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1947/11/27 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第7号
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1947/11/27 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第7号

#1
第001回国会 通信委員会 第7号
  付託事件
○電話増設に關する陳情(第百九十七
 號)
○「教育振興」特別郵便切手發行に關
 する請願(第二百四十號)
○特定郵便局廢止に關する陳情(第三
 百七十五號)
○大多喜、千葉及び大原間直通電話線
 架設に關する陳情(第四百七十六
 號)
○北海道富良野郵便局を普通局に昇格
 することに關する請願(第三百八十
 八號)
○郵便法案(内閣送付)
○會津高田驛前に郵便局を設置するこ
 とに關する請願(第四百二十八號)
○栃木縣佐野郵便局の電話局舍新築竝
 びに交換方式改善等に關する請願
 (第四百六十六號)
○郵便貯金法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○岡山縣勝田郡豐田村に豐津郵便局を
 設置することに關する請願(第四百
 八十四號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月二十七日(木曜
日)
   午後一時五十一分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○特定郵便局廢止に關する陳情(第三
 百七十五號)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深水六郎君) それでは只今から通信委員會を開會いたします。その前にちよつとお諮りいたしたいことがございますが、今日の日程は公報に載つている通りでございますけれども、議事の都合上、できますならば陳第三百七十五號の、特定郵便局の廢止に關する陳情を先にやりたいと思いますが、そうすることに御異議ございませんか。
#3
○委員長(深水六郎君) 御異議ないものと認めまして、特定郵便局廢止に關する陳情を先にいたします。その前にちよつとその陳情の理由書だけを專門調査員において一應讀み上げて御參考に供したいと思います。
   特定郵便局廢止に關する陳情
 陳情者香川縣昭和郵便局内小川文四郎外五百三十六名、
 歎願書 官廳機構の民主的改革は、特定郵便局制度を撤廢するの要眞に緊切なるものあるにつき、吾等特定局從業員十四萬人は勿論、全遞信從業員四十萬人は眞に血の叫びとして本運動を展開中なるも、今にこれが具現を見ざるは誠に慨嘆に堪えず、よつてここに理由の一端を述べ、撤廢の促進を歎願す。
 理由 凡そ國営業事たる通信事業の運営にあたり、普通局と特定局の二本建の跛行的經營は、これを利用する國民の利益の上に差別が生ずることは當然の結果である。特定局制度は、明治五年事業開始に際し、國家財政の都合により局長の地位の代償として、局舍の提供を求め、一定額の渡切經費支給し、請負式商業的經營により、今日に至つたものである。政府は輓近かかる事業形態存續は業務の健全なる發展を阻害するの非を認め、これが改革に手を染めんとせるも頑迷なる遞信當局は、特定局長と一體となり、本制度の弊害より生ずる國民生活の不便と從業員の苦衷を顧みず七十有年前に企畫された典型的封建制度の温存を策謀せるは眞に國家事業を冒涜するものと斷定す。
 吾等事業愛にもゆる從業員は、國家再建の新らしい觀點に立脚し、洽く國民各位の輿論に訴え。絶大なる支援の下に速かに本制度を撤廢し、通信事業本來の重要使命を達成せんとす。
 願わくば吾等從業員の衷情を洞察せられ、深き同情と御援助を垂れられんことを懇願す。
  昭和二十二年九月十日
       全遞信從業員組合香川
       西特定局支部一同。
#4
○委員長(深水六郎君) これに關しまして政府當局の御意見を先ずお伺いいたしたいと思います。
#5
○政府委員(小笠原光壽君) 只今問題となりました特定郵便局制度に關しまして政府の所見を申上げたいと存じます。御承知のように遞信事業の第一線機關でありますところの郵便局は、全國で約一萬四千近くのものがあるのでございますが、その中で約五百五十は普通郵便局でありまして、殘りの約一萬三千というものが只今問題になりましたいわゆる特定郵便局という形態で運營されているのでございます。從いまして郵便事業の運營の機構の面から考えますと、大多數のものはいわゆる特定郵便局なのでございます。從いましてこの問題は通信事業の運營上極めて重要な問題であるわけでございます。元來いわゆる特定郵便局制度は只今の御陳情の趣旨の中にも書いてございますように、明治四年に日本に初めて新式の郵便制度を施行するに當りまして、全國にこの新式郵便制度を急速に普及するために、地方名望の士に依囑いたしまして、奉仕的に郵便事務を擔當せしめたことにその起源を持つているのでございまして、この制度の特色を發揮いたしまして、短時日の間に全國的に通信網の普及をいたしているのでございます。而も今日も至るまで七十數年の間におきまして時勢の變遷推移に即應いたしまして、この通信事業を今日のような状況にまで發展せしめて參つた點から考えまするときは、いわゆる特定郵便局制度の功績は、又その直接運營の衝に當つていたところの特定郵便局長並に特定職員の獻身的努力は誠に大なるものがある次第でございます。
 その間におきまして時勢の推移、或いは事業の發展に伴いまして、若干の改正が加えられて今日に至つているのでございますが、その最も主要なるものは大正十二年において集配特定郵便局について、又昨年無集配特定郵便局につきまして、その人件費を直轄經理にいたした次第でございます。即ちそれまではいわゆる特定郵便局の運營なるものは特定郵便局長に官から支給するところの經費によりまして、局長の一切の責任において局を運營して參つたのでございますが、大正十二年におきましては集配事務を扱つているところの特定郵便局において、又昨年は無集配即ち集配事務を取扱つていないところの郵便局、即ち多くは大都市内に在るところの小さい特定郵便局でございますが、そういう局における人件費を直轄經理にいたしまして、直接官からその人件費の俸給、給與を支給することにいたしたのでございます。今日においては物件費の面がその局長に支給される經費で以て、これを賄つて行くという大體の恰好になつているのでございます。
 この特定郵便局制度の特色を考えますると、その制度の基本的な特色を考えられますことは、一つには地方事情に即應した部内外の、遞信部内竝びに遞信部外、廣い範圍からの人材を特定郵便局長に任用するところの局長の自由任用制と、二つには特定局の局運營の經濟制とにあると考えられるのでございます。
 特定局長の自由任用制の點につきましては、これまで特定郵便局長等の任用に關する件という、これは大正九年に勅令が出ておるのであります。これに基礎を置きまして、特定郵便局長は遞信大臣の定める規定によつて任用することができることになつておるのでありまして、これまで特定郵便局長は、最近改正になりましたけれども、年齢滿二十年以上の相當の資産を有する者、相當の學識才幹ある者から任用するということに從來なつておつたのでございます。このうち相當の資産を有する者という要件は最近これを廢止することにいたしたのでございますが、とにかくそういうような一般の官吏の任用令とは違つた形式におきまして、地方事情に即した部内外の人材を局長に任用するという自由任用制があるのでございます。
 それから局運營の經濟制の點につきましても、これは過去におきましては、先程申上げましたように、人件費と物件費を通じまして局長に一定の經費を支給し、その經費を以て局長は局運營の一切の責に任じておつたのでございます。その後の人件費の直轄經理によりまして、人件費の面に關する限りは、一般の普通郵便局におけるところの從業員の場合と同樣になつたのでございますが、物件費に關しましてはやはり渡し切り費という形式におきまして、一定の經費を支給して、それを以て經濟的に局を運營する責任を持たしておるのでございまして、さような局運營の經濟制という點が、これ亦特定郵便局制度の基本的な特色の一つであると考えられるのでございます。
 そうして今日特定郵便局が普通郵便局と異つておりますところの主要な點を申上げますと、第一に、普通郵便局の局長の場合には、只今申上げましたように、文官任用令によつて任用された一般の官吏でありますとか、從つて又轉勤、轉職を命ぜられるのも常といたしておりますのに對しまして、特定郵便局長は、地方事情に即し且つ人格、識見優れた人材を廣く部内外から特定郵便局長という特定の官に自由任用いたしまして、比較的長く同一の郵便局に勤務させることにいたしておるのでございます。
 第一の違いは、普通郵便局の場合の建物、敷地及び設備は原則として國の設備や國の直轄に屬しておりまして、國有のものもございますし、國が直接借入れておるものもあるわけでございますが、特定郵便局の場合におきましては、これらの局舎、敷地、設備といつたようなもの、局舎及び敷地につきまして、その特定郵便局長に義務として提供せしめておるのでございます。これは別に特定郵便局長の服務に關する遞信大臣の指令に基きまして、特定郵便局長に任用された者は、今申上げた局舎とか敷地とかいうものを提供しなければならない義務を負擔しておるのでございます。即ちこれは局長側の一方的な義務でございます。
 それから第三の差異點は、普通郵便局の運營のための經費は、會計規程の原則に從いまして、一般費によつて經理されておるのでございますが、特定郵便局の場合におきましては、先程申上げましたように、人件費を除きまして、局運營のための物件費は會計手續上極めて簡便な渡し切り費として毎月特定の金額を支給しておるのでありまして、特定郵便局長はこれを以て局運營の責に任ずることを建前としておるのでございます。
 これらの點がいわゆる特定郵便局と普通郵便局との主な違つておる點でございます。併しながら新らしい事態の下における社會思潮乃至經濟事情から見まして、特定郵便局制度の運營の面につきましては、相當改善を要するものがございます。さような點につきまして必要な改正を著々行なつておるのでございます。
 即ちその主要なことを申上げますると、第一には、只今申上げました特定郵便局長の自由任用の問題につきましても、これまでは相當の資産を持つておるということが任用上の一つの要件となつておつたのでございますが、かような資産的要件を存置することは、今日の事態の下におきまして適當ではないと考えまして、これは最近すでに廢止をいたしたのでございます。第二には、特定郵便局の局舎及びその敷地等の提供義務につきましても、只今申上げましたような趣旨から考えまして、新情勢に即應いたしまして、近くこれを廢止いたしたい、そうして原則として普通郵便局の場合におけるがごとく、國において、建物の所有者から契約によつて借入れることといたしたい、かように考えておるのでございます。又第三の點は、渡し切り費制度の運用につきましても、從來は特定郵便局長個人の、いわば請負的性格を持つておるような恰好であつたのでございますけれども、これも只今新らしい情勢から見まして適當でないと考えまして、これを公經濟化することにいたしまして、これ亦先般すでに改正濟みでございます。その他尚若干の改正を行うことにいたしておりますけれども、これらは特定郵便局制度の運用の面の問題でありまして、それら新事態に即しないところの運用上の缺陷は固よりこれを是正し、排除しなければならないと考えておるのでございますけれども、特定郵便局制度そのものは、初めに申上げましたような基本的な特色を持つております結果といたしまして、通信機關の要件とも考えられるところの大衆性、普遍性というふうな點から見ましても、特定郵便局は、第一には、先に申上げましたように、特定郵便局長は特別の任用方法によるものであり、且つ當該局長といたしまして比較的長く同じ郵便局に勤務するものでございますからして、その地方の各方面と眞に緊密なる連繋を保つて、その識見才能を十分事業の運營面に反映させて、局務成績を向上させることができると共に、一般に局務の遂行に當りまして、單に郵便局長としての責任感に止らず、これを以て自己の郷黨に對する責務としまして永續的な努力を傾けることを期待し得るのでございます。その結果郵便局をして民衆に最も親しみ易いものたらしめて、通信機關の機能を一層よく發揮することができると考えるのでございます。即ち特定郵便局は官廳機構の中にありまして、いわゆるお役所式を脱却した極めて民衆的な形體を採つておるものであるのであります。又第二には通信サービスの普及を圖る上におきまして、特定郵便局の經濟制という基本的特色は、勿論時勢の變化に伴いまして、今日では過去における程度のそのままの形でこれを維持することは許されないのでございますけれども、而も尚合理的な限度において、普通郵便局に比較しまして一般と經濟制を確保しようとするものでございまして、從つて通信事業に即應して、都市たると山間僻地たるとを問わず、先ず簡便なこのいわゆる特定郵便局を設けることによりまして、通信機關を比較時容易に普及させることができるものと考えられるのでありまして、それらの事情が發展いたして參りまして、特定郵便局では十分にサービスを提供することができなかつた向きに對してはこれを普通郵便局に改めて行くという方針で處理いたしておるのでございまして、通信サービスの普及を圖る上においても比較的效果的な制度であるということができると考えておりますので、比較的小規模な小さい郵便局といたしまして、小規模な通信機關の運營形體といたしましては最も適切な施設と考えられますので、この意味からして、遞信省といたしましては、特定郵便局制度そのものはこれを存置いたしまして、その運用上の缺陷はこれを是正しながら、制度本來の特色をできるだけこれを生かして行こうという考えで進んで參つておるのでございます。
 これを要しまするに、特定郵便局制度の撤廢につきましては、政府といたしましてこれを廢止することは考えておらないのでございまして、その運用上の缺陷はできるだけ速かにこれを是正して、そのいいところはこれを生かして行くという方針で進めたいと考えておる次第でございます。
#6
○委員長(深水六郎君) 御質疑ございませんか。御質疑がございますならば御質問願います。
#7
○千葉信君 ちよつとお尋ねしたいと思いますが、大體のお話を承つておりますと、存置しないということの大きな理由としては、二つの理由が主張されておるようでございます。一つは局長の自由任用制度という制度は、これき人格、識見の優れた人たちを廣汎に特定郵便局長に求めて行くことができる。これは勿論その土地に在住する、つまり住宅とかその他の問題についても割合に困難なく求められるということも含んでお考えになつておられるのであります。そうしてそのことをどこまでも遞信省として主張しておられるところの原因としては、仕事の能率がそれによつて非常に上るというふうにお考えになつておられます。ところが、私共實はこの自由任用制度のいろいろな理論的な問題を別としたしまてしも、全國の一萬有餘の特定局長の中で、實際に特定局の仕事をおやりになつておられる方が何人おられるか。私共は實はこの點は從來から調査しておるのでございますけれども、大半の局長というのは、もう土地を持つておるとか、或いは財産を持つておるとか、そういう一つの條本の條件がありましたために、實際に仕事に對して深い造詣を持つておるのか、手腕を持つておるなどということよりも、いわゆる一つの根本の方針のために、大體が土地の有力者であるとか、財産家が局長に任用せられる。從つてその方々は實際の仕事の點にどういうように關係されておられたかということを見ますと、殆んどの方は一つの名譽職の形で仕事をやつておられる方が多かつた。或いは又惡どい方々は、特定局長になることによつて、請負制度であるが故に利潤がそこに見込まれて來る。そういう立場から實際の仕事に對する熱意とか、或いは通信事業のサービスなんということを念頭に考えるよりも、自分のそういう立場を先ずお考えになつて、局長になつておられる方が多かつた。そういうことのために、實際の仕事というのは、元は局長代理と言いましたけれども、最近はこれを主査と言つておりますが、この主査に殆んど任せ切りであります。これは數字の上でも本省の方で御調査になれば直ぐ分ると思いますが、殆んどの特定局長というのは主査に仕事を任せていて、局長の仕事なんというものは全然しない方が多い。これは殆んど大半の局長は實際の特定局の仕事をやつておらない。やつておらないばかりでなく、仕事そのものを殆んど分つておらない方が多い。こういう實情に對して依然として遞信省は事務能率の向上とか或いは優秀な人材という言葉を使つておられますけれども、その局長の實際の仕事に對して寄與させるということについては、今後どういうふうに持つて行くおつもりで、この自由任用制度を主張しておられるのか、私共結論よりいいますと、實際どのように自由任用制度によるところの廣汎な立場からの有爲な人材でとか或いは能力者を假りに得ることができても、その方々は、實際の通信事業に對して無關心な方々が任用されて來ておるという、從來の經驗から徴しても、今後やはり依然しとて、そういう根本的には事業の能率の向上とか、事業の奉仕ということを言つておられても、期待できない。私共はかようにこの自由任用制度に對して考えております。
 それから又もう一つの事業の經濟事情によるところの問題をお取上げになつて、山間僻地にも簡便に、簡易にこの通信事業を擴張して行くということのために、經濟的な理由として、そういう山間僻地に通信事業を設置するためには、どうしても特定局というような簡便な制度によつてやつて行くより方法がないということを言うておられますが、その言つておられる主張の基本には、特定局というものを、從來のように依然しとて局舎を局長が提供するとか、その他の設備を局長が一切提供するということを條件として、局長を任用して、そうして特定局を設置する場合ならば、それは一應私共としては納得できますれども、只今の御説明にもありましたように、今後の方針としては、惡い部分というものはできるだけ改善して行く、殊に資産の問題については、局長任用の場合の資格から除かれるようでございますし、局舎の提供の問題につきましても、近くこれを廢止して行きたいということをお考えになつておられるようでございますが、更に又從業員の特遇というものも、いろいろな給與であるとか、或いは厚生施設であるとか、そういう部分が普通局と同じようにならなければならんということは遞信省も言つておられまして、そういうふうな方向に進んで行くとすれば、只今第二點として擧げられたところの通信事業の擴充のための經濟制というものが非常に變つたものになつて來るのではないか。そういう點が、本省が主張しておられるところの二つの根本的な理由についての御説明が私はどうも納得できない。その他の別な理由があればですけれども、そういう二つの理由がむしろ私共としては廢止というう方向に結び著くような結論になつて來たのではないかと、かように考えるのですが、これについて政府當局の御答辯をお聽きしたい。
#8
○政府委員(小笠原光壽君) 只今の特定郵便局制度そのものにつきまして、私共は先程申上げましたように、大體基本的な特色としては、今お話のように二つ考えられると思います。私共としては大體特定郵便局は、御承知のように都市内にあります、いわゆる集配事務をやつておらない特定郵便局というものは、大體平均五人前後ぐらいの局員しかいない。それから田舎のいわゆる集配事務をやつております特別郵便局の場合には、十人乃至十五人ぐらいが普通ではないかと思われます。そういうような非常に郵便局としては極く規模が小さい、人數の少い郵便局と、それからいわゆる普通郵便局と、大體百人前後、大キいものは數百名或いは千名以上の多數の從事員を持つているところの大規模な郵便機關というものとが必ずしも同じ運營形態でなければならないという考え方をとる必要はないのみならず、必ず同じ運營形態でなければならないということは、却つて事業の合理的な經濟的な運營の面からいつて適當でないのじやないのか、小さいものにはやはり小さいものに適當したような運營の形態を考える方がいいのではないか、かように考えるわけなんでございます。それで勿論御指摘のように、何分にも一萬三千もありますからして、局長の中には、多數の中には、若干只今御指摘のように或いは仕事に熱心でない局長もあると思う。又必ずしも感心した考え方でない局長もあり得ると思いますけれども、それはすべての局長がそうであるということではないのでありまして、そういう者もあり得るであろうと勿論思いますが、私共といたしましては、そういうふうな面につきましては、十分局長を指導したしまして、いわゆる不在局長と申しますか、局には一向姿も見せないというような局長はないようにして、指導面において十分そういう點を矯正して行きつつあるわけでございます。又反面におきまして仕事の運營について御承知の通り監察機關が常に全國の特定郵便局を指導し、監察しておるわけでございまして、仕事の仕方その他の點について適當でない者がございまするときは、これに對して必要な措置を講じつつあるわけでございます。さような方法によつて適當でないような局長がございますれば、できるだけこれを矯正し、是正して指導して行きたい。かように考えておる次第でございます。
 又經濟性の面につきましても、勿論昔のような、非常な者は、いわゆる特定郵便局の從業員の待遇が菲薄で、そのために特定郵便局の業務の運營の經費も比較的少くて濟んだでございましようけれども、そういうような不合理な體符の下における經濟制というものは、今日固より許されないこをでございますからして、そういう不合理な點は勿論是正をして、要するに合理的な限度においてできるだけやりは經濟的に運營して行くということは、これは我々として當然考えなければならない問題ではないか、かように考えるわけでございます。昔に比較して、或いは普通郵便局に比較して、それ程經濟じやないじやないかという、假りに若し言われると假定いたしましても、少しでもより經濟的であるならば、さような小規模な通信機關に對してはできるだけやはりその規模に應じた、できるだけ經濟的な運營方法を考えて行くということは、通信事業の合理的經濟的運營の面から考えまして當然必要なことである、かように考えておる次第なのでございます。
#9
○千葉信君 第二點でございますが、只今お話になりましたように、たとえほんの少しであつても經濟的であればその方がよいじやないか、こういうお話なのでございますが、私共その點について實は特定局制度による場合と普通局制度による場合の、山間僻地に新らしく通信事業を擴充する場合における特定局方式なるものと普通局方式なるものと、その小なりと雖も、一體どういう程度のものが具體的にお考になつておられるか、その點を實は承りたいと思います。このことは實は從來における特定局制度廢止における大きな基本的な問題を持ちました點でございまして、若しそれが依然として從來のように特定局の制度を強行するということによつて經濟的な利便ということが、若し又更に今までのように、そのことによつて從業員が普通局と非常に違つた待遇を受けるとか、或いは又局の運營の上において不當にいろいろの施設の點において從業員が忍ばなければならないようなことが若しあるとするならば、これは非常に大きな問題になつて來ると思いますので、只今お話になりました點を、どうして特定局であれば經濟的に行くという具體的な點を一つお示しを願いたいと思います。
#10
○政府委員(小笠原光壽君) 特定局の實際の運營につきまして、できるだけ經濟制に即するように私共は計畫しております主要な點を申上げますると、例えば定員の算出につきましても、普通郵便局の場合には御承知の通りに大量の取扱物數がございますからして、その人間の算出は、例えば郵便局の人員についていえば、郵便局の取扱物數を基準にし、又貯金の仕事でありましたならば貯金の取扱物數を基準にし、保險或いは電報、電話というようなそれぞれの事業の取扱物數を基準にして定員を算出して、そのまま、そのままと言つては語弊がありますけれども、事業別の定員を算出するわけであります。その合計した、そのそれぞれの事業別に定員を算出して、その合計したものが普通郵便局の定員になるわけであります。これは要するに大量の物數を取扱つております關係上さような方法を採つております。特定郵便局の場合には何分にも比較的取扱う物數が少いのでありまして、これを事業別にすベて人の配置を考えなければならん程大量のものがないのであります。言い換えれば、普通郵便局の場合にはいわば分業ということの考え方が強く現われておるわけでございますけれども、特定郵便局の場合には、分業よりむしろ人間に綜合的に働いて貰うという考え方で考えております。從いまして定員を彈く場合にも勿論一應事業別の物數で彈きましても、それを綜合して最後に定員を決めるという方法を採つております。それで勿論それじやどういう能率を基準にして物數を掛け合して出すかという能率の點につきましては、これは要するに普通郵便局の從業員の場合と特定郵便局の從業員の場合と、別段殊更に異つた能率を作らないで、要するに一本の能率を作ることにいたしておるのであります。勿論仕事の量、竝びに質から考えまして、大量に扱うような場合と大體扱う物數が非常に少い場合とでは能率が違つて來ることは當然でございます。その意味が特定局員なるが故に特に差別した能率を出さない、要するに能率としては特定局、普通局というような區別なしに、一定の物數なり、要するに仕事の量なり質から拵えた一本の能率を前提にして、それによつて事業別の定員を出して、それを綜合して最後に決めるというのが特定郵便局の定員の決め方であります。即ち要するに、普通郵便局の場合には分業的な人間の算出方法を採つておりますし、特定郵便局の場合には綜合的な人間の算出方法を採つておりますというふうな點が一つの經濟制の問題であると考えます。
 それから又特定郵便局における經費の使用につきましても、普通郵便局の場合には先程申上げましたように一般費によつて支辨しております。會計手續上非常な複雜な方法を採つております。又同時に必要なだけの經費をその都度支給するという建前になつておりますが、特定郵便局の場合にはいわゆる渡し切りという制度でありまして、これは今日特定郵便局にしか認められておられないのであります。一定の經費を渡り切りとして支給して、その渡し切りの範圍内において、その目的として定められた仕事に對してはその經費で一切賄つて行くというのが渡し切り經費であります。今日はすでに先般の改正によりまして公經濟化されておりますのですけれども、併しながらとにかく一定の經費を先ず渡して、それで經費の支途として示される目的は、これだけの經費によつてすべて賄うという考え方と、それから要るだけのものを出しという考え方の經費の使い方では、そこにやはり經濟制という點から考えまして必ずしも同一ではない、かような點も考えられるわけでございます。要するに經濟制と申しますのは、決して從業員の勞働條件を惡くすることによつて經濟制を生み出そうという考え方ではないのでありまして、従業員の勞働條件は普通郵便局の場合のように同一の勞働條件と申しますか、勿論量竝びに質から違つて來る點はございますけれども、要するに特定郵便局員なるが故に特に劣惡なる勞働條件でよろしいという考え方ではないのであります。そういう勞働條件はちやんとして置いて、尚且つできるだけ經濟的にして行きたい、かように考えておるわけでございます。勿論今日までの状況では、これまでまあ局舎にいたしましても、或いはその他の保健衞生設備等につきましても、勿論普通郵便局の場合には從來國費で以て直接必要な經費は出しておりますから比較的立派な設備が行われておりますが、特定郵便局の場合は、これまでは局舎を局長が提供しておりました。これは對して若干の經費は出しておりましたけれども、必ずしも十分なものではありませんから、今日の状況においては、現實にはまだ普通局と同等の状態になつておるとは申されませんが、將來この制度を改正して參れば、逐次そういう方向に漸次改善されて行かなければならないものと考えております。
#11
○千葉信君 只今私のお尋ねいたしましたことについてお答えが二つございましたが、主として二つの理由がございました。それは定員の算出問題と經費の問題でございました。實は定員の算出という問題は、先程お話がありましたように、普通局の場合については大體業種別に定員を算定する、小さい特定局の場合にはできるだけ綜合的に、分業という方法に行かず、綜合的に定員を算定して行く、こういうお話でございましたが、このことに關する限り一人の職員の持つところの能率の算定の基礎が同じであるとすれば、計算する方法が違うだけであつて、例えば郵便なら郵便はこの程度の仕事があるからこれは二人分であるとか、或いは〇・五人分であるとか、そういうふうな仕事の量によつて定員の基礎が大體確立しておることでございますから、その計算によつてやつて行きまして、例えばその特定局の場合において五つなら五つの仕事に分類して、その仕事の量によつて算定される總體の人員量が何人になるかということによつて、ただこれは綜合的に仕事を分類して定員を彈いて行くその手續が違うだけであつて、そのことによつては何ら特定局制度なるものは有利だという結論は絶對私は出ないということを考えられるのであります。そういう點について何か理由があると思つたのですが、お答えを承つておりますと、特定局であろうと普通局であろうと、その定員を算出する方法の問題でございまして、制度そのものには何ら關聯がない。それからもう一つの渡し切りの經費の問題に關する御説明によりましても、一方は一般費の會計規程によるところの支辨であつて、一定の經費をその都度その都度渡し、一方の特定局の場今には非常に簡便な會計手續によつて渡し切り經費を渡しておるからこの方が有利であるという説明でございます。併しこれも私共只今承りました限りでは、本當の手續上の問題であつて、若しその都度その都度渡すということでありましても、或いは渡し切りとして全體を一度に渡してしもうから、一度に渡してしまつて、この範圍内でやれということの方が有利である、得策であるというこの理論的結論は私は納得できないことじやないか。例えば普通局の場合におきましてもやはり渡し切り制度という制度がございまして、一定のその局における雜費については、この特定局の方でやつておりますように渡し切り制度として局長に經費を渡しておる費目がございます。こういうふうにただ單に手續の點に違いがあるのであつて、何らそのことによつて特定局制度を在存するという經濟的な有利な理由は、只今のお話では私は納得できない、かように存じます。
#12
○政府委員(小笠原光壽君) 定員の問題について申上げましたのは、要するに非常に細かい技術的な問題になりますけれども、例えば特定郵便局のような場合にはもう小さいのですから、これは郵便の人、これは貯金の人、これは保險の人、これは電報の人、何の人というように實際に必ずしも細かに、それぞれ事業別に單位の人を使う必要がない場合がございます。一人の人間が郵便の仕事もやり、簡易保險の仕事もやる、それで又そこの郵便局の取扱の仕事からいえば十分賄つて行けるというような状態の局が多いわけであります。それで定員の算出についても、事業別に先ず算出をして、その端數は、普通郵便局の場合には、事業別の端數というのは事業別に整理して行く、そうしてそれを合計するわけで、特定郵便局の場合は細かに一應事業別に彈き出して、その端數を全部合計した上で、始めて端數を整理いたす、そういうような場合は、やはり大體は基本の人數はせいぜい五人とか十人とかいう小そい人數でありますから、そうひどい違いが出て來るわけではございませんけれども、併しそこに場合によつては、端數の綜合的な整理ということによつて人間が比較的經濟に行く、併しこの場合は基本になつているところの能率は、先程申上げましたように普通局と特定局とは區別してないので、勞働條件そのものについては必ずしも差異はないということが考えられて來るのであります。
 それから渡し切り經費の問題については、現在は普通郵便局にはあれはないのです。すでに今年度から廢止しまして特定郵便局だけしかありません。それで單に手續の問題ばかりでなしに、初めから目的を定めて一定の經費を貰つて使うのと、それから貰うだけの經費を貰えるという手續の問題ではなしに、使う人の人情の問題になるかも知れませんけれども、そこに經濟制ということが全く同じとは考えられないということを申上げます。尚その外に特定の割引税といつたようなことも、これは特定の郵便局について比較的簡易輕便な方法としてそういう處置を執つておるのでございます。これは又經濟制の一つの點といつて差支ないと思うのであります。
#13
○藤田芳雄君 大臣がお見えになつたようでございますから、緊急にお伺いいたしたいと思います。さよう御承知を願います。
#14
○委員長(深水六郎君) 藤田委員らら緊急質問の動議が出ております。御異議ございませんか。
#15
○委員長(深水六郎君) ではどうぞ。
#16
○藤田芳雄君 最近の新聞報道によりますと、電話の設立擴張につきまして架設加入希望者から一口について二萬圓くらいの公債を買つて貰つて、それによつて擴張を計畫したいというようなことが決まつたがごとく報道されておるかと思いますが、これは相當影響するところもあると思いますし、私共初めてなものでございまして、事實そうした計畫がなされておるのか、或いは今後そうした御計畫が考えられておるのか。
 いま一つ通信鐡道關係の現業と事務とを分けて、事務の方は運輸の方と一緒にし運輸通信廳というようなものにでもするか、そういうような形における行政機構の改革がおよそ考えられておるという話も報道されておるようでありますが、これも相當に響くところが大きいと思いますので、私共もその點はつきり分りません。のみならず國民一般も相当關心を持つておることと存じますので、その點この際明かにして頂きたいと思います。
#17
○國務大臣(三木武夫君) お答えいたします。最初の電話の問題でありますが、御承知のように建設勘定、殊にこの電話の架設につきましては、從來一般公債によつて電話をいたしておつたわけでありますが、今日の財政状態からして一般公債の發行が制限を受けまする關係上、何か遞信省としてこの際方法を考えて行かないならば、電話の復舊増設ということが思うように行かないという事態に立到つたのであります。そこでその方法論としていろいろな方法も檢討いたしておるのでありますが、一つの方法として電話の架設の希望者に、今御指摘のような二萬圓程度の公債を買つて頂いて、そうしてそれを財源として電話の架設を殖やして行く。そういう案も一つの案といたしまして目下それを檢討いたしておるのであります。併し一面において二萬圓の公債を買つて頂くという結果、電話の一般復舊という點にもいろいろこれは考えなければならないので、若しさようなことにいたしますならば、一方において公衆電話のような一般大衆が電話の利用のできるような、一つの公衆電話を思い切つて殖やして行く。こういうことでその間の電話に一般大衆化というものとの間の矛盾を解決して行こう。こういうことで今檢討いたしておるのでありまして、この案が成案を得ているという時期には達していないのでありますが、新聞紙にはもう決定したかのごとく報じられておつてのでありますが、今それも一つの案として檢討をいたしておる段階で、或いはこういう方法によつて議會に御審議を願う結果になるかとも思つておりますが、只今のところは成案を得ている。もうそれで行くのだということが言い切れる段階にはなつておりません。
 それから第二の御質問の、何し申しますか、通信公廳と申しますか、鐵道、通信のような現業官廳を行政組織と切離した特殊な一つの機構を考えるということであります。これは大分前に私も新聞紙上で讀んだのでありますが、それで大體こういうふうなことを研究するのは行政調査部でやつておるものですから、齋藤國務大臣にもそういう案があるかという質問をしたのですが、いや、そういうふうな研究もしておるので、まだ何も聞いていないということでありまして、これがそういう公廳案というものが實際に決まつて、そうしてそれを檢討しているというのではなくして、行政調査部でそういう一案を考えておるものもあるということで、まだ遞信省にそういう案について正式な打合せ等を受けているようなことはないのであります。行政調査部の一試案として、そういうことも考えられておるという段階にあることを御了承願います。
#18
○委員長(深水六郎君) その程度でよろしうございますか……。それでは引續いて特定局制度の質疑に移ります。
#19
○千葉信君 どうも只今承りました御説明の範圍内では、私共はこの定員算出の問題にいたしましても、渡し切り經費の問題にいたしましても、特定局制度はこういう良い美點があるから、存置すべきだという根據には私はならないと思います。私の言いますことはもう少しこの制度を存置することによつてはつきりした、先程もお話がありましたように、事業の經濟制ということを考えてこういう經濟的な利點があるからこの制度は存置しなければならないという御意見の少くとも基礎としては決して只今のお話は根據にならない程度の薄弱なものだ、もつと別なものがございましたら又私共考えなければなりませんけれども、この程度のものでございましたら、遞信當局が特定局制度を存置すべきだという根據としてはこれは非常に貧弱であつて、むしろこの程度のものならば四十萬の從業員があれ程熱望しておるという状況から考えましても、遞信當局としてもむしろ従業員諸君の要望に應うべきではないか、この程度の理由を以て存置にどこまでも強硬に向われるということは徒らな摩擦を生ずるわけであつて、私はむしろこの程度の理由で存置を主張される逓信局の考え方というものは、本當に正しい立場に立つて存置を考えておられるのじやなくして、何かの勢力に、何かの働きかけによつて非常に左右されて存置しようという考えを持つておるのじやないかというふうに私共は考える次第でありますが……。
#20
○政府委員(小笠原光壽君) 私が先程申上げたのは勿論全部を申上げたのじやないのでして、根本的な、要するに基本的な特色としては先程申上げたような二つの特色がある、そういう二つの特色からして極めて民衆に親しみ易い通信機關であり得るし、又普及上も比較的便利である有利である。從つてそういう意味における基本的特色というものは飽くまでも尊重して行きたい、かように申上げたのでございます。ですから先程申上げましたのは經濟制とは全然言えないというようなお話かのようでありますが、或いはそこまでではなくても非常に薄弱であるというようなお話のようでありますが、程度の問題はこれは又別の問題としまして、方針としてとにかく小規模な通信機關はその小規模の通信機關として適當な運營形態を考えて、それは先程申上げましたような基本的特色を持つておるところの制度をこれを存置して行くことがよりいいのではないかと、かように考える意味において必ずしもこれを撤發するということが適當とは考えないのであります。そういう意味で特定局制度そのものは存置するけれども、惡いところは直して行きたいと、かように考える次第であります。
#21
○水橋藤作君 先程も千葉委員の質問に對してのお答えの中に、自由任用制の問題の中に、第一線の現場長であるべき局長が通信事業に直接に仕事はしないで、要するに名前だけの局長であるということを千葉君が指摘したにも拘わらず、實際事業に相當貢獻しておるという官側の見方とで相當の開きがあると私は考えるのであります。その際最近においては相當惡質なものを改善しつつある。又監査等も派遣して相當それには改善されつつあるということを言われましたが、それにつきまして、最近に何か惡質な局長を取替えるとか、或いはそれに對して處分したとかいうような何か数字か例がありましたらお知らせ願いたいと思います。局が自發的に、從業員に指摘され、漸く調査して初めてその局長を調査し、或いはその局長に對しての處分も多少あつたかと思いまするが、それに手を著けられるまでには從業員は相當の戰いをして始めて漸くそれが實施せられるのでありますが、官側から自發的にそれを調べて、これは局長は現場で十分にやつていない、適任でないというような見解に立つて、その局長のすべてに對しての處置を取られた實例をお示し願いたいと思います。
#22
○政府委員(小笠原光壽君) 特定局長の不適任者の匡正につきましては常時勿論やつておるのでございまして、勿論監察の際等に適當でないという事實を認定した場合には、當該局長を呼び出して必要な注意を與え、又は勧告し、場合によつては相當處分するということはこれは常にやつておるのであります。ただその具體的の例を示せというお話に對しましては、これは今具體的の例をちよつと持ち合せがございませんので、ちよつと具體的にお答えすることは困難でございますが、とにかく官側といたしましても、先程申上げたように、常に特定局長の自省を促し、反省を促し、やつておることはこれは常時私共努力いたしておるところでございます。
#23
○水橋藤作君 最近に起きました一つの例か二つの例かお分りになりませんか。つまり局長を適任でない、不適任として取替えるというようなことを、官側でも調査した結果を見て、そういうふうな一例が一つで二つでもありましたならばお伺いしたいと思います。
#24
○政府委員(小笠原光壽君) 特定局長の人事につきましては、御承知のように現に逓信局でやつておりますので、私の方には具體的の材料を只今は持ち合せておりません。
#25
○水橋藤作君 一つも分りませんか。
#26
○政府委員(小笠原光壽君) 只今ないのですが……。
#27
○水橋藤作君 私はその點なのでありまするが、恐らく相當數あるところの特定郵便局の中に相當の不適任があるということは重々御承知の筈だと思うのです。通信事業に長らくお勧めになつておられる方は、いろいろな答辯などなさつても、そういう局長があるということを御存知の筈だと思うのであります。併しながらその局長に手を著けるまでには相當難關である。そうした問題が縺れて、この特定局發止問題が大きく取上げられるのでありまして、それを假りに今お伺いしても、最高の責任者であるけれども、數ある中の一つの局を自發的にこれは適當でないから局長を取替えたという返事ができ得ない。それは惡いからやつておると言われておることに對しての裏付けとしては私は淋しい感じがいたしますのですが、併し近いうちに具體的にお示し願つて、そういうのは從業員の言うばかりでなく、局では自發的にそういう惡いのはどんどん取替えて行くのだ。何處と何處とがあるのだということをお示し願いたい。どうぞお願いいたします。
#28
○千葉信君 それから只今の自由任用の問題でございますけれども、大體特定局制度というものは非常に非民主的な封建的な制度であるということを、これは從業員諸君も掲げておりますし、それから本省においてもこういうことは十分お認めになりまして、有らゆる角度から特定局の制度自體の中でいろいろな部面で改善を圖つておられますが、その大きな封建的な特定局制度の缺陥がこれまで大きくうん釀して來たということの基本の原因はどこにあるかというと、私はやはり從來の特定局長を任用するという場合の方針なり、或いは又任用された局長がこの制度自體の中にあつて、できるでけ自分の懷ろに物を捻じ込む、物件費であるとか、或いは人件費などの中から、できるだけこの制度自體の缺陥の中にあつて搾取して來た。そういう部分が結局基本としては局長を任用する場合も、自由任用制度なるものを、つまり財産であるとか、或いはその他の局者の提供義務であるとか、そういう制度を設けて任用して來たために、私はこういう封建的な特定局制度などが非常に害惡を流して來たことの原因だと思うのでありますが、そういう自由任用制度を本省では更に現在に至つてはこれは非常によい制度だ。少くとも現在のような社會情勢の中にあつては、限られた文官任用令によるところの任用の方法よりも、あらゆる角度から、あらゆる分野から特定局長を任用することができるのだ。從つてその範圍が廣ければ廣いだけ、ますますこの事業の中に有爲な人材を吸收して行ける、時代に適合したところの自由任用制度としての活用を考えておるといういつかの御説明は、私は聽いたこともございますけれども、併しながら從來そういうふうな一つの缺陥として指摘されなければならなかつたような特定局長の自由任用制度なるものが、今一遍に時勢がこのように變つたからといつて、その時勢に從つて從來採つて來たところの自由任用制度が、飛躍的に理論的に、よい制度だからという理由の下に、果して私共贊成できるような上手な運營をやつて行けるかでうか。遺憾ながら從來の特定局長の任用などの場合にありましては、世襲などということも實はございまして、この世襲の問題になりしまては、一つの特定局の中で何十年も眞面目に働いて來た從業員が、最後には先程申上げたように、代理であるとか主査になつて、實際上その仕事を眞面目にやつて、挺身して來た。ところが從來のこの制度による缺陥のために、その局長が何かの事故があつたり、或いは又他界されたりいたしますと、二十年も三十年もそういうふうに眞面目にやつて實際の局長の仕事を殆んどやつて來たところの主査なり、局長代理なりが局長にならないで、その局長の息子であるとか、親戚が直ぐその局長におさまつてしまう、こういう場合に一つの事例として私當りましたことは、町民の一致した要望や或いは又その他からの懇望によりまして、局長の事故があつた後で、それらの主査なり代理が局長になるというふうな段階に至りましたときに、その前局長の遺族の方や親戚の方々が、飼犬に手を咬まれた、永年二十年も三十年も、子飼いにして來た現在の代理が、自分の方の局長になろうとして運動を起して、飼犬に手を咬まれた、そういうような非難が非常に局長の遺族なる方から上りまして、その話が一應頓挫したことがございましたが、こういうふうにその局長だつた方はもうその特定局長なるものを私有財産のようなつもりになつておる。そうして極端な、飼犬に手を咬まれたなどという言葉を以て報いている。ところが、實際上二十年なり三十年なりの間、その代理は眞面目に自分の一生を捧げて、その局の運營に事實上局長の仕事をしながら當つて來たのだ、そういう状態があるのでございまして、而も從來の自由任用制度を更に今後も繼續して、時代に適合したところの非常に立派な制度だなどと、一遍に掌を返したようなお考えを以て、こういう全國的に亙るいろいろな只今申上げたような事例が起らないような、立派な運用をやつて行けるかどうか。私はそういう點について非常に懸念を抱かざるを得ないものでございます。こういう點について一つどの程度にこの自由任用制度を運用して行く方針をお持ちになつておられるか。具體的には、例えばどういうふうにこの制度の運用の萬全を期しておられるか。そのことについてお考えを持つておられれば御意見を承りたいと思います。
#29
○政府委員(小笠原光壽君) 私共が自由任用制度を維持して行きたいと考えておりますのは、勿論その純粹の意味における自由任用制を維持して行きたい、かような意味でございまして、必ずしも過去における特定局長の自由任用制そのままの形で維持して行たいと考えておるわけではございません。要するに自由任用制は經驗とか學歴とかそういう特別の枠なしに、枠を外して、廣い範圍から廣い視野を持つて適當な適材を任用し得るという、そういう意味における自由任用制として適當なものである。かように考えておるのでございます。勿論特定郵便局長の自由任用制につきましては、これまでは先程お話申上げましように、一定の……相當の資産を有する者というようなことが條件になつておつたのでございます。又局舎を提出しなければないという一方的な義務を負擔される、或いは特別な賠償責任を持つ、いろいろと物的な條件が附加されておりました。かような條件を持つておるところの自由任用制は勿論今日の時代から見ては適當ではないと思われますので、眞に人材の面に即した自由任用制を實施できるように、もうすでに資産要件もこれをすでに撤廢し、賠償責任もすでに一般官吏と同樣に修正し、局舎提供義務については、近き將來において提供義務はこれを廢して參りたい、かように目下努力いたしておるのでございまして、過去において恰も一種の世襲的な觀を呈していたことは事實でありまして、それがために從業員側からも特定局長の地位は世襲制であるというふうに誤解を受けていた點があると思います。これは必ずしも、勿論遞信省としては世襲制を採つていたわけではないので、今後においても勿論前局長の相續人であるが故に特別の優遇をするというようなことは全然考えておりません。勿論前局長の相續人である場合におきまして、その人物が適當である場合には、勿論局長候補者として考慮いたしますことはこれは當然でございます。要するに相續人なるが故の特別な扱いはしないという方針で考えておるのでございます。要は眞に特定局長として適任であるところの地方事情に即した立派な人を任用したい、任用して行きたいというそういう方針でございまして、そういう方向に副つて任用條件等を改正し、今後の運用の面におきまして十分遺憾のないように努力いたして參りたいと考えておる次第でございます。
#30
○藤田芳雄君 この撤廢についての請願があると同時に、又存續の請願も出ておるやにも聞いております。そうすればそれと裏表の聯關する問題でありますし、而も相當響きの大きい問題にもなりますから、本日はこの程度に止めて、後のものと一緒にもう少し審議いたしましたらいかがと思いますが……。
#31
○委員長(深水六郎君) 只今の藤田委員の動議が出ておりますが、いかがでございますか。
#32
○委員長(深水六郎君) それならば只今の動議に御異議がないと認めまして、この問題は、請願の問題と併せまして、次囘に引續きこれを審議することにいたします。又本日日程の順序を變えましたけれども、これもその際併せて又お諮りして審議したいと思いますが、いかがですか……。それでは本日の委員會はこれを以て終了いたしたいと思います。有難うございました。
   午後三時十二分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     深水 六郎君
   理事
           水橋 藤作君
   委員
           鈴木 清一君
           千葉  信君
           中村 正雄君
           大島 定吉君
           鈴木 順一君
           油井賢太郎君
           井上なつゑ君
           鈴木 直人君
           藤田 芳雄君
  國務大臣
   遞 信 大 臣 三木 武夫君
  政府委員
   遞信事務官
   (郵務局長)  小笠原光壽君
   專門調査員   後藤 隆吉君
ソース: 国立国会図書館
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