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1947/12/03 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第26号
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1947/12/03 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第26号

#1
第001回国会 決算委員会 第26号
昭和二十二年十二月三日(水曜日)
    午後一時五十一分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 竹谷源太郎君 理事 島村 一郎君
      高津 正道君    竹内 克巳君
      戸叶 里子君    馬越  晃君
      大上  司君    中曽根康弘君
      大瀧亀代司君    冨田  照君
      平井 義一君    齋藤  晃君
 出席政府委員
        運輸事務官   田中不破三君
        運輸事務官   荒船 清一君
        逓信事務官   大野 勝三君
 委員外の出席者
        厚生事務官   森  直一君
        會計檢査院事務
        總長      東谷傳次郎君
        專門調査員   大久保忠文君
十一月二日
 中央官廳出先機關設置反對その他に關する請願
 (志賀健次郎君外七名紹介)(第一二六八號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十年度歳入歳出總決算、昭和二十年度特
 別會計歳入歳出決算
    ―――――――――――――
#2
○竹山委員長 これより會議を開きます。
 前日に引續いて決算の審査にはいります。本日は運輸省の決算から始めたいと思います。運輸省政府委員。
#3
○荒船政府委員 それではただいまから運輸省所管各會計の昭和二十年度における決算の概要につきまして御説明申し上げたいと存じます。
 まず一般會計から順次申し上げます。一般會計歳出の豫算額は經常部、臨時部を合計いたしまして二億千二百八十一萬餘圓でありますが、これに前年度からの繰越額と豫備金からの補充額及び緊急財政處分支出額を加えました豫算現額は十五億六千八百六十三萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は十四億九千四百八十三萬餘圓でありまして、これを豫算現額に比較しますと、七千三百八十萬餘圓の支出減少となつております。このうち一千六百四十三萬餘圓は翌年度に繰越したものでありまして、殘額の五千七百三十六萬餘圓が不用となつた金額であります。これは主として經費を節約したのと、實行上豫定の費額までを要しなかつた結果とによつて生じたものであります。
 次に帝國鐵道會計決算につきまして御説明申し上げます。帝國鐵道會計の歳入決算につきましては、先日概略申し上げたのでありますが、後に申し上げる收支計算についての説明の都合もありますので、ここに重ねて申し上げることといたします。
 まず資本勘定について申し上げます。資本勘定の歳入豫算額は十億五百七十四萬餘圓でありまして、これに對しまして收入濟額は九億三千百三十八萬餘圓でありますから、差引七千四百三十五萬餘の減收となつております。これは公債金特別會計からの受入が多かつたのに、なおこのような減收を見ましたのは、主として益金繰入がまつたくなかつたのによるのであります。また歳出の豫算額は十億四千五百五十五萬餘金でありまして、これに前年度からの繰越額と餘備金外臨時支出額とを加えました餘算現額は、十三億六千九百六十一萬餘圓となりのであります。これに對しまして支出濟額は九億五千九十八萬餘圓でありますから、差引四億千八百六十三萬餘圓の支出減少となつております。このうち七千百九十三萬餘圓は翌年度に繰越したものでありまして、残額の三億四千六百六十九萬餘圓が不用となつた金額であります。これは主として經費を節約したのと、實行上豫定の費額までを要くなかつた結果とによつて生じたものであります。なお資本勘定の收支計算の結果を申し上げますと、資本勘定の收入に属する金額は九億三千百三十八萬餘圓でありまして、支出濟額は九億五千九十八萬餘圓でありますが、それに本年度より實施の地方鐵道及び軌道特別資金として積み立てるベき積立金七十萬餘圓がありますので、支出の合計は九億五千百六十八餘圓となり、これを收入に比較いたしますと、差引二千三十萬餘圓の不足となります。これを前年度からの繰越資金八千九百二十四萬餘圓より差引きました六千八百九十四萬餘圓を帝國鐵道會計法第十一條により、資金として、翌年度に繰越しまして、本勘定の決算を了したのであります。
 次に、用品勘定の歳入豫算額は十億五千九百十六萬餘でありまして、これに對しまして、收入濟額は十億三千三百八十五萬餘圓でありますから、差引二千五百三十一萬餘圓の減少となつております。これは主として用品賣拂代等が豫定より少かつたのによるのであります。また歳出豫算額は十億五千九百十六萬餘圓でありますが、これに豫備金外臨時支出額を加えました豫算現額は、十二億八千七萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は十二億三千六百七十九萬餘圓でありますから、差引四千三百二十八萬餘圓の支出減少となつておりますが、これは全額不用となつたのであります。しかして、その不用となりました事由は、主として經費を節約したのと、實行上豫定の費額までを要しなかつた結果とによるものであます。なおこ用品勘定の收支計算の結果を申し上げますと、用品勘定の收入濟額は十億三千三百八十五萬餘圓でありまして、これに本年度の收入未濟額三百九十五萬餘圓、調定未濟の收入未濟額一千七百七十七萬餘圓、前年度から繰越した支出未濟額四千九十二萬餘圓、本年度の前拂金未濟精算額二千七百二十六萬餘圓、翌年度に繰越した物品の價格三億二千二百六十三萬餘圓、戰災の燒失による損失補足額九百萬圓を加算いたしますれば、收入の合計は十四億五千五百四十萬餘圓となります。これに對しまして支出濟額は十二億三千六百七十九萬餘圓でありまして、これに本年度の支出未濟額七千三萬餘圓、前年度から繰越した收入未濟額八百三十九萬餘圓、前年度から繰越した前拂金未精算額一千三百十六萬餘圓、前年度から繰越した物品の價格九千九百九十六萬餘圓を加算いたしますれば、支出の合計は十四億二千八百三十三萬餘圓となりますから、差引二千七百六萬餘圓の過剩を生じましたので、これは帝國鐵道會計法第六條第二項によりまして資本勘定に繰入れ本勘定の決算を了したのであります。
 次に、收益勘定の歳入豫算額は二十七億七千四百四十四萬餘圓でありまして、之に對しまして收入濟額は三十六億七千四百七十七萬餘圓でありますから、差引九億三十二萬餘圓の増收となつております。これは主として豫算額に掲上してなかつた多額の借入金を受入れた結果によるのであります。又歳出豫算額は二十三億二千百九十六萬餘圓でありますが、これに豫備金外臨時支出額を加えました豫算現額は、三十四億四千五百四十二萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は三十二億七千四百二十二萬餘圓でありますから、差引一億七千百十九萬餘圓の支出減少となつております。これは全額不用となつたものでありまして、このような不用額を生じました理由は、主として經費を節約したのと、實行上豫定の費額までを要したかつた結果とによるのであります。なお、收益勘定の收支計算の結果を申し上げますと、收入に属する金額は三十六億七千四百七十七萬餘圓、支出に属する金額は三十二億七千四百二十二萬餘圓でありまして、差引四億五十四萬餘圓の歳入超過を生じましたが、これはさきに申し上げました多額の借入金受入によりますものでありまして、その借入に關しまする昭和二十一年勅令第百十一號及び第百八十號によりまして、本年度歳入剩餘金として翌年度歳入に繰入れ、本勘定の決算を結了いたしました。
 以上、運輸省所管一般會計及び帝國鐡道會計の昭和二十年度決算の概要について、御説明申し上げましたのでありますが、その詳細につきましては、お手もとに差上げてあります書類によりまして、御了承を願いたいと存じます。
 次に、今まで申し上げました各會計の決算に關しまして、會計檢査院の檢査報告にあげられました批難事項について申し上げたいと存じます。昭和二十年度決算に對しまする會計檢査院の批難事項は、一般會計歳入におきまして、所屬年度の區分が適當でないもの一件、支出の措置が當を得ないもの一件、計二件、帝國鐡道會計收益勘定歳入におきまして、運輸收入の徴收措置が適當でないもの一件、同じく資本勘定歳出におきまして、用地の買收その他についての措置が適當でないもの一件、同じく用品勘定歳出におきまして、用品の購入その他の措置が適當でないもの一件、計三件、一般會計及び帝國鐡道會計を通じて合計五件であります。
 右のうち帝國鐡道會計收益勘定歳入に關する批難事項については、先日御説明申し上げましたので省略さてせいただきまして、その他の批難事項について以下順次に御説明申し上げます。
 まず一般會計から申し上げます。一般會計歳出に關しまする第一の問題は、臨時部、一般費、氣象施設整備費より支出の新營工事請負代金が、所屬年度區分上適當でないということであります。會計檢査院批難の要旨は、中央氣象臺で昭和二十年四月に株式會社木村組に請負わせた低温低壓實驗室新營工事、及び昭和二十一年二月楓工務店に請負わせた階段教室新營工事について、昭和二十一年十月會計實地檢査の際調査したところ、代金は全額請負人に交付濟であつたのに、工事は未だ竣功に至らなかつたというのであります。
 本件工事はいずれもその年度末において、五月末には完成する見込みが十分でありましたし、他方請負人からは、工事費の前金拂を要求せられておりましたので、手續としては、一まず支出を濟ませ、請負人には既濟部分拂をいたしまして、工事の竣功を急がせたのであります。しかるに、その後資材及び勞力がはなはだしく行き詰りまして、その竣功が遅延いたしましたことは、はなはだ遺憾とするところでありまして、將來とも十分注意いたしたいと思つております。なお工事は、その未竣功の部分も、すでに取運びまして、全部完成しておるのであります。また事件の責任者はこれを適當に處分いたしました。
 次に第二の問題は、臨時部、營繕土木費、中央氣象臺、經線儀製作施設費より支出のうち中央氣象臺經線儀製作所、官舎その他新營工事外三件について、その支出の措置が適當でないということであります。會計檢査院批難の要旨は、これらの工事が當該年度内にそれぞれ竣功したものとして處理せられているのに、昭和二十一年十月會計實地檢査當時においても、なお工事が中途であり、うち一部にはまつたく未著手の部分もあつた。その後未著手の部分はこれをとりやめ、その工事費は歳入に納付し、工事中途の部分は、昭和二十一年度歳出經常部豫算から補足支出して竣功したのであるが、これらの措置は當を得ないというのであります。元來、本工事設工については中央氣象臺において、戰況ともにらみ合わせ、その竣功を非常に急いでおりまして、請負人もまたこれにその全力を盡しておりましたので、遅くも五月末ごろまでには竣功の見透しがあつたのであります。それに當時工事代金の支拂方法は、軍を初め各官廳においても一般に前金拂を例としておりましたので、本工事請負人からも前金拂が、少くとも既濟部分の要求をしばしば受けておりましたので、繰越承認の時期なども考慮に入れまして、手續としては一まず竣功として處理した上、請負人には既濟部分拂をいたしまして、一層工事の竣功を急がせたのであります。
 しかるにその後戰況は急速度に悪化いたしまして、本土の空襲は日ごとに激烈となり、資材の入手に、また輸送に、あるいは勞務の獲得に、非常な困難を感ずるに至りまして、自然工事の急速なる竣功も望みが薄くなり、請負人からも竣功期限の延期を願い出る有樣となつたのであります。しかもその後請負人阿部組の責任者である阿部貢を初め、その幹部は次々と召集せられまして、結局阿部組による工事の竣功も困難となりましたので、やむ得ず未完成部分は中央氣象臺で直營として工事を續行することといたした次第であります。その後終戰となりましたので、未完成部分はこれを再檢討いたしまして、もはや施行の要がなくなつた部分に對しましては、ただちに工事を中止いたし、これに伴います不用工事費を歳入に納付いたしましたほか、續行を要する工事につきましては、物價、勞銀の値上りにより、工事費に不足を生じますので、いたし方なく經常部經費から補足の上、直營をもちまして竣功せしめたのであります。戰争目的に制約せられました異例的なことは申しながら、かくのごとき事態となつたのは、まことに遺憾とするところで、事件の責任者に對して適當な處分を行つたほか、將來とも注意いたしたいと思つております。
 次に帝國鐡道會計の分について申し上げます。帝國鐡道會計歳出に關しまする第一の問題は、資本勘定歳出の用地の買收及びその利用方法が適當でないということであります。會計檢査院批難の要旨は、東京鐡道局において大井工機部の疎開用として買收した土地十七萬九千餘平方メートルは、買收交渉中終戰となり、疎開の必要がなくなつたのであるからこれを中止すべきであり、又疎開地としては、林地、荒無地などを選ぶべきであるのに、既耕地を含む土地を買收したのは當を得たものでないというのであります。本件土地は、昭和二十年五月下旬戰災で燒失した大井工機部技能者養成所と同工機部の事務室その他を疎開するため、苛烈な戰況のもとに、急據買收に著手したものでありまして、初めは、林地、荒蕪地等を物色いたしたのでありますが、所要面積は廣大で、しかも疎開は一刻を爭う有樣でありましたから、結局單一所有者で所要面積の全部を滿たすことのできる本件土地を最適と認めまして、その買收について協議を進め、七月上旬ようやくその内諾を得たのであります。そこでただちに疎開に著手するとともに、當時最も緊要でありました夜間給食用食糧確保のために、一部耕作及び開墾にも著手したのであります。しかして本件買收の文書面におきます最終的決裁をいたしましたのは十二月でありまして、終戰後となつたのでありますが事實はすでに用地の一部を利用しておりました關係上、これを買收せざるを得なかつたのであります。なおその後も國鐡經營上徹夜作業に從事する職員への給食の必要は、ますます緊迫の度を加えましたので、本件土地を食糧増産用に活用することといたしたのであります。また事件の責任者はこれを適當に處分いたしました。
 次に第二の問題は、用品勘定歳出の用品の購入方法、價格利用等が適當でないということであります。會計檢査院批難の要旨は、東京鐡道局において昭和二十年八月に磯部某から九十六萬圓で購入したふとん地用絹練生地六萬ヤードは不經濟であり、また同年九月小栗某から百六十二萬圓で購入した暗幕用木綿黒朱子地十二萬ヤードは、終戰前豫約があつたとしても終戰によつて購入の目的を失つたのであるから、契約解除または減量の措置を講すべきであつたのに、これをしないのでいずれも殊さらに小口に分割し、割當のなな多量の物資を高價に購入し、その大部分を適正に利用または處分することなく保有しているのは、妥當の措置でないというのであります。本件物品購入當時は、相次ぐ空襲のため燒失する防空暗幕及び蒲團の補充は緊急缺くことのできない事項でありましたのに、纖維品の入手は非常に困難な状態にありました。
 すなわち品薄はもちろんのこと、この種業者を發見することも容易でなく、發見次第、即決即金で購入する以外にまつたく購入する方法のない有樣でありました。從いまして當時の戰況に對應するためには、ぜひとも急速かつ大量に獲得しなければならなかつたため、鋭意努力いたしました結果、ようやく業者を發見いたしまして、やむを得ず即金拂の方法で購入したのであります。しかし間もなく終戰となりましたため、他にこれを利用することといたしまして、實地檢査終了後、木綿黒朱子地の残品は、蒲團その他に使用濟でありますし、絹練生地の大部分は國鐵從業員の被服等修繕を請負つております鐵迫同人社等から加修材料の調辨を委託されておりましたが、この種材料の入手はきわめて困難な際でありましたので、やむを得ず手持ちのものを、これに充當いたしまして、拂下げましたので、現在殘品はきわめて僅かであります。なお事件の責任者はこれを適當に處分いたしました。以上をもちまして昭和二十年度決算に關する會計檢査院の批難事項について、その概要の説明を終ることといたします。
 次に、昭和二十年度決算に關して、曽算檢査院の檢査未確定となりましたものについて一言申し添えたいと存じます。昭和二十年度決算に關して、會計檢査院が檢査未確定といたしましたものは、帝國鐵道會計におきまして用品及び工作費ほか三項であります。しかしてこれが檢査未確定となりました事由は、事實が終戰前後の混亂期のことであります。また右のほか昭和十九年度以前の決算に關して會計檢査院の檢査未確定となつておりましたもので、本年度においてなお未確定として殘りましたものは、帝國鐵道會計收益勘定歳出作業費における五千餘圓だけであります。その未確定となりました理由は、前渡資金の未精算に關する會計檢査院の照會に對して當省の囘答が遲延したためであります。以上をもちまして昭和二十年度決算概要の説明を終りたいと思いますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#4
○竹山委員長 右に關して會計檢査院の御報告を願います。事務總長。
#5
○東谷説明員 ただいま政府委員から運輸省所管の一般特別兩會計に關します決算の御説明があつたのでありますが、會計檢査院においては、一般會計の決算につきましては、全部結了いたしまして檢査確定を見ておるのであります。特別會計におきのしては御説明がございましたように、帝國鐵道の用品勘定におきまして、歳出二千九十八萬餘圓、收益勘定におきまして一千四十三萬餘圓が會計檢査院の紹介に對する囘答未濟という事由で未確定に相なつておるのであります。戰災によりまして證明書類を焼失しまして、會計檢査院に對する證明が不能であるという金額が一般會計におきましてはございません。特別會計におきまして資本勘定の歳出におきまして、七千五百餘萬圓、用品勘定の歳出におきまして、九千五百餘萬圓、收盆勘定の歳出におきまして三億六千四百餘萬圓が證明不能ということに相なつておるのでおります。なお戰災のために一般會計におきまして三項目不明でありますものが、小さく一千餘圓あるのでございます。目不明のものが百五十五萬餘圓でございます。特別會計におきましてはさようなものはないことになつております。そのほか既往度におきまして、特別會計におきましての未確定があつたのでありますが、ほとんど大部分は檢査の結了をみまして確定になつておるのでございます。ただいま檢査院の批難事項についての御説明があつたのでありますが、特別會計の歳入における分は先般設説明いたしましたので、この際は省略して一般會計の中央氣象臺の件が二件ございますので、ごく簡單に申し上げておきたいと存じます。批難事項は檢査報告の四十頁に揚げてあるのでございますが、中央氣象臺で低温低壓實驗室新營工事あるいは階級教室新營工事というものを三十二萬五千餘圓で請負は附せられまして、二十年度末には竣功したものとして證明しておるのでありまするが、實際に調べてみますと、先ほど説明がございましたように、年度末のでき高というものは六割とか八割というのでありまして、ようやく今年になつて竣功をみておるというような次第でございまして、年度區分不明になつておるということになつておるのであります。さらに既往年度におきまして同じく中央氣象臺におきまして、これは檢査報告の四十九頁に現われてあるのでございますが、氣象臺の經線儀製作所官舎の工事であります、これは十四萬餘圓で請負に付してあるのでございますが、十九年度の工事でありまして、それが十九年度末すなわち二十年三月には全部でき上つておるというふうに證明しておらるるにかかわりませず、一年越えまして二十一年にはいりまして、二十一年十月に會計實地檢査をしてみますると、そのときにでき上つておりまするのは十四萬圓のうち二萬三千圓に相當する一號官舎ほか二件ができておるだけなのであります。七萬圓に相當しまする數室、工場その他のものは二年おきました後後にも全然工事に著手されていない、なお五萬一千圓に相當するもの、すなわち二號官舎、三號官舎といつたようなものが工事中でそのときあつたという次第でありまして、明らかに年度區分を紊る虚偽の證明になつておるのでありますが、この事件で前の事件と違いまして考えさせられまするのは、工事中でございました五萬一千圓に相當するものでありまするが、非常に工事が延び延びになつた、二年も三年も續いておるのでありますから、その間に物價勞銀は高騰してくる、これではできないというので、請負人は投げ出す。それで直營で、今度はこの費用でなしにほかの費用から、すなわち二十年度を超え二十一年にはいりまして、經常部の事務費の豫算から差繰りまして、この五萬一千圓にさらに二十萬九千圓を繼ぎ足し、結局スムーズに行くとすれば五萬一千圓でできたものが、二十六萬圓かかつていることに相なつております。この中央氣象臺の二つの事件のみならず、各省にわたつて年度の區分を濫ること自體は數件でございまして、檢査報告には一般特別兩會計共通事項として揚げておいたのでございまするが、見方によれば年度が違つただじやないかということでございますが、年度を違えるということは、明らかに會計法に違反する行為でありますし、かたがた年度を違えないよよに、先ほどもお話がございましたが、繰越という手續をとりますれば、あくる年に工事ができるというふうに、會計ではこういう建前に相たつているにもかかわらず、かよう事態に相なつております。かよう事態は、ここに揚げてある中央氣象臺ほか數件以外に相當にたくさんにありますが、それらの一つの事例としてここに揚げてあるような次第であります。先ほども申したように、最近のように物價、勞賃が上つてきますと、竣工期限が守られないというようなことで、いろいろなことを若慮なさらなければならぬような事態になるのでありまして、五萬圓のものが二十六萬圓かかる。そうすると今度は國會で承認された以外の豫算を出していかなければならないようなことも起つてきますし、かたがたできなかつたのができたというようになつておりますから、契約條項に、できなかつた場合には遲滯金をとるようなことを相互契約で契約しておりましても、その實行を迫るということができない。また經費が足らない、今度は民間の方へ働きかけ、寄附金を募集して、寄附金によつて元の工事を遂行していく。今ごろ寄附金のこてがいろいろといわれておりますが、さようなことにも相なるのでございます。殊に年度違いということでございまするが、この點は十分に注意すべきことだと思われるのでありまして、ただ政府當局におかれても、會計檢査院と同じ所見をもつておられるので、これ以上は申し上げませんが、ごく簡單なような事項であつて、波及するところに相當大きいということを御了解願いたい。特別會計において歳出の部で、忠生の土地の購入の件、これは檢査報告の三十四ページ、五ページに詳しく書いて報告してございます。さらにふとん地とか暗幕地を購入した件については、三十六ページ、三十七ページ、三十八ページにわたりまして相當詳しく報告いたしておりますし、かたがた大體において政府當局と會計檢査院が所見を同じくしておりますので、説明は一應省略さしていただきます。
#6
○竹山委員長 御質疑があればどうぞ……冨田君。
#7
○冨田委員 ただいま運輸省當局の御説明も承り、また會計檢査院の御方針、また御決定も拜聽いたしましたが、いろいろ工事の上で不正なことが行われておる。こういうことは長い間鐵道に關連した事件で、日本の政治史の上にも、幾たびか汚點を殘しておるのでありますが、現在運輸省關係の工事は入札請負制度になつておりますか、あるいは指定制度になつておりますか、どのような工事の請負方法になつておりますかをお伺いしたいと思います。
#8
○田中(不)政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げますが、鐵道の工事については、御承知でもございましようが、法規で許されたものについては、隨意契約が許されております。なおそれ以外のものについては、御指摘の通り競爭入札の制度をとつておりまして、そして競爭入札の中においても、特に技術的に見て相當の專門技術を要するものについては、指名競爭入札を行つておるような次第であります。
#9
○竹山委員長 さらに御質疑があれば、あとでまた續行することにして、一應この程度にして次に移つてよろしうございますか。
#10
○冨田委員 どうぞ……。
#11
○竹山委員長 それでは次に厚生省の報告を願います。
#12
○森説明員 昭和二十年度厚生省所管經費決算の大體を御説明申上げます。
 昭和二十年度厚生省所管一般會計經費の豫算額は、經常部におきまして四億三百九萬三千餘圓、臨時部におきまして二億三千五百六十一萬四千餘圓、計六億三千八百七十一萬七千餘圓でありまして、豫算現額は經常部におきまして四億八百五十三萬三千餘圓、臨時部におきまして十五億千八百九十九萬餘圓、計十九億二千七百五十二萬四千餘圓であります。しこうしてこの豫算現額を前の豫算額に比較いたしますと、十二億八千八百八十一萬七千餘圓を増加いたしておりしす。この増加額のうち千六十三萬八千銀圓は前年度より繰越しいたしました金額でありまして、十億八百四萬五千餘圓は豫備金中より支出いたしました金額であります。豫備金支出のうち第一豫備金より支出いたしましたものは、經常部諸支出金の項へ二百八十六萬八千餘圓でありまして、緊急對策費第一豫備金より支出いたしましたものは、臨時部臨時諸支出金外一項へ八億五千七百四十一萬四千圓、計八億六千二十八萬二千餘圓でありまして、第二豫備金より支出いたしましたものは、臨時部緊急勤勞動員諸費外四項へ一億四千七百七十六萬二千餘圓でありまして、二億七千十三萬三千圓は豫備金外臨時支出をいたしました金額であります。豫備金外臨時支出のうち國庫剩餘金支出にかかるものは二千六百三十三萬千圓、緊急財政處分支出にかかるものは二億四千三百八十萬二千圓であります。
 次に本年度の支出濟額は、經常部におきまして三億六千五百七十四萬三千餘圓、臨時部におきまして十三億六百七十萬九千餘圓、計十六億七千二百四十五萬二千餘圓でありまして、これを豫算現額に比較いたしますと、二億五千五百七萬千餘圓の減少となつております。この減少額のうち七十六萬八千餘圓は明治四十四年法律第二號によつて、翌年度に繰越しいたしました金額でありまして、殘餘の二億五千四百三十萬三千餘圓はまつたく不用となりました金額であります。
 次に、昭和二十年度厚生省所管厚生保險特別會計について御説明申し上げます。まず厚生保險健康勘定歳入歳出決定計算書に掲出した歳入の收入濟額は一億千二百七十四萬千餘圓でありまして、これをその豫算額一億六千七百七十三萬千餘圓に比較いたしますと、五千四百九十八萬九千餘圓の減少となつております。また歳出の支出濟額は八千百六十七萬三千餘圓でありまして、これをその豫算現額一億六千七百七十三萬千餘圓に比較いたしますと、八千六百五萬七千餘圓の減少となつております。この減少額はまつたく不用となりました金額であります。しかして右の歳入歳出を比較いたしますと、三千百六萬七千餘圓の收入超過となりますが、この金額は厚生保險特別會計法第七條第一項によつて積立金に組み入れて、この年度の決算を結了いたしたのであります。なおこの積立金は昭和二十年度末におきまして二億三千七百九十二萬六千餘圓となつております。
 次に、厚生保險年金勘定歳入歳出決定計算書に掲出した歳入の收入濟額は六億七百十七萬千餘圓でありまして、これをその豫算額八億九百十三萬四千餘圓に比較いたしますと、二億百九十六萬三千餘圓の減少となつております。また歳入の支出濟額は五千五百四十六萬餘圓でありまして、これをその豫算現額八千六百六十四萬六千餘圓に比較いたしますと、三千百十八萬六千餘圓の減少となつております。この減少額はまつたく不用となりました金額であります。しかして右の歳入歳出を比較いたしますと、五億五千百七十一萬千餘圓の收入超過となりますが、この金額は厚生保險特別會計法第八條第一項によつて積立金に組み入れて、この年度の決算を結了いたしたのであります。なおこの積立金は昭和二十年度末におきまして十四億五千五百八十二萬七千餘圓となつております。
 次に、厚生保險船員勘定歳入歳出決定計算書に掲出した歳入の收入濟額は二千四十八萬九千餘圓でありまして、これをその豫算額五千百二十萬五千餘圓に比較いたしますと、三千七十一萬六千餘圓の減少となつております。また歳出の支出濟額は三百九十萬五千餘圓でありまして、これをその豫算現額三千四百九十一萬八千餘圓に比較いたしますと、三千百七萬二千餘圓の減少となつております。この減少額はまつたく不用となりました金額であります。しかして右の歳入歳出を比較いたしますと、千六百五十八萬三千餘圓の收入超過となりますが、この金額は厚生保險特別會計法第八條第一項によつて積立金に組み入れて、この年度の決算を結了いたしたのであります。なおこの積立金は昭和二十年度末におきまして五千六十八萬餘圓となつております。
 次に、厚生保險業務勘定歳入歳出決定計算書に掲出した歳入の收入濟額は三千十八萬九千餘圓でありまして、これをその豫算額三千百十八萬六千餘圓に比較しますと、九十九萬七千餘圓の減少となつております。また歳出の支出額は二千八百七十七萬二千餘圓でありまして、これをその豫算現額三千百十八萬六千餘圓に比較しますと、二百四十一萬四千餘圓の減少となつております。この減少額はまつたく不用となりました金額であります。しかして右の歳入歳出を比較いたしますと、百四十一萬七千餘圓の收入超過となりますが、この金額は厚生保險特別會計法第九條第一項によつて、健康勘定積立金に百十八萬六百餘圓、船員勘定積立金に二十三萬餘圓を組み入れてこの年度の決算を結了いたしたのであります。
 最後に昭和二十年度厚生省所管勞働者災害扶助責任保險特別會計について御説明申し上げます。勞働者災害扶助責任保險歳入歳出決定計算書に掲出した歳入の收入濟額は七百九十八萬四千餘圓でありまして、これをその豫算額千三百四十四萬三千餘圓に比較いたしますと、五百四十五萬九千餘圓の減少となつております。また歳出で支出濟額は五百二十九萬四千餘圓でありまして、これをその豫算現額千三百四十四萬三千餘圓に比較いたしますと、八百十四萬九千餘圓の減少となつております。この減少額はまつたく不用となりました金額であります。しかして右の歳入歳出を比較いたしますと、二百六十八萬九千餘圓の收入超過となりますが、このうち未經過保險料に相當する金額九十萬二千餘圓とを翌年度の歳入に繰入れまして、殘餘の七十七萬六千餘圓は、勞害者災害扶助責任保險特別會計法第三條第一項によつて、積立金に組み入れてこの年度の決算を結了いたしたのであります。なおこの積立金は昭和二十年度末におきまして二千二百七十九萬六千餘圓となつております。
 以上は決算についての大要でありますが、これにつきまして一般會計におきまして會計檢査院より批難せられております事項が一件あります。その内容を簡單に御説明申し上げます。本件は、鹿兒島、博多の兩引揚援護局が、昭和二十年度内にその施設工事の一部が未完成であつたにもかかわらず、これに對し小切手を振出したものを、經費の年度所屬を紊すものとして批難されたものでございますが、當時の状況を申し上げますと、鹿兒島引揚援護局は、一日の明入能力を二千五百名に、博多引揚援護局は一日の受入能力を五千名になし得るよう收容、檢疫竝びに檢疫病院の諸施設を急速に整備せねばならないことに相なつたのでございますが、兩市共にはなはだしい戰災を受けましたので、そく時に轉用し得る建物はなく、全施設を新築または移築する等の方法をとらなければならなかつたのであります。ところが著手いたしてみますると、勞力、資材の不足は、特殊工事開始のため、覽悟していた以上に深刻なものがあり、中央、地方を通じての必死の努力にもかかわらず遂に兩援護局の工事につきまして、會計檢査院により指摘されたような事態を生じたのであります。以上申し上げましたごとく事情まことにやむを得なかつた次第であつたとはいえ、かかる事態を生じましたことは遺憾でありまして、今後は監督を一段と嚴にし、このようなことがないようにと期しておる次第でございます。
 以上大體厚生省所管の決算の概要について説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上御承認をお願いいたしたいと思います。
#13
○竹山委員長 右に關して會計檢査院の報告を伺います。
#14
○東谷説明員 厚生省所管の一般會計決算につきましては、二百六萬餘圓の檢査がまだ濟まないで未確定になつておるだけでありまして、あとは全部檢査確定をいたしたのであります。未確定になりましたものは、償還に對する配當未濟という原因でございます。
 特別會計におきましては未確定はなく、全部檢査を終了いたしたのでございます。厚生省におきましても他の省と同じく、戰災などによりまして證據書類を亡失されて證明不能、證明書類提出不能と相なつたものがございまして、一般會計におきましては歳出で千三百六十五萬餘圓、特別會計におきましては業務勘定で歳出九十七萬餘圓、勞働省災害扶助責任保險において二十五萬餘圓ということに相なつておるのでございます。なお戰災によりまして一般會計において款項不明なものは歳出において二萬二千餘圓、目不明のものが二百四十七萬餘圓ということに相なつておるのでございます。會計檢査院の批難事項に關しましてはただいま政府當局から御説明のあつた通りでございまして、これも先ほど中央氣象臺で申し上げましたごとくに年度の區分を亂つたものでありまして、會計法規に違反した事態なのでございます。
#15
○竹山委員長 それでは續いてあとで質疑を行いますが。逓信省關係の御報告にはいります。
#16
○大野(勝三)政府委員 通信事業特別會計竝びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の昭和二十年度決算中歳入の概要については御説明申し上げたので、本日は歳出の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず通信事業特別會計について申し上げます。資本勘定の歳出の豫算は五億三千六百六十萬餘圓であります、これに前年度からの繰越額一億一千八百二十八萬餘圓を加えますと、豫算現額ま六億五千四百八十八萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は二億一千百二十一萬餘圓でありますから、差引四億四千三百六十七萬餘圓の支出減少となつております。そのうち百四十六萬餘圓は翌年度に繰越したものでありまして、殘りの四億四千二百二十萬餘圓が不用となつた金額でありますが、これは主として經費節減の結果と豫定の費額までを要しなかつたことによつて生じたものであります。
 次に、用品勘定の歳出豫算額は一億三千五百十五萬餘圓でありまして、これに前年度からの繰越額二百八十八萬餘圓を加えますと歳出豫算現額は一億三千八百三萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は一億一千二百五十四萬餘圓でありますから、差引二千五百四十八萬餘圓の支出減少となつております。このうち二萬餘圓は翌年度に繰越したものでありまして、殘額の二千五百四十六萬餘圓が不用となつた金額であります。これは主として經費の節減と豫定の費額まで要しなかつたため生じたものであります。
 次に、業務勘定の歳出豫算額は、九億二千七百八十一萬餘圓でありまして、これに前年度からの繰越額六百五萬餘圓と豫備金外臨時支出額四億四千二百七十八萬餘圓を加へますと、歳出豫算現額は十三億七千六百六十五萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は十三億一千八百九十一萬餘圓でありますから、差引五千七百七十四萬餘圓の支出減少となつております。このうち百五十四萬餘圓は翌年度に繰越したものでありまして、殘餘の五千六百二十萬餘圓が不用となつた金額であります。これは主として經費節減の結果と豫定の費額までを要しなかつたことによつて生じたるものであります。
 次に、簡易生命保險及郵便年金特別會計について御説明申し上げます。保險勘定の歳出豫算額は五億九千四千六十六萬餘圓でありまして、これに前年度からの繰越額七十一萬餘圓と豫備金外臨時支出額六千八百十四萬餘圓を加へますと、豫算現額は六億六千三百五十二萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は六億五千九百七十一萬餘圓でありますから、差引三百八十萬餘圓の支出減少となつております。これはまつたく不用となつた金額でありまして、主として經費の節減の結果と實行上豫定の費額までを要しなかつたのによるものであります。また歳入の收入濟額十五億一千九百三十一萬餘圓から歳出の支出濟額六億五千九百七十一萬餘圓を差引ました過剩金八億五千九百五十八萬餘圓は積立金に組入れ本勘定の決算を了したのであります。なおこの積立金は昭和二十年度末におきまして五十三億六千百九十一萬餘圓となつております。
 最後に、年金勘定について御説明申し上げます。年金勘定の歳出豫算額は八千三五七十九萬餘圓でありまして、これは豫算現額も同額でありますが、これに對しまして支出濟額は七千六百三十萬餘圓でありますから、差引七百四十九萬餘圓の支出減少となつております。この金額はまつたく不用となつた金額でありますが、これは主として經費の節減の結果と豫定の費額までを要しなかつたのによつて生じたものであります。また歳入の收入未濟額六億五千四百九十三萬餘圓から歳出の支出濟額七千六百三十萬餘圓を差引きました過剩金五億七千八百六十二萬餘圓は、積立金に組入れて本勘定の決算を了した次第であります。なお積立金は昭和二十年度末におきまして二十二億一千七十三萬餘圓となつております。
 以上は大藏省所管昭和二十年度通信事業竝びに簡易生命保險及郵便年金兩特別會計の決算中歳出の概要でありますが、その詳細につきましては御手もとに差上げてあります書類によりまして御了承願いたいと存じます。
 次に、以上申し述ベました昭和二十年度決算に關しまして、會計檢査院から批難を受けました事項は、通信事業特別會計歳出におきましては三件でございます。これらはいずれも會計檢査院の御意見の通りでありまして、まことに遺憾に存じます。責任者に對しましてはそれぞれ處分濟でございます、詳細は別に答辨書を差出してありますから、これによつてごらんに上よろしく御審議を願にたいと存じます。
#17
○竹山委員長 右に關し會計檢査院に報告を伺います。
#18
○東谷説明員 通信事業特別會計において會計檢査院に檢査の濟んでおりませんものは、業務費の二百三十八萬餘圓だけでありまして、その他のものは全部檢査結了確定をいたいたのでございます。戰災によりまして證明不能に屬しますものは資本勘定の歳出で二百五萬餘圓、用品勘定で三十六萬餘圓、業務勘定で三百九十八萬餘圓ということに相なつておるのでございます。そういたしまして戰災などのための決算上目不明と相なりましだものが資本勘定で、歳出一萬一千餘圓、用品勘定で目不明のものが七萬七千餘圓、業務勘定のおいて目不明のものが二十五萬五千餘圓ということに相なつておるのでございます。なお日本銀行と歳入の決算額とを對照いたしてみますと、通信事業の歳入のおいて日本銀行の證明の方が二百二十六萬餘圓少いということに相なつておるのであります。この事由は出納閉鎖期までに日本銀行に拂込みができなかつたものが百六十一萬餘圓あります。これは減の理由のなるわけであります。そのほか戰災その他によりまして不符合の事由が不明で減に相なつておりますものが六十四萬餘圓、合計いたしますと二百二十六萬餘圓が日本銀行の證明額の方が決算より少いことに相なつておるのであります。これは間違つたのでありますから、次の年度に當然是正されることに相なるわけであります。
 會計檢査院の批難事項につきましては、歳入の部はこの前の委員會で御説明をいたしたのでありますが、歳出の部におきまして、檢査報告の十八ページ、十九ページ、二十ページにわたりまして掲げてある通りに、逓信院の電波局航空保安部で、東京芝浦電機株式會社ほか一名から購入いたしました電波受信機装置、その他眞空管などの代價で八十三萬餘圓支拂つてあるのであります。實地檢査で調べてみますと、どうもそのものが買えたとして證明はしてありますが、納入した事實が疑わしいということで、結局年度としては所屬の年度をねらつておりますが、これはその後において逐次納入されて、本年の六月三十日には完納ということに相なつておる次第でございます。政府の辨明を見ましても、大體會計檢査院の意見に贊意を表しておられるようであります。それから檢査報告の二十九ページにございますが、貯金保險局で、東京都の小石川郵便局においての犯罪事件によりまして、缺損を來したものが一萬五千圓あるのでありまして、これに對しましての政府の意見も會計檢査院と同じ意見であるのであります。それぞれ責任者は處分されておるような状態でございます。なお四十ページから四十一ページにわたりまして一件あるのでございます。一つは松山逓信局の四十七萬九千餘圓の工事でございます。もう一つは中央無線電信講習所の十一萬七千餘圓の電界強度測定器という物件を購入された件でありますが、いずれも中央氣象臺の部で申しましたように、年度區分をねらつたものでありまして、會計檢査院では不當と認めており次第であります。政府の御意見も同じようでありますし、責任者はそれぞれ適當に處分されておる状況でございます。
#19
○竹山委員長 會計檢査院に伺いたいのは、きようの鐵道及び逓信というような特別會計がたくさんある中でも、國榮事業の大きなものはこれは一體國家の豫算、決算ではあるが、豫算の編成についても、私らの想像では大蔵當局の掌握力がきわめて十分でないように思われる。というのは仕事の性質が、獨立して事業をやつていくということであつて、このごろいわれておるように、獨立採算をするならば、豫算的に同じような處置をすることはむつかしいということも考えられます。そういうことと併せて、決算の面においても、これがはたしてほかの各省一般會計の豫算のように、檢査院としては實際の檢査の場面においてどういうふうにおやりになつていくのか、今後獨立採算制をとることになつていくと、何か考え方を變えていくようなことも考えられますが、その邊會計檢査院の氣持を一應伺つておきたいと思います。
#20
○東谷説明員 ただいまのお言葉でございますが、鐵道及び通信の特別會計に對する大蔵省の豫算面における掌握力につきましては、事實上多少あるかとも思われますが、會計檢査院の見たところでは、そういうふうには必ずしも映じていないのでありまして、實地檢査、あるいは書面檢査におきましてもそうでありますが、鐵道會計といわず、通信會計といわず、一體私どもの感じから申しますと、作業會計、あるいは事業會計といつたものにつきまして、會計檢査をいたしますときには、普通の一般會計を檢査するときよりも、見ごたえがある、手ごたえがあるということを感ずるのであります。というのは、事業會計を營んでおられるところ、作業會計をやつておられるところは、上から下まで事業をやつておるのだということの觀念に徹しておられるような氣持がするのであります。從いまして私どもがまいりまして説明を求めましても、相當詳しいことを相當な地位の方からも聽けるのであります。しかしながら一般會計になりますと、その點が事業をやつておるという氣持ではない、結局豫算を使うという氣持が皆多分に働きまして、會計的な御關心が事業會計ほどにぴつたりきていないような氣持がするのであります。それでありますから、鐵道とか通信とかいう面の特別會計の檢査をいたしますのは、よほど檢査がしやすく、徹底しやすい氣持がするのであります。最近叫ばれておる企業的運營ないしは獨立採算制、發生主義というようなことで、ごく最近四月一日をもつて両會計とも發生主義による獨立會計が發足されたわけでございますが、こうなりますと、やはり機動性のある企業的運營が好ましいわけであります。從いまして御承知のごとく會計法も議會において改正されまして、その線に沿いまして今までとは違つた豫算が四月一日から實施せられておるのは御承知の通りであります。今までとは違つた豫算で、國家豫算の面はごく簡單に相なつておるのでありますけれども、實際中にまいりますと、内部豫算をおもちになりまして、大體今までと同じ氣持で科目に從つて運營されておるのでありまして、發生主義をとり、企業的にすべての諸帳簿をつけていく上において、内部豫算に縛られながら、しかもこの複式の簿記によつて事を處理されていかれるということには、非常な御努力をなさつておられるようでありまして、會計檢査院はやはりその線に沿いまして、會計檢査院への證明書類の指定、實地檢査のやり方をそれぞれ考究勘案して實地中のようであります。
#21
○竹山委員長 今の問題に關連して、何か運輸省、逓信省の方に御意見があればどうぞ。
#22
○田中(不)政府委員 ただいま檢査院の事務總長さんから一應のお話がございましたが、鐵道の事業を擔當しておる部面から、一應ただいまの會計制度について、簡單に私どもの考えていることを申し述べさせていただきたいと思います。先ほども事務總長さんからお話のあつたように、事務會計と一般會計とがおのずから扱うところ、扱い者の心持、それぞれ違つているという御指摘がございましたが、仰せの通りわれわれ事業を扱う者としては、介業と事業を合理的に經營していくという方面に、非常な重大な關心をもつての仕事振りをいたしております。從つて一般會計におけるように、限られた支出、豫算、これに制約されての仕事振り等いささか考え方としては違つております。もとより豫算でありまするから、その範圍内においての仕事しかできませんが、氣持としては、事業の經營という方面に大きな關心をもつていたしております。從つてただいまの豫算制度が事業會計に一應適當しているかどうかと申しますると、私どもの考え方としては、今の事業會計に對する豫算制度では、いささか不適當ではないかと考えます。もとより會計方式というか、記帳方式というか、その他のそういうふうな面においては――會計方式の點においては先ほどもお話のあつた通りに、今年當初から新しい考え方をもつて現金に重點をおかずに、いわゆる債權債務の發生、すなわち發生主義に基いてすべての記帳等をすることになり、決算等もそれに基いてすることになりまして、從つて形だけはやや企業會計式になつたのでありまするが、それはただ表面だけと申してもよいのではないかと思います。もとより今まではその表面形式上のことすらも十分に行われていなかつた。一般會計と同じような官廳會計式の取扱いをいたした次第でありました、それが今度の事業會計的な形に變りましたのは、一つの大きな進歩であるかとは存じます。しかしそれは形だけのことであつて、その内容はどうかと申しますと、ただいまの一般官廳と同樣の豫算でまず計畫を立てなければならぬというところに、しかもその豫算に計上された金額に、特別の事由による追加豫算が行われない限りは制約されていくということでありまするので、事業的に考えての豫算超過の支出等ができないことに相なります。御承知のように、鐡道の事業についても、事業の消長がそのときどきに起つてまいります。從つてその事業の消長に應ずる、臨機に應じ得る豫算の立て方でなくてはならないのであります。簡單に申せば、お客さんが殖える、貨物が殖える、業務量が増大するということになれば、從つてこれに要する經費はそれに比例してではないが、増加するのでありまするが、その場合に豫算はすでに確定されて縛られておるということになるのであります。またその豫算のきめられたものも、ただいまの制度で參りますれば、すでに半年あるいはそれ以上前の諸條件によつて、豫算の金額なり、その他の生産の基礎ができているということになれば、實際に運營していくときには、現實とかけ離れた豫算ができ上つているということに相なります。從つて實際に豫算を實行する時期になると、實情にそぐわないものが出ているという點があります。これらも實際に事業をする點から申しますと、はなはだ不便が多いといわれなければならぬ。また豫算編成のときにしても、そういうふうに相當前から豫算を編成する關係上、おのずから支出する豫算の制限を受けるという點から、豫算の編成に當つても、ある見込みをそこに附け加えなくてはならない。これは事業會計においては、まことにむだな費額を豫算面に計上するということになります。むしろそういうことのないように、できるだけ將來を見透して、ごく必要なものについてそれを計上しなければならぬのでありますが、おのずからいろいろ、と將來の豫想されない諸種のことを頭に描きながら編成していく。從つてときには決算上から見れば、むだなものも計上されるようなこともある。從つてそれを他に流用するということが起るわけでありますが、今まではほぼ經驗上から申しまして、ある項目については豫算面より少くて濟み、他の項目については多く要つた。この中で一應のバランスはとり得たのでありますが、しかしこれはまつたく形の上で、總額の中で豫算の收支をとり得たということが言えますけれども、企業實體そのものから見たならば、あまり芳しくないやり方ではなないかと考えます。從つて私どもの考えとしては、いわゆる一般會計と同樣な豫算編成という方式を改めて、收支の帳じり、收支の差額というものについての國會の事前の御協贊というふうなことで仕事を進めていく。その收入の増、あるいは支出の増、その年度内における收入が見込みよりも多かつた、あるいは見込みよりも支出が多かつたというふうな點につきましては、その間事業經營者にお任せを願い、なおかつこれをただ事業者のみの考えでするのではありませんで、適當な管理機關というか、管理委員會というか、さような適當なものを何らかの形で議會の一翼として設置していただいて、それが常に收入、支出についての日常の實績を監督していただき、議會は總額としての今の帳じりだけの御審議を事前に願つておくというふうにいたしたならば、事業の上の豫算の運營もよろしきを得るのではないかというふうに考えるのであります。ただいまのは豫算編成のことでありますが、また一方資金の面について考えますと、鐡道でいえば鐡道收入、これが現金としてあがりました場合に、これはやや一般會計の扱い方と違いますけれども、やはり預託金として國庫金の取扱いを受けております。從つてこの收入を一般會社がいたしますように、資金運用を圓滑にする。活溌にするという點が事缺けておるのでございます。極端に申しますれば鐡道の收入は、やはり型にはめられた預金になつて、そのままに殘つておる。そうして要る時にだけ引出されるという状態でありまして、資金の運用にやはり不十分の點があるのではないか、かく考えておる次第であります。この點もいわゆる一般官廳と同じような國庫金制度というものから除外していただいて、一般事業會社と同樣の資金運用というものをいたしたならば、もつと能率のよい現金の動き方をするのではないかとううふうに考えておる次第であります。從いまして以上申し上げましたような觀點から申しますと、豫算とかあるいは資金とかこの點でもつい相當改むべき點がありますとともに、それを實行いたしますと、ここに決算の面、ちようど一般事業會社と同樣に決算の面から十分にこの御審査を願つて、過去一年間なりあるいは半期の業績について、收入あるいは支出の點において、どういうふうな運營のまずい點があつたかという點を御指摘願つて、決算面からの御監査を受ける。こういうのがほんとうの事業會計として望ましいことではないかというふうに考えておる次第でございます。
#23
○冨田委員 ただ今政府當局から非常に有益な、示唆に富んだお話を承りまして、ありがたく拜聽したのでありますが、この鐡道とかあるいは逓信事業のような實態をもつた官廳においては、その運營の方式がただいまのお話のように型にきまつた豫算、決算、こういつたのでなしに、その間にいわゆる企業精神と申しますか、事業運營の上にその當事者の自由な手腕を振わせ、そうして業績をあげる。決算の面においては政府は嚴重に監査をする。これが一番能率を増進させる方法ではないか。こういう結論のように拜聽したのでありますが、これでまいりますと、ちようどいわゆる鐡道を國有國營でやつておりますが、國家管理の形でやつて、もつと企業家精神を活かして、事業のうちに、もつと何といいますか、民營的な精神を吹き込むことが結局よく運營されていくのではないかというふうに私どもは考えるのであります。これは鐡道からさらに逓信に飛ぶようであります、かつて中野正剛氏が逓信政務次官をしておられました時分に、電話民營論を唱えられたことがあります。これはおそらく――戰災をこうむつた今日、その資料が官廳に殘つておるかどうかは存じませんが、私どもの考えからいたしますと、ただいまのお話を拜聽いたしておりまして、しみじみ感じますのは、電話のようなものを民營にいたしまして、きわめて能率的にこれを運營していく。そうしてこうした獨占的な、またこういう公益性をもちましたものについては、國家が十分な管理をしていくという形でいくことが、結局國家のためにもなり、また民間人の幸福のためにもなり、國力の増進になるという結論になるのではないかと考えるのでございますが、ただいまのお話を承りまして、いつそ運輸省を日本鐡道株式會社と改めて、全國民が株主になる。國家は嚴重な管理方式をとる、こういう形でお進めになるような御意思はおありになるものでしようか。たとえば電話事業のようなものでも、これを民營に移して、國家が嚴重な監督をしていく、そうして事業そのものとしてはきわめて能率的なものに運んでいく、こういうお考えになり、あるいはまたそういう方面の御調査なりが進んでおるものでございましようか。それともそういう御意思は全然なくて、ただ現實のままにおいてそういう運營がよかろう、こういうお話でございましようか。
#24
○田中(不)政府委員 運輸省といたしましては、ただいまのところ民營に移すと申しますか、民營でやつていく方がよかろうというふうな氣持はひとつもございません。現在の組織におきまして、その運營方針なり内容をただいま私が申し上げましたようなかつこうにしたならば能率があがるのではないかと考えております。
#25
○大野(勝三)政府委員 逓信事業につきましても、大體状況は、ただいま運輸省の政府委員からお述べになりましたとほぼ同樣でありまして、いろいろな點においていま少し豫算、決算等の面においてなお考究すべき點があるのではないかということをいろいろ考えておるのでありますが、運營の形體自體につきましては、ただいま運輸省の係が述べましたと同樣でありまして、今ただちに形體そのものを根本的にかえるというようなことは考えておりません。
#26
○冨田委員 いろいろ資金面あたりにおいて窮屈な場面ができるというお話でございますが、運輸省なり逓信省のような事業をおもちになる官廳はそういうことにやりなさることはよく私ども了解ができます。しかし今ここに、たとえば大藏省で御調査になりました今年の九月末現在によると、鐵道の方で二百三十九萬六千百萬圓、通信事業において四十四萬八千百萬圓というものが公債、借入金等によつて融通されているように思いますが、この點は事業の面に直接設立つように利用されているのでございましようか。それともそのまま固定しておつて皆樣方の仕事の方に役立たないものでございましようか。
#27
○田中(不)政府委員 運輸省について申しますれば、私どもの方で借入れております額、それから發行しております公債額、これらのものにつきましては關係省、竝びに日本銀行と連絡をとりまして、事業の進捗ぐあい等を十分に勘案いたしました上で、手もとの資金繰りをやりまして、公債の發行竝びに借入れの手續をしておるのでございまして、その間十分資金のむだのないように心掛けてやつております。
#28
○竹山委員長 先ほど伺つたことですが、いわる獨立採算制といいますか、經營の面においての御議論はよくわかりますが、國民の側から見ておつて非常に熱意をもつておられておるのか、あるいはやむを得ずそうなつていくので、檢査院の檢査から見ると、非常に不活發なようにも報告がありましたが、今の感じははたして鐵道事業、逓信事業が非常によく採算制を考えて能率的に運營をされておるというふうに感じておらぬようでありますが、その點はもつていき方というか、方向はどんなお考えですか。
#29
○田中(不)政府委員 委員長さんからのお話でございますが、私どももせつかく努力はいたしておりますが、まだ經營の合理化と申しますか、その他の點につきましても十分な實績をあげているというふうには申し上げかねる次第でありまして、その點はまことに世間に對しましても申譯ない次第でございますが、しかし御承知のように、非常に大きな世帶でございまして、まだ昨今の情勢からいたしまして十分にその實績を見るというところまでは至つていないのでございますが、その點をどうぞ御了承願いたいと存じます。また一方積極面から申しますと、鐵道について申しますれば、輸送の増進、これがやはり經營合理化の一つの積極面でございますが、この輸送力増進ということにつきましても、すなわちできるだけたくさんお客さんの要求を滿たして、旅客を運ぶ、また荷主さんの要請に應じて貨物をできるだけ運ぶという點につきましては、これまた日夜ただいま與えられた條件のもとにできるだけの努力は續けておる次第でございますが、これまた昨今の經營上の諸情勢、石炭その他これに要します各資材等におきましても、十分な確保ができませず、思うような輸送力の増強、從つて積極面の經營合理化という點もいたしかねておるのでありまして、これまた申譯ない次第でございますが、せつかく運輸省六十萬一同一體になつて、できるだけ早く國鐵の再建をいたして、戰前の姿、少くとも戰前の姿に復歸したいということを念願して努力を續けるおるような次第でございます。
#30
○大野(勝三)政府委員 通信事業の運營につきましても、まだ私どもの努力の足りないところは、まさに御指摘の通りで、一層のくふうをこらしていかなければならぬということは重々承知しておりますが、大體御承知の通り通信特別會計が發足いたしました昭和九年から最近までは、通信事業といたしましては年々八千二百萬圓の納付金を一般會計に續けてまいつておりますが、その間それでは通信事業は相當に樂な經營をしておつたために、それだけの納付金を續けてきたのであるかと申しますと、必ずしもそうではございませんで、特別會計になつていわゆる獨立採算というものは、そのときにすでに使命とされてきたのでありますから、當時からずつと引續きまして積極、消極面とも――積極的には増收をはかり、消極的には節約をはかり、物の活用をはかるという點に、非常な努力を、先輩の人たちから今日までずつと續けてまいつております。まだ今日ほど物の窮窟でないころにおきましてすら、御承知の手紙その他の郵便物をくくります把束絲と申します麻糸でございますが、そういう絲なども一遍使いましたものを全部囘收いたしまして、これをつなぎ合わせてだまをつくりまして、それをもつて次の把束に使うといつたように、何度でも使えるだけ使用をしていく。あるいは封皮なども裏返しにしてはりかえて、これを二度、三度と使うといつたような、これは節約の場合の一例でございますが、非常に苦心經營をしてあの重荷の八千二百萬納付金を續けてまいつたのであります。一方當時におきましては、どうやら先ほどお話のありましたような公債に財源をもつことのできます電信、電話等の設備擴張――これとてもその計畫通りには、國家財政の全體の制約がございますから、とうていできはいたしませんけれども、とにかくその方はそれでやつてある程度事業を年年發展させてまいることができたのでありますけれども、そういう途をもたない郵便等におきましては、局舍は非常に古い、もう壽命が來たものも、なおそれを使つていかなければならないというような状況であり、しかもその中に働く從業員の待遇條件はといえば、非常に私どもは殘念でありますけれども、郵便屋かといわれるような、決して惠まれたものではなかつたことは、これは事實でありますから、事業の施設を酷使し、人の勞働を強化してそれによつてしぼり出した汗と油の結晶とでもいうべきものが、一般會計に納付されてきたといつたような實情ではなかつたと思うのであります。戰爭中におきましても、一般會計納付はございませんでしたが、臨軍特別會計に相當の納付金をいたしております。とにもかくにも形の上では、戰爭を終りました昭和二十年度までは、收支を比較いたしますれば、どうやら若干の黒字が出るという状況できたことには、これは相當の努力があつたことを御了解を願いたいと思うのであります。そういたしまして、二十年度に戰爭が終ります途端に、經濟條件が一變いたしまして、非常に諸物價の高騰、生計の困難というものが高まつてまいりましたために、通信會計としましてはそれまでそういうことはなかつたのでありますが、この年に初めて業務勘定において二億六千六百萬圓ほどの借入金をいたしました。これは純粹の赤字でございます。どうしても收支が賄えないというので赤字を初めて借入れをしたのでありますが、爾來二十一年度におきましても十數億の赤字を借入れをし、二十二年度つまり今年度にはいりましてからは、さらに數十億の赤字借入をしなければならない状況でございますが、さてこの赤字はそれではだれが清算してくれるかというと、申すまでもまく通信が特別會計で經營されております限り、通信特別會計自體の負擔においてこれを解消しなけれがならぬのであります。そういうわけでありますから、もちろん料金の是正なども、合理的な限度においては、これをはかつていなかければなりませんけれども、そういうことばかりでなく、今までよりもさらに幾倍もの努力を傾けまして、積極的な増收策をはかり、あるいは消極的には物の節約、合理的使用、活用をはかつていくよりほかに打開の速はないわけであります。それで、私は大藏當局ともいろいろ折衡をいたしたのでありますけれども大藏當局でもその點は十分諒とせられ、通信會計の自發的なそういう出方をほめていただいたくらいの事柄が一つあります。それは例の人の範減の問題であります。二十二年度豫算におきましては、御承知のように、大ざつぱに申しまして職員全部で約四十九萬ほどの人間が豫算上は認められておつたのであります。しかしながら人件費が全體の六割も七割もかさむというような事業の内容を檢討してみますと、どうしてもこの面にうんと壓力を加えて、ほんとうに必要な最小限度の人で、その人たちが百パーセント能率を發揮して働くということでなければ、ともて赤字の解消などは思いもよらないことになります。料金の問題もさることながら、經費の面におきましても、これを非常に節約するという意味合いで、進んで四十九萬から全體を四十三萬まで落しました。追加豫算でこれを落したのであります。これなどは實は御承知のように最近勞働基準法の施行になつておりまして、今まで十時間あるいはひどい所は二十四時間勤務をいたしておりました所も、大體原則としては八時間勤務に直さなければなりません。あるいは女子には生理休暇を勞働協約で約束いたしております。あるいは一週に一囘の休日を與えなければならない。さらにその上に一年には二十日の年次有給休暇を與えなければならないというような勞働條件の不可避な改善のために、人は殖えこそすれ、減る理由はないのでありますけれども、それらの點は極力人の合理的な配置轉換をやるとか、もつと皆に精出してもらう、つまり能率を高めるというようなことで、いわば背水の陣を布いて、人の節減をいたします。もちろんこれで努力が十分であるとは申せませんけれども、俗な言葉でありますが、他力本願ではとてもやつていけない、これは自分で打開しなければならないという意識は、通信事業に携るすべての職員の心持であろうと考えるのであります。そういう意味におきまして、ますます將來とも自力をもつて事業の經營の合理化、その赤字の打開、健全經營ということに邁進したいと考えておる次第でございます。
#31
○冨田委員 ただいまのお話を承りまして非常に私ども力強く感じて心から敬意を表するものでございます。そこで一つお尋ね申し上げたいと思いますのは、通信事業關係は最近特定郵便局を廢止するかどうかということが大分論議の的になつているようでございますが、現在あります特定郵便局は全國でどのくらいの數になつているのでございましようか。またこれを政府が國有にするという場合に、買い上げるための補償金がどのくらいの額に上るものでございましようか、その點おわかりでしたらお伺いしたいと思います。
#32
○大野(勝三)政府委員 現在特定郵便局の數は全國に一萬三千餘ございます。ですから數の上から申しましたならば壓倒的に多いのでございます。中央勞働委員會の方の調停案によりまして、特定郵便局の制度廢止の方針を徹底するということが傳わりましたのにつきましては、實は内容がいろいろございまして、簡單に特定郵便局制度を廢止するということはかえつて誤解を招くおそれがあると考えて、實はああいつたような表現のし方にはちよつと賛成しがたいのであります。しかしながら、調停案といて出たのですから、かれこれ言うわけではございませんが、大體問題の焦點は特定局從事員の待遇、勞働條件がよくない、勞働條件がよくないということは結局特定局制度というものと不可分に結びついているからではないか、これだからこの勞働條件をよくするためには、特定局の制度をやめたがよろしいというのが調停案の筋のように受取れます。ところが御承知のように、特定局の從事員というものは現在ではすべて政府直轄でありまして、普通の從事員と區別はございません。すべて俸給、給料、手當の方は政府が直接出しているのでございますし、その基準も何ら區別はないのであります。ただ昔のことを考えて、明治初年から近ごろまでございました特定局は、御案内の通り郵便局長が、俗に言いますと、諸負式に全部の經費を官から支給されまして、それをもつて局舎維持もしますし、中の施設の維持もし、また人も雇つていくというやり方をしていたわけであります。そういう時代におきましては、どうしても個人使用といつたような關係が人との間には出てまいりまして、待遇なども非常にまちまちになるということは自然の推移でございますが、そういうところに弊害があるというので、最近にすべて人は直轄經理ということになりましたし、そのほか經營上の物品、設備や何かにいたしましても、すべて一應局長の私の經濟にはいるのではなくて、局長として局を運營していく上に必要な經費を渡されたものでありますから、すべてこれを公經濟的に使用するというふうに改めていつておりますので、昔の特定局ならいざ知らず、今の特定局にああいう考え方をすぐに抽象的にもつてくることは、いろいろその意味におきまして誤解を生むようなきらいが非常にあると考えるのであります。それではかりに特別局制度というものを全部廢止して、たとえば現在局舎は局長の提供されたものであつて、國がこれをもつているものではございませんし、備品においてもそうでありますが、そういうものを全部國が引受けて買收するということにいたしますれば、確かな計算はまだいたしておりませんが、おそらく百億以上の金が要るのだろうと思います。そこでそれだけの必要があるかないかということは、相當愼重に檢討しなければならぬ問題でございまして、いずれあの調停案に對しましては、近いうちに政府としての囘答が出るだろうと思いますが、その際にその邊の事情も明らかにされると思いますので、今日はこの程度でお許しを願いたいと思います。
#33
○高津委員 全逓勞働組合の方からいつもこの問題がやかましく取上げられておるのですが、それには少しの理由もないというようにお考えですか。全逓ではこの問題を非常に重く見ていつも叫んでおるので、その趣旨をいろいろ聽かれておるだろうと思うのですが、今の御答辯にはそういう點は少しも現われておらぬようなので、その點をお伺いしたいものであります。
#34
○大野(勝三)政府委員 ちようどお説の通りに私ども考えるのでございまして、どうしてこの問題がああいうふうに執拗に取上げられるかということについては、十分私ども理解することがではないのです。むしろ純粹な勞働問題として取上げられるならば、制度の存廢ということに及ばなくてももつと端的に解決する途はあるはずだし、その途は著々講ぜられつつあるというのが私どもの考えでございます。
#35
○高津委員 相かわらず私的雇用のような關係にやつておつて、局長の目の色、顔色を常にうかがわなければならぬという點がほかの役所にいる者とは全然違う。制度は最近は今御報告になつたように請負式ではないようになつたと言われるが、傳統があつて同じような雰圍氣が特定局には流れているから、それに耐え切れないでああいう叫びが出ているように思うのですが、當局としてはどのようにお考えですか。
#36
○大野(勝三)政府委員 それは非常にデリケートな問題でございまして、あまり主観的なことを申し上げても價値はございませんが、私どもの承知している限りにおきましては、最近はむしろ組合運動が非常に活溌に行われておる現状におきまして、局長の目の色、顔の色をうかがつて働く局員の人よりも、むしろ組合の動向に局長自身として非常に關心を拂わなければならない。その關心という意味を御推察願いたいのですが、むしろそういう方向にあるのではないかと考えております。
#37
○竹山委員長 本日はこの程度にいたしまして、これにて散會いたします。
   午後三時三十六分散會
ソース: 国立国会図書館
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