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1947/10/03 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第14号
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1947/10/03 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第14号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第14号
  付託事件
○磐越東線三春、船引両駅間の要田村
 に停車場を設置することに関する請
 願(第二号)
○鉄道運賃の値上げ反對に関する請願
 (第三号)
○長岡鉄道を國営に移管することに関
 する請願(第四号)
○海運経営方式並びに船員管理に関す
 る陳情(第十五号)
○鉄道運賃値上げ反對に関する請願
 (第十号)
○高崎、熊谷間に電化工事を実施する
 ことに関する陳情(第四十五号)
○鉄道運賃値上げ反對に関する陳情
 (第四十七号)
○磐越東線神俣、大越両駅間の瀧根町
 菅谷に停車場を設置することに関す
 る請願(第十三号)
○熊本縣人吉市を基点とする三路線に
 省営自動車運輸開始に関する請願
 (第十五号)
○日本通運株式会社の営業権並びに設
 備を旧関係業者へ還元することに関
 する陳情(第八十五号)
○海運経営方式並びに船員管理に関す
 る陳情(第九十六号)
○東北本線宇都宮、大宮間日光線宇都
 宮、日光間及び両毛線小山、高崎間
 の電化実現に関する陳情(第九十九
 号)
○高崎、熊ケ谷間に電化工事を実施す
 ることに関する請願(第三十六号)
○海上輸送力緊急増強に関する陳情
 (第百二十三号)
○海難審判法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○鉄道営業法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○木原線鉄道残工事の速成に関する請
 願(第五十六号)
○旧鶴見臨港鉄道外三鉄道線拂下に関
 する請願(第六十号)
○中央線高藏寺、名古屋鉄道小牧両駅
 間に國営自動車の運輸を開始するこ
 とに関する請願(第六十二号)
○山形縣最上郡内に國営貨物自動車の
 運輸を開始することに関する請願
 (第六十四号)
○柳井駅より三路線に、及び田布施駅
 より二路線に國営自動車の運輸を開
 始することに関する請願(第七十六
 号)
○常磐線松戸、我孫子両駅間電化工事
 実施に関する請願(第七十八号)
○江差町、東瀬棚村間に國営自動車の
 運輸を開始することに関する請願
 (第百五十六号)
○学生鉄道運賃の是正に関する請願
 (第九十号)
○東北本線二本松、本宮両駅間の杉田
 村に停車場を設置することに関する
 請願(第九十二号)
○博多、壱岐及び對馬間の國営航路実
 現促進に関する請願(第九十三号)
○宇部東線電車運轉を山口市宮野地区
 迄延長することに関する請願(第九
 十四号)
○矢島鉄道株式会社の救済に関する請
 願(第九十七号)
○常磐線松戸、水戸間電化促進に関す
 る請願(第九十九号)
○信越線高崎、横川間電化工事を実施
 することに関する陳情(第二百一
 号)
○道路運送法案(内閣送付)
○旧小倉鉄道線拂下げに関する請願
 (第百三号)
○信越線柏崎駅附近鵜川鉄橋の徑間拡
 張工事施行に関する請願(第百七
 号)
○五條駅、新宮市間の鉄道速成に関す
 る請願(第百八号)
○学生鉄道運賃の是正に関する請願
 (第百九号)
○東海道線沼津、濱松両駅間の電化速
 成に関する請願(第百十二号)
○九州、四國間の省営連絡に関する請
 願(第百十三号)
○愛媛縣東宇和郡宇和町、八幡濱市間
 に國営自動車の運輸を開始すること
 に関する請願(第百十四号)
○山陰線の電化並びに廣島、松江両市
 間直通列車運轉に関する請願(第百
 十九号)
○中央氣象台牛深出張所設置に関する
 請願(第百二十七号)
○九州、四國間省営連絡に関する請願
 (第百三十七号)
○常盤線松戸、平両駅間電化促進に関
 する請願(第百四十二号)
○中央氣象台牛深出張所設置に関する
 請願(第百四十四号)
○旧播丹鉄道線拂下げに関する請願
 (第百六十一号)
○常磐線松戸、我孫子両駅間電化工事
 実施に関する請願(第百六十四号)
○高知縣香美郡山田、大栃間國営自動
 車を岡ノ内まで延長並びに二自動車
 道路開設に関する請願(第百六十六
 号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路運航に関する請願(第
 百七十号)
○豊川鉄道及び鳳來寺鉄道拂下げに関
 する請願(第百七十一号)
○肥薩線電化工事に関する請願(第百
 七十三号)
○札沼線中の撤收区間復元に関する請
 願(第百八十四号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路運航に関する請願(第
 百八十六号)
○常磐線松戸、我孫子両駅間電化促進
 に関する請願(第百八十八号)
○膽振國冨内、十勝清水間鉄道敷設促
 に関する請願(第百八十九号)
○江差町、東瀬棚村間に國営自動車の
 運輸を開始することに関する陳情
 (第二百七十四号)
○福島縣安達郡二本松、浪江両町間に
 國営自動車の運輸を開始することに
 関する請願(第百九十四号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路運航に関する請願(第
 百九十五号)
○旧南海鉄道山手線拂下げに関する請
 願(第二百三號)
○大牟田駅復興に関する請願(第二百
 六号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路の運航に関する請願
 (第二百十二号)
○後藤寺、糸田両鉄道線拂下げに関す
 る請願(第二百十五号)
○四國循環線の全通促進並びに九、四
 連絡省営航路の運航に関する請願
 (第二百十七号)
○西彼杵半島の陸海運交通の整備に関
 する請願(第二百二十二号)
○民営事業と競合する國営バス開設反
 対に関する陳情(第三百二十号)
○造船技術の振興方策に関する陳情
 (第三百三十八号)
○道路交通行政に関する陳情(第三百
 五十二号)
○磐城西郷信号所、湯野上駅間に鉄道
 を敷設することに関する請願(第二
 百三十六号)
○九州、四國間の省営連絡に関する請
 願(第二百三十七号)
○東北本線磐城西郷信号所を貨客取扱
 駅とする請願(第二百三十九号)
○松本、長野両市間外四路線に國営自
 動車の運輸を開始することに関する
 請願(第二百四十九号)
○羽後鉄道災害復旧に関する請願(第
 二百五十二号)
○關門國道トンネル建設工事促進に関
 する請願(第二百五十三号)
○關門港に外國貿易船の入港促進に関
 する請願(第二百五十六号)
○關門國道トンネル建設工事促進に関
 する請願(第二百六十二号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月三日(金曜日)
   午後一時五十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○鉄道営業法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。予め諸君の御了解を得て置きたいことは、委員会の出席率が極めて低調でありまして、本日の常任委員長の会議においても問題となつたのでありまするが、中には非常に御熱心に欠かさず御出席になる方もありまするが、どうか各派におかれましても、努めて御出席を願いますように、欠席勝ちの方に対しては御警告あらんことをこの際お願いいたして置きます。
 これより鉄道営業法の一部を改正する法律案の質疑を継続いたします。
#3
○小野哲君 鉄道営業法の一部改正の法律案につきましては、前回私からも質問をいたしたのでありますが、本日は各関係の政府委員もお見えになつておりますので、更に質問を継続いたすことをお許し願いたいと思います。
 この改正法律案が財政法の第三條を前提とし、又これと密接な関聯の下に施行されるということは政府当局からも御答弁もありましたし、私共もさように了解しておるのであります。実は相当以前に大藏大臣に対して決算委員会でありましたが、財政法第三條の施行について、政府はどの程度の準備をしておられるかということを私から質問いたしましたところが、極めて近い機会に施行する予定である、こういうふうな御言明があつたのであります。從いまして、この鉄道営業法の改正法律案を本委員会で審議いたします場合におきましても誠に好都合であるという考えの下に、非常に期待を持つておりましたところが、この法律案の付託を受けまして、審議をいたしておりまする今日においても、尚財政法第三條の施行を見ておらん、こういう実情にあるのであります。從いまして極言いたしますというと、財政法の第三條を前提としておる鉄道営業法の一部改正は、財政法第三條の施行を見ない限りにおいては効果がない、意味が失なわれる、こう申しても過言ではなかろうと存ずるのであります。從いまして政府は一體財政法第三條の施行についていかなるお考えを持たれ、又これに對して具体的にどのような準備をされておるかということを先ず以て御質問いたしまして、更に私の質問を継続させて頂きたいと思います。
#4
○政府委員(佐藤達夫君) 便宜私から一應のお答えを申上げたいと存じます。この財政法第三條の施行の問題につきましては、これは主として主管省としては大藏省でありますが、政府全体として殊に大藏省当局といたしまして、少くとも財政法の期待しておるところを早く実現したいという意図の下に鋭意努力をして参つておるわけであります。むしろ私から見ておりますと焦つておると申上げてよいくらいに実は努力をしておるのであります。併しながら一般的の問題として、第三條にいう政令を以て施行する、一般的の問題といたしてはいろいろな経緯が引つ絡つておりまして、その間に調整を要するところがいろいろありまして、それらに関聯して種々苦慮しつつ努力をしておるということを申上げ得ると思うのであります。
 併しながら、今申上げましたのは一般的の問題としてでありますが、この財政法第三條の趣旨とするところを一日も早く実現する方法といたしましては、今の政令を以て施行する問題と又別個の手段はあるわけであります。例えば郵便料金というふうなものは、通常料金は今郵便法で決まつておりますが、その他の特殊の郵便料金というものは法律では決まつておらなかつたのであります。それらのものは今回郵便法を全面的に改正いたしまして、法律ではつきり決めてしまわう、これは恐らく第三條の趣旨にぴつたり合うであろうと思います。郵便法のそういう趣旨の改正案のごときも、近く提案して御審議を煩わすことになると思います。さような方面における努力をも続けておるということを一應申上げたいと存ずるわけであります。
#5
○小野哲君 只今法制局長官から御苦心のある樣子を伺つたのでありますが郵便法の改正等によつて、特段の措置を講ぜられるというふうなお考えはあるようにも承るのでございますが、併しながらそれはそれとして置いて、今問題としておりますのは、鉄道営業法の一部改正に関する問題でありましてこの問題と関聯いたしました財政法の三條について、どう措置をするかという点に論点があるのでございます。從つて若し只今の法制局長官のお言葉を更に拡充して考えますというと、郵便料金の場合と同じように、鉄道運賃についてもさような措置を講じてもよいのではないかというふうにも聽き取ることができるのであります。併しながら鉄道営業法がございまして、而も政府としては、鉄道営業法の一部改正をする法律案までお出しになつておるところから考えますというと、財政法の第三條に対して、鉄道運賃に関する特別の措置をとらないで、飽くまでも財政法三條の趣旨に基いた運用をやつて行こうという御趣旨であろうと思うのであります。從つて只今の長官の御意見は御意見として承つて置きますけれども、この法律案と直接具體的に関聯があるものとは私には考えられないのでございます。從つていろいろ御苦心をされ、或いは又この場でお話になり兼ねる事情もあるかとは察せられますが、場合によりましては委員長のお取計いによりまして、もう少し内容的なお話を伺つてもよいかと存じまするけれども、要は鉄道営業法のこの改正法律案を運輸当局が考えておりまするように、これを施行して行くというためには、どうしても財政法第三條の施行が前提にならなければならない。從つて一体政府は本委員会において、鉄道営業法の一部改正の法律案を審議することを、このまま我々の審議に委ねられたままで以て、これに対する何らかの対策を講ぜられるということをなさらないかどうかというふうな点につきましても、十分考えなければならないと思うのであります。特に鉄道運賃は先般七月にポツダム政令による非常措置によつて、鉄道営業法の第三條の規定を変更いたしましてやつておる。又今回の法律案が成立いたしますというと、この政令は廢止して行こうというふうなことにもなつておりますので、これは関係があるという以上に、密接不可分の問題である、かように考えざるを得ない。從つて更にもう少し強く申しますというと、財政法第三條が実施されなければ、この法律案の審議も不可能ではないか。又仮に審議をいたしましても、この法律の施行はできない。
 こういう施行のできないような法律案を、この委員会で審議するということは妥当でないじやないか。こんなようなふうにもまあ論理的な結論になるのじやないかということを実は心配いたしておるのであります。
 さような意味合いにおきまして、もう少し具体的に御苦心のあるところ、或いは單に鉄道運賃のみならずその他の料金等の関係もあるようでありまするので、それらをお考え合せの上での御説明を承れば結構だと思うのであります。
#6
○政府委員(佐藤達夫君) 最後にお申述べになりました点については、他の政府委員からお答えすることができると思うのでありますが、最初の部分の私の説明に関聯してのお尋ねの部分、今の議題になつておりまする鉄道営業法の一部改正の法律案は無意味ではないかという部分につきましては、誠に御尤もなお尋ねであると拜承いたします。ただ先程私が申述べましたのは、財政法第三條の一般の施行の問題について非常なむづかしい問題があるということを申上げまして、それと同時に郵便法の例を申上げたのでありまするが、そういう郵便法のごとく、三條の問題と並行した、而も三條の趣旨に合致する方法というのは、勿論別に採り得るわけであります。例えば國会の議決というものを、仮に三條が施行されておりませんでも、或る種の料金を決める上については、國会の議決をお願いするという手は勿論あるわけであります。そういう点と絡み合せて考えて見ますると、只今の御審議をお願いいたしております鉄道営業法云々の法律案もまた、これは形式論で甚だ恐縮でございますけれでも、無意味ではないというふうに考えております。
#7
○小野哲君 ちよつと今の法制局長官の御説明に対して申上げて置きたいと思うのであります。今の御説明によりますと、財政法第三條の施行に拘わらず、別途の方法によりまして國会の議決を求め得る途がある、こういうことになりますと、おのずから又問題が別個の方に進んで來ると思います。然らばいかなる方法によつて國会の議決を求められるか。又そういうふうな方法が講ぜられるとするならば、この鉄道営業法の一部を政府提案のごとく改正いたしますことも意味があることである、かように思いますことは、法制局長官の御意見と全然同感でございます。そういうふうな点についての我々の理解がもう少し深まつて來ませんとこの問題についての措置が困難じやないかというふうな点が懸念されるわけであります。
 尚法制局長官に対しましては、後程続いてお尋ねをいたしたい点がございまするが、先程私から質問いたしました第二点の問題につきましては、関係政府委員からの御説明を煩したいと思います。
#8
○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#9
○委員長(板谷順助君) 速記を中止して下さい。
   〔速記中止〕
#10
○委員長(板谷順助君) 速記を継続して下さい。
#11
○小野哲君 只今平田政府委員からの打割つたお話がありまして、そういうふうな経緯もおありになるだろうとは思うのであります。併しながら、こういうふうな緊急な事態であるから政令でやるのだというふうな考え方は、私はいかがかと思うのであります。特に物價であるとか、或いは財政法第三條に掲げられておりまするような諸料金というふうな問題は、國民に直接関係のある問題でありまして、國民の側から申しますと、緊急事態であるか否かというふうなことよりも、むしろ直接國民の生活に響く問題であるのでありますので、かような時こそむしろ政府は進んで國会の議決を仰ぐ、こういう率直な態度に出るべき必要があろうかと思うのであります。從いまして、若し他の方面において、今申述べられましたような見解を持つておられるとするならば、政府は進んで國会の意思を尊重し、又國民の動向を察知されまして、その実情を十分に説明されまして、正規の手続によつて、この種料金の改正が國民の納得の下に行われる、こういう態勢に持つて行かれる責任があるのではないか、かように思うのであります。從いまして、只今は政府委員直接の独自の御意見ばかりじやなく、その他の御意見も入つておるようでありますので、決して政府委員御自身の御答弁に対して私から詰問をするという考えではございませんけれども、私共の立場から考えますというと、さように考えられるのであります。特に國会が從前の國会と違いまして、その開会されておる期間も相当長うございますし、又仮に鉄通運賃の例をとりましても、先般の鉄道運賃の改正の際におきましても、あれ程國民に対して大きな刺戟を與えているということを考えますというと、國民を代表している國会に対してその議決を仰ぐ、議決を求めるということは、当然なさるべき措置ではないか、私はかように考えるのであります。只今の御答弁では、いつになつたら財政法第三條が実施されるか一向雲を掴むような御答弁でありまして私共としましては納得が行き兼ねるのであります。
 とられておる努力に対しましては十分御了承はいたしまするが、お考え方が私共とは多少違うのではないか、そういうふうな感を持たざるを得ないのであります。
 從つてこの問題は、今日政府委員と質疑應答を繰り返しておりましても、恐らく結論は出ないのじやないか。そういうことになりますと、仮に國会の閉会中にこういう問題が起つた、又財政法第三條は施行されない、この二つの條件が、仮に財政法第三條が施行せられましても、國会の閉会というようなことが考えられますが、今日の國会は先程申しましたように大体においてパーマネントであるという点から、この点は問題にはならないと思いまするが、財政法第三條が施行されないで、尚且つ緊急止むを得ないときは、公告期間を一月未満に短縮してまでも運賃の改正をやらなければならん、而もこれが一般物價体系との関聯においてやらざるを得ないという事態が発生いたしまんというと、又ポツダム宣言によつて非常措置をとらなければならんということになるのではないか、同じことを繰り返しているということになりますというと、折角この改正法律案を御提案になりました御趣旨に反するような結果になるのではないかということを懸念いたす者であります。
 で、財政法第三條を施行されないという場合において、この鉄道営業法の一部改正の法律案に対しまして政府委員は如何ようなお考えを持つておられるか、これをどういうふうに今後運用して行くことがいいのかという点について、物價廳の政府委員にお伺いいたしたいのであります。
#12
○政府委員(平田敬一郎君) 緊急状態が今後長く続くか続かないかというこの問題は、私共がお答えをするよりも委員各位の御判断によるべきものだと思いまするが、ただ主観的に考えまして、私共は成るべくこの期間を短くするように、あらゆる努力を傾けているものである。今物價につきましても、いろいろな統制をやつておりますが、実はこれは非常に好ましくないことを止むを得ず、今の経済のアブノウマルな状態に適應させるためにやつているのが大部分でございまして、一刻も早くこういう事態を解消し得るようなことがむしろ目的のように考えているような次第でございます。その時がいつかということは今申しましたように、どうも私共申上げるだけの資格がありませんが、併し大体行く目先きはそういう方向で行くべきものでありまして、從いまして、飽くまでもこの緊急事態に対する例外的な考え方として、仮に財政法の施行に例外を設け、或いは施行を若干遅らせるということになりますと、そういう点からお考え願つて然るべきものでないかということを感ずる次第であります。この点は御参考までに申上げて置きます。
 それから最後に、この鉄道営業法の問題でございますが、この問題は実は前からの御意見の程をよく承つておりませんので、果してその通りかどうかよく存じませんが、大体公示期間は今まで一ケ月でございましたが、緊急状態の下におきましていろいろな物價との関係を考慮し、一遍に決定するといつたような時になりますというと、一月も鉄道運賃の案を世間に公表いたしまして、その後で外の物價を変えて行くというようなことになりますと、その間に経済取引その他に相当重大な関係がありますので、この期間はそういう見地から申しまして、できるだけ短い方が望ましい。併しながらそれかと申しまして、他方國民に重大な関係がございますので、やはりその見地から申しますと、できるだけ長い期間を公示期間と定めましてよく周知させる必要がある。で、その考え方の両者を合せ考えまして、緊急事態におきまして相当大幅の而も全面的の改正をいたすような必要がある場合には、最短七日迄縮めることができる、こういう規定でございますので、今の非常な変態的な條件の下におきまする立法といたしましては、いたし方がない立法じやなかろうか。こういう事態は先程も申しましたように、成るべく早くなくて済むような時期が來ることを希望することにつきましては、先程の物價統制も財政法の施行の問題に関する考えと同一であります。
 尚若干その問題に関聯いたしまして、技術的の点になりますけれども、例えば運賃の問題があります。石炭の値段鉄鋼の値段、それから一般の賃金水準、それと就中貨物運賃、こういうものが非常に緊密な関係がございまして、そういう点を十分考えなければなかなかうまくいかん。相當考えたつもりでありましても、例えば今度の改正等におきましても、技術的になかなか完全に行き難いところもある。或いは今までの沿革等もありまして、むずかしい問題が多數あるわけでありますが、そういう問題を処理する上におきましては、当分やはり全体の問題の一つとしてこの鉄道の運賃の問題を考えて処理するというふうにいたしませんと、意見は別でございますけれども、実際の物價操作をやつておりまして、技術的見地からいたしましてなかなかむずかしい問題がある。その他專賣品の中のアルコールの價格も同樣でありますが、アルコールの價格がどうなるか、石炭の値段がどうなるか、その原料の芋の値段をどうするか、そうして又できましたアルコールの値段によりまして化学工業品の値段がぐらぐら動くという関係が非常にございますので、こういう問題はやはり相当全部綜合しまして、一つの体系と申しますか、システムとして考えて処理するようにしないと、今の変態状態の下においては問題は非常に解決しにくい。若しも將來こういう問題が起らなくて、幸いに経済が落ち着いて來ますれば勿論そういう必要もなくなるだろうと思います。そうして私共もそれを非常に期待しておつたわけでございます。併しまあそういうことで済むということを考えるのはまだ少し早いのだろうというふうにも考えられますし、そういうことをよくお考え願いまして、この問題を御判断下さいますことを、私共としましてもお願いしたいと思う次第であります。
#13
○小野哲君 大変時間を拜借いたしまして恐縮でありますが、もう少しこの問題について私質問させて頂きたいと思います。
 只今政府委員から、この鉄道営業法の一部改正法律案の内容についての御説明がございましたが、これは勿論私共よく分つておるところであります。併し私のお聞きしたいと思つた点はさような点ではないのであります。先ずこの鉄道営業法の一部を改正する法律案を出すに当りまして、恐らく物價廳といたしましては運輸省から相談に與かられたことと思うのであります。而もこの改正法律案をお出しになる理由は、どういうところにあるかと申しますと、今後運賃改正の際は、國会の議決を経ることとなるために、その審議の経過において國民は大綱を知ることができる。そうして公示期間を短縮しても実害がないというところに私は重点があると思うのであります。只今の政府委員の説明はこういう肝腎の点が拔けている。從つて私はこの点については了解するわけには参らないのであります。のみならず若し政府委員がおつしやるように、緊急事態に際して財政法第三條の特例措置をやらなければならんということが今日においても分つておるし、緊急事態がいつ解消するかということはいつになるか分からんとふうな状態にあるに拘わらず、この改正法律案を出すことについて同意されたということについては、私は物價廳と申しますか、当局の考え方が甚だ解し兼ねる、かように思うのであります。この点についての政府委員の御説明を願いたいと思います。
 從いまして、私が繰り返し申しますように、そういうふうな考え方で財政法第三條の問題をお取扱いになり、又それと密接な関係をもつておるこの改正法律案が十分にその機能を発揮できないということになりますと、緊急已むを得ない場合においては、その都度やはり非常措置を繰り返してとるということにならざるを得ないのではないか、この点についてはどういうお考えをもつておられるか、これをお聞きしたいと思います。
#14
○政府委員(平田敬一郎君) 今お話のように鉄道運賃の改正案を國会にかけることは、財政法ではそうなつておるのでありまして、その通りやるということにいたしました場合に、この規定が非常に有効に働くということにつきましては御話の通りだろうと思います。ただそういうことを前提としてのみこの規定が考えられるということにつきましては、若干問題があろうかというふうに思う次第であります。ここにもありますように、緊急已むを得ないときは期間を短縮し得るということでございますので、そういう趣旨からいたしまして、これはいろいろな関係から、改正案を決めましてから相当期間そのままの形で置いて置くということは適当じやない。むしろ緊急已むを得ない場合におきましては、その期間を七日まで短縮しましても施行し得る。併しこれは已むを得ない場合でありますから、成るべくその期間は長い方が望ましいということはそうでありますが、そういうことを認めようという規定でありますので、これはやはり緊急已むを得ないという一つのやはり緊急の状態の場合における特別の例外的な規定と思うのでございまして、その考え方は私が先程申上げました考え方と一應は歩調は同じくしているのじやないか、こういうふうに私は考える次第であります。
#15
○委員長(板谷順助君) ちよつとお待ち下さい。私は政府委員に注意いたして置きますが、先程來小野委員との質問應答を聞きますと、とかくどうもあなたの御答弁が独断的で要点を外れているように思うのであります。從つて今は政令ということが問題になつておるのでありまするから、それ対するもつと要領を得た一つ御答弁あらんことを希望いたします。
#16
○小野哲君 再三起ちまして恐縮でありますが、只今委員長が御指摘になりましたように、私はもう一点実は伺つておるのでありまして、そういう緊急事態は続いておるから例外措置を講ずるのだという、その例外措置というのはいわゆるポツダム政令でお出しになるつもりか、こういうことを念を押しておるのでありますが、この点についての御答弁を伺いたい。
#17
○政府委員(平田敬一郎君) その点はこの規定はそういう趣旨ではありません。ここに認められました例によりまして、そのときに適当な期間を限つて決めて行くということに相成るだろうと思います。從いまして、こういう規定がなかつたならば、ここの附則にもありますように、已むを得ずポツダム勅令でこういう法律を排除してやつた例もあるのでありますが、そういう行き方は今後とらないで、飽くまでこの規定によつて政令によつてやるということに相成るかと思います。
#18
○小野哲君 法制局長官もおいでになりまするので、私の考え方も申上げまして何かとお教えを頂きたいと思うのであります。只今の政府委員の御説明によりますと、ポツダム政令で非常措置をとつた。今度はとらないで政令でやるのだ、こういう御話があるのであります。これはこの営業法の一部改正の一項目を追加することは勿論政令で以てやるのでありますが、この政令を以てやろうということは、公告期間を一ケ月未満に短縮する限度を政令で以て決めるということでありまして、從つてその前提としては國会の議決を経なければならん、こういう前提の下にこの政令というものが活きて來るのであろうと私は思うのであります。而もこの國会の議決を求められます場合におきまして、議決の範囲は何か、どういう範囲かということを考えますと、運賃の問題は勿論でありますが、少くとも政府が國会の議決を求める場合におきましては、公告期間をどれぐらいにしたいということも内容として入つておりましようし、又國会がこれを審議いたします場合におきましても、果して政府が考えておるように、緊急已むを得ない事態にあるかどうかということを審議する権限をもつておるように思うのであります。從いましてそういうふうな國会の議決あつてこそ、ここに政令によつて公告期間を一ケ月未満に短縮できるという結論が生れて來るというわけで、從つて只今政府委員から御説明になりましたように、ただ私共はすべて政令で以てやつてよろしいということは立法機関として認める意思はないのでありますが、この点は誤解のないようにいたしたいと思います。
 尚この点については、財政法第三條における國会の議決の範囲について、前回において政府委員からも御答弁がございましたが、これは只今申しましたように、公告期間の長短の問題であるとか、或いは緊急已むを得ざる期間、期間というふうな点も議決の範囲内に属しておると了解しておるのでありますが、この点についていかがでございましようか、法制局長官の御所見を承りたいと思います。
#19
○政府委員(佐藤達夫君) 只今の御質疑の中には若干の要点、恐らく二つぐらいの要点があるのじやないかという氣持があるのであります。御推測申上げて恐縮でありますが、一つはこれを分析して考えますと、一つは政令の委任の問題と、それからもう一つは、この政令の委任というのは、財政法三條の趣旨を忠実に考えれば無意味ではないかという、恐らくその二つだろうと思います。
 先ず形式の方から先に申上げまするが、緊急止むを得ざる場合における政令の委任というものは、只今もお話に出ましたように、七日というような最低限も切つてございますし、その枠の中での処置でありますから、委任の問題としては、丁度今期國会に御審議を仰いでおります法律案の附則で、法律成立の日から何日以内に政令で施行期日を決めるというのと同じだろうと思います。でありますから、形式論からいいますれば、その点の説明は当然御了解願えると思うのであります。
 むずかしいのはむしろ第二点の無意味じやないか。どうせ國会の議決で決まるということに仮になるならば、國会で判断すればよいのじやないかという恐らく御疑問じやないかと思うのであります。そこで私先程から申しました、又前の政府委員も申しましたように、とにかく政府としては財政法三條を一日も早く施行するということと、それと合せて、少なくとも個々の手段によつてでもこの三條の趣旨が一日も早く実現できるように、その両方に亙つて今本当に必死の努力をしております。從つて財政法第三條の精神というものは、近い機会にこれは何とかの形で実現するものと思うのであります。
 それは別といたしまして、冷やかな法律論になるかも知れませんが、今のあとの御疑問の点について申上げますというと、この運賃なら運賃というものが決まります場合に、運賃の実体が決まります場合を沢山考えたのでありますが、これは四つの場合があるのじやないかと思うのであります。一番の原則的の場合は、財政法に書いてあるように、法律そのものできつちり運賃の額が決まる。それから財政法に「國会の議決」という言葉がありますが、議決の形で運賃がきつちり決まる場合、それが第二の形、それから第三の形は、財政法の三條には法律又は國会の議決に基かなければならない、「基く」という言葉が使つてあります。憲法八條にも「基く」という言葉を使つてありますが、その趣旨と同樣な趣旨と考えております。從いまして法律なり或いは國会の議決というもので一定の條件、一定の枠というようなものを決められまして、その枠なり條件の範囲内においては、或る程度の機動性を認めてやろうという認め方が、この「基く」という言葉の中に入つておると思うのであります。第三の問題としては、そういう形によつて運賃が決まる場合がある。それから第四は、無理に考えついたのでありますが、今日の非常事態において、我々としては予測できない。まあそういうことは望ましくないのでありますけれども、最高司令官の命令に基く場合が、これが受身の側としては一應は理論上考えなければならんと思う。この四つの場合があるわけであります。
 その一と二の場合におきましては、只今丁度おつしやいますように、或いはその際國会の御審議を煩わす機会もあるのでありますから、その際の問題として取上げてよいのじやないかという疑問がむしろ濃厚であるでありましよう。後の二の場合は、そういう問題はちよつと別問題になると思うのであります。その前の二点の問題でありまするが、この場合におきましては、要するにこの法律といたしましては、恆久法として、とにかくこういう價格なり運賃なりというものを決める、そうして決めたらとにかくこれだけの收納をしなければならんということの、何といいますか、大方針を法律ではつきりして置きたい。これは恆久法、一般法として、鉄道運賃に関する限り、かようにいたして置きたいという、形から出ておるのであります。從いましてあらゆる面に應じての、一應法律としての形式と申しますか、それは備えて置かなければならない。或る場面においては無駄になる場面が一部あるかも知れませんが、法律の形としてはあらゆる場面に應じて、適用されるような形を作つて置くのが、我々起案する者としては一應理想と考えておるところであります。さようなところから、まあこういう形になつております。
 大変御説明の申上げ方が下手で、御了解になつたかどうか存じませんけれども、大体そういうふうに考えておるわけでございます。
#20
○小野哲君 大分私ばかりが発言いたしまして恐縮でございますので、私の質問は一應この程度に止めて置きたいと思います。
#21
○村上義一君 私も実はこの財政法第三條の施行につきまして、前回の委員会でお尋ねをいたしておつたのであります。只今小野委員からの御質疑、又その御應答によりまして、余程事態がはつきりはして参りましたけれども、併し私は今まで政府委員の御説明を拜聽いたしまして、どうも解し兼ねる点があるのであります。恐縮でありますが、更にこの点についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。
 大体私の疑問とする点をまず御了解願いたいのであります。要するに鉄道営業法の一部を改正する今回の法律案、これは政府委員の前回の御説明によりましても、至極適当なる改正法律案であるということを了解いたしたのであります。併しこれを実行するにつきましては、この財政法第三條の施行、実施ということが前提とならなくてはならんと思うのであります。只今法制局長官からの御説明がありましたが、第三條には「法律上又は事実上國の独占に属する事業における……事業料金については、すべて法律又は國会の議決に基いて定めなければならない。」ということが定められておるのであります。而も前回の帝國議会におきまして、これが審議せられた時には、特にこの條文の施行について、特別の政府の意図は表示せられておらなかつたのであります。ただ第三條が第十條及び第三十四條と共に暫く施行を延ばすという話のありましたのは、極めて短期間を予想せられる話に止まつたのであります。今日まですでに六ケ月以上に及んでおります。そうして尚これの施行が政令に一任されてあるからというて、ただ何ら議会に諮るところなくして、荏苒延期しておられるということは、議会の意思に相反する。強く云うならば、議会の意思を無視しておるとも云い得るんじやないかと私は考えるのであります。立法当時予期せられなかつた格段なる理由によつて、この施行を延期するという場合には、虚心担懷に政府としては議会にお諮りになるのが至当じやないか、立憲的じやないかと考えるのであります。
 これはまあ暫く別といたしまして、先刻來小野議員の御質問に対する御應答によりまして、いろいろ政府御当局では苦労をなされ、又苦労しつつ御努力なされておるということは察知し得るのでありますが、法制局長官の御説明にも、郵便法は現在普通郵便料金については、法律上郵便法に定められてあるが、その他の特殊料金については郵便法を改正して処理し、この第三條の趣旨を実現するように今処理しつつあるというような一例として御説明もあつたのであります。併しながら第三條は、ひとり法律によつて定めるというのみならず、議会の議決によつて定めてもいいということを決めておるのであります。法律改正と違いまして、ただ單に議会の議決ということだけであれば、余程事は迅速に取運び得るのじやないかと思うのであります。又一面において運輸当局の前回の御説明では、今後運賃はすべて國会にさらけ出して、國民の代表者たる人々の檢討によつて決定して行きたいと考えておるという言明もあつた次第であります。又物價廳の政府委員の御説明によりますると、現在緊急な経済事態にあるが故に、この第三條の施行が困難であるという御説明であるのでありますが、非常時であるが故に、平常時より却つて迅速な処理を講じ得るのじやないかと私は逆に考えるのであります。若し平常時でありますれば、國会は僅かに数ケ月しか開会されておりません。かく現今のごとく非常時でありますが故に、年間殆ど間断なく開会されておるのでありまして、緊急な状態でありましても直ちに議会の決議に基いて決定することができると思うのであります。どうも政府委員の御説明は私には理解することができないのであります。
 私の理解できないという点について申述べた次第でありますが、何かこれには裏面にもつと異つた意図が含まれてあるのじやないかというふうにすら感ずるのであります。郵便料金、或いは鉄道運賃といい、勿論これは國民生活に直接至大の関係がある問題でありますが、その他煙草といい、樟脳といい、どの問題を考えて見ましても、御説明にありました経済の緊急処理として、その一環として処理をとるにつきまして、國会が開会せられておる限りは極めて迅速なる処置がとり得るのだと確信いたしまするが故に、どうも御説明を解することができないのであります。
 若し一切國民に鉄道運賃の値上げ、郵便料金の値上げということを知らしめずに実行することが必要だということの根拠に立つてのお話である、言ひ換えれば、こういうことは拔打的に処理すべきであるというお考えである、そういう御意図であるとすれば、我々の信ずるところと正反対であると申さねばならないのであります。この点について更にお伺いいたしたいと思うのであります。
#22
○政府委員(平田敬一郎君) 只今の御質問でございますが、國会にお掛けいたしまして、それによつて決めるということが本筋であるということは私共もこれは同感でございます。ただ先程からも申上げておりますように、今の状態は非常に緊急状態でございますので、その間の時間的な関係、それから他の物價に及ぼす関係、それから一遍公表しました後、実施するまでのその期間におきまして、いろいろ経済取引等に及ぼす関係、そういうことを考えますと、相当大幅の而も全般的な改正を行いますような場合におきましてはどうしてもその期間は相当短く且つ全体を綜合して処理せざるを得ない、そういう方面の必要が非常に強い、そういう場合におきましては、これが例外的にどうも止むを得ないじやないか。そういうことを議会に掛けましても、恐らく議会におきましては大体同じようなことで御審議願えるわけですが、そうなれば結局同じだから議会に掛けてもいいじやないか、こういうことに相成ろうと思います。そういうことでありますれば結局同じでございますから、別段強いてそういう方式に行かんというわけでございませんが、先程申しましたような事情が相当濃厚にあるといたしますれば、やはり特例的にこの際は考えたらどうかというのが、先程申上げました或る方面の有力な意見でございます。私の意見というよりもそういうことでございますので、その点御参考までに申上げて置きたいと存ずる次第でございます。
#23
○委員長(板谷順助君) この際委員長として運輸大臣に伺いたいのでありますが、先程村上議員から申されたように、この前の委員会において、將來この前の委員会において、將來運賃を値上げする場合においては國会の決議を経るということをこの席において御言明になつたように存ずるのであります。然るに先程來平田政府委員は緊急止むを得ざる場合においては、これはどういうふうに解釈されておるのであるか、恐らくは國会においても承認するだろう、或いは政令によつても國会が承認するだろうというような独断的の意味における答弁であつたのでありますが、この点において運輸当局と物價廳の政府委員との間に意見の食い違いがあるように感ずるのであります。これに対して一つ御答弁願いたいと思います。
#24
○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと速記を止めて頂きます。
#25
○委員長(板谷順助君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(板谷順助君) 速記始めて。
#27
○國務大臣(苫米地義三君) 先刻から段々質問應答がございまするが、運輸省といたしましては財政法第三條というものは當然行われるものというようなことは基本的に考えておるわけであります。從つて運賃のごとき重要なものは將來國会の審議を経てからやるべきものである、こういうふうな基本的な考えがありましたが、その考えの下にこの鉄道法の改正を提案したのでありますけれども、若し何かの都合で財政法第三條が仮に暫く実施できないといたしました場合に、我々としてはどうするかということも申上げて置かなければならんと思います。
 実は先般の運賃改正につきましても、法文はともかくとして、この國民生活に重大な影響を及ぼすべき運賃の改正でありますから、あらゆる輿論を聞いて、十分國民の意見を反映した上で決定したい、こういうふうに考えておつたわけであります。從つて突然ポツチョリを利用した結果になりましたが、最初は公聽会を開くとか、或いは議会の方々に御意見を伺うとかというようなことをやりたいというようなことでしたが、物價体系の全面的な関係から、切り離して考えることができなくなりまして、ああいう処置をとつたのであります。それに鑑みまして、今後はいかなる事態がありましても、輿論を無視しては相成らんと実は考えておる次第でございます。
 それでありますから、若し鉄道運賃は財政法三條で、義務付けられないでも、これを運用する際には、國会に正式に掛けないでも、委員会にお諮りするということはやつて行かなければならんと思います。この間の船舶運営会の問題等におきましても、ああいう非常措置をとりまして、当然あのままでも法律的にいいかも知れませんが、運営の立場からいたしまして、両院の了解を得る、こういう順序を経てから……。多少財政法第三條が遅れましたけれども、我々のとるべき手段はさような措置をして行きたい、こう考えておる次第でございます。
#28
○小野哲君 大藏大臣がおいでになりましたので伺いますが、実は財政法の第三條の施行の点について、他の政府委員にも伺つたのでありますが、今からずつと前に、決算委員会で大藏大臣に私からお尋ねいたしましたところが、非常に近い將來に施行されるというふうなお話がありましたので、実はこの鉄道営業法の一部を改正する法律案が本委員会に付託されましたのと関聯しまして施行されるからこそこの改正法律案を御提案になつたのだ、その財政法第三條の施行が前提でなければこの改正法律案というものの意味が非常に薄くなつて來る、こういうふうな感じで、施行を実は非常に期待しておつたところが、今日以て施行されない。大藏大臣は当時は簡單にお考えになつておつたのではなかろうか。又施行される見込が付いておつたからこそ、私の質問に対して近く施行するんだとこういう御言明があつたものと実は拜聽いたしたわけであります。本日の委員会で物價廳の政府委員或いは法制局長官からいろいろ細かい御説明があつたのでございますが、大藏大臣におかれましても單に鉄道運賃ばかりでなく、專賣関係のものもこの財政法第三條に入つておるらしいので、彼此勘案せられまして、一体どういうふうな御処置をおとりになろうとされておるか。又今日まで財政法第三條の施行が延びておることについてこの前の話とは非常に模樣が違うので、この点についての御説明を承りたいと思います。
#29
○國務大臣(栗栖赳夫君) お答えいたします。この追加予算を組む上におきまして、專賣の價格を決める、その他につきましてもこの財政法の三條が施行されるか否かということは非常な関係を持つておりますし、又こういう新らしい憲法の下においては一日も早く施行して貰いたい、こういう考えを政府は持つておりまして、そういう関係と合せて、実は私がその筋とこの問題を交渉したのでございます。第一段におきましては、只今も政府委員から物價廳関係のことを申しておりましたが、その方面の調整をとるならば簡單に施行してもよかろうというようなその筋からのお話がございました。そこでその当時ちよつとそのように申したのでございますが、その後追加予算その他もまだ日取もかかりますし、先方といろいろ折衝研究いたしておりますが、その調整の問題につきまして只今政府委員の申しましたようないろいろな事情がございまして、その方法についてまだ交渉が続いておるような次第でございます。先方としましても大体見通しを付けて書いたものを呉れましたので、それによつて近く方針を決定して、政府としてもこの三條の問題を片付けたいと思う次第でございます。ちよつと速記を……。
#30
○委員長(板谷順助君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#31
○委員長(板谷順助君) それじや速記を始めて下さい。丹羽君。
#32
○丹羽五郎君 ちよつと私の質問は取消します。余りきわどくなつて來ますから……。
#33
○委員長(板谷順助君) 取消しますか。それから物價廳の方はいかがですか、よろしうございますか。……そうすると、どういたしますか。あと道路運送法案の質疑でも継続しますか。
#34
○丹羽五郎君 今日は運輸大臣がここに御出席でいられるので、少し私は運輸大臣にお尋ねをしたいというように考えております。私共の運輸交通委員会関係の主管をやつておられる大臣の今日は新聞記事を拜見しまして、実は非常に唖然といいますか、不審といいますか、そうした感じを持つて眺めたのであります。事は私至極簡單のように考えておりますが、恐らく現在やかましくいつておる鉄道六十万從業員の士氣にも私はこれは相当大きな影響を來す、かような杞憂を持つておりました。これを御出席になつたのを機会に、一應委員会においても極く簡單でいいのでありますが、御説明をお願いすれば結構だと、かように考えております。ただその経済事犯を防ぐためにその品物を賣却して、千何百円かの金を水害見舞金として寄附されたということがいささか私不思議に堪えない一点であります。而も過日運輸大臣は、この水害地帶を御視察になつて、殆ど食うべき米もなく苦しんでおるという事情をよくお調べになりして、今度運輸大臣のお荷物が官舍に運ばれた折は、かくかくだということは……かかる事犯は各家庭においてもあり得べき事犯のように考えております。この六十万鉄道從業員を抱擁し、而も國政に携つておる國務大臣としては、一應この委員会で説明して頂きたい、かように考えております。
#35
○國務大臣(苫米地義三君) 実は後程時間を頂いて、私から皆さんに一應お聞き願いたい、こう思つておつたわけであります。今日の新聞にありまするように、私の疎開先から送りましたところの荷物が官邸へ着きますと、その中からいろいろ統制禁制品が出た、こういうことを昨日聞きまして、私自身も全く意外に感じて驚いた次第でございます。私の承知しておることは、官邸ができましたけれども、戰災に遭いましたし、道具も余りない。たまたま郷里の方に疎開した一部の家具、夜具があるから、それをこつちの方に運びたいという話だけ聞いておつた、而もそれにつきましても詳しいことは知りませんし、又いつ出したのか、いつ着いたのかも分らなかつたのあります。然るに昨日あの事実を聞きまして全く驚いたのでありまして、これは私は本当に何も知らないということが実相であります。そうして然らばそういう米麥、薪炭等がいかにして入つておつたかということもはつきり分らないのであります、分らないのでありますが、若し想像するならば、この夏頃村の人たちが二十人近く私の所へ來た、そうして官邸を見せてやつた、その際には品物もなければ何もないところを見て行つたわけであります。それでありますから、まあ引越荷物を出すという機会に、村の人が寄つてたかつて、官邸に入用な物を入れて寄越したのじやないか、こう考えるだけでございまして、そのことはどうしても厚意のある方々が本当に心を配つてやつて呉れたものと想像するわけであります。併しながらああいう予期しないことが事実になつて現われますというと、これは自分としても愼重な処置をしなければならない、こう考えましたので、これは正規の、やはり一般の人たちと同じような取扱いを受けるべきである、こう考えまして、警察の方の処分を待つたわけであります。そこで禁制品を正当のルートに乘せましてそうして献金した。これを取つて置きまして、誰が荷物を呉れたのか分らないのでありますが、取つて置いてそれを後で調べるというふうに延ばすならば、やはり工合が惡い、いずれ自分に好意を寄せた人のしたことに違いないから、それらの好意の方の氣持を、今現に水災に困つておる人たちの方にやりたい。いずれ分りましたなら、そういう方々に話をする。こういう氣持でやりましたので、実は全く知らないことがああいうふうになりましたので、何とも言えない氣持でいるわけでございまして、本当の眞相はそういう眞相でございます。
 ただこれが新聞に現われたので、世間的な第三者のいろいろな批評がございましよう。併しそのことはどうも私からどういうふうにしていいのか、私自身としては神明に誓つて何も関係がなかつたのでありまして、ただできました事柄が非常に遺憾なことだ、こういうふうに思うておる次第でありますから、どうぞその辺はよろしく御了察を願いたいと思います。
#36
○丹羽五郎君 今運輸大臣の卒直なる説明を得まして、私共は大いに諒といたしましたのであります。恐らく國政に携わる國務大臣が違法行爲をやるということは我々信じ得べからざることであります。これによつて私共この委員会は運輸大臣の説明によつて了承いたしたい、かように考えております。
#37
○委員長(板谷順助君) 本日はこれにて散会いたします。次回の日程は公報を以て御通知をいたします。
   午後三時二十三分散会
  出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           丹羽 五郎君
          橋本萬右衞門君
           小野  哲君
   委員
           大隅 憲二君
           小林 勝馬君
           高橋  啓君
           飯田精太郎君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           早川 愼一君
           北條 秀一君
           村上 義一君
   國務大臣
   大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
   運 輸 大 臣 苫米地義三君
  政府委員
   法制局長官   佐藤 達夫君
   総理廳事務官
   (物價廳第一部
   長)      平田敬一郎君
ソース: 国立国会図書館
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