります。小川委員が衝かれる点も御尤もでありまするが、とにかくあれだけの戰爭をし、あれだけの終戰当時のどさくさに紛れて、これくらいの事件は、私共は本当の一小部分の事件だというようなことに考えられるのであります。さような意味からいたしまして私はこの事参件に対しましては、とにかく預金部から支出してありますものに対しては國が当然損失をすればいいのでありまして、國の損失いわゆる國民の損失でありますので、ひとり軍部云々というようなことを敢えて追究しましても軍はすでに解散し、殊に現在の軍そのものものの当事者は非常に慘めな生活に終つておることは社会周知の事実でありまして、殊にこの幹部級の軍の要路にありました方々の現状を考察いたしまするというと、私は涙を以て接するような事情が多いのであります。國民といたしましてもかような現実を考えましても、この問題に対しましては私は無條件に承認いたしたいとかように存じておるのであります。小川さんの御意見も一理ありまするが、小川さんも成る程國民としてこれは当然責めたいというような御意見もありましようが、とにかく平和の時代のこうした事件でありませんで、未曾有の敗戰の直後に面したところの、どさくさに面したところの事件でありまするが故に、これは大海に石を投げて波紋を描いた一つの小さな問題と私共は取上げて、この問題を解決いたしたいと、かように思うのであります。
#9
○深川タマヱ君 よく委員会が衝突いたしますので大変心苦しい思いをいたしながら欠席になつて御無礼いたしておりますが、從つて質問が大変遅れまして妙な形になるかと存じますが、大分以前に檢査院の方からの御報告を承りましたところを、感想を交えましてちよつとお尋ねいたします。未曾有の空襲下にありまして、或る意味におきましては本土が第一線の戰場と化して、而も敗戰色濃いときの会計でございますので、予測以上の混乱が生じておることを想像いたして、後からその会計を審査なさいます檢査院の方々の御労苦は並大抵でないと存じますので、むしろお犒い申上げたいくらいでございますが、とかく混乱に乘じまして不正が行われやすいことは世の常でございますので、すでにその点については十分認識になつておいでになりますのでこれ以上私達が何事も申上げる必要はないと存じます。日本の会計檢査院は世界的に非常に信用のおけるものだそうに承つておりますので、この後どうぞ初志を貫徹されまして、最後まで不正の介在の余地のないように後始末をつけて貰いたいということを申し添えて……。
 それから次にこの会計檢査院の方が何囘も地方の出先の官廳に督促なさつたけれども、なかなか返答がなくこの委員会に報告するのに間に合わなかつたというふうなことをちよつと承りましたけれども、極く少数の部分であるとは存じますけれども、それに対しては少々遺憾の氣持を持つております。勿論檢査院の方に遺憾の意を持つてるのではございません。出先の官廳の方が、当然に不可能なことなれば不可能な事情を具申して答申しなければならない筈ですけれども、いつまでもだらだらと延しておるというようなことは、日本の官吏の態度として決して承認できないものだと存じますので、或る程度以上誠意の認むべきものがないと思うならば、申上げるまでもなく檢査院の方々の方で採るべき御態度があるだろうと存じますので、私はただ遺憾に存じたということだけ申上げて……。
 それから第三番目に未解決に終つておる事件の大部分が農林省関係のものであると承つておりますが、農林省関係のどういうものがそういうふうに複雑な内容を持つておるのか、これはむしろ私が將來の参考にいたしますために、ただ項目だけでもお挙げ願えれば結構だと存じております。
 その次に農林省関係のもので薪と炭、或いはそういう余剩を生じておつて、而もそれを現物であるが故に繰越しの方に入れなかつたのである。こういうふうに伺つておりますが、財政とか、会計檢査とかいうものの慣例はどういうふうになつておるか存じませんけれども、私共の常識では仮令現物であつても、余つたものは余つたものであつて、翌年にそれを買入れるだけのものが減るのでありますから、当然これは適当な價格に見積つて、繰入に入れるべきであつて、但しそれが現物であるということを明瞭にしておくのがよいか知らんと感じたことと、それから同時に只今家庭では燃料が非常に拂底いたしまして主婦たちが困つておるのに、薪炭が余剰を生じておるということを承りまして、恐らくこれは輸送関係その他の故障であつて、檢査院の方々の手落では勿論ないのであつて、商工省とか、その他の官廳の管轄範囲であると存じますけれども、兎角決算は將來の予算の参考にいたすべきことであると存じますので、檢査院の方方から余つた薪炭があるようであつたならば、將來それを残りなく適当に配給して貰うように、督促をお願いできれば結構だと存じております。それから最後に予算で相当余つておるのがあるように承つております。財政は收支均衡のとれるのが理想だと存じておりますけれどもとかく途中で足りないことが起りますと困りますので、予算を編成しますときに、どうしても常識として相当余裕を持つのが人情だろうと思います。從つて現実に予算を履行したならば当然相当に余剩が生ずる筈のものでありますけれども、とかく余剩を生じない。余りそうなときは無用な視察旅行などを行なつて余さないということを聞いておりますのにたまたま相当余つておる部面があるように承りましたことは、私非常に嬉しいことだと存じております。これは当然使うべきものを使わずして余しておるのであつたらいけませんけれども、最少の経費を以て最大の効果を現わそうとする経済主義に則つて、官吏の方が非常に苦心してなさつておる実績が現われておるといたしますならば、只今丁度國家公務員法も通過いたしておりますので、官吏の人はその勤務の実績が、地位が向上しますときの非常に参考になりますことを聞いておりますので、会計檢査院の方々は、そういう官吏があるといたしますれば、人事院の方にでも報告なさつて、その官吏に昇進の途をお開きになるということが、將來に於て取扱い官吏の指導にもなつて結構だと思つております。以上申述べまして……。
#10
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 只今深川先生から御質問なり、御督励の言葉を頂きましたので、一言お答え申上げたいと存じます。初め非常に御督励の言葉を頂きまして、私共甚だ今まで努力の足らなかつたことを顧みながら、將來大いに献身的努力をいたしたいと存じておる次第でございまして、今日も帰りましたらその趣旨のことは、十分当局の者に傳えて置きたいと思う次第でございます。
 御質問の第一点でありましたが、答弁未済と云いますか、会計檢査院で質問なり、照会をいたしましてもなかなか囘答が來ないので、けりが付かないといつたものが相当あるということを申上げて置いたのでありまするが、会計檢査院から出しました檢査報告書を御覧願いますと、昭和十六年度以降、五十八頁以降にずつと掲げてございますが、主として税の関係、即ち税務署の関係で、昭和十六、十七、十八、十九年度というふうに相当未確定の数があるのでございます。それは催促は再再いたしておるのでございますが、囘答が参りませんので未確定になつておりまするが、ただどうしてこんなに遅いのだろうというので、場合に依りますると督促状だけでなしに、実地について会計檢査院の檢査官に調べさしておるのでございますが、いろいろと込み入りました税のことで、調査から更に疑問を生じて再調査する。更に又調査するというようなことがございまして、囘答を得ていないものが相当部分に上ぼるのでありまして、その点は非常に困つたこととは思いながら会計檢査院として了承いたしておりますが、お言葉にありましたように、怠つて囘答していないというような面がございますると、今度は会計檢査法が改正になりまして、そういうものに対しては場合によりますと、本属長官に対して注意を促し、場合によれば懲戒処分を要求するということもできるようにたしかなつておるのでありまして、そのためには会計檢査院にも檢定課というのを置きまして、その面を証明なり、或いは囘答のそういうのが実際どういう面で遅いのかということを実際面を調べさしておるような実情でありまして、場合によりますと、そういつたような非常的措置を檢査院は講ずる使命があるようなことがあるかと思うのでありますが、只今のところはそういうことはないのでありまして、それぞれ事情があるようでございます。尚檢査が確定しない、未確定という文字で現わしておりますが、二十年度で申しますと、未確定の金額が歳入で一億八千万円、歳出で三億六千万円ばかりあるのでありますが、歳入の方は農林省の方に関係は余りないようであります。歳出の三億六千万円の中の非常に大きな部分が農林省が占めておるのでありまして、その中まあ二億五千万円ばかりが農林省の関係であるのであります。これは檢査報告の五十四頁を御覧願いますと、ここに科目が掲げてあるのでありまして、科目で申上げますると農林省所管の一般費の第八項に農産物の増産補助というのがあるのでありますが、これは千九百万円ばかりでございます。これは農業振興会に対する補助でございまして、これだけの補助をおやりにならないでも宜いじやないかというような意味で照会をいたしまして、囘答が決算確定する時期までには参つていないので、未確定ということに整理いたしておるのであります。たしか只今も來ておらんかと思うのでありますが、それからその次は農産物の産業振興費というのがございまして、九十万円ばかり、これは小さいのでありますが、第十一項に臨時諸補助金というのがございまして、食糧管理局関係でございますが、これは六千九百万円ばかり、これは大体一部分帳面記載があるのでありますが、殆ど全部は質問に対する囘答未済ということで未確定ということになつておるのであります。更に食糧増産対策諸費、これもこの中の補助なのでありますが、大体緊急開拓施設補助というものが主としておるのでありますが、これは農林省外四十七ヶ所に亙つていろいろ出ておりますが、それらはどうも会計檢査院の方は、これはまだ決定いたしておりませんが、質問の要旨から申しますと、本年度支出しないでも宜かつたのではないかというような補助でございまして、それに対する囘答がありませんので、未確定になつておるようなわけでございます。
 尚薪炭の点でございまするが、これ又その面は只今調査いたしているのでありまするが、物品の保管、拂出しというような面で檢査をいたしまして、お言葉に副うように権限の範囲でそういうふうになるべくいたしたいと存じております。尚予算が大分残つている。これは大分残つているようでありますが、予算の使用と申しますか、支出につきましては、最少の経費、最大の効果という面で、会計檢査院も檢査をいたしまするし、各実行廳、支出当局もそういうお心持で支出をしておられるようでありまして、敗戰後の敗戰という事実に鑑みられまして、相当締めて支出をしておられるようでありまして、この点会計檢査院としても、檢査上非常に喜んでいる次第でありまして、そういつたような面を一つ一つ取上げまして、褒めるべきものは褒めて行くというようなお話でございましたが、それも規定上はございませんが、当然そういうように出るべきでありまして、從來の会計檢査院におきましても、檢査報告には掲げてございませんが、大変結構な支出である、大変結構な帳尻であるというようなことで、各廳に臨みましては、そこで講評的な意味におきまして称讃を惜しんでおらんわけでありまして、今後ともその点は励行いたしたいと存ずる次第であります。御質問の点で或いは拔けたところがございましたら、又御説明さして頂くということにいたしまして、以上を以ちまして私の御説明は終ります。
#11
○中川幸平君 國費多端の折からでありまするが、各官廳の入用は予算に計上されることは尤もであります。併し予算がありましても節約できるところは飽くまでも節約して頂かねばならんのであります。最近さような事例は少いかも知れませんが、從來年度末になりますと、各官廳が非常に出張が多い。聞いて見まする旅費が相当余つているから総花的に視察旅行せられた。旅費を使つてしまわなければ來年度の予算がとりにくいという話を聞いたのであります。又人はどうでも我慢ができるが、人件費があるからというので人を入れるというような事例も聞いているのです。又事業の繰延になつているが、手続上或いは奨励の意味において、事業が進んだかの如く装うて、補助或いは旅費を渡したというような点も聞いているのであります。これらにつきましては、どうか節約できるものは少しでも節約して貰うというように各官廳が心掛けて貫いたい。同時に檢査院におかれましでもこの線に沿うて指導なり檢査を厳重にやつて頂くということが、國家的に非常に大きな事柄であると考えるのであります。而して本委員会に付託されている昭和二十年度の決算につきまして、先程深川委員から申された如く、この年がらは空襲の激甚な年がらでありまして、相当重要な書類が燒失されているのであります。又終戰直後重要なる書類は燒き捨てた方がよかろうというデマも飛んだので火事泥的な行爲も一二はあつたかも知れませんが、さような年がらにおいて、会計檢査院におかれましては、直接の証拠書類のないものは間接の証拠から調べ上げて、苦心に苦心を重ねてこの檢査報告をなされた。決して満足はしておらんが次年度からは嚴重に檢査をして、特に本委員会と連繋を保つて檢査院の使命達成に十分邁進するという話を私共は承つたのであります。檢査院の決して満足をしておらんがといわれる点につきましては尤もであるという感じをいたしたのであります。この昭和二十年度の決算につきましてはまだまだ質疑もありましようが、さような点をいろいろ考えて見まするとき、これ以上質疑を繰返すことは、一面死んだ子の歳を数えるような氣持もいたしまするので、この程度で質疑を打切つたらどうかという動議を提出いたしたいと思うのであります。幸いに御同意がありまするならば、動議が成立いたしましたならば暫く休憩をいたしまして懇談をいたして、後の議事の進行を図つたら如何かと存ずる次第であります。
#12
○山崎恒君 只今の動議に賛成です。
#13
○主査(西山龜七君) 今中川君の動議に対しまして賛成のようでありますから、質疑はこの程度にいたしまして、速記を止めまして懇談会に移りたいと思います。
   午前十一時五十二分懇談会に移る
   ―――――・―――――
   午前零時八分懇談会を終る
#14
○主査(西山龜七君) それでは懇談会を終ります。これで仮決議を終りました。この仮決議を正副主査打合会で審議することにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時九分散会
 出席者は左の通り。
   主査      西山 龜七君
   委員
           小川 友三君
           中川 幸平君
           深川タマヱ君
           下條 康麿君
           山崎  恒君
  政府委員
   大藏事務官
   (会計課長)  北島 武雄君
   農林事務官
   (会計課長)  清井  正君
   第一復員局経理
   部長      遠藤 武勝君
  ―――――――――――――
   会計檢査院事務
   総長      東谷傳次郎君
ソース: 国立国会図書館
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