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1947/11/04 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会酒類配給公団法案に関する小委員会 第4号
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1947/11/04 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会酒類配給公団法案に関する小委員会 第4号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会酒類配給公団法案に関する小委員会 第4号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月四日(火曜日)
   午前十時五十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○酒類配給公團法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(波多野鼎君) それではこれから小委員会を開きます。酒類配給公團法案につきましてはいろいろ小委員会で討議を重ねて参つておりますが、又いろいろの問題が起きておるためにこの法案の審議が進捗しないような恰好でありますので、今日は安本並びに大藏当局の方に來て頂いて、政府側のこの公團法案に対する根本方針は一体どういうところにあるのかということを改めて確かめて見たいと思いまして安本の方と大藏省の方から來て頂いております。問題はこういうところにあると思うのですが、この酒類配給公團法案で出た当時、提案の一つの理由として、從來の統制の機関は独占禁止法の精神に反するから、これを改組して公團によるというのが提案の一つの理由であつたのでありますが、その後極く最近でありますが、独占禁止法の適用除外に関する法律案が出ておりまして、その法律案の中には、物資需給調整法に基く組織については、独占禁止法の適用を除外するという趣旨のものがあるようでございます。從つて公團法案の提案の一理由というものが消滅したのではないかという見解も成立つておるようであります。そこで酒類配給公團法を通す別の理由、例えば從來の統制機関よりもこの公團でやつた方がよりよく配給ができ改善されるという積極的の理由が提示されることが必要になつて來たと思うのであります。もう一つ別の問題として、從來の統制機関が閉鎖機關に指定されそうだ、或いは指定されたようなことも言われておりますので、こういうような事情について、政府側から責任のある御説明を願いたいと思つて來て頂いたようなわけであります。安定本部の生活物資局長からお話を聞きます。
#3
○政府委員(坂田英一君) 今の酒類の配給公團法につきまして申上げます。現在は從來の酒類配給株式会社において、政府の指令によりまして全体の酒類を一手に買取り、販賣いたしておるわけであります。その間につきまして結局公團によらざるを得ないということに相成るわけで、独占禁止法その他の関係からいたしまして、さような公團の設立するまでの間、たとえ過渡的にも一手買取機関が直ぐなくなるということになりますというと、現実の問題として、酒類の配給に非常に遺憾な点が出て参りまするので、公團の設立までの過渡的なものとして、暫定的にこの一手販賣の会社の機能を認めて行くという除外例を認めということに相成つておるわけでありまして、本質的にはどうしても公團が設立されると同時に今の統制配給株式会社がなくなるという段取に相成つておるわけであります。
#4
○委員長(波多野鼎君) どなたか御質問なり御意見なりどうか出して頂きます。今の説明では公團によることが根本方針だ、過渡的な問題として從來の統制機関を利用するために独占禁止法の除外規定を設けたということにあるようですが、そう理解してよろしいのですか。
#5
○政府委員(坂田英一君) これは單に酒類のみではありませんので、すべての公團を設立する必要のあるもの、つまり需給関係が非常に逼迫するとか、その他輸送上の均衡を図らなければならんといつたような、この一手販賣の機関がどうしても要るというものにつきましては、その公團の設立されるまでの間、暫定的にその機能を認めて行かざるを得ないということに相成つておりまするので、酒類のみならず、食糧品にいたしましても、又主食のいわゆる食糧公團といつたものがあります。今営團がそれをやつておりますわけでありますが、すべての物資についてさような原則で行つておるわけであります。
#6
○黒田英雄君 ちよつと伺いたいのですが、以前そういう説明は……初めからの計画だつたと思うのでありますがその後に独占禁止法の例外の法律を提案されたですね。あれはこういう公團を設けて、それに移すということを決められるときに、あのことは予想されておつたものでありますかどうか。初めからあるものは例外規定を設ける、即ち臨時物資調整法によるものは適用しないということになつておるのですが、そういうものを考えておられて、尚一方にこういうものをお考えになつて立案されておつたものですか、どうですか。
#7
○政府委員(坂田英一君) 結局間隙を置くわけに行きませんものですから、それで公團の設立までの間、それを有効に活動せしめるということにせざるを得ないということでありまして、原則は公團に早く移るということであります。それが設立されるまでの間は、止むを得ずそれを認めて行くというので、これは関係方面に向つても大分折衝して、その間隙ができることは非常に困るというので、相当以前から折衝して、公團のできるまでは、一手販賣の必要なものについては有効に動かして行くようにということを、関係方面とも相当長い間折衝した結果、そういうことに相成つたわけであります。
#8
○黒田英雄君 それはよく分りましたが、その点は今公團法が出ておるものに対しての処置ですが、独占禁止法の例外の法律、何といいましたか、長い名前であつたのですが、あれが提案されたのは九月になつてからだろうと思うのですが、あれは今度公團によらないで、例外として認めて行こうというものができたから、ああいうものができたのですが、それは又どういうものを目指しておられるのですか。その点からお進めを願つた方が分りいいかと思うのですが。言え換えれば、あの法律が早くから出ておれば、これを公團にしなくても、あれの例外というようなもので取扱つて行くというようなお考えはできなかつたものでしようか、どうですか。
#9
○政府委員(坂田英一君) 独占禁止法の中にそれだけの過渡的な例外を入れて置くのが或いはよかつたかと思いますけれども、全体としてそういう方向に向わざるを得ないということから暫定的にできているわけであります。
#10
○黒田英雄君 それで私ちよつとまだよく了解できないのですが、ああいう例外を設けられるということができるならば、初めからこれは例外を例外としてやる……
#11
○政府委員(坂田英一君) もう少し附加えて言うと、独占禁止法の制定を急ぎましたために、例外的な規定が落ちておつたわけでありまして、実際はあの中にそれを入れて置けば完璧であつたわけであります。
#12
○黒田英雄君 あれが入つておつても酒とか、その他食糧とか、衣料とか、飼料とかいうものは、これに例外にしないで公團にするというお考えだつたのですか。
#13
○政府委員(坂田英一君) どうも説明が非常に要領を得ませんで恐縮に存じますが、つまり、独占禁止法のときに同時に規定して行くべきものでありましたけれども、いわゆる公團ができるものについては、公團ができるまでの間、それを存続させるということについての一つ一つのものについて、暫定的に認めるものはどういうものであつでどうかという点について、関係方面との折衝が付かなかつたし、又独占禁止法は早く出さなければいかんというようなことから、その除外例を含めた規定でなしに、独占禁止法が先にできてしまつた、こういうので、政府としては当初から予想しておつたことであります。
#14
○委員長(波多野鼎君) こういうことが問題なんです。酒類について申しますと、公團法案がここへ提出されたのが七月の初め、ところが独占禁止法の適用除外に関する法律案が提案されたのは十月の五日だつたと私は思うのですが、後になつておるのですから、そこでこういうような解釈が出て來たわけなんです。公團法案というものを出したのだけれども、併しその後になつて独占禁止法適用除外の規定を出したところを見ると、必らずしも公團によらなくても、独占禁止法適用除外の規定が通過すれば、從來の統制機関でやつてもいいのじやないかという見解を政府が取つたのじやないかという解釈ができたわけなんです。
#15
○政府委員(坂田英一君) その何は全く間違いでありまして、公團ができるものについては、公團が設立されるまでの間暫定的に從來の機関を利用して行く、こういう原則は最初から最後まで変つておりませんわけであります。
#16
○黒田英雄君 そうすると、あれができれば、毎月一月ずつ延ばして行くということもなくて済むということになるのですね。
#17
○委員外議員(一松政二君) その点いかがですか。黒田さんの質問に対する説明はいかがですか。今の一ヶ月ずつ延ばして行くという話は、適用除外が通過すれば、一ヶ月ずつ延ばして行くという過渡的な措置は必要がないのじやないかという。黒田さんの質問に対する局長の答弁はいかがですか。
#18
○政府委員(坂田英一君) やはり一ヶ月ごとに手続を取らなければならんように今は思つておりますけれども、その点ははつきり調べました上でお答えいたしたいと思ひます。
#19
○委員外議員(一松政二君) それでは私がちよつと質問いたしますが、公團方式を選ぶということは、独占禁止法に引つ掛かるから公團方式で行くという説明であつたのですが、これは何か根本が違いがあるのではありませんか。独占禁止法に引つ掛かるから公團にせなければならんという説明が、波多野委員長からもさつき説明されたように、有力なる一原因のように聞いておつたのですが、その点に何か喰い違いがありはいたしませんか。つまり独占禁止法の第五條に形式上は触れる、故にこのままではいけない、よつて公團にせなければならんという説明のように承わつておつたのです。それで公團にしたらば配給が非常によくなるかというと、それは必ずしもよくなるとは自信を持つては答えられないようなふうに承つておるのです。從つて有力なる原因としては、独占禁止法に引つ掛かるという御説明であつたのですがところがそれがその根本に何か喰い違いがないのですか。独占禁止法と公團というものは別個の出発ではないのですか。
#20
○政府委員(坂田英一君) 公團の点につきましては大藏当局からも御説明があつたことであると思いますので、今ここで又改めて申上げなかつたわけでありますが、勿論その独占禁止関係もありましようし、根本的には、戰時中の統制を解体いたしまして、統制は政府みずから、つまりすべての割当というものは政府がこれを行う。その方法としては、いわゆる切符制等の実行によつて行うということに相成るわけでありますが、つまり需給関係が非常に逼迫しておる物とか、或いは計画的に配給する物、例えば酒類のように、労務用物資として炭鉱その他各方面に、或いは農家の供出のリンクとして行くという、いわゆる計画的に配給をしなければならん。輸送関係においてやはりプールしなければならんといつたような物資については、切符制だけによつてはその目的を達成することはできない。そこでやはり一手販賣で、それを買入れて販賣するという機構を必要とする際においては、これは政府機関として出発しなければならんということに相成るわけであります。その際に政府直営という方式も考えられますし、いろいろの形のものが考えられますわけでありまするが、結局において公團というところに落ち着いて参つたわけで、経過を申上げますと、そういうことに相成つておるわけであります。さようなことで、どうしても一手販賣をいたしまして、物資の性質上、需給関係上統制に移して行くという、そういう必要のある物につきましては、公團の設立ということに相成るわけであります。
#21
○委員外議員(一松政二君) ところがその点につきまして、例えば米の供出に対するいわゆる報奬物資というので或いは地下足袋であるとか、或いは酒であるとか、その他農機具であるとかいろいろ政府が報奬物資として出すものに対して、これは一手販賣、一手買取のシステムになつておるものに限つておると思う。政府が報奬物資用或いは労務用、或いは供出用に酒を廻すということについては、政府が必要に應じて、國全体のために必要とするものは、或程度優先的に買上げられるという方策さえ認めて置けば、その点に関しては別に公團の必要は私はないだろうと思う。況んや酒のごとく非常に数量が少くなつてしまつて、今の農業用及び鉱山用ということであれば、これはいろいろ小さく言えば弊害もありましようが、先ず大掴みにしてこれをいいとして、そうしてそれは政府が或る程度買上げてやれば、あとはこれはなければ死ぬというものでもないし、先ず必需品といえば、むしろ煙草よりも酒の方が、一般の人からいえば、なくても済むというカテゴリーに入ると思うのです。而も今度は造石高が半分に減るという噂も聞いておるのですし、段段数量が減つて來るから、徒らに公團みたいな大きな機関を拵えて、僅かな数量に莫大な経費を掛けて、大きな機関でやつて行くということは、どうしても納得が行かないのです。今の計画を、政府が或る必要に應じて、取りたいという数量だけが取れる方法さえ別にあれば、これは今現に二十万石或いは三十万石を自由販賣に移そうとされておるがごとく、これを更にもう少し拡張して自由販賣にして行つた方が、最も呑みたい人が呑み得ると私は信ずる。配給からいえば最も私は公平ではないかと考えるのであります。今の一手販賣によらなければ絶対にいけないということは、運賃をプールするというのは戰時中からの話ですが、運賃をプールするためにどれだけの余計な弊害、殊に薪炭のようなものについては非常な弊害がある。酒みたいな二百五十円とか三百円とか或いは五百円もするものに、運賃が三円、五円ついても、そんなものは消費者からいえばネグリジブルであると思う。運賃をプールするということが、一手販賣なり一手買取の一つの有力な原因のように言われることは、これは今までの惰性に捉われておる議論であつて、今日のごとく税金やコストが高くなつたとき、運賃も或る程度高くなつておりますけれども、一升あたりの運賃というものは知れたものであると思う。この酒は幾ら幾ら、あの酒は幾ら幾らというときに運賃が多少違つておつても、消費者はそんなことには何も言わないと思う。それで私は、特に今日は酒の公團について言つておりますから、酒について言うのでありますけれども、そういう政府の計画を遂行するために、直ちに公團が必要になるとは私は最初から考えていないのです。公團以外による方法があるじやないかということは前からの議論でありますが、今の説明を聽きましても、一手買取及び一手販賣を必要とするが故に公團でなければならん、その必要とするということの解釈の仕方が違えば、又結果も違つて來ると私は思うのですが、その点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
#22
○政府委員(前尾繁三郎君) 勿論運賃のプールの問題につきましても、公團をやる一つの大きな問題でありますがその主たる原因は、先程お話にもありましたように、最近自由販賣を或る程度やるということにはなりますものの報將物資その他に出しております酒が少くなればなるだけ、そのウエートを持つて來ると思うのであります。又自由販賣にいたしましても、一つの枠を持つた自由販賣、單にどこにでも流すというようなことではなしに、計画性を持つてやらなくちやならんというふうに考えておる次第であります。又價格のプールにいたしましても、各地域ごとによつて、或いは同一の店舗で賣られる酒が皆日によつて違うというようなことは、流通秩序の確立の点から申しましても、余りいいことではないと私は思つておる次第でありまして、これはもうすでに前からお話申上げておる点であり。又それが或る程度自由販賣に廻しましたといたしましても、或いは酒が相当減石されるに致りましても、それだけに却つて又統制を必要とするというふうに考えておる次第であります。
#23
○委員長(波多野鼎君) 先程私がお尋ねしましたが、今度の独占禁止法適用除外に関する法律案が通れば、從來の酒類の統制機関の適法制が再確認されることになるわけですね。その点はどうですか。
#24
○政府委員(前尾繁三郎君) 私も甚だ不勉強でございますが、別にあの法律は、從來の方針と何ら変つたものでないというふうに考えておるのでございます。
#25
○委員長(波多野鼎君) いや僕の聽くのは、方針を聽いておるわけでなくあの法律案が通つた場合の法的な効果を聽くわけなんです。なぜああいう法律案を出されるのか、あれが通過すれば、現在の統制機関が適法な存在であるということがはつきりと確認されることになると思うのですが……。
#26
○政府委員(坂田英一君) あれによつて一手販賣機関が適法になるという趣旨のものじやないのです。私共尚正確な点はよく調べましてからお話申上げたいと思いますが、先程申しましたように、配給公團ができるまでの間暫定的に認められて行くというのでありまして、やはり一月々々に手続をとらなければならんと、こう存じております。併しこの点は、手続の点は尚調べまして、正確なお答えをいたしたいと思いますが、今のところさように存じておるのであります。
#27
○委員長(波多野鼎君) その点が一番問題にされておるわけです。この点についての政府の見解、今の御答弁は、非常に政治的な御答弁だと思うけれども政府の方針ということを私は聞いておるわけではなく、あの法律が通過することによつて生ずる意味を聞いておるわけです。その点どうか一つはつきりした御答弁を願いたいと思う。この次でもよろしいから……。
 それからもう一点お聞きしたいのは從來の酒類の配給統制機関が閉鎖機関になつたとか、なりそうだとかいう噂を聞きますが、これは事実はどうなんですか。――速記を止めて下さい。
   午前十一時二十九分速記中止
  ―――――――――――――
   午前十一時五十七分速記開始
#28
○委員長(波多野鼎君) 速記を始めて下さい。今日の小委員会で政府側の公團法案につていの意見を確かめましたので、次の機会に、十一月六日の午後がよかろうと思つておりますが、午後に小委員会を開いて、できるだけ早く小委員会としての結論に到達したいとこう考えております。今日はこの程度で散会いたします。
   午前十一時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     波多野 鼎君
   委員
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
  委員外議員
   商業委員長   一松 政二君
  政府委員
   総理廳技官
   (経済安定本部
  生活物資局長)  坂田 英一君
   大藏事務官
   (主税局長)  前尾繁三郎君
ソース: 国立国会図書館
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