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1947/12/08 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第51号
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1947/12/08 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第51号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第51号
  付託事件
○少額貯金及び各種團體預金封鎖解除
 に關する陳情(第五十二號)
○インフレ防止に關する陳情(第七十
 一號)
○電氣税復活反對に關する請願(第四
 十三號)
○會計檢査院法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○低物價政策上官營事業料金の値上げ
 反對に關する陳情(第百九十號)
○連合軍兵舎並びに宿舎建設用木材前
 受金の第二封鎖解除に關する陳情
 (第二百十一號)
○政令第七十四號中憲法違反の條項に
 關する請願(第二百五十七號)
○通貨發行審議會法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○經濟力集中排除法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○今次日立鑛山地區の水害復舊特別融
 資等に關する陳情(第四百十二號)
○金屬鑛山事業を經濟力集中排除法案
 中より除外することに關する陳情
 (第四百十五號)
○舊軍用施設並びに敷地の無償交付に
 關する請願(第三百五十一號)
○經濟力集中排除法案に關する陳情
 (第四百八十一號)
○企業再建整備法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○持株會社整理委員會令の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○政府に對する不正手段による支拂請
 求の防止に關する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○財政法第三條の規定の特例に關する
 法律案(内閣送付)
○接收家屋の地租家屋税等に關する請
 願(第五百八號)
○經濟力集中排除法案より電氣事業を
 除外することに關する請願(第五百
 三十六號)
○財閥同族支配力排除法案(内閣送
 付)
○鹽業對策の確立に關する請願(第六
 百二十六號)
○接收建物に對する非戰災家屋税に關
 する陳情(第六百十一號)
○舊軍用施設拂下げ價格に關する陳情
 (第六百十五號)
○特別都市計畫法第四條の規定による
 國庫補助を國債證券の交付により行
 う等の法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○經濟力集中排除法の施行に伴う企業
 再建整備法の特例等に關する法律案
 (内閣送付)
○船員保險特別會計法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○勞働基準法の施行に伴う政府職員に
 係る給與の應急措置に關する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○金融機關再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○舊日本銀行券の未囘收發行殘高に相
 當する金額の一部を國庫に納付する
 に伴う日本銀行への交付金に關する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○勸業債券の割増金等に對する所得税
 の課税の特別に關する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○貿易資金特別會計法を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○物品の無償貸付及び讓與等に關する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○大藏省預金部特別會計國有鐵道事業
 特別會計、通信事業特別會計並びに
 簡易生命保險及郵便年金特別會計法
 の保險勘定及び年金勘定の昭和二十
 二年度における歳入不足補填のため
 の一般會計からする繰入金に關する
 法律案(内閣提出、衆議院送附)
○政府職員に對する一時手當の支給に
 關する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○臨時金利調整法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十二月八日(月曜日)
   午前十一時二十五分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○通貨發行審議會法案
○政府に對する不正手段による支拂請
 求の防止に關する法律案
○特別都市計畫法第四條の規定による
 國庫補助を國債證券の交付により行
 う等の法律案
○船員保險特別會計法案
○勞働基準法の施行に伴う政府職員に
 係る應急措置に關する法律案
○金融機關再建整備法の一部を改正す
 る法律案
○舊日本銀行券の未囘收發行殘高に相
 當する金額の一部を國庫に納付する
 に伴う日本銀行への交付金に關する
 法律案
○勸業債券の割増金等に對する所得税
 の課税の特例に關する法律案
○大藏省預金部特別會計、國有鐵道事
 業特別會計、通信事業特別會計並び
 に簡易生命保險及郵便年金特別會計
 の保險勘定及び年金勘定の昭和二十
 二年度における歳入不足補填のため
 の一般會計からする繰入金に關する
 法律案
○貿易資金特別會計法を改正する法律
 案
○物品の無償貸付及び讓與に關する法
 律案
○政府職員に對する一時手當支給に關
 する法律案
○會計檢査院法の一部を改正する法律
 案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) これより委員會を開會いたします。本日は公報に載つておりまする會議に付する事件の全部を一括議題にいたしまして、御審議を願いたいと思いますが、この案のどれにつきましてもよろしうございますから、政府委員が御出席しておりまするものについて、先づ御隨意に御質問を願いたいと思います。只今參つておりまするのは、安定本部の方と、大藏省の主計局の方と、銀行局の方から參つておりますから、そのおつもりでお願いします。
#3
○西郷吉之助君 質疑は大體午前中で終了せしめて頂きたいと思ひますが……。
#4
○委員長(黒田英雄君) できますれば大體午前中に質疑を終つて頂ければ仕合せと思います。それで一應休憩いたしまして午後三時頃から更に委員會を開きたいと思つております。
 只今全部を議題にいたしますが、その中で政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案は昨日質疑終了でありますから除いて頂きます。それから勞働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に關する法律案、これも昨日質疑終了であります。
#5
○西郷吉之君 最初の通貨發行審議會法案も先般質疑は完了したのではありませんか。
#6
○委員長(黒田英雄君) まだこれは質疑終了の決議はいたしておりません、これはずつと前でありますから……。それでは船員保險特別會計法案、これは質疑終了といたして御異議ありませんか。
#7
○委員長(黒田英雄君) 勸業債券の割増金等に關する所得税の課税の特例に關する法律案、これは昨日政府委員の説明もあつたのですが、これについて御質疑ございませんか。
#8
○山田佐一君 今囘勸業債券に百萬圓からの割増金がつくので、この百萬圓當つた人から七十萬圓も取るというのは寶くじの發賣上にも非常に影響するから、これを免税にするという御趣旨であつたのでありますが、事業資金で百萬圓所得があれば、これに對しては容赦なく七十萬圓も取るのでありまして、事業資金で取るのと、富くじで當つたのと如何なる性質が違うのか。それともう一つは、先般の非戰災者特別税のごときも、戰災を受けた者と受けんものとの差額によつて取るというお話であつたのでありますが、そういう意味からいいまするならば、富くじも當つた者と當らん者とは非常な差額があるのである。同じ五十圓出して煙草五本より貰わなかつた人もあるのだから、百萬圓當つた人から七十萬円取つてもいいじやないかという議論も成り立つと思うのであります。餘り政府の方針がその場その場で違うというのは國民に對する觀念も如何かと思うのでありますが、その邊に對する政府の御所信も伺つて見たいと思います。
#9
○國務大臣(栗栖赳夫君) 實は寶くじの問題でありますが、これは當つた者一人を取つて、そうして事業所得に比べますと、只今山田委員のお説の通りに相成るのでありますが、この寶くじの操作をいたします見地から申しますと、浮動購買力を抑えるという趣意でございます。實は何十萬、或いは何百萬という人の中から消費その他に向うべき資金を抑えてこちらの方に取上げるのでございまして、その中の一人が當るということは、誠に一人は幸福でございますけれども、併しそれに七十萬円税を課することになりますと、この寶くじは全然魅力がなくなりまして、何億というような浮動購買力を掬うことができなく相成るわけであります。そこでそういう見地から廣く浮動購買力を掬い上げるために、この百人一人の幸運者或いは何千萬人、何百萬人に一人の幸運者が出る。成るほどお話のように事業所得の間にもいろいろ問題があります。併し只今申しましたように浮動購買力を掬うということが國を救う非常に大事な點になりますので、そういう點から見て、この際は止むを得ないというよいな見地から、こういう特例を認める法律を出した次第でございます。混亂期でもございますし、止む得ないものとして御了承をお願いしたいと思う次第でございます。
#10
○星一君 この割増金付の寶くじを賣ることをいつまで續けて行く考えでありますか、私はああいうことは決していいことでないと思う、まるで亡國でやつておるようでどうもいいことでないと思います。
#11
○國務大臣(栗栖赳夫君) 寶くじその他こういうようなものを賣るということを政府はどこまでやつて行くかということについてのお尋ねと思いますが、政府といたしましては、殊にインフレーシヨンの深刻になつております現下におきましては、この放出される資金の大部分を吸い上げるということが非常に必要なのであります。吸い上げるにもこういう混亂期におきましては單なる貯蓄とか或いは有價證券投資というだけでは、大衆の間においては到底魅力がなし、效果を擧げないのであります。そこで政府は現下のような状態が続く限りにおいては、やはり寶くじその他を賣出しまして、そうして駒動購買力を吸い上げそうしてインフレーシヨンの抑止の一助にいたしたいと考えいおる次第でございます。
#12
○星一君 寶くじをやることはインフレを減じないばかりか却つてインフレを助長しておるようにいわれます。寶くじで集めた紙幣を燒き拾てるというならばインフレを防ぐこともできるかも知れんが、そのお金を取つて來て、やはり政府の役人の給料に充てるというようなことでは同じことじやないか、こういうことをいいます。この割増金によつてはインフレを防ぐほどの働きは私は絶對にできないと思いますが、政府はどう思いますか。
#13
○国務大臣(栗栖赳夫君) それはインフレーシヨンを寶くじだけで救うという趣意ではないのでありますが、一助には確かになると思うのであります、あれだけ大きな金額を民間資金から吸い上げることは、一方においては浮動購買力を抑えることに、吸收することになることは確かだと思うのであります。若しそういうものをしないといたしましたならば、民間資金の吸い上げはできないわけでありますから、官吏の給料、その他の政府の支出いたします、又地方自治體におきましてはその支出いたしまするにも、一に日本銀行に頼りまして、そして日本銀行の資金を引き出して、これを拂わなければならんということになるわけです。日本銀行の資金を引き出して拂うということは、即ち通貨の膨脹を意味するのでありますから、そういう意味においてインフレーシヨンを防止する一助に相成ることは間違いないじやないかと、かように考えておる次第でございます。
#14
○委員長(黒田英雄君) 成るべく簡單に願います。
#15
○星一君 今のこの議論をいつまで言つても際限がないかも知れませんが、官吏を合理化するために、私は寶くじは金を集めて官吏に月給を拂うよりも、官吏の合理化によつて立派にできることと思います。そうして割増金をもつて産業の方の利用するならばともかくも、私は政府はああいうことを早く止めて、官吏の合理化をして行くことの要求をします。議論はもう止めます。
#16
○國務大臣(栗栖赳夫君) 只今行政整理をして、そうして無駄を防げということは勿論必要でございます。それで政府としても今度の追加豫算におきましても十億四千萬圓の節約をし、更にその後の追加豫算のおいても相當の節約をいたしておるのであります。そうして又二十三年度の豫算を編成する場合には、この編成方針の意味から言いましても、どうしてもその點に力を入れようと、こう考えております。それだけではこの日本の財政は、私はインフレーシヨンの抑止はできないと思います。あの手この手を澤山打つて、できるだけの全力を盡す必要がある。こういう意味においてこの現下におきましては、このやはり寶くじを賣り出しまして、そうして浮動購買力を吸い上げるということが、確かにインフレーシヨンの抑止の一助になるとこう考えて、こういう事情から政府はやつておるような次第でございます。
#17
○委員長(黒田英雄君) 他に御質疑なければ本案については質疑は終つたものと認めて御異議ございませんか。
#18
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 次に通貨發行審議會法案を議題に供します。これはすでに質疑は相當終つたようでありますが、尚御質問ございますか。
#19
○森下政一君 私は前囘、少し委員會に遲れましたので、政府の説明を聽くことができなかつたのでありますが、この法案が提案されております根本の政府の狙いというものは、どこにありましようか、恐らくは通貨の膨脹を極力抑止しようという趣旨に出ておるとこう考えるのでありますが、それに間違いないでございましようか、それから私が特にお伺いしたいのは、政府が國民に耐乏生活を要望しておる。假りに國民が忠實に政府の要望に應え、或は租税の完納運動を政府が提唱する國民がこれに協力いたしまして完納に努める。そういうふうに國民の側では極力インフレの抑制ということに力を注ぐといたしましても、一方において通貨がたやすく増發されるということでありましては、インフレーシヨンはどこまで行つても抑制されんということになる。その意味におきましてこの通貨發行審議會が成立の曉におきまして容易に通貨の發行をせしめない。必要止むを得ざる場合に限定しようというふうな意圖で活躍されるということでありますならば、非常に結構だと思うのでありますが、又大變、これは惡意な解釋かも分りませんが、考え方によると政府が一方的に通貨を無制限に發行するのでない、こういうふうな機關において愼重に審議されて必要止むを得ないというので發行しておるんだというふうな一つの口實を作つて、通貨が膨脹するというふうなことになるのでは、甚だ國民の欲せざるところだと、こう思うのでありまして、どこまでもこの審議會の成立は飽くまで通貨の膨脹の抑制になければならんと思うのでありまするが、その邊甚だ他の委員諸君に御迷惑ですが、もう一度政府のこの法案の眞意を聽かして頂きたい、かように思う次第であります。
#20
○政府委員(佐多忠隆君) 通貨發行審議會を設けました趣旨は、お話の通りに現在のようなインフレーシヨンが止め度もなく進展して行くことは、結局日本經濟の破局を導くことであり、すべてが臺なしになるということを恐れまして、この際通貨發行を極力抑止するということを主要な目的にしなければならないのであります。その抑止のためにこういう審議會を設けるという趣旨でございます。尚通貨發行を抑止するためにはあらゆる力を擧げてやらなければならないと思いますので、單に大藏省の金融政策、或いは日本銀行の通貨政策というようなものだけでなしに、政府が全力を擧げて、同時に國民全體が全力を擧げてこの抑止に努力しなければならない。それによつて初めて國民の耐乏生活を要請しておる政府の趣旨も徹底するというようなことを考えまして、あらゆる力を擧げて通貨の抑制に努力するために、こういう審議會を設けまして金融界の代表、産業界の代表、學識經驗者、あらゆる人の智能を動員して、その抑制策を具體的に決め、そうして通貨發行の限度を抑止して行こうというような趣旨でございます。
#21
○森下政一君 御趣旨を承りまして大變私は滿足に思います。そこで重ねてお伺いしますが、諸般の情勢から勘案して通貨發行審議會が、或る時における通貨發行の最高限度というようなものを假りに抑えて、その限度を決めて、それ以上には容易に増發しないといつたような事柄が行われるとすれば、私は通貨の膨脹というものは餘程抑制されるということになるんじやないかと思うのですが、固より發行限度を絶對に割らんというわけには行きますまいが、その時の事情によりまして、よんどころなくそれ以上に増發しなければならんこともあり得るかと思うのでありますが、一應併し建前としてはそういうふうな最高限度を抑える。その限度を抑える限りにおいては容易にこれを覆えさんといつたような取り運び方が行われるとすれば、いよいよインフレの抑止に役立つのじやないかと思いますが、何かそんなような含みを持つておいででございましようか。
#22
○政府委員(佐多忠隆君) 日本銀行券の發行限度は法律に規定しておりますように、主務大臣が通貨發行審議會の議決に基きまして、閣議を經て定めるということに相成つておりますので、一應發行最高額を決めること自體が、相當愼重な審議を必要とします。それによつて決めますし、更にその限度を超えて發行する、そういう場合にはその通貨發行審議會の議を經なければならないことになりますが、そういう意味で決めること自體が非常に愼重になされますし、決めた以上はそれを守るためにあらゆる方策が建てられ、あらゆる努力が傾けまするし、たまたまそれにも拘わらず、現實において更に若干の限度を超えたものを發行しなければならないときには、尚發行審議會で愼重に研究して頂いて、その上で然るべく決定するということに相成ると思いますので、御趣旨のような點は、これによつて十分逹成されると存じております。
#23
○松嶋喜作君 この前の豫備審査のときにお伺いいたしたのでありまするが、大藏大臣がお見えになつておりまするから、この機會にお伺いいたしたいと思います。先程もお話のあつたように、この通貨發行審議會は、愼重に審議をして、通貨の膨脹に幾分かの抑制を加えるというような意味で、愼重になさるということはよく分りますけれども、私の考えを以てしますれば、この構成なるものは、そういう目的に副わないのみならず、日本銀行の法律というものは、戰時中にできた戰時立法というような精神を含めて、日本銀行の法律を見ますと、大藏大臣と日銀總裁というものが相談すれば、あらゆる金融のコントロールができ、又産業方面にも自由に通貨の發行ができる。いわば總動員法の一部分といつたような感じを與える日本銀行法であります。その日本銀行法が現存して、而も内閣總理大臣が會長になり、大藏大臣、安本長官、その他政府の有力な方が委員になつておる。たとえ學識經驗者、或いは産業人が入るといたしましても、この運營というものは、政府の意のままになるということは了解せらるると思うのであります。そうしてインフレーシヨンというものは、主としてその大きな原因が財政面から來ると、いわば政府の賄いをするということによつて、通貨の膨脹が急激に殖えるのであります。その政府の有力な方が、この委員會の委員であつて、而も自分が賄うところの通貨を論議するということは、いかにも構成下抑壓する力が鈍い。それから又日本銀行の法律というものは、戰時の法律である。そこで私は一つ日本銀行法を根本的に改正する意思が政府におありかどうかということと、この構成をもう少し政府以外の人を交えて、抑壓する意味において、政府の意思があまりに加重しないというようなことをなさる方がよりよいのではないかと、この二つについて大藏大臣の御意見を伺います。
#24
○國務大臣(栗栖赳夫君) 松嶋委員のお尋ねに對してお答えいたします。この日本銀行というものは、私も存じておりますように、戰時中に日本銀行法というものができまして、そうして現在に至つておるのであります。併しながら、これは私共は、日本銀行を含めた特殊銀行及び普通銀行、その他の金融制度というものは、この新しい事態に即應するためには、全部一應見直す必要があるのであります。そこでこの金融機關につきましては、日本銀行を除く金融機關につきましては、金融機關の再建整備が進むにつれまして、これを特殊銀行及び普通銀行その他の金融機關を全體的に整備した新しい事態に即應するようにいたしたいと、今檢討をいたしておるような次第であります。日本銀行につきましても、勿論私は根本的にいろいろ見直す必要があると、こう考えて、只今も檢討を續けておるのであります。併し私の考えといたしましても、又政府といたしましては、日本銀行を國營にするという考えはありません。併しながら民主的に運營するように、機構を非常に變へて行くという點においては、今檢討をいたしておるような次第でございます。實は、そういうものも間に合わん點もございまして、例えばこの金利の調整に關する法律とか、或いはこの通貨審議會に關する法律というものは、先走つて出ておりますけれども、必要があるために、先走つて出ておるのでありまして、この狙いは、全く戰時中と違つて、新らしい民主的な金融機關を動かして行くと、こういうような點から、私共は出發しておるのであります。金融というものについては、松嶋委員もそうでありまして、私も長年の經驗を持つておるのでありますが、政治の力が金融の中へ入つて行くということは、これは非常に懸念を伴うことがしばしばあるのであります。その點は、十分留意した、新らしい平和日本の産業の開發その他に適當する金融機關を作り立てたいと、かように考えておる次第であります。この通貨審議會におきましても、十三名の委員があるのでありますが、實は二名だけが、この官吏として、當然委員になるのでありまして、その他は廣く民間から採りたいと思うのであります。而も私は、民間の各層から採つて、そうして十分その意志が反映するような運營をいたしたいと思つておるのであります。單に制度だけそういたしましても、從來いろいろ戰時中その他で委員會はありましても、幹事會その他で、大綱が決まつていまして、そうしてこの要綱を委員が突きつけられて、そうして三十分か一時間の内に、結構でございますというような決め方、そういう運營のし方ということは、これは間違いが非常にあると思いますので、運營その他につきましても、十分反映させるように、委員からいろいろ意見を求め、或いは豫め委員に要綱を配付しておきまして、そうして十分御研究を願つた上で、この委員會をするとかいうような、運營についても、一つ一新をいたそうと考えておる次第であります。
#25
○委員長(黒田英雄君) 本案につきまして、他に御發言がありませんければ、質疑終了といたして御異議ございませんか。
#26
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 次に、臨時金利調整法案についての御質問は如何ですか。これは先日提案理由の説明がありましたが。
#27
○波多野鼎君 議事進行についてですが、通貨發行審議會法案は、大分急いでおられるように聞いておりますが、討論をして、採決を、これをやつたらどうですか。そういうことでなくて、委員長の御方針では、いろいろなものを一緒に採決されるという……今日通るんですか。ああそうですか。
#28
○委員長(黒田英雄君) 今のは、質疑終了だけです。
 本案について御質問がなければ…。
#29
○星一君 ちよつと質問があります。第一條の、この「金融機關とは」とありますが、この中に、復興金融金庫の名前が入つておりませんが、あれはどうしてこういうようになりましたか。
#30
○政府委員(愛知揆一君) お答えいたします。この復興金融金庫はこの中に規定されてないのでございまするが、復興金融金庫につきましては、特殊のものとしまして復興金融金庫法の中に、一切の融資につきましては、その條件等を詳細に亙りまして、復興金融委員會の議を經なければならんことになつておりますが、その方で法律的な制約がございますので、ここからは抜いておる次第であります。
#31
○九鬼紋十郎君 この臨時金利調整法案で一つ質問があるのですが、よろしいですか。
#32
○委員長(黒田英雄君) どうぞ。
#33
○九鬼紋十郎君 いわゆるこれに關連して御質問申上げたいのですが、近來民間では、この金利について非常に實は闇的な金利が横行しておるのでありまして、ひどいのは月に一割といつたような金利を拂つて借りておるというようなことも聞いておるのであります。從つてそういつたことが銀行の方の金利にも自然影響を來して來て、どうも銀行なんかもいろいろの方法で以て、普通の金利以外に多少の金利的なものを出さないと、なかなか借入金なんかも容易でないといつたようなこともあるのでありますが、そういつた闇的な金利については相當重大な影響があると思うのでありますが、これについて政府としては何か特別なこれに對する對策といつたようなものはお考えになつておるかどうか、それを一應承りたいのであります。
#34
○政府委員(愛知揆一君) 只今お話の點につきましては、私共も實はいろいろ耳にしないわけではないのでございまするが、只今までのところ、いわゆる金融機關といたしまして、銀行法その他に基きまして、業務として金融をやつておりまする機關から闇の金利を徴收しておるというようなことにつきましては確證を掴んでおりませんし、又そういうことのないように十分指導注意をいたしておるつもりでございます。ただいわゆる貸金業者とでも申しますか、そういう闇の金融業的なものが事實行なわれておるということにつきましては、その事實もあながち否定はできないと思うのでありまするが、これらにつきましては、適時事業適認の上りますにつれまして、さようなことを阻止するような方策を講じておるつもりでございます。
#35
○九鬼紋十郎君 今阻止するような方法を講じておると言われたんですが、どういつた具體的な方法ができておるのでありますか。
#36
○政府委員(愛知揆一君) これは率直に申しますと、何と申しましても物の闇の方も、なかなかきつい法制的の根據がありましても、なかなかこれを取締ることが實際問題として困難でありますると同じように、非常にそれらの點については、取締ると申しましても一層困難であることは御承知の通りであります。殊に金融機關として業法等に基いて、當局に監督の權限がはつきりしておるものは、これは十分に取締れるのでございますが、例えば個人なり或いは法人なりでさような資金を廻しておりまするようなものにつきましては、なかなか取締るのは實際上困難でございます。
#37
○松嶋喜作君 この「委員」の中の代表ですが、「金融界」、「産業界を代表する者」の中に證券業者を代表する者が入つておりましようか。
#38
○國務大臣(栗栖赳夫君) 證券會社を代表する者というよりは、むしろ民間金融機關の中から廣く有力者を採ろうと思つておるわけでございます。採ることにはなつておりますけれども、果して常に必ず一人というわけには考えられんと思うのでございます。
#39
○松嶋喜作君 證券界は非常に重要ですから、一つ是非お入れ願うように希望します。
#40
○國務大臣(栗栖赳夫君) 事實どうなりますか、一應承つて置きたいと思います。
#41
○委員長(黒田英雄君) 他に御發言がなければ、本案についても質疑終了といたして御異議ございませんか。
#42
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それではこれに休憩をいたしまして、午後二時から開會いたしたいと思います。
   午後零時六分休憩
   ―――――・―――――
   午後五時十九分開會
#43
○委員長(黒田英雄君) これより午前の休憩に引續きまして會議を開きます。それでは衆議院を通過して付託になりました政府に對する不正手段による支拂請求の防止等に關する法律案、本案を議題に供します。本案には衆議院において修正があつたのであります。
 第一條但し書の第三號中で「千分の一」とありますのを「千分の三」に改めるのであります。
 それから第四條の後段を次のように改めるのであります。「これを準用する。」とありますその次からであります。「この場合において」以下をかように改めるのであります。「この場合において第一條但書第三號の規定の地方公共團體に對する適用については、同號中國の一般會計歳出豫算額の千分の三に相當する金額を超えない範圍内において大藏大臣の特に指定する購入契約により購入するものに限る」とあるのを『地方公共團體の一般會計歳出豫算額の千分の一に當相する金額(その金額が一萬圓に達しないときは、一萬圓)を超えない範圍内において購入するもの並びに……
#44
○木村禧八郎君 その修正の趣旨について政府委員からどういうわけで修正になつたかということを簡單でよろしいが説明して頂きたいと思います。
#45
○政府委員(小坂善太郎君) お讀みになつた後でいたします。
#46
○委員長(黒田英雄君) ……地方公共團體がその用に供するため購入する土地及び建物に限る」と讀み替えるものとする。』
 第八條中八頁の一行目でありますが「諸役務の價格の合計額」の次から變えまして、「又は賃金の合計額」とありまするのを改めまして、「及び賃金の合計額の總額」に改め、「各區分についての約定金額」の下に「の合計額」を加える。こういうふうに修正になつておるのであります。その説明は政府委員から説明して頂きます。
#47
○政府委員(石原周夫君) 一昨日の事前審査のときに大要を申上げておいたのでありまするが、今委員長からお話のありました修正案につきまして、御趣旨を申上げたいと思います。先ず第一條の但し書の第三號を千分の一を千分の三に改めた趣旨でありまするが、これは第一條が御承知のように、總て政府の購入する場合におきまして、その原價を材料及び勞務、役務に分けまして、そのおのおのにつきまして公定價格、公定賃金による支拂によるのだということが、その趣旨であります。ここにもこの但し書を設けました。この第一號、第二號、第三號につきまして、ここに掲げたものにつきましては内譯を出さないでよろしいという趣旨であります。即ちそういう公定價格のないものでありまして、その内譯を材料、勞務、役務に區分することが困難であるというようなものは、例外を設けまして、それを千分の一を千分の三に上げましたのは、終戰處理費に公定價格のないものがありまして、それを材料費に入れることは困難で、それで大體の概算を除きまして千分の一を千分の三に上げたのであります。
 第四條は國に對する今のような規定を、地方公共團體に準用いたしておるのであります。その場合におきまして今までの規定におきましては、國の場合の千分の一をそのまま地方公共團體につきましても、同じく一般會計豫算額の千分の一ということにいたしたのでありますが、第一條を修正いたしましたのに相伴いまして、その割合につきましての修正を加えたのであります。それは二點ございまして、一つは一般に土地及び建物につきましての全面的な例外を設けた點が一點、即ち土地及び建物を拔きまして、それ以外は一般會計歳出豫算額の千分の一に抑える。第二點は、市町村などにおきましては、相當一般會計歳出豫算額の小さいものがありまするので、それに最低限を設けまして、一萬圓に相成りません場合には、一萬圓ということにしましたのが第二點、それから第三點は、第八條でありまするが、第八條は約定金額の改定という問題であります。これは第九條に見積りを出しまして、現實に契約を履行しました後に、第一條の支拂い内譯を出させる。その兩者を比較いたしまして、後者の方が小さい場合には、その金額に約定金額が改められるという趣旨でございまするが、その場合におきまして、原案は材料、勞務及び諸費につきまして、おのおのを一單位として比較したのであります。それを修正案におきましては、その三者を彼此融通を認めまして、その差額の計算をいたしたという趣旨であります。これは最初の原案の通りに参りますると、それだけ請負契約の入札の利益というものが失われる割合が強うございますので、できる限り入札契約の利益というものを殘すという趣旨におきまして、三者の間に融通を認めるのが、修正案の三點であります。
#48
○委員長(黒田英雄君) それでは本案につきまして、討論に入ります。本案につきまして、御意見のおありの方は、お述べを願いたいと思います。
 別に御發言もないようでありますから、直ちに採決に移りまして御異議ございませんか。
#49
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。本案に贊成の諸君の御擧手を願います。
#50
○委員長(黒田英雄君) 全員擧手。全會一致を以て可決せられました。
 それでは次に、通貨發行審議會法案、政府職員に對する一時手當支給に關する法律案、勸業債券の割増金等に關する所得税の課税の特別に關する法律案、船員保險特別會計法案、勞働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給與の應急措置に關する法律案、大藏省預金部特別會計、國有鐵道事業特別會計、通信事業特別會計並びに簡易生命保險及郵便年金特別會計の保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般會計からする繰入金に關する法律案、貿易資金特別會計法を改正する法律案、特別都市計畫法第四條の規定による國庫補助を國債證券の交付により行う等の法律案、物品の無償貸付及び讓與等に關する法律案、金融機關再建整備法の一部を改正する法律案、舊日本銀行券の未囘收發行殘高に相當する金額の一部を國庫に納付するに伴う日本銀行への交付金に關する法律案、これらの諸案を一括して、議題に供しますが、これにつきまして、御質疑がありますれば、お願いいたしますが、質疑終了といたして御異議ございませんか。
#51
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは只今讀みました各案を一括して、討論に入りたいと思いますが、御異議はございませんか。
#52
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。御意見のおありの方は、お述べを願いたいと思います。別に御發言もないようでありますから、直ちに採決に移りまして、御異議ございませんか。
#53
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。只今朗讀いたしました各案について採決をいたします。各案に贊成の諸君の御舉手を願います。
#54
○委員長(黒田英雄君) 全員擧手。全會一致を以て原案通り可決されました。
 尚會計檢査院の一部を改正する法律案が衆議院において修正案が出ておりまするが、これはそれじや政府委員から説明を求めたいと思います。
 その前に先程可決いたしました各案につきましては、委員長の報告につきましては皆さまの御同意を得ることになつておるのでありますが、例によつて報告することにいたして御異議ございませんですか。
#55
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないものと認めます。
 尚本院規則によりまして皆さまの贊成の諸君の御署名をお願い申上げたいと思います。
#56
○委員長(黒田英雄君) それでは會計檢査院法の一部を改正する法律案の衆議院の修正につきまして、政府委員より説明を求めます。
#57
○政府委員(井手成三君) 只今議題になりました會計檢査院法の一部を改正する法律案の趣旨を説明さして頂きます。
 會計檢査院が設立せられておりまするが、現行規定によりますると檢査官の俸給は年額五萬圓と定められておりますが、最近の物價事情その他諸般の實情に鑑みまして、檢査官の地位、職責などの點から見まして、少し低額に過ぎるのであると考えております。これを再檢討する必要があると考えて本案を提出した次第でございます。
 政府といたしましてはその額は、その地位からみまして國務大臣と同程度の俸給額とすることが適當であらうと考えておる次第であります。現在國務大臣の俸給額につきましては法定はしてございませんが、實際において可なり低いところに定まつております。これを法律の規定で相當高いところに定めるべく、實は立案を進めて、今期國會にも提案をするべく種々努力を續けて参つたのでありまするが、種々の状況によりましてその提案をみるに至りませんでございました。併しその國務大臣の俸給額を定額にする法律を近く國會に出しましてお定め願うという實際の方針につきましては、恐らく變更は見ないと考えておりまするが、その實施方針を前提といたしまして、會計檢査官の俸給額もこれと同等にするというようなことをお定めおきを願いたいと存じた次第であります。
 さて衆議院の修正の意味は、この附則では「この法律の施行の期日は、政令でこれを定める」とあるのでありまするが、只今申上げましたごとく、國務大臣の俸給額の法定の法律が間に合いませんでございましたので、衆議院の方では附則を「この法律は國務大臣の俸給の額が法律の規定で定められ、當該規定が適用せられる日からこれを適用する」こういうように修正を受けた次第でございます。私共政府側といたしましては、この修正案はむしろ非常に結構と存じておる次第であります。と申しまするのは國務大臣の俸給額は法定されまして適用する場合遡つて少し早目から實施される豫定になつております。この法律は現在におきましては會計檢査院の檢査官の俸給額は國務大臣と同じであるという、その大方針を決めて頂きまして、現在直ちに同額にいたしますと現在より下つてしまう、それは國務大臣は會計檢査官の地位からみますと非常に低い額でありますので、直ぐに實施しないで國務大臣の俸給額が法定せられ、それが適用を遡られた日に、これも同樣實施して頂きたいということを定めることになるのであります。何とぞ御審議の上御可決を頂きたいと存ずる次第であります。
#58
○委員長(黒田英雄君) いかがでございますか、この法案につきましては、すでに以前に政府の説明があり御質問もあつたのでありまするが、衆議院の修正がございまして、まだ法文もはつきり分りません。それに臨時金利調整法案が尚衆議院で審議されておるのでありまして、これが明日又參ると思うのでありますが、どうせ委員會を開いて尚審議をしなければならんと思いますが、明日一緒にしたらいいと思いますが、いかがでございますか。
#59
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは明日は午後一時から開會いたしますから、どうぞ皆さま御出席下さいますようにお願い申上げます。それでは本日はこれにて散會をいたします。
   午後五時五十二分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           下條 恭兵君
           椎井 康雄君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
          尾形六郎兵衞君
           田口政五郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           石川 準吉君
           九鬼紋十郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           渡邊 甚吉君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
  政府委員
   法制局次長   井手 成三君
   經濟安定本部財
   政金融局長   佐多 忠隆君
   大藏事務官
   (銀行局長)  愛知 揆一君
ソース: 国立国会図書館
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