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1947/10/30 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融・商業・鉱工業連合委員会 第3号
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1947/10/30 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融・商業・鉱工業連合委員会 第3号

#1
第001回国会 財政及び金融・商業・鉱工業連合委員会 第3号
  付託事件
○経済力集中排除法案(内閣送付)
――――――――――――――――
昭和二十二年十月三十日(木曜日)
   午後一時五十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○経済力集中排除法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) それではこれから連合委員会を開会いたします。先ず先日御要求のありました第六條の具体的基準ということの見込みについて、政府から提出がありましたから、それにつきまして一つ御説明を願いたいと思います。
#3
○政府委員(佐多忠隆君) お手許に再編成の基準要旨というものを差上げてございますが、これは大体どういうものを経済力の集中と考えるか、從つてそれを排除する場合にどういうふうな形において排除するかということを、具体的に分るようにという意味で作つた要旨でございます。大体十の原則にして構想してあるのでありますが、第一は会社の歴史から考えまして、その会社が合併、特許権の使用、官廳の援助、生産能率の優越性等によつて現在のような組織となつておる場合にはこれらの事実について詳細に記述をさして、それによつて判定しよう、その場合に他の会社を合併した場合、特にその合併が戰時中に行われた場合には、大体において、原則としては戰前の状態に復元するということを考えて置きたいというのが第一点であります。
 それから地理的位置の問題でありますが、各地に工場事業場が散在しておるときには、この散在しておる理由として、原材料資源との関係、或いは労働力獲得上の関係或いは動力資源との関係、或いは商品を販賣する市場との関係等々を詳細に記述して貰いまして、若し一つの地域に集中的に経営が行われ、そのために能率的に行われておるような状態でなくて、各地に散存しておるために、それから散在しておる企業或いは工場がいろいろ異つた技術的な條件或いは生産條件、販賣條件等々の経営をやつていて、その間に経営の合理性がないというような場合には、それらのものは分離させることを原則としてあります。併しただそういう地理的に各地に散在しておるためのみからそれを分離して、そのことによつて生産品の販賣又は原材料の獲得等について非常に大きな惡影響を與えるというような場合には分割を考えない。從つて飽くまでも各地域に散在しておるのは経済的な合理性があるかどうかということによつて判定したい。そういう合理性がない限りは、地理的に各所に散在しておるのを分離させるという方法を取りたいという意向であります。
 それから第三は中央事務所の機能でございますが、中央事務所はそれがあるために、各事業單位の生産する商品の原價を低くする、或いは、品質を向上しておるとか、そういう関係或いは金融上、更には原材料の取得上或いは商品の販賣上、各事業体に対してどういう寄與をなしておるかということを詳細に書いて貰う、特にその中央事務所が原材料の割当、生産高の決定、價格の決定、各工場事業場に対する補給金の交付等に対して何らか中央で統一的な機能を果しておるかどうかということもこの説明の中に先ず示しておるのであります。それを檢討することによりまして、大体そういう中央事務所が生産自体の技術的な理由から、或いは経理的な理由から、或いは生産品の品質或いは生産の能率を挙げるというようないろいろな、そういう生産的な或いは経理上の理由がある場合には、勿論中央事務所の機能を存続せしめるのでありますが、そうでない限りは、中央事務所によつて統括されるという体制を矯めさせようという考えであります。
 それから関聯性のない事業活動については、大体においてそれが例えば大規模な購入とか、或いは科学的な販賣というような利点を持つておるとか、或いは事業原價を安くする、或いは合理的にするというような意味において非常に大きな利点を持つておるというようなことがある場合には、勿論関聯性のない事業活動をも許されますが、そうでない限りは分離して行こうという考え方であります。
 それから水平的結合と垂直的結合の問題でございますが、水平的結合は御承知の通り、生産過程における同一又は同種の段階に從事する工場事業場で、分散していながらそれが互いに結び合つておるという関係でございます。これと対蹠的になるのは、御承知の通り生産段階を異にしておるが、その間に結合が生じておるという関係でございます。前の例を申上げますれば、鉱山が数ケ所に分散しておる、或いは熔鉱炉を持つた製鉄所が各地に分散が相互に結合しておる場合には水平的結合、それから鉱山があつて、その鉱山から掘り出した例えば鉄鉱石を処理するための熔鉱炉、その二つが結び合つておる場合、或いは又それと圧延工場が結び合つておる場合、そういうのが大体垂直的な結合と考えて、その二つのものを大体区別して考えて行くのでありますが、それらの関係については先ず水平的な結合の場合には、水平的な結合はおのずから二つあると思うのですが、先の関聯性のないものが水準的な結合しておる場合がございますので、これは前の関聯性のない事業活動における分野と同じ原則を適用する。
 それから関聯性のある水平的な結合の問題が次の問題になるのでありますが、その場合も、その結合のために生産能率或いは経営経理上の健全性について、相互に重要な寄與をなしておるという場合には分離しないがそれ以外の場合には、水平的な結合は分離する。垂直的な結合の場合にも、それが総原價を分離した結果或いは高くするとか、或いは分離によつて生産高に非常な影響を與えるというような場合でない限りは、一應これを分離することを考える。併し垂直的な結合においては、技術的な関聯なり、原價上の関聯が非常に緊密なものが多いということが大体具体的な事情でございますので、そういう見地から垂直的な結合は大体においては存続を考えてこれは分離しない。併しただ前段階と後段階との両方を問題としまして原料を研究する。前段階の供給力がその原料を処理する。後段階の処理能力の十一割より大きい生産高を有する場合には、それは成るべく分離するという方向に持つて行きたい。それによつて原料を一つの会社が確保し、抑えることによつて独占に導くという弊を除きたいという考え方であります。
 それから共同原價の場合でございますが、例えば同じ設備を使つて二種のものを作る等々のことがあると思うのですが、そういう場合にそういう共同原價の條件の下にある場合には、それが仮りに関聯性のないものであつても、生産的な共同原價であるならば、それを許して相互に原價的に寄與させることをやりたい。併しそれが生産的な共同原價でなくて、経営上共同原價を取つているというような場合には、これは別途考える。從いましてここで問題になりますのは、同一の工場事業場において又は同一の工場事業場の敷地内において違つた生産品を生産するという場合には、それが共同原價の條件の下にあるというような場合には、その経営は許されるということにしたいという原則であります。
 代用品の問題につきましては、代用品もその代用品が、價格の点から或いは生産量の点から、本來の生産品に代用し得るようなものである場合には、代用品の生産者と本來の生産者を分離するような形に持つて行きたいという考え方であります。
 それから商標及び会社名でございますが、それらのものが独占的な利点を有するような商標或いは会社名は廃止して、すべて後に残る会社、或いは解体して再組織して新たにできる会社等等が、それらの商標なり会社名を使うことは止めさせたいという考え方であります。それから数個のほぼ同等の價値のある商標を持つている場合には、それらの商標はおのおの適当に分割して利用させるようにしたいという考え方であります。特許権も、仮りに今後新しくいい会社ができ、更には数個の会社ができた場合には、それらの利用を各会社に平等に許したいという考え方であります。
 それから能力の点でございますが、その能力が一つの工場事業場に集中している場合には別問題でありまして、大体一單位の工場の場合には成るべく分ないのだという考え方をここではつきり出しているつもりでございますが、そうでない場合には、その事業場が当該事業の生産品について、國内及び國外の販路を実質的に支配し、又はこれに影響力を持つに足る程度の能力を有するというような、即ち独占的な性質を持つたものは許されないことになる。それでその能力を何割にするか、何割までを許されないことにするかということが一應問題になるのでありますが、それらの積極的な決定はここではしなくて、個々の事業分野、個々の企業について、具体的に精査して、その事情によつて適当に決めたい。ただ一般的にいつて一つの会社を数個の会社に分けます場合に、その分れたものの一つが他の会社の二倍以上の能力を持たないように排除するということでありまして、全体の能力の二割以下の場合にはその排除は適用しないでもよいというふうにしたいという考え方であります。
 大体具体的な基準の構想は以上の通りでございます。
#4
○委員長(黒田英雄君) 商工大臣が見えておられますから、この場合商工大臣に対する御質問を願つた方が便宜かと思います。いずれこの基準については勿論御質問があろうと思いますが、それは後に廻しましてこの場合商工大臣に対する御質問をお願いしたいと思います。
#5
○松嶋喜作君 商工大臣と限られると困るのですが、全体について御質問してよろしうございますか。
#6
○委員長(黒田英雄君) よろしうございます。
#7
○松嶋喜作君 この法律はなかなか我我には分りにくいので、独占禁止法でも役員の項については非常に考えさせられるようなむづかしい書き方でありますが、これもなかなか分りにくいのでありますが、それで私はこの法律が商法とか憲法に調和せざるような氣がする点が多々あるのでありますが、その中でも取分け重要でないかという点を一つお伺いしたい。この第十三條、第十四條に関係してあります。この持株委員会の権限というものは後でもお伺いしたいのですが、非常に強力な権限がある。その持株委員会がこの排除の具体的の指定をする。そうして聽聞会を開いて異議を申立て総理大臣にその裁定を仰ぐというようなことになつております。そこで総理大臣から、これは十四條の終りの方に書いてありまするが、指令が断定的になつておると総理大臣が認めて、そうしてそれを適当に変更を加えさせるために持株委員会に差し戻さなければならないと書いてありまするが、差し戻してその後はとうなるのか、これが非常に重大なことであると思います。断定が、指令が独断的であるということを認めて総理大臣が差し戻す。そこで持株委員会で何か協議をなさるのでしようか。それはどう進行するのでありますか。非常に重大な関心をつておるから……。
#8
○政府委員(佐多忠隆君) 一應内閣総理大臣の方で、その証拠が欠けておることが実質的な性質のものであり、從つてそのために指令が独断的になつておるというようなことを認めました場合には御指摘のように持株会社整理委員会にそれを差し戻すのでございますが、持株会社整理委員会はその差し戻されたものを更に精査いたしまして、必要な場合には適当に変更を加えるということになつておりまして、その後に指令が確定するということになるわけでございます。
#9
○松嶋喜作君 それではその差し戻された結果裁定が下される、それについて納得できない、どうもその指令は不当であると利害関係人が考えましたときには、もうこれは泣き寝入りでありますか、何か方法がありませんですか、そこが伺いたい点であります。
#10
○政府委員(佐多忠隆君) 若し何らの変更を加えられないで更に提示されました場合には、尚繰返し今のような不服の申立をすることができることになつております。のみならず、一般に法廷に提訴して爭うという途も開けておるわけであります。
#11
○松嶋喜作君 その法廷に提訴して爭うということは、非常に結構なことでありまするが、それはこの法文の中のどれによつてでき得るのでありましようか。
#12
○政府委員(佐多忠隆君) それは一般な行政措置に対する扱いと同様に、一般的に扱えるということを意味しておるわけであります。
#13
○松嶋喜作君 新憲法によりますれば、特別裁判、前の行政裁判所というようなものは許されていないのであります。それはなくなつております。司法裁判のみが存しておると解しておりますが、それにも拘わらず行政的の裁判が受けられるということは解し兼ねますがどういうわけでありますか。
#14
○政府委員(佐多忠隆君) 違法な処分として、普通の民事の問題と同じに地方裁判所に持つて行つて爭うということになると思います。
#15
○松嶋喜作君 それはこの條文のどこから出て來るのでありますか。
#16
○政府委員(佐多忠隆君) それは國民の一般的な権利として憲法に許されておりますので、この條文に特別に書かなかつたわけで、一般的なものと同じな扱い方にして頂きたいというつもりであります。
#17
○松嶋喜作君 この十四條の内閣総理大臣の措置というのは、行政措置でありまするが、或いは裁判でありまするか、伺いたいと思います。
#18
○政府委員(佐多忠隆君) 何條でございましようか。
#19
○松嶋喜作君 十四條の「内閣総理大臣は、その証拠の欠如が実質的性質のものであるために指令が独断的になつていると認める場合においては、必要な程度において」云々という、つまり内閣総理大臣の異議の申立に対する措置でございますね、これは行政処分であるか、裁判という司法処分であるか。
#20
○政府委員(佐多忠隆君) 行政処分であると考えております。
#21
○松嶋喜作君 この最終の不満に対して一般に裁判所に提訴できるという御返答は誠に我々としては満足に思います。併しながら私の貧弱な法律の知識では、さようにこの條文の中には認められないと思いまするけれども、そういう御答弁であれば誠に結構で満足であります。
 尚もう一つ、外にも沢山あるだろうと思いますから、私は沢山の疑問がありまするが、もう一つだけお伺いしたいと思います。
#22
○委員長(黒田英雄君) 成るべく商工大臣を要するような問題を御質問して頂いて、あと又審議の都合がありますから……。
#23
○松嶋喜作君 それでは私の質問はそれで一應御遠慮いたします。尚後程時間がありましたら商工大臣に又お伺いいたしたいと思います。
#24
○木内四郎君 今の松嶋君の御質問に関聯してちよつと一言だけ伺つて置きたいのでありますが、よろしうございますか。
#25
○委員長(黒田英雄君) よろしうございます。
#26
○木内四郎君 今政府委員が、違法の場合には裁判所に云々ということを申されたのですが、違法の場合には私は問題ないと思うのです。松嶋君の質問されたのは、違法でない場合も含んでおると思うのですが、違法でなくても裁判所に提訴できるのですか。
#27
○松嶋喜作君 その御質問は非常に適切な御質問で、私の狙うところです。
#28
○政府委員(佐多忠隆君) 違法の場合でなくてもできるというふうに解釈しております。
#29
○一松政二君 ちよつとそれに関聯して御質問したいのですが、若し違法でない場合に裁判所に訴えるということになると、これを決定する者は内閣総理大臣でなくして、結局裁判所が決定するのですか。
#30
○政府委員(佐多忠隆君) 今のちよつと訂正いたします。裁判所に提訴し得るのは違法なものに限るというふうにお考え頂きたいと思います。
#31
○木内四郎君 それでは松嶋委員の質問されたことのお答えになつておらんと私は思うのです。行政措置に対して、それが適当なりや否やということについて裁判所に提訴する途があるかどうかということを聞いておられたと思うのです。それでは政府委員の御答弁というものは答弁になつておらんと思います。
#32
○松嶋喜作君 訂正されたのなら、まだ次に申すことがあるのですが、違法ということに限ると、この行政措置に対して不服のある場合、その行政措置が不当であると考えたときに、それきりだ。行く所がない、泣き寝入りだというのでは、この法文は余りに憲法の條章と調和しないじやないかと思う。ここがお尋ねする要点であります。
#33
○政府委員(佐多忠隆君) お答えいたします。持株会社整理委員会はこの法律によつて行政権を必要な範囲において委任されておる形になつておりますので、それに関する決定ができる。從つてそれについては内閣総理大臣もその決定を直接に指令によつて変更することはできないという関係になつておると思うのであります。
#34
○委員長(黒田英雄君) どうです、この問題は一つ政府委員にもう少し研究さして、この次に明確な答弁を……。
#35
○一松政二君 今の答弁ではよく分らんよ。政府委員の方で兜を脱いで時間を藉せというならば、それはそれでいい。
#36
○政府委員(佐多忠隆君) 更に研究して次の機会にお答えいたします。
#37
○波多野林一君 商工大臣にお尋ねいたしますが、この法案は商工業の再建に非常に重大な影響を持つております。この法案が実施されました曉は、私は我が國のこの商工業というものは殆んど寸断されるのである。業者はその経営意欲、生産意欲というものは非常に衰えて、経済の再建ができないと思うのであります。商工大臣はこれに対してどういう確信を持つておるかお伺いいたします。
#38
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の波多野さんの御質問は、この集中排除法の施行された場合においては、我が國商工業に及ぼす影響が極めて深刻であるが、これに対して何か対策があるのか、又どういう考えを持つておるかという御質問のようであると思います。申すまでもなくこの経済力集中排除法は、その理念におきましては、戰爭を通じて経済外の理由に基いて過度に膨脹し集中した経済力を持つに至りました企業は、日本経済民主化の見地よりこれを排除する必要がありますと共に、かようなものは往々にいたしまして経済上の眞の自由競爭、從つて経営合理化の努力に基かないで拡張して参つたものでございまするから、この際愼重な検討を加えまして眞に適正な規模に帰すことによりまして、企業自体の経営もより合理的なものとなりまして、活動は活發となり、生産原價、生産高の点におきましてより能率的となつて、延いては消費者の利益にも合致するという考え方に大体基いておるのでございます。從いまして究極におきましては、むしろ生産能率の向上を目標とするものでございまして、本法による措置完了後は一應日本経済は民主化され、公正な自由競爭の基盤に立ちまして、健全なる國民経済再建への出発が行われるものと考えておる次第でございます。そうして他面におきまして、現在の窮迫いたしました我が國の生産実情におきましては、会社の解体、設備の讓渡等を急速に実施しようといたしますならば、資金の調達、資材の配分等の点におきまして、過渡的には当面の生産に影響皆無とはいい切れないということは我々も認めておる次第でございます。特に重点産業におきまする大企業がこれによりまして生産低下を來すようなことがありましたならば、それは大きな問題で由々しい問題であろうと思います。その点は政府といたしましては最も憂慮しておる点でございまして、本法の施行につきましては関係方面にもたびたび折衝したのでございますが、その結果、本法の施行によりまして当面の生産に影響を及ぼし、日本経済の再建を遅らすようなことは万々ないように、最大の考慮を拂うという旨の了解を得ましたので、本法施行後、持株会社整理委員会が経済力集中の指定並びに排除を実施するに当りましては、同委員会と密接なる連絡を取りまして、指定は急速に実施して貰つて、業界の不安動搖を成るべく少くいたしまして、排除の方法につきましても能率低下を來すことを絶対に避けまして、生産に惡影響を來すようなことのないように、我々といたしましても最大限の努力をしたい、このように考えておる次第でございます。
#39
○波多野林一君 只今大臣からの御答弁は拝承いたしましたが、勿論戰爭中に不当な不合理な理由によつて膨脹いたしましたものは排除すべきは当然でありますが、ややもすれば合理的にできたもの、又できておつたものまでも或いは巻き添えを食うような虞れが相当あるのであります。これは非常に業者としては恐怖しておる点で、あります。そういう不合理な排除のないように十分の御注意を願いたいと思うのであります。
#40
○国務大臣(水谷長三郎君) 只今波多野さんの重ねてのお言葉でございますが、我々の考えており、又理解しておりますところによりますれば、経済力の集中の排除というものは、飽くまでも公共の利益のために行わるべきものであるという工合に理解しておるのでございまして、只今御指摘のような点に関しましては、我々といたしましてもできる限りの努力をして行くという工合に考えておる次第でございます。
#41
○一松政二君 先程波多野委員の質疑に対しまして商工大臣の御答弁の中に、戰時中に特に合併をし、或いは経済以外の力によつて合同したというようなものについては、特にこれを戰前の状態に復するということがこの基準の第一項にも謳つておるのでありまするが、この集中排除法案の眞の目的とするところは、これはそういう戰時中に集中をして軍に非常に協力したとか、或いは今後何らかそういうものを許して置けば、又日本が戰力を囘復するということを慮つて、これを処罰する意味においてやるのか。つまりこの経済力集中排除法案の目的とするところは、戰時中からそういう傾向のあつたものを戰前に戻す、つまりお前はそういうことをやつたことはいかんのだから元に戻すという処罰の意味でやるのか。それから或いは日本の今後の経済が自立して、経済が囘復して行くようにする建前でやるのか。その目的はどちらが主たる目的になつておるのかを一つ伺いたいのであります。
#42
○国務大臣(水谷長三郎君) 只今一松さんの御質問でございますが、我々の考えといたしますれば、勿論後者に重点が置かれるべきものである、このように考えております。
#43
○一松政二君 後者に目的が置かれるということでありますれば、不安動搖を與えるかも知れんということは、和田安本長官の提案理由の説明の中にも、本会議において、やり方によつては非常に不安動搖を與えるから、そういうことのないようにしたい。若し目的がいわゆる経済の再建にあつて、日本経済を今後自立せしめ、成るべく早く日本経済を囘復させることが目的だというのならば、その間に不安動搖を起す懸念があつてはならんのであります。その不安動揺の懸念があるというのは、どういう理由によつてあるのでありますか。若し日本の経済を再建させるために、これを復興させるためにやるというのならば、不安動搖のある筈はないと思うのでありますが、その点いかがでしよう。
#44
○国務大臣(水谷長三郎君) 和田さんがどういうお言葉を使われたか私は知らないのでございますが、先に波多野さんにも申上げましたように、経済力の集中の排除は飽くまでも、公共の利益のために行わるべきものでございます。從いまして排除法によります企業の分割が商品の原價を高めたり、品質並びに生産高を低下せしめまして、國民全体の福祉に反するような結果を齎らす場合には絶対に分割は避くべきものである、このように考えておるような次第でありまして、重ねてのお言葉でございますけれども、目標は一松氏のお言葉を藉りれば、後者に重点が置かるべきものであるということを繰返してお答え申上げます。
#45
○一松政二君 然らばこれを実施する上におきまして、不安動搖は絶対に起る筈はない。又起つてはならんということを、商工大臣として一般に声明を出されるだけの御用意はありますか。いかがでしよう。
#46
○国務大臣(水谷長三郎君) 若し政府のいたします点に関しまして、或いは又この法案の実施に対しまして、かりそめにも不安動搖が起りまして、この法案の企図する目的と相反するというような事態が起ります場合におきましては、單に一片の声明だけではなしに政府といたしましては、あらゆる手段を盡しまして、そういうような不安動搖がかりそめにも起らないように万全の措置をしたい、このように考えております。
#47
○一松政二君 先程波多野委員の質問にもありました通り、今の経済界におきましては、すでに集中排除法案によつて内示を受けたり、いろいろその筋に折衝しておる者もあり、或いは政府当局に対していろいろなる申出をしておる者もあると信ずるのであります。で、この人の悉くが不安動搖を重ねて焦慮しておるのであります。今後に不安動搖が起るのでなくして、現に起つておるのであります。そうして而も先程波多野委員の言われた通り、日本の経済界は寸断されて生産意欲は低下する、独占禁止法一本で、殊に先程も申されておりますように、いわゆる会社役人の兼任ができない、或いはいろいろなものに関係をしてはならん、一人一業だというようなこと、而もそれが日本のような小さな経営形体が沢山ある中に、それが資本金にも、或いは事業の大きさにも何ら関聯なく、三つ以上は絶対いけないという法律によつてどのくらい日本人の企業意欲を阻害しておるか、私は少くとも経営者の企業意欲をどのくらい喪失しておるかということは賢明なる水谷さんの御了承にならん筈はないと私は思います。そこへもつて來て、この企業集中排除法案におきまして、不安動搖は私は巷に満ちておると思います。何故に政府はここまで不安動搖が満ちているものを、その不安動搖をなからしめるだけの声明なり、措置をお取りにならないのでありましようか、その点を重ねてお伺いいたします。
#48
○国務大臣(水谷長三郎君) この法律をいろいろ文字通りに解釈いたしますと、いろいろに取られる点もあるかも存じませんが、要はこれが実施されるどういう工合にこれが実施されるかということが、この法案に対して波多野さんなり他の方が心配になる点ではないかと思うのであります。從いまして政府といたしましても、関係方面におきまして、たびたび折衝を重ねておりまして、何とかして当面の生産に影響を及ぼさないように、いろいろ折衝を重ねまして、或る程度の成案も得ておるような次第であるのでございましてこの法案の実施の面に当りましては、微力ではありますが、全力を盡してやつてみたいと思いますし、更に又一松さんのおつしやるように、この際政府が声明或いはその他の措置を取つて、多少でも不安動揺が、それで防げるということでありますならば、我々といたしましても御趣旨に從いまして、一つ考えさせて頂きたいと、このように考えております。
#49
○松嶋喜作君 この経済力集中排除法案が、政府は上手におやりになると思いますが、扨てこの現下の状況を眺めますと、我が國は外國に安い商品を出して、大いに國を富ませて、平和的に行かねばならん。言い換えますれば貿易によつて大いに資金を獲得して、いろいろの産業を起し、文化を起さなければならん。そういう時に当りまして、この経済力集中排除をやりました後に、生産が増強する、生産を増強させるということが一つと、そうしてその生産増強は安いコストの上に立つての増強でなければならん。こういうことが私は非常に重大だと思います。それについて、一つ商工大臣にお伺いして置きたいと思いますることは、この経済力集中排除を行つた後で、公正なる自由競爭の下に、すべての事業を推進させるお考えであるか。それとも更に全体について統制を加える。その反対の主義でおやりになるのか、いかなる大根本方針でおやりになるかということを伺いたいのが一つであります。そうしてもう一つは、それに関聯しまして、公共の福祉のために集中をやつた方がいい、集中をやつた方が対外貿易についても非常に有利であるというような場合には、それはどうなりまするか。やはり集中した方が非常に公共の福祉、公共の利益のためになるというような場合にも、やはりそれは排除されるのかどうか。この二つをお伺いいたします。
#50
○国務大臣(水谷長三郎君) 大体この法案の狙いは、この法案が施行された後におきまして、公正なる自由競爭が行われるということが前提をなしておるのであります。併し極く例外といたしまして、基礎産業の部面において、一種の統制を加えなければ、なかなかその産業の囘復がむずかしいというようなものは、例外として若干残りましようが、併し原則といたしましては、公正なる自由競爭ということが、目標であるということは、仰せの通りでございます。
 更に第二の御質問でございますが、公共の利益に反しない限度においては、或る程度の集中ということも、これは考えられるのではないか、このように考えておりますが、これは大体程度問題その他の関係でいろいろの制約がございますが、大まかなお答えとしてはそういう工合に答えることができるのではないか、このように思います。
#51
○帆足計君 只今の問題に関聯しましてちよつとお伺いいたしますが、私はこの経済力集中排除法案の経過をみまして、どうも日本政府は日本経済の民主化のための積極的な建設的な体系を十分にお持ちになつていないから、或る方面から示唆でも受けると、あわてて事をおやりになるというようなことになるのではないかという感を抱いております。この資本主義経済の下におきましては、自由競爭の結果は、必然的に企業の集中を生みます。そうして恐慌も亦必然的であります。そうしてその恐慌を乗り越えて進みますためには、勢い公共の福祉を増大するという観点から、これに対して國民の公共的な福祉との、又購買力との調整を図らなければなりません。このことはすでに世界の経済史が我々に示しております。前の欧州大戰も、今次の戰爭もそういうところから起つておるということは、理論的のこれは定説でございます。現に第二次世界大戰の始まります前の世界経済会議の議事録がすでにそれを認めて指摘してをります。從いまして日本経済を新らしい形で再建しまするために、私は現在の政府は官僚政府ではなくして、社会党と又民主党その他の連立政権でありますから、それぞれの政党は日本再建についての綜合的構成を持つていて然るべきでありまして、同時に連立政権としては、その公約数的な一つの方針がなくてはならんと思うのであります。社会党にしましても、民主党にしましても、民主党では修正資本主義ということを我々承つておりますが、日本経済民主化の構想としてどういうような構成を持つておられるか、我々に十分に了解できておりません。從いまして経済力集中排除の問題にしましても、一面におきまして國民の生産力を増大しまするためには、技術的な発展、資本の集中、経営規模の拡大等は必至であります。併し他面におきまして、独占を排除し、そうして必要な全体との調整につきましては、若干の自由と統制との調整を図らねばならん。その構想を全体としてどういうふうに組立てて行くお考えであるか。例えば各業種別には、一面におきましては不正競爭を防止し、他面におきましては能率競爭が行われるでありましようが、從來は同業組合又は同業聯合会というようなものがありまして、それは一面には独占價格の形成となり、そうしていろいろな弊害を生みましたけれども、他面におきましては全体として恐慌を防止し、その他業界の品位を高め、品物をよくし、意見を交換し、技術水準を高める等の有用な仕事もいたして参りました。勿論今後独占カルテルの機構は禁止されるでありましようが、代るべき姿の経済團体なども、大体どういうような基準で行けばいいかというようなこともこの法案の審議には必ず念頭になくてはならん問題であると思います。経済力の集中も勿論排除制限せねばならんでありましようが、これらの経済の自治的な調整がすべて官廳の手に移されてしまうことになりますれば、私は官僚権力の集中排除も考えねばならんという氣がいたします。又從來民間で自治統制的にやつておりました仕事を、今年の年末ごろからすべて官廳に移すということでありまするが、そうなりますると、今の行政整理といかにして両立するであろうか、これも私は疑問に思つております。然りとしまするならば、この過渡期の統制経済の問題は極めて重要な問題でありますから、どの限度は政府が統制し、どの限度は民間の自治的な協議又は民主的な機構等の協力を得るというようなことにつきまして、もう少し積極的に案をお立てになりまして、その筋とも交渉して頂く必要があるのではないかと思います。差し迫つた問題といたしましては、各業種別の統制團体をどのようにするかという問題になるわけでありまするが私はこれに対しまして、從來のようなカルテル團体又は工業組合、同業團体としてのあり方は不可能であろうと思いますが、然らば薪らしい形において構想されないかというと、私はそういう構想はあり得ると思います。それを從來のカルテル形態がいけないからといつてすべて官廳に移してしまうということになれば、官吏の数がどんなに多くとも人手が足りないという結果になりまして、厖大な官廳機構を更に積み重ねて行くというような結果になりはしないかということを虞れる者であります。これらの点につきまして、お考えのほどがありましたらお答え願います。いろいろお尋ねいたしましたので、只今適当でないということでありましたら、次囘までにお纏めになつて御教示を頂きたいと思います。
#52
○国務大臣(水谷長三郎君) 只今の帆足さんの御質問は、非常に根本的な問題でありまして、一商工大臣として答弁するのがいいのかどうか存じませんが、併し大まかに申上げますならば、政府は去る六月十一日に緊急経済対策を発表いたしまして、原則的な点は謳つたつもりであります。それに引続きまして、この議会に提出いたしましたもろもろの法律案等を通して、大体現在の政府というものが日本の経済というものの在り方にどういう考えを持つておるかということは、賢明なる帆足君がほぼ御了察願えることと思う次第でございます。
#53
○一松政二君 この集中排除法案の再編成に対する基準要旨を頂いたのでありまするが、これによりますると、資本金の方の関係は、大体において事業の大きさというようなことは考えておるようでありますが、具体的な資本金或いはその会社の財産という点については、何も示していないのでありましてその点ははつきりいたしませんが、或いは垂直的な結合といい、或いは水平的な結合というところに、巷間傳えられるところの、例えば北海道で石炭をやつておるものは北海道だけの会社にする。或いは九州と両方あれば九州と両方に分ける、それは一体九州と北海道に持つておることが、公共の福祉或いは日本経済にいかなる惡影響があるか、あればそういうことをしようというだけのことでありますか、その点をちよつと伺いたいのであります。
#54
○政府委員(佐多忠隆君) そういうふうに地理的に各所に散在しておりまして、そのために技術的な條件なり、生産條件なり、商品販賣の諸條件が非常に異つて、そのために全体としての合理的な経営ができない、むしろ若干の部分に分けた方がより効果的に経営ができ、從つてその商品の品質を向上させるとか、或いは原價を低めるとかいうような結果になる場合には、そういうものを分けるという趣旨でございます。
#55
○一松政二君 今巷間に傳えられるところの、大きな会社で幾つかに分けるようなことの内示を受けておるのか、下相談をしておるのか存じませんが、それらが若し今政府委員の言われるように能率が惡いとか、分けた方がいいとかいうことであれば、これは政府の指示を待つまでもたく、或いは関係筋の指示を待つまでもなく、これは業者自身で必ず私はやると思うのであります。ただこういうことを文字に連ねてそうしていかにも何かやるようなことをされなくても、企業の合理化というものは、今の企業の合理化は恐らく労働問題に帰着すると思うのであります。労働問題に政府が確たる方針を示して、これを先程商工大臣も言われましたいわゆる八大施策の中に織り込んで、配置轉換とかいろんなことをやつて、もうすでに六ケ月になるけれどもどこに配置轉換を一体政府はやつておるのか、言葉だけはありますけれども、民間はそれを翹望して待つておるのです。先ず政府が範を示さなければ、民間ではやりようもない。殊に今の内閣は社会党を主軸とする、殊に勤労者諸君の基盤の上に立つておると始終呼号されるところの内閣でありまして、労働者諸君からは満幅の支持を得て立つておるところの内閣において、そうしてすでに天下に声明して五ケ月乃至六ケ月経つて、未だに私は配置轉換の見るべきものがあつたとは考えないのであります。そういう問題が今の日本の経済再建途上の一番重要問題でありますが、それは別問題といたしまして、今の場所的とか、或いは縱とか横とかいろいろなことでこれを切るために、私はそういう理由だけでこれを分離するということは公共の福祉に決して適う所以でないと考える。若しそれが資本金が大きいから少くするのであるというならば、それは何故に資本金が大きければ公共の福祉に反するのか或いは仮りに、一番終りに二割の基準とありますが、二割或いは三割になつたらこれはどうなるのか。殊に一例を取つて金属工業のようなものを考えてみますと、日本が金属工業におきまして、一例を申上げれば、日本の金属鉱山においても、石炭は國内だけの値段で決まりますけれども、金属の値段というものは、日本は世界に対して全部といつてもいいほど世界の市場に対して何ら影響がないのです。それから日本におけるところの値段も、恐らく日本が第一次世界大戰の後のように不景氣になれば、これをダンピングした値段によつてやるか、或いは日本がやろうとすれば、今度は輸入の値段によつて値段が決まるのでありまして、日本みずからが金属の値段などを自主的に左右し得る場合というものは殆んどないのです。決して独占にもならなければ、又公共の福祉に反するようなことを業者自身がやろうといつても、事業の性質上及び製品の品質上そういうことを世界に対してやろうといつても、そういうことは業者自身絶対にできない。そういうことが、日本の今の貨幣價値にして何億円の会社であるか知れませんが、そういうものを分割するということが、一体公共の福祉に何の利益があるのでありますか。その点をひとつ伺いたい。
#56
○政府委員(佐多忠隆君) そういう巨大なコンビネーシヨンが、それを基礎にしてコンツェルンを作り、財閥を作り、曾ての軍事的勢力の実質的な基礎になるというようなことのないように日本経済が民主的で而も平和的な経済に再編成されなければならないという点を考えまして今のような問題を取上げ、若しそういうコンビネーシヨンが生産力の寄與、或いは生産原價を低下させるというような意図でなくて、別な経済外的な意図を以て行われていたならば、それは解体しなければならん。過去の日本経済においてそういうものが相当あつた。從つてそういう見地から一應大きなコンビネーシヨンの解体を考える。併し先程お話のように若し日本の金属工業において、地理的に各地に散在しておることがその工業の技術上絶対に必要であり、或いは原價の採算の点からどうしても分離し得ないものである。そういうふうに結合していることが経営の合理化上絶対に必要であり、從つてそれが公共の福祉に適つているものであるということになりますれば、それを解体しようというようなことは毛頭考えていないわけであります。
#57
○一松政二君 然らば具体的に私は二三の例を以て申上げたいのでありまするが、金属工業においては日本工業、或いは井華工業、或いは三菱工業、これらを鉱山別に、或いは精錬所と何か組合せてこれを二つか三つに分けようという案が当事者の間に指示されているやに承つておるのであります。これらが何か今の政府委員の説明によりますれば、將來或いはそういうふうな軍事力に化けて、或いは日本が再びそれによつてコンツエルンを作る。これが仮りにそういう行き方をするという場合には、独占禁止法案がある。何のための独占禁止法案でありますか。それこそ独占禁止法案を発動することによつて、それは十分避け得ると思う。一歩飜つて見れば、それでは今の資本金において今の規模においてやつておることが、いかに公共の福祉に反し、或いはそれが戰力の温存になるというふうにお考えになるのでありますか。將來のことであるならば、それは独占禁止法が役に立つのであつて、経済力集中排除法案は將來のことに及ばない筈であります。それは現在やつていることをやるのであります。
 それから最後に伺いたいのは、経済の民主化という言葉が近頃流行しているのであります。経済の民主化という言葉に私は近頃非常な疑問を持つておるのでありまして、いかなる場合でも何か民主化という言葉を使わなければ何だか非常に保守か反動のように思われるのであつて、民主化という言葉を使うのか存じませんが、これは恰かも戰時中の翼賛政治、大政翼賛会という言葉がはやつたと同様に、今日は民主化という言葉が余りにはやり過ぎているように考えるのであります。経済民主化という言葉はどういうようなことを意味するのでありますか、先ずその点を伺いたいと思うのであります。商工大臣に特にお伺いいたします。(笑声)
#58
○国務大臣(水谷長三郎君) 只今の一松さんの御質問に対してどうお答えすれば及第できるかどうか(笑声)ちよつと分りませんが、経済の民主化と申しましても、非常に幅の廣い問題でありまして、はつきり定義を下すということは、これは非常にむづかしいのではないかと思います。併しながら少くとも経済の民主化ということはどういうことを意味しておるかといえば、自問自答できる程度にまで成熟した言葉ではないかと思うのでありますが、結局抽象的でありますが、経済の民主化とは、経済の部門に携わる人がおのおのその所を得せしめられた形が経済の民主化である、私はこのように考えております。(拍手、笑声)
#59
○一松政二君 私は今の商工大臣の御答弁を更に追求するというほど惡意を持つてこの面に向つておるのではありませんから、その点は十分御了承願いたいのであります。私はただああいう言葉として殆んど的確に把握することなくして、民主化々々々という言葉が、政府の法案の説明の中にも必ず出ておるのであります。何かの経済の説明の中には必ず民主化という言葉が使われておるのでありますが、余りに民主化という言葉が使われ過ぎるが故に、特に日本人といたしましては、そういうはやり言葉が特に好きな國民であるかも知れず、戰時中では、翼賛会にあらざれば人にあらざるがごとき体裁を備えて、戰後においては民主化という言葉があらゆる方面にまでも食い入つておるのでありますから、私は経済民主化という言葉を伺うごとに実は疑問を持つておるのでありまして、只今の商工大臣の答弁によりまして、商工大臣の抱懐されておるところと私の抱懐しておるところとは大した格段の違いもないように考えるのでありまするが、法案の中や説明の中にある経済民主化とは凡そ意味が異つておるように私は了解いたしますからこの民主化という言葉を、單に商工当局のみならず、内閣の諸君がこの民主化という言葉を使う場合には十分その辺を了承して私は使つて頂きたいということを、この際に一言附加して置きたいのであります。
#60
○田村文吉君 簡單な問題を伺いたいのでありますが、ここに基準要旨を拜見いたしまして、実際在來の事業経営をやつでおいでになる方々のお困りになる問題でないかと思うのは、随分いろいろな企業をやつておりまして、その中で甲の企業がその時世では引合わない、それで丁度そのときには乙の企業が大変よく引合つておる、その場合に甲におります。労務者を乙の方へ轉換したい、そういうことをして、在來事業は経営が十分行われておつたのでありますが、そういうような場合は共同計算という意味でこの基準から除外され得る見込がありますかどうか、そういう点についての御当局のお考えはどうでありましようか。
#61
○政府委員(渡邊喜久造君) 今の共同原價の方におきましては、経営上の共同原價という言葉が使われておりますが、経営上の共同原價というものは、例えば今お話のように、一應この法律の言葉を以てしますと、関聯性のない事業を幾つか営んでおりまして、そうして本社費を割り掛けるという場合におきまして、それが経営上の共同原價という言葉に入るだろうと思います。ここにいつておりますのは、共同原價を構成します場合におきましては分割の原則は適用しない。勿論その場合における共同原價には経済上の経営原價は入れない。こういうことを一應謳つておりますから、本社費の割り掛けのようなことによつて、共同原價が成立する場合におきましては、この共同原價というところで、分割の規定を適用しない分には入らない、こういうふうに解釈しております。
#62
○田村文吉君 そうすると当然集中排除の中に含められる、排除さるべきものだと、こういう御解釈なんでございますか。
#63
○政府委員(渡邊喜久造君) その関係は、関聯性のない事業活動、この基準の四の中に一應入りまして、一應ここにございますように、原則といたしましては、分離した結果、大規模工業又は科学的利点を失つて、商業原價に重大な影響を與えるということを明らかに示さない限り、分離されなければならないという一應の原則は適用されております。ただ、これは恐らく先に御説明があつたと思いますが、原則でございまして、この原則に当らんからといいまして、すべての会社がこれの原則の適用を受けまして、みんな分離されるといつたようなことにはならない、これはいい得ると思います。
#64
○田村文吉君 もう一つ伺いたいのは事業によりまして、日本の産業全体から見たら非常な小さなものでありまするが、併し他の類がないために、或る企業がその八〇%或いは六〇%を占めておる、こういう場合における処置は大体この基準から行きますとどうなりましようか。
#65
○政府委員(渡邊喜久造君) その点につきましては、能力の問題として、一應は原則としましては扱つておる問題だと思いますが、お説のように能力をここにありますように二割というふうに見ます場合に、一体どういうふうに取つて二割と見たか、化学工業といたしましても、化学工業で二割と見るか或いは薬品として二割と見るか、薬品でもペニシリンとして二割と見るかその段階の取り方によりまして、いろいろな程度があるわけでございまして從いましてお説のように極く狹く取りますと、相当に大きなものになる、併し廣く取つて見れば大した割合にならない、こういう問題があるのであります。その場合におきまして、それではどういうグループでそれを集めて取るかということが問題になるのでございますが、その辺この基準でははつきりいたしておりませんが、大体の考え方といたしましては、若しその製品が日本経済の全体の上に占めまする割合が非常に大きなものであるということになりますれば、割合に種類を細かく取りますし、それからそれ自身が、お話のように全体として見れば大したものでないということになりますれば、割合に大きなグループで以て取る。從いまして細分されました場合におきましては、何割……八割ということになりましても、グループとしての取り方が大きいと大した割合にならん。どういう割合で取るかといいまするのは、結局具体的にその商品を見まして、その商品の経済上、産業上占める重要性如何というところによつて決めるべきものである、具体的に決めて行くということになるだろうと思います。この基準のところにおきましても「一の会社に許される能力の最大限度を、当該事業分野における全体の能力の何割と決めることはできない」と、今言つたような問題がありまするので、明確にそれを決めることはできませんが、氣持といたしましては、今申上げるようなことじやないか、かように思つております。
#66
○一松政二君 この経済力集中排除法案は、先日も稻垣委員長の申されましたように、いわゆる総動員法の総括的の法律でありまして、結局これは先程商工大臣にもお尋ねしたように、運用の基準、運用の仕方にあります。そうして又今ここに再編成の基準要旨が出してありまするけれども、これも総括的な、ただ一つの大体の枠を示しておるだけでありまして、これから先にこれを適用する、適用の如何によつて功罪は決まる問題である。それで、私はこれだけの枠を拵えるならば、大凡この枠の中に嵌つて來ておるところの各具体的な会社の名から規模の大きさ具体的なものがもう大凡あるはずだと思うのであります。で、もうすでに各会社には、いろいろの案を持たして行つたり、いろいろその筋と交渉しておるところもありまするが、私はその内容の如何を見なければ、このぼんやりした基準だけでは、これは正宗の名刀も使い方によつては、これは路傍の人も斬る、場合によつては泥棒を斬ることにもなつて、間違つて何をするか分らんのでありまして、我々はこの法の適用の範囲を具体的にこの際知る必要があるのであります。その点に対して、政府はこれ以上の具体的のいわゆる何百か、千何百あるとかいろいろ巷間に噂されておりますが、今の持株整理委員会の財閥解体についての話もいろいろあります。財閥解体ということについてはすでにその方向に行つておるのでありますが、今の制限会社をどうするのか、制限会社以外にどの程度まで行くのであるか、という具体的な、私は計画を承知いたしたいのであります。その承知をしなければ、この法案を適用する上において、我々が審議の上において、至大の影響があるものと考える。ここまでいつてはいかんということが言えるのであります。その点について、政府に私は資料を要求したいのであります。
#67
○政府委員(佐多忠隆君) この法案を適用される対象の数、その他具体的な状況についての資料の御要求でありますが、実はこの法律の運用を担当します持株会社整理委員会においては、これを担当させられた場合に、この法の実施についていかにすべきかということについていろいろ準備の調査は急いでやつておりますが、まだどれだけの会社なり、どれだけの企業を指定するなり、或いは更には排除するなり、それをどういうふうに排除するかというような、個々の具体的な問題についての決定はできておりません。そういうものはむしろこの法案が通過し、これが実施されるときの実際上の運営の問題として行われるものであるというふうに考えておりますので、それらに対する詳細な具体的な資料は今差上げるまでに行つていないと申上げるだけで御了承願いたいと思います。
#68
○一松政二君 然らば今制限会社か或いはその持株整理委員会の方で、或いはそれは関係当局といつた方がいいのかも知れませんが、すでに或る程度の指示なり折衝が行われておると思うのであります。その程度のものは分つておるはずと思うのであります。その程度は私は出して頂きたいと思います。その分つておる範囲、それの分つつておる範囲で私は大凡の全貌を掴み得ると思うのであります。そこで先程私が問いましたところの、なぜ二割に決まつたか、二割五分ならばどう違うか、三割あつても例えば戰前において三井、三菱が外國貿易において至るところで競爭しておつたのであります。決してこの二社は協定も場合によつたらできるかも知れませんが、多くの場合はもう血の出るような競爭をやつておつたのであります。二つあつても可なり激しい競争をしておつた。それを二割以上になればいかん、或いは三割以上になるといかん、これが公正な競爭をし得る形におりさえすればいい、何故に二割に制限したか、これを聞きたい。先程答弁がなかつたからこれを政府委員にちよつと伺いたい。
 尚ちよつと御答弁のあるまでに関聯しておりますから……例えば鉄に対して鉱石を十一割以上であればこれを切る。ところが仮りに製鉄会社があつていい山があつた場合に、その山を開発する場合に、最初は自分だけでいいつもりであつても、山が予想外によかつたならば他に轉賣する。他に轉賣するときに、それは実はそのときの市場如何によるのでありまして、こういう机上で以て、こういうのはどういう値段で賣るとか、何とかということは決めるべき筋のものでも何でもないのであります。例えばそれを自分の会社に賣るには高く賣つても、よそに賣るときには競争して安く賣ることもある。單に鉱石の供給力があつた場合には、これを切るのだ、こういうような机上の基準を示すことが却つて誤りの因となると思うのであります。この基準に合うのが公正であつて、公共の利益に副う、この基準以外のものは公共の利益に反するということは私は断じて言えないと思うのであります。從つて今のこういう十一割ならば、なぜいけないか、二割ならばなぜいいのか、その点を一つ伺いたい。
#69
○政府委員(渡邊喜久造君) 一松委員のおつしやいますように、具体的に考えまして、初めてそこに分割のことが公共の利益のためになるということが言い得るわけでありまして、机上で以て割合を示すことは、却つて実情に合わないのだということにつきましては政府の考えますところも全然同じであります。ただ同時に一面の要求としまして、こういう何らか一應の標準を示しませんと、今度は又余りに概括的になりまして、一体どうなるのだ、とにかくこの集中排除のような大きな法案が出ますと、その企業としましては直ぐ非常に不安に陷るわけでありましてできれば自分の会社はどうなるだろうかということを大体早く知りたい、そのためには何らか或る意味におきましての基準が欲しい、こういう要求が片方にあるわけでありまして、その二つは非常に矛盾した要求でございますが、併し何と申しましても、個々の具体的なケースを取りまして、その具体的なケースに合うように、必要に應じて排除するものは排除する、分割するものは分割するという方策を取らなければならんということは、全然一松委員のおつしやるところと同じようなふうに考えております。従いまして二割の問題がございましたが、これも能力の点に書いてございますように、一体どの程度の能力を持つていたらそれが許される最大限度であるか、その場合に何割と、これはでき得ればはつきりさせることが企業としましては、自分の会社の運命を早く知り得るのでありまして、その意味からしますると、何割ということをはつきり決める方がいいのでありますが、今お話がありましたように、この何割ということを決めるということは非常に困難でございます。從いまして何割と決め得ない、二割の問題におきまして、そういうような含みを多分に持つておりまして、二割以下であるというような場合におきましては、大体この程度のものでしたらば弊害がないだろうという関係からしまして、ここにあります分割する場合の新らしい会社と他のものとの関係というような問題におきましても、この程度のものである場合には、それほど嚴格にこれを適用しないといつた程度の非常に含みのある考え方になつております。十一割の問題は、確かにこれに比べますと、可なり一應はつきりしたことになつておりますが、この場合におきましてもこれは一應の原則と考えまして、具体的な事例に上りまして、必ずしもこれに依らない方がむしろ生産或いは原價といつた面から考えまして、より適当であるという場合におきましては、この十一割の原則が、そういう場合におきましてもそのまま適用になる、こういうふうにはならないと思つております。
#70
○一松政二君 今私は大きな形についての問題につきまして、今までは特に質問をしておつたのでありますけれども、小さい規模の会社が沢山仮りに経営されておつた場合に、その集中については何か基準を示すのでありますか、或いは資本金によつて示すのであるか、或いはその総合計の高について示すのであるか、或いはその合計が何千万円以下ならばこれはやらないのであるか、何か具体的な指示がありますか、その点についてちよつとお伺いいたします。
#71
○政府委員(佐多忠隆君) 小さいものにつきまして、資本金で幾らだとか、從業員で幾らというような限定は別に設けません。
#72
○一松政二君 そうするというと、どの程度の会社に、それではこれだけの報告を……この要旨に当嵌まりそうだというものを自発的に報告させるのでありますか。まあ自発的にやらない場合には、公正取引委員の方でそれを見付けて、あとからやるということは、余程あとになると思いますけれども、何かその点についてはどの規定でそういうことがやれますか、ちよつと伺いたい。
#73
○政府委員(渡邊喜久造君) 一般的な規定を設けまして、こういう資格に該当するものにつきまして、一つの報告を出すとかいうことは、別に考えておりません。持株会社整理委員会の方で以て、一應の資料を、他の資料から必要に應じまして質問書或いは照会書というようなものを出しまして、その会社の情報を求める、こういうことはこれは考えられるところでございまして、その点につきましては、法律の第七條に、いろいろ情報を集め、整理し、調査しといつたような規定がございまして、この規定によりまして個々にその会社に対しまして一定の事実の照会を求める、こういうことに相成つております。
#74
○油井賢太郎君 今のに関聯しますが一昨日持株整理委員会の笹山委員長から、適用は主に制限会社にするというような談話が新聞に載つているのですが、今のお話によりますと、そういうふうな基準ということを明示していないのですが、この新聞が正当なんですか。それとも大体新聞に発表されたようなところで我々考えていてよろしいですか、どうですか。
#75
○政府委員(佐多忠隆君) 制限会社に限定する、これだけだというふうな答弁はしておらないと思います。建前としましては制限会社であろうと制限会社でなかろうと、この法律の対象になります。併し実際の扱いからして、大体制限会社が主に該当するものになるだろうというふうな感じを持つておるという答弁だつたと思います。そういうふうに御了承願いたいと思います。
#76
○中西功君 これは今日説明を聽かなくてもいいのですが、実は先刻一松委員が言われたように非常に漠然としておるのです。それで重要産業……まあなるたけ多い方がいいのですが、重要産業をとつて戰時中の状態と、それから戰後いろいろ財閥解体でその後変つた状態と、私的独占で変つた問題、それから更にこの度の集中排除でこれが適用を受ける、その受ける場合に、その場合今商工大臣が言われた戰時中に経済外で、例えば合同だとか何とか、人爲的に変更さしたもの、そして又先刻言われた二割と十一割の問題、或いは基準の問題が出て來ると思いますが実情について説明をして貰いたい。そうすれば経済力集中排除法の適用の影響ということも非常にはつきりすると思うのです。そう思うのです。特にこれがいろいろ問題になつておる部門があると思うのですが、そういう部門の具体的な数字についていろいろこの法律の條文を説明願いたい。これは今日でなくてもこの次の機会で結構です。
#77
○一松政二君 今伺つておるだけで見ますと、ちよつと今の中西委員の言われたことと殆んど合致すると思うのでありますが、制限会社だけとは言われんが、具体的には制限会社だけと凡その目星もついておるのでありますからすつかり名前も分つておりますが、企業再建整備その他の関係で、いろいろ案が示されておると思うのであります。それは具体的に分つておる筈だと思うのでありますから、私は中西君が言われたように日にちを制限しませんから、それを具体的に示して頂かなければ、この法案全体を審議する上において私共は的確な観念を持ち得ない。そうして而も商工大臣は先程絶対に不安動搖を與えるものであつてはならんということを強調されたのであります。ところが巷は不安動搖に満ちておるのであります。ですから今のように制限会社以外には及ぱないということであれば制限会社以外のものは安心する。商工大臣は帰られたのでありまするが、その点を私は尚具体的にもう少し肚力を持つて、そうして一般の國民に不安動搖をなからしめる手段を採つて頂きたい。これは政府委員を通じて今の商工大臣に私は更に要望して置きたいのであります。
#78
○油井賢太郎君 この前二十二日の委員会におきましては、具体的基準というものをはつきりとこの次の委員会までにお示し下さるという話でしたが、配付になりましたのは、その再編成の基準要旨というものだけであつて、大分我々の方の要求したものと、又必ず配付して下さると言つたものと開きがあるように考えます。私先程ちよつと留守しましたが、一松さんその他からその点について御質疑があつたと思いますが、その点をお答え願いたいと思います。
 もう一つ、再編成の基準要旨というものは、十月の十三日かに経本から発表になつておるのであります。二十二日の委員会の時にすでに我々の方にこういうものは配つておいて頂くのが当然だと思います。國会の方が後になつて、新聞の方に先に出ておるというようなことでは、國会に対する甚だ権威の失墜とさえ考えられるのであります。今後こういうことのないように御注意願いたいと思います。
#79
○政府委員(佐多忠隆君) この基準につきましては、おつしやる通りに、國会の委員会に先ず提出いたしまして、その提出が済んでから新聞の方には発表いたしましたので、そういう手続になつていたことを御了承願いたいと思います。尚それ以前に何か発表されておりましたら、それは政府が発表したものでなくて、何か別な関係から出たものというふうにお考えを願いたいと思います。
 それから十三日のあれというのは、この日附のことでありますか。これはまだ関係方面といろいろ折衝をしますのにこれを使つたものでございますから、その最初にできた日附でございまして、発表した日附ではございませんから、そういうようにお考えを願いたいと思います。
#80
○油井賢太郎君 もう一つ今の具体的基準というものの解釈と、再編成の基準要旨、具体的基準というものは、この再編成の基準要旨で以て済まされてはおらないのでしようね。それについて囘答願います。
#81
○政府委員(佐多忠隆君) 大体具体的な基準は今お示ししてあります再編成の基準要旨が今後持株会社整理委員会でいろいろ檢討されると思いますが、大体においてこれが具体的な基準になつて発表されるというようにお含み願いたいと思います。
#82
○一松政二君 私は先程中西委員からも請求があつたと思いますが、この法案を審議する上において今のこの要旨では私は満足できません。(「同感」と呼ぶ者あり)この要旨ならば殆んど言い盡されておる程度のものであつて、凡そ我々の常識になつておるようなものであります。かるが故に私は具体的の会社名まで要求しておるのであります。主として制限会社に適用するということは、只今委員長が言つておられる、少くとも制限会社については、或る程度の分割案がある筈だと思うのです。又若し、主としてという含みのある言葉を使つておりますから、まだ外にもあるものと考えられるのでありますけれども、それを見れば凡そどういう程度までこれを及ぼすという考えがあるかということを我々は考えるのであります。その適用の心組如何を我々は知らずしては、この法律をお預りするわけには行かんのであります。この法律を、政府に預けてしまつて、そうして通してしまつてから考えるのじやこれは議会は一体何をしているのか、それはもう全然総動員法を審議したいわゆる翼賛議会と何ら変るところはないのであつて、我々はさような包括的な大きな権利を一委員会や一政府当局に國会としてはお委せするわけには私は行かんだろうと信ずる者であります。
#83
○政府委員(佐多忠隆君) 制限会社について一つずつのリスト、或いは更にそれがどういうふうに再編成されるかということを具体的に資料を出すようにというお話でございますが、実はそれをいかに再編成するか、具体的に個々の企業について、個々の会社についていかに再編成するかということは持株会社整理委員会の実際の運用の問題になりますので、それはこの法律が通過しまして、いよいよ実施される第二の問題になると思うのでありまして、ここでそれらを資料として提出するということはでき兼ねると思いますし、そこまでの段階に至つていないと思うのでございます。ただ併し先程御要求がありましたように、重要産業について大体の構想はどういうふうになるかということを具体的に示せというような場合については、更によく各方面と折衝しまして、他の機会に大体の概念は納得して頂けるような御説明をいたしたいと思つております。
#84
○一松政二君 私もそれは制限会社の孫会社の小さなもののいわゆる名前までも要求しなくともよいのであります。だからこの法案を審議する上において、我々が的確にその集中を排除する深さと幅を我々が的確に知り得ればそれで私は事足りると思うのであります。それで我々の把握するだけの資料を出して頂かなければ、この法案を審議する上において、我々はその影響力の及ぶところを測り知ることができないのでありまして、軽々にこの法案を我々は取扱い得ないということを申上げて置きたいのであります。
#85
○委員長(黒田英雄君) 本日はこの程度で散会いたしたいと思います。それではこれにて散会いたします。
   午後四時四十四分散会
 出席者は左の通り
  財政及び金融委員
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           下條 恭兵君
           玉屋 喜章君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           木内 四郎君
           櫻内 辰郎君
           星   一君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
  商業委員
   委員長     一松 政二君
   理事
           鎌田 逸郎君
   委員
           齋  武雄君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
           油井賢太郎君
           佐伯卯四郎君
           島津 忠彦君
           波多野林一君
           結城 安次君
  鉱工業委員
   委員長     稻垣平太郎君
   理事
           中川 以良君
   委員
           荒井 八郎君
           大屋 晋三君
           川村 松助君
           平岡 市三君
           堀  末治君
           楠見 義男君
           宿谷 榮一君
           田村 文吉君
           藤井 丙午君
           帆足  計君
           細川 嘉六君
  國務大臣
   商 工 大 臣 水谷長三郎君
  政府委員
   (経済安定本部
   財政金融局長) 佐多 忠隆君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   財政金融局次
   長)      渡邊喜久造君
ソース: 国立国会図書館
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