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1947/10/01 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会酒類配給公団法案に関する小委員会 第2号
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1947/10/01 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会酒類配給公団法案に関する小委員会 第2号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会酒類配給公団法案に関する小委員会 第2号
  付託事件
○酒類配給公團法案
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月一日(水曜日)
   午前十時三十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○酒類配給公團法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(波多野鼎君) これから酒類配給公團法案に関する小委員会を開きます。この酒類配給公團法案の運命と言いますか。これは他の公團法案の運命を左右する程の意公を持つていると思いますので、從來からも非常に愼重に審議して參つてのでありますが、あまり長くかかるのも如何かと思いますので、ゐきるだけ早く、まあ結論に到達すればと思つておるのであります。
 今日は政府委員も出席しておりますので、尚從來から残つておりました疑点などについての御質問なども続行いたしたいと思いますが、その前にこの休会に入る前の、義團法案に関する情勢と今日の情勢とが多少違つておるような印象を我々は受けておるわけなんでありますが、それについて先日三つの委員会の合同の墾予会を開いて、政府当局の意向を承りまして、その結果又委員の方々も何らかの印象をお受けになつたことと思いますのでそういう点をここに率直に反省しながらこの問題を取扱いたいと、こう思つているのであります。如何でしようか。いろいろこの間の連合墾談会の場合に、政府からの説明で問題がはつきりしたところもあり、むしろもやもやしたところもあつたのでありますが、こういうような御意見が大分あるように思いますので、それから一つ話合い願つたらどうかと思います。つまり公團法案を大体修正して通して行こう。修正の内容は別ですが、修正して通して行こうという御意見と、そう修正してまで通さないでも、一應返上したらどうかという御意見があるようでありますが、これらの点につきまして、皆さんの御意見をそれぞれ伺いまして、修正なら修正と、どういうふうに修正するかということに運んで行きたいと、こう思つております。
#3
○森下政一君 委員会の墾談会の席上で、私の率直な法案に対する感じを被瀝さして貰つたことがあるのでありますが、委員会でこの統制をむしろ廃したらいいのじやないかという御議論もありましたけれども、今日の段階においては、私はやはり統制の必要があるのじやないかと、こう考えているわけであります。かたがた片山内閣が成立しましてから、流通秩序の確立ということを標榜して、大きな一つの項目として採り上げているというふうなことがありましたので、実は私は公團方式による物の配給というものが、いろいろの面に具現されるということは、いわゆる流通秩序の確立ということを具体化する政府の一つの政策なんだというふうに眞つ正直にとつておりましたので、これに大変に私は実は期待をかけておつたわけなのであります。ところが段々政府委員から説明を承わり、委員会の各位の御質疑に対する御答弁などを伺つておる間に、非常に私はこの法案に対する期待が裏切られた。言換えると政府が新しく標榜して世間に大声叱呼しておる、流通秩序の確立ということの一つの方策としての公團法式でなくして、独占禁止法に現在の統制機関がかかるというので、よんどころなくこれに一つの公團という衣を被せて、実体はちつとも現在の統制機関と変らんというふうな極めて便宜的なものになつて、公團という方式に変わることによつて、從來より一層適正な配給が行われるとか、或いはより一層國民大衆に安心さすような民主的な機構による配給が行われるのだというふうな面というものはちつとも現われていない。單に現在の統制機関が公團という衣を着るに過ぎないというふうな感じを受けまして、これは私は非常な失望を感じたわけなのであります。
 そこでこれし若しも委員会がこの法案を採上げるとするならば、なんとかもつと民主的な、民主化されたものにこれを修正して行かなけりやならん。もう第一義的にそれをやつて、そうして國民の期待に副うような統制機関たらしめるということが、配給機関たらしめるということが非常に必要だと思う。それでなくしては私はこの公團法というものは委員会としては通すことができんものではないかという意味で、大巾な修正を必要と考えたわけであります。殊にどなたもがお氣附きになつていることと思いますが、むしろ原案は民主化に反した官僚統制の匂いが非常に濃厚であると同時に、又配給制度のとられた場合においては、総て安本長官が最後の責任を負う責任者であるというふうな建前かららしいのですが、安本長官と主務大臣との権限が非常に錯綜しておる。一言では容易に了解することができないというような複雜な面が、法文の上に随所に見受けられるというふうな点も、更にこれをなんとか簡素化する必要があるのじやないかということを痛切に感ずる。或いは役員の選定につきましても、一方に官僚的にやられるというふうなことも、國民が決して滿足するものじやないという感じを今日まで受けておるのであります。ところが先程波多野さんからもお話がありましたが、段々この公團方式に対する政府自体の考え方が動搖しておるというふうな噂があり、又そうであるかというようなことにも聞きます。或いは新聞紙上で見ますると、総てのものに亘つての民主的な公團方法を確立して、流通秩序の確立ということを標榜した政策を具体化するのかと思うと、どうもそうでないらしい。ここで若し今日まで提案しておるものだけを政府が面目上引込める氣はないなんというふうなことなら、私は政府が單に面目にとらわれて、そんな頑強な態度をしている必要がないのであつて、むしろ修正までもする必要はない。ほかの方式による、或いは現在の統制機関でもいい。例えば切附制度の如きものによつて、より民主化した統制ができるなら、敢て新しい法案を作る必要もない。そういうふうな方向に進むなら、そういう意味から言つたら遠慮してしまつてもいいとまで考えている。そこで先程波多野さんの仰しやつたように、この間の連合委員会で或いは墾談会で政府からの説明をお聽きになつた皆さんが、修正する方がいいと思われるか、返上した方がいいと思われるのか、それが一番先決問題である。こういうふうに考えるのであります。私所用がありまして前囘の墾談会に出ておりませんでしたので、政府の説明を聽き漏らしておるのでありますが、若し修正すべきものだということに皆さんの御意伺が纒つたら、只今申しますような点のところに、私といたしましては修正をして貰いたい。從つて可なり大幅な修正をして頂いて、この酒類配給公團法というものが、他の公團方式の一つの先例を作つて行きたい。この線に沿うことによつて皆が民主化されて行くというようなことにはからつて頂きたいのであります。こう思うのであります。但し皆さんの受けていられる政府委員からの印象によつて、政府自体の態度がぐらついておるならば、むしろ返上した方がいいのではないか。それは私は敢て反対はいたしません。一言にして言いますと、この法案に私がありま眞正直に、非常なる期待をもつておつただけに、実は大変浪望を感じておる。況や政府がぐらついたなんていうことでは、段々失望の度が甚だしくなつて行くというような心境であります。
#4
○委員長(波多野鼎君) 委員外の一松さんの発言要求がありますが、お許しして宜しうございますか。
#5
○委員長(波多野鼎君) どうぞ
#6
○委員外議員(一松政二君) ちよつと繋ぎに私が申上げようかと思うのですが、私はです。今申されました通り政府が次々に公團法を出して行くように言つておつたし、又そうであることと思つておる。非常に公團方式を重要視し、これが非常なる官僚統制に堕するということを考えて、大幅の修正を加えなければならんと、こう考えて皆さんも御同樣だろうと思いますが、さように考えておる次第でありますが、ただ、今出ておるものは僅かに四つの公團方式である。これから政府が出そうとしておるものは、恐らく何十とあつたんだろうと思います。それでこれをわざわざ今出ておるから、これを大修正をしても政府は通したいのであるが、この間の長官の話によりますと安本と主務大臣の交錯しておることは修正しても宜しいし、そかれら運営委員会を設けることは異議がないが、他の点について讓られんかの如き発言がありまして、私はそれに対して甚だあきたらない感じがいたしましたので、それに対して私の意見をも申上げて置きましたのでありまするが、私はむしろこの際は他の方法によつて、公團……これを大修正を加えてやるよりも、今の切符制度によつて、統制を全面的に解くということは、私も今直ぐに申上げませんけれども、他の切符制度によつて若し行なえないというならば、それは行なえるように我々が考えてやるか、政府が考えられるかの方が、むしろ民主化したものではないかと考えて、私は切符制度によつてこれを運用し得るように考えられないのかどうか、その点について、若し考えられないとすればどの点がいけないのか。どうすればそれが行えるようになるのか。殊にこの公團方式のように統制を今まで主張しておられるところに、運賃のプールというものが、非常に沢山な要素があるように聞いておるのでありますが、私は何百円とする酒にもつて行つて、一升に何円運賃の開きがあるのか知れませんが、これをプールするということは、私は殆ど無意味だと思うのです。一升二百円か、何円に今度なるか存じませんが、百五十円と仮に仮定して、それが百五十三円になるか。百五十五円になるのか。或いは百五十円で配給されるのか。場所の違いによつて受ける運賃の差なんというものを、私は國民として配給さえ……切符を持つておれば必ず配給がある。而も少し遠いので手間が掛つたなら、それで多少高くなつたというようなことにつきましては、私は國民としては、これは殆ど大した問題にする人はなかろうと思う。運賃のプールという問題もこれで大部分のものは、これはプールしようと思えば丸通その他運送機関は交互計算でやつておるから、先生などは慣れておるのでありますから、或程度運賃について特別な機関を設けなくてもできるのではないか。プール計算をするとしても、他に方法がある。況やこのプール計算をしても、山奧も同じであるし、生産者の隣であつても同じ値段の配給で飲まれるということに対して、國民は私はさ程の関心を持つていないと思うのであります。私共はむしろ公團方式によらずして、他の切符制度を、それの欠陷があれば欠陷を補正して、そうして運営のできるようにして、若し資金の囘收その他の問題がありますれば、大体九割が税金であるということでありますから、資金にしては個々別々と雖も、これはむしろメーカーに対して政府機関なり、或いは商業機関を通じて、政府がむしろ資金を斡旋してやるのが当然だと思うのでありますが、その中の九割はみずから收入する税金ということでありますから、資金の面においては、別段公團にしなければならんという必要は私はないと思うのであります。で、私はどちらかと申しますれば、大幅の修正を加えるよりも、他の方法によつて貰いたい。而も今後政府はあらゆる商品について、そういうことを考えなければならん立場におるし、又そういうことを言明されておるのでありますから、この酒類の配給につきましても、そういう方法にお考え直しを願いたい。かように私は考える者であります。甚だ先に申上げまして失礼でありますけれども……。
#7
○田口政五郎君 森下さん一松さんの御意見を伺いましたが、先ず私は第一に本案を返上いたしました場合には、どういう影響といいますか。お考えになりますか。その点に対する御意見を伺いたい。
#8
○政府委員(前尾繁三郎君) 返上されるということはあまり予定していないのでありますが、返上されましたとすれば、結局現在の統制会社は閉鎖機関になつてしまうと思うのであります。そうするとその時には非常な混乱で、結局全部自由販賣にするならば別でありますが、産業用の配給に流す。或いは農村供出用ということになれば、到底責任を以て配給することはできないと思いますし、又生産者側から申しましても、現在まあ、先程資金のお話がありましたけれども、仮令切符制でやりましても、現在の小賣業者、或いは卸賣業者に、現在の價格のような酒を先ず現金で買う場合でありますというと、東京都の家庭配給一囘に一億近い金が要ると思うのであります。そういう資金の調達は恐らく不可能でありましようし、輸送機関その他の関係がありますから、各生産者からちやんとそこまで持つて來ておいて、そうして一齊に配給するというようなことは、到底不可能だと私は考えるのであります。それから運賃の問題にいたしまても、何しろ消費地と生産地が非常に違つておりまして、東京都におきましては、やはり関西の酒を持つて行かなければならんという関係から考えましても、價格のプールということは、非常に大きな問題だと思うのであります。で、現在酒の配給は御承知のように家庭用の配給、或いは産業用の配給、まあ自由販賣にいたしましても、相当財政上の必要性というようなことからして、辛うじて酒が認められておるわけであります。酒の禁止というようなことも、一應は考えたり、或いは場合によつては原料を半分にするとか、そういうようなことさえ考えておる際におきまして、そういうような配給上の混乱が起るということになれば、酒自体をまあ失つてしまうというような危險性が非常に多いのであります。まあその点で、どうしても一手買取の統制機関が官であるか。民であるか。それはいずれにしましても、どうしても必要であるというのが從來の我々の考えであります。それが独占禁止法でどうしても民営ではいかないということになれば、勢い公團方式というものの外に方法が全然ない。我々といたしましては、修正意見については、我々は実際申しますと、大体皆さんのお仰つしやつておるような点を大いに今まで、当初やり合つたわけでありますが、結局においてまあ聽き入れられなかつた。でまあ私の方は公團方式、全体の問題については、特に直接、まあ何と申しますか、関係がないわけで、私の方は一手買取り機関を許して貰えば、それ以上のことはまあ結局公團全体の問題として、多少いろいろな幣がありましても、私は結構だ。いろいろな修正が、若し関係方面との関係でうまく話がつけば、それで大変結構だと私は考えておるのでありますが、若しこの現在の法案がいかんというので、返上されるということになりますと、結局今言つたように一手買取り、一手販賣の機関が全然なくなるということは、私は由々しき大事で、他の公團法は何とありましようとも、何か一手買取り、一手販賣の機関だけ、どうしてもまつて貰わねばならん。それは何等かの案で、或いは公團方式が惡ければ、他の方式なり、何なりを考え出すよりは仕方がないというふうに考えておるのであります。
#9
○山田佐一君 今の御当局の仰つしやる報奬用の酒、特配用の酒、これだけは当局で特に持つておいでになつて、当局から配給なさるのでありまして、一般民需用というものはクーポンにして行つたらいけませんか。
#10
○政府委員(前尾繁三郎君) 結局專賣でございますか……、專賣でないのでございますが、國が賣買をやるということですね……。
#11
○山田佐一君 大藏省で大体現在倉出しなんかを監督しておりますので、あなた方で欲しいのは一般の特配用と報奬物資に出すものは一年に幾らということは、大体見当がつくわけでありますね。造石高を作る時に一般民需用が何万石であり、特配用と報奬物資用として出す酒はどのくらいということはできるわけでありますから、それだけの石数というものは、政府で別にしておいて、そうして一般民需用というものだけはクーポン式によつてやつて行つたら宜いだろうと思いますが。
#12
○政府委員(前尾繁三郎君) それにしても輸送難、酒のことでありますから、これはまあ、まるで非常に生き物と申しますか、いろいろな関係があります。腐敗の心配とか、いろいろな点がありますから、これは相当な專門家で、相当な人数でやる者がなければやはりいかんというわけであります。
#13
○山田佐一君 今のマージンでそのくらいのものはやれませんか。業者に……。
#14
○政府委員(前尾繁三郎君) 結局それが公團みたようなことになるわけであります。
#15
○山田佐一君 公團ということになり、結局官吏でなくちやいかん。何でなくちやいかんということになるわけでありますから、それでなしに、民間で行けば結局私らの方で見ると、思想の根本に行きましても少し違うところがある。資本の利潤も取らなければならんということになりますと別ですけれども……。
#16
○政府委員(前尾繁三郎君) 今のような日酒販だとか、そういうものがありまして、それが一手買取り、一手販賣でなしに、或一部だけ別個に拔けば、この際日酒販がそのまま存続されるかという問題です。
#17
○山田佐一君 これは任意販賣とか、任意買取りとか、独占禁止法にかからんようにして……。
#18
○政府委員(前尾繁三郎君) ところが独占禁止法にかかつて來るのであります。独占禁止法にかからない形体というものは我々考えられないものだから、こういう形体になつたのであります。
#19
○山田佐一君 狹義に解釈すれば、独占禁止法にかかるかも知れませんけれども、任意に行きまして、任意組合で各府縣別に分けて、運賃は一松さんのいわれたように、全國平均してプール計算で行けば、通運が引受けるだろうと思います。以前の自由経済のようにもう一遍戻すということはない。行けば行きつきりのものだと思いますから、或程度計算すれば、プール計算は通運でできるのじやないかと思います。
#20
○政府委員(前尾繁三郎君) そう簡單には行かんのじやないですか。
#21
○委員長(波多野鼎君) そういう意見の相違が大部あるようですが、それを鬪わしておつてもきりがありませんから、一つ本筋と言いますか。公團法案をどう取扱うかということについて……。
#22
○田口政五郎君 重ねてお伺いいたしまするが、只今の御説明では、結局それでは酒というものの製造の禁止まで持つて行くという虞れがあるということで、もう酒の根本がそれじや問題がなくなつてしまう。結局この公團という形式によらなければ外に方法がない。これを返上しましたら、外に代るべき方法がないということになるのですか、結論としましては……。
#23
○政府委員(前尾繁三郎君) 今まで我我が考えましたのでは、民間では要するに独占禁止法に全部引つかかるわけでありますから、民間でも、準民間でもない。現在のような公團方式ならば認めようということで、それで我々としてはこの方式をとらざるを得ないことになる。この公團方式の内容につきましては、私の方もいろいろ皆さんのお考と同じようなことを考えて、今まで折衝して來たわけであります。併し、大体においてこの公團方式はそういうふうになつております。
#24
○田口政五郎君 重ねて伺います。そうしますと、これが國会に提案されました以上は、必ずしも通過するに限つておらんのですが、万一返上というようなことがありまして、今局長の仰つしやるような酒類の製造禁止というようなことに持つて來るという御心配が若しあるならば、國会が万一通さなかつた場面には、そういう酒類の製造禁止というような場面が起り得るというようなことは、当局は予めお考になつておりますか。そういうことには、財政上の点までも何とか予めお考になつたことがありますか。
#25
○政府委員(前尾繁三郎君) 財政の方面では、とにかく今年すでにできておる酒につきまして、これは年度内には、これから造る酒ではなしに、大体においてすでに造つておる酒を配給するわけでありますから、今年度はどうにかやつて行ける。併しもう直ぐ來年度の予算を組まなくちやならん。その予算は恐らくは組めなくなる。酒がなければ恐らく來年度の予算は組めない。從つて酒を造るということにつきましては、非常に財政の面から必要性を感じているというのが実情であります。
#26
○田口政五郎君 それでは、結局いろいろな結果を考えまして、いわば公團の形を、承認する程度の修正しかできない。こういう結論になるものと解釈してようございますか。
#27
○政府委員(前尾繁三郎君) 私の方としては、固くそう信じておるわけであります。
#28
○委員長(波多野鼎君) 速記を止めて。
#29
○委員長(波多野鼎君) 速記を始めて下さい。
#30
○田口政五郎君 先だつての安本長官の御説明では、切符制でも君等がそんなことを言わんでも、我々の方で先に十分研究してあるのだと言わんばかりの態度でありましたが、切符制度の欠点としては、現物が完全に把握できない。即ち空切符の問題が解決できないから、切符制度は実行が不可能だというような御意見と伺つたのでありますが、酒の点においては、今日は製造から全部安本の方で監督されておるのですから、現物と切符との差ができるというような点は、安本長官の心配されるようなことはないのではないかと思うのですが、切符制もやはり安本長官のいわれるように、酒の場合におきましては、これは不可能でございますか。御意見を伺いたいと思います。
#31
○政府委員(前尾繁三郎君) お答えいたします。我々は酒についても不可能だと思うのであります。その一つは、要するにこの生産者の所在地と消費者の所在地がマツチしておれば、生産者へ直接行つて買うということですと、現地でそのまま受取れますからいいのですが、その間に卸業者、小賣業者が入らなくちやならんということになりますと、まあ消費者から金を先取りして買うのならよろしいのでございますが、その間に又後で販賣と倉出しの間に相当の期間が要る。只今申上げましたように相当の資金も要る等の関係、或は下手をすれば、非常な大損失を製造業者が受けるということになるのでありまして、又いろいろ相当價格の設定ということがうまくできなければ、利益のあるところへ生産者としては出したいというようなことになつて参りますと、結局酒の出るところが偏つて來る。それから命令権と申しましても、現在あるような程度の命令権じや例えば先に値上りを見越されるというような場合には、なかなか製造業者が出してくれないというような、いろんな点がありまして、到底私は切符制度だけで行つた場合に、空切符になるということは、まあ防ぎ得ないということに考えておるのであります。
#32
○委員外議員(一松政二君) そうすれば別に一手買取とか一手販賣ということをやらずとも、つまりその受渡しの……特に今のお話を聽けば、受渡しの問題が主なようでありますが、受渡しということはほんの実務なんでありまして受渡しの機関さえあればできるということに考えられるのでありますが……、それから酒は、今田口さんも仰しやつたように、私はこれに税務署が握つちやつて、僅か出すのでも何でも税務署の許可を得なければ絶対出し得ないので、税務署は從つてこれは大藏省が握つておりますから、先程山田委員からも申されましたように、凡そ報奬物資に幾ら出そうとか、或はどう出そうとか、大凡その数字は大体決つておる筈なんであります。それをばつまり政府の手の中に收めておいて、そうしてあとは切符制度によつて、切符が円滑に物に変るためには、それを受渡す機関が別に存在すればよい。その受渡機関は法人格にするほどのこともなくてやり得る。或いはそれを法人格にする、しないは別問題ですが、ただ併しそういう機関が一手販賣とか、一手買取りとかをしなければできないとは、私ちよつと今の説明を聽いても考えられないのでありますが、その点如何ですか。
#33
○政府委員(前尾繁三郎君) 一手買取り、一手販賣でなければできないというのは、先程から申上げておるように、強固な信用力がなくちや酒は出ない。仰しやる通りに現在日酒販その他がやつておる操作、現物の受渡機関の資金のからくりとか。そういう非常に実務的な面であります。それをどういうふうな……又配給計画としては大藏省がやつておりますが、併し又消費地と生産地にどういうふうに、どこの酒をどこに引つ張つて行つて、どこで所要量を充足するかというようなことは、やはり現在の統制機関がやつておる。で、それらはやはり、一手買取り、一手販賣で強力に進める以外には、賣れないのだということでないと、その操作は到底うまくいかないと思います。又今申上げたように大きな信用力を持たなければいれない。税務署で單に命令をしただけでは、実際問題として動かない。やはり業者たちのいろいろな事情も知り、又その合理化を專門に考えて、要需者と生産者との間を結び付けるようなものが組織的に全体として動いてくれなければ駄目じやないかというように考えております。
#34
○委員外議員(一松政二君) 政府としてはそれは今までやつて、慣れておることでもあるし、又統制してしまつて、人を縛りつけておいて、そうしてものを簡單にやる方が、それは便宜に違いない。それは政治の形態においてもいわゆる專制政治が一番仕事はやりよい。民主政治になつて各人が意見を述べて、おのおの個人の独立の人格を尊重するという民主政治は一番形態としてはむずかしい。けれども、結局今の方法より外はない。今は一番便宜であるから、それを固執されるのであろうと私は思うが、そこは、今高橋さんが出席されたが、ビールの如きにおいては、恐らくなんの造作もなくできることだろうと思う。メーカーは決つておるし……。それから雜酒にしたところで幾らもない筈ですし、あとは又純粋の日本酒及び合成酒のことだろうと思いますが、それはこれが一番便利だからこれをやりたいというお考えは分りますが、これ以外では混乱するのだということは少し話が行き過ぎになるのではないか。それでなくても外に政府が考えておる或いは繊維品にしても、或いはゴムにしても、鉄鋼にしても、これは金額もやはり相当に上るし、酒ほどは上らんと思いますが、酒は先程申したように税金が九割かかるということであるから、これはメーカーに対しては大藏省が地方銀行なり、地方の政府機関を通じてでも金融の途をはかつてやるのが、大藏省として当然だと思う。自分がその中の九掛けは取るのだから、金融の面について、そういう心配をメーカーにさせるということは、むしろ大藏省が自分の便宜をはかつたような恰好になりまして、金融の面も信用がなければできないということは、それは私はないと思う。倉出しするときにメーカーに金を拂つてやればよいのであつて、とにかく消費者の方からはいつでも金を先に取つておるのでありますから、私はその考え方は別にあると思います。ただ、今より外に方法が考えられないでは混乱する。或いは信用がなければいけないというだけでは、ただ便宜に馴れて……。それでは政府が公團にする積りでおつて、公團にしなくなつたものに、依然として混乱があるからやらないというのか、やるというのか、これはやはり政府が或る程度の統制はやつていくということになつておりますから、その一環として物を考えれば考えられるのじやないかということを私は言つておるのでありまして、今のが一番便宜だからやりたいという。そのお考えは分る。分るけれども、政府もすでに変つておるし、政府自身の考え方もぐらついてくる……。
#35
○委員長(波多野鼎君) 速記を止めて。
#36
○委員長(波多野鼎君) 速記を始めて……。外に方法があるなら、むしろそれを考えてみる。或いはなにかよい方法があるなら、それを提案してもらいたいというふうに出られるのも、私は当局としての一つの態度じやないかと思うのでありますが、あまりに現在の方法を固執されることは如何かと思うのであります。そうすると今の当局としてはこの外には全然変へる方法はないし、金融問題にしても、今の一手販賣にするより方法はない。プール計算もこれによらざればできないというように聞えますが、依然としてそういう考を固執されますか。その点を伺います。
#37
○田口政五郎君 今局長の御意見を伺えば、或る程この間の安本長官のお説の如く、あらゆる種類のものを公團の形に持つて行かなければ、今統制をやつていく方法はないと仰しやるのは、同じ御意見で、そう言われれば却てそれが当然のように思いますが、然るに今日安本長官は、今まで出しておる公團だけは先ず固執するが、これから出そうと思つたものは酒類に関する公團だけで、あとのものは全部出すことを思い止まつたということでありますが、思い止まられた種類の商品に対しても、これは酒と同じようには行かないかも知れませんが、酒も思い止まられた公團の種類の商品と同じような方法でやつて行けるのじやないかというように考えられるのでありますが、今松さんの御意見のようになにか出そうと思つたけれども、公團を引つ込めたのですから、引つ込めて外の方法でやるというようなことで、酒のことは何とかならないものでしようか。その点をもう一度伺いたいと思います。
#38
○政府委員(前尾繁三郎君) 外にいい案がありましたならば、私の方は決してこれを固執するわけでないことは、先程から一手買取り、一手販賣の機関があれば、私の方は責任を以てやり得るということを申上げておるのでお分りだろうと思いますが、併しこの問題は丁度もう一年ぐらいになるので、昨年の十二月頃から独占禁止の問題が起りましたと同時に起つたわけであります。これはここにおられるる酒類の製造業に携つておられます委員の方はよく御存じでありますが、いろいろな方式或いはいろいろな方法を考えて、考えあぐんで、結局皆さんと共にこういうような方向に來たというのが実情でありまして、外にあれば私の方は別に固執することではないのであります。ただこの混乱を極度に恐れておりますのは、只今申上げますように、酒自体がもし配給に混乱を來すということになりますと、酒の製造禁止というような問題が直ぐ派生的に起つて來るということを非常に恐れておる次第であります。私は他の公團とその点は非常に違うと思いまして、一應酒の配給の混乱が起きても、將來段々よくすればいいというようなわけに行かないので少くとも現状より少しでも混乱を起すということについては、非常な必配をしておる次第でありまして、その点が私他の公團と幾分違うのじやないか。こういうふうに考えておるわけであります。又若し現在の物調法の例外で毎月証明を受けておるのですが、そういうような方法でも許されるということになれば幾分話は別個になると思うのであります。
#39
○森下政一君 どうですか、この程度で一遍懇談会に移つて委員同士お互にざつくばらんに話合をした方が纒まりがつくだろうと思いますが如何でしようか。
#40
○委員長(波多野鼎君) それじや今の森下さんに動議に從いまして、懇談会に移りましよう。
  午前十一時三十四分懇談会に移る。
   ―――――・―――――
  午前十一時五十七分懇談会を終る。
#41
○委員長(波多野鼎君) それでは懇談会を終ることにいたしまして、時間も大分とれましたので、今日だけの結論をなんとか附けたいと思いますが、皆さんのいろいろの御意見を承わつておりまして、どうでしようか。大体において公團法案、このものを返上するというようなこと、そういう御意見をお持ちの方もありますけれども、それよりもこれを修正した方がいいという御意見の方が多いように考えますが、如何でしようか。
#42
○森下政一君 どうぞ、そういうふうに進めて頂いて結構だと思います。
#43
○委員長(波多野鼎君) それではこの公團法案を修正するという方向に仕事を進めて行きたいと存じます。就いては各会派におきまして、それぞれ修正の御意見がおありと思いますので、是非一つ纒めて、各会派で修正の意見を纒めてお出し下さることをお願いいたしたいのですが、如何でしようか。
#44
○黒田英雄君 私は結構だと思うのですが、修正の箇條についてはいろいろの機会に御意見も出ておるようですが、大体において私は政府委員の説明もいろいろありましたようですが、統制して行く。統制と言いますか。つまり一手買取りの仕事をして行くことにこの公團的のものが必要だという政府の意見のようですが、その権限の範囲は、できるだけ私は成るべく狭い範囲に止めて、そうして自由に今まで関係のあつた経驗ある業者等が、何らかの形式で以て仕事に関與して行けるようにすることの方針で行かれることがいいのじやないかという意見を私は持つているのですが、私の意見はそうですけれども、これはなにも自由党の意見というわけじやないのですけれども、そういうことに若しも賛成を得れば、その方針も一つ採入れて頂いて修正をして頂いたらばという、私個人の意見ですが、政府はそれについてはどうお考になるのですか。
#45
○政府委員(前尾繁三郎君) 我々の方も大体その線で結構だと思つております。要するに私が先程から申上げましたように、一手買取り、一手販賣というその骨子だけはなんですが、実はこれ以外で、例えば現在携わつている人が成るべく公團の組織の中に入り込むとか、或いはそれ以外でも働き得るというような線については、私は異存はございません。
#46
○委員外議員(一松政二君) 今の黒田さんのお話にちよつと敷衍して申したいのです。これは別に自由党として申上げるのではなく、私一個人の意見としてお聽き下されば結構でありますが、先程業者の方からお話もあり、大藏当局のお話も伺つて、結局一手買取りと一手販賣ということそれからプール計算が強力な命令なり、金融なりがつけばよいということであつて、それから先はいわゆる最も民主化されたものということは、それは大多数のお方の意見だろうと思うのでありまして、要するに公團の中に取り入れるという考え方よりも、私は公團という名前が、私はやれば結局公社だと考えているのですが、そういう一つの機関はいわゆる頭だけにして、手足のそういう命令系統なり、なんなりを受けて働く者は、民間の業者でも十分やつていけるのではないか。つまりそういう頭の命令をし、責任を持つ者だけをそういう機関にしておけば、そのあとの実際に働く者は、その命令機関に從事する人が、それが何十人何百人になるのか、それは敢て私の問うところではありませんが、それを拵えたら、あとの実施機関の方は、公團の中に採り入れずともいいのではないかという私の意見でありますが、御参考のためにそれだけを申上げておきたいのであります。つまりそういう強力な機関はその活動分野を成るべく小さくして、あとの補助機関、或いはそれを助けるというようなものは全部民間の機関でやつて欲しいというお考えを願えればと私自身考えるので、ちよつと黒田さんの御発言もありましたが、恐らくそういう御意思だろうと思いますから申上げたわけであります。
#47
○黒田英雄君 私も今一松議員の言われるような趣旨ですが、つまりこういう組織をするということは今日経過的に必要であつて、成るベくこれは早くこういうものを撤廃して、自由な経済に復したいという政府の趣旨のように存ずるのでありますから、そういう場合に成るべく早く自由経済に復すように、あまりずつと根を下してしまつていると、今度手を引く場合にあとの機構を更に作り直さなければ手が引けないという深みに入つてしまうことをむしろ極力避けて、今一松君の言われたように手を引くときには引きいいように機構を育てて欲しいというような趣旨から、実は御参考に申上げたわけですから、若しこれを御賛成下されば、その趣旨の下にこれを修正されることが、私は妥当ではないかということを御参考に申上げた次第であります。
#48
○田口政五郎君 関連してもう一度伺いますが、今一松、黒田両委員から御意見が出ましたが、例えば現在の日酒販のものを公團とかいうもにしまして、現在の各都道府縣の酒販会社といつたようなものはその下にして、販賣組合があるのですから、あれと同じように各都道府縣の酒販会社というような性質の、いわゆるこの公團でいきますと出張所と言いますか、そういうようなものは、これはやはり民間の手足の本当の仕事をするような機関にして、民間の者にやらすというような形はとれないものでしようか。
#49
○政府委員(前尾繁三郎君) 実際問題としてそれで動くかということなんですが、恐らく支所までは動かんでしよう。小賣業者は現在小賣業者として活躍して貰うようにしているわけですから、その点についてはなんですが、今の段階、卸賣業の段階は日酒販でやつているわけですが、その段階は單なるトンネル会社では駄目なので、やはり現物を保管するということでないと、実効が挙らないのではないかと思つております。
#50
○森下政一君 修正案を審議する場合でよいのですが、黒田さんの意見が出たから念をおすのだが、そうするとこの原案の十三條に「酒類配給公團の役員及び職員は、酒類の製造、保管、賣買若しくは輸送を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社のその他の企業の業務に從事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。」という文句があるが、この條文を廃するとうことになるのですね。
#51
○委員外議員(一松政二君) 我々は初めからそれを削つている。修正案では無論削ります。
#52
○森下政一君 すると政府が、これを入れた趣旨はどこにあるのですか。
#53
○政府委員(前尾繁三郎君) 答弁に窮するのですが……。
#54
○委員長(波多野鼎君) 速記を止めて。
#55
○委員長(波多野鼎君) 速記を始めて。いろいろ御意見がありました結果、とにかく修正案を各会派で持ち寄るということに一致して頂いたわけでありますが、すでに各会派におきましては、それぞれ休会前から修正案について御討議の模樣でありまするので、できるだけ早く修正案を持ち寄つて、この委員会としての案を決定したいと思います。それでは來週中にこの改正案を持ち寄る機会を作りたいと思います。期日は又追つてお知らせいたします。本日の小委員会はこれで閉じることにいたします。
   午後零時十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     波多野 鼎君
   委員
           森下 政一君
           黒田 英雄君
           山田 佐一君
           田口政五郎君
           伊藤 保平君
           高橋龍太郎君
  委員外議員
   商業委員長   一松 政二君
  政府委員
   大藏事務管
   (主税局長)  前尾繁三郎君
ソース: 国立国会図書館
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