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1947/08/11 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第3号
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1947/08/11 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第3号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第3号
  付託事件
○磐越東線三春、船引兩驛間の要田村
 に停車場を設置することに關する請
 願(第二號)
○鐵道運賃の値上げ反對に關する請願
 (第三號)
○長岡鐵道を國營に移管することに關
 する請願(第四號)
○海運經營方式竝びに船員管理に關す
 る陳情(第十五號)
○鐵道運賃値上げ反對に關する請願
 (第十號)
○高崎、熊谷間に電化工事實施に關す
 る陳情(第四十五號)
○鐵道運賃値上げ反對に關する陳情
 (四十七號)
○磐越東線神俣、大越南驛間の瀧根町
 菅谷に停車場を設置することに關す
 る請願(第十三號)
○熊本縣人吉市を基點とする三路線に
 省營自動車運輸開始に關する請願
 (第十五號)
○日本通運株式會社の營業權竝びに設
 備を舊關係業者へ還元することに關
 する陳情(第八十五號)
○海運經營方式竝びに船員管理に關す
 る陳情(第九十六號)
○東北本線宇都宮、大宮間、日光線宇
 都宮、日光間及び兩毛線小山、高崎
 間の電化實現に關する陳情(第九十
 九號)
○高崎、熊谷間に電化工事を實施する
 ことに關する請願(第三十六號)
○海上輸送力緊急増強に關する陳情
 (第百二十三號)
○船員保險法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○北海道炭の輸送問題に關する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月十一日(月曜日)
   午後一時三十七分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○船員保險法の一部を改正する法律案
○北海道炭の輸送問題に關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより委員會を開會いたします。船員保險法の一部を改正する法律案を議題に供します。この船員保險法の改正につきましては、厚生大臣と運輸大臣との間に、船員行政を一元化する意味におきまして、從來厚生省が取扱つておつたところのこの船員保險法を運輸省に移管することに先般閣議においてこれが決定したのであります。ところが會計法その他の法律の關係で急速に移管することができない關係におきまして、現在においては厚生省の所管であります。そこで先ず厚生省の政府委員からこの提案の理由につきまして説明を求めたいと存じます。
#3
○政府委員(宮崎太一君) 只今議題となりました船員保險法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。
 船員保險法は、船員に對し、その疾病、負傷、發疾、老齢、死亡等の事故に際し、その生活を保護するの趣旨を以て制定せられたのでありまして、敗戰後極めて困難なる事情の下にある現在におきましては、特にその圓滑なる運營、内容の充實の要が痛感せらるる次第であります。殊に本法と密接な關係にある船員法は、御承知の通り、去る第九十二議會において、終戰後の新情勢に對處すべく改正せられまして、その中には保險制度で裏付けすることを必要とする船員保護の充實という面も含まれておるのでありまして、右の船員法の改正に應じまして、本法改正の措置を講ずる必要を生じたのであります。
 本改正案はこの要請に應えるべく提案されたのでありまして、以下改正の主眼點を申し述べますれば、第一に船員保險委員會の設置であります。御承知の如く、船員保險は政府の手により運營せられておるのでありますが、できる限り關係者の意向に沿うて運營されることを期待いたしまして、船舶所有者、被保險者、公益代表者を以て組織する船員保險委員會を設けまして、事業運營に關する重要事項はこれに付議することにいたしたのであります。
 第二に被保險者の範圍の擴張であります。船員法の適用範圍擴張に伴いまして、本法の適用範圍を擴張いたしましたのであります。
 第三に給付内容の充實であります。その點につきましては、改正船員法に規定されました船舶所有者の補償責任を本保險においてカバーする建前の下に所要の改正を加えました。即ち一、傷病手當金の支給額を職務上の事由による疾病、又は負傷の場合には四ケ月間は報酬日額の全額とする外、療養の給休を受ける期間經過後におきましても職務に服し得ないときは一月の範圍内において報酬日額の百分の六十の傷病手當金を支給すること、二、自宅以外の場所における療養に必要な宿泊及び食事の給付をすること、三、本法施行地外においても短期給付をなすこと、四、障害年金、障害手當金竝びに職務上の事由による遺族年金、遺族一時金の額は最終三月間の平均報酬額を基準とすること、五、養老年金、障害年金を受ける權利のある者にも職務上の事由による障害手當金はこれを支給すること等の諸點の外、養老年金については被保險者たりし期間十五年以上にて被保險者の資格を喪失した者に對しましては、五十歳に達せずともその際證書を交付して、その權利の確保を圖るとか、又職務外の事由による障害年金、障害手當金の受給資格期間を六月以上に引下げ、尚脱退手當金につきましては、受給資格期間を六月以上と改めると共に、一年の待期を廢止いたしたのであります。
 以上の諸點の外、本法の適用範圍の擴張に伴いまして、船舶所有者の團體に對しましても本保險施行に必要な事務を行わせることができるようにすると共に、保險給付の決定に不服ある場合の審査機關として保險審査官を設けまして迅速適正な審査決定を圖るようにいたしたのであります。又罰則規定、時效規定につきまして諸情勢に應ずる改正を行うの外、新憲法、地方自治法の施行、外地の喪失等に伴い所要の規定の改廢をいたしたのであります。
 以上本案提案の理由と改正の要點につきまして簡單に御説明申上げたのでありますが、何卒速かに御審議の上可決あらんことを希望する次第であります。
#4
○委員長(板谷順助君) 本問題につきまして、先般研究會において多少質疑應答が行われたのでありますが、その際は別に速記を付しておりませんので、今囘改めて又御質問があるならばお申出を願いたいと思います。この間御質疑になつた方は、もう一遍正式に一つお尋ねを願つて、速記に殘したいと思います。
#5
○小泉秀吉君 船員保險法新舊條文對照というのがありますが、この舊條文を新條文のように改正しようということなのすか、これは少し私の質問が、この前參りませんで、非常に迂遠なことを伺うようですけれども、今の御説明でわかつたのですが、これは條文の改正として出ていますのですか、議題はどういうふうになつておりますのですか。
#6
○委員長(板谷順助君) 皆さんに申上げますが、説明員の若瀬繁一さんがこれに對する答辯をしたいというのでありますが、説明員でよろしうございますか。
#7
○説明員(岩瀬繁一君) お答えいたします。提案されております法律案は、これは別個にあるわけでありまするが、これは御承知のように、第何條中何々とあるを何々と改めるとか、或いは第何條中何々を削るとか、こういう形式になつておるわけであります。それを現在の條文と當嵌めまして、提案されております法律案が、若しその通りに可決されるといたしますれば、現在の條文がこういうふうに變わる。こういう意味で、新舊の對照を參考といたしましてお手許にお配りしてあるわけであります。從つて下にあります舊條文というのは、現行法であるわけであります。これを今囘提案いたしております法律によりまして改正いたしますると、對照表にあります新條文、こういうふうに變わるわけであります。さよう御了承を願います。
#8
○小泉秀吉君 それでいわゆるこの新條文の下に、「傍線は改正部分」ということがありますが、例えば第二條で「船員保險事業」云々以下傍線の引いてあるだけが舊條文と變わつて行くというような意味で、全般をそういうふうに了承していいのでありますか。
#9
○説明員(岩瀬繁一君) お答え申します。お尋ねの通りであります。第二條につきましては、下の文とお照し合せを願いますとおわかりになるかと存じますが、下の舊條文とあります中には、全然上の新條文とあります中の傍線を施してあります分に相當するものがございません。從つて第二條の分は、これは全然新たにこういつた條項が加わるものだ、かように御了承を願います。
 それから第三條を參考のために御覧置きを願いますが、上の方に政令とありまして、傍線を施してあります。下を見ますと勅令と書いてあります。これは勅令という文句が政令という文句に今度の改正で變わるのだ、かように一つ御了承をお願いいたします。他の各條につきましてもそれと同樣の觀點から御覧をお願いできますれば仕合せと存じます。
#10
○小野哲君 私から二、三の點について御質問をいたしたいと思います。まず第一は今囘私の要求によりまして外國立法例の御提出もあり、又政令の案内容につきましても御提出がありまして、感謝いたしますが、外國の立法例によりますというと、船員保險を獨立に取扱つているところと、一般勞働保險その他保險行政の中に織り込んで扱つているところといろいろあるようでありますが、今囘船員保險につきましては、厚生省から運輸省へ移管されるという政府の御決定があるように伺つておりますので、この點につきましては適當な措置であろうと私は思うのでありますが、船員保險を厚生省から運輸省に移管するという根本の考え方がどこにあるか、こういうことについて伺いたいのであります。と申しまするのは、海事行政というものは私の考えでは綜合的な行政の性格を持つており、從つて海事行政についての船員の立場というものは、非常に大きな部分を占めておるということは、くどく説明する必要はなかろうと思うのであります。今日厚生省から船員に關する保險制度は運輸省に移管されたということが、海事行政の一元的な運營、或いは海事行政の綜合的な性格に鑑みておやりになつたのかどうか、この點を先ず伺いたいのであります。尚外にもこの例がありまして、今囘勞働省の設置に當りましても、船員勞働に關する事項は運輸省に止めまして、勞働省には移管をしない。で勞働省設置に關する法律の中に、兩省の連絡會議を設けて、緊密な連絡をとりながら行政の運營を圖つて行こう、こういうことになつておりますのも、私の考えを以ていたしますれば、根本的に海事行政の綜合性というところから出發しておるものではないか、かように考えられるのであります。さような例もありますので、厚生省におかれましてもさような見地から政府部内において御相談の上でこの措置に出でられたのかどうかという點を伺いたいのであります。
 次に伺いたいことは、若し船員に關する勞働行政、或いは保險行政というものをその特殊的な性質に鑑みて、運輸省に移管されるといたしますれば、今後の一般の保險行政との關連において十分適切なる運營ができますかどうか、この點でございます。例えば將來政府は、或いは失業保險制度を整理する。或いは失業手當を暫定的に設けようというふうなお考えもありますし、この船員保險の中にもやはり船員につきまして特別な措置をおとりになろうという御趣旨も見受けられますので、一般の保險行政との關連をいかにして調整して行くかというような點につきましても、私まだ十分な研究が行き届いておりませんので、政府の御所見を伺いたいと、かように思うのであります。
 第三點は、戰時中におきまして相當數の船員が喪失されておることは、我我承知いたしておるのでありますが、これに伴いまして、今後の保險法の運用というものは、これらの趣旨に鑑みて適正迅速に行われなればならないと考えます。この點につきましても、恐らく政府當局は十分な成算を持つておらるることと存ずるのでありますが、この下部機關の擔冨官廳は、恐らく地方におきましては、縣廳がこれを行うのではないか、かように思うのであります。さような理由におきまして、地方廳は今日各方面の仕事が集中いたしておりますが、勿論中央からの出先の地方官廳も相當數ありますので、從來とは趣が變つておるかも知れませんけれども、實際船員保險の當事者は、第一線において直接折衝する地方廳の取扱い方の如何というものが、大きな利害關係を生ずる虞れがありますので、今後、又過去におきましても、勿論十分留意はされていることと存じますが、窓口の仕事が適正迅速に行われますように、人員の點において、或いは豫算の點において、その他機構の運營の點において、どういうふうなお考えを持つておられるか、この點をお伺いいたしたいと思うのであります。以上三點について御質問をいたします。
#11
○政府委員(宮崎太一君) お答えいたします。船員保險を運輸省に移管することで閣議に決定されましたのは、如何なる考え方で來ているかという點でございますが、これは勿論仰せの如き考え方を以て御決定になつたものであると存ずるのであります。私共といたしましては、社會保險全般の統一性の問題と、それから船員行政の統一の問題と、二つの問題を搦み合せまして、いろいろ政府部内で議論もし、又相談もいたし、又閣議でも十分熟慮せられた結果、船員行政の統一と、そうして船員の保護を完全にしたい、こういう考え方で運輸省の所管に移されたものであると私共は信じております。
 それから第二番目の、然らば今後の社會保險と船員保險との連絡の點はどうなるかという御質問でございますが、その點につきましては、私共は全般の社會保險を取扱つております關係上、運輸省の方と十分連絡をいたしまして、全體の社會保險行政の動き方と、船員保險の動き方とは、食い違いがないどころか、そこに十分なる連絡と協調を保ち得るようにしたいとの考えを持ちまして、これを擔冨いたしております保險局と、又運輸省の船員局とは、十分連絡をとつて行くようにいたしたいと考えております。從來とても私の方で船員保險を取扱つておりましたが、私の方の擔冨課長竝びに係員は、運輸省の兼任の職員といたしまして、兩方とも連絡をとつて參つたのであります。今後もそういう意味の連絡のみならず、すべての立案につきましても御相談を願うように、船員局長と私の方とは相談をいたしておるのでございます。この點につきまして船員局長の方から又御答辯を願いたいと存ずるのであります。
 それから船員保險を運輸省に移管いたしましたために、下級の機構がどうなるか。下部機構がどうなるかというお尋ねでございますが、これは私共今日運輸省と御相談をいたしておりますのは、下部機構につきましても、運輸省の系統を以てこれをやつて行くということにいたしておりまして、縣廳の方から仕事をやはり運輸省の下部機構に移管する、こういう建前で御相談を願つております。こう事務の運營につきましての適正迅速化ということにつきましては、運輸省の方からお答えを願いたいと思います。
#12
○政府委員(大久保武雄君) 只今の御答辯をいたします。最初の船員保險行政を移管いたしました理由といたしましては、仰せの如く現在の海事行政は綜合的に行われておりまして、船員行政は海上勞働行政といたしまして、國際的にも國内的にも、沿革の上から申しましても、又法制の上から申しましても、その制度が確立されております。船員保險は元來船員という特定勞働者のみを對象とした勞働保險でありまして、海上勞働者の疾病、養老、災害というようなものを保險をいたしております。かような關係から船員行政を完全に遂行いたしますためには、船員に對する給與の一つの形態とも考えらるべき船員保險の行政を綜合いたしまして、これを實施いたします上におきましては、海上勞働者の保護に更に一段の強化推進を來たすことができます。かように考えられますと同時に、今囘御提案いたしておりまする災害保險の關係は船員法に規定されておりますところの船員の災害補償を裏打ちする保險制度でありまして、船員法の運用と密接不可分の關係もある次第であります。船員法の實施官廳においてこの保險制度を運用した方が適當であるという見解に達した次第であります。尚又この移管につきましては、海員組合及び船主團體その他海事關係者の翹望もありまして、この移管が決定されたような次第でございます。
 次に社會保險との連絡の問題でありまするが、これは只今宮崎政府委員からも申されましたように、十分連繋を圖つて行く必要があると、かように考えておる次第であります。宮崎委員の答辯のように、今後におきましても全體の社會保險が密接に連繋いたしまして發展するように一層の努力をいたしたいとさように考えておるわけであります。
 最後にこの遺家族に對する給付に對する地方機關の問題でありますが、これは今後管海官廳の手足を増強いたしまして遺家族の援護に當りたいと考えておるのであります。尚又現在船員の仕事に關しましては、市町村等に對しても、その事務を委任いたしまして取扱わせる制度もある次第でありまして、今後全國に散らばつておりますところの遺家族に對する給付につきましては、一層努力いたしたいと考えておるのであります。尚又船員の遺骨に對しましては、從來その遺家族に對する傳達につきまして、關係官廳は密接に遺族と連絡いたしまして、遺骨の傳達に萬全を期しておるような次第でございます。遺家族とは種々連絡の組織もございますから、こういう組織を一層活用いたしたい、かように考えておる次第であります。尚又全般といたしまして、船員保險の仕事を本當に船員に滲透させますためには、どうしても海上勞働者即ち船員の全幅的協力を必要といたします。この點につきましては全日本海員組合等におきましても、今後の船員保險事務の改善につきまして種々の協力をしたいという申出もある次第でありますから、海員組合の組織も全幅的に協力を求めまして活用をいたしたいと考えております。それで又船主關係の團體等の御援助を受けるということは勿論必要でありますから、海事關係の諸團體を打つて一丸といたしまして、この船員保險の更に今後における福祉の増進ということに渾身の努力を拂いたいと考えております。
#13
○委員長(板谷順助君) 尚この際私よりも一言附加えて置きますが、實はこの船員行政の一元化ということについては、議會多年の要望であつたのであります。そこで先般船主の代表者と海員組合の代表者が、總理大臣始め運輸大臣、厚生大臣に陳情いたしましたる結果なども、これは船員行政を一元的にならなければいかん。その際に然らば厚生省と運輸省と共管したらどうだという説もあつたのでありますが、共管ということは責任の所在が明かでない。のみならず雙方が同意をしなければ、何事もものが纏らんという關係から、共管はいかん。今保險局長のいわれるように、厚生省と運輸省と密接なる連絡をとる。これは勿論必要はありますが、併しその共管という意味は、その際更にこれは絶對にいかないということでお話が纏つたのでありますから、この點も豫め御諒承置きを願つて置きたいと思います。
#14
○小野哲君 只今政府委員からの御答辯で了解をいたしたのでありますが、尚各論的に二三の點の御質問をいたしたいと思うのであります。
 先ず第一は本法の改正法律案の第十七條の點でありますが、船員法第一條に規定する船員、主として船舶所有者に使用せらるる者は船員保險の被保險者とする、こういうことになつておるのでありまするが、實は私船員法自體の研究が行届いておりませんので、この點についての政府の御所見を承りたいと思うのでありますが、この船員の意義竝びに範圍はどういうふうになつているか、例えて申しますると、一般の商船は勿論入るのでありましようが、漁船等につきましては、その船員をどういうふうに解釋すればよろしいのか、それらの点についてのお示しが願いたいと思うのであります。
 それから次はその次の第十八條と第十九條との關係でありますが、これは適用上具體的にどういうふうな場合に、どういう適用をされるか、この點の御説明を願いたいと思うのであります。
 尚最後に先程政府委員から船員保險の實施の官廳が、いわゆる窓口官廳が、管海官廳で以てこれを行う。こういうふうな御答辯がありましたが、市町村その他各種自治團體との關係におきましては、從前通り縣廳において取扱う方が、圓滑に行くのではなかろうか、この点につきましては受給者の便宜というものを、先ず第一に考えなければなりませんので、船員保險そのものはその權限が運輸省に移管されましても、窓口の官廳は成るべく一本で以てやるという方が受給者の方面から申しますというと便利ではないか、こういうふうな氣がするのでありますが、特に管海官廳にこれをお委せになるということは、海事行政の綜合的な見地からお考えになつたことであろうとは存じまするけれども、縣廳でやることについて、いかなる點が不便であるかというふうなことを伺いたいと思うのであります。
#15
○政府委員(宮崎太一君) 今囘の改正によりまして新たに被保險者となりました者は、總トン數五トン以上二十トン未滿の小型船舶の船員であります。從來は二十トン以上の舶船の船員でありましたが、今囘の改正によりまして總トン數五トン以上二十トン未滿の小型船舶の船員、それからもう一つございますが、三十トン以上の漁船に乘り込んでおります船員で現在政令で除かれております者があるのでございますが、これが除外例なく三十トン以上の漁船に乘り込んでおります船員は全部被保險者となります。こういう擴張があるわけであります。
 それから十八條と十九條のお話でありますが、十八條は船員として船舶所有者に使用せられた、そうするとその日からこの法の適用を受ける、それから十九條は死にました者及び使用せられざるに至つた者――解雇等がありましたときには、その翌日から資格を失う、でありますから船員として使用せられたる日から使用せられざるに至つた日の翌月に止めますから、その日まで、こういうことになるのであります。
#16
○政府委員(大久保武雄君) 地方の窓口の連絡につきましてお答えを申上げます。管海官廳でやります場合におきまして、船員が主として港に居住その他、殆どあれいたしております、かような關係で管海官廳は港に所在しておりますので、船員との接觸が非常によろしい、こういうことになると私は考えております。尚又船員の遺家族等で山間に居住します場合におきましても、現在管海官廳は種々遺家族との連絡組織を持ちまして遺家族を巡囘慰問するというようなこともやつております。遺家族との連絡も決して齟齬はない、かように考えておる次第であります。尚又現在の厚生省時代に行なわれておりました地方の保健所におきましては、主として縣廳の所在地に設置されておりまして、縣廳の所在地以外の場合におきましては、やはり送金その他の手續によりまして連絡が圖られておつたような次第であります。この點につきましては管海官廳で運営をいたしましても、先程申しましたように、遺家族や船員との連絡が平生から緊密であるという點を利用いたしましたならば、相當山間地等におる遺家族との連絡が強化されるだろう、かように考えておる次第であります。尚又どうしても市町村に委託する必要があるというような場合におきましては、必要な手段をとることについては決して吝かではない、かように考えておる次第であります。
#17
○若木勝藏君 船員保險委員會の構成竝びに機能について伺いたいと思います。それで第二條を中心にしまして、保險委員會の委員の中で「公益ヲ代表スル者ニ付」というようなことがありますが、この具體的な方面、どういう方々を指しておるか。それから第二の點は、委員會はどういう機能を持つておるものであるか、第二條に「船員保險ハ政府之ヲ管掌ス」とありますが、それによつて設置せられておるところの委員會は、どういうふうな機能や、權限というふうなものを持つておるか、この二點を伺いたいと思います。
#18
○政府委員(宮崎太一君) 船員保險委員會の構成の中で「公益を代表スル者」というのでありますが、これは大體外の社會保險委員會でもこういう形になつておりまして、船舶所有者を代表するもの、それから被保險者を代表するものと兩方の對立する場合がございまするので、中立的意味において「公益ヲ代表スル者」ということで、船舶或いは船員行政に關しまして學識經驗を持つておられる方々の中からお選びをすると、こういうことになつておるのでございます。それからその權限でございますが、この委員會は事業運營に關する重要事項を審議するものでございまして、例えば標準報酬に關する事項でありますとか、保險料率に關する事項でありますとか、積立金の管理運營に關する事項でありますとか、或いは福祉施設の企畫實施に關する事項等につきまして、この委員會の審議を經た上で實施して參りたい、こういう積りでできておるのでございます。
#19
○小泉秀吉君 今の御説明の「公益ヲ代表スル者」ということは、學識經驗者と了解するというような御説明のように伺いましたのですが、そういうふうに了解すべきものですか、同時に「公益ヲ代表スル者」は、そういうふうに了解し得るのですか、その點をはつきりして置きたいと思います。
#20
○政府委員(宮崎太一君) お答えいたします。大體そういうことでございますが、この中に保險者といたしまして、役所のものも入ることになつております。
#21
○小泉秀吉君 これは今の御説明のような調子だと、これじや表現が非常に曖昧のように思いますが、差支えないのでしようか、御説明のような意味は結構ですが、それは「公益ヲ代表スル者」というような表現で十二分にカバーし得るのでしようか。その邊もう一遍……。
#22
○政府委員(宮崎太一君) 外の社會保險に關する委員會も皆こういう書き方で行つておりまして、大體そういうよな運營をいたしております。
#23
○植竹春彦君 この各國船員保險制度一覽という表を今お配り下すつたのですが、これの簡單な御説明を願いたいのですが。と申しますのは、これの中で、今一番大事なのは災害問題だという御説明がありましたのですが、それについて、各國間に條約ができておる、その問題はどういうふにお取拔いになりますでしようか。外國の一覽表を見せて頂きましたのですが、外國同志に、イギリスとドイツの間とか、イギリスとフランスの間、イタリーとドイツの間とかいうのは、お互いに條約が締結してあるようですが、日本ではその點について、外國との間のあれはどういうようにお取扱いになる御方針ですか。
#24
○政府委員(大久保武雄君) 船員法の災害補償の規定を制定するにつきましては、國際條約の船員の勞働保險に關する條約を採用いたしております。
#25
○植竹春彦君 その日本と各國との間に個別的な條約が現在ありますか。
#26
○政府委員(大久保武雄君) 國際海上勞働條約の一環として條約はございます。
#27
○植竹春彦君 各國個別的に條約が締結されておるように思いますが、ジユネーヴの國際條約でなしにあるのですか。
#28
○政府委員(大久保武雄君) 我が國といたしまして、そういう條約はございません。今度採り入れておりますのは、國際勞働條約を採り入れます。各國で双方間に條約を締結しておるかどうか、ちよつと承知いたしておりません。
#29
○委員長(板谷順助君) 新谷さん、御承知じやないでしようか。
#30
○新谷寅三郎君 私の記憶でも各國間相互には、船員の災害に關する補償等については、協定とか、條約とかいうものを個別的にやつておるように記憶はしておりません。多分今政府委員からのお話の國際勞働條約、又は勸告に從つて、やつておられるのだと思います。
#31
○植竹春彦君 私のこれは文獻が古いのですが、讀んでおります書物には、フランスの書物にも、アメリカで發行した書物にも各國別に契約があるのでございます。それであちらの問題を解決しておりますが、日本にもこれが必要ではなかろうかと考えます。後程又その文獻を御覽に入れます。
#32
○委員長(板谷順助君) 外に御質疑はありませんか。
#33
○新谷寅三郎君 これは當面の問題ではありませんが、只今船員法にも船舶所有者から船員に對する療養その他の規定があるわけでありますが、その船員保險には多少趣は違いますけれども、船員に對する給付は將來この船員保險法の改善によりまして、一括してお考えになる御意思があるかどうか、その點をお伺いしたいと思います。
#34
○政府委員(大久保武雄君) 少し私誤解しておるかも知れませんが、船員の給付は賃金、給料及び保險の給付ということになると考えますが、これは相互に勞働條件としまして、總合的に判斷さるべき問題と考えます。專業制を實施するにつきましては、船員の給與體係を總合的に判斷いたします。海上をも共に遺憾なきを期したいと考えております。
#35
○新谷寅三郎君 私の記憶に誤りがあるかも知れませんが、元の海商法、現在の船員法の中に、例えば療養、公務負傷の場合に、これこれの給付をするというような種類の規定があつたように思うのであります。又死亡等の場合におきましても、船員法にも、それに關する規定があつたように思うのでありますが、勿論一つの事故につきまして、兩方から同じ種類の給付を受けておるとは思いませんけれども、體系が二本になつておりますということは、これは非常に扱いの方でも不便であります。船舶所有者としましては、そういつた事故をカバーするために、勢い自家保險のようなことにならなければならんことになるのであります。保險料その他につきましては、別途考慮するといたしましても、體系を一本にして、船員保險法のような法律で、その兩方を賄つて行くというように、總合的な措置をおとりになるお氣持があるかどうか伺いたいのであります。
#36
○政府委員(大久保武雄君) 只今お尋ねの船員法に規定されておりまする船主の災害補償の責任に關しましては、今囘この法律改正によりまして、完全にカバーされる、こういうことに相成つております。そこでこの船員保險によつて給付を受けます場合におきましては、その限度において所有者の補償責任は免れることになつております。
#37
○委員長(板谷順助君) どうですか、皆さんにお諮りいたしますが、愼重を期する意味におきまして、よく書類について御覽を願つてもう一囘次の機會において質疑應答をやつたらどうかと思います。いかがでございましよう。
#38
○小泉秀吉君 ちよつもう一點……、非常に固執するようですが、第二條の「公益ヲ代表スル者」というと、表面で御説明のような意味にもつてゆくというのは、非常に困難のように私は思うんだが、その御説明の意味は結構ですが、この「公益ヲ代表スル者」という表現を外の表現でしようというような御意向は、政府委員の方にはおありになりましようか、一應お伺いしたいと思います。
#39
○委員長(板谷順助君) どうもこの點については、私も公益代表という意味が、はつきりしないように思う。だから政府の方でどう考えておるか分らんが、もつと公益を代表するという意味を、はつきり御答辯になつた方がいいじやないかと、ただ從來の慣例で外のなにもこうなつておるというお話であるけれども、たとえば役人がはいるとか、或いは學識經驗者とか、公益代表というのは學識經驗という意味に含むのか、公益代表となれば或いは役人は含むかも知れんけれども……。
#40
○小泉秀吉君 この解釋はちよつと我々もはつきりしないように感じますな。具體的に公益を代表するということになると、海に關係したものであると、海員掖濟援護會などは公益を代表するようにとれるだろうし、或いは日本海員財團というようなものも公益を代表するようなものにとれるだろうし、そうするとそういうようにとれるのであつて、そういうものに持つて行つてしまつて、學識經驗者というものをここへ持つて行くことは、非常にこじつけのようにもなりますし、何かこれは短かく表現したいという意味からいつて、内容を不明にするよりも、若しそういう必要があるならば、もう少し必要の程度に名前を設けて差支ないと思う。固執する必要があるかないか伺つてみたい。
#41
○政府委員(宮崎太一君) 誠に仰せのような點もあるのでございますが、實は學識經驗者という案もあつたのでございますが、いろいろ審議をいたします關係、或いは經過におきまして、學識經驗者というのでもおかしい、結局船舶所有者にも偏らず、被保險者にも偏らず、中間にありまして、公益と申しますか、パブリツクインテレストと申しますか、そういうものを持つた中から選びたい、こういう意味で、公益を代表するという文句にしたのでありまして、實際問題として然らばどういうのが公益を代表するというところへ入りますかというと、やはり學識經驗があるとか、或いは保險者の側から入るとか、そういう點が出ると思いますが、この立法の趣旨はやはりこの公益と申しますか、偏らざる立場において物を見る方に入つて貰う、こういう意味でありまして、實際にどこから選ぶかということにつきましては、これは運營の點につきまして、或いは運輸省の方でどう決められるか存じませんが、立法の趣旨は公益という考え方で選ぶ。從來どういう方を選んでおるかと申しますと、やはり學識經驗者或いは保險者である役人から入る、こういう形でやつておるわけでございます。
#42
○委員長(板谷順助君) それでは質疑はこの程度において次會に又讓ることにいたします。
 尚この際諸君にお諮りいたしたいことは、參議院における鑛工業委員長稻垣平太郎君から、委員會の決議によつて、當委員會に書面が參つておるわけであります。私はこれを朗讀いたします。
   北海道炭の貨車輸送問題に關する決議
  北海道における貨車輸送の状況については、札幌鐵道局管内の機關車及び貨車等の手持數が非常に少なく、要修理車の比率が高く、而も同鐵道局工機部の機能低下等の多くの惡條件のため、その輸送量は、要望量を遥かに下廻つており、そのため、一般物資の滯貨は、最近増加の一途を辿り、而もこれらの滯貨の中には、石炭生産上重要な物資が、非常に多く含まれているので、石炭増産上多大の支障をきたし、のみならず、最優先順位にある石炭輸送さえ逐次急迫を告げ、そのため、坑所貯炭は、益々増加する傾向にある。
  よつて、本委員會は、これら輸送上の隘路を打開して、石炭増産その他幾多の、問題を解決するため、運輸及び交通委員會において、この點について專門的に調査、檢討するのが適當であると考え且、期待し、ここに決議する。
  昭和二十二年八月六日
    鐵工業委員長 稻垣平太郎
 こういう書面が參つておるのであります。今鑛工業の委員長が此處に御出席になつておりまするが、發言を許しまして尚詳細な御説明を願いたいと思いますが、よろしうございますか。
#43
○委員長(板谷順助君) それではどうぞ……。
#44
○委員外議員(稻垣平太郎君) 私只今委員長からお許しを得まして、ここに鑛工業委員會からお願い申上げました問題につきまして、簡單に御説明をさして頂きたいと存ずるのであります。
 御承知のように、石炭の問題は、目下三千萬トンを確保できるかできないかという問題は、經濟再建に關連いたしまして、國家至上命令として、是非これを出したい、こういうことを上下一致皆考えておりますので、鑛工業委員會におきましても、この問題を研究いたしますために小委員會を拵えまして、この小委員會が北海道班、常磐班、宇部九州班の三班に分れまして、それぞれ調査に參つたのであります。その調査の中で北海道班に參りましたのはやはりこの鑛工業委員會の石炭小委員の中川以良君でありまするが、その中川以良君から北海道炭の問題につきまして、特に輸送の問題を取上げてお話があつたのであります。御承知のように、石炭はこの七月におきまして、大體割當量の一〇〇・五%を擧げまして、先日本院におきましてもこれに對して石炭關係者に感謝決議案をいたしましたような次第でありまするが、非常に各地方とも意氣込んで石炭の増産をやつて頂いておるのであります。ただ北海道におきましては、この一〇〇・五%の中、北海道は大體坑内の火災その他の問題がありましたので、九七%ばかりの成績を擧げておるのであります。然るに今北海道におきましてこの石炭増産をいたしまするにつきまして最も隘路と相成つておりまするものがこの陸運であります。貨車繰であります。大體北海道におきましては月平均百八十トンの貨車の積出しがあるのでありまするが、現在實際におきましては百二十萬トン乃至百三十萬トンしか輸送されていないのであります。その百八十萬トンの中約四五%が石炭の輸送に用いられておるのでありまするのが、今申しましたように、僅かに百八十萬トンの中百二、三十萬トンしか輸送されていない。而もこの石炭自體の輸送以外に、御承知のように石炭に必要でございますところの坑木でありますとか、或いは石炭業者に渡しますところの機械、或いは第二次鐵鋼製品、その他そういつた非常に必要なるところの資材も、滯貨のためにそれぞれ各炭鑛に到達していない。又勞務者の福利施設に要しますところの資材又は食料品等も滯貨のために動いていないといつたような事情であるようであります。
 それはどういうことかということを調べましたのでありますが、それにつきましては只今資料を少し數が少いので皆さんに行渡りましたかどうか知りませんが、お送りいたしておつたのでありまするが、向うで中川委員が取調べましたところの結果は、そこに大體ございますように、機關車におきましても非常に老朽車が多い。老朽車が全國平均が四四%に對して、六三%の老朽車を持つておるという状態である。又貨車におきましても、大體要修理數が非常に多い。九千百輛ある二千五百輛が要修理のものであるといつたような状態でありまして、二五%が要修理の車であるというような状態であります。而もその持つておるところの貨車の數というものは日本全國の一〇%に滿たないという状態の中、その一〇%に滿たない中の二五%が要修理とこういつたような状態でありまして、甚だ心細い有樣になつておるのであります。現状のままで行きますると、今年末には二十五萬トンの貯炭ができる。これは大體札幌運輸局の計算で、札鐵局の計算でありまするが、商工省あたりの計算によりますると、配炭公團の計算によりますると、七十萬トン近くも貯炭ができるのではないか。御承知のように石炭の増産を非常に奬勵いたしておりまするときに、七十五萬トンの貯炭ができるということは、これは勞務者に與えるところの心理的の影響というものは頗る多いのでありまして、これではせつかく割當を我々完遂して、一向石炭が動かないじやないか。これではやつても意味をなさないんだ。こういうような氣持で、自然勞務者に與える心理的な影響というものは非常に多いのでありまして、從つて石炭割當を完遂するという率が段々下向するのではないかということが憂えられておるのであります。何故然らばこの問題についてその修理車の修理を非常に急がないのかという問題について、札幌工機部あたりの御意見を伺いますというと、第二次鐵鋼資材品なんかの割當が、來ないというようなことが主なる理由のようであります。又同時に勞務者が、これはその通りに實際に受取つていいのかどうか知りませんが、勞務者の中の約六〇%というものは全く怠業状態である。サボタージユをしておる。殆ど工機部には出勤は致しておるけれども、實際に仕事をしていないのが六〇%もあるのだ、こういつたような状態であるということであります。その外に工場施設がすべて荒廢いたしておりまするために、殆どこの修理というものは進展していない。この状態を繼續するというと、今後ますます輸送面において隘路が深くなるという状態であります。それではせつかく我々が聲を嗄らして石炭の増産を叫びましても、實際上に輸送の面において行き詰るという問題を起しますので、この問題をなんとか解決しないならば、北海道の石炭輸送というものは、到底所期の目的を達することができない。かように存じまして、この問題を當運輸交通委員會において一つお取り上げを願つて、十分御研究を煩わしたい。かように存じまして我々の委員會で決議をいたしお願いを申上げる次第でございます。
#45
○委員長(板谷順助君) 尚政府の當局も參つておりますから、一應御説明を伺うことにいたします。
#46
○政府委員(多賀裕重君) 實は輸送の方面を業務局長が來てお話をすることになつておるですが、私車輛の方の保守を擔當しております。その面からお話を申上げたいと思います。それから最近に私はGHQの人々と一緒に北海道の方へ參りまして、多少北海道の方のことも實地に見て參りました。その點からお話を申上げたいと思います。炭坑にどれだけ石炭の滯貨があるかどうかということ、そういうようなことを、實は私なにも存じませんでここへ來ておりますので、そういう點を對照いたしてお話できないのが誠に殘念だと思いますが、先日北海道へ參りましたときには山元にはそれ程貯炭はない。鐵道輸送で御迷惑をかけることはないのだというようなお話をちよつと伺つて參つたのであります。車の状態につきまして、今お話がありましたような事實はございます。貨車におきまして、二千三百輛程抑留されておるのも事實であります。これは貨車は大體におきまして三年、正確にいいますと、二年九ケ月でありますが、そのたびに一般修繕を施しまして、そうして更に又三年使うということになつておるのでありまするが、戰時中から殆ど修繕をしなかつたというような關係で、期限を超過した車が相當あるのです。それを二十一年度に全部やつてしまえなかつたというような關係で、今日いまだに相當數の檢査期限を超過した貨車があるのです。これを規則通りに全部抑えますると、相當數量の貨車が動かなくなる。これを無理に使えといいましても事故の責任を負う者がなくなります關係上、なかなか簡單にそれを強いる譯に行かない。そこで全般的には特別檢査というものを施しまして、更に三ケ月の使用期限を延長するというような臨時措置をとつておるのであります。詰り同じ期限が參りましても、貨車によりましては相當状態のいいものがある。從いましてその状態のいいものは責任ある檢査を施しまして、これは更に使えるのだという證明をいたしまして、暫くの間使わせるのです。その間逐次修繕を強化いたしまして、漸次超過したものをなくして行こうという考え方なのでありまするが、そういう方法によつて現在相當數の貨車が檢査期限を超過して動いておるのです。たまたま北海道におきまして、フエリーボートにのつた貨車が北海造に參りまして、北海道で期限を超過したものを一應抑えた、動かさなかつたというような關係で、實は非常に溜まつて參つておつたのであります。私向うへ參りまして、今のように抑えておつたのでは溜まる一方になる。北海道で全部こなす力があるならば宜しいが、全部こなせるということはなかなか簡單ではない、内地でやつておるような、同樣な特別檢査を施して、三ケ月間更に使うことを考えようということで、早速北海道で會議をいたしまして、二千三百輛の内千五百輛は、殆ど手を掛けずに當分使えるということが明らかになつておりますので、八月には六百輛、九月に六百輛、十月以降に殘りの分を兎に角臨時檢査をいたしまして、使う態勢にいたすことにして參りました。更に工機部の方では一般修繕、局部修繕等をいたしております。北海道の客車に對しまする修繕力は殆ど計畫通りをやつております。決して六割怠業しておるというような状態ではありません。客車貨車に關しましては相当よくやつておる。それ以上毎月百五十輛ずつ餘計に修繕するということにいたしております。合計七百五十輛というものを、八月九月と合せて千五百輛になりますが、急速に整備して使うようにすることにいたしております。いろいろ資材の面その他で、先程お話がありましたような困難はあるようでありますが、その點は大體においてできるように思つております。ただ北海道におきます貨車全體を分類いたして見ますると、車種によりまして足りないものと、餘るものとがある。例えば北海道におきましては有蓋車が相當餘る勘定になつております。それから無蓋車、十五トン積、十七トン積の無蓋車の數が全體において足りないという形になつております。今炭鑛で問題になりまする石炭輸送の貨車は無蓋車でありまして、石炭を運びますのに北海道に專用に使つておりまする特別の車がありますが、それ以外に今の無蓋車を相當使うことになると思います。殊に石炭以外の、生産に必要な坑木であるとか、その他の資材を運びますのに相當數の無蓋車が餘計要るように思います。この點に關しましては今の措置を講じましても、無蓋車の數が足りないという事實がありまするので、内地から何とかして無蓋車を注ぎ込まなければならない。そうして逆に内地で困つておりまする有蓋車を、内地へ送り返す工夫をしなければならんと思います。折角の航送船をただ送り返すという譯には行きませんで、必ず相當な荷を積んで返さなければなりませんので、その方面の工作が相當大事かと思つております。石炭を山元から港に送り出すというような點に關しまして、只今申しました特殊な石炭車、これはどうかと申しますると、私が參りました時にはその程困つておらんように申しましたが、パネの關係で或る數量のものが寢ておるということを聞きました。そこでパネに關しましては、内地から急速にこれを送ることにいたしまして、大體におきまして八月中には送れるそうでありまするからして、石炭の山元から港へ送るというものに對しては、相當大きな力になるんじやないかと私は思つております。只今申上げました數字は先程申し上げましたように、貯炭その他の量と睨み合せての話ができませんので、甚だ殘念でありまするが、車の状態そのものはそういうようなことになつております。それから機關車に關しましては、北海道におきまして、昨年來機關車の状態が惡いということが叫ばれまして、それも事實でありまして、そこで本年度におきましては、要は機關車修理用の資材をできるだけ早く餘計送るということが問題でありましたので、北海道に關しましては、殊に夏の中に送つてしまわなければならん。冬になるとなかなか送りにくくなるというようなことで、相當力を入れまして資材を送つております。又修理に必要な部分品の如きもできるだけ急速に内地で作りまして送つております。その關係で今の機關車状態が過去に比べて非常に惡いというような状態にはないと思います。殊に機關車の修繕をいたしておりまする苗穂工機部、これは新聞にもよく、六割も休んで殆ど自然怠業に入つておるというようなことが出たのでありまするが、丁度その時私は北海道におりました。苗穂にもおりましたのですが、どうも具體的にそういうことはなかつたようであります。併し食糧の缺配、その他の點から申しまして、勤勞意欲の面から、なかなかその能力を維持するということに相當の困難があるということは、認めざるを得ないと思うのであります。新聞に出てありましたような、六割も殆ど遊んでおるというような意味のことはないと思います。從いまして、車輛の面におきまして、非常に惡いというようなお話がありましたのですが、私どもとしてはそういう状態にはないというふうに思つておるのでございます。
#47
○委員長(板谷順助君) 稻垣委員長に伺いますが、運輸委員會でこれを取り上げて見たのでありますが、要するに當面の問題としては政府を激勵し、當局を鞭撻をしてそうして輸送をその割當益だけ順調に輸ばせる、それ以外に途はないように思いますが、併し政府が國家管理がよいか悪いか別問題として、とにかく石炭を三千萬トン採つて、それをどうして直ぐに運ぶかということが竝行しなければならん問題ですね。だからして政府は一體どういうそれに對する計畫をしておるのかあなた方として若しそれが豫定通り行かなかつたならば、大いに責めるなり鞭撻をする必要もありまするけれども、今現在北海道で掘つておる石炭がどの程度まで運ばれておるのか、その點の御説明はどうなつておりますか。
#48
○委員外議員(稻垣平太郎君) その點について、今大體七月の初において百四十萬トンの滯貨があるということを、我々の方の委員が調べて來ておりますることと、それからして札幌の鐵道局において御計畫なすつた、その計畫通りに行きまして、三千萬トンの割當に對比して見るというと二十四萬八千トンをどうしても今年末に七月から三月までの間に二十四萬八千トンの滯貨が出る。これは札幌鐵道局のお調べであります。從つて我々として考えられるのは、政府當局として實際に石炭の増産を、國管まで出されようとしておるに拘わらず、實際に札鐵局において二十四萬八千トンの貯炭が今日から見込まれておるということでありますので、ここに我々が心配いたす點があるのであります。それには札鐵局にどうしてそれじや豫定通りに出さないかという問題を提案したのに對して、今の機關車や貨車の問題が出て來たわけであります。今の御説明で貨車がこの數字には間違いないようでありますが、至急修理しておるという話でありますから、貨車の問題はそれに片が付くのかと思います。機關車も同樣な御説明がありましたけれども、これが非常に急速に修理されるということであり、そうして札鐵局の計畫も商工局で計畫しておりまする輸送量に達するようにできるならば、これはもうこれで問題はないわけであります。併し實際百四十萬トンの現在滯貨があれば、札鐵局自身が、運輸の御當局自身がそれができない。年度末には二十四萬八千トンの貯炭ができるのだ、こういうことを聲明されておるということになりますと、これは政府全體の問題になるかも知れません。運輸省の問題でないかも知れませんが、我々としては非常に心配だ。
#49
○委員長(板谷順助君) 分りました。運輸大臣を招んでよく聽こうじやありませんか。運輸大臣の出席を要求します。
#50
○早川愼一君 どうして北海道には要急修理車が多いのですか。他の局はこういうことはなかつたように聞いておりますが、この間はどういう工合になつておりますか。
#51
○政府委員(多賀裕重君) 北海道は非常に規則を嚴重に守つたのであります。それで守つた結果、それが全部片付くものであれば、自分の局でこなせるものであればよろしいが、事實において二千七百輛というものをこなして行けない。どうするのだということで、やはり内地におけると同樣にやらなければならんじやないかということで、實は私が參りまして會議をしてその處置をとらしたのであります。そういうことであります。
#52
○早川愼一君 北海道は馬鹿正直にやられたわけでありますね。
#53
○政府委員(多賀裕重君) これをなんでもかんでもやればいいじやないかということはなかなか言い切れないのでありまして、規則を守ることは大事なことでありますから、そこで事情をよく話して、とにかくただやるのではない。年を取りましても非常に丈夫なものもあるのですから、一つ一つよく調べて、これは大丈夫というものを檢査する者は見て、そうして期限を延長すればよい。そういう處置は相當やつておつた處置でありますから、それをとらしただけのことであります。
#54
○小泉秀吉君 今のお話では石炭は山から掘り出してあるが、二十何萬トンというものが滯貨しておるという事實は、その處置は認めておるのですか。それは實際はそうはないとかいうことなんですか。その點はどうですか。
#55
○委員外議員(稻垣平太郎君) 私の方の調査委員が行つて調べましたのは、現在滯貨が大體に七月の初め、現在でも百四十萬トンの滯貨があるということで、これは石炭だけでありません。いろいろなもので百四十萬トンの滯貨があるという事實と、それから札鐵局で七月から三月までの間に石炭において二十四萬八千トンの滯貨ができる、數字の上で現状のままであつたらできるという報告であります。
#56
○早川愼一君 ちよつとお伺いいたしますが、この二十四萬トンというのは山元にできるのですか。
#57
○委員外議員(稻垣平太郎君) そうでございます。山元にできるという意味でございます。
#58
○飯田精太郎君 これをちよつと拝見いたしますと、札鐵局と商工省との計畫の喰い違いが二十四萬八千トンということになつておるようでございますが、おそらくこれは今までに石炭の出るのが計畫の三千萬トンだけ出ておらなかつた。これからその不足は年度末までに取返すという計畫が、商工省の方で新しくできたのじやないですか。
#59
○委員外議員(稻垣平太郎君) 石炭三千萬トンの増炭のための豫定で、從來の四十萬トン足りなくなつたのを取返すということであります。
#60
○委員長(板谷順助君) 速記を止めて。
#61
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。加賀山業務局長が御出席になりましたから、只今から御説明を伺うことにいたします。
#62
○政府委員(加賀山之雄君) 北海道の輸送の問題に關しましては、前から少しずつ病状が募つて參りましたので、我々といたしましても非常に心配いたしまして、手當をして來たのでございますが、最近特に木材の出荷が大分活發になつて參りましたこと、それから石炭については特にこの冬の家庭燃料との出廻りがすぐ目の前に出て參りましたこと、特に今囘の御視察の結果等で急激に結果が強く指摘された、こういうことになりましたのでありますが、我々といたしましては、ごく大ざつぱに申しますならば、北海道も決して日本全國の例外じやないのでございまして、本年度の初頭に我々に責任付けられましたところの年間一億一千六百萬トン、この中の枠の中で北海道輸送を賄なつておるわけでございます。總括的に最初に申上げますが、その割當てます場合に、北海道だけが、それでは要請に對して強く査定しておるかと申しますと、決してそういうことではございませんで、勿論石炭等に對しましては、輸送要請に對しては百%輸送を確保する計畫を立てて、又實績につきましても、輸送上の例えば貨車不足とか、列車の不足とかそういう理由によつて送り不足をするというような事態は今まで一度もございませんでした。これはここではつきりと申上げることができるのでございます。併しながら先程申しましたように、なにしろ全體の枠が我々に與えられました石炭の範圍内で輸送を確保する、それが年間一億一千六百萬トンでございますので、總體として見まする場合に、どうしても全部の輸送の需要を滿足せしめるということはできないのが實情でございます。まあ計畫いたしまする物資といたしまして、三十六品目の物につきましては、主要食糧、米、麥、馬鈴薯、甘藷、そういうものや、それから水産物や、或いは石炭等、そういつた物につきましては一〇〇%確保するのでございますが、遺憾ながら主要物資中におきましても、木材の如きは非常に多く査定をせざるを得ない實情でございます。又硬鑛石等におきましても硫化鐵鋼等につきましては、非常に重要に考えまして、計畫數字を殆ど一〇〇%近くのせておりまするが、その他の鑛石類につきましては、やはり規制せざるを得ない。つまり我々の持つ現在の國鐵輸送力は現揚の重要物資をフルに送り得ないというのが正直な現状でございます。例を申上げますと、木材の如きは第二・四年期におきましては、要請量、これは中央竝びに地方でこれぐらい送つてもらいたいという一應要求があるわけでございます、その要求に對しまして、五二%という査定をいたしております。つまり半分程度より需要を充し得ないという現状でございまするので、そのために北海道等におきましては、特に木材の滯貨が甚だしい。これはつい坑木等にも影響が及ぶということで、石炭の生産に影響しては大變だと考えまして、極く最近でございますが、この坑木の輸送につきましても、例えば二日くらい貯木より持つていないというものに對しては緊急輸送をするように、それからたとえ他の復興用木材などを切つても坑木の輸送は確保するようにということを北海道鐵道局に對しまして、指令をいたしましたような次第でございます。
 そういう状態でございますが、そこで石炭の問題の本論に立入りますが、石炭といたしましては、やはり鐵道輸送中央協議會竝びに地方協議會におきまして、豫め生産關係の團體竝びに官廳と連絡をいたしまして、前以て例えば第一・四半期竝びに第二・四半期の出炭はどれくらいになるだろうという計畫を立てるわけでございます。その出炭計畫に基づきまして、要請が出て參る、その要請に對して輸送計畫を立てる、必要な輸送量を配當するという恰好にいたしておりますが、石炭に關しましては、先程ちよつと申上げましたように、全然査定いたしておりません。中央と地方の要請は場合によつては喰い違う場合もあるのでございまするが、いつの場合におきましても、多い方の要請を取りまして、その多い方の要請はすべてこれを充足するという方針をとつております。いわば鐵道輸送におきましては、主要食糧と石炭とはなにを置いても輸送するという態勢を取つているわけでございます。その點は特に皆さん方に御了承を願つて置きたいと存じます。そのために他の物資がときどき割を食うと申しますか、相當の査定をしなければならないという状況に立ち至る場合がある譯であります。先程のお話で大分貯炭があるようなお話があつて、これが今後の出炭の如何によつては非常に貯炭が多くなる心配があるようなお話があつたそうでございます。勿論今後出炭がうんと殖えまして、急激に殖えます場合には現在持つておりますところの輸送力では賄えなくなるのでございまして、そのためには他の物資を切るなりしてやらなければならないと存ずるのでありますが、現在におきましては、現在持つております輸送力の範圍で考えます場合は、私共といたしましては石炭については先ず必配がないという實は確信を持つているのでございます。問題は先程申しましたように、木材にあるということなのでございますが、この二十二年四月以降の北海道炭の出炭實績と計畫を見ますると、四月におきましては……。
#63
○委員長(板谷順助君) 四月というよりは、私は先ず第一に伺いたいのは三千萬トン出すとして北海道全體としての割當がいくらあるか、それから道内石炭需要がいくらある、或いは又輸送計畫において函館、小樽、室蘭、留萌、その方面には、いくら輸送することになるのか、その計畫と現在の輸送力はどういう程度になつているか、その比較表があつたら一つおつしやつて頂きたい、そうでないと分らない。
#64
○政府委員(加賀山之雄君) それでは、私共といたしましては貨車の方面からその點について申上げたいと思います。
 現在、札幌鐵道局に持つております貨車數が九千二百輌ございますが、その中極く最近、約二千五百輌近い貨車が修繕を必要とする貨車として、休車になつておつたのでございますが、これを解決いたしまして、實際使える車を殖やすということが大事でございますが、我々といたしましてはその修繕車を至急に直すということと、それからできるだけその惡い貨車を、少しでも足の立つ貨車を簡單に手直して本土に早く廻してしまう。北海道内としてはできるだけいい車だけを増す、有效現在車を殖やすという方策をとつております。そういたしますことによりまして、現在、例えば八月中でございますと、北海道に對し當てられております石炭の輸送力は、現地中央の要請が二百二十二萬四千五百トンでございます。これは全國でございます。北海道が五十四萬二千トン、中央の要請でございますが、我々として計畫に組んでおります次第では五十四萬八千トンを組んでおります。その中に僅かの亞炭がございますが、石炭といたしましては五十四萬八千トンという計畫を組んでおります。札幌鐵道局といたしましては百三十五萬七千トン、石炭以外の全部を入れまして百三十五萬七千トンという輸送力を配當いたしております。つまり石炭に對しまして半分とは參りませんが、非常に大きな輸送力を石炭にかけておるということは御承知になつて頂けるだろうと思いますし、又中央の要請よりも更に少し上廻つて地方の要請をそのまま丸呑みに組んでいるというのが八月の計畫でございます。これが今後殖えて參ります場合のことを考えなければならないわけでございますが、私共といたしましては百三十五萬七千トン、この北海道内の輸送力がこれでいいかどうかということを檢討しなければならんわけでございますが、先程の木材の一事を考えましても、又今後の石炭の道内輸送の問題を考えましても、とても百三十五萬七千トンでは足りない。どうしてもこれを近く百五十萬程度まで上げないと間に合わない。慾を申せばこれを二百萬トンにするということになればいいのでありまして、例えば戰爭の二十年の六月が札幌鐵道局の擧げました最も大きな輸送力を發揮した時期でございますが、その當時は二百四十萬トンくらいを運んでおりました。それから見れば既に百萬トンほど低下しているのが現状でございます。なぜこのように低下したかと申しますと、その當時約一萬輌の貨車を持つておつたのが、現在九千二百輌、而もその九千二百輌の中二千四、五百輌は修繕を必要とする。使えない車を持つておつたということに大きな原因があるのでありまして、私共といたしましては輸送力を殖やすためには、勿論機關車の問題がございますが、先ず第一に運ぶ道具である貨車を大分増加しなければならないわけでございます。貨車を増加するにはどうしても國全體の枠が貨車が殖えればいいのでございますが、それと同時に修繕車を減らすということが大きな原因でございますが、もう一つは貨車の運輸效率を高める。つまり貨車廻りをよくするということが原因でございますので、私共としましては急速に、今月中に二千或いはもう既に二千百輌程度に修繕車は落ちて參つております。三百輛くらい減少いたしております。更に大馬力をかけております。これを今月中には、修繕車を一千四百輛くらいにしてしまう。もう一つ現在運輸效率が三〇%そこそこに下つておりますのをどうしても三四%、戰時中の最高まで參りませんが、戰時中の水準でありました三四%程度の運輸效率まで持つて行く。この兩方から貨車の效率をうんと高めまして、それによつてなんとかして九月から月間百五十萬トンの輸送を成し遂げて、八月の百三十五萬七千トンの計畫も、でき得るならば今月も三萬トンでも四萬トンでもいいから、更に一つ今月中に上げることに努力する、そういうようにいたしております。今月は今申しましたように石炭については心配はないのでございますけれども、先程申しましたような木材、浮いた輸送力を木材等に當てて置けば、これは又來月へ參りまして、石炭の道内輸送する場合に少しでも木材をはいて置くということが非常にいいことでございますので、そういうふうにいたしたい、もう一つ考えられますことは、この全體の全國で持つております貨車を外の鐵道局を絞りまして、北海道に餘計に持たせるということでございますが、これはつまりこちらに入る貨車に對して出る貨車を少なくするということによつて行われるわけでございます。それは北海道の……青函間の輸送が非常に細い、隘路になつております關係上、殘りの私は本土向けの貨車を押さえるということも非常にここに無理があるのではないかと思いますので、できることならば今道内にあります貨車の修繕、これを上げることと、そしてその效率を高めることによつて急場を少しでもしのぐことにいたしたい、かように考える次第でございます。
 石炭につきましては七、八、九と第二・四半期全部の計畫は、石炭擔當の官廳竝びに配給方面の團體、その他とよく協議いたしまして進んでおりまして、今申しましたように、第二・四半期としては私は突然の出炭の計畫の變更がない限り、實績の變更がない限り心配はないように考えますが、第三・四半期につきましては、これは更に取敢えず今申しましたような方策で北海道内の輸送を増加すると同時に、第三・四半期に對しまして更に出炭が延びるということになりますれば、我々として更に第二段の手を打たなければならない、第二段の手を打ちます場合は、どうしても今度は本土内の貨車を或る程度絞つて北海道に持つて行く、こういう方策があるのでございまして、その點に關しましては、又我々といたしましては、とくと檢討さして頂き、又出炭方面の責任ある方とよく協議して參りたい、かように存じております。
#65
○委員長(板谷順助君) 實は鑛工業委員會で先般北海道を視察したる結果、北海道の炭鑛を視察したる結果、貨車、機關車が極めて不出廻りであり、從つて輸送計畫ができておらない、そこで鑛工業委員會では委員會の決議によつてこの問題を運輸交通の委員會に解決して貰いたいという決議を突きつけられた、そこで緊急委員會にこれを問題として取上げておるのであるが、大體政府が三千萬トンを確保するについて、國家管理がいいかどうかは別問題としても、とにかく三千萬トンを目標として掘つた以上は、これが君、需要地に適當に輸送されなければなんら效果がない、ところが鑛工業委員會の決議は北海道を視察したる結果、實際に伴なつていないというのであるから、これを中央の問題として實は運輸大臣の出席を要求したけれども病氣だというので、君が代つて、これに對してどうするか、今ここに鑛工業委員長が隣りにおられるが、又運輸交通委員會としてもこれは重大問題であるから、何とか解決して貰はなければならんというので、今工作局長或いは業務局長からいろいろお話を聽いた、いわゆる前途に對するできるだけの努力をするというような程度であつて、そしてこれを具體的に、然らばどうするかということまで言つておらないわけだ、君はどう考えるか、どう處置するか。
#66
○政府委員(田中源三郎君) 大臣ちよつと不快で一週間ばかり出席しておりませんが、明日から登院するがということになつておりますが、今委員長からお話がありましたが、既に詳細な現實の面につきましては業務局長からお話しをいたしたことであろうと存じますが、先般局長會議前日に札鐵局長が參りまして、事情等も詳細に説明をいたしまして、大臣も了承いたしておるのでございます。これについては、先ずその當時の模様では、石炭及び木材、こういうものが非常に著しく滯荷しておる原因は、御承知の通り、總體的に貨車が大體一般的要請に對して四五%くらいしか配車ができないように、今日實際に鐵道は陷つておる。ただここで汽關車を極力修理をし、貨車を修理して北海道に廻わし、現實に問題を解決をするということより外に、これを究極的な問題として、つまり結論においてどうするかといえば、それより外に途はない。それにつきましては、他の管内から多少の貨車をこれに振り向けて、それから極力向うのこれを修復するところの能力が、一時に滯つたものを修復する能力がなければ、どうにか荷物の積める車は、荷物を積んで本土へ送つて、本土で修繕して、これに代わるべき車を送る、貨車はその通りでありまするが、今度汽關車の問題、これはこちらから増援をして行くというより外に途がない。先程業務局長から御説明も申上げたと思いますが、當初十七輛送りまして、その後三輛送り、又その後においても送る計畫を立てておるような状態であります。ここでただ手を打つことは、北海道は雪が降るために、十一月からすべての作業が困難になる、それまでに滯荷を一掃しなければならん、こういうことが、北海道特有の事情がありまするから、今申しました通りの手を打つだけ打つ、そうしてこれは貨車輸送をすると同時に、どうしても港灘作業を能率を上げることにして、配船をして、船で取るということの工夫もいたすより外に途がないじやないか、これは長い間の途を貨車輸送をするということは、本來の輸送の實體でないから、大量輸送をします場合には、かはり船を振り向けなければいかん、その陸運と海運との繋ぎをうまくつける、そうして出す工失もここに付けて行かなければならん、これにつきましては、汽船のみならず機帆船の方面におきましても十分に業務局の方とマツチしてやるように船舶海運長官にも話を申し上げたようなわけで、食糧と石炭の問題だけは優先的に配車をいたすと同時に、又只今申し上げたような手段に取りつつあるのであります。ただ悲しいかな、石炭と食糧だけに限つて他の資材をここで一應カツトしてでも全部やつて行くか、こういうこともちよつとやり難いのでありまして、關連作業の副資材というものを送つて行きません場合には、必ずしも石炭の増産には又ならんのでありまして、食糧は別でございまするが、そういうふうで、ここに他の産業の輸送を止めて、生産の製品の輸送を止めて、石炭だけに限るということもできないのでありまするが、大體に或るものは犠牲にしてでも石炭の輸送につきましてはそういうふうにやつておるというようなわけであります。そういうようなわけでありまして、木材等の如きも、これは價格の値上りを氣構えて、出荷を……故意に業者が出さない、大體に一定の價格に來ますというと、今度は殺到して申し込んで來る、どうも鐵道の配車は惡い、こういうふうに逆に申しておるようなこともございます。詮じつめて申しますれば、今申しましたように、できる限りの手を打つておきたい、そういうように努めたいと考えておるようなわけであります。この點御了承をお願いいたしておきます。
#67
○小野哲君 只今までに工作局長、業務局長、政務次官から北海道の輸送問題についてお話を承つたのでありますが、石炭三千萬トン増産問題は今に始まつた問題ではありませんで、前内閣において既に三千萬トンの増産計畫を立てまして、これを實行に移しておるという現状であります。然るに鑛工業委員會が現地調査をされました結果によりますというと、今日まで機關車にいたしましても、貨車にいたしましても、所要の措置が十分にはとれなかつた、これについてはいろいろの原因があつたであろうと、十分推察いたすのでありますけれども、今日まで今とり得る手を何故打たなかつたか、又打ち得る餘地があつたのではなかろうかということを鑛工業委員會の御報告から考えますというと、私共といたしましては、考えざるを得ないのであります。從つて將來の問題は、勿論當然に政府當局の責任において石炭輸送の確保をされなければならんことは申すまでもありませんけれども、今日までに既に打つべき手があつたに拘わらず、打つ餘地がなかつたか。又は打てなかつたか。この點にはいろいろ事情がありましようが、十分なる我々といたしましては、檢討を加えなければならない問題があるのではないか、特に工作局長が現地に行かれて工機部の勤勞の状況が、鑛工業委員の御報告とは違つて、相當能率的な運營がされておるというお話でありますが、果して事實そうであるのかどうか、私は一昨日大井工場の大井工機部の現場を見て參つたのでありますが、工作部長の説明によれば、今日出勤率は八五%になつてある。交通、住宅、食糧等の、いろいろな惡條件があるに拘わらず、東京都にあいてさえも、八五%の實績を擧げてある、こういう御報告があつたのであります。それに考え合せますというと、恐らく苗穗工機部におきましても、多少の條件の違いはありましようけれども、相當の成績を擧げておるのではないかということを豫想しておりました。ところがそうでない。六割までがなんといいますか。十分な状態におかれておらないということを伺つて實は意外の感を抱いた一人であります。
 尚又この機關車の問題、或いは貨車の配車の關係から申しまして、鑛工業委員會の御説明によりますというと、北海道炭の輸送計畫が七月以降三月までにおきまして、札鐵局の計畫と、地方商工局の計畫との間に二十四萬七千餘トンの食違いがある、こういう報告が出ておるのであります。業務局長はあらゆる面を考慮して、石炭輸送に對しては萬善の方策を講じて來た、又將來構ずる、こう言われておりますけれども、恐らく輸送協議會、中央地方を通じての輸送協議會において、作定されておる、この輸送計畫が現地において食い違いがある、こういうことは如何なる理由があるのか、これらの點についても我々は理解できない點があるような氣がいたすのであります。特に懸念いたしますことは上半期よりも下半期にはいつての、輸送の競合の問題でありまして、この點につきましては運輸當局の非常な御努力に拘わらず、實績を擧げることが困難な状態が起つて來るのではなかろうか、このために山元において増産の意欲が非常に旺盛になつておる今日において、この意欲が減退するようなことがあつては誠に申しわけがないというふうな氣がいたされるのであります。當局のこれに對する十分なる計畫の實施に基づきまして、私共は期待と信頼を持ちたいとは存じまするが、現在の計畫自體において齟齬があるというふうな點を、御報告に接しますというと、一抹の不安なきを得ないのであります。
 最後に先ほど政務次官が御指摘になりましたように、鐵道輸送が非常に困難である、一面機帆船等の海上輸送の面において、多少餘力がありとするならば、この間に海陸輸送の總合調整を斷行する必要があるのではないか、併しながら海運の方面におきましても、時期的に非常に制約を受ける虞れがありまするので、この際に特に海陸運の北海道炭の輸送に關する總合調整について、格段の措置をとられるように、私といたしましては要望いたしたいのであります。
 或いは業務局長は後からお出でになりましたので、鑛工業委員長の御説明ならびに鑛業委員會の御決議の内容等については、御承知がないかと存じまするが、今申しましたような事柄が、報告にあがつておるということを、十分に御承知置きを願いまして、萬全の措置をおとり願いたいことを、切に希望いたす次第であります。
#68
○政府委員(加賀山之雄君) 小野さんの今のお話誠に御尤もでありまして、ただ私共といたしましては、從來第一・四半期の問題としては心配はなかつた、第二・四半期といたしましてもそういう工合で、九月までは私共としてはまず心配のない體制をとつておる。問題は第三・四半期いわゆる下半期の問題でございますが、これについて第三・四半期後といたしましては、實を申しますと、年度當初に年間の大略の計畫を――政府の出炭の計畫は三千萬トン或いは二千八百萬トンだつたかもしれませんが――を計畫されておるわけでありまして、その計畫に基づいて鐵道にはいつてくる石炭を見込みまして、立てた計畫でございますので、第三・四半期以降といたしましては、具體的に、第一、第二・四半期にずれております關係上、どうしても第三・四半期に馬力をかけなければならん、その關係がはいつていないのでございます。從つて鐵道局と商工當局はまだその點について詳しく連絡いたしておらないのではないか、鑛工業の委員會の御報告によりまするところの、鐵道局の七月以降三月までの計畫の、實を申しますと、數字といたしましては、例えば八月の計畫のごときも、鐵道局の計画と實際の計畫とは違つておりますし、いわんや九月以降のものにつきましては、まだ確定した數字ではないと考えるのでございます。
 商工局の數字につきましても私はその根據を實はまだ知らないのでございまして、中央におきましてもまだはつきりした石炭廳その他とその數字は連絡いたしておりません。從つてその中に食違いがあるのはその原因によると思うのでございまして、その點につきましては先ほど申しましたように、早速緊密なる連絡をとりまして、その計畫數字を纏め、輸送計畫をそれに合せるように立直して行かなければならないと考えております。それにいたしますにはどうしても道内の輸送力を増強する以外に手がございませんので、先程申しましたように、九月までに現在の修繕車一千四百輌を、十月には九百輌、十一月には七百輌、十二月には五百輌とその數を極力下げてまいり、ここにも出ております工作局との打合せをいたしまして、この方法で極力修繕車を減らしまして、輸送力を殖やすことに專念する、それから效率につきましても、先程申しましたように三十四%の效率を維持する。これをどうしても確保するということに、絶對の努力を集中いたしましてやつて行きますより外はないと存ずるのでございまして、石炭は先程も申しましたように、外のものを切つても、石炭だけはなんとしても確保しなければならない。その場合我々といたしまして非常に苦しいことは、先程申しました木材の問題、或いは今後出て參りますところの種馬鈴薯の問題、それからビートの問題、その他そういつたものが……紙、パルプ等の問題が競合してまいりますので、その點につきまして非常に心配をいたしておるのでございますが、この絶對の枠を殖やしますには、どうしても現在の我我の持つ輸送力では足りないのでございまして、現在では貨車を殖やす、或いは更に輸送力というものについて、貨物列車キロについても考えなければならないところが出て參るように考えるのであります。海陸の輸送調整の問題についてお話がございましたが、北海道の問題といたしましては、石炭に關します限り殆ど港頭まで持出して、そこから船により輸送されております。省用炭が一日二十車程度LSTによつて輸送されております以上は、全部が石炭におきましては港頭送りになつておりますので、これにつきましては更に海運との關係を密接にいたしまして、最近海運局長と一緒に私共向うの地へまいりますので、港頭の工合をよく見まして、向うにおいて輸送上の方策を統一をとつて調査をして、うまく海陸輸送が結び付いて、日々實績がはつきり掴めますような方策を立てたい、かように考えておる次第でございます。なんと申しましても我々といたしましては、九月には百五十三萬トンの輸送力、十月には少くとも百六十二、三萬トンという輸送、現在七月の實績は百二十二萬トンくらいに終つておりますので、なんとしてもここのところ、三、四十萬トンというものを一擧に北海道の輸送を殖やす方策に出ませんと、石炭のみでなく、他の木材とか、種馬鈴薯とか、ビートであるとか、そういつたものが皆非常に困るのではないか。その中で我々といたしましては、石炭については先程申しましたように、外のものは若し御辛抱願つても、石炭はそういうわけには行きませんので御心配ないと申し上げたので、我々は石炭については實はそういうふうに考えておりますが、それでは外の物資を非常に大幅に切ることになつてはこれはどうにもなりませんので、そういつた輸送量の枠を殖やす、これに我々といたしましては極力努力を集中するよりいたし方ないと思います。
#69
○委員長(板谷順助君) 秋山君、あなた今小野君の質問に對して海送の問題についてなにか……。
#70
○政府委員(秋山龍君) 只今小野委員から海陸輸送調整について誠に適切なる御注意がございました。我々もかねがね連絡を密にいたしまして、御説のような趣旨でやつてまいつたわけでございますが、只今ちよつと加賀山業務局長も述べました通り、北海道の石炭も大體殆ど全部が海送になつておりますので、調整の餘地は誠に少いようでございますが、尚今度ともに一層の緊密なる連絡については手落ちなくやつて行きたいと思つておるのであります。
 ちよつと簡單に北海道炭の海上輸送の状況につき御報告を申上げておきたいと思いますが、石炭が輸送上最優先でなければならぬということは、これはもう議論の餘地ないのでありまして、我々といたしましても、石炭の輸送要請に對しましては、船は優先的に、且つ十分にこれを配當いたして參つております。ところが實際の港における石炭の積み取ります状況を見ますと、どうも十分と申せない成績でございまして、例へば小樽におきまする六月の石炭に對する配船は、營業炭で、つまり石炭配給公團、一般炭の方で二十五隻、延八萬七千四百八十三トンを石炭のために配船いたしておりますが、これに對しまして荷物待ちをいたしました日數が、この八萬七千四百八十三トンの船に對しまして、平均四日一分五厘ということになつております。それから荷役の方は三日九分九厘、約四日ということになつております。これから見まして他の港も大體同樣になつておるのでございますが、船は實は十分に配船いたしております。むしろ船腹を以て石炭の流れて參りますのを待つて、そうして右から左に送つておるという、かような状況になつております。若し石炭の産出がもつと殖えまして、港頭に對する石炭の流れがもう少し潤澤に參りますならば、船の效率はもう少し上げ得る。つまり海上輸送の方は相當の餘力のある状況だということを申上げることができると思うのであります。ただ海上の特性、特に北海の特性といたしまして、十一月末、十二月、一月、二月という非常に航海の困難な時期がございます。その時分には石炭の産出もまた殖えて來るような傾向をもつておりますので、冬は依然として相當なる困難があると豫想されております。尚只今業務局長からもお話のありましたような、種馬鈴薯という大きな輸送を控えております。これを何とかしてうまく乘り切りたい、かように考えておりまして、最近業務局長と共に北海道に出かけまして、これらの關係についてできるだけ遺憾のない手配を講じて行きたい、かように考えておるような状況でございます。簡單でございましたが……。
#71
○委員長(板谷順助君) 鑛工業の委員長に申上げますが、運輸交通委員會としては、只今お聽きの通り、この問題の解決についてはできるだけ當局の説明を聽いて、激勵する以外に方法はないのですが、あなたはこれについてなにかお尋ねがあつたならば、或いは又御意見があるならばこの際一つお示しを願いたい。
#72
○委員外議員(稻垣平太郎君) いろいろ私共の方の決議につきまして、當委員會で御斡旋を願いまして、御當局のお話も聽き、又御當局を委員長のお話のように御鞭撻を願い、こういつたことで我々としましては誠にこのお取計らいについて厚くお禮を申上げる次第であります。我々としては非常に結構でありますが、どうか一つ只今運輸當局からお話のありましたところによりますと、大體石炭については支障をなからしむる覺悟だというお話のように承つておりますので、それが實際の實施されるように、固くお願いいたす次第であります。同時に今實際問題として工作方面についても著々修理その他についても御著手になつておるように承りましたけれども、この點も一時的に終らないで、抜かりなく一つおやり願いたい、かように存ずる次第でございます、誠にいろいろ有難うございました。
 尚一つ述べさせて頂きたいのですが……。
#73
○委員長(板谷順助君) どうぞ。
#74
○委員外議員(稻垣平太郎君) 札鐵の數字と、今の業務局長のお話の數字の間に、例へば八月五十三萬六千トンとお話になりましたが、札鐵のは五十三萬トンといつたように、そういつた數字上の違いがあるように考えるのであります。例えば五十三萬六千トンであればちようど石炭の八月分に對する北海道の割當と見合う、ミートしますが、五十三萬トンでは六千トン足らないことになりますが、札鐵と本省との間の數字の調整についても特に御留意を願いたいとかように存ずるのであります。尚石炭のために外の品物を犠牲にしてもというお話でありますが、併し又石炭増産のために必要な、例えば坑木でありますとか、勞務員の食糧とか切り離せないものもあると思います。そういう面も合せてお考えを願いたい。こういうことを一つ特に御注意とお願を申上げておきます。
#75
○大隅憲二君 石炭の輸送方法につきまして鐵道當局の詳しい御説明を承りましたが、併しこれがあながち萬全の態勢とは考えられないように承つておる。
 尚船舶の方におきましては、出荷がよくないから船待ちをする。積込があまりよくない。併し船の方では相當餘力がある、こういうように承つたのでありますが、その餘力はどのくらいあるか、その點を伺つておきたい。
#76
○政府委員(秋山龍君) お答えいたします。もし只今の數字を以て見ますと、例えば港頭に貯炭が十分積んでございまして、小樽なり室蘭の機械荷役をいたします場合には、假りに荷物待ちがなく、荷役が半分ですむといたしますと、例えば小樽だけでも大體一萬トン級の船と五千トン級の船を一ケ月間遊ばしているという數字になります。從いまして若し戰前のようにストツクが、十分ございまして積みました場合には、一ケ月一萬五千トンの輸送力があるという状態になる、こういうことであります。各港についても數字がございますが、大體これによつて御推察を願いたいと思います。
#77
○内村清次君 鑛工業の委員長の方からの報告によりますと、先ず從業員の方で六〇%の怠業状態があるのだ、こういうように御報告になつているようでありますが、この問題は非常に重大なことでありまして、先程の政府の説明では從事員の怠業状態はないということでありますが、我々といたしましてこの状態を實は實地に行つて十分に見たいというような氣持もするのでありまするが、北海道は御承知のごとく遲配缺配がひどく、六十日間も續いておつたというような状態であつて、その間においてこの惡條件下に從事しているところの從事員の苦勞というものも相當重大ではなかろうかと思うのでありますが、これに對しましてのいわゆる運輸當局として從事員に對する待遇條件において遺憾な點がなかつたかどうかというようなこと。又遲配、缺配というようなことに對する處置として十分な待遇法が講ぜられたかということにつきましても、實は今後調査する必要がありはしないかと思います。同時にこの問題がいわば機關車の統制能率に影響するのだ。或いは又貨車の統制態率に影響するのだ、こういうような點を思い合せて見まして、今後この増産の輸送計畫上に、ただ貨車を増してそうして船腹の輸送能力を擧げるというような御計畫の下においていわゆる從事員の勞力関係を考えずにおいて、ただ貨車を増す、或は又そのために輸送力を擧げるという點のみに考えて今後いかれるのであるかどうか、その點につきましても政府の御所見を伺つておきたいと思います。
#78
○政府委員(加賀山之雄君) 先程の鑛工業委員長の御言葉に對してお答えを申上げます。札幌鐵道局とこちらとの數字が喰い違つておるということでありますが、私共といたしましては中央で決めて、その枠を札幌鐵道局へ落しますので、中央の數字と札幌の數字とが違うわけはないわけでございます。先程申上げましたのは、今度の御調査になつておる商工局と札幌鐵道局との數字が竝べてあつたもので、それによりますとこれは或いは札幌鐵道局で報告した數字を中央で立てた計畫と多少違つておるものと思います。これは恐らく札幌鐵道局で御報告が間違つたのではないかと考えております。それから商工局との數字の違いは、札幌鐵道局といたしまして精密に御相談した上ではなく、實は順序といたしましては中央で一應今後の出炭計畫を纏めまして、安定本部或いは商工省等と一諸になつて數字を檢討いたしまして、それによつて出炭の數量が決まり、又輸送計畫も決まるというようになつておりますので、まだそこまで行かない地方の商工局として推定された數字を出されたために喰い違つた、かように御承知おき願いたいと思います。これは近い中に兩方の協議によりましてはつきりした數字が出ると思います。
 それから石炭に重點をおく關係上、他の物資を非常に傷めてはいかんというお話でありましたが、これは私共として實に一番つらいところでありまして、石炭はこれは申す迄もないことでありますが、その外木材の關係ですと木材を言われますし、又種馬鈴薯の時期になると、これは又季節物でありますので、これはどうしても送らなければならないということで、その競合した時期の九月、十月、十一月というところが北海道としては雪の降る前でもあり、一番大切な時期でありますので、大馬力をかけなければならないのでありますが、先程申したように現在の輸送力に對して月産三十萬トンを増加するということは非常に努力を要しますことでむづかしい、かように考えるのでございます。併しむづかしいと言つてはおられませんで、なんとしてもこれをやり遂げなければならない。それで浮びました三十萬トンの輸送力を、先ず石炭を優先に、それから他の物資にも配當する、かように存じております。
#79
○大隅憲二君 船の餘力の數字の問題ですが、しつこいようですけれども、具體的な御説明を願いたい。例えば一ケ月に一萬トンの船と五千トンの船ということだけでなく、具體的と申しますのは、どのくらいのトン數の船で何ばいぐらいの餘力がある、かように具體的に御説明を願いたいと思います。
#80
○政府委員(秋山龍君) 船の餘力の問題でございますが、實はこの經濟安定本部を中心にいたしまして、政府で決定いたしました輸送の要請、輸送計畫と申しますが、海上輸送計畫は第一・四半期は四、五、六の三ヶ月、各月大體七十七萬トンの數字でございます。これに對しまして先月の末あたりから特別修繕船の修繕の完成その他の努力をいたして參りまして、稼働船腹も逐次殖えております。七十二、三萬トンといつておりましたのでありますが、使用船腹は大體九十萬トン程度に上つて參りました。各月共に計畫を上廻りまして、例えば四月は八十萬トンの輸送でございます。五月は多少下りまして、七十八萬九千トン、六月が九十二萬トン、七月が大體八十七萬トンぐらい運べております。計畫よりも上廻つておりますというところで、船は去年あたりに比べますと相當の力を持つて來た、こういうことが考えられるわけでございます。それから餘力と申しますような、餘力と申しますと言葉が非常になんでございますが、例えば石炭の配船を、本當に出荷に似合いました配船をいたし、又それが荷物が完全にまあストツクでもございまして、とれるならばやはり多少他に廻すような餘力があり得る、まあかようなことを申上げたわけでありまして、現在船が積極的に遊んでおるというような状態ではございません。大體においてまあ動いておる状態であります。多少荷物の出廻りがよくて能力が上りますればまだ廻轉率を上げる餘地はある、かようなことを申し上げたわけであります。
#81
○大隅憲二君 似たようなものですな。
#82
○政府委員(秋山龍君) 似たようなものです。
#83
○大隅憲二君 分りました。
#84
○政府委員(田中源三郎君) 今内村さんから御質疑になりました勞働力を考えずして輸送能力、輸送計畫は成り立たん、その點についてはいろいろ從事員に對する處置がついていかんような點が見受けられたのぢやないかという意味の御質疑がありました。これは御尤もだと思います。一般の北海道遲配状況は前年といい、本年といい、最高七十日以上の數字を上げておる點もございます。從つて食糧の面については加配米の面についても鐵道といたしましては十分に努力はいたしておりまするが、或いは御指摘のような面があつたかも知れないと私は存じます。從つて出勤者は多少パーセンテージを上げても能率の面については、或いは低下しておる、これがために低下して來たという現象もこれは免れん現象でございまして、そういう事例があつたかとも思われます。給與の面につきましては、大體御承知の如くに全國の國鐵從業員と取り結びました協定によつて、給與をいたしておるのでありますから、その面以外におきまする北海道の特異性による給與の面、例えば石炭でありますとか、或いは冬期が長期に亙りますために、それに對する特別な手當をするというような面についての多少政府の方におきましても、要求通りに參つておらなかつたかも知れないという點もあろうと思います。
 併しここで一つお考え願わなければならんことは、まず敗戰後の日本におきまする一般勞働力に對する三つの私は條件が備わつて來ておると思います。一つは思想の混亂、人心の頽廢によりまする一般勞働者の勤勞意欲の低下、これは免がれんことであろうと思います。一つは戰敗によるところの一般物資の缺乏により働こうとしても能率が上らない、これによつて能率の向上ができないという點が一つであろうと思います。それから今申します食糧の不足による國民全體の能率の低下、この三つの面は爭われんと思うのであります。從つて食糧全體に對しましては、一定の御承知の通り國内事情と國外におけるところの輸入とによる面によつてのみ國民全體が平等に受けるこれは制約でありまするが、この制約に對してはできるだけ國家的企業に對しては手配をいたしておるのであります。又財政面においても國家におきまする財政がかような通りでありまするから、勢いこれに對しても國家企業に關する方々が不遇な點におかれておるという點も免れないことと思います。物資、財政、食糧の面から總合的に來る勤勞の低下というもの以外に、私は精神的に來るところの精神弛廢によるその低下というものも可なりあると思います。北海道の如きは一部共産黨の關係等もありまして、炭鑛において私が前議會において炭鑛の石炭を取扱つておりまする面から調査いたしました場合には、これによつて支配されておる點が非常に大きい點を見受けたのでありますが、漸次北海道の炭鑛の從業員諸君も非常に國家的の立場にお考え下さいまして、最近においては非常に増産に御協力を願つておるようなわけであります。併しながら一般的にこの日本の全體を見まして、確かに私は國家再建上におけるところの精神上の弛廢と言いますものは、これは免れん現象であります。これを今日日本の國民が全部直して、各おのおのの職場においてこの國家再建に關するところの勤勞意欲を發揮して頂かなかつたならば、物質及び財政の面だけが豐かになりましても、これは十二分の效果を擧げることはでき得ないと思うのであります。この點においては多少遺憾の點があります。從つて今後におきましては、運輸省といたしましては、できるだけに……この物質の面においても誠に困難でありまするが、これを滿足して從業員が使つて頂くように、又誠にどうも手當、すベての給與の面においても不十分でありまするが、心から我々が向けて行き、又心から受け入れて頂くというようなふうに仕向けまして、心から勤勞意欲を向上して頂きまして、すベての面の向上をはかつて行くことが肝要だ。私はこういうように考えまして、最近大臣にも右様のことを申しますると共に國鐵從業員が心を一つにして、すベてのものを同じく分け合つて、そうして愛の精神で繋がつて國家に奉仕して行くというように振り向けて行きたい。こういうふうに考えてよりよき手段をとつておるようなわけであります。實際においては給與の面においても今申しましたようなすベての點において不十分で、勞働力を阻害しておる點はこれは御指摘の點は正しいと思いまするが、今後におきましては、そういうような面を考えておりますので、一つこの點も併せて御了承をお願いいたしたいと思うのであります。
#85
○委員長(板谷順助君) 諸君に御相談いたしますが、まだ何かありますか。
#86
○内村清次君 もう少し……。先程の報告が餘り六〇%の怠業状態というようなことになつておるからして、我々としてはこれは重大問題だ。勿論我々が聞く範圍内においては相當今政務次官が言われたような思想の下に道廳の人たちが非常に地理的においても、又食糧的においても非常にあすこは困難なところである、又氣候的にも非常に冬期あたりは格段の困難な條件下におかれておるところの從業員を以て、その人たちが擧つてやはりそういう勤勞意欲の點においては現下の日本再建について相當考えておるのだ。こういうような點に我々は見ておつたのであるけれども、報告が六〇%では餘りに比率が大きい、こういうような點で私は心配したわけです。同時に又食糧が六十日も遲配しておる。あの附近だけ遲配しておるということは、これは政府の施策として當を得ておらんじやないかという觀點も我々はあるわけです。この點についても特段の注意が拂つてあるかどうかということについて、我々はこの點を心配したのであります。この點も十分お考になつて、あすこは非常に邊鄙なところであるが、又而も重要産業が非常にあるところである。又今後の再建上には特に必要な石炭の輸送、その他生活必需物資の副になるような物の豐富なところである。こういうような觀點からよく認識されて、そうして先ず待遇上におきましても、特別に一つお考になる點は、別に寒冷地手當等これを考えて頂いて、そうして須らく勤勞意欲がお互い昂揚するような政府は施策をして頂きたい、こういう點をお願いする次第であります。
#87
○政府委員(多賀裕重君) 私先程六〇%の怠業状態にあるということを否定したのでありまするが、現に札幌鐵道局長も、それから工機部長も、そういうことは絶對にない、それを出した新聞社に工機部長みずから抗議を申込むというようなことでありまして、私は爲にする者の宣傳だろうというふうに解釋しております。このときに丁度内穗におつたのでありますが、そのことははつきり嘘であることを先程申上げた次第であります。併しお話のように食糧事情が困難でありますから、随分苦しんで皆やつておるということは仰せの通りであります。
#88
○委員長(板谷順助君) 諸君に御相談いたしますが、一昨日は御承知の通り大井工場、鶴見の操車場を實地見學をいたしまして、大いに得るところがあつたわけでありますが、次囘は方面を變えまして、造船所、これは丹羽君が行つておられたのでありますが、浦賀の造船所を見學しまして、久里濱に海軍の倉庫が相當にあるそうであります。かたかたその序でに横須賀の開港状態、これも見たらどうだというような説がありますが、まあ皆さんの御都合のよい時分に適當の日を決めてやりたいと思いますが、如何でございますか。ちよつと、速記を止めて。
#89
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。それでは明後日の午後一時から委員會を開會いたします。それでは本日はこれにて散會いたします。
   午後四時十七分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
          橋本萬右衞門君
           小野  哲君
   委員
           内村 清次君
           小泉 秀吉君
           鈴木 清一君
           中村 正雄君
           若木 勝藏君
           大隅 憲二君
           植竹 春彦君
           小林 勝馬君
           飯田精太郎君
           新谷寅三郎君
           早川 愼一君
           北條 秀一君
  委員外議員
   鑛工業委員長  稻垣平太郎君
  政府委員
   厚生事務官
   (保険局長)  宮崎 太一君
   運輸政務次官  田中源三郎君
   運輸事務官
   (鐵道總局業務
   局長)     加賀山之雄君
   運輸事務官
   (海運總局海運
   局長)     秋山  龍君
   運輸事務官
   (海運總局船員
   局長)     大久保武雄君
   運 輸 技 官
   (鐵道總局工作
   局長)     多賀 裕重君
   説明員
   厚生事務官
   (保険局年金課
   長)      岩瀬 繁一君
ソース: 国立国会図書館
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