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1947/11/25 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第22号
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1947/11/25 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第22号

#1
第001回国会 決算委員会 第22号
昭和二十二年十一月二十五日(火曜日)
    午後一時四十五分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 竹谷源太郎君 理事 島村 一郎君
      片島  港君    河合 義一君
      高津 正道君    辻井民之助君
      戸叶 里子君    馬越  晃君
      大上  司君    中曽根康弘君
      冨田  照君    平井 義一君
      宮幡  靖君    受田 新吉君
 出席國務大臣
       内 務 大 臣 木村小左衞門君
 出席政府委員
        外務事務官   下田 武三君
        内務事務官   林  敬三君
        内務事務官   荻田  保君
        農林事務官   清井  正君
 委員外の出席者
        會計檢査院事務
        總長      東谷傳次郎君
        專門調査員   大久保忠文君
    ―――――――――――――
十一月二十一日
 内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止
 する法律案(内閣提出)(第一〇二號)
 地方財政委員會法案(内閣提出)(第一〇三
 號)
十一月二十四日
 内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法
 律案(内閣提出)(第一一三號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十年度歳入歳出總決算、昭和二十年度特
 別會計歳入歳出決算
 内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止
 する法律案(内閣提出)(第一〇二號)
 地方財政委員會法案(内閣提出)(第一〇三
 號)
 内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法
 律案(内閣提出)(第一一三號)
    ―――――――――――――
#2
○竹山委員長 これより會議を開きます。
 本日の日程のうち、まず内務省改體に關する本委員會付託の法案の審議をこれより始めたいと思います。日程には内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止する法律案及び地方財政委員會法案、この二件を上せてありますが、昨日本委員會に追加として付託になりました内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法律案を、併せ審議をいたしたいと思います。御異議がなければさようにいたします。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○竹山委員長 ではこれよりこの三法律案に對する政府の説明を求めます。木村内務大臣。
#4
○木村國務大臣 ただいま議題となつております内務省及び内務省の機構に關する勅令諭を廢止する法律案、地方財政委員會法案、内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法律案について、その提案の理由、竝びに内務省解體に關係いたしまする諸法案について申し述べたいと思います。新慶法竝びに新地方自治法の精神に則りまして、内務省を解體することを適當と認めまして、先般本國會に對し、地方自治委員會、公安廳及び建設院設置法案ほか二件を提案いたしました。ところがその後新たなる諸般の情勢に鑑みまして、さらにこれが諸法案に檢討を加える必要を認めましたので、右三案を撤囘したことは御承知のことと存じます。これに代りまして内務省解體に關する法律案で、すでに國會に提出し、御審議を願つておりまするものは、本日提案になつております二法律案のほか、警察の基本組織及びその運營に關する警察法案、政府における法務統轄のため最高法務廳設置法案であります。また近々國會に提出いたすべく準備いたしておりまするものは、消防の組織に關する消防組織法案、及び國土建設に關する建設院設置法案であります。またこのほかに國會において選擧の事務に關して、全國選擧選理委員會法案が立案せられておることは、御承知のことと存ずるのであります。
 以上の諸法律案により、内務省は本年限りをもつて廢止するはずであります。かくて現在の内務省の所管事務のうち、警察及び消防に關する事項は、警察法案及び目下國會に提出準備中の消防組織法案に示されてありまする通り、國家公安委員會及びその他に移管いたします。
 地方財政に關しまする事務につきましては、國家公益と地方公共團體の自主性を調和せしめまして、地方財政の自主化をはかりますために、内閣總理大臣の管理のもとに、臨時に地方財政委員會をおき、地方財政に關する主要な問題につき計畫を立案せしめることにいたしております。この地方財政委員會は國務大臣を委員長とし、國會議員、府縣知事、市長、町村長の代表者より成る委員をもつて構成せしめ、また委員會に事務局を設置いたしまして、委員會に關する必要な事務を補佐せしめることにいたしたいと思います。この委員會におきまして地方財政に關する計畫を立案し、本法案公布後九十日以内に國會に提出するはずであります。なお内務省廢止後この計畫が實現されるまでは、地方財政に關し從來内務大臣の權限に属しました地方税法、地方分與税法等による權限は、地方財政委員會の補佐により内閣總理大臣がこれを行うことといたしております。 現在地方局において所管いたしております選擧に關する事務は、國會において立案中であります。全國選擧管理委員會法案により、全國選擧管理委員會の所管に属するはずであります。
 現在の國土局の所管事項は、戰災復興院の事務と併せまして、内閣總理大臣のもとに建設院を設けて處理することにいたしたいと思います。建設院の機構等は先般提出して御審議を願いまして、途中で撤囘しましたものと大體同樣でありますが、今囘は内部の局の名稱及びその所掌事務所も法律に明記したのであります。なお現在調査局で所管していますいわゆる特殊物件に關する事務は、當分の間建設院で所掌することにいたしたいと思います。
 さらに現在調査局において所管しております事務のうち、外國人の登録、政黨、協會その他團體の結成の禁止に關する事項及び連合國最高司令官の要求の基ま諸調査等に關する事務は、現在内務大臣官房において所掌しております國籍に關する事務とともに、最高法務廳設置法案により、それぞれ最高法務廳の各部局において所管せられるはずであります。
 なおこのほか同じく調査局の所管事務でありますいわゆる掠奪品に關する事務は、當分の間外務大臣の管理のもとに終戰連絡事務局において所掌せらるべく、内務省官制等廢止に關する法令の整理に關する法律案に規定いたしております。
 さらに從來の内務省所管の事務の中で、右以外の事務の必要なものはそれぞれ他の機關に移管することになつておりますが、まだその措置が確定せぬからあるいは以上申し上げましたものの中でも、明年一月一日より實現出來ぬものがあり、また警察法の全面的施行が一月一日に間に合はぬことも考えられます。内閣總理大臣の管理のもとに内事局を明年一月一日より設置し、從前内務省において所管した事務で、その廢止の日にまだ他の官廳に移管されずして殘存するものを所掌することにいたしたいと思うのであります。
 以上が今囘内務省解體に關し國會に提案いたし、また提案いたすべく準備中の關係諸法律案の概要でりあります。何とぞ提案いたしましたものより御審議の上、速やかに御可決あらんことを希望いたします。
#5
○竹山委員長 續いて政府委員より補足的な説明を求めます。
#6
○林(敬)政府委員 ただいま内務大臣より提出理由の説明を申し上げたのでありますが、なお補足いたしまして説明をさせていただきたいと思います。
 内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止する法律案によりまして、内務省は十二月三十一日限りこれを廢止することにいたしておりますとともに、十二月の末までは大體すべて今まで所掌しております事務は、内務省でこれをこのまま行う。それからこれが一月になりますと、一月一日に新たに發足する機關のできますものにつきましては、これにその機能を移しまして、そちらで發足いたすことにいたしまして、なお殘存するものについては、九十日の期間を限りまして、内閣に内事局を設置して、そこで所掌をする。そうしてその内事局で所掌をしております間に、逐次法務廳でありますとか、あるいは國家公安委員會でありますとか、そういう新機關が設立されるわけでもありまし、その設立に伴いまして、たとえば二月一日にできます場合は、その機關に二月一日から移つていくといふうに、逐次機能を他の新設機關に移してまいりまして、そうして設置の日から九十日までの間に、あるいはそれより速やかなる機會において内事局を廢止して、完全に内務省の機能を新機關に移して廢足させる。かような方法でもつてこの廢止を行おうとするものであります。
 それでごく大體の見込みを申し上げますと、内務省には國土局と地方局と調査局と警保局と四つの局がありまして、その機能を行つておるわけでございますが、國土局は戰災復興院と合してできることを豫定されております建設院、これについては近く國會へ法律を提出いたしまして、御審議を願うことになると存じますが、大體これの御審議を願つて通過いたしました上で、一月一日ごろからこれを廢足するように間に合わせてまいりたい、かように考えております。
 それから地方局でございますが、地方局の中の地方財政に關する仕事は、ただいま提案いたしました地方財政委員會、これに移すことになるのでありまして、これは内務省の廢止とともに、この機關に移るというふうに法文がなつておりますので、これは明年の一月一日からそちらに移して廢足するという豫定に考えております。
 それから地方局の選擧する事務は、御承知のごとく衆議院の政黨法關係の委員會におきまして、全國選擧管理委員會法案というものを立案中でございまして、これが成立をいたしてまいりました場合、遲くも十二月の末日までには選擧に關する内務省の機能をその機關に移すという豫定に考えております。
 それから調査局でございますが、調査局の中の特殊物件は、建設院の設立と同時に移す豫定に考えておりますし、掠奪物件關係は、終戰連絡事務局の方に移す豫定に考えております。なおその他の一般の調査局としての仕事は、最高法務廳というものができます豫定になつておりますので、その方へ移る豫定でありまして、今のことろ私どもでも明確な豫想は立ちがたいのでございます。大體二月一日ごろになるのではないかと豫測されております。
 それから警保局の仕事につきましては、一般の警察の仕事はこれまた御承知のごとく警察法によりまして設立されることを豫定されている、國家公安委員會に移るのでありまして、法律成立の上は極力それが施行をいそぐと考えられるのであります。できるだけ早くと考えておりますが、一月、二月、三月、まあ二月あたりが一番當るのではないかと考えておる次第でございます。
 それから經濟警察については、別途何らかの機關をつくつて、それでやらせることになることの方向で、今考案中でございます。
 それから消防につきまして消防法によりまして、これまた國家公案委員會のもとに、消防に關する特別の機關を設けて、これに移す豫定にしております。その時期はやはり警察に關しての國家公安委員會の活動で開始されると同時ということを、大體豫定しておるような状態でございます。
 大體そういうような目途のもとに、急ぐものでありますから、關係方面との折衝の終了いたしましたものからお諮りをして、御審議を願う次第でございます。この内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止する法律案、及び内務省官制廢止に伴う法令の整理に關する法律案につきましては、以上の精神をもちまして、いわゆる事務的な整理を加えて、法案として提出した次第でございます。
 それから地方財政委員會でございますが、これにつきまして逐條的に、ごく簡單な御説明を加えさしていただきたいと存じます。
 第一條は内務省の廢止に伴つてできるものであること、その主たる目的は地方財政の自主化をはかること、それからこれな内閣總理大臣の所管のもとにある臨時機關であるという、この三つのことを第一條にうたつて、すべての性格を現わしておるものであります。
 それから第二條におきましては、この主たる機能を書いたわけでございまして、これの目的はここの一から五に掲げてありますように、地方財政全般に關しまして、その地方財政の自主化をはかるために、これらの全般の五つの事項を包括するところの計量を立案する、こういう計量策定機關であるという性格を明らかにしたわけであります。但しこれは國家の公益と調和するようにいかなければならないという念のための注意がはいつておりまして、國家公益と地方公共團體の自主權が調和するように、そのわく内において極力地方財政の自主化をはかる。こういうプランを策定する機關であるということをうたつております。
 それから第三條は、その仕事をやるために證人を喚問したり、記録の提出を命ずることができるということをうたつておるものであります。
 それから第四條は、委員の構成でありますが、一から五に掲げてありますように、國務大臣、但しこれは他の行政事務を分擔管理しない國務大臣、それから國會議員の中から衆議院議長及び参議院議長の指命したものが一人、都道府縣知事の代表者として一人、市長の代表者として一人、町村長の代表者として一人、こういう五人の人につきまして、總理大臣が任命するということを書いてあるわけでございます。
 次の第五條におきましては、委員長は國務大臣たる委員がなり、故障のあるときの規定を附加して設けてございます。
 それから第六條におきましては、會議の執行の方法を書いたのでありまして、三人以上の同意でもつてこれを行つていくということを書いてございます。
 それから第七條においては手當を書いたものでありまして、一般官吏の俸給よりも高く、大臣の俸給よりも低い程度の手當を出すということを書きました、但し第二項におきましては、國會議員で委員になる者は、いわゆる差額支給の原則が適用されるのでありまして、國會の手當の方が低ければ、その差額を給與する、高ければ給與を受けない、こういう規定が準用になることを書いたものであります。
 第八條は、事務局でありまして、事務局には必要な職員をおくが、一級官、二級官の定員は十二名を超えないということを書いたものであります。
 それから附則でありますが、附則の第一項では、公布の日の後三十二を經過した日から施行することになつておりますので、御審議を得てこの法律が成立いたしましたならば、内務省は十二月三十一日でなくなりますので、でき得る限り一月一日より三十日前にこれを公布して、一月一日からこの機關に移る。かような方法を講じてまいりたいと期待をいたしておるのであります。
 それから附則の第二項でありますが、これは第二條による計量をつくりましても、できるだけ早く地方財政の自主化をはかる必要があるという見地から、この公布の日から九十日以内、すなわち十二初めに公布になるならば、二月の末か、三月の初めごろに、それの計量に基く法律案を國會に提出しなければならないという期限をつけたものであります。
 第三項は、なおそういう法律を提出いたしましても、それからあと、その成立にもいろいろ紆餘曲折もあると存じます。また成立いたしましても、いろいろ補修、追加、訂正、手直しも必要と考えます。またそれが具體的に實施にはいる前の準備行為も必要と考えます、實施にはいりましてから調査を行つて、完全に立派な地方財政の自主化が行われるか、どうかを見届ける必要もあります。それでこの委員會は一箇年間存在して、その間の實施について必要な諸般の調査を行うということが規定されておるのであります。それでその調査の事務について、證人を喚問したり、記録の提出を命じたり、または第四項によりまして、關係機關に對して勸告することができることになつております。
 それから第五項におきましては、委員が全員任命されるまでの間、もし手間どることがありました場合には、すでに任命された委員だけで會議を招集することができる旨を書いてあるのであります。
 それから附則の末項でありますが、本來この委員會は計畫立案機關であります。しかしたまたま内務省は十二月三十一日で終了いたしますので、それからあと地方税法、地方分與税法その他の法令で、地方財政に關して内務大臣がもつておつた權限を、だれが處理するかという問題が起るわけであります。そこでそれを臨時に地方財政委員會の輔佐によつて内閣總理大臣がこれを行うということを、ここに規定してあるのであります。それでこの意味は地方財政の自主化をはかつて、極力中央政府が地方財政に關してもつ權限は、事情の許す限りできるだけこれをなくしていく。そうしてどうしても殘るものについては、どの省に所屬さしたらいいか、あるいは内閣に一つの機關を設けて所屬さしたらいいか。それは自主化法律案のできぐあいによつて原案を作成して、どこへやらしたらいいかということを法律の中に書いてきめるという趣旨から、暫定的にその産婆役を委員會に預けて、實務を併せ行わしめる。かような意圖からこの末項を付してある次第でございます。
 以上簡單でございますが、補足説明を終ります。
#7
○竹山委員長 ただいままでの説明に基き審議の豫定をお諮りいたしておきたいと思います。今お聽きのように、實施期をある程度制約されておる關係もありますから、できるならば本日及び明日の午前中までに質疑を終つて、各黨とも黨の御決定を願う意味において一日あけて、二十八日の午前に委員會で討論採決を願つて、午後の本會議はまで豫定はつきますまいが、できれば午後の本會議あるいはその翌日なり上程をして、参議院にまわすという豫定にいたしたらいかがかと考えております。なおこれは地方制度の委員會及び財政金融の委員會と關連がありまして、連合審査會を開くことが必要と考えられますが、この點は今申す通り時日の點もありますので、あらかじめ委員長の一個の見解として兩委員長と相談をいたしまして、連合審査會は形式的には省略をいたしまして、兩委員會から必要な委員の出席を願つて、質疑、意見の開陳を願うということにいたしたらどうかということで、兩委員長とも了解をいたしているようなわけであります。この點を併せて御了承をいただいて、御異議がなければさような豫定で進行をいたしたいと思いますがいかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○竹山委員長 それではさように決定をいたします。
 ではこれから今の三案につきまして質疑を繼續いたします。まず私から一應前に出まして徹囘された案との關連について二、三伺つてみたいと思います。内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法律案は前の案とは内容において別に變つた點がありますか。
#9
○荻田政府委員 この法律案の第一條に多少變つた點がございます。第二條は、これはもとは建設院の官制にはいつていたものをこちらに移したものでございます。第三條、第四條は新しい規定でございまして、現在調査局で取扱つている三條、四條に書いてあるこういう行政の行き場戸を書いたものでございます。第一條で變つているというのは、前にございました都會地轉入抑制に關する緊急勅令、ポツダム勅令が書いてあつたのでありますが、これは今囘法律として提案されておりますので、その方で直してありまして、今度は省略いたしております。それから形像取締規則、これも道路交通取締法の附則によりまして直しておりますので、これを省きました。あとは同じでございます。
#10
○竹山委員長 次は内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止する法律案で、前と變つた點について伺います。
#11
○荻田政府委員 實施の期限が十二月三十一日となりますが、もとは十月末日でございました。それからなお附則におきまして内事局というものお當分置いて殘務にあたらせるという、この點が變つているだけでございます。
#12
○竹山委員長 地方財政委員會の點はまつたく前と構想が變つてきたのでありますが、前と構想を名稱から變えなければならなかつた理由をまず伺いたいと思います。
#13
○林(敬)政府委員 これは速記をやめていただきます。
#14
○竹山委員長 速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#15
○竹山委員長 速記を始めてください。
 地方財政委員會案というものが新しく出てきたのは、前の案から見て、なほ一層專門的に分割をした案になつたように思いますが、地方自治のために、こういう行き方をとられた政府の見解を伺つておきたいと思います。
#16
○林(敬)政府委員 この地方財政委員會ができましたのは、御承知のように現在地方自治の中で、地方自治法によりまして、地方の行政の運營の基本あるいは地方の自治體の構成の基本、そういうような行政面の問題については、一應自主化が完了いたしたと見ても、大體において差支えない状態であると存じます。そこでまた人事についても、すでに知事公選、その他縣廳員の公吏化の問題が實現して、これはまた地方分權ができ上つていると見てよろしいと思います。そこで最後に殘つているのが地方財政の問題でありまして、これは國家財政と結びついたたいへんむづかしい問題でありますがゆえに、一番あとに殘されてまいつたのであります。そこで現在地方分權化の最大の問題、地方自治の最大の問題であり、焦眉の急であり、最も力を入れるベき問題は、この地方財政の問題であると存ずるのであります。そこでその一番大切な財政のことだけについて、特にこれに専念する委員會を設けて、そのもとに專門の事務局を設けて、これが檢討を加え、またその委員會には單にいわゆる政府側の官僚だけの作案によつては實情にはずれますので、地方自治體の代表者も入れた民主的機關をもつてこれをつくつていく。そうしてしかもこれを九十日以内に努力を盡しまして、國會に自主的な法律案を提出する。こういう特に重要である財政を取出して、かつこれを民主的に處理させていく。しかもこれを急ぎますために期限をつけて出して重點的に、最後に殘つたところの中央突破というか、言葉は妥當でありませんが、そういうことをはかるためにこれだけを抜き出して、これに一番主力を注いで、財政委員會という法律案を提出した次第であります。
#17
○竹山委員長 重點的にやられるとして、この法律は委員會が臨時的につくられるというか、期限を切つてつくらなければならぬ理由、その後の處置について、今日政府の考えておる見解を伺つておきたいと思います。
#18
○林(敬)政府委員 前に申し上げましたように、地方自治の上においては、地方財政の面が、今後分權化を特に必要とする一番殘された問題をもつておるのでありますが、これとてもわが國の地方分權化、あるいは民主化ということを速やかに完成いたしますためには、いか複雑な問題であり、また愼重を要する問題でありましても、あまりにこの時期を遷延いたしますことは、日本の民主化のために好ましくないことである。かように考える次第でございまして、最善の努力を盡して、これはとにもかくにも九十日以内に國會に報告を出すという、いわゆる背水の陣を布いたということを明確にした法律案を提出する次第なのでございます。しかしこれによりまして法律が提出されますと、それが國會でそのまま通ることもありましようし、いろいろとまた御審議もあり、御意見も出ることもあると存じます。それがかりに通りましても、それを準備しておる間に、また急いでつくります場合、いろいろの缺陷も出てくると思います。そうでないといたしましても、財政状態も刻々に變つてくる問題でありまして、いろいろ直していかなければならない問題も出てまいると存じます。それで一箇年の間そのやり方を見まして、第一囘に出してからなおそれで補足修正を加うべき必要のあるときは、第二次、第三次と改正法律案を出してこれを完璧ならしめ、またこれが運營上にいろいろと缺點も出てまいります場合に、これを直すための法律案を出す、あるいは勸告をする、こういう作業を繰返しまして、とにもかくにも大切なことであるから、一箇年以内に速やかにやる、こういう意圖をもつて期限を附したわけでございます。
#19
○竹山委員長 次は前の案と違つた一つの特徴として委員會の委員の構成が變つております。こうかえた理由を簡單に伺つておきたい。
#20
○林(敬)政府委員 前と變つておりますのは、言葉の表現はいろいろ違つておりますが、特に實質的に變つておりますのは、第四條の第三號、第四號、第五號でありまして、この前のはこの三、四、五を一つにしまして知事、市町村長の代表者から推薦する者が一人ということになつておつたのであります。しかるにその後におきましていろいろ當國會においても御意見の開陳がございますし、また市長會町村長においても非常に熱烈な希望がありまして、やはり知事、市町村長を一からげにして、その中から代表者を出すということでは、知事の代表者が出た場合に、町村長からはどうも代表という感じが出ない、また市長の方からいうと、知事、町村長の方からは代表が出そうだけれども、市長は市の數が少くて、これが出ないかも知れぬ、こういうような希望がいろいろに出ますし、また熱烈なる運動の展開もあつたわけでございます。その結果とそれらの民論とを合せ考えまして、最も民主的に地方の聲を政府部内に反映をさせまして、地方財政の自主化をはかる委員構成として、それぞれの代表者の人を一人ずつ總理大臣が任命するのが最も適切であると考えまして、今囘その點を修正いたした次第でございます。
#21
○竹山委員長 次に地方代表三、四、五の代表者の選出の方法について伺いたい。
#22
○林(敬)政府委員 法文には單に代表者一人となつておりますので、法律上の意味は申し上げるまでもなく客觀的に見まして、代表として是認される人であればいいという意味に考えられるのであります。特別にその知事なら知事、市長なら市長からの授權があるとか、多數決によつてきまる、投票できるというような格別のことをいたしませんでも、大體客權的に見まして代表者としてふさわして、こう見られる立場にあられる方であれば、總理大臣がそういう方を任命する、こういう法意に解せられるのであります。しかし具體的な運用の問題になつてきますと、おそらくは政府がこの市長會の方、あるいは町村長會の方、あるいは府縣知事の連合會の方、それらと交渉をしまして、そして政府の見るところと、それから自治體の長の側の意向、それらの點を兩方かみ合わせて一致するところをもつてきめていく、こういうことに相なるだろうと思います。
#23
○片島委員 この地方財政委員會の委員の顔ぶれ、メンバーですが、非常に專門的な中央財政という問題について、ここに選ばれてきておる代表者の中に、從來俗にいう學識經驗者といいますか、特別な專門家の代表者がこれにはいつておらないのでありますがこれはどういうわけでここに素人――ばかりとも限りませんけれども、そういう專門家を特に選ばれなかつたか、そのわけを一つ伺いたい。
#24
○林(敬)政府委員 ごもつともなお尋ねでございまして、今後これが通過いたしました曉においては、この委員會の運營上最も注意すべきはその點であると存じます。これはもし委員の數を多くすることが許されますような状態でありますならば、そういう方もはいつていただくことが委員會の權威上も、また實際にいろいろ事務を運營いたします上においても望ましいことであるとも存ずるのでありますが、やはりこういう一つのあまり人數の多い、單なる諮問的な委員會というのではなくて、この委員になつた人が責任者になつてやつていく、こういう自主的な委員會になりますと、あまり數の多いものはかえつて効果が薄らぐのではないか、こういうことも考えられまして、やはり私どもはこういう委員會になれば三人か五人、そのくらいが最も適當ではないかということを考えられるのであります。そうなりますとその構成でありますが、ここにその自治體の代表者が三名はいつております。これはやはり一番この委員會として肝腎なことは、その專門的知識もまた肝腎でありますが、もう一つはいわゆる自主的といいますか、民主的といいますか、そういう機關たらしめることも一番大切な要素であるという觀點から、こちらの代表者が三人はいつておるわけでございます。しかしながら專門的なことも必要なのでありまして、國務大臣になられる方においても、特にでき得べくんば財政に最も通じた無任所國務大臣にはいつていただくことが望ましいと存じますし、また國會の代表者の方方からもその點の欠陷を補つて、いわゆる財政についての學識經驗のあるような國會議員の方にはいつていただくことがやはり好ましいと考えております。しかしやはり國務大臣、議員という方は、これはいずれも政治家でありまして、たまたまそういう方にそういうことが望ましいといいましても、制度の上ではそれを必ずしも望むことはできないわけでございます。そこでそういことを補いますためには、やはり囑託といたしまして恒久の方を囑託にする、あるいは臨時の短い期間の委員會でありますれば、參與とかそういう制度を事實上設けまして、お諮りをしていく、あるいは事務局の中に特に財政通の相當識見のある方を兼任でもしていただくとか、事務局員になつていただく。こういうことでもつて實際を補つてまいりたい。こういうように考えております。またこれは大藏省との關係もなかなかむずかしいのでありまして、大藏省との間に調和のとれるいい案がなければいけないとも存じます。そういう場合には事前に大藏省ともよく相談をする、あるいは大藏省の人にも特に囑託になつてもらう、あるいは事務局員にもはいつてもらう、それから閣議にこの法案を出した場合には、全面的見地からこれを見ていただく、また國會に出しましても全面的見地からも財政的見地からも大いにこれを衝いていただく、かようなことにして缺點を補つて、遺憾なきを期してまいりたいと思います。
#25
○片島委員 委員の顏ぶれの中で、知事の代表者市長の代表者、町村長の代表者というものは、九十日間は最も忙しい期間でありまして、なお引續き一年間というものは存續することになつておりますが、これを兼務でやるということは非常に困難が伴いはしないかと思いますが、この點はいかがでございましようか。
#26
○林(敬)政府委員 ごもつともでありまして、この委員になられた方は、自治體の方も一番忙しいときでありますし、大變な仕事だと思います。またこちらも忙しいので、この委員會にもどんどん出ていただかなければならぬと思うのであります。そこで代表の選び方ということにもいろいろその間に苦心がいるだろうと思うのであります。あまり遠隔の方などについては、よほど自治體の方の手を拔いてかまわない立場でないとおなりになつていただけないというようなことに相なると存じておりますが、その間辛らさを兩方とも克服しながら何とかしてこれを切り拔けていくように努めたいと考えております。
#27
○片島委員 次にこの都道府縣知事、市長というものは、それぞれ公吏として相當の給料を受けておるわけですが、國會議員について二重の手當をやらないのは、これは一人の人間に國民の負擔を高くかけないということであります。府縣知事なりあるいは市長というものは、一方地方團體の職員ではありますが、やはり國民からの負擔において給料をもらつており、またここに來て一般の官吏よりも高い額の手當を受けるということになれば、これは二重に國民に負擔をかけ、二重に給料をもらうような形になると思うのですが、この點いかがでしようか。
#28
○林(敬)政府委員 これは理論から申しますと、いわゆる出す途が違う、手當が違うわけでありまして、自治體の方は市長なり町村長なりとして働いていただく、その報酬額を出すわけであります。それから國の方は委員として働いていただく報酬を出すわけであります。そこで自治體として町村長としての一人前の務めをしていただくそのほかに、委員會の仕事をしていただくわけでありますから、それに對してやはり手當を差上ぐべきではないかということになるわけであります。國家の仕事であればこれを兩方から出すわけにはいかない、しかしながら別の人格者から出てくるものでございますので、併給してもいい、これは理窟ですが、そういう理窟から出てくるのであります。それでは實際はということになりますと實は月に二千圓ちよつとくらいになります。これは一般官吏よりも高い。官吏で一番高いのは次官ですが、次官よりも高く大臣よりも低い俸給というのであります。大藏省より査定を受けまして、追加豫算で提出いたします豫算は年間で二萬五千圓ということになるわけであります。それでございますから、月に割りますと二千圓ほどであります。一般官吏の俸給は、局長で千五六百圓、ただしそれでは生きていけないわけであります。相當の家族手當であるとかあるいは臨時手當というようなものがつけ加わわりまして、局長、次官級になると、三千圓かう四千圓の收入になると思います。ところがこの條文そのままでいきますとそういう家族手當等はつかない。官吏にはつくのでありますが、手當にはつかないのであつて、いわゆる俸給號俸の中のほんとうの俸給に該當する部分がつくわけであります。そこで二千圓くらいになりますと、これは少し旅費なり滯在費などを補給いたしませんと、東京へかえりに月のうち十日出て來られた。こういうような計算にしましてもこれではやつていけないというくらいの状態ではないかと思うのであります。それでは何も書かなかつたらということも考えられるのでありますが、少し内譯話になりますが、それを書きませんと、一般の委員會の委員というものがたくさんございますので、その方の豫算と同じにならざるを得ない。これは月に十圓、二十圓のものでございますから、これではそれだけの仕事をしていただくということにはあまり薄いことになるのではないか。やはり俸給が一つのその人の待遇を示すわけでございまして、大臣まではいかなくても次官よりは上の待遇を國家としてはするのだ、その氣持を出して尊敬の念を現わしたい。こういう氣持もあるわけでございまして。そういうようなことでこうなつております。實際の手取りとしてはあえて多いことはないと、かように考えておりますので、御了承を願います。
#29
○片島委員 第八條で、事務局の職員の定員が一、二級官を通じて十二名となつておりますが、この委員の方々の仕事は實際上には私は非常に重要なことだろうと思うのであります。これが十二名くらいになつてますが、特に制限せられた理由はどういうわけでありますか。
#30
○林(敬)政府委員 今まで内務省地方局の財政課で取扱つておりました仕事の分量、それからいろいろの税制改正、財政改正についてぶつかりました仕事の分量と人間、それらから割出して考えてみまして、今度のは特に畫期的な大きな問題であり。こういう委員がその上についておつて責任をもつ建前でありますから、それに少しそういう點を考慮した人を加えまして、大體この程度でいけるという見透しをつけまして、十二名としたわけであります。かたがたあまり厖大な組織になるということもかえつていろいろの觀點から適當ではないということも考えまして、十二名という數字を出した次第であります。
#31
○片島委員 私はこれを特に十二名ということをきめてありますのを見まして、おそらくこれは内務省でそういう關係をしておつた方々がちようど十二名くらいあつて、ここに割振りされたのではないかという感じをもつたのでありますが、今度いろいろ分割されて、いろいろの委員會が各省に割振られる。そうすると内務省の從來の官吏がそれぞれ分割してその方に移るので、それの割振りがこういうふうに各法案に出てくるのではないかと感じたわけでありますが、今度のこういう全般的の内務省の解體に伴つて、全體の定員としては、これは殖えるものであるか、あるいは從來の内務省の官吏の數からするならば、今度分散せられたところの各機構において大きな増員を見るものであるか、これは全般の問題としての見透しを御説明願いたい。
#32
○林(敬)政府委員 全般の問題といたしましては先ほど申しましたように、内務省の四つの局が大體十ほどに分れてまいるわけであります。そこでその人間の總計というものは、まだきまつていない問題でございますし、集約いたしまして、正確に差引増減がどうなるかということはちよつと數字で出ないのでありますが、しかし私どもの氣持、政府の氣持としては、官吏は今減員すべきときでありますし、豫算においても一割を節約すべき時期でもございますが、それがどうしても新しい機關または新しい使命が附加されてしつかりやつていかなければならないという場合の意味において増加することは、もちろんよいと存じますけれども、從來のものを引繼いでやついてくというときであれば、これはできるだけ減してかかるべきではないか、トータルとしては少くとも増減なしというところまでもつていかなければならないのではないか、かような考えをもつて豫算の折衝にも當つておる次第であります。しかし非常に警察方面などで新構想、新機關というものが出てきまして、新しいことを實施するために特別の人を必要とするときは別だと存じます。そこで個々の問題の地方財政のことでありますが、これについては局長は計算の中に入れるかどうか、これは別問題とすると十一名になります。それを何人でやつておつたかというと、五名でやつております。それを今度の短い期間にいろいろ新しく畫期的にやる點があります。それから獨立の機關になつたときのそれだけの必要なことがあると思います。たとえば會計にしても經理にしましても別にやらなければいけません。それから委員の方のお世話をする必要があります。委員會を開く手數もあります。それから單なる官吏の經歴でない民間の專門家の人もこれをとつて活用していきたい。こういう氣持も加えまして、それを殖やしてある状態であります。その點においては割振つて、これだけがあるのだからという意圖ではありません。ちよつと速記を止めて……。
#33
○竹山委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#34
○竹山委員長 速記を始めてください。
#35
○河合委員 ここにはつきり書いてありますように、「地方分權の方向に即應する等のため」これで一應その理由がわかるわけでありますが、在來の機構を地方分權の方向に即應するようにするという理由は、どういうふうに解したらいいのでありましようか。今までの内務省を解體してしまつてこういう機構に改めるのは、地方分權の方向に即應するためである。その地方分權という必要はどこから出てくるのでしよう。それを一應承つておきたいと思います。
#36
○林(敬)政府委員 たいへんむづかしいといいますか、大切なお尋ねだと存じますが、私はかように考えております。新しい憲法ができまして、第八章に地方自治という章が特に設けられております。それで九十二條から九十五條まで四箇條にわたつて、地方自治の骨子を憲法の中に新たに書かれてまいつたわけであります。その九十二條を見ますと、「地方公共團體の組織及び運營に關する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」。こうなつておるのであります。地方自治の本旨に基いてやるということは何かというと、地方のことは地方でやつていく。こまかなことについては中央では干渉しない。大きなわくだけ中央で法律できめて、その範圍内で地方に任せて地方でやつていく。それが地方の發達するゆえんでもあり、國家全體の發達するゆえんでもある。これは地方自治の第一歩でありますが、その趣旨に從つてやつていくということが、憲法にあらためてこれが書かれておるわけであります。そこでこういう條文が出て來た根本は何かというと、やはり民主主義と地方自治との關係だと思いますが、民主主義の基本をなすところの自由と平等、こういう原則が中央の憲法にも書かれるとともに、地方の自治運營にも自由、平等の原則が書かれてこなければならない。その地方自治の上の自由ということは何かといえば、二つあると思いますが、いわゆる國家の權力から地方團體が自由になるということも一つだろうと思います。それから地方の住民がその政治に参與して、自主的に眞の意味の自由というものを、行う、これがための作用ということが必要だということも一つだろうと思います。國家の憲法に民主主義を採用し、それを指導精神とし、その基礎になるところの自由と平等という思想を織りこんどありまして、地方自治の上にもそれでやつていく。そうするとやはり地方團體も國家權力から許される限りにおいてはできるだけ自由にありベきであるということは、憲法の精神でもあり、また憲法に基いて出るところの地方自治の精神である。かように存ぜられるのであります。そういう結果から地方分權に即應する、すなわち地方のことは地方に任せて、國家の權力がこまかいことに干渉しないようや方向に進むということは、新憲法の精神でもあり、とりも直さず新しい日本の進むベき方向でもある。そういう點から考えてみますと、地方のことは地方で自主的に、自治的にできるだけその範圍を廣くやつていくことが、國家全體を平和的、民主的に發展させるゆえんである。かような見地から、この地方分權ということが現在叫ばれ、また地方分權の方向に進んでいくということが、國家の公益と相齟齬せざる限りにおいては最も必要なことである。かように考えられまして、いろいろな制度において地方分權ということが行なわておる。かように考えておるのでございます。
#37
○竹山委員長 それでは先ほどお諮りしたように、明日の午前十時から開會をいたして、質疑を繼續いたしたいと思います。
 なおお願いを申しておくことは、先ほどお諮りをいたしましたように、財政金融及び地方制度の兩委員會の分も、連合審査會を省略して、實質的に連絡をとる意味において、各黨それぞれ兩委員との御連絡をおとりを願うことをお願いをいたしておきます。
 それでは内務省解體に伴う法律案の審議は本日はこの程度で一應打切ります。
    ―――――――――――――
#38
○竹山委員長 引續いて、決算に豫定されました農林省及び外務省の分についての審議をお願いをいたします。速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#39
○竹山委員長 速記を始めてください。
 それでは前會に引續いて決算の審議にはいります。最初に農林省所管の二十年度決算の審議にはいります。まず農林省政府委員から二十年度決算の概要について御報告を求めます。
#40
○清井政府委員 昭和二十年度農林省所管經費決算の大要につきまして御説明申し上ます。まず一般會計について御説明申し上げます。昭和二十年度農林省所管の豫算額は、歳出經常部におきまして一億八千二百三十七萬餘圓、歳出臨時部におきまして十五億四千四十一萬餘、合計十七億二千二百七十八萬餘圓でございまして、豫算決定後の増加額は、歳出經常部におきまして五百萬餘圓、歳出臨時部におきまして十六億八千五百十四萬餘圓、合計十六億九千十五萬餘圓でございますから、合計額は歳出經常部におきまして一億八千七百三十七萬餘圓、歳出臨時部におきまして三十二億二千五百五十六萬餘圓、合計三十四億一千二百九十四萬餘圓と相なるのでございます。
 この増加を生じましたのは、前年度から繰越しましたる金額が二億八千七百九十一萬餘圓、また豫備金におきまして、第一豫備金支出が七百九十九萬豫圓、緊急對策費第一豫備金支出が九千二百四十二萬餘圓、第二豫備金支出が七億五千四百八十六萬餘圓、また豫備金外臨時支出におきまして、國庫剩餘金支出が二千八百八十一萬餘圓、緊急財政處分支出において五億一千八百十一萬餘圓がありましたことによるのでございます。これから豫備金のうち第一豫備金におきまして支出いたしましたのは、特定給與、現役及び優遇職員給補填金、家畜傳染病豫防費、軍馬資源保護施設死傷補償金及び死傷手當、租税外拂戻金、臨時家族手當、勤續手當、臨時定員外職員給補填金、小切手支拂未濟償還金等でございまして、緊急對策費第一豫備金におきまして支出いたしましたのは、疎開者就農費補助等でございます。次に第二豫備金におきまして支出いたしましたおもなるものは開墾及び干拓費松根油擴充増産對策費、米麥供出奬勵金、農産物増産費、堆肥増産報奬金、作付轉換施肥補助、燒畑施設補助等でございまして、豫備金以外におきまして臨時支出いたしましたもののうち、國庫剩餘金におきまして支出いたしましたおもなものは、價格調整補給金等でございまして、緊急財政處分におきまして支出いたしましたおもなるものは、食糧増産對策諸費、風水害應線及び復舊諸費、漁船再保險特別會計へ繰入補足等でございます。
 次に支出濟額、翌年度繰越額及び不用額について御説明申し上げます。支出濟額は歳出經常部におきまして一億七千六百三十萬餘圓、歳出臨時部におきしましては二十九億八十四萬餘圓、合計三十億七千七百十四萬餘圓でございまして、これを先ほど申し上げました豫算現額に比較いたしますと、歳出經常部におきまして一千百七萬餘圓、歳出臨時部におきまして三億二千四百七十一萬餘圓、合計三億三千五百七十九萬餘圓を減少いたしてゐるのでございます。この減少額のうち翌年度に繰越しました金額は、會計法第二十七條によりまして、一億二千百六十萬餘圓、同じく會計法第二十八條によりまして二十六萬餘圓、また明治四十四年法律第二號によりまして百三十三萬餘圓でございまして差引節約その他によりましてまつたく不用となりました金額は、二億一千二百五十八萬餘圓でございます。これをもちまして、一般會計についての御説明を終りたいと思います。
 次に、特別會計の決算につきまして申し上げます。
 まず最初に食糧管理特別會計について申し上げます。この歳入の收入濟額は三十二億四千三百二十一萬餘圓でございまして、歳出の支出濟額は二十九億四百三十萬餘圓でございますゆえに、歳入歳出差引が三億三千八百九十萬餘圓の剩餘を生ずることと相なります。この剩餘金は食糧管理特別會計法第八條によりまして、翌年度の歳入に繰入れまして、本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 第二には、薪炭需給調節特別會計について申し上げます。
 この歳入の收入濟額は五億四千八十四萬餘圓でございまして、これに本年度におけるところの收入未濟額一千八百十四萬餘圓、前年度より繰越しましたる支出未濟額にして本年度におきして支出濟となりましたる金額一億三千四百七十二萬餘圓、翌年度に繰越したる薪炭の價格四億六百七十六萬餘圓、本年度における借入金償還額七千萬圓を加算いたしますと、收入の合計は十一億七千四十七萬餘圓と相なるのでございます。そうして歳出の支出濟額は四億八千四百十六萬餘圓でございまして、これに本年度における支出未濟額の四億二百萬餘圓、前年度より繰越しました收入未濟のもので本年度で收入濟となりました金額一千八百二十二萬餘圓、前年度から繰越しました薪炭の價格一億七百三萬餘圓、本年度におきまして借入いたしました金額五千五百圓を加算いたしますと、支出の合計は十億六千六百四十二萬餘圓と相まるのでございまして、收入支出の差引は一億四百四萬餘圓の殘餘を生ずるのでございますが、この殘餘金のうち前年度から越してきました損失額五千六百五十萬餘圓を補填いたしましても、なお四千七百五十四萬餘圓の殘餘を生ずるのでございます。この殘餘金は薪炭需給調節特別會計法第八條によりまして、翌年度の歳入に繰入すべきものでありますが、この殘餘金に相當する額は薪炭その他の資産として現物を手持するものでありますから、歳入に繰入れいたしませず、そのまま本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 第三には農業家畜再保險特別會計について申し上げます。まず農業勘定について申し上げます。此の歳入の收入濟額は五千五十六萬餘圓でございまして、歳出の支出濟額は五千五十一萬餘圓でございますから歳入の歳出に超過いたしますこと五萬餘圓でございますけれども、未經過再保險料に相當する金額が百八十四萬餘圓ございますので、差引百七十八萬餘圓の不足を生ずることと相なるのでございますが、この不足金の内六萬餘圓に對しましては、農業家畜再保險特別會計法第七條によりまして、農業家畜再保險業務勘定の決算上の剩餘より本勘定の積立金に組入るべき金額がありますので、これより補足いたし殘額百七十二萬餘圓に對しては、同法第六條によりまして、積立金より補足いたしまして本年度の決算を結了いたしておる次第でございます。
 次に家畜勘定について申し上げます。この歳入の收入濟額は二百七萬餘圓でございまして歳出の支出濟額は二百二萬餘圓でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと四萬餘圓でございますけれども、未經過再保險料に相當する金額は百五十二萬餘圓ございますので、差引百四十七萬餘圓の不足を生ずるのでございますが、この不足金の内六萬餘圓に對しましては、農業家畜再保險特別會計法第七條によりまして、農業家畜再保險業務勘定の決算上の剩餘より本勘定の積立金に繰入るべき金額がありますので、これより補足いたし、殘額百四十一萬餘圓に對しましては、同法第六條によりまして補足いたすべき積立金がありませんので、そのまま本年度の決算を結了したのでございます。
 次に業務勘定について申し上げます。この歳入の收入濟額は四十三萬餘圓でございまして、歳出の支出濟額は三十一萬餘圓でございますから、差引十二萬餘圓の剩餘を生ずるのであります。この剩餘金に對しましては、農業家畜再保險特別會計法第七條によりまして、六萬餘圓を農業勘定、六萬餘圓を家畜勘定のそれぞれ積立金に繰入れまして本年度の決算を結了したのでございます。
 第四には森林火災保險特別會計について申し上げます。この歳入の收入濟額は五十八萬餘圓でございまして、歳出の支出濟額は三十二萬餘圓でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと二十六萬餘圓でございますけれども、翌年度の歳入に繰入するところの未經過保險料に相當する金額が六萬餘圓、支拂備金に相當する金額が七萬餘圓、この合計十三萬餘圓を控除いたしますと、結局十二萬圓餘の剩餘を生じたことと相なるのでございます。この剩餘金に對しましては、森林火災保險特別會計法第三條によりまして積立金に組入れまして、本年度の決算を結了いたした次第でございます。
 最後に漁船再保險特別會計について申し上げます。この歳入の收入濟額は千三百九十五萬餘圓でございまして、歳出の支出濟額は千三百五萬餘圓でございますから、歳入の歳出に超過いたしますこと八十九萬餘圓でございますけれども、翌年度の歳入に繰入れまするところの未經過再保險料に相當する金額が二百六十四萬餘圓がありますから、これを控除いたしますると、百七十四萬餘圓の不足を生ずることと相なります。この不足金に對しましては、補足いたします積立金がありませんので、このまま本年度の決算を終了いたした次第でございます。
 以上をもちまして農林省所管の一般會計及び特別會計の決算についてその概要を御説明申し上げた次第でございます。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
 なお昭和二十年度決算におきまして、會計檢査院の批難を受けました事項一件につきまして御説明申し上げます。これは青森縣に對する作付轉換の補助金についての批難でございます。この批難點については、當省としてはまことに恐縮に存じている次第でございます。詳細の點は辯明書の方に記載してございます。何とぞその點について御了承願いたいと思います。
 以上をもつて農林省關係の御説明を終了いたしました。
#41
○竹山委員長 農林省關係に關して會計檢査院の報告を求めます。
#42
○東谷説明員 ただいま政府委員の方から農林省關係の一般、特別兩會計に關する決算の御説明があつたのでありますが、一般會計の方から御説明申し上げますと、一般會計の決算のうち三億六千萬圓ばかりが檢査未確定になつておりのであります。すなわち會計檢査院の檢査が濟んでいないのでありますが、この三億六千萬圓の中の大部分でありますところの二億五千餘萬圓というものは、農林省關係の分でありまして、これはお手もとに差上げてございます檢査報告の五十四ページに掲げてあるのでありますが、一般費の農産物増産補助の經費におきまして千九百萬圓が未確定になつておるのであります。さらに産業振興費におきまして九十萬圓臨時諸補助金というのがございますが、それで六千九百餘萬圓、さらに食糧増産對策諸費というのがございますが、その經費で一億六千百餘萬圓が未確定になつておるのでございます。これらは大體においていろいろ支出の内容につきまして、會計檢査院から質問照會をいたしたものでありますが、この決算の確定時期までには、囘答を得ることができなかつたために、檢査が終つてないというので、未確定になつておるのであります。これらは昭和二十年度の檢査報告の際に檢査院の方から檢査報告事項として掲げるものが、この中からあると存ずるのであります。なお戰災によりまして證據書類がいろいろと各方面において焼失いたしたのでありますが、その關係で農林省において一般會計におきましては二千六百萬圓に相當する證據書類が提出不能になつておるのであります。特別會計におきましてはわずかでございまするが、食糧管理特別會計において五十七萬餘圓が證明不能になつておるのであります。なお戰災などによりまして決算科目の款項目不明の中で、農林省の一般會計におきまして項目不明としてあげられておりますものが二千六百餘萬圓あるのでございます。特別會計におきまして食糧管理特別會計において、先ほどの五十七萬餘圓やはり項目不明ということに相なつているのでございます。そのほか檢査報告の六十二枚目に掲げてございますが、昭和十九年度で未確定になつておりますものをこの二十年度の檢査報告の際に確定いたしましたものが、これは少額でありますが、四萬六千圓ばかりあつたのであります。なお農林省關係におきましては、この檢査報告の二十ページ、二十一ページに掲げてあるのでありますが、青森縣で支出いたしました三百五十萬圓、これは作付轉換施設事業に對して昭和二十一年四月に補助金を交付したものでありまするが、この事件につきましては、轉換した作付段別が二百五百町歩というので補助金がいつておるのでありますが、實際はその約半分でありますところの千七百餘町歩というものに對して補助すればよかつたのでありまして、それに相當する補助額は二百四十萬圓餘りでありますから、百九萬圓餘りが補助超過ということに相なつておるのであります。この點につきましては補助金超過という點について會計檢査院が批難をしておるのでありますが、農林當局におかれまいとも大體よろしくなかつたというような辯明をしておられますので、私から特にこの點について説明を申し上げることは差控えたいと存じます。
#43
○竹山委員長 では審議に都合上、本會議の關係もありますから、外務省の報告の説明を続いて伺つた上で質疑にはいりたいと思います。外務省及び元の大東亞省の分について政府委員の報告を求めます。
#44
○下田政府委員 昭和二十年度外務省所管經費の決算の大要につきましては、外務省もとからのものと、同年大東亞省の消減によりまして、大東亞省から継承された分と両方にわたつて御説明申し上げたいと存じます。外務省で使定額に分のうち、當初から外務省豫算として計上されたものと、大東亞省所管の經費で外務省に移管して使用することになりました分とございます。もう一つはさらに元大東亞省所管の經費で大東亞省限りで打切りとなりまして、外務省に移管されなかつた分があるのでございます。
 まず外務省本來の經費及び大東亞省所管經費中外務省に移管されて使用された分について申し述べます。昭和二十年度の外務省所管使用定額分の豫算額は五億六千六百三十七萬千餘圓でありまして、豫算現額は六億六千二百五十萬五千餘圓と相なりまして、豫算額に對しまして九千六百十三萬三千餘圓を増加いたしております。このように増加いたしましたのは前年度からの繰越額百十三萬餘圓がありましたのと、豫備金支出三千三百五萬三千餘圓及び豫備金外臨時支出六千百九十五萬圓がありましたためでございます。豫備金支出等の内容を申し述ベますと、豫備金支出にありましては、第1豫備金から元大東亞省所管移管使用分において特定給與の豫算不足のため、刑務收容費の豫算不足のため、退去處分者送還費及現役及優遇職員給補填金の豫算不足のため、合計二十五萬九千餘圓を支出しておるわけであります。また第二豫備金から赤十字國際委員會特別寄附金、終戰連絡事務諸費、大日本與會補助、在外邦人應急救護諸費、外務本省その他機構整備費、地域事務應急處理費、各種團體清算善後費補助、フイリピン大総領來訪費等合計三千三百七十九萬四千餘圓を支出しておるのであります。餘備金外の支出といたしましては、國庫剩餘金から地域事務應急處理費、政府職員臨時給與といたしまして計二十八萬圓を、また緊急財政處分によりまして地域事務應急處理費、政府職員臨時給與といたしまして六千百六十七萬圓をそれぞれ支出いたしているのでございます。しかして同年度の支出濟額は大體豫算の半分の三億五千九百六十六萬八千餘圓でございまして、豫算現額に對しまして三億二百八十三萬七千餘圓の減少と相なつておりますが、この減少額はまつたく不用となつた次第でございます。
 次に元大東亞省所管經費のうち残務處理定額の分、つまり外務省に引継がれませでした經費について申し述ベます。同年度の元大東亞省所管經費残務處理定額分の豫算額は八千七百二十二萬二千餘圓でございましたが、その支出濟額は六千七十二萬七千餘圓でございまして、豫算現額に對し二千六百四十九萬四千餘圓を減少いたしております。この減少額はまつたく不用となつたものでございます。
 以上が昭和二十年度外務省所管經費決算の大要でございますが、この決算のうち會計檢査院において批難されました事項が一件ございます。それは元大東亞省所管經費のうち社團法人東亞經濟懇談會に對して補助いたしました補助金のうち、豫算の補助金の年額は三十萬圓でございましたが、同年八月の二十五萬圓を補助いたしましてさらにその東亞經濟懇談會が解散いたしました後、先に交付しました二十五萬圓にうちから、五萬圓の返還を命じたのでありますが、その五萬圓を返還せしめただけでは足りないという會計檢査院の御意見でございまして、詳細は會計檢査院からお出しになりました檢査報告の通りでございまして、大東亞省のございません今日、外務省といたしましてもまことに遺憾に存じている次第でございます。
 以上によりまして外務省所管の決算の説明を終りたいと存じます。何とぞ御審議の上、御承認を願いたいと存じます。
#45
○竹山委員長 外務省所管及び舊大東亞省關係の決算について會計檢査院の報告を伺います。
#46
○東谷説明員 外務省と元大東亞省の關係でございますが、その關係におきましては檢査院の檢査は全部終つて、檢査確定をいたしたのであります。既往年度の分の未確定はございません。ただ外務省は御承知のごとく戰災によりまして燒失いたしました關係上、證據書類の會計檢査院に提出不能に陥りました金が相當たくさんにあるのでありまして、一般會計を通じますると、各省を通じまして證明不能の分に相當しまする金額は、二億五千六百餘萬圓でありますが、その大部分でありまするところの一億九千四百萬圓に相當する證據書類が、外務省の廳舍で燒けたのであります。これはいたし方ないわけでありますが、ただそういうふうにたくさん燒けたのでありますけれども、決算書、張簿などは助かつたのでありまして、外務省の關係におきましては、款項目不明の金額は少しもないのであります。全部款項目も明瞭になつておるのであります。そういたしまして會計検査院で外務省、大東亞省關係の支出に對して批難をいたしまいた事項が一件ありまして、これはもと大東亞省で支出いたしました二十萬圓の東亞經濟懇談會に對する補助超過の點でございますが、これにつきましては會計檢査院が提出いたしました檢査報告ま十六ページ、十七ページに詳しく掲げてあるのでありまして、これに對しまして政府も大體同じ考えのようでございますので、特別な説明は省略いたしたいと思います。
#47
○竹山委員長 大東亞省の分の今の批難事項についていずれも説明を省略されましたが、審議に参考にために東亞經濟懇談會に補助を出されておつた趣旨その他の經過を一應伺つておきたいと思います。
#48
○下田政府委員 東亞經濟懇談會は終戰前におきましては蒙疆、北京、上海、廣東の四箇所に活動の根據をもちまして、大陸地域の經濟發展に努力をいたしておつたのでございますが、昭和二十年度におきましても三十萬圓に補助金を計上して、ございまいたのですが、會計檢査院の御意見のように、實際は終戰前より非常に事業の遂行が困難になつたのでございます。しかしながら當時の當局といたしましては、事業が不活撥にはなりましたが、多數の職員等が現地に殘つております同會といたしまして非常に困難な状況にありましたために、本來でございましたら他の會にはあつた例なんでございますが、そういう會の跡始末をするために、善後處理費としてあらためて豫算を計上いたしまして、職員の退職金の支拂いその他をいたしておつたのでございますが同會はすでに二十年の八月に三十萬圓の中から二十五萬圓だけをやつてありましたので、金がありましたので、大藏當局と相談いたしまして、すでに補助金が交付してあるのだから、あらためて殘務整理の暖助を豫算的に計上して先の補助金は返す、新たにまた別の金をやるという手續を省略いたしましてやりつぱなしにいたしたのでありますが、後日に資産その他を調べますと相當の剩餘がございますので、二十五萬圓のうち五萬圓だけの返還を命じたのであります。ただその際に職員三十五名、殘務整理事務の一切を日本商工經濟會に移して繼承させたのでございます。當局といたしましては職員三十五名、その中にはまだ歸還していない職員も十數名がおつたのでございますが、そういう負擔を商工經濟會にかけなくてはいかぬ、そういう事情を考慮いたしまして、多少の裕りを認めることを適當と當時の當局者が考えまして、二十五萬圓のうち、わずか五萬圓だけの返還を命じたのであります。今日冷靜に考えますと非常に簡便な方法に墮したと批判できるのでございますが、何ぶん終戰前後の緊急事態で當時の當局者としてはむりのないところであると存じますが、元來豫算の中でも補助金については特に當局としては取扱いを愼重にいたすべき性質のものであるにもかかわらず、手續の點、また補助金の返還を命じた額の點、双方におきまして今日から考えますと必ずしも適當でないと思料いたされるのでございます。當時の當局者は、次官、局長、部長、課長、ことごとくあるいは追放令に該當いたしまして、あるいは行政整理または任意退職によりまして、今日現官の者は一人もないのでございますが、外務省としても、今後とも補助金の取扱いについては十分注意するように、部内の注意を喚起いたしました次第でございます。以上をもちまして會計檢査院から批難されました事件の大要を御説明申し上げました次第であります。
#49
○竹山委員長 先ほど御説明の中で緊急財政處分で六千萬圓の支出をされた、その中には今のお話もあつた善後處理費というようなものが内容としてははいつておるのですか。なお地域事務の應急處理費というのはどういうのですか。
#50
○下田政府委員 地域事務應急處理費と申しますのは、必ずしも項目が内容を適當に現わしておりませんですが、すべて人件費でございます。俸給、賞與、諸給與、家族手當、戰時勤勉手當、退官、退職給與金、そういつた人件費的のものでございます。
#51
○竹山委員長 ほかの省との比較をしたわけではないのですが、特に外務省だけがそういうものが多くて豫算より超過したということではないのですか。各省ともこれは同じ比率でそういうものが出たのですか。何か外務省の性質上特にそういうものが多かつたのですか。
#52
○下田政府委員 確かにほかの省に比べまして大東亞省にこの種の經費が多かつたのですが、これはすべて外地の關係の人件費でございまして、引揚者等多數ございましたために、こういう結果になつた次第でございます。
#53
○竹山委員長 いろいろ交錯しますが、農林省の方の戰災によつて一番大きな食糧管理を擔當しておつた農林省が國家としてどれくらいの損失を受けたか。なお特殊物件等との關連もあるのですが、食糧について終戰の際に軍所管の食糧その他食糧管理について政府はどういう處置をとられたか、ごく大要を伺つておきたい。もし專門的になればまた別の機會でもいいですが、ごく概要だけを伺います。
#54
○清井政府委員 食糧管理につきましては、戰時中におきましても非常にその操作に苦勞をいたしていたことは御存じの通りであります。特に供出割當あるいはその配給等につきまして、戰時中におきましてはむろん生産數量なり供出割當量に對するいろいろの問題等、またこれに伴いまして戰時中におきまする輸送その他の關係から非常にその操作に苦心をいたしておつたのであります。終戰にあたりまして、軍糧食の引繼ぎにつきましても、ある個所個所につきましては具體的に相當の數量を引取つたものと存ずるのでありますけれども、その詳細につきましては、存じておらないのであります。適當の機會に詳細に御説明申し上げたいと思います。
#55
○竹山委員長 會計檢査院からの報告で、農林省が非常に未確定の分が多いということは總括的に見てどういうことからそういうことになつたのですか。
#56
○清井政府委員 ただいま會計檢査院の方から御説明がございました。農林省關係の未確定金額その他、先ほど御説明いたしました通り、總額で二億六千萬圓程度の金額があるのでございます。この點は主としてその内容といたしましては、項目といたしましては農産物増産補助補なり産業振興補助なり、臨時補助金なり、食糧増産に對する補助金、緊急對策費とわかれておりますけれども、この金額のうち大部分は開拓關係の補助金であるのであります。開拓關係と申しましても二億數千萬圓のうち一億五千萬圓ばかりは北海道、東京都各都道府縣に出しました補助金でございまして、その他の金額は農事振興會に補助いたしましたり、あるいは開拓協會に補助いたしましたり、農地開發營團に補助いたしましたりした金額なのでございます。御承知の通り、開拓につきましては、終戰後のわが國の特殊状態に鑑みまして、外地その他よりの引揚げ等を考慮いたしまして、緊急に開拓を推進しなければならないという情勢と相なりまして、當時豫備金なり、緊急財政處分なりをお願いいたしまして相當の厖大なる金額の御支出を願いまして、緊急開拓政策というものを立てて推進いたしてまいり、今日に至つておるような状況なのでございます。そうしてただいまお話のございましたこの未確定の金額もその關係の補助金でございまして、内容を少しく申し上げますれば、ただいま申し上げました通り開拓の増産隊の施設の補助であるとか、開拓農場あるいは模範開拓村の補助であるとか、集團歸農者の就農の補助であるとか、食糧増産隊の設置補助といつたような、主として開拓の關係の補助金であるのであります。これにつきまして當時の情勢からいたしまして、年度末に近いころになつて相當金額の支出の決定がございました。それに基きまして當省といたしましては速やかに各團體なり各地方廳なりに補助金を交付いたしたのでございますが、その時期が年度末に切迫いたしましたために、被交付團體といたしましては、當然その金額を二十一年度の方にもち越さざるを得ないという状態になつておりまして、ちようど會計檢査が行われました時には、なお相當の金額を使い切れずに未使用のまま殘しておつたという状態であつたのであります。その間いろいろの問題がございまして、會計檢査院の方からどうしてこんなに多額の金額が未使用のまま殘つておるのであるかという趣旨の御質問がございました。當省といたしましては、當省においてお答えできるものはただちにお答えいたし、各縣に昭會して囘答しなければならないものについては、それぞれ適宜の處置をとりまして囘答しているうよな次第でございます。私どもといたしましては、これはただいま申しました使い切れずに相當の金額が殘つてをるという點につきましての御質問であり、またそれについての御囘答がこの締切りの時に間に合わなかつたということが、未確定分ということではないかと思うのであります。
#57
○竹山委員長 そうすると大部分のものは二十一年度で處理できるお見込みでありますか。
#58
○清井政府委員 私どもといたしましては、檢査院の方にも御囘答申し上げ、檢査院より再度御質問がありました點もありまして、それについて大體御囘答申し上げております。しかしこれについての最後の決定は檢査院の方でなさる。私の方では御決定願うことを願つております。その希望をもつておる次第であります。
#59
○東谷説明員 ただいまの農林省關係の未確定の點でございまするが、大體政府委員から御説明のあつた通りであります。今青森縣の件が批難事項として、揚げておりまするが、大體これに似通つたものも相當ありまして、結局二十年度で申しますると、二十年度の終りに、すなわち二十一年の三月の終りとか、さらにまわりまして四月というようなことなどがございまして、受け入れておる地方公共團體の方では年度のほんとうの末日に、あるいは年度の終つた時に受け入れたのでありまするから、二十年度としてはもちろん使い切れないわけであります。さようなわけで結局この使速というものはどういうようになつておるかというのを中心にして會計檢査院が質問をいたしたのでありまするが、これに對する囘答は逐次参つておりまして、大部分はただいまでは囘答がておるのでありまするが、この中には、大體緊急對策諸費などで申しますると、事項にもよりまするが、半分以上はやはり國庫に返納さすというようなことに大體なつておるようでございまして、これはなべて全部がそうとは申しませんが、相當部分というものが、たとえばある所に三百六十萬圓補助をしておる。そういたしましてそのうち國庫に返納をせしめなければならないものが三百五十八萬圓あるというようなことで、ほとんどそういつた補助事業というものができていないというものもあるようでございまして、會計檢査院におきましては、ただいまこれを囘答を得たものにつきまして整理をいたしておるのでありまして、檢査院の中の檢査官會議その他に諮りまして、おそらくは多分二十一年度の檢査報告にはこれを御報告することができるかと思うのでありますが、大體ただいまの状況はそういう状況でございます。
#60
○竹山委員長 青森縣の問題については一應農林省及び會計檢査院も結果においては一致をしておられるようでありますが、どうしてこういうことになられたか、農林省から重ねて經過だけの説明を求めたいと思います。
#61
○清井政府委員 ただいま御質問のございました青森縣の問題でございますが、これは昭和二十年當時、御承知の通りの食糧事情でございまして、その際果樹園その他を麥その他の主食に作付轉換をしなければならぬという一般の聲でございまして、これに應じて政府といたしましては、果樹園を中心として作付轉換をいたしたいということになつたのであります。それに要する經費として、昭和二十年の十一月に第二豫備金二千五百萬圓ばかり決定をみた。それをもつて作付轉換の補償金にしたのであります。しかして青森縣に對しましては、昭和二十年に果樹園二千五百町歩の計畫があつて、この補助金は各府縣で果樹園を整理いたしました實續に應じて補助金を一段當り百四十圓出すということになつておつたので、農林省は青森縣に對してどの程度の果樹園を整理した實續があつたかという實續報告を求めたのであります。ここにも書いてあります通り、青森縣廳は火事で燒けまして、その整理なり、復舊なりで相當混雜しておつたような事情もあつたかと思いますけれども、縣廳といたしましては、計畫面積である二千五百町歩をそのまま農林省に報告をしてまいつたのであります。私どもといたしましては、その報告に基いて一段當り百四十圓、合計三百五十萬圓を二十一年の四月になつて青森縣知事に支拂委任をいたしたのであります。青森縣知事はただちに自治團體たる青森縣交付するという手續をとつたのでございます。縣といたしましては、そのままずつと保有をいたしておつたのであります。當時檢査院から檢査に参つたときも、縣廳としては交付を受けた三百五十萬圓の金はそのまま保有しておつたような状況であります。ところが實際の果極園整理實施面積は、千七百十九町歩八段というのが實績でありましたので、これについて一段歩當り百四十圓の補助金を交付することになつて、二百四十萬七千七百二十圓なのであります。從つて殘額の百九萬二千二百八十圓というものの國庫返還を命じまして、ただいま返還濟となつておるのであります。私どもといたしましては、その責任上まことに遺憾に思つておる次第でございまして、縣當局に對しても注意をいたし、私どもといたしましても、今後かかることなきよう十分注意をいたしたいと存じておる次第であります。
#62
○竹山委員長 御質問がございますか。
#63
○河合委員 ただいま委員長からいろいろ質問がありましたが、これは各委員の質問を總括的にしてくださるものと私は解釋をいたしたい。しかし各委員におきましてもそれぞれお尋ねしたい點がありますので、今後はなるべく委員にも質問を――ただいま私も質問する機會を與えられたのですけれども、まず第一に各委員の質問があるかないかを聽いていただいて、その上で委員長が、缺けておる點があるならば補足してお尋ねくださるなり、總括的な質問をしていただいても結構だと思いますが、まず各委員にも質問する機會を十分考えていただきたいと思う。はなはだいや味を申して相濟まぬわけですが、今後どうぞそういうふうにひとつ。
#64
○竹山委員長 相濟みません。
#65
○河合委員 ただいま外務、農林兩省においての二十年度の會計檢査におきまして兩方とも批難事項がただ一件だつたということは、私は非常に結構なことだと喜んでおるわけであります。あの終戰當時いろいろ事務の上においても混雜錯綜をした際に、この厖大なる會計の中で、各省とも一件より批難事項がなかつたということは國民のそ人としてはなはだ喜ぶわけでありますが、しかしこの批難事項は全般の會計をお調べになつた上でわずか一件しかなかつたものでありましようか、あるいはまわし俵を出すように檢査されて、そしてたまたまそういう批難事項が發見されたものでありましようか。私どもといたしましては、一件ずつのほかに絶對にそういう批難すべき點がなかつたと心得てよろしいのでありましようか。それをまず第一に伺つてみたいのであります。
#66
○東谷説明員 ただいまの御質問でございますが、農林省及び外務省とも一件だけ會計檢査院が批難事項として取上げたということは、戰爭及び終戰後のごたごたの際に非常によく會計の整理をされておられたという證左でありまして、非常に私どもとして喜んでおるのであります。しかしそれならば、今御質問になりましたように、會計檢査院はあれだけであとのものはよろしいというふうに十分な確信をもつて言えるかということは、これは衆議院におきまする決算委員會において一、二度實は御了承を得たいという氣持で御説明したことがあつたのであります。御承知のごとく、二十年度は上半期は戰爭の最も苛烈な時期であつたのでありますし、あとの半分は終戰後虚脱状態といいますか、國民のだれもが不安にかられておる時期であつたのでありまして、會計檢査院も同じように、戰爭中はやはり書面の會計檢査院への提出も思うように参りません。來たものも途中で紛失するとか、あるいは燒失するとかいう事態もありますし、空襲の關係で避難ということもあります。また實地の檢査に臨みましても、その地方々々における空襲その他の事情で思うに任せなかつたのでありまして、端的に申しますれば、書面檢査におきましても、實地檢査におきましても、會計檢査院が十二分の檢査をしておるということは、言い得ないと私は存ずるのであります。ただ戰爭苛烈、敗戰後の相當ごたごたのときにおきまして、會計檢査院の少い人數で能う限りの努力を拂つておるということだけは十分誓つて申し上げることができると思うのであります。先ほども申しましたように、檢査報告の五ページにもありますように、戰災で燒けて證明が全然できないというものも一般會計の歳出では二億五千萬圓ございますし、特別會計の歳出だけを見ましても、十億あるというような状態であります。これは燒けたのでありますから、そういう状態でありまして、實際思うに任せなかつたのであります。しかしながらそれでは一件だけであるかと申しますと、先ほど申しましたように、農林省の關係におきましては、會計檢査院で十分に檢査が濟んでないというものだけで申しましても二億五千萬圓以上が殘つておりまして、これは檢査が終つてないということでありますから、この次の昭和二十一年度の檢査報告で御報告申し上げまして、御審議を願うようになると思うのであります。この中には青森縣に類似した事項があるように私は思つているのであります。今囘答を見ますとそういうものがあるのでありまして、結局農林省の關係におきましては、二十年度の未確定を通じますと、相當程度のあるということは申し上げられるかと思うのであります。
 以上申し述べましたように、二十年度は特別な状況下にありましたことを御了承願い、かつ未確定のものを重ねて御説明申し上げた次第であります。
#67
○河合委員 ただいまの御答辯で大體のことがよくわかつたのでありますが、過去のことはともかくとして、私どもは將來のことをひとつ考えていきたいのであります。私が今ああいう質問をいたしました意のあるところをよく御了承願いまして、今後においては、國民が會計檢査院に對しまして絶大なる信用をもつことができるように、ひとつやつていつていただきたいと思います。それをお願いいたしておきます。
 それから農林省の今の御報告について、ただ一點お伺いいたしたいのであります。食糧管理局においては歳出よりも歳入が大分多く、剩餘金がたくさんあつたように承つたのでありますが、もう一度その金額を承りまして、その金額の内容を、大體でよろしゆうございますから、どういうわけでそんなに剩餘金ができたかということを御説明願いたいと思うのであります。
#68
○清井政府委員 ただいまの御質問にお答え申します。昭和二十年度の食糧管理歳入歳出決定計算書に書きましたところの歳入の收入濟額は三十一億四千三百二十一萬餘圓でありまして、歳出の支出濟額は二十九億四百三十萬餘圓でございます。差別剩餘金が三億三千八百九十萬八千六百五十一圓ということになるのであります。この剩餘金は、先ほど申し上げました通り、法規に從いまして翌年度に繰越をいたしたのでありますが、そこで歳入の點について大要を申し上げますと、歳入の收入濟額は三十二億四千三百二十一萬圓、これは食糧を賣りました代金が主であるのであります。これを豫算額の三十七億三千五百萬圓に比べまして、實際の收入濟額の方が四億九千百九十六萬八千圓の減少に相なつておるのであります。これは當初計畫いたしましたよりも、主要食糧の政府買上げが少かつたことによるのであります。なおそれを詳しく申し上げますと、食糧賣拂代金だけでも四億二千五百萬圓の減少ということに相なつておるのであります。その減少が主として歳入の方の收入の殖えましたおもな點であります。
 それから歳出の方は、豫算額は、支出濟額が二十九億四百萬圓でありまして、これを豫算現額に比べますと八億九千八百萬圓の減少ということに相なつておるのであります。歳出の減りましたおもなものといたしましては、結局事業の買い方が少かつたために、それに伴います各種の經費がずつと減少いたしてまいつておりまして、各項目それぞれ各般にわたりまして一體に減少をいたしておるのであります。從つてこの差引金額は、法規に從いまして翌年度に繰越しをいたすということに相なつておるのであります。もつともこの歳入歳出のただいま御説明申し上げましたのは、食糧管理の全體の財産とは關係がないのでありまして、その年その年の金の出入り決算でございまして、金の出入りが結局入り方が支出よりも多かつたということでございます。食糧管理の實體の米の賣買なり、米の數量なり、食糧關係の報告の問題とはちよつと關係が離れております。現金の收入支出決算濟みということでございますので、その點御了承を願いたいと思います。
#69
○河合委員 私が實は承りたかつたのは、食糧管理局の事業の面において剩餘金ができた。現物の勘定など、それに現われておりません。ただ歳出した金額と歳入の金額の比較だけが現われておりますから、はたして管理局の食糧操作の上において、どれだけの剩餘金ができたかということは當然わからないのがあたりまえと思うので、私は實は現金の殘つておる高、あるいは現金の出入りを見まして、どれぐらいの剩餘金ができたかということを知りたかつたのでお尋ねしたのであります。本日は二十年の會計決算でありますが、實はこの場合、こういうことを尋ねることは私ども尋ねる方が少し間違つておるかと思いますが、過日の豫算總會におきまして、アメリカから懇請をいたしまして輸入をした食糧に對して、代金を拂つておるか拂つていないかということを私は尋ねたのであります。ところが一厘も拂つていないという答辯でありました。それだけの答辯を得たのでありますが、實は聽きたいのは、國民に對してあれは代金をとつて渡しておるのでありますが、その金額が相當あると思うのです。どつちかというと、平たく申しましたならば、拂うべきところは拂わずに、はいつてきたやつは手もとに殘しておくというような勘定でございますので、その金額がどのくらいになるかということを承知したかつたのであります。いずれまた次の機會に豫算總會ででも聽きたいと思うのでありますが、今日大體のことでもわかりまして――私が今日お尋ねするのははなはだ無理かと思いますが、この機會に承つておきたいと思うのです。相當なる金額になると思う。二百萬トンのものを國民に渡してしまうといつたならば、それに對する代金というものは相當なものだと思う。それがどうなつておるかということを國民は知りたいのでありまして、どつちかというと、すぐ支拂うべきものは支拂わなければならぬのが、あれだけたくさんの食糧を、一厘も支拂いをせずして國内で消費してしまつて、消費者からは相當の代金をとるのですから、その金額は莫大なものだと思う。それが表面に現われずして、收支の勘定を怠るようになると、あとから大穴が開いてくるわけでありますから、國民といたしましても、その食糧飢饉の際には相談もしなければなりませず、そういうことも知つておりますれば、また一腰入れて食糧増産にも力を出す。はなはだこの席でこういうことをお尋ねするのはどうかと思いますけれども、もしおわかりでしたら、どれくらいの金を食糧管理局において使いこんでおるか、それを聽きたいのであります。會計の方でわかりませんでしようか。
#70
○清井政府委員 ただいま河合委員の御質問、まことに御もつともな點があるのであります。ただいま私の手もとに數字がございませんので、正確なお答えばいたしかねるのでございますが、ただいまの輸入食糧の代金等全部これは食糧管理の特別會計において一括して經理をいたしておる次第でありますが、お話の點もありました通り、輸入食糧の代金につきましては、單に會計だけの問題でなくて、いわゆる貿易關係全體の問題とが非常に關連をいたしておるので、先般の長官の答えも御期待に副うような正確なお答えができなかつたかと存じておるのであります。ただいま私もその點につきましては資料も持合わせておりませんので、正確なお答えをいたしかねるのでありますが、適當な機會にまたお答えをいたしたいと思います。
#71
○河合委員 實はうつかりしておりますと、國民もこの點にあまり注意をしていない。注意を喚起するためにも、實はこの間豫算總會で質問したわけであります。懇請してもらつて、國民はそれに對して代金を拂う。役所でそれを途中で使つてしまうということを、いつまでも續けたら、まつたく國民のためによくないと思います。そこで國民に注意を喚起するというような意味で質問したのであります。もしその數字でもわかりましたら、國民の覺悟が變つてくると思うのでありまして、尋ねたのであります。ただいま御答辯によりますと、他の機會にそれを知らすということでありますから、どうぞ國會に適當な機會に御發表を願いたいと思います。
#72
○竹山委員長 河合委員の御質問ごもつともでありますから、これは委員長においても責任をもつて政府と折衝して御滿足のいく方法をとりたいと思います。先ほど河合委員の御注意まことに感謝をいたします。さような意味ではなく、説明の補足の意味で質問をいたしておりまして、委員の質問の時間を割きましたことをおわびをいたします。今後注意をいたします。
 それでは本日はこれにて散會をいたします。
   午後四時十三分散會
ソース: 国立国会図書館
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