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1947/10/07 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会第二小委員会 第3号
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1947/10/07 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会第二小委員会 第3号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会第二小委員会 第3号
  付託事件
○熊本縣人吉市を甚點とする三路線に
 省營自動車運輸關始に關する請願
 (第十五號)
○高崎、熊ヶ谷間に電化工事を實施す
 ることに關する請願(第三十六號)
○中央線高藏寺、名古屋鐵道小牧兩驛
 間に國營自動車の運輸を開始するこ
 とに關する請願(第六十二號)
○山形縣最上郡内に國營貨物自動車の
 運輸を開始することに關する請願
 (第六十四號)
○柳井驛より三路線に、及び田布施驛
 より國營自動車の運輸を開始するこ
 とに關する請願(第七十六號)
○常盤線松戸、我孫子兩驛間電化工事
 實施に關する請願(第七十八號)
○宇部東線電車運轉を山口市宮野地區
 迄延長することに關する請願(第七
 十八號)
○常盤線松戸、水戸間電化促進に關す
 る請願(第九十九號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月七日(火曜日)
   午前十時四十七分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○常盤線松戸、水戸間電化促進に關す
 る請願(第九十九號)
○高崎、熊ヶ谷間に電化工事實施に關
 する請願(第三十六號)
○常盤線松戸、我孫兩驛間電化工事實
 施に關する請願(第七十八號)
○宇部東線電車運轉を山口市宮野地區
 迄延長することに關する請願(第七
 十八號)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小泉秀吉君) それでは運輸交通第二小委員會の三囘目の會議をこれより開會いたします。
#3
○飯田精太郎君 今日は大體電化の請願を審査することになるのでありますが、箇々の問題に入る前に、政府當局の電化に對する大體の方針と、現在の電化計畫の決まつたことがありますれば、それについて一應御説明を伺いたい。
#4
○委員長(小泉秀吉君) 只今飯田委員からのお申出もありますから、電氣局長の御説明を願います。
#5
○政府委員(西村英一君) 今飯田さんの御質問の電化計畫はどういうふうになつておるかというお話でありますが、少し時間を拜借いたしまして、電化計畫の問題はいつも實は計畫はかくかくであるけれども、なかなか資材資金等が不十分でできないというような申譯的なことを今まで申しておつた場合が非常に多いのであります。この際電化につきまする私達の氣持を申上げまして、尚將來の計畫につきましての考えを申述べたいと思います。大體現在の鐵道の路線は御承知のように一萬九千キロ程ありますのに、國有鐵道の電化路線が千四百四十キロ程になつております。その比率から申しまして七・五%ぐらいな電化路線の比率になつておりますが、これは諸外國の例に比較いたしましても非常に少い電化路線でありまして、殊に國土の情勢から申しまして、特に日本としては鐵道の電化には最も適して國情であるということは、古くから言われておるのでありまして、即ち水力は豐富である、又その反對に石炭資源が比較的少い、又石炭のみならず他の燃料が豐富でないというような點から考えまして、國土情勢の上から電化に非常に有利な國土であるに拘わらず、諸外國の例に比較いたしましても、國有鐵道の電化路線が非常に少いということにつきまして、どうしてこういうふうな状況になつておるのだろうということが一つの疑問であります。これにつきましては、省内の事情につきましてもいろいろなことを言われる場合があるのでありますが、私の認識しておる、知つておる範圍内で申しますると、やはり從來國防上の見地から餘り電化を好まなかつたということが大きな問題でありまして、それに他の原因といたしましては、石炭資源が少い、と申しましてもとにかく平和時代におきましては石炭は相當に良い、炭質において亦低廉な価格において適當な量を從來も確保されておつたわけでありまして、ないといつても零でなかつたというようなことで、どうしても電化の方に向かなかつた。それからもう一つの理由といたしましては、これは電化の結局なんといいますか、一つの缺點といいますか、デイス・アドバンテイジでありますが、建設費がかかるということでとかく資金に悩みました我が國政府といたしましても、どうしても大々的にこの電化を取り上げるような情勢にならなかつた。こういうような問題が絡み合つて、今日電化がかくのごとき非常に普及しないような状態となつたのではなかつたかと思うのであります。併しながら今日の情勢から見ますというと、この第一の原因でありますところの國防上の見地は一應これは除外されたと見なければなりません。第二の問題の石炭の問題でありまするが、これは又適當な量出ないのみならず、從來に比しまして非常に石炭の炭質が惡くなつておる。これは鐵道運轉につきましては、あの限られた寡少面積で石炭を燃やしてそうして運轉するあの技術からいきますれば、徹底的な致命傷でありまして、熱效率の點からいきましても非常に低能率なものである。現在の運轉從事員があの惡い炭を使つて現在の運行を辛うじて保つことには、相當な從事員の努力が要つておるということも、御了解願える程度に非常に惡い炭でありまして、そういう點から申しまするというと、從來のこの鐵道電化の隘路でありました點は、この二つの原因まではこれは除かれた、こう申さなければならんのでありまして、他の資金の問題につきましては、これは從來とやはり現在の状況とは同じでありまして、やはり今日の資金の状態は非常に苦しいと思われるのであります。從いまして何と申しましても第一は、この國防上の見地からの電化の推進がてきなかつたという大きな癌を取り除きますれば、電化による利益ということはこれは大いに何人も認めるところであろうと思うのであります。大體電化によりまして一體どういうような利益があるのだ、こういうことを概略お話しいたしますと、大體は何と申しまするか、技術上の第一の問題といたしまして、物理的な見地から電化を見まするというと、結局蒸氣に代るに電氣を以てする、蒸氣の特質と電氣の特質との差異による物理的な利益、こういう利益が一つ考えられると思うのであります。その物理的な電氣の特性によりまする利益から鐵道運轉に及ぼしますところの影響といたしましては、第一番に雄炭の節約、第二番目に輸送力の増強ということになります。それから第三番目に列車囘數の増加、大體そういうようなことが、この電氣の特性からしまして運轉を容易にし有利に導くものであります。石炭の節約から申しまするというと、蒸氣運轉の場合は、蒸氣運轉の熱效率というものは、綜合の熱效率、つまりボイラーの能率、或いは蒸氣の能率、そういうようなものを綜合しました熱效率というものが、大體平均いたしまして現在は四%くらいにしかならないのであります。つまり百のエネルギーを與えましても、それが外に出て仕事をしますエネルギーは四%くらいにしかならないのであります。電氣運轉の場合でありますというと、假りに火力發電によつて電力を發生しまして、その電力を使用して電氣運轉をいたしましたといたしましても、發電所の能率、送電線或いは電車線、電氣機關車等の能率を綜合しましたところで、約一〇%くらいになるのであります。そうすると、約二倍半くらい電氣運轉の場合が、同じ石炭を焚きましても熱效率として有效なのであります。結局使用石炭量から申しまするというと、四〇%くらいな石炭で十分である。同じ列車を動かすのに四〇%くらいの石炭で十分である。六〇%くらいの石炭の節約になるということが言えるとであります。そのために同じ量の輸送をやります場合も、石炭の要り方というものは、蒸氣運轉の場合と、電氣運轉で火力によつて電氣を發生しましても、非常な差ができるのでありまして、まして電力によりまする場合は、殆んど石炭というものは要らない、多少火力用の發電所は石炭を使つておりまするから、それを勘定に入れても、電氣運轉の場合は、石炭の九〇%は節約できる、こういうような勘定になると思うのであります。殊に最近の石炭は非常に炭質が惡くありまして、トンキロあたりの石炭の要り方にしましても、從來はトンキロあたりについて五十五キログラムの石炭を要したものが、炭質が惡いために現在では恐らく今年度の平均は百三、約平常時の二倍ぐらいの石炭を要しておるような勘定になります。從いまして鐵道用炭は非常に我が國の石炭の生産面の上における比重といたしましては、非常に大きい比重を占めておるのでありまして、本年度二十二年度の運轉用炭は、鐵道省は七百十萬トンと言つておりますが、假りに三千萬トンの政府目標の生産量を獲得いたしましても、その國内生産量の二四%に當るところの炭が鐵道で消費されてしまう結果となるのであります。而も現在あのくらいの列車囘數しか保てないような状況なのでありまして、又乘務員もこのために、これでも愉快に仕事ができておるわけでなくして、これで非常に難儀をしつつ、而もこれだけ大きいところの石炭を消費して、現状の輸送しかできないようなことになつておるのでありまして、これは一に電氣と蒸氣との物理的な原因からの相違でありまして、又石炭が惡く低下されました今日において、電氣と蒸氣との差が顯著になりました一例であります。そういう點から申しますると、この電化による期待は相當に大きいということに認識しなければらなんと思うのであります。輸送力の増加の問題につきましても、これはもう御承知の通り、電氣機關車にいたしますれば牽引力増加は、これは水平平垣區間では牽引力は同じだといたしましても、勾配、下りになりますと、蒸氣機關車と電氣機關車の牽引力はこれ亦電氣機關車の方が遥かに高いのでありまして、運轉速度の點から申しましても、牽引數を一定に保ちますれば、運轉速度の方は電氣機關車の方が蒸氣機關車よりも遥かに殖える。從いましてこの牽引力を殖やしたり列車速度を増加したりすることによりまして、列車の回數もこれを増加することができるのでありまして、殊に蒸氣機關の場合に看過できない一つの大きい問題としましては、給水と給炭の問題であります。これは多く今まで言われていないのでありますが、私達現在鐵道省で以つて非常に困つておる問題は、ボイラーに對する給水、給炭、就中給炭の石炭をその罐に用意するという問題は非常に大きい、非常に人手がかかる、非常に非能率的な問題でありまして、このために列車の遅延を見たり、或いは列車運行を非常に難澁に導くということになつておるのでありまして、石炭の扱い等につきましても炭質が惡くなりまして、使用炭量が増せば増すほどますますこの問題は大きい問題となるのであります。こういうような物理的なことから來るところの利益があります。
 第二の問題は經濟的の利點であります。電化によりまする經濟的の利點は、これは現在も國有鐵道が非常に赤字で悩んでおります。經常費が非常に膨脹いたしておるのでありまして、これはいろいろな原因があると思うのでありまするが、なかんずくその一番大きいと見られる點は石炭費、動力費の問題であると思われるのであります。從來の例を取りましても、この石炭費、動力費の營業經常費に對する比率というものは、昭和元年からの統計を見ましても約一割、これくらいが動力費の費用であつたのであります。昭和七年が一番この動力費が要らなかつたときで、營業費に對しましての比率の少いときでありまして六・三%になつておりまするが、概略一割くらいが經常費に對する動力費の割合であつたのでありまするが、最近昭和二十二年度におきましてはこれが二三%くらいになるのでありまして、このために石炭費にいたしましても二十二年度の費用は約八十數億圓の費用をこれのために投じなければならんとこういうような結果になつております。これは炭質の低下によりまして炭量を多く使うということと、又石炭の價格が非常に高くなつた、この二つの原因であります。御承知のように鐵道で使いました炭價が昭和十一年度におきましては十圓五十錢、これが今年度の炭價、これは新物價體系によりまして鐵道が扱いますところの石炭は千四百圓ということになつております。九百五十何圓の生産費に諸掛りを入れまして千四百圓、つまり昭和十一年に比らべまして百四十倍の値上りであります。このために、一方量はますます要り、一方石炭の單價は高くなつた、こういうことのために今日の運轉上に非常に不利益を招くと共に、經濟上の大きい一大癌になつておるのでありまして、この點を解決することによりまして相當に鐵道に財政も好轉されると思うのですが、これには電化によることが最もいいと思われるのであります。電化によりまするときには、この電力費等は昭和九年には一キロワツト・アワーは一錢七厘くらいでありましたが、現在の新物價體系によるところの電力の單價を以ていたしましても約二十倍の三十四錢三厘くらいにしか當りません。從いましてこの經濟上の利點ということにつきまして電化は非常に大きい利點を持つておる。これは假りに東海道線を全部電化いたしましても相當な經常費の節約になると思われるのであります。ざつと計算いたしたところを申しますと、沼津、下ノ關間の九百九十二キロを電化いたしたといたしましても、電化に投じまするところの費用が固定設備と電氣機關車を入れまして百億くらいな費用になりまするが、石炭の節約は東海道線全線電化によりまして二百四十萬トンくらいな節約になります。この石炭の節約と所要電力とを計算いたしまして、これに對するところのいろいろな利子償却を勘定いたしまして、計算比較をいたしましても、東海道線電化によつて二十數億の經常費の節約を期待することができるのではないかと思われる。
 第三の利點といたしましてはなんと申しますか、社會的な觀点から見ました所の利點が非常に澤山ありまして、御承知のように、石炭はこれは天然資源の非常に大事なものでありまするからして、成るべく保存して置きたい。且亦いろいろな他の産業に非常に用途があるという所から、鐵道のような動力を外のもので代えることのできるものにはこの水力を使つてやる方がいい、こういう社會的な利點を有するものであります。尚普通言われております所の電氣運轉にしますれば煤煙の除去になる。この煤煙の除去によりまと所の利点というようなものも、これは想像以上に私は大きいと見るのであります。その事項を擧げてみまするというと、第一番に煤煙を除去することによつて運轉事故の防止になる。サーヴイスの向上にもなる。列車乘務員或いは線路乘務員、電氣乘務員等の從事員の保健衛生上の改善に大いに役立つ。又蒸氣運轉のために隧道内の施設物が非常に腐蝕いたしますが、これらの點につきましても、例えば蒸氣運轉ですと隧道の項壁が非常に腐るとか、いろいろな問題がありまして、現に京都の東山の隧道のごときも、内に入りますと煤煙が溜りまして膝を沒する程度になつておりますが、そういうようなことまで改善することができる。又隧道の排煙施設等を鐵道でも金を掛けてやつておりますが、そういうものも要らなくなくなる。沿線火災も防げる、こういうような利點があると思うのであります。又炭質が非常に惡いために、蒸氣の不昇騰による列車の遅れが少くなるというようなこと、乃至電力の面から見ましても、これを電化いたしまする場合には、深夜の電力を非常に利用することができる。御承知のように電力の需要は季節的にも違いますけれども、一時的にも違うのでありまして、一日の一番使う時間には非常に困るのですが、他の時間、皆が休んでおる時間には電力は比較的餘つておるのでありまするが、これを電氣運轉にいたしますると、皆の人が眠つておる時でも列車は走つておりますから、有效に電力を使うことができるというような、こういう面もあろうと思うのであります。大きいその他の問題つきましては、ちよつと申上げることはできませんが、確かに我が國の現状にとりましては、失業救濟の一環にもなるのではないか、こう思われるのであります。現に第一次歐洲戰爭後に電化を採上げました國々におきましても、水力を利用するという面から採上げた國と、失業救濟の一環として採上げた國とがあるのでありまして、これは現在の失業救濟についてどれだけのウエイトを持つか分りませんが、社會的に見まして、こういうことも現在の電化を施行することによりまして、一つの社會的利益を齎らすものではなかろうかと思うのであります。以上極くあらましでありまするが、私達の知つておる範圍内における電化の利點、即ち物理的現象から來た利點、經濟的から來た利點、社會的に考えた場合の利點、こういうようなものを簡單に申し上げた次第であります。併しその半面におきまして、電化には又いろいろな不利益と申しますか、電化をいたしまする場合には資金を要します。資材を要します。こういうことのために、この電化がどれだけ今後進められるかというような問題になると思うのであります御參考のために、電化に對する建設費の現在の状況を申しますると、電化に對する建設費は、單線を電化する場合の建設費は、新物價體系によりますると、約三百三十萬圓から四百五十萬圓程度掛かります。複線の場合は五百萬圓から六百六十萬圓の程度掛ります。又資材の點におきましては、單線の場合は鋼材が三十トン、銅材が十トン、複線の場合には、鋼材が四十トン、銅材が二十トン、こういうふうな建設費と資材とを要するのであります。從いまして不利點があるわけでありまして、これを如何に調和しつつやるかということが私達の最も考えなければならん點だと思つておるわけであります。
 次に本年度の電化は一體どうなつておるかという問題につきまして、簡單にお話いたしたいと思いますが、昭和二十二年度の電化工事につきましては、最初の交付豫算によりますると、上越線の高崎・水上間、石打・長岡間、こういう上越線については、二つの電化ができております。高崎・水上間の五九・一キロの電化は約一年一ヶ月の日月の工事期間を經まして、本年の四月一日に開業いたしました。この開業の結果、まだ運轉開始の期間が短いために、いろいろなことが調査中でありまするが、計算上からこの高崎・水上間の電化による利點を申しますれば、石炭の節約におきまして、三萬一千八百トンの石炭の節約をなし得ると思います。これは年間であります。而も現在の輸送量で、列車囘數の輸送量につきましても、三萬一千八百トンの石炭の節約を期待する事ができます。牽引力の増加にいたしましては、旅客の牽引力におきまして約五〇%の増加、貨物の牽引數におきまして一五%ぐらいな増加、經常費の節約に至りまして、二千三百萬圓ぐらい年間を通じまして經常費の節約になると思うのであります。石打・長岡間は六十五キロの區間でありまして、これも本年の十月一日電氣運轉を開始いたしました。これに對しましても、最前述ベましたような利點を持つておりまして、從いまして上越線は先ず電化といたしましては、この既定計畫の百二十四キロを完成いたしたのでありまして、手直し工事を現在はやつておる程度であります。次に奥羽線の四十三キロの區間の福島・米澤間の區間について電化の工事をやつております。これは非常に難工事でありまして、現在線路の状況といたしましては僅か四十三キロしかないのでありますけれども、隧道の改築がありますので、非常に難工事を續けております。豫定の開業期間といたしましては、二十三年の十月を豫定いたしてはおりまするが、セメントの入手がなかなか困難でありまして、而も嚴寒に及びますると、セメント施工の工事ができない爲に、この工期につきましては明年の十月にできるかどうか非常に工事の施工者としては目下苦心をいたしておる程度であります。次に高崎から上野の電化、或いは米原・大阪間の電化というものは、二十二年度の交付豫算中に相當な金額を計上いたしまして工事に著手いたすことになつておつたのでありまするが、二十二年度の實行豫算の時に、鐵道省資本勘定の削減の問題が起りまして、これは省内の問題よりも關係筋のいろいろな指示もありましたために、そういう問題が起りました。その折にややこの規模を縮小しなければならない状況になりまして、初の豫算よりも兩線共相當少い金額にいたしまして、本年度準備行爲をやるという程度に金額を落しておるわけであります。從いまして、一應計畫として著手する段取にはいたしておりまするが、工事の進捗の状況はまだ準備時代を脱しないわけであります。大體二十二年度の工事の計畫はそういうふうな順序で進んております。
 次にこれは電化の將來計畫はどうか、こういうことが一應の問題になると思うのでありまするが、これは最前もいろいろ石炭事情を申しましたように、日本の状態としてはどういうふうにこの石炭事情がなつて行くかという問題が大きい問題であろうと思うのです。先ず私の方で事務的に將來電化をしても間に合うかどうであろうかというような線區を選んで考えて見ますというと、國有鐵道千九百六十三キロ、その中で約七千キロの程度は、幹線或いは特殊線を拾いまして、七千キロの範圍は電化をしても間に合うのじやないか。その際の線區において算盤が取れるのじやないか、こう思われるのであります。假りに先ずそういうことにいたしますると、この七千キロを將來に向つてどういうふうに電化を進めて行くかということが問題になるのでありまして、十ヶ年でやるか十五ヶ年でやるか、こういうようなことが問題になると思うのでありまするが、現在の状況からいたしますると、國内の情勢からいたしますると、どうしても大計畫的に、例えばソヴイエトが今日相當な電化計畫をいたしておるような、國としての大規模の電化というものを計畫的に進めるということにつきましては、私が申すまでもなく、現在としては少し適當な時期ではないのでないか、こういうふうに思われるのであります。現在の電化といたしましては、先ずもう少し規模が小さいと申しますか、そう遠き將來のことではなしに、數年の區間の見透しをつけて、その線に沿つてやり得るような規模にしか出られないのでないか、こういうふうに私には感ぜられるのであります。それで假りに五ヶ年間にまあ十キロの電化をする、こういうような程度の規模においてやる場合におきましては、電化路線の選定をどうするかということが一番大きい問題になつて來るのでありまして、これにつきましては省内にいろいろの、電化委員會等もありまして、技術的にいろいろ檢討はいたしておりまするが、先ずやはり石炭の節約が一番大事であるから、輸送量の大きい所からやつて行くということが、これは省内の一致の意見でありまして、その輸送量の大きい線區と申しますれば、東海道本線というものが外のものよりも數等、桁が違つて輸送量が大きいのであります。而して後に他の線區に及ぼすべきだ、こういうことがやはり電化の路線選定に對する大體の根本方針であります。從いまして今ここでどの線區をどうするというようなお話はちよつといたし兼ねまするが、一應事務的な調査等はいたしております。
 非常に話が長くなりますので、飯田さんの御質問に對しましてお答えになつたかどうか分りませんが、今まで餘り私たちの氣持を説明していなかつたので、その際時間を拜借しまして、多少私たちの氣持をお話しまして、尚御質問がありますればお答えすることにいたしたいと思います。
#6
○小委員外委員(丹羽五郎君) 今政府委員の御説明で、電化の非常に有效なことは十分聽かして頂きましたが、ポーレー大使の賠償という問題におきまして、日本の火力發電所約三十を二十取るというようなことになり、恐らく日本の發電所というものは相當賠償の對象になるべきものであるというように私共は考えておりますが、さようなことは將來この豫定線を拵えるという意味におきまして、十分勘案いたしておられるのでありますか。ちよつとその點をお尋ねします。
#7
○政府委員(西村英一君) 火力發電所の賠償のことにつきましては、私は直接極く最近の情勢は知らないのでありまするが、確かに電化の一部大きい隘路になる點は電源の問題は確かであります。それでこの電化をするから火力發電所の賠償をどうしてくれというようなことにつきましては、商工省の方でいろいろ賠償案の緩和をお願いする、或いは水力發電所の開發をいろいろお願いするというような場合に、國内の電力の需用というものを想定いたしまして、お話しておるはずであります。その想定の需用の増加の中には、電化のこれだけの規模において、或いは農村電化はこういうような規模において、産業の復興はこういうような規模においてというような一々の電力の需要を出しましてお話をしておるのでありまして、そういう意味におきまして、電化の方のために電力が増加するということについては、一應考慮いたしておるはずであります。
#8
○小委員外委員(丹羽五郎君) 一番交通量の頻繁な所を電化して行くというお話でありましたが、沼津・濱松間の電化問題ということは、相當以前からやかましく地方民の人の叫びでありましたが、且つその途中におきますところの隧道というものは、興律に小さい隧道があるのみであつて、沼津・濱松間が假りに電化になるならば、私非常に利便が多いことであろうと思うし、且つその建設費においても、よそから見れば非常に少ない建設費で、效果が非常に多いと、かように考えておるのでありますが、これに對する當局の御意見を聞いて見たいと思います。
#9
○政府委員(田中源三郎君) お答え申上げます。御趣旨のごとくに沼津・濱松間は交通量も非常に多いのでありますので、できれば早く御趣旨の通りにやりたいと考えております。先程電力電長から御説明申上げましたように、二十二年度の實行豫算において種々な面倒が生じて來ております。本年度は一體どういうふうに二十三年度の、來年度の豫算においてやるか、單に沼津・濱松間のみでなく、東海道幹線から申しまするというと、米原・姫路間のごときは非常に交通量が多いということ、玉工事費も、姫路・明石間等のごときは非常に極少の工事費で濟むというような實態であります。御趣旨に副うように、できるだけ石炭消費量の節約を考えまするのみならず、沼津・濱松間はやりたいと思つておりますが、或いは豫算の關係上一應靜岡邊りまでの豫算に打切られるようなことにいたすかも分らないのであります。先程來申上げておりますように、東海道幹線路の電化及び特定の箇所における電化、先程局長が申しましたように非常に隧道が多くて、そうして勾配の關係上どうしてもやらなければならんという技術的な面から見まして、それらの諸點等は來年度の豫算にできるだけ上げたいと、かように考えて、その筋とも交渉いたしたいと考えております。
#10
○飯田精太郎君 今のお話で大體政府の御方針が分つあのでありますが、請願の箇々の問題に入りたいと思います。順序が一番終いになつておりますけれども、紹介者の結城さんがお待ちになつておりますから、これを一番先に取上げて説明を伺いたいと思います。
#11
○委員長(小泉秀吉君) 結城さんよろしゆうございますか……それでは飯田さんの御發言もありまするから、請願第九十九號、茨城縣會議長菊田七平外九百五十名、紹介議員の御説明を伺いたいと存じますが、よろしゆうございますか……どうぞ。
#12
○委員外議員(結城安次君) 私から紹介者としてお願い申上げるわけでありますが、電化の問題は、只今局長からのお話の通りで、何も今更私から申上げるまでもないことであります。ただ私のお願いは、常磐線の電化という問題が、只今非常に交通量の多い所から云々というお話がありましたが、交通量の多少は存じませんが、上野・取手間若しくは上野・土浦の混雜というものは、日本中で一番酷いと私は伺つております。私の聞いたところに誤りないならば、日本中で上野の驛が一番混雜しており、乘客が一番多い。その中で大宮・高橋、大宮・宇都宮、大宮・土浦と、この線を比較すると、その中で上野・土浦間が一番乘客が多い。即ち一番混雜しておる列車である。皆さんも一度御覧になれば分るのでありまするが、各列車共皆、繩で以て身體を窓に結び付けるのであります。それから昇降口の所に一杯おつて、振り落されますから、繩を持つて入つて、自分で金具の所に繩で結び付ける。而もそれにも拘わらず、毎月確か六人と記憶しておりますが、死亡者、つまり負傷の結果死亡する者が出るという程の非常な混雜であります。
 それからもう一つ皆さんに特に御同情願いたいことは、東京に入りまするまでに、兩國驛に入りまするまでにつきましても、亦東京驛、新宿、すべてそれぞれ竝行した電車を持つております。ところが常磐線だけは竝行した電車が一つもない。すべて省線の輸送に俟つという全く取殘された氣の毒な状態にある、電車でもございますれば、まだ多少外に緩和の方法もございましようが、常磐線だけは竝行した電車が一つもない。東海道は竝行した電車が二つも三つもあります。千葉方面にもやはり竝行した電車があります。それにも拘わらず常磐線には一つもない。それで非常に混雜するのであります。特に終戰後東京の人が、惡く言えば闇屋ですけれども、買出しに行く。千葉縣の西部、茨城縣の東南部というものが、今東京附近において最も食糧が、豐かとは申しませんが、外に比ベて樂な所で、その中で最も著名なのが常總線と、それから我孫子から出る成田線であります。この沿線が一番食糧がやや足りておる。それから東京に對する通勤者が土浦から各驛にあります。これが一萬何名と伺つておりますが、通勤者連盟というものがありまして、大審院の野村君が今會長で、土浦から馬橋までの各驛の連合會があつて、恐らく西村さんの所へは再々おいでになつたと思いますが、猛烈に、何としても電化して貰わなければならん。つまり自分達の仕事ができないということから、非常に熱心な運動を起しておりまするから、私から申上げる必要はございませんが、そういうふうな非常に混雜する状態であります。
 それから、今後電化でもできるならば、我孫子までは恐らく四十分掛らずに行くでしよう。取手まで參りましても、私は四十五分と伺つておりますが、四十五分ならば立派に東京の通勤圏内に入る。それでそこには常總線あり、又もう一つ先には龍ヶ崎方面というものもありまして、できるだけ早くこのみんなの困難を救つてあげたい。東海道線はそれは確かに交通量は多いでありましようが、東海道線と常盤線とは比べものにならんのであります。それから今後の東京、つまり都市としての衞星都市と申しますが、周りに住宅地としては常總沿線、つまり我孫子、拍、この邊が最も適しておる、而も健康地で食物も多いし、又相當に收容する餘地もあるということから、長い目で見ても、將來の計畫から見ても、これは是非急いで電化して頂きたい。それから當面の問題として電化はなかなか直ぐにはできんかも知れんが、ここ一年一年半の間に是非實現するように願いたいというのが陳情の趣旨でございます。そこにおいてちよつと附け加えて申上げたいのは、鐵道省は隨分方々から陳情を受け、又請願も受けておりましようが、自分で物を鐵道に供出して列車を動かして貰つたのは常磐線だけではないかと思うのでありますが、それは昨年つまり終戰後、非常に常磐線の乘客が混んで困る、これはどうかしたらいいだろうというときに、圖らずも話題に上つたのがガソリン・カーであります。あれでも動かして貰えばいいということで鐵道に言つたら、ガソリンがない、今の時代にガソリンどころではないというので、私も尤もな話だと思つて、田舎に歸りまして、ガソリンがない、結局電化を待つ外ないといつたときに、幸い私の方は飛行機の基地になつておりましたので、軍から各村に農事用として拂い下げてくれたガソリンがあります。あれを各村に分けるやつを、各村に話して供出して貰つたらどうかというので、ドラム罐で三百五十罐、丁度そのときの計算で松戸と取手間が一ヶ年動かせるということを伺いまして、三百五十罐各村の農會に話して持つて行くのを止めて貰つたらどうか、幸い分けようとしてあるのだからということであつたので、直ぐ一も二もなく各町村の贊成を得まして、それを鐵道に擔ぎ込んだのであります。ちようど前次官平山君のときでありましたが、そり程熱心じやこれは何とかしなければなるまいかということで、鐵道も非常に御同情下さいまして、去年の六月でしたか、四月一日が遲れて六月一日からそのガソリンによつて動かした。一日に今取手から松戸間をガソリン・カーで確か三千何名とか運んでおります。或いは私の數字に誤りであるかも知れませんが、そういうふうに地方の人が全く身にこたえておりますから、この運動は實際非常に眞劍なものであります。それを直ぐ團體を作つて出かけるなんと申しまするが、私は今の時代に團體等を作つて出かけるなどは、ただ徒ずらに汽車を混雜させるばかりだし、それからよく鐵道のことは分つてくれるのだから、そう團體で騒ぐ必要はなかろうということで、今度は各方面の署名を取りまして、確か二十何萬石、行く代りに書けということで特に署名したのが確か二十何萬名と記憶しております。二十何萬名署名した書類を鐵道に差上げたというような、非常に地方民は熱望というような言葉では言い表わせん程の熱望を持つておるわけでありまするが、特に豫算面とか、資材面……資材面についてもうちよつとここで附け加えて申上げたいのは、この通勤者連盟の中に日立あたりからも入つて來ておる人がある。それでこれは本省の方にお話があつたと思いますが、日立製作所で電氣機關車に若し事缺くというならば、自分達の方で勞働組合に諮つて、時間外にでも何でも常磐線電化に要する機關車ぐらい拵えて上げますという書類が出ておると記憶しております。日立製作所から通勤者聯盟の野村君まで正式に申出があつた。常磐線のためならば自分達は時間外に働いてそのくらい拵えるからという話があつたということを、この間野村君から報告がありましたが、これは恐らく鐵道にも話があろうと思います。これも附け加えて置きます。それからもう一つ、この間新聞か何かで見たのでございますが、鐵道では松戸、我孫子間を電化する、先ずそこまで行くというように出ておりましたが、前にはこう混雜しない時でしたからいいかも知れませんが、我孫子まででは佛作つて魂入れずというような形になる、というのは、常磐線は混雜して松戸では乘れない。取手でようやく乘れる。土浦で先ず樂になり、水戸で腰がかけられる、こういう情勢であります。松戸では毎列車乘れません。最後の列車のときは、驛長が、幾ら遲れても何としても乘せるということで騒いでおるのでございますが、相當に乘り遲れがあります。それで取手でやや乘れると申しますのは、あそこで降りる人が非常にある、常總線に非常に澤山乘り換えるからであります。取手で先ず乘れる、土浦で樂になる、水戸で腰をかけるという状態でありますから、我孫子まででは折角のなにが佛作つて魂入れずというような形になりますから、是非取手まで御延長願いたい。これは茨城縣の土浦の連中も、一先ず取手まで、松戸、土浦間は是非お願いしたいが、若し途中で切るなら取手までお願いしたいと言つておる、そういうことをこの前本省にお願いしたときに、取手はターミナルにならないということでありましたが、これは技術的には成る程場所も狹うございますから、或いは運輸省が本式にやる電化のターミナルにならんかも分りませんが、列車もあるとこでありますし、その間も電化することになりましようから、我孫子をターミナルとしても、ほんの五キロ幾らでありますから、延ばして、いわば今の上野驛から松戸へ行つておるあの列車が往復しておるようにして、最後のやつが行けないならば、我孫子まで引き返して客車を我孫子で止めるというようにお願いしたい。これは運營上やや御不便かも存じませんが、多衆の者のためでありますから、どうぞそこまでの御便宜を運輸當局の方としてもお圖り願いたいということを附け加えてお願いして、どうぞ皆樣の御同情ある御採擇をお願いしたいと思います。
#13
○飯田精太郎君 今の區間に對する運輸當局の間意見を伺つて置きたいと思います。
#14
○政府委員(田中源三郎君) 終戰後におきまして、東京附近の地方に入口が分散をいたしましたことは御尤もであります。尚將來におきましても、大都市に餘り多くの人口を集中せしめるよりも地方にこれを轉住しまして、もつとでき得べくんば理想的な交通機關によつて、都市に對するすベての業務を終えて短時間に歸るということが理想的でありまして、これは國土計畫の上にも十分その點は考えられておるだろうと思います。私どもも十分その點は心得ております。なかんずく常磐線は非常に短區間の乘車が一時に行われて、そういうために混雜をいたして、多數の死亡者も出したというような實例も事實私ども調査いたしまして承知いたしております。何分理想といたしましては水戸或いは、平までの電化を理想といたすものであります。御承知にように資材、豫算の關係上、本年度實施いたしたい區間も實施できなかつた實情にあることを御諒察願いたい。御陳情の趣旨十分諒といたします。でき得べくんば本年、來年度におきましては松戸、取手間だけを電化いたしたい、かように考えて、豫算面においてこれが實現し得られるよう努力いたしたいと目下考えておるようなわけであります、さよう御了承願います。
#15
○飯田精太郎君 それでは前に戻りまして高崎、熊ヶ谷間の電化を御説明願いたいと思います。
#16
○委員長(小泉秀吉君) 只今飯田さんの御發言で請願第三十六號を議題に供します。御異議なりません。
#17
○委員長(小泉秀吉君) 高崎・熊ヶ谷間に電化工事を實施することに關する請願、請願者熊ヶ谷市長鴨田宗一外三名、紹介議員梅津錦一君、梅津さんから一つ御説明を願いたいと思います。
#18
○委員外議員(梅津錦一君) 請願書が出ておりますから、一應請願書を讀み上げまして、御了解を得たいと思いますが、幾つか御説明申上げたいと思います。
 請願書、日本再建の第一要諦は交通交化の發展に期待するもの最も大きいと考えられます折柄、上越線の電化工事計畫の前提として高崎、水上間の鐵道電化は早くも昨年五月工を起し、すでに本春四月一日より運轉開始せられ、その輕快なる運轉實情は如何にも時代を劃するかの感あり、特にこれを見迭る沿道民の顔にも平和日本の出發に相應しい情緒が表われておりますことは國家の前途に輝かしき希望を抱擁するが如く誠に慶賀に堪えないところであります。傳えらるるところによりますと、政府においては、昭和二十二年度において大宮、熊ヶ谷間の電化工事を實施する御計畫と承つておりますが、すでに高崎、水上間が完成を見ました今日、帝都をつなぐ高崎、熊ヶ谷間の電化實現は上越線電化完成という重大國策完遂の上に必須の基礎要件であると確信いたし、帝都に對する衞星的田園都市の櫛比いたします埼玉、群馬兩縣民として等しくこれが一日も早く完通することを期待して止まないものであります。資材勞力共に不如意の現在において政府當局の苦衷察するに餘りあるものでありますが、重要國策ですることと地元民の要望との絶對性を御勘案下され、萬難を排して、これが實現に邁進せられんことを切にお願いする次第であります。
 仄聞するところによりますと、高崎、水上間の勞力及資材についてはその剰餘轉換の妙によつて高崎、熊ヶ谷間工事實施に役立つよう拜察せらるるのであります。上越線の電化によつて埼玉、群馬の産業開發とこれに伴う輸送力の強化が併行實現の機を得たならば諸設の復興もおのずから一大飛躍を加えらるるものと確信するものであります。ここに著工の議にいたらざる兩端の熊ヶ谷、高崎兩市は沿道住民の切望止みがたく全市有力團體への協力をも求め、その實現を期するため不斷の努力をいたしたい決心であります。庶くは事情御了察下され特別の御詮議をもつてこの劃期的電化工事の實現を期し、國策完遂とこれによる沿道市町村民の福利を増進いたしたいため、取りあえず兩市代表連署して請願申上ぐる次第であります。昭和二十二年六月三十日、熊ヶ谷市長鴨田宗一君、熊ヶ谷商工會議所會頭吉田俊一君、高崎市長小島弘一君、高崎商工會議所會頭小柏朝光君以上四名であります。
 尚これに追記がついております。追記、高崎は僅々四十キロにして國際的観光地である輕井澤に通ずる交通上の重要據點でありまして、高崎、長岡間の電化工事完成と共に東京都心を含まれた唯一の電化操作の中心であります。従つて高崎、熊谷間が電化が實現されますと、輕井澤の観光的發展も急速に進展するものと考えられ、尚これと同時に高崎横川間の電化が實現されるならば文字通り積極的な影響を與えるものと思われるのであります。故にこれが即時實現を期する所以であります。以上が請願文の全部であります。
 紹介議員として實情の一端を申上げたいのですが、先程もありましたように、大宮と東京・上野間は竝行の電車線がありますので、大宮・東京間はそう大したことはないのですが、熊ヶ谷と高崎の間が非常に混むのです。高崎の方から參りますと、熊ヶ谷に至るまでが徐々に混んで、熊ヶ谷から壓倒的に混んで、大宮に來ると大宮で三分の一程度か下車して、上野に來るまでは危險状態でなく入れるわけです。こういう状態で一番危險なのは熊ヶ谷・大宮間であり、高崎・熊ヶ谷間である。これが實情なんであります。いろいろ電化上非常にむずかしい問題があると思いますが、私が特にこの問題を採り上げて頂きたいと思う理由は、今度の風水害で私ははつきりその實情を掴むことができたのです。御存じのように今度の風水害は關東押し竝べて被害を蒙らせた。この一大原因が赤城山にあるということはもう御存じだと思うのです。高崎を通過して高崎線に合流するところの鐡道は上越線が高崎を利用して入るわけです。それから信越線、それから兩毛線、八高線は別ですが八高線、それから上信線というのは、これは群馬縣の私鐡でありますが、上信線。これが皆高崎線に入つて東京に入つて來るわけです。尚草津鐡道が入つて參ります。草津鐡道は澁川が基點であります。從つて澁川から上越線の軌道を使つて高崎に入つて、ひとしく東京に入つて來るわけです。尚上毛鐡道というのが前橋を利用して高崎に入つて東京に繋がつておる。以上七つの線が、皆高崎線に合流して來るのですが、今度の風水害でただ一つあいておるのは高崎線だけであります。この高崎線というのは非常に有利な位置に地形的に非常に有利な地で十七日の晩にはこれだけが復活されている。現在尚復舊の見込のないのは草津鐡道であり、尚私鐡ですが、上毛電鐡、それから上信電氣ですが、これはもう全部不通です。それから兩毛線が現在においても殆んど復舊の見込立たず、特に群馬と越後を繋ぐところの上越線がこれも復舊の見込立たず、これは部分的に動いているだけでしかない。信越線は幸にしてこれは支障がなかつた。以上のように今生きているのは信越線、高崎線だけなんです。結局復活できたのは…。まだあとは復舊見込立たずのような状況なんです。こういうような點から見て、これを電化したならば資材が非常に早く運べて上越線も或いは兩毛線も總てが早く風水害の復舊がなされる、こういうような考え方から、今度の風水害を見て特にその感を深くしたのです。風水害後の通勤或いは輸送關係で極端に混んでおる。これが若し電化されておるなら恐らく信越線や上越線その他上毛線もその他の上信とか兩毛とか草津鐡道とか、こういうような線が高崎線の電化によつて逸早く復活できるのじやないか。この風水害はもう今年一囘で終るのではなくて、赤城山がなくならない限りにおいて、毎年々々將來あの無數の決壞を見ると土砂で毎年々々上越線も或いは兩毛線も或いは八高線も皆これはやられる、これは明らかなことだと思う。今年鐵道が直つたからこれでよいということはない。又來年簡單にやられると思う。今やつておるのは殆んど應急的處置ですから、少しの出水で直ぐやられる。そのために高崎線だけは被害を蒙りませんから、これによつてこれを復舊させる。そうして恆久的な施設を作るためにもこの輸送上の問題、或いは通勤者の問題、この兩面からどうしてもこの高崎線を電化せさて、高崎熊谷間は五十キロぐらいで小範圍の鐵道ですから、政府の努力によつて將來災害豫防の上からも、私は特に災害上の問題からこれを取り上げて貰いたいと思うのです。以上のようなわけです。突發的な事件が出ましたので、この高崎・上野間の高崎線の重要さが尚切實になつて來たと思うのですが、東北本線も兩毛線も繋いで、それから兩毛から高崎へ向けて行こうとしたところが、上毛線が復舊見込が立たず、これも立消えになつたやに開いておりますが、そういうようにいずれにしても高崎線が重要幹線であるという全貌をこの風水害によつて明らかにされたのでありまして、風水害を考えますと、特に米の産地であるところの越後を控えておりますので、高崎線の電化によつて上越線も開通が早くなる。こういうような状態でありますので、この點特にお考をいただきたいと思います。紹介議員として申上げます。
#19
○飯田精太郎君 これに對する運輸當局の御意見をお伺いしたいと思います。
#20
○政府委員(田中源三郎君) 東北本線が幹線でありまする上野・高崎間の電化は、先ず大宮までできておるのであります。上野・熊ヶ谷間は二十二年度に工事に著手する豫定で豫算に計上して進んで來たのでございますから、豫算竝びに資材の關係等においてこれを實施するに至らなかつたことは先程電力局長から御説明申上げましたような事情に立ち至つておるのであります。この高崎・上野間のキロ數は一〇一・四キロで、五億二千五百十一萬九千圓の豫算を要するのであります。或いはこれよりももつと今日の物價事情から申しますというと、豫算が跳ね上がるかも知れないと思います。二十三年度におきましては、少くともこのうち二億六千萬圓を計上いたしましてやりたいと、かように實は心得ておるようなわけであります。これが豫算及び資材の入手につきましては、先ずセメント等は御承知のごとくに最近占領軍下に使用されております關係上、誠に窮屈でございまするが、漸次この問題は緩和の状況になつて行くだろうと思います。問題は銅と鐡であります。鐡はどうしても現行日本の生産鐡でありましては豫定通りの電化をやるということは困難でありまして、特定の貿易運轉資金等の一部を以て鐡量の輸入を圖る、或いは銅の輸入を圖るということと、セメントの生産を増強するということが、一に懸つて電化の資材面における重要な問題になつておると思うのであります。東北本線の幹線は理想といたしましては漸次青森まで電化して行く方針を取つて行かなければならないのでありますが、漸次先程西村政府委員から御説明申上げました通りに、漸進主義を取つて行きます上においての現状の豫算竝びに資材の問題においても、今申上げましたような非常に困難な點がございまするが、何とかこれを切り開きまして、請願の御趣旨に副いたいと心得ておるようなわけであります。
#21
○飯田精太郎君 それでは次に移りたいと思いますが、よろしうございますか。
#22
○委員長(小泉秀吉君) 結構です。
#23
○飯田精太郎君 七十八號と九十四號……。
#24
○委員長(小泉秀吉君) 七十八號ですな。
#25
○飯田精太郎君 第七十八號の松戸・我孫子間は、さつきの松戸・水戸間の御説明に私共含まれておるように思いますが、何かこれに對して運輸當局の御説明があれば補足していただいてもよろしうございます。
#26
○政府委員(田中源三郎君) 別に、先程申上げた通りでございますので、同一問題としてお取扱い願いたいと思います。
#27
○飯田精太郎君 それではその次の九十四號の宇部東線電車運轉を山口市宮野地區迄延長することに關する請願、これに對して當局の御意見を伺つて置きたいと思います。
#28
○政府委員(田中源三郎君) これは非常に資材の面で壓迫されておりまして、資材さへ入手見込が立ちましたならば請願の御趣旨に添う考えであります。
#29
○委員長(小泉秀吉君) 今日の議題の電化はそれだけでしようか……それからこの前の委員會で結論に行かない自動車、省營自動車の問題がございますが、今日はどういうふうに取扱いましようか。
#30
○飯田精太郎君 今日はこの程度で一つ散會して頂いて、今のなには委員の方がおいでになつたときにやつて頂きたいと思います。
#31
○委員長(小泉秀吉君) 第一囘、第二囘一括して次にやりましようか、それではこの程度で散會いたします。
   午後零時十二分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     小泉 秀吉君
   委員
           大隅 憲二君
           飯田精太郎君
           尾崎 行輝君
           中野 重治君
  小委員外委員
   委員長     板谷 順助君
   理事
           丹羽 五郎君
          橋本萬右衞門君
           小野  哲君
   委員      内村 清治君
  委員外議員
           梅津 錦一君
           結城 安次君
  政府委員
   運輸政務次官  田中源三郎君
   運 輸 技 官
   (鐵道總局電氣
   局長)     西村 英一君
ソース: 国立国会図書館
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