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1947/10/01 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第13号
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1947/10/01 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第13号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第13号
  付託事件
○磐越東線三春、船引両駅間の要田村
 に停車場を設置することに関する請
 願(第二号)
○鉄道運賃の値上げ反対に関する請願
 (第三号)
○長岡鉄道を國営に移管することに関
 する請願(第四号)
○海運経営方式並びに船員管理に関す
 る陳情(第十五号)
○鉄道運賃値上げ反対に関する請願
 (第十号)
○高崎、熊谷間に電化工事を実施する
 ことに関する陳情(第四十五号)
○鉄道運賃値上げ反対に関する陳情
 (第四十七号)
○磐越東線神俣、大越両駅間の滝根町
 菅谷に停車場を設置することに関す
 る請願(第十三号)
○熊本縣人吉市を基点とする三路線に
 省営自動車運輸開始に関する請願
 (第十五号)
○日本通運株式会社の営業権並びに設
 備を旧関係業者へ還元することに関
 する陳情(第八十五号)
○海運経営方式並びに船員管理に関す
 る陳情(第九十六号)
○東北本線宇都宮、大宮間日光線宇都
 宮、日光間及び両毛線小山、高崎間
 の電化実現に関する陳情(第九十九
 号)
○高崎、熊ヶ谷間に電化工事を実施す
 ることに関する請願(第三十六号)
○海上輸送力緊急増強に関する陳情
 (第百二十三号)
○海難審判法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○鉄道営業法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○木原線鉄道残工事の速成に関する請
 願(第五十六号)
○旧鶴見臨港鉄道外三鉄道線拂下に関
 する請願(第六十号)
○中央線高藏寺、名古屋鉄道小牧両駅
 間に國営自動車の運輸を開始するこ
 とに関する請願(第六十二号)
○山形縣最上郡内に國営貨物自動車の
 運輸を開始することに関する請願
 (第六十四号)
○柳井駅より三路線に、及び田布施駅
 より二路線に國営自動車の運輸を開
 始することに関する請願(第七十六
 号)
○常磐線松戸、我孫子両駅間電化工事
 実施に関する請願(第七十八号)
○江差町、東瀬棚村間に國営自動車の
 運輸を開始することに関する陳情
 (第百五十六号)
○学生鉄道運賃の是正に関する請願
 (第九十号)
○東北本線二本松、本宮両駅間の杉田
 村に停車場を設置することに関する
 請願(第九十二号)
○博多、壱岐及び対馬間の國営航路実
 現促進に関する請願(第九十三号)
○宇部東線電車運轉を山口市宮野地区
 迄延長することに関する請願(第九
 十四号)
○矢島鉄道株式会社救済に関する請願
 (第九十七号)
○常磐線松戸、水戸間電化促進に関す
 る請願(第九十九号)
○信越線高崎、横川間電化工事を実施
 することに関する陳情(第二百一
 号)
○道路運送法案(内閣送付)
○旧小倉鉄道線拂下げに関する請願
 (第百三号)
○信越線柏崎駅附近鵜川鉄橋の径間拡
 張工事施行に関する請願(第百七
 号)
○五條駅、新宮市間の鉄道速成に関す
 る請願(第百八号)
○学生鉄道運賃の是正に関する請願
 (第百九号)
○東海道線沼津、濱松両駅間の電化速
 成に関する請願(第百十二号)
○九州、四國間の省営連絡に関する請
 願(第百十三号)
○愛媛縣東宇和郡宇和町、八幡濱市間
 に國営自動車の運輸を開始すること
 に関する請願(第百十四号)
○山陰線の電化並びに廣島、松江両市
 間直通列車運轉に関する請願(第百
 十九号)
○中央氣象台牛深出張所設置に関する
 請願(第百二十七号)
○九州、四國間省営連絡に関する請願
 (第百三十七号)
○常磐線松戸、平両駅間電化促進に関
 する請願(第百四十二号)
○中央氣象台牛深出張所設置に関する
 請願(第百四十四号)
○旧播丹鉄道線拂下げに関する請願
 (第百六十一号)
○常磐線松戸、我孫子両駅間電化工事
 実施に関する請願(第百六十四号)
○高知縣香美郡山田、大栃間國営自動
 車を岡ノ内まで延長並びに二自動車
 道路開設に関する請願(第百六十六
 号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路運航に関する請願(第
 百七十号)
○豊川鉄道及び鳳來寺鉄道拂下げに関
 する請願(第百七十一号)
○肥薩線電化工事に関する請願(第百
 七十三号)
○札沼線中の撤收区間復元に関する請
 願(第百八十四号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路運航に関する請願(第
 百八十六号)
○常磐線松戸、我孫子両駅間電化促進
 に関する請願(第百八十八号)
○膽振國富内、十勝清水間鉄道敷設促
 進に関する請願(第百八十九号)
○江差町、東瀬棚村間に國営自動車の
 運輸を開始することに関する陳情
 (第二百七十四号)
○福島縣安達郡二本松、浪江両町間に
 國営自動車の運輸を開始することに
 関する請願(第百九十四号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路運航に関する請願(第
 百九十五号)
○旧南海鉄道山手線拂下げに関する請
 願(第二百三号)
○大牟田駅復興に関する請願(第二百
 六号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路の運航に関する請願
 (第二百十二号)
○後藤寺、糸田両鉄道線拂下げに関す
 る請願(第二百十五号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路の運航に関する請願
 (第二百十七号)
○西彼杵半島の陸海運交通の整備に関
 する請願(第二百二十二号)
○民営事業と競合する國営バス開設反
 対に関する陳情(第三百二十号)
○造船技術の振興方策に関する陳情
 (第三百三十八号)
○道路交通行政に関する陳情(第三百
 五十二号)
○磐城西郷信号所、湯野上駅間に鉄道
 を敷設することに関する請願(第二
 百三十六号)
○九州、四國間の省営連絡に関する請
 願(第二百三十七号)
○東北本線磐城西郷信号所を貨客取扱
 駅とすることに関する請願(第二百
 三十九号)
○松本、長野両市間外四路線に國営自
 動車の運輸を開始することに関する
 請願(第二百四十九号)
○羽後鉄道災害復旧に関する請願(第
 二百五十二号)
○關門國道トンネル建設工事促進に関
 する請願(第二百五十三号)
○關門港に外國貿易船の入港促進に関
 する請願(第二百五十六号)
○關門國道トンネル建設工事促進に関
 する請願(第二百六十二号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月一日(水曜日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
   本日の会議に付した事件
○鉄道営業法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。
 請願書の取下げが出ておりますが、請願第百八十号、請願第百八十二号、民営事業と競合する國営トラツク運営対策に関する請願、この請願は取下げになりました。尚又請願第百八十一号民営事業と競合する濱坂、八田間國営トラック開設反対に関する請願、これも取下げになりました。以上御報告申上げます。
 これより鉄道営業法の一部を改正する法律案を議題に供します。先般これに対して大体政府の説明があつたのでありまするが、もう時日も経つておりまして、要領を得ませんので、この点について、もう一遍政府から詳細な一つ御説明を願いたいと思います。
#3
○政府委員(伊能繁次郎君) 先般大臣から本法案の提案理由について御説明を申上げました。更に私からその細部につきまして、一應補足的な御説明を申上げたいと存じます。
 御承知のごとく、最近の鉄道運賃の改正は、從來と著しく事情が異つて参りまして、國の経済、産業、殊に物價との関係におきまして、最近の経済事情が極めて困難な事情にありまするだけ、鉄道運賃の額の変更ということが、非常に大きな影響を物價に及ぼすというような関係から、鉄道運賃をそれ自体で独自に変更するということが、極めて困難なる状況に相成つて参つたことは皆樣御承知の通りと存ずるのでございます。從いまして、去る七月運賃改正をいたしましたときのように、政府の新らたな経済政策としての新物價体系の確立というような大きな経済政策の一連のものとして、鉄道運賃が決定されるというような際におきましては、他の物價、基礎物價、基本的な物資の物價、そのときにおきましては、御承知のごとく鉄でありますとか、石炭でありますとか、米でありますとかいうような、産業上、生活上の最も重要な物價と歩調を揃えて、運賃額の変更をしなければならんというような事情に迫られることが今後も多かろうと存じます。從いまして、そういう際に一ケ月というような比較的長期の公告期間を、事前に公告しなければならんというような際におきましては、それらの全体の経済情勢の変更と歩調を共にして参るというようなことも困難になつて参りまするので、今回経済界の変動に常に対應し得るような態勢を、鉄道運賃の変更についてもとることが必要ではなかろうか、かように考えます。
 勿論鉄道運賃の変更というようなことは、國民の権利に重大な影響がございます。旅客、荷主に不測の損害を及ぼすということも、政府としては当然考えなければなりませんので、通常の場合において、只今申しましたような緊急なる、或いは特別な経済事情の変動というようなものがない限りにおきましては、公告期間の一ケ月ということについては、そのまま特に短縮をするということではありませんで、緊急必要のある場合において短縮する。かような目的を以て本改正案を提出いたしました。
 又他の理由といたしましては、地方鉄道等におきましては、殊に軌道におきましては、二週間という公告期間になつておりまするが、地方鉄道等においては、地方的な短区間、或いは主として地方的な交通を目的といたしまする鉄道等においては、必ずしも國有鉄道のように、一ケ月の公告期間を必要としない場合が多いのではないかということも考えられます。殊に本法は御承知のごとく、國有鉄道、地方鉄道を通じまして適用のある法律でございますので、最近のごとく、経済事情の変動の激しい際におきましては、地方鉄道等において、個々に運賃の変更を余儀なくせられるような事情もございますので、その都度一ケ月というような長期の公告期間を設ける必要も必ずしもないというようなことも考えられる次第でございまして、特に緊急の場合においては七日間に短縮をすることができる、かように規定をいたした次第でございます。
 それと、御承知のごとく、財政法第三條によりまして、國有鉄道の運賃、事業料金等の変更につきましては、國会の議決を経るというような形式に相成りましたので、從來のように、一ケ月の予告期間というようなものを待たずとも、國会の審議の進行過程におきまして國民各位が鉄道運賃の変事の事情を知悉し得るというような状況にも相成つておりまするので、從いまして公告期間を政令によりまして、その実情に應じ、緊急の際には若干の短縮を可能ならしめるという法令を設定することも、現在の経済の実情を適つて行き方ではなかろうか、かように存じまして、本法案の改正を御提案を申上げたような次第でございますので、よろしく御審議を頂きたいと存じます。
 尚、極めて概略の御説明を申上げましたが、御質問等がございますれば、私からいかようにもお答えを申上げます。
#4
○委員長(板谷順助君) どうか御質問がありましたらばお申出でを願います。
#5
○小林勝馬君 只今の御説明によりますと、今まで一ケ月以上の公告をしてからでないと運賃値上げができなかつたのでありますが、今度は七日間の期間があればできるという御説明でございますが、一般大衆の方はそれでよろしいかと思いますけれども、実際事務上におきまするあれは、七日間くらいで徹底し、切符その他にも支障ございませんでしようか。その辺を……。
#6
○政府委員(伊能繁次郎君) 私共といたしましては、緊急の際におきましては、御承知のように乘車券等は紙の節約その他からも旧乘車券を使用するという例を最近数回いずれも取つております。それから又部内全般へ周知せしむることに関しまして、準備その他方端の問題は、一週間ございますれば十分でございます。
 実は先般七月の際は、私共ああいうような非常措置を政府としては採りたくはなかつたのでございましたが、関係方面、その他基本物價との均衝を得た政策の発表の関係上、僅か三日程前に発表するというような非常措置を採りましたが、事務といたしましては一週間ございますれば十分でございます。
#7
○小林勝馬君 先般の三日間でも、大分方々の他方に行きますと、まごついたようなことも聞いておりますし、実際問題としてその携わつておる人の側からいえば、三日三晩寢ずにやつたけれども間に合わんというようなことも私共聞いておりますが、そういう点からいいまして、私は十日間くらいにすることが必要じやないかと思うのでありますけれども、いかがですか。
#8
○政府委員(伊能繁次郎君) 本件につきましては法文にもございまするように「緊急已ムヲ得サルトキハ政令ヲ以テ前項ニ規定スル公告期間ヲ一月未満ニ短縮スルコトヲ得但シ其ノ配間ハ七日ヲ下ルコトヲ得ス」とございまして、これは財政法第三條によりまする國会の審議の内容を少しでも拘束するものではございません。と同時に本法令においてかように書いてございましても、國会においてその時の経済事情に應じて、或いは十日、或いは半月、或いは三週間の公告期間を設けることが適当であるという議決に基いて政府が政令を公布するという形に相成りますので、これはミニマムを規定いたしたものでございまして、実状はその時時の状況に應じて國会が公告期間を御決定下さることについて何ら差支ないのでございますので、最小限七日ということで先ず適当ではなかろうか、かように考えております。
#9
○丹羽五郎君 今小林委員のお説の中に、大衆は七日でもよいけれども、七日で事務が完結できるか、事務の用意が完結できるかというお話でありました。私はいささかそれには意見を異にしておつて、大衆はできるだけこの一ケ月間を私は希望しておることであろう、かように考えております。それでただ希望すべくんば、「緊急已ムヲ得サル」という傳家の宝刀を絶えず抜かないように私共は特にお願いをいたして置きたい。「緊急已ムヲ得サル」ということは本当に止むを得ない折にこの宝刀を使うのでありまして、絶えず「緊急已ムヲ得サル」ということでこの傳家の宝力を抜かれると、大衆の経済にも大きな私は影響を來しはしないか。現在日本の鉄道の前からのことを見ても、恐らく使用時間にしたところが、一週間なり十日なりあれば、相当その使用時間は使えるであろう、かように考えます。その傳家の宝刀を絶えず抜かれるということは、いつも旅客者としては脅えて行かなければならんということもありますし、又この間の三日間でかような高度な鉄道の運賃の値上げをされたということに対しては、非常に輿論も、これには相当運輸省のやり方に向つては余り酷だというようなことで、いろいろな声を聞くことだろうと思います。でき得べんくば、この原則としては一ケ月の公告期間を嚴守するということにしてお願いをしたらどうか、かように考えておりますが、この点について政府の意見をちよと聞かして頂きたいと思います。
#10
○政府委員(伊能繁次郎君) 只今極めて御適切なる御注意を頂きまして、私共も只今の御意見と全く同樣に考えております。國民の権利に重大な関係のある鉄道運賃の変更等につきましては、でき得る限り事前に公告をすることを適当であろうと思います。のみならず、從來のように運輸省自体のやり方……行政措置ではなくして、今後におきましては國会の審議を経ることと相成つておりまするし、最前も御説明申上げましたように、審議過程におきまして、又審議終了の際に國会みずからがその都度期間を御決定を頂くことも、何ら本法の適用を阻害するものでないのでございまして、我々もこういつた重大な國民大衆の権利に関係のある事項につきましては、万全の措置を採り、先般のような特殊な期間の公告というようなことは、でき得る限り避けたいという考えを持つております。
#11
○小林勝馬君 ちよつと御説明と申しますか、釈明申上げますが、大衆がそれでよろしいという意味じやなくて、料金値上げになつても、大衆の方は非常に簡單に行くんだけれども、事務的な方を主に申上げただけで、何でございますから、ちよつと誤解なきようにお願いいたします。
#12
○村上義一君 この問題は國民公衆に運賃の変更を周知せしめて、商取引その他に準備せしめるということが公告期間を設定した理由であると思うのであります。そうしてこれは地方鉄道をも御説明のごとく含んでおるのであります。地方鉄道の個々の会社の運賃値上げという場合に、この改正の條項が適用されて、政令を特に発表せられるというようなことは凡そ想像できないのであります。この改正案が適用せられるという場合は、只今も政府委員の御説明のあつたごとく、経済緊急政策の一環として、眞に「緊急已ムヲ得サル」場合という場合でありまして、而も國鉄の場合と、そうして地方鉄道が全般的に運賃の変動を來すというような場合に限られると考えられるのであります。從いまして地方鉄道関係の場合には、運輸省なり或いは物價廳なりの愼重な審議を受ける筈であります。從つて地方鉄道の運賃値上げ問題が世の中に知らされるようになつてから数ケ月を要するものと思うのであります。又國鉄の場合におきましても、只今御説明のありましたごとく、議会の議決を経んならんということに相成つております。自然その間に、そのプロセスの間に國民なり商取引の関係者は十分知ることができると思うのであります。
 併しこの際伺いたいのでありますが、財政法第三條によつて、國鉄の運賃変動については議会の決議を経んならんというように取決められてありますが、この財政法の第三條は、十條、三十四條と共に、その実施期を政令で規定するというように附則の第一條で決定されておるのであります。この政令はもう御発表になつたのでしようか、伺いたいと思うのであります。
#13
○政府委員(伊能繁次郎君) 政府部内と運輸省に関しましては、今後國会の十分な御審議を頂くことが適当と考えまして、夙にこの適用除外を早くして頂くように、政府部内で目下取纏め中でございます。主管官廳たる物價廳におきまして、関係省たる大藏省、逓信省、運輸省のそれぞれの政府の事業料金等を、今後國会の議決を経るという方向に、あの適用を外すべく目下準備中でありますので、不日この点は御期待のごとくに國会において審議せられることに相成ることと存じます。
#14
○村上義一君 その時期の見通しはいかがでございましようか。この鉄道営業法の一部を改正する法律案が議場において審議せられる以前に、そういう措置がとれるでありましようか。見通しを伺いたいと思います。
#15
○政府委員(伊能繁次郎君) 我々政府部内といたしましては、でき得る限り早く取纏めまして、財政法本來の姿に立ち返らせるように努力いたしておりますが、時期につきましては、実は運輸省自体取纏めの主管官廳でございませんものでございますから、明確にお答えがいたし兼ねますが、若し御必要がございますれば、物價廳の政府委員等を一度お呼び頂きまして、お尋ね頂いた方がよかろうかと存じます。私共はもう一日も早く正規の法律の適用をいたされるように期待をいたして、督促をいたしておる次第であります。
#16
○委員長(板谷順助君) 村上君に申上げますが、物價廳の政府委員を呼びますか。
#17
○村上義一君 一應伺う必要があろうと思うのであります。
#18
○小野哲君 私遅参いたしましたので、今までの質疑應答の内容を伺つておりませんので、或いは重複するようなことをお尋ねいたすかも知れませんので、予め御了承を願つて置きたいと思います。
 まず第一は、今回政府御提案の改正法律案を拜見いたしますというと、この適用は緊急止むを得ない場合というふうな條件が附いておりまして、從いまして、これは一種の臨時的な立法ではないか、かように考えるのであります。特に七月における運賃改正の経過を考えますというと、物價体系を改正する一環として鉄道運賃が取上げられております関係上から申しまして、緊急止むを得ない場合が生ずるということは、今後の我が國の経済状態の推移と睨み合せまして、起り得ることは予想いたされるのでございますけれども、鉄道営業法が恒久的な法律である性格を持つておりますのを、臨時的な意味を持つておるこの公告期間の短縮を、鉄道営業法の改正によつて行うということは、いかがなものであろうか。むしろ鉄道営業法に対する臨時的な措置としての立法をやることが必要ではないか。言い換えれば、恒久立法と臨時立法とを混合するような結果になる虞れがあるのではないか。特に先程政府委員の御説明によりますというと、財政法の第三條の規定によりまして、國会の議決を経るということになつておりますので、新らしい意味においての運賃の制定が行われることに相成りまするので、從來の古い考え方を以て制定されておりまする鉄道営業法の根本の考え方とは非常に懸け隔たつておるのではないか。從いまして私の考え方といたしましては、鉄道営業法に触れないで臨時的な措置としての立法をすることが妥当である、かように考えるのであります。この点に関する政府の御所見を伺いたいと思います。
 次に、先程村上委員からも御質問がございましたが、私もこの点について政府当局に伺いたいと思つておつたのでありますが、先般本院の決算委員会において、大藏大臣に対して、財政法第三條の施行期日はいつかということを御質問いたしましたところが、当時一週間を出でずしてこれを施行する予定だ、こういうふうな御答弁があつたのであります。もうすでに相当の期日が経つておるにも拘わらず、未だに第三條の施行を見ないということは、極めて遺憾な点でありまして、この点については、運輸政府委員から御答弁を願うことは少し行き過ぎではないかと思いますので、差控えたいと存じまするが、たまたまこの鉄道営業法の一部改正が財政法の三條との関聯において初めてこれは効果があるわけなんであります。從つて前提として財政法第三條の措置を、やはり我々といたしましては的確に了承いたしませんというと、この法律案の審議を進めることは困難ではないか、かように思うのであります。この点については、後刻物價廳の政府委員がお見えになるそうでありますので、その場合に讓りたいと存じます。
 次に第三点といたしましては、我が國の経済情勢の変轉が非常に激しい、從つて公告期間も一ケ月未満にしなければならないような情勢が起り得るということを予想されての法律の改正でございますが、この点に関して、政府は、將來においても運賃の改正は七月改正と同じように物價体系との関聯においてのみ実行される御方針を確立されておるかどうか。
 もう一つは、鉄道経営の本來の目的を達成するために運賃の改正を行わざるを得ない、かような必要が起つて來るのではないか。その場合における政府のお考え方はどうであるかということも伺つて置きたいと思うのであります。若し國会が閉会中に、情勢の激変によつて急據運賃の改正をいたさなければならない、言い換えれば、物價体系との関聯において改正いたさなければならないという事態が起りました場合に、果してこの改正法の趣旨が十分に行い得るようなことになるかどうかということが懸念なきを得ないのでありますが。同時に先程政府委員が、早く財政法第三條の施行をみることによつて、必ず國会の議決を経て運賃の改正をいたしたいというお心組を持つていらつしやることは、誠に結構だと思うのでありますが、いろいろ具体的な事情の変化によりまして、お考えのようには行かない場合が起つて來るのではないかというふうなことを懸念いたすのであります。さような点をかれこれ考え合せまして、運賃改正に関する政府のお考え方をこの際合せて伺つて置きたいと存じます。
#19
○政府委員(伊能繁次郎君) お尋ねの第一点につきましては、誠に御尤もな御意見と存ずるのでございまするが、御承知のごとく鉄道営業法は旅客、荷主、公衆の権利を保護する規定が相当にございます。本三條のごときもその一つでございますので、これらについては原則的には、あくまでこの建前は、今日のような時代においては一層確保せられて行くべきものと私共は考えておる次第でございます。從いまして、只今御指摘のような際におきましては、輿論の代表である國会において財政法第三條によつて十分御審議を頂くにおいては、公告期間は一ケ月を下るを得ずという從來の第三條は、必ずしも必要でないという意見も成り立つのではないか、かようにも存ずるのでございます。併し從來より取引の安定を確保し、荷主、旅客、公衆の権利を保護する意味において第三條ができておりまするので、それは飽くまで建前を堅持いたしまして、ただ今日のような経済事情の激変が予想せられる時代におきましては、それに対処して適切に措置を採る必要も合せて考えなければ、経済の実情に副い兼ねる。又それによつて経済界に要らざる動搖を與え、又荷主、公衆に不測の不利益を與える虞れがあると存じますので、この際経済事情の激変に対処する意味におきまして、公告期間の短縮ということも考慮したような次第でございまして、御指摘のごとく、臨時立法というようなお考えも成り立つかと存じまするのでありますが、たまたま第三條の期限一ケ月というものを存置いたしまする上からは、これに対する例外的な規定といたしまして、緊急の際に第三項として一ケ月を短縮して七日までにすることができるという規定を設けることも、必ずしも不適当であるとも考えられまい。かように存じまして、新らたに立法をいたす代りに、営業法の改正法律案という意味で提案をいたしたような次第でございます。
 第二点につきましては、後刻他の政府委員から御説明を申上げることにいたします。
 第三点つきましては、極めて適切な御質疑を頂きまして、誠に有難い次第でございまするが、率直に國有鉄道の財政の現状から將來を卜しますならば、現在すでにあらゆる努力をいたしまして、当初の百七十数億の赤字を百二十億程度に止め得た次第でございますが、それでも現に百二十億の赤字を本年度抱かえて参らなければならん。貨物につきましては、実費は收入の三倍を要しておる。旅客におきまして辛らうじて、普通旅客運賃においてやや黒字を出しておる。定期旅客運賃において相当の赤字を出しまして、平均いたしまして、キロ当り一人一銭五厘ほどの赤字を出しておるというような現状でございまするので、目下國会或いは世上において、すべての事業会計の独立採算制の問題がいろいろと御批判を頂いておりまする現状からいたしまするならば、國鉄の再建、その根幹をなし、経営の合理化と共に独立採算制を強く貫きまするためには、採算上どうしても鉄道自体の経営上の観点から、運賃値上げを考えなければならんという結論に当然相成るのでございます。併しながら先般の新物價体系の一環として運賃値上げを政府としていたしましたような考え方、即ち全体としての調和のとれた物價形成、その基礎をなします動力費でありますとか、或いは交通費のごときは、一般の物價水準よりも相当低めに考慮をして、その上で物價の安定を策するという当面の経済政策は、ここ暫くは尚堅持されるのではないか、かように私共見ております。從いまして、今後物價の基準に重大な変更が予想せられませんければ、鉄道独自の立場において、單独に独立採算制を貫いて、近々の間に運賃値上げをするというようなことは、現在のところは先ず困難である、飽くまで今日のような経済情勢の、單に日本だけでなく世界的にも非常に困難な事情、殊に貿易を十分に伸張して行かなければならんという実情におきましては、全体の物價形成の基本的な要素である交通、殊に鉄道運賃につきましては、他の物價との関聯におきまして、今後妥当な水準にまで変更を加えるということ以外には、差当り鉄道独自の運賃値上げを、今後單に赤字財政ということだけの理由からやるということは非常に困難である、かように考えております。從いまして、私共それらの観点から全体としての経営経済を確保する意味におきまして、石炭の從來の補給金の問題に対する再檢討、その他財政上の借入金等の問題につきましても、國全体の財政資金運用には、國鉄の赤字も十分に採り入れて、全体としての経済に矛盾撞着のないようにということを、特に政府部内においても要求をいたしておるような次第でございまして、当面の御質疑につきましては、いろいろとお考えでございましようかと思いますが、我々としては現在の物價水準、七月の新物價体系の形成に何らか相当な変更が加えられざる限り、差当りの問題として、鉄道運賃のみについて変更を加えるということは困難である、かような見解をとつております。
#20
○委員長(板谷順助君) 今度新らたに委員に就任されました境野清雄君を御紹介いたします。
#21
○境野清雄君 私只今御紹介に預りました境野清雄でございます。どうぞよろしくお願い申上げます。
#22
○小野哲君 大体政府委員の御説明によつて了承いたしておるのでありますが、尚これと関聯いたしまして、二、三の点を伺つて置きたいと存じます。
 この鉄道営業法の一部改正、言い換えれば第三條に一項を加える。内容を拜見いたしまするというと、これだけを見ますると、緊急已むを得ないかどうかということの認定は政府においてやり得る、言い換えれば政令を以て決めるわけでありまするから、その限度においてこの法律が政府に授権をして認定の範囲を與えておる。こういうふうに考えられるのであります。併しながらこの改正法律案は、先程申しましたように、財政法第三條との関係において初めて生きて來る、こういうふうに考えられまするので、從つて財政法第三條によつて國会の議決によるということに相成りまするがために、先程政府委員からの御答弁にもありましたが、公告期間をどの程度にするかということまでも、國会の議決の範囲内に入れてもよいのだという、こういうお考えのようでありまするが、そういたしまするというと、緊急已むを得ないかどうかということ自体も、当然に國会の議決の範囲内に入るべきものである、かようにまあ承知いたすのであります。その点についての御解釈を伺いたいと思います。
 それから尚、國鉄独自の立場において運賃の改正を行う考えは、目下のところ持つておらないというふうな御回答でございましたが、本年度の赤字は大体百二十億というふうなことを伺つておりまして、これに対する措置もそれぞれお取りになつておるようでありまするが、將來一体この赤字の克服についての見通しはどうであるか。二十二年度は大体百二十億で收まるけれども、二十三年度、二十四年度というふうに將來のことを考えますというと、この今年度限りの赤字の処理をすることが、決して國鉄財政の面においてよい結果を與えるものとは考えられないので、むしろこの年度の赤字の処理というものが、將來の赤字の起るべき見通しとの関係において、考えて行かなければならない問題があるのではないか、かように思うのであります。從いまして、独立採算制をこの際確立するということが、諸般の情勢から急速には困難であるという御氣持は十分了承いたすのでありますが、併し物價体系との関係のみによつて、國鉄自体の経営が左右されるというふうなことでは、赤字財政をどう一体今後ともこれを処理して行くかとの関聯におきましては、將來のことを考えまして、誠に心配せざるを得ないのでございます。さような意味合において、私が申上げようといたしておりまする本意は、新物價体系の一環としての運賃、こういうことは勿論國全体の経済復興等と考え合せました上では、理論的には、正しい、理論的であろうと思いますが、併しこの種の理論だけでは、國鉄の経営はいけないのではないか、そこまで追込まれた姿が今日の國鉄の財政事情じやないかというふうにも考えられますので、將來の赤字の克服、赤字の処理というものとの関聯において、運輸当局といたしましては、目下のところは新物價体系の一環としての運賃の改正、運賃政策というものをおとりになつておりまするが、もう一歩進めて、將來の関係をお見通しをおつけになつた場合においては、どういうふうにすることがよいか、こういう点についての御所見を承りたいと思います。
#23
○政府委員(伊能繁次郎君) 御質疑の第一点につきましては私からお答え申上げます。その後の基本的な問題につきましては大臣から申上げます。
 御質疑の点につきましては、財政法第三條との関聯におきまして、國有鉄道の運賃の変更につきましては、御指摘のごとく我々政府といたしまして、その時その時における運賃、料金の変更が緊急でありや否やの実情は、篤と國会に御説明をいたすつもりでありまするが、それが内容をいかに決定するか、緊急なりや否やの御審議につきましても、御指摘のごとく國会みずからのお考えにおいて御決定を頂くことは何等差支ない、かように存ずる次第でございます。
#24
○國務大臣(苫米地義三君) 小野委員から御質問のありました第二点、これは先刻來皆さんからも御質問のあつた点でございますから併せまして私からお答え申上げたいと思います。
 國鉄の特別会計を独立採算制によつて考えて行かなければならん点と、それから現在の運賃をそれによつて、それに合せるべく是正するという点でございますが、七月の改正につきましては、実は独立採算制を実行したいという氣持で取掛かつたわけでありましたが、たまたま全面的な新物價体系を構成しなければならんということでありまして、外の條件を無視しては運賃だけを切離して考えるわけには行かなくなつた。そこで運輸省の單独の計算からはできないことになりますので、経済安定本部の新物價体系の一環として運賃の取決めをして貰つたわけであつたのであります。その当初はやはり独立採算が取り得るということで計算がされたのでありまして、三倍半にいたしますれば、凡そ四十二億ぐらいの赤字が出る。こういう計算でありまして、その際には物價の安定帶というものは大体四十八倍乃至五十倍ぐらいに著つくという予想であつたかのようであります。その出ます四十二億の赤字ならば、我々は経営合理化によつてこれを埋合すことができるという実は見当をつけまして、それならば結構だということに最初やつたのであります。ところが物價を構成して行きまする技術上の関係から、刎ね返りが段々ありまして、結局その全面的な物價の安定帶というものは六十倍乃至六十五倍に收まつた、こういうことになつたのでございます。併しながらその物價の出ましたのは、結局賃金は千八百円、運賃はさつき申しました三倍半という基準によつて出ましたものでありまするから、これを更に運賃の独立採算になるようにいたしますには、外の物價に対して全面的な影響を及ぼす、こういうことになりましたので、運賃の決め方はそのまま原案通り決まつたわけでありまして、從つて鉄道で使用いたしまする石炭初めその他の諸物資は、最初の四十八倍から六十五倍になつたものを使うものでありますから、赤字が殖えまして、先程申上げましたような工合になつたのであります。
 然らばその赤字を將來どうするかという問題がここに大きく残つておりまするが、これは現在の新物價体系を堅持するという建前からいたしまして、直ちに運賃に手を掛けるわけにいかんのであります。そこで赤字は当分借入金で処理をいたして置きまして、その間に鉄道といたしましては、でき得る限り経営の合理化を図つて、そうして節約の限度をできるだけ多くいたすということを考えておるわけであります。その経営合理化の面につきましては、いろいろ積極面と消極面とございまして、現在それぞれ計画を立てております。例えば私共の考えの大きな一つの面といたしましては、鉄道の使います動力源の確保、この動力源の確保ということは鉄道経営の上から非常に大きな問題でございます。一つは電力の確保と電化の問題、他の一つは石炭の適正なる品質のものを確保する、こういう二点でございます。若し石炭の面から申しましても、現在の百数十種にわたる雜炭の、而も低カロリーのまちまちの雜炭を整理いたしまして、七千カロリーに近い石炭が確保されまするならば、恐らく石炭の量は半量以下に下ると思うのであります。この技術的な研究をしております。それからもう一つは電化の問題でございまするが、これも現在信濃川の発電をいたしまして、そうしてその電源によりまして、できる限り電化を実行するということによりまして、石炭の節約が半減以下になるという計算が出ております。これらのことを今具体的に研究をし、又着々とその方向に進めておりまするが、かような点が大体進行いたしまするその経過と、今の物價経済の安定とはほぼ歩調を合せまして、適当な機会には……それでも尚赤字が出るというような場合は、これは運賃の方についても檢討されなければならないと思うのであります。
 併し運賃の檢討をいたしますにつきましても、必ずしも旅客と荷物とを同時にやる必要があるかどうか、こういうことも考えなければならんと思います。例えば旅客の運賃ならば、生活費に直接の影響はありまするが、貨物運賃ならばそれ程影響をしないというようなことも考えられるのであります。なぜならば戰前即ち昭和十一年の、例えば米に対しての運賃は、米の價格に対して、その当時の運賃は一%余であります。今日ではそれが〇・四くらいになつております。これらの点はまあ仮に一%になりましても、國民生活には直接そう大きな影響を與えないということであれば、むしろ貨物の輸送運賃について考えられるかも知れない、こういうことを今各方面で研究、準備いたしております。やがて成案でもできますれば、そのときには國会の御審議を得て、そうして只今上程されておりまする法案によりまして、御審議を願いたい、こういうふうに考えております。
#25
○丹羽五郎君 只今小野委員の言われたことで殆ど私共の言わんとすることを言い盡しておるのでありますが、私はこの場合に端的に一つお尋ねして見たい、かように考えております。
 前の七月の三倍半の値上げに対して私共は実は反対であつたのであります。今伊能長官の言われた新物價体系に調えるがためにということでありますが故に、私共は國民生活に重大なる影響を及ぼすこの運賃に対して、実は涙を呑んでこの値上げに賛成をした次第であります。そのときに伊能長官は実は七倍半値上げをしなければバランスが取れないのだ、いずれこの三倍半の値上げには、まだ鉄道当局としては足らないのであるから、或いは又七倍半の値上げをお願いすることがあるかも分らんというようなことを、私の或いは聞き違いかも分らんが、私はさように聞いておつたこともあるのであります。政府が今回緊急止むを得ざるというようなデリケートな言葉を使つて、この改正案をお出しになつたというその意図には、無論理論的のお話は、今よく伊能長官から承つて一應の納得はしましたが、近い將來に、私は先程申上げた傳家の宝刀を拔き、この運賃の値上げをやるというその意図の中に入つて、この改正案をお出しになつたというようなことがないのであるか。私は端的にお尋ねをしてお答えを得たい、かように考えております。
#26
○政府委員(伊能繁次郎君) 甚だ率直なお質問で、誠に有難いと思いますが、ちよつと速記をお止め願います。
#27
○委員長(板谷順助君) ちよつと速記を止めて下さい。
  〔速記中止〕
#28
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。
#29
○村上義一君 只今運輸大臣から小野議員の質問に対しましていろいろお話を伺いました。先般も國鉄の経済白書を御発表に相成りまして、國鉄の財政状態が誠に容易ならざる実情に追い込まれておるということをしみじみ痛感する次第であります。これに対処して運輸大臣は石炭の効率増進、或いは節約、又電化計画等によつてできる限り赤字の克復をやるという只今のお話でありました。併し尚それでも赤字の克復は近き將來においては殆ど不可能じやないかということも考えられるのであります。この國鉄の財政独立という線を堅持なさるためには、勢い運賃の値上げということがそこに現われて來るのじやないかと思うのであります。要するに、國鉄の財政につきましては誠に憂慮すべき状態であるということを知つて心配に堪えないものであります。実は只今大臣から御説明になりました石炭関係、又電化関係その他の合理化措置ということについては、速かに五ケ年計画と称するものをお立てになつて、諸君に示そうというお約束を先に受けて、私共は実は首を伸してその御発表を待つておる次第であります。國鉄が今後いかになるかということを心配すればする程、この御発表を寸時も速かなれかしと実は期待いたしておる次第であります。只今大臣の御説明にも、今取調べておるんだというお話でございました。勿論この難局に処して確固たる見通しをおつけになるのは非常に困難なことだと存じまするが、大体いつ頃私共にお示し下さるお考えであるのでありますか、伺いたいと思うのであります。
 尚、一言附け加えまするが、本年度の追加予算に百二十億の赤字が計上せられ、恐らく只今もお示しのごとく、借入金で賄うという予算補正案が出ることと想像するのであります。この予算の審議に当りましても、これは非常に重大な関聯をもつて來ることと思うのでありまして、これをお漏し願いたいと存じます。
#30
○國務大臣(苫米地義三君) 今お話の通り、全く鉄道の経理状態は非常に憂慮すべき事態でございまして、私共それに対して全力を注いでその改善に向つて研究いたしております。それで大体省内の方の事務的な腹案も、材料も整え終るような段階に達しましたから、実は國会にお諮りをする前に、もう一遍輿論の権威のある方々に一つ御檢討願つて、はつきりした案を作つて、そうして御参考に供したい、こう考えまして、今鉄道復興会議という構想の下に、大体腹案ができまして、近い内に委員になつておられる方々に一つお願いしたい、こう思つております。できるだけ早く進めまして、成案を得ましたらば皆さんにそういう一つの参考資料を提供いたしまして御審議を願いたい、こういうふうに考えております。できるだけ早く促進するようにいたします。
#31
○委員長(板谷順助君) いかがですか、他に質問ありませんか。村上君に申上げますが、物價廳の第一部長の出席を求めましたところが、何か手放し兼ねる纒めなければならん要件があるために出て來られないという返事でありまして、この点は委員会としては非常に遺憾に考えておる次第であります。ところで、安本の次長が今の財政法の第三條の問題について、或る程度分つておるということでありますから、とにかく安本次長に出席を要求してあります。それで不十分でありましたら又第一部長を更に呼ぶことにいたしますから御了承願います。
#32
○村上義一君 只今委員長の御説明のごとく、安本の関係当局の御出席がないことは誠に遺憾に堪えません。これも止むを得ません。ただこれに関聯いたしまして一應運輸当局の御意見を伺いたいのであります。
 この改正法律案において、この附則において、今の財政法第三條の中に示されております國の独占事業の事業料金について施行するという條項を、この附則に入れるということは今までお考えにならなかつたでしようか、一應伺いたいと思います。
#33
○政府委員(伊能繁次郎君) 実は私共の率直な考え方といたしましては、本法案を提出いたしますに際しては、最前小野さんからも御指摘でございましたように、運輸、大藏当局といたしましては、本法案提出に際しては、財政法第三條の適用を前提といたしまして提出をすべきものと考えておつたのでございます。それが事務的に遅延をいたしまして、只今お尋ねのような問題も考えたかという御質疑と存じますが、私共は飽くまでも財政法第三條に関する適用除外の規定を外すということは、もう当然のことでございますし、本來の法律制定の趣旨に立ち帰ることでございますので、今のような考え方は実はいたしませんで、本法案の改正と同時に、財政法第三條の問題は直ちにその適用除外の規定を外すという方向に参ることだけを考えておりますものですから、御指摘のような点については実は思い至りません。
#34
○丹羽五郎君 大分論議もされましたが、今村上氏の発言によつて、物價廳のどなたか來るまでこの議案の審議は一應止めて、その次に議事進行上、道路運送法案の予備審査の説明でもお願いしてはどうかと考えます。
#35
○委員長(板谷順助君) その説明も先日済んで、質問も或る程度やつたのですから、これも継続いたします。それから鉄道営業法はまだ打切りません。そうするとどういたしますか。道路運送法案の審議を続けますか。或いは一先ずこの営業法の問題を片付けてから、それに移りますか。ちよつと速記を止めて。
#36
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて。物價廳並びに安本の政府委員の出席を要求しておりますけれども、出席のないために質疑の継続ができないことは非常に遺憾に存じます。それでは本日は……。
#37
○橋本萬右衞門君 散会する前にちよつと伺いたいのですが、今の問題以外ですが、長官がおいでですから、極く詰らない問題ですが、軽い意味でお尋ねしますから軽い意味でお答え願います。
 先般郷里へ帰つたついでに、磐越西線の川桁駅と塩川駅へ行つたところが、駅長が官舍に入らないで元の任地から通つておる。どういうわけかといつたら、前駅長が自分の任意で轉勤になつたのではないから、官舍を明ける必要はないといつて、官舍を明けない。或いは義務官舍といいまするか、強制官舍といいまするか、官舍は事務の延長である。それは当然明けなければならんじやないかと思つたところが、明けないで、川桁駅長は会津若松から、塩川の駅長はやはり前任地から通つておる。どういうものかと思いましてそれについてちよつと……。
 今度は仙台鉄道局で、局長に用事があつて参りまして、そのついでに外の局長に行こうと思つて、廊下を通つてくると、午後二時頃でしたが、一杯で通れない、近くピンポンの大会があるので稽古しているとのことで、それが午後二時頃で、いかに官紀が弛緩しても……。理窟ではございませんが、ちよつと現状を申上げて……。
 今の官舎の問題は段々お聞きしてみると、全國到る所にあるそうです。
#38
○政府委員(伊能繁次郎君) 第一点の官舎の問題につきましては、事情私直ちに調査いたしますが、從來の慣例によりますと、御承知のように、移動の突詰めた一番奥は、退職が前提になつております。一人が辞めますか、或いは退職した場合には、御承知のように管理部へ栄轉しますとか、本局へ栄轉しますとか、そういう事態によつて移動が起ります。そういたしますと、昨今のような住宅拂底の際には、直ちに移るということが非常に困難で、退職いたしました者で飽くまで頑張ろうという氣持を持つておる者も勿論なかろうと思いますが、直ぐ移ろうにも家がないというような事態が、これはひとり運輸省だけではなく、各所に実は起つておりまして、一ケ月若しくは場合によりますと、それ以上、駅長が旧任地から通うという事態が起る。それで今御指摘のような所でございますと、二時間なり或いは一時間半程度で、通勤が可能でありますれば、止むを得ず通勤をいたすということに相成りまするが、場合によりますれば、可なり遠距離からでございますと、駅長は暫く下宿をいたすことに指導をいたしております。只今のお話でございますと、任意の轉勤ではないからと申しますが、私共現状においては、駅長等について一々本人の意向を聞いて轉勤をさしておりません。ですからその轉勤が若し不当でありますれば、これは労働協約によりまして、異議の申立てができるだけでございまして、時々下の工員、傭人等につきましては、任地を離れられない実情もございますので、時に駅長が個人的に事情を聞いて置くことは從來でもございまするし、殊に最近のように労働組合が結成されておりますれば、そういう事情に相成つておろうと存じますが、幹部である駅長等につきましては一々個人的な意図を聞いておりませんから、或いは何かの行違いかと存じますが、実際は一番先の本の動く人が辞めて、直ぐ家がないとか、或いは管理部本局へ轉勤して、直ぐ家が見つからないということで、押せ押せに動かないということは、各地に実は現出いたしております。御承知のように福島、郡山或いは若松、そういう大きい所には合宿が必ずございますので、駅長助役は合宿に入る、そうして前任者が轉勤し或いは退職して、官舎を明けるのを持つて全部が移動するというような、最近は実情に相成つております。今のが任意轉勤でないから動かないということは恐らくないじやないかと思います。早速取調べます。
 第二点につきましては、実は誠に申訳ない次第でございまして、さようなことがございましたかどうですか篤と調べませんが、率直に申上げますと、仙台鉄道局はピンポンの非常に日本的に強い局で、先般のオール日本の優勝の際青森とございましたが、実は仙鉄職員で、日本的に非常にピンポンの強い所で、どういう大会でございましたか、大会を控えて、そういう不始末、官紀が弛んでおるということに相成つては、誠に申訳ございません。今後しかと戒飭するようにいたします。
#39
○委員長(板谷順助君) 本日はこの程度にて散会いたします。次回は明後日午後一時半にいたしたいと思います。
   午前十一時五十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           丹羽 五郎君
          橋本萬右衞門君
           小野  哲君
   委員
           内村 清次君
           小泉 秀吉君
           若木 勝藏君
           淺岡 信夫君
           大隅 憲二君
           水久保甚作君
           境野 清雄君
           小林 勝馬君
           飯田精太郎君
           村上 義一君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 苫米地義三君
  政府委員
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      伊能繁次郎君
ソース: 国立国会図書館
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