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1947/08/29 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第17号
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1947/08/29 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第17号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第17号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○物價引下運動促進に關する陳情(第
 九號)
○製鹽事業保持對策樹立に關する陳情
 (第十九號)
○織物の價格改訂に關する陳情(第二
 十八號)
○少額貯金及び各種團體預金封鎖解除
 に關する陳情(第五十二號)
○インフレ防止に關する陳情(第七十
 一號)
○金融機關再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○大藏省預金部等の債權の條件變更等
 に關する法律案(内閣送付)
○會計檢査院法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○電氣税復活反對に關する請願(第四
 十三號)
○留興金融金庫法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○低物價政策上官營業事業料金の値上
 げ反對に關する陳情(第百九十號)
○連合軍兵舎竝びに宿舎建設用木材前
 受金の第二封鎖解徐に關する陳情
 (第二百十一號)
○賠償税の新設に關する請願(第百十
 八號)
○中古衣類の公定價格を廢止すること
 に關する請願(第百三十八號)
○企業再建整備法竝びにこれに伴う諸
 施策に關する請願(第百四十號)
○中古衣類の公定價格制度を廢止する
 ことに關する陳情(第百三十三号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十九日(金曜日)
   午前十一時五十三分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○復興金融金庫法の一部を改正する法
 律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) それではこれから委員會を開會いたします。本日は復興金融金庫法の一部を改正する法律案につきまして質疑を續行したいと存じます。御質疑のおありの方はお願い申したいと思います。
#3
○松嶋喜作君 昨日五千萬圓以上の貸出先を拜見いたしますと、五十七社の中、もつと外に資金を貸した方が有效適切ではないかというような感じのする會社が澤山あります。御當局が見えておりますれば、その内容を詳しく聞きたいのでありますけれども……。問題はこの興銀の關係と非常に深い關係繋がりを持つておるように考えます。建物も同じだし、社員も共通、同じ人がやつております。そういうことは止むを得ませんけれども、私は一國の復興金融金庫で、緊急必要なるものを出すという立場から、なるべく興銀というような關係に繋がりを持つように見えるような融資は、どうもなるべく避けて貰いたい。公平にやつて貰いたい。こういう意味で、これからの融資については、非常に廣く需要者の中から選擇をして、縁故の者に優先的に貸すがごとき感を與えないようにして欲しい。こういう感を深く持つのであります。その點何等か御當局にお感じがあるか。又感じがおありならば、どういう處置をおとりになるかというような點を一つここで伺つておきたい。こう思うのであります。
#4
○政府委員(小坂善太郎君) 只今の松嶋さんの御説まことに御尤もでありまして、私共もさように心得ておるわけでございます。一體この復興金融金庫というような國家の非常に重要な機關が、偶偶その關連のあるような人が使い易いというなことになつたのでは、まことに由々しき問題でありますが、そういうことの絶對ないように心掛けたいと思います。ただ發足いたしましてから割合に日も僅かなものでありますから、つい、どうもその關係に近い人が利用し易い。と申しますれば、甚だ言葉は當を得ないかも知れませんが、どういう關係が、或いはあつたのではないかと思いまして、今後におきまして、この運營は十分に氣をつけて參りたい。こう思つております。更に今囘の改正になりまして、なるたけ興銀關係から人が入りたいという希望も多かつたのでありますが、これにつきましては、我々極力これを排除するように努力して來たわけでありまして、御注意の點は十分體しまして、運營に注意して參りたい。かように考えております。
#5
○委員長(黒田英雄君) ちよつと私お伺いしますが、この改正によつて三百億圓の増資になるのでありますが、その三百億圓の拂込はどういうふうにお考えになつておるのですか。そのうち政府が幾ら拂込をするつもりであるか。或いはしないのであるか。その點を一つ。
#6
○政府委員(福田赳夫君) 本金庫の資本金と拂込との關係を申上げますると、只今のところでは、當初本金庫ができる際に資本金が百億圓で、拂込が四十億圓であつてのであります。それをこの春の議會におきまして、更に増資した額が百五十億円で、即ち資本金は二百五十億円になつておる。そうしてその際新たに政府の出資する額が六十億、六十億でありますから、政府の出資は合計して百億圓になつてのであります。左樣な状況で、只今は資本金二百五十億圓、拂込百億圓という豫定でありますが、そのうち拂込實行を致しましたのは四十億圓だけでありまして、この昔の議會において追加した六十億圓の出資は、本年度中にこれを實行するということで、いまだにこれを實行しておりません。今囘更に二百五十億圓の資本金を三百億圓に増資するということにいたしました際に、政府が出資を追加するかどうかという問題につきましては、只今關係方面とも打ち合せておるのでありますが、多分若干の金額の追加はあるのではないかというふうに見ておるのであります。現下財政の現状から見ますと、一般會計から多額にこれを出すというような譯には參りません。出資はごく少額であつて、あとは債券の發行の形式で行くことに相成るのではないかと存じます。
#7
○波多野鼎君 今の點に關連して私少し腑に落ちないのですがね。六十億圓政府が出資することをこの春の國會で承認を得ておりますが、而もそれをまだ出資していないというのですが、そうすると急場の間に合せるためには、この内幾らかを出資すれば急場の間に合うのではないのですか。
#8
○政府委員(福田赳夫君) これは六十億は只今の財政上の都合からいいますると、出資困難な状況なのであります。追つてもう少しこの收入支出の状況等を見た上、これを實行いたしたいと、かような考え方をしておるのであります。債券を發行いたしまして、成るべくこれを市中によつて消化いたしまして、そういうふうな調達を圖るという、その考え方をいたしておるのであります。それから假りに萬一さような出資が國庫の状況の上からできるといたしましても、その金額は六十億圓であります。常面の極く差當りの需要としては考えられますが、當分の間の需要を賄うという額には到底足りない額であるというような状況なのでありまして、この際三百億の増資を行いまして、これを債券發行によつて賄う。そうしてこの復興金融債券の市中消化という體制をなるべく速かに確立して行きたい。かような念願の下に増資法案を提出したわけであります。
#9
○波多野鼎君 そうしますと、出資金と債券發行の額との間に一定の比率が決められてあるのですか。
#10
○政府委員(福田赳夫君) これは一定の比率というものは決めてないのであります。當初は百對四十、その次が百五十對六十というようなわけでありますが、必ずしもこれは何も比率があつてやるというわけではないのであります。それから只今のお尋ねでありまするが、ちよつと私のお答えが間違つておりましたから訂正いたしまするが、債券發行は未拂込資本金の額によるということに相成るわけでありまして、この未拂込資本金の額が殘らない現在におきまして出資をするというのは、法的にちよつと困難な事情もあるのであります。是非その債券の發行限度を付けて置く必要があるという事情があるのであります。
#11
○森下政一君 そうすれば、こういうふうに只今のお答えを解釋していいわけですか。現在は復金の資本は二百五十億、その二百五十億の中で百億政府が出資することになつておる。但し實際拂込んだのは四十億だけである。そうすれば、政府が出資することになつておるものを差引いた殘り、百五十億圓に該當するだけの復金の債券というものが消化されて、その範圍内において貸付が行われておるとこう解釋していいわけですか。
#12
○政府委員(福田赳夫君) そうでないのであります。復金のこの資金というものは、拂込資本額とそれから債券發行の額と、この二つから成つておるのであります。從いまして只今は二百五十億圓の資本金である。そこへ持つて來まして四十億圓の拂込がある。そこで未拂込金が二百十億圓殘つておる。二百十億圓に對しまして二、三億の差額がありまするが、殆んど全額債券を發行しておる。從つて債券發行額と資本金の額を合せますと二百五十億圓近くなつてをる。かようなことになつております。
#13
○波多野鼎君 そうしますと、どういうことになりますか。政府が出資するということは、例えば百億出資するということにして、それを出資しないと、その百億だけの債券が發行ができる。こういうわけでありますか。
#14
○政府委員(福田赳夫君) さようでございます。
#15
○木村禧八郎君 この債券の消化の問題ですが、この點についてはこの前も銀行局長からお話がありましたが、大體四十億圓くらいを第二・四半期に消化する豫定であるというが、この豫定によれば本年度内の豫定は百二十億圓くらいとなつて、三百億の債券を發行すると百八十億くらい未消化になる。それが結局日銀の引受ということになると思います。で、銀行局長は若干の未消化があるというお話でしたが、我々は若干とは見ない。その他今後のいろいろな資金需要を見ますと、地方債の發行もありますし、又持株整理委員會の株の開放もありますし、その他資金需要は非常に多いので、この復金債券の消化は、この間數字でお示しになつたよりも更に消化がうまく行かないのじやないかと思う。こういう面からも通貨膨脹ということは可なり大きく考えられる。そうなるといろいろ各般においてインフレ防止の施策を講じておりますが、この點からインフレ防止が崩れてくる、そういう懸念がありますが、この消化について見透しをお伺いしたいと思います。
#16
○政府委員(福田赳夫君) 御説誠に御尤もでありまして、最近の復興金融金庫の資金調達の面を見ますと、極めて重大な要素がここにあるわけであります。ということは、通貨發行の趨勢を見ましても毎月六十億、七十億前後の通貨というものが増發されておるのであります。最近通貨増發の中で、復興金融債券の日銀引受という方法による原因というものが非常に多いのであります。この儘先月あたりの情勢から申しますると、半分くらいは復興金融金庫が通貨増發の原因を形成しておるというような、極めて重大な問題があるのであります。要するにこれは産業資金でありますが、その性質は財政的な部面を持つておるのでありまして、御説の通り今までの状況におきましては、復金債券の約一割が市中で消化されました。九割は日銀の引受になつており、その結果がさようなことになつております。今後におきましては、その體制を是非矯正して參りたいというわけでありまして、只今當局といたしまして考えておる消化の限度は、假りに自由預金の増加というものが百二十億圓、或いは百三十億圓くらいになるかも知れません。百三十億圓と假定しまして、それに對しまして封鎖預金の拂戻しが三十億だとしますと、百億圓の自由預金の純増加があるわけであります。この百億圓の中、五〇%は市中銀行の資金需要準則に從いまして自主的に融資をする。殘つた五〇%は、八割二割の割合で、二割は産業資金といたしまして重點的なものに使用する。それから八割は財政資金、財政資金の中には、復興金融債券も含むのであります。五十億の八割でありますから、四十億に相成る譯であります。四十億で、國債、それから復金債、地方債、この三つを消化して參りたい。勿論消化を要するところの額は四十億どころじやないのであります。もつと大きいのであります。これは特別會計豫算によつてその規模というものが決つて來るのでありますが、餘程これより大きかろうと思うのであります。併しながらこれは四十億を超過する三つの資金の部分というものは、日本銀行が通貨増發によつてこれを支辨するというように相成る譯であります。復金債は四十億圓の中におきまして最も高い地位を示すという氣持を持つておるのであります。只今金融機關の方面として、成るべく自主的な方法によつて進んで金融機關から消化して貰いたいという氣持を以ちまして、復金債券は何割、地方債は何割、國債は何割というような消化の額につきまして、鋭意打合せ中である。かような段階であります。
#17
○深川タマヱ君 傾斜生産の方から來る基本産業、それから近頃問題になつている公團、それから輸出向けの産業、こういう日本の國にとつては最も有利な事業、それの出資が復金から出資せられて、而もそれが公債によつて賄われて、その公債を買える人は、今日は新圓階級か、封鎖で買えるとしても持つている人でないと買えない。生活に困りながらも勤勞所得税を納める人は、働いてそういう人の利子を稼ぐということになると思いますが、國家がこういう階級を保護して獨占的利益を増大ならしめる形になりつつあると存じます。こういう形になるのだつたら、勤勞所得税なんかの免税點をお上げになりまして、細かい者が働いてそういう持てる人達の利子稼ぎをしないで、持てる人が税金を納めて、その人が勝手に債券を買つて、それで利子をとるということにしないと、細かい人は可哀想だと思いますが如何でありましようか。
#18
○政府委員(小坂善太郎君) この日本を再建いたしまするために、成るたけ國民全部が納得した形で自分の汗と勤勞を國に捧げて行くというふうに持つて行かなくちやならんことは、申し上げるまでもないことと思うのでありますが、その場合いわゆる持てる階級からできるだけ國家が強制獲得經濟によつて租税を取り上げて、そうしてそれを持たない階級に均霑させる、こういう原則は我々としては先ず第一に念頭に置いて行かなければならないことであると考えます。この點全く御同感であります。そうしてその觀點からいたしまして、目下勤勞所得税の免税點を引上げる、或いは基礎控除額を引上げる等につきまして、いろいろと考慮を廻らせておるのでありまして、關係方面ともそれぞれ打合せ中であります。併しながら、ただこれと復金の増資の問題とは、これはやや又趣きを異にするものとも考えるのでありまして、我々といたしましては、でき得る限り、市中にございまする蓄積された預金を以て、そうしてあなたも仰せちれたような確贊な産業に融資の途を付けるということを考えておる譯であります。ただこの復金の設立の目的にもございまする通りに、今の國の状態が非常にでごぼこな經濟の面がある。で、或いは今引合わない仕事でも、そうして引合わないから誰も投資しないような仕事でも、どうしても國の再建のために必要な仕事が多い。更に今引合わないでも將來必ず引合うというものもある。そういう面には一般の投資ということが行われませんから、それをこういつたような臨時的な機關で以て投資をやつて行こう。こういう考えなのであります。そうするとその中に公團というもので出て參りますが、公團というものは非常に確實な資金囘改の目當になる仕事だろうと考えます。我々としましても、公團に對してできるだけ今申上げた市中資金を以て運營に當らしたらいいと考えておつた譯であります。ちよつと速記を止めて下さい。
#19
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて……。
#20
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……。
#21
○政府委員(小坂善太郎君) そういうような状態なのでありまして、この國の再建のためにどうしても必要であるが、今のところ見透しの極めて困難であるというようなものについては、こういつた復興金融金庫というようなものを通してやつて行くということが必要になつて來るのでありまして、これは飽くまでも併しながら臨時的な措置であるというふうに私共考えている譯であります。又さればこそ復興金融の期間につきましても三年というふうに限つて運營させるように考えているわけであります。左樣御了承願います。
#22
○木村禧八郎君 先程の御答辯に對して、それに關聯して又御質問したいのですが、先程の復興債券がどの程度に市中で消化されるかということは、一にかかつて自由預金がどれだけ増加するかということにあるように伺つたのであります。ところで先程のお話では、百三十億假りに増加して、その中又第一封鎖の引出分を差引いて百億増加して云々という店がありましたが、併しながらこの消化の方法は、一應資金を出して、そうしてインフレをやつて預金が増加して、その結果として復金債券を消化するというような、手續としてはそういうふうになるのじやないか。それでなければ消化できない状況じやないかと思います。そうなりますと、戰時中の公債消化と同じプロセスが今採られる。假りに消化しても、消化するまでの段階においてインフレが起つてしまう。そういう状況になると思うのであります。ですから、數字的にただ四十億見當の債券が消化されるからといつて、それでその程度において通貨の膨脹を防止するというものでないと思うのであります。そこで、そういう方面からのインフレが昂進し、インフレ防止のあらゆる政策も崩れて來るとしますれば、これは重大なことである。私は政府としては、この復金債券の問題ばかりでなく、その他の政府資金需要或いは産業資金需要、さういうものを全體考慮して、そうして大局から見てこれがインフレを促進しないように、日本銀行券の通貨膨脹を來さないように十分な政策の準備をされる必要があると思うのであります。特に預金の増加というものに對しては餘程の考慮を拂われる必要があると私は思うのであります。この問題は、若し今のような形で、自由な形で資金の蓄積ができないとすれば、どうしても強制的な形で資金の蓄積を行わなければならんというような状況になつて來るのじやないかと思うのでありますが、そういうような點も或いはお考えかも知れませんが、とにかくこの資金の蓄積の問題については、これまでより餘程積極的な、そうして又構想を新たにしてお考えになりませんと、私はこういう面からインフレは非常に昂進して、健全金融も健全財政も、この方から破れてしまう。そういう今段階に來ておると思うのであります。この點についてな餘程腰を入れて、本腰になつて對策を御研究願いたいと思うのであります。この復興金融金庫債券の増發を認めるについても、我々はその點について十分な對策と用意がなければ、俄かに賛成し難いのであります。その點について十分御注意願いたいと思うのであります。
#23
○政府委員(小坂善太郎君) 只今の木村さんの御發言、誠に御尤もなことと存じます。一體我々が安きに就いて、ただ日銀の引受けというような形において、復金債券消化というようなことをいたして參りますが、そういう方面については、インフレ昂進に拍車をかけるということは我々は十分に戒心しなければならんと思つております、それで結局は今もお話の中にありましたように、民間の預金を増強いたしまして、國民の蓄積によつて必要な産業を賄つて行くという大原則を貫ぬかなければならんと思うのであります。この面に關しましては、實は貿易再開或いは爲替、輸出入の囘轉基金の設定を契機といたしまして、この九月から貯蓄増強の一大運動を展開いたすことにいたしておるのであります。これは政府は勿論のこと、國會の皆樣方に一つ強力にそれぞれの御方面において御支持頂きたいと考えておりまするが、勿論今日貯蓄の増強は、先般の國民貯蓄組合に關する法案の審議の際にいろいろと御議論も出ましたわけで、それに對して我々の考えもお述べ申上げておいたわけでございまするが、更に強力に貯蓄を推進する方針を御一緒に考えて參りたいと考えております。何率御協力願いたいと思います。
#24
○委員長(黒田英雄君) いかがでしようか。復興金融金庫に對しまする御論議は澤山あることと思うのであります。御質問もあり、又御意見もあろうと思いまするが、この復興金融金庫法を改正する法律案は、政府の説明のように、非常に資金が枯渇しておるので、急いでおるような關係もあるのですが、これを切離しまして取扱つて、そうして尚お委員會は復興金融金庫法に關して質疑應答を繼續するということにいたしたならばどうかと思うのであります。いかがでしようか。
#25
○中西功君 賛成なんですが、ちよつとその前に分らん點があるので、この復興金融金庫自體の問題でなく、今度の増資の點に關してちとつと質問さして頂きます。
 さつき赤澤さんのおつしやつたことと同じになるのですが、どうも私はその點了解できないのです。政府の方の六十億の拂込がまだ濟んでいないわけなんですが、この際急遽三百億の増資をするという事情なんです。これは六十億の政府の出資が、財政上の理由で非常に困難であるために、市中からこれをとつて來ようというので、三百億の増資の問題が出たのか。それともそういうことに關連なく、ただとにかく今金がないので、その増資をしてくれということなのか。その點ですね。政府はただ財政資金が出ないというふうなことは、これは今年度の豫算が出る以上、出ないというのもおかしな話なんで、その邊の事情が分らないのでありますが、もう一遍はつきり納得の行くように御見解を伺いたい。
#26
○政府委員(福田赳夫君) この復金の資本金を百五十億圓に増資いたしまして、その時において六十億圓を拂い込むということを追加したのでありますが、その六十億圓の拂込は未だに實行しておらんということは、先程申し上げた通りでありますが、實行しておらん事情は、なんと申しましても、國庫の財政としては、歳出というものは先に參りますが、歳入というものは多少遲れ勝ちなんであります。さような歳出、歳入の時期的な關係というようなものもございまして、未だ拂込を實行し得ざる状況であります。拂込を實行するとすれば、尚、年度の末期になつてからこれを實行するということに相成ろうかというふうに思うのです。
 尚その復金債券を急遽その發行限度を増額しなければならないという點につきましては、これは一體政府の六十億圓の拂込を取るということは、増資がなければ取れないのであります。政府は、復興債券の発行額と、それから政府の拂込額、この合計額というものは資本金の總額を超えてはならないという規定があるのでありまして、若し現在の状況におきまして、即ち債券をフルに出しているという状況におきまして政府の拂込を行うということにいたしますれば、結局債券の償還も行わなければならんということに相成りまして、政府から取つた拂込金というものは、なんらの具體的な用途に充て得ないという法的な事情もあるのであります。さような實際問題竝びに法的の關係上、資本金を増額いたしまして、そうしてそれに基きまして債劵發行限度を擴張いたしたい。かような次第であります。
#27
○委員長(黒田英雄君) いかがでしようか。先ほど私が申上げましたように、この法案だけを切り離して審議を進めるということに御異議ございませんか。
#28
○委員長(黒田英雄君) 御異議がないと認めます。それでは、尚この復興金融金庫法については、質疑應答は繼續するということにいたしたいと思いますが、この法案について、他に御質疑はございませんでしようか。
#29
○赤澤與仁君 今日までの融資の實績から見て、一般市中銀行で相手にされないような中小商工業者が復金によつて融資を受けて、非常に便宜を得ておる。そういつたようなものがどれくらいのパーセンテージに上つておるのか、お分りにならないでしようか。
#30
○政府委員(福田赳夫君) 中小工業だけについてのお話でありましようか。
#31
○赤澤與仁君 そうであります。
#32
○政府委員(福田赳夫君) 中小工業でありますと、この復金融資額の金額にいたしまして大體七%、件數にいたしましては半分を超える額が即ち中小工業と目されるのであります。中小工業と申しましても、これはなかなか限度がむづかしいのであります。私が只今申上げましたのは、いわゆる貸付金額が百萬圓末滿の貸付は大體中小工業というふうに見まして申上げたのでありますが、その全部が市中銀行では融資しがたい。併しながら國家的の意味で重要なものであるから、それは融資の必要があるという性質のものでありまして、それ以外の性質に屬するものではないということがこの法律の建前からしても當然であります。
#33
○委員長(黒田英雄君) 他にこの法案につきまして御質疑がなければ、本案について討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
#34
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。これではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は贊否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
#35
○波多野鼎君 三百億増資の問題は、まあ火急に必要だという御説明を信頼いたしまして、この三百億増資しないと日本の産業界に相當大きな影響を及ぼし、且又賃金の不拂という問題までも起ることを懸念いたしますので、三百億増資には一應私は贊成いたしますが、復興金融金庫の運營方針とか、それから運營の機構とか、將來に對するそういう問題について希望とかいつたようなことについていろいろ問題がありますので、本委員會において復興金融金庫の問題を引續いて討議することを確約して戴いて、委員長の方でその手續をはつきりとつて戴くことを固い條件としたいと思つております。
#36
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて……。
#37
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……、他に御發言ありませんか。他に御發言もありませんようですから、これから採決に入りたいと思います。復興金融金庫法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに御異議のない方は御擧手を願いたいと存じます。
#38
○委員長(黒田英雄君) 多數であります。
#39
○中西功君 僕は反對じやないのですが、正直なところよく分らないのです。そういう態度を保留しておきます。あと歸つてよく考えますが……。
#40
○委員長(黒田英雄君) 承知しました。多數と認めます。よつて本案は原案通り可決されました。尚本會議におきまする委員長の報告内容は本院規則第百四條によりまして、豫め多数意見者の御承認を經なければならんことになつておりますが、これは委員長におきまして、本法案の内容、本委員會の質疑應答の要旨、討論の要旨、表決の結果を報告するということにいたしまして、お任せを願うことに御承認を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
#41
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議會に提出する報告書につきましては、多數意見者の御署名を附することになつておりますから、本案を可とされました方は順次御署名を願いたいと思います。尚報告書に付けまする要領書につきましては、例によりまして委員長にお任せを願いたいと思います。御異議ございませんか。
#42
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。さように取計らいます。
#43
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこれにて散會いたします。
   午後零時四十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事      波多野 鼎君
   委員
           木村禧八郎君
           椎井 康雄君
           森下 政一君
           西川甚五郎君
           玉屋 喜章君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           木内 四郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
  政府委員
   大藏政務次官  小坂善太郎君
   大藏事務官
   (銀行局長)  福田 赳夫君
ソース: 国立国会図書館
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