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1947/12/02 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算・司法連合委員会 第2号
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1947/12/02 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算・司法連合委員会 第2号

#1
第001回国会 決算・司法連合委員会 第2号
  付託事件
○最高法務廳設置法案(内閣送付)
○國の利害に関係ある訴訟についての
 最高法務総裁の権限等に関する法律
 案(内閣送付)
――――――――――――――――
昭和二十二年十二月二日(火曜日)
   午前十時四十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○最高法務廳設置法案
○國の利害に関係ある訴訟についての
 最高法務総裁の権限等に関する法律
 案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(下條康麿君) それでは決算、司法連合委員会を開きます。
 最高法務廳設置法案並びに関係法案につきまして、前会に引き続いて質疑を願いたいと思います。御質疑上必要かと思いまするが、これらの案につきまして衆議院で一部修正になり、又或る修正等については、それが委員会で通らなかつたこともありまするが、そういう修正に関する経過につきまして、法制局長官より一應御説明を願えれば非常に幸いに思います。
#3
○政府委員(佐藤達夫君) 衆議院の委員会におきまして、修正案が二通り出たわけでございます。一つは調査意見長官の関係、いわゆる調査関係の部局の所掌事項に関聯して、これは一條にもその関係が出ておつたのであります。一條の第三項でございます。「内外法制の調査」という文字がございましたが、これを「内外及び國際法制の調査」、インターナシヨナル、「國際」という文字を入れる。それに関聯のある事柄といたしまして、八條の第一項に、「調査第一局」云々とございますが、そこに「内外の法制」とあります。これを「内外及び國際法制」というふうに、「國際」という字をそこに入れる。それからその次の項にやはり「内外の法制及び」とございますが、「内外及び國際法制」その下の「及び」を「並びに」と、こう直しました。そういう修正意見が出まして、これは全員一致だつたと思いますが、この修正案は成立いたしました。
 それからもう一つの修正意見があつたのでありますが、これは「最高法務廳」と「最高法務総裁」となつておりますのを「最高」を取りまして、「法務廳」、それから「法務総裁」、そういうふうに改めるのが一、つの点であります。
 それから第二点は第一條の第二項で字句の関係でありますが、第一條第二項をこういうふうに書き改めようというのであります。即ち「法務総裁は、法律問題に関し、内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し、意見を述べ、勧告をなし、又はその諮問に答える。」、要するに「政府の最高瀬問として、」というのを取りました。そして最後のところに「又はその諮問に答える。」という言葉を入れるという提案であります。それから第三点として、「法務調査意見長官」というのを、「意見」という文字を取りまして、「法務調査長官」というふうに改める、これは三條と五條に出て参ります。それから第五点として第十條の第二項「人権擁護局」の所掌を書いております。十條の第二項の一番最初の一号でありますが、この「人権侵犯事件の調査及び情報の収集」という、その「収集」という字の下に「並びに検察局の活動を促すことに関する事項」、要するに「並びに検察局の活動を促すことに関する」という言葉が結局入る趣旨だと思います。そういう五点を網羅しての修正意見が出ましたけれども、これは少数で成立に至りませんでした。要するに先程申しました國際関係の云々という言葉を、入れる点が委員会においては修正されたという経過になつております。
#4
○委員長(下條康麿君) ちよつとお尋ねいたします。今の第二の修正は何派が出したものなんですか。
#5
○政府委員(佐藤達夫君) これは自由党の鍛冶良作委員が提案されたのであります。
#6
○委員長(下條康麿君) どうぞ御質疑を願います。
#7
○中川幸平君 最高法務廳の設置は行政機構の大きな改革であり、又大きな予算を伴なうものでありますから、根本問題として、我々決算委員会において愼重に審議をいたしまして、愈々設置法案の内容並びに法務廳の機構等に入るに当つて、司法委員会と連合委員会を開催いたしまして、その際は司法委員会の各位の御発言を拝聽いたしまして、適当なる決議に持つて行くということが本当であろうと思うのでありまして、決算委員長も定めしそのお考えであつたことと存じまするが、司法委員会の委員長からの申出でで、初めから連合委員会になつておることと存ずるのであります。法務廳の機構並びにこの法案の條章の質疑に対しては司法大臣の御出席で結構でございますが、根本問題の質疑に対しまして、総理大臣或いは行政機構担当の大臣、又予算を伴なう関係上大蔵大臣の御出席も要求いたしたいと思うのであります。どうぞよろしくお願いいたします。
#8
○山下義信君 私は第一條の法務廳の性格につきまして、「最高顧問」とありまする点に関しまして伺いたいと思うのでございますが、是は後へ廻させて頂きまして、各委員に御発言がなければこの点で伺うことにいたしまして、先ず最初に伺いたいと思いまするのは、法案の第十條の終いの方に参ります。「少年矯正局」関係につきまして一、二伺いたいと思うのでございます。これを見まするというと、「少年矯正局」の項の第二号、第三号に「少年裁判所」ということが出ておるのでございます。尚最後の「附則」のところにもこの関係が現われておるのでございます。この「少年裁判所」というのは、恐らく現在ありまする少年審判所が少年裁判所になるものと存じまするが、この少年裁判所法というのは何時頃御制定に相成りまする御予定でございまするか、承りたいと存ずるのでございます。第二点は少年裁判所ということになりますると、私共素人が考えるのは、これは裁判所である、こう考えるのでございます。従來の審判所でございますれば、これは一つの行政制度でございました裁判所ということになりますと、少年裁判所も即ち裁判所であろうと存じます。そうすると、この少年裁判所というものは、私共の考えでは最高裁判所の指揮下に置かれるべきものではないかと、こう考えるのでございますが、その点は如何でございましようか、伺いたいのであります。若し少年裁判所というものが最高裁判所の権限内に属しまするものでございますれば、その内容に関しまするものが、多分にこの法務廳の、所掌事項の中に取入れられてありまするということはどういう関係になるのでございましようか。第一点に伺いました少年裁判所法というものが若しできるものといたしますれば、それらの内容とも関聯がございましようが、どういうふうにこの少年裁判所並びに少年裁判所の取扱いまする裁判に関聯のありまする事項が、法務廳の少年矯正局においてお取扱いになりまするか。その辺の関係を、先ず承わりたいと存じます。
#9
○政府委員(佐藤藤佐君) お答えいたします。最高法務廳設置法案の第十條の末項にありまする少年矯正局の所管として、少年裁判所によつて保護処分に付された少年の保護に関する事項、それから少年裁判所によつで保護処分に付された少年に対する司法保護事業に関する事項というものが、少年矯正局の所管事項になつておりまするが、この少年裁判所と申しますのは、仰せのように、現在の少年法を將來改正いたしまして、改正せらるべき少年法によつて性格を決められる少年裁判所を指しておるのでありまして、現在の少年審判所とはおのずからその性格を異にしておるものであります。その少年裁判所が將來少年法の改正によつて、如何なる性格のものになるかということにつきましては、目下研究中でありまして、成案を得次第、來る通常議会に提出しまして、遅くとも明年の三月三十一日までには成立を見なければならないことになつておるのであります。その少年裁判所が、現在の少年審判所のなしておる職務だけを掌る裁判所であるか、或いは現在の通常裁判所によつて行なつておる刑事処分までも掌る裁判所となるか。その点はまだはつきりいたしておりませんが、若し少年裁判所において、刑事処分と保護処分と両方合せて掌るものといたしましても、刑事処分に付されたものは、普通の刑務所によつて執行されることになりますし、保護処分の方は少年裁判所によつて言渡された保護処分、これをどこで所管するかということが、ここに示されておりまするように、少年矯正局によつて所管することになるのでありまして、かような規定によつて、裁判所の権限に対して、法務廳の権限が侵しておるものでないと考えておるのであります。
#10
○山下義信君 少年裁判所というものの性格は、まだ少年法の改正は只今の御説明で未定なんでございますから、はつきり分らないのでありますが、只今の少年法、即ち少年審判所を大体基、礎にして、ここに一應取り込んでおいでになる、こういう御答弁でございますようであります。
 尚少年裁判所というものができました曉は、最高裁判所の指揮下に属しまする裁判所ということにつきましては、御答弁がなかつたようでございますが、その点も一つ今一應承わつておきたいと思います。
#11
○政府委員(佐藤藤佐君) 只今申上げましたように、少年裁判所の性格がまたはつきりいたしておりませんので、將來設けらるべき少年裁判所が、最高裁判所の所管に属するかどうかはつきりいたしませんけれども、若し少年裁判所において、刑事処分を掌る裁判所であるとすれば、それは最高裁判所の所管に属すべきものと考えております。若しそういうふうに最高裁判所の所管に属する少年裁判所ができましても、その少年裁判所で保護処分を言い渡したような場合に、その保護処分をどこで執行するかということは、ちようど成人に対して普通の刑を言い渡した場合に、その刑の執行をどこでするかという問題と同様になるのでありまして、その保護処分に付せられた少年を如何に処遇するかということは、行政廳たる最高法務廳で所管することは、何ら差支ないだろうと考えております。
#12
○山下義信君 私その点が納得が行かないのでございますが、少年裁判所り性格が判然といたさないのに、一つの仮定の下に、その中のものをここに規定しておくということが、いささか妙に思われるのでございます。若し少年裁判所というものが、最高裁判所の指揮下にあるものであるといたしまして、その少年裁判所で取扱います事項につきまして、たとい保護処分でございましても、又刑事処分のものでございましても、それはどういうふうに処分するのであると、最高裁判所が少年裁判所の所管の事項につきまして、そういう方針で定めたらば、只今この最高法務廳法案に採り入れられてありまするような、かような所掌事務には、変更を來さなければならんように相成るのではないか、こう思うのでございますが、そのことが判然といたしません前に、ここに先廻りして取り決められてありまするということは、何かそこに確たる根拠といいますか、お考えがありまするのか、もう一度私は念を押して伺つておきたいと思います。
#13
○政府委員(佐藤藤佐君) 少年法の改正にならない前に、而もその少年法によつて、少年裁判所が如何なる性格のものになるかということが、まだ確定しておりませんこの際に、少年裁判所によつて保護処分に付せられる少年の保護事業は最高法務廳で掌るということを定めますることは、仰せのように、確かに先廻りしておる感じがいたすのでありまするけれども、少年法の改正ということが、明年の三月三十一日までということに約束されておりまするので、三月三十一日までには、現在の少年法を敏正するということを予定しておるのであります。而もその三月三十一日に改正されるまでの間は、現在の少年法によつて保護処分に付せられた者が、法務総裁が、現在の司法大臣と同じ権限を以て所管することになりまするので、その間の事情もありまするので、どうしても三月三十一日までの保護処分に付せられた少年をどうするか、域いは三月三十一日以後の保護処分に付せられた少年をどこで所管するかということを、その前に設立される最高法務廳の所管として、ここで規定しなければならん必要に迫られましたので、少年法を改正する前に、あらかじめ最高法務廳の設置法案によつて、その所掌を明かにしようという次第であります。
#14
○山下義信君 そういたしますと、取敢えずこの少年法が改正に相成りまするまでの、只今の少年法によります保護事業関係をここに入れて置くのであつて、別段少年裁判所法というものの將來の構想の中に、この少年保護事業というものがあるという予想ではないと、こういう御答弁に承知いたしましてよろしうございますか。
#15
○政府委員(佐藤藤佐君) 左様なわけではないのであります。只今私の説明が不十分であつたために、誤解を生じたことと思のでありますが、三月三十一日までには、少年法をどうしても改正しなければならない。三月三十一日の改正までは、司法大臣と同様な権限を持つて、最高法務総裁が保護処分に付された少年を保護する三月三十一日以後は、少年裁判所によつて保護処分に付された少年等を、法務総裁が保護すると、こういうことを言い現わしておるのであります。
#16
○山下義信君 よく分りました。それならば少年裁判所法をお作りになりまするときには、この少年の保護事業というおのに関しますることが、少年裁判所法の中に御規定に相成るという御構想があると承知いたしてよろしうございますか。
#17
○政府委員(佐藤藤佐君) 仰せの通りでございます。
#18
○山下義信君 私の伺いますることは、それに関聯をいたしまして、附則の点にそれのいろいろの経過及びに將來に関聯しますることが出ておるのでございます。それは即ち第十五條の第二項、第三項にそれが出ております。かねてこのことは、本院の法制委員会並びに司法委員会におきまして、兒童の保護問題に関しまして、相当関心を持ちまして、司法大臣並びに厚生大臣に、特段の御配慮を煩わしましたる問題に関聯をいたしますのでございます。いろいろと御心配を掛けまして、私共当院におきましては、兒童の保護問題に関しましては、こういうふうに見解を持つことになつておるのでございます。それは少年の、即ち犯罪少年並びにどうしても刑事政策でやらなければ手に負えないというような、非常に混み入つた惡質の虞犯少年――虞犯少年と一言に言いますけれども、どうしてもこの司法畑でやつて頂かなければならんという程度の者を除きましての、いわゆるそこまでにいたりません、少年法にありまする多分の保護処分に付すべきような程度の、いわゆる不良少年というような者は、これは成るべく社会政策的の見地から、社会事業的にこれを厚生省方面の児童の愛育事業の方に成るべくこれを移しまして、そうして兒童行政の一元化、而も成るべく温かい面でもちまして、十分善導保護を加えまして、その温かき温情主義、愛情主義ではもうどうにもいけない病膏肓に入り、而もいわゆる犯罪少年と紙一重になつた程度の者は、これは司法省の関係の、いわゆる刑事政策で御善導を願わなければならんのでありまして、この事柄が今回は大変両当局の間でお話合いを願いまして、そうしてこの法務廳の設置に関しまするこの法案の上に、これを現わして頂くように相成つたのである。かように関係者が諒承いたしておるのでございます。然るにこの附則の第二項第三項をだんだんと見まするというと、やはり依然といだしまして、保護処分に付します少年関係の保護事業は、依然として司法省に、法務廳の方のお仕事に載つておるように相見えまするのでございますが、先ず大体におきまして、その点に関しまする当局のお考えを承りたいと思うのでございます。
#19
○國務大臣(鈴木義男君) 只今の御質問のことは十分考慮いたしたのでありまして、殊に関係方面では、御承知のようにこの方面の專門家が参つておりまして、懇切丁寧に指導に当つておられるのであります。この立案に際しましても、特にいろいろな点からご注意を賜りまして、最後に到達したのがこの案でありまして、只今山下委員の仰せられる通りの案なのであります。若しそうでないという御解釈であるならば、山下委員がこれを読み違えておると申上げるより外ないのでありまして、詰り一般の不良少年と大部分の虞犯少年というものは、厚生省にお譲りをしたのであります。但しここにいう少年裁判所で特に決定をしてまでこれを強制保護施設に入れなければならん少年だけは、ここに人身の自由を非常に拘束するのでありまして、普通の厚生大臣にはやれないことになるのであります。これはどうしても一つの強制力、檢察権のようなものを持つた者が関與をしなければならない部面がありまするから、極く少数だと思いますが、虞犯少年の中の虞犯と申しますのは、言葉はこれから犯罪をやる少年のように見えますが、実際は親の物を盗んだとか、親類の物を盗んだとか、何か犯罪に該当することをやつたからこそ、これから他人の物に触れるようだというのでここに虞犯少年だと申すのでありまして、通常の不良少年とは類型を異にするものでありますから、その中の程度の重い者を少年裁判所において、これは厚生省の施設ではいけない。特に強制力を持つた法務魔の施設にされる。これは、官公立に將來は限ることになつているのであります。私立を認めない。そこへ入れる必要があるという御宣告のあつたものは、決して私共の方でこれを無理にとりたいなどという氣持はありませんが、事の性質上収容しなければならん。そういう意味で虞犯少年の中の特に少年裁判所によつて保護処分に付す旨の決定のあつた少年だけをお引取りをする。その他の大部分の虞犯少年は皆厚生省に属するのであります。そういうことを一つ御了承願いたいと思います。
#20
○山下義信君 これは大変なことをいたしまして、私がこれは読み違えておるのだろうと思いまするが読み違えておりましたのでしたら、これは仕合せなことでありまして、只今の大臣の御答弁で私はよく了承いたしました。私の読み違えました点は、罪を犯す虞れのある少年に関する事務は、「少年裁判所によつて保護処分を受けた少年に関するものを除いては、」こうございますので、「罪を犯す虞のある少年に関する事務」といいながら「少年裁判所によつて保護処分を受けた少年を除いては」とこういたしますところと、成る程只今大臣の仰せのように少年裁判所によつて強制的に、これはこういう施設に入れなければならんものを、これを除いて後の虞犯少年を今言うがごとき、お前の言う通りに厚生大臣の管理に移すと書いてあるではないかと仰せになりましても、その少年裁判所というものによりまして処分をいたしまする範囲が、先程政府委員に伺いまするというと、まだ十分はつきりはいたしませんが、併しながら虞犯少年の保護事業もやはり少年裁判所にこれは入れる考えを持つておると、こういう御説明でございます。その少年裁判所のいろいろお仕事の中に入りますると、この保護処分というものは、どういう程度までを保護処分として御規定に相成りますか。それが先程からの問答で不明でございましたけれども、只今の少年法の大要をおとり入れになるものとしますというと、この少年裁判所によつて保護処分を受けた少年という範囲は非常に廣い範囲になるのではないかと……私が読み違えておるのでございます。若し読み違えておるのでございましたら御指摘、御訂正をお願いしたい。で、この保護処分というものは、私共の考えでは、訓戒を與えるとか、譴責をするとか、適当な保護者に引渡すとかいうような、或る程度の民間の保護團体に預けるとかいうようなものも、皆保護処分というのに入つておるのではないかと、こう読んだのでございます。それならば「虞犯少年に関する事務は」といいながらも、ずつと只今の大臣の御説明とは違つて、実に軽微な、叱り置くという程度の者までも除くとこうあるのではないかと、こう読んだのでございますので伺いましたので、その点今一度御説明を願いたいと存じます。
#21
○政府委員(佐藤藤佐君) 附則第十五條の第二項は非常に法文の体裁が從來の法文の例に倣つておりませんために、非常にお読みになつて誤解を招く虚れがあつたろうと存ずるのでありまするが、その趣旨は先程大臣の申されましたように、虞犯少年、罪を犯す虞れのある少年に関する事務は、すべて厚生大臣の管理に移される、四月一以後移される。但し少年裁判所によつて保護処分を受けた少年だけに最高法務総裁がこれを掌るという場合に、少年裁判所で虞犯少年に対して保護処分をするかということを考えますると、これは御存じのように現在の少年法によつては犯罪少年と虞犯少年と両方掌つておりますが、その虞犯少年というのは、先程大臣の申されましたように、これから犯罪を犯すかも知らんというような、單なる不良少年を指しておるのではないのでありまして、御承知のように犯罪は犯しておる。親の物を盗み、親戚の物を盗む。そういう犯罪を犯しておる不良少年ではあるが、これをどうも刑事処分に附するには忍びない。何等か保護処分で將來の光明を與え、改善保護して行こうという少年がいわゆる罪を犯す慮れのある少年、虞犯少年として少年審判所で取扱つておるのでありますが、恐らく將來でも少年裁判所によつて保護処分に付される虞犯少年というのは、程度の高い不良少年、つまり普通の社会政策的意味において厚生施設では到底改善を望めないような程度の高い不良少年、つまり刑事政策的な意味において司法保護処分を必要とするような虞犯少年を指しておるのでありまして、そういう虞犯少年について將來少年裁判所がこれは矯正院送致というような処分をなした場合には、その場合に初めて最高法務総裁が矯正院を監督しておる関係上、それを管理するということに過ぎないのでありまして、程度の低い虞犯少年までも全部少年裁判所で取扱うとか、或いは最高法務総裁が管理するということまでは考えておらないのでありまして、それはすべて仰せのように厚生省の所管として、成るべく刑事処分に付しなで、社会政策的な意味において温かい保護をしようというのが、この附則として現われた條文なのであります。
#22
○山下義信君 よく分りました。これで私の質疑は打切りますが、それでその御趣旨を明らかにするという意味におきましては、この第十五條の第二項は少し不備に私は考えられますので、或いは字句の点にもう一度再考させて頂かなければならんかと思いますが、今一度後戻りをいたしまして、関聯しまして第十條の少年矯正局に関する項の、第二号、第三号の関係でございますが、第二号におきましては少年裁判所によつて保護処分に付された少年の保護に関する事業、第三号には少年裁判所によつて保護処分に付された少年に対する司法保護事業に関する事項、こうございます。第二号と第三号の相違点を簡單に御説明を願いたいと存じます。
#23
○國務大臣(鈴木義男君) これは簡單でありまして、二号の方では保護する仕事そのものを指しておるのであります。少年を保護すること。それから三号の方はそういう事業をやつておる事業の方を監督したり、助成したりする、ことを意味しておるのであります。片方は少年を現実に保護する。第三号の方はそういう仕事の方を、事業の方を監督助成する、そういう意味です。
#24
○山下義信君 二号の方は少年を保護する仕事のことでございますか。
#25
○國務大臣(鈴木義男君) 現実に保護すること。
#26
○山下義信君 現実に保護しますること、それから三号の方はその保護事業の施設についてですか。
#27
○國務大臣(鈴木義男君) 保護事業を監督したり、それから助成したりする。
#28
○山下義信君 保護事業を監督したり助成すること。
#29
○國務大臣(鈴木義男君) 一つに纏めてもよいのですがね。
#30
○山下義信君 そうすると二号の方は法務廳の保護に関する一般の法務行政とこうなりますのですか。
#31
○國務大臣(鈴木義男君) そうでございます。
#32
○山下義信君 三号の方は保護事業をやつておる施設を指したものと、こうなりますのでございますか。
#33
○國務大臣(鈴木義男君) 施設は法務廳でやりますから、事業を監督し一助長すべきものには指導を與える。そういう仕事を意味する。
#34
○山下義信君 大半は分りました。そういたしますと、第三号の司法保護事業というものに付されます保護処分の少年というのはどういう種類の少年を予定しておいでになりますか、政府委員にちよつと伺います。
#35
○政府委員(佐藤藤佐君) その範囲は現在の少年審判所で取扱つておる犯罪少年及び程度の高い虞犯少年ということになつております。
#36
○山下義信君 というのはこの第三項の司法保護事業になるのですか。
#37
○政府委員(佐藤藤佐君) そうです。
#38
○山下義信君 分りました。
#39
○深川タマヱ君 今度の法務総裁は「昭和二十二年勅令第一号の規定による覚書該当者の観察等に関する事項」を管理されることになつておるようでありますが、このことは日本の平和及び民主化のために最も大切なことであつて、徹底的に調査しなければならない問題ではございますが、同時に國民の相当廣い範囲に非常に大きい恐慌を起させておることも事実であると存じます。そこで最も愼重に調査されると同時に、人員なども殖やして、できるだけ速やかに事務を進めて、適当な時期に打切りをなし、以て人心に安心を與えるという方法には参らないものでございましようか。若し万一極く少々疑惑のある程度の者が残つておるといたしましても、刑法の時効の精神と同じように、その間非常にみずから苦しみ、反省いたし、戒心いたして、半ば法の目的も達成しておることもあろうかと存じます。勿論今後において平和に反したり、反民主的思想を流布したり、行動に現わす者は、永久に取締らなければなりませんが、ここに申しますのは、過去における行跡の調査であります。尤も日本の政府のみの考えでは決まらないことかとも存じますが、これら一切のことにつきまして司法大臣からお教えを願えれば幸いと存じます。
#40
○國務大臣(鈴木義男君) 深川委員の御質問は非常に重大な問題でありまするが、まだはつきりお答えをする時機に達しないことを遺憾に存ずるのでありまして、極く大要だけ申上げますれば、いわゆるこの追放ということは、ほぼ今年一杯を以て終る予定でおるのであります。但し葉書でありますとか、論文でありますとか、審査に時間がかかりますもので、何千人という人のものを短期間に碌に読まないで決定するというわけに行きませんので、そういう人の分が残るかも知れないということは留保いたして置きまするが、それもやはりその都度公職に就く時に予め全部審査をして置く必要もないのでありまして、公職に就こうという時に、その人の過去の葉述等について審査をして、それで不適格であるということであれば、公職に就くことを御遠慮願う。こういう建前で行く場合を予想されるのであります。その他は大体今日までのように、何々関係で追放するというようなことは、大体今年一杯を以て打切り、今後再び問題にしないという氣持を持つておるわけでございます。それからここに書いてあります「昭和二十二年勅令第一号の規定による覚書該当者の観察」ということは、過去のことを調べるのではないのでありまして、該当者になつて指定されておるのに、窃かに政治運動をやる、或いはいろいろな公職に自分は就かないが、就いた者を動かしていろいろなことをする。そういうことがありますと、追放の精神に反しますから、それについては絶えず注意をと、或いは処罰もする、こういうことに相成るのでありまして、從來内務省の調査局がやつておる仕事なんでありまして、その仕事を引継ぐということであつて、從つて仰せられるようなことは……刑法の時效の精神ということを仰せられましたが、適当な時機に必ずそれと同じことが行なわれるのだというふうに御理解願いたいのであります。但しこれらの問題が將來の問題としてどうなるか、追放は個別的な意味で続行されるか、どういう範囲にまで行くか、又該当者の観察等が何時まで続くかということは、恐らくは講和條約における重要な條項に相成ると思うのでありまして、その時に決定をいたすのであろうと存ずるのであります。
#41
○岡部常君 今深川委員がお尋ねになつたことに関聯してでございますが、私も今挙げられました第一條の三項の後段の事柄は、これは一時的のものであろうと考えるのであります。又大臣の今の御答弁によりまして、そのことは殊にはつきりしたように思うのでありまして、これが恒久的な役所の設置の中に取入れられておりますることは、如何にも体裁から言いましても面白くないように考えるのであります。これは根本的の所属問題は別といたしましても、特別法の儘に置くとか、或いは少なくともこれの附則に入れるというような御考慮が欲しいように考えるのであります。この点についての御意見を承りたい。それから起きました序に、私は山下委員がちよつと触れられた点でございますが、將來生まるべき少年裁判所でございます。この少年裁判所が生まれるといたしますと、この法案では又訂正になつて……無論訂正になるべき筈ではありませんが、法案の中の十ページの第一行の「少年審判所」というものが、これがまあ少年裁判所になるものと考えられまするが、この少年裁判所が先程山下委員がお尋ねになつたように、どういう性格のものであるかということは別といたしましても、私は何故にこの「審判所」という柔かい言葉をお使いになつておりますのを、先程山下委員が指摘されましたように、普通の裁判と同じ文字を使つて、やはり大人が嚴めしい法廷で裁きを受けるとい感じを持たせるようにしたのか。むしろこれは私は審判所で通して頂く方が本当じやないかと考えるのであります。これは從前の少年審判所もジューヴェナイル・コートであつたので、コートを裁判所と訳そうが、審判所と訳そうが、私は同じことではないか。少なくとも日本の慣行においては同じような意味を持つておるように考えるのであります。これは今更お変えになる御意図は何処にあるか、これを伺つて置きたい。もう一つ用語の点でございますが、先程法制局長官からも伺いまして、大体分つたようでありますが、私の意見といたしましては、「檢察長官」の下の「法務調査意見長官」の「意見」という字は、如何にもどうもおかしく考えられます。どうしてもこれは日本語ではないように考えられます。又もつと突つ込んで言えば、何か昔の徳川幕府時代の役名を暗示するような、御意見番というものはなかつたかも知れませんが、御指南番とか御意見番とか、大久保彦左衛門でも出て來るような、封建臭芬々たるものがあるように考えるのでありまして、これは何か外の言葉に置き換えるか、或いは「法務調査長官」として、その説明の中に意見を述べるとかいうようなことを記した方がよいのではないかと、かように考えるのであります。この点政府の方からのお答えを承つ置きたいと思います。
#42
○政府委員(佐藤達夫君) 只今の御質疑の最初の部分につきましては、私から便宜お答えいたします。
 この第一條の三項の関係におきましてのお話でございましたが、正直に申しまして御同感に存じます、以前は法制局の一つの扱い方といたしましても、かような臨時の仕事、或いは又臨時の部局というようなものは、恒久の法規とは別に、臨時法の形で別個の扱いをして参つたのがむしろ普通の例であつたと申してよかろうと存じます。ただ最近の我々の氣持と申しますか、やり方といたしましては、成るべく法令というものは一月で分り易く、何人が見ても直ちにその実態が分るようにという方同に努力を実は重ねて來ておるわけであります。新憲法以來これを口語体に直したいということもその一つでありますが、要するに法令を実用向にしようという立場から申しまして、丁度この例になるのでございますが、この法務廳総裁はどういう仕事をするかということは、第一條の三項を見れば、そのときにおける所管事項が分るというような点から申しますると、体裁は潔癖に考えますと如何かという氣持はありますが、要するにこの方が実用向であるという、まあそういう氣持からであります。
 仮にこれを昔やつたことがありますように、別建の形にいたしますというと、例えばこの関係の臨時の仕事をやつておりますこの所掌の分け方といたしまして、各部局の所掌事項が出て参りまするが、それらについても一々又別のところで規定を設けなければならん。例えば特別審査局、これは臨時の仕事だげをやりますので、別建の規定にしなければならん。或いは後に出て参りまする民事局の中にも臨時の仕事が二つばかり挙つておりますが、これらも亦引抜きまして、これらの仕事は民事局で当分の中掌るという書き方になつて、出來上りの姿は非常に分りにくい形になります。さような見地からかような結論に達したのであります。
#43
○政府委員(佐藤藤佐君) 第十條の矯正総務局の所管事項として、第二項に少年審判所に関する事項とありまして、その次の少年矯正局の所管事項中には、少年裁判所によつて保護処分に付せられた少年の保護という工合に、少年審判所と、少年裁判所という使い分けをしましたので、如何にも將來少年法の改正によつて設けらるべき少年裁判所というのは刑事処分だけをする裁判所のように見えるのでありまするけれども、これは先程申述べましたように、將來の少年裁判所が刑を科する普通の裁判の外に、現在少年審判所でやつておりますような、保護処分までも併せてなすようになるだろうと思うのでありまするので、從つて現在の少年審判所というものが独立した存在を失うことになるのか、或いは少年裁判所の外に現在の保護処分だけをやる少年審判所というものが少年法によつて依然として認められるのか、その辺のことはまだはつきり決つておりませんので、ここでは現在の少年法によつて設けられておる少年審判所と区別する意味において、新しい少年法によつて設けらるべき少年裁判所という工合に使や分けをいたしたのであります。將來の少年裁判所が若し刑事処分を全然掌らないで、現在の少年審判所のなしておる仕事だけをするものと決定いたしまするならば、その際には少年裁判所と呼ばないで、從來と同じように少年審判所と呼ぶ方がむしろ適当であると私も考えておるのであります。
#44
○委員長(下條康麿君) 速記を止めて……
   〔速記中止〕
#45
○委員長(下條康麿君) 速記を始めて……
#46
○齋武雄君 私は第十一條の点についてお伺いするのでありますが、第十一條には「官房においては、左の事務を掌る。」こうあります。その第七でありますが、「弁護士及び弁護士会に関する事項」こういうことになつております。憲法七十七條には「最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律」、こういうことを定める権限を有する、こういうことになつておりますが、この七十七條の関係と、十一條の「弁護士及び弁護士会に関する事項」の関聯にどういう関係があるのであるか。それをお伺いしたい。
#47
○國務大臣(鈴木義男君) この点は大分議論が存するところでありまして、実際御質問の通りでありますが、憲法の規定する最高裁判所の規則制定権は、弁護士法全部を制定する権限を持つておるのか、そうでなく法廷における弁護事務の進捗、或いは方式、そういうものを規定する趣旨であるかというようなことについても実は疑問があるのであります。どちらかに決まれば全部を移して最高裁判所の管轄にいたしてよろしいのであります。我々の考えでは、やはり弁護士法というものは國会で御制定なさるべきもの、発案はどちらがなすつてもよろしいのでありますが、國会で制定せらるべきものじやないかという考えを持つております。最高裁判所で制定するのはその法廷における執務方式、そういうものを規定する、こういう考えから行きますると、弁護士の懲戒の問題が起る。弁護士の登録をどこにするか、弁護士会という一つの團体があつて、それらの活動を或る意味で監督しなければならんということが考えられる。これが若し最高裁判所に監督権があるというならば喜んでお譲りするのでありますが、まだこれは議論が分れておるところで確定いたしませんから、取敢えず從來は司法大臣がこれをやつておつたのでありまして、これらの点がはつきりいたしまするまで、取り敢ず官房の事務の一つとして挙げておく方が無難であろう、こういう考えから來ておるのであります。さよう御承知を願いたいのであります。
#48
○齋武雄君 只今の大臣の御説明によつて、よくこの点は了解したのであります。今一点お伺いするのでありますが、先程山下委員から少年裁判所のことにつきまして、御質問があつたのでありますが、これは最高裁判所の関係がどうなるか、いろいろ御質問があつたのでありますが、そのことにつきまして、私の考えを申上げまして、そうであるかどうかという御意見を承わりたいのであります。先程少年裁判所の將來の機構については、刑事裁判までやるのであるか、或いは保護の処分だけであるかということは、まだ分らんということでありましたが、仮に刑事裁判をするものといたしましても、ここの規定は裁判の内容に関係するものではない、裁判の手続に関係するものではなくして、軍に裁判所が行なつた結果について、法務総裁がその事業をやるのである。そういたしますと、現在の刑務所と同じようなものでありまして、大同小異でありまして、裁判の結果に対して執行するものである、或いは保護事業をするのであるから、如何ようになつても、最高裁判所の内容に関係するものではない、矛盾しない。こういうふうに承知してよろしいのであるかどうか。
#49
○國務大臣(鈴木義男君) 仰せの通りでありまして、名前が裁判所と書いてありますために、何か裁判をやるように誤解されるのでありまするが、現在でも裁判へは本当の裁判所がやつておるので、少年の裁判をやるということになれば……、審判所でやつておるのは保護処分で、將來少年裁判所がどういう構成になるか未定でありますが、やはり少年の犯罪でも、普通の裁判所で特別の部を設けて裁判する、この少年裁判所というのは、それ以外の保護処分を決定する所だというようになるかも知れない、そうすれば一つの行政廳として扱うことができるわけですから、その役所も、今の少年裁判所がそうである如く、法務廳の所管に属して一向差支ないわけであります。問題は裁判であるか行政であるかということで分れるわけであります。併し少年裁判所が裁判もやるということであればこれは恐らく最高裁判所の管轄に属することになりましよう。そうなりましても、その判決の結果を執行するのは、法の執行ででありまして、行政でありますから、これは法務廳においてやつて差支ない、こういうふうに理解しております。
#50
○岡部常君 先程ちよつとはつきりいたしませんので、伺つておきたいのですが、少年裁判所と少年審判所は別のものを……、今言葉が惡うございましたが、少年審判所は、少年裁判所と併立さしておかれる御希望でございましようか。又そのお見込があるのでございましようか。その点をちよつと承わりたいと思います。
#51
○國務大臣(鈴木義男君) 実はこの点は、関係方面の強い指導がございますので、関係方面と熱心に研究もし、いろいろ勉強もいたしておるような次第でありまして、少年裁判所と少年審判所、この二つを置くようになるかも知れません。或いは名称を変えるかも知れませんが、或いは一本にするかも知れない。そこのところは未定でありまして、只今はつきりお答えすることができないのであります。御了承を願いたいのであります。
#52
○岡部常君 若し併立されるようなことになりますと、大変將來少年の扱いに便宜だと思いまして、成るべくそういうふうに御盡力を願いたいと思います。もう一つ承わつておきたいことは、矯正総務局の構成のことでございますが、これは大体、この條文を見ますれば想像は付くのでありますが、総務局と、それから法務行政長官の下における成人の矯正局並びに少年矯正局の間の関係でございます。もつと平たく申しますれば、これは同じ資格でありましようか。或いは幾分か、これは総務局の方が上になるというような関係になりましようか。その点が、この條文だけでははつきりいたしませんので、ちよつと伺つておきたいと思います。
#53
○國務大臣(鈴木義男君) 立案者といたしましては平等に扱つておるつもりであります。総務局においては企画、施設等を掌る。それから成人矯正局、少年矯正局ではその現実に仕事をやる方を掌る。こういうことで分業がありますけれども、その地位は平等に考えておるわけであります。併しおのずから総務局の方が課を余計持つとか、或いは仕事の分量も多いとか、いろいろなことから、重点がおかれるというようなことはできて來ると存じまするが、法の建前としては、対等に扱つておるということに御了承願いたいと思います。
#54
○岡部常君 そういたしますと、これはお互いの間に、よく意思が疏通いたしまする場合はよろしゆうございますが、どうせ人間がやることでありますから、時によると、意思の疏通を欠くよらな慮れもあると存ずるのであります。私ずつと見ますると、総務局というのは、從來の行刑局、それから成人矯正局、それから少年矯正局というのは、いささか現場についておるような感じがいたすのでありまして、むしろこれは或る意味においては、やはり上下の関係がある方が適当ではないか。同じような人間が扱いますと、どうも内容が重複する点などが見えまするので、その点意思の疏通を欠いて、せつかく機構はよくなつたけれども、実際の仕事の運用はうまく行かないというようなふうに感ぜられるのでありますが、その間の調節はどういうふうにお付けになりますか、承わりたいと思います。
#55
○國務大臣(鈴木義男君) 仰せの通りでありまして、人を選びますについて、十分注意いたしまして、矯正総務局長になる人は、全体を統率し得るような人を選ぶというようなわけで、注意をして行きたいと思うのでありまするが、法務行政長官は、これを統轄する、上に立つておるわけでありまして、その人に適当な人を得れば、御心配のようなことがなくやつて行けるのじやないか。更に行く行くのことを考えますると、この三局を一つの独立した外局のようにいたしまして、ちようど検察廳が司法大臣の外局として存在するように、外局として一つの独立した行政廳を構成して、そうして、大体この機構でよいと思いまするが、只今仰せられるような、一番上に立つ人を設けまして、一つの段階を持たせて、能率を上げて行くようにしたらよいではないかという腹案を持つておるということも申上げまして、御了解を願いたいと思います。
#56
○山下義信君 ちよつと簡單なことを一つ伺いたいと思います。それは第十五條の第三項でございますが、これは他の委員の方がもうお尋ねになりましたかどうか、重複をいたしておりましたら、お許しを願います。私立の矯正施設が廃止になるということでございまして、いろいろ関係者の人たちの御意見があるようでございますが、これは一部分成績のいいような施設は官公立にでも出直しになるようなお考えがございますか、どうでございましようか。相当この私立の矯正施設につきましては先般來問題が多々発生をいたしまして、その業績そのものが相当社会の批判に上つておるのがございまして、從いまして第四項の如き注意事項が入つておるんではないかと私共推測いたしておりましたが、ともかくもといたしまして成績のいいのは官公立にお直しになる考えがありますのでございましようか、いかがですか。この私立の矯正施設の処置につきましての当局のお考えを承りたいと思います。尚且つ私はこの司法関係のこの少年保護施設、私立の施設の方々も、何もこれが廃止になるからといつて、決してこれはお騒ぎになる必要はない。先程來からの大臣の御説明もありましたように、或る程度のものは厚生省に移管するのでございまするから、やはり從來からの経験というものがそのまま活きて行きまして、尚一層の御盡力を願わなければならん分野も開けてございますのでありますから、私は從來司法省系で以ちましてやつておいでになります私立の矯正施設関係の方にもその点は御再考の余地があるんではないかと考えておりますが、こちらにつきましての御当局の御説明をこの際お伺いして置きますることがいいんじやないかと思いまするので、お尋ね申上げます。
#57
○國務大臣(鈴木義男君) この司法俣護処分をいたしまするのは、官公立の矯正施設に限ることに相成つたのでありまして、これは山下委員の御想像せらるる通りの理由から関係方面等の強き要望があつてそういうことになつた次第であります。從つて成績の良い私立の矯正施設はできるだけこれを官公立に直したいという氣持も持つております。それからその他の私立の施設でも決してこれを排斥する趣旨はないのでありまして、厚生大臣の管理の下にますます助長発達して行きたい。司法矯正施設としては私立のものには弊害があるから、人権の蹂躙をこれはやらなければならん施設でありますから、或る程度は……。そこで私立を許さないのであつて、その他の保護事業は私立ますますに歓迎いたすのでございまして、これを排斥する趣旨でない。ただこれは法務廳の管轄から外れて、厚生省の管轄に移るのである、こう御承知を願いたいと思います。
#58
○山下義信君 了承いたしました。
#59
○委員長(下條康麿君) 御相談申上げますが、まだ質問がおありになるかと思いまするので、明日午前十時からもう一度決算司法聯合委員会を開いて質問を終え、且つ御意見があつたらそこで一應お述べ願つて、若し修正ということであれば、そういうことを纏めたいと思つておりますが、いかがでございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(下條康麿君) 御異議ないと認めます。それでは今日はこれで散会いたします。
   午後零時五分散会
 出席者は左の通り。
  決算委員
   委員長     下條 康麿君
   理事
           太田 敏兄君
           山下 義信君
   委員
           岩崎正三郎君
           今泉 政喜君
           北村 一男君
           中川 幸平君
           竹中 七郎君
           谷口弥三郎君
           平野善次郎君
           深川タマヱ君
           小野  哲君
           山崎  恒君
           千田  正君
  司法委員
   理事
           鈴木 安孝君
           松井 道夫君
   委員
           齋  武雄君
          大野木秀次郎君
           奥 主一郎君
           岡部  常君
           松村眞一郎君
           山下 義信君
           阿竹齋次郎君
  國務大臣
   司 法 大 臣 鈴木 義男君
  政府委員
   法制局長官   佐藤 達夫君
   司 法 次 官 佐藤 藤佐君
ソース: 国立国会図書館
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