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1947/11/10 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第2号
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1947/11/10 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第2号

#1
第001回国会 通信委員会 第2号
  付託事件
○電話増設に關する陳情(第百九十七
 號)
○「教育振興」特殊郵便切手發行に關
 する請願(第二百四十號)
○特定郵便切手廢止に關する陳情(第
 三百七十五號)
○大多喜、千葉及び大原間直通電話線
 架設に關する陳情(第四百七十六
 號)
○北海道富良郵便局を普通局に昇格す
 ることに關する請願(第三百八十八
 號)
○郵便法案(内閣送付)
○會津高田驛前に郵便局を設置するこ
 とに關する請願(第四百二十八號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十日(月曜日)
   午後一時三十三分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○郵便法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深水六郎君) それでは只今から通信委員會を開催いたします。本日の議題は、豫備審査のために付託されております郵便法についてでございますが、先ず最初に遞信大臣から提案理由の説明を伺うことにいたします。
#3
○國務大臣(三木武夫君) 今囘郵便法案を提案いたすことになりましたので、その理由、要旨を御説明申上げます。御承知の如く現行郵便法は、明治三十三年に制定せられまして、その後經濟事情、その他社會事情の變遷に伴いまして、料金とか罰則その他の部分的改正は今までいたして參つたのでありますが、新憲法が施行せられました新らしい事態の下におきましては、現行郵便法を廢止して、新たに新憲法の精神に即した郵便法を制定することが適當と考えられるに至りましたので、この法案を提出することにいたした次第であります。
 從いましてこの法律制定の方針としましては、新憲法の精神に即應せしめることを基本といたしたことは勿論でありますが、郵便に關する基本法として、郵便に關するすべての基本的事項を規定して、業務運營に關する源泉たらしめると共に、法文を章節に分ち、各條文の冒頭には見出しを付ける等、法文の理解を一般を容易ならしめるように努めたのであります。
 次にこの法案の要點でありますが、第一の點は郵便法の目的を第一條に掲げて、郵便法制定の精神を宣明したことであります。
 第二の點は、郵便は通信の秘密が確保され、その役務が或るべく低廉な料金で、普遍的に且つ公平に提出されなければならないという事業の本質から、國の行う事業でありますので、これを明定いたしますと共に、法令の分野の關係から、從來官制その他の法令で定められておりましたところの郵便事業の管理者及びその郵便事業に關する具體的な職責をも規定したことであります。
 第三の點は、國民の自由及び權利の尊重する新憲法基本的精神に鑑みまして、國民の基本的權利を制限する規定は、原則としてこれを廢止いたしますると共に、國民に義務を課することは、郵便事業遂行上必要缺くことができない場合に限り、且つ、その範圍は法律で具體的に規定することにしたのであります。
 即ち、現行郵便法で認められておりますところの、職務執行中の郵便遞送人等が、道路に障害があつて通行し難い場合に墻壁とか又は欄柵のない宅地、田畑その他の場所を通行できる特權、或いは事故に遭つた場合に他人に助力を求めることができる特權、及び通行錢を支拂らないで渡船を利用し、橋梁等を通行し、又は何時でも渡津のために出船を求めることができる特權は、過去の實績に徴しまして郵便事業遂行上必要缺くべからざるものと認められませんので、これを廢止し、料金完納郵便物及び還付郵便物については、一般的にその受取を拒むことができないことといたしました現行の規定は、國民の自由を制限することになりますので、この法案においては、これを廢止して、受取義務を課する必要のある場合は、それぞれ當該關係法律で規定することとし、又郵便官署の損害賠償に關する決定に對する民事訴訟の提起期間を、その決定の通知を受けた日から三ヶ月に制限した現行の規定、及び郵便の取扱に關し無能力者が郵便官署に對して爲した行爲を能力者のしたものとみなす現行規定は、このような民法の例外規定を官業にだけ認めることが不適當でありますので、今囘廢止することにいたしたのであります。
 他方、運送營業者の郵便物運送義務は、郵便業務運行上絶對に必要でありますので、これを存置することといたしましたが、その運送營業者の範圍については、國有鐵道、國營自動車、國營船舶の管理者をも含め、これを具體的に決めますと共に、遞信大臣が運送營業者に對し、郵便物の運送を要求できる場合の條件、或いは運送義務の具體的な内容及び運送料の算定基準は、別の法律で決めることにしたのであります。
 第四の點は、國民は法の下の平等であらねばならないとする新憲法の精神に鑑みまして、從來郵便事業の圓滑な運行を保護するため設けられておつた規定でありましても、一部の國民に特別な法的利益を考える結果となりますものは、原則としてこれを廢止することにしたのであります。即ち郵便事業のため使用中の個人所有の物件に關する規定であるところの郵便專用の物件、及現に郵便の用に供する物件に對しては一切の賦課を免除する規定を廢止することとしたのであります。
 第五の點は、司法權の獨立に關する憲法の精神に鑑みまして、郵便局長等が遞送中又は發送準備完了後の郵便物につき差押えの執行を拒むことができる規定を廢止することとしたのであります。
 第六の點は、郵便の取扱制度の規定についてでありまして、郵便が國の行う事業とせられ、且つ信書の送達については國の獨占するところでありますので、郵便の利用條件の如何は國民に多大の利害關係がありますので、これらは原則としてこれを法律で規定し、手續的な事項その他輕易な事項に限つて省令の規定に讓ることとしたことであります。
 即ち、從來省令の規定に讓られていましたところの小包郵便物の料金、特殊取扱料金その他の特別取扱料金、郵便禁制品その他郵便として差出すことができない物の具體的内容、各種郵便物の要件、特殊取扱の種類及び内容等を法定することといたしましたと共に、天災その他止むを得ない事由がある場合に、遞信大臣が郵便の利用を制限し、又は郵便の業務の一部を停止することができる規定を郵便法に設けることとし、反面郵便物の差出し及び配達に關する規定は、郵便物の送達の手續的規定でもありますので、從來法定せられておりました宛所配達の規定を含めて、これを省令で規定することにしたことが、その主なるものであります。
 第七の點は、郵便の取扱制度の内容についてでありまして、これにつきましては、原則として現行のものをそのまま維持することにしましたが、取扱いの實状に應じてその一部を若干改正することにいたしました。その主なものを擧げると次の通りであります。
 第一に、現在第二種郵便物たる郵便葉書として認められておりますところの封縅葉書は、その料金が、その調製費を含めて第一種書状の最低料金、即ち一圓二十銭と同額とし、且つその取扱いも實際上第一種書状と同一にいたしておりますが、その調製費が非常に高くなりました現在にありましては、この調整費は現在十三銭一厘でありますが、紙の公定價が値上げされました結果三十銭程度になる見込であります。こういう調製費が料金の中に含まれている第二種たる郵便葉書として認めることが適當でありませんので、これを第二種郵便葉書から削除し、從來のものとほぼ同一形式のものを郵便料金に調製費を加えた額で賣捌き、これを第一種書状として取扱うこととしました。
 第二に、現行小包郵便料金は全國均一となつておりますために、同一市町村内等極く近距離に發着するものについては適當でありませんので、遞信大臣は、實状に應じてその料金を半額程度まで低減した市内小包郵便制度を省令で定めることができることとしました。
 第三に、郵便利用者が、損害賠償の請求その他郵便に關する權利を行使する場合に必要な經費は、利用者が負擔するのが一般の原則であり、適當と認められますので、郵便の利用者が無料郵便を差出し得る場合は、遞信官署の依頼によつて遞信官署に宛てて差出す場合に限ることとし、從來認められておりました郵便に關する事故の申告、損害賠償の請求等に關する無料郵便を認めないことにしました。
 第四に現行の價格表記制度は、その制度の内容がその名稱からすぐ分らない憾みがあると認められますので、その名稱から直ちにその制度の内容が分るようにするために、これを保險扱と改稱することにしました。
 第五に、現行法におきましては、遞信官署の取扱中に係る郵便物に郵便禁制品たる危險物が入つていた場合でも、遞信官署の危險防止のためこれを棄却することができないことになつておりまして、郵便業務運行上遺憾な點がありますので、前述のような場合には、危險防止のため棄却その他の必要なる措置を取ることができることとしました。
 第六に、現行の配達證明料は五圓でありますが、引受時刻證明料や内容證明料が十圓であるのに對しまして、その取扱手数から見て、これらと差別する理由がありませぬので、それを十圓にすることとしましたと共に、昭和十五年以降取扱停止中でありました代金引換料を、他の特殊取扱料との權衡を考えて、これを十圓といることにしました。
 第八の點は、罰則についてでありまして、罰金の金額を現下の物價事情に鑑みまして十倍に引き上げることとしましたと共に、罰則の一部について若干の改正をすることにしました。
 第一に、郵便の獨占を亂す罰については、これを法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人若しくは人の業務に關して犯した場合には、行爲者を罰する外、その法人又は人に對しても同樣の罰金刑を科することにしました。
 第二に、郵便物の運送をしない罰については、前述の通り、遞信大臣が運送營業者に對して郵便物の運送を要求できる場合の條件、運送義務の具體的な内容等を別の法律に規定することといたしましたので、その法律制定の際改めて規定することとし、ひとまずこの法案には關係の罰則を設けないことといたしました。尚右の關係から、この法案における運送營業者の郵便物運送義務に關する規定は、これに關する特別法が制定實施されるまでこれが實施を遲らせ、その間は現行法中の郵便物運送業務に關する規定及びこれに對する罰則の努力を特に存續させることとしました。
 第三に、遞信官署の取扱中に係る信書の秘密を侵した罰は、現行法では親告罰となつておりますが、郵便事業の信用を確保する公益保護のため、これを親告罰としないことにしました。
 第四に、僞造、變造等の郵便切手類は、現行法では、裁判によつて没收する場合の外、行政遞分によつて官没することになつておりますが、新憲法の國民の私有財産を尊重する精神から見て、適當でないと認められますので、行政遞分による官没はこれを廢止することにしました。
 最後に、この法律の實施期日は、準備の關係を考慮しまして、これを明年の一月一日とすることにいたしました。尤も、第十條の運送營業者の郵便物運送義務に關する規定は、この規定實施上必要な郵便物の運送に關する法律が、準備の關係上今國會の提出することができませんので、その實施期日は政令で定めることとし、その期日は、郵便物の運送に關する法律案を次の通常國会までに提出して、明年の四月一日までに實施しなければならないこととし、それまでの間は、現行法の第三條、第四十二條及び、鐵道船舶郵便法を適用することにしたのであります。
 以上簡單ながら、郵便法案の提案の理由及び要旨を御説明申上げた次第であります。何とぞ御審議の上速かに可決せられんことをお願いいたします。
#4
○委員長(深水六郎君) 逐條的な御質問は後程にいたして、本日はどうでございましようか、本案に關する總括的な質問をして行きたいと思いますが、御質疑のある方はどうぞお願いいたします。
#5
○堀越儀郎君 只今提案の要旨を御説明になりました中に、小包料金の問題がありまするが、區間を限らないで全國一樣とし、ただ同一市町村内に對してのみ區間の制度を説けるというお話でありまするが、鐵道の運賃においても距離において差等があるわけでありまするが、こういうふうに小包郵便物においても同樣、距離に區別を設けて、そうして料金を異にするというような方法を取られる御意思はないのでありますか。
 それからもう一つお聞きしたいのでありまするが、郵便業務の仕事をもつと機械化する御準備はあるのかないのか。これによつて業務の停滯することなく、又從業員の負擔を輕減することができるだろうと思いまするので、そういう點に御考慮を拂われる御意思があるのかないのか。
 それから最近の郵便物の到著が非常に遲い。これは御承知のことと思うのでありまするが、以前には大阪、東京間大體一日で行つたというのが、最近は三日を要する、場合によつては著かないこともある。更に電氣通信において現に私の經驗したのでは、先月の十六日に打つたウナ電が、これは上野の構内から打つた電報でありまするが、それが十六日の午後四時に確かに發信をしたという事實を突止ておりまするが、奈良縣の丹波市町へ打つたウナ電がとうとう著かずじまいでありました。これは一つの例に過ぎないのでありまするが、郵便物の遲延ということが問題になつておりまする際に、この原因を除去するように努力とておられるかどうか、こういう點も併せてお伺いしたいと思うのであります。
 それから電氣通信と、郵便に從事するところの從業者との間に何か差別があるような氣持がするのであります。電氣通信の方は派手でありますが、郵便の方は非常に地味な關係上、優遇せられておらないかのごとき感を受けまするし、殊に郵便の配達に從事する者は非常に一般の人々になじみを受けるようにありたいと思いまするが、そういう何か優遇の方法について特にお考えがあるのか、そういう點を併せてお伺いいたしたいと思います。
#6
○國務大臣(三木武夫君) お尋ねの第一點である郵便を鐵道の小荷物の運送賃のごとく距離によつて差等を設けたらどうかというお話でありますが、郵便の小包は料金の均一なというところに特徴もあるわけであります。非常に便利なところがあるし、又その郵便局自體の仕事もそのために非常に簡素にできておる。これは距離によつて違つた料金ということも、考え方でありますが、均一主義の中にも非常に長所があると思うのであります。そういうわけでありますので、これを鐵道のごとく地域によつて計算するという考え方は今持つておりませんが、同一市町村内だけに對しては、これは負擔が均一では重いし、不合理な點でありまするので、これを今囘遞信大臣が特別な料金を決められるようにしたいという考え方で、その範圍内において考えておる次第であります。
 第二の機械化については御説の通りでありまして、今私も就任して以來、新らしい機械化というよりか、今までの機械設備の非常に壊れたところがあるのであります。それが十分に使われてない點がありますので、それの一つの補修に對して、新らしいいろいろな機械の設備もそれは考えなければならんが、從來ある設備が壊れて使われてないというような事態が相當ありましたのですが、東京驛のいろいろな機械設備なんかでも相當壊れておる、これの補修を東京遞信局に命じましたようなことがあるのであります。從來の機械設備を補修しながら、先進國のいろいろな機械を參考として、やはり將來成るべく勞力を少くして行くという方法で行かなければならん問題と思います。
 第三の郵便物の遅延でありますが、これは遞信省としましては常に正確迅速を旨としなければならん、本省においても統計を取りまして、各地の郵便物の、どれだけかかるかという調査をすると同時に、どういうところに原因があるかということを檢討もいたしまして、郵便物には速度というものが、失われて來たのでは意味をなさないのであつて、非常にそういう點については苦心を拂つておるのでありますが、現在ここに調査があると思いますから、郵務局長から大體のどれくらいかかつておるかということを後で御報告してもよろしいと思います。それから電報の不著の事例をお出しになりましたが、そういうことがあつては非常に通信事業に對する國民の信頼というものが薄くなつて參るのであります。非常に遺憾なことで、特別な何と申しますか、インスペクション・システムといいますか、そういう郵便物の不著等の場合に對して今調査の方法を考えております。そうしてそういうふうな事態の根絶を期したい、これは司令部等からも御援助を願つて、向うの式でありますが、その制度を檢討いたしておりまして、これは實施をしたい意嚮であります。
 それから電氣通信關係の從業員と郵務關係の從業員の待遇が非常に違つてやせんか、これは待遇としては少しも違つておらないわけであります。少しの差別もありませんし、いろいろ仕事の差異で派手だとか地味だとかいう差はあるでしようが、待遇の點においては遞信從業員に差別をつけるという考えも無論ありませんし、又そういうことにはなつておりませんが、まあ今後の待遇改善は、電氣通信關係、郵務關係と切り離したものでなしに、全體として待遇改善をして行きたいという考えで今努力しておる次第であります。お答えいたします。
#7
○政府委員(小笠原光壽君) 只今大臣からのお話によりまして、私から遞信省で調査いたしておりまする郵便の速度につきまして具體的の數字をお答申上げたいと思います。遞信省としましては、殆んど隔月ぐらいに東京と全國の四十五の主要都市の相互間における郵郵物の速度を試驗的に通信いたしまして調査をいたしたのでございます。最近はこの試驗通信の結果から見ますると、逐次好轉の状況を示しております。本年の七月に實施いたしました試驗通信の結果によりますると、東京から地方の四十五の主要都市宛の郵便物竝に四十五の主要都市から東京に參ります郵便物、それはいずれも私共が考えておりまするところの基準の通信所要日數以内に入つて來ておるという状況でございます。これは四十五の都市の資料でございますので、一つ一つの都市の資料は手許に持ち合せませんので、平均について申上げるのでありますが、七月に實施いたしました調査の結果によりますると、東京から四十五の主要都市に對する普通郵便物の所要日數は、東京から出て行きます方は二日間と十五時間を費やしております。それから逆に四十五主要都市から東京に到著いたします郵便物の平均所要日數は二日間と二十二時間、それはその前に調査いたしましたのは四月に調査いたしたのでございますが、東京から地方宛のものにつきましては、遺憾ながら四月よりは四時間遅くなつております。地方から東京宛のものにつきましては、四月の方は三日と十二時間掛りましたのが二日と二十二時間に短縮されました。竝に速達にしました通常郵便物につきましては、東京から地方宛は一日と十七時間、それから地方から東京宛は一日と二十時間、こういう状況になつておりまして、全體を見まして過去におけるいずれの時よりも一番状態が好くなつて參つたという状況でございます。
#8
○千葉信君 ちよつとお尋ねいたします。現行法の第六條に「職務執行中ノ郵便遞送人郵便集配人ハ何時ニテモ渡津ノ出船ヲ求ムルコトヲ得」、こういうことになつておりましたが、これは今度は削ることになつております。これは一應削るということについては、國民の自由というものを尊重するという意味から、私はこういうふうに進むことが正しいことだと考えますけれども、但しその場合に郵便が持つところの迅速ということが、この法の改正によつて阻害されることがないか、或いはそういう場合に對する具體的の處置をお考になつておられますか、そのことについてちよつと伺います。
#9
○政府委員(小笠原光壽君) 只今御質問の點につきましては、十分愼重に研究いたしたのでございますが、過去におきまして、この條文を、要するに法律上の權利として特に主張をして實行すると言つた例はございません。從つて問題は、必ずしもそういうような法律上の權利とか義務とかというような問題として考えなくても、一般の要するに常識と申しますか、常識に訴えることによつて、萬一そういう必要のある場合には、十分圓滑なる處理がして行けるものとかように考えます。一面先程大臣から御説明申上げましたように、或る意味から言えば、或いはこういう憲法によつて保障されておる自由を或る程度制限するというような恰好にもなりますものですから、この規定を取つても現在支障がない。かように考えまして取つたのであります。
#10
○新谷寅三郎君 遞信大臣がお見えでございますから、總括的な問題で二、三御意見を伺いたいと思います。
 第一には今後における郵便局の設置に關する方針についてでありますが、その一つの問題として先般來打合會で度々當局から御説明を承つてはありまするが、昨年來の特定局の問題につきまして、非常に全遞の方と遞信局長の連合會と當局の方と三者で以ていろいろの問題について御研究になりまして、段々結論が出て來ておるというのでありますが、まだその最終的な段階にまでは達しておらない。そのために現在特定局制度をどうするかということについて各方面とも非常な不安がありますために、通信の業務の運行が阻害されておるというような實例を屡々見るのであります。成るべくこういつた問題は大體結論が出ておるということであれば、早い機會に三者の結論を關係者に普く周知させまして、落著いて郵便業務が運行されますようにして頂きたいのであります。つきましてはこの特定局の問題につきましてその後どういうふうになつておりますか。又これに對して遞信大臣としましてどういうお考を持つておられますか、その點を伺いたいのであります。尚郵便局の今後における設置の方針としまして、都會の方は大體において郵便局の數も普及しておりまして、今の我が國の現状としましては略々滿足すべき状況にあることとは思うのでありますが、田舎の方に參りますと、まだ郵便局の設置が十分でない所も澤山あります。ポストのようなものは少くとも部落毎にできるように指導しておられるようでありますけれども、まだそれのない所もあるようであります。郵便局に至りますと、相當遠くの郵便局まで行かなければならんというような場合もあるのであります。從つて郵便局を設置して貰いたいという地方からの希望を相當我々聞くのであります。これについて獨立採算制の問題とも關連するのでありますが、今後郵便局を設置せられます場合に、まず基本的な方針としてある程度收支のバランスというものをお考になつて設置するか否かをお決めになるのでありますか。或いは少くとも一つの町村には一つの郵便局を置かなければならん。田舎の方にもできるだけ文化の光を普くしたいというような氣持から申しますと、町村には少くとも一つは是非欲しいような氣がするのでありますが、その點につきまして大臣のお考を伺いたいのであります。尚もう一つ伺いたいと思いますのは、この法律案にもちよいちよいそういう條文が出るのでありますが、例えば省令で以て遞信大臣が別段の定めをする。遞信大臣が、法律の本文と違つたような規定をされることができるような權限があるわけであります。諸外國の例は、實は資料を燒きましたものですから、私まだ十二分に調べておりませんけれども、この郵便事業のように、非常に國民の生活に密接な關係があり、而も國民と接して、非常に緊密に接して行かなければならんというような事業におきまして、遞信大臣が自分の權限でお決めになるのも結構でありましようが、お決めになる場合に、窓口の内側から御覧になつてお決めにならないように、窓口の外からも見た聲を十分に入れてお決めになる。つまり人民の、國民の聲をそのまま反映するような工合に、制度の運用を持つて行くというようにして頂きたいのでありますが、そのために、なにかこの國民を主體にしたような委員會制度でもお考えになりまして、絶えずこの法律案の運用、或いは郵便事業の運用につきまして、そういう民間人の委員會からのサゼツシヨンを受けて、それによつて、國民から非常に不平が高まつて初めて改善するのではなくて、そういう人達の聲を豫め聞いて、それを基にして、事業運營の方針をどんどん變更して行くというふうにすることも一案であるかと思うのでありますが、そういう點について、この法律案に直接に關係ないかもしれませんが、大臣のお氣持を伺つておきたいのであります。
#11
○國務大臣(三木武夫君) 今の新谷さんのお尋ねに對して、お答えをいたします。第一の特定郵便局の制度でありますが、これはいろいろ全遞の提訴の中にも、これは重要な問題として取上げられておるのですが、詳細については、これを詳細に申述べる機會があろうかと思いますが、遞信省の考え方は、やはり今日まで變つていないのでありまして、それは特定局制度というものが問題になるということは、特定局がよい、惡いと言つて、これは名前でありますから、三等郵便局でも同じ名稱でありますが、結局この特定局の中に含まれておる制度というものに、新らしい事態に即さないようなものがあるならば、この制度を改善せんければならん點は多々あることであります。それについて、經營協議會等においても、そのいろいろ時期的には、これが直ぐにといつて、豫算等の關係でできない問題もありますが、いろいろ弊害の面として指摘されておるような問題は、今日まで改善もして參つたし、今後も改善して參つて行くということで、特定局制度の中に含まれておる弊害の面を、これを改善しながら、特定局という一つの今日の制度というものは、まあ制度を置くというと、内容が變つて來るというので、非常に語弊があるのですが、併し特定局という今日の方式は置きながら、その弊害の面だけをこれを是正して行つて、特定局が新らしい事態に即應した制度として行きたい、まあこういう考えでやつておるのでありまして、新谷さんもよく御存じの通り、いろいろ改善を今日まで加えて來た。今後も弊害の面は、改善を加えて行く、併し特定局という一つの方式は殘して行くと、こういう考え方であります。
 第二の郵便局の今後の設置の方針でありますが、これは獨立採算制というので、採算ということも考えなければならんが、一方において非常に公益事業でありますので、理想としては、現在二千町村に、郵便局のないのがある。これはなんとしても、いかに算盤が合おうが合うまいが、少くとも各町村に一つの郵便局は作ると、こういうことに進んで行きたい。ただ併し御承知のように、それには豫算が伴なつて、こういう國家財政の窮迫した時でありますから、一時には參らないのであります。そうなつて來ると、必要の度合と申しますか、必要はどこでも必要でありましようが、人口或いは他の郵便局との距離等も考えまして、比較的急ぐと思われる所からこれを設置の計畫を立てており、一日も速やかに全國に郵便局のない村、町はないということにしたいと考えております。
 第三の、この通信事業の運營が、この法律案の政令に委ねられておる問題、或いはその他一般の通信事業の運營に民間の一つの聲を取り入れなければならないというのは、全く私も同意見であります。これは遞信省か獨善的に陷つてはいけないと、こういう、各政府の事業の中で、通信事業だけ國民と密接な關係を持つておるものはないわけでありまして、これは政府事業の中においても、最も民間の聲を反映して、その聲が通信事業の運營の中に取り入れられて行くということが必要なので、官制としていたしますかどうかは別といたしまして、新谷さんのサゼストされましたような一つの民間の聲を取り入れて、通信事業一般に對して聲を聞く、なんと申しますか。アドバイザーというような委員會を現在考えております。これを作りたいということで考えております。
#12
○鈴木直人君 郵便料金の問題でありますが、この料金につきましては、法律の中にはつきり決められまして、政令には讓らないということになつております。そうしますと、この法律そのものが豫算の内容をも當然含んでおることになるわけであつて、單に法律だけではない性質のものであるように思います。そうしますと、この法律を決定する場合において、この料金その他のあれによつて、その通信機關が獨立採算制を以て、他から援助を受けないでやつて行けるという見透しを持つておるものであるか。その上にこの料金というものを決められたものであるかどうか。若し通信事業のみを以ては、到底この收入を以ては、收支を償うことができない。或いは一般會計その他から補給を受けなければならんというような見透しの下に、この料金が決められたということであるとすれば、その特別會計の獨立採算制というものを放棄するようなことになるものであるかどうか。或いは將來行政整理でもして、そうして支出の方を少くして行くというようなことが含まれておるものであるか。或いは將來料金をもつと殖やして行くというような含みがあるのであるかという點を、一つお聽きしたいと思います。
#13
○國務大臣(三木武夫君) 今囘も一般會計から二十五億圓の繰入金を願つておるわけでありますが、この繰入金がないといたしますと、本年度四十三億圓の赤字になるのであります。この赤字の原因は、本年度の豫算というものは、千二百圓ベースの上に組まれておる豫算である。それが今日では千八百圓ベースになつておる。而かも物價費は昨年の十月の物價によつて組まれた豫算であります。こういう面から申しますと、一面において經營の合理化、増收策を立てましても、人件費がこれだけベースが違つて來、物件費の基礎が違つて參りますと、今日の料金と今日の物價の情勢とはマツチしていないということになるわけであります。我我といたしましては、もうできる限り内部の方で増收、合理化等を圖つて、値上げというものはもう最後の段階にすべきものであるという考え方でありますが、とにかく今日の物價と料金とはマツチしていない。從つて本來からいえば、この議會に料金値上げを提案すべきものなのでありますが、諸般の經濟情勢から考えまして、今日これを見合したわけでありますが、これは或る時期には料金の値上げの問題が起つて來ようと思います。從つて今後のこの通信特別會計の見透しの問題でありますが、或る一定の時期に、まあそのときのいろいろな諸情勢等も勘案いたしまして、或る程度の料金の値上げをお認め願つて、そうして先ず五ヶ年間くらいの長期の計畫を立てて、長期計畫による獨立採算制の線に沿うてやつて行きたいと思います。獨立採算制と申しましても、これは直ぐに一年や二年でバランスが合うようにはとてもできない状態でありますので、一應五年なり或いは長くも七年くらい、五年乃至七年くらいの一つの計畫の下に、今までの赤字を補填して行つて、通信特別會計を健全なものにして行く、こういうことでその計畫を今進めておる次第であります。一面において通信會計の收入を殖やすためには、この郵便事業につきましては、記念切手の發行とか、或いはその法律案にも出ておりますようないろいろな、今までの制度の上に、代金引換とか、通貨保險扱とか、こういう制度を復活したり、市内小包の制度を實施したりして收入を殖やして行く、いろいろの方面から増收策を考えておる。一方において、御指摘になりました經營の合理化の面においても、今日の段階においてはできるだけ配置轉換をやつて、新規の採用というものを抑制して行きたい。今年の定員も、豫算定員を非常に削減いたしまして、豫算に現われておる數字は四十一萬五千人でしたが、これは從來の定員からは數萬の削減になつておるのであります。殆どぎりぎりの定員で、なるべく新規採用を抑制して、人件費の面から來る節約をしながら、一方においては長期のそういう計畫を立てて、通信會計というものを健全なものにしたい、この線に沿うて獨立採算制を考えて行きたい、こういう方針でやつておる次第であります。
#14
○水橋藤作君 ちよつとお伺いしたいのですが、この特定局という名稱ですが、これは今も大臣もお話しになりましたように、一般局と殆ど違わないところまで待遇總てが改善されておるにも拘らず、この特定局という名稱があることによつて非常にあれがあるのですが、何らかこの名稱を變えることによつて非常に、紛爭と申してはおかしいですが、全遞と特定局に現在あるあれが解消できるように思うのですが、この點如何でしようか。
#15
○國務大臣(三木武夫君) 前は、私が知つておるときには三等郵便局といつておつたようですが、特定局というのはそういう官名でないのですね。特定郵便局長という官名があるだけで、今までのやつて來たような制度を總稱して特定局制度とこう言つておる。實際は特定局という官名はなく、何々村郵便局とこう言つておるので、一つのそういう今までのやつて來たやり來り、方式を總稱して特定局制度と言つておるので……。この名前という問題はそう大した問題でないと私は思うのです。その内容を改善して行くということが一番根本的な……。特定局制度に對していろいろの批判が行なわれるのも、その内容の問題で、特定局という名前そのものに對しての問題ではないと、こう考えておる次第であります。
#16
○鈴木直人君 先程の御答辯で大體方針は分りましたが、これとは別個の問題でありますが、先程堀越さんのお話もありましたのですが、それに對して御説明もあつたんですけれども、最近非常に郵便物が遲延乃至不著のことが多い。これが一般の國民から見ると、一番問題であると思います。そうしてまあ郵便局に頼むよりもみずから持つて行つた方が確實であるというような考え方からして、大切な郵便物は汽車に乘つて運搬しておるというような實情であるわけです。この理由、原因はいろいろありまして、總てが尤ものことであると思いまするが、何とかして郵便に對する不信頼というものを取り返す必要があるような感じがするのでありますが、例えば郵便物が不著であつたとか、或いは非常に遲延しておつたというような具體的な例を捉えて、そうしてそれがどういう原因であつたかというようなことをお調べになつておると思いますが、その具體的な例を一つ教えて頂きまして、こういうことが主なる原因であるというようなことを一つ御説明頂きたいと思います。
#17
○政府委員(小笠原光壽君) 郵便の速度の點につきましては、先程大臣からもお答え申上げましたように、遞信省としまして何とかしてできるだけこれを引上げるように、速度を向上させまするような意味で、いろいろな努力をいたしておる次第であります。何分にも多數の從業員、而もその中の又多數の者は比較的年少の者があります。部内に就職いたしましてから非常に期間の短い者が相當澤山おるような關係もございますし、又物的施設も今日におきましては、戰前と異りまして、各種の點において低下しておりますことは申すまでもないような状況でございます。そのために國民の皆樣方に十分御滿足の行く程度のサービスをまだ現に提供申上げることができていないということは甚だ申しわけない次第であるし存じます。今後もできるだけ努力いたしたいと存じます。
 御質問は、郵便が非常に遲れる場合は、どういう具體的な場合があるかという御趣旨と了解いたしましたが、これは一つには、先ず初めに郵便の區分、郵便物を引受けますと、引受けた郵便局で結局配達する局へ送りますために郵便物の區分をいたします。その區分の方法がいろいろあるわけなんですが、その從業員が慣れていない場合においては、時にその區分の方法を誤ることがございます。そのために目的とする局へ送るべき行嚢の中に入れないで、間違つて他の方面に行く行嚢の中に入れてしまうということが起きて來ます。そうなりますと、例えば大阪から東京宛の郵便物である場合において、若し間違つて東京に來るべき行嚢の中に入れないで、假りに九州に入れる、或いは北海道の行嚢に間違つて入れるという事態が起きました場合を想像いたしますと、非常に迂遠な經路を經て間違つた郵便局まで一遍送られる。そこで初めてその誤區分ということを發見されますと、正當の名宛のところへ更に改めて送られるわけでございまするから、そういうような場合には非常に日數を食うということが想像されます。それからそれは行嚢の中へ入れる場合の話でございまするが、又今度は行嚢を鐵道に載せて目的地へ輸送いたしておるわけでございますが、鐵道に載せる行嚢自體を誤つて、上りの列車と下りの列車と誤つて上りに搭載するということを想像いたしますと、これ又飛んでもない手違いのために、非常に時日を要して初めて正當の局へ行嚢として送達されるということも考えられます。それから又郵便物の取扱は、各段階において區分ということが行われるわけでございます。例えば引受郵便局で初めに區分する、それを又名宛の郵便局で配達をするための區分をする、それから又實際それを配達するための配達の道順に揃える區分をいたします。その外中間の局において區分いたす場合も多々生じて來るのですが、そういう場合に先程の誤區分の外に、これも又そういうことがあつてはいけないのですが、極めて稀の事例ではありますが、區分の箱の中に一枚だけ殘つておるようなことも稀にはございます。それは勿論そういう場合には、その區分箱をその日必ず檢査することにはなつておりますけれども、極めて稀有な例としては、一枚だけ殘つておつたというような場合には、それだけ遲れるということも起きて來るわけであります。そういうような場合がいろいろ想像されるわけでありますが、これらは要するに從業員の訓練の問題、それから監督者の監督指導の問題、そういう點に特に重點を入れなければならんと考えておる次第でございます。できるだけあらゆる機會を通じまして、そういうような事故をなくすように努力いたしておりますと同時に、先程大臣から御説明申上げましたように、郵便物の亡失であるとか或いは一部がなくなる、著かないというような事故の處理の仕方につきまして、まだ實際には實行いたしておりませんが、極く最近の機會において、今までとは又異つた處理方を實行することに目下研究中でございまして、この方法は特にGHQの方からも非常な熱意を以て援助されておる次第でございます。こういうような方法が實際に實行される場合におきましては、更にさような事故の防遏の點におきまして漸次よくなつて參るのじやないか、かように考えております。
#18
○鈴木直人君 只今の御説明によりまして、素人の一般の人の納得できるような感もするのでありますが、大體において遲延の理由は、制度、或いは機械設備とか施設、そういうふうなものが戰爭によつて破壊されてまだ復舊をしない、その結果止むを得ずこういうような状態になつておるものではないかという考え方、更にもう一つは、運營の點において、遞信省内において執務をされておる方々、いわゆる人間の働き工合とか精神の持ち工合というような點が影響をしてこういうふうになるのであるか、どちらがその原因であろうかというようなことを巷間において相當話合つておるのを聞いておるのでありますが、只今の御説明は、主として施設というよりも人の問題にあるようにも思います。勿論素人が多いとか、訓練されない人が多いという點もありましようが、併しながら訓練されない人は訓練されないように又職域に奉公するところの考え方を強く持つことによつて、その過誤を改めることができるというふうなことも考えるのでありますが、先般例えば有名な山猫爭議というようなこともありまして、あれにつきましては、人によりまして當然であるというような考え方も持ちましようし、或いはいろいろな誹謗もあるわけでありますが、その原因はやはり食糧その他の收入が足りないという點が原因して、本當に朝から晩まで熱心に働く者こそ、家庭においては配給物がないために生活が困難である。餘り働かないでそうして食糧漁りをしておれば却つてその方が裕福であるというような現實もあるわけでありますが、いずれにいたしましても士氣の弛緩といいますか、そういう點があるのではないかというようなことも、世間では素人の人たちが話しておるわけであります。この點を餘程はつきりいたしまして、世間にもよく話をして、こういうものが本當の原因であるというようなことを理解しておくということが非常に郵便物に對する信頼或いは遞信當局に對する信頼にもなると思いまするので、先程お伺いいたした次第でございますが、その人の運營という點についても、十分訓練をされておることを拜承したわけでありますが、尚一層一つ御努力をお願いいたしたいと思います。
#19
○新谷寅三郎君 先程堀越さんの質問にもありましたが、先般打合會で大臣がちよつと片鱗を漏らされましたので、これは非常に結構なお考と、私自身としては非常に贊成をするのでありますが、郵便だけではありません、電氣通信方面におきましても、通信事業のような事業は、遞信省という役所でやつておられましても、實際他の官廳とは非常に違うわけでありまして、一般行政官廳と一律に劃一的に取扱つております今の状況は、制度上に見ても非常に惡いのではないかという感じがするのであります。特に郵便事業の如きは、電氣通信事業と比べますと、派手ではありませんし、從業員も自分達は下積だという感じを持ち勝ちなのであります。而もこの仕事が、只今政府委員からの御説明もありましたように、非常に仕事に慣れないとこの法律の冒頭に書いてありますように、完全に確實に仕事をすることができない、又集配手の如きになりますと、絶えず毎日のように國民に接するわけでありますから、どうしても國民と非常な親しみを持つような者であつて欲しいわけであります。結局從業員が成るべく長い間繼續して勤務をして貰つて、郵便事業のために自分の一生を捧げるという人が澤山あればある程、郵便事業はよくなつて行くというわけでありますから、そういう意味においてはその他の一般行政官廳と違いまして、制度的にも又從業員に對する一般の處遇につきましても、格段の考慮をして行かなければならないのではないかと私ども考えておるのでありますが、先般御方針の片鱗だけを伺つたのでありますが、その問題につきまして、もう少し大臣からお差支えのない範圍で、具體的にお考えを伺えれば非常に結構だと思うのであります。
 それからこれは政府委員の御答辯で結構でありますが、或いは私が讀み違いしておるのかも知れませんので、間違つておりましたらお教え願いたいのであります。それはこの郵便法に書いてあります損害賠償の問題と、先般できました國家賠償法との關係についてであります。國家賠償法によりますと、「國又は公共團體の公權力の行使に當る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、國又は公共團體が、これを賠償する責に任ずる。」という規定があります。第一に、郵便事業の如きものが、「公權力の行使に當る公務員」というものに該當するかどうかという問題、それから若し公權力の行使に當らないという解釋が決つておりますならば、結局民法の七百五十五條でありますかの不法行爲の規定が適用になると思うのでありますが、どちらで行くのでありましようか。
 それからこの國家賠償法の第五條でありますが、これには「國又は公共團體の損害賠償の責任について民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる。」という規定があります。郵便法の損害賠償の規定が、この第五條の「他の法律に別段の定があるとき」というところに該當する趣旨で、結局郵便事業につきましては、國家賠償法の適用はない、郵便法だけで行くのだという御解釋でありますか。この點實は讀んでみましたが、解釋があまりはつきりしませんので、その點御説明を願いたいと思います。
#20
○國務大臣(三木武夫君) 新谷委員のお尋ねの點は、遞信省のようなああいう特別な現業官廳が、一般行政官廳と同じような仕組ではやりにくいのではないかというような御趣旨でございました。私個人としてはそういう意見を持つております。實際に自分がやつてみまして、どうも内務省とか商工省というような一切のものが、そういう行政官廳を現業官廳が、同じような一つの方式でやられるということに、非常な不便を感ずるのであります。遞信大臣が現業、而もそれが爭議權を持つた現業官廳の者を管轄しながら、遞信大臣は力がないのです。殆んど何をすると言つてもその方法もないし、こういうことに對して私個人としては、これは改革しなければならんと思いまして、そこで給與の問題についても、例えば内務省なら内務省の給仕はやはり今のような學歴と年齢、勤續年限なんかで行つておるのですが、遞信省のような場合は、皆年が若い人が獨立したオペレーターでやつておる。その年のものは他の役所へ行つたら、獨立した責任を持たされないで、お茶を入れたり、何も大した重要な仕事をしていない。一方遞信省に行くとやはりそれがオペレーターをやつたりして、重要な責任を持つておる。そこで現業官廳の給與體系のためにも、やはり一つの技能給とか、或いは能率給というようなものも、非常に現業官廳としては、正確迅速という中には能率的な要素が非常に入つておる、能率給的なものも、これは考えて行かなければならん、そうなつて來ると一つの全然別個の給與體系というものは、いろいろな支障がありましようが、一應基本的なものは、一つの一般の體系によつて、その上に技能給的な能率給的の、現業官廳に特別のやはり給與體系、給與形式というものを認めて行くような形でないと、非常に現業官廳がやりにくいということを、就任以來痛切に感じまして、こういう點から内閣にも私は今一つの提案をしておるわけであります。具體的な案ではありませんけれども、こうしなければならんという意見を開陳して、できるだけこういう形に一つ早く實現をさしたいということで、努力をしており、御説の通りなことを私は自分の經驗を通じて非常に痛感をいたしております。
#21
○政府委員(小笠原光壽君) 只今の郵便法に書いてあります損害賠償の規定と、國家賠償法との關係につきましての御質問につきましては、お話の通りに郵便物に關する損害賠償については、郵便法の規定が、國家賠償法の第五條にいわゆる「他の法律に別段の定があるとき」というのに該當するものと考えております。
#22
○新谷寅三郎君 只今の大臣のお答で、よく御方針なりお氣持は分るのであります。是非そういう方向で進んで頂くように私も希望いたすのであります。これは單なる給與程度だけの問題ではないと私は考えております。遞信省でも、或いは運輸省の鐵道局におきましても、一面において事業を運營しておるのでありますから、事業運營に必要なことは、他の官廳に著しい影響を與えない範囲においては、やはり必要なことはできるだけやつておられると思うのでありますが、その反面に又官廳として官廳共通の問題については官廳らしくやつておられる。こういう點から言いますと、結局兩方に足を掛けておられるような氣がするのであります。勿論官廳であり、從業員は公務員でありますから、その本質に悖らないようにしなければならんということは言うまでもありませんけれども、單に給與制度だけの問題ではなく、例えば組織の問題、機構の問題につきましても、これは先般も伺つたのでありますが、總司令部方面から墾切な指導を受けておられるということでありますから、段々にいい機構ができると思うのでありますが、例えば一般官廳が地方に局を持つようになりますと、やはり遞信でも鐵道でも、遞信局とか鐵道局というようなものを持たなければならんような考えを以て進んでおられるのではないか。今日遞信局というようなもの通信事業の運營に缺くべからざるものであるかどうか。これは事業運營の方面から見ますると、もう一遍考え直してみる必要があると思うのであります。業務によりましてはむしろ遞信局がない方が却つてよく働くのじやないかというような氣のするものもあります。なにも劃一的に中央官廳があり、地方官廳があり、その下に現業があるというような三段構えの官廳の組織を、その儘事業官廳が採用する必要もないじやないか。又大臣もちよつと觸れておられましたが、人間の問題につきまして、一般の企業の方針なり民業の方針というものが、遞信省や鐵道の現業まで直ぐに又その儘持つて行くということもこれは不合理であることは明瞭であります。單に給與制度だけの問題でなしに、もつと全般的に大臣の只今お話になりましたような御方針で、一應考え直して頂くということによりまして、事業も敏活に動くようになると思いますし、又その中ももつと明朗になるような氣がするのであります。これ以上は私の意見になりますから申上げませんが、大臣の只今のお話になりましたような御方針を、全般的にできるなら押廣げて頂くように、私はこの際希望しておきます。
#23
○國務大臣(三木武夫君) 先般墾談會に給與のことが一番問題になつたのでありますが、給與のことを中心にして申上げた。今のは給與のことを中心にした形になつておりますが、そうではないのであります。全般的な問題として普通の一般行政官廳と違つた公共性を持つておると同時に、事業の主體であります大きな企業體でありますから、だから普通の平面的な行政官廳のようにいたしますと、いろいろの點でこれは支障を來しますので、そういう點から、單に給與の問題だけでなく、制度の問題もこの機會に根本的に檢討もし、現業官廳に相應しい一つの大きな企業體である事業をやつておるのだということに相應しいような機構にいたしたい。こういう點で檢討を加えておる次第であります。
#24
○堀越儀郎君 先程執務の機械化ということについてお尋ねしたのであります。それに對して御答辯頂きましたが、それに關連して少しお聽きしておきたいことは、電氣通信が始まつてから相當の年月を經ておることでありますから、相當技術に對しても、習熟者がおられるわけでありまするが、最近の一つの事例を申上げますると、電話が新らしく架設される場合に、本來ならば習熟したい人であるならば、深切にその仕事をやるならば、直ぐそれが使用でき得るものと思われるのでありますが、それが新設されても容易に何囘も何囘も試驗しなければ間に合わない。そういうことについて、いろいろの人の意見を聽いて見ますると、電話というものは新設されても實際は直ぐには間に合わないものだ。何囘も何囘もやり直して見なければできないのだというような巷間のお話を聞くのでありますが、そういうことから考えますると、相當年月を經たこの電氣通信であるにも拘らず、技術の方面において非常に未習熟の人が多いのか、或いは相當の時間を費して仕事をするにも拘らず、その仕事に對して深切味がないのか、そういう點についても一つ伺つておきたいと思うのであります、それは郵便或いは遞信事業に對する世間の信用の問題であります。先程申上げました電報の遲延もそうであります。折角打つたウナ電が半月も、一月近くも後になつても著かない。局に聞いて見ると、まだ行つておりませんですかねというような非常に信用を害するような有樣であります。私自身そういうような非難に對する辯明の立場に立つていたのでありますが、私自身不愉快になる。私自身が經驗して非常に不愉快な氣持になるのでありますから、一般の人は通信に對して非常に不信任の氣持を懐くのではないかと思いますので、そういう點について今後の改善の途について一つ伺いしておきたいと思うのであります。
#25
○國務大臣(三木武夫君) 電話の架設についてのいろいろな御意見でありましたが、いろいろ今までの電話の補修と申しますか、そういう點が今まで長い間酷使したりして、確かにいろいろな通信上の故障があるわけであります。先般來も特に市街電話囘線本部、そういう一つの部を設けて、期間を限つてでございますが、電話の補修、これに對して力を入れて先般、一ヶ月半ばかり前でありましたか、發會式を擧げた。私行つたのであります。そういう點で餘り不便をかけておりますので、新しい電話の増設もでありますが、舊來の電話に對する補修なんかも力を入れて、一日も早くこの通信機關、郵便、電信、電話もでありますが國民の信頼を取り戻さなければならん。こういう考え方でやつておる次第であります。今お話のあつた電話の架設の場合に、一遍や二遍ではなかなか電話が聞えるようにならないというようなお話で、どういうふうな具體的なことがありましたのか存じませんが、總じて皆が不深切になつておるのですね。今いろいろの役所仕事が……。こういう點で殊に事業官廳の遞信省のようなものはこれはやはりほかの役所に率先して國民に深切なサービスをして行かなきやならんのですが、なかなかこういうことは世相の影響もあつて思うように行かない點もありますが、できるだけ改善をして行きたいと考えております。
#26
○藤田芳雄君 これは豫算の方なんかの問題になるのかも知れませんですけれども、通信關係の方ではやはり特別會計の獨立採算制ということが主張されておるようでありますが、差當つてここで今通信關係の方でそれがために收入を増すというようなことについて考えられていることはどんなことがございますか。ちよつとお聞したいと思います。
#27
○國務大臣(三木武夫君) 先程も獨立採算制について申上げたのですが、郵便事業の方面ではいろいろ記念切手の發行とか、代金引換とか、通貨保險扱とか、こういう新らしい制度を設ける。その他いろいろな方面で郵便物を利用しての收入の方法はないかということを考えておるので、電氣通信關係では根本論としてはできるだけ電話の増設を……これは非常に豫算との關係があつて、こちらの方の思う通りの數字には行かないのですが、その中においてもできるだけ電話を増設して、やはり收入の中で電話の收入というものは一番大きい收入になつておるようですけれども、電話の増設、或いは今申したような電話の補修なんかによつて通話料による收入、こういうことによつてできるだけ郵便、電信、電話の面で一つの收入を擧げて行きたいという考え方で、増收の面を考えておるわけであります。
 一方において支出の面についても、先程の申述べたのですが、合理的に支出の面を考えて行つて、そうして五年乃至七年くらいの長期計畫を立てて、それまでの間は通信會計というものは非常に不健全なもので、まあ五年乃至七年の間にはいろいろな赤字も補填して、もう全く一人歩きのできるような健全な特別會計にしたい。こういうことで獨立採算制を考えて、一方において増收策も立てておる次第であります。
#28
○藤田芳雄君 今の電話の收入の問題であります。これは私どももそう思うのでありまして、これは他の郵便料金を上げるように、いわゆる一般國民の物價體系などに響く面も不足であります。而もそれの收入が大きいとなればお話の如くうんと増設して頂きたいと思う。その場合には赤字公債というものも考えられるか知れませんけれども、それよりも今現在行われておる形のもので、例えば電話の架設費というようなものが餘りに低廉過ぎて、あれでは獨立採算制という建前からしたらちよつとおかしいのではないか。あんなところは今日只今から改正してもよいと思う面が隨分あるように思います。そういう點について何か御調査がないのですか。
#29
○國務大臣(三木武夫君) その點については只今檢討中であります。近く具體案を作りたいと考えております。
#30
○堀越儀郎君 今お尋ねのあつたことに關聯して自分の意見を申述べたいのでありますが、現在一般が一番困つておるのは電話の増設の問題であります。それが架設費が餘りに低廉であるということは、先程申されましたことでよく分るのでありますが、實際の費用の方面から言いますると少し話は大きくなるか知れませんが、現在人の權利を買つて架設するのは三萬圓かかるということを聞くのであります。つまり權利を賣買されるのに二萬圓、それから架設されるまでに一萬圓、一萬圓という問題についてはこれは綱紀紊亂の問題に關係して來るのであります。このような問題でいつぞや新聞に出ておりましたが、七十餘件の犯罪があつたということであります。發見されないものが尚多數にあるのではないか。そうすると權利を買うに二萬圓、架設まで骨折つて貰うのに一萬圓、三萬圓かけても今日電話を欲しいという人が多數あるときに、架設費の餘りに低廉過ぎる、このことについて前にお尋ねしたところが、遞信省の方針としては最初に高く金を貰うよりも、初めに僅かな金で後長く料金を貰うことで收入を擧げたいという方針だというようにお聽きしたのですけれども、併し先程の御質問のように、現在の實情にそぐわない事情から考えますと、先長く料金の收入によつて利益を擧げるというよりも、現在の實情から考えてもつと改正されていいのではないかというように、私ども痛切に考えるのです。その點是非御考慮を頂いたら結構だと思います。
#31
○國務大臣(三木武夫君) 非常に通信關係も窮迫しておりますから、從來のような考え方ばかりではいかない。檢討をして、今お話のありました將來において電話の權利金などというものは一日も早くこれはなくなるような状態にすべきだと思います。ただ後の何かは架設料一萬圓というようなそういうことは誠に遺憾なことで、これはそういう聲も私耳に入るのであります。これは監察部なんかにも特に注意をいたしまして、今後はそういうことの豫防をしたいと同時に、若しそういうものがありましたら嚴重な調査をして、嚴重に處罰を加えて行きたいということであります。そういう事實がありましたならばどうぞ御指摘を願いたい。やはりそういう事態を縣民各位の協力を得て、そういう不祥事をなくしたいと考えております。
#32
○委員長(深水六郎君) 大臣が何かちよつと御用があるそうですから、御質問があれば今のうちに早く御質問願います。
#33
○山内卓郎君 ちよつと伺つても宜しうございますか。大臣に伺う程の問題ではないのでありますが、郵便の切手とか「はがき」とかいうものでございますが、これが非常に不足しておるというようなことをよく聽くのであります。例えば郵便局へ往復はがきを會社あたりで纏めて買いに行きますが、そういう場合になかなか纏まらない。それから小さい郵便局へ行つて切手なんか求めましても、ちよつと切手が買えないというようなことをよく耳にするのでありますけれども、實際そういう状態でありますか。
#34
○政府委員(小笠原光壽君) 實は本省の方の具體的な生産計畫竝びにその實績から見ますると、足りない筈はない筈になつておるのであります。ただ切手や「はがき」は本省から全國の一定の配給を受持つておる局に送りまして、その配給を受持つておる局から更に一般の普通局約五百局に分配しまして、その約五百局の分配局からいわゆる特定郵便局一萬三千局へ賣捌くということになつております。全體的な數量としては、今日におきましては、「はがき」も切手も十分必要量を現に生産竝びに配給いたしております。或いは末端まで行く途中の何處かの運轉が惡いために、或る局においては切手や「はがき」を十分賣つていないというな事態が間々あり得るかも知れないと思いますが、そういう場合はそこの局からその關係の配給に申出でることになつておりますが、申出れば直ぐ必要量を配給するということにしてありますのであります。
#35
○山内卓郎君 そうすると現在の必要量だけは賄える。こういうことでありますか。
#36
○政府委員(小笠原光壽君) そうであります。
#37
○山内卓郎君 どうも世間では足りないということを言います。それから我々素人でよく分らないのでありますけれども、ポストがありまして、元はポストのあるところには必ず切手や「はがき」を賣つておつたものであります。最近ポストはあつても、その近所で「はがき」や切手を賣つておらないというようなことを我々は見聞きしておるのでありますが、これは何か制度でも變つたのでありますか。
#38
○政府委員(小笠原光壽君) 別段制度を變更したわけではございません。ただ切手の賣捌入と申しておりますが、その切手の賣捌入に對する手數料が非常に小さい年金額のものであります。そのために少しばかりの切手や「はがき」を賣つたのでは、却つて骨ばかり折つて本が取れないというような向きも勿論あると思います。そういうようなことのために、そういうものを別段止めたわけでなくても、十分必要なだけの切手や「はがき」を準備していなかつたり、或いは止めた後の今度は補充が、その賣捌入の希望者がいないというようなこともあると存じます。
#39
○山内卓郎君 それは成るべく補充して頂きたいのですね。例えば日曜などになりまして、郵便物でもポストへ入れようと思いましても、特定郵便屆は閉つておる。普通の二等郵便局まで切手を買いに行かなければならん。日曜の通信をつい月曜日に延ばすというようなことがあるのでありますが、成るべく廣く何處ででも賣つて頂けるというようにすることが遞信省の收入をお殖やしになることになるんじやないかと思いますが、これは希望であります。
#40
○政府委員(小笠原光壽君) 只今のお話の點は、誠に御尤もでありまして、私共もできるだけそういうような線に沿つて參りたいと考へます。
#41
○委員長(深水六郎君) この間、藤田委員から大體觸れられたのでありますが、千八百圓ベースの問題がございますけれども、實際今までその差額支給、差額支給で、現在までの數ヶ月間というものは、手取りは二千圓をオーバーしておるわけであります。十二月から千百圓ベースに下がるということになりますと、そこをどうして埋められるかということが、これは實際問題として起つて來ると思いますが、そうすると結局又追加豫算をお出しになる積りか、或いは料金を値上げされてやられる積りか、そういう補給金と言いますか、ベースを上げるという問題は別といたしまして、實際問題としてそういうことが起ると思いますが、獨立採算制度、そういうことに開通しての問題についてどういうふうにお考えになつておりますか、ちよつとお伺いして置きたいと思います。
#42
○國務大臣(三木武夫君) それは獨立採算制……この給與の問題は政府全般の問題になつておりますから、政府全般の問題として考えておるわけで、特に通信特別會計の中でどうという考え方でなくして、政府全體の問題としていろいろな場合を考えて檢討を加えておる次第であります。
#43
○新谷寅三郎君 逓信大臣のお話にありました通信會計の二十五億圓の借入金でございますが、これは今囘鐵道の方からも説明を聽きまして、多分逓信の方も同樣だと思います。二十五億圓というのは大體五年間ぐらい事業の建直しをやつて漸次返して行く、こういう建前になつておりますが、その場合にお考え願いたいことは、獨立採算制で若し今後ともやつて行こうということになりますれば、御承知の通信會計として一般會計に對して以前に大分繰入金をやつておるわけであります。そういつたものについてやはり今度の借入金を返される時に、できるだけ大臣をしてその問題の處理方を合せて考えられるようにして、よくお考え願つたらどうかと思います。それは當然のことであると思います。それから五年間に通信會計が建直るんだという一つの前提でございまするが、これは誰が考えても今のような恐慌から行きますと非常にむづかしいと思います。それでこの五ヶ年計畫の内容につきましても、できるだけ近い機會に、皆が知りたがつておりますから、お示しを願いたいと思いますが、五ヶ年計畫の中で事業の收入を一面殖やす、又一面先程からもいろいろ御説明がございましたので、大體御趣旨は分るのでありますが、できるだけ經費の節約をやつて頂く、この兩方面から恐らく建直しをお考えになつておると思いますが、經費節減に關しましては、相當勞働協約やら何やらむづかしい問題があると思います。この増收方面におきまして、電話の收入でできるだけ増收を圖る。それで通信事業全體をカバーして行こうというようなことになるのでありますか。それとも郵便は郵便、電信は電信、電話は電話というふうに、業務別に見まして、何れの業務も大體獨立採算制で行きましても、五ヶ年經てば建直されるような仕組に考えて行かれるのでありますか。或いはこれはお聽きするのは早いかも知れませんが、若しお差支えなければ御説明願いたいと思います。
#44
○國務大臣(三木武夫君) 今のお話でありますが、できれば郵務の方は郵務の方でバランスが合うように持つて行くことが理想だと思います。併しこの立直つておる途上においてはなかなか一つ一つの部門でバランスが合つて行くということは困難だと思います。やはり、通信會計全體として見て行くより外はない。將來においてはそういう形でバランスを合わして行くことがよろしいが、立直るまでの間はやはり全體として見て行く外ないだろうと考えております。
#45
○委員長(深水六郎君) どうですか。大臣はお忙しいようでございますから、今日はこの程度で打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(深水六郎君) それでは本日の委員會はこれで終了いたします。
   午後三時二十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     深水 六郎君
   理事
           水橋 藤作君
           山内 卓郎君
   委員
           千葉  信君
           中村 正雄君
           重宗 雄三君
           新谷寅三郎君
           鈴木 直人君
           堀越 儀郎君
           藤田 芳雄君
  國務大臣
   逓 信 大 臣 三木 武夫君
  政府委員
   逓信事務官
   (郵便局長)  小笠原光壽君
ソース: 国立国会図書館
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