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1947/11/10 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第28号
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1947/11/10 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第28号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第28号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○物價引下運動促進に關する陳情(第
 九號)
○製鹽事業保持對策樹立に關する陳情
 (第十九號)
○織物の價格改訂に關する陳情(第二
 十八號)
○少額貯金及び各種團體預金封鎖解除
 に關する陳情(第五十二號)
○インフレ防止に關する陳情(第七十
 一號)
○電氣税復活反對に關する請願(第四
 十三號)
○會計檢査院法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○低物價政策上官營事業料金の値上げ
 反對に關する陳情(第百九十號)
○連合軍兵舍竝びに宿舍建設用木材前
 受金の第二封鎖解除に關する陳情
 (第二百十一號)
○賠償税の新設に關する陳情(第百十
 八號)
○中古衣類の公定價格を廢止すること
 に關する陳情(第百三十八號)
○企業再建整備法竝びにこれに伴う諸
 施策に關する請願(第百四十號)
○中古衣類の公定價格制度を廢止する
 ことに關する陳情(第二百三十三
 號)
○會計檢査人法制定に關する請願(第
 二百二號)
○失業保險特別會計法案(内閣送付)
○非戰災者特別税に關する陳情(第三
 百三十一號)
○政令第七十四號中憲法違反の條項に
 關する請願(第二百五十七號)
○政府職員に對する一時手當の支給に
 關する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○自給製鹽制度存續に關する請願(第
 二百九十一號)
○戰死者遺族を非戰災者特別税課税外
 とすることに關する陳情(第三百八
 十一號)
○庶民銀行設立促進に關する陳情(第
 三百九十一號)
○通貨發行審議會法案(内閣送付)
○經濟力集中排除法案(内閣送付)
○物品税免税點の引上げ等に關する請
 願(第三百二十八號)
○今次日立鑛山地區の水害復舊特別融
 資等に關する陳情(第四百十二號)
○金屬鑛山事業を經濟力集中排除法案
 中より除外することに關する陳情
 (第四百十五號)
○戰死者遺族を非戰災者特別税の課税
 外とすることに關する陳情(第四百
 十八號)
○企業整備に關する陳情(第四百十九
 號)
○自給製鹽制度存續に關する陳情(第
 四百二十九號)
○舊軍用施設竝びに敷地の無償交付に
 關する請願(第三百五十一號)
○生業資金貸付に關する請願(第三百
 六十二號)
○庶民金融機構の確立に關する請願
 (第三百七十二號)
○木材業者の水害復舊費に對する融資
 竝びに國庫補助に關する請願(第三
 百八十號)
○天日製鹽實施に關する陳情(第四百
 六十二號)
○金融機關再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○經濟力集中排除法案に關する陳情
 (第四百八十一號)
○自給製鹽制度存續に關する陳情(第
 四百九十二號)
○企業再建整備法の改正に關する陳情
 (第五百六號)
○物品税免税點の引上げ等に關する陳
 情(第五百十三號)
○補助貨幣損傷等取締法案(内閣送
 付)
○すき入紙製造取締法案(内閣送付)
○企業再建整備法等の一部を改正する
 法律案(内閣送付)
○企業再建整備法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十日(月曜日)
   午後一時五十五分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○請願及び陳情に關する小委員設置の
 件
○補助貨幣損傷等取締法案(内閣送
 付)
○すき入紙製造取締法案(内閣送付)
○金融機關再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) それではこれより委員會を開會いたします。
 初めにお諮りすることがございますが、只今本委員會に付託されておりまする請願が一件、陳情は二十一件あるのであります。つきましてはこれらの請願、陳情につきましては、專門調査員の方でいろいろ調査研究して貰つておるのでありますが、委員會に直ちに懸けまするのが順序でありまするけれども、便宜上小委員會を設けまして、小委員會で一應御審議を願いまして、そうして委員會に御報告を願い、御審議を願つた方が便宜かと存ずるのでありまするが、如何でございましようか。
#3
○委員長(黒田英雄君) 御異議がありませんければさようにいたしたいと思います。
 つきましては小委員の數等につきましては、如何いたしたらよろしいでしようか。御意見がございましたらお伺いいたしたいと思います。
#4
○波多野鼎君 請願竝びに陳情を先ず研究する小委員會の小委員の數は、大體十二名くらいにして、緑風會から四名、社會黨、民主黨、自由黨から各二名、共産黨、無所屬から各一名というくらいの割當にいたしまして、その人選については委員長に一任するの動議を提出いたします。
#5
○西郷吉之助君 今波多野君の意見に、私は緑風會を代表いたしまして贊成いたします。
#6
○委員長(黒田英雄君) 只今波多野委員の御動議に西郷委員の御贊成がございましたが、さようにいたして御異議ございませんか。
#7
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。さように決定いたします。人選は後ち程決定いたしまして、その委員にお願いする方々に御通知申上げますから、さよう御了承を願いたいと思います。
 それでは本日は銀行局長が他に參られるそうでありますから、先きに金融機關設建整備法の一部を改正する法律案を議題にいたしまして御審議を願いたいと思います。銀行局長からこれについた何か補足的の説明がございますか……。只今申上げましたが、その外に本日御通知申上げておりまする補助貨幣損傷等取締法案、すき入紙製造取締法案、これも併せて議題にいたしまして、簡單のようでありまするから、この補助貨幣損傷等取締法案、すき入紙製造取締法案を先に御審議を願うことに變更いたしたい思います。これについて先般提案の理由説明はあつたのでありますが、尚理財局長が見えておりますから、なにか補足的に御説明をお願いした方がいいかと思います。
#8
○政府委員(伊原隆君) 只今委員長からお話がございましたすき入紙製造取締法案、それから補助貨幣損傷等取締法案につきまして、過般提案の理由を御説明申上げたのでありますが、非常に技術的の法令でございますので、もう一度補足的に提案の理由と、それから現在ございます法令と何處が違つておるかということにつきまして、極く簡單に御説明を申上げさせて頂きます。
 この間も申上げましたように、補助貨幣の蒐集、鑄潰、又は損傷の取締りに關しまして、昭和十五年の大藏省令というのが出ております。それからもう一つは、すき入紙の製造取締規則というのがございまして、それは明治二十年の七月の勅令で、すき入紙の製造を取締ります勅令がございまするわけでございます、これは何れも實は勅令又は省令に罰則の規定がついてございまするので、これらの命令の規定に違反いたします者に對して罰則をつけますることは、昭和二十二年の法律第七十二號ということで、命令の規定に違反する者に對して罰則をつけるということは、今後できないようになりましたわけであります。但し經過的の問題といたしまして、只今の省令と勅令は今年の末までは效力を有しますが、今年一ぱいで以て命令とか勅令とかの規定に違反いたします者に對して、罰則をつけるということはできないようになりまして、今後は苟も罰則をつけますならば、法律で規定をしなければならないということになりましたわけであります。然るにこの補助貨幣の蒐集、鑄潰又は毀損の取締とか、或いはすき入紙の製造取締ということの内容自體は、本年一ぱいで止めてしまつてもいい問題かどうかということを考えまするに、やはり今後もこれ等の取締は續けて行かなければならないというように考えまするので、この際大體内容は同じでございますが、命令とか勅令とかの形で、制定されております現行法令を、法律の形に直すという、極く簡單な二つの法律でございます。但しこの現在あります省令とか勅令と、それでは今度御審議を願つております補助貨幣損傷等取締法と、すき入紙製造取締法と違う點が多少ございまするのでその内容のどこが現在のと違うかということを極く簡單に申上げます。その第一點は、何れも罰則の點でございまして、培助貨幣の蒐集、鑄漬、毀損の取締に關しまする現在の大藏省令では、罰則が御存じのように、三ヶ月以下又は百圓以下の罰金ということになつておりますのを、今度は一年以下の懲役又は、一萬圓下の罰金ということになります。それからすき入紙の製造取締法は、現在は十圓以上百圓以下の罰金、これは明治二十年の勅令だものでありますから、非常に低くなつておりますのを、今囘は五千圓以下の罰金又は六ヶ月以下の懲役ということに罰則が變りました點であります。これは司法當局でいろいろお調べを願いまして、現在の實際の法令の罰則を研究いたしました上で、大體の振合上こういうふうな罰則に改めましたわけであります。それから内容的には違つた點はありませんが、補助貨幣損傷等取締法と、現在ございます補助貨幣の蒐集、鑄漬又は毀傷の取締に關しまする大藏省令とで、字句が多少違いましたのは、現在は「地金トシテ販賣シ又ハ使用スル目的ヲ以テ補助貨幣ヲ蒐集、鑄漬又ハ毀傷スルコトヲ得ズ」というふうになつておりますのを、今囘の法律では「地金トシテ」というふうな字を抜かしました關係で、多少の字句の整理をいたしました。何故「地金トシテ」というふうな字を取りましたかと申上げますと、これは法律用語といたしまして、「地金トシテ」という言葉は、地金というのは大體今までの法律用語といたしまして、純金又は純銀を稱しておることになつておりまするので、例えばアルミ貨幣というふうなものは、多少合金になつておりまするので、これらを鑄漬しました場合には、罪になるかならないかというふうな、裁判官の判斷の問題として、疑わしい點がございましたために、「地金トシテ」という字を取りまして、字句の整理をいたしました點が多少違つておるだけでございます。
 それからもう一つすき入紙製造取締法の方は、これは只今お手許の方の御廻付いたしましたように、この白く透き通つておりますのと、黒く透き通つておるのと二つ透き通つた所が違うのでありますが、從來の取締法令では、黒く透き通りましたものも、白いものも兩方とも見本を添えて屆出でることになつておつたのでありますが、その實際の實益はございませんので、その屆出制度は止めにいたしまして、黒く透き入れた紙の製造、白くすき入れた部分は、貨幣とか、日本銀行券とか、公債證書等の類似のものだけを取締るようにいたしましたわけであります。現行法と多少違いました點は、その程度でございまして、何れも現在あります命令又は勅令宣は省令等に罰則がついておりましたのを、新憲法の下におきましては、苟くも罰則をつけるならば、法律でやらなければいけないという趣旨から現在あります勅令、省令を法律に變えただけの極めて技術的の法令でございます。御參考に尚違反の實例があるかというふうなことでございますが、現行のすき入紙製造取締規則に對します違反の實例は現在の處ないようであります、それから補助貨幣の損傷鑄漬等につきましても司法省に伺いますと、事件になつた奴はちよつとないようでありますが、なにか二十一圓だけのアルミ貨幣を集めますと五十圓の辯當箱ができるというような實例がありまして、それ等の鑄つぶしのことが警察に報告をさせられたという實例があるそうでありますが、これは別に事件になつておらないそうであります。只今申上げましたように、事件の實例は餘りないようであります。簡單でありますが、御説明として申上げます。
 白くすき入れた紙が薄くなつております。黒い方は紙を入れてありますので黒く見えるのであります。
#9
○委員長(黒田英雄君) 何か御質問ございませんか。御質問ございませんければ「金融機關再建整備法の一部を改正する法律案」につきまして銀行局長から御説明を願うことにいたしたいと思います。これも先般提案の理由の説明はあつたのでありますが、尚補足的の御説明をお願いしたいと思います。
#10
○政府委員(愛知揆一君) 金融機關再建整備法の一部改正法律案について逐條的に御説明いたしたいと思います。御參考のために只今謄寫板刷りのものをお手許に配付してございますのでありますが、それと法律案とお見較べの上お聽きを願えれば仕合せと存じます。
 この改正の法律案は金融機關の再建整備をいたしまする最終の處理の段階に入りまして、株主に確定損を負擔させまする場合に、若し未拂込がありまする場合にその未拂込を懲收しなければならないわけでございます。その場合における未拂込の資本金の懲收を規定いたしましたのがこの改正法律案の骨子になつておるわけであります。
 尚第二點といたしましてここに本案の大綱という中にも書いてございますように、再建整備中に解散する金融機關の措置に關しまする規定も、新たに挿入いたしたのでございまするが、この點はむしろ本案といたしましては重要性は未拂込資本金の懲收に較べてずつと少ないのでございまして、實は再建整備中に解散する金融機關というものは、事實問題としてこれは豫相されないのでございます。萬一さようなものがありました場合の法律的な措置を念のために規定せんとするものでございます。從いま島てこの改正法律案の骨子はまず未拂込次本金の懲收に關する諸般の規定である。こういうふうに御了解願つて差支ないかと存ずるのであります。條文から申しましてもここに書いてございまするように、第二十五條の二から第二十五條の十八まで二十五條關係の全部と第五十七條の二と殆んど大半はすべて未拂込資本金の懲收に關する規定でございます。ここに大綱としてプリントいたしてございまするように、未拂込資本金の懲收につきまして大別いたしますると、ここに掲げました三つの項目がその内容になつておるわけでございます。逐條的に申上げまする前に、まず以てその點について御説明いたしたいと思います。その第一點は未拂込資本金の拂込責任の問題でございまするが、これは指定時、即ち昭和二十一年八月十一日午前零時というのが指定時にすでに法律上決まつておるわけでございまするが、その指定時に現在いたしました株主がこれを負うところという原則を確立いたしまして、その指定時前に株主でありました者、それから指定時後に新たに株主になりました者には拂込の責任はないというのが第一點でございます。ただ併しながら指定時の後に新たに株式の讓渡を受けました者、即ち指定時後の新株主が場合によりましては拂込の催告に積極的に應じたいという場合もありうるわけでございますので、さような指定時後の新株主の要求がありまする場合には拂込をなしうるようにチヤンスを與えるということになつておるわけでございます。若しさような指定時後の新株主が拂込をしなかつた場合には、新らしい株主は失權をいたしまして、その所有しておりました株式はすべて指定時の株主に歸屬いたしまして、その歸屬いたしたところによりまして、拂込の催告が指定時の株主に對してなされるというのが第一の點でございます。
 それから第二の點は指定時後の新らしい株主が拂込に應じたものという例外的なものを除きましては、すべて指定時の株主が拂込の責任を負うのでありますが、その責任の態様もその株主が個人でありまする場合、法人でありまする場合、又法人の中におきましても、閉鎖機關でありまする場合、それぞれの場合に應じまして、その態様を異にするわけであります。即ち個人と閉鎖機關とは失權によりまして、拂込責任をも免れるのでありまするが、閉鎖機關につきましては、後に逐條的に申上げまするが、現在特殊の處理が進行中でございまするので、その關係を願慮いたしまして、買戻の機會を更に一定の期間だけ認めるということに相成るわけでございます。それ以外の法人につきましては、拂込債務は免れ得ないということになるのでございまするが、更にその場合にも二つの例外があるのでございまして、御承知のように特別經理會社と会融機關との拂込の債務は舊勘定に屬せしめられまするので、すでに制定されておりまする再建整備法の原則に從いまして、それらは打切整理をされるわけでありまするから、拂込債務という問題は起らないということになるわけであります。
 それから第三の原則は、指定時後に新たに株主になりましたものが、善意でその株式を取得した場合は、その株主が失權によつて蒙つた損失を直前の讓渡人に對して求償をなし得るという第三の原則があるわけでございます。指定時後に新株主になるものにつきましては、いろいろの場合があるわけでありまするが、當然拂込を催告されるであろうというようなことは全然豫想しない善意でその株式を取得したというような場合には、その起つた損失を讓渡人に對して請求をなし得るということになつておるわけであります。
 以上申上げました三點の中第一點と第二點が主たる内容になるのでございます。それから先程申しました如く、事實上の適用は殆ど豫想したしておらないのでありまするが、一應再建整備中に金融機關が解散する場合、これについての規定が元の法律には落ちておりましたので、その點をここに三點だけ追加規定することにいたしたのでありまして、第五十三條の二と第五十三條の三がその規定でございまするが、その一つは解散金融機關の清算人の作成いたしまする財産目録と貸借對照表竝びに債權者に對する債權申出の催告といつたようなものは、その金融機關の新勘定に屬するものについて行えば足りるということを法定したわけであります。又第二點は新勘定に屬する債務の辯濟を禁止する。第三點は再建整備完了後も一般原則によつて清算措置を進行する。かようなことに相成るわけであります。
 以上で全體についての一應の御説明を終つたのでありますが、以下各本條につきまして、簡單に逐條的に御説明いたしたいと思います。
 まずこの第二十五條の二に入りまする前に、法律案の方の、『第二十五條第一項第三號中「勅令の定めるところにより」を削り、同條第五項を削る。』というふうに相成つておるわけでございます。元の法律の第二十五條と申しまするのは、いろいろ決まりました方式によりまして、損失整理負擔の處理の順序が決まつておるのでございますが、第二十五條の第三號におきまして、「資本に未拂込金があるときは、勅令の定めるところにより拂込をなさしめ」という規定が元の法律にあつたわけでございまするが、その「勅令の定めるところにより」を削るというのがこの趣旨でございます。又「同條第五項を削る。」とございまするのは、その削られます第五項には、「第一項第三號の規定による拂込の場合に關しては、他の法令又は定款にかかわらず、勅令で特別の定をなすことができる。」というふうに規定されてあつたのでございます。その後新憲法の施行ということになりましたので、未拂込株金の徴收というがごとき個人或いは法人の權利の得喪に非常な關係のある問題を定める性質のものでございまするので、「勅令の定めるところにより」を削り、又「勅令で特別の定をなすことができる。」といつたようなことは全部これを削りまして、當時勅令で制定を豫想しておりましたことを、この法律によつて、法律として御制定頂きたいと、こういうふうに考えたわけでございます。
 さて第二十五條の二でございまするが、これには「前條第一項第三號の規定により」というふうになつておりますが、これは即ち元の法律の第二十四條の第一項第三號のことを言つておるのでありまして、その第三號の規定と申しまするのは、「資本の金額の九割に相當する金額まで、株主において確定損を負擔するものとする。」という規定でございます。その規定によりまして、「各株式につき拂込をなさしめる金額は、各株式につき計算された確定損の整理負擔額から當該株式の拂込濟金額を控除した金額を超える金額でなければならない。」、要するにこの整備の最終段階におきまして、未拂込を取るところのその限度をここで規定したものでございます。このプリントの方の説明の所を御覧頂くと分るのでございますが、ここに擧げましたような例におきまして、舊株が四十五圓の拂込濟みであつて、確定整理負擔額は四十二圓五十錢で、ある場合におきましては、舊株については、殘りの五圓についても拂込を取る必要はないわけでありまするが、第一新株については、確定損が四十二圓五十錢に對しまして、拂込濟額が四十圓でございますので、その差額二圓五十錢、これを越える額を未拂込として徴收しなれけばならない。で、端數整理とか、將來の資本構成とか考えまして、これを三圓にするも可でありまするし、或いは五圓ということになつても結構である、かような規定でございます。若し第二新株について申しまするならば、その拂込濟額が二十五圓ある場合、差額は十七圓五十錢になりますので、十七圓五十錢を一錢でもオーヴアーする金額、例えば十八圓でも、或いは二十五圓でもこれを徴收してよろしい。「但し、當該株式の未拂込金額を超えることができない。」これは當然のことでございますが、これだけのことを本條におきましては規定いたしたわけでございます。
 次は第二十五條の三でございます。第二十五條の三は、いろいろの規定がございますのでありますが、一口に申しまするならば、かくいたしまして減資をいたしまする等の場合におきまする株券の整理の規定である。又第二項、第三項等におきましては、減資の效力の發生の時期等のことを規定いたしておるのでございます。再建整備によつて減資しなければならない金融機關で、株券を發行しておりまするものは、その株券を一定の期間内に提出せしめまして、減資後におきましては、券面金額等を改訂して返還せしめるということにするわけでございます。ここにもございまするように、株主及び登録質權者は、一ヶの月範圍内で決められました期間内に、株券の提出すべきものを報告するわけでございます。そうして囘收しました株券につきましては、その記載事項の中で、一株の金額その他の事項に所要の變更を加えるわけでございます。例えばその他の事項と申しますのは、資本の總額等でございまして、その點は商法二百二十五條の規定に照應して決めるわけでございます。それから新たなる株券を交付いたしまする時期は、減資の效力が發生いたしました期日の後ということになるわけでございます。かようにいたしました囘收いたしました株券に、所要の變更を記載せしめまして返還をする、それを以て新株式とするというようなことは、一株の株金額が、先程の例でも申上げましたように、例えば五圓とか七圓とか、商法の要求するところと異つて來る計算になるのでございまするが、その變則的な事態は、いずれにいたしましても、すでにできておりまする金融機關再建整備法の第三十一條の第三項によりまして、減資後一ヶ年を限るという特殊の短期間の變態的な事項でございまするので、早晩どつちみち株券等の變更を要しまするので、現在の用紙不足等の事態に鑑みまして、かような變則的なことを認めようとしたものでございます。
 それから次は、法律案の二項の二行目になるのでありますが、この條項の第三項は、減資の效力の發生の時期を謳つておるのでございます。これは、ここに他の條項をいろいろと引ひておるのでございまするが、簡單に申しまするならば、未拂込株金を徴收しない金融機關の場合と、それから未拂込株金を徴收する金融機關との場合に分けまして、未拂込株金を徴收する金融機關につきましては、拂込の期日に減資の效力が發生をするわけであり、それから未拂込株金を徴收しない金融機關につきましては、株券を發行しておる普通の場合には、この條項の第一項の公告によつて明らかとなりまする株券の提出期間の滿了したときであり、又は農業會その他のごとく株券を發行しておりませんときには、新舊勘定の區分の消減をした日というふうに規定してあるわけでございます。すべて先程も申しましたように、減資の場合の株券の處理と、或いはその效力の發生の時期といつたようなことを、この二十五條の三では規定いたしておるわけでございます。
 次は二十五條の四でございます。第二十五條の四は、指定時の後の新株主に對する催告でございます。冒頭に用しましたごとく、未拂込の徴收の催告を受け、又その責任をしよう者は、指定時の株主でございまするが、この第二十五條の四では、指定時後の新株主に對しましても、拂込に應じない場合には應じさせるというチヤンスを與えると申したのでありますが、その場合を規定しておるわけでございます。從いまして、この法律文のプリント制のもので申上げまするならば、三頁の三行目の直ぐ上下が括弧になつておりまするちようど眞中に「以外の株主」とありますが、この「以外」というところに意味があるわけであります。即ち指定時において株主として株主名簿に記載されたもの以外の株主に對しては、「前條第一項の期間内に決定最終處理方法書に定める當該株式の未拂込株金の拂込をなすべきものを催告し」とある通り、指定時後の新株主に對する拂込催告の規定であります。若しその株主が拂込に應じません場合は、その催告が初めからなかつたものとみなしまして、それと同時にその株主は失權をいたします、又その株式は原則としては指定時の株主に歸屬するわけでありまして、指定時の株主が存しない場合又は指定時の株主が現在失格しておる場合等には、遡つて未拂込株金徴收金融機關それ自體に歸屬せしめるわけでございます。信託の場合とか或いはその他の規定がございまするが、一口に申しますれば、今申したところに盡きるわけであります。次は第二十五條の五について申上げたいと思います。第二十五條はこれは愈々本格的な指定時の株主に對する拂込催告に關する規定でございます。前の規定によりまして第一囘の拂込催告が效力を失いました場合には、その拂込期間の滿了後二週間經ちましたときから一箇月以上二箇月以内の範圍内で指定時株主の拂込期日を定めるわけであります。そうして拂込の催告をいたすわけでございます。たで問題になりまするのは、冒頭に總括的に申しましたように、金融機關と特經會社につきましては、現在それぞれ再建整備、或いは企業再建整備等の法律によりまして、現在新舊勘定に區分して整理を實行中であるわけであります。舊勘定に屬する株式の未拂込株金を拂込催告に應じて新舊勘定の區分の存續中に拂込むことは、法規上もこれは禁止してあるわけでありますし、又適當でもございません。從つて金融機關又は特經會社の拂込期日は、その催告が新舊勘定の存續中にあつた場合は、その區分が消滅いたしましてから一箇月を經過した場合ということになつておるわけでございます。その點がこの二十五條の五の第四項によつてはつきりといたしておるわけでございます。
 次は二十五條の六について申上げます。第二十五條の六は失權の規定でございます。指定時株主に對する拂込催告のありました場合に、その株主が個人又は閉鎖機關である場合には失權を認めるというのが、この規定の骨子でございまして、信託等の場合におきましてはやはり委託者が個人又に閉鎖機關である場合には、この原則を適用するわけであります。この二十五條の六はただそれだけのことでございまして、注文にもございまするやうに、左の各號の一に該當するものである場合において拂込がありません場合には、その株主は拂込の義務を免れ、失權をするということでございまして、そのものというのは、法人以外のものの所有する株式と、閉鎖機關令によつて指定された閉鎖機關の所有する株式、要するに個人と閉鎖機關の失權の場合の規定でございます。ここで何故に個人と閉鎖機關だけ失權を認めるような考えをとつておるのかということについて簡單に附加えて置きたいと思います。個人につきましてはすでに財産税の負擔等を大きく背負つておりますることと、株金拂込の負擔力が法人に比して小さいこと、又これ以上特殊の負擔を強制することは酷に失すると考えまするのみならず、又これを強制することは却つて全體の再建整備を遲らすというふうに考えたからでございます。それから閉鎖機關につきましては、前にもちよつと申しましたように、閉鎖機關令によりまして特殊の整理を實行中でございます。特殊の整理をやりました結果、他の債務を比較いたしまして株金拂込に應ずる力がある場合はともかくでございまするが、然らざる場合は特に未拂込株金を優先させるということは不合理であるというふうに考えましたので、拂込を閉鎖機關側の任意に委せることにいたしたのでございます。
 次は二十五條の七でございます。二十五條の七の規定は、未拂込株金の強制徴收の規定でございまして、本法律案中の一つの重要な點をなしておるのでございます。第二十五條の七におきましては、法文にもございまするように、全條各號に掲げるもの以外のもの、即ち失權を認められない法人その他の場合でありまする場合には、その株主が拂込期日までに拂込をしない場合の規定でございます。その際は未拂込株金の拂込をしない株式を、一つは競賣法の規定によつて競賣をする、併しそれだけには限定いたしませんで、他の方法によつて賣却することも認めるということになつておるのでございます。以下商法の規定が澤山關係して參つておるのでございまするが、このプリントの方で御覧頂きまするように、その株式の處分につきましては、大體商法の滯納株式處分手續に準じておるのでありまするが、處分の方法は今申しましたように任意賣却をも認めておるというところに特徴があるわけでございます。それから指定時株主から前の株式讓渡人には一切責任を負わせない原則を取つております。又株式を處分して得ました金額が滯納金額に滿たない場合、未拂込株金徴收金融機關は、指定時の株主に對してのみ不足額の辨濟を請求し得る、それから滯納株式を處分できません場合は、株主に對してその旨を通知し、その株主を失權させるということになつておるのでございます。それらは例えて申しまするならば、商法二百十四條第二項及び第三項の規定の準用という場合のことであるわけでありまして、即ち滯納株式の處分によつて得た金額が滯納金額と違約金の合計額より多つた場合は、その超過額は株主に戻すという規定が、商法二百十四條第二項の規法でございまするがごとく、その點におきましてはこれを準用しておるわけでございます。それからこの法律案の第三項、即ち八頁の二行目以下に書いてありまするところの商法とか非訟事件手續法の規定というのが準用されておりまするのは如何なる場合かと申しますると、これは會社整理の場合の株金の拂込に關して認められた簡易手續による強制執行の手續でございます。即ち強制執行は通常の方法によりまする場合は、裁判所の判決を受けて、執行文を附した判決の正文に基かなければこれをなし得ないわけでございまするが、多數の株主を相手としてこのような手續を取ることは、實際問題としてできませんので、煩に堪えませんので、簡易な催告手續を經まして、株主の表によりまして裁判所の認可を得て強制執行がなし得るというようなことに相成る譯でございます。
 次は第二十五條の八について申上げたいと思います。第二十五條の八は金融機關指定時株主が金融機關である場合の特例でございまして、即ち金融機關たる指定時株主が未拂込株金の徴收の催告を受けた場合、その規定をここに出したのであります。ここに第一項に、九頁の一行目でございますが、「當該金融機關に對し第二十四條第一項第七號云云」の「規定の適用があるときは、」と書いてございまするが、これは金融機關再建整備法の本法によりまして御承知のごとく確定損がございまする場合に、その損を誰がどういうふうに負擔するかということが一號から十號までに亙つて、極めて詳細に規定されている譯でございます。例えば益金があります場合に先ず益金がこれを負擔する、次は積立金、次は資本金の九割、次は法人の大口預金の割合というようなことを切捨てまして、いわゆる預金その他の債務の七割の切捨計算がなされる譯でありますが、それらのことが規定されておりますのが二十四條第一項七號又は第九號の規定の適用があるときでありまして、この第七號によりまして、初めて未拂込株金を徴收しなければならん。それが確定損の負擔をするという順序がここに現われて來る、その場合を言つておるのであります。かかる催告を、金融機關たる指定時株主が受けました場合におきましては、金融機關再建整備法の規定に從いまして、先程も申しましたように、その拂込債務の切捨整備をいたすのでございます。金融機關が未拂株金拂込の催告を受けました場合には、その額につきまして、拂込催告額についての打切額の計算をしたしまして、それに相當するだけの數の株式について失權をするということになる譯でございます。これが即ち法文で申しますると、「催告のあつた株式を、株式を發行した者、株式の種類及び拂込催告額の異なるものごとに區分し、」その「異なるものごとに、」ということがこの法律に書いてある譯でございます。そうしてその區分の異なるごとに應じて確定損の整備負擔額を計算する。而も計算した額を、當該區分に屬する株式の一株あたりの拂込催告があつて除して得た數の當該區分に屬する株式について失權をするというのがここで規定されてあるのでございます。これを極く簡單に單純な例で申上げますならば、拂込催告額が二十圓のもの、而もその株式が種類の異らざる同一種類の株式につきまして、拂込催告額が二十圓でありまして、その株の數が四株について考えまするならば、損失の負擔額は四十八圓となる譯でございます。その四十八圓を二十圓づつで割りますと、株の數は二・四株となるのでありまするが、これを一以下の端數がある時は端數を切上げまして三に切上げて三株だけ失權をするということになるわけであります。尚又ここに區分の異なる毎に區分するとありますのは、發行いたしました金融機關の別、それから株式の種類というのは優先株、未拂株、議決權のない株といつた種類の株であります。それから催告額が異なるというものについては特に申上げる必要もないかと思うのであります。要するに今申しましたように同一の區分の株であつて、確定の損失の負擔總額を出しまして、その總額を拂込催告額で割りました株式の數、それに一以下の端數がある時にはその端數を切上げてその株式について失權さするということになつているわけでございます。非常にこういうことはややつこしいのでありますが、尚又必要に應じましては詳しい説明によりまして御説明いたしたいと考えます。第二十五條の九は只今申しました金融機關の場合と大體同じでございまして、特に會社が指定時の株主とありまして、未拂込株金の催告を受けた場合でございます。即ち指定時株主特經會社が拂込催告を受けました場合において、當該特經會社が舊債權の切捨整理をしなければならん場合は、各株式の拂込債務について各株毎に損失負擔率を乗じて、これを切捨てることの代りに、同一區分に屬する株式は一活してその區分に屬する株式の數に損失負擔率を乘じて得た數の株式を失權整理するということで簡易なる方法によつて失權の株數を決めよう、こういう考でございまして、その趣旨なり、立法の必要性は第二十五條の八と全く同様でございます。それから次は第二十五條の十でございますが、これは金融機關が指定時に所有いたしました特經會社の發行した株式についてその未拂込の催告を受けて失權整理を認められるのでございますが、それ以外の株式については催告額の全額拂込に應じなくてはならないということでございます。
 それから第二十五條の十一は打切り整理と舊勘定の關係を書いたものでござしまして、金融機關が最終處理の完了、即ち新舊勘定の區分が消滅いたしました後に未拂込株金の拂込催告を受けました場合には、最終處理完了前に拂込催告を受けた場合と同様に失權整理をするという規定でございます。これは金融機關が新舊勘定の區分が消滅した後に催告を受けますと、新勘定でこれを全部負擔しなければならないということに一應はなるわけでございますが、左様なことになりますると早く金融機關が整理をいたしたものが却つて負擔が重くなる。再出發いたしました金融機關に對して後から拂込催告があつた場合には特にそういつたような不利があるということでは全體の均衡を失しまするので、最終處理完了前に拂込催告を受けたのであつたろうという程度にだけ、これは失權を整理するということにいたしたわけでございます。それから次は第二十五條の十二でございます。この規定は特經會社の新舊勘定の併合後に未拂込株金の拂込催告を受けた場合でございまして、これは又二十五條の十一と同じような立法理由であり、立法の趣旨になつているわけでございまして、本條を設けました理由といたしましては、新舊勘定が併合されてしまつて、最終處理が全部完了したということによりまして、特經會社というものは、特經會社でなくなるわけでございます。從つてその最後は、もしや打切り整理をなし得なくなるわけでございますが、それでは折角新舊勘定を併合して、整備計畫を實行した會社の方が負擔が重くなるということになりますので、これの均衡を考えて、かようにいたしたに過ぎないのでございます。二十五條の十三でございまするが、これはここにプリントに書きましたように、三つの場合がござしまして、指定時株主が失權した株式は、未拂込株金徴收金融機關それ自體に歸屬するということをその一つとして謳つてございます。それから第二點は、すべて株主の失權によつて未拂込株金徴收金融機關に歸屬した株式は、決定最終處理方法書に定めるところにより、競賣その他の方法によつて、處分しなければならないというのが第二點でございます。又第三點は、指定時株主、閉鎖機關が失權した株式については、一定の日まではその株式の拂込催告額に相當する金額で、買戻しができるのでございます。でこの點は先程も申上げましたように、閉鎖機關の整理手續が完了しない間は、拂込の事業を閉鎖機關としては持ちませんので、止むなく失權することになりまするので、一定の整理段階に達するまでに、買戻しの期間を閉鎖機關に認めておこう、こういうのが、この第三點の立法の趣旨になつておるわけでございます。
 次は二十五條の十四でございまするが、二十五條の十四は、指定時の株主であるまするところの閉鎖機關が、前條の規定によりまして、失權をした場合に、その閉鎖機關には議決權を殘してやりたいと、失權によりまして發行した金融機關の自己株となつた當該の株式につきまして、商法第二百四十一條の規定に拘らず、即ち自己株については、議決權を有しないという規定があるに拘らず、議決權を存在させたいという規定でございます。そうしてその議決權の行使を當該閉鎖機關の特殊整理人に委任をするということにいたしたいと考えたわけでございます。
 それから次は二十五條の十五でございまするが、これは指定時後に新たに株主となりましたものが、拂込の催告を受けました場合は、必ずしも拂込に應じないでもよいことになつておりますることは、先程申上げた通りでございます。併しながら拂込に應じない場合には失權をいたしまして、その株式は指定時株主に歸屬するのでありまするが、それによりまして生ずるところの損害を前の讓渡人について求償することができる。そうして求償によつてこれを保護しようということでございます。この規定は順次指定時株主にまで遡つて行くわけでございます。ただ併しながら法人の場合と、それから證券業者というような專門の人、或いは又私共、その他この立案當時に參與いたしまして、かかる事態が起ることを豫め豫知し得る地位におつた者というような者については、こういう求償權を認めてやる必要がありませんので、それらの者はここに省いたわけでございます。それ以外の者については、順次前の讓渡人に對しまして、だんだんと求償させることを認めたわけでございます。尚ここに五月一三日と書いてありまするのは、五月一三日當時、關係方面とかかる種類の交渉がまとまつた日でございまして、その日以後におきましては、すべての人が先ずこういうことを豫知し得たであろうという、その時期にここに一線を劃したわけでございます。
 それから第二十五條の十六は、民法、商法の相殺の規定を排除いたしまして、特例を設けたものでございます。即ち商法二百條の二項の規定によりますれば、株券の拂込については、相殺は認められません。對抗し得ないことになつておるのでありまするが、債權整理に伴なう未拂込株金の拂込については、相殺を認めるというのが第一點であります。
 第二點は、相殺は民法第五百五條によりまして、辨濟期の到來したもので兩方共なければならんわけでありますが、この場合には、辨濟期前の債權を以てしても對抗し得る。未拂込株金の拂込について相殺することができるという規定をいたしたものが第二點でございます。いずれもここに條文に明かでございますように、商法第二百條第二項その他の規定の關連をここに謳つてあるわけでございます。
 次は第二十五條の十六で、この相殺を認めた理由でありますが、これは株金の拂込は、現實に金錢を以てなされるということは當然の原則でございます、併しながら株主に現金がない場合、強いて現金徴集を原則とするということにいたしました場合には、株金の徴収を困難ならしめるし、又再建整備それ自體を遅延させる虞れがあるので、かかる特例を認めて頂くことを適當と考えたわけであります。
 それから第二十五條の十七でございますが、これは未拂込株金の拂込につきましては、相殺を前條で認める外に、更に國償、地方債その他の有價証券を以ても、その拂込に充て得る特例を設けたのであります。これまたその立案の趣旨は、先程申上げました相殺の規定を置きましたのと全く同様でございます。
 それから次は二十五條の十八でございますが、これまた商法の規定の適用を、再建整備法に基きましては、原則として排除しまして、必要ある場合には、これを準用するに止めてあるのでございますが、本條においては、商法未拂込株金徴収に關する規定の適用排除をここに規定いたしたのであります。これについては、他に附け加えることもございません。
 次は第五十三條の二でございますが、第五十三條の二は、冒頭にちよつと申しました如く、株式會社たる金融機關が再建整備中に解散した場合でありましても、再建整備法の規定の適用はあるのでございます。その舊勘定は、再建整備法の完了、即ち新舊勘定區分の消滅いたしました後に行われることになるのでありますが、新勘定については、清算の準備的措置はとつておく必要がございますので、財産目録なり、貸措對照表の作成なり、債權者に對する債權申出の催告に關する商法の規定は、新勘定について働くということを規定したわけでございます。
 次は五十三條の三でございますが、第五十三條の三は、解散金融機關に關する只今の規定と關連するものでございまして、解散金融機關の自主的の清算措置が、再建整備法及び最終處理完了後は行われることになるのでありますから、それまでは、新勘定に屬する債務の辨濟を停止せしめる必要があるわけであります。ここに擧げました、金融機關經理應急措置法第十六條は、舊勘定債務辨濟の禁止の規定であります。この十七條は、債權特定の禁止の規定でありますが、これらの規定を解散金融機關の場合の新勘定の規定に準用したのであります。
 最後に五十七條の二は、信用組合農業會、漁業會等いわゆる組合組織の金融機關の會員又は組合員が未拂込出資金の拂込催告を受けてこれを免れて失權をいたします。併しながら他の金融機關の場合と異りまして、これらの組合員又は會員というものは資金の貸付を受ける權利なり或いは施設の利用なり商品の購入といつた別個の金融機關として特殊の地位を持つておりますので、失權をいたした株式會社である金融機關に對する場合と異りまして、失權をした後六ヶ月間を限つてその特權を享受することを認めようと、こういう趣旨でございます。
 尚最後に「附則第二項の次に次の一項を加える」とございますのは、單純な讀替規定でございまして、現在の有價證券業者について、證券取引法がまだ施行されておりませんので、その施行に至るまでは有價證券業取締法に規定してある有價證券業者を以て有價證券業者とすることにしようとこれだけのことでございます。大變長くなりましたのでありますが、以上を以ちまして逐條的の説明を終ります。
#11
○委員長(黒田英雄君) 五十七條の二は、この前指定機關の何か一部改正がありましたね、この議會に出たあれと同じようなものですか、どういう關係があるのですか。
#12
○政府委員(愛知揆一君) 趣旨は全く同じであります。あれは新勘定増資のことを規定しております。趣旨は同じことであります。
#13
○委員長(黒田英雄君) あれは解散した場合ですか。
#14
○政府委員(愛知揆一君) はい。
#15
○委員長(黒田英雄君) この法案につきまして、御質問がございますならば、お願いしたいと思います。大變複雜なので……。
#16
○西郷吉之助君 今日はこれ位で打切つたらどうですか。
#17
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこの程度にいたしまして、尚御研究を願いまして、この次に御質疑をお願いいたすことにしたいと思います。本日はこれにて散會いたします。
   午後三時四分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
   委員
           下條 恭兵君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           木内 四郎君
          尾形六郎兵衞君
           深川タマヱ君
           星   一君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
  政府委員
   大藏事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
   大藏事務官
   (銀行局長)  愛知 揆一君

ソース: 国立国会図書館
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