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1947/11/21 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第21号
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1947/11/21 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第21号

#1
第001回国会 決算委員会 第21号
昭和二十二年十一月二十一日(金曜日)
    午後二時六分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 島村 一郎君
      片島  港君    高津 正道君
      竹内 克巳君    戸叶 里子君
      馬越  晃君    大上  司君
      中曽根康弘君    冨田  照君
      平井 義一君    宮幡  靖君
      受田 新吉君    齋藤  晃君
 出席政府委員
        大藏事務官   北島 武雄君
        運輸事務官   田中不破三君
        逓信事務官   大野 勝三君
 委員外の出席者
        會計檢査院事務
        總長      東谷傳次郎君
        專門調査員   大久保忠文君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十年度歳入歳出總決算、昭和二十年度特
 別會計歳入出決算
    ―――――――――――――
#2
○竹山委員長 これより會議を開きます。
 昨日の御決定に從つて本日から各省の歳入歳出の決算につきまして審議を續けていきたいと存じます。本日は昭和二十年度の歳入歳出總決算及び同特別會計の歳入歳出決算中一般會計及び特別會計の歳入の部について、まず審議を進めていきたいと思います。最初に大藏省の方より説明を求めます。
#3
○北島政府委員 それでは私から昭和二十年度一般會計の歳入決算についてその大要を御説明申し上げます。
 昭和二十年度の歳入決算額は、經常部百七億八千三百四十四萬餘圓、臨時部百二十七億四百四萬餘圓、合計二百三十四億八千七百四十八萬餘圓であります。これをその豫算額に比べますと、經常部におきましては三十七億二千八百六十四萬餘圓、臨時部におきましては十九億四千五十一萬餘圓、合計五十六億六千九百十六萬餘圓の減少となつておるのであります。
 次にその内容に入りまして少しく詳細に御説明申し上げますと、歳入經常部の中で金額の最も多額に上りますものは租税でありますが、租税の決算額は八十一億七千百八十四萬餘圓でありまして、これを豫算額に比べますと、入場税、遊興飲食税等豫算額に比べ増加したものを差引き、結局二十五億六千四百七十八萬餘圓の減少となつております。これは空襲等の戰時災害による租税の減免や、戰爭熾烈化及び終戰の影響等によつて、所得その他課税物件の減少が相當著しかつたためで、所得税において十五億九千七百二十五萬餘圓、法人税において五億二千七十三萬餘圓、酒税において四億九千四百四十五萬餘圓、物品税において一億一千百六十八萬圓等の減少がおもなるものであります。
 次に還付税收入でありますが、その決算額は一億八千四百九十九萬餘圓でありまして、その豫算額に比べると八千二萬餘圓の減少であります。
 次に印紙收入でありますが、その決算額は一億六千二百六萬餘圓でありまして、豫算額に比ベて一億千七百七十二萬餘圓の減少であります。
 次に官業及び官有財産收入におきましては、その決算額は十五億八千三百九十四萬餘圓でありまして、これをその豫算額に比ベますと、十一億四千六百四十萬餘圓の減少となつておるのでありまして、そのおもなるものは、特別會計益金受入において、專賣局の戰災等のため、十億八千五百八十六萬餘圓を減少したためであります。
 次に雜收入におきましては、その決算額は六億八千三十萬餘圓でありまして、これは日本銀行納付金の基礎となる剩餘金が多かつたため、日本銀行納付金において二億二千七百七十三萬餘圓を増加いたしておりますが、懲罰及び沒收金その他で減少したものもあるので、結局豫算額に比べて一億八千十萬餘圓の増加となつておるのであります。
 以上は歳入經常部における内譯の大要でありますが、次に臨時部における租税の決算額は十九億八千三十三萬餘でありまして、これをその豫算額に比ベますと六億七千九百四十五萬餘圓の減少となつておりまして、これは戰災による減免のため、臨時利得税における六億七千三百四十八萬餘圓の減少がおもなるものであります。
 次に臨時雜收入におきましては、その決算額は五億二千六十九萬餘圓でありまして、豫算額に比べて二千六百六十六萬餘圓の減少となつております。
 次に公債金收入におきましては、その決算額は九十億二千九百十二萬餘圓でありまして、豫算額に比べて二十四億八百十萬餘圓を減少しております。
 次に前年度剩餘金受入におきましては、その決算額は十一億六千八百四十四萬餘圓でありまして、豫算額に比べて十一億六千八百二十五萬餘圓を増加しております。
 最後に款項目不明による決算額は五百四十五萬餘圓でありまして、戰時災害によつて書類滅失等のため、受入科目の不明となつたものであります。
 以上は一般會計における歳入決算の大體について御説明申し上げたのでありますが、結局昭和二十年度歳入決算額は、その全體を通じますと。先ほど申し上げましたごとく、その豫算額と比べまして五十六億六千九百十六萬餘圓の減少となつておる次第であります。
 昭和二十年度一般會計における歳入の實績につきましては、會計檢査院より檢査の結果に基いて意見を報告せられたものが三件あります。このほか既往年度に屬するものが十一件ありますから、これを合計しますと、十四件ということになつております。これらはいずれも會計檢査院の意見の通りでありまして、はなはだ遺憾とするところであります。
 以上一般會計における歳入決算の概略について申し述ベた次第であります。
#4
○竹山委員長 續いて會計檢査院の報告を伺いたいと思います。
#5
○東谷説明員 二十年度の一般會計の歳入に關しまする政府委員からの御説明があつたのでありますが、一般會計の歳入決算の二百三十四億のうちにおきまして、會計檢査院でまだ檢査ができませんで未確定におきましたもの、すなわち證據が會計檢査院に来なかつたもの、または會計檢査院から照會質問を發しましても、決算確定する時期までに囘答に接しなかつたために、その金額がよいかどうかということが確定しなかつたもの、それが一億八千八百餘萬圓あるのでございます。そのうちの多くのものは、各税務署におきまして取立つておりまする税の收入關係が大部分でありまして、一億八千餘萬圓のうち經常部に屬しまする税の關係が七千八百餘萬圓、臨時部に屬しまする税その他――大體税でございますが、税の關係が一億一千餘萬圓で、合計億八千八百萬圓が確定に至つておらぬのであります。未確定に相なりましたものは、次の年度、すなわち二十一年度の決算報告を提出いたしまする際にもし證明が來ており、あるいは囘答濟でありますならば、追確定をして御報告をするということに相なつておるのであります。
 なおこれは一般のときに御説明いたしておつたのでありまするが、一言申し上げて御説明させていただきたいと存じまするのは、二十年度の決算は、御承知のごとく前半は最も苛烈なる戰爭のときでありますし、後半は終戰直後の混亂した状態における決算なのでございまするが、この戰爭中の戰災によりまして、會計檢査院に出さねばならない證擔書類が各實行廳において非常にたくさん焼けたのであります。焼けたのでありまするが、各實行廳におかれましては、終戰後あるいは戰災後にいろいろと善後の處置を講ぜられまして、できる限りの御努力をされて、説明書類あるいは證擔書類の再製ということをなさつたのでありまするが、なおそれでも説明あるいは證擔書類などの再製ができなかつたものが相當にあつたのでありまして、一般會計で申し上げますると、それらのもので會計檢査院において書類が參らないために一應檢査が十分にはできなかつたという金額が九千五百餘萬圓あるのでございます。これらのものに對して檢査はどういうふうにしたかということを一應御了承を得ておきたいのであります。かような書類の焼けたものは歳入に限らず、歳出の面においても、一般特別兩會計相當な額に上つておるのでありますが、會計檢査院として非常にこれは苦心したのでありまして、御承知のごとく戰爭前から引續いて各廳の會計を檢査をいたしておるのでありましてそれらの記録、それらの檢査の成績は會計檢査院にあります。それらを勘案して焼けた分を推理し、なおそれでも納得の行かないものは、わざわざ實地に官吏を派出して、實地の状況。實地の説明を聽き、よつてもつて檢査を實行し、大體においてこれならば檢査を結了してもよかろうという心證を得て、かようなものは未決定という部類に入れないで、決算確定という確定の金額の中にはいつていることを御了承願いたいと思います。
 なお會計檢査院においての檢査としては、歳入、歳出ともそうでありまするが、一面においては歳入であれば歳入徴收官の證明決算の提出というものがありまして、それらを檢査するのでありますが、他面實際にそれが日本銀行から金が出ておるかどうかはいつているかどうという面を見なければならぬのでありまして、日本銀行と歳入の決算金額と比較對照した結果、歳入において日本銀行の證明額は、政府の歳入の決算額よりも膨らんでおるのが四百八十七萬餘圓あります。これらのものは大體において戰災その他により事由が不明というものがたくさんに残つておるのでありまして、やむを得ない事情によるものと考えております。そのほか戰災により、會計檢査院よりの證明決算の調定に當り款、項、目が不明になつておるといつたような事態が相當ありまして、それは檢査報告の第七ページにありますが、一般會計におきまして合計五百八十餘萬圓が款項目不明ということになつております。そうして會計檢査院の檢査の結果、歳入面において妥當でないというものが、二十年度においては、先ほども政府委員から仰せになつたごとく、三件ございます。歳入の租税でありまするが、徴收不足である點で批難をいたしましたのが大月税務署の一萬九千餘圓、郡山税務署の一萬五千餘圓というものがありますが、これらはいずれも是正されている状態でございます。
 なお既往年度すなわち十九年度以前のものに對しての報告がありますが、これは檢査報告書の五十七ページ以降に掲げてございます。先ほど申したごとく、證明書類が會計檢査院が決算を確定するまでに出ていない、もしくは照會に對する囘答が未濟であるという點で、從事未確定になつておつたものが、昭和十五年度でどれだけあつたか申としますと、歳入面で百六十九萬四千餘圓、しかしそれはその後二十年度の決算確定までには全部囘答が參りましたので、全額を確定したわけでございます。十六年度においてはやはり歳入で二百三十五萬餘圓未確定があり、そのうち確定したのが七十五萬餘圓、なお現在未確定になつてするものが百五十九萬餘圓あります。十七年度においては百四十四萬餘圓未確定があつたのですが、そのうち確定を四十三萬餘圓とし、百萬餘圓がなおまだ未確定になつております。十八年度におきましては四千四百八萬餘圓が未確定になつておつたのでありますが、その後三千七百五十六萬餘圓を確定いたしまいて、現在六百五十一萬餘圓が未確定になつておるのであります。十九年度におきましては未確定が二億四千二百四萬餘圓であつたのでありますが、そのうち確定いたしましたのが一億五千百四十七萬餘圓で、なお現在未確定のもので九千五十六萬餘圓あるのでございます。十五年度以降の未確定のうち本年度確定し、しかも不當だあると確定したものが十一件ございまして、十五年度分に對して悪いと判定いたしまいたのが三件、十六年度分についた三件、十八年度分について五件、合計十一件ということになつておるのでありますが、これらもすべて租税の問題でございまして、現在では是正されて、徴收不足のものは追加徴收し、徴收過納のものはお返しになつておる状態であります。以上であります。
#6
○竹山委員長 質疑の方は一應あとにして、政府委員の都合で、引續いて説明を伺うことにいたします。逓信院關係につきまして、大野政府委員から説明を求めます。
#7
○大野(勝三)政府委員 逓信院の關係におきまして、歳入の事項で會計檢査院の御檢査を受け、批難せられました事項は、沼津電話中繼所竝びに島田電話中繼所の官舎新築工事の前渡金に關する問題が一件ございます。この事實は昭和十九年の六月、株式會社岩崎組というものに請負わせました沼津、島田兩電話中繼所の官舎新築工事は、終戰と同時に一應工事が打切りになりました。そのときにおきましては、實に具體的に工事には著手をいたしておりませんでしたので、これが打切りと同時に、請負の際に前拂いしてございました工事費の三分の一は、ただちにこれを引上げなければならないのでございますが、檢査を受けました當時におきましては、納入告知書は發行しておつたけれども、まだ返納が完了していなかつたというのでございます。これま實は工事自體はまだ進行していなかつた、形の上ではそうなつておるのでございますが、實際におきましては請負者は島田の中繼所の分には、工事をいたしますベく、そこに下小屋をつくり、その他必要な施設物――つまり工事のために必要ないろいろなものを設けつつありましたし、また沼津の電話中繼所におきましては、木材が原木のままではいるという見込みでありましたので、その場所に製材機のすえつけなどをいたしておりました等、その工事に關連しまして若干の支出をいたしておりましたので、解約にあたりましては、その經費の負擔方をどうするかといつたようなことで、なかなか話が圓滑にまいりませんでした。再三折衝を重ねました結果、ようやく無償解約ということにまとまりまして、十二一年の十一月十二日納入告知書を發行いたしたのでありますが、當時あたかも金融措置令等の關係で、會社は金繰りがなかなかつかなかつたものとみえますして、督促をいたしましたがすぐには前渡金の返納ができませんでしたが、さらに督促をいたしました結果、本年の四月四日に納入濟みになつたのでございます。
 以上のような事情で、工事の出來高としては皆無でありましたけれども、準備その他が相當に進んておりましたような經緯などがありまして、簡單に解約手續をすることができませず、交渉その他に相當の日子を費しましたような次第でありまして、それが長引いたという點はまことに遺憾に存じておるのでありまして、將來十分注意をいたしたいと考えておるわけでございます。なお本件の責任者に對しましては、それぞれ相當の處分をいたしておる次第でございます。
#8
○竹山委員長 大野政府委員の都合で先に説明を伺いましたが、あとでまた御質疑のときに他の委員會との關係で出席を願うことにして、順序は逆になりましたが、次に特別會計の報告を大藏省から承ります。
#9
○北島政府委員 大藏省所管の特別會計の大藏省預金部特別會計におきまして、資金の運用よろしきを得ないものとして、會計檢査院から御報告ございましたのが一件ございます。これは陸軍共濟組合が終戰に伴いまして解散するときに、組合の資産を處分するために、終戰直後の昭和二十年八月二十日にもつておりました有價證券額面三千七百九十二萬圓餘の買入方を大藏省預金部に申請してまいりましたに對し、翌二十一日にこれを預金部におきまして買上げたのでございます。これらの有價證券三千七百九十二萬餘圓の中で、滿洲、北支那、朝鮮竝びに臺灣等の外地關係の有價證券が七百九十二萬餘圓ありました。これは終戰に伴いまして、經濟界、金融界の見透しも非常に不明であり、外地關係の有價證券の價格などの先行きはきわめて不安定なものであつたと認められるのに、これを陸軍共濟組合から大藏省預金部が買入れたのは、預金部預金法第四條にいわゆる有利確實なる方法によつて資金を運用したものとは認められないという報告がございました。これは現在から考えますと、御承知のごとくこれらは無價値な資産になつておりますので、まつたく有利確實なる方法によつて運用したのでないことは、申し上げるまでもないことでございますが、その當時の事情といたしましては、陸軍共濟組合といたしましては、約五十萬の多數の組合員の零細なる積立金から資産が成り立つておりまして、その精算が遲延いたしますと、多數の組合員に迷惑を及ぼすおそれがありましたので、陸軍共濟組合の關係の方は非常に焦慮いたしまして、これを預金部に申請してまいつたのでありますが、大藏省の預金部といたしましては、その當時の状況といたしまして、結局政府の保證があるものはその地方公共團體の公債などは、一時は延滯することがありましても、結局事態が收まれば何とかそれらの證券の元利支拂はされるのであろうと考えられましたし、その他の證券につきましても、國策會社のことでもありますし、その當時においては結局は終局的には償環について政府から何らかの特例の處置が講ぜられるものと考えまして、これを買上げたのでございます。申すまでもなくただいまから考えますと、これはまつたく有利確實なる方法によつて資金を運用したのではございませんで、はなはだ遺憾とするものでございますが、その當時の状況右のような次第でございますので、何とぞ御了承を願いたいと存ずるのでございます。
#10
○竹山委員長 今官金の分の説明を伺いましたが、續いてそれでは今運輸省の政府委員が見えましたから續いて運輸省の關係の歳入の報告を承つたあとで、一括して會計檢査院の報告を承りたいと思います。
#11
○田中(不)政府委員 帝國鐵道會計に關しまする會計檢査院の批難の要旨につきまして一應御説明を申し上げます。歳入につきましての批難の要旨の概略を申し上げますると、一件、收益勘定歳入の運輸收入の徴收處置が適當でないという御批難をいただいておるのであります。會計檢査院の批難の要旨は昭和二十年度の連絡運輸收入滯納額が年度末において二千二百三十一萬七千餘圓の多額に上つておるのは徴收上の措置緩慢によるものであり、殊に滞納金のある會社に對し、その後の計算において省の支拂に分がある場合に差引計算をすることなく支拂いを了し、滯納金をそのままにしておるのは、當を得たものではないと言うのであります。昭和二十年度の上半期は、御承知のように、空襲の激化と戰災の累加に伴いまして、省内及び省社間の連絡に著して支障を來しました。このために歳入徴收事務の遂行はまつたく困難に陥つたのでありまするが、下半期になりまして諸種の悪條件の中を鋭意努力いたしました結果、年度末近くに歳入調定手續を全部完了いたしたのであります。しかしながらこの調定額が年度末近くに比較的多額に上つたこと及び終戰後の末曽有の社會情勢のために連滯會社がいずれも經營難、資金難に陥つていたことがおもな原因となりまして、本伴のような滯納金を生ずるに至つたのであります。また滯納金のある會社のうち、その後の計算で省の支拂い額と差引き計算を要するものに對してその操作のできなかつたのは、主として戰災等のために當時の通信事情が禍いした結果によるものでありますが、當省といたしましても、徴收手續の遲延したこと竝びにこれが監督に缺くるところもありましたので、その責任者を適當に處分いたしましたほか、これらの點に關しその後十分な處置を講じておるのであります。なお本件滯納金總額のうち、昭和二十二年六月末日までに收入濟みとなりましたものは二千百五十一萬餘圓でありますから、七十九萬餘圓の徴收未濟となるのでありまするが、その未收入金のうち七十五萬餘圓は特別經理會社の分でございまして、これは收納不可能のものと相なつておるのでございます。大體以上が帝國鐵道特別會計につきまして歳入に關しまして批難をいただきました件の概略の御説であります。
#12
○竹山委員長 では前に説明のありました逓信及び今の運輸の關係について會計檢査院の報告を伺います。
#13
○東谷説明員 ただいま政府委員から御説明がありました帝國鐵道の歳入に關しまする會計檢査院の報告事項についてであります。これはただいま御説明がありました通りでありまして、會計檢査院と見解を異にしておるようにも存ぜられませんので、重ねて私から説明をすることは控えたいと思つております。ただ特別會計である帝國鐵道全體について申し上げまするが、全體の決算ではございませんが、二十年度におきまして會計檢査院の檢査の結果といいますか、檢査できなかつた、檢査が濟まなかつたものが特別會計ではほとんどないのでありまするが、歳入では、ほとんどほかではないのでありますが、帝國鐵道の收益勘定におきましてわずか四萬六千餘圓の未確定というものがあるのであります。これは照會に對する囘答未濟ということに相なつております。なお戰災によりまして證據書類が燒失いたしまして、ために會計檢査院への證明ができない、そういう種類のものが帝國鐵道におきましては、資本勘定歳入において三萬餘圓、用品勘定において十四萬餘圓、收益勘定において一億九千五百餘萬圓ということに相なつております。
 なお逓信院の關係でございまするが、通信事業特別會計におきましては、二十年度におきましては未確定はございません。ただ戰災によりまする證據書類の燒失によつて證明ができないものが、通信事業特別會計におきまして、用品勘定に千圓餘り、業務勘定に七十一萬四千餘圓ということに相なつておるのでございます。なお通信事業特別會計の十九年度の未確定事項があつたのでございまするが、その後囘答を得まして全部確定になりまして、十九年度の分で未確定になつたものはございません。
 また通信事業の關係で、會計檢査院で妥當を缺いておるとして批難を出しました事項についてでありまするが、これも先ほど政府委員から説明があつたのでありまするが、これは會計檢査院から出しました檢査報告書の二十四ページ、二十五ページに掲載いたしておるのでありまするが、工事費の三分の一を前拂いしておつたのでありまするが、その工事は少しもやつていない、その後中止ということに相なつたのでありまするから、前拂いいたしておりまする五萬餘圓というものは當然返納せしむべきでありまするが、會計檢査院で實地檢査に参つてみますると――ちようど一年前の昨二十一年の九月に實地檢査に行つたのでありまするが、その一年前の二十年九月に工事は中止ということに決定しておつたにかかわりませず、二十一年九月に實地檢査に参りましたときに、まだ返納の手續さえとつていないというようなことでございます。會計檢査院から返納を命じなくてはならぬではないかという注意を受けまして、返納を命じたというようなことでございまして、その措置はいささか緩慢に失しているというようなことで批難に上つているようなわけでございます。
#14
○竹山委員長 批難事項に對する質疑はあとにまわしまして、一般的な問題について今までのところについて私から一應伺つてみたいと思います。
 運輸關係の批難事項については、今御説明がありましたが、二十年度は御承知のような情勢であつて、非常に混亂をした中で、運輸收入については證明不能の分も相當の額に上つているようであります。そのこと事態は不明なるがゆえにこういうことになつておると思いまするが、一應莫大な金額に上つておりまするから、概括的に當時の收入全體について、一般の情勢をひとつ御説明願いたいと思います。
#15
○田中(不)政府委員 それではただいまから運輸省所管、帝國鐵道特別會計の昭和二十年度における歳入決算の概要について御説明を申し上げたいと存じます。
 まず資本勘定について申し上げますと、資本勘定の歳入豫算額は十億五百七十四萬餘圓でありまして、これに對しまして收入濟額は九億三千百三十八萬餘圓でありますから、差引七千四百三十五萬餘圓の減收となつております。公債金特別會計からの受入が多かつたのに、なおこのような減收をみましたのは、主として益金繰入がまつたくなかつたのによるのでございます。
 次に用品勘定でございまするが、用品勘定の歳入豫定額は十億五千九百十六萬餘圓でありまして、これに對しまして收入濟額は十億三千三百八十五萬餘圓でありまするから、差引二千五百三十一萬餘圓の減收となつております。これは主として用品賣拂代等が豫定より少かつたのによるのでございます。
 最後に收益勘定でございまするが、收益勘定の歳入豫定額は二十七億七千四百四十四萬餘圓でありまして、これに對しまして收入濟額は三十六億七千四百七十七萬餘圓でありまするから、差引九億三十二萬餘圓の増收と相なつております。これは主として豫算額に計上していませんでした多額の借入金を受入れた結果によるのであります。次に、今まで申し上げました帝國鐵道特別會計の歳入につきまして、なお檢査院等への未確答の部分が相當多額に上つておるというお話でございましたが、これにつきましては、その後も鋭意調査を進めておりまして、あるものにつきましてはすでに御報告申し上げたものもございまするが、なおいまだ處理未濟になつておるものもございまして、この點はまことに申譯ない次第でございます。ただ當時の事情が御承知のように各地の非常なる鐵道被害の結果、今になお十分なる資料を整え得ないという状態が存しておりまして、この點はなはだ申譯ないのでございまするが、今もなお鋭意繼續いたしまして、努力を續けまして、何らか十分なる資料に基いた確答を申し上げたいと、かく存じておる次第でございます。
#16
○竹山委員長 では前の大藏省の問題にはいりますが、租税の問題になつた點はきわめて件數も少いし、金額もそう大した額にはなつておらないのでありますが、これは想像するに、おそらく全國でこれだけのものとは考えられない。調べればこの程度のものならまだあるのじやないかという想像もされます。これは決算だから過去のことになりますが、今年度の徴税などから考えれば、この問題はなかなか重大な問題だと思うのでありますが、大藏當局及び檢査院はこの徴税に對する徴收不足の問題等について、今までとつてこられた處置、今後の對策というようなものについてどんなお考えをもつておられるか。同時の會計檢査院としての御見解も伺つてみたいと思います。
#17
○北島政府委員 租税の面におきまして取扱いの面より歳入の超、または不足を生ぜしめたものとして檢査院が御指摘になつておりますが、これらの徴收不足になりましたものの大部分は、いわゆる賞與の性質を有する給與を個人に總合しなかつた點に問題があるように思います。大體の御説明を申し上げますと、同族會社におきまして損金として計上いたしましたものを益金として、それらがそれらの會社を主宰しておりますところの代表者等に給與として流れこんでいるのに課税しなかつたという點が大部分なのであります。これは法人の決定が個人の所得の發生いたしましたときより大體において時期的に遲れますので、たとえば昭和二十年におきまして、ある會社からこういう給與をもらつておつたのに、會社に對する課税の方は一年遲れるということになりますと、當然その年には二十年の所得に對しては總合されなかつたことになるのでありますが、これもあとで法人の課税の際に、代表者の何某でこれこれの給與がいつていると認められるという決定をいたしましたならば、その代表者たる個人の所轄税務署に通報いたしまして、そこで總合課税をするという建前になつておるのであります。その資料の通報その他が遲れますことが相當ございますし、また同一署内に屬します者でも法人係と個人係との連絡が不十分でありますために、總合課税が漏れるというような結果に相なつておることも非常に多いのであります。これは結局職員の質とそれから量との兩面にかかつてくるのでありますが、昭和二十年當時におきましては、御承知の通り税務職員の質は非常に低下いたしておりまして、また人員におきましても、應召等のためにはなはだしく缺乏いたしておりましたために、ややもすればこういうような事例が生じたのでありますが、これらに對しましては當局といたしまして、極力職員を増員し、あるいは職員に對しましては税務講習機關の擴充をはかりまして、質の向上をはかりまして、極力こういうようなことは避けたいと努力しておるのでありますが、何分にも處理いたすべき件數は非常に多いのでありまして、多くの中には間々かかる手違いが生じますることをまことに遺憾に存ずる次第であります。今後こういう方面につきましては一層注意いたしまして、かかる徴收不足の生ずるようなことのないようにいたしたいと考えております。
#18
○東谷説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。二十年度の一般會計の歳入に對する會計檢査院の指摘事項が非常に少い。こんなものではなかろうという意味合でありますが、端的に申しますれば仰せの通りでありまして、二十年前の半は苛烈なる戰爭状態で、後半は敗戰のごたごたの状態でありまして、實は會計檢査院の檢査も思うに任せなかつたのであります。でありますが、ここに掲げてあります二十年度の歳入の御摘事項が三件だけではないのでありまして、先ほども未確定のところで御説明をいたしたのでありますが、二十年度の關係の未確定は大體税がおもでありますが、一億八千八百餘萬圓あるのでありまして、そのうち相當の部分、件數で申しますと、二十年度は税の關係で照會を發しておりますものが百五十件餘あるのでありますが、そのうちの相當な部分は徴收上の徴收過であるか、不足であるかどちらかに片づくものであると思います。これはまだ囘答未濟でございます。なお既往年度の部分におきましても、わずか十一件だけここに掲げてあるのでありますが、これも先ほど申しましたように、既往年度に對する囘答がまだ思うように參つておりませんので、件數が少いのでありますが、御參考に申し上げますならば、その二十年度においてなお既往年度の未確定にいたしましたものの質問件數でありますが、十九年度が大體五十件、十八年度が二百十九件、十七年度が二百四十五件、十六年度が三百七件というふうになつております。これらは逐次囘答を得まして、徴收過であるとか、不足であるとか、あるいは照會して税務當局の決定がその通りでよかつたという三つの部分におのずからわかれていくのであると思うのでありまして、本年度は少いようでありますが、必ずしもそうではないのであります。この點御了承を得たいと思つております。ただいまこういつた徴收過不足に對して政府委員から御説明がありましたが、やはり政府當局においては非常に努力はしておるのでありまして、この點は會計檢査院といたしましても十分了承しておるのでありますが、徴收不足といいますか、徴税未濟といいますか。こういう事項がときどき新聞などにも出るのでありますが、最近は單純に徴收をしていないというだけでなしに、いろいろ複雜な關係が起つておりまして、たとえば源泉課税において調べてみますと、官廳においてもあるいは會社においても、銀行においても納めなければならない税金がなかなか納まついてないということが現在あるのでありまして、これらに對しましては會計檢査院當局といたしましては、非常憂慮いたしておるのでありまして、それぞれその向きに對して注意を促しておるような次第であります。なお先般も大藏大臣が國會で説明しておられたのでありまするが、收入未濟という面が非常に大きな割合を占めておるのでありまして、これらにつきましても、會計檢査院といたしましては、國家の財政上憂慮にたえざるところといたしまして、それぞれ所管の責任の方に對しまして照會をし、御注意を申し上げておるような次第でありまして、できる限り會計檢査院としても各實行官廳と協力し、調定が濟みました後は、收入の確保という面に十分なる努力を拂つておるような次第でございます。
#19
○竹山委員長 この點は島村理事から昨日も強い御發言があつて、非常に心配にたえないとのことでありました。なお重ねて島村委員何か御發言があれば……。
#20
○島村委員 よろしうざごいます。
#21
○竹山委員長 ただいまの大藏當局の説明だけでは――實は決算の問題とは關連しませんが、この問題は委員會としても非常に問題にしておる點で、今の會計檢査院の御意見だけでは十分に納得いきかねるし、もちろん檢査院の責任だけという問題ではないと思いますが、なおこの點について今後どうしたらいいかということについて積極的な御考究を願いたいと思つております。
 次に先ほど逓信關係で直接の問題だけの説明を伺いましたが、なお補足的な説明があられるそうでありますからそれを伺い、なおその際歳入の全般について説明を願いたいと思います。
#22
○大野(勝三)政府委員 先ほどちよつと私とり違えておりまして、檢査院の御非難を受けました事柄だけについて御説明申し上げましたが、昭和二十年度の通信特別會計並びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の決算の概要につきましてこの際御説明申し上げたいと思います。
 まず通信事業特別會計でございますが、資本勘定の歳入豫算額は五億三千六百六十四萬餘圓、これに對しまして收入濟額は一億三千十八萬餘圓でありますから、差引四億六百四十五萬餘圓の減收となつております。これは主として業務勘定過剩金の受入れがなかづたによりのであります。
 それから次に用品勘定でございますが、この祖入豫額は一億三千五百十五萬餘圓でありまして、これに對しまして收入濟額は三千三百二十八萬餘圓でありますから、差引きいたしまして一億百八十六萬餘圓の減收となつております。これは主として用品供給代等の收入が豫定よりも少かつたのによるのであります。
 次に業務勘定の歳入豫算額でありますが、これは十二億四千四百八十九萬餘圓でありますが、これに對しまして收入濟額は十四億五千九百三十八萬餘圓でありますから、差引二億一千四百四十九萬餘圓の増收となつております。これは主として昭和二十一年勅令第百十一號第一項及び同勅令第五八十號第一項による借入金の收入があつた關係でございます。
 次に簡易生命保險及び郵便年金特別會計について御説明申し上げます。保險勘定の歳入豫算額は十四億七千百五萬餘圓でありまして、これに對しまして收入濟額は十五億一千九百三十萬餘圓でありますから、差引四千八百二十四萬餘圓の増收となつております。これは主として保險契約者が多かつたのによるのでございます。
 最後に年金勘定について御説明申し上げますと、年金勘定の歳入豫算額は六億六千百七十九萬餘圓でありまして、これに對しまして收入濟額は六億五千四百九十三萬餘圓でありますから、差引六百八十六萬餘圓の減收となつておるのであります。これは主として郵便年金の契約者が少かつたのによるのでございます。
 以上は大藏省所管昭和二十年度通信事業竝びに簡易生命險保險及び郵便年金の特別會計の決算のうち歳入についての概要でありますが、その詳細につきましては、お手もとに差上げてあります書類によりまして御了承願いたいと存じます。以上簡單でありますが、概要の御説明といたします。
#23
○竹山委員長 それではまた前の運輸省の問題で、ちよつと伺つておきたいのは、特別經理會社の關係で納入不可能だということのその後の事情なりをもう少し伺いたいと思います。それから大藏省の方から特別會計の中で一般的の説明のまだなかつたもので、全部にわたらなくてもよいが、おもな點について報告を伺いたいと思います。
#24
○北島政府委員 それでは私から大藏省所管の各特別會計について主要なるものの歳入關係について御説明申し上げたいと思います。
 大藏省所管の専賣局作業の歳入豫算額は二十億六千二十五萬五千餘圓でありまして、それに對して收入濟額は十四億六百七十四萬一千餘圓となつております。豫算額に對しまして收入濟額は約六億五千三百五十一萬三千圓ほど減少いたしております。この減少を生じましたのは、塩の賣渡し價格の改正によりまして、塩の賣拂代金が増加いたしましたが、他面戰災によつてタバコ製造工場の焼失等のために製造タバコ、タバコ用巻紙その他専賣品の賣渡數量が激減いたしましたために、作業收入といたしまして六億四千二百七十七萬三千餘圓を減少いたしましたのが主要な原因でございます。
 次に大藏省預金部の歳入について申の上げますと、大藏省預金部は豫算額が十四億九千百三十三萬二千餘圓でございます。これに對して收入濟額は十四億九千四百十萬一千餘圓でございまして、豫算額に比ベまして收入濟額は二百七十六萬八千餘圓を増加いたしております。この増加を生じましたおもな理由は、國價證券利子等の收入が多かつたために、運輸利殖金收入におきまして二百七十九萬四千餘圓を増加いたしましたのが主要な原因でございます。
 大藏省所管の特別會計中きわめて重要なものをとり上げて概略御説明申し上げました。なお御質問に應じまして他の特別會計についても詳細を御説明申し上げたいと存じます。
#25
○田中(不)政府委員 それでは先ほど委員長から御指摘になりました鐵道特別會計の、いわゆる連帶未納金と申しまして地方鐵道會社から省へ納むる收入の未無の件につきまして具體的に申し上げます。先ほど申しました御檢査當時の未無額のうち、二十一年六月では幾分殘つておつたと御説明申し上げまして、その中の大部分が特別經理會社であると申しましたが、ただいまのところは特別經理會社の以外の未納額は全部收入濟になつております。ただいまこれから述ベまする特別經理會社の分のみが今もなお未無額として、殘つております。地方鐵道の日立電鐵、これが二十六萬九千圓殘つております。今これから申し上げますのは先ほど申しましたように、みな特別經理會社であります。それから銚子鐵道、これは額はわずかでございますけれども七百三十九旛殘つております。それから西部農業鐵道、これが二十萬二千圓殘つております。それから靜岡鐵道、これが二萬七千圓ばかり殘つてまります。それから井華鑛業別子鑛業所の鐵道がございますが、これが約二萬八千圓殘つております。それから高知縣交通、これが五千圓ばかり殘つております。籾に門司の門築土地鐵道、これが約五千圓殘つております。それから帝國燃料興業、これが二十一萬三千圓殘つております。以上がラウンド・ナンバーで申し上げましたが特別經理會社としてまだ未納になつておるのであります。
#26
○竹山委員長 その後の處置はどうなんですか。
#27
○田中(不)政府委員 その後はまだ企業再建整備計畫が許可になつておりませんので、旧債權の辨濟は許されないことになつておりますので、そのままになつております。
#28
○竹山委員長 官金の問題について大藏省の説明がありましたが、これは大分事態から言えば大きい問題で、もう少し詳しくその後の政府のとつた處置等について説明を願いたいと思います。責任者あるいはその處置等がどうなつておりますか。
#29
○北島政府委員 大藏省預金部資金の運用は當時の金融局長の專決に任されたのでございまして、金融局長といたしましては先ほど私から申し上げたような理由によりまして、この有價證券を買上げたわけでありますけれども、結果においてまことに有利確實な運用方法でなかつたことになりまして、まことに申譯ないのであります。これに對する處置といたしましては、當時の金融局長は終戰後間もなく退官いたしておりますので、法の上で何らの處分もでき得ない状態でございます。しからばかくのごとき不良な有價證券を買上げたことにつきまして、あとで共濟組合に買いもどしてもらつてはどうかということも考えておるのでございまして、關係の事務局とも交渉いたしたのでありますが、共濟組合の資金が何分にもきわめて不足しておりまして、これを買いもどすことになりますと、多數の組合員に對しましても零細な積立金を返すことができないような状況になるという話でございまして、また陸軍共濟組合と國軍との關係におきましては、本年の三月陸軍共濟組合がもつておりました病院を大藏省で買上げまして、これを政府職員共濟組合連合會の病院として使つておるのでございますが、その買いました病院の價格に六箇所で約千六百萬圓という非常に安い値段でございまして、すベて帳簿價格でこれを國家が買上げたのでございます。これは陸軍共濟組合の側から申しますと、はなはだ安い處分をしたのでございますから、もしこれを組合が買上げることになりますと、ほかに資金のない陸軍共濟組合としてはこの病院をもつと高く買つてもらわなければとうていその買いもどしには事實上應ずることができないという話でございまして、かりにもしそういたしますと、すでに千六五萬圓で買いましたのをまたさらに時價で買上げる、そうしてその金でもつて共濟組合が預金部から買いもどすということになりますと、結局資金のぐるぐる舞いということになりますので、國庫かり借りなくともちよつとぐあいの悪いような状況になつております。
#30
○竹山委員長 これによつて國庫に與えた損害はどれくらいに考えられますか。
#31
○北島政府委員 陸軍共濟組合から買上けました有價證券は三千七百九十萬圓でございますが、このうちただいま申し上げました滿洲、北支那、朝鮮等の外地關係の先行き不安定の有價證券と認められたものが、額面にして七百七十八萬三千九百圓ございます。大體この程度の金額が現在不良資産で損失になるというわけであります。
#32
○竹山委員長 この件について會計検査院の御見解をもう一度伺いたいと思います。
#33
○東谷説明員 この事件につきましては、検査報告で指摘いたしておりますごとく、預金部預金法の命ずる融資確實な運用とは認められないのでありまして、ただいまの損失は全額が損失と見るよのしかたがないからという政府委員のお話でありましたが、まことに遺憾に存じておるのであります。これに對しまして、この運用自體は、ただいま申しましたように、非常に妥當を缺く遺憾な處置だと思うのでありますが、その後どうしたらよろしいかということで、ただいま政府委員が仰せになりました善後處置その他につきましては、會計検査院といたしましても御相談に應ずるしいいますか、御協議などもいたしたのでありまして、まず共濟組合に買いもどさしめたらよろしいのではないかということろまで行つたのでありますが、そういたしますと、ただいまのように一面におきましては、共濟組合から買上げましたところの病院などをいま少し高く評價して、歳出で拂つていかなくちやならない。そうしてその財源で八百萬圓に近い有價證券を買いもどさせることに相なるのでありまして、資金の融通というか、そういう點で思わしくない點があるのであります。しかしそれは形式としてはそういうように組むのが妥當なのでありまして、かりにめんどうではあるが、そういうようにするといたしましても、ただいま仰せになりましたように、やはりこれが外國債であるのでありまして、そういつたようなことも考え合せまして、ただいま政府委員の仰せになりました善後處理というのでしかたないのではないかと、會計檢査院として考えておるようなわけであります。なお責任者の追究でありますが、責任者はすでに退官にもなつておられまするので、官吏としての追及ができないので、やはりそのままに處分しないことになつておりのでありまするが、これもただいまの法則ではいたし方ないのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#34
○竹山委員長 何か御質問はございませんか。
#35
○受田委員 通信關係の御説明を願いたいと思うのでありますが、郵便年金並びに簡易保險であります。特に簡易保險は契約が多くて、收入が非常に増大したということをお話でありましたが、支出の方で、ちようどこの年度は空襲が最も頻繁なときで、多數の契約者が死亡しておると思います。ここへあげてあるこの數字は、巖密に調査されたものではありましようが、事實死亡している者が届出をしないで放任されたままになつておる數字が相當額ないか。三、四月から八月までは空襲が最も苛烈をきわめておるので、そういう點について放任されたものがそのままにしてあるか、何らか手を盡してあるのか。この點特にお伺いしたいと思います。
#36
○大野(勝三)政府委員 私直接の所管者でないものでございますから、詳しくは存じないのでありますけれども、不幸死亡せられた方の遺族の方なり、あるいはその縁邊の方かり手續がせられない場合に、その保險金の支拂いができない場合は、まさに仰せの通りあると思いますが、この場合については利害關係者の方からの御申告をまつて處理するというよりほかには、一應處理のしかたがないかと考えておりますが、なお詳しく補足する必要があるようでございましたならば、追つて所管當局と打合せの上に、附加えさしていただくことにしたいと思います。
#37
○受田委員 地方には事實一家が全滅しておるというのがたくさんあります。そのあとの問題で、保險金があつたかないか、よくわからないというような、他に遺族のない家庭が相當ありますが、これらに對して逓信關係で何らかそれを探し出すように努力をしていただきたい。そのままにしておると、遺骨の處分その他についても、非常に氣の毒なものが相當あることを私は目撃しております。そういう點をもう少し積極的に處理をしていただきたいと思います。
#38
○大野(勝三)政府委員 まことにごもつともなお言葉でございまして、これは私實は今そのことを的確にお答えいたしかねますものですから、控え目に申しておるのでございますけれども、大體は御承知のように、保險の方はすベてカードがございまして、そのカードに基いて月々掛けるものが大部分でございますが、年掛のものも若手ございます。保險料をかけておりますから、もし保險事故があつて、たとえば今お話のように一家全滅といえような不幸な方についとは、おそらく郵便局なり保險支局等にカードがあつても、その後の保險料がかけらけないといつたようなことになつておると思います。そうすれば當然これはそういう保險事故がなくとも、保險料が滯りますと、それが契約の失效の原因にもなりまして、結局御當人の不利益になるばかりでなく、保險の全體の經榮の上にも影響のある事柄でございますので、郵便局でもかかるものの保險料の滞納ということについては、注意を特にそこに向けまして、終始契約者の方の家をまわつて、督促をするとかいうようなことをいたしておりますので、自然御不幸な契約者の方についても、それはすぐわかるはずでありますので、いろいろできるだけの手は盡して、保險金を支拂うようにはいたしておると存じますが、なおただいまの御趣旨をよく主管局の方に傳えておきたいと存じます。
#39
○受田委員 帝國鐡道特別會計の歳出の業務費でありますが、これは相當額支出されておるようであります。この中に鐡道者の責任に基く事故による死亡者負傷者に對する支出をされていると思う。これらがどのくらいの數になつているかわかりませんが、この點ちようど終戦直前である關係上、運輸省の責任における死亡者が空襲で起つたという場合、どう取扱つているか。それも當時のその弔慰金の金額が全國的に統一がとられていないように思いますし、最近の例でも、八高線の事故、山口縣の光、下松間の事故というような場合、差額があるように思うし、同じ鐡道の線における人命損傷に對する數字が世に明らかにされないと疑惑を抱くおそれがある。鐡道職員が死亡した場合と一般の者が死亡した場合との弔慰金の額の差についても問題になると思いますので、弔慰金の決算の額が非常に増大していることについて、當時の取扱いと、そういう者に對する運輸省當局の態度についてお伺いしたい。
#40
○田中(不)政府委員 ただいまの損害賠償金その他についての御質問でございます。第一に終戦直前その他の空襲熾烈なるときの事故にかかられた方、その他鐡道直接の被害者についての處理はどうなつているかというお尋ねでございます。これにつきましては省といたしましても鋭意その處理に當つておりますので、また先ほどの逓信關係のときの例におあげになりましたように、全家族の方々がみな不幸な災厄に遭われたというような事例は、あまり鐡道事故につきましてはないのじやないかと思いますので、それぞれ被害關係者もありましようしいたしまして、調査未濟と申しますか、そういうものはほとんどなかろうと存じます。但しこれも的確な資料をもち合わせておりませんので、いずれ調ベまして御報告申上げたいと存じます。
 次に額の算定の問題でございますが、これは鐡道事故は各地に起つておりますので、その土地の状況もそれぞれ違います。事故の原因もまたいろいろあります。同一の事故でもまたそれに差等がございます。まにかかられる方も老幼男女と申しますが、その他性別にいたしましても、いろいろと事故にかかられた方の條件が違つております。またかかられた方々の月々の收入などにつきましても異つております。從いましてその附近の土地柄、生活程度と申しますか、それらも考慮に入れますし、また御本人の收入、年齢そういう各種の條件を入れて考えまして、そのときどきの判定をいたしているような次第でございます。從いまして各それぞれの事件につきまして、死傷事故による死亡なら死亡という不幸なことがありました場合、傷害なら傷害といいましてもそういう事件を一々考えますので、おのずから額に差ができてまいることはやむを得ないのじやないかと存じます。しかし大體におきまして鐡道も長年の歴史をもつておりまして、死傷事故等につきましても毎年それぞれの具體的なそういう判定をいたしておりますから、そういう前例に用いましてそれぞれの考え方も適應しましていたしているような次第でございます。なお昨今におきましては物價が非常に變動いたしまして、從いまして考えといたします基礎條件は旧來と變りませんでも、その算定いたします額につきまして、どういう適正價格を基準において算定したらよいかということにつきまして、なかなか骨を折つているような次第でございます。この點はおつしやるように、いわゆる適正價格というものについてまだ過度期にありますので、あるいは取扱い者によりまして、あるいは土地によりまして、適正價格というものが違い得るという可能性はあるかと存じます。しかしこれも時に賠償關係擔當者の連絡會議を開いておりますので、おのずからはなはだしい差違はできてこないようにと注意はいたしているような次第でございます。
#41
○竹山委員長 私から決算と關連して、戦爭によつて鐡道、逓信、あるいは専賣などでこうむつた資産的な損害というものが、およそどのくらい見つもられているか。これは時期によつて違いましようが……。
#42
○田中(不)政府委員 ちよつと調ベてみます。
#43
○竹山委員長 その間に會計檢査院の方に伺いますが、先ほどの徴税の問題について、實際會計檢査院が徴税の監督に當られる現在やつておられる方法を一應伺いたいと思います。
#44
○東谷説明員 税金の檢査の件でございますが、これは會計法によりまして、會計檢査院に、税金の調定をいたしますと、收入するに從いまして收入計算書あるいは歳入調定額計算書というものが出ているのであります。それに一々各會社その他納税者の關係の書類がついてまいるのであります。たとえば十一月に取扱いましたものは、會計檢査院に翌十二月末日までに屆くように證明するというようになつております。具體的に申しますと、十一月分の徴收の關係は來年の一月にはいれば書面の檢査をすることになります。大體の方式といたしましては、證明がまいりましたものを、書面で一應見まして、ここではどういうことをするかといいますと、一應やはり證據書類と計算書との金額が一致しているかどうかを見るのであります。さらに證據書類の内容につきまして、徴收上手落ちはないか。この計算でいけばもう少し取るのがほんとうではないか。あるいは會計檢査院はもう少しとるのがよろしいではないかということだけをやつているのではないのでありまして、とり過ぎの場合には納税者に返納せしめることもやつているのであります。その兩面、すなわち徴收の過不足という面をまず内容的に見るのであります。なお一般の新聞、經濟、その他の雜誌の面から見まして、こういつたものは新興會社といいますか、いろいろ會社があり、その他所得の多い人があるが、そういつた面に對して調定がしてあるかどうかという調定漏れの點も一應檢査勘安をいたしまして、原則といたしましては、それらの事故を携えまして、各財務局及びその下部組織の各税務署にまいりまして、それらの機構について一々質問いたすのであります。さらに税務署にまいりますれば、會計檢査院に出してこないところの書類がいろいろあるのでありまして、それらの書類につきまして、また一應の會計檢査院における書面檢査とは異なる實地檢査における書面の檢査をもいたします。そうして徴收の過であるとか、徴收の不足であるとか、あるいは調定すら漏れているというような關係を見ていくのであります。それらは一般でありますが、ほかの源泉課税の點で申しますと、官廳の職員もおのおの所得税を納めることになつているのであります。公園の職員もまたしかりであります。補助團體におきましても、あるいは地方の公共團體においてもそうでありまして、それらの點はやはり官廳は會計檢査院へ支出の計算書というものを出しますし、その他公共團體、補助團體、公團など、おのおの支拂の調書を出すことになつておりますので、その面で見まして、源泉課税を調定を漏らし、もしくは調定をしておつても税務署への拂込み、銀行への拂込みは漏れてはいないかという面をも見るのでありまして、先ほど官廳、會社、銀行などに、源泉課税の調定漏れもしくは拂込み漏れが相當にあるということを申したのでありますが、これはこういつた支出の面から見る檢査から發見されるのでありまして、なおただいまの點は税務署に參りまして調べる。また所管の税務署の關係で前の月まではこれこれの會社、銀行においては、この程度の源泉課税の拂込みがあつたか、その翌月、あるいはその前の月は非常に減つているとか、あるいは全然皆無であるとかいうことによりまして、また源泉課税の不足の點を發見するのでありまして、まず申しますれば、歳入關係の書面檢査、並びに支出關係の書面檢査と、もう一つ税務署あるいは財務局へ實地檢査に参りましての檢査、この再建によりまして、歳入の徴收過不足の檢査をいたしているような次第でございます。
#45
○竹山委員長 これは會計檢査院に注文するのは無理かもしれませんが、國家財政からみてこの下半期に千億の税金をとらねばならぬ。これが公正にとり終せるかどうかということが、日本の財政がもつかもたぬかといより、國家全體の死活問題である。そういう今の時期において、今お話を承づておるような機構で、もちろんこれは大藏當局が全力をあげてやるのがあたりまえだが、會計檢査院の責任で、今のお話のようなやり方、どれだけの陳容でそういうことをやつておられるのか、それが十分とは言えないまでも、十分責任のもち得るような程度にはたしておやりできておるのですか。重ねてお伺いします。
#46
○東谷説明員 先ほど二十年度は端的に申しますれば檢査が思うに任せなかつたと申したのでありますが、そうすれば二十一年度あるいは現在は十分にできるのかということになるわけでありますが、實は會計檢査院は御承知のごとく五月三日をもちまして大改正になりまして、いわば舊憲法が變つて日本國憲法となると同時に新しい檢査院になつたのであります。從來の檢査院も檢査院法によつて天皇に直隷し内閣に對して獨立の地位を有するという獨立官廳ではあつたのでありますが、それは法律の一箇條文があつただけであつて、實際上の獨上はなかつたと同じなのであります。現在の會計檢査院法において、第一條におきまして、内閣に對して獨立の地位を有するという一箇條文がありますが、これを支援するというか、ほんとうの獨立を保障するために、財政法におきまして、會計檢査院の豫算は政府豫算より獨立しておる。國會竝びに最高裁判所の豫算し同じように、會計檢査院の所管をもつて獨立しておるというので、まず會計檢査院の獨立の面が豫算において確保されたのであります。さらに從來は豫算を大藏省へ行つてせつかく認められましても、今度は定員をつくるという段になりますと、勅令、今でいえば政令を定める面においてなかなか思うに任せなかつた。三すくみも四すくみもしておつたのですが、現在は會計檢査院法において自分で定員をつくることになりましたので、定員をつくる官制の面が獨立したわけであります。さらに官吏の任命についても、形式だけは内閣に任命してもらつておりますが、内閣は會計檢査院の指名する通りに任命することになつておりまして、人事權も獨立したわけであります。かようなわけで、從來は會計檢査院はそれだけの小さい陳容、一口に言いますと三百名足らずの陳容で一般會計一千億、特別會計二、三千億というような會計、その上に特殊銀行會社、あるいは補助團體が多數あるのでありますが、それらを檢査することは、ほんとうはそれで十分檢査ができるのかと仰せになりますと、できないと言つてお答えする以外ないと思う。それならばなぜ豫算をとらなかつたかというと、豫算はなかなか思うに任せない。今度豫算が獨立したということで、大體今までの三百名い言いましたが、雇員まで入れると四百名ですが、それが今度の五月三日發足いたしました會計檢査院においては大體三倍にするというので千二百名という陳容を整えることに相なつたのでありますが、これらはやはり豫算の獨立、定員官制の獨立ということが支援してくれた賜ものだと思います。それでは千二百名が充員されておるかというと、實は充員の途中でありまして、千二百名、これは雇員も全部入るわけでありますが、それをもつて今の財政の監督が十分できるかというと、これは十分とは申されないのですが、この程度の充員をしていただくならば、相當に責任をもつて檢査に當ることができると確信しておるような次第であります。先ほど書面檢査と申しましたが、これは民法のことを申し上げてはなはだ恐縮でございますが、從來とは違はまして、會計檢査院法がどういうふうに檢査するかということを明らかにしておるのでありまして、これは常時――常時という言葉を使つておりますが、常時書面の檢査をするということが一面において掲げてあります。これは從來も常時しいう言葉まなかつたのでかが、そのようにやつておりましたが、それが強く掲げられております。さらに各官廳はどうであるかというと、檢査を受ける各官廳は常時に會計檢査院に證據書類を提出しなければならぬいとうこともまた會計檢査院法に掲げてあるのであります。しかしてもう一つ常時という言葉が使つてあります。それは實地檢査をすることもまた常時に實地檢査しなければならぬということになつておるのでありまして、從來は實地檢査は補足的であつたのですが、今は先ほど申しましたように、常時に書面檢査というものが一本と、常時實地檢査をするという一本と、こに二本建になつておるのであります。
 この二本建にしなければならぬ理由は、翌月限り會計檢査院に證據書類を提出しなければならぬしいうことになつておりましても、いろいろな事情によつてとても翌月には入つてこないのであります。また翌々月、四箇月、六箇月、あるいは七箇月、八箇月も遅れて出るというようなこともあるのであります。でありますから證據書類の出てくるのを手を拱いて持つておるというようなことでは、ただいまの委員長の御懸念になりましたような監督の萬全は期せられないのであります。そこで書類の來ておるものはむろん見るのですが、書類が來ておらなければ、どういうわけで書類が來ないかということを尋ねると同時に、まず先方のふところに飛びこんで、先方にある書類によつて、實地の檢査によつて、書面檢査の遅くなることを補足しておるような状態でありまして、この大きな歳入、殊に租税歳入の面に對しましてもさようなわけで常時に各税務署に参つておるような次第であります。私が説明するまでもなく、税務署も非常に増置されまして、收税の萬全を期せられるのでありますが、會計檢査院もまた税の關係では人を殖やしまして、收税の監督、檢査に十全を期しております。
 なおつけ加えておきますが、たとえば戰時補償特税というのがございますが、これらの點につきましてただいま一番書類の整つておるのはどこかというと、實際は會計檢査院なのであります。と申しますのは臨時軍事費關係の支出支拂の面の證據書類が會計檢査院に入つておるのでありまして、會計檢査院は戰補税の關係は、税務署で決定する以前に會計檢査院において、これとこれは戰補税をかけなければならないというリスト、抜書ができておるわけでありまして、それらの點は同じものを税務當局あるいは財務當局が書抜きをなさるという煩を避けまして、財務當局と協力いたしまして、會計檢査院にある資料、あるいは會計檢査院でつくり上げました資料は、お貸しし、お見せして調定の萬全を期し、その促進を期するというようなことをやつておるわけでございまして、御心配はごもつともでありますが、人員も相當に殖やしまして十分なる努力をもつてやつております状態を御了承願いたいと思います。
#47
○田中(不)政府委員 委員長から先ほどお尋ねのありました國有鐡道の空襲被害について御説明申し上げます。
 國有鐡道の空襲被害は、各方面種々雜多にわたつておりますが、そのうちおもな被害を一應數字的に申し上げてみます。まず軌道、レールでございますが、軌道は千六百キロでありまして、全體の軌道に對する割合は約五%にあたつております。次に建物の被害を受けました割合は百八十萬平方メートル、全體の建物坪數の約二〇%にあたつております。電燈設備では九萬箇でございまして、全體に對して約一〇%にあたつております。通信線でございますが、これは三萬一千キロの被害を受けておりまして、全體の通信線延長の六%にあたつております。電信電話機でありますか、その箇數は一萬三千箇、これは全體に對して一二%でございます。工場は十四箇所被害を受けております。全國の工場數は二十五工場であります、それに對して十四箇所であります。次に車輛でありますが、機關車は八百七十一輛の被害を受けまして、全體に對して一四%にあたつております。客車は二千二百二十八輛、全體の客車に對して十九%でございます。電車は五百六十三輛でありまして、全體の車輛の二十六%にあたつております。貨車は九千五百五十七輛でございまして、全體の貨車數に對して八%にあたつております。なお連絡船の被害を受けましたのは八萬總トンに上つておりまして、これは全體の保有船舶總トン數の六五%にあたつております。この大部分は御承知の青森、函館間、釜山、下關間の優秀船でございます。これらがおもなものでございますが、そのほかにただいま申し上げましたように、各地に大なり小なりの損害をこうむつておりまして、これらは推定いたしますと、その當時の價格でおよそ十八億ということであります。但しこの推定額はおもな被害、その他大小の被害を入れました當時の額で推定したもので、概算でございます。
#48
○竹山委員長 全資産に對して何パーセントですか。
#49
○田中(不)政府委員 全資産はただいまのところ二十一年度末では大體百億でございます。
#50
○大野(勝三)政府委員 通信關係といたしましては、二十年度の固定資産の減少額が總體で二億八百餘萬圓となつておりますが、その大部分は戰災による被害によつて財産を滅失したものでございます。そのおもなるものは電話の燒失いたしましたものと、郵便局舎、倉庫、工場等の建物の燒失したものなどでございます。電話につきましては電話局舎自體は當初から不燃性の建物を建てるというようにいたしておりますし、その他戰時中は重要建物として周邊疎開等も行われました關係もありまして、戰災によつて燒けたものはほとんどございませんが、一般加入者の住宅が燒けるに伴いまして、住宅内の裝置及び電話局から加入者の住宅に至る間の途中の線、そういうものが大分燒けたわけでございます。戰爭前は大體百五萬箇くらいの電話であつたと思いますが、その六〇%以上が戰災によつて燒けました。それから建物の方ではこれまた不燃性の建物は大體戰災を免れておりますが、木造の建物であつてしかも戰災都市にありましたものは不幸にして大體燒けましたが、その坪數は全體の約一割でございまして――建物の延べ坪約五十萬坪でございますが、その一割五萬坪程度が戰災に遭つたわけでございます。そのほかこまかい例を申しますれば、市街線路などにつきましては爆撃の結果所々に小さい損害を受けたものがございますが、これらは大體その都度修理する、損益勘定の方の修理の方の關係で賄われますので、今の固定財産の減の中には出ておりません。ですから實際損害から申しますと、おそらく克明にこれを調べ上げますれば、二億圓を上まわるのではないかと思われます。なお今日これらの電話あるいは建物を復舊いたしますためには、とうていそれだけの金では賄えませんことは御推察の通りでありまして、建物のごときも實に驚くほど高いことになつておりますので、これからの通信事業の經營にこの戰災が非常に大きな負擔になることは先ほど委員長の御指摘になりました通りでございます。
#51
○田中(不)政府委員 ちよつと先ほどのお答えに補足をいたしておきますが、先ほど申し上げました百億は帳簿價格でございます。それから被害の十八億は先ほど申しましたように當時の價格でございます。
#52
○北島政府委員 專賣局特別會計の戰爭による被害額のごく大體を申し上げますると、專賣局特別會計の固定資本は昭和十九年度におきまして六千三百三十四萬三千圓でございましたが、昭和二十年度におきましては五千三十三萬二千圓になつておりまして、差引き一千三百一萬圓の減少でございますが、これが大體戰爭によるところの被害額と御了承願えば大した誤りはないかと存じます。但しこれは帳簿價格でございますが、さらにその千三百萬圓の内譯を申しますと、廳舎、工場その他の建造物及び工作物におきまして六百八十五萬七千圓、器具機械におきまして六百四萬八千圓、土地におきまして十萬二千圓、船舶が約千圓でございます。
#53
○竹山委員長 殘餘の問題はまた次の機會に讓りまして、本日はこれにて散會いたします。
   午後四時十三分散會
ソース: 国立国会図書館
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