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1947/12/07 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第50号
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1947/12/07 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第50号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第50号
  付託事件
○酒類配給公團法案(内閣提出)
○少額貯金及び各種團體預金封鎖解除
 に關する陳情(第五十二號)
○インフレ防止に關する陳情(第七十
 一號)
○電氣税復活反對に關する請願(第四
 十三號)
○會計檢査院法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○低物價政策上官營事業料金の値上げ
 反對に關する陳情(第百九十號)
○連合軍兵舎竝びに宿舎建設用木材前
 受金の第二封鎖解除に關する陳情
 (第二百十一號)
○政令第七十四號中憲法違反の條項に
 關する請願(第二百五十七號)
○通貨發行審議會法案(内閣送付)
○經濟力集中排除法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○今次日立鑛山地區の水害復舊特別融
 資等に關する陳情(第四百十二號)
○金屬鑛山事業を經濟力集中排除法案
 中より除外することに關する陳情
 (第四百十五號)
○舊軍用施設竝びに敷地の無償交付に
 關する請願(第三百五十一號)
○木材業者の水害復舊費に對する融資
 竝びに國庫補助に關する請願(第三
 百八十號)
○經濟力集中排除法案に關する陳情
 (第四百八十一號)
○企業再建整備法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○持株會社整理委員會令の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○接收家屋の地租家屋税等に關する請
 願(第五百八號)
○經濟力集中排除法案より電氣事業を
 除外することに關する請願(第五百
 三十六號)
○政府に對する不正手段による支拂請
 求の防止に關する法律案(内閣送
 付)
○財政法第三條の規定の特例に關する
 法律案(内閣送付)
○財閥同族支配力排除法案(内閣付)
○鹽業對策の確立に關する請願(第六
 百二十六號)
○接收建物に對する非戰災家屋税に關
 する陳情(第六百十一號)
○舊軍用施設拂下げ價格に關する陳情
 (第六百十五號)
○會社利益配當等臨時措置法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○特別都市計畫法第四條の規定による
 國庫補助を國債證券の交府により行
 う等の法律案(内閣送付)
○未復員者給與法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○經濟力集中排除法の施行に伴う企業
 再建整備法の特例等に關する法律案
 (内閣送付)
○船員保險特別會計法案(内閣送付)
○勞働基準法の施行に伴う政府職員に
 係る給與の應急措置に關する法律案
 (内閣送付)
○金融機關再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○舊日本銀行券の未囘收發行殘高に相
 當する金額の一部を國庫に納付する
 に伴う日本銀行への交付金に關する
 法律案(内閣送付)
○勸業債券の割増金等に對する所得税
 の課税の特例に關する法律案(内閣
 送付)
○貿易資金特別會計法を改正する法律
 案(内閣送付)
○物品の無償貸付及び讓與等に關する
 法律案(内閣送付)
○大藏省預金部特別會計國有鐵道事業
 特別會計、通信事業特別會計竝びに
 簡易生命保險及郵便年金特別會計法
 の保險勘定及び年金勘定の昭和二十
 二年度における歳入不足補填のため
 の一般會計からする繰入金に關する
 法律案(内閣送付)
○政府職員に對する一時手當の支給に
 關する法律案(内閣送付)
○臨時金利調整法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十二月七日(日曜日)
   午前十時四十一分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○勞働基準法の施行に伴う政府職員に
 係る應急措置に關する法律案
○政府職員に對する一時手當支給に關
 する法律案
○未復員者給與法案
○臨時金利調整法案
○會社利益配當等臨時措置法案
○酒類配給公團法案
○舊日本銀行券の未囘收發行殘高に相
 當する金額の一部を國庫に納付する
 に伴う日本銀行への交付金に關する
 法律案
○請願、陳情小委員長の報告
○特別都市計畫法第四條の規定による
 國庫補助を國償證券の交付により行
 う等の法律案
○船員保險特別會計法案
○大藏省預金部特別會計、國有鐵道事
 業特別會計、通信事業特別會計竝び
 に簡易生命保險及郵便年金特別會計
 の保險勘定及び年金勘定の昭和二十
 二年度における歳入不足補填のため
 の一般會計からする繰入金に關する
 法律案
○物品の無償貸付及び讓與に關する法
 律案
○貿易資金特別會計法を改正する法律
 案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) これより委員會を開會いたします。先に御質疑を願いたいと思いますから、先ず勞働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に關する法律案、これは昨日提案理由の説明があつたのでありますが、これに關し御質疑のおありの方は御質疑を願いたいと思います。尚これも昨日提案理由の説明のありました政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案、それから竝びに未復員者給與法案、これらにつきまして、この三案について御質疑のおありの方は御質疑を願いたいと思います……。御質疑がなければ質疑終了といたして御異議ございませんか。
#3
○深川タマヱ君 未復員者で一つお願いします。このインフレ時代に一家の生活の支柱を失つている未復員者の家族の中で、特に父母が年取つていたり、妻に子供が多かつたりいたします場合は、この月百五十圓の手當では少いと存じます。併し財政との關係もおありのことと思いますけれども、これはもういかようにもできないもんでございましようか。
#4
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて下さい。
#5
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて。この政府職員に對する一時手當支給に關する法律案竝びに勞働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に關する法律案竝びに未復員者給與法案、この三案は質疑は終了したものといたして、御異議ございませんか。
#6
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。未復員者につきましては後で採決に入ります。
 それでは次の本日豫備審査のため付託になりました臨時金利調整法案につきまして、提案理由の説明を求めたいと思います。
#7
○政府委員(小坂善太郎君) 只今豫備審査のために本委員會に付託せられました臨時金利調整法案につきまして、その提案理由を御説明いたします。
 我が國現下のインフリーシヨンを克服いたしますために、政府は全力を盡しておりまするわけでありまするが、物價のコスト高を抑えましてその安定に資するためには、金利の調整をする必要が生じて參りました。從來東京、大阪その他各地の銀行等は、實際に行いまする金利につきましては、大藏、日銀兩當局の了解の下に協定をなしまして、これを嚴守することを確約いたしまして、以て經濟界に好ましからざる影響を與えますることを防止して參りましたわけでありまするが、今般かかる協定が「私的獨占の禁止竝びに公正取引の確保に關する法律」の趣旨に違反するとの疑義が生じましたために、最近廢止せざるを得なくなつたのであります。
 然るに現下の諸情勢の下におきましては、これをそのままに放置して置きまするときには、金利が不當に高騰する虞れがございまして、物價の安定その他に惡影響を與えることになりまするので、本法の制定を必要とするに至つた次第でございます。
 本法案の趣旨は、大藏大臣が經濟一般の状況に照らしまして、必要があると認めまするときには、日銀總裁に命じて金利の最高の限度を定めさせ、又この定めたものを變更又は廢止させることができるという點が一つと、更に日銀總裁が大藏大臣の命を受けまして、金利の最高限度を決定、變更又は廢止をなしまするためには、金利調整委員會に諮問することを必要といたし、尚この委員會は大藏大臣の任命する委員を以て民主的に構成せられるということが二つの要件になるのであります。何とぞ右の趣旨に鑑みまして、御審議の上御承認あらんことをお願い申上げる次第でございます。
#8
○委員長(黒田英雄君) 次に會社利益配當等臨時措置法案、これを議題にいたしまして、これに關して御質疑のおありの方は御質疑を願いたいと思います。本案につきまして別に御發言がなければ、質疑は終了したものといたして御異議ございませんか。
#9
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は贊否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
#10
○森下政一君 本院においては經濟力集中排除法を未だ可決しておりません。その關係で本案の中で、經濟力集中排除法と關連のある條項はこれを削除する必要があると考えますので、次のように修正動議を提出したいと思います。第四條第一項中「又は經濟力集中排除法第三條第一號乃至第三號の規定により指定された會社(以下指定會社という。)」及び「又は經濟力集中拝除法の決定指令の内容」を削る。同時に第四條第二項を削る。第七條第一項第一號中「第四條第一項」を「第四條」に改める。こういう修正をする必要があるかと思いまするので、この修正の動議を提出します。
#11
○委員長(黒田英雄君) 外に御發言もなければ會社利益配當等臨時措置法案につきまして採決に入ろうと思います。先ず只今森下委員から御提出の修正案を議題に供します。
#12
○西郷吉之助君 先程の森下委員の動議に對して私は贊成の意を表します。
#13
○委員長(黒田英雄君) 本修正案を委員會の修正案といたすことに贊成の方の御擧手を願います。
#14
○委員長(黒田英雄君) 全會一致と認めます。よつて森下委員提出の修正案は、本委員會の修正案と決定いたしました。
 次に修正の部分を除きました原案全部を議題に供します。原案に贊成の方の御擧手を願います。
#15
○委員長(黒田英雄君) 全會一致でございます。
 これによりまして會社利益配当等臨時措置法案は修正可決いたされました。
 次に酒類配給公團法案を議題にいたします。本法案につきまして御質疑のおありの方は御質疑を願いたいと思います。別に御發言がありませんければ、御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
#16
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。これより討論に入りたいと思います。御異議ございませんか。
#17
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありの方はお述べを願いたいと思います。
#18
○伊藤保平君 これに施行の期日が漏れておるようでありますので、附則の第一條を次のように改めたいと思います。「この法律は昭和二十二年十二月十一日から、これを施行する。」こういうふうに修正いたしたいと思います。
#19
○委員長(黒田英雄君) 外に御發言がございませんければ……。
#20
○森下政一君 私は只今の伊藤委員の修正を加えて本案に贊成の意を表します。但し私の贊成は、甚だ不本意なのでありますが、不本意ながら贊成をせざるを得ない、こういうわけであります。しばしば本委員會でも私は申したことでありまするが、片山内閣が、現在の國民生活の難局打開のために、流通秩序の確立ということを、組閣當初において聲明したのは、誠に私共にいい響を與えたのでありまして、その具體的な現われの一つとしての公團方式というものが取上げられたものであろうと期待したのでありまするが、段々政府の説明を聽きますと、この公團法のごときも、實は私の期待に反するようなものでありまして、ただ單に現在の統制機關に公團という衣を被せたに過ぎないという感じが多分にあるものであります。これでは政府の所期する流通秩序の確立ということは、これに似ました公團というものを幾ら作りましても、よくその目的を達成することができない、却つてこの公團のために、現在以上に官僚的な統制が強化されて、從來以上に國民に對しては不愉快な感じを持たす事柄が多くなるのではないかということを憂えるのであります。從いましてこの公團の内容につきまして、更に一層これを民主化する必要があると考えたのでありまするが、諸般の情勢上、その希望を具體化することができないという事情が明らかになりましたので、よんどころなくこの原案のままこれを承認せざるを得ないのでありまするが、願わくば政府におかれましては、組閣當初に聲明された流通秩序の確立ということの具體的の方策の一環としての公團たらしむるために、この公團が成立の曉におきましては、せつかく官僚的な統制の強化といつたような國民の欲せざる弊害を助長するというふうなことを極力拂拭することに努められて、政府の聲明しておられるいわゆる流通秩序の確立の成果を擧げるように御留意願いたいという希望をここに熱心に申上げて、この法案に贊成する次第であります。
#21
○松嶋喜作君 私もこの法案には贊成いたしまするけれども、公團法というその様式については、この複雜した社會情勢に、組織を切り換えするというには餘りに陳腐である。非常にこの難局を打開し、民主的官僚統制を緩和するという觀點において遺憾な點が多々ありまするけれども、今森下議員の仰しやつたような意味におきまして、遺憾ながら贊成する。機會があればその弊害の速かに除去して頂きたいという氣持で贊成いたします。
#22
○委員長(黒田英雄君) 他に御發言はございませんか。……他に御發言がなければ、酒類配給公團法案の採決に入りたいと思います。御異議ございませんか。
#23
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。先ず伊藤委員の御提出の修正案を議題に供します。本修正案を委員會の修正案といたすことに贊成のお方の御擧手を願います。
#24
○委員長(黒田英雄君) 全員擧手であります。全會一致と認めます。よつて伊藤委員の御提出の修正案は本委員會の修正案と決定いたしました。
 次に修正の分を除きまして、原案全部を議題に供します。原案に贊成の方の御擧手を願います。
#25
○委員長(黒田英雄君) 全會一致であります。以上で酒類配給公團法案は修正議決いたされました。
 次に未復員者給與法案を議題に供します。本案はすでに質議終了いたしておるのでありますから、直ちに討論に入りたいと思います。御意見のおありの方はお述べを願いたいと思います。……別に御發言もないようでありますから、討論は終結いたし、直ちに採決に入りまして御異議ございませんか。
#26
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。未復員者給與法案に御贊成のお方の御擧手を願います。
#27
○委員長(黒田英雄君) 全員一致であります。よつてこの法案は全會一致を以て可決せられました。尚本會議におきまする委員長の口頭報告の内容は、豫め多數意見者の承認を經なければならんことになつておりますが、これは例によりまして委員長において本法案の内容、委員會におきまする質疑應答の要旨、討論の要旨、表決の結果を報告することに對して、御承認を願うことに御異議ございませんか。
#28
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それから本院規則によりまして、委員長が議院に提出します報告書に多數意見者の御署名を附することになつておりますから、先程決定いたしました三案につきまして、可とせられました方の順次御署名を願いたいと思います。
#29
○委員長(黒田英雄君) 次に舊日本銀行券の未囘收發行殘高に相當する金額の一部を國庫に納付するに伴う日本銀行への交付金に關する法律案、これを議題にいたしまして政府委員に提案の理由の説明を求めます。
#30
○政府委員(小坂善太郎君) 只今豫備審査のために付託せられました舊日本銀行券の未囘收發行殘高に相當する金額の一部を國庫に納付するに伴う舊日本銀行への交付金に關する法律案について提案の理由を御説明申上げます。
 昭和二十一年勅令第八十四號日本銀行券預入令によりまして、昭和二十一年三月七日以降その強制通用の効力を失つた舊日本銀行券につきましては、日本銀行券預入令第五條の規定により、昭和二十一年三月三十一日現在における未囘收發行殘高相當額を翌四月一日の發行高から引落しまして、右の引落し額に相當する日本銀行の財産は、これを同行の借受金勘定の方に別に整理保留せしめておつたのであります。又この財産の處分につきましては、同じく預入令の第五條第三項の規定によりまして、大藏大臣が、これを定めることとなつておるのであります。而して昭和二十二年九月三十日現在におきまする石の舊券の引換未濟殘高は二十六億九千七百餘萬圓となつておるのでありますが、この中には朝鮮の京城その他で連合軍立會の上、燒棄したものや、その他海外からの引揚者の持歸り金の引換等のため今後とも引換を要するものがありますので、これらを差引きまして殘額の中、結局のところ引換を要しないと推定せられます金額約七億圓を限つて、今般これを國庫に納付せしめることといたしたのであります。而して右の舊券の未囘收發行殘高相當額の一部を國庫へ納付せしめることに伴いまして、一方將來日本銀行におきまする舊券の引換が豫想外に多額に上り、その結果未囘收殘高が、右の國庫納付額よりも少額となるような場合が起きますときは、その不足額に相當する金額は、これを日本銀行に交付する必要が生じまするので、かような場合、日本銀行へ交付金をなしまするために、この法律を制定することといたしたのであります。何とぞ御審議の上御協贊あらんことを御願いいたします。
#31
○委員長(黒田英雄君) 次に請願及び陳情の審査の結果を小委員長から御報告を求めたいと思います。
#32
○伊藤保平君 陳情、請願の小委員會における經過報告を申し上げます。
 木材業者の水害復舊費に對する融資竝びに國庫補助に關する請願、これは、請願者たる岩手縣木材林産組合連合會は縣供出割當の九割以上を引受けておつたのでありまするが、最近の食糧事情の逼迫、賃金の昂騰、輸送の困難等のため多大の資金を必要としていたところ、今囘の未曾有の大水害により生産物、施設の流失甚だしく、このままでは割當供出、生産増強は望まれない状況にあるから、下半期生産費一億七千六百萬圓の中六千萬圓の緊急融資と、被害復舊費一千五百萬圓の國庫助成を考慮せられたいとの趣旨であります。
 次に今次日立鑛山地區の水害復舊特別融資等に關する陳情であります。これは九月十九日の臺風によりまして、日立鑛山は一瞬にして二十七名の死者を出す程の惨事を惹き起し、物的損害も甚大であつたのであります。然るに當會社は制限會社の特別制約を受けておつて、現状ではどうしても再建も望まれない状況であり、特に罹災住宅問題の解決は急を要するから、當鑛山の特殊事情考慮の上、資金資材の特別融通を圖られたいと趣旨であります。
 次の請願は鹽業對策の確立に關する請願であります。政府の鹽業對策は極めて無定見且つ不安定で、業者は幾萬の勞務員と厖大な負債を前にして、茫然としてなすところを知らない状態であるから、速かに根本政策を確立されたいとの趣旨であります。
 次に低物價政策上官營事業料金の値上げ反對に關する陳情であります。政府は鐵道運賃、郵便料金、煙草等の値上げを相次いで實施しておるが、勤勞者階級に多大の苦痛を與え、インフレをいよいよ昂進せしめておるから、官營事業の合理化を圖ると共に、事業料金、販賣價格等を公正適切な額に引下げられたいとの趣旨であります。
 次に舊軍用施設拂下げ價格に關する陳情でありまして、大藏省では國庫收入増徴のため、舊軍用施設を含む雜種財産の賣渡しを急ぎ、その大半は地方公共團體に對して行われたにも拘わりませず、その金額は到底支拂い得ない價格でありまして、援護、教育、復興事業に甚大なる影響を及ぼしますから、拂下げ價格についてはもつと低くするということについて考慮されたいとの趣旨であつたのであります。
 以上全部は、何れも願意の妥當と認めまして、小委員會は全員一致これを採擇し、内閣に送付すべきものと決定いたしたのであります。以上御報告申上げます。
#33
○委員長(黒田英雄君) 只今小委員長の報告通りで御異議ございませんか。
#34
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 次に政府に對する不正手段による支拂請求の防止に關する法律案、これは昨日質疑がありましたのですが、その質疑について先ず政府委員から答辯があるそうですから、それを伺います。
#35
○政府委員(長沼弘毅君) 昨日終戰處理費について御質疑があつたそうでございますが、その御趣旨は、すでに復興院が檢査をいたしておるにも拘わらず、更に重ねて大藏省が檢査をするという必要が何處にあるか、又それによつて支拂の遅延を來しておるというように考えられるが、政府の考はどうか、こういう御趣旨の御質問のように承つております。復興院が査定をいたしまするのは、これは工事の金額を確定いたしまするにつきまして當然必要な行爲でございまするが、大藏省はこれと別途の觀點から政府の支拂の公正を期する、乃至はこれを節約するという觀點から檢査をいたしておるのでありまして、現在工事の件數は約二萬四千に及んでおりまして、この支拂を急いでおるわけでありますが、大藏省が手掛けますものはこの全部に亙つて理想的にはいたしたいのでございますけれども、事實は抜き檢査的なものを選んでやつておるのでございます。例えばその主なものを申上げますというと、復興院の持つておりまする一定の技術的な基準によりましては把握できないものがかなりあるのであります。例えば一例を申上げまするというと、沈没船、拿捕船の囘收、沈没いたしておりまするのを引揚げる。或いは爆藥の處理をする。或いは毒物の處理をするというふうな特殊な事態になりますというと、一般の土建關係の基準というようなことでは到底實情が判定できないというような問題がございます。又極めて、何と申しますか、資本金の非常に少い、資力も徴弱であるというふうな業者が何億というような工事を受持つておるというようなこともあるのであります。かような特殊の事情になりますというと、一定の歩掛なり、基準率なりという尺度を以て簡單に實情を把握するというわけに参りませんので、特に念を入れて檢査をする必要もあるわけであります。その他いろいろな特殊な事情がありますものを特に抜き出しまして特別に檢査をいたしておるわけであります。私共といたしましてはこれを是非必要なことでもございますし、又復興院とダブつておるというふうな考えもないのであります。尚この檢査の結果支拂が遲れるかどうかという問題でありまするが、大藏省が檢査をいたしておりましても、工事の進捗の状況に應じまして、例えば工事が半分できておれば半分だけ、三分の一なら三分の一というふうに、一定の比率によりまして、支拂いは續けておるのでありまして、檢査をやつておりますから、そのために支拂いが遲れるという事實は、私共としてはないというふうに考えております。
#36
○委員長(黒田英雄君) 他に御質疑はございませんでしようか。御質問ございませんければ、本案については、質疑は終了をしたものといたして御異議ございませんか。
#37
○委員長(黒田英雄君) では御異議ないものと認めます。
 それではこの程度で休憩をいたしまして、午後は一時から開會いたします。
   午前十一時三十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十五分開會
#38
○委員長(黒田英雄君) これより休憩前に引續きまして會議を開きます。
 先ず特別都市計畫法第四條の規定による國庫補助を國債證券の交付により行う等の法律案、これを議題にいたしまして、御審議を願いたいと思います。先ず政府の御説明があれば御説明を伺つた方が便利だと思います。
#39
○政府委員(河野一之君) 特別都市計畫法と申しますのは、今囘の戰災を受けた土地についての都市計畫についての特別法でありまして、その特色は國が相當高率の補助をするということでございます。豫算上大體これを八割程度補助をいたしております。それが第一點、それから第二點は、從來の都市計畫でありますならば、減歩の補償は大體一割程度を超えたものについてやるということでありますが、特別都市計畫におきましては、一割五分を超えた部分について補償金を交付するという建前に相成つております。この法律は土地の所有者の減歩補償、即ち一割五合を超えた分に對する減歩の補償につきまして、國債を以てその代價を交付してやる、こういう建前になつておるのでありまして、今囘の戰災地復興土地區劃整理におきましては、公共性が大きい結果、その減歩率は……減歩率と申しますのは、面積の減る率でありますが、五大都市平均三二%その他の都市で平均二五%という限度が豫定されております。從つて無償で公共用地に編入される一割五分の残餘であります。五大都市平均一七%その他の都市平均一〇%について補償金が交付されるわけでありまして、これが國債を以て交付されることに相成るわけであります。この私有地の減歩率は全國平均にいたしますれば、今言つたような率でございますが、地區によりましては四割以上に及ぶ所もありまして、そういう地區でありますと、面積の大きな宅地或いは借地等の所有者についてはいいのでありますが、小さな土地を持つておる所につきましては、殆ど宅地としてこの利用の價値が乏しくなるといつたようなこともありますので、現在の政行措置といたしましては、工場の跡地等を任意契約によつて買收いたしまして、それで小面積のものの換地をいたすということによりまして、小さな土地の所有者の受ける損害と申しますか、當然そうなるわけではありますけれども、その損害をできるだけ輕減するというような行政措置を取つております。從つてそういう面において受益を事實上受けておるというような關係もありまして、又その土地の使用の繼續ができるわけでありますから、面積減少の代償でもありますし、資産の一部が土地から變つて來るというような關係もありまして、國債で以て交付することも必ずしも不當ではないというふうに考えられます。又一方現下の經濟状況から考えまして、こういうものについては國債でやることが適當ではないかというような關係でこういう法律案を提出いたした次第であります。
#40
○委員長(黒田英雄君) どのくらい交付公債を發行するお見込みになつておりますか。
#41
○政府委員(河野一之君) 現在の計畫におきましては、補償費の國庫補助額が二十六億七千萬圓程に相成つております。尤もこれ全體の計畫でございまして、今年度といたしまして差當り二億圓程度でございます。これは政府が公債を發行して交付するという恰好でなしに、この公債を預金部その他から買いまして、そうして渡してやるという恰好になると考えております。
#42
○松嶋喜作君 この補償の交付公債の値段は幾らでありましようか。
#43
○政府委員(河野一之君) 時價を參酌して大藏大臣がこれを定めるというふうにいたしております。その時の時價如何によりまして適當な價格を定めることと考えております。
#44
○松嶋喜作君 それでは處分は自由でございますね。
#45
○政府委員(河野一之君) 處分は別に制限はいたしておりません。
#46
○山田佐一君 そうしますと、預金部手持ちの公債を買うわけでございますか。
#47
○政府委員(河野一之君) 政府が交付しまするにつきまして、この豫算は公共事業費に實は入つておるわけであります。公共事業費で一應補助の恰好になりますので、その補助金の豫算で國債を買いまして、交付する、こういう恰好になつております。
#48
○山田佐一君 新規に國債を發行するのではないのですね。
#49
○政府委員(河野一之君) そうじやございません。
#50
○山田佐一君 今の土地にお話でありますが、平均一坪いくらぐらいということと、これには借地を持つた人が戰災でなくなつておりますが、借地權というものにも均霑するかどうか。
#51
○政府委員(河野一之君) 現在のところ全國平均で豫算的の單價でございますので、或いは具體的の場合には適用いたさないかと存じますが、平均三百圓ということで積算いたしまして、先程の二十六億七千萬圓という数字が出て來たのであります。借地權にも勿論適用ございます。
#52
○山田佐一君 借地權も込みの坪三百圓……。
#53
○政府委員(河野一之君) 積算としては一應そうなつております。
#54
○山田佐一君 それで換地にいたしますのは幾坪以下のものを換地にいたしますか、本人の希望でありますか。或いは三十坪以下のものは換地に持つて行くという……どういう基準になつておりますか。
#55
○政府委員(河野一之君) これは區劃整理によりまして、私それの專門の政府委員でありませんので、私がお答え申上げるのが適當かどうか存じませんが承知しておるところでお答え申上げますが、減歩は公共用地、例えば道路とか或いは公園とか、そういうところの坪數というものが先に取られるわけであります。それによつて減歩するものは一律にどの土地も平均に減らされるというのが平等の精神になるわけであります。從つて百坪持つておる人が三割減らされるといたしますれば、どの程度の土地の所有者も三割減るわけであります。そういたしますと先程申したように非常に氣の毒な場合、實際問題として宅地として利用できないというような場合も起りますので、それを任意買收の恰好で買いまして、そうして、非常に減歩の多い者にはそれを買つて貰うというような恰好で換地をするというような恰好で、できるだけその間の犠牲を少くするという行政上の措置を採つております。
#56
○山田佐一君 宅地の限度でありますが、今日では宅地の坪數も非常に制限せられて小さいものになつておる。一見用をなさないような氣のいたしますものも利用の方法によつては、或いは十坪以下でも役に立つものがあると思うが、地主の希望によつて行くのですか、一律に幾坪以下のものを換地するというように行くのですか。
#57
○政府委員(河野一之君) 地主の希望を入れてやつておると私は存じております。或いは殘りが十坪以下の小さいものならば、むしろ買收して貰つて他の人に分けた方がいいという場合もあります。それからそれでも尚他のものに利用できるというようなことでありますならば、希望を入れてその通りの措置をとるというふうに私は承知いたしております。
#58
○山田佐一君 そういたしますと、四割取られるわけですか。他から見ると用をなさないというような場合でも、本人はこれを利用する價値があつて持つておる。他より取られた歩合が多くて氣の毒だ、それに對して特別の損害というものを、地所を地所で與えて、もう一つ特別に補助するという意見はないのですか、その地所を渡さなければ補償がないとか。
#59
○政府委員(河野一之君) 都市計畫法で公共團體が計畫を立てるわけでありますが、土地の補償は今言つた點で一應一律に各土地の減歩を負擔する、その他の、例えば從來道路に面しておつた營業店鋪でありますとか、そういうものが取られて奧に入らなければならんということもありましようし、又殆ど營業できないということもありましよう。この營業補償は又別途公共土地區劃整理の問題の中に別に考えられるわけであります。
#60
○松嶋喜作君 この補償額を公債でお渡しになるか。その公債は大藏大臣が時價で定める、こういうことでございます。そうしますと、現在の状況では國債というものは非常に市價が下つておる、まだこれから下る憂いもある。こういう見方なんですが、大藏大臣は時價によつて定めるというのはどういう方法で時價を算定なさるか、その邊を伺いたい。
#61
○政府委員(河野一之君) これは松嶋さんの仰しやるように隨分下つておるものも市場においてはあるかと思います。結局これは現在の金利水準を見ましてどの程度のものがいいかということで、現在安い公債を額面で買いましてそれを交付するというようなことはやるべきものでないと私は考えております。
#62
○松嶋喜作君 と申しますと預金部からは常に發行價格でお買いになるということです。併しながら交付される時は時價だ、こういうことになつて來ると、差損ができて來るわけですね。私の心配するのは、三百圓という平均値でありますけれども、公債を若し發行價格なんかで頂いて、それを處分するというような場合には、非當な少いものになつてしまう。それでは補償の實效がないので、補償を受けるものにとつては非常な重大事のことじやないかと思う。その意味でお伺いしているのです。
#63
○政府委員(河野一之君) これは預金部からと申上げましたが、必ずしも預金部でなしに、土地の値段というものを出しまして、それに相當する時價の國債證券を交付する、こういつた意味でありまして、これは農地等との關係もございますが、農地につきましても同樣な方法で、その時の一定の金利水準に應じた國債の金額によつて交付して行く、こういうような考でおるわけであります。
#64
○松嶋喜作君 ちよつとよく分らんのですが、金利水準でお決めになるというのはどういうことなんですが。市場の金利が高くなれば、公債の額面に三分五厘と書いてあれば、公債は少くやるという意味なのか。これから市場の金利水準というものはますます上ると思うのです。併しながら公債の率は、そんなに市場の金利程にはお上げにならんと思いますが、金利水準によつてというと、ちよつと意味が解し兼ねるのですが……。
#65
○政府委員(石原周夫君) 金利水準ということを申上げておりますのは、御承知のように、從來の三分六厘五毛なり、三分六厘ベース、そういうような基準を以て從來やつて參つた、御承知のように、その金利では無理が行つたという状態であります。ここに時價ということにいたしておりますのは、松嶋さんが仰しやつておられまするような、非常に今低い價格となつているというような現在の公債の價格というものを、眞つ直ぐにここで時價ということで表現されているのでは必ずしもないのでありまして、もう少し何と申しますか、正面を切つた趣旨におけるところの利子、例へば何分何厘がよろしいかということは、いろいろ市場金利の關係があると思いますが、併しながら公債の一應ノーマルな意味におけるところの金利はこの程度にあるべきじやないかというところが、一應あると思う。それの利率というものを狙いまして、額面でありまするか、或いはデイスカウントと申しますか、交付する價格を決めて參りたい。その點につきましては、先程次長から申上げましたように、農地證券の關係がございまして、この間の調整をどういたすかということにつきましては、尚理財局の方でいろいろ研究いたしておるのであります。その上に又關係方面しも折衝いたしまして決めねばならんと思います。從いまして現在のところ、何分何厘ということにいたすかということにつきましては、まだちよつとそういうようなところまで申上げ兼ねるというように御了承願います。
#66
○松嶋喜作君 そうしますと今の御説明をこういうふうい解釋したらよろしいのでしようが。今三分五厘いくらかの公債であるが、將來三分五厘がもう少し上つて、假りにその交付の當時に四分というような公債發行の水準であるというときに、三分五厘の公債をお渡しになるのは、四分の水準によつて換算するというような程度に解していいんでしようか。それとも銀行へお渡しになる價格なのか。或いは本當の時價と申しますれば、市場の賣買の實情によるものであるのですが、私は時價といえば、市場でおよそ消化し得る價格が時價だと思うのですが、何かその邊少しまだはつきりしていないように思うのですが……。
#67
○政府委員(石原周夫君) 從來の時價を參酌してというような言葉を使いましたが、その場合におきまするところのその時價というのは、本來、市場の價格をそのままに移すというのが原則であることは、申上げるまでもないと思います。併しながら現在のような状況におきまして、今のいわゆる市場價格というものが、そのまま取つて時價ということになるかどうかという點につきましては、私共は、少々疑問がありはせんかというように考えております。それから三分五厘という公債を仮りに出すといたしまして、四分が事實上斟酌すべき利率であるという場合におきまして、三分五厘の公債を、或るデイスカウントされた率を以て渡すかという點の、初めの方のお尋ねでありますが、その點につきましては、これは今直ちにどちらということを申上げるのは、いささか早いかと思うのでありまするが、恐らくは一般の市場利率が四分なら四分であるというような場合におきましては、三分五厘でデイスカウントをつけるということよりは、四分でやるということになるかと思います。少くともそういう可能性がありはしないかと思います。
 それから尚若干附け加えて申上げておきますることは、この法律によりまするところの買收というものは、恐らくまだ若干の年度が續きますので、將來におきまして、又市場の利率が變るという場合におきましては、又それに應じたところの利率を附するという意味におきまして、將來に彈力を殘しておくというふうに御承知を願いたいと思います。
#68
○松嶋喜作君 そうしますと、時價ということよりも、公債の利率ということでお行きになるように聞こえますが、大體市場の時價でないということだけは確かでありますね。
#69
○政府委員(石原周夫君) 現在の市場の時價でないということは、その通りであります。
#70
○山田佐一君 只今の御説ですと、金利というお話でありまするが、これには時價としてありまするから、時價ということが本當じやないですか。ただ金利だけで計算をいたしまするのと、もう一つ國庫證券で貰うという意味は、國民といたしましては、すでに戰時補償で打切られた。國家の契約であるから、絶對信頼していいかどうかということは、あの補償打切りによつて、國民の中に非常に不安がある。ただ都市計畫法によつて、すでに犠牲を拂つておる。又前途いつ金利を打切られるか、或いは元金も打切られるかも知れないというような不安を持つておる。今の金利水準で行くというと、私は時價より幾分高くなると思います。一層そのものに犠牲を拂うような計算になると思いますが、その邊に對する御解繹を承つてみたいと思います。
#71
○政府委員(石原周夫君) 時價という言葉でございまするが、申すまでもなく、こういうような利附の證券におきましては、そのものの値段というものは、利率なり或いは償還年限というものが、それぞれ決まつておると思いますが、その利率を先程から云々しておりますのは、或る決まつて利率の證券の時價ということで參りますよりも、むしろ利率の方で調整をいたして行つた方が、實行上困難が少い。從來の公債におきましては、三分五厘のベースの場合、これを三分六厘五毛という率を出しまして額面で發行する。そのままの恰好にしております。そういう方が實行上よりいいのであろうという趣旨で、利率を附けております。それから將來におきまする打切り云々という考え方でありますが、その點につきましては、從來から政府はそういうような打切りを今後やらないということを申しておりまして、そういうようなこれは從來の意味における形と違いまして、決濟に當てます公債ということになるのであります。先頃の農地證券、それから金融再建の補償そういうようなものにおきまして、こういうような公債を以て決濟をいたすという例は、終戰後におきましては相當あるのであります。その例に從いましてやつております。大體その場合にお考えを願いましたのと同じように願いたいと思います。
#72
○委員長(黒田英雄君) 他の御質問ございませんか、それではこれはこの程度にして、小な船員保險特別會計法案を議題といたしまして御質疑をお願いしたいと思います。
 私からちよつと……、先般お尋ねして御意見を伺つたのですけれども、この頃特別會計が段々新らしいのがどんどん出るようですが、これらに對してもう少し愼重にお考えになつて、できることならば少くする方が、せつかく豫算を明らかにしようとして特別會計を整理しました政府の措置が壞われて來るように思うのですが、將來それらに對してお考えを願いことがいいじやないかと思うのですが、どうですか。
#73
○政府委員(河野一之君) 特別會計の整理につきましては、前から努力しておるような次第でございます。今年度は特別會計が當初豫算におきまして二十四ございましたが、失業保險法が實施せられます關係上、失業保險特別會計とそれから從來厚生保險に入つておりました船員關係の保險を別建にいたさなければならんということになつておりまして、合計二十六となつたわけであります。今後明年度の豫算の編成におきましても特別會計の整理については、いろいろ努力して見たいと考えております。現在あります會計でいつまでも續くものでないと認められるものは財産税等收入金特別會計でありまするが、これはいずれ近い中になくなるものと思います。その他勞働者災害扶助責任保險というのも來年から整理いたされます。その他につきましても御指摘の趣旨によりまして十分努力して見たいとこう考えるのであります。
#74
○山田佐一君 一般勤勞者の保險と船員保險と區別しておるのはどういう理由でありますか。
#75
○政府委員(河野一之君) これは從來から一般陸上勞務者と海上勞務者とは區別せられておるのでありまして、主として沿革的な理由ではございまするが、陸上勞働に比較いたしまして海上勞働が多少特殊性がございます點で、その保護が或る程度陸上より海上の方が厚くなつております。標準報酬と申しますか、一般の給與の點についても厚くなつておりますし、それから災害補償その他についても厚くなつております。勞働基準法の關係は陸上について規定いたしておりまして、船員のそういうようなものは船員法で規定するという建前になつております。それから船員につきましては國際的ないろいろな條約見たいなものがございまして、それによつてやつておる分が非常に多いのでございます。兩方一緒にしと法律で規定いたすとしましても、會計經理が非常に複雜になりますので、從來からこういうふうに兩方分けまして厚生保險特別會計の中でも船員の分と、それから陸上の分を別の勘定で分けておりまして、今度は失業保險の分が入つて參りまして、陸上の方ですと、これこ厚生保險法の外に失業保險法というものが、法律ができたわけでありますが、船員の失業の方は船員保險の中に法律が規定される、こういう關係になりまして、ちよつと法律の建前が變つておりますので、會計處理も分けるということになつたのであります。
#76
○山田佐一君 もう一つ、掛金の料金は何か差がありますか、同じことでありますか。
#77
○政府委員(河野一之君) 失業保險の關係におきましては保險料金には差はございません。
#78
○山田佐一君 それから一般の疾病と損害と……。
#79
○政府委員(河野一之君) 一般の疾病の分については、これは事故の率が違いますので違つております。船員の方が少し率が高かつたと思います。それから船員の保險につきましても、短期のいわゆる健康保險の分と年金保險の分とあるのでありますが、健康保險の分についても船員の方が多少高くなつております。それから年金の分につきましては、これは標準報酬は陸上と海上において違います分が一點と、それから船員につきましては、國が年金保險の分については一割程度負擔して、陸上の方につきましては、石炭その他の重勞務者だけしか國が負擔しておりません。そういつた關係で、從いまして年金關係の保險料率が異つておるという、こういう關係になつております。
#80
○山田佐一君 給付の率も違いますか。
#81
○政府委員(河野一之君) 給付の率は同じであります。多少船員の方がよくなつております。と申しますのは、例を擧げて申上げますと、大體健康保險の給付につきましては、解職後止めた場合におきましては、後六ヶ月は續くのが普通なのでありますが、これは陸上でございますが、海上につきましては、業務上の事由に因るものにつきましては、船主が三ヶ月間は全部自分の負擔でやりますので、それから先の六ヶ月ということになつております。從いまして最初から勘定いたしますと船員の方は三ヶ月間だけ餘計扶助を受けておる。こういつた場合に、こういうような特殊な規定がございます。その點につきましては、給付につきましては多少の差はございますが、原則的には同じでございます。
#82
○委員長(黒田英雄君) これにつきまして只今他に御質問がなければ、これは質問終了とはいたしませんが、大體終つたものとして次に移つたらどうかと考えまするが。……。
#83
○委員長(黒田英雄君) 次に大藏省預金部特別會計、國有鐵道事業特別會計、通信事業特別會計竝びに簡易生命保險及郵便年金特別會計の保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般會計からする繰入金に關する法律、これを議題にいたしまして御質問を願いたいと思います。……これも御質問が只今ありませんければ、一應質問終了したこととしてよろしうございますか。
#84
○委員長(黒田英雄君) では一應そういうことにいたします。次に物品の無償貸付及び議與に關する法律案、これを議題にいたしまして御質問を願いたいと思います。ちよつと速記を止めて。
#85
○委員長(黒田英雄君) それでは速記を始めて。この法案につきまして、御質疑がありますれば、お願いしたいのですが。御質疑がなければ、一應質疑は終了したものといたします。
 次に貿易金特別會計法を改正する法律案、これを議題にいたしまして、御質問を願いたいと思います。
#86
○西川甚五郎君 先般十月であると思いますが、あの際、この貿易資金の増額のときに、これを貿易長官が、現在のやり方は大變矛循があるから、全面的にこれを訂正せねばならないという御廃表があつたのでありますが、この法案を頂きまして、どういう點が、最も重大な點が違つておりますか、御説明願いたいと思います。
#87
○政府委員(永井幸太郎君) この法案では、現在の貿易資金の改正を要すると申しましたのは、主として輸入品が、非常に割安に貿易廳より賣渡しになつておる點を改正を要しますと申上げたのであります。この法案はまだそれに觸れておりませんので、輸入品の拂下げ價格の適正化をするということを、今政府關係筋で協議いたしておりますので、この法案には、輸入品の拂下げ價格を適正化するということは、まだ觸れておりません。今尚研究中であります。
#88
○説明員(村岡信勝君) 只今お配りいたしました資料、突然でございますので、こちらの方から簡單に内容の御説明をいたしておきます。資料として四種類ございますが、現行法、それから現行の政令、これにつきましては、別段御説明の要もありませんので、その後の數字の表がございます「貿易資金計畫表」と、それから一枚のぺらぺらの、「昭和二十二年度一般會計から貿易資金への補填金概額調」というふのがあります。これについて簡單に御説明いたしますと、この厚い「貿易資金計畫表」、これは昭和二十二年四月、三月の間の、貿易廳が作成いたしました輸出入計畫がございますが、それに基きまして、金の出入りの關係を、資金計畫として作成いたしたものでございます。その一番上の表で御覧願いますと分りますように、昭和二十二年度全體といたしまして、輸出品の買上竝びに輸入品の賣拂の出入の關係で、支出の方の――出ております金、それの合計を三百九十六億七千六百萬圓、それから收入の方の金を二百七十九億一千三百萬圓、差引いたしまして百十七億六千二百萬円の資金不足を來すということを、当初、年度初めの資金計畫として作成したしたのでございますが、その後輸入物資の價格の値上り、或いはその他若干資金的に經減を來すことができましたために、この年度の最近の資料に基きます見通しといたしましては、もう一つの資料によつて一枚の方の紙にございますように、差引いたしまして……この表を御覧願いますと、一番最後の欄に、差引、一般會計からの要補填額として、五十五圓という數字が出て參つておりますが、これは結局年間の資金不足の増額の内、政府の所有として保有しておりまする輸出のため買上げました物資、或いは輸入品でまだ賣つていない物、そういう物は、物の所有という關係で必ずしも繰入の對象にしない。これは日本銀行からの借入金で賄つて參る。そういう物の裏付けのない場合、資金不足の部分についてはこれは一應圓の上の數字の不足でありますので、その金額を一般會計から繰入るという考え方でありまして、その金額を計算したして見ますと、この五十五億という數字になるわれであります。今度の法案の附則の第二十條の規定に從いまして、各項目ごとに出て行く金と入つて來ると金との差額を計算して出した數字であります。資金計畫竝びに繰入金額の計算の表についての簡單な御説明申上げました。
#89
○委員長(黒田英雄君) ちよつとこの場合途中ですが、「わが國財政の實情について」という大藏大臣の談として刷つたものが出ておりますが、これは皆さまにお配りするだけ今ないのですが、明日までには刷つてお手許に差上げると申しております。一應今大藏大臣から説明をいたしたいということですから、これを聽くことにいたしたいと思います。
#90
○國務大臣(栗栖赳夫君) 實は取政の國家の臺所を國民に十分知らせ、そうしてこの納税の大事なこと或いは貯蓄の大事なこと、その他について國民に赳意を徹底するということを大藏省は考えた次第であります。そこですでに大藏省としましてもこの趣旨の運動としまして、貯蓄運動、納税運動等を國會――衆議院及び參議院の各位の御協力によつていたしたいと考えておる次第でございます。そこで大藏省としましてはすでに各地の新聞社、又各方面の人の協力も得まして、そうして實は三越に国の臺所の展覧會をいたし、この展覧會を各地に持つて參りまして、この趣意を徹底いたそうといたしたのであります。それにつきましても、國の臺所はどうかという質問をどこでも受けるのでありまして、それでこの前の經濟白書などと違いまして比較的分りやすく、そうしてこの趣旨を徹底するようにこの案を作つた次第でございます。
 これが私の談として出したものであります。實は手數その他がございませんので、今日皆さまにお配りする暇がないのであります。明日中ぐらいにはこれはできますので、皆さまのお手許にお配りをし、そうして一應皆さまとも御相談をいたしまして、廣く國民にも愬えたいと考えるのです。その趣意を一つ御了承を願いたいと思うのであります。これは皆さまの御覧に入れるには餘りにも平易に書いてあるのでありますが、併し内容としましては、はしがきは別といたしまして、豫算と國民經濟との關係の極めて密接なことを第一に説いた次第でございます。それから豫算の實積というものは、やはり豫算を作るだけでは意味がないのでありまして、それを忠實に實行する。殊に昨今としては納税をするということが一番大事だということをその次に書いたのであります。而も實情においては納税の状況を申しまして、そうして相當の滯納がある。又免れて恥ないような人々がおる、これは國民全體がこの危機を切り抜けるためには、是非納税をするということによつて初めてできるのだという趣意を書いたのであります。それからやはり國家を再建しまするには、再生産という面に是非力を入れなければならんのでありまして、それがために再生産に必要な金融を疎通して行くということが非常に必要なわけであります。それについてはどうしてもその基の金、日本銀行の兌換券をどんどん出すというのではいけないわけでありますので、國民貯蓄の必要ということせ力説いたしまして、つまり金融と貯蓄の必要ということを説きました次第であります。つまり最初は豫算と国民經濟、その次は豫算の實績と納税の状況、第三に金融と貯蓄ということを説きました。次に國民全體にこの時局を十分に認識して貰い、納税貯蓄ということの大事なこと、この危機を切り抜けることを十分徹底して、國民にその協力を要望したような次第でございます。簡單でありますが、そういう趣意で配りたいと思いますから、一つお許しを得たいと思う次第であります。
#91
○委員長(黒田英雄君) それでは貿易資金特別會計法について何か御質問ありますれば……。
 それでは貿易資金特別會計法につきましては、一應御質問は終つたことにして置きたいと思います。
 それから臨時金利調整法案につきまして、先程提案理由の説明があつたのですが、尚これについて説明を政府委員がして置きたいということですから、それだけ一つ……。
#92
○政府委員(愛知揆一君) 今朝提案理由の御説明をいたしましたが、臨時金利調整法案につきまして極く簡單にちよつと補足させて頂きたいと思います。
 御案内のごとく、從來金融機關の間におきましては、金利の協定を自主的にやつておりましたわけでございまして、非常に歴史も永かつたのでございますが、本年の十月になりましてから、金融業者相互間において、貸出なり預金なりの金利の協定を業者間において排他的に協定をするということは獨占禁止法に牴觸する疑があるという説が起りまして、いろいろ議論があつたのでございますが、さような次第で、十月の二十三日に一切の金利の協定が業者の申合せによりまして廢棄せられたわけでございます。ところがやはり現在のいろいろの經濟状勢下におきまして、金利に非常に亂高下が起りますることは、いずれにしても阻止をする必要があると考えまして、關係方面ともいろいろ相談をいたしました結果、この法律案が漸く會期ぎりぎりのところで減に恐縮なんでありますが、でき上つたわけでございます。一方最近の金利協定が廢棄せられました後の状況を見まするに、今までのところはさしたる變調はないように見受けられるのでありまするが、何分にも、殊に年末を控えまして資金が非常に窮屈でありまする折から、何の協定もなく、又それを拘束する法令等もないということでございましては、或いはどういう事態が生ずるかも保し難いような状況に見受けられますので、誠に恐縮でございますが、速かに御審議を頂きたいと考えておるわけでございます。内容はこの法文をお讀み下されば別に御疑問等もないと思うのでございますが、ただ一つだけこの法案の特色になつておりますることは、本來金利政策というようなものは、やはり政府としては大藏大臣の責任において責任を取らなければならない性質のものと考えるのでありまするが、從來協定いたしておりますような金利というようなものは極めて技術的なものでございまするし、實際に金融機關が適用いたしまする預貯金の利率とか、或いは、貸付の利率というようなものでございますので、できるだけ技術的な實情に明るい方々の間におきまして決めて頂きたい。而もそれを民主的にやつて頂きたい。かように考えましたので、金利を調整することの發議權は大藏大臣に持つておりまするけれども、實際上は日本銀行總裁に一つ音頭取をして頂く、而も日本銀行總裁が音頭を取つて決めて頂きます場合には、金融界、産業界、或いは勞資の代表者、或いは役人といつたような多面的な諮問委員會を作つて頂きまして、その委員會と御相談の上で日本銀行總裁に決めて頂こう。こういうような構想になつておりますことが特色だと言えると思うのであります、この點だけ附言さして頂きたいと思います。
 それからもう一言附け加えさして頂きたいと思いますのは、やはりこの委員會に勸業債券の割増金等に關する所得税の課税の特例に關する法律案というのが提案されておるのでございますが、これは一例を申しますると、只今實籖を賣出しております。貯蓄奬勵の一環といたしまして、現在百萬圓の當籖金をも出しておるわけでございますが、一時所得の課税の對象にこれがなりますると、七十萬以上も税金に取られてしまいますわけで、大局的に考えまして、このインフレのとき、特に當分の間は一つ百萬圓くらいの當籖金を出しても貯蓄の推進をいたしたいと考えておりまするので、これも各方面いろいろ議論もございましたのでありますが、當分の間所得税をこういつたものに關してはかけないということに、漸く政府部内及び關係方面との意見が纏まりまして、これも實は一月にもやはり引續き各種の富籖その他を出したいと思つておりますので、一方所得税法の方は一月一日から施行されますると、その一月の時期などにもこういつたものの賣行きが非常に惡くなることは、貯蓄推進上、資金吸收上困りまするので、これも會期ぎりぎりのところで恐縮でございますが、さような趣旨でございますので、抂げてよろしく願いたいと存じます。
#93
○委員長(黒田英雄君) 本日はこの程度で散會いたします。明日は午前十時から開會いたします。
   午後三時五十八分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           下條 恭兵君
           椎井 康雄君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
          尾形六郎兵衞君
           深川タマヱ君
           星   一君
           石川 準吉君
           九鬼紋十郎君
           小林米三郎君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
  政府委員
   大藏政務次官  小坂善太郎君
   大藏事務官
   (主計局次長) 河野 一之君
   大藏事務官
   (銀行局長)  愛知 揆一君
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      石原 周夫君
   貿易廳長官   永井幸太郎君
  説明員
   商工事務官
   (貿易廳經理局
   長)      村岡 信勝君
ソース: 国立国会図書館
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