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1947/08/27 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 皇室経済法施行法案特別委員会 第3号
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1947/08/27 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 皇室経済法施行法案特別委員会 第3号

#1
第001回国会 皇室経済法施行法案特別委員会 第3号
  付託事件
○皇室經濟法施行法案(内閣送付)
○日本國憲法第八條の規定による議決
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十七日(水曜日)
   午前十時五十一分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○皇室經濟法施行法案
○日本國憲法第八條の規定による議決
 案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(徳川宗敬君) それでは前會に引續きまして委員會を開きます。
 尚本法案は昨日衆議院の特別委員會を議了したそうでありますから、そのことを申上げておきます。ではどうぞ御質疑を願います。
#3
○岡本愛祐君 私は、前囘電氣委員の方で出張しておりまして休みまして、實はどういう御質問がこれまで出たか存じません。或いは重複することがありましたらお許しを願います。民情視察のために陛下が諸々方々、殊に戰災を受けたり災害があつた地方に行幸になりまして、いろいろ御視察になり、又御激勵の御言葉を賜わつていることは誠に結構なことと存ずる次第でありますが、これに關聯して、餘りに供奉員といいますお供をする者が多過ぎるという非難の聲も亦方々に擧つておるようでありますが、これは行幸を直接受けた方からも聞きましたし、又これは相當いわゆる地方のちやんとした人であつて、非難せんがために非難をする人じやない。又こういう非難が非常に多いということを、直接でなくて間接に聞いたともしばしばございます。たまたま先日九州へ参りまして、九州タイムスという新聞を見ますと、その投書欄に「録音盤」というのがございますが、「行幸を食うもの」、という表題であります。
 天皇陛下が關係各縣知事の懇請に應じて九州に行幸遊ばされるということは非常に結構なことである。私は共産黨員でも天皇制廢止論者でもないが、併し有難がるより先に考えて見たいことがある。
 六月上旬の關西行幸の節、京都に滞在してつぶさに實情を見聞した私は、多くのことを考えさせられた、今だに天皇をかさにきる連中の多いことだ。中央地方を通じて何百か何千かの大官や高官が大名行列よろしくやつて來るが、彼らの長い道中に、外食券や主食を携帶して來たとは聞いていない、それどころか地元官民も交つて結構な白飯に豪華料理が毎日無料である。これは一體どこから出るのか、人民は何十日も米の顔を拜んでいない。こういうような趣旨でこれは供奉員が非常に多いということはいつておりませんが、非常にお附きの者が多いということは非難しておるのであります。それで、直接經濟法に關係は薄いかも知れませんが、併し行幸經費というようなことも關係がありますから、お尋ねして見たいと思います。今度の東北の行幸に際しまして宮内省の本當の供奉員というものはどのくらい、何人あるか、又それに附屬した地方から補充した者は何人であるか、こういうことが概算でよろしうございますからお分りになつておれば、御報告を願いたいと思います。
#4
○田中利勝君 それに關聯して……。
#5
○委員長(徳川宗敬君) 田中君
#6
○田中利勝君 私も過日福島縣に陛下がいらつしやつた時にお抑えしたのですけれども、いまの前の委員の仰しやつたような件を痛感しているものでありますが、東北に行幸遊ばされるにつきまして、その費用の點はどのくらいであつたかということは今の委員の質問になかつたのですが、それも附け加えまして御説明願いたいと思います。
#7
○政府委員(加藤進君) 御答えいたします。東北六縣に互りましては日數が非常に長かつたので、これは前例になく供奉員の實員數は上つておつたと承知いたしております。約八十名少し缺いた人數と存じますが、この内譯を申しますと、實は自動車鹵簿が三組、この三組は一組で側車を入れまして六名になりまして、これに、整備員を三、四名を加えますと十名になります。この三組が交互にお出先き、にお出先きに繰返えして參ります。八十名の中三十名は自動車の用員であります。これは現在地方からちよつと補充のできない用員であります。その他に事務、先地御宿舎の設備をする等の者、警衞の者等を合せまして約二十名くらい、これが繰りかえ繰りかえ行つております。それから雜用します者が約十名、それから本當の陛下のお伴をして現場にお附きをしているような者が殘りでございます。この八十名は、非常に御日程が迫つておりまして、先著或いは後始末というものを含んでいるのでございますから、實際の御一泊の御旅行の場合には、これは自動車の部員、警衞用員等を含めまして四十名から三十名の間になつております、そう多く見えますのは、實は宮内省から參ります外に、政府から參りましたり、或いは地元の官廳等の方、その他いろいろの方が附きますので非常に多くなりますが、これは私共もできるだけ少ない方が、陛下と國民とお接しになるのに静かでよくお氣持ちが通じ、國民の氣持ちも通うということに相成りましてよろしいかと存じておりますが、なかなかさようになつて參りません。それから食事のことが出ましたが、これは各地で私共巡幸の計畫をいたし、地方の奉抑される方に接します場合には特にその點を要望しているのでありますが、場合によつてはやや度が過ぎた場合は確かにあつたようであります。但し東北六縣につきましては特に嚴重に申上げまして度をずつと減らし、我々も地方の窮状を考えながら、いただける程度のものに要望いたしましたし、それから供奉員全部は外食券をもつて參りまして縣に外食券を渡しております。
 費用の點でありますが、費用の點は供奉員のいろいろの旅費、先發、後發その他汽車で往來する旅費もありますが、旅館に對する支拂い、自動車の運送費その他の雜用費を合せまして約二萬三四千圓の豫算でございます、大體これを……。
#8
○岡本愛祐君 二萬三四千圓というのは非常に少ない、この間我々が九州を族行いたしましても平均三名參りましてそれで九日間行つたのですが二萬圓ぐらいかかつた。
#9
○政府委員(加藤進君) これは一日ですよ。
#10
○岡本愛祐君 ああ一日あたりですか、分かりました。
#11
○山田節男君 今度出された皇室經濟法施行法案が實施されますと、當然法律第七十一號の皇室經濟法の施行に關する法律が廢止されると思いますが、第二條のいわゆる内廷費、これは「物價の變動その他の事由により、前項に定める額が、不適當と認められるに至つたときは、速かにその額の變更について、法律改正の手續をとらなければならない。」こういうのがありますが、この施行法が通りましても今日の經濟状態から見て、これは内廷費ばかりでなく皇族費、宮廷費は、宮内府の方の費用は費加豫算かも知れませんが、その他のものは今度どういうふうに……法律第七十一號の第二條に注意してあるのですが、いわゆる物價の變動によつて……。
#12
○政府委員(加藤進君) 皇室經濟法の施行に關する法律のときは、第二條におきまして、「前項の規定は、この法律施行後二年を限り、その效力を有する。」といたしまして「但し、物價の變動その他の事由により、前項に定める額が、不適當と認められるに至つたときは、速かにその額の變更について、法律改正の手續をとらなければならない。」非常に變動が多くなつて参りまして、その八百萬圓でどうやつて行くかという目途も立ちませんので一應そうなつておりますたのですが、本法を決めますときは更にこういう條件がありますときは改正するのは當然のこととも考えられますし、それよりは一應八百萬圓という額を現状において抑えて行く、將來の状況は殊に皇室經済法におきましてはいろいろの經済法に額が決まり、施行法に額が決まりますが、これを不適当と認めるときは變え得るようなことが第四條でございますが、四條の第三項に「皇室經済會議は、第一項の定額について、変更の必要があると認めるときは、これに關する意見を内閣に提出しなければならない」とし、「前項の意見の提出があつたときは、内閣は、その内容をなるべく速かに國會に報告しなければならない」とし、皇族の方にもこれを適用してございます、かようにいたしまして、經済法と本法とこれと密接なる關係を持ちまする施行法とが成立いたしますれば、そうして皇室經済會議の運用、これに關する内閣の措置、國會法の措置といいましたような當然のことは書く必要がないかとも存じまして、ここに落とした次第であります。
#13
○山田節男君 實際上の問題といたしまして、例えば國會が休會中というような……、これは今後の國會は相當長期に開かれると思いますが、若しこれが休會中であつたというような場合、そういつたように今日の非常に物價の變動の激しい場合、非常に調子が急な場合において、今仰しやつたこの條文で大體處理できる自信がありますか。
#14
○政府委員(加藤進君) 八百萬圓は實を申しますれば豐かな額ではございません。可なりに緊迫した額でございますが、何と申しましても、額が八百萬圓という額でありまして、色々な方面を詰めて參りますれば、非常に大きなことが、國家の大事としなければならないような大きな事情でも起きますれば別でございまするが、通常の場合に對しましては、皇族の品位を缺くことなく、又御窮屈な思いをかけることなくして、八百萬圓でどうにかやつて行けるかと存じます。但し現在では物價は非常に騰貴いたしておりまするので、今年はこれでやりまするが、或いは來年等になつて、更にこれ以上に物價が騰貴するという事情になりますれば、法律の改正、豫算の増額ということも起きないとは限りませんが、非常に大きな事態が起きない限りは、大體に年初に決めました定額でやつて行ける積りでおります。
#15
○田中利勝君 私は前囘の委員會には出ておりませんので、或いはどういう質問が出たか、その後速記録がまだ參つていないので見ておりませんが、その分らない一點、舊皇宝財産總額三十七億一千なにがしという金額ですが、その總額の内容、種類ですね、動産、不動産というものはどういうふうなものであるかということの説明を願がいたいと思うのですが。
#16
○政府委員(加藤進君) 舊皇宝財産總額の三十七億千五百六十二萬八千百九十五圓、これの内容についてのお尋ねでございますが、その細から内容につきましては第一表に示してございます。これは御承知のように財産税納付の際の計算といたしまして、一般の財産税の評價標準に則りまして計算をいたしたものでございます。この表によつて御説明申上げますというと、土地は百三十四萬九千五百五町歩、その金額が七億七千二百餘萬圓、こういうことになつております。この土地は大部分はいわゆる御料木と申しまする山林でございます。次は建物でございますが、これは十九萬二千三百九十六坪ございまして、この價格二億三千四百餘萬圓ということになつております。それから立木等は、これ又普通の財産税の評價標準によりまして評價をいたしたのでありまするが、結局土地の上に立つておりまする立木の評價額でございまして、十六億三千九百餘萬圓ということになつております、次の船舶でございまするが、これは林野經營上持つておりまする船舶、極く小さな船でございまするが、一應財産税の課税の際にこういう課目がございますので、ここに金額は少うございますが一萬五千圓、その次には營林物件、これは御料林經營上の、例えば森林鐵道でありますとか、軌道でありますとか、その他の營林上必要なる諸物件を集めたものでございまして、これが三億八千餘萬圓ということになつております。その他は七億九千三百餘萬圓ということになつておりますが、その中の大きなものといたしましては有價證券が二億二千二百餘萬圓、それから帝宝博物館等にありまするところの美術品、これが四億四千九百餘萬圓、こういうことになつております。その他依金、現金が五千五百萬圓等を合せまして、只今申しましたところの七億九千三百餘萬圓という數字が出ました。合計いたしまして積極財産は三十七億四千七百餘萬圓でございますが、それにつきまして、例えば宮内省が拂いますところの恩給債務、或いは林野經營上の債務、そういうようなものが三千二百餘萬圓ございます、それを差引きまして、結局財産税の課税の對象となりまする皇宝財産の総額は三十七億千九百餘萬圓となります。
#17
○田中利勝君 第一條に「皇室用財産は。收益を目的とするものであつてはならない。」ということが書いてありますが、この財産の中からおのずと收益が上るものがあるのじやないかと思うのですが、その點何如ですか。
#18
○政府委員(加藤進君) 法律的に申しますれば、收益を目的としてはいけないと書いてありますのであつて、收益が自然に、仰しやるように伴わざるを得ないものも出て參りますが、現状から申しますと、現在では有價證券を持ち得ますが、有價證券は持つておりませんので、この面においてもございません。それから特に收益を生ずるような財産はございません。ただ下總の牧場を經營いたしておりますので、これを外部へ賣るというような場合には、收益は上り得るようなことになるかも知れませんが、この目的は皇室の御用、外賓接待等に使つておる、自家のためでございまして、現状から申しましても現在收益を上げるために經營しておるものはございません。
#19
○山田節男君 前囘の委員會で河井委員からちよつとお話が出ましたが、それに關連して臣籍に降下される皇族の、降下された後の職業の問題です。職業の選擇は勿論自由でありますが、臣籍に降下されたとはいえ、やはり皇族の血を引いておられるので、その就く職業については相當の品位というか、皇族の尊嚴を保つ上において非常に必要なことだと思うのであります。今後臣籍降下され、皇室經済法の第六條によつて相當の金額を貰われるということになりますと、その職業、殊に營業をする、事業をするというような場合には、宮内府としてその職業の選擇ということについて、或程度の何と云いますか、監視と云つては語弊がありますが、指導というようなことがありますか。
#20
○政府委員(加藤進君) 非常にむづかしい御質問でありまして、私共の希望いたしまするところも、正しく御質問の要旨の通りでございます。皇族の列をお離れになりましても、そのお選びになる御職業、活動の分野等が國民の敬愛の念に背かんものであることを非常に念じておりますし、そのように御注意もしなければいけないのでございまするが、絶對にこれを拘束申上げるということもできませんので、私共宮内府の方より現在におきましても、將來の御活動に對しましていろいろ申上げまして、御忠告を容れて頂いたこともありますが、尚不適当と認めらるような場合も將來出て來ないとも限りませんけれども、できるだけかようなことのないように、十分の努力をいたしたいと存じます。
#21
○中川幸平君 この第五條と第七條の金額が少いのじやないか、ということについてお尋ね申したいと思います。從來と違つて國庫から國民の税金をお上げして、それによつて災害のあつた場合に、お見舞或いは義捐金、その他の御奬勵に御下賜になるということは、封建的なやり方でないかという御話もありましたが、私共はこれらの事柄はもつと充實したやり方をして頂きたい。何といたしましても國家の象徴であり、國民結合の象徴であつて、國民全般の崇敬の頂點であるので、親樣と差はないのであります。この親樣が災害のあつた場合、思召を以て御下賜金を下さる、又慈善事業その他について、御奬勵の意味を以て御下賜金を賜わるということは、大變有難いことでありまして、左樣な際に當時者の發奮の心、それらの點を考えて見ます時に、どうかかようなことは十分に思召ができるようにして頂きたい。それらの際に金額の高は決して申しませんが、從來と違いまして、相當高騰いたしておる際に、餘り小さい金額ではどうかと考えるのでありまして、世の遷り變りに伴うて、從來罹災者が一軒一圓ぐらい分ける程度でよかつたものが、今日十圓平均でよいか、或いは百圓平均でよいかというようなことを考えて頂きまして、やはり金額の高は論ぜんというものの、やはり相當なことをして頂くということも大變よいことでないかと考えるのでありまして、どうかこの點をお調べ下さつて、この法律を今修正するとか、何とかと申上げるのでなく、今後豫算を組まれる際に、當委員會の委員長として衆議院の委員長とも御相談下さつて、どうか當事者と御相談をして頂きたい。
 又七條のこの經費にいたしましても、果して八百萬圓で御不自由なく經理がやつて行けるかどうかという點を當委員會として十分その點を調査するということがいいのではなかろうかというような點も考えるのでありまして、委員長の計らいによつて當委員各位と御相談を願い、又それらの點につきまして政府當局の御意向をお尋ね申上げる次第であります。
#22
○政府委員(加藤進君) 當局といたしまして御説明、お答え申上げます。衆議院の特別委員會におきましても只今仰せられましたと同趣旨の御質問を受け、又希望を皆さん方表明されたのでございます。お答えといたしまして第五條は百二十萬圓となつておりまするが、これを受けます方と、賜わりまする方との兩方面から申上げます。受けます方につきましては、無論國民が我我國民が赤誠を以て獻上いたすものは、その心持を以てお受けになるように處理いたしておりまするが、著しく財産の超過になりますようなもの、著しく高價のようなものとか、或いは現金とかは受けない方針で處理いたしておりまするので、百二十萬圓で、先ずこの範圍で十分であろうと存じます。この國民を慰しめ、或いはお勵ましになるためにお出しになる金額につきましてはこの金が結局國民の租税徴收その他を財源として出ておる八百萬圓等の中から出なければならんということも考えられますし、又單にお勵ましになる、お慰めになるということが金だけの方でなく、他の方法も考えられまして、必ずしも以前の方法をとつておるわけでありませんが、現實の陛下の賜與の效果を考えまして、ここに百二十萬というものを考えておる次第であります。現状と同額の百二十萬圓を考えておる次第であります。併し實際の御活動はこれより更に超えまして必要という見込でございますので、これに更に百八十萬圓の金額をお慰めのために、或いはお勵ましのために出す。但しこれは憲法八條の精神に從いまして國會の議決を求めるという形で、この方は更に百八十萬圓を考えまして、終局賜與につきましては年額三百萬圓というところまでに考えておる次第でございます。それから八百萬圓につきましては、これは先程もちよつと申上げたと思いまするが、決して現在の物價の状況から考えまして、十分な金額とは申せません。但し相當な額と申しますので、この間を當局といたしましては十分なやりくりをいたしまして、陛下竝びに御親近の方々の品位の保持、御活動には支障なく、且つ又特に窮屈な思いをおさせしないように先ず働いて參りたいと思います。但し經濟が更に變りまして、來年度になりますれば、或いは状況が變じまして増額をお願いするということもないとは言えないと存じます。
#23
○委員長(徳川宗敬君) 中川君に申上げますが、政府としてのお答えは只今のお聽きの通りであります。委員長への御希望も十分了承いたしました。
#24
○河井彌八君 この法律によりまして皇族の大多數のお方が臣籍に御降下になる便宜の途を開かれるわけであります。ここで私は伺いますことは適當であるかどうかは知りませんが、大體似通つた關係において氣になることが一つある。それは李王家に對して國家はどういうことをせられるのであるか承りたい。これは御承知の通り朝鮮との日韓合併當時におきましては、明治天皇が李王家に對して特に思召を表明せられまして、今日の李王殿下に對しましては伊藤公を特に轉導の任に當らせられました。それから又皇室としての李王家に對する御待遇は皇族に準ずる御待遇をなすつてお決めになつたと承つております。それから尚經費といたしましては年々百五十萬圓をば國庫より李主家に御歳費と申しますかの形を以ちまして給與せられるというのが大體のこれまでの日本の國家及び皇室が李王家に對する關係として現われておると思うのであります。ところが戰爭の終局の結果、そういうことは從前の如くに取り計らうことはできないのは勿論でありますが、併しさればというて、やはり國として何か相當な方法をとるべきものではないかということも考えられるのでありますが、これ等に對して政府はどういうお考えを持つておられるか、その實行の方法等について承りたいのであります、少し問題は重大な問題と私は考えております。この法律に直接當るものではありませんけれども、この機會にその點を明かにして置きたいと思います。
#25
○政府委員(佐藤達夫君) それでは私から便宜、當然河井委員その他御承知のことでありますけれども、法律的の關係を一言申上げさしていただきまして、あと實際上の問題につきましては宮内府の政府委員の方から必要がありましたら御説明を願うことにいたしたいと思います。御承知のように、李王家に屬せられる方々は、從前の憲法におきましても、皇族ではございませんので、一應臣民の一部分として考えられておつたわけであります。新らしい憲法におきましては、御承知のように天皇及び皇族に關しましては、特別の御地位を憲法上認めておるのでございますが、それ以外の一般の國民につきましては、例えば皇族その他の貴族の制度は認めないという條文もございますし、又社會的、經濟的その他の關係におきまして、すべて平等の取扱いをしなければならんということに憲法上相成つております關係から、國家的と申しますか、そういう面から特殊の方を特別の取扱いを申上げるということは法制的には困難なことでございます。私としては、その法律上のことを、御承知のことでありますけれども一應申上げて置きまして、あとは宮内府の方の政府委員から申上げることといたします。
#26
○政府委員(加藤進君) 速記をお止め願つてよろしうございますか。
#27
○委員長(徳川宗敬君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#28
○委員長(徳川宗敬君) 速記を始めて。
#29
○岡本愛祐君 先程政府委員から御説明がありましたが、第五條の百二十萬圓、それに合わせて外に百八十萬圓支出する途があるというお答でしたが、それは法律上の手續というようなものはどうなりますか。
#30
○政府委員(加藤進君) 別に本案と、經濟施行法と一緒に付託されております、憲法八條による議決を求める案件、これによりまして、八條の議會の同意があつたものとなつて支出が可能になる譯です。
#31
○岡本愛祐君 これが百八十萬圓ですか。
#32
○政府委員(加藤進君) 百八十萬圓というのは年額において百八十萬圓で、これは今年は八月から施行になりますから、その三分の二の百二十萬圓ということになります。
#33
○岡本愛祐君 それで分りました。
#34
○山田節男君 皇室財産の處理に關する調査の中の第一表によりますと、大體財産税の對象となつたものを差引いてみますと約四億圓のものが殘る。この約四億圓の皇室財産からまあ現在のところは株券にいたしましても配當もいたしませんし、大體この約四億圓の財産から期待される果實と言いますか、インテレスト、それはどのくらいの額になるか示して頂きたいと思います。
#35
○政府委員(塚越虎男君) 舊皇室財産の總額から財産税を納めましたあとの額は、御承知のように憲法の八十八條の規定によりまして國の方へ、若干の御私有財産として殘りましたものを除きまして國の方へ參ります。その中の大部分は土地建物等でございますとか、或いは美術品……美術品は別でございます、失體いたしました……土地建物等でございます。特に收益の問題は餘りないかと思います。收益を得るものとして考えられますものは、有價證券、この有價證券でまた實ははつきりとこれは清算はついておりませんが、大體國の方へ參りますものが九千萬圓ばかりございます。併しその中大きなものは外地債とか或いは未拂込の株券等でございます。差當りにおきましては、收益が期待せられないものでございます。御承知のように財産税の評價におきましては社債等におきましても例の特別經理會社等の社債は一應評價しないという建前になつておりまして、財産税の總額の中にも入つておりませんし、財産税の納付額の中にも入つておりません。そういうようなものがあとに殘りまして、結局國の方へ引續がれる、そういうような關係になつております。そちらにおきましては收益というものは差當り期待できない。收益を期待できますものは國債證券でございますが、これは差引いたしまして結局政府の方へ憲法の八十八條の規定によつて移りますものは二千三百萬圓ばかり、從いましてこれがいろいろ種類がございますが、三分五厘といたしますと、自然そこにその國債から生ずる收入というものは計算できると思います。
#36
○政府委員(加藤進君) ちよつと今の補足をいたしますが、財産税を納付しました殘りのものが憲法八十八條によりまして國に移りましたものと若干の私的財産がございますが、その國に移りましたものの中で更に皇室用財産となつたものと、その資産の中からどれだけインテレストがあるかというお尋ねでございましよう。
#37
○山田節男君 そうです。
#38
○政府委員(加藤進君) それでございますれば、この國有財産で皇室用財産となりました土地と建物、第二表になつておりますが、この中につきましては現在インテレストが生じておるものはございません。それからその他のものになりますると、資産の中で現金でありますが、この現金を銀行に預けました利子だけがインテレストになります。それ以外にはないと思つております。
#39
○岡本愛祐君 財産税としてお出しにならなかつた分で、又皇室用財産として依然お使いになるものの外の財産、それは大體どういうふうに……。
#40
○政府委員(加藤進君) この表には出しておきませんでしたので、私口頭で申上げます。田母澤の御用邸、日光の御用邸と稱しまする二つの御用邸、それから鹽原の御用邸、伊香保の御別邸、これが直接皇室で現在御使用になりますものであります。その他につきましては、明治神宮の敷地でありまするとか、その他現に公益的なもの或いはこれに類しましたものに使用を許しておりましたようなものは、そのままできるだけその條件で國でも使用を認めるようにという希望の下に國に移しております。ちよつとその表を持ちませんので、その一々を申上げることはできません。
#41
○岡本愛祐君 田母澤の御用邸、鹽原の御用邸、伊香保の御用邸は何れも御由緒のある御用邸ですが、それが現在の使用と、國に移された後の使最とどういうことになるのでありますか。
#42
○政府委員(加藤進君) 目的から申しますると、鹽原は盲人の收容施設として光明療と申しておりまして、これは社團法人で經營をいたしております。それから伊香保の方は、これは教員組合の早期の結核療養その他といつたような用途に使われております。日光の田母澤の御用邸、日光の御用邸は、栃木縣に渡しまして、これはいろいろな用途を考えておるのでございますが、例えば郷土博物館或いは相當の然るべき團體等が來ました場合の宿泊所、更にいろいろな美術館とがその他の目的に使用するというようないろいろなことを考えておりますが、この二つの方ははつきりした用途では進んでいないのであります。條件は多少大藏省に入りますると、いろいろとむつかしくなると思いまするが、現在宮内庁で認めておりましたのと大差ないことと存じております。
#43
○岡本愛祐君 尚お尋ねしたいのですが、學習院、女子學習院、これが宮内省から手を離れたのでありますが、それに關してその使用いたしましておりまする土地建物、そういうようなものはどういう關係になつておりますか。
#44
○政府委員(加藤進君) これは學習院の目白の部分、これは土地建物共に皇室の有でございました。それから四谷に初等科がございまするのは、これは土地建物共にそうであります。その外に沼津の夏季の修鎮所がございましたが、これも土地建物共に宮内省でございます。悉皆そのまま學習院に移つております。その他に戸山の騎兵關隊あとの建物を女子學習院で使用しておりましたが、これは國有財産を學習院が借りて使用しておる形になつております。小金井のは御承知の通りに、皇太子殿下の御殿があり、學習院の教室がありますが、これは土地は東京府のものであり、建物は宮内省でありましたので、建物は學習院が東京府から借りておるという關係でございます。
#45
○岡本愛祐君 私のお尋ねしたのは、學習院の元皇室有であつた土地建物が學習院の元皇室自であつた土地建物が學習院の所有になつたのか、或いは國の土地を學習院が拜借しておるのか……。
#46
○政府委員(加藤進君) これは學習院に下賜せられております、學習院のものでございます。
#47
○委員長(徳川宗敬君) 如何でございましようか、お諮りいたしますが、今日はこの程度で……。
#48
○田中利勝君 私は過日陛下が東北六縣の御巡幸の折に福島縣内の一部分だけ實際陛下に属從して參つたのですが、特に陛下が東北六縣に御巡幸になつたときに各府縣選出の衆參議員がそれぞれお迎えし、お送りしたのでありますが、そのときの宮内府關係の人達の國會議員に對する扱い方が非常に舊憲法の考え方の下で扱つたということで、非常に至るところにおいて物議を醸したことを聞かされたのでありますが、こういう點はこれからも陛下の年内の御巡幸の日程があるように聞いておりますが、十分氣をつけて努めて陛下と國民とを直結せしめる意味においても國民から選ばれたところの國會議員に對しては何らか陛下とお話のできるような機會を作られるようにして頂きたいと思います。これが各縣からの國會議員の參衆議員の意見であつたことを傳えて宮内府關係の人達の反省にして頂きたいと思います。
#49
○政府委員(加藤進君) 左樣な聲がありますることを私も行幸供奉者の報告を得まして了承いたしました。福島縣各地で御覽の通りに非常に澤山の人が陛下の周圍におりまして、混雜いたしておりまするので、なかなか又今後御巡幸日程の遂行に全力を擧げておりますので、この點いろいろな行き違いも生ずることがあると存じます。今後よく供奉される國會議員の方と連絡をとりまして、このお迎えすべき場所、或いは全行程を供奉されるのが適當か、適當な箇所においてお迎えした方が却つて目的に適うかというようなことはよくお話合をして善處をしたいと思います。
#50
○田中利勝君 これは動議ですが、お諮り願いたいと思うのですが、國有財産を我々は表で見ただけで、いろいろ宮内府等の御説明を伺つたのですが、實際現地の状況も見たいという希望もありますので、この點をお諮りを願いたいと思います。
#51
○政府委員(加藤進君) 衆議院の方の特別委員會からも左樣な申出がありましたので、只今は陛下が那須においでになりましてなんでございますが、適當な時期に通過後でもよろしいと存じますが、お申出によりまして何か計畫を立て、宮城内に皆樣をお迎えしたいと存じます。
#52
○委員長(徳川宗敬君) それでは先程申上げましたように、今日はこれで散會いたしまして、次會は衆議院より正式に送付されました後に開會いたしたいと存じます。從つて日取はまだ分りませんから衆議院から送付されました後に公報で御通知申上げたいと存じます。
 それでは本日はこれで散會いたします。
   午前十一時五十七分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     徳川 宗敬君
   理事
           山田 節男君
           徳川 頼貞君
   委員
           清水 武夫君
           田中 利勝君
           今泉 政喜君
           中川 幸平君
           大島 定吉君
           岡本 愛祐君
           河井 彌八君
           寺尾  博君
           川上  嘉君
  政府委員
   法制局長官   佐藤 達夫君
   法制局次長   井手 成三君
   宮内府次長   加藤  進君
   宮内府事務官
   (内藏頭)   塚越 虎男君
ソース: 国立国会図書館
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