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1947/11/20 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第35号
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1947/11/20 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第35号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第35号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○物價引下運動促進に関する陳情(第
 九号)
○製塩事業保持対策樹立に関する陳情
 (第十九号)
○織物の價格改訂に関する陳情(第二
 十八号)
○少額預貯金及び各種團体預貯金封鎖
 解除に関する陳情(第五十二号)
○インフレ防止に関する陳情(第七十
 一号)
○電氣税復活反対に関する請願(第四
 十三号)
○会計檢査院法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○低物價政策上官営事業料金の値上げ
 反対に関する陳情(第百九十号)
○連合軍兵舎並びに宿舎建設用木材前
 受金の第二封鎖解除に関する陳情
 (第二百十一号)
○賠償税の新設に関する請願(第百十
 八号)
○中古衣類の公定價格を廃止すること
 に関する請願(第百三十八号)
○企業再建整備法並びにこれに伴う諸
 施策に関する請願(第百四十号)
○中古衣類の公定價格制度を廃止する
 ことに関する陳情(第二百三十三
 号)
○会計檢査人法制定に関する請願(第
 二百二号)
○失業保險特別会計法案(内閣送付)
○非戰災者特別税に関する陳情(第三
 百三十一号)
○政令第七十四号中憲法違反の條項に
 関する請願(第二百五十七号)
○自給製塩制度存続に関する請願(第
 二百九十一号)
○戰死者遺族を非戰災者特別税課税外
 とすることに関する陳情(第三百八
 十一号)
○庶民銀行設立促進に関する陳情(第
 三百九十一号)
○通貨発行審議会法案(内閣送付)
○経済力集中排除法案(内閣送付)
○物品税免税点の引上げ等に関する請
 願(第三百二十八号)
○今次日立鉱山地区の水害復旧特別融
 資等に関する陳情(第四百十二号)
○金属鉱山事業を経済力集中排除法案
 中より除外することに関する陳情
 (第四百十五号)
○戰死者遺族を非戰災者特別税の課税
 外とすることに関する陳情(第四百
 十八号)
○企業整備に関する陳情(第四百十九
 号)
○自給製塩制度存続に関する陳情(第
 四百二十九号)
○旧軍用施設並びに敷地の無償交付に
 関する請願(第三百五十一号)
○生業資金貸付に関する請願(第三百
 六十二号)
○庶民金融機構の確立に関する請願
 (第三百七十二号)
○木材業者の水害復旧費に対する融資
 並びに國庫補助に関する請願(第三
 百八十号)
○天日製塩実施に関する陳情(第四百
 六十二号)
○金融機関再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○経済力集中排除法案に関する陳情
 (第四百八十一号)
○自給製塩制度存続に関する陳情(第
 四百九十二号)
○企業再建整備法の改正に関する陳情
 (第五百六号)
○物品税免税点の引上げ等に関する陳
 情(第五百十三号)
○企業再建整備法等の一部を改正する
 法律案(内閣送付)
○企業再建整備法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○物納せる耕地の公租公課に関する請
 願(第四百六十八号)
○所得税法の一部を改正する等の法律
 案(内閣送付)
○非戰災者特別税法案(内閣送付)
○昭和十四年法律第三十九号災害被害
 者に対する租税の減免、徴收猶予等
 に関する法律を改正する法律案(内
 閣送付)
○印紙等模造取締法案(内閣送付)
○持株会社整理委員会令の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○政府に対する不正手段による支拂請
 求の防止に関する法律案(内閣送
 付)
○財政法第三條の規定の特例に関する
 法律案(内閣送付)
○接收家屋の地租家屋税等に関する請
 願(第五百八号)
○経済力集中排除法案より電氣事業を
 除外することに関する請願(第五百
 三十六号)
○竹材加工業に関する陳情(第五百八
 十五号)
○政府職員に対する臨時手当の支給に
 関する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月二十日(木曜日)
   午前十一時三十五分開会
  本日の会議に付した事件
○金融機関再建整備法の一部を改正す
 る法律案
○企業再建整備法等の一部を改正する
 法律案
○企業再建整備法の一部を改正する法
 律案
#2
○委員長(黒田英雄君) これより委員会を開会いたします。本日は先ず金融機関再建整備法の一部を改正する法律案、これを議題といたしまして御審議を願いたいと思います。提案理由並びに要綱については、すでに政府委員より説明があつたのでありますから、御質問を御願いいたしたいと思ひます。
 それでは私から質問いたします。先日お配りになりました要綱の中に、第二十五條の四として掲げております中に、指定時後の新株主に対する拂込催告の規定の場合の説明に、指定時後の新株式に対しても一應拂込の催告を行い。若しその株主が拂込に應じなかつたときは催告がなかつたものとすると共にその株主は失権してその株式は原則として指定時の株主に帰属する。指定時の株主が存しない場合、又は指定時の株主が現在失格している場合には、未拂込株金徴收金融機関に帰属するとあるのでありますが、この指定時の株主が存しないという場合又は指定時の株主が現在失格している場合というのはどういう場合を考えられておるのでありますか、その点を御説明願いたいと思います。
#3
○政府委員(愛知揆一君) この点は主として適用があると思いますのは、農業会その他の組合の場合が主なる適用の対象になると思うのであります。ここに指定時の株主という言葉を使つてありますので、或いは誤解を招くと思うのでありますが、この法律におきまして株主と申しておりまするのは、農業会その他組合金融機関におきまする出資の場合をも含んでおりまするので、この指定時の株主が存在しない場合と言いまするのは、指定時の場合に、例えば農業会におきましては出資者が存在しない場合、出資者が失格しておる場合というふうにお読み替え願いまするならば、お分り頂けるだろうと思うのであります。と申しますのは、農業会等の組合におきましては出資者となりまするために一定の資格が法定されておるわけでございます。例えば指定時に出資者であつた者が死亡しておりまする場合には当然には相続されませんので、その点はこの第二十五條の四の、只今問題になりましたところの前の方にもございまするように第五十七條第一項に規定する金融機関の指定時株主がその会員又は組合員の資格を有しない者であるときはという表現が使つてございますのでありますが、そういつた場合、一定の資格を失つた場合とか、或いは死亡した場合とかという場合が予想されるわけであります。存しない場合と申しまするのは只今の例で申しますれば、出資者が死亡しまして相続されなかつた場合、それから現在失格しておる場合というところにおきましては出資者であつた者が、例えばある村に居住しておりますることが組合員の資格であつた場合に、その村を離れて他に移轉をいたしますような場合は、出資者の資格を失格するわけでございますが、さような場合を主として意味しているわけでございます。尚又法人等の場合におきましても、これは主として関聯的な問題になると思うのでありまするが、その株主である法人が解散をいたしまして、清算が結了しました場合等が存しない場合ということに関聯的には入るかと考えるわけであります。
#4
○山田佐一君 只今の質問に関聯いたしまするが、指定時に株主が海外居住者であつた場合、どうなりますか。
#5
○政府委員(愛知揆一君) 第二十五條の五の規定によりまして、株主に対して未拂込株金の拂込をなすべき旨を催告しなければならないという規定のところに括弧書きが株主の下にございまして、その括弧書きの後段に外國に住所を有する指定時株主を除く、ということになつておりまするので、その時に外國に住所を有する場合におきましては催告をしないということになるわけでございます。
#6
○山田佐一君 そうしますと、後、その株は指定時後に買受けた人が拂込むといつても失権になつてしまうわけですね、権利は全然海外居住者は……。
#7
○政府委員(愛知揆一君) そういうことになります。
#8
○山田佐一君 それからもう一つ聽きますが、指定時前に海外居住者の株ということを知らずに、善意に内地の居住者が買つて、書替えが遅れている、而して書替えられる時に、会社で見て海外居住者の持分である、書替えができないという時にはどういうような帰属になりますか。賣買は指定時以前になつておつたが書替えが遅れていけないという時はどうなりますか。
#9
○政府委員(愛知揆一君) それはやはり書替えの時を基準にして決定いたすべきものじやないかと考えます。
#10
○西川甚五郎君 法人に未拂込金を徴收する理由はどういう理由でございましようか。
#11
○政府委員(愛知揆一君) これは法人のみに追求することになるというような面は、個人とか閉鎖機関とかそういう場合に、追求しないということに又なるわけでございますが、個人の場合でございますると、拂込の能力から申しましても、それから個人的に、すでに財産税その他非常に重い負担を課せられておりまする個人に対して、非常な追求をするということの方が、何と申しますか不適当ではなかろうかというようなところで、個人の方を優遇いたしたわけでございます。
#12
○西川甚五郎君 この金融機関の株を持つておりまする法人は、大体戰時中においてもこの株價の指教から見ましても殆んど変化がないと思います。これを所有する法人としても、殆んど堅実な法人がこれを所有したと思います。投機的な会社においては、これは金融機関の株券というものは持つておらないと思います。そういたしますと、相当このかかります会社においては眞面目な会社が持つておつたというので、今日でも相当金融上困つていると思います。特にこの金融機関の株を持つておる法人は普通の法人と違うと思うのでありますが、その点はいかこな御見解でありますか。
#13
○政府委員(愛知揆一君) その点は御尤もの点と思うのでございますが、同時に法人と申しましても、金融機関が金融機関の株式を持つている場合、それから会社の中においても特別経理会社が相当多いと思いますので、さような場合には実際上そうたいした問題にならないように、この規定が働いて行くと思うのであります。
#14
○西郷吉之助君 金融機関の発足が非常に遅れているようで、今年度の追加予算額からその補償額百億等も削られたような次第でございますが、大体現在のところ金融機関の新発足はいつ頃になるか、そのお見込があつたら伺つておきたいと思います。
#15
○政府委員(愛知揆一君) この点は諸般の関係で非常に遅れておりまするので、実に遺憾に思つているのでございますが、大体最近の経過を申上げますると、御承知のごとく今年の九月六日に一應の評價基準、暫定的なもの、その他が決まりまして、十月の中旬にそれに関しまする必要な法令上の処置もいたしまして、現在御承知の通り中間処理の段階に入つているわけでございます。なほその後におきましてすでにこの國会におきましても、九月の十三日だつたと記憶するのでございますが、金融機関再建整備法にすでに一囘修正を加えて頂きまして、新勘定の徴收を認めて頂くことになつたわけでございます。今 只今議題になつておりまする未拂込資本金の徴收の問題が、これで法律の制定を頃き得るということになりますと、更に一段の進捗をすることになると思のであります。なほその次に金融機関におきましては経済再建整備委員会におきまして監査委員を任命して頂くことになつているのでありますが、その方の手配も経済再建整備委員会の方に御依頼いたしまして、この方も早急に監査委員の任命ができることと考えているわけでございます。その次の最終の処理の問題でございますが、できるだけ速かにいたしたいと考えてゐるのでございますが、現在の見込といたしまして、大体來年早々に最終処理の段階に入るということを目的といたしているのでございますが、早くて恐らく今年度末最終処理の段階に入るのでなかろうかと思います。そこを基準にいたしまして最終処理を進めます。來年夏或いは秋の交には金融機関関係の最終整理が全部一段落つくのじやないかと考えております。いろいろ手続上の関係、それから企業再建整備の関係と睨み合わせまして、それより早くいたしますることはちよつとむづかしいのではなかろうかと考えております。
#16
○西郷吉之助君 今のお答えで大体分りましたが、そう致しますと、発足が來年の夏頃といえば、大分その間期間もあるのでありますが、補償額も更にその際には百億とか百五十億とか、そういうような増加も予想されます。又夏頃に新発足するということであれば、例えば甲の銀行は第一封鎖は打切つたが、乙の銀行においては支拂うと第二封鎖が残つておる。こういうようなことで、新銀行の発足にもいろいろあると思いますが、夏頃に新銀行が発足するとなれば、その辺において第一封鎖の残額を支拂い得る新銀行に新発足と同時に大体預金者に第一封鎖を拂い出すことができる。そういう見込であると考えてよいでしようか。その点を……。
#17
○政府委員(愛知揆一君) 大体さようにいたしたいと思うのでありますが、主として最終処理をすつかり終りまして問題となりますのは、第二封鎖がどの程度解除されるかだと思うのでありますが、その点につきましては只今お話もございましたが、大体私共の現在の見込では、補償額については恐らく百七十億くらいの補償が必要ではなかろうか。現在いろいろ推算をいたしておりますが、大体今度の追加予算からは落しましたのでありますが、來年度の予算におきましては、どうしても矢張り百七十億程度のものが必要ではなかろうか。これをお認め頂きますれば第一封鎖は全部生きるわけでありますが、又同時に第二封鎖がどのくらいできるかという問題でございますが、この方については御承知のごとく各銀行ごとに非常にその態様が違つて参ると思うのでありますが、少くとも最終処理の段階が大体結了いたしましたときに、第一封鎖の問題も第二封鎖の問題も一斎にすべて綺麗にいたしたいと考えております。
#18
○山田佐一君 百七十億になると、予算は百億であつたが、來年になると七十億殖えるという予定でありますが……。
#19
○政府委員(愛知揆一君) 只今申しました百七十億と申しましたのは一應の推算でございます。当初金融機関の再建整備に手を著けました当時の予想といたしましてはな大体百億で大丈夫であろうということで、本年度の追加予算の当初の案には、一應百億というふうに考えたわけでありますが、その後、例えば地方銀行等におきまして、第二封鎖の方が予想外に少いのでございまして、我々の推定が誤つておつたのでございます。予想外に第一封鎖になつたものが多いのでございまして、その関係からどうしても七十億程度は殖やして頂かないと、第一封鎖の確実な、確実と申しますか、金額を出すことが困難であるというように見通されたのであります。
#20
○山田佐一君 第一封鎖を完全に支拂うということはもともと封鎖をしたときからの政府の声明でありますから、更に異議はないわけでありますが、一般財界から見まして、インフレは何と言つても昂進いたしているわけであります。而して銀行自体の資産から見ましても、あるいは不動産なり、すべてものが相当評價益が出ていると思います。初めの基準の帳簿價格でなくて、今日の実際價格でいけば非常に評價益が出て、さほど政府が補償しなくても本当に拂えるのではないか。業者はこの際補償を取らなければ損だというような、経理上の技術を施して取るというような懸念が外から見るとあるのでありますが、当局の御観測はいかがでありますか。而して第一封鎖は無論拂えるのでありますが、第二封鎖においても等しく預金者は支拂つて貰いたいのでありますから、これを拂うようにして頂いて、銀行自体に資産が残つてしまつて、預金者に第二封鎖はこの際だから損のかけられるだけかけた方が得だというような観念を銀行に持たせ、当局に持たせない……。銀行將來の信用の上においても、さようなことは大銀行としてないだろうと思うのでありますが、その辺の十分な御監督が願いたいということを、評價益に対して銀行にこんな百七十億も國庫が補償せんでも第一封鎖等の支拂はできるのじやないかという観念を持つておりますので、その辺の観測を一應承つて置きたいと思います。
#21
○政府委員(愛知揆一君) その百七十億ということについては私共の今の一應の推定なのでありますが、只今の御意見の通り私共といたしましては、先ず評價いたしますについては評價の基準を非常に適正に定めなければならん。その大綱は法律に基ずき、又その他所要の手続を現在進行中でございますが、先ず評價についてはお話のごとく一方において預金者の保護をしなければなりませんが、同時に銀行に仮にもこの際補償を取つて、少しでも多く取ろうということのないようにいたしたいと考えるわけでございます。一般的に評價基準をいかに定めるかという問題でありますが、その方については遺憾なき措置を講じたいと考えるわけでございます。なお又中間処理も勿論でありますし、最終処理等もやりますれば最終処理の計画書を十分に審査いたしまして、そうしてそれを法律に基ずいて認可するということになつておりますので、現在まで法律その他で決つておりまする根本方針に基ずいてできるだけ補償を少くするように評價するなり、その他の措置を講じ、且つ最終処理については十分計画を審査いたしまして、さようなことの起らないようにいたしたいと考えております。申上げるまでもなく、大藏省といたしましても最初百億と予想しておりましたものが相当殖えるということについては非常に遺憾に思いますので、その百七十億という只今の私共の見込が少しでも減るようにいたしたいと考えておることは勿論であります。
#22
○波多野鼎君 今の補償の額ですね、これが百七十億というような厖大な数字になるという見込はどうも納得し兼ねるので、いつかもつと詳しい説明を聽きたいと考えておりますが、預金者の保護ということも必要でありましようが、他方において國民の負担が大きくかけられるというようなことになると問題が相当深刻になつて來るのじやないかと思います。百億でさえ多過ぎはせんかと感じておりますが、特に現在の銀行資産の内容等をもう少し精査して、政府の方で責任を以て我々の方に示して頂きたいと思う。先程山田さんが言われたように、銀行の側においてこの際補償金を取れるだけ取りたいという氣持が若しありとすると、これは非常な危險なことになるから、嚴重にやつて頂きたいと思います。
 それから評價の基準を適正に定めて遺憾なき措置をとると言われましたが、これはそういうような問題について國会になにか案を提出なさる御予定ですか、それも承わりたい。
#23
○政府委員(愛知揆一君) 前段の御意見につきましては私共も全く同感でございまして、繰返して申上げますが、今百七十億と申上げましたのは、私共が一應既存の資料の基ずいて推定をいたしまして、どれだけこれによつて殖えるであろうかということを推算いたしたものでありますから、この次の予算の時までに十分これは精査いたしまして、できるだけ少くするようにいたしたいと考えております。
 それから評價基準につきましては、その決め方の大部が法律に基ずくものでありますが、なお委員会の組織されておりまするものにおきまして、十分各方面の御意見を参酌……参酌というよりはむしろ委員会において決定して頂くということで評價基準は現在やつておるわけであります。直接にその評價基準の細かいすべての、例えば國債についてはどう、地方債についてはどうかくのごとき債券についてはいかに評價をするかという極く細かいことにつきまして、一々國会の御承認を得るということは、必ずしも考えておらんのでございますが、その基礎の考え方並びに適用する基本の方針につきましては、その都度御意見をお諮りするということにいたしておるつもりでございます。
#24
○波多野鼎君 もう少しお聽きしたい点は、今御説明になつた百七十億という数字が一應まあ暫定的に出ておるが、その数字を出したのは、既存の資料に基ずいて出したと申されましたけれども、その既存の資料というのは、いつの頃の資料なんですか。今日のようにインフレーシヨンが激化しておりまして、もう一ヶ月前の資料というものは、一ヶ月後には大分意味、内容が違つて來ておるように思うのです。それで常にこの経済界の動きに即應をしてですね、調査をぐんぐん機動的に進めて行かないといけないと思いますが、その既存の資料と言われるのは、いつ頃の資料でありますか。
#25
○政府委員(愛知揆一君) 大体本年の九月頃の資料でございます。
#26
○波多野鼎君 それからもう一つ、特に当局に御注意願いたいと思うのは、金融補償金の額は大体百七十億ぐらいになるだろうというような御意見を出されますと、金融機関の側では又それくらいのものは貰えるのだと予定してしまつて、そうしていろいろのことをやる懸念があるのです。その点は愼重にやつて頂かないと困ると思います。
#27
○政府委員(愛知揆一君) 承知いたしました。実はこの席でも私共の本当の推算として申上げたのでございまして、これはまあ公の席で申上げたわけでございますが、なにもこれをすべて金融機関その他に約束をするというような恰好で、今までお話をしたことは全然ございませんが、今後もその点は十分注意したいと思います。
#28
○渡邊甚吉君 新勘定の増資の場合は、その増資株を株主に割当てることになるだろうと思いますが、財産税などで物納して、すべて政府所有になつておる株式に対する割当は、どういう処理をなさるのでありますか。この点を伺いたいと思います。
#29
○政府委員(愛知揆一君) 増資につきまして、現在のところ具体的にはつきりした方針を定めまして、それに基ずいて相談をしておる事例はまだないのでございますか。それから実を申しますると、只今のお話の点などにつきましては、別に意見を持つておる程のこともございませんので、はつきりしたことを只今申上げにくいのでございますが、今のお尋ねに対する直接のお答えにはならないのでございまするが、大体只今まで考えておりまするのは、増資後の資本金の総額が、すでに拂込まれました資本金額を下らない程度には増資をいたしたいということが一つでございます。それからやはり他のいろいろの政策の関係がございまするので、一人の株主の有します株数が、全体の株数の、多い場合でも二十分の一くらいに止めたい。この二つの目標に基ずいて、増資額を定め、増資を考えて行こうということにつきましては、大体各方面とも異議なく決つております。この二つの大きな目標をどういうふうに具体的にアブルーバルして参りますか。又今お尋ねの財産税関係で、政府の所有になつておりますようなものをどうするかということにつきましては、実は今のところ確たる御返事をする段階になつておりません。
#30
○渡邊甚吉君 只今の増資の場合に、旧資本金を下らない程度というその基準と申しますか、とにかく非常に通貨が増発されて、桁が違つて参つておるのでありますが、そこのお考えを、下らない程度とお考になつた基礎を承わりたいと思います。
#31
○政府委員(愛知揆一君) この金融機関の資本金につきましては、只今の御意見の通りでございまして、実は最近の経済状勢に比べまして、或いは又金融機関の公共性ということから申しまして、私共としては資本金額は多ければ多い程結構じやなかろうかというふうに考えるのでございまするが、一面におきまして、かくのごとき場合にそう大きく基準を設けますることもいかがかと思いまするので、只今申しました目標は最小限度の目標で、少なくともそれを下るようなことがあつてはいかんのじやなかろうかというように考えまして、ぎりぎりの最小限度の目標であります。あとは多い程結構というふうに考えております。
#32
○山田佐一君 企業整備再建法律案ですが、それに関係するわけですが、結局第二会社の資本金を作るときには固定資産と通常固定すべき運轉資金の合計額を下らないことを原則とするというのが片方に出ておるわけでありますが、銀行のごときは、殆んど固定資産という建物というものは非常に大きなものだと思いすますが、それと通常固定すべき運轉資金、これは銀行とは違いまするが、これを当嵌めて銀行に持つて行きますると、現在資本の何層倍というようなものになりはしないかと概觀的に思いまするが、その辺に対しましての御見解を承わりたいと思います。
#33
○政府委員(愛知揆一君) それは御意見の通りでございまして、先程申上げたように、多ければ多い程よいということは、考え方の根本といたしましては、企業の再建整備と同様の考え方を取りたいというふうに考えております。
#34
○山田佐一君 凡そどの位になりましようか、凡その見当はつきませんか。
#35
○政府委員(愛知揆一君) 凡その金額の見当でございますか。
#36
○山田佐一君 金額の見当が、現在の公称資本が全國の銀行を寄せて幾ら位か、金庫では幾らあるのだというような工合に凡その見当が分ればいいのであります。
#37
○政府委員(愛知揆一君) 建物だけの推算をちよつとここに持つておらんのでございますが、公称資本金で申しますると、銀行につきましては、特別銀行が五億四千二百万円、それからいわゆる五大銀行が七億五千二百万円、地方銀行が七億四百万円、貯蓄銀行が七千三百万円、合計いたしまして、いわゆる銀行全部を合計いたしますると、二十億七千百万円、それから信託会社が七社でございまするが、合計が一億三千百万円、それから農林中金、庶民金庫、恩給金庫、商工中金といつたような金庫の合計が一億五千五百万円、復金は除いてありまするが、復金以外の金庫が一億五千五百万円。それから保險会社、生命保險が四千九百万円、損課保險が三億七千四百万円、農業会の合計が五億八千百万円市街地信用組合が一億五百万円、無盡会社が四千二百万円、以上銀行、信託、金庫、保險、農業会、無盡会社、市街地信用組合全部合計いたしまして、本年の九月未の調べでは合計公称資本金が三十五億八百万円でございます。それに対しまして拂込資本金が二十二億九千四百万円でございます。未拂込が十二億千四百万円、かような数字になつております。
#38
○山田佐一君 合計が三十五億八百万円、これは現在の建物の評價價格で見まして、全國の銀行及び信託会社の持つておめ建物だけで見ても、これの数層倍のものであるかと思います。あるいは帳簿價格で見たらこんなものかも知れません。凡そ今日の時價から見たら銀行及び何の建物だけでも百倍になつておりはせんかと思います。そういたしますと、こつちの企業再建整備法にこういうふうの固定資産と運轉資金というものの何がありまするが、銀行に向つては殆んどこれは言うべくして行われない資金の構成方法じやないかと思います。少くも銀行で整備をいたしまするときに、損失を計上して、しかして國家の補償を得る、國家の補償を得るには、資本金の九割まで切捨てるか何かしないとできない、片方では百倍にもなるべきものが三十五億八百万円、十倍と見ても三百五十億、今日百倍と見ると三千五百億近いものじやないかと思いまするが、この辺から見ましても今回の百七十億というものに対する何は、何だか実際と食違うようなものになるのではないか、あるいは有價証券、國債というようなものは、あるいはこれは切捨てて見なければならないかと思います。その辺をもう少し詳細に亘つてこちらへ御報告も願いたし、当局も慎重に御審査が願いたいと思います。
#39
○政府委員(愛知揆一君) 誠に御尤もなお話でございまして、十分さような点を考えまして御相談申上げたいと思つております。なをただここにちよつと私見に亘りまするのでございますが、資本金の問題、自己資本の問題は、企業と金融機関と同様には必ずしも考えられないこともあるかと思います。なおそれらの点につきましては十分愼重に詳細に檢討いたしたいと思います。
#40
○波多野鼎君 私も今の山田さんのお説に同感なんですが、先程から申上げておるように、金融補償金百億でも多過ぎると思つております。今の銀行資産を再評價して見れば、こんな大きな補償金を貰わなくたつて預金者に迷惑をかける必要はないと思つております。そこに持つて來て百七十億といわれて非常に驚いておるのであります。これを別の角度から申しますと、今の銀行などの公称資本金三十五億幾らという僅かな資本金として出されておつては、これは非常に含みの多い金額だと私は思います。それでは仮に國家が、三十五億でお前たちの銀行の建物を全部賠償してやるといつたときに、應ずるかどうか、決して私は應じないと思います。そういう点からぐんぐん突いて行きますと、百億でも多い、百億やらなくたつて預金者に迷惑を掛ける必要は絶対ないと確信するのでありますが、そういう点について、正確な資料を是非とも出して頂きたいことを重ねてお願いしておく次第であります。
#41
○政府委員(愛知揆一君) 承知いたしました。
#42
○赤澤與仁君 只今のお話に対しまして、政府委員は承知したと申されたわけでありますが、そういたしますと確定評價基準なり、あるいは暫定評價基準というものとの関聯性があるのではないかと思いますわけでありますが、そういうような基準でも、改めてお考えになるという御意思があるわけでございますか。
#43
○政府委員(愛知揆一君) この暫定評價基準の方は、すでに六月二十五日に決まりまして、それから公債、その他につきましても評價基準が決つておるわけでありますが、それをも動かすということは困難かと思うのでありますが、尚併し只今のお話は、將來の補償の問題と關聯いたしましての根本的な御意見でございますので、一つ政府側におきましても十分檢討する機会をお與え願いたと考えまするし、又必要に應じましては、所要の措置を國会に対しても取らなれけばならんかと思います。そういう意味でお答えしておるのでございます。
#44
○赤澤與仁君 了承しました。
#45
○委員長(黒田英雄君) 私ちよつとお伺いしますが、この要綱の二十五條の第十五の終りの方に、「五月十三日以降の讓渡人がこれ等に該当する者であつた場合においてはこれ等の株主又は讓渡人には求償権を認めない」とあるのですが、これを五月十三日というのは、どういうのでありましたか。
#46
○政府委員(愛知揆一君) これは五月十三日に未拂込金の徴收をやろうという方針を政府側において決めた日でございます。そのとき以降におきましては、或いはそのことが世間周知と申しませんまでも、一部にその方針が漏れておりはしなかつたろうかということを懸念したしまして、五月十三日といい日を取つたわれであります。この点はちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#47
○委員長(黒田英雄君) ちよつと速記を止めて……。
#48
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……。この金融機関再建整備法の一部を改正する法律案についての御質疑はこれで終了したものといたして御異議ございませんか。
#49
○委員長(黒田英雄君) それでは御異議ないと認めまして、質問は終了したことといたします。討論、採決は明日いたしたいと思いますから……ちよつと速記を止めて……。
#50
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……。それではこの金融機関再建整備法の一部を改正する法律案の採決は後にいたすことにいたしまして、企業再建整備法等の一部を改正する法律案、並びに企業再建整備法の一部を改正する法律案につきまして、御審議を願いたいと思います。御質問のおありの方は御質問を願いたいと思います。先ず政府委員からこの企業再建設備の今までの経過並びに今後の見通しを説明して貰つたらどうかと思いますが、政府委員から御説明を願いたいと思います。
#51
○政府委員(伊原隆君) 委員長から御指図がございましたので、企業再建整備の大体の見通しにつきまして、簡單に御説明申上げたいと思います。今回御審議を願つておりますこの企業再建整備法の一部を改正する法律案、それから企業再建整備法の一部を改正する法律案は、先般御説明を申上げましたように、非常に技術的の部分が多くて、甚だ恐縮に存じておるのでございますが、大体企業再建整備につきましては、昨年の、御存じの通り夏の議会で、会社の経理應急措置法、それから金融機関経理應急措置法を御制定頂きまして、それから秋の議会で企業再建整備法と、それから金融機関再建整備法等ができましたわれでございます。今日まで非常に遅れておりますのでございますが、これにつきましては、一番の問題は、評價基準が昨年の秋から関係当局といろいろ打合せのために、非常に遅れまして、それがいろいろの経過を経まして評價基準は御存じの通り固定資産については帳簿價格であるという極めて健全なる基礎の上に決りましたので、そこで各会社といたしましては今年の春から夏にかけまして整備計画……各会社を例えばどういうふうにして補償打切に伴う損失金を消して行くか……積立金を充てる、場合によつては資本金の一部をそれに充てる、なほ足りないときは、銀行等の借入金の一部を打切るというふうな方法で、会社の経理を奇麗にして行く。この機会におきまして第二会社を作る会社もあります。第二会社を作らないでそのまま在続する会社もあるというふうないわゆる整備計画というものを出すことになつておりました。ところがいわゆる経済力集中排除の問題等が起りまして、整備計画の方もそれらとの関係において多少延びまして、実は法律的には整備計画はこの十一月未日までに会社は出さなければならないということに相成つておるのであります。これに対しまして非常に止むを得ない事情がございますと、一箇月間整備計画の提出期限を延ばすこどができることに相成つております、從いまして会社から整備計画が出されますのは、多くの会社につきましては本年未までに政府に提出になるものと期待しておるわけであります。そういたしますと、政府といたしましては一ヶ月間、これは異議の申立てというふうな公告の期間がございますので、一ヶ月間は認可を正式にいたすことができませんので、一月一ぱいはこれを内部的に審査をして待つておるということになるだろうと思います。そういうふうに行くかどうかは存じませんが、一番早く行きまして、例えば二月の初めに製備計画の認可をいたしますと、会社は更に第二会社を立てますような場合には、再檢査等に対しまして一ヶ月間猶予期間を設けねばなりませんので、三月の初めから第二会社を立て得る状態に相成るというふうな様相になつておるわけでございます。一方におきまして、これは集中排除法の関係で安定本部が責任を持つておられるのでありますが、これらの特別経理会社の中で集中排除法の適用を受けまして指定をされるというふうなものにつきましては、私共の想像では、おそらくは大部分の会社は本年未までには集中排除の指定を終るであろうと思いますので、いわゆる集中排除法に基ずく再編成計画というふうなものも、來年の一月、二月中には提出になる。それらに基ずきまして会社の再編成が行われますのも、やはり三月以後になるだろうと思うのであります。そんなふうで第二会社のスタートいうようなことは大体三月、四月頃から始められるという見通しを持つておるわけでございます。ただ第二会社がスタートしましたあとのいわゆる旧会社の方の整理につきましては、これは第二会社の株式の処分とか、そういうふうなものと関聯いたしまして、できるだけ急ぐのではありますけれども、こつちの方はすぐに終つてしまうというふうには参らないと思いますが、いずれにいたしましても、三月、四月の頃から第二会社がスタートして行くという状態に今度こそはなり得ると期待しておるわけでございます。大体の簡單な見通しにつきまして御説明申上げました。
#52
○委員長(黒田英雄君) ちよつと私御質問しますが、この要綱の中に書いてあることですが、特別経理会社の新勘定に所属した会社財産の上に存したために消減した先取特権とか、抵当権というようなものは、新旧勘定を合併したらばそのときに復活するというふうになつて、順位が下つて來るわれですね。そういうふうな取扱をされた理由はどういうところにあるのですか。
#53
○政府委員(伊原隆君) 只今のお尋ねは、この要綱の第二の会社経理應急措置法の改正の一に関聯いたす問題と存じます。これは非常に技術的なむずかしい問題でございますが、從來はこういうふうになつております。例へば或る会社が昨年の会社経理應急措置法で新旧勘定を分離する。そうして今後の生産に必要な設備、資材等を新勘定に移しまして、そのときに実質上第二会社がスタートしたようなのは生産を始める。旧勘定というのは整理をする。こういうことになつておりまして、新勘定の方に例えば固定資産を移しますと、その上に存しました担保権は消えることに、会社経理應急措置法でなつておるのであります。從來の規定によりますと、新勘定に一遍固定資産を移しますと、その上にあつた担保権が消える。ただ新旧勘定を合併いたしますと、又復活する。併しながらここにございますように、新勘定に移した後に、新勘定の方で又担保に入れたというふうな場合におきましては、從來の規定によりますと、旧來の担保権は、復活をしなかつたのであります。旧來の担保権は死んでしまつたことになつておるのであります。ただ死にました代りに、担保権者の債権額に相当する金を供託をするということに規定がなつておるのであります。ところが正直に申上げまして、消えた場合に、担保権者の債権額に相当する金を供託するという規定は、実は制定してしまつてから、そういうことを申上げると甚だ申訳ないのですが、動かないのであります。それの担保権に相当する金額を供託しなければならないということになりますと、実際問題としてそういう多額の金額を供託することもできず、動けないということになりまするので、その後いろいろ研究の結果、担保権の債権額に相当する金を供託するという規定は落さなければならないということになりましたので、それらに関聯しまして、現行法では新勘定に移つてから新らしく担保に入つた場合は、前の担保権は復活しないということになつておりますのを復活するということにいたしました。ただ復活いたしますと、新勘定で金を貸した場合の債権者の保護ということが極めて大切でありますので、新勘定に移つて後に設定された担保権の方が優先をいたしまして、そうして復活はするが、新旧勘定合併のときに、担保がついたものとしての順位、即ち第二順位になつて復活する、こういうことにいたして、そうして事実上動きません供託の規定を落しました。債権者の保護ということについては同じでございまするので、まあ正直に申上げまして、前の規定は実情に全く副わなかつたのを直しました。
#54
○委員長(黒田英雄君) 只今のところ改正されましたことは分るのですが、現在の規定ではとにかく債権者はそれだけの金額を供託をされて、完全に保護されるという、完全に債権者を保護するという趣旨でできておつたと思うのです。ところが、今度は供託をすることが会社で困難であるというために改正されたために、担保権は復活しますが、併しそれは場合によると第二順位になつて、前の供託ならば完全に全部を供託さるべきものであつたのが第二順位になつたために、今度は全額債権を保護することができないというふうな場合が生じやしないかと思いますが、そうなれば現行の供託の規定よりも、債権者の保護が薄くなるように思うのですが、旧債権者は新勘定で新たに担保した債権では保護されましようが、旧債權者の方に保護が却つて薄くなるのではないかと思われるのですが、いかがですか。若しそうなるとすればそういうふうにされました趣旨を伺いたいのです。
#55
○政府委員(伊原隆君) 委員長のお尋ねは非常に御尤もの点でございますが、実は今度の補償の打切りに伴いまして、新勘定と旧勘定を分けました趣旨は、何とかして補償打切りという経理上の損失に禍いされないで生産を何とかして、今度の生産を何といいますか、興すようにいたしたい、即ち新旧勘定を分けまして、新らしい勘定の方ではもうそのときには第二会社ができたと同じような趣旨で、生産のこと、ブロダクシヨンのことだけに專念して行こう、旧勘定の方は整理をやつて行こう、こういう趣旨でございまして、從いまして新勘定の債権と旧勘定の債権とでは或る程度の差異がついてございます。そうして新勘定の債権というものは、実質上第二会社の債権と同じでございますので、非常に保護される立場に立つておりまして、今後新勘定が金を借りて十分に運営し得るようにという趣旨から、旧勘定にあつた担保でも新勘定に移つた瞬間に消えてしまう、そうして新勘定の金融を円滑にしよう、こういう趣旨で消えてしまつたわけでございます。ところがそうして旧勘定の方の債権は、これは御存じのように、特別損失、その他を計算しまして打切るものは打切るということになつておるのでありますが、現在の規定ではこの会社経理應急措置法の十二條の第四項に、会社から弁済を受けることのできる金額を供託をするということになりますと、委員長のおつしやる通り、現在の規定よりは勿論旧勘定の債権の保護が薄くなるということは事実でございますが、この規定自体が動かない、それに相当する金額を皆供託しなければならないというこになつたのでは、到底何といいますか、実際運用ができませんので、担保権は復活する、併し旧勘定債権が新勘定に行つてから附いた担保の方が飽くまでも優先しまして、その第二順位として復活すると、こういうことにせざるを得ない状態になりましたので改正をいたした次第であります。
#56
○委員長(黒田英雄君) 旧勘定の場合の債権者というものは、今度の案によつて旧勘定の方が、何といいますか、会社が保護されて債権者の方が押えられたという結果になると解していいのですか。
#57
○政府委員(伊原隆君) 実質的には、正直に申上げまして、同じであると思います。それは旧勘定の債権は、御存じのように、打切りを必要とする場合もありますし、打切りを必要としない場合もありまして、清算上は綺麗になるわけでございます。それに担保権が附いておる場合には、前の規定では、全額を供託する、こういうことになつておつたのでありますが、今度は担保権の附いておる場合には、担保権として第二順位に復活する、その金額自身については同じでございまして、担保力が、全額供託と、それから第二順位の担保ということで、形式上は委員長のおつしやる通り或る程度落ちたようにありますけれども、内容的には、実際は同じであろうと思います。こういうように考えております。
#58
○中西功君 第三十四條の四、「第二会社が退職金を支給するため留保を必要とする金額を定めることができる。」となつておりますが、これだけの金額を第一会社から第二会社に持つて行くことができるという意味なのか、最高任意積立金の三分の一という説があるが、この額を特別管理人が勝手に決め得るかどうかという点、どうなつておりますか。
#59
○政府委員(伊原隆君) 只今お尋ねの点は、法律の三十四條の四、要綱でございますと第一の十五に書いてある点でございますが、御存じのように、現在におきましては、第二会社に引継がれる職員は退職とみなさない、從つて退職金は支拂わないで第二会社に行きまして支拂う、年限は通算する、こういうことになつておりまして、見合いの財産は法定の退職積立金だけを持つて行くようになつておりました。それでは不十分でございますので、ここにございますように、特別管理人は任意積立金の一定限度内において退職金を支給するために留保を必要とする金額をなんといいますか、整理計画で定めて持つて行くことができる、こういうことにいたしまして、只今お尋ねの一定金額というのは幾らか、三分の一という話があるが、どういうことかというお尋ねであると思いますが、これにつきましては、この間お約束しました運用方針というものを決めまして、そうして差出そうと思つておる点でありまして、現在のところでは、只今おつしやるように、大体三分の一程度ということと、それからもう一点、これはまだ正確に決定しておるとは申上げかねるのでありますが、その会社の過去の平均退職率等から計算した、その会社及び第二会社の二年以内に支拂うことを要する退職金の予想額というようなことを一應考えておるわけであります。但し前株主及び前債権者の同意のない場合には、任意積立金の額から、修繕積立金、償却積立金等、特定の目的のために積立てました任意積立金の額を除きました残額の三分の一に相当する額、又は退職支拂に充当する目的で積立てた任意積立金の額の中、いずれか多い額を超えることができない。こういうような方針に大体近く決まる予定であります。即ち繰返して申上げますと、ここにございます一定の金額というのは、多少ややこしいのでありますが、その会社の過去平均退職率等から計算したその会社と、第二会社が二年以内に支拂うことを要するであろうという退職金の予想額を一定金額と見る、併しながら前株主、又は前債権者の同意がないような場合には、今おつしやつた大体三分の一の額にすると、こういうことでございます。これは整備計画の運用方針として、処理をいたして行くということになつております、この間お約束いたしましたように、これは今週中には確定に至るだろうと思つております。まだ未確定のものでございます。
#60
○委員長(黒田英雄君) ちよつと速記を止めて下さい。
#61
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……。
#62
○中西功君 そのときに債権者及び株主の同意が必要ということになつていますね。それは例えば組合側としては、こういう問題を團体交渉権で獲得するという場合には、結局團体交渉権の相手である会社の責任者に当るわけですが、その場合、團体交渉権の問題と、その株主及び債権者の同意を必要とするとい問題とは、どういうふうな関係になるのですか。
#63
○政府委員(伊原隆君) この持つて行く問題は、ここにございますように、特別管理人が決めるわけでございまして、三分の一以内なら特別管理人があれして決めるわけでございますが、只今申上げました二年以内の予想額、これがそれを超えるような場合には、前株主と前債権者の同意がなければならないと、こういうことになつておるわけでございます。なを從業員の関係は、この要綱の、只今申上げた四番、五番にございますように、整備計画を出します前におきましては、利害関係人として、意見を述べることができるようになつておりまして、若しその反対意見というか、意見が、整備計画に織込まれないでも、反対意見を書いて、特別管理人は申請しなければならない。それから五番目に、整備、計画を今度は出してしまつたら、主務大臣に異議の申立をすることが、從來は株主と債権者でけだつたのですが、利害関係人からということで、従業員から異議の申立をすることができる、こういうような途を開いているわけであります。要綱の四番と五番であります。
#64
○中西功君 これはちよつと、今企業整備計画を会社が作つておる場合、我々はよく見ますと、実は旧勘定の中に、現在の生産設備、あるいはその他の動産は沢山ぶつ込まれているわけであります。新旧勘定を分けて、旧勘定の中に、そういう現に働いている物、稼働している物が沢山入つておりまして、結局それを整理して行きますと、旧勘定を整理して行きますと、そういうものはいわば賣拂うというようなことになつて、そこから生産の縮小も起つて來ますし、同時に失業者も必然に起つて來るというような整備計画が立てられておる場合が多いが、そういう事実に対しては、政府はどう考えておりますか。
#65
○政府委員(伊原隆君) 先程一初めに御説明申上げましたように、今度の新旧勘定分離ということは、お示しの通り、今後生産を続けて行くというものは、できるだけ新勘定に移して生産をさせる。それから旧勘定は整理、リクイデーシヨンだけの方というつもりでありますが、ただその会社としては、要らないというような物もあり得るわけであります。その会社としては要らないので、手離してしまいたいというようなものは、旧勘定に送ることも差支ない。これも運用方針でいずれ発表しますが、旧勘定においても、一括して生産に役立つような工場、機械等におきましては、他の会社に現物……その事業を営んでいるような他の会社に現物出資をして、そうして今後の生産に役立たせるようにしたいというような方針になつております。即ち第二会計ではありませんが、旧勘定の方から他の会社に一括して生産に役立つ物であつたら、現物出資をして行く、評價等も、新勘定から第二会社を作ると同じように、現金で、時價で高く賣るというようなことでなく、旧勘定から他の会社に、帳簿價格で現物出資をすると、こういう方針になつております。
#66
○委員長(黒田英雄君) 中西君、時間ですから、この次に……。
#67
○中西功君 この次に……。
#68
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。明日午前十時から開会いたします。
   午前十一時五十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
   委員
           下條 恭兵君
           森下 政一君
           西川甚五郎君
           山田 佐一君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           九鬼紋十郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
  政府委員
   大藏事務官
   (銀行局長)  愛知 揆一君
   大藏事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
ソース: 国立国会図書館
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