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1947/10/06 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第21号
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1947/10/06 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第21号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第21号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○物價引下運動促進に関する陳情(第
 九号)
○製塩事業保持対策樹立に関する陳情
 (第十九号)
○織物の價格改訂に関する陳情(第二
 十八号)
○少額貯金及び各種團体預金封鎖解除
 に関する陳情(第五十二号)
○インフレ防止に関する陳情(第七十
 一号)
○電氣税復活反対に関する請願(第四
 十三号)
○会計檢査院法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○低物價政策上官営事業料金の値上げ
 反対に関する陳情(第百九十号)
○連合軍兵舍並びに宿舍建設用木材前
 受金の第二封鎖解除に関する陳情
 (第二百十一号)
○賠償税の新設に関する請願(第百十
 八号)
○中古衣類の公定價格を廃止すること
 に関する請願(第百三十八号)
○企業再建整備法並びにこれに伴う諸
 施策に関する請願(第百四十号)
○中古衣類の公定價格制度を廃止する
 ことに関する陳情(第二百三十三
 号)
○会計檢査人法制定に関する請願(第
 二百二号)
○貿易資金特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○失業保險特別会計法案(内閣送付)
○非戰災者特別税に関する陳情(第三
 百三十一号)
○政令第七十四号中憲法違反の條項に
 関する請願(第二百五十七号)
○政府職員に対する一時手当の支給に
 関する法律案(内閣送付)
○自給製塩制度存続に関する請願(第
 二百九十一号)
○戰死者遺族を非戰災者特別税課税外
 とすることに関する陳情(第三百八
 十一号)
○庶民銀行設立促進に関する陳情(第
 三百九十一号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月六日(月曜日)
   午後一時五十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○政府職員に対する一時手当の支給に
 関する法律案
○失業保險特別会計法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) それではこれより会議を開きます。本日は先ず政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案、これにつきまして大藏大臣から提案理由の説明を求めたいと思います。
#3
○國務大臣(栗栖赳夫君) 政府職員に対する一時金の支給に関する法律案の提案理由を申上げたいと思います。この度本國会に提出いたしました政府職員の給與に関する應急措置としての一時手当の支給に関する法律案について提案理由を御説明申上げ、皆樣の御審議をお願いいたしたいと思う次第でございます。
 この法律案は最近の政府職員の生計の状況に鑑みまして、應急的の措置として、全職員に対し職員一人当り総平普六百円をこの際支給いたそうとするものであります。その支給方法といたしましては、最近の生計費の状態が地域によりまして大きな相違がある点に鑑みまして、各職員の受ける俸給、暫定加給、暫定加給臨時増給及び臨時家族手当の合計額を基本といたし、その勤務地に應じて十二割乃至二割の範囲内において率に差等を附けて支給いたそうとするものであります。具体的の支給率といたしましては、現在実施しておりまする臨時勤務地手当の支給地区分に應じまして、特地の中、大阪市、神戸市及び京都市については十二割、その他の特地は九割、甲地は六割、乙地は三割、丙地は二割ということに大体いたしたいと思えておる次第でございます。
 この措置によりまして支給を実施いたしますために必要な予算額は、大体概算いたしますと、一般会計三億八千五百万円、特別会計七億三千七百万円、合計十一億二千二百万円でありまして、この金額は今回の補正予算に計上すべく手続をいたしておるような次第でございます。
 尚この金額の外に地方費負担により地方職員に支給される金額が約四億四千六百万円ございますのでありまして、この分も合計いたしました数字は十五億六千八百万円となるのでありまして、この数字は今回の措置により官公職員に支給せらるべき金額の総額と相成るわけであります。
 最後に念のため附加えて申上げたいと存ずるのでありますが、この法律による給與金額の計算の基礎は、從來の千六百円給與水準と千八百円給與水準との差額二百円の七、八、九、三ケ月分即ち六百円というところから出ておりますが、今回の法律案自体といたしましては、飽くまでも最近の生計費に應ずるための應急措置でありまして、千八百円水準そのものと直ちに関係するものではないということを特に申上げたいと思う次第でございます。本案につきましては、政府職員の最近の生活の実情をもお酌み取り下さいまして、御審議の上速かに原案通り御決定あらんことを希望いたしまして止まない次第でございます。
#4
○委員長(黒田英雄君) 尚これについて補足の政府委員の説明もあると思いますが、便宜上大藏大臣から失業保險特別会計法案につきまして、提案の理由を御説明願うと便宜かと思いますので、さようにいたしたいと思います。それでは大藏大臣から説明を願います。
#5
○國務大臣(栗栖赳夫君) それでは失業保險特別会計法案の提出の理由を説明いたしたいと思います。
 目下本院において予備審査として失業保險法案の御審議を願つておるのでありますが、同法案に基ずく失業保險事業の経理につきましては、政府管掌の各種の保險事業におけると同じように、失業保險事業に関する歳入歳出はこれを特別に経理いたしまして、その收支を明確にいたしますことが最も適当と思われますので、これがため新らたにこれに関する特別会計法を制定する必要があるのでございます
 尚同じく本院において御審議を願つております失業手当法に基ずきまして、政府の行いまする失業手当金及び失業保險金支給の事業につきましても、その歳入歳出の経理は、その性質上、本特別会計において併せ行うことといたしたいと思うのでございます。以上の理由によりましてこの法律案を提出いたしましたような次第でございます。何卒御審議の上速かに御賛同あらんことを希望いたしまして止まない次第でございます。
#6
○委員長(黒田英雄君) それでは政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案につきまして、尚政府委員から補足の説明がありますれば、この際願いたいと思います。
#7
○政府委員(今井一男君) 少し事務的にこの法律案の提案になりますまでの経過を申上げますと、これとからみまして、先達て当院の御承認を頂きました官廳職員の給與の凸凹整理という問題と、この問題が相絡んでおるわけでございます。御承知の通り二・一ストが收まりまして以來、給與問題に関しましては、政府側と労働組合の代表者間に、官公職員・待遇改善委員会準備委員会の名の下に、給與に関する各種の問題を、團体交渉によりまして折衝を二月の末以來続けて参つておるのでありますが、八月の初め、政府側から凹凸整理の金を、組合側と協議の上支給したいということを申入れますと同時に、この千八百円と千六百円の差額
二百円分を支給する問題を提議いたしたのであります。ところがこの凹凸整理の問題につきましては、各省間に利害関係が錯綜いたしておりますせいも伴いまして、組合の間では非常にむずかしい議論が起りまして、一ケ月半ばかり揉めまして、去る十九日の日最終的に協定が交わされた次第でございますが、一方今回のこの二百円の差額の問題につきましては、組合側といたしましては千八百円の水準そのものが現在問題となつておるこの際、この二百円の支給法方につきまして意見を述べることは、千八百円水準を組合側が承認したいという形になる虞れがありますので、この配分方法については組合側として言うわけに行かない。かような主張がございまして、その後更に重ねまして、何らかの組合側の協力を得た上でこの配分案を決定したいということを申入れたのでありますが、諸般の情勢から協力を頂くことができませんでした。そこで去る九月の十九日の最終的な決定の際に、この問題につきましては、両者の間に覚書が交換されまして、組合側としては千八百円水準は極めて不満であるが、併しながら只今金の欲しい際であるからしてこの金は貰う、その配分については政府の一方的な責任において案を作つて欲しい、それについて組合側は、それを貰うことに異議を有しないと、かような覚え書が交わされたのでございます。政府側はこの案を作りますに際しまして、從來から一番権威のある生計費と認められます総理廳統計局の消費者價格の調書を主に研究を重ねましたところ、本年に入りまして以來地域による生計費の差はいろいろの関係から段々増加する趨勢にございまして、一番最近に固まつております六月分の数字から推算いたしましても、乙地を基準といたしまして甲地が四割五分増、特地が六割一分増、京阪神は百三十増、詰り乙地の百に対して二百三十、かような数字まで出ておるような形に相成りましたので、從來から地域給の幅を何とか今少し拡げたい、こういうことを考えていた際でもございますので、今回はこの開きを從來の頭で見ますれば可なり思い切つた開きに直したのでございます。ただこの案には十二割から二割と相成つておりますが、この十二割、二割は、実は三月分の合計でございますので、これを三で割りまして一月分に直しまして、この直しました金額を更に毎月現在出ております月收に重ねて考えて見ますというと、普通の月收の上に乗つけて考えて見ますとき、この開きは丙地を百といたしました場合に、指数で申せば乙地が百十三、甲地が百三十一、特地が百五十、それから京阪神で百五十九、かような指数を相成りまして、現実に私共の方で調査しております現実生計費の開きと比べますれば、未だ余程幅の狭いものでありますが、併しこれ以上拡げることは適当ではないと考えまして、この程度に止めた次第であります。但しこういう分配方法は七、八、九の三月分を一時金の形式において支給いたします今回に限りまして取上げようとする考え方でありまして、十月以降の地域給につきましては、更に組合側と改めて相談の上配分をする、こういう約束もいたしております。本件のこの三月間の過渡的な問題であることを一つ御了承願いたいと思います。然るところ実はその後一部の組合におきましては、全体の團体交渉がさように相成りましたあとにおきまして、若干不平等から意見が出ておる模樣でございますが、行き掛りはさように相成つておるということをこの機会に申上げて置きたいと思います。それだけ申上げます。
#8
○委員長(黒田英雄君) 大藏大臣がおられる中に大藏大臣の御質問を願つた方がよいと思いますので、先ず本法案につきまして御質問のおありの方はこの際お願いしたいと思います。
#9
○木村禧八郎君 只今御説明によりますと、この六百円の支給額は直接千八百円ベースとは関係ないというお話ですが、大体今千六百円と千八百円の差額の三ケ月分の支給、これを臨時應急措置として出すというお話でありますが、その前に千六百円に引上げたときの措置につきまして、まだこれは私の記憶の誤まりかどうか分りませんが、國会に対する承認については承わつておらないのでありますが、凸凹調整についてはこの前一應國会の承認を得たのでありますが、その方の処置はどういうふうになつておるのですか、一應伺います。
#10
○國務大臣(栗栖赳夫君) ここで取扱いますのは凸凹調整のこの間の百円と、それからこれはむしろ委員会で御承認を得ていたしましたのですが、これの六百円と、こういうものを取敢えずいたしたいと思いまして、千二百円から千六百円になりました時の四百円の差につきましては、只今特別な法律などを用意するような手続もいたしておりますのです。いずれその時に改めてお願いすることになると思うのでございます。それまでお待ちを願いたいと思います。一般の問題につきましてお待ちを願いたいと、こう思つておる次第でございますが……。
#11
○中西功君 がお伺いしたい一つの点は、この千八百円水準に引上げて、千六百円との差二百円を支給するというのがはつきりした趣旨だと思うのですが、これはこの法案の方ではそういう点が全然書かれずに、ただ一時資金をこの際支給するというふうなことが書いてあるわけでございます。どういうわけでここに政府としては千八百円に引上げるということを決定したら、その差額二百円を三ケ月間に亘つてこれを支給したいというふうなはつきりしたことを書かれなかつたのか。
 それからもう一つの質問は、最後に大藏大臣がこの一時資金を支給したとしても、それは千八百円問題とは全然関聯がないのだということを言われたのですが、私はどうもその意味が理解できないのです。この二点についてちよつと伺いたい。
#12
○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えします。最初の点についてでございますが、これは今も木村委員からお尋ねのように、千六百円の始末の問題、千八百円の問題につきましては、今度の本予算に関係の問題その他がはつきりまだ御審議を得るまでに至つておらないのであります。そこで第一の問題といたしましては、実質的には今お話の通りでありますが、この法案によつて取敢えずお支拂いをするということを決めたような次第でございます。
 それから第二の点は、これはこの千八百円の水準を動かす、更にその上に持つて行くという趣旨でないという考えでございます。御了承願いたいと思つております。
#13
○中西功君 そういたしますと大藏省当局の考え方では、千八百円水準の問題がまだはつきりしていない、追加予算も全部が出ていない。だから一時資金という形でこういうふうに支給したのだというふうに理解してよろしうございますか。
#14
○政府委員(今井一男君) この法律案を書きました事務的な立場からちよつと申上げます。千八百円に一應政府職員の給與水準を引直しまして、それで追加予算を彈いておることは御指摘の通りでございますが、ただ千八百円水準が政府職員の現在における給與水準として適当であるかどうかという点につきましては、勿論國会の方におきましていろいろと御意見もおありだろということを御想像申上げる次第でありまするが、そういつた問題は実はこの二百円の金が組合側の方も非常に支給を急いでおり、政府の方としても成るべく早く支給したいという意味合でございますので、その御議論はできますならば、追加予算、本予算提出の際にお願いしたいという意味合におきまして、そこで千八百円水準を追加予算として確定したというようなことを法律案に書くことをわざわざ避けまして、一應両者の間において問題のない六百円を支給するという形で法律案に書きました。今御指摘の点はこの次の機会にお願いしたい。そういつた意味で文章を書きました次第であります。
#15
○中西功君 それは答弁の趣旨はよく分りました。併しそれならば一般会計補正予算のあの第一号において、政府当局ははつきりと千八百円ベースであるということを確言されましたし、而も又これは安本長官も亦大藏大臣もはつきりと千八百円ベースはこれは堅持する。それは又予算のいわゆる歳入という面から見てもそうだし、同時に新物價体系を堅持するという意味から言つても、これは堅持するのだということは、恐らく速記録を見れば数十回言われておると思うのであります。それで私達はあの時に、こういうふうに予算がぼつぼつ出されたのでは、全体との関聯が分らないのだから審議ができないというふうなことも申上げたと思いまするが、併しともかくもこの千八百円ベースであるということは非常にはつきり確言されておる。そうして一應あの予算が審議されて行つたわけでありますが、事ここに至つて千八百円問題といいますか、この問題については次の本予算でやつてくれということになつたわけでありますが、勿論私も千八百円ベースについては皆樣も御存じのように非常に不満を持つておるわけでありまして、それが動くというこにと対しては非常に賛成なんであります。それで、できますればここで大藏大臣として千八百円問題についてどういうふうな考え方を持つておられるか、もうちよつと聽ければ聽きたいと思います。
#16
○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えします。大藏大臣といたしましては、既にしばしば申上げましたように、千八百円の水準を堅持して行く、この予算その他の、殊に追加予算は千八百円の基準によつて提出されておりますし、それで堅持して行くというような考を持つておることは変らないのであります。併し今回の六百円の支給は早急に支拂いをいたしたい。こういう考を以ちまして、いろいろこの千八百円問題とは離れて、一時支給というような形で、成るべく速かに御審議を願つて、そうして支拂いを実行したい、こういう趣意でいたしたような次第でございます。この千八百円の水準というものを守つて行きたい、こういうことについては変らないことを附け加えて申上げて置きたいと思つております。
#17
○中西功君 若しこの法律を起草され、又ここに提出された責任者としての大藏大臣が、千八百円で行くということがはきつりしておるならば、私はむしろそういうふうに問題をごまかすんではなくて、はつきりここに書かれるべきが本当だし、併しそれにも拘わらずこの問題は一應除外するということについては、その大藏大臣の個人的な決心いかんに拘わらず、何か客観的な事情があるということがどうしても考えられるわけなんでございます。そういう客観的な事情について少し説明をお願いしたいと思います。
#18
○國務大臣(栗栖赳夫君) その事情は早急に支拂いをいたしたい。そうして千八百円の問題は、今度の追加予算のときに十分御審議をお願いしたい、こういうような趣意以外に何も事情はございませんのでございます。
#19
○木村禧八郎君 大藏大臣がおられる機会に、直接これとは関係はないんですが、今後の追加予算の問題についてお伺いして置きたいのであります。それはさつき中西君も言われましたし、この前私も大藏大臣に申上げたんですが、予算がこういうふうにぼつぼつ出て参りますと、予算はその全体を睨んで審議しませんと、これがインフレーシヨンに対する影響とか、その他経済界一般に対する影響、そういうものを檢討することが困難なのであります。從つてこの際追加予算……今後補正第四号の追加予算がいつ頃提出されるものであるか、現在その追加予算の編成において、どういう過程にあるか、そのことについて、お差支ない限りお漏らし頂きことができれば、ここで御説明願いたいと思います。そうしませんと、我々の法案審議の上にいろいろな不十分な点が出て参ります。その辺の経緯につきまして、ここで御伺いできれば伺いたいと思います。
#20
○國務大臣(栗栖赳夫君) 速記を止めて頂きたいと思います。
#21
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#22
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて。
#23
○中西功君 それではさつきの質問の結論なんですが、非常にくどいようですけれども、これは非常に大切な問題でありますから、この千八百円問題について補正第一号を、労働省予算を我々が審議いたしますときに、あれも非常に急いでおつたのであります。九月一日には是非やりたいというので、非常に急がされておりまして、そのときに政府ははつきり千八百円ベースであるということを明言されて、ああいうふうに組んでありましたし、又皆んなあれを中心に審議したのであります。この度この問題はとにかく編成の仕方が変つたということは、これは事実でありますが、これについて少くとも千八百円ベースの問題について政府側の決意に「変化があるということを客観的に認定していいかどうか、又私ははつきり認定し得るのだと思うのですが、その点とにかく主観的でなくても客観的に千八百円ベースの問題について、政府側における変化はあると私は見るわけなんですが、そう見ていいかどうか伺いたいと思います。
#24
○國務大臣(栗栖赳夫君) これは政府といたしましては千八百円の水準の維持に変化を生じたということは全然ございません。はつきりそう申上げて御了承願いたいと思う次第でございます。
#25
○中西功君 この中にどうして千八百円を書かれなかつたのか、それは前だつて同じように急いだ予算であつたと思うのであります。それだから特別の補正第一号として出したのだと思う。あの時に千八百円をはつきり書くことができて、この際書けないということはどうもおかしいと思うのでありますが……。
#26
○國務大臣(栗栖赳夫君) これはそういう趣意でなしに、一時支給という非常に急ぐという趣意で事務的にも考え、政府としてもこれを決定した次第でございます。
#27
○中西功君 これで一應打切ります。
#28
○松嶋喜作君 今日頂いたこの書類の中に、至急連合國軍最高司令部の承認を得た上國会の承認を求める手続を取ること、ということが書いてあります。これは委員会と連合國の承認と國会の承認ということについては、どんな関係からこういうことが書いてあるのかちよつと解せないのですが、どういう意味ですか。
#29
○政府委員(今井一男君) お手許にお配りしましたのは、実は急ぎましたので閣議決定そのものをお目に掛けた次第でございまして、これが実行の細則になるので、從つて閣議決定の際には先きに司令部の承認を得る関係から、そのままお目に掛けた次第で、一つ御了承願いたいと思います。
#30
○國務大臣(栗栖赳夫君) これは閣議決定の案でございます。どうも誠に不手際でございますが、そういう趣意で参考的にお配りしたということを御了承願いたいと思います。
#31
○委員長(黒田英雄君) それでは大藏大臣はちよつと他に御用があるそうですから、又必要があれば大藏大臣は他日にお願いすることにいたしまして、尚これについて政府委員に御質問もあると思いますが、一應この失業保險特別会計法案についてもう少し詳しい説明を聽いたらどうかと思います。それでは失業保險特別会計法案について先程提案理由の説明がありましたが、尚補足的にこの失業保險特別会計法の実体の働きをする失業保險について御説明があれが何か御願いしたいと思います。
#32
○政府委員(上山顯君) 失業保險特別会計法の御審議を願いますに当りまして、御参考のため目下参議院において予備審査を願つております失業保險法、失業手当法の大体の趣旨並びに構想について御説明申上げたいと思います。
 失業保險法の立案に対しましては、昨年八月十五日衆議院の生活保護法案委員会の附帶決議におきまして、失業保險の創設に前進すべしと希望決議をされておるのでございます。政府におきましても昨秋以來社会保險制度調査会において審議しました答申に基ずきまして、その調査立案の準備を進めて参つたのでございます。然るところ去る六月現下の経済危機突破の綜合的な対策としまして樹立しました経済緊急対策の中で、失業手当乃至失業保險の制度を実施いたしたいということを申しておるのでございまして、爾來立案を急ぎました結果、成案を得まして本國会に失業保險法案、失業手当法案の両法案を提出いたしておるような次第であります。
 失業保險法制定の目的といたしましては、この法案の第一條に明記いたしておりますごとく、失業保險の被保險者であります労働者が失業いたしました場合に失業保險金を支給いたしまして、その生活の安定を図ることにあるのでございます。申すまでもなく失業対策の理想といたしまして、完全雇用乃至完全就業を実現することが望ましいのでございまして、これがためには産業を振興して、これに労働力を吸收し、國民生活の安定向上を図ることが必要でございまして、憲法第二十五條におきましても、國民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように、國が社会福祉、社会保障の向上及び増進に努めなければならないことを規定いたしておるのでございます。政府はこれらの目的達成のために一般経済再建のための施策と相俟ちまして、職業紹介機関の効率的な運営を始めとして、公共事業、職業補導の拡充等、失業対策には鋭意努力しておりますが、止むを得ず出る失業者に対しまする恒久的な制度といたしまして、すでに欧米におきましては長い歴史を有しております失業保險制度を創設することといたしたのであります。而してこの失業保險制度は社会保障の一環としてその重要な役割を持つものでございますが、生活保護法のような單なる社会救済制度と根本的にその性格を異にするものでございまして、職業紹介機関の運営と密接不可分の関係を保持させることによつて、失業者に就業の機会を與えようとする積極的な意味を持つておるのであります。
 次に、本法案の各條章の概要を御説明申上げたいと思います。先ず本保險におきましては、第二條に規定しておるのでございますが、保險料を徴收し、保險給付をいたします等、保險事業経営の主体であります保險者には政府がこれに当ることといたしておるのでございます。それで実は御承知かと存じますが、健康保險等におきましては、かように政府が主体となつておりますいわゆる政府管掌の保險の外に、健康保險組合という組合組織のものもございますが、失業保險といたしましては、危險分散範囲をなるたけ廣くする必要がございますことと、もう一つは、只今も申しましたように職業紹介組織と密接な関係を持つておりますが、その職業紹介機関としましては、現在國営を以ちまして公共職業安定所を設けております等の関係を考慮いたしまして、全部政府管掌ということにいたしてございます。
 次に、本保險の適用範囲でございますが、これは第六條に当然被保險者の規定がございまして、健康保險の強制適用を受けておる事業所に雇用されております者を当然被保險者といたしておるのでございます。即ち被保險者の範囲といたしましては、一應健康保險の被保險者と同じ範囲に相成つておるわけであります。尚当然適用の事業所以外の事業所に雇用されております者につきましても、健康保險と大体同じような規定があるのでありまして、任意包括加入をなし得る途を開いたのであります。即ちこれらの事業所に雇用されております者が、一人だけ取り出しては適用を受けることができませんが、工場におります者が全部纒まりまして、この保險の被保險者になりたいという場合には、失業保險の被保險者になることができるという、かような規定を設けておるのでございます。
 尚海上労働者でございますが、船員保險の被保險者に関しましては、船員が陸上労働者と異なる特殊な労働事情を有しておりまする点に鑑みまして、本保險の被保險者からは除外いたしまして、船員保險中でこれを実施いたしたいと考えておるような次第でございます。尚國、都道府縣、市町村等に雇用されております者については、第六條におきまして一應この法律の適用を受ける建前になつておりまして、但し第七條におきまして特別規定を設けておるのでございます。即ちこれらの者につきましては離職しました場合に、支給いたしました諸給與の内容が実質上本法の給付の内容を超えると認められます場合には、これを失業保險の被保險者としないことにいたしておるのでございます。
 それから本法案の眼目でありますところの失業保險金の支給に関してでございますが、これは第三章の保險給付として規定いたしておるのでございますが、先ず第十五條におきましては、被保險者が失業しました場合に、失業保險金を受け得られますところの資格期間といたしまして、離職の日以前一年間に通算して六ケ月以上被保險者であることを要件といたしておるのでございます。即ち必ずしも継続して六ケ月間の勤務は必要といたしませんが、断続してでも結構でございまして、通算しまして少くとも六ケ月以上被保險者であつたことを必要としておるのでございます。それから第十六條におきまして、以上のような資格期間を持ちました者が失業保險金の支給を受ますには、離職後政令の定めるところによつて公共職業安定所に出頭し、求職の申込をした上失業の認定を受けなければならないということにいたしておるのでございます。失業保險に対しましての欧米等の從來の失業保險の施行の成績に鑑みまして、失業保險法については惰民を養成するとか、いろいろな批評もあるのでございますが、この失業保險法におきましては單に失業したことのみを以ちまして当然に失業保險金が貰えるという建前ではございませずに、先ず失業いたした場合には安定所に出頭いたしまして求職の申込をして、極力仕事を探して貰う。そうしてどうしても仕事がない場合に初めて保險金の給付を受ける、かようなことにいたしておるのでございまして、私たちとしましてはむしろこの失業保險法の実施によりまして就労の機会を多くするという働きをさして参りたいと考えておるような次第でございます。又支給日数は受給期間の一年間において通算して百八十日となつております。
 それから十七條に給付額の規定があるのでございまして、これは一日につきまして、標準報酬日額の百分の六十に相当する金額が大体の基準と相成つております。併しながら報酬が相当高いものにつきましては、標準報酬日額の百分の四十まで下げることもできる。又報酬が非常に少いものにつきましては、百分の八十まで高めることができる。かようにいたしておるのでありまして、而してその具体的な決め方といたしましては、これは賃金等が始終動いておる等の関係もございますので、政令で決めたいというつもりで考えておるのであります。
 次に、本保險の運用に関する費用でございますが、これにつきましては第二十八條以下に規定があるのでございまして、國庫は、保險給付に要する費用の三分の一を負担いたしますと共に、失業保險事業の事務の執行に要する経費を負担するということに相成つておりまして、事務費の全額を國が負担することに相成つておるのであります。而して給付に要する費用のあとの三分の二につきましては、事業主及び被保險者がそれぞれ三分の一ずつを保險料として負担するということになつておるのでありまして、即ち國庫、事業主、被保險者が給付の費用の三分の一ずつを負担するという建前に相成つておるわけでございます。而して事業主、被保險者の負担する保險料の料率でございますが、これにつきましては第三十一條に規定してございまして、おのおの標準報酬の千分の十一ずつを負担するということになつておるのでございます。それでこの千分の十一という保險料率の出ました根拠につきましては、失業者の失業率の予想、それから更にその失業者の中で資格期間でございますとか、給付日数の制限でございますとか、いろいろの支給の制限がございますが、そういう点を考えまして、現実に失業者の更にどの程度が保險金を受けることになるだろうというようなことを考えまして、前に社会保險制度調査会等において研究しておりました数字等をも勘酌いたしまして、千分の十一という数字を出したのでございます。而して保險料率の変更につきましては、第三十一條に詳しい規定がございますが、一口に申上げますと、保險料率は三十一條の第一項によりまして、千分の十一と、法律上決められておるわけでございます。從いましてこれの変更につきましては、原則としては議会にお諮りいたしまして、法律改正の手続による、但し緊急の場合には取敢えず労働大臣が失業保險委員会の意見を聽きまして、保險料率を変更して置きまして、後程議会におかけして、法律改正の手続を取るという趣旨に相成つておるのでございます。
 それから本保險事業の運営につきましては、これは第三十九條に規定があるのでございますが、事業主、労働者、公益を代表する者より成る失業保險委員会を設けまして、重要事項の審議に当らせまして、本保險を民主的に運営いたすことに相成つておるのであります。
 更に第四十條以下に保險給付に関しまする異議の申立がありました場合においては、失業保險審査官及び失業保險審査会を設置いたしまして、簡易に裁決を行うことに相成つておりまして、詳しい規定を設けたわけでございます。
 以上が大体失業保險法案の概要でございます。
 次に、失業手当法でございまするが、只今説明いたしました通り、恒久的な制度といたしましては、失業保險法を提出したのでございますが、失業保險は先刻も御説明いたしましたように、保險給付が開始されますには、最短六ケ月の資格期間が必要なわけでございます。從いまして仮に失業保險法が十月一日から適用に相成りましても、來年の四月にならなければ失業保險金の給付は始まらないということに相成るわけでございます。併しながらその間におきましても失業者の発生することは予想されるわけでございまして、而もその六ケ月間の期間といたしましては、失業対策上何らの手を打たずに放置はできないということを考えまして、ここに失業保險法案の足りません所を補う意味を以ちまして、失業手当法案ができたようなわけでございます。即ちこの失業手当法の方におきましては、対象者は失業保險の被保險者をそのまま対象といたしておるのでございますが、それが失業保險金の受給資格がまだできない間の過渡的の期間に失業手当を支給するということに相成つておるのでございます。即ちこの失業手当法の第二條にその資格者が書いてあるのでございまして、第二條の第一項の第一號に、離職の日まで継続して六箇月以上、失業保險法に規定する事業所に雇用されたこと、即ちこの場合、ただ一ケ月とか、二ケ月雇用された人は失業手当は貰えないのでございまして、失業保險法の方で六ケ月の資格期間が設けられておりますのと相照應いたしまして、失業手当法の方でも、離職の日まで継続して六ケ月以上、事業所に雇用されたことが必要なのでございます。但し失業保險の被保險者としましては、まだ一ケ月にしかなつていないとか、二ケ月にしかなつていない、そういう人達は失業手当金が貰えるのであります。それから第二号に、この法律施行の日から、昭和二十三年三月三十日までの間において離職したこと、ということになつております。而して失業手当金は三月三十一日までの間は失業手当金という名前で貰いますが、四月一日以降におきましては、同じ内容のものを失業保險金という名前で支給しようということになつております。而してこの失業手当金の内容につきましては、大体は失業保險の内容と似ておるのでございまするが、但し失業保險金の方は六ケ月間の資格期間を備えた人達に支給するものでありますに対して、失業手当の方は六ケ月の資格期間がない人につきまして、國が特別に手当金を支給するということにいたしておりますので、いろいろの條件につきまして、失業保險金よりも失業手当金の方が若干嚴格に相成つておるのでございます。細かい一一の規定は省略いたしたいと存じます。
 それから費用負担の点については、失業保險金の方は先刻申上げたように給付に要する費用については三分の一のみの國庫負担でありますが、失業手当金については三月三十一日までは全額國は負担するということになつておりまして、四月一日以降においては失業保險金という名前に変えて、負担割合についても國は三分の一を負担するということに相成つておるのであります。
 以上が保險法、手当法の概要でありますが、尚若干数字に亘ることを申上げます。お手許にも資料を差上げてあるかと存じますが、失業保險の被保險者の予想数であります。これは先刻申上げたように法律の上では一應官公吏にも全部適用されますが、一定の條件の下に適用を除外し得るよう特別な規定が設けられるようになつておるわけであります。先ず民間の事業に雇用されておる者で、被保險者になる予想数が約四百七十万、それから官公吏、現業も含めてが約二百万でございます。その中には教職員は含んでおりません。それで合計で約六百七十万となつております。
 次は予算ですが、平年度の予算の概数を申上げますと、仮に四百七十万を被保險者の数といたしまして失業者をどの程度に見るかということは、これは非常にむずかしい問題でありますが、一應四百七十万の被保險者であつた者の中、現に失業しておる人がいつも四十七万、一〇%という想定で考えております。解雇される者、任意退職する者、即ち離職する者はこの数よりも多いだろうと思いますが、一方又新規に外の工場等に採用される者もあるので、いつも失業しておる者が被保險者数の一〇%即ち四十七万あると見ております。その中で資格期間であるとか、支給日数とか、いろいろの関係で受給できない者がありますので、受給者はいつも四十七万の五〇%、即ち二十三万五千あるという想定で計算いたしております。そうして標準報酬の月額は平均どのくらいになるか、これ又賃金の事情によつて変るわけでありますが、只今千八百円ということが言われておるので、一應千八百円として計算いたしております。そうして給付の平均額は下の方は六〇%、上の方の俸給の高い方は四〇%まで下げる。下の方の俸給の低い方は八〇%まで上げるわけでありますが、平均は六〇%よりも上廻るかと考えまして、一應千八百円の六六%の平均給付額といたしております。そうすると大体千二百円になるわけであります。そうすると年間の給付支給総額は約三十三億円になるわけでありまして、これを國、事業主、被保險者おのおのが約十一億ずつ負担するということになるわけであります。尚國としてはこの給付費の三分の一としての約十一億の外に、事務費として二億乃至三億の金が必要でありますので、合計は十三億乃至十四億の経費ということになる予定であります。
#33
○森下政一君 最後におつしやつたいろいろな計数は資料を頂いておりませんので、肝腎なところですから、印刷して廻して頂きたいと思います。
#34
○政府委員(上山顯君) 至急差上げることにいたします。
#35
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時八分散会
  出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   委 員
           木村禧八郎君
           椎井 康雄君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           山田 佐一君
           深川タマヱ君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           中西  功君
           下條 恭兵君
   國務大臣
      大藏大臣 栗栖 赳夫君
   政府委員
     大藏事務官
    (給與局長) 今井 一男君
     労働事務官
    (職業安定局
     長)    上山  顯君
     大藏事務官
    (主計局長) 河野 一之君
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 十月四日本委員会に左の事件を付託された。
一、自給製塩制度存続に関する請願(第二百九十一号)
一、戰死者遺族を非戰災者特別税課税外とすることに関する陳情(第三百八十一号)
一、庶民銀行設立促進に関する陳情(第三百九十一号)
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 (請第二百九十一号) 昭和二十二年九月二十七日受理
自給製塩制度存続に関する請願
  請願者  水戸市北三ノ丸茨城縣廳内 大内竹之助外二千四百九十五名
  紹介議員 柴田 政次君
茨城縣の電氣製塩の生産が漸く軌道に乘り生産数量も專業製塩の生産量をりようがするようになり國民生活の安定に貢献している今日政府は突如自給製塩制度の廃止を内定したことは、製塩事業の從事者のおおくが沿岸漁村民並びに引揚者復員軍人である点よりしても重大な問題であり、かつ又我國現在の塩需給計画より見ても檢討の余地があると思うから、右計画再檢討の上自給製塩制度存続につき適当の措置を講ぜられたいとの請願。
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 (陳第三百八十一号) 昭和二十二年九月十七日受理
戰死者遺族を非戰災者特別税課税外とすることに関する陳情
  京都市中京区竹屋町通千本西入束町 中川源一郎
戰ぼつ軍人遺家族の現状は、その生活の中心となるべき者を失いこの経済情勢下において全く苦とうを続けている状態である。近く國会に非戰災者特別税実施に関する法律案が上程される由であるが、これら遺家族は、最も深刻な打撃を受けた戰災者なることを考慮されて非戰災者特別税課税外対象者として特別の措置を講ぜられたいとの陳情。
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 (陳第三百九十一号) 昭和二十二年九月十九日受理
庶民銀行設立促進に関する陳情
  山口縣廳内 山口縣厚生会長 岡崎 茂樹
庶民金庫を通じての生業資金の放出は再起の熱意に燃えながら、資金入手の機会に惠まれぬ海外引揚者等にとつて何ものにもまさる救援の力であつて、当局の努力に対し感謝しているが、その財源ねん出が常に円滑を欠くこと、有限一時的であること、一人当り額が過少であること等の難点があつて、生活再建の企図を裏付けるのには不十分であるので、貸出の適正、生業の計画樹立、実施、維持発展、貸付金の返済回收に万全を期するような庶民銀行を陳情書記載の樣な構想により実現せられたいとの陳情。
ソース: 国立国会図書館
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