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1947/10/16 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第25号
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1947/10/16 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第25号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第25号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○物價引下運動促進に関する陳情(第
 九号)
○製塩事業保持対策樹立に関する陳情
 (第十九号)
○織物の價格改訂に関する陳情(第二
 十八号)
○少額貯金及び各種團体預金封鎖解除
 に関する陳情(第五十二号)
○インフレ防止に関する陳情(第七十
 一号)
○電氣税復活反対に関する請願(第四
 十三号)
○会計檢査法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○低物價政策上官営事業料金の値上げ
 反対に関する陳情(第百九十号)
○連合軍兵舍並びに宿舍建設用木材前
 受金の第二封鎖解除に関する陳情
 (第二百十一号)
○賠償税の新設に関する請願(第百十
 八号)
○中古衣類の公定價格を廃止すること
 に関する請願(第百三十八号)
○企業再建整備法並びにこれに伴う諸
 施策に関する請願(第百四十号)
○中古衣類の公定價格制度を廃止する
 ことに関する陳情(第二百三十三
 号)
○会計檢査人法制定に関する請願(第
 二百二号)
○失業保險特別会計法案(内閣提出)
○非戰災者特別税に関する陳情(第三
 百三十一号)
○政令第七十四号中憲法違反の條項に
 関する請願(第二百五十七号)
○政府職員に対する一時手当の支給に
 関する法律案(内閣提出衆議院送
 付)
○自給製塩制度存続に関する請願(第
 二百九十一号)
○戰死者遺族を非戰災者特別税課税外
 とすることに関する陳情(第三百八
 十一号)
○庶民銀行設立促進に関する陳情(第
 三百九十一号)
○通貨発行審議会法案(内閣送付)
○経済力集中排除法案(内閣送付)
○物品税免税点の引上げ等に関する請
 願(第三百二十八号)
○今次日立鉱山地区の水害復旧特別融
 資等に関する陳情(第四百十二号)
○金属鉱山事業を経済力集中排除法案
 中より除外することに関する陳情
 (第四百十五号)
○戰死者遺族を非戰災者特別税の課税
 外とすることに関する陳情(第四百
 十八号)
○企業整備に関する陳情(第四百十九
 号)
○自給製塩制度存続に関する陳情(第
 四百二十九号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月十六日(水曜日)
   午後三時十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○政府職員に対する一時手当の支給に
 関する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) それではこれより委員会を開会いたします。本日は政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案を議題にいたしまして、先囘に引続き御質疑を願いたいと存じます。大藏大臣見えておりますから、成るべく大藏大臣を要する御質疑を先にお願いいたしたいと思います。
#3
○川上嘉君 御承知の通り今全國官公労の要求が出ているわけでありますが、その要求も解決していませんし、それとは全然別個のものである、そういつた要求項目とは全然別個のものである、飽くまでも一時手当の支給である、こう解釈して差支えないのですか。
#4
○國務大臣(栗栖赳夫君) さように御解釈を願つて私は結構だと思つております。
#5
○中西功君 今大蔵大臣が答弁されたようになると、非常に問題が簡單だと思うのです。ところが最初政府委員の方から、或いは又大藏大臣から説明されましたときには、これは千八百円と千六百円の差額二百円であるという説明と、もう一つは、併しこれは官公廳の労働組合との間ではまだ別の覚書がある。即ち官公廳の労働組合と交わされた覚書の中においては、千八百円問題については官公廳側は異議がある。併しこの際非常に職員たちは生活に困つておる。とにかく政府の責任において一時手当を支給するについては、労働組合側も異議がないというふうな覚書があるわけであります。その場合説明がいわば二元的になつておつたために、從來からの質問が甚だ紛糾したわけなのであります。この際政府といたしましては、又大藏大臣といたしましても、この覚書に基いて、そうして一時金を政府の責任において支給するというふうな説明をして貰つて、それを我々は了承してここで審議するという建前にはつきりして頂くというのを、まあ若し異議がなかつたならばその通りと、もう一度大藏大臣からはつきりその点簡單に言明して貰いたいと思うのです。
#6
○國務大臣(栗栖赳夫君) はつきりしたことを申上げたいと思います。これは算盤の基礎として実質的にこういうものを支拂う経過に至るということは、千六百円と千八百円の差から來ておるのでございます。この法律が書いておりますように、ここでお支拂いするのは一時の手当を支拂う。こういう意味に相違ございませんのでございます。その関係を御了承を願いたいと思います。
#7
○中西功君 そういたしますと、私が仮りにここでこの法律に賛成いたしましたときに、直ちに千八百円問題を承認したということにならないわけでございますね。
#8
○國務大臣(栗栖赳夫君) この千八百円の問題を國会で御審議を本格的にお願いするのは、実は追加予算の際にお讓り願いたいと思うのでございますので、ここではこの一時支拂いを非常に急いでおりますので、そういうような千八百円の当否その他に関する問題は、追加予算の場合に留保願つて、そうしてここではこの一時手当としての支拂いということでこの御審議を願えれば結構だと思う次第であります。
#9
○中西功君 それでくどいようですけれども、その審議を次の機会に延ばすということだけではなくて、私はこの一時手当の法案に賛成したいのであります。賛成したのでありますが、これが若し千八百円問題と不可分の関係にある。從つてこの法案を承認すれば同時に千八百円ベースというものも承認してしまうのだということになりますと非常に賛成しにくいので、これを承認したことで千八百円問題を承認したことにならないのだという点をはつきりして頂きたいのであります。
#10
○國務大臣(栗栖赳夫君) 中西委員のお立場上御尤もだと思います。この御承認を願いましても千八百円の水準問題を御承認になつたという意味には私共解しておりませんのでございますから、さよう御了承願いたいと思います。
#11
○中西功君 もう一つ、それではこれは本当にこの法律の額面通り官公職員の生活が非常に窮迫しておる。從つてその窮迫を救う意味で一時手当が與えられるということになるわけでありますが、そうなりますと、こういうふうな一時手当ということは、今後若しいろいろな事情でますます官公職員の生活が窮迫して來て、どうしても何とか手を打たなければならんという場合には、こういう形で支給することができる。即ち一つの前例となることができるかどうか、それをちよつとお伺いしたいのであります。
#12
○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えいたします。これは先程も申しましたように、計算の基礎及びこう至ります前提としては千六百円、千八百円の差金から生じておるものでございます。將來にもこれは前例ではない、特例である、かように御解釈を願いたいと思つております。
#13
○中西功君 特例ということになると、それが非常に又問題を紛糾させるような氣がするのであります。とにかく私たちはこの法律案の額面通り本当に生活が窮迫しておる事情に立脚して、そういう現実に立脚して、この際一時手当を與えるというふうに理解する。又はそういうふうに受取りたいわけであります。ところが、大藏大臣の説明では、これが特例であるということになりますと、それでは今後どういうふうな状態が、或いは激変が起つても、政府職員に対してはこういう形では支給できないというようなことになるわけでありますが、その点はどうでしようか。
#14
○國務大臣(栗栖赳夫君) どうも將來の仮定について只今これをどうするということは申上げられないと思うのであります。
#15
○中西功君 それは將來の仮定ではなくして、これを特例と言われる場合は、一つの他の場合において一般例があるわけであります。その一般例の場合にどうされるかということを聽いてもよろしいのですけれども、とにかくこういうふうな事態が、いわゆる一時手当を支給しなければならんというふうな事態が絶対起らないということが保証し得ないとすれば、即ち將來に対するそういうふうな保証が完全にできないとすれば、やはりこういう事態が起れば支給しなければならんということにもなると思うのであります。ですからただこれがこの一囘限りであるということは断言ができないわけと思うのでありますが、これを本当にこの限りというふうにされる理由はどういう理由に基くわけでありますか。
#16
○國務大臣(栗栖赳夫君) 將來の問題はやはりその問題が生じたときに考えなければ分らん問題でありまして、只今將來ある問題などを予想してかくかくのことをいたしますというようなお約束はこの際差控えたいと存ずる次第でございます。
#17
○中西功君 これは実際に起つておる問題であります。それは安本から発表されました十一月黒字説を見ても分りますように、あの黒字説が現実においてすでに崩壊しておると思います。殆んど実現の可能性がないということはこれは皆認めておると思います。この黒字説のあの数字においても、七月、八月、九月はとにかく赤字であります。その上に尚安本が十一月には三百九十九円の黒字であると言つたのが、現の私たちがあの同じ資料によつて、あれは非常におかしな資料でありますけれども、とにかくあの資料によつて、現在の時價でそうした問題をいろいろのあの必要物資を計算いたしますと一千百十七円程度の赤字になるのです。勿論この千八百円のあの必要物資がいわゆる最低生活水準でないことは事実でありますが、併しそれにしても千八百円と見積つてもやりは千円以上の赤字が現にあると思います。ですからこの赤字を政府の責任において当然埋めるべきものだと思うのです。それで從つて又官公廳の組合の連中が赤字補填や、或いはその他補給金の問題を要求しておるということは頃常に現実的な要求だと思います。現にあると思います。現にそういう要求を出しておる。そういう場合に、こういうふうな現実の政府自身が示された数字の上における。その上における赤字に対して政府が責任を負はないというのは、僕は政府責任という点から申して実におかしいと思うのです。今ここで要約して質問いたしますと、いわゆる七月八月九月十月、こうしたものの実績を考えられまして、七月に安本当局が出したある数字が実現しておるかどうか。政府の見通し。即ち政府はこういうことを言つたわけであります。配給をよくすることによつて、そうして実質賃金を高める。今は苦しいだろうが、その中によくなる、暫く待つて貰いたい、こういうようなことを政府が言つたわけであります。その裏付けとしてあの数字が出された。果してその数字が現在において実現したか、どうかこれが第一点であります。
 第二点は、これが実現していないとすれば、何故にそれが実現し得なかつたのか。
 そうして第三番目には、一体これが誰の責任かという点なんであります。
 この三点について大藏大臣の御答弁を求めたいと思います。
#18
○國務大臣(栗栖赳夫君) 先程も申しましたように、この千八百円の水準問題は、この追加予算全般のときは安本長官、我々、然るべき者からも御答弁をいたしますし、お尋ねも受ける。こういうつもりであります。ここではこの経路については千六百円、千八百円の差金から來ておりますけれども、併しこの支給は一時手当の支給、こういう趣旨でございますから、その辺を御了承願いまして、千八百円の問題については別途で一つ御答弁申上げたいと思う次第でございます。
#19
○中西功君 それでは千八百円問題に直接絡まなくても結構なのでありますが、現実に七月八月よりも今の生活が樂になつているのか。千六百円問題が決定させましたのは確か四月と記憶いたしますが、それとも或いは四月よりも現在の生活状態が樂なのか、或いは苦しいのか、そういう判定。これは千八百円問題に関聯せずにできると思います。そうしてそういう点において苦しくなつている。苦しくなつてゐるということは政府が約束したいろいろな諸政策がまだ実を結んでいないということになるのでありますが、その実を結んでないこと、從つて又我々の生活が苦しいということ、こういうことの責任は一体誰が負うべきなのか。この二つの点は千八百円に関係せずに、お答えができるのじやないかと思う。
#20
○政府委員(今井一男君) 千六百円の決まりましたのは五月でございますが、その後七月の物價改訂以來、実質賃金の内容がどうなつているかというお尋ねでございますが、実は生計費その他の資料と申すものは、性質上集れるのになかなか期間を要しまするけれども、且つ又單に金額だけでなく、その内容分析をいたしませんというと、正確な御答弁はいたし兼ねますので、感じだけで申上げることはこの際差控えた方がいいのじやないか、かように考えます。
#21
○委員長(黒田英雄君) 大藏大臣がお急ぎのようですから簡單に……
#22
○中西功君 もうちよつと……、なぜ私がこういうことを聞くかと申しますのは、この法律の文面に非常に生活が窮迫しているという意味のことを書いてあるわけであります。それならばこれが具体的にどれだけ困つているのかということをはつきりさせないと、我我がこの問題をこのまま受取る場合においてもやはり問題があると思う。ですからやはりここではつきり最近のいろいろの情勢によつて政府職員の生活は窮迫しているということを認めておられる。認めておられるということは、現実にそれだけ生活がいろいろの点で物價も上つたり、或いは配給物が予定通りに行かなかつたり、そういう点で十分に行かないということの結果と考えるより外にはないと思います。そういう現実の事態に基いて一時資金を出すのだというふうなことは、大いに関係があると思うのです。政府の説明の計算の順序として、千八百円と千六百円の差額を出すというふうな、これは計算の一つの基準てあるという説明にもなるのですからそれで構わないと思う。併し現実はそうでなくて、そういう計算を出す基礎は、やはり最近のいろいろの事情において生活が苦しくなるのだという点です。これに基いて出されるわけなのです。そういうふうに理解していいかどうか。即ち單にこういう計算があるから、これを支給するということじやなくて、その背後には、もつと奥には最近頓に生活が苦しくなつて來ている。そういう事情に基いて、そうしてこの一時手当を支給する。そういうふうに具体的に我々が理解していいのですか、その点を伺いたい。
#23
○政府委員(今井一男君) そこまでお話を伺いますと、結局千八百円の問題に絡まつて來ると思うのでありますが、要するに組合側は千八百円はまだ呑んでおらないが、取敢えず政府は千八百円までの金を用意している。とにかくこの金は、千八百円ベースで動かす、動かさんという問題と直接結び着きがない。こういつたところからこの話が急に纒まつた次第でございますので、勿論感じといたしまして、政府としましても、官公職員が今生計に困つていることは認めるのでありますが、その具体的な実態がどうであるか、而もこれを全國的にどう把握すべきであるか、地域的にどういう差があるか、それが食える、食えんの線に絡まる問題かということにつきましては、関係省で資料を集めておりますので、いま少し後にお話を申上げる機会がありはしないかと思います。
#24
○中西功君 どうも要領を得ないのですが、そういうふうな詳細な資料を実際見なくても、現実にこの理由書に書いてありますように、「政府職員の最近の生活事情に鑑み」、この「鑑み」ということが、これが実際に最近生活が非常に苦しくなつて來た、とにかくそういう現実に基いて、こういう言葉が出ているのか、出ていないのかということだけなんです。それを聞いているのであります。ややこしい統計をここで提出して貰おうとは全然思つておらないのであります。
#25
○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えいたします。実は政府職員のみならず、國民全部がこういう耐乏の生活をいたしておるのでありまして生活に皆苦しんでおるわけであります。これは先程も申しましたように、径路から申しますと、千八百円、千六百円の差金というものがあるわけでありまして、そういうような資金がございますので、これは形式としましては、全然これと切離して、そういう種類の金を一時手当としてお支拂をする、こういう趣旨に外ならんわけでございます。
#26
○波多野鼎君 問題が少し紛糾しているようですが、大藏大臣はこういうふうなことを言明されることはできないのですか。一つはこの二百円の臨時支給の法案を承認することは、千八百円基準を我々が承認したことじやない。この点はさつき言明されましたが、次にもう一つの点はこの二百円を臨時に支給するということは、職員の生活困難の実情に鑑みてするのだから、これは特例である。特例ではあるが、必らずしも一囘限りのものじやないという点を言明なさることはどうなのでありますか。生活困難なる状態が、これは將來のことですから分りませんが、若し起きた場合には、別途考慮するという意向を持つておるということをおつしやることはできないのですか。
#27
○國務大臣(栗栖赳夫君) それは只今のところでは、これは実質的な意味においては千六百円、千八百円の差金が手許にございまして、そうしてその資金を充当することができるわけでございますが、將來のことについては、波多野委員のようなことにまで、私ここで申上げることはできないかと思うのでございます。
#28
○木村禧八郎君 只今のお話を承つておりますと、この資金は財源を捻出するのに、今まで手許に余剩金があつたというお話でございます。この予算書を見ましても、刑務所收入の増加、そういうものは非常に苦心されて財源を求められておるようです。併し今度十月、十一月というものは……、もう現に十一月が直ぐ來ているのです。七、八、九はそういう措置によりましたが、十月、十一月はこの追加予算が出て來て審議されるまでには、相当の時日がありますが、そのときの源財、そういうものはどういうふうにお考えになつているのですか。そのときは千八百円は支拂わないのでありますか。若し支拂われるとしますと、その財源が非常に問題ではないかと思います。すでに手許にある財源で漸く賄つている、その点をお伺いしたいと思います。
#29
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて。
#30
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて。
#31
○波多野鼎君 特例ということははつきりいたしましたが、特例ということを中西委員は一囘限りということに理解されましたが、その理解が間違つているということは言えるわけですか。
#32
○國務大臣(栗栖赳夫君) なかなか言葉の問題はむつかしくなりましたが、そこまで追及を願わないで、何か氣持で、私特例と申しましたところで御了解を得られないものかと思うのでございます。
#33
○中西功君 最後に自分の理解したことを言いますから、それでいいか惡いか一つ答えて頂きたいと思います。「政府は政府職員の最近の生活事情に鑑み」と理由に書いてあるように、最近とにかく政府職員、一般が非常に生活が苦しい。これをこの際何と申しますか、救うとかそういう意味で一時手当を出す、たまたま千八百円と千六百円という差の問題がある、從つてこの一時手当の額をどれだけ出すかという点については、一應その計算の基礎によつてみたというふうなこと、並びにもう一つは先刻波多野さんが言われたように、これは特例ではあるが、幅を持つたものであるというふうに全体の結論はなると思うのですが、そういうふうに理解してよいのですか。
#34
○國務大臣(栗栖赳夫君) 私は今のお話の御了解の中で、やはりこういうことだけをはつきり申上げて置きたいと思います。幾度も繰返えすようでありますが、これは文字通り一時金の手当であるということ。それのよつて來る径路は千八百円、千六百円の差金が留保されておつて、これから生じたということ、それからこの政府職員のみならず國民全体が皆窮乏の生活をいたしているのでありまして、そういう意味において、今囘特例としてこの一時手当の支給という形においてこれをいたしますというように御了解をお願いしたいと思います。
#35
○中西功君 どうもくどいようですが、千八百円と千六百円の差が留保されているという言葉なんですが、その留保というのは、前千二百円のうち百円を留保して置いたというような意味では問題が違うと思うのです。今大藏大臣の言われましたように、千八百円の問題は、追加予算が出ましたときに十分審議して貰うというふうなお話の趣旨からも、これは現に簡單に留保されてあるというものでもなかろうと思う。ですから結局私は先刻申しましたように、留保されているからそれをやるというのではなくて、たまたまやはりどれだけの額を支給しようかというときに、そういう計算の一つの基準として、そういう二百円の差というものを一應考えてみたと、かような字句になるのではないかと思います。
#36
○國務大臣(栗栖赳夫君) 千六百円と千八百円の差金を積み立ててあるという意味で私は留保という意味を申したのではないのでありまして、先程申し上げましたように、これが生ずる経過及び計算の基礎が千八百円と千六百円との差金二百円というものが出て來る。そういうものをここに一時手当の支給という形で行います、こういう趣意でございます。補足いたして置きます。
#37
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて。
#38
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて。
#39
○中西功君 衆議院の附帶決議の二に「國家公務員給與法案の起草に際しましては」ということで、國家公務員給與法案というものが予定されておるわけであります。ところが最近風聞によりますと、これが法案として出されずに、國家公務員の給與等に関する措置令というような形で出されるのじやないかというような噂があるのであります。この問題は非常に重大な問題なんで、そういうふうん政令で出すのか出さないのか。必らず法案として國会に提出するのか。そういう点を明確に答えて貰いたいと思います。
#40
○政府委員(今井一男君) 只今の御質問は、國家公務員の給與に関する規定を法律で出すか出さんかという御質問のように伺いましたが、これは只今起草中でございまして、憲法の條文通り、官吏の基準は法律で定めるといつたところをそのまま受けまして、その基準を全部法文に盛りまして、相当浩瀚なものをお目に掛けようと思つております。
#41
○波多野鼎君 衆議院の附帶決議の問題ですが、一にありますが、地域差が、甚だしい、そこで官公廳待遇改善準備委員会などと協議の上適切な措置を講ずべきであるという決議がありますが、あの地域差の率を決めた場合に、この委員会との話合いはあつたのですか、どうですか。
#42
○政府委員(今井一男君) 率そのものはこの委員会において承認を受けておりません。給與の問題はすべてこの委員会におきまして政府と組合側と團体交渉を続けておるのでありますが、その際に、この六百円の配分案は政府の責任において一方的に決めてくれ、それで実施してくれ、それに対して組合側は異存は述べまい、こういうことを文書で覚書を交換いたしまして、その後できました案を組合側に見せまして、組合側の了承を受けまして実施をされるという運びを取つておつたのでございます。その後衆議院の方でこの幅が廣過ぎるからもう一度考え直せ、もう一度準備委員会と話合いをしろという御要望でございますので、國会の方もすべてそういう御意見でございますれば、政府といたしましても又考え直して構想しようと思つております。
#43
○波多野鼎君 その点又改めて準備委員会と率について話合われるために時間がかかつて、六百円の一時資金の支給が又一週間も遅れるというようなことになつては大変だと思うので、この決議を政府が受諾されたのは、そういうような衆議院側の決議があつても、そう組合側との話合いに時間がかからないですぐ支給できるという見通しのあつてのことですか、どうですか。
#44
○政府委員(今井一男君) その点は、見通しそのものにつきましては何とも申上げ兼ねるのでありますが、非常に衆議院の方の強い御要望でございましたので、とにかく相談をし直す、果して組合側が衆議院の御意見の通りの意見になるかどうかは若干疑問がございますが、とにかくもう一度諮る、こういう意味におきましてお引受をいたしただけでありまして、見通しそのものはちよつと……勿論早くやらなければならんと思つておりますけれども、そう簡單には申上げ兼ねるような状態であります。
#45
○波多野鼎君 私この決議の第一を見たときに、ちよつと感じたことは、ああいうような配分の案が出ておりましたが、あれについて確定的な案を衆議院の方で出さないで置いて、このような要望を出すというと、支給が恐らく遅れるような結果になりはせんかと思うのですからお伺いしたわけです。支給が遅れなければよいのです。
#46
○木村禧八郎君 ちよつと簡單なことを伺いたいのですが、それはまだ十月には千八百円の妥結が付かないわけですね。それが十一月以後については、予算については千八百円で行くのですか。その点はどういうふうになるのでしよう。
#47
○政府委員(今井一男君) それはこちらは千八百円まではとにかく拂う用意があるということを八月頃から申しておるのでありますから、話は付くという予定で、実は國庫金の金繰りの都合もございまして、十一月分だけ取敢えず補正予算で引出して予算を願つて置かないというと、時と場合によつて金詰りの支障を生ずるといつたところから、千八百円を一應基準にしたわけでございます。
#48
○委員長(黒田英雄君) ちよつと私から伺います。この法案の「大藏大臣の定める者に対し、」とありますが、これはどういうことを定めるおつもりでありますか。
#49
○政府委員(今井一男君) 受給者等につきまして、例えば身分は政府職員であるが、全然月給を貰つておらない、或いは外地に残つておるとか、いろいろ政府職員であつて支給除外をしなければならないような者もございますので、そういう細目を決めたい、こういう意味でございます。金を貰う受給者の範囲を大藏大臣が從來の例等を参酌して決めるということであります。
#50
○委員長(黒田英雄君) いかがでしようか。他に御質問がございませんければ、討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
#51
○委員長(黒田英雄君) 御異議もないようでありますから、そてれはこれより討論に移ります。御意見のおありの方はどうぞお述べを願いたいと思います。
#52
○中西功君 私は次のようなふうな理解の下に、これに賛成したいと思います。一つは、これがいわゆる一時手当である、而もそれは額面通り一時手当である。この点については、大藏大臣もそういうことをはつきり申しておられたこと、第二点は、我々がこの法案を承認することが、必ずしも千八百ベースを承認することではないということ、それから第三は、この一時手当は特例ではあるけれども、必ずしも一囘限りという意味ではない、幅があるということ。これを要するにこの法案は、政府が官公廳労働組合との間に締結したあの覚書、その覚書に基いて、政府の責任において支給するものを我我が賛成するというふうな建前であるわけであります。そういう建前において私はこれに賛成しますと同時に、成るべく早くこれが本当に職員の手に渡るように希望したいと思います。
#53
○波多野鼎君 私も大体中西君の理解と同じような理解において賛成いたします。尚もう一つ附加えて置きたいのは、税務官吏の待遇が一般の官吏の比べて非常に惡いということは公知の事実であります。今日財政收入を上げるために、税務官吏が第一線において働かなければならないのに、旅費の支給さえも殆んどないとか、非常な少額の旅費しかないというために、徴税上大きな手落ちがあるように聞いております。こういう点を勘案しまして、税務官吏に対しては特にこの一時手当の支給についてお考えを願うことを要求いたしたいと思います。こういう希望を申述べて置きます。尚これは序ですが、税務官吏が普通の官吏に比較して三号俸ぐらい低いのが一般だそうでありますが、税務官吏をこんなに薄遇しておつては、財政運営上非常に困る事態が起ると思いますので、別の機会にこの税務官吏一般官吏に一般官吏並の俸給を與えるように考慮して頂きたいという希望を述べて賛成いたします。
#54
○木村禧八郎君 私も今波多野委員の言われたことを全く同じ立場から本案に賛成する者であります。特に税務官吏のことにつきましては、私からもその待遇の改善については、今後の税の徴收の問題と関聯しまして非常に重要でありますが、二、三日前に税務官吏の人いろいろな陳情の意見を聞いたのであります。その待遇が著しく低いのでありまして、驚いたのでありますが、こういうような実情であつては、本当に税は取れないと思いますから、その点十分お考え願いたい。そういう希望を附して本案に賛成いたす者であります。
#55
○川上嘉君 私も今の前の方々と同じ理解の下に本案に賛成いたします。尚或る税務署の待遇が非常に惡いということがありましたので、御参考までにここで実例を申上げますというと、千葉縣の成田の税務署の実例でありますが、中学校卒業後満十二ケ年間税務署に勤続しておりまして、家族と妻と子供三人、五人家族でありますが、現在が九号俸給で、從つて月の総收入が家族手当を含めまして千八百円であります。そうしてこの人は、成田税務署の二百人の職員の中で、署長を含めて席次は上から五番目であります。尚東京の王子税務署の実例でありますが、実は東京は甲地になつておりまして、地域差から申しまして非常に有利な立場にある役所でありますが、現在百六人の職員がおりますが、署長を含めまして職員一同の総收入平均、つまり家族手当一切を含めまして、一人当りが大体一千三百円そこらであります。こういつた実情では、只今木村委員からもお話のおりました通り、眞面目に仕事ができない、どうしても仕事に対する熱意と興味を以て國家の重要な税務行政に携わつて行くことができない、こういう立場にありますので、是非ともこの点御考慮に入れて貰いたい。特に希望いたして置きます。
#56
○山田佐一君 私もやはり同意見でありまして、この間の税源及び徴收法の自由討議においても、各討論者共に税務官吏の待遇を改善せよその原因は現状から見て、脱税が非常に多いのじやないか、実際の徴税したものよりは脱税額の方が遥かに超過しておつたのじやないかというのが、皆さんの観測のようであります。徴收を完全にしてそうして、税の負担を公平ならしめる、この意味において税務官吏の待遇を改善して頂きたい。その日の生活に脅威を感じておるようでは本当に能率は上らんと思いますので、是非待遇を改善して頂きたいと思います。又この脱税の多いのは、社会不安の因つて來たるところも多分にあると思います。強ちこれは税務官吏だけでこの脱税の防止のできないところもあるかも知れない。その辺は当局において、或る方面の御助力を得てでも國民負担の公平を図るという上において、是非脱税を防止して頂きたいと思います。
#57
○委員長(黒田英雄君) 他に御発言がございませんか。……他に御発言もないようでありますから、討論はこれにて終結したことといたして御異議がございませんか。
#58
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは討論を終結いたしまして採決に入りたいと思います。本案に御賛成の方の御挙手をお願いいたします。
#59
○委員長(黒田英雄君) 全会一致であります。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
 尚多数御意見者の御署名をお願いしたいと思いますから、どうぞ順次御署名願いたいと思います。
#60
○委員長(黒田英雄君) 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は皆樣の御承知を得る筈でありますが、これは前例によりまして委員長において内容、又委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を適当に報告することに取計らいまして御異存ございませんですか。
#61
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。どうぞ御委せ願いたいと思います。報告書につきましてもどうぞ前例によりまして一つお委せを願いたいと思います。それではこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           岩木 哲夫君
           伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           山田 佐一君
           櫻内 辰郎君
           星   一君
           小林米三郎君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
           川上  嘉君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
  政府委員
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
ソース: 国立国会図書館
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