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1947/11/17 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第32号
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1947/11/17 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第32号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第32号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○物價引下運動促進に関する陳情(第
 九号)
○製塩事業保持対策樹立に関する陳情
 (第十九号)
○織物の價格改訂に関する陳情(第二
 十八号)
○少額預貯金及び各種團体預貯金封鎖
 解除に関する陳情(第五十二号)
○インフレ防止に関する陳情(第七十
 一号)
○電氣税復活反対に關する請願(第四
 十三号)
○会計檢査院法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○低物價政策上官営事業料金の値上げ
 反対に関する陳情(第百九十号)
○連合軍兵舍並びに宿舍建設用木材前
 受金の第二封鎖解除に関する陳情
 (第二百十一号)
○賠償税の新設に関する請願(第百十
 八号)
○中古衣類の公定價格を廃止すること
 に関する請願(第百三十八号)
○企業再建整備法並びにこれに伴う諸
 施策に関する請願(第百四十号)
○中古衣類の公定價格制度を廃止する
 ことに関する陳情(第二百三十三
 号)
○会計檢査人法制定に関する請願(第
 二百二号)
○失業保險特別会計法案(内閣送付)
○非戰災特別税に関する陳情(第三百
 三十一号)
○政令第七十四号中憲法違反の條項に
 関する請願(第二百五十七号)
○自給製塩制度存続に関する請願(第
 二百九十一号)
○戰死者遺族を非戰災者特別税課税外
 とすることに関する陳情(第三百八
 十一号)
○庶民銀行設立促進に関する陳情(第
 三百九十一号)
○通貨発行審議会法案(内閣送付)
○経済力集中排除法案(内閣送付)
○物品税免税点の引上げ等に関する請
 願(第三百二十八号)
○今次日立鉱山地区の水害復旧特別融
 資等に関する陳情(第四百十二号)
○金属鉱山事業を経済力集中排除法案
 中より除外することに関する陳情
 (第四百十五号)
○戰死者遺族を非戰災者特別税の課税
 外とすることに関する陳情(第四百
 十八号)
○企業整備に関する陳情(第四百十九
 号)
○自給製塩制度存続に関する陳情(第
 四百二十九号)
○旧軍用施設並びに敷地の無償交付に
 関する請願(第三百五十一号)
○生業資金貸付に関する請願(第三百
 六十二号)
○庶民金融機構の確立に関する請願
 (第三百七十二号)
○木材業者の水害復旧費に対する融資
 並びに國庫補助に関する請願(第三
 百八十号)
○天日製塩実施に関する陳情(第四百
 六十二号)
○金融機関再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○経済力集中排除法案に関する陳情
 (第四百八十一号)
○自給製塩制度存続に関する陳情(第
 四百九十二号)
○企業再建整備法の改正に関する陳情
 (第五百六号)
○物品税免税点の引上げ等に関する陳
 情(第五百十三号)
○補助貨幣損傷等取締法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○すき入紙製造取締法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○企業再建整備法等の一部を改正する
 法律案(内閣送付)
○企業再整備法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○物納せる耕地の公租公課に関する請
 願(第四百六十八号)
○所得税法の一部を改正する等の法律
 案(内閣送付)
○非戰災者特別税法案(内閣送付)
○昭和十四年法律第三十九号災害被害
 者に対する租税の減免徴收猶予等に
 関する法律を改正する法律案(内閣
 送付)
○印紙等模造取締法案(内閣送付)
○持株会社整理委員会令の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十七日(月曜日)
   午後一時三十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○所得税法の一部を改正する等の法律
 案
○非戰災者特別税法案
○昭和十四年法律第三十九号災害被害
 者に対する租税の減免、徴收猶予等
 に関する法律を改正する法律案
○印紙等模造取締法案
○持株会社整理委員会令の一部を改正
 する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) これより委員会を開会いたします。本日は所得税法の一部を改正する等の法律案、非戰災者特別税法案、昭和十四年法律第三十九号災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律を改正する法律案、印紙等模造取締法案、この四つの法律案を議題といたしまして、先ず大藏大臣の提案の理由の御説明を願いたいと思います。
#3
○國務大臣(栗栖赳夫君) 所得税法の一部を改正する等の法律案外三法律案につきまして、提案の理由を御説明いたしたいと存じます。
 政府は、最近における財政需要の増大に対應したしまして、收支の均衡を図り、財政の強化に資すると共に、経済諸情勢等の推移に應じ、國民租税負担の公正を期する等のため、所得税法等の一部を改正することといたしたのでございます。即ち今次の税制改正に当りましては、租税の中枢たる所得税につきまして、國民所得の現状及び國民生活の実情に鑑み、いわゆるインフレ利得者等一利額を超える所得者に対し重課することといたしますと共に、他面勤労所得者及び扶養親族を有する者の負担を軽減する等の措置を講ずることといたしました。又間接税中從量課税の酒税、清凉飲料税及び物品税並びに入場税につきましては、最近における物價の状況等に即應して課税する等のため、相当の増徴を行うことといたしました次第であります。尚定額税率による登録税、印紙税等につきましても、最近における物價の状況に対應する税率の引上げを行うことといたした次第であります。
 更に政府は、今回新税として非戰災者特別税を創設することといたしました。戰災者と非戰災者との間の経済的な懸隔は、最近における経済事情によりますます助長されている実情でありますので、これが犠牲の均衡化を図るべしという議論も相当活溌なものがあるのであります。そこで臨時緊急な財政需要が著しく増大しつつある現状に顧みまして、この際戰災を免れた者に対し、一回限りの特別課税を行うことといたした次第であります。
 次に各税に関する改正の大要について申上げることにいたします。
 先ず所得税でありますが、先程も申上げましたごとく、いわゆるインフレ利得者等に対し重課すると共に、勤労所得者に対してはその負担の軽減を図ることに重点を置きまして、所要の改正を行つた次第であります。即ちインフレ利得者等の重課のための措置といたしましては、課税所得金額が七万円を超える所得者については、現行の税率百分の五十五を百分の五十七に引上げ、順次税率の引上げを行い、百万円を超える所得については、現行の税率百分の七十五を百分の八十五といたしたのであります。但し所得金額は、これを課税所得金額の百分の八十に止めることといたしております。次に勤労所得者及び扶養親族を有する者の負担の軽減を図るための措置といたしましては、第一に給與所得の計算についてはその收入金額から控除する金額の割合を、現行の十分の二から十分の二・五に引上げると共に、控除額最高六千円を一万二千五百円に引上げたのであります。第二に扶養親族の控除額を、現行扶養親族一人につき年二百四十円即ち月二十円から年四百八十円即ち月四十円に引上げたのであります。而して給與所得に対する源泉徴收につきましては、七月分の給與から遡つて十分の二・五の勤労控除及び月四十円の扶養控除を行うことといたしております。これに対應して、昭和二十二年分の課税に当りましては、右に述べました給與所得の控除割合は十分の二・二五、その最高額は一万千二百五十円、扶養親族控除額は年三百六十円といたしておるのであります。今回の改正によりまして、昭和二十二年分の課税について申しますれば、扶養親族三人の場合においては、勤労所得者については給與年額十六万四千円程度以下の者、又事業所得者については所得年額九万二千円程度以下の者の負担は、すべて相当程度軽減されることとなるのであります。例えば千八百円基準による扶養親族三人程度を有する世帶の標準給與月額二千九百二十円の者について申しますれば、毎月の源泉徴收税額は、現在四百五十二円でありますのが、改正後は三百十三円となり、差引月額百三十九円程度の負担が軽減されることとなるのであります。
 その他、所得税のつきましては、今回課税所得の範囲を拡張いたしまして、一時所得といえども原則として課税することといたしました外、簡易税額表の適用を受ける者の範囲を所得金額五万円以下の者から八万円以下の者に拡大し、大多数の所得者の税額計算の便宜を図りますと共に、予定申告書及び確定申告書の提出を要しない者の範囲を若干拡大する等の改正を行なつた次第であります。
 次に法人税につきましては、所得税の税率の引上げに対應せしめるため、同族会社の加算税の税率のうち十万円を超える金額に対する税率を、それぞれ百分の五程度引上げることといたしたのであります。
 次に酒税でありますが、財政需要の現状、物價の状況等に鑑み、清酒につきましては、一升壜詰の小賣價格一級酒現在百三十二円を二百五十円程度に、二級酒現在百二円を二百円程度に、又麦酒につきましては、壜詰一本の小賣價格現在二十三円を四十円程度に、それぞれ引上げる程度の増徴を行ないますと共に、その他の酒類についても、品質に應じ税負担に差等を設けてこれに準ずる増徴を行なうことといたし、これにより税額において十三割程度の増收を図ることといたしたのであります。又特定の酒類につき加算税を徴收し、清酒第一級酒の一升壜詰一本当り五百五十円程度、麦酒壜詰一本当り百円程度の特別價格で販賣せしめることといたしました。
 清凉飲料税につきましては、酒税の増徴に應じ、第二種サイダーの税率を一石について現行二千三百円を六千九百円に引上げ、その他の清凉飲料についても、同程度の税率の引上げを行うことといたした次第であります。
 次に物品税につきましては、最近における物價の状況等に即應いたしまして、從量課税の税率を引上げることといたし、マツチについては十割程度、飴類及び蜂蜜については二十割程度、サツカリン及びズルチンについては四十割程度の税率の引上げを行うことといたしました。
 次に入場税につきましては、現在におけるこの種消費の性質に鑑み、現行税率百分の百を百分の百五十に、又特別入場税につきましても行税率百分の四十を百分の六十に、それぞれ税率を五割程度引上げることといたし、これに伴い課税最低限現行一円を三円程度に引上げることといたしました。
 以上の外、登録税の中定額税のもの、印紙税、骨牌税及び狩猟免許税につきましても、それぞれ相当の税率の引上げを行うことといたしたのであります。
 以上申しました外、所得税、法人税、酒税等各税に亙りそれぞれ罰則の強化を行い、特に所得税、通行税等の源泉徴收義務者が、徴收すべき税金を徴收しなかつた場合、又は徴收した税金を納付しなかつた場合における罰則を新らたに設けることにいたしたのであります。
 その外租税の賦課徴收につき適正な運営を図るため、所得税法の團体諮問に関する規定及び物品税法等の徴收補助團体に関する規定につき、所要の改正を加えますと共に、この際納税施設法を廃止することといたした次第であります。
 次に非戰災者特別税につきましてその大要を申上げます。非戰災者特別税の創設の趣旨につきましては、先に申上げました通りでございますが、本税は非戰災家屋を対象とする非戰災家屋税と、非戰災者の動産を対象とする非戰災者税の二本建になつておるのであります。
 先ず非戰災家屋税でありますが、その納税義務者は、終戰時、即ち昭和二十年八月十六日にあつた家屋、即ち非戰災家屋を所有していた個人及び法人であります。家屋には、住家、店舗、工場、倉庫等すべての家屋が含まれるのでありますが、國、都道府縣、市町村等が所有してした家屋、公用又は公共の用に供していた家屋、國宝又は史蹟、名勝として指定されていた家屋、私立の幼稚園、中等学校、大学等において直接に教育の用に供していた家屋、賃貸價格が三十円未満の家屋等には課税しないことといたしております。非戰災家屋税の課税標準は家屋の賃貸價格でありまして、百分の三百の税率が課税することといたしておるのであります。
 次に非戰災者税でありますが、この納税義務者は、昭和二十二年七月一日、即ち課税時期に法施行地で家屋を使用していた非戰災者たる世帶主及び非戰災者たる法人であります。ここで非戰災者と申しますのは、戰時災害に因り家屋又は動産につき受けた損害額が三割程度を超えない世帶の地帶主、又は法人といたすことになつております。而して非戰災者であるかどうかは、個人については世帶ごとに、法人については本支店、工場等を通じてこれを判定することといたしておるのであります。
 非戰災者税につきましても、國、都道府縣市町村等の公共團体、海外からの引揚者が世帶の生計を主として維持しておる場合における当該世帶の世帶主、賃貸價格が三十円未満の家屋を使用していた世帶主等には課税しないことといたしました外、國宝又は史蹟、名勝として指定された家屋、私立の幼稚園、中学校、大学等において直接に教育の用に供していた家屋等の賃貸價格は、本税の課税標準に算入しないことにいたしております。非戰災者税の課税標準は、課税技術を考慮いたしまして、課税時期における家屋賃貸價格といたしておるのであります。而して税率は、非戰災家屋税と同樣百分の三百といたしておるのであります。
 非戰災家屋税及び非戰災者税は、いずれも申告納税の方法を採用することといたしましたのでありまして、申告及び納税の期限は、來年一月三十一日であります。但し一時に納付することが困難である場合におきましては、原則として六ケ月以内を限り延納を認めることといたしました。尚調査時期後災害に因り家屋が滅失又は損壊した場合等には、非戰災家屋税を軽減又は免除し、又調査時期後に災害に因り家屋又は動産が滅失又は損壊した場合等には、非戰災者税を軽減又は免除することといたしておるのであります。
 次に昭和十四年法律第三十九号災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律を改正する法律案について申上げます。災害に因り被害を受けた者に対する租税の減免、徴收猶予等につきましては、現在のところ損害が発生した都度減免等の内容に関する政令を公布しておるのでありますが、今回この法律を全面的に改正いたしまして、災害被害者に対する租税の軽減、免除又は徴收猶予、課税標準の計算又は申告及び申請の特例に関する具体的な規定を整備することといたした次第であります。
 次に印紙等模造取締法案について申上げます。從來の印紙等模造取締規則は、日本國憲法施行の際、現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律によりまして、本年十二月末日限り効力を失うこととなつておりますので、これを法律として整備した次第であります。
 以上各法律案につき、その大要を申上げたのでありますが、これによる租税及び印紙收入の増税額は、平年度において、約三百四十一億四千六百万円、初年度たる昭和二十二年度において約二百二十七億七千七百万円に達する見込であります。その各税につきまして、本年度の増税額を申上げますれば、所得税において約三十八億八千五百万円、酒税において約百三億七千八百万円、物品税において約六億千八百万円であります。又非戰災者特別税の本年度の收入額は約六十五億四千百万円であります。
 本年度の租税及び印紙收入の歳入の総額は、物價の改訂及び給與水準の引上げ等により相当額の増收が見込まれておりますので、右に申述べました増税額と併せて計算いたしますと、実に千三百三十二億四千万円に達するのであります。これを直接税と間接税との比率について見ますれば、直接税は全体の六割七分二厘に当り、間接税は三割一分六厘、その他一分二厘となるのであります。又当初予算総額六百九十五億千四百万円に比し合計額において約六百三十七億二千六百万円の増加となるのでありますが、直接税と間接税との比率においては、当初予算の場合の比率と殆んど差異は認められないのであります。又各税別にこれを見るに、所得税の收入額は約六百六十九億六千五百万円で全体の五割二厘、酒税の收入額は約二百三十八億七千万円で全体の一割七分九厘に達するのであります。
 この際租税及び印紙收入の本年度における收入状況につき申述べまするに、所得税の申告納税額は約七十七億四千万円程度でありまして、当初予算額に対し二割六分程度、追加予算の分との合計額に対しては一割五分七厘程度に過ぎない状況であり、又租税及び印紙收入の收入済額は四月以降九月末日までに約二百六十二億円程度に止まり、而も他面百億円に達する帶納額がある現状であります。從つて本年度内において約千七十億円程度の租税收入を確保しなければ、健全財政を維持し、インフレーシヨンの破局化を防止することも亦不可能となるのでありまして、財政は正に空前の危機に直面しているのであります。
 政府といたしましては、この際國民租税負担の公正を図りつつ租税收入を確保する途は、徴税機構を拡充強化するとともに、税務運営の刷新を図り、これにより課税の充実徹底に努め、いやしくもインフレ利得者等が調査不徹底等のため不当に租税負担を免がれるがごときことのないようにすることにあると固く信ずるものであります。從つて今後は脱税者調査摘発、罰則の強化、第三者通報制の活用、滯納処分の促進等により、課税の徹底を期することが最も肝要であると考えられますので、この点について今後一段の努力をいたす所存であります。
 申すまでもなく、國民の租税負担が現在すでに重く、而も國民生活が最近における社会経済情勢により窮迫を告げている現状におきまして、かくのごとき厖大な租税負担に任ずることは誠に容易なことではないのでありますが、現下の経済危機を突破し財政経済の再建を図るためには、是非とも右の租税收入を確保しなければならないのであります。即ち財政及び租税に関する全國民の深き理解と協力を得ることがその根本でありますから、政府は近く全國的に活溌な納税強調運動を推進し、國民の納税に関する認識の普及徹底に努める所存であります。國民各位におかれましても、この際納税につき一段の御努力を願い、現下の難局に処し財政の基礎確立に寄與せられるよう切望するものであります。何卒御審議の上すみやかに賛成せられるよう切望してやまない次第であります。
#4
○委員長(黒田英雄君) 次に特殊会社整理委員会令の一部を改正する法律案を議題にいたしまして、和田國務大臣から提案理由の説明を願いたいと思います。
#5
○國務大臣(和田博雄君) 特殊会社整理委員会令の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申上げます。目下御審議を願つておりまする経済力集中排除法案が制定施行せられることになりますと、これに伴いましてその実施は持株会社整理委員会が担当いたすことに相成つておりますので、これに應じまして持株会社整理委員会令の一部を改正する必要が生ずるのでございます、これが持株会社整理委員会令の一部を改正する法律案を提出いたしました主な理由でございます。
 改正の形式について申上げますが、同委員会令は最高司令官の覚え書に基ずいて昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件」に基ずく勅令、即ちポツダム勅令として公布せられておりますので、その改正は法律の形式を以てなされる次第でございます。
 次に今度の改正の内容の概略とその理由を御説明申上げます。第一に持株会社整理委員会の目的及び業務に、経済力集中排除法の施行に関する事項を加えました。第一條と第九條であります。第二に持株会社整理委員会の構成は、從來委員長、常務委員、監査委員及び平委員となつておりますが、この中監査委員を廃止いたします。第三條、第五條、第六條及び第二十五條であります。後に述べますように、委員会の監査樣式の変更に伴うものでございます。尚現在の委員の任期は原則が一年半でありまして、委員の大部分は來年二月に任期が満了することになつておりますが、経済力集中排除法関係の事務を同委員会が担当する間、即ち一應來年末までその任期を延長することにいたしております。これは附則等でそういたしました。第三に持株会社整理委員会の経費でございますが、これは從來同委員会が持株会社及び指定財閥家族から讓り受けました株式その他の財産から生ずる配当等の收入及びそれらの財産を換價処分して得ますところの代金を、持株会社及び財閥家族に引渡します前に、所要額を差引いて、必要経費に充当しますると共に、委員会はこれらのもの以外のものから、株式の議決権の行使を委任せられておりますので、それについて手数料を徴收することとなつております。この点につきまして実体は今後もなんら変りはないのでありますが、法文上これらの收入を手数料といたしまして、徴收し得る旨を明確に規定いたしました。第二十一條でございます。更に今回経済力集中排除法によりまして、委員会の事務が増大することになりますが、これらの事務の中、主として企業に関聯しまする純行政的性質の事務につきましては、その経費を相手方に負担せしむべきでないと考えられますので、その経費相当額は國庫から予算を以て交付することといたし、委員会の経費は手数料と交付金を以て支弁することとしておる次第でございます。第二十二條にその点を規定しております。第四に持株会社整理委員会に対しまする監査についてでありますが、從來は内閣総理大臣の監督の下に、持株会社整理監査委員会が設けられておりまして、持株会社整理委員会の業務の運営を監査することになつております。この監査委員会は衆議院の中から各政党の意見を代表するごとく選定して、内閣が任命したところの委員によつて構成せられ、これによつて衆議院の意見を代表する目的を持つていたのでありますが、この監査員会が衆議院を代表する目的を持ちながら、内閣総理大臣の監督に属するということは、適当でないと思われますると共に、新憲法によりまする國会が発足しておる現在において、國会の外にこのような機関を特に設ける必要はないと思われまするので、今回監査委員会はこれを廃止しまして、整理委員会は直接内閣総理大臣の監督に属する旨を明らかならしめた次第でございます。これは第一條に書いてあります。この外、從來内閣総理大臣は、持株会社整理委員会檢査人を任命しまして、随時同委員会の業務及び財産の状況を檢査せしめることができることになつておりますが、今度の改正におきましては、檢査人に関する規定を廃止しまして、持株会社整理委員会の会計は会計檢査院の檢査に付するものとし、内閣総理大臣はその結果を國会に報告いたすことといたしておるのでございます。第二十三條であります。尚同委員会成立以來現在までの收支につきましても、会計檢査院の檢査を受けしめることといたしております。附則に規定しております。以上に申上げました事項の外、職員の祕密漏泄に対する罰則を設ける等の若干の改正を加えることにいたしております。
 以上申上げましたところが今度の持株会社整理委員会令の一部改正法律案の概要でございます。何卒愼重御審議の上、可決せられんことをお願いいたします。
#6
○委員長(黒田英雄君) この持株会社整理委員会令の一部改正法律案につきましての御質疑は、他日に讓りたいと思います。いかがですか、本日はこの程度にいたしますか、或いは税法案につきまして御質問がありますれば、当局は見えておりますから継続いたしますが……。
#7
○森下政一君 一應この程度にして貰つて、よく法案を調べて、この次から質問に入つたらどうかと思います。それから只今の大藏大臣の御説明の中に、いろいろの数字をお挙げになりましたですが、それだけは一覧表のような工合にして、次の時にでも皆に配付して貰つたら非常に便利だと思いますので、お願したいと思います。
#8
○政府委員(前尾繁三郎君) 先つきのあれを刷りましてお廻ししたらいいと思いますが……。
#9
○森下政一君 どうぞお願いいたします。
#10
○委員長(黒田英雄君) 何か資料の御要求があればこの際お願いしておいた方が便宜かと思います。衆議院ではどういう要求がありますか。
#11
○政府委員(前尾繁三郎君) 徴税費、各税ごとの收入、滯納額に関しての数字とか、そんなものだと思いました。
#12
○委員長(黒田英雄君) とにかく衆議院に出されるものは、こつちの方にも出しておいて下さい、外に何か資料の御要求はございませんでしようか。
#13
○森下政一君 この收正になる税率ばかりでなしに現行法との比較ができるようなものを貰うわけにいかんですか。
#14
○政府委員(前尾繁三郎君) 新旧対照表はお手許に配つておりませんかも分りませんが、これは税率じやなしに、中の本文の新旧対照表は作つております。
#15
○森下政一君 それを頂けたらいいと思いますが……。
#16
○政府委員(前尾繁三郎君) それは差上げますが、最近の税法でございますね。
#17
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこの程度で散会することにいたします。
   午後二時二十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           下條 恭兵君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           田口政五郎君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
   國 務 大 臣 和田 博雄君
  政府委員
   大藏事務官
   (主税局長)  前尾繁三郎君
ソース: 国立国会図書館
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