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1947/09/27 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会社会事業振興に関する小委員会 第2号
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1947/09/27 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会社会事業振興に関する小委員会 第2号

#1
第001回国会 厚生委員会社会事業振興に関する小委員会 第2号
  付託事件
○社会事業に関する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年九月二十七日(土曜日)
   午後一時二十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○社会事業に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山下義信君) 只今から開会いたします。本委員会は社会事業の振興に関しまする諸問題を取り上げまして、現下の厚生行政の一大刷新の方策を見出したいと念願いたします委員会でございます。不肖委員長の席を汚す次第でございますが、どうか御援助の程お願い申し上げます。
 政府委員の出席いたしまするまで本委員会の先ず取上げまして第一に研究いたします問題を皆様と御協議申し上げたいと存じます。
 尚会議の途中で委員長の席をお代り願いたいと思いますので、そのとき代理して頂きまするお方をどなたにお願いしましたらよろしゆうございましようか。
#3
○姫井伊介君 服部さんにお願いしたいと思うのですが……。
#4
○委員長(山下義信君) 只今姫井委員から、本日委員長の代理に服部委員にお願いするという御意見が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。
#6
○服部教一君 行き届きませんけれどもいたします。
#7
○委員長(山下義信君) それでは本委員会におきまして先ず取上げて研究いたしまする問題につきまして御意見がございましたらどうかお述べ下さいますよう。
#8
○服部教一君 私非常に希望しておりますのは玄米食の奬勧ですね、あれはやはり今の社会事業の中に入りますか。あれは非常に重大なる問題で、特別委員会でも作つて貰いたいぐらいに思つておるのですがね。
#9
○委員長(山下義信君) これは國民保健に関連いたしまする問題で、厚生省の所管であろうと存じますが、尚政府委員が出席しましたときに確かめることにいたします。
#10
○服部教一君 あれは衞生上の問題と、もう一つは米を二割ぐらい節約できるのですね。それで現下の米の不足なるときに玄米食を奬勧して大いにやることにすれば非常に助かると思つておるのですが……。
#11
○委員長(山下義信君) それでは政府委員が見えましたので只今から厚生行政の現況につきまして大体の御説明を願うことにいたします。
#12
○政府委員(葛西嘉資君) 大変廣いお話でありまするので或いは不十分な点があるかもしれませんが、大体のことを申し上げさせて頂きたいと思います。戰前のことはもうすでに御承知のように、大体戰後の厚生行政と申しますか、社会事業或いは社会政策と申しますか、そんなような点について大体申し上げるのが適当と思います。終戰後非常に御承知のような混乱の状態がありまして、社会事業の方面から申しますと、当時の情勢では殆んどやつて行けない生活の困窮者というものが國民の一割にもなるのじやないかというふうなことが一昨年の暮あたりは予想されたのでございます。そのときに政府のやりました手としましては、御承知のように生活困窮者緊急生活援護要網、現在で申しますと、大体生活保護法がこれに代つておるわけですが、この政策を先ずやつたのでございます。一昨年の十二月の十四日だと思いますが、閣議決定を以ちまして今までのような、或いは軍事扶助でありますとか、或いは母子保護でありますとか、戰災兒保護でありますとか、救護法でありますというような法令を以てしては、とてもこの大量な困窮者にやることができないというふうなことで、大雜把に網を拡げまして、これを援護して行くというふうな方針を決めたのでございます。その当時予想しましたのが、國民の一割約八百万もそういう人があるのじやないかということを予想しておつたのでありますが、現存まで実は幸なことにそれほどのものはございませんのです。一番多いときで約三百万足らず、少くなりますと二百七十万というくらいな数であります。これぐらいのものが前後して出て來ておるというのが現在までの状態でございます。それでその対策でやつて参りましたが、これは当時、帝國議会でありますが、帝國議会の協賛を経た法律の形によつて一つの成案を打立てる必要があるというようなことから連合軍からの指令の次第もあり、御承知のような生活保護法というような法律を現在も実施しておるわけであります。これは非常に目新らしい点としましては、社会的援護というふうなものを國の責任にするという点が一つの大きな狙いでございます。國家社会が責任を負うて行くという点、それから第二には、今までのように、出征軍人の留守家族であるからとかいうようなことで、特に高く國家として扱う、戰災者はその次に扱う、一般の救護法、母子保護法のようなものは一番待遇が惡いというようなやり方になつておつたのを、現在の憲法にあります法の下に平等であるというあの精神を以ちまして、無差別平等に本当に困つておる者を助けてやるというような方針を取つておるのでございます。これで今の終戰後の極く混乱しておりまする状態、これは引揚者でありましようと、或いは一般の困窮者でありましようと、軍人の遺族でありましようと、傷痍者でありましようと、皆これに含めておるわけでございます。それから今度は失業保險或いは失業手当という制度がありますが、これのない現在までのところにおきましては、やはり失業の故を以て生活困窮者であります者も、無差別平等の見地からこの法律によつて援護して参るというようにやつて参つておるわけであります。実績は大体現在まで昨年の十月一日から実施をしておるのでございますけれども、この成績は先ず小さく申せばいろいろ改善を要する点があると思います。併し大体のところは、大筋としては施行上も大体はいいのじやないだろうかというふうに認められると思うのでございます。將來いろいろやつて參りまして、改善すべき点等はございますが、今までのところでは、とにかく御承知のような終戰後の混乱、二ケ年有余の間を経過しておりまして、或いはいろいろな社会不安等も起きるのではないかというふうに予想されておつたのでありますが、とにかくこの案、その後にできましたさつき申しました緊急援護という案、生活保護法という制度によりまして、現在までにやつて來ました点につきましては、私共法なり制度なりの目的は、部分的に申せば不満がございますけれども、先ず大掴みには狙うところがあつたのじやないか。これからは一つその内容を改善し、改むべきところは改めるというような方向に、もつと法の精神を徹底した運営に行かなければならんというふうに考えております。
 それから街に溢れておりまする浮浪兒、或いは闇の女というような問題、昨年生活保護法を審議いたしました際に、結局両院におきましても、この問題は非常にやかましかつたのでありますが、数千万円の國費を投じまして、浮浪兒の收容施設或いは浮浪兒に対して活動いたしまする態勢を整えまして、或いは闇の女にいたしましてもそういうふうな態勢を整えまして、現在若干の施設を全國主要の都市に持つておるわけでございます。これらによりまして相当の成績を挙げて、先す段々と御承知のように浮浪兒等の数なども街の中では一頃よりは減つたというふうに思います。
 それからいろいろな社会施設等の問題でございますが、これも戰爭の経緯を経まするというと、或いは経営難というようなことで止めておる、止めなければならんというふうなこと、或いは又戰災を蒙つた施設というものも実に莫大な数に上つておつたのでございます。ところがその後政府におきましては、昨年度から今年度にかけまして、約七億かと思いますが、七億余円というふうな金を投じまして、これらの施設の復旧、或いは拡張、改良というふうなことをやつたり、或いは必要でありますれば、都道府縣或いは市町村等をして、これらの金を使つて所要の社会施設を整備さしたというふうなことがございます。現在までにそういうふうな都道府縣等で施設をいたしたもの並びに復旧、改良、拡張というようなものをやつたもの、大掴みに申しまして約二千施設というふうに勘定いたしております。約二千の施設が戰後そういうふうに、或いは立ち上り、或いは新設をされ、或いは拡張、改良をされたということになつております。相当の收容者がこれらによつて、どこにも寄る辺のないような人がこれらに加わつておるというふうなことでございます。社会事業の部面についてもう一つ申し上げさせて頂きますと、生活保護法は、先程も申しましたように國の責任でいろいろやつておると、國の責任で社会援護をするとこう申した半面、とかく世間では隣保相扶と言いますか、或いは友愛の精神と申しますか、お互い助け合うという精神が、多少半面において薄らいで來たのじやないかというふうな印象を與えられておるように認められるのでございます。國が責任を持つということとお互いが助け合うということとは、これは矛盾するものではないと私は思います。隣人お互いに助け合うというようなことが、これがやがては隣組とか或いは又五人組とかいうようなことの助け合いになり、それが町村、郡、國というふうに発展したものでありまして、同じ種類のものであろうかと思います。從つて國が責任を持つて社会援護をするというようなことと助け合うというようなことが矛盾するものではないというようなことが忘れられておるのではないか。一般の社会情勢から、人のことは構つてやれんというような状態も了解できるのでありますが、とかくそういうふうな形勢もありまするので、來る十月一日には全國の社会事業大会を日比谷において両陛下の親臨を仰いでやることになつております。今年の暮にかけまして、國民助け合い運動というようなことで、世間一般の識者の御理解を得まして、この國の責任でやるという生活保護法と國民一般助け合いでやつて行くというような精神と噛み合せまして、憲法で申しましたような社会福祉、社会保障の増進というようなことの氣持で行かなければならんのではないかというふうに考えております。
それからもう一つの戰後の新らしい問題は、私設の社会事業に対しまする國の補助関係でございます。憲法の関係から申しますれば、社会事業法というような法律がございまするので、これらの法律の適用を受けまする限りは、國の公の負担費用に属するものというように解釈ができまするので、その憲法の條章からは、社会事業法の適用を受けておりまする社会事業施設に公金を出すというようなことは差支がないというふうに憲法制定当時から政府は申しておるのでございますが、聯合軍最高司令部の方針によりまして、私設の社会事業に補助を出すというようなこと、言葉を換えて申しますれば、社会事業法という法律がございますが、この社会事業法に基く補助金を支出するという点については、残念ながら今年の四月頃いけないという結論に到達をいたしまして、これに代るべき何らかの手を打たなければ、これらの施設に收容されておる人々は非常にまあ氣の毒なことになつてしまいます。数万のこれらの施設の厄介になつておりまする人が、なんとかしなければならんというような困つた状態に立ち至るというふうな情勢でございましたので、進駐軍司令部の御援助も得まして、御承知のように、社会事業共同募金の運動を今年末に國民助け合い運動と関聯をして展開をいたしまして、金を集めて私設の社会事業等の経営に資すると、これによつて、右申し上げましたような大体三千数百というような私設の社会事業施設があるわけでございます。これらの経営に対しまして、不足額を補つて行くというようなことで、目下懸命の努力をしておるような次第でございます。
 非常に大雜把な申し上げ方をいたしましたのでございますが、もう一つは兒童問題であります。これは兒童福祉法で十分御承知の通りでありますが、兒童保護の問題を大きく取上げまして、本年初め、三月でありますか、兒童局が設置されまして、兒童の問題を大きく取上げることになつた。非常に明るい部面をここに持ち出して來たという点は、もうすでに御承知の通りであります。
 それからもう一つは、大きな社会問題乃至政治問題と申してもよいと思うのでありますが、引揚者の問題でございます、引揚者は、終戰後の状態から申しますれば、数十万の引揚げの者達がおりましたのに対應いたしまして、御承知のように、全國に十数ケ所の引揚援護局を作りまして、ソ聯地区その外の若干のものを残しまして、すでに完了しておるわけでございますが、大変なお仕事をやつて参つたわけでございます。いろいろなことはございますけれども、とにかくあれだけの大量の引揚を今日までやつて参りましたのでございます。引揚者の問題は、外地から引揚げるというふうな問題の外に、内地におる引揚者をどう定着させるかというふうな問題があるわけでございます。直接私の所管ではございませんけれども、これにつきましては御專門の方もおいででございますが、或いは越冬の住宅を建てますとか、或いは十数億の金を投じまして庶民金庫等を通じてやります生業資金を貸付けて、立上る者については立上つて貰う、自分の得た技能経驗等を活かして立上つてもらうというふうな方策を講じておるわけでございます。引揚者の問題につきましては、御承知のようにまだいろいろな関係から未解決な問題が残されておるのでございますが、これは成るべく早く一般に融け込んで頂きまして、一人々々が皆それぞれの部門で御活躍を願うようにせなければならんと思つております。引揚者の今後の大きな問題としましては、定着後におきまして一般生活に融け込んで、そうしてそれぞれの社会におきましての分々に應ずる仕事を受持つてもらうというふうな問題であろうかというふうに考えております。
 それから私共がもつとこれからやらなければならんと考えております問題の中に、遺族乃至は傷痍者の援護の問題がございます。遺族乃至傷痍者は、これは申し上げ方によると或いはどうかと思うのでありますけれども、率直に申し上げさして頂きますと、御承知のように聯合軍の指令によりまして、軍事保護院というような、軍だけを特別に取扱うというふうな制度に対する非常なきつい指令がございまして、これを無差別平等に取扱わなければならんというようなことになりましてから、なにも必要はないのでありますけれども、特に遠慮したとでも申しましようか、一般の人がそういうふうな印象になつて、とかくこれらの人に目が行届かなかつたのではないだろうかというふうな節さえあるように思われるのでございます。これは非常な間違いでございまして、一般と平等に援護をして参るということでありますれば、一向差支ないのでございます。これらの点も或いは政府がやるべきことは政府でやる、或いは府縣廳の取扱等で特に戒心をして頂かなければならん点は戒心をして頂くというふうなことで、地方部長会議或いは課長会議等には、屡次指示をいたしまして、万遺憾ないようにしてくれというふうに頼んでおる次第でございます。傷痍者の特別の援護の問題につきましては、実は非常にデリケートでございまして、御承知のように聯合軍司令部等で、傷痍軍人の対策というような文字が出て参りますたびに、向うから事情をきいて参るのでございます。そんなこともありまするので、私共が傷痍者に対しまする特別の援護と申しますか、特別というと語弊が、これは言葉が非常にむずかしいのでありますが、一般の人並に援護をするというには、やはり傷痍者と一般人とのハンディキャップを或程度埋めて行くということが必要であります。そういう意味の特別という文字でありますが、そういうふうな施策を講じたいというふうなことで、数項目の具体的な案を以ちまして、今聯合軍司令部と打合せをいたしております。やがて了解がつきますれば、これら傷痍者に対しまして、勿論傷痍軍人にだけでありませんで、一般の産業傷痍者或いは戰災等の傷痍者を含めました傷痍者対策というふうなものを実行して、終戰後とかく等閑にされておつたのではないかというような方面に、特に力を入れてやつて参りたいと考えております。厚生行政全般につきましては、その外に衞生の方面、公衆衞生の向上というふうな面があるのでございますが、これは私の方の所管でありませんので、お許しを頂きたいと思います。要するに私共はこの厚生行政特に社会援護というような部面につきましては、新らしい國の憲法でありまする憲法第二十五條の線に沿いましてこれからどんどんやつて行く仕事がございますので、うんと力を入れてやつて参りたいというふうなつもりでおります。大変雜なことを申し上げまして恐れ入りましたが、御質問によつてお答え申し上げるようにしたいと思います。
#13
○委員長(山下義信君) ちよつと政府委員にお尋ねしますが、先程委員から質問がございましたのですが、玄米食の奬励というがごとき食生活の改善の問題は、これは厚生省の所管でございますか、若し所管でしたら何局でお取扱になつておられますか、それが一つ。
それから厚生行政の今後のあり方について政府当局では或いは機構の改革とか或いは新らしき厚生行政の分野の開拓、それに伴いまするいろいろ対策の御準備があるかのごとく傳えられておりますが、それ等につきましてこれは次回でよろしうございますから、御当局で今後大いになさろうとする諸般のお考えがありますれば、本委員会でお示しを願いたいと存じます。
今一つは、差当りまして聞くところによりますと、追加予算に計上せられてありまする厚生省関係の予算が或いは大幅に削減せられ、或いは兒童福祉法関係の追加予算のごときは削除されるのではないかということでありますが、その追加予算のことは只今のところどういうふうになつておりますか、これは緊急のことと思いますから、この席でお話を願いたいと思います。
#14
○政府委員(葛西嘉資君) 第一にお尋ねになりました玄米食の奬励という問題でございますが、これは実は厚生省だけの所管であるかどうかという点については多少やり方によりますると或いは農林省の所管にもなるような関係だと思いますが、併し栄養という立場から申しますれば厚生省が所管をしておる部分があることは申すまでもございません。所管は公衆保險局の栄養課という所でございます。三木局長の所でございます。ただ戰時中玄米食の問題が起き、殊に米の量を増そうというようなことから七分搗或いは三分搗、二分搗というようなことになりましたときには、農林省所管の米穀の統制規則、國家総動員法に基く米穀等統制令というのがあつたと思いますが、そういうものでやつておりました。これは農林省の所管でやつておりました。そういうような方法でやることになれば所管は農林省というふうなことになろうと思いますが、併し一般に玄米食をどうするかということになれば、委員長仰せのごとく公衆保險局の所管だと考えております。
 第二は準備して申すようにということでございますので、この次に申し上げさせて頂きます。
 第三の追加予算の問題でございますが、これはまだ私何も聞いておりません。殊に所管が私よりもむしろ会計課長なり或いは大臣、次官の所管でございますので、私から申すのは如何と思いますが、私は少しも現在までのところ、まだその点を聽いておりません。
#15
○姫井伊介君 この社会事業全般に対する資料を頂きたいと思いますが、私特に希望いたしますのは、これは今の状態で果してできるかどうかと思いまするが、できればお願いしたいことは、全國の略図ですね、略図の上に公の施設、私の施設、それから種類別といつたようなものを符号によつて書き表した一般状況の分布状態ですね。
   〔委員長退席、委員服部教一君委員長席に着く〕
 よく昔は拵えたものなんです。それに添えるのに、その又收容人員だとか、或いは從業者の数だとか、又そこの資産状況とか、主な点と、そこの人口比率、それには無論民生委員なども入つて來るわけですが、全般に亙りました施設を図の上に数字と共に表して貰うような資料が御用意できますかどうか、できれば一つそれを頂きますれば非常に仕合せと思うのであります。
 それから次は社会事業が申すまでもなく、國民の生活全般に深い関係を持つておるということは申すまでもありませんが、單に社会事業の対象となつておる人というのみならず、この社会事業が文化の方面、教育の方面、或いは宗教の方面その外あらゆる方面において深い関係を持つて、社会事業がそれらの各部面に大きなる仕事をすることによつて、現在の國の立直りも非常に推進される。そういう機能を持つておりますにも拘らず、どうも社会事業というものが各方面に対しまして浸透していない。ただ社会事業は社会事業のみとして扱われ、それのみとして考えられて來ておる。これではいけないので、將來の在り方は廣く各方面に社会事業が國民の生活全般の分野に亙つて考えられ、それが処理できるようにならなければならない。それがためにはどういうふうな方法をとるか、どういう構想の下にそれをやつて行けばよいかということを私共は研究しておりますが、若し政府の方でそういうこともお考えになつておりまするならば、さつき山下委員のお尋ねに対するお答えと共に、合わせて御意見が承りたいと思います。
 第三番目に、これは部分的の問題でありまするが、社会事業に從事しておりますり人達が、やはり一つの労働組合法による組合を作る。そういう場合には、当然労働基準法というものが適用されるべきはずだと思います。そういたしますと、現在の私共営んでおります社会事業の施設は、多くは微力でありまして、労働基準法の処遇が從業員に対して行われると、又行われなければならんといたしますと、非常に財政上困る点ができて來やしないか。困るからといつて從業者に対するそういうふうな待遇を軽減しては無論いけないので、これは政府としてむしろ進んでやられるだろうと思います。そういう場合に対しまして、その社会事業の施設に対して、なにかお考えがありますかということなんです。無論先程お話のように、公に補助ということはできないのでありましようから、こういう関係においてやれば、幾らかそこの点が緩和されるじやないかといつたようなお考えでもありますかということを先ずお尋ねいたします。以上。
#16
○委員長代理(服部教一君) ちよつと私、山下さんが用事ができまして、直きに見えると思いますが、その代りに私に代つてくれということで……。私服部でございます。
#17
○政府委員(葛西嘉資君) 姫井さんからのお尋ねの、全國を図にしてやるというお話でありますが、姫井さん御存じのように、社会施設は大体大雜把に申しまして六千ぐらいあろう。保育所などを加えますと、五千数百という……。縣ぐらいな單位でやつても余程大きなことになりまするのでございます。それから御承知のように大掴みにと申し上げましたのは、例の社会事業のいろいろな統計を戰時中止めておりまして、正確な資料が実は手許にございません。ただ併し先程申し上げました昨年から今年にかけてやりました緊急援護乃至生活保護法の施設というのが約二千ばかりできたということを申し上げましたが、この方の施設は、縣別に、而も経営者別に分つております。これだけ新らしく新設、拡張、改良等をいたしました。約二千、二千と言いましても新らしく二度目の配当いたしました方もまだ整つておらんと思います。御承知のようにまだ縣廳で二度目に配当いたしました二億七百万円ばかりの金の部分につきましては、漸くに先月までに各縣と相談をいたしまして、これでやつてよろしいという指令を出した程度であります。第二次の二億七百万円余のものについてはまだ出ておりません。その前の五億余りのものについては資料がございますから、ちよつと克明のものにもなりますがございますから、これは差上げでもよろしい。その程度でよろしうございますか。或いは又私共の方ではそういうものを全部これは今申し上げたように作つておかなければなりませんし、成るべくそんなふうな大変結構な、特に人口の比率等の関係から種類別の配置というようなことを考えますと、比常に大事なことになろうかと思います。或いは又公設私設の問題あたりから考えましても、そこらの釣合がどうなるかということは、非常に大事なことだと思いますので、取敢ず只今のところではその資料でお許しを願いたいと思います。
 それから第二にお尋ねになりました点は、大変大事な問題であり、この点総理大臣も厚生委員会においでになつて、民主主義と社会政策乃至は社会事業というような点からお話がございましたのであります。今度の災害のごときものも、実は援護会の力に應じておりますような社会事業に対しましては、面倒を見る人間を社会事業の人達が面倒を見ておつたというような感謝を以て迎えられる好い機会ではないか。根本的には只今姫井委員の仰せられましたように、大変大事な問題であるのでございますが、なかなか方法がむずかしい問題でありまして、本委員会あたりで專門の方々から御協議を頂きまして、私共も努力いたしますが、いろいろ御相談をしてやつて貰いたい。今どうするというようなことは若干の予算ぐらいを以て出來る問題ではございません。勿論これは廣くやはり各方面の協力を得て、而も適切な施策を次々となつていく以外には方法がないと思います。取敢ずのところでは十月の半ば頃には出るかと思いますが、同胞援護というような意味の映画を作成いたしまして、大映でございます。それが東京に上映される。今回の運動週間に上映される予定になつております。そういうような映画あたりが一番手つ取り早く臭みがないので、段々そういう氣持を養つていくのではないか。非常に大衆性がありますので、こういうものを利用したいと今やつております。尚一つ本委員会におかれましてもいろいろお教えを頂きまして、私共も努力いたしますが、一緒になつて是非一つやつて頂かなければならないというように思つております。
 第三にお尋ねになりました社会事業從事者は、労働基準法の適用を受けるかどうかということでありますが、これは労働基準法の適用は御承知のように労働省の所管でございます。基準法ができますときに労働省、当時はまだ厚生省でございましたが、関係局とも相談をしておつたのであります。労働基準法の正面から言つて、社会事業從事者をどの條文に入れるかという点については実はいろいろ協議もしましたが、なかなか書き方がむづかしうございまして、労働基準法第八條にいろいろ業種を列挙しておりますが、なかなかむずかしかつたのであります。私共といたしましても、労働基準局の立場といたしましても、從事しております者の労働條件を改善していくという点については、社会事業從事者だからこれから除かれるということはあり得べからざることであり、とにかく縁の下の力持になつておつて、今まで非常に薄い待遇でやつてきておられたのでありますから、これは是非やらなければならないというような立場から、一應できるだけ社会事業從事者もこれに包含させるというふうな建前でやつております。これが各條文によりまして救助事業というようなことでありますれば、医療という文字とか、或いは看護という文字があつたかと思います。そういうようなことは或いは労働基準法の施行規則の中にも「法第八條第一号乃至第十五号の事業の該当しない法人又は團体の事業又は事務所」というように包括的に入れております。そんなことで大部分の社会事業に從事しておる者は労働基準法の適用を受ける。受けさせたい。受ける方がよい。受けさすべきだ、と両省の間では話合ができております。ただ今申しましたように、施行規則第一條の第三号にありますように、「法人又は團体の事業」というふうにしますと、個人なんかのやつているもので、而も包括的に入らないいろいろな業種に入るものはよろしうございますが、どれにも入らないものが又出てくるのではないかということも考えられるのであります。一々具体的にこういう事業をやつている社業事業、こういう事業をやつている社会事業と当めていきますことは理論的には考えられますが、そういうことになりますと、これは入らないということになるのでございます。併し大部分の者はなんとかしまして労働基準法の適用を受けていくということが、この從事者の労働條件を改善していくことからも適当ではないかというようなことで、両省の間では話合をしております。そうなりますと今姫井委員が御指摘になりましたように非常に費用が嵩むという問題が起きて参ります。これは御承知の通りに社会事業の方面でも非常に心配して頂いている問題でありますが、この点につきましては、私共といたしましての対策というか、或いは講じて頂きたいというふうに考えておりますのは、第一は社会事業の中で御承知の通り公共團体がやつているものと、生活保護法でやつておりますもの乃至は今度制定されます兒童福祉法でやつておるようなものについての、それらの福祉施設乃至は保護施設に要する人件費なり、或いはお世話をする費用などは当然施設事務費というものの中に包含されるものと思う。先般御承知のように八月一日から施設事務費が……今りますものだけ申しますと、即ち保育事業、或いは養老その他の事業というようなものについては、それぞれ一日一人八円乃至六円というふうに施設事務費を増額いたしました。それからその外の施設のものについても府縣廳で個々の施設についていろいろ調べて頂きまして、この施設はこのくらいにするということが決まつたならば、知事においてこちらの方へ申請して頂いて承認を得て決めて頂けば、所要の額を出すように方針を決めております。実は私共はできるだけ細かいことを中央で決めてやつて、地方では事務的に混雜をいたしますから、地方でやる範囲を成るべく少くして、地方で便宜なようにしたいというわけで、成るべく沢山の業種を挙げてやつておつたのであります。ところが御承知のように社会事業は非常にいろいろな種類がございましていろいろやり方がございますので、言葉は大変いやな言葉でございますが、ぴんからきりまでありまして、これの基準的な施設事務費というものを定め得なかつたわけであります。一應は定めたりいたしましたが、結局財務当局といろいろ折衝いたし、ますと、まだ確定的に國が決めるには速いというようないろいろ意見が出まして、それも一應御尤だということで、あのように三段階に八円、六円、一円三十五銭ですか、ということにして、あとの方は知事に任して貰う。或程度の資料が集まりますれば、中央で細かいことをやつて、地方でやる範囲を少くしてやることが実情に即するということでその面に努力しております。
 ところが今度労働基準法を適用するということになりますと、それでは足りないという問題が必ず起きて來ます。これは私共も承知しておる。それですぐそれを改正すべきでありますけれども、いろいろな点でそこまで手が延びておりません。それで地方廳の方にはこういうふうにお願いをしております。あのお示しをしました八円なり、六円なりという金額は一應の基礎、基準であります。從つて実際にやるということが分り、それが明らかになれば、所要の金額だけは知事と厚生大臣との御相談によつて一應の金額を幾ら出さなければならんということを決める御相談をして頂けば、是非そういうふうにやらなければならない。やる肚であります。そういうことでありますので、繰り返して申し上げますように、私共の方でも現在の地方の状態から申しますれば、成るべく中央において或一應の基準を細かく具体的に決めてやる方が実情に即するので、できるだけ早くやりたいと思つております。これは一つ姫井委員のような社会事業面に盡力して頂いた方あたりから、或いは日本社会事業協会とも御相談願い、貴重な資料を頂きまして、それによつてやつていくという考えでおります。
 結論を申しますと、やはり保護施設乃至は兒童福祉施設というような施設事務費については、そんなふうな方法でこの問題が解決できるのではないかというふうに考えております。
 第二にそういう法律の根拠に基かない社会事業施設がございます。こういうようなものはどうするかという問題がある。これは先程姫井委員が御指摘のように、補助金は出さなければならんと思つております。私共の狙いは、是非強力にコミュニチィ・チェストの運動を展開いたしまして、この方面から相当の資金が得られて、入つている收容者の援護の問題もそこで解決して頂きまして、從事者の待遇も労働基準法の要求するところまで改善していきたいと思つております。幸い姫井委員御承知のように、コミュニチィ・チェストの問題も今度の水害であの運動ができない縣も出てきたようでありますが、それまでの状態は、大体私共聞いておりますところでは、佐賀縣におきましても御承知のように千万円の募金で千二万円集まつたというようなことでありまして、大阪、名古屋等もすでに委員会ができまして、大阪、名古屋それぞれ五千万円くらいを目標にしてやつておりまして、非常な意氣込でございます。この点については御承知のように進駐軍当管から非常に援助をして頂いておりまして、これは今のところでは相当の成績が收められるのじやないか、そういうことになりまするというと、今のような施設の、これらに該当しないものについても、これらから若干の援助をすることによつてやつて行けるのじやないかと、又そうしたいものだというふうに思つております。要するにこの私設の社会事業は、やはりああいう連合軍の寄附金を出してはいけないということになりますと、この方法より外ないのじやないかと、今そう思つておりまして、これを強力にやつて行く、強力にやつて行くという意味は、ただ無茶にこの金額を多く競つて、そして取れるだけは取るというふうな考え方でございませんで、現実に本当に良い社会事業施設の不足額は幾らである、これだけは是非集めたいという、無理がなく、自然に集まりまして、毎年々々そういうふうに集めて行つて、アメリカの州等でやつておりますように、本当に私設社会事業共同募金によつて安んじて本当に事業に力を入れて行けるというようなふうにするようにしたいものだというふうに努力中でございます。非常に進駐軍方面でも援助して頂いておりますので、これは相当の成績が期待できるのじやないかと思つております。まあ大体そんなふうにいたしますれば、労働基準法を適用して、そうして補助を十分にして上げるべきものじやないかというふうなことで、今までのようなふうに適用して、費用の方は施設事務費で賄えるまではその方で賄なうし、ないものはコミュニチィ・チェストによつて或程度賄つて行くというような方針で、これを実行するためには努力しなければならんので、この点は十分努力をいたしたいというふうに考慮中でございます。
#18
○姫井伊介君 関連して……。今の最後の問題でありますが、この中兒童福祉法案審議の時に兒童局長にもちよつとお尋ねしたのでありますが、保護法並びに兒童福祉法の施設によつての関係でありますが、地方によりますと、保育事業をやる場合に、要保護者の三十地帶以上を扱う保育所でなければ、法の施設による補助は出せないというところがあるということを聞いたのでありますが、そういたしますと、そこの人達はこういうふうに言う、そういう保護しなければならない家庭の子供さんを扱つておると、自然に生活状態が良くなつて、保護を受けないでもよい状態になる。それが狙うところであつて、それが三軒でも五軒でも立つて行く状態になると、後は残りは二十になる。そうするともうそれは施設補助を受けられないということになつて非常に困る。だから希望としてはたとえ一人でも二人でも数を限定しないでも、その保護法による家庭の人を預かり、或いは浮浪兒だとか、或いは不良兒とか、そういう者を扱つて教護する場合には、可なりの施設と認められますものにつきましては、その人数の如何に拘わらず補助の対象にして貰わなければ、うまく仕事ができないということになると思います。こういうことが考えて頂けるかどうか。それから共同募金につきまして、私どもも特別の寄附に対しては税金をかけないようにということを曾つて唱えたこともありますが又最近そういう噂もあるのでありますので、これは是非連合軍の方にもお話願つて、これは相当話が進んでおるかも知れませんが、社会事業関係の寄附に対しては、免税若しくは課税率の軽減でもよろしいのであります。そうしますと一層この方の寄附額が増額されて行く傾向があるわけなんであります。その辺のことはどうでございましようか、それを合わせてお尋ねいたします。
#19
○政府委員(葛西嘉資君) 兒童福祉法の点については、これは私から申し上げるのはちよつと如何かと思いますので、何ですが、生活保護法の保護施設の点についてだけ申し上げたいと思います。大体精神については同じだと思います。生活保護法の保護施設をなぜ或特定のもの以上のものに抑えたかと申しまするというと、これは何と申しますか、施設事務費なり何なりを出して、そうして國がやるのと同じように代つてやつて貰うというふうな考になつて行き、そうして或程度の組織なり規模なりを持つことが必要だというような心持から、或特定の、或程度の人間以上、保育所は三十人かも知れませんが、生活保護はもうちよつと低かつたかと思いますが、それもがつちりそれでなければいかんというふうには、私ども生活保護法の施設は決めておりません。大体これは知事が保護施設にいたします時には、今のところでは協議をさしております。御承知の通り知事が協議をして参る標準として私どものお示ししてあるものの中にそういうことが書いてあります。多少三十人より少なかつたかと思いますが、保護施設なんかの場合は……。そうしてそれくらいなものを一應の標準として、それ以下のものは知事の手許で申達しないでくれ、それ以上のものはやる。併し特別に何かの事情があつてやるというようなものについては、これは一向構わんというふうに言つておりまして、現に所定の人数以下のものであつても、保護施設の承認をいたした例も沢山ございます。そう機械的に何人でなければならんというふうなことを私どもは決めてこれをやつて参るという趣旨ではございません。要するに趣旨は只今申し上げましたようなふうに、これらの人を收容いたしまする相当の規模を持つて、そうして國が補助してやつて、社会援護をやるに適当だというふうなことでありますれば差支はない、と申しますのは、例えば一人の人が孤兒を扱つてやつて頂いたというふうなところの施設事務費を出すというようなことは、これは職務費を出すということは差支ないと思いますが、人件費とか何とかいうもの、或いは電燈料だとか何とかいうものを、一人の子供を扱うというようなところへ出したら、これはちよつとおかしいのであります。ただ生活補助費見たいなものや、学用品というようなものは、これは國から委託の金を出して差支ございませんけれども、施設事務費というようなもので、保母の費用とか、或いは消耗品を出すというふうなことは、一人や二人の場合はちよつとおかしいと思います。それらのところからこういうふうな基準を決めましてやつたわけでありますが、その精神に当て嵌まるようなものでありますれば、仮りに非常にクリブル・ハイムというような、或いは乳幼兒の関係というようなもので、相当の人を置いてやらなければならんというふうなものでありますれば、これは自然一定の基準として決めた人数は減つても、施設事務費を出して差支ないというふうになるわけであります。そんなものについてはどんどん承認をして、保護施設にして、事務費も職務費も出すというふうにいたしております。ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#20
○委員長(山下義信君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#21
○委員長(山下義信君) 速記を始めて……。
#22
○政府委員(葛西嘉資君) 第二に御質問になりました共同募金に関連いたしまして、税金の問題が非常に大事な問題であるのは、今姫井委員の御指摘の通りでございます。御承知のように共同募金は、大体政府がやるというよりも、共同募金の中央委員会、若しくは民間團体でやるということにいたしております。民間委員会がやるということになつております。併し実際は私共の方におきましてお手傳いをしておるわけであります。先般御承知のように大藏省関係の人達とも委員会で会合をいたしまして、二回に亙りまして、二日の亙つて協議をいたしたのであります。今お述べになりましたのは、相続の関係と、それから法人に寄附いたします場合の法人税の關係が主な問題だと思います。一生の中に寄附をいたしますと或一定の額以上のものについてはそれに相続税を課すというのが相続税の問題であります。そこらの問題を、何か共同募金については考えて貰えないか、中央公共團体並みに取扱つて貰えないかということを交渉したのでございます。この点は又大藏省の立場においてもなかなか面倒なようでございます。私どもの方のその委員会にも丁度進駐軍の方からネツフ福祉課長がその当時見えておりました。そうして盛んに言われますが、大藏省の立場におきましても、ESSのタツクス・デヴィジヨンの方の人がおりまして、日本の財政の、又收入の非常に不足の現場からいたしまして、どうしても先ず税金を納めて貰う方が先きじやないかという意見が非常に強いようでございます。非常にむずかしいということでその委員会は終つたのでございます。それから法人税につきましても、例の損益計算の事業費といいますか、使つた金の中に寄附金を入れて貰えれば非常に有難いのでありますが、これも亦何か非常にいろいろな関係からむずかしいことがあるそうでございます。今のところはこうなつたということを申し上げるわけにいけない状態であります。これは一つ或いは大所高所から、國会の方々或いは民間識者というふうな方々から、大所高所から一つ御交渉を願うようなことが、委員会でもいろいろ折衝をしたいというふうに申しておりましたが、これは仰せのように非常に金の集まりには影響することでございます。根本的にはやはり法律、勅令の基礎というふうなものがいるようにも思うのであります。取扱いでできる部分だけ一つやつてくれないかというふうな話をしておつたのであります。
免税興行、入場税の問題なんかについて、免税興行はこれはできることになつております。現に大阪の方では税務監督局とか税務署とも打合せをしまして、或程度の共同募金期間内における一定の興行については取扱いをしてやろうというふうなことが纏まつておるというふうに聞いております。免税興行の方はそれでいいようでございます。
 あとまだ富籖の発行というようなことになりますと、法律の改正を要しますし、競馬等でもいろいろ問題がありますので、まだ根本的に解決いたしませんけれども、慈善切手というような問題は、御承知のようにやるということになつておりますが、今御指摘になりました点は、今後共同募金のごとき中央において処置さるべき一番大きな問題について、まだ未解決のままになつておるのであります。
#23
○姫井伊介君 興行ですが、あれは法律等によりますと、慈善又は博愛といつた古い昔の文句が使つてあつて、社会事業といつたような少し廣い幅のものには非常に窮屈なんですね。あれはなんとかならないものかと思いますが、いろいろの場合に慈善又は博愛というふうなことに括つておりますね。
#24
○政府委員(葛西嘉資君) これは仰せの通り慈善なんという文字は実際いやな文字でございまして、社会事業なり何なりというふうな文句に代えてくれないかということをいうのでございます。税務当局の考え方で行きますと、慈善と社会事業は違うのだというような狹いものだというふうな考え方のようでございます。それでこれは一國会なり立法府の方で、税法の関係で御審議を頂くことに願わなければならんと思います。これはGHQの指令の中にも、実はチャリティとやはりいつて來ておるようであります。ただ実際の取扱いにいたしますと、税務当局の方では、実際要援護者の援護をするということであれば、相当廣い範囲にやつてもいい。ただ併しそれが臨時に使われたり宣傳費に使われたりするようなものは慈善事業には入らない、こういうことを申しておりまして、その点は非常にやかましいようであります。最近國の方でも税金をうんと上げなければこの厖大な歳出を賄い切れないというふうなところから、非常に入場税の関係におきましての免税、いわゆる免税興行の方も締めて來ておるようであります。これは税務当局としては当然なことだと思いますけれども、共同募金の方は、そういうふうな結果に、大藏省本省でもその点はそういうものであれば差支えないということを申しておりますし、又現に大阪等で以てすでに話合いがついてできることになつたという報告をしておるところもありますから、できると思います。いろいろな團体が慈善團体の名に籍りてやつておつた状態から考えれば、或いは大藏省当局あたりのいろいろな考え方も無理もないように思いますから、これは是非一つ共同募金というようなことは、信用のある團体だけ集まつてやつて行くというふうな明かるい面に是非進めて行きたいというふうに思います。
#25
○木内キヤウ君 ちよつと教えて頂きたいと思つておるのですが、飲食業が禁止になりました。それで教育のない、自分に腕を持たない女達が飲食業に関係しておる婦人が可なり多いわけです。そうしてそれは割合に眞面目な人間もあつて、そうしてそういう教養のない自分で独立の生活を営む腕を持たない人が一番入つて行くのに都合のいい仕事であつたのです。その人達は大概自分一人が生活をするのではなくて、未亡人が戰災後非常に多いのです。引揚げの人などが子供とか夫とか、その家族数人を自分の腕によつて生活をして行かなければならんのが、その飲食業が停止されてから、今は竹の子生活をしておりますが、段々その人達が、遂には自分の一番大事なものまで捧げて行かなければならないような境地に陷ろうとしておるという悩みを非常に愬えておりますが、政府の方で、そういう人達を救つて行くことを何かお考えになつていらつしやるでしようか。
#26
○政府委員(葛西嘉資君) 実はその問題、今木内委員から仰せの通りに私共承知いたしておりますが、この問題は例の飲食店を閉鎖いたしましたときに、政府部内でもいろいろ協議をしておつたのでございます。一應の政府の対策としましては、先ずこれらの者の職業、手の職がありませんので職業補導というふうな機関へ入れて、そうして手の職を授ける、そうして適当なところに就職斡旋をしてやるということを決めまして、そうしてそういうふうにして斡旋をしても、どうしても食つて行けない者は、今あります生活保護法か何かでも援助してやる、そうして今仰せになりましたように、女としての最後のものまで提供しなければならないというような状態に陷ることを極力防止したいというふうなことで方針は決めて、地方長官などにもお示しをしております。ただ併し実際の面に至りますというと、これは職業補導にいたしましても、実際その通りなかなか行きません。それからああいうところにおります女の人の收入というものは、今木内委員も仰せになりましたように、本人だけではございませんで、親、或いは子供というふうなものを抱えております。そういう者の生活、そうして引揚者などでありますと、外地で相当に高い生活をして來ておつた人もある。そういう者がああいうところでやりますと、相当な收入があつてやつておつた。これが一遍に收入が少くなるというようなことになつてしまうのでありまして、これ大変実は心配な事態になつておることを実は承知しておるのであります。これは併し今のところでは、それ以上そういう者であるから、特に高い費用を國家で出すというふうなこともこれはできませんし、要するに飲食店等で相当の貯蓄というふうなものがあつたのもありましようし、或いは閉鎖のときに雇主から若干の金を頂くというのもありましようし、これは世間一般の人、特に民生委員というような者がおるわけであります。これらのものが一つ十分よく指導をして頂き、本当に間違いのないようにして頂いて、段々生活に馴れさして、そうしてその内に起ち上つて頂くというようなことに仕向けて行く外手がないのではないか。大変情ないようなことですが、対策は以上のようでありますけれども、実際の面になりますと、非常にむずかしい問題もありまして、ここにはやはりいろいろな民間の方々や、民生委員なんかの本当の働く部面というものが、或いは社会事業家等が働いて頂いてやつて頂くより外方法がないというふうに思つております。
#27
○木内キヤウ君 補導機関のようなものに対しては、別に今は何もできなかつたわけでございますね。ただ指示だけは地方に……。
#28
○政府委員(葛西嘉資君) 若干そのための、特に今度の飲食店閉鎖に伴う予算をとつてどうしたというようなことはありません。これは仮りに取つたとしても、もう間に合いません。その前に、実は授産場でありますとか、それから労働省でやつております協同作業施設というふうなものがございます。東京などでも御承知の通り授産場なんというものがございますが、ああいうものを極力利用せいというふうにしてあります。特に予算を取つても間に合いませんし、又特に取つてやるというふうなことはいたしませんでしたが、これは実際はやはり施設が足りないということよりも、やはりその施設を利用させる繋りをどうつけるかという問題が主ではないかと私は思うのでございますが、今ある施設を利用しようとすれば、一人や三人や五人、一つの施設で入れられないことはないのでございます。それで利用させるむしろ人の繋りというようなものを、特にあれしなくちやならんのじやないかというわけで、社会事業家なり民生委員なりに働いて頂きたいというところに重点をおいたわけであります。
#29
○木内キヤウ君 そうしてその從業員が、こういうことで思い切つてその職業補導の方の遂に行かないということを私は痛切に感じておるのですが、それは近い將來に飲食業が復活するだろう。私たちでも、今の飲食業でない形で大衆的のそういう合理的のものが復活することは望んでおる一人なんですが、今までの形でないもの、あの人たちはそういうことに希望を繋いで、踏み切りがつかないで轉身ができないのが大多数ではないかと思うのでありまして、それに対する指示はやはりあやふやなのではないか、どんなふうになつておるのでございましようか。
#30
○政府委員(葛西嘉資君) 飲食店を閉鎖して置くか、或いは復活するかという問題は、実は食糧問題なり或いは又いろいろな食糧懇請というふうな問題なり、いろいろな問題に関連して來ておるわけでございまして、今十二月までは一應休業するという政府の方針でございますが、それ以後どうなるかというようなことは、或いは諦めさす意味でも、続くものならば將來続くと教えてやる方が、その人たちには深切なやり方だと思います。そうしないと金なんか溜め込んでおつても、段々なくなつて行くということになりますし、これはまあ御指導を頂く面においては非常に煮え切らないので大変あれでございますが、飲食店を復活させるかどうかというふうな問題は非常に大きな問題なものですから、私からどうということも分りませんが、これはやはり民生委員なり何なりで、仮りに貯蓄があつても生業に就けるようにしてやるのが適当でないかというふうに思います。そんな例なんかにちよつと関連がありますが、実はパンパン・ガールなんかの保護施設というものを御覽頂いたかと思いますが、本当に当初予期したような成績をまだ挙げておりません。非常に何と申しますか、パンパン・ガールなどはすれからしになつてしまつて、もう職業的なパンパン・ガールが非常に多いということで、なかなか保護施設というものを作りましても、ここへ來て戒心して、新らしい途へ行こうという者が非常に少うございます。精々百人入れても三十人なり五十人しか入つておらないということで、一人でも救えればいいと思います。そんな問題と一緒に非常な面倒な問題だと思います。大変これはお答えになりませんけれども……。
#31
○委員長(山下義信君) お尋ねしますが、今の闇の女のような者を保護いたしますような施設は、厚生省では所管はどこになります。
#32
○政府委員(葛西嘉資君) 私の所でございます。
#33
○委員長(山下義信君) これは皆樣にお諮りいたしますが、一つの社会事業としましては、闇の女の善導問題などは相当重大な問題と思いますので、料飲営業禁止関係などもございますが、最近できました労働省の山川婦人局長に次回に御出席を願いまして、これらの問題に関しまして、労働省の新らしい婦人局がどういうふうな考えをお持ちになつておられるか、お尋ねしてみたらと思いますが、如何でございましようか。
#34
○委員長(山下義信君) それではそういうふうに取り運ぶことにいたします。
#35
○服部教一君 ちよつと一つお伺いいたしますが、先にちよつとお話になりました、今度の戰爭で亡くなつた人の遺族、それから傷いた者等に対する保護の問題でありますが、これは無論特別にこの際保護するということもできんでしようけれども、他の人々と一緒にやるとしても、大いにこの問題に力を入れて貰いたいと思うておるのでありますが、そうでないと、將來社会上甚だ面白くない結果を來しはせんかと恐れておるのであります。これは日本の平和、世界の平和の上から言つても由々しき問題だと思うておるのであります。或程度までそういう人達の今日苦しんでおるのを保護を加え、生活のでき得るように導き、生活のできない者には補助費を與えて生活せしめるというようなことが必要だと思うのですが、政府はこれについてどういうふうに考えておられますでしようか、その詳細を承りたいと思います。
#36
○委員長(山下義信君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#37
○委員長(山下義信君) 速記を始めて……。それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山下 義信君
   委員
           木内キヤウ君
           波田野林一君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           宮城タマヨ君
  政府委員
   厚生事務官
   (社會局長)  葛西 嘉資君
ソース: 国立国会図書館
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