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1947/09/17 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 皇室経済法施行法案特別委員会 第4号
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1947/09/17 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 皇室経済法施行法案特別委員会 第4号

#1
第001回国会 皇室経済法施行法案特別委員会 第4号
  付託事件
○皇室經濟法施行法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○日本國憲法第八條の規定による議決
 案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年九月十七日(水曜日)
   午前十時二十九分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○皇室經濟法施行法案
○日本國憲法第八條の規定による議決
 案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(徳川宗敬君) それではこれより皇室經濟法施行法案の特別委員會を開催いたします。去る二十九日衆議院より送付されましたが、休會のため今日まで延期いたしましたことを御了承願いたいと存じます。皇室經濟法施行法案と、これに併託されました日本國憲法第八條の規定による議決案は密接なる關係があると存じますので、同時に御審議を願いたいと思いますが、それで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(徳川宗敬君) 御異議ないと認めます。それでは兩案を問題に供します。前會の豫備審査に引続きまして、どうぞ御質疑を願います。
#4
○中川幸平君 本法案は先般來委員會において豫備審査をいたしておつたのでありますが、今日は本當の審査に當りまして、衆議院のこの委員會の經過と結果について、簡單に委員長か、或いは政府委員から御説明願えれば大變結構と存じます。
#5
○政府委員(加藤進君) 衆議院の經過を申上げます。衆議院におきまして質問を受けました要點は、内廷費及び皇族費の計上の法定額が少なきに過ぎるのではないか、これを以て國民の象徴としての天皇陛下の尊嚴を保ち、又他の皇族についても、品位ある生活を保持して行かれるのに少なきに失しやしないかという御質問がありました。これに對しまして宮内府側よりは、豐かな額とは申しにくいけれども、現在の國民の經濟状態から考えて見れば、このくらいに留めることを適當と思うし、又その範圍内においては陛下の尊嚴と、皇族の品位ある生活とを保持して行く上に支障なきように經理して參ります。で、少なくとも近い年度におきましては、この額で尊嚴を維持しながらやつて行けるということを申上げて了承されました。それからその他の點におきましても、大體參議院の豫備審査におきまして御質問になりました事項とほぼ同樣なる御質問がありまして、又同樣なる答えをいたしたのでございます。特に參議院の豫備審査におきまして出なかつたことで、特に變つた御質問といつたこともなかつたように記憶いたしております。その後最終の日におきまして、各黨の代表者が、皇室經濟法施行法について、全部贊意を表されたのでありますが、その時におきましては、大體の各議員の發言を通じまして、經濟法施行法にありまする額及び憲法第八條によりまして國會の議決を求めました案件は、額は少ないと思うが、この状況に照して見て現在のところ止むを得ないと思う。將來の善處を期待してこの案は承認する。尚皇族の籍をお離れになる皇族については、將來生活が品位を保ちつつ行くように、これも十分な方途を講じて貰いたいということが、大體の大多數の方の發言の中に含まれておつたと存じます、極く簡單でございますが……。
#6
○河井彌八君 豫備審査のときに、國民籍に入られる皇族に御下賜金がある。その御下賜金の割振り等について伺つたのであります。更に私はそれを伺つた理由は、皇族たる身分を離れられた後に、生活上或いは社會上、いろいろな點から非常に變化が來るのでありまするから、先づ以つてお暮し等に段々差支が來やしないか、そうすれば皇族たりし時の國民の尊敬を裏切るので、或いは從つて又皇室に對して患いが自然生ずる虞れがあるのではないかということを心配いたしまして、その點をお伺いしたのであります。更に引續きまして、御銘々のお家においてすでに持つていらつしやる財産、それから今度皇族の身分を離れられるについて賜わるところの賜金、それの總計、一體どの位な資産をお持ちになるであろうかということを伺いたいのであります。各皇族についてお示しを願うことができれば結構でありますが、併し最高どのくらい或いは最低どのくらい、そうして御家族はどのくらいであるかというような點は、せめてお示しを願いたいと思いますが、如何でございましようか。
#7
○政府委員(加藤進君) 皇族の席を離れる方につきましての各宮がお受取りになるべき額は只今申上げます。それから現在お持ちになつておる財産状況につきましては、これはなかなか評價もしにくく、又正確には申上げにくいのでございまするから、財産税を納付せられました時の財産状況につきまして申上げて置きたいと思います。
#8
○政府委員(塚越虎男君) 只今加藤政府委員からのお答えいたしました點について、財産税納付當時の財産税額、それに対しまして納められた財産税額、結局その差引きというものが財産税を納められる當時持つておられた納付後の御財産ということになるのであります。この財産税額につきましては、財産税法の規定によりまして、昭和二十一年の三月三日現在ということになつております。その際における各皇族方のお持ちになられました御財産を財産税の課税評價基準によりまして御申告を願つたわけでありますが、その數字を各宮家別に申上げます。便宜上千圓單位といたしまして申上げます。閑院宮樣が五百六十八萬一千圓、東伏見宮樣が、百九十一萬五千圓、伏見宮樣が七百九十二萬圓、山階宮樣が百五十四萬三千圓、賀陽宮樣が百七十四萬圓、久邇宮樣が七百四萬八千圓、京都の久邇宮樣が十八萬六千圓、それから朝香宮樣が千六十七萬九千圓、梨本宮樣が三百六十八萬六千圓、東久邇宮樣が三百三十一萬圓、北白川宮樣が八百四十三萬八千圓、竹田宮樣が六百二十二萬一千圓ということになつております。實はこれに對する財産税額を引きまして殘りの金額を申上ぐればいいのでございますが、ちよつとその計算が出ておりませんので、便宜財産税額を申上げます。これに對しまする財産税額を申上げますれば、閑院宮樣が四百十九萬五千圓、東伏見宮樣が百二十萬二千圓、伏見宮樣が六百九萬八千圓、山階宮樣が九十二萬三千圓、賀陽宮樣が百七萬一千圓、久邇宮樣が五百三十五萬二千圓、京都久邇宮樣が三萬四千圓、朝香宮樣が八百四十四萬三千圓、梨本宮樣が二百五十六萬五千圓、東久邇宮樣が二百二十六萬四千圓、北白川宮樣が六百五十三萬八千圓、竹田宮樣が四百六十五萬四千圓ということになつております。從つてその差引額が財産税課税後の御財産額ということになつております。その後現在までに多少の勿論異動はおありになつたことと思いますが、それに今度の皇族の身分を御離脱になる際の一時金でございますが、これは一應現在追加豫算として政府の方へ要求しておる金額でございます。
 御承知のように皇室經濟法によりまするというと、基準額の十五倍以内におきまして皇室經濟會議が決めるということになつております。從つて皇室經濟會議の議を經た後でございませんというと、各宮家別の一時金の金額というものは確定いたさないわけでございますが、一應現在政府の方へ追加豫算案として要求しております金額を申上げます。これはこの前の豫備審査の際にも申上げたと思いますが、大體皇室經濟法施行法の規定に依りまして基準額というものは二十萬圓ということになりました。これは既婚の親王の定額であります。いろいろ皇室經濟法の規定によりましてこの定額に對して親王妃ならば幾ら、王ならば幾ら、王妃ならば幾らというようないろいろな細かい規定がございます。例えば王はその十分の七ということになつておりますので、從つて十四萬圓というのが年金としての基準でございます。それから尚皇室經濟法におきましては皇族の列をお離れになつた際に一時金につきましては未成年の御方、或いは未婚で御方はこれを既婚又は成年とみなすというような規定がございます。そういうようないろいろの規定を適用いたしまして、大體御當主につきましては一一・二五倍、それからその他の方については七・五倍ということを基準にいたしまして計算をいたした金額を各宮家別に政府の方に要求をいたしておるのでありますが、その金額を申上げます。先程宮家の順序が多少不同に申上げたのでありますが、その順序の從つて申上げますというと、閑院宮樣が御二方で二百十萬圓、東伏見宮樣が御一方で百十二萬五千圓、伏見宮樣が御四方で三百十五萬圓、山階宮樣が御一方で百五十七萬五千圓、賀陽宮樣が御八方で八百四十萬圓、久邇宮樣が御十一方で八百四十萬圓、梨本宮樣が御二方で二百十萬圓、朝香宮樣が御六万で五百二十五萬圓、東久邇宮樣が御七万で六百七十五萬圓、北白川宮樣が御四方三百三十七萬五千圓、竹田宮樣が御六万で五百二十五萬圓ということになつております。尚京都の久邇宮樣は只今申上げました久邇宮樣の分の中に含んでおります。もう一度重ねて申上げますが、豫算要求の際の算出の金額でございますが、實際においては皇室經濟會議等の議によりまして變更があるかも知れないということを申し上げて置きます。
#9
○河井彌八君 只今數字をお示し下さいまして了承いたしました。元來これらの皇族樣方は、これからのこの激しい世の中に國民と一緒に同じ地位に下つてお過しになろうとするのであります。初めからそういう社會に立つて生活をして行けるような教育なり御鍛錬なりしてあげてあるのでないのであります。只今伺いました數字を見ましても必ずしも十分とは考えられないのでありまして、從いまして今後如何にして國民から尊敬せられるところのその身分を保持し、それから又同時にやはり皇室からお離れになつても、御宗家に對して患いのないように正しい生活をなさらなければならぬ地位に立たれるのであります。そのことを考えますると、實に前途について相當御心配申上げなければならぬことがないではない。かように考えます。つきましては、當局におかれましては、それらの點についてどういうふうな態度を持つて行かれるのでありますか、その點を承りたい。又國民としても、その點について深く考えなければならぬことである、かように思います。當局としてはもう臣籍に、臣籍というか一般國民の籍に入られたのだから構わんというようなことは、これはなさることはいかがかと考えるのでありますが、それらの點については随分御苦心のかどもあると思いますが、伺うことができまするならばそれを伺つて見たいと思います。
#10
○政府委員(加藤進君) お答え申上げます。只今御質問の通りにここに只今塚越政府委員よりお答えいたしました額が、今後の皇族籍を離脱された方々に對して、品位を保ちつつ、國民の敬愛に應えて御生活に相成りますには十分なる額とは申せないかとは存じまするが、ここに掲げられました額は、何分にも國民の租税を財源といたしまするものでございまするし、國民一般の經濟状況から考えますれば、先ずこの額で相當なところではないかと存じます。成る程只今御指摘に相成りました通りに、國民籍に入られまする方々は、いずれも經濟上の經驗、御鍛練といつたものは、何と申しましても一般國民とは違う點のあることは否定できません。從いまして今後世に處せられまするには、これをどうして補つて行くかということが問題になると存じます。この點につきましては、法律上はもはや官内府でお世話申上げる限りではないかと存じまするが、又道義の上から申しまして、御宗家と、尚事實上ありまする御親族の關係、或は國民の感情等から申しまして、實際上は宮内府でいろいろ御心配申上げなければならないところと存じます。但しこれは宮樣方の御降下の後は自由な個人とおなりになるのでありますから、宮樣方としてもこれをお受になるような状態になるのは、これは明瞭な話でございます。この邊を考えまして、私共といたしましては、宮樣方がこの暫く續くべき經濟の混亂期を、この手にお入れになりましたお金を保全して切り抜けられること等が先ず第一と存じまするが、これにつきましては、宮樣方の本當に相談相手となるような然るべき人を選び、その方々の力により、宮樣方が經濟の混亂状態に處して善處せられ、又やや安定して行きましたならば、更にその資金を適當に運用せられて、品位御保持に適當な經濟状態を作り出して行く、かように努めて行かなければならいかと存じております。
#11
○徳川頼貞君 只今河井委員からの御質問になりました點につきまして、私も同じく憂慮いたす者の一業でございますが、只今政府委員からのお話によりますというと、御降下になつて皇族の籍を離れる方が今後立たれる上においては、いろいろ幾多の私共から考えても心配申上げなければならない事項が多々あると思うのでありますが、今御話によりますと、そういうような場合に、適當な相談相手というか、何と申しますか、適當な人をというような話が今政府委員の御説明の中にあつたようでありますが、それは皇族、つまり御當人が御選びになるという意味でございますか、それとも又只今お話中の宮内當局においてそういう方を御世話するという意味でございますか、その點を伺いたいと思います。
#12
○政府委員(加藤進君) お答えいたします。法律的に申しますれば、これは宮内府は御世話申上ぐべき限りではないのでございますから、宮内府が選んでお附けする。これをお引受け頂くということはできないことかと存じます。從いまして私の申上げましたのは、今後事實上に、我々がお世話するという意思があり、これをお受けになるという意思が又宮樣にある場合を申上げたのであります。從いまして形といたしましては、經過は別として申上げれば、宮樣御自身がお選びになつて、ということに相成るかと存じます。
#13
○徳川頼貞君 分りました。
#14
○岡本愛祐君 只今河井委員から御質問があり、政府委員から御答辯がありました現在皇族でおありになる方が、臣籍に降下をなさる、その場合臣籍降下後の御生活ということについて、國民は非常に心配いたしております。今まで何と言つても荒波に操まれなかつた方々であります。それが今度はこの普通の荒波でない、大きな世の中の變轉、經濟界の變轉に當りまして、その荒波の中に放り出されるということにおなりになるのでありますから、何とかしてこれをひどいことにならないようにおさせしなければならんということは國民一般の心配なんであります。そこで宮内當局におきましても、いろいろこれに對して御苦心の段はお察しいたします。經濟顧問的の方々を宮家に對して附けるようにいろいろお骨折りになつておる點も了承いたします。併し今徳川委員からも御質問がありましたように、これはその顧問のしつかりしているか、しつかりしていないかによりまして非常なことになると思います。現にこの間の御下賜金、大分の額でありますが、それを目當てにいたしまして、おためでかしで何とかしてその賜金を使いたいという連中もないではないか、そういう不心得の者もあるのではないかと心配をされるのであります。そこで臣籍御降下になつた曉においては、宮内府で表向きにいろいろ心配して上げることはできないと思いますが、まだ皇族でおありになるのでありますから、今の中にその經濟顧問的の人が適當でない者がありとしますれば、それに對し善處して頂きたいということは私はできるのじやいか思います。この點は特に希組いたしておく次第であります。
 相おお尋ねいたしたいのは、先程御説明の二十萬圓の基準といたしまして御當主は一一・五倍その他の方は七・五倍という、この倍數ですが、これはどういうところから出て來たのでありますか。前に一應これは御降下の基金じやないということは、この條文からも分つておりますが、とにかく十五倍ということに一應決つており、又それに對して十五倍の範囲を超えざる金額と、こういうふうに一應規定してあるのですが、その十五倍までしか行けなかつた理由はどうなんであるか、この四月と只今とは貨幣價値が非常に違つております。早い話が國會議員の歳費にいたしましても非常な増額をしておるように、又勞働者の賃金にいたしましても、千二百圓ベースが千八百圓ベースを要求されておる。御下賜金とこれを一つにするのは甚だおかしなことでありますが、併し又それも一つの據り所になりはしないか、皇室經濟會議でこれを決める據り所になりはしないかと考えられるのであります。どういうわけで一一・五倍又七・五倍という内譯になつたか、それについてまずお伺いいたします。
#15
○政府委員(塚越虎男君) 一一・二五倍なり或いは七・五倍という、どちらかというと半ぱな数字が出ましたことの御質問につきまして御説明を申上げます。實は當初これは十五萬圓を基準にして御當主が十五萬圓、その他の方が十萬圓ということで計算をいたしたのでございます。この十五萬圓というのはこの前の議會で協贊を得ましたところの皇室經濟法の施行に關する法律というものにつきましては、一應十五萬圓という基準が決つております。今度の皇室經濟法におきましては各般の事情からいたしまして、二十萬圓にいたしたのでございます。唯皇族の御身分をお離れになるときの年金の額につきましては、一般の財政經濟事情を考慮いたしまして、その二十萬圓を基準にして計算することは、如何であろうという考慮からいたしまして、當初の案の通り十五萬圓を基準にいたしました。御當主の方が十五倍、その他の方が十倍ということで計算いたしましたために、こういう金額になつたのであります。
#16
○岡本愛祐君 只今の御答辯によると大體初め下付せられる金額を豫定しておつて、唯二十萬圓とする必要は、將來とも皇族としておありになる方が、十五萬圓ではこの物價高のときに、お氣の毒だから、それを二十萬圓にする。併し臣籍降下をなさる方々については、初めの豫定の額を超えないように十五倍を一一・五倍にし、十倍を七・五倍に下げられたというふうにとれますが、そういう意味でありますか。
#17
○政府委員(加藤進君) 私から更に御答辯申上げます。今岡本さんからお話がありましたことも、一部その點に觸れるのでございますが、實は皇族の國民籍にお入りになりますることは、當初の豫定がいろいろの事情のために、延び延びに相成つて參りました。その時の計算をそのまま持越しておりますることは事實でございます。これは本來から申しますれば、實現すべかりしものが遲れましたものを、寧ろそれを機會といたしまして、新らしい經濟状況から算出すべきことも、甚だこれは當然からも考えられましたが、何を申しましてもこの現在の國民の生活の苦しさから考えて、又この財源が租税等から考えますれば、お氣の毒ではありまするが、前の計算當時豫定されておる、當時の金額で止めておくことが適當ではないか、但し更に皇族のまま身分を持續される方につきましては、無論經濟状況の變化があるといたしますれば、御品位保持の程度等のために、これを増額することが適當であるということで、止むを得ざる部分のみの増額に止めた次第でございます。
#18
○岡本愛祐君 一應そういうことでお聽きおきしまして、次に移りたいと思います。この憲法第八條の規定による議決は、この本文でありますが、照會を頂きましてそれも了承しました、ただ「天皇及び皇室經濟法第五條第一項に規定する皇族は、皇室經濟法施行法第五條に規定するものの外、見舞及び奨勵のために、昭和二十二年八月から昭和二十三年三月末までの間において、百二十萬圓を超えない範囲内で賜與することができる」とこうありますが、この「百二十萬圓を超えない範圍内で」の上に、「これらのものを通じて」という言葉が必要じやないかと、私は思うのであります。なぜそう申しますかというと、この皇室經濟法施行法の第五條の方におきましては「天皇及び法第四條第一項に規定する皇族については、法第二條第三項の一定價額は、これらの者を通じて、百二十萬圓とする。」こちらの方には「これらの者を通じて、百二十萬圓とする。」こうあるのですから恐らくその意味でこれが抜けたのじやないかとこう思うのです。この點は一つ御質問いたします。
#19
○政府委員(佐藤達夫君) 一應御尤もに拜聽いたしました。但し私共の起案いたしました心持は、只今丁度御指摘になりましたように、「皇室經濟法施行法第五條に規定するものの外」という言葉を入れまして、そこにある「百二十萬圓」というものの外ということのつもりでおるわけでございます。從いましてこの議決案の趣旨は、これらの方々を通じてという趣旨に間違いないと考えておる次第であります。
#20
○岡本愛祐君 それでは、政府委員の御説明としては、「皇室經濟法施行法第五條に規定するものの外」とこうあるから、これらの者を通じてという意味であるけれども、それは省いてある、こういうふうに了承してよいのですね。
#21
○政府委員(加藤進君) 只今仰しやいました通りの御趣旨であると、これが讀み得るというふうに考えております。
#22
○岡本愛祐君 尚お尋ねいたしますが、この經濟法施行法の二條乃至四條ですか、これで金額が、一定價額が決まつたわけですが、この經濟法の方の第二條の規定、施行法ではなくて經濟法の方の第二條の規定は、天皇や皇后の私有財産については適用があるのかないのか、それを一つお尋ねします。
#23
○政府委員(加藤進君) この第二條全體を通じましてかようなことに考えておりますが、豫算で申しますると、これは宮廷費とかいうように公の豫算としまして、公のもとして經理される部分ではなくしまして、むしろ皇室の私の部分についての規定なのでございますから、只今お尋ねの點の通りに、いろいろにこれは資産に關する部分と、つまり天皇が個人、私の立場になされる場合のことというふうに考えておるのでございますが、答辯はそれでよろしうございましようか。
#24
○岡本愛祐君 それでは皇室資産としてでなくて、皇室が皇室としてお受けになるというような場合はないのですか。
#25
○政府委員(加藤進君) 皇室として受けますというと、そこでかような計算が内廷を導じましてさるるところにその意味があると存じますが、普通の場合に皇室と申しますれば秩父宮、高松宮、三笠宮等も含まれる。廣義においては含まれるわけでございますが、その三宮家を通じましてこれをお受けになるという場合は、極めて特殊な例でございます。かような場合は豫想いたしておりませんでございました。
#26
○岡本愛祐君 それではもう一點お尋ねいたします。皇室經濟法の附則に「この法律施行の際、從前の皇室會計に所屬する權利義務で國に引き繼がるべきものの經過的處理に關し、必要な事項は、政令でこれを定める。」という規定がございます。この政令で定めるというのは、どういうふうな定め方でありましたか。參考のために伺いたい。
#27
○政府委員(塚越虎男君) この附則の第三項によりまする政令は一件既に出た記憶がございますが、實はその内容がどういうものでございましたか、ちよつと今記憶いたしておりません。極く何か單純な事項であつたと思います。
#28
○政府委員(佐藤達夫君) 只今のお尋ねの件は至急取調べまして、早速御報告いたします。極めて簡單なものでございます。
#29
○岡本愛祐君 先程憲法第八條の規定による議決の件ということで御説明がありました。修正案を實は出そうかと思いましたが、まあそういう御説明もありますし、衆議院の方で議決にもなつておりますから、これは一年限りのもんでもあり、そういう意味でこれは了承して置きたいと思います。
 それから今度の御提案を通じまして、段々宮内府の方でも政府の方でも御苦心の點はよく分りますが、どうもこの物價高、インフレーシヨンが激しいときに、五萬圓とか十萬圓とか、元の五萬圓ならばとにかく、今の五萬圓は元の五百圓くらい、十萬圓といえば千圓くらいで、それ以上は一々國會の議決を經なければならんというのは、少し御遠慮になつておるんじやないかと實は思うのです。これは今ここで修正案も何も出すわけでありませんが、そこで今度の御提案はそういうふうに非常に御遠慮になつておると思うのですが、これは一方には何としても天皇は日本の國の象徴であり、國民統合の象徴でおありになるのでございますから、餘り遠慮をなさらないで、本當に品位保持に必要な御提案が今後あつて然るべきだと私は深く考えておるのであります。その點御意見を伺います。
#30
○政府委員(加藤進君) 誠に御尤もな御質問でございます。私共政府におきましても、政府部内におきましても、いろいろと討議をいたしたのでございますが、先づ五萬圓等の點につきましても、詰り極くささやかなものの、主としてこれは献上の方でございますが、その方で餘りに高價なもの、或いは財産的、つまり財産を構成するようなもののことは考えない方がいいんじやないかというようなことで、現在の物價から申しますれでバささやかな金額くらいになつておりますが、又この程度のことを實は一應考えましたのであります。併し將來状況變じ、或いは國民の要望が高まつて參りますれば、その時期にはこれは修正すべきものかと存じます。現在の段階におきましては、この程度でやつて行きたいと考えております。
#31
○委員長(徳川宗敬君) 他に御質問はございませんか。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#32
○委員長(徳川宗敬君) 速記を始めて。
#33
○河井彌八君 討論に入ります前に、先刻私が當局に質問いたしました公職適否の規定が皇族さん即ちこれから皇族として留まるお方にも、留らないお方にも適用あるかどうかということについて質問いたしたのでありますが、それについて當局から非常にデリケートな問題が起る心配が濃いのであるから、速記録から削除してくれという要求があつたのであります。今一應どういう点であるか尋ねて見たのであります。そうするとそれは御尤もであります。ですからすでにこの席に御列席の委員諸君は質疑應答の内容を御承知だと思ますから、それでいいとして、速記録から削除したいという希望を私は容れたいと思うのであります。これを一つ委員會にお諮りを願いとうございますが、如何でございますか。そして若しそれがよかつたならば差支えない、削除しようということでありましたならば、私の質問の點とそれから答辯の點を適當に削除して欲しいと、こう考えるのであります。その點を申述べて置きます。
#34
○委員長(徳川宗敬君) お諮りいたしますが、只今河井委員からの御發言の通り、削除の件につきまして河井君の御希望通り取計らつてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(徳川宗敬君) 御異議ないと認めます。それでは適當な方法によりまして削除いたしたいと思います。
#36
○河井彌八君 削除の點につきましては、委員長のお取計らいに願いたいと思います。
#37
○委員長(徳川宗敬君) 削除の箇所等につきまして、委員長に御一任頂くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(徳川宗敬君) 御異議ないと認めます。さよう取計らいます。それでは大體御質疑を終つたように存じますが、討論に移りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(徳川宗敬君) それでは御異議ないと認めまして討論に移ります。
#40
○河井彌八君 私はこの兩案に對しまして贊成をいたします。國民が皇室費を負擔すべきことは、これは新憲法が實施せられまして當然のことだと思います。それから又皇族に對する費用の負擔、又皇族の身分を離れる方々に對する費用の負擔等も、これまた國民としましては喜んでこれほ負擔すべきものであると、かように存じます。今この國家非常に變革の時に際しまして、國民として皇室の御安泰を考えない者はないと考えます。面してそれを經濟關係の面から見まするならば、適當な御費用がそれによつて支辯せられるということが正當であると考えます。これらの意味におきまして、さきに衆議院におきましても餘り金額が少な過ぎるではないかというような考え方もあつたということを聞いております。又この委員會の諸君の發言の中にもさような意味もあつたと存ずるのでありまするが、併し何を申しましても、やはり皇室は國民を感化して行かれる中心である、國民から申しますれば、敬愛の的でありまするから、それらの經費等につきまして當局が苦心しておられまするように、十分な節減をし、そうして品位を十分に維持せられ、そうして御生活その他、皇室としてふさわしい御活動できまするように願うのであります。從いまして私はこの兩法案に對して贊成をいたしまするが、他日、この金額において皇室の御經濟が不自由であるというようなことが起りましたならば、やはり適當な増額等をいたすということも考えて置かれるべきだと考えるのであります。今日は誠に大切な時期でありまして、皇室の御安泰ということこそは、國民が深くこれを念願しているわけでありまするから、この兩案に對しまして、只今の意見を申述べまして贊成をいたす次第であります。
#41
○委員長(徳川宗敬君) 外に御發言もなければ、討論は終結したものと認めてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(徳川宗敬君) 御異議ないと認めます。
 それでは皇族經濟法施行法案竝びに日本國憲法第八條の規定による議決案、この兩案を一括して表決いたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(徳川宗敬君) 御異議ないと認めます。兩案に對し御贊成の方の起立を乞います。
   〔全員起立〕
#44
○委員長(徳川宗敬君) 全會一致と認めます。よつて兩案とも本特別委員會におきまして成立いたしたことと認めて宜しうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○委員長(徳川宗敬君) 御異議ないと認めます。
 それではこれをもつて特別委員會を終ります。
   午前十一時三十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     徳川 宗敬君
   理事
           山田 節男君
           徳川 頼貞君
           大隈 信貞君
   委員
           清水 武夫君
           中村 正雄君
           中川 幸平君
           櫻内 辰郎君
           岡本 愛祐君
           河井 彌八君
           小宮山常吉君
           島津 忠彦君
           寺尾  博君
           川上  嘉君
  政府委員
   法制局長官   佐藤 達夫君
   宮内府次長   加藤  進君
   宮内府事務官
   (内藏頭)   塚越 虎男君
ソース: 国立国会図書館
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