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1947/11/20 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融・商業・鉱工業連合委員会 第5号
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1947/11/20 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融・商業・鉱工業連合委員会 第5号

#1
第001回国会 財政及び金融・商業・鉱工業連合委員会 第5号
  付託事件
○経済力集中排除法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月二十日(木曜日)
   午後一時四十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○経済力集中排除法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) これより連合委員会を開会いたします。会期も切迫いたしておりますので、皆樣の御審議を制限する意味ではないのでありますが、十分に愼重に御審議を願いたいのでありますが、成るべく時間を省きますために御質問を簡明に一つお願いを申上げたいと思います。時間を制限する意味ではありませんが、尚政府の答弁も簡單に要領よく十分に質問の要点に触れた御答弁を願いたいと思います。それでは本日は経済力集中排除法案を議題にいたしまして、先日松嶋委員から御質問のあつたことについて、政府の答弁を求めることにいたしたいと思います。
#3
○政府委員(佐藤達夫君) 先きに松嶋委員から御質疑があつたように私は間接に承知いたしているのでございます。從つてはつきり御質問の趣旨を掴んでおるかどうか分りませんが、要点はこの集中排除法に関聯してその権利の保護と申しますか、そういう関係、殊に裁判としてこれを救済される途があるのかどうかというような点についての御質疑であるように承知いたしますので、さような観点からお答をいたしたいと存じます。申すまでもございませんが、新憲法におきましては、特に第三十二條でありますか、一ケ條設けまして「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」という條項を置いておるのでございます。前の明治憲法におきましては、御承知のように、行政裁判所というものがありまして、又行政訴訟事項というのは、これは法律で特に訴訟事項とした場合に限つて裁判に訴えることができるという建前になつておつたのでありますけれども、新憲法におきましては、その建前がすつかり変りまして、行政処分につきましても、違法のものである以上は、総ての原則としてその取消しなり、或いは変更の訴を司法裁判所に申立てることができるというふうに建前が変つたのでございます。從いましてこの集中排除法の運用に関聯してなされまするいろいろな処分があるのでありますが、それは今のような建前から、違法な措置であるというような場合、又権利を侵害されたというような場合におきましては、司法裁判所に訴える途が当然あるわけであります。これは先程も申しましたような新憲法の建前から特に法律の中に裁判所に訴えることができると書きませんでも、当然その途があるというふうに考えておるわけであります。私が先程違法ということを申しましたが、集中排除法の適用関係でいろいろ持株会社整理委員会がいろいろな措置をするわけでありますが、その措置をするについての法律上の枠というものがあるわけであります。例えば第一條ではつきり目的を掲げておりましたり、或いは又第三條の関係におきましては、個々の條件を細かく書いてあるのであります。而かも又その処分は公共の利益のために集中排除をなすんだということが、第三條にはつきり謳われてあります。かような法律の枠に沿つての処分でありますならば、これは違法ということにはなりますまいが、この枠に触れて、或いは枠を逸脱しての処分ということになりますれば、すべてこれは訴訟の対象となるというふうに考えておるわけであります。從いまして本法案には十三條、その他一應の不服申立ての途であるとか、或いは協議会の規定であるとか、一應の保護の規定はありますが、更にその外に、今申しましたような訴訟の途があるというふうに考えておる次第でございます。一應お答えいたします。
#4
○松嶋喜作君 今の御説明であると、前の局長さんの御説明と何等変つてところはないように思います。それは私が特に疑問を持ち、お尋をしたのは、行政上の措置が違法でなくとも不当であるという場合には裁判所は提訴できるかどうかという点に重点を置いたのであります。只今の御説明によれば、第三條に詳しく例示してあるということでありまするが、私はこの法案の標準となる点が非常に曖昧である。今三條をお引きになりましたから三條について申上げますれば、三ページの終りから二行目に「議決権の行使の受任」という文字があります。これは排除するということが建前でありまするが、「議決権の行使の受任」ということは仮にこういうことでないかと思います。
 この会社の議決権というものについて株主総会がある。その株主総会に弁護士が株主から賛成するかしないかという議決権の行使を託されて行かんとする場合に、総会が始まり、議題が決定して、いよいよ総会を始むるというときに、初めて議決権の行使がはつきりするのでありまして、弁護士が議決権を受託されて出て行く前に、決して弁護士がどういう意見を述べるか分らんのであります。でありますから、その議決権を行使せんとする弁護士の行動について排除することは不可能のことではないかと思います。そういうように、この三條を見ましても、はつきりせん点がありますから、仮に総理大臣が持株会社整理委員会に戻して、再度行政の措置をしたときに違法ではないが、行政上の処分に不当であるという感じを持つたときには、やはりそれでも裁判所に異議を申立てできるか。行政上違法ではないが不当の処分はどうなるかということをお尋ねしたのですが、これでも裁判所に提訴できるのでございましようか。その点……。
#5
○政府委員(佐藤達夫君) 只今松嶋委員御指順の三條三号の問題は、これは非常に條文が細かくなつておりますので、そこに入ります前に、相当この違法な処分というものと、その不当な処分というものの限界は一体どこで線を引くのかという問題がその核心をなすものではないかと思います。この当、不当の境目ということは、私共法律書生といたしまして常に議論しておる事柄でありまして、何人も納得の行くような、而もそれをはつきり表わすような一線を引くということはこれは正直なところ困難な事柄であろうと思います。但しこの法案の関係からこれを考えますというと、その法案の決めております、法律そのものの決めておりまする條件というものが、先程私が触れましたように、例えばこの三條の本文におきまして、「公共と利益のためにこれを排除しなければならない。」という非常に線の太い條件を挙げておるのでありまして、そうしますというと、この法案の運営上起つて來る諸般の問題は、結局この「公共の利益のために」という一線から見て、これは適うか適わないか、即ち、「公共の利益のため」という限度を逸脱しておるかどうかという事柄が、違法か、違法でないかという問題の鍵となるのだろうと思つておるわけであります。從いまして、我我が常識的に見ましてとにかく面白くないという意味の不当……不当と考えられる事柄をこの法案に照らして見ます場合には、恐らくその大部分は違反という範疇に入ることになるのではないかと思う次第で、從つて裁判の保護というものがそれらのものについて及ぶというように考えておるわけであります。一應漠然とした氣持でございますけれども、さようなことを考えておるわけであります。
#6
○松嶋喜作君 そうしますと、「公共の利益のため」ということは主観で解決してよろしうのでございましようか。
#7
○政府委員(佐藤達夫君) 固よりこれは主観……恐らく処分をします……措置をしますときには措置をする機関の主観によるのでありましようが、その措置そのものがこの公共の利益に適つておるかどうかということは、これは客観的の鏡に照しまして判定されるわけで、從つて訴訟の問題になれば裁判所がその職権を以て判定をする。これが客観的の公共の利益だ、これに和する、反しないかということを客観的に終局的に判定されるということになるわけであります。
#8
○松嶋喜作君 それでは公共の利益のためという標準は裁判所の判定に俟つそれは誠に結構でありまするが、提訴しますときに、これはこの標準に違法の処分であるか、不当の処分であるかどうかということがどこで決めるかなかなか分らないのですが、要するに私の言わんとするところは、これは違法の裁断であるという主観的の判断に基ずいていかなる場合でも提訴ができる。仮に予判所で不利な判決を受けても満足でありますが、私の望むところは、一應裁判所にいかなる場合も提訴できる。主観的にこれは公益のために反している、行政上不当な処分であると主観的に考えた場合は、いかなる場合でも裁判所に一應提訴できるということをお認めになるならば、私はそれで満足なのでありますが、その点を一つ……。
#9
○政府委員(佐藤達夫君) 松嶋委員の主観的というお言葉をちよつと取違えておりましたが、今あとのお言葉で分りましたが、即ちこの利益を侵害されたいわゆる被害者が、自分の受けた処分はこの集中排除法の違反で、即ち公共の利益のためという域を逸脱したということであつたら固より可能でありまして、先程申しましたように、あとの判定はこれは裁判所の判定に俟つより外はない、こういうことになつております。
#10
○深川タマヱ君 この経済力集中排除法案の目的は、資材、資金、設備等の点で、比較的経済力の強い者が当該事業分野における細かい者を圧迫するから、それを保護するのが一つの目的であると同時に、一般の公共の利益を擁護するという項目があるところから見ますと、これは消費者の保護だろうと存じます。前者の場合は暫く置きまして、後者の場合でございますが、一般消費者の保護となりますと、必ずしも資材、資金、設備等の厖大な人達の我占によつて不利益を蒙むるという場合のみでなく、むしろ小さい小賣業者のような人達の價格協定とか、生産協定とか、それから販路協定等によつて消費者がこの販賣價格を吊り上げられたりして非常に困る場合が多いと思います。例えば最近のような闇市場のような例を引きましても、今日野菜や魚等は配給だけでは間に合いませんので、どうしても闇の力を借りなければなりませんが、どこの闇市場でもどのものでも大抵賣格は一定しております。東京中の闇市場の商賣人が大体横の連繋をとりますれば、東京都民を苦しめることは雑作ないことでございますので將來この消費者を保護するために、何か政府のお立場で御勘案下さつているかどうか。過去におきましては百貨店とか消費組合によつて小賣店の我儘を押えてきたのでありますけれども、それは余りにも小賣業者を圧迫し過ぎましたので、それでなく別な方法で何か消費者を保護するか。競爭制々々々と奬励なさいますけれども、今の小賣業者は過去の小賣業者の人と違つて、非常に賢くなつている。競爭して共倒れになることを厭がつておりますので、秘密裡に協定しまして、或る程度有利な賣格に協定することは当然であります。そのことから消費者を保護するためにどういう方法を考えているか。それを一應承わりまして、それから後を続けます。
#11
○政府委員(佐多忠隆君) 今の御質問は、消費者を苦しめるところの独占的な協定、契約等々に対して政府はどういう措置を採るかという御質問だと思いますが、それらはすべて独占禁止法によつてそういう独占的な協定、契約等々は現在あるものは無効になる。更に残つておる場合にはそういうものは排除するような措置を採るということになつておりますので、すべて独占禁止法で措置するということになると思います。
#12
○深川タマヱ君 それではもう一つお尋ねしますが、そういう法律は作つておいでになるでございましようけれども、実際問題といたしまして、小賣業者は競爭いたしましたならば利益が薄いので、秘密裡にこつそりと協定を結んで賣格を引上げることは奨來当然なことでありますので、この秘密を取締るということは國家の手でも相当困難だろうと思いますので、何にか他に手がないものか、暴利取締令というのが過去においてありました。最近日本でも野菜や魚の統制を撤廃したらどうかというので小委員会を設けておることを聞きますが、現に果物は統制が撤廃されておるが、もうそれが壞れつつあります。アメリカでも去年の七月に砂糖と家賃とを拔きにして全部統制を撤廃しましたら、非常に價格が吊上げられましたので、最近又統制を強化するように見えておりますけれども、やはり私の考えでは統制を撤廃するのもよいが、一應ルートの撤廃をしまして最高價格の点で何か一つ標準を置いて頂かないと將來は困るのじやないか、ルートの統制を撤廃して置きますと、業者は自由に安く手に入れて來ますから、やはり價格は相当下るのではないかと消費者の立場から考えておりますけれども……。
#13
○大畠農夫雄君 先程委員長から質問も答弁も簡單にということを言われましたが、質問内容について各自の質問について御整理を願いたい。
#14
○政府委員(佐多忠隆君) 仰せのようないろいろな事実はあると思いますので、それらに対しては流通秩序の確立をするなり、或いは必要なものについては公定價格を決めるなり等々をして消費者一般の保護に全力を盡したいというふうに考えております。
#15
○一松政二君 先程の集中排除法案の枠が大体公共の福祉という大きな線で以て引つ張つてあるということは私も了承するのであります。第三條で公共の福祉を大きな線で引いて置きながら、第六條において、公共の福祉の参考になるかならないかというような規定を細かく書いてある理由はどういうことであるか。
#16
○政府委員(佐藤達夫君) 第六條に挙げてありますのは、三條でこういう経済力の集中が排除の客体になる。その排除の客体になるものを三條で言つておるわけでありますが、この六條で然らばその排除基準をどういうところに求めるかという具体的基準をずつと各号に列挙しまして、こういうこと、こういうこと、こういうことを目度にとつて、集中に該当するかどうかということを決めなければならん。これは六條は今仰せられましたような指導精神と申しますか、そういうものを離れてむしろ技術的な目度を探ろう、その鍵にしようという趣旨でできておるものと考えております。
#17
○一松政二君 然らば六條の集中の目度を仮につけ、それが或る程度大きいとか、或いは生産額が二割或いは三割四割になるかも知れん。併しながらそれは更に公共の福祉という眼鏡をもう一つこの上にかけることであろうと思うのでありますが、ここに細かく規定してありますと、公共の福祉を忘れてしまつて、この鍵でものを律する危險が多分に私はあると思うのでありますが、その点に対する長官のお考えはいかがでしようか。
#18
○政府委員(佐藤達夫君) これは今申しましたようなことで、六條はむしろ機械的の目途、尺度ということでありまするから、これに対する今度は本法の精神をいかに動かして行くかということは、三條の大精神に則つて、具体的に運用が行なわれるというふうに考えますが、尚安定本部の方から補足してお答えしてもよろしいと思います。
#19
○一松政二君 安定本部の局長から伺す前に、私は法制局長官の今の答弁は私は正しいのであろうと考えておるのであります。柄が大きいから、資本金が大きいから、或いは事務所が沢山に分れておるから等のことによりましてそれが必ず公共の福祉に反しておると断定はできないと私は考えるのであります。でありま4昼からこの六條の細かい規定によりまして、一応取調べは仮りにいたしましても、その最後の枠は必ず公共の福祉に反しないということが前提となつて、ものを判断しなければならんと思うのであります。ただ甚だ残念なことは、巷間傳えられておるところによりますと、事業所が沢山あるとか、資本金が大きいとかいうことのみが対象になりまして、公共の福祉を忘れておるという憾みが多分に感じられるのであります。その意味におきまして、只今の法制局長官の仰しやられました、いわゆる公共の福祉がこの眼鏡である。こういう形の上でなく、その形は一應公共の福祉を考える前の手段に過ぎないんだという答弁と私は解釈してよろしうございますか。
#20
○政府委員(佐藤達夫君) 手段といいますか、言葉はどうなりますか存じませんが、あくまで本法の精神は、公共の利益のために排除するということが本体である。あと第一條から第何條までありますか、その條文の数は分りませんが、その條文はその目標の下にできておるというふうに考えております。
#21
○小林英三君 本法の目的の中には「速やかに経済力の集中を排除し、國民経済を合理的に再編成することによつて、民主的で健全な國民経済再建の基礎を作ることを目的とする。」ということを言つておりますが、私はこの法案は運営のいかんによりましては、非常にむずかしい問題でありまして、例えば範囲だとか、或いは適用のいかんだとか、或いはこの枠のいかんだとかいうことによりまして、むしろ健全な國民経済を再建するのではなくて、反対に経済界を混乱に陷れるということがないとも限らんと思います。然るにこの法案を運用して行くものは特株会社整理委員会であります特株会社整理委員会の構成を見ますというと、常勤が四人、非常勤が四人ということであります。主として常勤の方が仕事をするのだと思いまうが、そこで私がお伺いしたいのは、こういう重要な本案を運営して行く上におきまして、僅かに特株会社整理委員会にこれを運営さすということでなしに、政府は別に何かの協議機関をこれに附随さしてやつて行く意思があるかどうかということをお伺いしたいのであります。今日でなくても結構であります。それからもう一つは十三條であります。十三條の利害関係人の権利を保持するために、「公告された日から六日以内に内閣総理大臣に不服の申立をすることができる。」ということになつております。決定指令が通達されてから、又は公告の日から六日以内ということになつております。先ず第一にお伺いしたいことは、決定指令が通達されるということの事実は、本人にどういう方法で通達して行くのか。出す方で郵便か何かで放り込んで、その日から六日以内というのでありますか。どういう方法で通達するのかということを伺いたい。それからもう一つ、六日という日にちはどういう数字でお出しになつたのかということであります。もう一つはこの六日は利害関係人の権利を擁護する上におきましては、余りに短か過ぎはしないか。少くとも十日とか二週間とかいうようなことでないというと、本当に何かの都会で遅延する問題もありますし、又六日間の短い猶予では、利害関係人が非常に困りはしないかとこう思うのであります。その三点についてお伺いいたしたいと思います。
#22
○政府委員(佐多忠隆君) 第一点は持株会社整理委員会に関係させないで、外の点を考えないかという御質問であると思いますが、この点政府の方でもこの法律が非常に重要な法律でありまして、この運営が非常に廣汎な権限を必要とし、純粹に行政的な措置でございますので、そういう点をいろいろ考慮しまして、特別な行政廳をつくるなり、或いは行政機関によつて何したらどうかというようなこともいろいろ考究いたしたのでございますが、現在すでに特株会社整理委員会が財閥解体の問題を中心的に扱つておりますし、知識、経驗等々においても、あの特株会社整理委員会を使うことが最も適当であるというふうに考えましたので、この法令に規定してございますように、これらの法令の運用は、すべて特株会社整理委員会に当らせるというようなことに決めておりますので、大体そういうふうに御了承を願いたいと思います。ただ仰せの通りに、非常に重要な仕事でございますし、関係するところが非常に廣汎でございますので、今御指摘のような、いろいろな意見、希望もあると思いますので、特株会表整理委員會が決定をするまでには、そういう各方面の意向、事情は十分察知し、あらゆる方面の意見を聞いて、最後の決定に進むように、それらの点の取扱いについては愼重にいたさせたいと思つております。それから通達されてからという問題でございますが、これは通達主義でございまして、達してから幾日間というふうにお考え願つて結構だと思います。それから六日以内というふうに規定してある、この理日の問題でございますが、これは成るべく事務を迅速にやりたいという見地からいたしまして、大体一週間、六日以内というふうに限定しておるわけでありまして、これだけあれば大体公告もされるし、通達されてから六日間でございますから、そんなに短期間でないと思いまして、そういうふうに規定いたしたのであります。
#23
○小林英三君 今の十三條の、決定指令が通達されるということは、発送してからというような意味に承りましたがそうでな。
#24
○政府委員(渡邊喜久造君) 決定指令が通達されるというのは、ここでは利害関係人に決定指令が到着してから六日間というふうに、通達主義を取つております。
#25
○小林英三君 到着したということはどういうことによつてそれを判定いたしますか。
#26
○政府委員(渡邊喜久造君) それは利害関係人が、受取られた人がいつ受取つたということにつきまして、何か事実証明をして頂くことで決るべきものだと思つております。
#27
○小林英三君 これはなかなか簡單のようでありまするが、利害関係人の権利を保護する上におきましては重要な問題でありますので、その立証はどういうふうな方法で立証するのでありますか、それをはつきりして頂きたい。通達ではやくして、到達してから六日ということであります。到達したということは何月何日にはつきり到達したということが根本問題でありますからどういうことによつてそれをはつきりしますか。
#28
○政府委員(渡邊喜久造君) その点につきましては、例えば特株整理委員会といたしましては、配達証明なら配達証明という手段で以て文書を送るよう指導いたしますれば、大体到達関係ははつきりするのではないか、こういうふうに、お説の通り非常に権利関係におきまして重要なことでございますから、愼重に取扱せるように注意をいたしたいと思います。
#29
○松嶋喜作君 法制局長官がお帰りになる前に一つ伺つておきたいと思います。第七條の六号、「法人その他の團体の解散を命じ、」としてあります。会社の解散を命ずるということは、商法の九十四條の裁判上の解散というのがあります。この規定によつて解散を命ずるということになると、商法の規定というのは、これは空文になつてしまつて、この法律によつて商法を改正するということにも言い得るわけでありまして、これは重大問題じやないかと思います。大きく言えば、立法権を動かすという意味にも聞取れるのであります。この商法の裁判上の解散ということと、この六号の「法人その他の團体の解散を命じ」という関係はどういうふうに解していいかということが一つと、それからその六号の、法人その他の團体の解散を命じ」と書いてあれば八号の「法人その他の團体の解散」ということは不要の文字ではないか、こんなことは書かんでも、ここに「解散を命じ」としてあれば不要ではないかそう考えます。それからもう一つ、その十号の「この法律の規定に適合する行爲をすること。」こんなことは当然なことで空文ではないか、こう思うのであります。この三つをお伺いいたします。
#30
○政府委員(佐藤達夫君) 第一の御質問の、解散を命じた場合の、その後の解散手続の問題でありまするが、この法律で特例を書いておりません以上は商法に從つてその手続が運ばれて行くことと考えておるわけでありますそれから後二ケ所ばかり空文ではないかというようなお尋ねでございましたが、例えば八号の関係は、この解散の手続、清算その他の措置がこの法律の精神に果して副つておるかどうかということを、この持株整理委員会が横から見張つておれという趣旨であると考えておるわけであります。その意味があるわけであります。それから十号で「法律の規定に適合する行爲をすること。」ということはそれは当然のことではありましようが、第一、持株会社整理委員会というものの権能は、法律で與えられて始めてその範囲においての働きをなし得るものでありますからして、必要と考えられます以上は、一應ここに謳つておきませんと、その行爲ができないというような疑いもあり得るわけで、ここに特に掲げてあると考えております。
#31
○帆足計君 前回以來、各委員からの御質問の出ておる点でありまするが、重要な点でありまするために、もう一段明らかにして頂きたいと存じます。と申しますのは、この法案は、日本の生産力を弱めようとするような内容を持つておるものではないかという危惧の念が國民の中にあるわけであります。日本の生産力を、敗戰國としてどの水準におくかという問題は、占領軍の最高政策でありまして、これに対して我々が対等の資格で答弁し得る問題ではなかろうと存じます。この問題は、賠償問題その他占領軍の政策によつてお決めになるべき問題であろうと思います。從いましてそういうような観点からこの日本経済の処理ということは当然私は國会における法律の問題の対象になり得ない問題であろうと存じます。從いまして常識として考えましても、そのような考え方は誤解でありまして、この法案の目指すところは、先程來お話のありますように、日本経済の民主化を徹底し、独占的な変更を防止し、公共の利益を守ることにあろうと存じます。現にウエルツユ氏の経済團体におけるお話の中にも、この法律の精神が全く大衆の利益のためにあることが了解されん限り、この法律を理解することは不可能であろう、こういうようなお話があつたということを新聞等で承わりました。そこで私はこの法案の目的が、公共の利益を守るという一点に、その目標がありとしまするならば、單に地域的に分散しておるとか、又は化学工業その他のような、單にその産業の性質上、技術的に大規模工場を構成しておる、又は單に若干の兼業をしておるとかいうことだけでは、何ら集中排除の対象になるものではなくして、それが不当に独占を構成し、不当に資本的圧力を加え、不健全な経済状況を現出し、そうして公共の利益に反するというその限りにおいてのみ、この法案の対象になるべきものと、こう考えるのでありまするが、そのような考え方で政府はおられますのかどうか、少し明確にして頂きたいと存じます。
#32
○政府委員(佐多忠隆君) 御質問の通りに、この法律は、國民経済を合理的に再編成することによつて、民主的で健全な國民経済再建の基礎を作ることを目的としております。從いまして今仰しやつたように、單に地理的に分散しておるからとか、或いは單に巨大に過ぎるから、それは分割しなければならないというのではなくて、今仰しやられたように、そういう地理的に隔在しておるものを集めて、経営がむしろ不合理になつておる、或いは非常に巨大なコンツエルンを作つていて、そのために不当に独占的な支配を及ぼし、それが財閥の形になり、更には浸略的な勢力の経済的の基礎を形成するというような虞のあるもの、そういうものに限つて問題を処理したいというのでございますから、若しそうでなくて、單に技術的な意味において、生産的な必要上相当大規模なものになる、或いは生産的に合理的に経営をするために、地域的に隔在しておるものを、尚一つの会社に統合されて運営されなければならないというような必要があれば、それらは全部合理的な再編成という見地から、從つて又そういう形において日本の生産力を維持伸張するという見地から、そういうものはむしろ解体なり分割をしないで、むしろそういう方向において生産力の増強に寄與するように仕向けて行きたいという政府の見解でございます。
#33
○大畠農夫雄君 十三條をお聽きしたいのです。不服の申立であります。六日以内に申立てることができるというのでありますが、これは勿論制限がないから口頭によつても、書面によつても差支えないと思いますが、文書による場合は発信主義をとつておるのですか、到達主義をとつておるのですか。
#34
○政府委員(佐藤達夫君) これは到達主義をとつております。
#35
○大畠農夫雄君 到達主義と申しますと、現在におきまする郵便到達期間、ああいう点から見まして、六日以内では余りに短か過ぎるような感じがするのでありますが、その点はどうでありましようか。
#36
○政府委員(佐多忠隆君) 到達主義でございますから受け解つておら六日でございますから、その点は郵便が仮に遅れたとしても問題はないのであります。
#37
○大畠農夫雄君 六日以内に不服を申立てることができるというのでありますから、不服の申立人が出した書面が六日以内に著かなければいかんということになるならば……到達主義で行きますとそうなるのです。それは余りに短か過ぎるというのであります。
#38
○政府委員(佐多忠隆君) 通達されてから、或いは公告された日から六日以内に申立てればいいのですから、申立をその期間にすればいいわけでございますから、六日以内というのは、その文書がその者に著いてから、或いは公告されてから六日ということでございます。
#39
○大畠農夫雄君 この点をはつきりして頂きたいのですが、これは利害関係の権利を保護することについて最も必要なことでありまして、つまり不服申立人が出した文書が、六日以内に相手方、総理大臣官廳に著かなければいけないのか、或いは六日以内に発信すればいいのか、いわゆる発信主義をとるか、到達主義をとるか、そこなんです。
#40
○政府委員(佐多忠隆君) その点は通達された日というのを到達主義に考えておりますので、それから六日以内に申立てを出して頂けばいいので、それが仮に郵便のために非常に遅れたとしても、それは六日以上に遅れても結構であります。
#41
○大畠農夫雄君 一般の訴訟事件から申しますと、何日から以内ということは、到達主義をとつておりまして、裁判所に到達しなければいけないというふうなのが普通なのでありますが、これは、そうすると発信した日が六日以内ならば差支えないというふうな……その点でございます。
#42
○政府委員(佐多忠隆君) その点はやはり到達主義で、六日以内に到達することを必要とするそうでございます。
#43
○大畠農夫雄君 そういたしますと現在の郵便配達状態からいたしまして、六日で到達しない場合が往々にある。從つてこれが短か過ぎると私はこういうのです。だから発信主義をとつて行けば六日以内に発信したものは当然不服申立ての効力があるということになるのですから、そういうふうにしなければ余りに短か過ぎる。こういうことです。
#44
○國務大臣(和田博雄君) これは法律の解釈をやりますれば到達主義でやりますから、そういうふうになろうかと思うのでありますが、併し檢査書類の作成においても、それからその後のなんにつきましても、やはり十分に異議の申立てができるようにしてあるわけですから、まあ今の爭議行爲なんかある場合は、これはちよつと困りますけれども、普通の場合ならば、一週間以内ですからそう、余りに短か過ぎるという……これは程度の問題ですから何ともいえませんけれども、短か過ぎるということはいえないのではないかという、私は氣がいたしますが、成る程御議論になる点かとも私は思いますが併しまあ決定が結局到達された日から六日以内ですから、通知を受け取つてそうしてそのあと六日以内に著きまするように出せばいいわけで、利害関係人としては、編成計画とその他については、全然知らされずにやつておるのでなくして、編成計画その他についても関心を持つておる関係もありますので、その点は我々としても、この程度であれば、利害関係人の利益をそう損うものではないと、こう考えてやつたわけでございます。まあそういうふうに一つ御了承を願いたい。
#45
○大畠農夫雄君 成る程長官の御意見御尤もでありますが、現在におきまする通信の状態は、私は茨城縣でありますが、茨城縣から私の所の來るのに、十二日か十三日掛かる通信があるのです。そういたしました場合には、私が仮に利害関係人といたしますと、六日以内に提出いたしましても、権利を失つてしまうという形になる。從つてこの條文から言いましても、敢えて到達主義を取つておるようには見えない。つまり抗告期間六日間である。不服の申立期間が六日間であるということはこれは到達主義を取られておりますが、不服申立については、到達主義と見るような字句がないのでありますから、そこに発信主義と解釈して差支ないと私はこう思うのでありますが、そこをはつきり仰しやつて頂きたい。
#46
○國務大臣(和田博雄君) 私は構わんと思います。あなたのように御解釈になつて……私もどうこれを読むか。結局内閣総理大臣に不服の申立をすることができる権能を規定してあるので、敢えて到達主義ということは嚴格には出ておりませんから、これは発信主義という解釈を取つて差支えないと私は思います。
#47
○森下政一君 先程帆足君からだつたと思いますが、極めて重大なる質問がなされました。全法案を通じて、第六條は私は極めて重要な部分の一つであると思うのであります。排除さるべき経済力の集中がどういうものであるかということを決定する具体的基準を左に掲げる事項によつて求めるということになつておるのだと思います。そこで只今の政府委員の御答弁では、單に工場の数が多いとか、或いは比較的生産が厖大であつたというようなことだけで判断するのでなくて、公共の福祉を阻害しておるかどうかということが中心になるのだ。政府はそういう考え方を持つておると、こういうことを仰しやる。至極結構だと思うのであります。すべからくそうなければならぬと思うのであります。ただ併しながらここに示されておる第一号乃至第十一号の物指しというものが、往々にして極めて機械的な解釈に堕する虞れがあるのではないかと思うのであります。その点は大いに警戒して貰わなければならんと思います。同時にその法文の中に、第六條の中に「左に掲げる事項その他必要な事項を考慮して」その他必要な事項を考慮してということは、余程物指しに幅を持たしてあると思うのでありますが、例えばどういうふうなことがこの中に考えられる事項であるか。その点を一つ、既に予想されるものがあるとすれば、具体的に説明をして頂きたいと思うのであります。
#48
○政府委員(佐多忠隆君) 具体的な基準を定めます場合に、考慮しなければならないことは非常に多々あると思われるのでありますが、特にここに一から列挙しておるようなものを、差当りのところはそれだけを考えておりますが、ただ非常に複雑多岐であるので、更に今後実際にやつてみて、尚考慮しなければならない事項があるかも知れないという意味で、「その他必要な事項」ということで含みを持たしておるので、実際具体的にこういうことが考えられておるということは別にございません。
#49
○委員長(黒田英雄君) 最初に申上げるのを落したのですが、連合委員会も本日で一應打切りたいと思いますからどうぞそのつもりで御質問を願いたい。先程申上げましたように御質問を制限する趣旨ではありませんが、会期が切迫しておりますので、成るべく簡單に明瞭に御質問を願い、政府もどうぞ質問の要点に対して簡明に御答弁願いたいと思います。
#50
○帆足計君 持株整理委員会は從來設けられておる委員会でございます。この法案に從いまして、持株整理委員会をお使いになるとしますと、從來の形の持株整理委員会並びにその任命の方法、その法的根拠と、今次の法案によつて附與された資格で、二重的の性格になると存じますが、その辺の関係はどういうことになるのでございましようか。それからこの委員会が非常に重要な役割を背負いますから、先般來皆さんからお申出がありましたように、委員会の内容も充実し、必要に應じて專門委員会等を設置して貰いたいという御要望がしばしばあつたのでございますが、それにつきましての政府の最近のお考えの程はどういうことになつておりますか、お伺いいたしたいと思います。
#51
○國務大臣(和田博雄君) 持株整理委員会はお話のように財閥解体に伴う仕事をやりますために初めできたわけでありますが、経済力集中排除の仕事も持株整理委員会がやるようになりますると、そこにこの法律によりまして相当大きな権限が委讓されることになるのでありますので、やはり持株整理委員会を今のままにやつて行くというようには考えておりません。これは改正の法案を今議会に提出しておるわけであります。例えば内容的に言つて、監査委員会というようなものは止めてしまうとか、或いは人の点については人数を特に殖すということは今のところ考えておりませんが、併しもつと実際に本当に公平な人がありますれば、そういう人に入つて貰つて、そうしてこの仕事をやつて行くのに適正な構成を取つてやつて行く、こういうような考えで進んでおります。殊に経理なんかの点につきましても、今までは持株整理委員会は御承知のように財閥の株を処分したり、その他いろいろなことをやつておるのでありますが、それらの点を法制上はつきりする。やはりこれらの仕事をやりますには経費が要りますもんですから、その方は予算として政府からその金を出してやる。その限りにおいて会計の方の監査は会計檢査院がそこで嚴重な監督をして行くといつたようにしまして、この法律の施行に伴いまして、当然持株整理委員会に対しまして必要なそういう改正を同時に行つて行くというような意味におきまして、法案を國会に出して御審議を願つておるような次第であります。
#52
○帆足計君 そういたしますと、持株整理委員会の性格は今後政府並びに國会に対して責任を持つ、そういうことになるわけでございますね。
#53
○國務大臣(和田博雄君) それは勿論國会に対してやはり責任をもち、内閣総理大臣がこれを監督して行く、こういうことになつております。
#54
○委員長(黒田英雄君) ちよつと速記を止めて下さい。
   午後二時五十五分速記中止
  ―――――――――――――
   午後三時十五分速記開始
#55
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……。それでは本日はこの程度で終了したいと思いますが、尚財政及び金融委員会において審議をいたしますから若し御意見或いは又御質問のおありの方がありましたならば、その委員会に御出席下さいまするならば、お諮りして、御質問の機会をお與えし得ると思いますから、どうぞさよう御了承願いたいと思います。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十六分散会
 出席者は左の通り。
  財政及び金融委員
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
   委員
           下條 恭兵君
           森下 政一君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
  商業委員
   委員長     一松 政二君
   理事
           鎌田 逸郎君
   委員
           松下松治郎君
          大野木秀次郎君
           黒川 武雄君
          深川榮左エ門君
           佐伯卯四郎君
           波田野林一君
           結城 安次君
  鉱工業委員
   委員長     稻垣平太郎君
   理事
           小林 英三君
   委員
           大畠農夫雄君
           濱田 寅藏君
           荒井 八郎君
           平岡 市三君
           堀  末治君
          池田七郎兵衞君
           入交 太藏君
           宿谷 榮一君
           田村 文吉君
           藤井 丙午君
           帆足  計君
           細川 嘉六君
  國務大臣
   國 務 大 臣 和田 博雄君
  政府委員
   法制局長官   佐藤 達夫君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   財政金融局次
   長)      渡邊喜久造君
   (経済安定本部
   財政金融局長) 佐多 忠隆君
ソース: 国立国会図書館
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