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1947/11/26 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第23号
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1947/11/26 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第23号

#1
第001回国会 決算委員会 第23号
昭和二十二年十一月二十六日(水曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 竹谷源太郎君 理事 島村 一郎君
      片島  港君    河合 義一君
      高津 正道君    戸叶 里子君
      馬越  晃君    大上  司君
      中曽根康弘君    冨田  照君
      平井 義一君    宮幡  靖君
      受田 新吉君
 出席政府委員
        内務事務官   林  敬三君
        内務事務官   荻田  保君
 委員外の出席者
        專門調査員   大久保忠文君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 内務省及び内務省の機構に關する勅令等を廢止
 する法律案(内閣提出)(第一〇二號)
 地方財政委員會法案(内閣提出)(第一〇三
 號)
 内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法
 律案(内閣提出)(第一一三號)
    ―――――――――――――
#2
○竹山委員長 これより會議を開きます。
 内務省解體に關する三法律案についての質疑を續行いたします。竹谷君。
#3
○竹谷委員 本法案の第二條に「地方財政委員會は、國家公益と地方公共團體の自主權とが調和するように、地方財政の自主化を圖るため、左に掲げる事項を包含する計畫を立案する。」とありまして、次に租税の賦課及び徴收に關する事項ほか四つ、併せて五つの項目について、これを含むところの計畫の立案機關ということに、地方財政委員會は相なつておりまするが、まず地方財政委員會の性格、竝びに權限、及び企畫立案する計畫の範圍等についてお尋ねをいたしたいと思います。この地方財政委員會は單なる企畫立案だけであつて、執行については全然關與しないかどうか、それをまず確めておきたいと思います。
#4
○林(敬)政府委員 第二條によりまして、御承知のように、この委員會は企畫立案を本來の使命といたしております。しかしながら執行の部面につきましては、附則に一番末項にもつてまいりまして、「内務省の發止後は、法律を以て別段の規定をなすまでの間は、地方税法、地方分與税法その他の法令により地方財政に關し從來内務大臣に屬した權限は、臨時に地方財務政委員會の補佐により、内閣これを行うものとする。ということになつておりまして、内務省廢止後は、地方税法、地方分與税方その他の法令によつて臨時に執行事務を附加されて行うということになつております。しかし本來の使命は企畫立案を使命とし、かつそれがうまくいつておるかどうかということを最後までとレースして、それについて必要な修正も加え、あるいは關係各廳に對して勸告をすることができるということで、一箇年の存續期間中は附則の第三項によりまして諸般の調査もい、第四項によりまして關係機關に對して勸告をすることができることに相なつております。これらが本來の使命でありまして、そのほか未項によりまして、臨時に附加的に執行事務を行うことに相なるのであります。
#5
○竹谷委員 附則の未項の規定によつて、内閣總理大臣の補佐權關しして臨時に執行の事務を行うということでありますが、地方税法、地方文與税法その他の法令による大臣の職權というものは、將來委員會ができて、新たな各種の法案ができますれば、大體かくのごとき各大臣の權限は多く抹消せられることになる。そうなればもはや一箇年の存續期間内にありましても、この財政委員會は執行事務は行わないということに相なるかどうか、それを承つとおきたいと思います。
#6
○林(敬)政府委員 お尋ねの點は理論的に申しますれば、もし完全なる地方財政の自主化ということができまして、そのプランが立つて、法律が通過して施行になりましたならば、この末項によるところの大臣の權限というものはなくなるわけでございます。しかしこれはそういう前提に立つた場合でありまして、中央政府が地方財政について何らかの權限ももたないということは、もしでき得れば理想としては一つの望ましい理想であると存ずるのでありますけれども、現在の日本の財政状態その他から考慮いたしますと、やはり結局において若干のものは殘るのじやないか。今までの強力なる、地方をむしろ押えつけているのではないかと思われるような監督權というものは、いかにこういう窮迫して財政状態でありましても、これをできるだけ削減し縮小して、地方財政が自主的、かつ自立的に行われるようにもつていくのが、この地方自治化の理想であると存じますけれども、それにしても中央において若干の權限というものはどうしても殘らざるを得ないのじやないかということを、私は豫想されるのであります。その場合においては、やはり引讀いて中央政府においてこの權限をこの法律によりまして、他に地方財政自主化の法律によりまして、その殘つた權限をどの大臣にやるか、どの大臣に行わしめるかということが別にきまらぬ限りは内閣總理大臣がこの自治委員會一箇年間の存續期間の間は、その委員會の補佐によつて行うことに相なつております。
#7
○竹谷委員 そうしますと、私も多少どうしても地方財政に對する中央政府の何らかの形における地方財政の仕事を扱う機關が必要になつてくるのではないかと思う。さような地方財政委員會がなくなりましたあとにおいて、中央政府において地方財政を掌るところのそうした機關は、これはやはり第二條によりまして地方財政に關する機關についても、企畫立案するところの權限を有するものと考えて差支えないかどうか。
#8
○林(敬)政府委員 竹谷さんのお考えになりました通りに當局も考えております。
#9
○竹谷委員 次に地方公共團體の自主權が確立せられ、地方財政が確固たるものとなりまして、地方行政の民主化がはかられますことはまことに結構なことであります。しかしながら現在の日本の地方自治團體の状況をもつてしては、地方財政が今日の状態においては、そして現在の地方自治團體の區域なり、あるいは包容する人口、財力、これをもつてしては、なかなか國家公益と地方公共團體に自主權とが調和するように、そうしたふうに地方財政を確立することを立案するのは、きわめて困難なことであると思うのであります。それでこの第二條の第一號から第五號まで、それぞれ租税なり、あるいは借金のことなり、あるいは豫算決算に關する事項なり、あるいは國家資金の配文に關する事項、あるいは財政報告等に關する事項を羅列してありますが、こうした具體的な問題はむしろ枝葉末節でありまして、より根本的な、いかにすれば、地方自治團體というものを再編成をして、自主權が確立せられ、そうして地方財政が確保せられるように相なるか、どうしても現在の府縣、市町村というような、日本の現状における地方公共團體というものを根本から考え直してみなければ、とうてい眞の意味の地方財政の確立は困難ではないか。この問題はきわめて重大な一つの國家の再編成のような、國家を組成するところの地方公共團體をつくりかえることになりまして、きわめて重大な根本的な問題でありますので、地方財政委員會はかくのごとき問題にまで觸れて審議し研究し、そして企畫立案する權限を認められているかどうか。この點を伺つておきたいと思います。
#10
○林(敬)政府委員 御質問は根本の問題に觸れた、まことにごもつともなお話だと存じます。當局といたしましても、ほんとうに地方の自治の確立ということになりますと、日本の現在の府縣、市町村の區域ということでは、特に財政の問題になつてまいりますと、再檢討を要するものが非常にあるということを、心から認める次第でございます。この委員會の目的といたしております地方財政の自主化ということにつきましても、これを完璧なものならしめるためには、やはりその一番核心に觸れていかなければならないと存ずるのであります、それで當然この委員會としても、これは堀り下げていきますればその問題にまで及んでいくと存じます。また必要に應じては、それについて政府當局に對して計畫を立案して申出をして、政府當局との間にいろいろな交渉をする。あるいは政府當局を啓發するというようなところまではいつていかなければならなくなるのではないかということを、十分豫想されるのであります。しかしながらよく竹谷さん御經驗でもつて御承知の通りに、なかなか府縣の區域の問題、あるいは市町村の區域の問題、人口の問題、それらをいじるということは、これをいじらなければ根本的の抜本塞源的な解決はつきませんけれども、しかし民情、風俗、習慣その他いろいろ複雑なものが全部總合されて、ああいう自治體をつくり上げて、ああいう區域になつておりますので、これを再編成することはお話のように大問題でございます。一朝一夕にはできない。またそのときにおけるいろいろ政治上の力も考え合わせなければならない。あるいは大きく言えば、國際問題その他も考え合わせた上でもつて、しかもやるときはやる、あるいはできないときはこれはしばらく見送るということをやらなければいけないことになると思うのであります。しかしながらまた一方においては、それをやらなければ財政自主化というものについてはもう手をこまねくのかというと、そういうこともまた許されないのであります。講和條約を間近かに控えまして、憲法の中に認められておりますところの地方自治というものを、與えられた状態においてもできるだけ完璧なものたらしめるというためには、さしあたり現状の區域のままといたしましても、どういう有力な税を地方へもつてくるか、どういうふうにして地方團體の自主的な、あるいは自立的な税制の確立をはかることができるだらうか、あるいはどういうふうにして中央政府からの地方團體に對する財政監督權を縮少し、しかも弊害なからしめていくことができるか、こういうことを考えて、さしあたりの立案をし、さらに一方深く堀下げて、根本的なものについてはこういう方向で行かなければならない、こういうようなものの考え方をおそらくこの委員會ができ上つたならばやらざるを得ないのではないかというふうに考えられるのであります。國家公益と地方公共團體の自主權とが調和するようにという點につきましても、これらの點をいろいろ考え合わせました結果、ただ地方財政だけがよくなれば國家財政がどうなつても構わないというようなことは、これは實行不可能なことでありますので、この點國家の公益も考え、しかもそれを許される範圍内において最大限度に地方の財政の自主化を確立強化する、こういうつもりで、公布後九十日の間に法律案をつくつて、そうしてまず日本の現状においてのできるだけの地方財政の確立についての研究と答申を講ずる。なおこれらの問題から派生しまして、今おつしやつたような根本に觸れれば、ここにはいつていかなければならぬというようなことの研究をいろいろ行つていく、こういう行き方に相なると豫想されております。
#11
○竹谷委員 當局の答辯はもつともだと思います。なかなか公共團體の區域の變更ということは大問題でありまして、諸般の社會情勢、經濟情勢その他まことにむずかしい問題ではありますけれども、しかし現在の日本の、たとえば都道府縣というものの區域も、これは明治維新後間もなくきめられ、それからごく小さい範圍で多少の移動はありましたが、その後何十年とそのままの區域が維持せられておる。しかもその間に、交通も、文化も、經濟状態も、政治情勢も、まるで激變をいたしておるのでありまして、今日本の革命期にあたつてこうした國土の計畫の意味からも地方自治團體の區域の再編成ということは、當然眞劍に取上げて研究をしなければならぬと思うのであります。なお人口やあるいは産業、あらゆる問題の再編成とからんで地方自治體の區域ということも決定せられなければならないので、實に根本的なむずかしい問題でありますが、これを考慮しつつ地方財政の自主化ということも考えらなければならぬと私は確信いたします。御承知のように、人百萬にも足らぬ府縣が非常に多く、また生産力もきわめて貧弱であり、とうてい府縣として、實力ある地方自治體としての職能を發揮し得ない現状でありますので、この點に十分檢討が加えられなければならないと思う次第であります。しかしこれは國土計畫、あるいは地方自治團體の再編成というような非常にむずかしい問題でありますから、これ以上質問は差控えます。しかしながらこの委員會がわずか成立してから二箇月の間にこの大問題を取扱わなければならぬ。そして法案をつくつてしまわなければならぬ。これはなかなか至難事に屬すると思うのであります。一箇年間存續して調査研究をいたしまして、そのまま一應解體する、こういうことになつておりますが、どうしても今後においては繼續して、こうした地方財政委員會のようなものが權威をもつて日本の地方自治、地方財政という問題について研究をし、またりつぱなる計畫を立案して、順次地方自治體というものの確立をはかつていくのでなければ、新憲法の要求するところの地方自治の健全なる進歩發展というものは困難ではないか、かく考えるのでありますが、當局はいかようにこれに關する意見をもつておられるか、それをお聽きしておきたいと思います。
#12
○林(敬)政府委員 今、竹谷委員のお話になりました前段の點につきましては、いわゆる區域の問題は、今後日本の國の一つの大きな問題であると存じます。お話のように國土計畫あるいは地方計畫あるいは自治團體の育成發達、あるいは自治團體の財政、これらの點から見まして、新しく生れて、伸びていこうとする日本にとつて、これらの點を併せ考究した一つの正しい意味における大きな政治問題として政府としてもこれを鋭意研究もし、またでき得る限りの具體化に盡すベき大切な問題であると存じております。
 第二の點の地方財政の確立について中央にしつかりしためんどうを見、心配をする機關を確立しておくことが必要ではないかという御意見はまつたく私どもも御同感でございます。この財政委員會ができまして地方財政の自主化について最大の努力をして法案を書きます。そして中央政府において今後地方財政のお世話をする若干の權限が殘り、あるいは業務が殘るといつたような場合にそれをどの機關で取扱うかという問題も法律の中で併せてきめるベきもの、またきめなければならぬものと存じておるのであります。その場合にはやはり權威をもつて地方財政を研究し立案し、またその實際を知るところのりつぱな機關にそれが移行されていくことが最も望ましいことと考えております。
#13
○竹谷委員 第二條の第一號に「租税の賦課及び徴收に關する事項」これに含むところの計畫を地方財政委員會が計畫、立案する、こういうことになつておりますが、現在の日本政治經濟のあらゆる部門の激變期にあたり、特に經濟上の變動のはなはだしい、一寸先がわからないような經濟、財政の現状において、いかなる租税を地方財政において認めるかというようなことについても、きわめて困難な問題があり、また一度きめましても一年と經たないうちに變更しなければならぬというような事態も起つてくると思うのであります。從つて地方財政について、企畫、立案すべき地方財政委員會が、わずか一年間で解消するということになると、それらの情勢に應ずるところの適切な地方税制に關する企畫、立案ができないということになります。その觀點から見て地方財政委員會が一年間で仕事を終えた後においても、やはり具體的な身近な租税の問題だけを取上げて見た場合、どうしても中央において調査、企畫、立案するような機關の必要を認めざるを得ないのであります。そうするのでなければとうてい現状における日本の地方自治體の財政の健全なる運營は困難であると私は痛感をいたす次第であります。
 以上は意見でありまして、なおお尋ねいたしたいことは、一體この法律が速やかに公布になりましても、實施になるのが一箇月以上あとになりますが、それから二箇月になりますが、それから二箇月の間にこうした一應體裁の整つた地方財政に關する各般の法案等の準備ができる。これはむろん今の内務省當局がやるのではありませんが、この地方財政委員會においてさような事務上の運びだけでも一體できる見込みがあるかどうか、承つておきたいと思います。
#14
○林(敬)政府委員 税について例をあげてお話がございましたが、お話の通りに非常な激變期でありまして、どういう税を地方に委讓いたしましても、また一年先になると確かに修正を要する點がどんどん出てくるのではないかと思います。この委員會が思い切つてここで地方財政の自主化をはかるための根本の體制をつくり上げていつて、この委員會の任務を果すといたしましても、今後數年續くであろうところの日本の激變期に處しましては、おそらくその後においても企畫立案その他いろいろな地方財政についてのめんどうを見るための何らかの中央政府における組織が必要になつてくるのではないかと豫想されるのであります。それはこの委員會においてその一年間の期限の切れるまでにこれを繼續すべきか、あるいはこれより派生して新たなる機關を中心としていくか、あるいは一つの別の省にこれを扱わしむべきか、その他最も新しい地方財政自主化法案とにらみ合わせて最も適切なる措置が講ぜられることを期待しておるものでございます。
 そこでお尋ねの二箇月間にできるかどうかという點でございますが、これは掘り下げてみますと先ほど來御質問のありますように、ずいぶん根本的にむずかしい問題であります。中央の財政、地方の財政は非常に彼此錯綜しておりまして、非常に作業というものは困難と努力とを要すべきものと思うのであります。本委員會をつくりまして以來、現在もう講和條約も間近に迫つている今日でありますが、地方自治等の確立についても昨日も申し上げましたように、人事と制度の上の仕事はできておりますが財政の特殊性、困難性から見まして今なお殘された唯一の大きな問題でございます。これに對しては極力努力をしてこの法律の成立いたしました場合には、法の趣旨に從つて效果的に實現できるようにいたす所存でございます。
#15
○竹谷委員 次に第四條に地方財政委員會の構成のことが書いてあります。その第三號ないし第五號に都道府縣知事の代表者、市長の代表者、及び町村長の代表者各一人ずつ委員と相なることになつておりますが、これの選出の方法につきましては、單に内閣總理大臣がこれらの知事、市長、町村長の中から適當と思う者を任命するか。それとも實際問題としてこれらの知事なら知事の中から何らかの選擧、その他の推薦の方法等をとらせるのであるか。これは法律には規定がありませんが、事實問題としてどのようにこの點を取扱う方針であるか。その點を承りたいと思います。
#16
○林(敬)政府委員 これは今お話がありましたしたように、法律上といたしましては、客觀的にみて、市町村長なら市町村長の代表者たるにふさわしい人でありますれば、これを總理大臣が任命すればよいという建前になつております。しかし實際問題といたしましては、おそらく當該市長ならば市長會、町村長なら町村長會と諮りまして、そちらの推薦する人と内閣總理大臣の考えというものとの一致するところをもつて、その委員としての任命を行うということに相なると思います。
#17
○竹谷委員 その點わかりましたが、この知事、市長、もしくは町村長の代表者として委員となる人たちはそれぞれ自治體の代表者として、非常に忙しい。こういう忙しい人がなお非常に多くの問題を含んでいるところの地方財政の、先ほど申し上げたような根本的な問題を檢討するということになれば、これは非常に徹底した努力研究が必要でありますが、しかしそういう餘裕はこの人たちにはないと思う。そうしますと、どうしても事務當局のつくつてきた案について一應の檢討を加えて、それをパスさせるか、あるいは修正するかということにならざるを得ないと思います。それにつきましては、昨日そのとき私委員會におりませんでしたが、それぞれ學識、經驗者その他適當な人たちに調査させるなり、諮問するなり各般の方法をとるということでありますけれども、しかし何といつても、この厖大にして重大な、しかもむつかしい地方財政に關する企畫、立案を短期間にやり遂げるということのためには、事務組織だけでも相當のものは要るだろうと思う。第八條に事務局の定員だけ書いてありますが、これらの定員をもつてして、この緊急を要し、しかも困難な問題を處理し得る確信があるかどうか、それを承りたいと思います。
#18
○林(敬)政府委員 お話のように自治體の代表者は、代表者たる知事なり、市町村長としてまことに忙しい人たちでございます。しかもまた一方財政委員會の作案の仕事もなかなか大切な仕事であるので、できるだけこちらにも力を割いていただかなければならぬ。そこで人選にあたりましても、代表たる資格があると同時に、またそういうことのやり得る方といいますか、――だれも完全にやり得るという人はないと思いますが、できるだけそうい事情の許す立場の多い方になつていただくことになるだろうと思います。こういう方を加えましたわけのものは、やはりこの機關というものは、地方自治を尊重する機關でございますので、地方自治的にみて、また民主的な機關として、單に官吏の方だけで作案をして押しつけるということのないようにするために、これらの代表者に委員になつていただくということは、御推察の通りであります。そこでまことに忙しい、やりにくい、二足のわらじになりますが、これをはいていただいて、最善を盡していただくよりほかはないと存ずるのであります。なお事務局に引ずりまわされはしないかという點のお話もございましたが、これはまつたくその人の力の問題になつてくると思いますが、制度の上といたしましては、やはり決定權といいますか、これは政府からみれば諮問機關でありますけれども、その委員會自體としては、委員會の案をきめるのは、この五人の委員でありまして、委員會の意思決定の力をもつております。また職員の進退もその意向によつて動くということになるわけでありまして、その點についても運營よろしきを得れば、圓滑に行われるのではないかと存じます。
 なお事務局につきましては、昨日もほかの委員からお尋ねがございましたが、廣汎な、また根本的な問題も取扱う事務局であります。今の内務省で扱つております地方財政よりは新しい面がたくさん加わつておる。しかもそれが短期間に結論を出すという大事な轉換期にあたつての機關でありますので、今までの内務省に從事しておりましたスタツフの人數よりはずつとこれを増加いたしまして、この十二人という數をきわめたわけであります。但しこういう行政簡素化の時期でもありますし、またあまり多いのも、かえつてはばかりもあり、また活動の上にも、その他政府全體の問題としても適切でないと思いましたので、この程度に止めた次第でありますが、まずまず私の見透しは、この程度の人がおりますならばやつていけると存じております。
#19
○戸叶委員 第七條第二項のところでありますが、この國會議員のみを特別の扱いをするというようなことは、その手當が國費から支給されるというような點にあると思うのですけれども、ほかの委員と比較した場合に、ほかの委員の人たちは、自治體あるいはそのほかから手當を受けておる。そしてそれは出しどころも違うのであるから、國家からの國費の手當を受取つてもいいというようなことになると思うのです。そうだとしますと、問題は、國費から出されておるものであるから、國會議員だけはその差額のみを支給されるというのが結論になつておるように思われるのであります。そういうふうに考えてまいりますと、經費は國費によつて出されるということのみに重點がおかれておるようでありますけれども、事實問題といたしまして、國會議員がこの委員に選ばれましたときに、地方財政委員としての役割を完全に遂行しなければならないと思うのであります。それには、獨自の機能を働かさなければならないと思いますが、その獨自の機能を果しますのには、能力を具備していなければならないと思います。その能力を具備するためには、委員を直接に補佐するような調査研究に役立つ者を適當に使用していかなければならないと思うのであります。これらのことを、委員の責任を果すことの點と考えてみまして、不可缺の問題だと思うのであります。今後もあることであると思いますが、國會議員が國會議員としての働きをしながら、國會議員としての立場を反映しながら、國會とは別な機能を果すための重要な委員などに任命された場合に、この點を考慮してしかるべきではないかと存じます。國費から二重に支拂うというような、そういう單なる技術上の形式論理だけで國會議員には特別に支拂わないでもいいというような例を殘さない方がいいのではないかと思われるのですが、この點當局の御意思を伺いたいと思います。
#20
○林(敬)政府委員 御希望の點もごもつともだと存じます。この第七條第二項を設けましたわけのものは、今のお尋ねにもありましたが、やはり國から出します俸給に非常に類似した性格のものでございます。そこで國會議員の方が政務官になられました場合などとまつたく同樣な扱いをするのが最とも安當ではないか、かように考えられますために、第七條の第二項を設けたわけでございまして、當時大藏省ともいろいろ折衝いたしてみのでありますが、こういう種類の委員は國の仕事をやるのであつて、單に二月か三月に數囘出てきて委員會に列席する三十名、四十名の委員とはまるで違う一つの政府の職員に準ずる仕事をしていただく。それなるがゆえにこの手當についても、第七條の第一項で大臣よりは低いが次官よりは高い俸給を出す、こういう建前になつておるわけであります。ちようど國會議員が併せて政務官などになられた場合と同樣にこれを考えるのが最も妥當であるという解釋のもとに、この七條の二項を入れたわけでございます。しかもその出す主體が兩方とも國だということになりますと、ほかの例とも同樣にこうしてやはり七條の二項を設けるのが最も妥當であると考えられた次第であります。そこでお尋ねのうちもつともであると存ぜられますところのいわゆる地方財政委員としての獨自の機能を果すための費用が必要ではないかという點でありますが、これにつきましては財政府員會の豫算の方において調査研究費を相當思い切つて組んでございます。また委員が委員として必要なために出張をなさるときの旅費などにつきましても、これはまずまず十分と見られる程度のものを組んでおります。そして財政委員としての獨自の機能を果すために調査研究がしたい、あるいは臨時に人を連れてきて囑託してどういうことをやらせたい、あるいはどういうところに出掛けていつて調べてみたい、こういうときの費用は別途全部組んでございますので、そうなりますと、そちらの機能はそれで果していただき、基本給的な手當という問題になりますと、同じ國庫から出ておりますものであり、議員の方が政務官になられるのと同じと考えるのが一番近い例ではいなかと考えて、この規定を設けた次第であります。
#21
○戸叶委員 昨日の片島委員の質疑に對しまして、この地方財政委員の中に單なる地方財政に精通した委員を入れなくても、事務局の中にそれに相當する適當な人を入れることにより補佐するというようなお話でございましたが、そうであるといたしましたならば、その職員の中にぜひともそれと同じような趣旨のもとに、學識經驗ある婦人を一人以上加えていただきたいと思うのであります。その理由といたしまして、殊に地方財政の問題は婦人と子供に最も關連のある社會政策的な諸經費が多分に含まれていると思のであります。今後の平和的文化國家として地方財政のあり方の中に、婦人の代表者としてこのこまかい心使いというようなものが浸透していくことが、この際最も必要ではいなかと考えるのであります。すでにそうした趣旨のもとに勞働省や厚生省の局課長の中にも任命されておりますから、この趣旨を地方財政の上にも反映させる意味において、ぜひそうした點を御考慮願いたいと思いますが、政府の御意見はいかがでございますか。
#22
○林(敬)政府委員 ただいまの戸叶さんの御意見は一つのまことに貴重な御意見と拜承いたしました。それでただいまの御意見につきましては、この委員ができましたならば、委員會の委員に十分考えてもらうように申し傳えたいと存じます。この事務局の人選、構成については、大體委員になられる方が實際の力をもつて人選をしていろいろやつていただくという豫定に考えておりますので、そちらの方によく話しまして、できるだけその御趣旨が生きるように私としても努めてまいりたいと存じます。
#23
○受田委員 私から一つお尋ねいたします。ただいま當局の御説明で事務局の構成については構想を伺つたのであります。地方財政に精通している事務職員を現實の場合に地方から簡抜し得るか。たとえるならば現在地方團體は財源の捻出に非常に困つている。實くじとかいろいろな便法を講じてやつておるようであるが、タバコやズルチンのような政府の專賣に屬するようなものもない。その苦しみの中で復興くじを發行したり地方起償に盡力しておる。こういうほんとうの苦しみの體驗をもつ人たちが事務局構成人員の中にはいることが大事だと私は思うのでありますが、結果的に見て依然として中央におる人たちが大部分ことを占めるようなことはないか。生活問題その他の立場から、自己一身上の都合から、この構成メンバーの中に現實に貴い體驗をもつている地方財政のエキスパートを入れるという點において事を缺くおそれはないか。机上の空論に終つて事務職員が構成されるということは非常に殘念だと存じております。わけても最後に委員が適當に選考するようになろうという言葉でありましたが、この附則にありますように、「地方財政委員會の最初の委員が、全員任命されるまでの間は、逐次任命された委員だけで會務を處理することができる。」といいうことになりますると、全員任命されるまで逐次任命されるということで、行政事務を分擔管理しない國務大臣のような立場の者とか、國會議員とかいうものが最初に任命されてから、だんだんあとに現實の地方自治體の代表者が任命されることになりはしないかと思うのでありますが、そうすると最初に任命された委員によつてきわめて獨斷的な職員の採用がされるおそれはないかと考えるのであります。これが非常に臨時的な緊急な法案であるだけに、より一層そこを愼重に用意して、これがただ單に通り一遍の官僚の机上プランに終ることがないようにしたい。地方に長くおつて地方財政というものが中央で考えるような簡單なものでないことをしみじみ知つている私は、特に愼重な考慮を要すると思うのであります。この點について事務局構成の職員に對するそういう方面の具體的な用意、竝びに掘り下げて政令に規定されるであろうところの事務局の内容についてお伺いしたいと思います。
#24
○林(敬)政府委員 ごもつともなお話でございます。地方財政のことはやはり地方財政に精通している人、地方財政の經驗をもつたとをもつて極力充てることが望ましいと存じます。それで實はやや我田引水になつて恐縮でありますが、内務省地方局の局長以下地方財政の方の構成というものは、これは御承知でございましようが、大體地方において財政行政に經驗のある者を、少しその資格を守り過ぎると思うくらい資格條件にしてやつておるのでありまして、大藏省の方といろいろなことにおいて意見が違うという點は、單なる分擔といいますか。分野が違うというだけでなく、その經驗において違いが相當に出てきておるのではないか。どちらも一長一短はありますが、そういう點が見られるのであります。今後の地方財政委員會の事務局の構成でありますが、この事務局をつくるに際しましては、極力さらに最近の地方財政に精通している人に、できるだけはいつてもらうようにやつていきたい。また今まで中央にいた人がはいるにしましても、やはりこの方の經驗を經た人、あるいはこの方についての特別の修練を經た人を入れるようにやるべきであると、かように考えております。ただこれが臨時の機關になつておりますために、あるいは地方の有方なる、縣や市町村のこの方面を擔當している人が、すぐに逆に應じてくるかどうかという點を、實は心配をいたしておるような状態であります。そういう場合には、囑託などで臨時にでも出てきてもらつてとるという方法をやりたいものと思つております。なおここに委員に自治體の代表者も出てこられることと思いますから、特にそういう人がひとつ事務局の方にも臨時の囑託であつて、暫定的であつても、まつたく事務局員と同格あるいはそれ以上の職權をもつていろいろ意見をはき、作案をつくるというような實地に即した活溌なる活動をするような委員會にならしむべきである、かように考えておりますし、これをつくりますまでの準備としても、十分その點は氣をつけてまいりたいと存じます。それから附則の終りから二番目の方についてのお話がございました。これは附則の第一項にありますように、「この法律は、公布の日の後三十日を經過した日からこれを施行する。」となつておるのであります。できれば十二月の初めにこの議會を兩院とも通過して公布し、それから三十日間準備をしまして、一月一日から發足するということにいたしたいと考えております。そこでそれまでに準備を整えまして、大體委員になる方の豫定というものは、全部下交渉をいたしまして、それからその意向を聽いて、事務局の一番初めの組織をつくり上げてやつていきたい。それで一月一日にやるときには、委員の意向をくんだ事務局の根本的な方針だけはきちつとでき上るというふうにつくつてまいりたいと思います。一番その點は氣を使つている問題の一つでございます。ただそれではなぜこういうものを設けたかといいますと、これは幾分役人の心配性でありますが、萬一十二月あたりにどんなことがあつてどうしても委員の任命が五人そろいがつかないという場合には委員會はできないということは困るというので、どうにも困つた場合において一人、二人缺けておつても何とかして發足が曲りなりにもできるようにということを心配して書いたわけでございます。これを濫用し、大いに活用しようというような考えは一つももつておりません。
#25
○馬越委員 私は昨日缺席をいたしておりましたので、もし私の質問が他の委員と重複することがありましたならば御答辯は要りませんし、委員長からも御注意を願いたいと思います。こういうふうに政府はいろいろ臨時の官廳をたくさん設置せられる傾向にあるのであります。しかも官廳機構の整備が完了いたしまするまでは、すべてそれは臨時的のものであつて、短期間である。ところがこういう官廳の事務局に奉職する役員職員はただいまのお話によりますと、委員が適宜これを選考することになつておるのであります。ところがわずか一年の任期を豫想してこの事務局にはいつてくる者がはたしてあるであろうかということが一つ、それから一年經てば退職をしなければならないことはわかつているのでありますから、その一年後に退職する場合において政府はこれに對してどういう處置を講じようとするのか、私はこれらの點を總合して考えますると、先ほど政府委員の御答辯になりましたところに、いささか矛盾をするところがあるのではないかと思いますことは、おそらく一年という短時日を切つたこの職員になることを希望する者はほとんどないのではないかということであります。一年後において相當額の退職賜金が給與されるか、もしくは適當なる就職の途、轉職の途を政府が責任をもつて引受けられるにあらざれば、希望者はほとんどないと思います。そういたしますと、現在内務者の地方局におつて財務の事務をとつておられる今の職員をここに使用されるものであろうと考える。そうしますと先ほど御答辯になりました、委員がこれを適當に選考するということは、そこに豫盾を生じてくると思うのであります。またこれらの人を一年間經過した後に退職をせしむるときには、おそらくそのままもうお前は用事がなくなつたのだから罷免するということは、なかなか實際問題としてできるものではありません。でありますからこれらの一旦採用したところの職員は、新たに今後できるであろうこの事務を引繼いでいくところの官廳に、またこれを斡旋をすることになるであろうと思う。そういたしますると、ここに臨時にもし採用ができたその職員というものは、その數だけが現在地方局で財務事務を扱つております職員の數の上に加わることになるのであつて、結果といたしましては、官吏の大増員をするということに相なると思うのであります。そういたしますると一般國民が要望しております官吏の定員縮小、減員の聲がやかましい時分に、それと逆行することになつてまいると思うのであります。これらに對しての政府の御所信を承りたいと思います。
#26
○林(敬)政府委員 この機關はお話のように臨時の機關でございます。臨時とうたつてあり、期限がついておりますゆえに、それだけ弱い點ももつておりますとともに、またそれだけに強いという點ももつておるわけでございます。それでこういうふうに臨時の機關をつくるのが一番いいと考えましたわけのものは、申し上げるまでもなく、すでに講和條約を前に控えておつて、地方自治の確立という一つ最後に殘つておりますこの問題について、できるだけの努力をして、最善の答案を出して、その實行をはかるということを焦眉の急として迫られておるという點にあるわけでございます。そこでまた日本の將來の健全なる發展のためにも、速やかに地方財政の確立をはかる必要があるという點からも、期限を切り、しかも臨時にしてやる、これから先の恆久的な行き方というものは、この臨時期間の委員によつて考え出され、生み出され、つくり上げられていく、かような考え方をとつたわけであります。そこで一年を豫想して、これになり手があるかどうかという點でございます。やはり一年と切りますがゆえに、今日の状態は申すまでもなく一年先のことは今から豫想してもわからないところで、言いかえれば一年と切ろうが一年と切るまいが、その點の不安動搖というものは同じともいえるのでありますが、しかしやはり一年ということを書きましただけに、今普通に恆久的にいつまでもある官廳というところからみれば、官吏をとりにいくという點に出てくると思います。しかし入り手はないだろうかというと、決してそんなことはないのじやないか、特に自分の力と努力というものについて謙虚ながらもある程度の自信をもつておる人であるならば、たとえこの期間が一年でなくなつても、いくらでもその間の經驗あるいは努力というものをくんでくれまして、またさらにもつといい職に進み得るという自信をもつておる人は、喜んでここに、こういう畫期的なことをやるんだからひとつ入ろうという人もあるだろうと思うのであります。平凡な非常に先のことの遠き慮りをする官吏はやはり二の足をふむ場合があると思いますが、逆にそういうことはそういうことで先に行つての自分の力でいこうという人であれば、この仕事の重大性から顧みて、思いきつてここに入ろうという人も相當出てくるのではないかと思われます。それから一年たつて退職した後の措置ということでございますが、特にそのときによけい退職賜金を出そうとか、そのときどういうふうにしようとかいうことは今のところまだ考えておらぬ、普通の役所と同じに考えておるわけであります。あるいは委員が一年後にいろいろ事務局の人の身の上を考えて特別の措置を講ぜられることもあるかと存ぜられますが、結局最後にこの委員會というものはどうなつていくかというと、この財政自主化の法律案のできぐあいによるわけでありまして、その結果先ほど竹谷さんとお話し合いをいたしましたように、何らか中央政府において、いろいろな地方財政についてやはり繼續して企畫、立案あるいはめんどうをみるということの組織が必要だということになれば、多くその方にまたはいつていく人もあるでございましよう、あるいはこの經驗を生かして地方自治體の方にもどる人もあるでしようし、また大藏省その他の方にはいつていく人もあると思うのでありまして、その間組織といたしまして、いわゆる二級官以上で七人、三級官を一應二十人と豫想しておりますので、この程度の小さな世帶でありますならば、それほどの憂うることなしに一年後においても、そのときの情勢に應じての措置ができるのではないかと存ずるのであります。お話しのように、弱さといいますか、心配さ、倣點というものも出てくるのではないかと思われますが、できるだけそういうことのないような方向において長所の方を多くみて、いい人材を集める、そうして一年後においてもまたそれがのびのびとむしろ發展的解消にものがなつていくようになることが一番望ましいことだと思います。なお以上のようなことを申し上げましたが、私はやや私見として考えますのは、いい人がここに集つてくるかどうかということは、私は期間の一年間かどうかという問題よりも、委員にどういうすぐれた方がおられるかということ、及び局長にどういう人格と力をもつた人がなるか、そういうことによつて私はこの職員というものは、いい人も集まりまた二の足も踏むということに、むしろ結論としてはなるのではないか、かように考えております。
#27
○馬越委員 ほんとうは、ざつくばらんに言えば、地方局の現在の財務事務をとつておられる職員が行くということになるのであろうと思うのです。だれが任命するかといえば、他の委員からもお話のありましたように、第一の他の行政事務を分擔管理しない國務大臣がまずこの委員に最初になります。そしてこの人が今度はこの法案を立案したところの地方局の財務職員を、ほとんど任命してやつていくというふうになるのが實際だと私は思いますが、政府委員はどうお考えになりますか。
#28
○林(敬)政府委員 實際のお話にまず初めに理論をもつて申し上げるのは恐縮でありますが、理論から申し上げますれば、これは委員が結局その事務局の職員の進退を決するという建前をとることになつておりますので、委員がおきめになる。委員が、どこにいる人が適當だということでもつておとりになれば、それは内務省の地方局の財政課におる者だからとる、おらぬ者だからとらぬということもないと思いますし、また財政課にいた者だからいけないということもないのじやないか。適當であればこれはとるということであつていいのじやないかと思います。また實際問題としましても、できるだけそれに合わせて行つていき、またそういうような運用をなすベきものだと思うのであります。なお私の豫測ということから考えてみますと。どういう方が委員におなりになつてどういうふうにやられるかは豫測はできませんが、やはり今まで地方財政のことに携つていた、いわゆるエキスパートと申しますか、そういう方はこういう方においても使われるベき人ではないか、そういう人も混えることもいいことではないかというふうに考えております。
#29
○馬越委員 私の質問のほんとうの趣旨は、他の委員からもお話がありましたように、こういう際にこそ地方の各府縣の、あるいは市町村の眞に實情を知つているところの人たちをこういう機構の中に入れて、そして實際に適合するところの地方財政制度を確立するということが最も望ましいと私は考えております。その意味におきまして、はたしてそういうような希望が達成せられるであろうかというところに實は縣念をいたしておるのであります。何も地方局の現在の財務事務を擔當しておられる職員が悪いというのではありませんけれども、しかしながらその趣旨から申しましましたならば、わずかに三十二人の事務局職員だけなんでありますから、そのほとんどがそうした現在の財務職員によつて占められてしまうのではないか。實際問題としてはおそらくそうなるだろうということを私は心配をして申し上げておるのであります。これは私は確かに火を見るよりも明らかな事實として不日現われてくると考えております。政府におかれましてはこの點につきまして特別の御留意をしていただきたいと思います。
#30
○林(敬)政府委員 お話の點はまつたく私も同感であります。それで地方財政の經驗をもつた人がはいる。この委員會を構成するについて地方財政に殊に勉強した人をここに入れて、ほんとうに意義のある地方財政の改革を行うということが、一番必要なことと在ずるのでございます。それでこの豫想されます三十二人の事務局の構成につきましても、できるだけそういう線に沿うてやつてまいりたいと存じます。なお、それをわずか三十二人だから全部財政課の者が占めてしまいはいないかというお話でございますが、實は現在の財政課と申しますのは、課長以下二級官が五人、三級官は十二人、全部で十七名でございます。それで全部がそのままでまいりましても、この事務局の半數くらいでございます。それからその中で不適任者があれば委員會に採用されないものだと思います。適任者であればここにおつたからといつて排除される理由はないのではないか、これはとられてもいいのではないかと思います。でき上るときにそれを押つけにするというような態度は、一切とらないように私は氣をつけてまいりたいと思います。なおちよつと恐縮ですが、附加しますと、今の地方局の財政課の職員というものは、むしろ中央に經驗が少な過ぎるくらいでございます。ほとんど二級官も三級官も東京へ出てきて勤務してから一年以上經つた人は參々たるものであります。大部方は地方の自治體におつて、そうしてそこで財政事務を扱つてきた人を引上げてきまして、今財政課を構成いたしております。六、七年くらい前までは中央に十年くらい巣食つておつてやつていた時代もあるのでありますが、最近は人の移動も激しくございます。それでまた東京に勤務することのいろいろな困難性もあると存じます。そこで志をもつて東京には出てくると思いますけれども長期間これをおくようなことも許されない事情もありまして、どんどん送つております。現在ではほとんど最近來た人で少し中央政府としてよその廳と渡り合う力の方が弱いという憂えの方が多い。從つてかりにこれをもし委員會でとるといたしましても、それで地方の經驗のない者が來てむちやくちやなことになるということは萬々ないと存じます。しかしさような態度でこの委員會をつくるということはやつていかないつもりでありますから、十分氣をつけていたしますから御了承を願います。
#31
○竹山委員長 それでは殘餘の質疑は明後日の午前十時から引續いて繼續をいたしたいと思います。なお前にお話をいたしておきましたように、でき得るならば質疑を打切つて、引續いて討論採決し、明後日の午後の本會議の豫定は立ちませんが、あれば午後、なければ土曜日の本會議に――先ほど説明の中にも出ましたように、施行期日の關係が少くも十二月の初めには公布しなければならぬことになつておりますので、さように御了承を願いたいと思います。
 本日はこれにて散會をいたします。
   午後零時三分散會
ソース: 国立国会図書館
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