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1947/10/01 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会第二小委員会 第2号
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1947/10/01 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会第二小委員会 第2号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会第二小委員会 第2号
  付託事件
○熊本縣人吉市を基点とする三路線に
 省営自動車運輸開始に関する請願
 (第十五号)
○高崎、熊ケ谷間に電化工事を実施す
 ることに関する請願(第三十六号)
○中央線高藏寺、名古屋鉄道小牧両駅
 間に國営自動車の運輸を開始するこ
 とに関する請願(第六十二号)
○山形縣最上郡内に國営貨物自動車の
 運輸を開始することに関する請願
 (第六十四号)
○柳井駅より三路駅に、及び田布施駅
 より二路線に國営自動車の運輸を開
 始することに関する請願(第七十六
 号)
○常磐線松戸、我孫子両駅間電化工事
 実施に関する請願(第七十八号)
○宇部東線電車運轉を山口市宮野地区
 迄延長することに関する請願(第九
 十四号)
○常磐線松戸、水戸間電化促進に関す
 る請願(第九十九号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月一日(水曜日)
   午後一時二十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○熊本縣人吉市を基点とする三路線に
 省営自動車運輸開始に関する請願
 (第十五号)
○中央線高藏寺、名古屋鉄道小牧両駅
 間に國営自動車の運輸を開始するこ
 とに関する請願(第六十二号)
○山形縣最上郡内に國営貨物自動車の
 運輸を開始することに関する請願
 (第六十四号)
○柳井駅より三路線に、及び田布施駅
 より二路線に國営自動車の運輸を開
 始することに関する請願(第七十六
 号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小泉秀吉君) それではこれより運輸交通委員会の第二小委員会を開会いたします。私は小委員長ということで、皆さんの御意見を取り纏める役を仰せつかりましたので、勿論不慣れでありますし、事情にも通じませんので、皆さんの御協力を願つて是非重大な任務を遂行したいと存じますが、御協力並びに御鞭撻を願います。
 議案の第一は、請願第十五号の熊本縣人吉市を基本とする三路線に省営自動車運輸開始に関する請願でございますが、紹介議員の内村さんが見えておりまするから、一應内村さんからお話を伺つた方がよかろうと思いまするが、内村さんも時間の都合もあるそうでありますから……。この請願の要旨は、熊本縣人吉市地方は縣下の農林産物の主要生産地であるが、交通の便が惡いため、諸物資は徒らに滯貨しておる現状であるから、これを打開するため人吉市を起点とする五木線、加久藤線、大口線の三路線に省営自動車の運輸を開始されたいとの請願であります。後刻請願書全文を又被露いたしますが、一應内村さんお急ぎのようですから、紹介者の御意見を伺つたらいいだろうと思います。
#3
○小委員外委員(内村清次君) 紹介議員の内村であります。熊本縣人吉市を基点とする三路線に省営自動車運轉開始に関する請願につきまして、その趣旨を御紹介いたします。
 球磨人吉地方は、熊本縣の南端にありまして、鹿児島宮崎兩縣境に位しておりまして、熊本縣の五分の一を占むる大区域であります。人口は十五万を擁しまして、縣下の重要なる農林産物の生産地であります。米十五万石、麦四万石の主要食糧は固よりといたしまして、特に林産物におきましては木材五十万石、木炭二万トン、竹材四万千束、殆んど縣下の半ばに達する生産力を有しておりまして、いわゆる林業王國を以て、自他共に許している実力を持つているのであります。その他茶、椎茸等の特産物が豊富であるのみならず、尚未開発の資源は無盡藏に包藏せられておるのでありますが、鉄道は僅かに肥薩線、湯前線の開通せらるるのみでありまして、山元からの輸送は全く九州産業交通会社の貨物自動車の独占に依存しているのであります。然るにこの輸送力が甚だ微弱でありまして、現在木材のごときは、約二十万石の滯貨がありまして、現状を以てしては今後ますます山元滯貨の累積によりまして、あたら腐朽せしむるのみであります。况んや將來道路の擴充をはかりまして、未利用林野の開発を期しまするには、どうしても一営利会社に依存することは殆んど不可能といわねばなりません。今回計画の國営自動車は俟つの外、これが打開の途はないものと信じます。又現下あらゆる物資の増産を期しますのに、一に生産因子の一大條件でありますところの輸送費の低減を策することが最大要件であります。然るに独占事業におきましては、特にこれが隘路となつておりまして、当地の農林産物の生産業者は、漸次生産意欲も減退しつつありまして、將來産業の振興のごときは到底思いもよらない状態であります。でこれが打開の途はどうしても低廉なる輸送費で運轉する國営自動車に俟つの他はないと信ずるのであります。
 との二項の理由によりまして人吉を基点にして最も重要であるところの五木線、加久藤線、大口線の三路線の運行も開始するために、是非人吉自動車区の設置を懇願する次第であります。そこで以下各線の該況を申し述べますると、五木線は人吉を基点といたしまして、川村、四浦村を経まして五木村に通ずる縣道、距離は四十七キロメートルでありますが、この沿線は本郡におきまするところの森林地滯であります。農林産物が木材三万石、木炭三千五百トン、竹材七千束等の生産がありまして、且つ茶が一万七千貫、楮が六千二百貫、製紙が千五百貫等の特産物も豊富であります。その他マンガン鉱山といたしまして有名であるところの長者鉱山外二鉄山並びに発電所五ケ所を有しております。特に強調したいのは八代郡の五ケ庄の斧鉞の入らない欝蒼たる数万町歩の原始林がその奥地に開地を持つているのであります。
 次に加久藤線は本縣と宮崎縣、鹿児島縣を繋ぐ縣道き人吉を基点といたしまして、加久藤を経まして飯野に至り、一つは吉松に延びて三縣を縱断しております。本沿線の距離は縣内が二十キロ、縣外が十二キロありまして、三縣の森林地帶でありまして、特に尨大なる國有林を包藏いたしまして、木材が四万石、木炭が二千百トンの林産物が豊富であります。その他茶等の特産物も産出しております。本線路は三縣の物縣、経済、文化の交流上最も重要なる路線であります。
 次の大口線は、本縣と鹿児島縣とを繋ぐところの路線は、人吉を基点としまして鹿児島縣の大口に直結いたしております。本線の距離は縣内が十七キロ、縣外が十二キロあまりありまして、人吉市より大口町までは全くの森林地帶でありまして、木材が五万一千石、木炭が千八百トンを初め、多量の林産物を産出しまして、而も交通が非常に不便なために未開発森林も亦少からざるものがあります。又発電所もありまして重要路線であります。
 以上三路線に省営トラツク並びにバスの運行を見るに至りましたならば、いよいよ生産の増強を招來するのみならず、新たなる資源の開発、産業の振興を來たしまして、特に刻下の戰災復興、いわゆる復員、引揚者の住宅建設資材の需要に即應して從つて新日本経済再建、文化昂揚のために寄與するところが大であると確信する次第であります。
 今回の國営自動車の設置に対しましては九州産業交通会社におきましても了解しまして、これが請願をなす者は、人吉市会は勿論としまして、関係各町村、森林組合、農業組合等、又沿線住民挙つての要望でありまするからして、本委員会におきまして、各委員
各位の御協賛を経まして、この実現ができまするように特に希望する次第であります。
#4
○委員長(小泉秀吉君) 御説明と請願書と詳しさにおいては御説明の方が詳しいのでありますが、請願書は人吉市長、それからして社團法人人吉商工会議所会頭、球磨郡四浦村長、球磨郡五木村長、両磨郡五木村農業会長、球磨郡五木村森林組合長、球磨郡四浦農業会長、球磨郡四浦村森林組合長、球磨郡川村長、同じく川村農業会長、同じく川村森林組合長、人吉市農業会長、同じく森林組合長、熊本縣林産燃料株式会社取締役社長等が請願者になつておるのであります。専門委員の方の方で一應調査した資料がございまするから、その調査の要領でも御参考に披瀝したら如何かと思いますが、如何でしようか。
#5
○飯田精太郎君 どうぞ。……。
#6
○專門調査員(小倉俊夫君) 調査いたしました所によりますると、この本請願地帶におきまして、民営自動車が現在運行しております。これは旅客自動動としましては、九州産業の交通株式会社代表者渡邊幸義、資本金が八百万円、保有車輛が百七十四輛、免許路線といたしまして千七百四キロの路線を持つております。又貨物自動車といたしましては九州産業交通株式会社、同じものでありますが、業者として免許を受けておりまして、その保有車輛は普通車が三百三十八輛、小型が七輛、かようなことであります。
 これに対しましての省としての意向としては、只今当局が参るようでありますからお聽き願いますとしまして、この請願の小委員として御考慮を煩わしたいと思います点は、かような地区に、地元の人は國営を非常に希望いたし、大体において國営を希望いたしております、と申しますのは、やはり民営と國営との間には非常に力の相偉がございまして、運轉回数等も非常な開きがございます。それで地元としましては國営を希望いたはのは又当然だろうと思います。併しながら現在民營の自動車が動いておりますので、そういう業界の方面では民営が現在ある所に國営自動車が進出するということは非常に迷惑である、民営圧迫であるということで、その反対の声が非常に熾烈であります。この辺の委員会としてどうお考すになるか、又政府当局の主義方針はどうであろうかというようなことを御檢討願えればいいのではないかと思います。
 それで運輸省陸軍監理局におきましても、國営自動車路線を開設いたしまするに何らか方針を持ております、又持たなければならんと思います。こういう所におきましては、國営を開設するのである、又こういう所では民営を強化して行くのだといつたような主義ど申しますか、基本方針があるべきはずであります。それで國営自動車路線開設に関しまする陳情請願が沢山あるようでありまするが、その御審議を願う時に國営自動車路線の開設が適当であるかどうかの御判断の一助として、どういう程度でどういうふうな基本方針を考えておるか、というようなことを御審議下さればいいのではないかと思います。更に具体的になりましては、本年度の計画はどうであるか、又この請願陳情の当該路線が運輸省としてどういう順位に考えておるのかといつたようなこともお聽ぎ取り願えれば結構だと存じます。丁度政府当局の國営自動車課長も見えておるようでありまするからして、大体私の調査いたしました所と意見を申し述べまして終りたいと思います。
#7
○小委員外委員(内村清次君) ちよつと今の専門調査員の方にお尋ねいたしますが、この九州産交の、今人吉、大口線あたりを運轉しておりますが、この運轉回数や、或いは又その社の意見、社がどういうふうに請願に対して考えておるかというよ女なことまで、お調べになましたでしようか。
#8
○專門調査員(小倉俊夫君) それは調べておりません。若し御要求がありましたら早速調べます。
#9
○小委員外委員(内村清次君) それでこれは附加えて申し上げますが、先程専門調査員から仰しやいましたように、この委員会として判定すべき事項としては、國営がよいか或いは民営がいいか、或いは又その該地の状況によつてこれを如何に判継すべきか、同時に政府としての、運送当局としての方針も承りたい。こういうようなお話でありまして、これも至極尤もなことだと私思いまするが、請願書の内容にも申しましたように、現在の産交、いわゆる産交一本ではどうしても独占的になり勝ちで、他縣におきましては、勿論二、三の民営の営利会社が仕事をやつておる所もありまするが、熊本縣におきましては九州産業交通会社一会社である。而もこの路線につきましては、どうしても現在の持車輛においては十分に地元の要望を果すことはできないような経営状態になつておりまして、そうして今回の陳情に対しましても了解をしておるような現状でありまするからして、この点も委員各位におかれましては、御参酌の程を切に希望しておく次第であります。
#10
○飯田精太郎君 運輸当局も見えておりすまから、運輸当局の御意見を伺いたいと思います。
#11
○委員長(小泉秀吉君) 今熊本県人吉市を基点とする三路線に省営自動車運轉に関する請願の審議を始めたのでありますが、これに関連した自動車を國営にするというような一般方針というようなことを一應お伺いしたいと思つております。
#12
○政府委員(郷野基秀君) それでは私から國営自動車の現状を簡單に申し上げまして、今後國営自動車の経営につきまして、どういう考え方で私共進んで行くか、私共が今考えておれます概要をお話申し上げまして御批判を願いたいと存じます。
 國営自動車は昭和五年に開設せられましてからすでに十数年の長い歴史を持つているのでございますが、現在は路線の数におきまして七十六線、営業キロ程におきまして四千九百二十三キロ、持つております車輛の数は二十一年度未におきまして、旅客車千二百九一十四輛、貨物車千五百九十二輛でございます。これが本年度の末におきまして旅客車千五百十輛、貨物車四千四百四輛となる見込でございます。貨物車の関係におきまして急激に増加いたしまするのは、御承知の通り米軍拂下げのトラツクを以ちまして國営自動車の運営に当ることになつておりますので、この関係から殖えておるのでございます。併しながらこれに対しまして資材の状態がどういうふうになつておるかと申しますると、大体ガソリンにおきまして所用に対しまして本年度の上半期の実績は四六%ぐらいの充足率を示しております。タイヤの関係におきましては二六%ぐらいでございまして、資材の割当につきましては一般の民営自動車と大体におきまして同じ基礎におきまして、國営自動車も資材を使つております。從いまして資材の関係におきましては、官公営を通じまして同様に現在の時節柄非常に困難な需給の状態におかれております。そうして現在開業いたしておりまする省営自動車の施設は、車庫事務室その他の施設は非常に不備でございまして、一應私共の考えておれまする設備の基準から申しまして、約半分程度を充たしておるに過ぎません。尚又省営自動車が現在運行いたしておりまする道路の関係は、大体におきまして大きな鋪装せられました國道というようなところを走つておりまするのが少うございまして、一般に道路の幅員も狹く又地面の鋪装もないというところが多うございます。從いまして道路関係からいたしまして、車輛の傷み、又燃料の消費ということも相当大きな影響を與えております。然るに省営自動車といたしましては戰爭中から非常に代用燃料を使うことにつきまして努力をいたしました。これは一般の民営の自動車よりも遥かに率が高いのでございまして、民営活大体から見まして四八%程度の代燃率を示しておるのに対しまして、省営は九〇%以上の代燃率を示しております。尚又運賃の関係から行きますると、最近旅客の運賃につきましては、ほぼ民営と同じ賃率を採用することにいたしまして、一キロ八十五銭の賃率を採用いたしましたので、民営と余り違わないことになつておりますが、貨物運賃の関係におきましては鉄道の貨物の賃率を基準にいたしまして、之を営業キロ程を以ちまして、その倍数を乘じまして鉄道と通算をいたしまして、運賃を計算いたしております。その関係からいたしまして民営の貨物の運賃と比べますると、一般の省営自動車の路線の貨物運賃は遥かに低いのでございます。こういう関係からいたしまして省営自動車の営業成績は全体から見まして、今年度の七月以降運賃改正がございましたけれども、大体收入一〇〇に対しまして支出が二五〇前後、この程度になるのではないかと思います。前年度の実績のごときは收入一〇〇に対しまして四〇〇というふうな状態でございます。非常に支出が收入に対しまして多うございまして、営業の收支は取りにくい状態に相成つております。今回運賃の改正でややこの点は是正せられて参りましたけれども、今後におきましても営業收支の問題につきましては、これは完全に收支償う状態にするというのは相当努力をしなければならん問題でございまするが、又困難な問題と考えております。現在省営自動車といたしましては創始以來の考え方といたしまして鉄道の建設の先行代行の路線を先ず考える。尚鉄道の短絡線又培養線その他機能の増進に資するような線を選ぶ。尚特殊の開拓地帶で民営自動車では経営できないような路線を選ぶというような方針で、路線の選定をいたしまして実施をして参りました。從いまして現在の営業の路線について見ますると、約五千キロの営業キロに達しておりますが、その過半数は鉄道の建設の先行代行、又直接予定線に該当しておりませんでも、間接に予定線の代行の性質を帶びておるというようなものが多いのでございまして、その他の路線は比較的少ないのでございます。尚現在省営自動車といたしましては、すべて鉄道会議の諮詢を経まして一度予算にも計上せられたというような路線で、まだこれの開設を見ないものが十線くらい残つております。こういう情勢の下におきまして、本年度の省営自動車の計画といたしましては、結局方針といたしましては、前年度の計画で本年度に繰り起して参りました路線、こういうものをとにかくできるだけ本年度内に地方の御期待に應じましてこの開設を終りたいという考え方で先ず進んでおります。
 それから二十二年度におきまして、新らしく取り上げたいと思つておりまする新線も二、三ございます。これにつきましては、実はあとで申し上げたいと存じまするが、予算関係の手続におきまして、まだ支出を直ちにし得るような状態にまで進んでおりませんので、本年度新線の計画は尚予算につきまして、國会の協賛を経まして公布せられました上において実施することになることと存じております。
 それから尚一部既設線の関係で路線の延長を考えておるものもございます。これは既設線の機能を増進する上におきまして、極く僅か新線の延長をすれば非常に既設線の運用が効果的になるというふうに考えまする所を計画したいと存じております。
 それから原産地路線で只今貨物関係の輸送のみをいたしておりまする所で、特に地方の交通事情から申しまして、これに旅客輸送をも併せて実施すべきもの、こういうものもあると考えまして、この関係におきましても只今計画に取入れたいと存じております。
 この外御承知の通り米軍拂下げのトラツク、全体で八千五百輛ばかりの中、國営で、而も直営いたしまするもの、これが二千輛余りございまするので、この自動車を以ちまして、各地におきまして重要な生産物の出まする路線におきまして、これらの輸送を國の手で直接担当したいと存じまして、計画いたしておるのでございます。
 尚この拂下げ自動車の問題につきましては、御承知の通りこれが民業との間におきまして、徒ずらに摩擦せ生ずるというようなことのないようにいたしたいと考えまして、今年の三月、その当時の議会のいろいろの御要望もございましたので、私共といたしましては関係の民営の業者又これを代表いたしまする機関といろいろ相談をいたしまして、この路線の実施方につきましては、各府縣におきまして地方長官、トラツクの利用組合の理事長、鉄道局長、この間におきましてよく現実にその実施につきまして檢討を逐げまして、徒ずらに民業との間に摩擦の起らないような路線を選定し、その運営を國において担当するということにいたしまして、その後各地において実際の路線につきましての打合せを進めて参つて來ておるのでございます。大体その案も纏まりかけておるのでございますが、これにつきましては更に関係方面の承認も得まして、その上で確定いたしたいと存じております。從いまして尚現在の段階におきましては、はつきり確定はいたしておりませんが、大体の目安はすでに立つておりますので、その線に沿いまして拂下げ自動車の運営に関するその当時の聯合軍から示されました方針に從いまして、忠実にこれを運営いたしまして、立派な成績を挙げて行きたいと存じております。
 今後の國営自動車を然らばどういう方向で考えて行つたならばよいかという問題でございまするが、國の交通網を整備いたしますることにつきましては、勿論これは行政官廳の責任でございまして、私共といたしましては現状の自動車の交通の面におきまして、資材関係の隘路があるとは申しながら、非常に交通の整備が遅れておりまして、國民に非常な御迷惑をかけておりますることは憂慮いたしておるのでございます。從いましてこの輸送力を一日も早く整備充実いたしまして、これに対する資材もなんとかして入手いたしまして、それと共に運営の態勢も整備強化して参りたいと思つて努力いたしておるのでございますが、現在民営と國営との関係は、民営の方が殆んど大部分でございまして、全体の路線は民営が八万キロ以上の路線を持つております。その半分を現に運営しておるといたしましても四万キロ以上の営業キロを持つております。これに対しまして省営自動車は全部で四千九百二十三キロ、而もその中六百四十キロばかりは貨物のみの営業であります。從いまして約四千三百キロが旅客の営業をしておるというような状態でございます。從いまして國全体につきまして自動車輸送について申しますれば、民営がその大部分を担当しておるということは明らかでございます。今後におきましても各地の実際の交通の事情に應じまして、民営の助長も十分に考慮いたしまして、休止路線の復活、又現在運行いたしております路線につきましても輸送力が足りない、運行回数が非常に不足しておるというような所につきましては、できるだけこれを回復いたしまして、交通の事情に急速に間に合うように努力をいたしたいと存じておりまするが、資材の関係からいたしまして、急には取り運ぶことは困難な状態でございます。この間におきまして、民営でやれないようなところ、又國有鉄道との関連におきまして、國営でやつて行つた方がより適当であると認められまするようなところにつきましては、民営との徒ずらなる摩擦を避けることについての努力を拂いますることは勿論でありまするが、國営を今後におきましても考えて参りたいと存じております。尚この間におきまして、地方鉄道と國営自動車の関係というようなものも考慮いたしまして、地方鉄道にも必要以上の影響を與えるというようなことのないように、細心の注意を拂つて参りたいと考えております。國営自動車は、從いまして今後におきましても從來のごとく鉄道の建設の先行代行、又既設線の機能を増進させますに必要な短絡線、或いは培養線というようなもの、その他開拓計画上どうしても國の手で交通網を整備しなければならないというようなところにつきまして考えて参りたいと存じます。特に最近國有鉄道の建設工事が資材の関係からいたしまして、一應抑制せざるを得ないような関係にもなつておりまするので、こういう点を十分に考えなければならないかと存じております。尚鉄道の今後改良工事につきましても、國営自動車との関係におきまして、自動車と鉄道とを綜合的に利用いたしまして、経営の合理化を図り、鉄道の機能増進を図るという見地から、國営自動車の問題を合せ考えまして、考慮すべきものがあるように私共は存じております。この点につきましては、更に一段の研究を進めたいと存じます。かようにいたしまして、國営自動車の今後の計画を考えて見ますると、資材の見透しからいたしまして、急速に多くの新線を計画することは到底許されないのではないかと思います。原則といたしまして、既設線の増強整備、繰越線の急速実施、又國営自動車を開設いたしましたために民営自動車が営業を休止しましたところで、省営自動車がその残存路線を引受けなければならぬというところもありますので、こういうものを先に充足いたしまして、然る後に新線の計画を進めたいと存じます。尚新線の計画につきましては、今後は、只今國会において御審議を願つておりまする道路運送法案が法律として実施せられることになりますると、道路運送委員会におきまして國営路線の選定は、その意見を徴しまして決定せられることになつております。
 從いまして道路運送委員会の機構を通じまして、公正なる國民の輿論を聽き、又國の計画として眞に必要な適当な路線の選定が行われることになるものと存じております。道路運送委員会は、尚法律によりまして、利害関係人その他各方面の意見を聽いて意見を述べるということになつておりますので、道路運送委員会としても、廣く公聽会も開かれるというようなことになると思いますので、民主的な方法で今後國営自動車の路線選定も行われることになると存じております。今後省営自動車の新線の選定につきましては、こういう考え方で準備をいたしておりまするが、只今のところまだ具体的に路線を決定することのできる段取りに至つておりませんので、この点につきましては又成案を得ますれば御報告申し上げることにいたしたいと存じます。概要これを以ちまして御説明を終ります。
#13
○委員長(小泉秀吉君) 大体概念として、自動車國営に対する今の政府御当局の御話がありましたので、結論から言うと、新らしいものは非常にむずかしい。そういうふうなものをやる場合には、道路運営委員会というようなものが多分できるでろうから、そうすればそれの申答を待つて、新らしいものを考えると、こういうような御意見なんですが、そういう政府の御意向と、この今の請願とを睨み合せて、大体委員会はどういうふうに持つて行くかという、持つて行き方が或程度決まるのではないかと思いますが、そういう意味で皆樣の御意見を伺つた方がよかろうと思います。
#14
○飯田精太郎君 今のなんで、政府の大体の意向は分つたのです。請願陳情の一々の問題に対して、政府の方で資料はお持ちになつておりますか。現在の運轉状態はどんなになつているか。今問題になつております人吉を中心にして、三方面に自動車を運轉したいという、現在民営の自動車は動いているのだそうです。その自動車の運行状態とかなんとかいうことは、お分りになつておればちよつと伺いたい。
#15
○政府委員(郷野基秀君) 只今の御質問に対しましてお答え申し上げまする前に、私が先程御説明を申し上げましたことにつきまして、ちよつと補足をさせて戴きたいと思います。省営自動車の請願につきましては、國会で御審議を願いましたものの外に、私共の方に直接申出のございまする路線も沢山ございます。從いまして路線の御要求は非常に多いのでございまするが、これに対しまして新線の計画は、この御要求に比しましては相当内輪なものにならざるを得ないだろうと存じておりまするが、結局この新線の枠そのものにつきましては、來年度の予算もすでに準備しなければならないことになつておりまするので、近く私どもといたしましては、一應の案を拵えなければならないことになつております。併しながら結局新らしい法律も近く実施せられることに相成りますれば、今後におきまして、新らしい法律の実施以後におきまして、新らしい路線を具体的に決めて参りまする場合におきましては、道路運送委員会に諮問しなければならないことになつておりまするので、これら一應決めました路線につきましても、實施しまする場合には、更に道路運送委員会に諮問をするというようなことになるのではないかと、こう考えております。それから只今の御質問でございまするが、陳情請願が非常に沢山でございまするので、すべての路線につきまして、十分な調査を進めますることは、手が廻りかねておりまする面もございまするが、一通りできるだけ陳情のございました、或いは請願のございました路線につきましては調査を進めまして、常にこの処理に努めておるような次第でございます。この人吉を起点といたしまする三路線につきましても、一通り現地の民営自動車の状況は調査いたしております。現在民営自動車といたしましては、旅客も貨物も九州産業交通株式会社、これが経営をいたしております。この会社は資本金八百万円の会社でございまして、旅客関係におきましては百七十四輛の車を保有いたしております。そうして実動車輛といたしましては百十七輛、免許路線といたしまして百七十キロ持つております。現在百八キロの運行をいたしておりまするが、路線内の運轉区間といたしましては三十七キロに対しまして、現在二往復をいたしております。運賃はキロ当八十五錢でございます。貨物自動車の関係におきましては、同じく九州産業がこれを担当いたしておりまするが、保有車輛は普通が三百三十八輛、小型七輛でございまして、実動の車輛は普通二百二十輛、小型四輛でございます。この路線につきましては、只今貨物関係の営業を拂下げ自動車によりまして実施いたしたいと思いまして、研究をいたしておるような次第でございます。
#16
○飯田精太郎君 只今拂下げ自動車で省がやろうというお話しなんですか。
#17
○政府委員(郷野基秀君) これは省の直営にいたしたいと思いまして研究いたしております。
#18
○飯田精太郎君 そうしますと、今やつております民営の路線を省が買い上げるわけなんですか、競爭でやる御予定なんですか。
#19
○政府委員(郷野基秀君) この点につきましては、いずれ民間の会社と運営のやり方につきまして、詳細完全な打合せをいたしたいと存じておりまするが、この路線の運行につきましては、買收或いは補償というようなことは考えませんで、輸送の、担当すべき貨物につきまして協定をいたしまして、民業との関係におきましては摩擦なくやりたいと、かように考えております。
#20
○飯田精太郎君 先程請願のお話、伺つたときのお説によりますと、輸送力が足らないから省営にして貰いたいというようなお話で、尤もだと思うのでありますが、省営にしないでも、今の民営の会社にやらせて、そうして輸送力を増すということも可能だと思うのですが、省としては、なんですか、民営のあるところに今の協定をしてですね、同じ路線にこれからも各方面やろうというようなお考えなんですか、此処は特殊な場所だからということでおやりになるんですか。
#21
○政府委員(郷野基秀君) 拂下げのトラツクを以ちまして、國で輸送を直営いたしまする問題につきましては、民間との摩擦を特に起さないように、十分の注意を拂つて計画をし、これを実施するようにというような注意も関係方面からございましたので、この点につきましては、先程も申し上げましたように十分の考慮を加えまして、現地の各路線の具体的な計画につきまして、関係の事業経営者の方とも十分に打合せをいたしまして、この間無用の摩擦のないように取進めまして実行すべき路線を決定し、又その計画通りに今後も運営をやつて参りたい、まあかように考えまして、只今準備をしておるような次第でございます。
#22
○飯田精太郎君 これは根本の御方針に対して伺つておきたいのですが、先程の御説明ですと、省営の自動車は、收入が一〇〇に対して支出が二五〇になつております。非常な赤字を出しつつ経営しておられるのであります。その点からいいますと、まあ民営に競爭する場合には、非常な有利な立場に立つわけであります。鉄道という大きなパツクを持つて、そうして赤字を出しつつ競爭されたんでは、民営は殆んど立行かなくなると思うのでありますが、先程のできるだけ民営と摩擦のないようにやつて行こうという意味から言いますと、おやりになるならその線を全部買收してやるというふうにやつて行かないと、協定するといつてもなかなか非常に安い運賃で片方は行くし、一方は高くなければやれんという状態では、なかなかうまく行かんのじやないかというふうにも思うのですが、全般的にやはりそういう式で行かれるのですか。
#23
○政府委員(郷野基秀君) 今度の拂下げのトラツクによる運営につきましては、民営と同じ運賃を適用する考えで進んでおります。從いまして運賃の関係におきましては、民営との間に差異はないのでございます。先程申し上げました貨物運賃を通算にいたしまして、非常に安い賃率で運営いたしておりまするのは、これは從來からの一般の省営自動車の路線でございます。從いまして今回のこの種の路線の運営につきましては、その地方における認可運賃と同じものを使用するつもりでございます。從いまして運賃関係から見まして、不当な競爭関係というようなものは起らないようにいたしたいと存ずる次第であります。
#24
○飯田精太郎君 もう一つ伺つておきたいのですが、先程のこの請願のお話ですと、現在民営の業者が独占でやつているのは非常に不勉強といいますか、滯貨が大きくて、動くことができないというお話であつたのであります。從來は一路線一営業という方針で、余り競爭は許さなかつたわけですが、大分この頃時代が変つて來て、独占を排除しろというようなことになつて來たのであります。今後は一路線に二つでも三つでも許すというようなことになるのでありますか。やはり今まで通り、一路線は一営業に独占させるという御方針で行かれるのでありますか。
#25
○政府委員(郷野基秀君) 一路線一営業の問題につきましては、これは主としてバスにおいての問題だと存じます。これは御承知の通り昭和八年自動車交通事業法が実施せられましてから、その後におきまして、その当時非常に創業濫立いたしまして、甚だしいのは、一路線二十数業者もあるというような状態でございましたので、この問無用な競爭を惹き起さないようにいたしまして、公益事業として事業が健全な発達をし、尚且つこれによつて利用いたしまする公衆の福祉をできるだけ増進しまするためには、一路線一営業の方針を採ることがいいのではないかというふうな、その当時帝國議会の委員会におきまする御発言もありまして、これを取り入れまして、運輸省におきまする行政方針として執つて参つたところでございます。この一路線一営業の行き方につきまして、今後の新らしい道路運送法案が法律として実施せられることになりますれば、ここに免許基準を設定いたしまして、この免許基準によりまして、特に法律で規定しておりまする無能力者であるとか、刑余者であるとかいう缺格條件がない限り、又事業の経営者が資力、信用不十分で、事業の経営を担当する力がないと、それから路線の状態から見まして、交通需要に対して新らしい免許がありますると、無用な競爭を惹起して、却つて公益事業としての健全なる発達を阻害し、利用者に対しまして、結局において不利益を齎すというような場合におきましては、これは免許しなくてもいいが、その他の場合は原則として免許をしなければならないという方針を執つております。從いまして免許基準に合いまする以上、又これらの缺格條件がございません以上、新規の免許はすでに業者のありまする所でもしなければならんのが一應の建前となると存じまするが、併しながら事業の経営はどこまでも現実にその輸送の需要がありまして、一業者の外に、更に事業者が、一業者或いは二業者がそこに存在し得るような場合であるということがはつきり確認されまして、その間無用の摩擦もなく、互いに適当に競爭の刺戟があつて、健全に事業が遂行できるという見透しがあつて、免許が現実に行われるものと存ずるのであります。從いましてこの間の現実は各路線々々についての判断は、道路運送委員会が諮問に應じまして意見を申し述べることと存じます。從いまして道路運送委員会の意見によりまして処理が決められることになると思いまするが、一路線一営業の主義につきましても、この意味から多少の修正は道路運送委員会におきましても加えて参るように漸次進むのではないかと考えておおります。併しながら一挙にこの方針が覆えされまして、徒ずらに無用の競爭が各地で行われるというような状態になりますることは嚴に注意を要することではないかと存じております。
#26
○委員長(小泉秀吉君) ちよつと政府委員にお伺いしますが、そうすると、今請願になつている人吉を基点としての、この五木線、加久藤線、大口線というその三線路に対して考えますと、省営で拂下げ自動車を使つてやるというような御方針或いは御計畫が、全線共決まつているということなんでございますか。
#27
○政府委員(郷野基秀君) この路線につきましては、五木線につきましては全線計画を進めたいと思つて、研究いたしております。ただ吉松、大口、この方面に対する路線につきましては、途中二十キロぐらいの所までしか現実の計画といたしましては私共進めておりません。この点を更に研究いたしたいと存じます。
#28
○委員長(小泉秀吉君) お諮りいたしますが、政府でやつておるのでしたら取り上げて如何でしようか。
#29
○飯田精太郎君 類以な請願陳情は沢山あると思うのですが、大体全部伺つてから最後に決めた方がよくはないですか。
#30
○委員長(小泉秀吉君) 今日はこの問題は一應この程度にして、研究をしたということにして、その辺にして置いたら如何ですか。そうしますとこの十五号は審議の道程をこの辺にして一應保留して置くということにして、次の電化になりますかな。どうなつておるかな。どういうふうにしましよう。順序から言うと高崎、熊ヶ谷電化ということが順序になつておりますが……。
#31
○飯田精太郎君 電化の方は今日は止めにして、自動車の方をやつたらどうですか。
#32
○委員長(小泉秀吉君) 請願の順序はこれで電化の請願が來ておりますが、お互いにこれを進める便宜上、今日は國鉄の國営自動車の請願が相当ありますから、それをずつと一括して順々に行つた方がよいだろうという御意見なんで、そういうふうな進め方をいたしますが、御了承願います。
 そうしますと請願第六十二号、中央線高藏寺、名古屋鉄道小牧両駅間に國営自動車の運轉を開始することに関する請願であります。請願者は愛知縣東春日井郡小牧町長加藤諦進外四名、紹介議員は草葉隆圓君、「愛知縣春日井郡小牧町は、尾北地方の中心地で、商業、工業、政治、教育の要地であり、又篠岡村、坂下町は亞炭の採掘が盛んで中部日本燃料産地となつたため労務者の往來が頻繁であるが、交通機関が絶無で、地方民の不利不便は多大である、又高藏寺町は名古屋市郊外の遊覽地及び衞生的住宅地として発展を約束されておるから、速かに中央線高藏寺、名古屋鉄道小牧両駅間に國営自動車の運轉を開始されたいとの請願。」でありますが、草葉隆圓君、おられますか……。じや一つ專門委員の方の御調査と合わせて、何でしたら恐縮ですが、その請願の原文を御披露して下さい。
#33
○專門調査員(小倉俊夫君) 請願者は愛知縣東春日井郡小牧町長加藤諦進外四名となつております。「陳情書、陳情要件、省営自動車延長路線開設開設区間、中央線高藏寺駅より小牧町名古屋鉄道小牧駅に通す(別紙図面の参照)愛知縣東春日井郡高藏寺町、坂下町、篠岡村、味岡村、小牧町区間、開設、粁数、約十二粁、陳情要旨、昭和二年当地方(坂下町)の有力者長繩勝治氏は地方開発の爲定期自動車を当町に申請致したる処道路狹隘なる爲幅員の拡張を自力で以て行ひ開設の許可を受け其の経営をなし後に名古屋鉄道会社の買收する所となり当地方の交通の便に貢献せられたるも昭和十八年燃料不足を理由に運轉を中止となりました然るに近年名古屋市戰災に依り当地方への轉入者は著しく激増し戰争前の二倍以上となりました特に小牧町の発展は愛知縣尾北地方の中心地となり商業、工業、政治、教育の樞要の地となり交通は東西南北を必要とする所となりましたるも南西北には各電氣鉄道あるも東には前記の定期自動車ありたるのを中止となり現今は非常に不便を感ずるに至りました又藤岡村、坂下町よりは燃料不足の爲地下資源たる亞炭採掘は日と共に盛なり年産三十万屯以上に及び愛知縣否中部日本燃料産地となりましたために、労務者の中央線高藏寺驛より名古屋、多治見、或いは瀬戸市方面より連日往來は繁くなりました。然れども更に何の交通機關もなく、この日本再建の實庫、無盡藏の当地下資源の亞炭を増産するに一大支障を生じておりますことは、誠に遺憾の至りであります。高藏寺町は、名古屋市郊外の遊覧地及び衞生的住宅地としての理想郷として、その発展を約束せられております。以上の理由によりまして、この路線は最重要として敗戰日本の再建に極めて必要たる緊急の事業と存じます。本路線の延長は岡多線の省営自動車と、瀬戸駅より毎日数台小牧町まで延長運轉をするのみにして、物資の不足の現今と雖もあまり難事ではなきことと推察申上げます。又当地方は右路線周辺に当りましては、道路拡張その他でき得る限りの御援助を惜しむものではありません。
 右関係町村連署を以て陳情申上げますから、何とぞ特別の御詮議を以て、一日も速かに省営自動車の開通されんことを謹しみて陳情申上げます。昭和二十二年六月、愛知縣東春日井郡小牧町長、味岡村長、篠岡村長、高藏寺町長、坂下町長。」かような陳情請願書でありまして、調査いたしましたところによりますると、陳情書にも書いてございます通りに、本路線は名古屋鉄道株式会社の自動車路線でありまして、この会社が燃料その他の関係で休止をいたしたのであります。で只今のは旅客でありますが、貨物自動車といたしましては、東春運輸株式会社、これは資本金一百十五万円で代表者が丹羽鎭吉という人であります。保有車輛は普通が九十五輛、小型が七輛。もう一つ会社がございまして、それは、瀬戸自動車運送株式会社で、これの資本金は一百十五万円で、中島信一という人がやつております。保有車輛は普通車が六十三輛、小型車が五輛、かような状態になつております。結果といたしましては、國営にするまで、或いは現在の休止、路線を復活するか、業者を強化するか、そして一應交通を不便なからしめるための手を打つかといつたようなことで、いずれにしてもこの地方につきましては交通をもつと強化して行く必要があるのではないかというふうに考える次第であります。
#34
○飯田精太郎君 これは省営自動車というのですが、バスとトラックと両方やつてくれというのですね、請願は……。
#35
○專門調査員(小倉俊夫君) そういうふうに考えると申しまするのは重要物資の亞炭のことを言つておりますので……。
#36
○飯田精太郎君 これに対する政府の御意見を伺いたいと思います。
#37
○政府委員(田中源三郎君) 中央線高藏寺、名古屋鉄道小牧両駅間に國営自動車の輸輸を開始することに関しまする第六十二号の請願に対しましてお答え申し上げます。本路線はその後に至りまして終戰後まだ調査いたしておりませんので、詳細なことは存じませんが、本路線は名古屋鉄道株式会社の自動車路線でございますので、差当りこの路線の会社のバスを復活することが適当ではないかと思うのであります。大体高藏寺、小牧間は現在路線内の運轉区間をいたしておりまして、同会社に命令をいたしまして路線を復活せしむることが差当りいいのではないかと思うのであります。尚貨物輸送につきましても同様既存の業者がこれにございまして、これを一應強化して参りますならば、同地方におきまするところの物資を輸送いたしまするにつきましても余りことを缺ぐというようなことに參らんのではないかと思うのであります。貨物自動車は東春運輸株式会社代表丹羽鎭吾、資本金百十五万円、車輛普通九十五輛、小型七輛、約六〇%の実働車輛を持つておるのであります。それから同じ区域及び区間におきまして瀬戸自動車株式会社は代表者中島信一、百十五万円の資本を以ちまして、保有車輛普通六十三輛、小型五輛、これも約六〇%の実働車輛を持つておるのであります。名古屋鉄道株式会社は資本金二千万円でありまして、保有車輛が百五十一輛、実働車輛百二十輛、ただこの免計路線は千二百七十・三キロ、現在運行路線は六百十六・三キロ、約二分の一に当つておるような現状でございますので、一應その後におきまする経済事情の変動に件いまして、地方におきましてもいろいろの異動もあることと存じますので、会社を呼びまして、この区間を更に休止運轉をいたしておりますので、この区間を営業せしめたいと考えております。省営にいたしましても、目下の状況といたしまして、予算及び資材等の関係から見て早急に実施するということは如何であろうかと思いますので、如上申し上げました通りに会社に対しまして更に営業を復活せしめて行きたいという方針が適当ではないかと思うのであります。これに対しましては特定の会社に対して或程度の資材物資等につきましての考慮をいたして行つては如何かと考えておるようなわけでございます。
#38
○委員長(小泉秀吉君) 他に御意見ありませんか……。これはこの程度にしておきまして次に進みます。次は請願第六十四号でございますが、山形縣最上郡内に國営貨物自動車の運輸を開始するこに関する請願でございます。請願者は山形縣最上郡新庄町長松田久藏、紹介議員尾形六郎兵衞君、紹介者がおられんようですから、この請願書を専門調査員から御朗読願えませんか。
#39
○專門調査員(小倉俊夫君) 山形縣最上郡内に國営貨物自動車の運輸を開始することに関する請願。請願者は山形縣最上郡新庄町長松田久藏氏になつております。請願書の内容を読みますと、「山形縣最上郡は東西十四里、南北十五里、その総面積は香川縣に匹敵し、全國有数の木材を石炭、亞炭、石油その他地下資源が豐富であり、而もその大部分は、輸送の困難により、今日尚未開発のままなるは遺憾至極であります。申すまでもなくこれらの資源は、日本再建の基礎たるべきものでありますから、我らは挙郡一致省営トラックの開通を熱望し、町村会の名を以て猛運動を続け、貴衆両院にはしばしば請願が採択となり、更に運輸省その他関係当局の御了解も得、既に三月五日には運輸省より配車決定の内示までも得たのでありました。そこで地元では協力会を組織して、受入体制を整備し、正式示達を待つていましたところ、俄然地元貨物業者より反対が惹起され、遂にそのまま今日に至りました。その後町村会と貨物業者と種々墾談しましたところ、省営トラックは奥地の産業開発と輸送道路の整備に主眼をおくを知悉し、積極的な反対運動をなさざることに至しました。そこでこの際一日も早く省営トラック開通を促進せられたく、ここにお願い申上げます」。
 さようなことでありまして、ここには山形交通株式会社と庄内交通株式会社の二つが旅客自動車会社としてございます。貨物自動車業者としましては最上貨物自動車株式会社があます。いずれにしましても、この民営を強化するか、或いは省営にするかは別といたしまして、地方といたしましては、物資の非常に多いところでありまするからして、やはり地方交通の強化を資材、予算の許す限りやつて行かれることがよいのではないかというふうに、調査員といたしましては感じた次第でございます。
#40
○飯田精太郎君 今の御説明で、路線はどこからどこまでか分らないのですか。新庄だけ書いてありますが……。
#41
○專門調査員(小倉俊夫君) もう少し調査内容を申し上げますと、山形交通株式会社は資本金が二百八十六万円になつておりまして、保有車輛は九十七輛くらいになつております。それから庄内交通株式会社は、これもバスでありまして、百五十万円の資本金で保有車輛が四十九輛。貨物自動車の方は、最上貨物自動車会社でありまして、資本金で二十五万円、保有車輛が普通が三十一輛、小型が二輛というようなことになつております。只今の御質問のようなルートにつきましては、請願に書いてございません。それから請願には國営貨物自動車、それから省営トラックというふうに書いてございますからして、旅客ではなく貨物のことだと思います。その貨物につきましては、政府当局の方にルートが分つておるそうであります。
#42
○飯田精太郎君 運輸省で分つておるルートを一つ御説明願います。
#43
○政府委員(田中源三郎君) この路線は、酒田から觀音寺、青澤峠、大澤、眞室川、金山、萩野、新庄、八向、清川、余目、酒田と、こういうふうに酒田からぐるつと最上部を循環しておる路線であります。青澤峠附近が非常に道路が惡うございまして、先般來衆議院の圓司代議士を初め地元町村長からも非常に熱烈な陳情を受けた次第であります。この地方は非常に林産物に富んであるところでございまするが、この輸入車によりまするところの省直営の事業の実施につきまして、この希望路線につきまして実地調査をいたしておりまするが、先程申しました通り、觀音寺、青澤から大澤に至ります峠が非常に惡うございます。それでこの道路を改修いたさなければならんのと、同時にこの附近は、今申したように、非常に林産物に富んでおる地方でございますから、輸送用のトラックを増強してやつた方がいいという考え方を持つておりまするが、只今申し上げましたように、非常に路線が惡うございまして、それと省営自動車の配分が非常に少くなつて参りましたのと、新らしく開始いたしまする予算というものせ削減されておりまする只今におきまして、早急にこれを実施するということは、困難な実態に置かれておるようなわけであります。只今のところといたしましては、これを開始いたす考えは、右様の理由で持つておりません。
#44
○委員長(小泉秀吉君) それではこの程度にして、次は請願第四十六号、柳井駅より三路線に、及び田布施駅より二路線に國営自動車の運輸を開始することに関する請願。請願者は山口縣熊毛郡平生町長吉永茂外一万三千三百二十五名。紹介議員は姫井伊介君外三名であります。
#45
○專門調査員(小倉俊夫君) 請願者は山口縣熊毛郡平生町長吉永茂外一万三千三百二十五名、それから紹介された方が姫井伊介さん、江熊哲翁さん、重宗雄三さん、栗栖赳夫さん、「請願書、今般山陽線柳井駅及田布施駅を基点として、次の路線に省営自動車の運行を御開始下さいまするよう請願いたします。
 一、柳井駅より伊保庄村、阿月村、佐賀村を経て室津港に至る路線、二、柳井駅より平生町大野村、曾根付、佐賀村を経て室津港に至り路線、三、柳井駅より平生町麻郷村麻里府村を経て光市に至る路線、四、田布施駅より平生町に至る路線、五、田布施駅より麻郷村に至る路線、抑も平生町を中心とする熊毛郡東南部の各町村、(伊保庄村、阿月村、室津村、上關村、佐賀村、曾根付、大野村、平生町、麻郷村麻里府村、田布施町)の最寄駅であります山陽線柳井駅及田布施駅への連緊並に從前同一行政区域で、経済的に密接不離の関係を有する光市及関係町村相互間の交通は、の各町村、(伊保庄村、阿月村、室津村、上關村、佐賀村、曾根付、大野村、平生町、麻郷村麻里府村、田布施町)の最寄駅であります山陽線柳井駅及田布施駅への連緊並に從前同一行政区域で、経済的に密接不離の関係を有する光市及関係町村相互間の交通は、專ら自動車の便に依存いたしておりますが、前記路線運行の權利を有する民間自動車会社の現実の運行状況は、一、柳井駅より阿月村に至る路線一日六往復、二、柳井駅より室津港に至る路線一日六往復、三、柳井駅より佐賀村に至る路線一日二往復、四、柳井駅より水場港に至る路線一日一往復、五、柳井駅より光市室積に至る路線一日三往復、六、平生町より田布施町に至る路線は昨年より休止でありまして、交通量に比して(柳井―室津間の交通量は山口縣下で最高量であります)その輸送能力は極めて貧困なるが故に中間以下の停留所には毎回多数の積残しを生じ就中老幼婦女子の如きは生死を賭して乗車するという甚だ悲慘極る状態でありまして、加うるに終戰後は大幅の運行縮小と車輛の不完備に基因する所の事故による運行時刻は数十分以上相違する極めて不規則で一般民衆に測定のできない大いなる時間の空費と経済的に及ぼす打撃は蓋し私共の到底堪え認び難い痛恨事であります。一面室津半島に点在する沿岸町村は外観的に比較的海運の便あるやに察知されておりますが、戰時中大小船舶の徴用轉用により、これが隻数は激減し、加えるに燃料の不足とにより貨客の輸送は全然困難な極めて悲慘な状態におかれております。
 併しながら地方民におきましては再建途上にある國情に鑑みまして徒らに快的自在な交通輸送を夢見るものではありません。
 究極する処地方の文化産業の與隆は実に交通の便否に負う処頗る大なるものあるを痛感いたしまして、請願関係町村の豐富なる農林水産物は勿論、供出物資物資の移出入と旅客の運送を円滑ならしむるために是非とも省営自動車路線新設の御高配を煩し、経済再建に一路邁進しつつある地方民の福祉を増進せられて、以て民生安定に御施策賜わりたいと存ずる次第であります。
 時恰も國事いよいよ多難にして資材燃料等の不十分な折柄、これが新設には種々困難な事情も存することと千万拜察いたしますが、地方民の窮情充分御洞察の上速かにお聞届け下さいますよう、ここに関係町村民代表者連署を以て只管請願申し上げます」。昭和二十二年七月、山口縣熊毛郡平生町長、名前を略します。伊保庄村長、阿月村長、室津村長、上關村長、佐賀村長、大野村長、曾根村長、麻郷村長、麻里府村長、田布施町長外一万三千三百二十五名、紹介議員は先程申し上げまして四氏の方であります。
 調査しますと、ここは前々からいろいろ問的のあるところのようで、その一部は國営自動車の予定線にもなつているような次第であります。ただここには民間業者がありまして、一つは旅客自動車においては周防自動車株式会社、資本金が百万円、車輛としましては百輛余を持つております。これが只今請願書にもございますように、二、三往復乃至五、六往復の運行をいたしている次第であります。貨物自動車業者といてしまして、山口縣貨物自動車株式会社、資本五百八十三万円、保有車輛としましては五百七十輛余を持つているのでございます。そういう業者がございます。ここも請願の面から見ますと、本当地方的交通が行き詰つておりまするので、資材予算等が許します範囲で何等その地方的な交通を許可することを図れば地方民も非常に助かるのではないかと感ずるのであります。
#46
○飯田精太郎君 政府委員の御所見を承りたいのですが……。
#47
○政府委員(田中源三郎君) 本請願の地方は、光から室積までは、すでに省営自動車を開始いたしております。本請願の路線は大体におきまして五路線になつておりまして、柳井から室積半島の東部を通りまして、阿月、佐賀、室津に至る一線次に柳井から平生、曾根を廻りまして佐賀に至る線、柳井から平生、麻郷、麻里府、室積に至りまする線と、田布施駅から平生に出まして行きますのと、田布施駅から麻郷に出まして室積に行きます合計五つの線になつておりまして、大体六十二キロ程の省営を開営しろという請願であります。すでに光、室積間は省営を開始いたしております。又柳井、平生、曾根、佐賀、室津と、柳井平生、麻郷、麻里府、室積であります。
 それから次に柳井、平生、麻郷、麻里府、室積が省営の予定線になつておりまして、柳井、室津は二十二・六キロ、平生、室積十三・四キロ会計三十六キロの予定線になつております。本路線につきましての柳井、平生、曾根、佐賀、室津に至ります線は、道路が非常に惡うございまするのと、現行民営自動車が運行いたしております。かような事情も存在をいたしておりますので、今日まだ政府におきましても予算或いは資材等におきまして、実施するに至つておらないのであります。田布施を起点といたします二路線につきましても、まだ同樣目下の情勢では急激に省営を開始して、室積と連絡いたすということは困難な実態にございまして、この間におきますところの、大体において保有車輛が民営の自動車は百九輛を持ちまして、実稼動車輛が三十三輛、免許路線が四百九十三キロ、実地運行路線が二百七十五キロ、約二分の一のキロを運行いたしておるようなわけであります。路線内の運轉区間は柳井、室津間が二十二キロ六往復、柳井、阿月間が九キロ七住復、柳井、室積間が十三キロ三住復、田布施、平生間五キロ運休で、運賃がキロ当八十五錢という運賃をとつております。併しその後におきましてこの運賃は或いは変化をいたしておるかも知れないのであります。かようなわけでありまして、貨物自動車におきましても、山口縣貨物自動車の代表者瀬戸軍一氏が資本金五百八十三万円で、五百七十五車輛の保有車輛をもつて、約六〇%の実稼動をいたしておるような現状でございます。
 この地方は只今申し上げましたように、鉄道の未成線、又は予定線との関係はございません。ただ省営の予定線が二路線、先程申し上げましたものがございますだけでございます。地方鉄道その他の軌條との関係もございませんが、資材及び予算が許されまする段に至りまするならば、この予定線を運行いたして行きたいと考えておるようなわけでございます。
#48
○委員長(小泉秀吉君) 自動車はこれで一應予定されたのが仕舞になりまするが、電化の一般の御説明は如何でしよう。
#49
○政府委員(田中源三郎君) 一般分はまだできておりません、請願の部の電化及び鉄道関係の分ですが……。
#50
○飯田精太郎君 一般の分をお伺いしたい。
#51
○政府委員(田中源三郎君) 一般的のはまだ用意いたしてありませんので……。
#52
○委員長(小泉秀吉君) では今日はこの程度にて散会いたします。次回は來週火曜午前十時からいたします。
   午後三時三十分散会
  出席者は左の通り。
   委員長     小泉 秀吉君
   委員
           大隅 憲二君
           水久保甚作君
           境野 清雄君
           飯田精太郎君
  小委員外委員
           内村 清次君
  政府委員
   運輸政務次官  田中源三郎君
   運輸事務官
   (陸運監理局
   長)      郷野 基秀君
ソース: 国立国会図書館
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