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1947/11/13 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第3号
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1947/11/13 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第3号

#1
第001回国会 通信委員会 第3号
  付託事件
○電話増設に關する陳情(第百九十七
 號)
○「教育振興」特殊郵便切手發行に關
 する請願(第二百四十號)
○特定郵便局廢止に關する陳情(第三
 百七十五號)
○大多喜、千葉及び大原間直通電話線
 架設に關する陳情(第四百七十六
 號)
○北海道富良野郵便局を普通局に昇格
 することに關する請願(第三百八十
 八號)
○郵便法案(内閣送付)
○會津高田驛前に郵便局を設置するこ
 とに關する請願(第四百二十八號)
○栃木縣佐野郵便局の電話局舎新築竝
 びに交換方式改善等に關する請願
 (第四百六十六號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十三日(木曜日)
   午後一時四十一分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○郵便法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深水六郎君) それでは通信委員會を開會いたします。總括的な御質問がございますれば、政務次官がお出でになつておりますから、政務次官もちようどいろいろな問題で衆議院の方の本會議にも出られなければならんそうでございますから、先に政務次官に對して總括的な御質問がございますならば、その方から先にして、後郵便法につきまして一章ずつ檢討して行きたいというふうに考えておりますが、御質問の方はどうぞお願いします。
#3
○藤田芳雄君 本日の新聞によりますと、電話の不正通話の件が出ておりますが、その實際はどうでございましようか。それを一つお聞きしたいと思います。
#4
○政府委員(椎熊三郎君) 先般は中央郵便局内において、例の山猫爭議というような世間を騒がせまして、御迷惑をかけた事件がございました。一通りそれは始末がついたようでございますが、併しこの問題のために國民諸君に多大の御迷惑をかけました點については、我々共責任者は誠に恐縮に堪えないのでございます。然るに二、三日以來東京都下落合の局において電信の方の技術者が八名程おりますが、その中交替に三名ぐらいづつ休む。そのために中央電信局との通信關係が非常に遅延し、停滯しております。それをその人々は安全通信とみずから稱しておられるのだそうでございますが、實情については、目下詳しく調査中でございます。今朝來目黒の局の方にもそれと似たような形勢が起り掛つておるのでございまして、私共としては非常に心配しております。これとは稍々趣が違つておりますが、函館、小樽等の郵郵局全體においても稍々それに似たような状態で、これらはさしたる通信郵便の停滯等は未だ顯著ではございません。併しながら何と申しましても、そういう行動によつて幾分の支障を來しておることは事實でありまして、これらについても目下調査中であります。そうして先般來爭議の問題で大臣からも詳しく御説明用し上げました通り、全遞が地域的闘爭を開始するという本年五月の松江大會の指導方針によりまして、その後の全遞の爭議行爲は悉くこの地理的な分派的な闘爭でやつておられるのであります。それがいろいろな形で現われて參つております。最近松本における全遞の大會等におきましても、地域的闘爭を再確認をするというようなことがございまして、それがあらぬか、相呼應して次々とこういうような状態が現われておるということは、私共といたしましては實に遺憾千萬でありまして、大切な日本の通信事事を擔當しておる責任者の立場から申しまして、一刻も早くかような事實を解消せしめて、通常の状態に置きたいと、こう念願して、それぞれの向きへも手配をして、成るべくそういうことの起つた所は早く解決し、その他の方にもそういうことの起らないようにということで、三日ほど前から全國の遞信局等の總務部長會議等を開きまして、それらに對する對抗的と申しましては言葉が過ぎるかも知れませんが、それぞれの處置を講ずるようにいろいろの計畫を立てておるのでございます。今日の安全通信と稱する問題に對しては、目下その成行き等についても詳細に申上げる程度にはなつておりません。これらに對しましても先般の内閣の聲明書等もございますので、それらの趣旨に從いまして、それぞれ法規に違反し、或いは官吏の服務規律に違反する等のことががございますれば、これはその聲明書の通り、先般の山猫ストライキを解決したときの我々の考え方とは違つておりませんのですから、そういうつもりで解決して行きたいと、こう思つておりますが、我々の念願するところは處罰、處斷の問題ではなくして、本質的にこういうものを起らんようにしよう。こういうことでございまして、これらはやはり何としても一番の原因は從業員の生活權の確保の問題でございます。これらにつきましては、私共はでぎるだけのことを講じて、目下内閣とも或いは給與局ともいろいろ相談しております。近くは中勞委の裁定等もあるような形勢でございまして、その裁定が下りますれば、それに對しても政府の考えが決定せられることでございましようから、それらに從つて善處したいと、こう考えておるのであります。何れにいたしましても、最近の全遞の爭議行爲は、これは私の個人的の見解ではございまするが、何か一つイデオロギー的な、單なる生活擁護ということじやなしに、或種の思想的な、或いは露骨に申し上げますれば、共産當的分子の躍動などにもよるのではないかと思われる節もございまして、若しそれありとすれば國家のために由々しき大事でありますので、そういう問題に對しては斷呼たる決意をもつて對抗したいと、こう心得ております。
#5
○藤田芳雄君 今一つ、電話が知らないうちに隨分澤山架けられて使われておるという報道が出ておりますが、これはどうしたことかまだ調査が濟んでおらないのでありますか。
#6
○政府委員(椎熊三郎君) それは私始めて承るのでありますが……。
#7
○藤田芳雄君 東京都内で電話局の方で知らないうちに電話が架けられておつて、それが使われておる。それで新聞面によりますと、何かその區域内の空電話番號を使つて、何かその後誰かの所に登録されて、又別な空番號にすり替えて使うというのであります。そうして料金は度數制なもんでありますから貰つて行くけれども、實際に電話を架けたいということは電話局の帳簿には載つておらない。これが現在分つておるので四十通からある。尚調査したらどれくらいか分からない。
#8
○政府委員(椎熊三郎君) それは驚くべきことでありますから、早速調査しまして調査の結果を御報告申し上げます。
#9
○藤田芳雄君 それから今一つ全般の議論でありますが、先日來他の方で質問いたしておるときに答辯の中へ出て來たのでありますが、六・三制などでも七億だけは後から豫備金なり、追加豫算の形でやるという話が大分出ておるのでありますが、この追加豫算の面に、鐵道或いは郵便料金の値上げという形の追加豫算に現われるかも知れんということが出ておりますが、その點いかがでしようか。
#10
○政府委員(椎熊三郎君) 先般の大臣の答辯の中にも、郵便料金の値上げは事によると將來しなければならないかとも思われますが、今度の追加豫算を組むに當つては、一般會計の繰入れが約束せられましたので、値上げをしないということになつておりまして、目下の處では急遽値上げをするというようなことは考えておりません。併しながら遞信省の會計の面からいたしまして、健全なる獨立採算制で行くということを堅持して行こうとしたならば、値上げも亦止むを得ないのではなかろうか。今ですら一般會計繰入れなんということは政府の望む所ではないので、今日の状況では値上げをしないで一般會計から繰入れて頂いたらいいだろうという、辻褄を合した豫算の組み方なので、これが客觀的の情勢の變化等によりましては、何れは値上げということは必至ではなかろうかと想像されます。併し目下の處では計畫されておりません。
#11
○藤田芳雄君 併しその由つて來る原因は、要するに千八百圓のあの水準の待遇では到底やつて行けない事實は分るので、それをなんとかしなければならん。その經費の出所がない。そうしてそれをどうしてもやらなければならない事態に立至つておるような現在のように思われる。それをやろうとするならば、その經費の捻出の一つの方法として考えられるということなんでありますか。
#12
○政府委員(椎熊三郎君) 今中勞委に提訴せられておる問題に關連いたしまして、千八百圓ベースでいいのかどうかということは、それは別個の考え方でございまして、我々としてはこの政府が千八百圓ベースでやるんだ。それが生活の基準になりそれが物價の基準になるということでございますものですから、その範圍内でやつて行きたいということに努めておるわけでございます。それがどうしても、そのために生活が維持できないから、郵便料金を値上げして、その生活補給金でも出して行くのかというと、今日の内閣がいろいろ考えておる所を私共漏れ聞く處によりますと、必ずしも郵便料金の値上げによつて生活補給金を出して行くという考え方ではないようでございます。併し政府におきましても果して生活補給金を出すか出さないかということは未決定の問題なのでございまして、私共は出して上げたいという氣持、大臣もそういう氣持のようでございますが、それらの氣持によつていろいろな方面に心配して交渉はしておるものの、それが郵便料金の値上げによつて解決されるという考え方ではないのであります。
#13
○藤田芳雄君 でき得るならば郵便料金の値上げによらないで、待遇をよくして貰うように御盡力をお願いいたしたいと思います。
#14
○千葉信君 只今お話のありました點は全遞信の問題であります。例えば落合長崎の場合であります。前のように集團缺勤というようなことをやつておらなくて、只今のお話では三人休んでおるというお話でありますが、あすこは大體電信關係、あれは八人程度と承つております、全員の缺勤ということは私も入手した報道にはございませんでした。そうしてこれは爭議行爲として採られておるかどうかは判明しませんけれども、一應方法としては、電信機を以て操縱すべき電信をやらずして、使送という形式でやつておる。これはよくないのですけれども、實は電信の場合にありましては、特にそういう取扱の方法によつて遲れれば別ですけれども、通信の形式として使送ということがはつきりと取扱規定の中にもありまして、それが速達されるような状態であるならば、電信機によらずに使送すべしということがございます、全然そのやり方は違法ということにはなつておらない。寧ろその場合に認定して、この方法が却つて速達上有利だということであるならば、その方法を採つて差支えない。こういうことにも一應なつております。それから又この間聞きましたところでは、送達が遲延されておるということでございます。これは實は本當に送達が遲延したのか。それとも又機械の感度その他で以てその遲延の實情が起つたのか。その點安全通信というものが、爭議行爲として採られておるかどうかということは、もう少し事態の判明を待たなければならんけれども、そういうふうに或程度實情調査の結果、合理的な所があるか。或いは處置の取りようがないというようなことがあるかどうか。從つて私の言いたいことは、そのことが爭議行爲として採られておるかどうかということを餘りに神經過敏に採上げられておるのではないか。相當政府筋の方では確信ある調査をおやりになつておるかどうか伺いたいと思います。
#15
○政府委員(椎熊三郎君) 今のお言葉の通りのことも係の方から承つておりまして、相當研究を要する問題だと思つて、この問題に對しては愼重なる態度を堅持しております。目下鋭意研究中でございます。調査中でございますから、やがて近い機會に御報告申上げたいと思います。
#16
○委員長(深水六郎君) 總括的な御質問がありませんならば、郵便法自體について審議を進めていきたいと思いますが、如何でせうか。
#17
○委員長(深水六郎君) それでは郵便法の審議を續けていくことにいたします。大體節毎にいきたいと思いますから、政府委員から總則の説明をして貰いたいと思います。
#18
○政府委員(小笠原光壽君) 郵便法案の總則につきまして御説明申上げたいと思います。大體今囘提出いたしました郵便法案は。郵便法案新舊對照というものを御覧願いますと非常に分り易いのでありますが、大體法文の區分を七章に分けまして、第一章に總則、第二章に郵便物及びその料金、即ち郵便物の種類、それから料金を規定いたしました。第三章には、その料金の納付及び還付に關する事項を規定いたしました。第四章では、郵便物の取扱い方を規定いたしました。第五章は、郵便物の特殊取扱というものがあるのであります。そうして其の特殊取扱方はどういうことをやるか。どういう料金であるかということを規定いたしました。第六章では、郵便物の取扱に關する損害賠償の問題を規定いたしました。第七章に罰則、最後に附則という編成にいたしたのでございます。
 第一章の總則の第一條でございますが、第一條には、この郵便法の目的を規定することにいたしました。即ち「その法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」ということを文にいたしたのでございます。第二條は、郵便はその事業の性質上、國の行う事業になつておりますので、そのことを明文の上で規定いたしますと同時に、管理者としての責任者は遞信大臣であるということを第一項に明らかにしたのでございます。第二項も遞信大臣が管理者として持つておる所の職責を具體的に規定いたしたのでありますが、大體この遞信大臣が管理の責任者であること、竝にその職責というような問題は實は官制的な規定でありますので、從來の考え方からしますれば、官制の方の規定に規定すべきことであるかも分らないのでありますが、この郵便法案は郵便に關する基本法的な性格を與える方針の下に立案いたしましたので、基本的な問題であるこの種の事項につきましても、この郵便法そのものに規定を設けることに立案したのでございます。遞信大臣の職責は一號にありますのは、これは現在行政官廳法にも規定されております。ところでございますが、「郵便に關する條約及び法律に從い、省令を發する。」第二號は「法律に觸れない範圍において、郵便局を設置し、又は廢止し、郵便局の窓口取扱時間及び取扱事務の範圍を定める。」第三號はその郵便物の内部的取扱に關することを、「取集、遞送及び配達に關する施設をすること。」を規定したのであります。四號はこれ亦行政官廳法にもございますが、「郵便の業務に從事する者をその職務につき指揮監督すること。」五は「法律に觸れない範圍において、郵便の業務に從事する者の能率の向上を圖るため必要な厚生、保健その他の施設をし、且つ郵便の業務に從事する者の訓練を行うこと。」六は特に契約につきまして規定をいたしたのでございます。七號は前各號に漏れておりますものを總括いたしまして規定した次第でございます。
 第三條は遞信大臣の職權の委任に關する規定でございますが、この郵便法案におきましては、原則としてすべて行爲の責任者としまして、主體として遞信大臣という表現で規定いたしました。從いましてそれらの行爲を遞信局長、又は郵便局長に委任しまして、その委任したこと自體を對外的に代行いたしますためには、この第三條の規定によつて、その委任を認めるということにいたしたいと考えまして、この第三條を設けたのでございます。
 第四條は郵便の業務に從事する官吏に關する規定でございます。これは國家公務員法におきましても、現業廳の職員に關しましては、國家公務員法の適用が除外されておりますので、郵便の業務に從事する者につきましては、別に當然法律を豫想しておるのでございます。ここに明瞭に、「郵便の業務に從事する官吏の身分、給與及び服務に關する事項竝びに特定郵便局長の郵便局の運營に關する事項は、」「別に法律でこれを定める。」旨を明かにしたのであります。第五條は事業の獨占に關する規定でございますが、大體規行法におきましても、現行郵便法の第二條に「何人ト雖信書ノ送達ヲ營業ト爲スルコトヲ得ズ」という規定がございます。これが現行法の第一條の「郵便ハ政府之ヲ管掌ス」というのと對照いたしまして、信書に關して獨占事業になつておりますこと、竝びに郵便なる名稱の業務が獨占になつておることを現しておるものと解釋いたしておるのでございますが、この新しい法案の第五條におきましてその點を明確に規定いたしたのでございます。即ち國以外のものは郵便の業務を業とし、又遞信部内で從業する場合を除きまして、國以外の者は郵便の業務に從事してはならないという原則を定めまして、但し今日におきましても遞信大臣は、或いは郵便物の遞送即ち運送でありますとか、或いは集配に關する事務、或いは葉書や切手の賣捌きに關する仕事を郵便從事員以外の者に實施せしめておりますのでありますが、それを但書で明らかにしたのでございまして、遞信大臣が法律の定めるところに從つて、契約により遞信官署のため郵便の業務の一部を行わせることを妨げないということを明らかにしたのでございます。第二項竝びに第三項は現在の郵便法の第二條と同様でありまして、何人も信書の送達を營業としてはならない。即ち郵便という名稱を使わないでも、兎に角信書の送達である場合には、それを營業としてはいけないという趣旨でございます。從つて信書の送達でも、これを營業としない場合、即ち例えば會社の本店と支店との間におきまして、その會社の使用人がその會社の書類を運ぶというようなのは、營業とは考えませんので、それはこの獨占の範圍外でございます。又同時に信書の送達以外のものにつきましては郵便という名稱を使わない場合、即ち或いはメツセンジヤー・サーヴイスとか、適當な名前で信書以外の物品の送達を營業とすることは、これ亦郵便法の事業の獨占の範圍には入らないわけでございます。第三項は現行法の第二條と全く同様でございます。
 第六條は、憲法の第十四條に、「すべて國民は、法の下に平等であつて、人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、經濟的又は社會的關係において、差別されない。」という規定がございますが、これはまあ郵便の利用の面から規定いたしまして、「何人も、郵便の利用について差別されることがない。」という利用の公平を規定いたしたのでございます。
 第七條は、郵便の利用の制限竝びに郵便業務の一部の停止に關する規定でございます。何分にも郵便事業の利用を制限し、或いは業務の一部を停止するというようなことは、國民生活に重大な影響を及ぼすのみならず、信書に關しましては單り郵便事業のみその送達を擔當しておるわけでございますから、そういうような仕事を制限し、若しくは停止するということは、國民の權利に重大な支障を來す虞れがありますので、この「遞信大臣は、天災その他やむを得ない事由がある場合において、重要な郵便物の取扱を確保するため必要があるときは、郵便の利用を制限し、又は郵便の業務の一部を停止することができる。」というような條件を明らかにいたしまして、法律によつてこれを認めることにいたしたのでございます。
 第八條は、憲法の第二十一條の第二項に、「檢閲は、これをしてはならない。」という明文がございますので、必ずしも郵便法に必要な規定とも云われないわけでございますが、郵便事業の面から見ましても郵便物を檢閲するということは、誠に重大な問題でございますので、憲法の趣旨によりまして、この第八條に「郵便物の檢閲は、これをしてはならない。」ということを明示いたしたのでございます。
 第九條は、憲法の二十一條の第二項に、「通信の祕密は、これを侵してはならない。」という規定がございます。その精神に則りまして、郵便の面から「遞信官署の取扱中に係る信書の祕密は、これを侵してはならない。」第二項には特に郵便の業務に従事する者につきまして、親書の秘密に限らず、「在職中郵便物に關して知り得た他人の祕密、」例えば何の誰それから何某にどういうような郵便物がどういう期限にどれくらい送られておるというようなことも亦この「在職中郵便物に關して知り得た他人の秘密」というものと思うのであります。そういつたような秘密を守らなければならない業務を規定したものでございます。その職から退いた後においても同様とすることは固よりでございます。第十條は「郵便物運送の義務」について規定したのでございますが、これは現行の第三條に「運送業者ハ郵便官署ノ要求アルトキハ其ノ運送方法ニ依り郵便物ノ運送ヲ拒ムコトヲ得ス此ノ場合ニ於テ郵便官署ハ相當ノ運送料金ヲ支給ス」という、これが即ち現在郵便物のいわゆる遞送の仕事を多數の業者に請負わせて運ばせる基礎になつておりますところの條文でございますので、この遞信大臣の運送の要求權、どういう場合に要求をなし得るか。又遞信大臣が要求したことによつて、運送の義務を運送營業者は負うのでございますが、その場合における運送義務の具體的な内容はどういうものであるかということを郵便物の運送に關する法律によつて規定することにいたしました。その郵便物の運送に關する法律は目下立案中でございますので、次の機會に提出して御審議をお願い申上げたいと考えておるのでございます。内容は現行法と同様でございますが、ただ具體的に運送營業者の範圍を明かにいたしまして、特に國有鐡道、國營船舶、國営自動車につきまして、その義務を負うことを明かにいたしたのでございます。第二項はこの業務を負わせた場合においては、相當の運送料金を支拂わなければならないことは當然でございますが、そのいわゆる「相當」とは如何なる規準によつて算定するかということを、これ又郵便物の運送に關する法律に定めることにいたしたいと考えておる次第でございます。それでこの第十條の規定は、只今申上げましたように、内容的には、郵便物の運送に關する法律が制定されますまでの間は、技術的にはこの規定では働かないことになりますので、この郵便法案そのものは來年の一月一日から施行されますように、附則の八十六條に規定いたしておりますが、即ち「この法律は、第十條の規定を除いて、昭和二十三年一月一日から、それを施行する。」という規定をいたしておるのでありまして、只今の第十条の規定は、これは今の郵便物の運送に關する法律が制定せられまして、それが施行されます時に、この十條の規定を施行することにいたしたい。かように考えておるのでございます。それまでの間は附則第九條の規定によりまして、現行郵便法の第三條の規定は、この新郵便法の第十條の規定が施行される期日の前日までは尚おその效力を有するということにいたしたのでございます。
 それから第十一條は海損の分擔の免除でございますが、これは現行郵便法第七條第三項と同樣でございます。
 第十二條は現行法の第九條と同樣でございまして、第十三條は現行郵便法の五十六條と同樣でございます。
 尚お總則的な規定は、現行郵便法にありまして、今日の新法案においてはこれを削除いたしました規定は、現行郵便法の第四條乃至第八條及び第十條でございますが、第四條は、職務執行中の郵便遞送人、郵便集配人及び郵便專用車馬等は、道路障碍あつて通行し難い場合においては、墻壁又は欄柵のない宅地田畑その他の場所を通行することができるという通行特權の規定でございます。第五條は同樣の者が事故に遭遇した場合において助力を求めることができる助力請求權に關する規定でございます。現行郵便法の第六條は、職務執行中の郵便遞送人等に對しては、渡津、運河、道路、橋梁等における通行錢を請求できない。又何時でも渡津の出船を求めることができるという規定でございます。これらの現行郵便法の第四條、第五條、第六條の規定は、今日までの郵便事業の經驗に徴しまして、必ずしもかよう規定がなくても郵便事業の執行に支障がないものと考えまして、一面これらの規定はそれぞれ國民の自由を或る程度制限することになりますので、これを削除することにいたしたのでございます。
 それから現行郵便法の第七條は、郵便專用の物件及び現に郵便の用に供する物件はこれを差押えることができないという規定になつております。これは結局郵便事業の面から見れば、誠に都合の好い規定ではございますけれども、この結果は郵便專用に供しておるところの物件の所有者であるところの個人を特に法律的に保護する結果となりますので、憲法の精神から考えまして、適當でないと考えまして、削除することにいたしたのでございます。第二項の郵便專用の物件は何等の賦課を受けることがないという現行規定も、やはり郵便專用物件を持つております者が、郵便專用に供しておるがために、一切の税金その他の賦課を受けることがないわけであります。特別の法律上の特權を有しておりますので、これ又適當でないと考えて、削除いたしたのでございます。
 現行郵便法の第八條は、郵便官署は郵便物の遞送中又はその發送の準備完了の後に限り、その差押を拒むことができるという規定でございますが、これは新憲法の司法權を尊重する精神、趣旨から考えまして、郵便官署において司法權の行使を拒むということは必ずしも適當でもございませんので、これを削除することにいたしたのでございます。即ち現行郵便法の第十條は「郵便取扱ニ關シ無能力者ノ郵便官署ニ對シテ爲シタル行爲ハ能力者ノ爲シタルモノト看做ス」という規定がございますが、これは即ち民法の無能力者保護の規定を排除しておる規定でございます。併しながら郵便事業の今日までの經驗から見ましても、又一般の民間の銀行會社その他の取引については民法の無能力者保護の規定の儘で支障なく運用されておる點から考えましても、特に民營事業と郵便事業とを區別することは適當でないと考えまして、この規定も削除することにいたした次第でございます。
#19
○委員長(深水六郎君) 總則についての今御説明があつた點で御質問がありますならば、一つこの際御質疑願います。
#20
○堀越儀郎君 第三條の遞信大臣の職權の委任の條項に關して、職權が委任されると當然この責任は委任された者が受けるのですか。遞信大臣にまで責任が及ぶのでありますか。問題が起つた場合に……。
#21
○政府委員(小笠原光壽君) 勿論委任をいたしました場合におきましても、事業管理の最高責任者といたしまして、遞信大臣が責任を負いますことは當然でございます。一應對外的に郵便局長なり、或いは遞信局長の名前において處置のできるようにいたしたいと、かように考えた次第であります。
#22
○堀越儀郎君 最後の責任は遞信大臣にあるというお考えでございますね。
#23
○政府委員(小笠原光壽君) さようでございます。
#24
○堀越儀郎君 それから第四條の特定郵便局長の郵便局の運營に關する事項は別に法律で定めるというのは、なにかお考えがあるのですか。
#25
○政府委員(小笠原光壽君) 今日のいわゆる特定郵便局制度の基礎になつております法規は、特定郵便局長の任用に關する前の勅令が基礎になつておりまして、特定郵便局長の自由任用に關する規定を基といたしまして、特定郵便局長の服務規程という遞信大臣の命令が出ておるものでございます。これらの關係の規定が全體として今日の特定郵便局制度そのものを構成しておるところの基礎になつておりまするが、これらのものの基本に關しますることは、法律で今後決めることにいたしたいという趣旨でございます。
#26
○堀越儀郎君 それから第五條の二項でありまするが、「何人も、信書の送達を營業としてはならない。」荷物などのメツセンジヤー、これはよくあることでありますが、それはいいと思います。その場合にたまたま信書を同時に託するというような事例があつた場合はどうなりますか。
#27
○政府委員(小笠原光壽君) 信書はやはりいけないわけでございます。
#28
○堀越儀郎君 それは託してもいけないわけでございますね。
#29
○政府委員(小笠原光壽君) 要するに信書の送達を含んでおるからいけないということになるわけでございます。
#30
○堀越儀郎君 第九條の二項でありますが、「他人の秘密を守らなければならない」とありますが、この秘密の範圍、意議でありますが、例えば郵便配達夫などがこういうことは秘密でないと思つておることが、本人に取つては秘密であるかも知れない。今日は誰それに手紙が行つたということは、本人に取つては非常に困るようなことが、集配人としては秘密でないと考える。こういうような秘密の程度はどういう程度に限られるものか。
#31
○政府委員(小笠原光壽君) 一般にその利害關係者によりまして外部の發表されては困ると考えられますようなことを、私どもとしましては祕密というように考えたいと思つております。先程御指摘になりましたような、誰それから誰それへ郵便がいつ差出されたとか、或いは誰それはどういう人達との間に通信の連絡を持つておるとか、特定の期間の間にどれくらいの通信を誰それはしておるとか、そういうようなことはすべて郵便物に關して知り得た範圍の祕密ということに包含されるものと考えております。
#32
○千葉信君 第七條についてでございますが、實は七條の中に「重要な郵便物」ということがございますが、從來のこういう企業の場合には、國家の必要に基いて國家が使用するためになされた設備を國民にも利用せしめるというような考え方が、今までのこういう企業における考え方だと思いますが、今度の場合には利用の公平ということに主眼が置かれなければならないと思う。そういう場合に特に第七條に「重要な郵便物」という言葉を使われたのは、どういうものを指して重要郵便物とお考えになつておるか。
#33
○政府委員(小笠原光壽君) ここに出しました「重要な郵便物」というのは、勿論相對的な問題でございますが、同じ郵便物の種類の中でも小包郵便物と通常郵便物を比較しました場合におきましては、大體において通常郵便物の方が小包郵便物よりは比較的により重要であらう。かように考えております、又同じ通常郵便物の中でも第一種、第二種は、その他の通常郵便物よりは比較的重要であらうと考えております。大體そういうような考え方によりまして、いろいろの天災その他の障碍のために郵便事業といいますか、それが平常のように參らない場合におきましても、少くとも信書、即ち書状竝びに葉書の取扱いはできるだけこれを確保いたしたいと思います。又輸送力が極度に係りに制限せられましたような場合には、外の郵便物を輸送する餘力がない程度の輸送力にまで障碍を來しております場合においても、葉書だけは少くともこれを取扱うというようにいたしたいと考えておる次第でございます。
#34
○新谷寅三郎君 今の千葉委員のお尋ねの重要であるかどうかという認識の問題でございますが、これは第七條のみならず全般を通じての大事な問題だと思うのであります。この條文だけで行きますと、結局遞信大臣が一應はこれは重要である、これは重要でないということを認定するような恰好になるわけですが、若し一般的に郵便物の利用の制限があるという場合を考えますと、重要な内容を持つておる郵便物は、その認定に基いて、結局出す方でもそれに副つたような出し方をするだろうと思うのです。ですから、こういつたものの重要であるかどうかという基準というようなものは國民に分らせるようにしなければいかんと思うのです。その點はどんな方法がありましようか。お考えになつておるところを伺いたいと思います。
#35
○政府委員(小笠原光壽君) 勿論第七條の規定によりまして、郵便物の利用を制限し、又は郵便の業務を一部を停止するような場合には、假りにそういうように決定いたしました場合には、當然制限の方法竝びに或いは業務の一部停止の範圍、そういうものは明示をいたしまして、公示をいたすことにいたします。只今の御質問は、併しそれより前に、一體そういう場合にどういう順序で制限するのがいいか。その順序そのものの決定を適正に決める必要があるという御趣旨のように伺いましたが、そういう點につきましては、できるだけ利用者の方々の御意見を聞き、その方法を考慮いたしまして善處したいと思います。この前の委員會において、遞信大臣は、郵便事業の關係のみではないと思いますが、通信事業に關しまして、一般の輿論を反映するような委員會みたいなものを考えておるということをこの席で御答辯になりましたが、そういうものができれば、そういうような委員會におきまして、委員會の御意見を伺つた上、決めて行きたい。さように考えます。
#36
○新谷寅三郎君 序でに一、二伺つて置きますが、第二條の第六號に「必要な契約をする」ということが書いてありますが、現在どういう事項でどんな契約をせられますか。具體的なものでなくてもいいが、郵便事業を運營するに當りまして、契約というのはどういう種類がありますか。何かこの次の會議のときで結構ですから、その内容が分るようなものを資料としてお出しを願いたい。
 それから第五條に關連しまして、これは先程からお尋ねもありましたが、メツセンジヤーボーイが信書を選ぶのはよくないということはよく分つたのですが、例えば自分で運送機關を持つておつて、例えば鐵道の如きもの、或いは自動車會社の如きもの、そういつたものが、自分の會社なり、或いは鐵道なら鐵道自身の内部關係の信書、そういつたものを自分の運送方法によつて送達をすることは、この條文から行きますと郵便法違反にならないというように考えられるのですが、そう考えて宜しいのですか。
#37
○政府委員(小笠原光壽君) その通りと私共考えております。
#38
○尾崎行輝君 第八條の「郵便物の檢閲は、これをしてはならない」とありますが、今まではときどき檢閲をやつておつたんですか。日本人が……。
#39
○政府委員(小笠原光壽君) 今日まで遞信省といたしまして檢閲をいたしましたのは、戰爭中に臨時郵便取締令という緊急勅令が出まして、それによつて國防止の機密その他のものが、外部に漏れることを防ぐために、檢閲をいたしたことがございます。それは終戰と共に廢止いたしました。日本政府として檢閲は全然絶對にやつておらないのでございます。今日行われておりますのは進駐軍の檢閲でございます。
#40
○尾崎行輝君 例えば小包の内容などは調べないのですか。
#41
○政府委員(小笠原光壽君) こういうことはいたしております。例えば後ほど御審議願いますように、それぞれの郵便物が第二、第三、第四、第五と、それから小包郵便物というものは、どういうものでなければならないというような、業務上の一定の條件がございます。それで實際出されたものが郵便法に違反していないかどうかというようなことを調べることは、必要な場合には實行いたしておりますが、それも郵便法によつて特に認められておる條件竝に範圍においてやつておるのでございまして、これはいわゆる檢閲とは考えておりません。私共がここに書いております檢閲は……勿論憲法におきましても檢閲とは何であるかということは、別段明かにいたしておりません。總てこれは解釋に讓られておりまするが、大體私共が檢閲と考えておりますのは、本人の意思によらずに、要するに本人の意思に反して、國家の權力によりまして、表現の自由と申しますか、そういうものを制限する意思を以て、内容を讀んで價値判斷をするということを、大體檢閲と考えております。從がつて例えば小包の中味を調べるという場合におきましても、この郵便法で認めている範圍でやる場合におきましても、それは何も表現の自由を制限する意思ではなく、それが郵便法上の關係規定に牴觸しておるかいないかということを、唯見るだけでございますので、いわゆる檢閲ではない。それから又第三種、第四種、第五種といつたような郵便物は、これは總て開き封で出して頂くことに書いてございますが、開き封ということは元々利用者も中味を見られることを容認されておるものと考えられます。何れにいたしましても私共の郵便物の内容を調べる場合、法律の認める範圍において調べる場合においても、それは檢閲ではない。さように考えます。
#42
○尾崎行輝君 檢閲ならざる檢閲は今後お續けになる譯でございますか。
#43
○政府委員(小笠原光壽君) それは要するに法令に違反しておるか否かを、必要がありますれば調べたいと思います。尤もそれは郵便法で許されておる範圍、條件の下において行ないたいと思います。
#44
○新谷寅三郎君 第九條の「遞信官署の取扱中に係る信書の秘密は、これを侵してはならない。」これは犯罪捜査のために必要がある場合でも、信書の秘密というものは侵さないというふうに考えていいですな。
#45
○政府委員(小笠原光壽君) それが若し檢閲という概念にはいりまする場合は、これは憲法が禁止しておりますし、いかなる場合においても檢閲はあり得ないと考えております。併し檢閲に該當しない場合においては、他に法律の規定に基ずいて何等かの處置をすることが、法律によつて規定されておる場合には、勿論その法律の規定に從つてやることは支障ないと思います。
#46
○委員長(深水六郎君) 外に質問は……。それでは次をどうぞ説明をして頂きましよう。
#47
○政府委員(小笠原光壽君) それでは第二章の第一節を御説明申上げます。第二章の第一節の第十四條、郵便禁制品に關する規定でございますが、これは現行郵便法におきましては、郵便法の二十三條に禁制品の種類は命令の定めるところによるというように、命令に委任せられておるのでございますが、郵便禁制品は一面におきまして、抑々郵便として利用できないもので、そのものに關しては郵便を利用できない範圍でございますので、國民の權利に重要な關係がありますと同時に、この郵便禁制品の規定に違反した場合には、刑事上の責任を負わなければならない關係もございますので、郵便禁制品の内容を法律に具體的に規定することにいたしたのでございます。即ち第一號、二號、三號はそれは何れも危險性のある物でございまして、第一號は「爆發性、發火性その他の危險性のある物。」第二號は「毒藥、劇藥、毒物及び劇物。」第三號は「生きた病源體及び生きた病源體を含有し、又は生きた病源體が附著していると認められる物」でございます。第二號と第三號につきましては、特定のものが差出しますものだけを除外いたして、一般の利用上支障のないようにいたしておるのでございます。第四號は、「法令に基き移動又は頒布を禁止された物。」これも亦當然郵便業務におきましても差出しを禁止すべきであると考えまして、これを明定いたしたのでございます。即ち例えば食糧管理法でありますとか、或いは臨時物資需給調整法でありますとか、或いは專賣法であるとか、そういつたような法令によつて移動又は頒布を禁止されておるものを、その範圍において郵便禁製品となすという趣旨でございます。
 第十五條は、只今の郵便禁制品はこの規定に違反して差出した場合においては、差出人はこの新法案の第八十一條の規定によりまして、今の郵便禁制品の「規定の違反があつたときは、その違反行爲をした者を五千圓以下の罰金又は科料に處し、その郵便物として差し出した物を沒收する。」という罰則の適用を受けるものでございます。その程度までは達しないものでも、郵便業務の管理上差出しを禁止する必要のあるものもございますので、それは省令によつて遞信大臣が決めることができることにいたしたのが、この十五條の規定であります。即ち「郵便の業務に從事する者又は他の郵便物に對する傷害又は損害を避けるため必要があると認めるときは、省令で物を指定して、その物を郵便物として差し出すことを禁止することができる。」ということにいたしたいのでございます。たとえば味噌でありますとか、醤油でありますとか、油であるとか、そういつたようなものは他の郵便物に損害を與える虞れもありますので、所要に應じて差出しの禁止を省令で規定すべきことにいたしたのでございます。
 第十六條は、郵便物の種類、即ち郵便物は通常郵便物と小包郵便物とに大別いたしまして、更にその通常郵便物は第一種及至第五種の五種類に分けたのでございますが、大體におきましてこの内容は後で出て參りますが、現行と大差ないのでございます。
 第十七條は、郵便物として取扱うものの容積及び重量の制限でありますが、これも大體現行と同様でございます。ただ多少違つておりますところは、通常郵便物の第一種のものにつきましては、現行におきましては省令でこの容積重量の規定を設けておるのでございのすが、現行規定では第一種郵便物については重量の制限はないのでございます。併しながら新しい法案におきましては、これを小包の場合と同樣に、四キログラムに重量の制限を置いたのであります。その外、容積の長さを現行は四十センチとありますのを四十五センチに少し増大したのでありまして、その他は現行通りでございます。第二項はいわゆる特別小包に關する規定でありまして、一般には小包の大きさ竝びに重量はこの第一項に書いてある程度のものでありまして、重さも四キロまでしか認めないのでありますけれども、遞信大臣は、取扱上支障がないと認めるときは、必要な取扱條件を定めて、容積において一般の小包の二倍、重量において二十キログラムを超えないものを小包として取扱うことができることにいたしたのであります。
 第十八條は、郵便物の包裝の仕方及び宛名等の記載方に關する規定でございますが、これは非常に細かいことになりますので、この郵便物の包裝の仕方及び宛名、その他郵便物の取扱上必要な事項の記載方を、遞信大臣が省令で定める根據を、この法律に明示したのでございます。この内容は大體におきまして、現行の包裝に關する條件を新しい郵便法に基く省令において同樣に規定いたしたいと考えておりますが、特に新しい問題として私共が考えておりますのは、將來郵便物の宛名には配達局名を書いて頂くことにいたしたいと考えておるのであります。勿論實際に書いて頂きます場合には、それぞれ必要な準備をいたした上でさようなことにいたしたいと考えておるのでありますが、郵便物の宛名に配達局名を書いて頂くことにしますれば、郵便の區分が非常に明瞭になりますので、いわゆる誤區分というような事故の發生を防遏することができ、從つて郵便物の速度竝びに正確さを向上することができますので、それによつて一般利用者の方に與える利益も非常に大きいと考えます。將來さような方向に持つて行きたい。かように考えておるのでございますが、その根據になります規定も要するにこの十八條の規定になるわけでございます。
 十九條は、通貨及び貴重品の差出方に關する規定でありますが、通貨竝びに貴重品の差出しにつきましては、それぞれ書留若しくは保險扱を利用して頂くことにいたしたいと思うのでありまして、これによりまして、これらの貴重品の亡失等の事故をできるだけ防遏いたしまして、郵便事業の信用を確保することに資したい。かように考えておる次第でございます。第二十條の「無料郵便」に關する規定は現行郵便法の第二十八條に照應するものでございますが、今日では無料郵便の差出しは新法案の一號、二號に書いてありますように、遞信官署から差出すものと、遞信官署の依頼によつて遞信官署に宛てて差し出すものとの二種の他に、一般の公衆から、或いは事故の調査のために、或いは申告等のために他の官署に宛てて出されますものも亦損害賠償又は料金の還付の請求をなすために遞信官署に宛てて差し出しますものも、無料郵便が認められておるのでございますが、これらのものは特別のサービスを要するわけでございますからして、その料金を負擔して頂くことは申すまでもないばかりではなしに、郵便事業の財政状況から考えましても、今日の財政状況の下におきまして、無料郵便物はできるだけこれを少なくすることも一つの消極的な對策でもございますし、一部の人に無料郵便を認めることは、その經費は結局全部の利用者が負擔するということになるわけでございますので、これは削ることにいたしまして、ここに書いてありますように、遞信官署がら出すもの、遞信官署の依頼によるものだけを無料郵便として認めることにいたしたのであります。第二項は、これは無料郵便物につきまして、特殊の取扱をする場合の規定でございます。無料郵便物といたしましては、この第二十條の規定の他に、選擧無料郵便の如く別の法律によつて規定されるものもあるわけでございますが、それはそれぞれの特別の法律によることにいたした次第でございます。
#48
○委員長(深水六郎君) 只今御説明がありました第二章の第一節についての御質疑があれば承りたいと思います。
#49
○尾崎行輝君 今の無料郵便でありますが、今までこちらから出せたのが出せないようになるというお話でありますが、民間からも全然出せなくなりますか。
#50
○政府委員(小笠原光壽君) 一般の公衆からお出しになる場合は、無料郵便物として、遞信官署の依頼によりまして遞信官署に宛てて若し出される場合だけが無料郵便が認められるわけでございます。從つて今までのようにいろいろ事故の調査とか、申告とか、そういうものを無料でお出しになつておつたのでありますけれども、そういうものは今後無料ではできないということになるわけであります。
#51
○尾崎行輝君 何か依頼の證據か何かあつた場合に出せるのですか。
#52
○政府委員(小笠原光壽君) 大體遞信官署から依頼いたします場合は、多くは、その返信用の紙或いは封筒をも附けてお願いすることにいたしたいと思つております。
#53
○新谷寅三郎君 十五條の「省令による差出の禁止」でございますが、これは具體的の例を擧げて御説明願いたいのでありますが、具體的にどういうことを豫想しておられるのですか。
#54
○政府委員(小笠原光壽君) 大體只今考えておりますのは、一つは送達中に腐敗する虞れがあるものであります。例えば蔬菜であるとか、野菜類であるとか、或いは果物類であるとか、或いは魚であるとか、そういつた送達中に腐る虞れのあるものは、そのために他の郵便物を損傷する。汚す虞れがありますのでそういうものでありますとか、或いは味噌とか、漬物、或いは生玉子、それから醤油とか、酢、酒、油といつたような流動物、送達中にその容器が不完全なために外に漏れる虞れのあるもの、或いは人に危害を與える虞れのある動物、そういつたようなものを禁止することにいたしたいと考えております。
#55
○新谷寅三郎君 よく分りましたが、人に危害を與える動物というようなものは、例えば小包で、こういつたものは別に何か規定があるのではないですか。
#56
○政府委員(小笠原光壽君) 郵便の關係では、別段他に規定がないのですが、例えば蝮のようなもの、要するに毒蛇といつたようなものは禁止することにいたしたい。かように考えております。
#57
○委員長(深水六郎君) 他に御質疑はございませんか。實は速記の關係で、三時ちよつと廻る程度まで貰つてあるわけでありますが、御質疑がなければ、この次にいたしたいと思いますが、ありますならば今の中に一つ成るべく詰めてやつて頂きたいと思います。
#58
○新谷寅三郎君 ここで伺うのが宜いかどうか分りませんが、先程政府委員から御説明がありましたことで、先般大臣からお話があつた、何か實際上官制で行くかどうか別として委員會のようなものを作つて、それで國民の大體の方の意見を反映するようにしたい、こういう方針だつたようであります。大變結構だと思います。ぜひそうやつて頂きたいのでありますが、その構成に腹案でも持つておられましたら、腹案を大體でもお話願いたいと思います。
#59
○政府委員(小笠原光壽君) 只今ここには持つておりませんので、いずれ相談いたしまして、別の機會に、若し現在案がございますれば、別の機會に又お答え申上げたいと思います。
#60
○新谷寅三郎君 この法律案の審議が終りますまでに、一應の輪廓だけでも願いたいのであります。この法律案を運營される上に必要な委員會だと思います。法律案の審議中に、具體的な、繼まらないものでも宜い、大體の輪廓だけでもお話願いたいと思います。
#61
○政府委員(小笠原光壽君) できるだけ御趣旨に副うように努力いたしたいと思います。
#62
○委員長(深水六郎君) それでは次の第二節の説明をお願いいたします。
#63
○政府委員(小笠原光壽君) それでは第二十一條以下について御説明申上げます。第二節は通常郵便物の各種類につきまして、その定義ともいうべきものを規定いたしたのでございます。即ち第二十一條の第一、郵便物は第一には筆書した書状を内容とするものです。これは勿論現行と同じでございます。それから第二號は、これも大體現行と同様でございますが、これらの有價物につきましては、第四種郵便物として假りに出すものと假定いたしますると、第四種郵便物として取扱うものといたしますと、第四種郵便物は開き封を要件といたしておりますので、これらの有價物が外部に脱出する虞れもございまするし、從つて又犯罪誘發の虞れもございますので、こういうものは特に第一種郵便物として有封なるもので扱うことにいたしたいという趣旨でございます。第三號は通常郵便物の中で、第二種以下の種類に該當しないものは、これ亦第一種郵便物とする趣旨でございます。料金は現行通りであります。第二十二條の第二種郵便物の郵便葉書、これは現行は郵防法の第十八條に、通常葉書と往復葉書、封緘葉書という三つが郵便葉書ということになつておるのでありますが、新しい案におきましては、通常葉書と往復葉書だけを郵便葉書、第二種郵便葉書とすることにいたしまして、封緘葉書はこれを削除したのであります。この趣旨は、先般遞信大臣から提案の理由を申上げました際にお話申上げたのでございますが、今日におましては物價の昂騰によりまして、封緘葉書の資材の價値が相當高くなつておりまして、恐らく大體三十錢程度を要することになると考えられます。この書状を、用紙まで含めて、郵便料金のみで發賣いたしますることは得策でないと考えまして、この封緘葉書というものを郵便葉書から削除いたしまして、第一種郵便物として大體現在の封緘葉書と似たようなものを第一種郵便物として取扱うことにいたしたいと考えておるのでございます。即ちその場合においては大體現在の封緘葉書と同樣の形式のものを有料で發賣することにいたしまして、その他に郵便料金を負擔して頂くということにいたしたいと考えておるのでございます。それが第二種郵便物につきまして大體現行と異なるところでございます。第二十三條の第三種郵便物につきましては、これは大體現行と一致しております。即ち第三種郵便物の認可を受け得るものは定期刊行物であつて、この二十三條第三項に列擧されておるところの條件を具備するものに限るのであります。即ち毎月一囘以上號を逐つて發行するものであること。掲載事項の性質上發行の終期を豫定し得ないものであること。政治、經濟、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とすること。あまねく發賣されるものであること。この三つの條件を具備するところの定期刊行物は、遞信大臣は第三種郵便物として出すことを認可するわけでございまして、その内容は大體現行と同様でございます。又料金も現行と全く同じことでございます。第二十四條及び第二十五條は、第三種郵便物の認可に關連したしまして、その認可の取消しという規定、竝びにその第三種郵便物の題號等の變更があつた場合の認可に關する規定でございます。第二十六條は第四種郵便物の内容でありまして、即ち印刷物、業務用書類、寫眞、書、畫及び圖 商品の見本及びひな形竝びに學術上の標本、これを第四種郵便物とすることにいたしました。これも亦大體現行と同樣でございます。その料金は全く現行を踏襲いたしております。
 第二十七條は第五種郵便物に關する規定でありまして、現行郵便法におきましては、郵便法の十八條で、五種といたしまして、農産物種子という規定がございます。これに關連いまして、郵便規則で苗、球根、地下茎、その他の物、又蠶種、家禽の卵等、又穀物檢査所相互間等に發著する産米標本等を農産物種子と見做すというこにいたしておるのでありますが、今囘の新らしい法案におきましては、これらの物をすべて法律に明定いたしまして、第五種郵便物の範圍を明確ならしめたのであります。料金は現行通りでございます。二十八條は第三種乃至第五種郵便物の記載事項等の制限に關する規定でございますが、これらの郵便物には、實際の取引上の慣用と申しますか、一般の郵便の利用上簡單な標示を書きますことが通例でございますので、それらの事項を記載することを省令で認めることにいたしまして、取引上支障のないようにいたしたいというのが二十八條であります。それで、若しそれらの制限に違反して差出された郵便物は、これを異種の通常郵便物を共に包装したものとみなすということにいたしまして、異種の通常郵便物を共に包装したものは、如何なる取扱いをするかということを、その次の第二十九條に規定いたしました。異種合装の場合には、これをその種類中の最高料金を納付すべき郵便物として取り扱う。但し、第二種郵便物を他種の郵便物と共に包装した郵便物は、これを第一種郵便物として取り扱う。但しこれは現行郵便法第十八條第三項と同樣でございます。
#64
○委員長(深水六郎君) 只今の説明に御質疑はありませんか。
#65
○尾崎行輝君 第二十二條の半ばの「郵便葉書は、その表面に差出人及び受取人の氏名」云々と書いて、「他の物を添附し、又は原形を變えてこれを差し出すことができない。」と書いてありますが、これは官製葉書はそうであるましようが、今までのように、普通の葉書や何かには今まで通りに書けるのではないのでありますか。
#66
○政府委員(小笠原光壽君) これは官製葉書も私製葉書も共通の規定なんでございますが、郵便葉書は、その表面というのは、料額印面の付いてる方でございます。「その表面に差出人及び受取人の氏名及び住所又は居所以外の事項を記載し、」「又は原形を變えてこれを差し出すことができない。」というのが原則ではありますけれども、それに對して遞信大臣は、省令で例外を規定することができるというようにこの法律では規定したしまして、その例外といたしましては、例えば大體この現行の規定をそのまま新らしい省令に規定いたしたいと考えておりますが、例えば葉書の中央から下のところに通信文を書くというような例外がありますとか、その外に差出入及び受取人の身分、職業、商標、その他の稱號、電話番號とか、その外簡單な一般日常の取引上と申しますか、社會の慣例として使用しておるような簡單な字句を記載することができるようにいたしたいと考えておるのでございます。
#67
○尾崎行輝君 大體今までと同じと思つてよろしいのですか。
#68
○政府委員(小笠原光壽君) さようでございます。
#69
○委員長(深水六郎君) 別に御質疑がございませんか。ございませんならば、今日はこの程度に止めて置きたいと思いますが、いかがでしようか。
#70
○委員長(深水六郎君) それでは本日の委員會はこれで閉じます。
   午後三時十二分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     深水 六郎君
   委員
           鈴木 清一君
           千葉  信君
           中村 正雄君
           重宗 雄三君
           鈴木 順一君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           鈴木 直人君
           堀越 儀郎君
           藤田 芳雄君
  政府委員
   遞信政務次官  椎熊 三郎君
   (郵便局長)  小笠原光壽君
ソース: 国立国会図書館
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