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1947/11/22 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第36号
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1947/11/22 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第36号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第36号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○物價引下運動促進に関する陳情(第
 九号)
○製塩事業保持対策樹立に関する陳情
 (第十九号)
○織者の價格改訂に関する陳情(第二
 十八号)
○少額預金及び各種團体預金封鎖解除
 に関する陳情(第五十二号)
○インフレ防止に関する陳情(第七十
 一号)
○電氣税復活反対に関する請願(第四
 十三号)
○会計檢査院法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○低物價政策上官営事業料金の値上げ
 反対に関する陳情(第百九十号)
○連合軍兵舎並びに宿舎建設用木材前
 受金の第二封鎖解除に関する陳情
 (第二百十一号)
○賠償金の新設に関する請願(第百十
 八号)
○中古衣類の公定價格を廃止すること
 に関する請願(第百三十八号)
○企業再建整備法並びにこれに伴う諸
 施策に関する請願(第百二百四十
 号)
○中古衣類の公定價格制度を廃止する
 ことに関する陳情(第二百三十三
 号)
○失業保險特別会計法案(内閣送付)
○非戰災者特別税に関する陳情(第三
 百三十一号)
○政令第七十四号中憲法違反の條項に
 関する請願(第二百五十七号)
○自給製塩制度存続に関する請願(第
 二百九十一号)
○戦死者遺族を非戦災者特別課税外と
 することに関する陳情(第三百八十
 一号)
○庶民銀行設立促進に関する陳情(第
 三百九十一号)
○通貨発行審議会法案(内閣送付)
○経済力集中排除法案(内閣送付)
○物品税免税点の引げ等に関する請願
 (第三百二十八号)
○今次日立鉱山地区の水害復旧特別融
 資等に関する陳情(第四百十二号)
○金属鉱山事業を経済力集中排除法案
 中より除外することに関する陳情
 (第四百十五号)
○戦死者遺族を非戦災者特別税の課税
 外とすることに関する陳情(第四百
 十八号)
○企業整備に関する陳情(第四百十九
 号)
○自給製塩制度存続に関する陳情(第
 四百二十九号)
○旧軍用施設並びに敷地の無償交付に
 関する請願(第三百五十一号)
○生業資金貸付に関する請願(第三百
 六十二号)
○庶民金融機構の確立に関する請願
 (第三百七十二号)
○木材業者の水害復旧費に対する融資
 並びに國庫補助に関する請願(第三
 百八十号)
○天日製塩実施に関する陳情(第四百
 六十二号)
○金融機関再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、衆議院送付)
○経済力集中排除法案に関する陳情
 (第四百八十一号)
○自給製塩制度存続に関する陳情(第
 四百九十二号)
○企業再建整備法の改正に関する陳情
 (第五百六号)
○物品税免税点の引上げ等に関する陳
 情(第五百十三号)
○企業再建整備法等の一部を改正する
 法律案(内閣送付)
○企業再建整備法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○物納せる耕地の公租公課に関する請
 願(第四百六十八号)
○所得税法の一部を改正する等の法律
 案(内閣送付)
○非戰災者特別税法案(内閣送付)
○昭和十四年法律第三十九号災害被害
 者に対する租税の減免、徴收猶予等
 に関する法律を改正する等の法律案
 (内閣送付)
○印紙等模造取締法案(内閣送付)
○持株会社整理委員会令の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○接收家屋の地租家屋税等に関する請
 願(第五百八号)
○経済力集中排除法案より電氣事業を
 除外することに関する請願(第五百
 三十六号)
○政府に対する不正手段による支拂請
 求の防止に関する法律案(内閣送
 付)
○財政法第三條の規定の特例に関する
 法律案(内閣送付)
○金融機関再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○竹材加工業に関する陳情(第五百八
 十五号)
○政府職員に対する臨時手当の支給に
 関する法律案(内閣送付)
○北海道に在勤する政府職員に対する
 越冬燃料購入費補給のため一時手当
 支給に関する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月二十二日(土曜
日)
   午前十一時十一分開会
  本日の会議に付した事件
  ―――――――――――――
○企業再建整備法等の一部を改造する
 法律案
○企業再建整備法の一部を改正する法
 律案
○政府職員に対する臨時手当の支給に
 関する法律案
○金融機関再建整備法の一部を改正す
 る法律案
○所得税法の一部を改正する等の法律
 案
○非戰災者特別税法案
○昭和十四年法律第三十九号災害被害
 者に対する租税の減免、徴收猶予等
 に関する法律を改正する法律案
○印紙等模造取締法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) それではこれより委員会を開会いたします。先づ企業再建整備法等の一部を改正する法律案並びに企業再建整備法の一部を改正する法律案、この二つを議題にいたしまして、御質問のおありの方はお願いいたしたいと思います。
 御質問しますが、先日の提案理由の御説明の中に、第二として、特別経理会社の整備計画の法律的効力を強化して、当該会社の株主、債権者、第二会社の株主等を拘束することとしたという御説明があつたのですが、それはどういうことを意味しておられるのでありますか、法律的効力を強化する……。
#3
○政府委員(伊原隆君) お手許にございます企業再建整備法等の一部を改正する法律案の要旨の第九と第十をちよつと御覧願いたいと思います。要綱の方です。條文で申しますと十一頁の第二十九條と第二十九條の二でございます。これについて御説明申上げますと、整備計画の認可を受けましたときに、特別経理会社のその内容は、特別経理会社の株主、第一会社の発起人、株式引受人及び株主並びに特別経理会社の債権者は、その整備計画の定めに拘束せられないようになる。それから要綱の上にございますように例えば旧債権の條件變更の定めをいたします。例えば五分を借りておりましたものを三分なら三分に改め、且つ期限を延ばすというような旧債権の條件の變更をいたしまして認可を受けました場合には、その定めが債権者、債権者を拘束する、こういう規定でございまして、只今の現行法はどうなつておるかと申上げますと、現行法におきましては、整備計画で定めましても実は拘束力がございませんので、例えば債権の條件變更などいたします場合には、債権者と債務者との間で互いに協定といいますか、互いに同意が成り立たないとできないことに相成つておるのを、整備計画で決めました場合におきましては、これが第三者もを拘束するという意味であります。
#4
○委員長(黒田英雄君) それでは整備計画の認可基準について先日資料を要求したのですが、まだ參つておりませんから、政府委員からそれにつてい一つ説明して貰つたらどうかと思います。
#5
○政府委員(伊原隆君) まだ印刷が遅れておりまして申訳ないのでありますが、後程か手許に必ずお届け申上げますから……。内容につきまして御説明を申上げさして頂きたいと思います。それは企業再建整備法の整備計画についての経理に関する認可基準というものでございまして、これは企業再建整備法によります整備計画の中で、経理に関する事項を認可いたします場合には、大体次のような方針で認可をするという基準でございます。これは新聞にも発表いたしますし、会社の人に知つて貰いまして、そうして会社が整備計画を立てます場合の參考にいたすという趣旨でございます。
 先ず第一に、御存じのように整備計画では、その会社が存続をするのか、それとも解散をするのかということ、並びに資産の処分はどういうふうにやるのかということを決めなければならないようになつておりますが、第一にいわゆる独占禁止法の規定によりまして規定されておる特株会社は、独占禁止法の趣旨に從つて解敗をしなければならない、ただ持株会社では、有價証券の外に資産を持つております場合には、その資産で以て第二会社を建てるということは差支えがないというのが第一点でございます。
 第二点におきまして、主たる事業を外地をも含みます外國で営んでおりました会社は、原則として解散するということが適当である、併しながら外地において主たる事業を営んでありましても、内地にある資産で事業を継続するというふうなことができます場合におきましては、その内地にあります資産で第二会社を建てまして、内地の事業を進めて行くという方針にいたしております。
 それから第三に、これは当然のことでございますが、会社の事業が経理的に非常に不健全であると明らかに認められないような場合におきましては、会社が存続するか、解散するかということは、会社の隨意に認める、整備計画で定めて來た通りに認めるということであります。
 それから第四点としまして会社の解散又は資産処分につきましては、その結果他の企業について独占を生じないように適当な処置を取らなければいけない、それから会社が資産の一部を処分したり、又は資産の一部で第二会社を立てます場合には、存続する外に会社は残余の資産によつて独立して堅実に事業を営み得るだけの資産内容を持つていなければいけないというふうな、これは当然のことでありますが、第一に存続、解散及び資産の処分に関する方針といたしまして、これだけの点を掲げております。
 第二点は資本の構成の問題でございますが、これは特別経理会社又はその第二会社の資本金額は、固定資産と通常固定すべき運轉資金の合計を下らない額を標準として、できるだけ資本金額を調整する、これが相当にいろいろむずかしい問題になつておるのでありますが、要するに我が國の会社の借入金依存が非常に多過ぎるという建前で、できるだけ自己資本によるべきである、從つて固定資産と通常固定すべき流動資産の合計額を下らない程度の資本金にしなければならないということが第二の点であります。
 それから第三点は資本の増加の問題でございますが、これは第一に資本増加の原則としまして、新株はすべて全額拂込の株式にするということにいたしておりまして、御存じのように未拂込の制度というのは、商法上はございますが、今後運用としては認めて行かないという方針にいたしております。これはすでに実行いたしておりまして、例えば資金調整法で会社の新設、増資等を認めます場合におきましても、未拂込の株の発行というのは認めないような方針にいたしておるわけであります。
 それから第二に無議決権株の発行というのは、株主又は債権者である金融機関に対する割当の場合を除いては、原則として無議決権株の発行は認めないという考え方であります。而も無議決権株を発行いたします場合は、御存じのように商法の原則に從いましても、資本の四分の一を超えないようにするということにいたしておるわけであります。
 それからその次の点は非常に面倒な点でありますが、先般も申上げましたように増資新株を割当てるという場合には、原則として増資新株はその会社の株主に割当てるというのが当然でございますが、その場合におきまして、順位といたしましては個人又は金融機関である旧株主というものに対しましては、現在の持株数に比例して割当てる。それから若し残りましたならば、從業員に割当てる。尚残りましたらば、地方在住者と申しまして、例えば方々に工場を持つているというふうな場合には、その工場の周りの、つまり工場に親しみのある人々に分配しよう、それでも余つた場合には、一般公衆に分配しよう、こういうふうに、株主、從業員、地方在住者、一般公衆という増資新株の割当順位になつております。
 それから先程申上げましたように、株主に割当てるのでありますが、株主が会社でございますと、御存じのように独占禁止法の規定によりまして、会社たる株主は他の会社の株を持てないということになつておりまするので、会社たる株主には割当てることができないわけでございます。然るに若しこれを割当てませんと、非常に内容の好い会社等でありますと増資新株の割当権というものを、不当に、会社であるために、株主であつても割当を貰えないということでは不公平になりまするので、その場合におきましては、含み利益を何とかして享受するという方法を考えなければいけないということで、二つの方法を考えました。その一つはその増資新株が額面以上の價格で引受けが行なわれました場合には、新株を割当てられなかつた会社は、プレミアムの交付を請求することができる。それからもう一点は新株の引受権というものを讓渡いたしまいて、それによつて含み利益を享受させるというふうな方法を取るということにいたしたわけであります。ひりは独占禁止法の規定によつて会社、それから金融機関も一定の金額以上は株が持てないということ、それから株主はその好い会社の含み利益を享受しなければならないということの二つの問題の調整を、そういうふうにして取りましたわけであります。
 第四番目は合併の問題でございますが、合併はこれは独占禁止法の規定で認めるというふうな趣旨の場合だけやはり合併を認めるということであります。
 それから第五といたしまして、第二会社の問題といたしまして、第二会社は旧会社に対しまして、旧会社から出資を受けた資産の対價として、第二会社が株を與えて旧会社はその株を処分をする。つまり第二会社を立てましたときには、旧会社が初め一人株主になりまして、その一人株主になつた旧会社が第二会社に株を分散をして割当てて行くということにいたしましたわけであります。
 大体御説明を申上げましたような次第で企業再建整備法の整備計画についての経理に関する認可基準といたしまして、すでに決定いたしましたものは、大体そういうふうな趣旨のものでございます。申訳ございませんが、印刷が遅れましたので……、多分本日お届けができると思つております。後程お届けをいたします。
#6
○委員長(黒田英雄君) 企業再建整備法の御質疑は後でお願いすることにいたしまして、丁度大藏大臣が見えておりまするから、先日予備審査のために、本委員会に付託されました政府職員に対する臨時手当の支給に関する法律案、これにつきましてこの機会におきまして、提案の理由の説明を求めることにいたしたいと思います。
#7
○國務大臣(栗栖赳夫君) この度本國会に提出いたしました政府職員の給與に関する應急措置としての臨時手当の支給に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと思います。誠にこの種のものを再三お手を煩しまして、恐れ入ります次第でございますが、職員の給與に関するものでございますから、何卒一つよろしくお願いいたしたいと思つております。
 政府職員の給與は月收平均千六百円を水準といたしていたのでございますが、本年七月工業暫定業種別平均賃金千八百円を基礎とする新物價体系の樹立に伴いまして、政府職員の給與水準もこれに應じて一應千八百円まで引上げることが適当であると認め、七月以降の給與については、千八百圓水準によつて補正予算を組んだ次第であります。而して新給與体系の確立に至りますまでには未だ時日を要しますので、それまでの應急的措置として、当分の間千六百円水準と千八百円水準との差額二百円を毎月支給するのが適当であると考えまして、先に本國会の議決を経ました法律第百十九号によつて、その七月から九月までの合計六百円を支給いたしましたが、十月以降も同樣の措置を取りたいと存じまして、この法律案を提出いたしましたような次第であります。この法律案によります臨時手当の支給方法といたしましては、前回の法律とは聊かその基準を改めまして、これは組合等の申出もありまして改めたような次第であります。各人の現に受けております俸給、暫定加給、暫定加給臨時増給、臨時家族手当及び臨時勤務地手当の合計額千六百円分の二百円即ち八分の一を支給することといたしたのであります。この措置によりまして支給を実施いたしますため必要な予算額は、概算いたしますと大体一般会計一億二千二百余万円、特別会計二億四千七百余万円、合計三億六千九百余万円でありまして、この金額は十、十一月分については、すでに御承認を得ました一般会計補正予算第五号及び特別会計補正予算特第二号に計上いたし、残りの十二月以降の分につきましては、目下御審議を頂いておりますところの一般会計補正予算第七号及び特別会計補正予算特第三号に計上いたしたような次第であります。尚この全額の外に、地方費負担による地方職員に支給せられる金額が、約九千八百余万円でございますので、この分も合計いたしました四億六千八百余万円というものが、今日の措置によりまして、官公職員に給與せらるべき月総額と相成るわけであります。
 本案につきましては、政府職員の最近の生活の実情をもお酌み取りを願いまして、御審議の上、速かに御決定あらんことを希望いたす次第でございます。
#8
○委員長(黒田英雄君) これにつきまして御質問がありますれば、この場合お願いしたいと思ます。
#9
○中西功君 これに直接に関聯はないですが、最近の中労委の裁定に対する政府側の最近の経緯について、大藏大臣より少し報告して頂きたいと思います。
#10
○國務大臣(栗栖赳夫君) その点につきましては、只今までも労働閣僚の墾談会をいたしておつたのでありまして、まだはつきりした結論を得ないのであります。一面におきましては、この中労委へ提出しておられますところの、いわゆる赤字というものについて檢討をいたしましておるのであります。妥当であるか、計算はどういうようになつておるか、材料はどういうようになつておるかということに檢討をいたしたのであります。この檢討も遠からずはつきりして來ると思うのであります。
 それから尚他面におきましては、國庫の財源及び他に六・三制とか、公共事業費、その中でも災害対策、旱害対策等の重要な問題も残つておりますので、そういうようなことの緊急を要する支出の点と、それからそれに振り向ける財源というような点につきまして、今檢討をしておるような次第であります。そういう次第でございまして、今少しお待ちを願いますならば、更に纒つた御報告をいたしたいと思つております。
#11
○委員長(黒田英雄君) ちよつと私お尋ねいたしますが、この前の時は六百円ということだつたのですが、今度も結局二百円というもの、結局その金額は同じことになるのですか、基準が違うのですか。
#12
○國務大臣(栗栖赳夫君) いや同じでございます。実は前回は三月でございました。今回は二月分を差当り出しますから、四百円と、こういうことでございます。基準は全く同じでございます。
#13
○委員長(黒田英雄君) この基礎となる給與というものは前と同じですか。
#14
○國務大臣(栗栖赳夫君) はあ全然同じでございます。
#15
○委員長(黒田英雄君) それでは金融機関再建整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。これは先日質問は終了したとして御決議に相成つておるのでありますから、本日はこの討論に入りたいと思います。御意見のおありの方はお述べを願いたいと思います。
#16
○中西功君 この金融機関再建整備の法案に関しては、一番第一等の金融機関の再建整備法、この原案に対して我々は共産党は反対いたしました。それは主としてその整備の仕方が非常に不健全的なものを残す、何よりも我々の主張として戰時公債の即時整理ということが言われておるわけでありますが、そうしたものをあの整備法は活かす、そうして一應活かす建前になつておるわけです。これは端的な点ですが、そういう点から見ても、あの元の金融機関再建整備法案には反対したわけであります。更に又今議会に出されました金融機関の整理前に増資を認めるという改正案に対しても、我々はそれが單なる私的銀行の救済であるという意味で反対したのであります。この度のこの改正案はこれは主として未拂込資本金の徴收に関する手続でありまして、別に我々としてこれ自身に対していろいろ問題にする点は少いのでありますが、やはり今金融機関再建整備並びに企業整備その全般を通じて貰いておる一つの精神があります。それは結局銀行の産業に対する支配を非常に強めるという点でありまして、この未拂込資本金の徴收の手続に関しても、やはりそういう点のいわば尾を引いたものを我々は感じます。元々先申しましたように、我々は手続上の問題に対するこの改正案に対しては、固よりとやかく言いたくはないのでありますが、全体的な関聯からいたしまして、これを全面的に贊成申上げることができず、從つて私の態度としましては一應保留しておきたい。そう思うわけであります。
#17
○委員長(黒田英雄君) 他に御発言はございませんか。他に御発言はないようでありますから討論は終結いたしたものと認めまして御異議ありませんか。
#18
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは討論は終結いたしまして、採決に入りたいと思います。金融機関再建整備法の一部を改正する法律案全部を問題といたしまして、本案に贊成の諸君の御起立を願いたいと思います。
#19
○委員長(黒田英雄君) 多数であります。よつて本案は多数を以て可決いたされました。尚本会議におきまする委員長の口頭報告の内容は、多数御意見者の承認を得なければならないことになつておりますが、これは委員長において、法案の内容、委員会におきまする質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして、御承認を願いたいと思います。御異議ございませんか。
#20
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それから本院規則の第七十三條によりまして、委員長が議院に提出します報告書につきまして、多数意見者の御署名をすることになつておりますから、本案を可とされましたは方順次御署名を願いたいと思います。
#21
○委員長(黒田英雄君) それから御署名中でありますが、政府職員に対する臨時手当支給に関する法律案の説明があつて、質問がちよつとあつたのですが御質問はございますならば、今給與局から參つておりますから、お願いしたいと思います。
#22
○波多野鼎君 先程の説明を聽き機会を持たなかつたものですから、ダブるかも知れませんが、ちよつと伺いたいのですが、今度のあれは十月、十一月、十二月、三ヶ月について千八百円と千六百円の差額を支給するということなんですか。
#23
○委員長(黒田英雄君) 先程の大藏大臣の説明は、今度の分は十月、十一月分についてでありまして、十二月以降の……そうじやない。十月、十一月分はすでに計上されておつたんですが、十二月分は今度の今提出されておる補正予算に計上してあるということでありますが、尚政府委員ではありませんが、給與局の阪田第一課長が見えておられますから、説明して貰うことに御異議ございませんか。
#24
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは阪田説明員に……。
#25
○説明員(阪田泰二君) 前回御提出いたしまして御決議を経ました法律案は、七月、八月、九月、この三ヶ月分につきましての二百円の差額を、合計六百円に相成りますが、これを纒めて支給いたしたのであります。それで今回の法律案はその以後の、十月以降の分につきまして、やはり毎月千八百円と千六百円の間に二百円の差額がありますので、これを支給いたそう、こういう法律案でございまして、差額の二百円の十月、十一月分はすでにもう経過しておりますので、この法律が通りまして支給することになりますれば、合計四百円分というものはこの際一時に支給されるということになります。それから十二月以降につきましては、毎月二百円ずつ出し得る、こういう形になるわけでございます。それで予算の方の関係につきましては先般御決議を経ました補正予算に計上済になつておりまして、十二月以降の分につきましては、現在この國会に掛つております補正予算の方に計上されておる、こういう形になつております。
委員長(黒田英雄君) それではこれにて休憩をいたしまして、午後一時から再開いたします。
   午前十一時五十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十五分開会
#26
○委員長(黒田英雄君) それでは午前に引続きまして委員会を開会いたします。所得税法の一部を改正する法律案、非戰災者特別税法、昭和十四年法律第三十九号災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律を改正する法律案、それから印紙等模造取締法案、この四法案を議題にいたしまいて御審議を願いたいと思います。提案の理由は先日説明があつたのでありまするから、どうぞ御質問のおありの方は御質問願います。
#27
○山田佐一君 この非戰災者家屋税の中に、特に私の質問いたしたいと思いまするのは、愛知縣の昭和十九年の年末に起きた震災でありますが、及び二十年の初期に起きた震災、この家屋に対しましては、調査時期においては殆んどなかつた工場もあるでしようし、或いは傾いておつたのもあると思いまするが、それに対しましては戰災者同様にお取扱になりまするか、いかがでしようか。その辺のところを御説明願いたいと思います。
#28
○政府委員(前尾繁三郎君) 愛知縣の震災は戰時中でありますので、調査時期前であります。從つて非戰災家屋税につきましては、終戰の昭和二十年八月十六日現在の現状によつて賃貸價格を修正いたしまして、それによつて課税するということになりますので、家が傷んでおるというような点は修正することになります。
 御承知のように賃貸價格は昭和十五年現在で調べたものであります。その後の、只今お話のような場合におきましては、賃貸價格を修正して課税する。それからこの調査時期後に丁度南海の震災というようなのにつきましては、その損害の割合によつて「軽減又は免除することができる」という規定がございます。それは三十五條、三十六條であります。「調査時期後災害に因り非戰災家屋税を課すべき家屋が滅失又は損壊したとき」という場合には「軽減又は免除することができる。」というのが三十五條、三十六條にあります。それから愛知縣のような場合でありますと、第八條の第二項に該当するわけであります。「調査時期前に損壊した家屋につき調査時期において当該損壊に係る賃貸價格の修正がなされていなかつた場合」には、調査時期の現況によつて賃貸價格を定める。それから非戰災家屋税につきましては、やはり十一條の第二項がそれに該当するのであります。
#29
○山田佐一君 その申告時期はいつまででありますか。今度これに対しましても、賃貸價格の修正を、これは以前にあつたと思いますが、その時には怠つておつて、今度申告してもその取扱いをして貰えますか、いかがですか。
#30
○政府委員(前尾繁三郎君) この申告は御承知のように來年の一月末であります。それまでにその申告にそういうことをお書き願つた場合には、実際申しますと税務署の方で先にやるべきなのでありますが、手が廻らないような場合でありますと、その後に修正をすることになります。
#31
○波多野鼎君 非戰災家屋税の問題ですが、大体あの租税なんかは緊急止むを得ない税收を図るために作るのだと思うのですが、反対の意見が非常に多い。公述人の話を聽いておつても、反対の意見が相当出ておるのです。私自身初めからあれはどうも好ましくない租税だと思つておるのですが、その最も大きな理由は、戰災に遭わなかつた家屋の所有所が現在租税力があるとは限らない。逆の方面から言うと、戰災に遭つても、例えば戰災に遭つて家屋が焼失した人でも、その後相当の闇取引をやつて、租税が非常に殖えてえるという人も他方にはあるということ、特に農村方面におきまして地主的な人たちが土地を非常に安い價格で以て買上げられてしまい、屋敷だけが残つておるといつたような人に、又非戰災家屋税というものの重圧を課しますと大変氣の毒なことにもなるという氣もいたしますし、いろいろの意味で租税力のないところに税金が掛かる懸念が非常に多いという点から、何とか余程考慮してあの税は作らなければならんと思う。むしろ私はこんなこともあると思うのですが、非戰災家屋税なんというやり方よりも、むしろ終戰後家屋その他の建築物を建造した人に対して、家屋新築税といつたようなものを課することの方が、大体租税力に應じた租税負担というものを課するに都合のいいやり方じやないかというように思うが、そんなふうにお考えを変えられる意思はないですか。
#32
○政府委員(前尾繁三郎君) 非戰災者特別税は御指摘のように積極的な租税力を持たんということが欠点であることは我々十分知つておるのであります。併しながら現在むしろ戰災者を何んらかの方法によつて救済するという、積極的にそう行くのが本筋であるかも分りませんが、現状におきましては特に戰災者の救済ということも行い得ないのであります。で最近におきまして、ますます物價の昇騰から考えまして、焼けたものと焼けないものとの違いは非常に目立つて來ておるのであります。割合にこの税に反対者が多いというのは、戰災者には非常にこれはアツピイルしておる税でありますが、非戰災者の数が非常に多いわけでありますので、可なり非難は蒙つておる次第であります。併し昨年の戰時補償特別税というようなものを考えましても戰災者が焼けて保險金を貰つた。その保險金が五万円で打切られてしまつて、これ亦非常に積極的な租税力を抑えたものではないのでありまして、戰時補償特別税をやつたその裏には、やはりこういう非戰災者特別税というようなものをやらなければ、実際問題として、國民感情から考えましてもしつくりしないという声が強いのであります。社会党の政策の中にも、やはりこういうふうな非災戰者に対して犠牲を負わせるということも考えられておるような次第でありまして、現在においては当然なすべき税だというふうに考えておる次第であります。併し御指摘のようにこれは余り高い税金でありますと、積極的な担税力を持つておりませんので、我々としては、賃貸價格の三倍、又非戰家屋税につきましても三倍、三倍という税率でやつておる次第であります。これは財産税との二重課税というようなことも考えますと、何れにしましても財産税の最高税率は九〇%でありますので、後に一〇%しか取る余裕がないわけであります。從いまして賃貸價格の三倍程度でありますと、その財産價額の一割には該当しないくらいのものでありますので、別に特に過重だというふうに考えないのであります。又賃貸價格そのままを取つておりますのは、まあ農村と都市とで申しますと、賃貸價格は農村に可なり有利にできておる次第でありますので、農村におきましてはこの税額は三倍、三倍で參りますと、結局自家用の家屋でありますと六倍になりますが、賃貸價格自身ず非常に低いのでありまして百円という賃貸價格の家なら、恐らく農村では立派な家だと思うのであります。從いましてその六倍にいたしましても六百円、まあ恐らく千円以上かかるという人は、地方では非常に少いのじやないかというふうに考えておるのであります。從いまして特にこの税が苛酷な税だというふうには考えておりません。又総額にしましては六十五億、本年度内の收入が十五億というふうな見込をいたしておるのでありますが、現在六十五億の税源というものは、特に他に見出すということには非常に困難と申しますより、全く他に財源がないというふうに考えられるわけであります。尚新築した家屋の方に課税した方がいいじやないかという御説であります。併し新築した家屋が、最近において結局自分の儲けによつて建てたという場合でありますと、当然所得税の課税を受けるわけであります。常に申しておりますように、所得税の調査という場合には、財産税の申告の財産に或いは入つていないものでありますと、結局その後の所得によつて生じたものだという考え方で、調査いたしておりますので、それが新築の家屋を自分の儲けによつて造つておるというような場合には、増加所得税或いは本年の所得税等によつて、捕捉されて、相当高い税率の所得税が掛つて參ります。その点は十分課税の対象、まあ直接の対象ではありませんが、間接の対象になつておるのであります。それで又私は十分だというふうに考えておる次第であります。
#33
○波多野鼎君 今の御説明で大体了承いたしましたが、この非戰災家屋税、非戰災者税の申告を一月末にしておいて、年度末までにどれくらい納税されるという見通しでありますか、この点について……。
#34
○政府委員(前尾繁三郎君) 非戰災特別税は申告納税にいたしておる次第であります。從いまして一月末に申告をすると同時に税金を納めて頂くということに相成つております。実際問題としては、農村等におきましては役場で取纏めて賃價貸格もすぐわかるものでありますから申告用紙を配付いたしまして、それで纏めて申告して貰い、税金を納めて頂くというような方法を取れば、申告期限内に大体地方では取り得ることと思つておる次第であります。都会地ではそういうようなことも困難でありますが、財務税等を納められたような方ですと賃貸價格はすでにお調べになつておられることでありますし、まあこれから大いに宣傳をいたしまして、申告期限までに相当納税して頂くつもりでありますが、そう入らないような場合にいたしましても、これはそうむずかしい税金ではありません。賃貸價格さえ調べれば、その三倍というので直ちに税金が彈き出し得ますので、税務署員は納税されていないところを調べて廻れば、大体納まるのじやないかというふうに考えております。從いまして総額では七十二億でありますが、大体本年度内には六十五億が入るという見込みを立てておる次第であります。
#35
○山田佐一君 私も波多野さんの御議論に賛成であります。非戰災家屋税及び非戰災者税をお取りになることに対しましては、國民の感情の上から行きますると、何でも表面に現れておるものは結局どこまでも取られてしまうのだ、この観念が非常に強いと思います。從つて今日インフレの根源であるところの預金を政府がお勧めになりましても、銀行え出す金が表面に出るといつか又取られてしまうというような工合で、金も家え隠して置く、銀行え出すと損だ、これと同じように家があると結局財産税で取つた後でも、亦戰災者から見るといいからこれに課税するんだ、結局表に出ておるものはみんな政府に取られてしまうのだ、結局我が國も赤に染まるのじやないかというような観念を起させるということは、私は六十五億の財源が入るよりまだ一方に大きな損失があるのじやないか、而してもう一つ私実際に思います上において、戰災者と戰災を受けん者とが、本当にそれだけの差額があるかどうかという問題でありますが、今日東京におけるビルデイングを見て、一方に戰災を受けました焼けビルであります。焼ビルを修繕いたしまして今日貸付けますると、戰災を受けなんだビルよりは、私はビルの所有者はその方が收入が余計になると思います。修繕費くらいは、ビルを貸します権利金によつて焼けビルの修繕費は当然上るものであります。而して賃貸料は從前の賃貸料の幾層倍というものが取れる、戰災を免かれたビルの所有者というものは、今日の家屋税を拂うにも淡々としておる、或いはこれに保險料ズ家屋税等を見積りましたならば、ビルデイングを持つておる人も、財産であるのか、借金であるのかわからんような、私は形態じやないかと思います。而も今囘上げましたところで、以前の二倍半より賃借料を上げることができないのでありまするから、実情に向いますると、戰災者よりも非戰災者の方が却つて財産上には欠損である。而してこの者の立退を要求いたしますと、殆んど建築費以上のような立退料を請求せられるのでありますから、私はただ抽象的に非戰災者だからいいじやないか、戰災を受けた者はこうじやないかということは、非常に議論があると思います。これは止められれば一層のこと止めた方が結構だと思います。
#36
○政府委員(前尾繁三郎君) 焼けた者と焼けない者の違いはそうないということは、これはまあ一つの見方でございまするが、我々実際問題として、結局非戰災家屋税と非戰災者税との間に違いがあるにいたしましても、焼けなかつた家屋が、若し賣るということになると相当な値段で賣れるわけでありますし、又実際賣つた人もあるわけであります。又法人といたしましても、記帳價格から見ますと相当に含みを持つておるということになると思うのであります。又非戰災者税につきましても、これは実際は動産を対象として課税しておるわけでありますが、焼けた者と焼けない者、これは洋服一着買うにいたしましましても、焼けた者は相当の犠牲を拂つておるわけであります。一枚の洋服が焼け殘りましても、現在の非戰災者特別税程度の税金の違いは十分あるというふうに考えておる次第であります。焼けたビルはその後に修繕もし、又それによつて賃貸料を改訂して高く貸付けておるというお説でありますが、これはやはり所得税で捕捉すべきもの、或いは法人税で捕捉さるべきものであります。要するに焼けなかつた者と焼けた者ということだけを考えますと、やはり焼け残つた方がいいのでありまして、焼けた人でその後修繕費を出すということも一つの犠牲でありますが、その後に又高い賃貸料で貸しておるということになりますと、法人税なり所得税の可なり重い税金が掛けられる。それと両々相俟つて行くべきものと考えるのであります。戰災者と非戰災者とは、飽くまでその燒け残つたという事実に、消極的ではありますが、担税力を認めて課税をしようというのでありますから、その点は、その税の性質を判然とお考え願いましたなら御了承が願えるのじやないかというふうに考えます。
#37
○山田佐一君 只今のお説で、燒けた者から見ればいいじやないか、洋服一着残つておつてもいいじやないか、この理論がやはり私は全部ない者を対象としておる、いわゆる赤い思想に通ずるのである、私はその意味において、ある者は幾ら出しても、ない者から見ればいいじやないか、それを全部納税せよということは、私は今日の時代からいつて大いに恐るべき思想じやないかと思うのであります。又只今のビルデイングの話でありますが、修繕費が何とかといいますと計算が面倒でありまするが、いわゆる燒けたビルと満員で詰つておるビルとどちらが今日賣買價値があるかといいますと、私は燒けたビルの方が高く賣れるのじやないか、場所によりますと……。その意味において強ち非戰災者だから税金を取つていいじやないか、ない人から見ればいいじやないか。ない人から見ればある者は皆納めればいいじやないかということは、私は共産思想と同じじやないかと思います。もう少し反省して頂きたいと思います。
#38
○政府委員(前尾繁三郎君) 決して我々赤い思想というような考え方ではございません。昨年の戰時補償を打ち切りましたあれと関聯した一つの施策であると考えておる次第であります。当然あれと一緒に或いは出すべきものであつたかも知れません。併しとにかく燒けて保險金を貰つて、而もその保險金が内金であつたという半面においては、燒けなかつた人も或る程度の犠牲をして頂くという意味合で考えておるので、決してない者を標準として、皆ない者に近付けようという考え方ではございません。その点はお含みを願います。
#39
○深川タマヱ君 私は二度までも芯まで燒かれました苦い経驗を元にして考えますと、この終戰以來の悪性インフレとも思い合せますとき、燒かれました者と、燒なれなかつた者との差が、非常に大きいことに思い及びますので、戰災者と非戰災者の不均衡を是正する意味で、非戰災者に特別税金をお掛けになりますこの法案には、双手を挙げて賛成するのでありますが、この方法でございます。貨幣でお取りになるようになつておりますけれども、それもいいことでございましようけれども、私は今日の現状におきまして、管理貿易の建前、非常に纖維製品が拂底いたしておりまして、今年も戰前の一割五分の配給の予定しかございません。別の機会にちよつとお尋ねいたしたことがあつたと存じますけれども、ここは特に非戰災者特別税法が俎上に上つておりますので、他の委員の方の御批判を仰ぎたいために、重ねて述べるのでございますが、こういうふうに繊維製品が非常に拂底しておりまして、而も古着は出ておりますけれども、厖大な値段で、然も手が届きません。そういう点で、私は燒けなかつた人にむしろ衣服の現物を出させたらどうかと思いますけれども、とにかく各人の年齢と、生活の程度に應じて、平素着ているようなものを標準におきまして、一人は袷一枚、目方でも結構でありましようけれども、そういう方法で、五人以上の家庭には蒲團一枚と、こういう形にでもさせてこれを燒けた人に配給して貰いたいと思います。それからもう一つは、燒けなかつた家でございますが、これを税金で取るのではございませんけれども、この法案の中には、寺院とそれから神社が租税の対象から除外されておりますが、これは宗教的な意味がありまして、莊嚴神聖な雰囲氣を保つて置かなければならないのでありましようけれども、今日の日本の現状から考えてみますと、これは或る意味においては贅沢であつて本当の衆生済度の意味にならないので、一方には住宅がなくて、命に別状のある人もあるので、青疊を敷いて遊ばせてもいないでしようけれども、まあとにかく融通性のある寺院などは、この際少し戰災者のために開放して、共同宿泊所にして頂いて、お坊さんがお説教する場合がなかつたら、墨染の衣を着て、街頭に出て、街頭演説をして貰つて、そうして日本経済復興の曉には、お寺は綺麗にして、立派なお寺を復興してお返しするように、臨機應変の処置を取つて貰いたいと思います。寺院の外に料理飲食店業、貸座數になつておる家と、もう一つは聯合軍によつて接收されておる元の工場、ああいうものをもつと強力に戰災者の住宅に提供して頂くようにお骨折を願いたいと思います。厚生省の管轄だそうでありますけれども、主税局の方でも何とかお決めを願いたいと思います。
#40
○政府委員(前尾繁三郎君) 纎維品等で物納させるということは、現在の租税制度から考えますと、税という形式では困難でございます。殊に賃貸價格を課税標準として簡單に調査をするということで初めてやり得るのでありますが、一々各人の家庭の動産が、どういうような動産があるかというようなことを調べるということも困難であります。又その中で何を出させるかということも非常に困難でありまして、税という形式ではこれは恐らくやり得ない問題だと考えるのであります。併し戰時中の供出のように、いろいろ半強制的と申しますか、任意を建前として強制するというような別個のやり方でやるということについては、或いは考え得る問題ではないかというふうに考えるのでありますが、税の形でやるというわけには行かないのであります。又寺院等につきましても、宗教法人に対して非戰災者特別税につきましては、これを課税標準から除外するという行き方をいたしております。これは宗教精神に対する性質から考えて当然なすべき措置であります。併しその寺院を開放してどういうふうに使うかというようなことにつきましては、税ではなしに外の形で、若しそれが必要であれば取らるべき措置であるというふうに考えるので、お説のように厚生省所管で、何らかの形式でそういうことをやるということになれば、法律を以て規定することはできるのでありまするけれどもこれは今のところ税という形ではそれも考え得られない問題でありまするので、私としてはただその点だけをお答え申上げたいと思います。
#41
○波多野鼎君 先程から話をいろいろ聽いておりますと、この非戰災者家屋税と申しますか、非戰災者家屋税は、燒けた家と燒けない家との犠牲のバランスを取るということが中心のようであります。考え方としては当局に於ても亦燒けなかつた家の所有者が、特別に大きな租税負担能力を持つておるとも認めておらないようであります。ただマイナスの均衡を図ろうというところに重点があるようであります。そういたしますと、この非戰災者家屋税は目的税として立てるならば意味があるわけであります。つまり非戰災者家屋税で取上げた税金で以て、戰災者の家屋の供給をやる。そういう方面にのみ專ら使うのだということにすれば、まあ意味が出て來ると思うのでありますが、当局はどう考えておられますか。
#42
○政府委員(前尾繁三郎君) 実を申しますと、我々は最初目的税にした方がいいのじやないかという意味で考えておつたのでありまするが、併し結局におきまして、賠償撤去費、並びに緊急土木費というような負担と関聯してこれを考えておるのでありますが、特にそれに限つてその方面に関聯を持たせる目的税という形は、この際適当でありませんので、考え方としてはそうこう考え方をいたしておりますが、目的税というはつきりした形式は取らなかつた次第であります。
#43
○波多野鼎君 私はあなたの議論を聽いておると、どうしても目的税にしなければ筋が通らないように思うのですが、目的税においてなら賛成ができると思うが、もう一度考慮して貰いたいと思います。
#44
○政府委員(前尾繁三郎君) 我々は一番最初賠償撤去費と結び附いて目的税にする目的で考えておつたのでありますが、賠償撤去費並びに緊急土木費というようなものが対象になつておるのでありますが、併しそれを表面に目的税として出しますことは、この際適当でないと考へたのであります。
#45
○波多野鼎君 私がいうのはそちらの方とあまり関聯を付けることは、いろいろな意味で差障りがあると思うのでありますが、むしろ住宅増築という目的に関聯さして貰つたらどうかというのであります。
#46
○政府委員(前尾繁三郎君) 犠牲の均衡化ということで、戰爭中における戰災による犠牲と戰後における敗戰國民として負担しなくちやならん経費というものと関聯して考えて行くべきものであるというふうに考えたのであります。特に住宅戰災者の救済とかなんとかいうふうに経費を出し得る状況でありますと、それもいいのでありますが、そういうふうな方面には、この際財政の実情はそういうことを許しませんので、結局戰後における敗戰國民として負担すべき犠牲ということに関聯させて考えておるわであります。
#47
○山田佐一君 只今までのお話で、私もう一遍根本義に対して承わつて見たいのでありますが、非戰災者家屋税は住宅にどのくらい、自身の住宅に幾らくらい税が掛けられているか、そうして貸家になつておる、即ち貸しビルデイングとか、貸家とかいうものにどのくらいの率になつておるか、或いは会社自体の工場に使つておるもの、そういうふうなものを非戰災者税として取る、その主いろに分けまして、およその見当が分りましたら伺いたいと思います。
#48
○政府委員(前尾繁三郎君) これは賃貸價格の倍数で参りますわけでありますので、その賃貸價格は又各種各様でございます。それから貸家でありますと、非戰災者家屋税の方だけが掛けまして、三倍だけしか損らないのであります。
#49
○山田佐一君 それは分つていますけれども、大体の金額がどのくらいになりますか。
#50
○政府委員(前尾繁三郎君) 田舎と都会では非常に違いますので……。
#51
○山田佐一君 全國で、住宅で幾ら、貸家で幾らということを……。
#52
○委員長(黒田英雄君) つまり歳入の見積りがとれくらい立つか立たんかということでしよう。
#53
○山田佐一君 それが別々に分りますか。
#54
○政府委員(前尾繁三郎君) 総額については、自家用と貸家との区別は分らないのでありまして、貸家との区別はただ住宅と店舗と工場と倉庫と雜種家屋に分けました。その家屋の賃貸價格を昭和二十二年七月一日現在で考えて參りますと、住宅が八億一千三百万円、店舗が三億一千四百万円、工場が二億四千百万円、倉庫が二千万円、それから雜種家屋が三千三百万円、合せて十四億二千万円余になつております。それから一坪当りの賃貸價格で考えて參りますと、住宅が二円三十七銭、店舗が六円十七銭、工場が六円七十一銭、倉庫が三円五十五銭、雜種家種が五円五十銭というようなことになつておりますから、これの三倍ということでお考えを願つたら大体の見当がつくと思います。
#55
○山田佐一君 この住宅の八億一千三百万円の中で、住宅が自己の所有であり、自己で使つている人は、これは成るほど非戰災者として惠まれたわけでありますが、この中に貸家を借りておりまするというと、これは住宅の持主よりは借主の方が、或いは幸福で、非戰災者の家屋税だけを出すのでありまするが、どちらかというと、今日の実情から行きますというと、これは所得者よりは借主の方が惠まれているのじやないか、借主の方は全然今度の非戰災者家屋税は免除されておる。それから店舗も自家用店舗と或いは借主の店舗というものがあると思うのですけれども、先刻深川さんのお説で見るというと、燒けた者と燒けん者とを見るというと、非常な差があるといいまするが、貸家のごときは燒けた者と燒けん者ということよりは、借りている者と貸している者とは、今日の実情においては、貸主よりは借主の方がすべての点においていいと思うのであります。家主から借りておりまする家賃よりは、或いは人に貸せば貸賃の方が、自分の住まつているよりも沢山な貸料を得ておるといつたような現状であります。仔細になりまするというと、この税には非常な不公平があるのであります。ただ一見してみて、戰災を受けた人と受けた人という観念だけで行きまするというと、受けなかつた者は非常に惠まれておるようでありまするが、戰災者であつても、直ちに借家を借りて、そこの家に住まつておりまするから、却つて持つている人よりは、実際問題といたしまして、その人の方が惠まれておる。今日立退料やすべてのものを見種りまするというと、いずれがいいかということは、判断に苦しむだろうと思います。すべての点が、仔細に亙りまして非常に不公平があり、欠点の多い税だと思うのであります。もう一度御調査をなすつて頂くようにしたらいかがなものだろうか、その辺のところを承つてみたいと思います。
#56
○政府委員(前尾繁三郎君) 或いはちよつと誤解があるのではないかと思うのでありまするが、貸家の場合におきましては、貸家の家主が三倍の税金を持ち、それから借りておる者も、今度は非戰災者であれば、三倍の税金を負担するわけであります。
#57
○山田佐一君 それは家屋税は持たないのですね。非戰災者税を持つのですね。家屋税だけを見ると、借主の方が私は利益が多いのじやないかと思う。家屋だけ燒けて家財は燒けなかつたのだから、自分の家も借りた人も一諸ですね。
#58
○政府委員(前尾繁三郎君) それは家屋に対する所有権を持つている人が、家屋に対して租税力があるわけで、借りている人はただ立退きを命せられたときに、立退料を請求する権利があるというだけで、我々は担税力があるとは考えていないのであります。ただ燒けなかつた場合については、その家に住んでおつて、結局動産なり何なりが渡かつているわけでありますから、結局それに対しては三倍の税金を負担させるということで辻褄が合うと考えておるのでありますがいかがなものでございましようか。
#59
○山田佐一君 それはただ法理論で、立退きを命ぜられて立退かなければならん。六ヶ月の予告を置いて立退かなければならんということは、一片の法理論で、実情においては、六ヶ月経つてもまだなかなか立退くものではないのであります。丁度農地法のごときも今の理念と同じような結果において私は施行されておると思うのであります。片方は地主であり、片方は小作であるのだから、地主は持てる階級じやないか、小作は借りておるじやないか、実情はどうかといいますと、地主の方は自分で地租を出し公租公課を負担し、收入は、今日のインフレから見れば、收入では殆んど支出が、担税額が出かねるような形態だと思うのであります。借りておる方の小作の方が、名目は小作でありますけれども、実收においては確かに地主の何十倍の收入を上げておる、家屋におきましても、この本税の非戰災者税は自力の家であろうと借家であろうと、これは結局平等に掛かつて來るわけでありますが、家屋税という税においては、借りておるものは持つておるものより、現在の都会地のごときは、借りておる者の方が收益が多いのであります。日本橋の或る地点におきましては、実例でありまするが、戰災後直ちに一軒店舗を借りまして、その家賃が百五十円で借りたのであります。そうして自分は奥の一間に入りまして、あとを今日千五百円で貸しておる、家主えは百五十円だけで、又貸しをして而も自分が入つておらんから月々千五百円、いわゆる千三百五十円というものは本当の不労所得をしておるのであります。然るに今日の東京都の実情を見まするというと、持つておる所有者よりは賃借りをしておる者の方が確かに私は收入も多いし、今日の担税力においても、その方が多いのじやないか、いわゆる新興成金といわれるものかも知りませんが、私はそういう上におきまして、ただ表面に出ておるものだけでいいのじやないか、又家もない人から見れば、いいじやないか、こういう御議論から行けばこれは別であります。とにかく持つておる者は幾らかでもあるのですから、担税力があるといえばそれはあるのでありますが、それでは私は赤に通ずる氣分がするのであります。ただ借りておる者と貸しておる者というだけの観念で行きますると、実情は借りておる者の方が收入も多いし生活も樂だと思うのでありますから、もう一應どうか実情をよく調査して頂きたい。こう思うのであります。
#60
○政府委員(前尾繁三郎君) 借りておる者と貸しておる者との関係は、要するに借りておるというだけの事実によつて收入があり、担税力があるというわけでは私はないと思うのであります。結局借りておる人がそれを利用して、それに対して何らかの所得を受けておるということになれば、これは所得税で当然課税さるべきものでありまして、又先程の又貸しして、その中で所得を取つたということになれば、当然これは所得税で課税して行くべき筋合のものだというふうに考えるのであります。ただ非戰災者特別税は要するに燒け残つたという事実に対しまして、そこに担税力を認めて課税するというので、その点は只今のお話のようなことは、所得税で捕捉して行くべき問題で、筋道が違うのではないかというふうに考える次第であります。
#61
○山田佐一君 所得税を取るということは一應の御議論でありまして、なかなか又貸しのもまで税務署で調査して、これに所得税を課するということは、私は実際においてはできないことだと思うのであります。かくのごとき七十億や六十億のものですから、今日の時代から見れば外に財源を探せばいくらでもあるんじやないかと思う、問題の多い税金は今少し愼重に調査した上で御実施になつてはどうか、いかにもどうも外に出ておるものだから皆取られるんだという觀念が、これは私は恐るべき觀念があるんだと思う。今日のインフレの時代において、税金の六十五億や七十億のものは、煙草を上げただけで何百億の收入があります。煙草は嗜好品で、皆ぷかぷか煙にするだけで、あれだけ上げてもそれだけの收入があるのでありますから、思想の上にもいかがかと思うようなわけですが、又税金は僅かに七十億や六十五億の税金を取るということはどうだろうか、又先刻波多野さんのおつしやるように、あるいは燒けた者と燒けん者との差があるならば、燒けた人、戰災者に対しては無税で家を造つて、貸して行くという工合にして行つたらいいんじやないか、ただ残つておる者は、燒けた者から見れば、お前さんは幸福だから出しなさいというその理念において、私は非常に不満があるのであります。数字で行けば、七十億だ六十億だといえば、多いようですけれども、今日の実情から行けば、決してそう多額な税じやないと思うのでありますから、もう少し國民の納得の行くような税金と振り替えて行きたいとこう思うのであります。
#62
○政府委員(前尾繁三郎君) 只今のお説のような議論もありますが、一面におきましては燒け残つたことで、燒けた者はひどい目に遭つておる、燒け残つた人から應分の犠牲を負担して貰いたいという声が相当強いのであります。ただまあ人数からいたしますと、燒けた人の方が非常に少いのでありまするが、一般的には相当大衆からも、先程深川委員のお説のように、非戰災者に相当犠牲の負担を課していいのではないかというような声が強いのであります。ただ先程來申上げておりまするように、まあ消極的な担税力でありますので、これで大きな收入を得る程の課税ができないというような実情から考えまして、まあ六十五億という。これは総額においては七十二億でありますが、大体賃貸價格の三倍々々というような程度であれば、この際負担して頂いても、國内的に感情の融和というような面から考えましても、適当でなかろうかというふうに考えておる次第でございます。その点は御了承願いたいと思ます。
#63
○山田佐一君 もう一つ承わつて見たいと思いまするのは、今度の財産税に対して、物納を申請したもの、物納の家屋から土地まで入りまするが、土地に今度関係ありませんから家屋税だけを……、私共の方の実情から見ますというと、ただ物納には借家をば物納されたものが多いのであります。ところが税務当局は金で納めよというので、なかなか税務署で取つてくれないのであります。いかに借家を持てる者が苦しんでおるかというその実情でも分ると思ます。現在においてすらもう借家は物納したいというときに、尚この上に残つた家屋だけで税金を取られるということは、非常に苦痛だと思います。お分りになりましたら物納の総金額を承わりたいと思ます。
#64
○政府委員(前尾繁三郎君) 財産税の物納の建物の税額は二十億円であります。それから只今お話の貸家を成るべく取らないようにというような抑制をしておることは我々は指示はいたしていないのであります。他に適当な財産があれば勿論できるだけ建物等を取りますことは後の管理処分ということは困難でありますので、これに決して好ましく考えておりませんが、併し我々としてこれを建物は成るべくやめろというような指示は絶対にいたしていないのであります。若しそういうような事実がありますれば我々の方から話してもいい思つておる次第であります。むしろ納税者の方で現金に換えて納めた方がいいという方が多いので、割合に建物の物納の申請される方が少なかつたというのが実際の実情じやないかと思います。
#65
○山田佐一君 私の見るところが違うので、上において、本省において好ましくない指示はせんが、好ましくないというだけでもう出先官憲に十分に響いておると思うのであります。私は実際において今日家が燒けずに残つたというだけで、こういう課税をどんどんやられるということは、持てる人の非常な苦痛だと思うのであります。今少し御考慮が願いたいと思ます。
#66
○委員長(黒田英雄君) 非戰災者特別税のことでありますが、戰災に遭わなかつたものは担税力があるから取れるというお考えだろうと思うのでありますが、戰災に遭わなかつたものはすでに財産税において、家屋は相当重い税を掛けられておるのであります。それを納税するためにはいろいろの不動産を物納したものも、建物を物納したものもありましようし、又物納が割合に少ないというお話ですが、或いはそれを賣ろうというような意味で以て、借金でもして納めるというふうにするとか、或いは現金のあるものは、預金等の現金のあるものは、これには先ず第一に税を取り上げて、これらを以て納めさせるという方法を取つたのでありますから、戰災に遭わなかつたものは財産税というものを納めたならば、殆んどもう後に残るところのものは、残れば不動産で借金して納めて残つておるというものは、殆んど力がないというものも多いと思うのであります。却つて戰災者の方においては財産税を掛けられなかつたのでありますから、その後において得たところの所得というものは全部純粹の所得であります。財産税を納めたもののその後の所得というものは、勿論貯蓄の余裕は今日の状態においては普通はないといふ現状にあるのでありますから、担税能力というものは殆んど財産税に取られて、後に残るものはないというようなことが、実際の現状ではないかと思うのであります。若しあるとすればそれは税の掛らないようなもので、闇の所得をしておるとか、というようなものはこれは特別であります。その点については、戰災者においても同樣であるのみならず、戰災者は財産税を納めなかつたものは、その後の所得というものは全部が完全に所得になる。勿論その中貯蓄の余裕のない人は多数ありましよう。大部分ないでしようがその点は同じになつてくるのであるように思うんですが、今度非戰災者に対して更に税を掛ける、たとえそれが賃貸價格の三倍であつてもそこに担税力があるということは、財産税のときにそれだけ残しておいたというふうに政府は考えられて、それを更に政府は取ろうという意思でありますか。或いは新たに担税力が殖えた、できたというふうに見られるのでありますか、第一にそれを伺いたい。私お尋ねしたいことが沢山あるんですが、皆さんの御質問を持つて、最後に尋ねるんですけれども、それだけをちよつと……。
#67
○政府委員(前尾繁三郎君) 我々は勿論その戰災後に、家屋を持つている人が担税力が殖えておるという意味で考えておるのではありません。燒け残つたということで、すでにその人はまあ燒けた人から考えれば、犠牲を負担して頂くべきだということでございます。でまあ燒けた人がその後に儲けておるということは、これは飽くまで所得税で行くべきものであり、所得税も非常な高率課税をいたしておるのであります。特にその後に、家を建てたという場合には、その家は金を借りて建てたのであればいいのですが、そうでなしに儲けて家を建てたという場合に、当然所得税で取られるのであります。飽くまで非戰災者特別税としては家屋が燒け残たつということに対して課税するのであります。從いまして財産税を二重課税というような考えも起るわけでありましたので、結局最高税率九〇%を受けた人でありますと、後に残つておるのは價格の一〇%しかないというようなことに相成ります。賃貸價格の三倍々々というので參りますれば、勿論家屋の價格の一割にまではいかないのである。又金額的に申しましても現在の賃貸價格というのは、昭和十五年現在で可なり低いものでありますので、それに対する三倍々々の税率で行きますならば、それほど大きな苦痛を與えるというふうにも考えていないのであります。さように我々は考えております。
#68
○委員長(黒田英雄君) 私まだ尋ねたいことがありますけれども、後の機会に…。
#69
○深川タマヱ君 たまたま課税の対象が家屋の賃貸料ということになつておりますので、ひどく建物というものが問題になつておるようでありますけれども、私はこれはそうじやないのであつて、燒けなかつたものの中には家屋の外に家財道具、そのほか目に見えないいろいろ沢山のものが残つておると存じますけれども、それをたまたま燒けなかつた人同志の財産を比較いたしますときに、標準になるものがちよつとやはり家屋以外に、適当なものは取られないから、たまたま家屋の賃貸というものを選んだのだろうと存じます。勿論家屋に対しては財産税なども掛つておることと存じますけれども、家屋を退けてほかの家財道具では万人共通の点がありませんので、課税の対象にする時に非常に評價が困難だからたまたま家屋を選んだのであつて、そう家屋税に執着して考えなくてもいいのじやないかとこういうふうに考えますけれども間違つておりましようか。
#70
○政府委員(前尾繁三郎君) お説の通りでありまして、非戰災家屋税というのが家屋を対象として考えてあります。非戰災者税というのは家屋の中にある動産を対象として考えておるのでありますが、動産の調査ということは到底不可能でありまして、財産税の時には、これは四十万世帶位の財産税の納税者でありますからちよつと調査もできるのでありますけれども、それにしても非常に困難であります。今囘の納税人員は何百万人という納税人員が非常に多いのでありますので、到底これは一々動産の調査ということはできえません。それで家屋の賃貸價格を取つて、それによつて課税するということでいたわけです。又実際問題としていろいろ我々が調ベましたところでは、結局賃貸價格と中に入ついおります動産との割合は勿論比例しておりまするし、又賃貸價格に対します中に入つております動産の時價と家屋の價格との割合を見ますと、幾分動産の割合の方が高いのであります。併し何れにいたしましても三倍々々とするということについては適当であるというように考えたのであります。
#71
○委員長(黒田英雄君) どうですか。この程度にして今度又……、関聯しますか、今のに…。
#72
○山田佐一君 ちよつと今のに関聯して承わりたいと思います。ものが非戰災者税と家屋税と二つあるのですから、燒けなんだ人に対しては非戰災者税というものなら非戰災者税で、家屋税は家屋税で考えることが当然だと考えます。私は燒けたものとか、燒けんものとかさうなことを言うと、疎開したものと疎開せんものということにもなるのですから、まあ家屋だけで見ましても、住宅営團が今度閉鎖機関になるというので賣出したのでありますが、この賣行状況はどんな工合でおるか、凡そ坪幾らぐらいで賣出しておるか、非常に私は賣行が悪いということを承わつておる。これなどによると、本当に建てたものと入つておるものとはいかに利潤が違うということが明瞭に分ると思うのです。住宅営團の賣出し状況とそれから坪に対する價格というようなものが分れば承わりたいと思います。
#73
○政府委員(前尾繁三郎君) その方は戰災復興院がやつておりますので、私の方では只今のことは分つておりません。ただ想像し得られるところは、政府がおりますので買わないといつた方が有利であることは勿論事実であります。恐らくどんどんこれが競賣にでもするということになれば買う人も相当あるのじやないかと思いますが、政府としては恐らくそういうこともできないだろうという予想になりますと、不買同盟とか何とかいうことも起つておるように聞いておるのですが、お説のように確かに賣出がいいということは予想されないと思います。
#74
○山田佐一君 私はそれは同じことだと思います。政府が賣出しても誰が賣出しても人が入つておるから賣れない。これが空屋だつたらすぐ賣れる。政府が賣出しても誰が賣出してもすぐ賣れる。人が入つておるから賣れないのですから、自分が持つておるものは担税力があるのだという考はもう少しどうか考えて貰つたいと思うのです。
#75
○玉屋喜章君 ちよつとお尋ねいたしますが、私は燒けなかつたために四百九十万円の税金を掛けられた。それは余り不当じやないかと言いますと、そうしたら四百五十万円に負けよう。併し四百四十五万円もの税金を拂うことはできません。燒けなかつたからといつて又税金を掛けられる。それは私は到底拂うことはできん。そこで物納か延納にして貰わなければならん。それで物納を取らんとすれば、全部を賣つてしもうても僅かに十万か二十万かの家ならそれは予定通りに行きますけれども、何百万円ということになると、税務署の見ておるところよりも、賣るとなると安くなつてしまいます。そうして見ると、どうしても延納にして貰うより仕方がない。そうすると延納は一年というように聞いておりますが、十万とか二十万というような百万円以下位のものなら一年でもできますが、四百万、五百万という銭は一年では到底拂うことはできん。私のような人も私一人ではあるまいと思う。そうすると十万とか五十万とか、百万円以下の延納は一年なら一年として、又何百万円にもなるものは何年とするかというようなことはお考え下さることはできますまいか、そうして又この税金を十分に拂うことができないときに、家が燒けなかつたからといつて又それに掛けられる。それを拂うことはどうしてもできない。これを賣つて拂えといつても、賣つてしまうて拂うことになると、百万円残るか、二百万円残るかしらんが、どうしても一緒に拂うことはできない。この延納を一年のものを三年とか五年とか、或いは四年とかにしてくれれば、四百五十万もの税金を掛けられるような立場におるのだからして、何とかそれ位の銭は賣るなり何なりして拂えんようなことはあるまいと思いますけれども、この四百万、五百万という税金を拂うものと十万とか二十万とか、百万以下の税金を拂うものと一緒にやつて貰うたらとても拂うことはできないと思いますが、私のような人も沢山あると思いますが、それに対して政府当局のお考えはいかがでありましようか。
#76
○政府委員(前尾繁三郎君) 只今のお話は財産税の税額であると考えるのですが、今回の非戰災者特別税は、その中の家屋がどの位であるか分りませんが、それから比較いたしますと、極く僅かな税金であります。まあ恐らく百万円以上というような方は殆んどないので、まあ数十万という程度の方が、極く僅かにあるという程度だらうと考えるのであります。ただ延納が一年ということは確かにきついとも考えられるのでありますが、財産税でありますと、二年の延納を認めておる。今回は金額も非常に少額でありますので、又こういう経済の変動が激しい時には極何といつても税金は早く徴收しなければ実際の用に足りないというような実情にありますので、できるだけ早く納めて買う。それで止むを得ない場合に一年ということに限つております。併し一年たつてどういうふうな経済事情になりますか、その時は又その時として、当然そこでいろいろ考えらるべき問題があると思うのであります。例えばその際にどうしても納められないという実情にあつた場合には、或いは金融の途を開くとか、或いは又その時の事態によつて税法の改正をやるという問題もあります。ただ、只今申しましたように、経済の変動の非常に激しい時に、最初から相当長年の延納を認めて置くということは、却つて実情に適しないような場合が起りますので、そういう意味からいたしまして、金額も非常に少額でありますことを合せ考えまして一年ということにいたした次第であります。
#77
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
   委員
           下條 恭兵君
           椎井 康雄君
           玉屋 喜章君
           山田 佐一君
           木内 四郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           石川 準吉君
           九鬼紋十郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           中西  功君
           川上 嘉市君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
  政府委員
   大藏事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
   大藏事務官
   (主税局長)  前尾繁三郎君
  説明員
   大藏事務官
   (給與局第一課
   長)      阪田 泰二君
ソース: 国立国会図書館
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