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1947/08/14 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第11号
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1947/08/14 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第11号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第11号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○生命保險中央會及び損害保險中央會
 の保險業務に關する權利業務の承繼
 等に關する法律案(内閣送付)
○物價引下運動促進に關する陳情(第
 九號)
○製鹽事業保持對策樹立に關する陳情
 (第十九號)
○織物の價格改訂に關する陳情(第二
 十八號)
○少額預貯金及び各種團體預貯金封鎖
 解除に關する陳情(第五十二號)
○インフレ防止に關する陳情(第七十
 一號)
○金融機關再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○勞働者災害補償保險特別會計法の一
 部を改正する法律案(内閣送付)
○大藏省預金部等の債權の條件變更等
 に關する法律案(内閣送付)
○電氣税復活反對に關する請願(第四
 十三號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月十四日(木曜日)
   午前十時二十六分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○大藏省預金部等の債權の條件變更等
 に關する法律案
○金融機關再建整備法の一部を改正す
 る法律案
○生命保險中央會及び損害保險中央會
 の保險業務に關する權利義務の承繼
 等に關する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) それではこれから本日の委員會を開きたいと思います。先ず本日は最初に豫備審査に付託されておりまする「大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法律案」、これの提案の理由を説明して貰いたいと思います。
#3
○政府委員(小坂善太郎君) 只今お話の本委員會に參考送付になりました「大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法律案」につきまして御説明を申上げます。
 預金部資金竝びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計法の積立金の運用資産たる債權につきまして、債務者の止むを得ない事情によりまして、元利金の囘收が著しく困難な場合等におきましては、必要に應じて所管大議が融通條件の緩和をなす等の措置を講じ得ることといたしまするために、本案を提案いたしました次第でありまするが、以下その内容の大略を御説明申上げます。
 先ず第一に、預金部資金竝びに簡易生命の保險及び郵便年金特別會計法の積立金の運用によりまする資金の融通を受けました者が、災害その他の特殊の事由によりまして、元利金支拂が著しく困難となりまして、事情止むを得ないものにつきましては、公共の利益のために必要があると認める場合に限りまして、大藏大臣又は遞信大臣が預金部資金運用委員會又は簡易生命保險及郵便年金事業委員會に諮りまして、債權の中間据置又は償還期限の延長を行う等の方法によりまして、融通條件の變更又は延滞元利金の支拂上法の變更をなし得ることといたしまして、これら資金の適切なる運用を期せんといたすものであります。
 第二は、戰時補償の打切等に伴いまして、大藏省預金部竝びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計法の積立金に生じまする損失は、大藏省預金部等損失特別處理法によりまして、適正に處理せらるるところでありまするが、この損失の處理に當りまして、いわゆる經由貸付の方法によりまする資金の融通、即ち所管大臣の定めました融通條件によりまして、地方公共團體又は金融機關に對してこれらの者が更に他人に貸付けるために資金の融通を行なつたものについて損失を生じた場合においては、この損失を預金部資金等に直接融通先たる地方公共團體又は金融機關に負擔させることなく、大藏省預金部等の負擔に歸屬せしめることが、かかる經由貸付の方法によりまする資金融通の性質に鑑みまして、適當と考えられるのであります。從いましてこの直接融通先から更に貸付を受けました者、即ち最終貸付先が、戰時補償の打切等の結果特別經理會社に該當する場合、その他止むを得ない事情等に起因いたしまして、直接融通先が、その最終の貸付け先よりその債權の辨濟を受けることができない場合におきましては、その直接融通先の大藏省預金部等に對する債務を免除する必要を生ずるのでありまして、これがために必要な法的措置を講じようとするものであります。
 以上大藏省預金部等の債權の條件變更等に關する法律案につきまして御説明を申し上げた次第でありますが、本案が正式に提案されましたる際には、十分御審議の上、速かに御贊成あらんことを切に御願いいたします。
#4
○委員長(黒田英雄君) 只今御説明されました法律案はこの程度にして、あとに廻しまして、本日は金融機關再建整備法の一部を改正する法律案、これの審議をいたしたいと存ずるのであります。先ずこれにつきましては、提案の理由は先般御説明があつたのでありますが、更に政府委員からこの法案に關しまして、詳しい説明を頂きたいと思うのです。いかがですか。
#5
○政府委員(福田赳夫君) 私から金融機關再建整備の大體の進行状況竝びに今囘提出いたしておりまするところの法案との關係等について御説明申上げます。
 御承知の通り金融機關再建整備は、金融機關が、戰時中に蒙りました損失を適正に處理いたしまして、今後日本經濟の再建と共に、この金融機關を、資産負債相見合う堅實なる基礎に再スタートさせる。かような趣旨によりまして、昨年夏の議會におきまして成立いたしました金融機關經理應急措置法、それから金融機關再建整備法、竝びに金融緊急措置令の改正、この三本の法律を基礎にして進められているのであります。
 今これをかいつまんで申上げますと、金融機關の勘定を、新勘定と舊勘定の二つに分けまして、そうして新勘定は一定額以下の預金を新勘定に移し、その他一定額を超ゆるところの預金を舊勘定に殘します。而して新勘定は、只今申上げました一定額以下の預金とともに、今後できるところの預金を含めまして、金融事業を繼續するのであります。舊勘定はこれを整備いたします。整備いたしました結果舊勘定の負債を補填するに不足するところの額というものは、逐次にこれを補填して參るところの方向順序というものが、この再建整備法において決められておるのであります。先ず第一に積立金ということがあるのであります。それからその次に資本金の一部を充當する。それからその次に一般の債務を切捨てる。更にこの資本金の殘額を切捨てる。そかから更にその次には一般債務の殘額を切捨てる。かような大體の順序によりまして、舊勘定の穴というものを埋めて參るということに相成るのであります。さようなことによりまして、金融機關の舊勘定は整理いたします。で新勘定は資産と債權とが完全に見合うものにする。新勘定の資産が足らんという場合におきましては、その資産の不足額だけは國庫においてこれを補償するというような建前になつておるのであります。
 左樣な仕組を以ちまして、昨年の議會で成立した直後この差建整備の段階を推し進めるということになつておつたのでありますが、先ずその段取りの第一段階というものは、これは新勘定、舊勘定におけるところの金融機關の資産を評價いたす。これが第一段階であります。評價いたすためには、その基準がなければならぬということになるのでありまして、この基準を決めなければならぬのであります。ところが極めて豫期に反したことでありますが、その評價基準というものが、いまだに法的には決つておらないのであります。私共は昨年の秋にはこれを決定いたしたいという計畫でおつたのでありますが、關係方面との交渉等もありまして、荏苒今日に及びまして、今尚法的に決つておらん。私共の只今の腹案といたしましては決つておりませんが、或るべく近く決めて參りたいという……評價を行うところの日取として七月一日ということに決めまして、七月一日における評價基準というものを先般非公式ながら新聞に發表しておるのであります。その法制的措置が即ち實體的には司令部ともすつかり話が纒つておるのでありますが、法制化の手績において、いまだに決つておらないのでありまして、七月一日と日取を限つて決定した評價基準でありますが、今尚法制化されないという状況にあります。併しながら大至急一つこれは法制化をいたして參りたいというふうに考えておるのであります。一方金融機關の再建整備と密接な關係にあるところの企業の再建整備でありまするが、これは六月一日を以ちまして評價基準を決定しております。これは法制的な措置が完了しております。六月一日に評價基準を決めまして、そうして七月十五日、即ち四十五日間に企業の側におきましては、その損失の計算をいたしまして、從つて大體の金融機關に對して支拂うべき金額というものが判明するわけであります。その判明した額を七月十五日までに金融機關に通知するということになつておるのであります。その通知は大體期限までには完了いたしておるのであります。金融機關の方におきましては、その企業に對する貸付金、それに對するところの囘收可能額というものが、これによつて判明するわけであります。同時にその他の最近に解決つきます評價基準というものは、七月一日を基準にいたしまして、大體の仕組が發表されておるわけでありますから、それに基きましてどんどんと整理を進めておるわけであります。法制的措置さえできますれば、直ちに締めがつくというような状況にあるわけであります。そこで假に法制的措置が極く最近、近日の間に濟んだといたしますと、金融機關といたしましては、企業からの通知を受けて、大體貸付金の囘收額というもの、それから評價基準に基くところの、その他の財産の評價も終つておるという状況でありますから、今月一ばいぐらいには金融機關自體の整理というものが、勘定が判明いたすわけであります。それが分りますると舊勘定に殘されておるところの預金、即ち第二封鎖預金に對して何割の額が支拂い可能であり、何割の額が切捨てらるべき額であるかということが判明いたすわけであります。その判明いたした額によりまして、切捨てとならざる額につきましては、これは第一封鎖預金といたしまして、そうしてこれを新勘定に移すという措置をとるということになるのであります。法制的措置が假に近日中にとられるということになりますれば、その第二封鎖預金の内一部を新勘定に移行するという措置は九月中には大體完了するというふうに考えられるのであります。併しながら只今申上げたことは、法制的措置につきまして司令部との話が纒るかどうかということに關聯しておりまして、それが延びますれば、それが延びる程、九月の中間的な措置というものは延長される。さようなことに相成るのであります。只今申上げたのは中間的な措置でありまするが、さらに最終的なこの金融機關の舊勘定をどういうふうに處理して參るかということがもう一つ殘つておるわけであります。これは中間的措置の場合の評價基準というものを申上げたのでありまするが、これは暫定的な評價基準であります。これと共に最終處理をいたすべきための評價基準、これを確定評價基準と申しておるのでありまするが、これを逐次決定して參りまして、その決定によりまして、確定評價ということをいたすのであります。その確定評價に基きまして、金融機關の最終的なる處理をいたすわけであります。
 それで處理の方式といたしましては、先程申上げました通り再建整備法の定めるところの順序竝びに方法によつていたすのでありますが、然らば大體どんな状況にこの處理の見通しがされるのであるかという問題であります。金融機關全部につきまして申上げますると、特別銀行四の中資本金が只今申上げた筋によりまして全部なくなるというものは二つ豫定されております。普通銀行は六十一行ありまするが、その中三、四行がさようなるものに相成るかというふうに想像されるのであります。貯蓄銀行にありましては、四つの中三つはさようなものに相成るというふうな見通しであります。信託會社にありましては六つ中大體三つであります。それから農業會にありましては、一萬九百七十八組合があるのでありまするが、その中三分の一というものは資本金を喪失することに相成るのであります、無盡會社にありましては五十七會社の中三分の二程度さようなものに相成るのであります。市街地信用組合にありましては、三百十一組合の中これ又三分の二程度がさようなものに豫想されるのであります。生命保險會社は殆んと大部分が資本金を喪失いたします。損害保險にありましては、十六會社の中一會社だけが資本を喪失することに相成るのであります。かような見通しでありまして、普通のいわゆる銀行にありましては大した影響はないのでありまするが、農業會、市街地信用組合、信託會社、生命保險會社等におきましては、この再建整備措置に伴うところの影響極めて甚大であるのでありまして、資本の喪失するものが只今申上げたる如き多數に上るのであります。
 只今までの再建整備法によりますと、資本を喪失した場合におきましてはこれは解散をいたしまするか、或いは他に合併いたしまするか、第二銀行を作りまするか、この三つの方法の外ない。第二銀行を作ることが不可能であり、又他に合併することも不可能というときは解散する外ないのであります。さようなことになりますと、これは金融全體に非常な影響を及ぼすことが想定されますので、そこで考えたのが、資本金が喪失するような金融機關にありましても、資本金喪失の手續をとらざる前に増資をいたしまして、その増資いたした部分は今囘の再建整備措置によるところの損害補填には充當いたさないということにいたしたならば、金融機關全體に不當の不安動搖を及ぼすことがないのであろうというようなことを考えるに至つたのでございます。當初の再建整備法を立案する當時の氣持といたしましては、資産内容の惡いものは宜しく第二銀行を作りまして、そうして經營體制を一新すべしというような氣持もあつたのでありますが、現在インフレというものが非常な重大な問題になつておるその段階におきまして、會社が第二會社にならなければならん、或いは解散しなければならん、或いは他に合併しなければならんというようなことに相成りますれば、これは預金の吸收、又貸付、そういう方面に極めて重大なる影響があろうかと考えるのであります。さような觀點から便宜當初考えておりました思想に多少の修正を加えまして、資本のなくなるものにつきまして特に増資を認めまして、これが繼續を認めるというような考え方にいたしたわけであります。大體今囘の法案に關聯いたしました再建整備の状況は以上の通りであります。
#6
○委員長(黒田英雄君) これにつきまして御質問がございますならば、お願いしたいと思います。
#7
○玉屋喜章君 大變結構なことと思つて、質問ありません。
#8
○高橋龍太郎君 私一二御質問したいと思います。金融機關の再建につきまして、政府の御方針がだんだん變つてきておりますようですが、これは私は實際に即してだんだん改善されておるのだと喜んでおるのであります。一二お尋ねいたしたいと思いますのは、第一に今の評價基準の問題です。金融機關の固定資本の第一に、建物だとか固定資本の評價基準というものはどういう御方針なんでありますか。やはりいわゆる薄價主義でお進めになる御方針でございますか。今日これは金融機關のみに限つた問題でありませんが、大銀行などの所有しております建物というものは、簿價から見るというと、場合によれば何十倍もの時價があるのであります。これを適當に評価換をすれば、それは直ちに預金者の預金切り捨ての率が減つて來るわけであります。時價が非常に厖大なものを、不當な簿價主義で立て通していて、それがために預金者の預金は切り捨てる。その責任のある金融機關は、時價から見るというと非常に安い固定資本を維持して行く。つまり不當な利益を得るということになるので、如何にも不合理だと私は考えるのであります。外の産業機關の方の再建整備にしましても、そういうことは私は非常に主張して來たのでありますが、金融機關については特にそういう要求を持つわけなんです。全體これは横道になりますけれども、今の簿價主義で行くということは、いろいろな點に不都合がありますので、再建整備にかからんものにつきましても、これはむしろ税法の問題だと思いますが、例えば或會社が千萬圓の簿價の建物を持つておる。時價は一億圓の時價がある。それが燒失しました時分に、復舊するのにはどうしても一億圓かかる。これをそういうわけで、假に一億の火災保險をかけまして、燒失して保險金は收入しましても、その六割とか七割とか會社によりますというと税金に持つて行かれてしまう。火災保險をかけておつても復舊はできたい。そういう實情にあるので、そうするというと、幾ら保險金をかけて置いても、だんだんだんだん何十年かのうちにその會社の全部の建物が燒失してしまうというと、再建はできず、その會社は潰れて行くという状態にある。次に當局も御心配で、最終の整備の決定は非常にお急ぎになつておることに、私は認めておるのでありますが、それは現在私自身に關係しておるものでも、一二清算事務に移つておるものがあり、簡單な清算で、昨年中くらいに清算が終るつもりであつたところが、第二封鎖の問題が出まして、いつ清算が終了することができるか。その間一部の人をどうしてもおかなければなりませんから、無駄な費用がかかつて、非常に困つておるのが實情でありまして、これは一つこの上とも御盡力なさつて、一日も早く最終の整備ができますように、御努力を願いたいのであります。次にお尋ねしたいのは、最近問題になつております經濟力集中排除法でございます。金融機關は産業設備とは性質が非常に違つておるのでありまして、この問題についても全く變つた角度から考えて行く必要があると私は痛感しておるのでありますが、その關係は當局はどういうふうにお考えになつておるか、この機會に御説明を願いたいと思います。
#9
○政府委員(福田赳夫君) 不動産の評價は簿價主義に相成つております。これは政府といたしましては、簿價主義ではいろいろ不都合がありますること、御説の通りでありまして、これを少くとも財産税の評價でやりたいという氣持であつたのであります。そのような立案をいたしたのでありますが、關係方面との話合いの結果、政府は原案を撤囘いたしまして、簿價主義というふうに相御つておるのであります。
 それから第二封鎖預金が、清算の非常な邪魔をしておるということ、これは御説の通りでありまして、さような第二封鎖預金というものが將來どうなるか、どういふうな價値があるものであるかということが分明しない結果清算の障害になることは、これはあり得ることであります。これに對しましては、當局といたしましては、第二封鎖預金のまま清算をいたす。第二封鎖預金につきましては、原則としてこれが移動を禁じておるのでありますが、清算の場合にありましては、特にこれを分割をいたしまするとか、或いは他に移轉をいたしまするとか、さようなことを認めることにいたしておりまするので、さようなことで、例えば第二封鎖預金のまま清算債權者に分割させるというようなことで、清算の結了を見得ることと考えるのでございます。さような措置を採り、清算の促進に努めておるのであります。尚それでは完全なところにも行きませんので、努めて最終的處理、これを早くいたすということは、御説の通りであります。
 それから集中排除に關する司令部との交渉問題でありますが、これにつきましては、只今多く申上げることの自由を持たないのでありますが、結論といたしましては、企業と金融機關というものは非常に性質の違うものでありまして、企業の行き方が金融機關にそのまま當てはまるるというふうには、絶對に考えておりません。これは必ず別の行き方があり得るものであるというふうに考えておるのであります。それ以上只今申上げかねるのであります。
#10
○高橋龍太郎君 今の第二封鎖は、移動ができないとばかり私は承知しており、その清算事務について今まで交渉をしましたときには、いつも當局からそういう御返事があつたのですが、第二封鎖のままで移動しますることは、もう實際に實行ができるようになつておるのですか。
#11
○政府委員(福田赳夫君) 清算上特に必要があるという場合におきましては、個別的に認可する方針を採りまして、現にさような認可いたしておる事例が若干ございます。
#12
○高橋龍太郎君 それはどういう手續をしまするか。
#13
○政府委員(福田赳夫君) それは第二封鎖預金を、分割申請でありまするとか、或いは第二封鎖預金移轉申請とか、内容によりまして、ありのままを書いて出して頂けば審査するということになつております。
#14
○委員長(黒田英雄君) ちよつと私御尋ねしますが、聞くところによると、第二封鎖預金を買い集めている者があるというような話を耳にするのですが、何かそういうふうな大體の目安というものが向うにはついておつて、そういう者は何らかの手によつて知つて買うというようなことが行われるようなことがあるようですが。
#15
○政府委員(福田赳夫君) 第二封鎖預金を買い集めるというお話は私は餘り聞いておりません。昨年特殊預金を買うという人がありましたが、一人の人が特殊預金を二億數千萬圓買い集めまして、そうして何かそれをものにしようというような考であつたのでありまするが、結局それは詐欺的な行爲であるということが判明いたしまして、さような集めた人が企圖するようなうまいことにはならなかつたのであります。といこうとは特殊預金は、これは許可を得るにあらざれば、これを移動することができないものであります。又移動を假にできたといたしましても、この特殊預金を集めたことによつて何らの利益はないのであります。例の補償打切の措置は必らずこれに適用されるのでありまするから、何らの利益もなかつたのであります。それから第二封鎖預金を集めるということも、これも何か、例えばどこそこの銀行が何割の打切になるというようなことが分りますと、その何割の率より安いところで買いまして、これを利用するというようなことも、或いは起るかも知れません、というふうに考えられまするが、未だ私はそういう傾向があるとも承知しておらないのであります。合法的には、これは移轉はできませんから、これはもう違法のことでありますから、或いは内部關係で結局許可になつた場合には、移轉が許可になるというような曉におきましては、私のところに寄越してくれというような前々の契約をして置くというようなことは考えられるのであります。併し一般的にはそう廣くそういうことが行われているということは承知いたしておりません。尚注意いたしたいと思います。
#16
○川上嘉君 ちよつとこれに關聯した問題ですけれども、正金銀行を東京銀行に新設するまでの經過とか、その理由を説明して頂けませんでしようか。
#17
○政府委員(福田赳夫君) この正金銀行の第二銀行という形で東京銀行を設立するその經過ということでありますが、これはいろいろ複雜な司令部との交渉經過がありまして、只今資料を持つておりませんから、次囘に資料を以ちまして御説明申上げることにいたしたいと思います。
#18
○委員長(黒田英雄君) 今日説明をお聽きになつたので、まだ他に御質問は出るのじやないかと存じますが、今日はこの程度にして置きまして、「生命保險中央會及び損害保險中央會の保險業務に關する權利義務の承繼等に關する法律案」、これについて先般提案理由の説明はありましたが、尚詳しくいろいろな事情をお話を願つて置いたならばどうかと思うのであります。御異議がなければさようにいたしたいと思います。
#19
○委員長(黒田英雄君) それでは政府委員の御説明を願いたいと思います。
#20
○政府委員(福田赳夫君) 先般政務次官から本法案の提案の理由の説明があつたのでありますが、私からその裏の方の事情につきまして、若干御説明をいたして置きたいと思うのであります。
 御承知の通り生命保險中央會というものは昭和二十年四月に設立を見たのでありまして、戰爭危險の再保險業務、それから戰爭死亡傷害保險の業務を主とししやつておつたのであります。それに普通保險の一部とそれから外國會社から讓り受けを受けたところの生命保險業務というような仕事を併せ行なつておつたのであります。それから損害保險中央會の方はどういうことであるかと申しますと、これ亦同年同月設立を見たものでありまして、これは戰爭保險、それから地震保險、それから普通保險の再保險業務、それから戰時標準型船舶に關する海上保險業務、それから木船の保險組合の引受ける木船保險の再保險業務、それから捕鯨船とその積荷の海上保險の超過損害保險業務というものを行なつておつたのでありまして、勿論この戰爭保險の仕事というものが、その大部分の仕事を成しているのであります。かようなわけでありまして、この兩中央會というものは戰時におきまして、相當重大なる役割を遂げて來たのであります。終戰となりまして、この兩中央會はその業務を勿論非常に縮小いたしまして、整理の段階に入つて來たのでありまするが、戰爭中に戰時的色彩極めて濃厚なる兩中央會でありました關係上、昨年の十一月二十日に聯合國最高司令部から解散の指令に接しておるのであります。
 今その指令の要點を申上げますと、兩中央會を解散するとともに、兩中央會を廢止すべしということが第一點であります。
 それから第二點は、兩中央會は聯合國最高司令部の閉鎖機關下の監督の下に清算を行うべし、即ち一般の清算でありませんので、閉鎖機關下の指導監督の下に清算さるべきものであるという點が指令の第二點となつております。
 それから第三點といたしましては、聯合國保險會社の利益を最大限に保證すべしということが言われておるのでありまするが、この聯合國保險會社の利益というのは、これはどういうことでありますかと申しますると、生命保險會社でありまするサン・ライフ・インシユランス、マニフアクチユア・ライフ・インシユランスの二つの會社が保險業務を日本においてやつておつたのであります。それをこの中央會に引受けまして、そうしてこれを管理しておつたという關係があるのでありまするが、これが新勘定、舊管定というふうな區分をいたします結果、この兩會社の利益に反するようなことになつてはいかんというのが趣旨であります。
 さような趣旨の指令を受けまして、關係方面と交渉しておつたのでありますが、閉鎖機關にこの兩中央會がなるということになりますると、これは未拂保險金の清算でありますとか、或いは中央會の借入金の處理でありますとか、色々むづかしい問題がありますので、それが圖滑に行かないということになりまするので、極力日本側といたしましては閉鎖機關と相成りますことを囘避する態度を取つたのであります。結局どうなりましたかと申しますと、閉鎖機關にはいたしますが、その前に兩中央會の實質的の業務というものを他の會社に移轉してしまうということにしたのであります。
 そこで然らば、生命保險中央會の業務は誰に委讓したらいいかという問題でありまするが、元々昭和二十年四月に生命保中央會ができた際には、この協榮生命保險株式會社のその業務をその儘引受けまして、そかもその職員を機關といたしまして、それからその協榮生命というものを中心にいたしまして、それに戰爭保險の關係の仕事も附加えまして、そうして中央會というものを結成したのであります。もし今囘この中央會を解散いたしまして、直ちに他に主たる業務を委讓するということをいたしますならば、それは協榮生命に戻すが宜かろうということになりまして、本法案には協榮生命保險株式會社にこれを戻すということに規定いたしておるのであります。
 それから損害保險中央會におきましては、東亞火災海上保險株式會社というものがありまして、損害保險の再保險をやつておつた會社であります。これを昭和二十年四月に損害保險中央會ができるにあたりまして、これを一つ丁度協榮生命と同じような恰好でありまするが、採り入れまして、そうしてこれに戰爭保險の仕事をやらせるということにいたしまして、新らしく出發したものがこの損害保險中央會であります。今囘損害保險中央會が解散されるならばその殘務を東亞火災海上保險會社に委讓することが適當であるということで、さような方法を制定をいたしておる譯であります。
 東亞火災海上保險會社竝びに協榮生命保險會社の兩會社に兩中央會の仕事を委讓するのでありまするが、これは政府の仕事というものが中心になつておる兩中央會のことでありまするから、今後におきましても委讓した部分の仕事につきましては、相當これは別個の見地から見て行くという必要があろうと思うのであります。その法的根據というものをこの法案に掲げておるのであります。それから尚さような關係でありますから、税の關係というものも昔の兩中央會と同じ關係にして行くということであります。そこで兩中央會の仕事が兩會社に移りますが、その移つた部分の中政府の勘定に關係する部分は經理を截然と分けまして、そうしてこの税の關係でありまするとか、或いは政府の監督でありまするとか、さようなことに對處するという態勢を取るのであります。大體さような仕組に相成つておるのでありまして、その關係を法制化にいたしのが本法案であります。
#21
○委員長(黒田英雄君) 本法案につきまして御質問がありますればお願いしたいと思います。
#22
○中西功君 さつきの政府委員の方の説明に關聯して少し質問する譯ですが、一つはこの中央會ができましてときに協榮生命という會社があつた。又その他損害保險の方にもこれは昭和火災ですか、東亞ですか……。
#23
○政府委員(福田赳夫君) 東亞です。
#24
○中西功君 東亞火災というのがあつたという譯ですが、それが一體どんなふうな資本關係で、どういう仕事をしておつたのかということを一つ聽きたいのと、もう一つはこの中央會ができましてから、その中央會、或いは又損害保險中央會に對して政府は政府資金の融資なり、或いはその他政府の援助はどの位あつたか、又それに對して政府は今までどの位損害を受けたのか、それをちよつと聽きたい。その二點です。
#25
○政府委員(福田赳夫君) 先ず協榮生命保險會社というものはどういう仕事をしておつたかということでありまするが……。
#26
○中西功君 資本形態とか……。
#27
○政府委員(福田赳夫君) これは標準下體という保險をやつておつたのであります。標準下體、それは普通の保險會社では保險にかけないような惡い體格の人です。それが一つ、再保險の仕事をやつておりましたというのがこの仕事であります。
 それから東亞火災の方は普通保險の再保險ということが仕事の内容であります。資本系統につきましては、兩者共ちよつと手許に資料を持ちませんから後程すぐ報告申上げます。
 資本の關係を申上げます。協榮生命の方は、全生命保險會社が出資いたしておるのであります。出資金の總額は五十萬圓、東亞火災の方は全損害保險會社が出資しておるのでありまして、その資本の總額は二千五百萬圓、かように相成つておるのであります。それから次にお尋ねの生命保險中央會、竝びに損害保險中央會に對する政府との關係でありまするが、政府はこの生命保險中央會に對しましては、資本總額千五百萬圓の中、千四百五十萬圓を出資しております。殘りの五十萬圓は、一般保險會社から出資しておる譯であります。それから損害保險中央會にありましては、五千萬圓の出資でありまして、これは全額政府において出資をするということになるのであります。今囘、この兩中央會を閉鎖するのでありまするが、資本關係の勘定だけを閉鎖機關の監督の下に、清算せらるべき殘存勘定として殘すのであります。そうすると政府の資本の關係はどうなるかということでありまするが、それは、それに見合うところの資産を殘そうという計畫であります。即ち大體におきまして生命保險中央會にありましては、千五百萬圓の資本に見合うところの國債を殘して參るつもりであります。それから損害保險中央會の方にありましては、五千萬圓の出資に見合うところの國債を殘しまして、そうして行くという計畫でありまする關係上、政府の出資に對しましては何らの損失を生ぜざる見込であります。
 それからもう一つ、政府との關係があるのでありまするが、それは兩中央會が戰爭保險によりまして、受けたところの損失は國家においてこれを保障するということに相成つておるのであります。兩中央會を通じまして補償の額は二百十億圓ということに豫想いたしまして、昨年度の豫算にその損失額を計上いたした次第であります。併しながらその後の計算の結果によりますと、更に不足を生ずる見込でありまして、次の議會又は來年度の豫算等におきまして四十億圓くらいの追加計上を必要とするのではないかと、かように考えている次第であります。
#28
○波多野鼎君 今の二百五十億というのはもう既に支拂濟みなんですか。
#29
○政府委員(福田赳夫君) 二百五十億の中二百十億圓を豫算に計上いたしまして……
#30
○波多野鼎君 今年度ですか。
#31
○政府委員(福田赳夫君) 二十一年度です。昨年度です。二百十億圓は全額支拂濟みであります。
#32
○波多野鼎君 殘りが四十億圓くらい。これは追加豫算に出るのでありますか。
#33
○政府委員(福田赳夫君) これはこの次の議會に追加豫算、即ち二十二年度の追加豫算といたしますか、或は二十三年度の本豫算に計上いたしますか、何れにしましてもその計算の目標がつき次第提出いたしたいと思います。
#34
○波多野鼎君 二十二年度の本豫算に出なかつたのでありますか。
#35
○政府委員(福田赳夫君) 二十二年度の本豫算に出ません。
#36
○波多野鼎君 二十二年度の本豫算に出ない。昨年は既に拂つているのに、本豫算に出ないで追加豫算に出すというのはどういう譯ですか。
#37
○政府委員(福田赳夫君) それは大體追加豫算に提出いたした頃におきましては二百十億くらいで十分であるという考を持つていたのであります。それで結局これはその損失を早く補償いたしませんと、保險會社の方でも迷惑いたします。又政府の方でも利息が増加して來るというような關係にありますので、二十一年度の追加豫算に計上するという處置をとつたのであります。或いはその時二十二年度の本豫算に二百十億圓計上することも考えたのでありますが、一刻も早い方が宜いというので二十一年度の追加豫算ということに相成つているのであります。當時といたしましてはそれで十分であると考えておつたけれども、最近いろいろ清算が進んで參りますと、更に四十億くらい足りんということに相成りまして、又次の議會に出さなければいかんということになつております。
#38
○委員長(黒田英雄君) まだ御質問はおありのことであろうと存ずるのでありますが、本日はこの程度で散會いたして御異議ございませんですか。
#39
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこれにて散會いたしまして、尚この兩案についての質疑はこの次に繼續してやつて頂きたいと存じます。
   午前十一時三十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           伊藤 保平君
   委員
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           木内 四郎君
           櫻内 辰郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           下條 康麿君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
  政府委員
   大藏章務次官  小坂善太郎君
   大藏事務官
   (銀行局長)  福田 赳夫君
ソース: 国立国会図書館
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