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1947/10/15 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会地方財政及び地方行政に関する小委員会 第2号
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1947/10/15 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会地方財政及び地方行政に関する小委員会 第2号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会地方財政及び地方行政に関する小委員会 第2号
  付託事件
○地方財政及び地方行政に関する件
○地方財政委員会及び選挙委員会設置
 法案に関する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月十五日(水曜日)
   午前十一時四十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方財政委員会及び選挙委員会設置
 法案に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中井光次君) それではこれから地方財政及び地方行政に関する小委員会を開会いたします。昨日いろいろ打合会で皆樣方の御意見を拜聽いたしまして、それに基きまして事務当局で一應案を拵えて貰いました。それについで説明を申上げますから、それについての御意見を伺いたいと思います。どうぞ御説明を願います。
#3
○参事(川上和吉君) 便宜私から御説明をいたしまするが、昨日の御趣旨によりまして参考案を作つてお手許に配付いたしましたようなわけでありますがこの案は専門調査員の上原さんが非常に内容的には御檢討願つたのでありまするが、便宜私から御説明を申上げたいと思います。お配りいたしました資料は、地方財政委員会設置法案と選挙委員会設置法案とそれから地方委員会法案と三つございます。最後の地方委員会法案は前に町村会、市長会において作りました案の写しでありますので本日は地方財政委員会設置法案及び選挙委員会設置法案の二つについて御説明をいたします。
#4
○吉川末次郎君 この地方財政法案は衆議院で作つたのと違いますか同じですか。
#5
○専門調査員(上原六郎君) 殆んど同じでしよう。
#6
○吉川末次郎君 衆議院案ですな。
#7
○参事(川上和吉君) 訂正いたします。地方委員会法案は衆議院で作られた参考案だそうです。それで大体昨日の御趣旨によつて内務省解体に伴つて地方公共團体に関する仕事について、地方財政についての問題を主として処理するために地方財政委員会を設ける。それから選挙について選挙委員会を設ける。その他の事項につきましては内閣総理大臣において別にこれを扱うというようなことにして案を作つて行きたいと思います。先ず地方財政委員会の設置法案でありますが、便宜第一案、第二案といたしておりますのは趣旨は同じでありまするが、字句を御整理を願いまするために便宜数種の案を作つてみたような次第であります。読みながら簡單に御説明を申上げます。
   第一案
 第一條 地方財政の自主化を図ると共に地方財政上地方公共團体の連絡調整に寄與するため臨時に地方財政委員会を置く。
 地方財政に主眼を置きまして、尚強権的な監督を主にするのでなしに、連絡調整を主とした機構にするという意味合を明確にいたしますために、第一案をかようなことにいたしてみたのであります。
 尚選挙委員会の方に別の案が用意してございますが、これに併せまして、又政府県提出の原案に近い形を取りますると、「内務省の廃止に伴い臨時に地方財政委員会を設置する」ということに第二案はいたしております。できれば第一案のように委員会設置の本旨を謳つた方がよろしいのじやないか、かように考えるのでありますが、便宜一案、二案に並べてみたわけであります。
 第二條 地方財政委員会は、内閣総理大臣の管理に属し、左に掲げる事務を掌る。
  一 地方公共團体の自主的財政権(祖税の賦課及び徴収、予算の調整並びに起債に関する権限を含む)の確立に関する調査及び資料の蒐集並びに企画及び立案に関する事項
  二 地方公共團体に対する財政の援助及び斡旋に関する事項
  三 地方公共團体の財政に関する報告の受理及び整理に関する事項
  四 地方税法及び地方分與税法の施行命令に関する事項
  五 其の他地方財政に関係ある事項で地方公共團体の連絡調整上必要な事項
   第二案
 第二條 地方財政委員会は、内閣総理大臣の管理に属し、左に掲げる事務を掌る。
  一 地方公共團体の財政に関する調査、資料の蒐集、企画及び立案に関する事項
  二 地方財政上地方公共團体の援助、連絡及び調整に関する事項
  三 地方税法及び地方分與税法に基き委員会の権限に属せしめられた事項
 これは趣旨は大体似ておりまするが、第一案に書ましたのは、町村会或いは衆議院の方で立案されて関係方面と若干の交渉のあつた事項のみを基にいたしまして、昨日のお話合いの趣旨によつて第五号の項目を一項目加えたのであります。こういたして見ますると、一、二、三、四のところへ号を一つ加えますと、関係方面との折衝のあつた結果であるだけに五が少し目立つて來るのじやないかというような感じもいたしまするのでそういう点から御参考に第一案と同じ趣旨を趣きを変えて書いた見たのが第二案のつもりであります。そういうふうに御覧を願いたいと思います。
 それから第一案の第三條は
 第三條 地方財政委員会は、左に掲げる者で、これを組織する。
  一 全國町村会長
  二 全國市長会長
  三 全國都道府縣知事会議の代表者 一人
  四 國会において指名した者 一人
  五 各省大臣でない國務大臣の中から内閣総理大臣において命じた者 一人
 前項第一号乃至第四号の委員の任期は、四年とする。
第二案は、
 第三條 地方財政委員会は、左に掲げる者に就き、内閣において命じた委員が以て、これを組織する。
  一 全國町村会において推薦した者 一人
  二 全國市長会において推薦した者 一人
  三 全國都道府縣知事会議において推薦した者 一人
  四 國会において推薦した者一人
  五 各省大臣でない國務大臣一人
 前項第一号乃至第四号の委員の任期は、四年とする。
第三案は、
 第三條 地方財政委員会は左に掲げる者で、これを組織する。
  一 町村長が選挙した者一人
  二 市長が選挙した者 一人
  三 都道府縣知事が選挙した者一人  四 國会において選挙した者一人
  五 各省大臣で國務大臣の中から内閣総理大臣において命じた者一人
 前項第一号乃至第四号の委員から任期は、四年とする。
第四案は、
 第三條 地方財政委員会は左に掲げる者に就き、内閣において命じた委員会に以て、これを組織する。
  一 國会において推薦した者四人
  二 各省大臣でない國務大臣一人
 前項第一号の規定により國会において推薦する者の中、少くともその一人は町村政に関係ある者、一人は市政に関係ある者、一人は都道府縣政に関係ある者でなければならない。第一項第一号の委員の任期は、四年とする。
 これは昨日いろいろ考え方がありまして、ここに列挙いたしましたようなことの案が立つのであります。これにはそれぞれ一長一短がありまして、昨日も御論議のあつた通りであります。理窟から申しますと、第二案又は第三案が誠によいのでありますが、実際問題として第二案、第三案によりまするというと、この法案の施行が非常に急がれておりまするときに、実行上の難点がありまして、何らかの経過規定を置かなければ直ちに実行に移せないという点がありまするので、さような点を考えますと、第一案か、場合によれば第四案のようなものが考えられる。この辺は一つ、甚だ決定的な案としてお示しをいたしませんので恐縮でありますが、一應参考として御覽を願いまして御審議を願つたらよろしいかと思います。それから
 第四條 委員長は、國務大臣たる委員を以て、これに充てる。委員長は、会務を総理し、委員会を代表し、所部の職員を指揮監督する。
 委員長に事故があるときは、委員長の指名する委員がその職務を代理する。
 第五條 委員会は委員三人以上の同意を以て会務を決する。
 第六條 委員会に事務局を置き、局長その他必要な職員を置くことができる。
 事務局の職員の進退は、委員会がこれを行う。
第四條乃至第六條はすでに町村会、或いは衆議院等で参考案に示されておりますることを大体似ております。若干相違しております点につきましては御質問によつてお答えをいたしたいと思います。
 附則、この法律は昭和二十二年何月何日からこそを施行する。
これが地方財政委員会設置法案であります。
 それから選挙委員会設置法案について御説明申上げます。
 第一條 内務省の廃止に伴い臨時に内閣に選挙委員会を置く。
これは地方財政委員会設置法案の方の第二案を採りますときはこれで歩調が合うのでありまするが、第一條に実質的な規定を置きまする方は、この方も字句を何か考えねばならんと思います。例えば「各種選挙に関する総括事務を処理せしむるため、選挙委員会を置く」ということにでもいたしまするか、ちよつと実はまだ成案を得ておりません。若干字句の補正を必要とすると存じます。
 第二條 選挙委員会は、内閣総理大臣の管理に属し左に掲げる事務を掌る。
  一 國会議員の選挙及び地方自治法に基く選挙その他の投票並びに最高裁判所の裁判官の任命の國民審査に関する調査及び資料の蒐集並びにこれらの制度の企画及び立案に関する事項
  二 國会議員の選挙及地方自治法に基く選挙その他の投票並びに最高裁判所の裁判官の任命の國民審査に関する予算の要求、用事斡旋その他これらの施行準備に関する事項
  三 参議院全國選出議員の選挙の管理に関する事項
これは地方自治委員会法案にありましたうちの選挙に関する事項を、第二條の一号、二号に取りまして、これに参議院の全國選出議員の管理委員会の仕事を吸收させて、案として整理をいたしてみたのであります。それが第三号に現われておるわけであります。その構成が第三條に出ておりまするが、第一案と第二案と両案が考えられてあります。第一案の
 第三條 委員会は、左に掲げる者に就き内閣において命じた委員を以てこれを組織する。
  一 衆議院において推薦した者 五人
  二 参議院において推薦した者 五人
  委員の任期は四年とする。
第二案の方が、
 第三條 委員会は、委員十人を以て、これを組織する。
 委員会の委員は、参議院においてその議員の中からこれを選挙する。
 委員の任期は、三年とする。但し、補欠委員の任期は、その前任者の残任期間とする。
第一案の方は両院において推薦した者とするという案にしたのであります。この場合は委員の任期については、或いは少し訂正を要する点があるかと存じますが、併しこれは必ずしも両院でなくてもよろしい、或いは議員の場合と議員でない場合との任期を違つた規定を置かなければならんかとも存じます。それから第二案は現在の参議院の全國選出管理委員会の委員と同じ選挙方法、同じ構成を用いてあるのであります。これは無論性格は違いまするが、併し参議院の性格上こうした選挙委員会の構成にはこれが適当だという御意見であれば、かような案も考えられるということに相成るのであります。この点は御檢討の上御決定を願いたいと思います。
 それから
 第四條 委員会は、委員の中から委員長一人を選挙しなければならない。
 委員長は会務を総理し委員会を代表し所部の職員を指揮監督する。
 委員長に故障があるときは委員長の指名する委員がその職務を代理する。
 第五條 委員会は委員の半数以上の出席がなければ、会議を開くことができない。
 委員会の議事は、委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは委員長の決するところによる。
 第六條 委員会に事務局を置き、局長その他必要な職員を置くことができる。
 事務局の職員の進退は委員会が之を行う。
   附 則
 この法律は昭和二十二年何月何日からこれを施行する。
第四條乃至第六條につきましては特に御説明を要しないと存じますので、御質問によつてお答えをいたします。尚急ぎましたために、字句その他の点に非常に不整理の多い点は惡しからず御了承を願いたいと思います。簡單に御説明申上げました。
#8
○委員長(中井光次君) 大体皆さんの御意向を酌んで、只今御説明申上げましたような案を作つて頂いたのでありますが、これにつきまして何か御質問がありましたならば、或いは御意見がありますならば発言を願います。
#9
○吉川末次郎君 内務省が撤囘しましたので、地方自治委員会の案にもそれからそれを参照にして作つた今の案、並びに衆議院の委員会の坂東さんの案も「内務省の廃止に伴い臨時」という言著がありますが、臨時ということは分つておるが、そういう臨時という言葉、この点につきましてはどういう政治的な、行政的な意義に基いておるかということ、これはまあ内務省においても伺わなかつたと思いますが、これはどこから來たのですか。恒久的なものでなしに臨時的なものにした理由は……。
#10
○参事(川上和吉君) 私からお答えするのはどうかと思うのですが……。
#11
○吉川末次郎君 結構です。
#12
○参事(川上和吉君) 私のちよつと聞いております範囲では。当初の内務省の原案では、どちらかと申すと、公安廳なり建設院の問題が一緒に入つております。公安廳、建設院の問題が、警察制度なり或いはいわゆる建設省でありまするか。そういつた全体の行政機構の問題と非常に当初に絡み合つておりましたために、むしろその方に主眼を置いて臨時にやつて置くというようなことに相成つておるのじやないか、こういうふうに聞いておるのです。併し今度全く別の意味でこうした制度が可なり過渡的なものじやないか、そういう意味から当初の原案とは全く離れて、過渡的な意味を現わす意味で、ここで作成せられる案に「臨時」ということを入れて置かれるということは一つの案だと思うのであります。ただ「臨事」を入れますと先はどう考えておるかということについて一應の見通しがなければ実は説明ができないことになりまするが、この辺はまあ適当なる御判断でそういう理窟だけでなしに、いずれにしても過渡的なものであるということであれば、さような意味で「臨時」ということが入つておるのじやないかというように思います。
#13
○吉川末次郎君 我々がこの問題を考えて來る上においての基本的の理由の問題ですが、誰か外の御列席の方で、それについての知識をお持ちになつておれば、この機会に開陳して頂きたいと思うのですが、委員長であつた私が自身当局から聞いて置くべきかも知れなかつたが……。
#14
○羽生三七君 或いは他の法案の公團法とか、或いは臨時の、当然安本の解消と共にその法律的な基礎を失うというような場合が想定されるときは別ですが、このような場合に臨時ということにして先の見通しがどうなるかということになるというと、近い將來に急に全く違つたものが生れて來るというよいなことが想像されるのですが、どうですか。
#15
○参事(川上和吉君) これは旧來の官制でもそういつた臨時的な職制もあつたわけなんでありますから、そういうような意味で、併し無論理窟は今お話の通り、私が先程申しました通の臨時といいますと、先どうするのだ、これはもうとその点を一つの案としていえば、一体本当に地方自治が徹底して來れはこういう制度も要らん。或いはもつと変つたものになるということになるとすれば、それまでま過度的なものななるという説明も付くわけなんでありますが、この場合これはいろいろ理窟は付けようがありますけども、「臨時」という字を除くと、前からの案に入つておりますだけに、除いた方の説明がむつかしいのぢやないかという感じもするのですが、先程御指摘の点も御尤もな点もあると思いますが……。
#16
○岡本愛祐君 私もこれは不思議に思つているのですが、こういうふうになつて來たのですから、もう「臨時」は要らないのぢやないかと思います。ただ「臨時」ということを除くと、この第一案の第一條の「地方財政の自主化を図る」というようなことは、自主的になつてしまえばもういいのだから、それを取るかどうかというような問題も出て來ますが、ともかく我々の考え方としては臨時を考えないで、地方財政委員会なら地方財政委員会というものを恒久的に置くという心持で立案したらどうでしようか。
#17
○羽生三七君 それで今のお話と大体同じことになるのですが、大体この前の治安及び地方制度委員会で私申上げたのですけれども、大体地方財政が自主化をして行く場合に、当然公金でもなければやつて行けないという地方自治体が沢山続出するわけです。近い將來にこれはどういうふうに財政が自主化されても、政府の援助を俟たなければならんということは当然で、どうしても中央との一定の連繁を保つて行くわけでありますから、この法案が不必要なときが來れば、又いつでも撤囘する法案を出せばいいので、特に「臨時」ということは要らないと思います。
#18
○小野哲君 臨時の問題の御意見が出ておりますが、地方財政委員会の性格面から考えまして、これは將來永続すべきものというふうな考え方を加味して行くならば、臨時的なものでないという方が私は強いのぢやないかと思います。然らばその他のどんな方法でできるかということは現在殆んど見通しが付いておらないので、むしろ正直に地方財政委員会でやつて行くのだという態度を、國会としては明らかにした方がはつきりしていいのぢやないか、こういうふうな感じを持つのですが……。
#19
○委員長(中井光次君) 大体臨時の問題については先程吉川さんからお話があつたが、私は何も聞いておりません。先程法制部長からもお話があつたが、まあそんな程度の推測しか付いておりません。だんだん臨時についての御意見がありましたが、日本は、改めて明日御決定を願うことにいたしまして、質疑し多少の意見の御開陳を願つて終りたいと思います。その他の点について一つ……。
#20
○羽生三七君 これは字句の点ですがね、第一案の方の「地方財政の自主化を図ると共に地方財政上地方公共團体の連絡調整」、ちよつとここの所が僕はどうも……何かもう少し適当な言葉はないかと思います。
#21
○黒川武雄君 「面ると共に」ということはいかがです、「地方財政の自主化を図り」でいいですな。
#22
○参事(川上和吉君) どうも私からこの案を御説明して訂正するのは甚だ恐縮でございますが、これは別の案のお配りしてある衆議院案でありますが、地方委員会法案の第一條の方の「地方財政権の確立其の他地方自治の健全な発達を期するため」、この方が廣い意味でよいかも知れません。最初私この字句をよく檢討しませんでしたので…。
#23
○小野哲君 第六條でありますが、六條の、事務局を置いて必要な職員を置くという場合に、その他の案では「國会の承認を経て」というような字句が見受けられるのですが、その関係を予め御考慮の上で意思的にお拔きになつたのか、その点のちよつと伺つて置きたいと思います。
#24
○参事(川上和吉君) 今のお話の点は、実は私共上原さんとも研究しました際に、どういうように考えるべきか、「國会の承認を経て」という字句を使つてある案がありますが、この意味がやや明確を欠くように思つたのであります。それは局長その他必要な職員の数にもついて國会の承認を経るのか、或いは任命まで含めた意味において國会の承認を経るのが、何かそこの辺がどういうことを國会の承認を経るのかということがちよつと説明ができないように思うのであります。で、そういう数とか、任命じやなしに、局長その他こういう名前の者ということになりますと、これ又どうもよく分りませんので、むしろこれは先般の労働省案の際におきまして、各省の官廳の設置新設等についての新國会後の制度においても、こうした点にまで細かく國会が立入るということはしておりませんので、この点はむしろ行政権に委して然るべきじやないか、さような意味において「國会の承認を経て」という案にいたしまする場合には私共ちよつと解釈に苦しみまするし、又性質上要らんじやないかという意味で、意識してこの案から除いたのであります。
#25
○阿竹齋次郎君 時間が切迫しておるから簡單に申上げます。字句のことを言い出したら切りがありませんが、字句のことを問題にせられましたら一言申上げたい。例えば第一條の「地方公共團体の連絡調整に寄與するため」というようなことは弱い。見識がない。であるから「地方財政の自主性を確立強化するため地方財政委員会を置く」とでも言つて見たいと思います。ちよつと御参考に……。
#26
○参事(川上和吉君) ちよつと今の……又一つお考えぉ願うのでありまするが、これは字句の点についてはやはり感じが違いますので、御参考にいろいろ案を提供しまして、お考え願うことがよろしいのじやないかと思いますので、最初実はもう一案用意したのもありますから、甚だ恐縮でありますが、只今別案としてお配りしました、実はこの別案の名称は昨日の御意見と反しますが、これは地方財政委員会設置法案としなければならんと思います。御参考にこういう字句を使つた見たのであります。その第一條において「地方財政の自主権が確立しないことが地方自治の強化を妨げる主因であることに鑑み、主としてこの見地から地方公共團体について、援助と助言を與えると共に必要な連絡調整を図るため、臨時に地方團体許助委員会を設置する。」、こういう字句を使つて見たんです。これは法文と申しますよりも、昨日來の御議論をむしろ率直に現わすという意味から申しまして、こういうようなお氣持じやなかつたのでしようか。先程当初の第一案を修正して地方財政の自主性を確立強化するということの一本槍で行つたらどうか、これは誠に結構な御意見だと思いますが、併しそれと同時に若干地方公共團体の援助、連絡、調整等についての機能を果すという意味を第一條に明確にして置いた方がよいのじやないかと思うのであります。そういう意味から先程いわゆる衆議院案の「地方自治の健全なる発達を期するため」という廣い文句を使つて見たらどうかと思いましたが、これも又ちよつと廣過ぎて、或いは誤解を起す懸念があるので、そういう意味から実は昨日來の経過をそのままに書きますと別案のような恰好になるのであります。
 尚序でに第二條の方も説明さして頂きますと、第二條は先にお配りしました第二案と同工異曲でありますが、若干字句を整理して見まして、一号から四号までを見ますと、
 一、地方財政の自主権の確立を中心とする地方自治の強化に関する調査及び資料の蒐集並びにその制度の企画及び立案に関する事項
 二、地方公共團体に対する財政の援助に関する事項
 三、地方財政に重要な関係ある事項について地方公共團体の連絡調整に関する事項
 四、法律に基き委員会の処理すべき事項
この三、四のところで昨日來小野委員からの話の点を実は匂わしたつもりでありますが、なかなか十分に現われておりません。これも実は一案と二案と合して御檢討願うと仕合せであります。
#27
○岡本愛祐君 第三條でちよつと伺つて置きたいのですが、第三條の第一案、第二案、第三案、第四案、ここで第一案において「國会において指名した者」とあります。第二は「國会において推薦した者」、第三案は「國会において選挙した者」と、こうあるのですが、これはどれがよいかというので、いろいろ書いて頂いたのであると思いますが、「國会において選挙した者」というのは何だかちよつと実際上法の扱いからいつて工合が惡いのではないかと思います。推薦した者とか、指名した者とかでよいんじやないかと思いますが、どういうのでしようか。
#28
○参事(川上和吉君) 今お話の通りにいろいろの案がありましたので、かように並べて見たのでありますが、私共の見解を申しますと、國会において指名するというのは、恐らく憲法上内閣総理大臣の指名だけで他に指名という形は使つてないのじやないかと思います。これはいわゆる衆議院案の原案でそううなつておりましたので、まるでこれは案を出すまいと思つていたのを出したのでありますが、私はこれはいかがなものであろうかと思つております。今の選挙の点も岡本さんのお話のように國会において推薦したという形がよろしい。こういうように考えます。ただ第一案の趣旨は、「國会において推薦した者」といたしますと、もう一遍内閣に任命行爲が要る、その内閣の任命行爲を避けるために、当然に……或いは三案においてもさようでありますが、当然になるということの方がよろしいという意味合いから、いわゆる内閣の任命権を避けた意味合いにおいて、又この意味もあるようでありますが、性質上は、私は推薦して内閣が任命するというのが筋であろうと思います。
#29
○岡本愛祐君 それから第四案ですが、これの第二項に、「少くともその一人は町村政に関係のある者、一人は市政に関係ある者」、「関係のある者」という文句を使つて、非常に曖昧でありますが、これは「現に関係のある者」という意味であると思いますが、どういうのでございましようか。
#30
○参事(川上和吉君) 第四案の字句はやや曖昧でございますが、この趣旨は現に関係のある者、曾て関係のあつた者でもよろしいし、又例えば町村の関係でありますと、町村長でもよろしいし、町村会議員でもよろしいという、幅の廣い氣持であります。これは他の案におきましても、仮りに現在……第一案は格別でありますが、そうでなく、例えば第三案に「町村長が選挙した者」という場合に、選挙した者が、仮りに町村長が選挙されて、それが町村長でなくなつた場合にも、やはり委員たることは失わないのでありますから、いわゆる前町村長があり得るわけであります。そういう点からも四案で必ずしも現職の町村長或いは町村会議員でなくてもよろしい、むしろ密接な関係のあつた最も適任者であるという場合にはそれでもよろしいじやないか、こういう意味で幅の廣い意味に考えております。
#31
○岡本愛祐君 その点はちよつとこれでは工合が惡いんじやないかと思います。そういう意味だつたら、「町村政に関係のある者」或いは「関係のあつた者」としなければならん。「関係のある者」とすれば、これは字句の整理ですが、やはり現に関係のある者と読まざるを得ないだろうと思います。これは採るか採らないか分りませんが、あなたの立案した下さつた趣旨は、「町村政に関係のある者」或いは「関係のあつた者」という趣旨なんですね。
#32
○阿竹齋次郎君 第三條ならば私は第四案を採つて頂きたいと思います。そこでその中の入選の方に「町村政に関係のある者」となつておりますが、そういう経験知識のあるということを削つとけば、そんなことを特定せんでもそういう人を出すでしよう。選挙するでしよう。そうなりますと、経験がない人でも町村政なんかに対して知識を持つておる人がおるから、そうすると識見のある人でも、市町村長でもしてあれば推薦せられる條件に適することにしないと窮屈である。人材を得る途じやない。第四條は「委員長は、國務大臣たる委員を以て、これに充てる。」となつておるが、「委員の互選とする。」としたらどうでしようかということです。
#33
○参事(川上和吉君) お答えいたします。第四案について、國会の推薦する者の資格をこういうふうに限定する必要はないじやないかというお話でありますが、私も一つの案だと思いますが、これは実は一案乃至三案までのところで非常に限定したことに書いこおります。又全く新らしい提案じやなしに、今までいろいろ経過を経て來ておりますから、第一案乃至第三案というようなものが今行われておりまする限り、大体そういう方向を表わした方がいいのじやないかということが一つと、いま一つは今までの立法例でありますと、ここまで細かく書かんのでありますが、最近はこうした職員の任命、その他については、大体その資格内容等を相当詳しく立ち入つて書く例になつておりますので、そういう点も参酌しまして、こういう案にして見たのであります。
 それから第四條の委員長を委員の互選にするということもこれも一つの案だと思います。併しこれは今まで現わされておりまする案でも、すべて國務大臣たる委員を以て委員長とするということは、この委員会の大きな任務の一つが、地方公共團体の利益、或いは地方公共團体の立場を代弁する意味のものを閣議において強く反映したいという意味が相当強く現わされておるのであります。その点が恐らく委員長を互選の形によらずに、國務大臣たる委員を以て充てたのはその意味じやないか、かように考えますので、私共もその意味は尊重すべきものだと考えまして、この案にしたのであります。
#34
○阿竹齋次郎君 そこで内閣と議会との重さの考え方が違います。國務大臣を委員長にしようということが内閣に重点を置かれておる。私は議会に重点を置きたいから互格にしよう、こういうのですが……。それから職員の任命に対してこういう書き方であるということは私は又考えが違う。職員と委員とは性格が違うという見方なんです。それからもう一つ経験ということですが、然らば経験の程度はどこで分界を付けるが、一年でいいのか、十年かからなければならんか……。
#35
○羽生三七君 それで例えばこの委員のうち学識経験を持つとか、或いは然るべき人材を得るという場合に、先程どなたかお話があつたようによく氣を付けないというと、問題は地方自治体の希望なりトラブルなりが集中的に表現されるということを我々は願つておるのでありますから、そのことが具体的にその正統な機関を通じて地方へ現われなければいかんと思う。或る特定の財政学者とか、或いはそれに明るい人が何らかの示唆を與えることは結構ですが、同時にその人は実際地方自治体の中におらないから、現実に暗い。それですから現実の中における希望なりトラブルが集中的に表現されるということが極めて必要になると思います。これが一つ。もう一つは、余程警戒しないと、或る特定の政党から、例えば市町村長とかその他特定なものが指定された場合はよろしいが、そうでない場合には、縁故関係などで推薦されて來る嫌が必ずしもなきにしもあらず、こういう杞憂もあると思います。ですから私は成るべく代表の資格というものは明確に規定された方がいいのじやないかという氣がするのであります。
#36
○吉川末次郎君 委員長会議がありますから御答弁は後で結構ですが、第四條は大分人氣があるようですが、町村制に関係があるものとか、市制に関係があるものとか、都道府縣制に関係があるものでなければならないという言葉は、昨日もちよつと云つたのですが、これは新憲法の政治精神からいえば実にナンセンスな言葉でないかと思う。町村制、市制、都道府縣制に関係のない人間は日本の國民にはない筈です。シテインシツプがあれば皆関係しておるわけですから、これはこういう言葉を法文化するということは私は意味がないと思うのです。そういうように政治、行政を解釈して行くべきもので、現わされた御趣旨は他にあるのだろうと思う。少くともこの言葉だけは意味がないと思います。御答弁は後で結構です。
#37
○委員長(中井光次君) それでは大体今の地方委員会の方についての御質疑御意見がありましたが、選挙委員会についてはいかがですか、大体これをいま一應御覽を願いますか。……それではこの案について今日一つ御研究を願いまして、甚だ御迷惑ですが、明日引続いて本会議があるそうでございますから、本会議後直ちに又本委員会を開きたいと思いますから参集を願います。本日はこれで閉会いたします。
   午後零時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中井 光次君
   委 員
           吉川末次郎君
           羽生 三七君
           黒川 武雄君
           岡本 愛祐君
           小野  哲君
           阿竹齋次郎君
   專門調査員   上原 六郎君
  事務局側
   参     事
   (法制部長)  川上 和吉君
ソース: 国立国会図書館
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