くにさくロゴ
1947/10/01 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融・商業連合委員会 第1号
姉妹サイト
 
1947/10/01 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融・商業連合委員会 第1号

#1
第001回国会 財政及び金融・商業連合委員会 第1号
  付託事件
貿易資金特別会計の一部を改正する法
律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
  財政及び金融委員
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           岩木 哲夫君
           伊藤 保平君

           下條 恭兵君
           木村禧八郎君
           椎井 康雄君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           木内 四郎君
           櫻井 辰郎君
           田口政五郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           石川 準吉君
           九鬼紋十郎君
           栗栖 赳夫君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           山内 卓郎君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
           川上  嘉君
  商業委員
   委員長     一松 政二君
   理事
           林屋亀次郎君
           鎌田 逸郎君

           齋  武雄君
           椎井 康雄君
           中平常太郎君
           松下松治郎君
          大野木秀次郎君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
          深川榮左エ門君
           油井賢太郎君
           九鬼紋十郎君
           小林米三郎君
           佐伯卯四郎君
           島津 忠彦君
           高瀬荘太郎君
           波田野林一君
           結城 安次君
           廣瀬與兵衞君
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月一日(水曜日)
   午後一時九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○貿易資金特別会計法の一部を改正す
 る法律案
  ―――――――――――――
   〔黒田英雄君委員長席に着く〕
#2
○委員長(黒田英雄君) それではこれより財政及び金融委員会、及び商業委員会の連合の委員会を開会いたします。
 本日は貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたしまして御審議を願いたいと思います。これは予て御承認を得ておりましたように、商業委員会の方と極めて関連が多い法案であるのでありますので、連合委員会を開くことにいたしたのであります。
 先ず政府の提出理由の説明を願いたいと思います。
#3
○政府委員(河野一之君) 貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案提出の理由について御説明申上げます。
 現在貿易物資等の買入及び賣拂につきましては、貿易資金特別会計法第二條第一項に決めておりますいわゆる自己資金の十億円と、同條第二項の規定によるいわゆる借入資金の五十億円との合計額、即ち六十億円を以て運営いたしておる次第でございます。
 そういたしまして、最近における貿易の趨勢に対應いたしまして、この際貿易資金の増額、資金運用に伴う損益の処理等につきまして、根本的に改正する必要があるのでございますが、これに関しましては、いずれ追加予算の確定を待つて措置する考でありますが、それまでの期間における暫定的な措置といたしまして、この法律案を提出申上げた次第でございます。即ち貿易資金は、八月末現在におきまして、僅かに九億三千七百余万円を殘すに過ぎない状況でありまして、又九月及び十月の両月中において輸出物資の買入等に要する所要資金が約九十六億五千二百余万円を要します。これに当て得る資金の回收額は同期間における輸入物資の賣拂代金等約四十七億六千五百余万円に過ぎない状況でございまして、約三十九億五千万円の資金不足を來す予定と相成るのであります。そういたしまして、差当りの措置といたしまして、この不足額の調達対策といたしましては、貿易資金特別会計法第二條第二項の借入金によることを適当と認められたのでありますが、このため同項に定められた借入金の限度額を引き上げる必要がある次第でございます。尚その限度額につきましては、多少の余裕を見込みまして、三十九億円を五十億円といたした次第でございます。
 以上の理由によりまして、この法律案を提出いたした次第でありまして、何卒御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
#4
○委員長(黒田英雄君) 尚この際、貿易資金の運用等につきまして、現在どういうふうになつておるかということについて、説明を聽いた方が便利かと考えております。丁度貿易廳長官が見えております。今日は実は商工大臣が見える予定でありましたが、差支で見えないということでありますから、止むを得ず、貿易廳長官が見えておりますので、長官から御説明を聽きたいと思います。
#5
○政府委員(永井幸太郎君) 貿易資金の運用状態は、只今のところ、輸入物資に対しましては、國内の生産價格で農林省食糧管理局へ賣り渡しておりますので、本当の價格と比べまして、非常に安いものになつております。昨年中の輸入品を大体円價で賣りましたのに対しまして、ドル対円の爲替を以て見ますると、二十乃至三十くらいの比率になつておりまするのに、輸出品は大体その倍くらいのドルに対するレートで円を拂つておりますというようなことが原因いたしまして、貿易資金が非常に不足いたしておるのであります。その他輸入食糧品が末端まで配給せられまして、食糧管理局から局易廳へ還流して來ますまでの時間のずれが非常に多いというような原因等によりますのみならず、從來輸出品は、船が出ましてから代價を拂つておりましたのでありまするけれども、貿易公團を拵えまして、できるだけ早く製造家及び輸出商に金を拂つて、輸出促進にも資したいということで、大体輸出向の荷造りができましたら先に拂うというようなこと。そういつたような原因が集まりまして、御存じのような不足を來しておる次第でございます。
 尚詳しい計数につきましては、経理局長から御説明いたした方が適当と思いますが、大体運用の状態、何故に貿易資金が赤になつたかということは、そういう原因になつております。実は貿易廳がやるべき筋合でないかも知れんような、貿易廳がこれにあたるのは不適当であるようなことになつておりますので、國内で捌きます輸入品の價格の補助を貿易資金からしておるというような状態になつておりまして、この点が今後多少考慮を要すべき点かと思います。数字的に御説明申上げることが必要になれば、御説明申上げまするけれども、大体運用の状態はそういうことになつております。
#6
○一松政二君 まだ他に質問したいことが沢山ありまするのでありまするけれども、今永井長官から承わりましたる輸入品、特にそれは食糧品だろうと考えるのでありまするが、食糧品を非常に安く賣つておるために、そこへ赤字が出ておるというお話でありまするが、然らばその輸入食糧品に対するいわゆる原價を切つた赤字、内地に放出した物資はすでに新聞でも発表になつておりますが、これを貿易廳の統計によつて、その金額と、それからそれに附随して起つて來ておるところの各欠損金額の明示をして頂きたいのであります。尚食糧品についてのみそういうことが起つておるのか、或いは外に石油とか、或いは塩とか、或いは肥料とかその他総ての輸入物識が悉くそういうふうな例になつておるのか、その辺を数字を以て明確に示して頂きたいのであります。これは只今の永井長官の御説明に対しまする私の取敢ずの質問であります。
#7
○政府委員(永井幸太郎君) それでは経理局長より御説明をいたさせたいと思います。
#8
○委員長(黒田英雄君) ちよつと皆樣におはかりいたしますが、只今一松委員の御質問に対して御答をするのでありますが、村岡経理局長が見えておるのでありまして、政府委員でないのでありますが、説明員として、暫く村岡経理局長に説明をして貰うことに対して御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは……
#10
○説明員(村岡信勝君) それでは御指名によりまして、簡單に御説明申上げます。お尋になりました個々の標準の点につきまして御説明申上げます前に先程お配りいたしました一枚刷りの資料がございますので、それを御覧願いたいと思いますが、貿易資金現金受拂内訳、こういう表題でございますが、これは貿易が始まりましてから以後、本年の三月末まで、昭和二十一年の分と、それから下の方の段にありますのは、今年度に故りましてから八月末までの分と分けまして、そのおのおのの間の金の出入りの実績を締めました表でございます。その表を御覧になりまして印刷が若干分りにくい点もございますので取纏めて説明を申上げますと、この両表を総括いたしまして、要するに管理貿易が始りましてから八月末までの金の出入りの関係を取纏めて申上げますと、輸出物資の買入代金等のために支拂いました金、輸出物の買入代金の外に、例えば紡績の加工賃の支拂というようなものもございますが、それを含めまして支拂の総額が八月末までに百二十四億三千三百八十九万九千円、そういう数字になつております。それに対して、輸入品の賣拂によります代金の收入等に基き收入の関係が合計で七十三億七千百四十七万一千円でございます。
#11
○森下政一君 それはこの表に出ているのでありますか。
#12
○説明員(村岡信勝君) 二つの表の纏めましたものでございます。
#13
○森下政一君 今年度も一緒にしたものでありますか。
#14
○説明員(村岡信勝君) 今年度八月末まで、終戰後全部の統計であります。
#15
○森下政一君 ちよつともう一辺言つて頂けませんか。
#16
○説明員(村岡信勝君) 支拂の総額が百二十四億三千三百八十九万九千余円それに対して收入の総額、收入の総額と申しましても、基金並びに借入金を除きまして、俗に輸入物資の賣拂いに基いての收入の総額でありますが、その金額が七十三億七千百四十七万一千余円、かような数字になつております。從いましてこの支拂と收入の差額は五十億六千二百四十二万八千余円、そういう数字になつております。この五十億六千二百万円余りの不足金は、先程お話がございました基金の十五億円と並びに日本銀行からの借入金五十億円合計六十五億円を以て賄つて参つた次第でございまして、從いましてその差額の九億三千七百余万円、こういうものがこの差上げました表の下の方の欄現金翌月越高九億三千七百五十七万一千八百四十一円なにがしという数字に一致いたすわけであります。かように円の側から申しますと、資金の上で相当な不足金を來しておりまして、從前のような價格の決定方法によります限り、今後と雖もこの趨勢は増加して参ると思われるのでありますが、かような賃金不足を來しております原因といたしまして、先程長官からも申上げましたように、いろいろあるのでございますが、この資金の不足は御承知のように必ずしも貿易資金特別会計の損失ということには直接にはなつて参らないのでございます。貿易資金特別会計の損益という点から申せば、勿論これは外貨との関係も睨み合せまして、その綜合的な計画の下に初めて全貌がはつきりするわけでありますが、仮に円の上だけから申しました場合、御案内のように日本としては非常な輸入超過、國際價格から申しまして非常に輸入超過になつておりますのを反映いたしまして、円側だけから申しますと、相当なこれは黒字を示しているのであります、極めて概算でございますが、今年の三月末前年度末の收支決算というものを只今手許で揃います範囲の資料で概算いたして見ますると、輸入いたしました物資の手持のものが相当あるというような関係からいたしまして、三月末の損益を円の側だけから見ますと概略七十五億円程度のプラス勘定に相成つている次第であります。勿論ここに若干問題がございまして、例えば輸入いたしました原綿、更にそれを加工いたしまして製品化されて、まだ輸出されてないもの、こういうものは政府の手持ちになつておりますのでプラスに入りますが、そういうものの價格をどう評價するかというところに若干の問題がございますが、一應のそういう評價をいたしました結果が申上げましたように円の側だけから見れば、七十何億という黒字になつている勘定でございます。ところが外貨の方の関係はこれは今申しましたように相当な輸入超過になつておりまして、その輸入超過の金額は、これは遺憾ながら詳細な金額を承知いたしておらないのでございますが、確かに相当なドルの方での支拂超過になつておりまして、その金額を円に引直しますと、仮に非常に安いレートで、これを例えば五十円というようなレートで円に引直しましても今の円の方でのプラスの七十数億というものは消し飛んでしまつて、そこで尚相当額の赤字が殘る。要するに外貨との綜合バランスの上においては、前年度の損益において相当額の赤字が生ずるということになろうかと考えます。かくの如き赤字を來たしました原因といたしましては矢張り損益の問題としては輸入品の價格と輸入の円の價格との決定の違いにあると思うのであります。実は輸入食糧、肥料、飼料、その他の重要な物資についての價格について具体的な資料を遺憾ながら只今持合わせておりませんので、早速相揃えまして御提出申上げたいと存じますが、一例を申上げますると、昨年度の決算のかくマイナスになりました例の一つといたしまして、例えば食料品につきまして、御承知のように米、その他の主食について、いわゆる生産者價格と消費者價格との二重價格なるものがある場合に、貿易廳は農林省食糧管理局に対して、消費者價格、安いところの消費者價格を以て処分いたしました。食糧管理局はその貿易廳から仕入れました消費者價格を以て消費者に配給をいたすという段取であります。従いまして我々の貿易資金の特別会計の建前から行けば、少くともこれは輸出入共内地の統制價格によるという以上、その際の統制價格は生産者價格たる統制價格で見なければならないと一應考えまするので、諸般の関係でそのことが実現できませんので、昨年度中は安い價格の消費者價格で賣渡しておつたのであります。併し少くとも生産者價格と消費者價格との差額だけは、貿易資金特別会計のマイナスの方に與える一つの要素になつて参つたと考えるのであります、食料品の中で最も異常な例は、例の罐詰の値段でございます。罐詰の配給につきましては御案内のようにこれは主食の代替として配給いたしました分が大部分でございます。從いまして主食代替の配給という上から、罐詰としての内地の統制價格というものは無視いたしまして、罐詰の含んでおりますカロリーというものを計算いたして、その含んでおるカロリーと、米の持つカロリーとの比較を見まして、米の値段に引直して罐詰の非常に安い値段を彈き出して、それを貿易廳の罐詰賣渡價格ということにいたしたわけで極端に言えばその罐詰としての價格の殆ど何分の一にも過ぎないというような價格で貿易廳は賣渡したのでございます。勿論この輸入品の價格の問題につきましては、先程長官も申しましたように、むしろ各輸入先、仕出地における輸入品の原價というものを見て、それを一定の適当なレートで円に引直して、貿易廳の賣拂價格を決めるのが、貿易資金特別会計の独立採算制と言いますか。そういう立場から言えば理想なのでございますが、今までのところこの点は内地のいろいろな物價体系の關係もございまして、実現に至らずに今日に当つておる次第でございます。損益の上からみました貿易資金特別会当の事情につきましては、大体輸入品の價格についての今までの決定方法が申上げましたようなふうになつておるのが原因であろうと、かように考える次第でございます。勿論損益の問題を離れました資金の不足という面からみれば、それは又ほかの色々な事情があるのでござりまして、要するに資金回收の速度の問題とか、或いは紡續の加工賃の支拂い、これは御承知のように政府が所有権を持つた儘業者に委託加工をしまして、委託加工賃を支拂うということでございますので、それが更に製品化されて向うで賣れて、更に又物が入つて來るまでの期間というものは、これは加工賃の支拂までが棉花関係についても生ずるわけでして、資金的に見ればそれだけがマイナスになつて参ります。損益の問題じやございませんが、資金の問題としては、そういうことが言えるわけであります。大体今のお尋に対しまして数字的に御説明申上げました次第でございます。
#17
○一松政二君 今この特別会計の五十億円で足りなくて、あと五十億円を増して、而もその五十億円は十月一ぱいで殆どなくなる。こういう大金なのであります。それで今当局の説明を聽きまするというと、單に支拂が百二十四億である。賣上げが七十三億幾ら、そうしてそれらの恐らく主たる原因を食料品の損失に帰しておる。その積りじやないのか知りません。聞いた私にはさように考えられるのであります。私はかくのごとき雜駁な、殆ど雲を掴むような数字の説明だけでは全然納得が行かないのであります。苟くも國庫から五十億だ。百億だという金を何億円單位、或いは関十億円單位の荒つぽい計算を示しただけで、この五十億の金を更にこの方面に注ぎ込まなければならんのに、議院としてこれを協賛して貰いたいというお話でありまするが、本員は遺憾ながらさような杜撰な計算と、そうしてその使塗のはつきりしない。そうして巨細な、いわゆる詳細に亙る説明のない間は、私はこれに直ちに協賛し得る態勢になり得ないのであります。私は先ず永井さんに伺つてみたいと思うことは、大体においてこれまでの輸入代金は、大体においてこれによると、既に輸入超過三億ドルに垂んとしておる。いつか政府もなんか一億八千万、昨年度においてあるし、今年度においても約一億ドル近いものがある。而もこれは別途の計算になつておる筈であります。食料品もこういう輸入超過を……今の説明によると輸入超過もこの中の計算に加わつておるように一部聞えたのでありますが、それでは非常に話がこんがらかる。苟くも貿易資金を百億円使う。これを貿易資金に使つて、そうしてこれを円滑にそうして業者に不満足のないようにやつて行こうという、その根本趣旨において、なにも私は異存があるのではない。殊に今日業者は資金の不円滑ということをもう殆どこれを挙げて嘆せざるはないのであります。殆ど嘆息しておる。かくのごとくしては輸出産業の振興もなければ、或いは輸出貿易の前途も危いものだと言つて皆憂えておる。憂えておるその根本に資材の点もありまするが、資金が甚だ重要な役目をなしておる。而も私はこれが若し民間の銀行かなんかの貿易資金を決済する機関であるならば、五十億である。百億であるという資金を運用すれば、そう業者に迷惑を掛けないでやつて行く方法が私は必ずある。民間業者なら必ずある筈だと思うのであります。それ程の大金を消費しながら、それに対する説明が、勿論後程私も要求しておるのでありまするから、なされるとは思いまするが、法案を提出するときに、なゼそれだけの用意を以てこの委員会に臨んでいないかという、私は政府の怠慢を責めたいのであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)そういう態度で一体議会に臨むとは何事であるかと私は言いたいのであります。五十億、百億という金を如何に使途をし、それが如何に回收され、そうしてそれが欠損が幾らある。手持ちが幾らある。又輸出の金は拂つてあるけれども、輸出て得ずに國内にどけだけ滯貨がある。或いはアメリカへ持つて行つた生糸がどけだけ賣れないでいる。或いは更に今度は品物を政府は業者からすでに納められておるけれども、それに対する未支拂い、政府が支拂わなければならん義務があるけれども、それに対してこれこれの金額が滯つておるという詳細な説明を以てこの委員会に臨むに非ずんば、審議する氣持に私はなれないのであります。私はそれまでこの審議を一應中止して頂きたいと思うのであります。その数字が來ん限り、我々は審査する根本の観念を養うことができないのであります。
   〔「賛成」「同感」と呼ぶ者あり〕
#18
○政府委員(永井幸太郎君) 只今一松議員のお話、いちいち御尤もであります。この際いろいろな申訳をいたしません。こういう重大なる法案の御審議を願うに当りまして、資料の十分整つていませなんだことは、甚だ怠慢と申されても申訳がないのでありまして、多少申訳したいこともありますけれども、それは申しません。この重大なる法案を出すにつきまして、資料の提出の不完全であるということを陳謝いたします。それで成るべく早く、二、三日のうちにできるだけ御満足の行くような資料を整えまして、お目に掛けたいと思います。
 それから尚私、この二月に貿易廳長官を拜命したのでありますけれども、それ以來このことは始終大藏省、GHQのフアイナンスの方と、もうここ四ケ月に亙つて、こういう赤字の出んように、一時にどかつと、こういうような遥かに大きな金額の補填方をお願いせんならんような状態にならんように取り戻そうということで、いろいろやつておりますのですが、関係各方面の意見もいろいろありまして、例えば貿易廳の持つておりまする手持を財産と見て、それだけを借入金を以て賄なつて、あとを補填せいとか、いろいろな説が各関係者から出まして、そういうことで資料を出したりするのに、終戰後できました貿易廳の初めの官制で、極く非常に手不足な人間でやつておりまして、実は奔命に疲れておるような次第ですが、併しそういうことは申訳にならんのでありますから、できるだけ早く資料を纒めてお目に掛けたいと思います。私共の至らんところを陳謝いたします。
#19
○森下政一君 この機会に私は一言お尋ねいたして置きたいと思いますが、先刻長官の御説明を承わつておりますと、今日資金が枯渇して参つたということは、実質的に、大部分は輸入食糧を消費者價格によつて國内で賣掴いたと、而もそれに対する支拂は相当多額になされておると、言い換えると、國内の一般國民に対する輸入食糧に対する補助金といつた工合に使われたのだということでありましたが、そうなつて來ると、將來この資金というものは輸出によつて非常な黒字が生ずるということでもない限りにおいては、私はちよつとそういうことは予想し難いと思いますが、この枯渇した資金というものは回收されることはないのだ。食糧に対する補助金として出してしまうということならば、段々そういうことが重なつて参りますと、貿易資金とは言うけれども、その貿易資金というものは、今回のような事情に迫られて増額して行くものは、結局補助金として消えてしまつて、回收して行くことはないのだと、こういう結果になるように私の耳には響くのでありますが、さように了承しておつて間違いありませんか。
#20
○政府委員(永井幸太郎君) そういうことになります。これは終戰後極く忽忙の間にこういう組織になつておつたのであります。これではどうもいかんからこれを建て直そうということで、もう二、三ケ月前から大藏省ともいろいろ折衝いたしております。これは問題は農林省にも係わりますので、貿易廳があたかも食糧に対する補助金を出しておるようなことに、今森下委員の仰しやつた通りのような結果になりますので、その点、その組織、やり方を変えるということを今頻りに大藏省及び他の関係方面とも打合せいたしておりまして、成るべくこういうことの起らんように、併しそれはどこかで、農林省でその機能を発揮して貰うか、それはどういうことになりますか知りませんが、貿易資金としては、こういつたようなことの起らんように建直すということで、いろいろ今協議中であります。
#21
○政府委員(河野一之君) 只今の問題につきましては、御質問の通りでありまして、現在の貿易資金が本來の貿易資金と違つて運用されて參つたという事実をはつきりと私共も掴んであるわれでございまして、その点今後の運営につきましては、本來の貿易と、それから價格差補給金に相当するものとはつきり分けて參りたいと、こういう考え方を持つております。即ち輸入食糧について、これを安くする必要がありまするものでありますならば、一般会計から食糧管理特別会計に價格差補給として入れてやる。そうして國内の普通の生産者價格と申しますか。そういうもので買う。それから輸出につきましては、これはいろいろな関係がございますけれども、輸出を強行する上において、或いは例外價格その他で、普通の正当にやるべき価格よりも高い値段で買わなければならんといつたようなものがありまするならば、これは一種の補助金とか、そういつたような恰好ではつきり貿易資金の経理をして行きたい。こう考えております。それでその方向に随いまして、目下物價廳、商工省及び大藏省で具体策を協議中でございます。いずれ貿易資金につきまして追加予算が出ることに相成ると思いますが、その追加予算を出しますにつきましては、できるだけそのラインに随つて今後の計画をはつきり定めて行きたい。こう考えておる次第でございます。簡單でございますが、御參考までに申上げて置きます。
#22
○星一君 今長官が、二、三日中にここに精密なる表を提出すると仰せになりました。併しこの貿易ということは大変漠としておりますので、その中で食糧の主食がどれだけの金額を占めておるかということをはつきり知らせる必要があると思います。今GHQが日本の食糧について大変非観しております。そう大きな輸入は期待できないという警告を発しておるときでありますから、この貿易の中に主食をどれだけ含んでおると、それは明細に分るような表にして頂くことができましようか。
#23
○政府委員(永井幸太郎君) できますと思います。できるだけ御要求の点は明かにしたいと思います。
#24
○星一君 食糧と言つても、なかなかどこに線を引くという線の引き方もありましようが、成るべくそれは食糧の方がはつきり分るようにお願いいたします。
#25
○政府委員(永井幸太郎君) できるだけ精細にやりたいと思つております。それから外貨での表示は、或いは関係方面と打合せてでなければ、書いたものでは差上げられないかも知れません。
#26
○星一君 書いたもので差上げられないというのは、どういうことですか
#27
○政府委員(永井幸太郎君) 外貨のドルの計算ではということです。
#28
○星一君 分りました。
#29
○波多野鼎君 今の問題に關聯しますが、どル価格も是非示して頂きたいのです。輸入品のドル価格と國内における拂下げの円價格、それから輸出品の國内での買入れ價格とアメリカその他における賣渡しのドル價格、これは一つ是非とも対比して示して頂きたい。どうか資料として出して頂くようにお願いします。
#30
○政府委員(永井幸太郎君) できるだけそういうふうに努めたいと思います。関係方面との了解を得たいと思いますが、少し遡ればできるかとも思いますけれども、極く近い数字はどうかと思う次第であります。
#31
○油井賢太郎君 只今までの御説明によつて、大体の経過は了承したのでありますが、今後貿易資金関係におきましては、政府といたしまして、これを独立会計的に運営なさる方針であるかどうか。又若し独立会計式にやるといたせば、例外價格等で輸出品を買上げたような場合、その補償差額は別の会計によつて負担するというようなお話もあつたようでしたが、その半面におきまして、輸出代金よりも買上價格が非常に安いような場合も相当あると思います。その価格差金等はどういうふうにするものでありますか。これを伺いたい。又更に今貿易関係の生産業者というものは、資金の面におきまして旱天に実に慈雨を求める如く皆首を長くして待つておるのでありますが、未だにこの解決がつかないということでありまして、國内全般に亘つて輸出貿易の阻害を來すというよう状態に陥つておるのであります。これに対しましては一日も早く政府が誠意を披瀝して資材の提供をし、この委員会等におきまして追加予算等を決議して以て輸出貿易の振興を早急にはかられんことを希望いたす次第であります。
#32
○政府委員(永井幸太郎君) 只今お尋ねの輸出品に対して、價格を安く買つてその差があるかのように承りましたが、それは絶対にありません。公定價格通り、物價廳の定めました通り拂つてやつております。これは何かの行き違いかと思います。
#33
○政府委員(河野一之君) 貿易資金と申しますのは、丁度貿易会社みたいなものでありまして、本來ならば貿易で以てペイすべき性質のものだと思つております。從いまして從來貿易資金が多少政策的と申しますと如何かと思われますが、本來の意図とは少し違つて運持された傾きがありますので、今後はその弊を一掃いたしまして、我立採算と申しますか、自收自弁で、一般会計に迷惑をかけない。隱れた補助金もここに出て來るというようなことがないようにいたして行きたいと考えております。
#34
○油井賢太郎君 只今の長官の御説明で、輸出品に対する價格の差がないというようなお話ですが、輸入品は一應ドルを以て買入れて、これを円に換算して賣る。その場合、円に交算したために、國内のマル公と差異を生じて、その價格を補償するということがある以上、輸出品におきましては円を以て買上げて、ドルを以て賣るのでありますが、その際ドルと円との爲替ということは全然考慮に置かれないか、或いはレートというものを設けられないのでありますか、その点について御説明願いたい。
#35
○政府委員(永井幸太郎君) 今の輸入品の價格のドルを何ぼかで交算して、そうして日本の農林省に賣渡す價格との差が損になるという意味じやないのでありまして、ドルはドル、円は円でやつて行きたいと思つております。輸出の方は円で買いまして、公定値段で円で拂います。それから向うで何ぼかどルがたまつておりますが、それを採算をとつて見ますると、物によつては一ドルが二百円だつたり、百五十円だつたり、三百円になつてりいたしておる次第であります。その間に関連がないわけであります。
#36
○油井賢太郎君 分りました。
#37
○一松政二君 先程波多野委員からもそれから星委員からも申されましたので、私も更に私の要求したことを、皆同じ線であると存じまするが故に、少し補充して置きたいと存じます。苟しくも五十億とか、或いは百億という國庫の金を支出して、そうしてそれが場合によつては消え去つてしまつて、勘定は別問題としても、この顛末を國民に明白に示さなければならんのでありまするからして、それを協議する私共といたしましては、これは苟くも自分の財布の中にある金がどういふうに変化し、どういうふうに足りなくなり、どういうふうに保存されておる。或いは將來どのくらい要るという。そういう氣持と心構へを持つて表が私は欲しいのであります。從つて今のドルの建前の輸入とそれから円の建前の輸出で若し表が作りにくければ、それは別々の表でも何でもいい。ざつくばらんにありのままを我々に示して、そうして而もそれは詳細に、こういう現状になつておるのであるから、これをどうして乗り切るかという詳細な表を私は求めておるのでありまするから、どうかその意味において、いろいろ計算上の立てにくい点があるかも知れません。今までの行きがかりもありまして、関係当局とのこともあると存じます。立てにくければ立てにくい建前で、現在使つておるその詳細を披瀝して貰いたいと思います。
#38
○政府委員(永井幸太郎君) 只今の一松委員の御要求、総て御尤もであると存じます。できるだけありのままを見て頂くように精々資料を整えたいと思います。全く御尤もであります。
#39
○一松政二君 その際に、これも今配付されましたこの表の中の貿易物資の買入れとか、それからこの貿易公團に対する貸付けとか、この大きな億以上のアイテムに対しましては、今日の貨幣價値のことでありまするから、千万円單位のものは先ず除外するとしても、億以上に上る單位のものに対しては、私は詳細なる説明を求めたいと思います。この貸付に対する内容、或いはその貸付は、一体どのくらいの間に輸出されてそれが全部回收される見込であるかといつた点につきまして、私はその今の表を作られるときの、ここに現われておるこの概要についてのもう少し詳細なる説明を私は希望するものであります。
#40
○委員長(黒田英雄君) 他に御質問がございませんでしようか。若しございませんければ、いろいろ資料の提出もございますが、來週の月曜日までには提出したいということでありますから、それを待つて更に審議をすることにいたして、本日はこれで閉会したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十九分散会
 出席者は左の通り。
  財政及び金融委員
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           伊藤 保平君
   委員
           椎井 康雄君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           田口政五郎君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           石川 準吉君
           小林米三郎君
           高橋龍太郎君
           渡邊 甚吉君
           川上  嘉君
  商業委員
   委員長     一松 政二君
   理事
           鎌田 逸郎君
   委員
          深川榮左エ門君
           油井賢太郎君
           波田野林一君
           廣瀬與兵衞君
  政府委員
   貿易廳長官   永井幸太郎君
   貿易廳次長   新井  茂君
   大藏事務官
   (主計局次長) 河野 一之君
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      石原 周夫君
  説明員
   貿易廳経理局長 村岡 信勝君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト