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1947/12/08 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第27号
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1947/12/08 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第27号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第27号
  付託事件
○海運經營方式並びに船員管理に關す
 る陳情(第十五號)
○日本通運株式會社の營業權並びに設
 備を舊關係業者へ還元することに關
 する陳情(第八十五號)
○海運經營方式並びに船員管理に關す
 る陳情(第九十六號)
○海上輸送力緊急増強に關する陳情
 (第百二十三號)
○鐵道營業法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○舊鶴見臨港鐵道線外三鐵道線拂下に
 關する請願(第六十號)
○舊小倉鐵道線拂下げに關する請願
 (第百三號)
○信越柏崎驛附近鵜川鐵橋の徑間擴張
 工事施行に關する請願(第百七號)
○山陰線の電化並びに廣島、松江兩市
 間直通列車運轉に關する請願(第百
 十九號)
○舊播丹鐵道線拂下げに關する請願
 (第百六十一號)
○四國循還線の全通促進並びに九、四
 連絡省營航路運航に關する請願(第
 百七十號)
○豐川鐵道及び鳳來寺鐵道拂下げに關
 する請願(第百七十一號)
○四國循還線の全通促進並びに九、四
 連絡省營航路運航に關する請願(第
 百八十六號)
○四國循還線の全通促進並びに九、四
 連絡省營航路運航に關する請願(第
 百九十五號)
○舊南海鐵道山手線拂下げに關する請
 願(第二百三號)
○四國循還線の全通促進並びに九、四
 連絡省營航路の運航に關する請願
 (第二百十二號)
○後藤寺、糸田兩鐵道線拂下げに關す
 る請願(第二百十五號)
○四國循還線の全通促進並びに九、四
 連絡省營航路の運航に關する請願
 (第二百十七號)
○西彼杵半島の陸海運交通の整備に關
 する請願(第二百二十二號)
○關門港に外國貿易船の入港促進に關
 する請願(第二百五十六號)
○沿岸荷役業者の貨物自動車運營に關
 する請願(第二百八十八號)
○山陰線余部鐵橋修理に關する陳情
 (第三百七十一號)
○横須賀線逗子、田浦間に沼間驛を設
 置することに關する陳情(第三百八
 十八號)
○中央線甲府、塩尻兩驛間外二線路の
 電化實現に關する請願(第三百二十
 七號)
○舊有馬線復舊に關する陳情(第四百
 二十號)
○小運送業の戰時統制撤發に關する陳
 情(第四百三十一號)
○四國循還鐵道開通促進に關する請願
 (第三百五十五號)
○楯岡寒河江間左澤、荒砥間の鐵道敷
 設及び楯岡、寒河江間外二路線に國
 營自動車の運輸を開始することに關
 する請願(第三百五十七號)
○桃ノ井、彼杵兩驛間に鐵道を敷設す
 ることに關する請願(第三百八十六
 號)
○四國循還線の全通促進並びに九、四
 連絡民營運航強化に關する請願(第
 三百九十五號)
○都道府縣議會議員に管下鐵道無賃乘
 車券交付に製する請願(第四百十一
 號)
○四國循還線の全通並びに九、四連絡
 民營運航強化に關する請願(第四百
 十六號)
○九、四連絡民營事業強化に關する陳
 情(第四百九十號)
○中央線甲府、鹽尻兩驛間外二線路の
 電化實現に關する請願(第四百二十
 九號)
○中央線甲府、鹽尻兩驛間外二線路の
 電化實現に關する請願(第四百四十
 一號)
○大内驛、野村町間に國營自動車の運
 輸を開始することに關する陳情(第
 五百二十二號)
○都道府縣議會議長に國有鐵道無賃乘
 車證下附に關する陳情(第五百二十
 七號)
○中央線甲府、鹽尻兩驛間外二線路の
 電化實現に關する陳情(第五百三十
 七號)
○國鐵電氣工事獨占開放に關する請願
 (第四百七十四號)
○福波線内の馬場、遠西間に國營自動
 車運輸開始に關する請願(第四百七
 十九號)
○中央線甲府、鹽尻兩驛間二線路の電
 化實現に關する請願(第四百九十
 號)
○舊宮城電氣鐵道株式會社の鐵道拂下
 げに關する請願(第五百四號)
○中央線東鹽尻信號所を一般貨客取扱
 い驛とすることに關する請願(第五
 百二十九號)
○鹿兒島縣福山港を指定港とすること
 に關する陳情(第五百三十一號)
○福島縣原町、川俣間國營バスの運轉
 を開始することに關する請願(第五
 百三十七號)
○篠井線明科、西篠井驛間の京川手村
 花見に停車場を設置することに關す
 る請願(第五百四十二號)
○江迎、臼浦兩驛間に國營自動車運輸
 開始竝びに同專用道路の改修に關す
 る請願(第五百六十七號)
○富山港鐵道線拂下げに關する請願
 (第五百七十五號)
○八百津、鵜沼兩驛間に國營自動車の
 運輸を開始することに關する請願
 (第五百八十八號)
○犬飼、竹田並びに犬飼、佐伯各兩驛
 間に國營自動車の運輸を開始するこ
 とに關する請願(第五百八十九號)
○岐阜縣太田、瑞浪兩町間に國營自動
 車の運輸を開始することに關する請
 願(第五百九十二號)
○東京、鹿兒島間の急行列車復活に關
 する陳情(第六百五號)
○開港々法案並びに海上保安法案に關
 する請願(第六百三號)
○釧路港、北見相生間に鐵道敷設促進
 に關する請願(第六百十三號)
○阿武隈鐵道を敷設することに關する
 請願(第六百二十四號)
○津久見港を開港場に指定することに
 關する請願(第六百二十九號)
○港灣管理運營に關する陳情(第六百
 十六號)
○船員保險法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○船舶法及び船舶安全法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○國が施行する内閣貿易設備に關する
 港灣工事に因り生ずる土地又は工作
 物の讓與又は貸付及び使用料の徴收
 に關する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十二月八日(月曜日)
   午前十一時三十二分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○國が施行する内閣貿易設備に關する
 港灣工事に因り生ずる土地又は工作
 物の讓與又は貸付及び使用料の徴收
 に關する法律案
○船員保險法の一部を改正する法律案
○船員法及び船舶安全法の一部を改正
 する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(板谷順助君) これより會議を開きます。船員保險法に對する質疑は後廻しにいたしまして、この際大藏省の政府委員が御出席になつておりますから、國が施行する内國貿易設備に關する港灣工事に因り生ずる土地又は工作物の讓與又は貸付及び使用料の徴收に關する法律案、これを上程いたしまして、政府委員の説明を求めます。尚この際諸君に申上げて置きますが、今後港灣に關する問題、船員に關する問題は、すべてこの運輸交通の委員會に提案して貰うことに事務當局とよく打合せしてありますから、この點も一つ御承知置きを願つて置きたいと思います。
#3
○政府委員(舟山正吉君) 只今議題となりました法案の提案理由の説明をいたします。現行の勅令「國ニ於テ施行スル内國貿易設備ニ關スル港灣工事ニ因リ生スル土地又ハ工作物ノ下付又ハ使用料ノ徹收ニ關スル件」は、昭和二十二年四月法律第七十二號を以つて、憲法施行に伴つて法律を以て規定すべき事項で勅令で規定したものは、本年十二月三十一日までは法律の效力を持つと規定されておりますので、現在有效なのでありますが、去る四月に國有財産法が改正になりまして、雑種財産は法律を以て定める場合以外は、これを讓與することができないことになつたのであります。從いまして昭和二十三年一月一日以降は無效となることとなつたのであります。併しながら港灣の築造管理運營上、本勅令の内容を引續き存置させる必要がありますので、ここに法律を以てその内容を規定することといたしたのであります。港灣は現在第一種重要港灣と第二種重要港灣とに分れておりまして、前者は國がその築造に當り、後者は公共團體がその築造に當ることになつておるのであります。本法で對象となつておりますのは、明治四十年十月港灣調査會及び土木會議の審議を經まして、主務大臣の選定いたしました第一種港灣でありまして、横濱港、神戸港、關門海峽には門司港、下關港及び小倉港を含むのであります。及び敦賀港の四港がこれであります。これらの港灣の修築は國費を以て支持するのでありますが、通常は地元の公共團體に負擔金といたしまして、その費用の一部を負擔させることになつておるのであります。そうしてその半面に本工事によりましてできまする垣立地、岩壁、棧橋、浮標等の土地及び工作物の中で、公用又は公共用といたしまして國有として存置いたす必要のあるもの以外のものは港灣の建設、保存管理及び運營に當りまする運輸大臣が、その工事費の一部を負擔いたしました公共團體に、その負擔額の範圍内でこれを無償讓與いたしておりましたのでありますが、今後も引續いてこの方針を採ろうとするものであります。
 次に從來から港灣工事によりましてできました港灣施設を公共團體に管理いたさせますることが、港灣の管理運營上適當でありますので、港灣工事によりまして生じましたところの土地又は工作物の中で、公共の用に供しますために國有としまして存置する土地又は工作物を、運輸大臣は、工事費の一部を負擔いたしました公共團體に無償でこれを貸付けまして、その維持管理に當らせますると共に、その使用者から公共團體をして使用料を徴收せしめて、その收入となさしめておるのであります。以上が本法案の趣旨でございます。よろしく御審議あらんことを希望いたします。
#4
○委員長(板谷順助君) この法案に對する何か資料の要求ございませんか。私から要求したいと思いますが、國有財産の全部といつてはなかなか容易でありませんが、港灣地における國有財産の明細を一つ御提出を願いたいと思います。
#5
○政府委員(小坂善太郎君) 承知いたしました。
#6
○丹羽五郎君 ちよつと議事進行について。速記の方も大分制限されておる關係もありますので、先に船員保險法の方を速記がおる間にされた方がいいと思います。
#7
○委員長(板谷順助君) それでは船員保險法の一部を改正する法律案についての質疑を繼續いたします。
#8
○小泉秀吉君 この法律案が厚生省から提案をするということに決つたのは、一體いつ決つたのか、その的確な月日というと、非常に混み入つたことを言うようですが、若し分つておれば、何月の何日に決つたかということの答辯が、できれば伺いたい。
#9
○政府委員(宮崎太一君) 只今の御質問でございますが、日取りは私もはつきり覺えておりませんが、家へ歸りますと分ると思いますけれども、いつだつたかその筋の方へ兩大臣が出かけまして、いろいろ御相談をされて、それから閣議でその報告をされて、當分厚生省でやるということに決つたはずでございます。
#10
○小泉秀吉君 それからこの改正案を一體法案にするまでに、大體こういう種類のものは、今までの行き方で行くと公聽會を開くとか、或いは公聽會を開く間がなければ、少くとも關係團體或いはその他の緊密な理解を持つておるところの意向を聞いて見るというようなことが、深切にやる方法でもあるし、又そういうことをやつておるように思うのですが、これに對しては公聽會を開いたのか、或いは公聽會に能ずるような手數をお取りになつたのかどうか伺いたい。
#11
○政府委員(宮崎太一君) 只今の御質問でございますが、公聽會は開いておりません、と申しますのは、この法案につきましては最初運輸省の方で起案をいたされまして、そのときにはいろいろお聞きになつたようでございます。そうしてその後その法案につきまして、各省の間にいろいろ意見がございまして、その意見を纏めましてやつております中に、陸上の失業保險及び失業手當法案が段々固まつて參つたのであります。そこで各省の意見が纏まり、これをその筋の方のアツプループを貰うために話に參りましたところ、陸上の失業保險が固まつて參りますまでそれと合せる意見もございまして、又各省ともいろいろ相談をいたしておるうちに、すでに會期が終に近付きましたので、專ら早く國會に提案することを急ぎまして、正式に公聽會にかけるようなことをいたさなかつたのであります。船主側或いは海員側の方々の個人的な意見はときどき承つたつもりでございます。
#12
○小泉秀吉君 今のお話であると、事情は公聽會を開くという假に意圖があつてもお問に合いにならなかつたというようなことは了承し得ますけれども、關係者である船主團體或いは海員團體も、個人としては話は聞いたが、團體としては話を聞かないというようなお話のようですけれども、個人としてでも、團體としてでも、もう少し御深切があれば、それだけの個人の意見を開くくらいならば、そういう同じ時間の内にやり得るのではないかと私は思つてをるのですけれども、併しやらなかつたということなら、その點は又仕方がないということも言えますけれども、一體海員團體並びに船主團體におきましても、こういう船員行政に關聯したものを厚生省でやつておることがどうも不深切だから厚生省の行き方は困るのだというようなことをいうて、過般來船員中央勞働委員會並びにその他公けの席でも、屡々厚生當局はそういう非難に對しては十分海員の意見を尊重し、又その意向をも確めながらそれぞれ處置をするというようなことを言明しておられたにも拘わらず、今般のような船員の重大な休戚に拘わるものに對して、個人としての意見は聞いたが、團體として組合の意向を聞くには至らなかつたというようなことは、從來の聲明、或いはお話が嘘だと言はれても仕方がないじやないかと私は思うのであります。そういうことに對してもう少しお座なりでない御當局の御説明を承りたいのです。
#13
○政府委員(宮崎太一君) 私から先程公聽會を開かなかつたことについてのお答えを申上げたのでありますが、個人的な意見を聞いたということを申しましたのは、實は船員保險會の專門部會を數囘開きまして、船主側、或いは海員側を代表されたと思われる方々の御意見は拜聽いたしましたのでございます。尚もう少し頻繁に開く意思はたしかにあつたのでございますけれども、決して從來お約束を申上げたように、皆樣方の御意見を聞いてやるということを無視したわけではございませんが、時間的に全く餘裕がございませんで、ここまで來るのには、随分いろいろ苦勞をいたして參りましたのでございまして、決して今囘小泉さんの仰しやつたように、餘り十分な御意見を承らずにやつたということを今後續ける意思はございませんのでございます。今囘のはこういう非常に急ぎました關係で、例外として御宥恕を願いたいと存ずるのでございます。
#14
○小泉秀吉君 運輸省の政府委員の方にお伺いしたいのですけれども、先般この提案理由の説明をされた當時に、運輸省の政府委員のお話では、私は大體運輸省で立案したものを厚生省の方にお廻しになつたのだ、それが手續上提案が遲れているのだというように拜聽したのですけれども、私の了解するところによりますと、運輸省はその立案に當つて公式が非公式かは知りませんけれども、海員組合の意見をも聞き、そして運輸省は大體それを採入れたというようなふうに私は了知しておりますのですが、今度御提案になつた案を見ると、特にこの別表第五表のあの率のところを見ると、大分そういうふうな組合の意向と離れておるところが多いように思うのであります。それでそういうことであると、その提案の内容は運輸省で立案したのと同じであるかどうかということに、私は多大の疑いを存するし、又若し運輸省が組合の意向を採入れたというのなら、運輸省は私の了承していることと大分違うので、若し私の了承しておることが間違いがなければ、何か運輸省は嘘でも言つたのではないかと聞えるのですけれども、そういう點について、もう少し明確に、どちらからでもいいから、政府委員としての御説明を伺いたいと思います。
#15
○政府委員(有田喜一君) 小泉さんの仰しやつた點は、實はこの法案は運輸省で最初立案に當つておりまして、運輸省としましては、船員中央勞働委員會があるのでありますが、その船員中央勞働委員會の特別のメンバーで法令審議會というものを作つておりまして、それには海員、使用者その他學識經驗者が集まつておられました。そこに相當諮りまして、大體の立案を終つておつたのでございます。先程厚生省の政府委員から言われたように、途中で餘儀なく厚生省が提案になるということで厚生省に變つたわけであります。今の別表第五表というお話がございましたが、これにつきましてはここまで海員組合はタッチしていなかつたのでありまして、この方は厚生省で案を練つたように私は記憶しております。
#16
○政府委員(宮崎太一君) 只今運輸省の方からお答えになりました別表第五の方は、これは運輸省の案と申しますよりも、その標準報酬につきまして、最高八千萬圓ということについて運輸省の案がございました。陸上の方は最高五千圓ということになつております。それにつきまして、いろいろ意見がごまいましたが、運輸省の案でいつているわけであります。ただその別表の書き方につきましては、從來はいわゆる勅令事項でございまして、今日の政令でありますが、政令で書くことになつておつたのでありますが、陸上の失業保險の方におきまして、こういう事項は全部法律に掲げることになりましたので、船員保險法におきましても、陸上に傚いまして、こういう事項を法律に掲げたわけでございまして、運輸省案が別に變つたわけでもないのであります。
#17
○橋本萬右衞門君 只今小泉委員よりの御發言でございますが、それに對する政府側の御答辯……、かねて公約された公聽會を開かなかつたことは言語道斷だと思う。政府側の官僚獨善的な現われの一つである。この際政府側の反省を促すためにその手續をやらなければ、審議を中止なさつては如何でしようか。急ぐとか急がないとかいう自分の方の勝手なことで……。
#18
○委員長(板谷順助君) どうですか、公聽會というのはどの程度でおやりになつたのか。從來船員法等はやはり東京においても、神戸においても公聽會を開いてやつておるが、この船員保險法の改正によつて、政府委員の御答辯が公聽會に代るべき個人關係云々というようなことで徹底しないようですが、どういう程度になつておりますか、もつとはつきりと……。
#19
○説明員(岩瀬繁一君) それでは私からこの法律案が提案されるに至りましたまでの經過を簡單にちよつと御報告申上げまして、皆樣方の御了解をできますれば得たいと存じます。實は御承知のように、船員保險の所管につきましては、御承知のような經緯がございまして、今度の國會に同じく船員保險法の改正法律案が提出されました當時、この夏でありますが、その當時におきましては、御承知のごとく閣議の決定もございまして、運輸省におきまして所管することに一應決まつておりました。運輸省におきまして所管の變更につきましての法律案の立案等をいたす手續中でありました。改正法律案につきましても、私どもそれに携つておりました關係上、段々と御説明等はいたしましたが、本委員會におきまして、主としてこれが、將來運輸省に移管されるという前提の下に御審議をお願いいたしたような次第であります。その後陸上の勞働者に對しまして、失業保險乃至は失業手當、こういつた制度を創設實施する必要が生じましたので、御承知のごとく失業保險法竝びに失業手當法が立案制定されるに至つたような次第であります。船員に對する失業保險と失業手當は、陸上の勞働者に對する同樣の制度から切り離しまして、船員保險の中で創設實施することの方が適當ではないかと、かような見地の下に、陸上の失業保險竝びに失業手當法からは除きまして、これを船員保險の中で實施運營して參るということになつたわけであります。當時はまだ所管が、久しからずして運輸省に移管されるだろうと、かような情勢にありましたため、先程來運輸省の政府委員の方々からお話がありましたように、運輸省において立案いたされたわけであります。案が大體固まりまして、關係方面の了解を得るための手續等をいたしておつたのでありますが、それと竝行して所管の問題について關係方面の意嚮等も差加わりまして、暫く所管の問題についてはいわば待つて、そのうちになんとか最後的な決定をするからと、かようなことであつたわけであります。先程宮崎政府委員からお話申上げたごとく、時日の點を私ははつきり記憶をしておらんのでありますが、運輸大臣及び厚生大臣打ち揃われまして關係の向きにお見えになりました。段々と話合いの末、所管の問題については現状で暫く維待する、かようなことになりました。閣議にその旨を御報告の後、暫く厚生省で船員保險の問題についての取扱をしていく、かようなことに話合いが決つたわけであります。それに伴つて本改正法案即ち船員に對する失業保險並びに失業手當の問題につきましても、段々と運輸省に御面倒をお願いいたしましたので、立案もされ、又關係の向き向きに段々と了解を求められておるというような段階にまで立至つておつたのでありまするが、これをお引受をして私どもの方で立案すると、かようなことになつたわけであります。ところがその後これ又先程宮崎政府委員から話が出ましたごとく多少その内容につきまして關係の向き向きの間に意見等もあり、尚又關係方面におきましても當時陸上の勞働者に對する失業保險法並びに失業手當法の内容について段々とこれが固まつて參りました。船員に對する同樣の制度についての法律の規定もこれとでききるだけ合わせようと、かような意見もございました。運輸省において立案されたものと比べて多少形が變らざるを得ないと、かようなことに相成つたわけであります。立案に當りまして公聽會その他の適當な方法によりまして、或いは船舶所有者の方々、或いは船員の方々の意嚮を、こ法律案の中に加えていく、こういう點については時間の關係もありまして、公聽會と申しますか、なんと申しますか、公けの意見を聞く會というところまでには實は至り得なかつたので、この點誠に殘念に考えておりますが、ただ從來船員保險法に關聯する法令の改正等につきましては、船員保險に關聯する團體として船員保險會という團體があるのでありまするが、この團體の一つの機關といたしましまして、船舶所有者の方方、又海員の方々から成つておまりする專門委員會と、私どもまあ申しておりますが、これを數囘開きまして、新たに制定せらるべき本法案の内容につきましては、段々とお話も申上げ、又御意見も實は承つて參つておるような次第であります。從來船員保險法の法令の改正という問題につきましては、同樣の手續によりまして、私どもといたしましては關係の方々の御意見もできるだけ拜聽し、又できるだけこれを法案等の上に反映させるべく實はやつて參つておつた次第でありますので、本法案の過程におきましても同樣の手續でやつて參つたような次第であります。決して重要な本法案、特にお話のごとく船舶所有者にも、又船員にも重大な利害休戚に關聯する本法律案につきまして、私ども一個の考え方でどうこうと、かような氣持であれいたしましたのでは毛頭ございません。その點一つ御了承をお願いいたしたいと存じます。尚又失業保險或いは失業手當、いずれにいたしましても陸上の勞働者に對しまして、御承知のごとく本國會の御審議も纏まして、すでに成立いたしておりまする失業保險法及び失業手當法の内容と事柄が同樣でもありまするので、船員という特殊な立場にあります關係上、どうしても違わなければならん。こういう點を除きましてはできるだけ同樣の内容を盛るようにかたがた留意いたしましたような、次第でございます。決して關係の向の御意向を無視するとかなんとかというような氣持は、毛頭もございませんことを、くれぐれも御了承をお願いいたしたいと存じます。
#20
○小野哲君 小泉委員の御質問はまだ承つておらないと存じますが、只今宮崎政府委員竝びに説明員から、船員保險に關する所管の問題で從來の經過の御説明を承つたのでありますが、それに關聯して私から御質問いたしたいと思いますが、よろしゆうございますか。
#21
○委員長(板谷順助君) どうぞ。
#22
○小野哲君 それでは船員保險法の一部改正がこの委員會に付託されまして、目下審議いたしておりまするが、同時に極めて最近、財政及び金融委員會に船員保險特別會計法案が豫備審査のための議案として付託されておるのであります。その内容を見ますると、この船員保險特別會計法案の第二條に「この會計は、運輸大臣が、法令の定めるところに從い、これを管理する。」こういうふうな明文が置かれております。尚又船員保險特別會計法案を提案されました政府の理由といたしましては、こういうふうなことが書いてあります。「船員保險法による船員保險事業の經營が厚生大臣から運輸大臣に移管せられるのに伴い、あらたに特別會計を設置する必要がある。」こういうことが出ております。若しこの船員保險特別會計法案のこの理由なり、或いは法案の中の規定に誤りがないとするならば、この船員保險法による船員保險事業の所管というものは運輸大臣に當然すでに移管されておるというふうに見受けられるのであります。或いは正誤表が出ておるのかも知れませんけれども、實は私が見ましたところではさようになつておりますので、この邊の事情がどうなつておるのか。やや船員保險法の一部を改正する法律案の取扱い方と、船員保險特別會計法案の内容とに食い違いがあるように考えられますので、この點の明確なる御説明を承りたいと思います。
#23
○政府委員(宮崎太一君) 只今小野委員から仰せになりました點でありますが、これは先程申上げましたように所管が運輸省へ移るということの法案と共に、特別會計の法案を出されたのであります。その後大藏省その他各省といろいろ折衝いたしまして、いろいろやつております内に特別會計法については船員保險法が當分厚生大臣が所管すると同樣に、特別會計についても、それは運輸大臣と書いてありますものは厚生大臣に返るということで關係方面との話がついておりますので、若しお手許にそういうものがないといたしますならば、それは大藏省の方から出しておるはずでございますが、全然間違いであると存じます。若しそれが印刷してありますれば正誤表に出ておるのではないかと思いますが、私ども初めてそれを承つたわけでございます。
#24
○小野哲君 これは參議院公報を御覽になりますれば分ります。六日附の參議院公報に財政及び金融委員會に豫備審査のため上つております。ですからこういうふうな點は、餘程政府の方でよく吟味をされてお出しになりませんと、やはり關聯事項でありますので、我々議員としては兩方關聯して研究をいたしておるようなわけなんで、この點をはつきり處理されるように特に要望いたして置きます。
#25
○委員長(板谷順助君) 速記を止めて。
#26
○委員長(板谷順助君) 速記を續けて下さい。船員保險法の改正について正式に公聽會を開くことは、これは當然のことであります。ところが政府委員の説明によりますというと、これに對する手落があつた。今後は十分これに對する最善の注意をするという意味の御答辯があつたのでありまするが、要するにこの船員保險法の問題が、先般厚生省から運輸省に移るということがすでに閣議で決定をしておつたにも拘わらず、その後關係方面の話もあつて、今日までに延び延びになつておるのでありますが、この問題を一日も早く解決して、そうして至急運輸省に移すことに、運輸大臣初め運輸省の當局においては最善の努力をせられんことを、この委員會として希望いたして置きます。
#27
○國務大臣(一松定吉君) 只今の委員長の御希望は、御尤もだと思うのです。これはもう委員長の御指示通りの考えを持つておるのでありますが、これにはいろいろ事情もございますが、その事情のことは、この席で申上げることはお許しを願いたいのでありますが、でき得べき限り努力をいたしまして、私の力で及ぶことであれば、そういうように實現をいたしたいと思いますが、これはまあいろいろ事情がありますから、必らずこうするという御確約はできませんが、努力をいたしますということだけはお誓いいたしましよう。
#28
○小泉秀吉君 今の委員長の御發言に對する厚生大臣の御意見を拜聽して、私は委員の一人として誠に滿足をし、又厚く感謝を申上げます。本件がただ管轄が違うというようなことでなしに、現在の二十萬の海員は、等しく海員組合或いはその他の團體を通して、今委員長の御發言になつたようなことが、日本の海運を囘復し、又それを再建するということに最も必要な事項の一つだと確信をしておりまして、船員中央勞働委員會における發言においても、又組合自體の總會においても、再三そういう決議をしてゐることであるのが、いろいろな關係で實現しないことになつて、そのために船員は非常にくさつておるということは事實でありまするから、今のような厚生大臣の御發言を伺いまして、誠に私は海運再建のために慶賀に堪えないと存ずるのであります。尚この本案の具體的の審議に當りまして、厚生大臣に特にお伺いしたいことを一つ申上げたいのであります。それは、私はこの改正法律案について、幾多御質問を申上げ、又皆さんと共に十二分に審議をしたいと存ずるのでありまするが、何分にも會期が迫つて、今日なんとかしなければこれが流れてしまうというような瀬戸際に立ちましたので、この保險法の一部を改正する法律案が成立しませんことになると、大局から見て、船員の失業保險の實施というものは非常に遲れることになりまするから、それでそこに非常な惱みを持つておるのですけれども、具體的に言うて、別表の第五表を見ますると、五表の最後に、等級十七、百七十圓以上という所に、比率が四十、三十五というようなことで打切つてあるのでありますが、これは平均報酬月額が百七十圓以上は全部百分の四十しか失業保險金は支拂わないということになるのでありますが、船員は海上勤務の特殊性もあるし、報酬實額を、船員保險及び船員法では、最高が二百六十七圓になつておるのであります。それを百七十圓で打切るということは、甚だ不適當ではないかと思うのです。これは陸上の失業保險の方面から言いますると、百七十圓に多分なつておると承知しておりますので、それに合わしたのではないかと思うのでございますが、船員勤務の状態、生活状態が陸上とは著しく違つておるというようなことを全然無視してこの百七十圓で打切つたところに、私が先刻申上げたようないろいろな意味において、やはり船員に理解のない厚生省の立案が具體的に表現されておるのではないか、こういうことを私は一應ここで意見でありますが申上げたのであります。特に保險料の拂込の基準となつておる報酬實額は、陸上の勞働者よりも船員は高く拂込になつておるのであります。その多額の拂込になつておるから保險金の支給額は多くなるというのが、私どもは當然と思うが、この點がその當然になつておらない。失業保險というのは申すまでもなく、失業しても急に從前の生活基準は激變を與えないというので設けられるのが趣旨だらうと思いますけれども、ところが失業保險金の給付基準が、從來の收入に近いものにはならずに、そうして著しくこの第五表の案でいうと、高給者の收入が減つて行くというようなことになつておりまするので、このままどうも今鵜呑みにするということは非常に困難な状態にあるのでありますけれども、先刻申上げたような事情もありまするので、この百七十圓以上というものを何か外の基準の出し方というようなことで、近き將來といいますか、最も近き將來に改定をせられるような御意向があるかどうか、若しおありだということであれば、このまま止むを得ず私は鵜呑みにしてもいいと思うのですが、その邊に對する厚生大臣の御意向を伺つて置きたいと思います。
#29
○國務大臣(一松定吉君) 今小泉委員の御質問御尤もだと思うのでありますが、いずれこれは先刻申上げましたような事情によりまして、運輸省に移管しなければならないという事情が解決いたすということになりますれば、その機會において、即ち近き機會においてそういうようなことが皆樣の御審議を經なければならんことが餘り遠くないと思われます。そういうときには今御趣旨のあるところを運輸當局と十分に話合いの上で、できるだけ實現に努力するということにおいて御了承を願つて置きまして、とにかく期日ももう明日がおしまいですから、そういうようなことにして、一應これを御審議を終つて通過して頂くということの方が、船員に從事しておる人々のためによかろうと、こういうように考えておりまして、あなたの御趣旨のあるところは諒といたします。ただここで最後に附加えて置きますが、これは私や運輸大臣の力だけではどうもならんということを御理解頂きまして委員長、小泉委員とその他の有志の方も私に協力して、これの實現に努力して頂くというようなことを是非お願いをいたします。私もできるだけのことはいたしますが、したからというて必ず實現ができるというお約束は今日の實情上できない、この點皆樣の御理解を得て置きたいということだけを附加えて申上げて置きます。
#30
○小泉秀吉君 大層はつきりした、又御明快な御深切な御答辯を頂きまして、私は非常に滿足に思いますが、その他細かいことも相當ありますけれども、大臣もお忙がしいし、各委員も非常に忙がしい、切羽つまつたことですから、私の申上げた質問はこれを以て打切ります。
#31
○委員長(板谷順助君) いががですか、外に御質疑はありませんか。ありませか。
#32
○委員長(板谷順助君) それでは質疑は打切つたことにいたしても差支えございませんか。
#33
○委員長(板谷順助君) それでは質疑は終了いたしました。これより討論に入ります。
#34
○小林勝馬君 本修正法案に對しましては、私ども海上出身の議員といたしまして、不備な點その他多々あるように存ぜられます。併し只今大臣その他の御説明によりまして一應この際本法案を採決することが適當と思いますから、本法案に對しまして贊成をいたします。
#35
○委員長(板谷順助君) 外に御意見ありませんか。
#36
○小泉秀吉君 これは委員長に相談ですけれども、厚生大臣の御意向竝びに運輸當局の御意向も厚生大臣と御同意だと存じておりまするが、取扱い方ですが、私は或いは委員長報告の形式か、或いは附帶決議というような形式か、いずれでもよろしうございますが、本法案の立案に際しては、關係者の意見を聽取することについて遺憾な點が多いが、政府は今後はこの點を十分に配意されたい、もう一つは、別表の第五は海員の實生活にそぐわない點が多い、政府は直ちに關係者の意見を聽取して、改正案の立案に著手せられたい、こういうような意味のいずれかの方法で委員會として意思表示をせられるようなことにして頂きたいと思いまするが、委員長の御意見を伺いたいのであります。
#37
○委員長(板谷順助君) 從來、議案に對して附帶決議、希望條件というものをつけてやつた例が澤山ありますが、附帶決議となると、いわゆる重い意味でやつて、まあ修正まで行かなければ徹底しない、關係方面では附帶決議は餘り望まないということがありますから、あなたの希望意見を討論の場合に一つ仰しやつて、委員長の報告の際にそれを本會議に附加えて言つて貰つたらどうですか。
#38
○小泉秀吉君 委員長の取計らいにお任せいたします。
#39
○委員長(板谷順助君) けれども、今仰しやつたから大體分つておりますが、討論であなたの希望條件を改めてもう一遍一つ仰しやつたら……。
#40
○小泉秀吉君 今討論に入つたからそういうことを申上げたのですから、同じようなことですから委員長にお任せいたします。
#41
○丹羽五郎君 今の小泉君の御意見は至極御尤もと思いますから、委員長報告の折に附加えて委員長から報告して頂くということにしてはどうかと思います。
#42
○委員長(板谷順助君) よろしうございます。外に御意見ありませんか…。では討論は終結いたしました。
 これより採決に入ります。原案通り賛成の諸君の擧手を願います。
#43
○委員長(板谷順助君) 全會一致可決されました。尚午後は一時半より再開をいたします。これで休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十三分開會
#44
○理事(小野哲君) それでは再開いたします。國が施行する内國貿易設備に關する港灣工事に因り生ずる土地又は工作物の讓與又は貨付及び使用料の徴收に關する法律案に關しまして質疑を許したいと思います。
#45
○新谷寅三郎君 私はこの法律案について簡單に質疑をして置きたいと思います。この法律案は從來行われております事柄をそのまま法律に掲げたものと思います。そのいろいろの關係を法律で以て明定した方がいいというので、法律案ができていると思うのですが、從來こういつた方法をおとりになつたために港灣におきましていろいろの問題が起こるのじやないかと思うのです。むしろ國が相當の費用を出して、重要港灣につきましては國費で以て港灣建設をやられて、そうしてその埋立地等のごときは、むしろ國の手においてでき上つたものを一般に適當なものに讓與するというような方法をとつて行きますと、需要港灣については、國が自分の考える通りに管理運營して行くことができるというような氣がするのです。現在問題になつておりますように、公共團體が主として費用を出しました重要港灣におきまして、ただその建設面だけでなしに後でやはり港灣の運營におきましても、管理者として公共團體が自分の意思に從つて運營するというようなことが行われる。そのためにいろいろの港灣運營上の面白くない問題も起つておるわけでありますから、公共團體に費用を出さして、その代りに埋立地その他の建造物、工作物を適當な値段で以て讓與するという方法をとるならば、むしろ國が自分で國費を出して港灣建設をやり、そのでき上つた工作物とか或いはそれによつて生ずる土地を國の手で以て適當なところに讓與して收入を得るというふうにした方が、港灣の經營、運營という面から行きますと、より效果的なような氣がするのです。何故その點を改めることができないのか、當局の御意見を伺つて置きたいと思います。
#46
○政府委員(後藤憲一君) 港灣工事はいわゆる港灣を一つの企業者という企業の對象となる性質のものでありますので、從來のこういうやり方をやつておりましたのは、若し國でやるといたしますと、國費の厖大なものを支出いたしますし、一方民間の企業意欲と申しますか、いろいろな企業的考えがありますことに對して、國の費用を以て國が營造物を作つて行くということになりますと、民間の企業意欲を撃討するというような結果にもなりますし、できるだけそういうことのないようにするということにして、民間の企業意欲を助成して行こうというのが主たる行き方のように考えるわけでございます。尤も特に對外貿易の重要なものは、國有物としての國が企業者の立場に立ちましてこういうやり方をいたしました例は、横濱、神戸、及び關門にありますが、この港灣のやります各種の施設の營造につきましては、そのもの自體が公共性が非常に強いのでありますので、そうして地方公共團體がその企業者の立場に立つものが大部分であります。そういう形から行きますと、成る程それを取つて國がやつたら宜いじやないかという議論の途も出ろと思いますけれども、非常に數が多くありますし、各々やはりその土地土地、各都市が自分の都市の發展というようなことを考えまして、いろいろと計畫をいたして行きます點を、やはりそういうものに任した方が民間の企業の意欲を活かし、且つ民間の業を推展させる機會を與えることになりますので、又財政上から行きましても、國費を多額に支出するというようなこともなく、それを助成するという行き方においてやつて行く方が宜いというのが從來からの考え方でありまして、これを今でもその方が我々としてもいいという考えを以て、この方法を取つておるわけであります。
#47
○新谷寅三郎君 私が主として對象に取り上げております港灣は、今後段にお話になつたような、主として外國貿易に使うような、國が自分で管理をして建設をし運營するというような港灣を取り上げておるのであります。重要な港灣でありましても、地方的なものについては、これは別個の問題としてお考え願いたい。私の尚お尋ねしたい點は、公共團體の方に費用を負擔させる、そうして後で土地或いは工作物を公共團體に讓與する、こういう仕組で參りますと、恐らく港灣を建設する場合におきましても、この公共團體の意思が相當に強く入つて來ることは當然であらうと思うのであります。公共團體としましては從つて埋立をする。埋立によつて出した費用を漸次に囘收するということを從來とも考えられて來たのでありまして、本當に外國貿易なんかに最も適當な港灣の設備をするということを、むしろ第二義的に考えられる傾向がありはしないかと思うのであります。埋立地のごときは、或る程度年限が經ちますと、必らず相當の値段で以つて賣れるわけであります。國がやりましても餘りその點は國として大きな負擔にはならない、恐らく公共團體がやられる場合におきましても、恐らくこれは地方債で以つてやられる場合が多いだろうと思うのであります。國が國債を發行するのも、地方債を發行するのも、その間餘り選ぶところがない、金融界に對する影響はそう變りがないじやないかという氣もしますし、一面國全體としてその港灣をどういうふうに活用するか、どうあるべきかということを考えてやりますのと、公共團體が今申上げましたような間點から建設し運營するのとは、大分開きが出て來ると思うのであります。一例を擧げますと御承知のように、日本では倉庫問題について申しますと、非常に少い、倉庫が少い。それで大體において大きな倉庫は臨港地帶にあるわけでありますが、臨港地帶の倉庫というものは、その都市だけの倉庫ではないのであります。その港灣から入つて來る、或いは出て行くいろいろな物資を倉庫で取扱うわけなんであります。ところが公共團體、公共團體だけではありません、公共國體が主として建設し運營するということになりますと、そういう他の府縣、他の都市というような全體的な立場から考えませんで、その都市の利害ということを主として考えるのは、又止むを得ないものと思うのであります。でありますから同じような費用が異り、そうしてそれが國債になるか、地方債になるかというだけの相違であり、そうしてその支出したものに對する收入と申しますか、後で土地や工作物を讓與したその價格というものがどこかに入つて、來るわけであります。それが公共團體に入つて來ても、國に入つて來ても、その點は餘り變りはないじやないか、又その點が非常に殆んどどの場合において收支が償わないものでありますれば別でありますか、大體におきまして今までの例で行きますと、臨港地帶に埋立地を造つた場合には、相當の收益を擧げ得るということでありますから、さしたる障碍がなくて、而も重要港灣の建設なりその後の管理運營なりにつきまして得るところが多いのではないかと、こういうふうに考えるのでありますが、その點について實は尚今後この趣意で以つて行かれるのは餘り面白くないという考えを持つのでありますが、尚今申上げますような點について御答辯を伺いたいと思います。
#48
○政府委員(後藤憲一君) 今のお話の、公共團體が企業をしましても、國が企業をしましても、いずれ地方債、國債のことだからというのは、一應は御尤もでありますけれども、又これを地方に渡せば、地方は地方的な考えで處理するというようなことがある。實際の處理に当りましては一々國の監督を要して、許可を要しておるわけでありまして、國といたしましては、國全體を考えて、その港の性質によりまして、おのおのその處置に對して一定の指示を與えてやらしておるようなわけでありますから、その點はどちらにいたしても同じようなことであります。倉庫のことにつきましては、倉庫は全部民營ということを建前にいたしておりまして、終戰後非常な戰災を受けましたために、止むを得ず臨時に國費を以て一部建設いたして應急の間に應ずることにはいたしましたけれども、これは極く特殊な例でありまして、今までにおきましては、倉庫につきましては完全な民業を以てやつて來ておるようなわけであります。それで極く特殊な國の輸出入貿易の重要な點である場所につきましては、御承知の通り横濱、神戸には國の營造物を國で造つてそのまま國の管理に属しておるのがありますけれども、それ以上までに國の管理権を直接に揮うということは、却つて只今申上げましたように、民營の仲長を押えるということになるのじやなかろうかということが一つ考えられますのと、埋立のごときは成る程或る時機には高い値段で賣れて、收支の點で行けば國でやつても決して損になることはないのであります。けれども埋立地が埋立地として十分使えますには、港内港路或いは泊地の新設というようなもの、或いは波を除けますところの防波堤というような基礎的な、而も直接の收益を上げることの非常に困難なマイナスの部分が大分あるのであります。そういうような點を考えますれば、埋立の費用を以てしても、そういう施設までも、勢い全部國の直接財政上のバランスになるかどうかということについては、尚疑問の點があります。從つて國でこれを管理し運営することが必要だというもの以外は、やはり公共團體なり或いは民間なりの企業意欲を促進させ、或いは起させるような行き方を取つて指導して行く方がいいのじやなかろうかという考えを以て今でもやつておるわけであります。
#49
○新谷寅三郎君 今の政府委員のお話ではまだ私十分納得できないのであります。神戸、横濱のようなもののみならず、尚他にも例えば大阪とか尚重要港灣が相當あるわけであります。そういう港灣につきましても、或いは今後大分情勢が變りましたから、新らしく相當の港灣を建設しなければならんかも知れません。そういう場合におきましても將來を考えまして、内國貿易は勿講、外國貿易にも相當大きく活用しなければならんというような港灣につきましては、今私が申上げたような主義によつて建設された方がよりいいのじやないかということを考えるのでありますが、この點の質問は私としては大體これで打切つて置きます。ただ當局に申上げますが、現實に今までそういう主義を取つて來られましたために、實際上港灣の建設及び運營につきまして、いろいろの問題が起つておることは御承知の通りと思います。こういつた状況を早く直しませんと、日本の港灣がどうしても良くならない。地方的な港灣というものが大體主眼になつて、日本の港灣はでき上つておるということでは、今後の日本の對外貿易その他に相當差支が出て來るのではないかと思いますから、尚御研究になりまして、若し私が申上げたようなことが多少でも適當であるという場合には、成るべくこのやり方を早い機會に切替えられるように私は希望します。それを希望しまして私の質問を終ります。
#50
○丹羽五郎君 ちよつと口熱ではつきり質問の要點を申上げられないかも知りませんが、その點をお許し願つて置きたいと思います。政府は港灣法というものを提案して、港灣地帶を設けて港灣行政を一元化する考えはないのでありますか、その點をお伺いします。
#51
○政府委員(後藤憲一君) 港灣法の制定につきましては、随分古い時から實は要望がありますし、又當局者といたしましても數囘起案をいたしたこともありますが、未だいろいろの點から議會にお諮りして法律にするまで至つておらんわけでありますが、最近新らしい憲法になりましてから、各種の法案の整備をいたさなければならん。港灣法がないと非常にいろいろな點で差支えるという點が現實に起きて參つておりますので、今當局におきましても、いろいろ研究いたしまして起案中であります。若し順調に運びますれば來議會、遲れれば或いはその次あたりまでにはなんとか成案を得てお諮り申上げたいと、こういうふうに考えておりまして努力しておる次第であります。
#52
○丹羽五郎君 私は水産委員をしております關係上實は、商港と漁港をいうことで區分けをどういうふうにするかということについて、研究を重ねて參つたのでありますが、戰後日本の港灣は、漁港でありましても埠頭に倉庫が列立して商港らしい體形を整えております。然るに重要な港灣を見ますと、その面影もなくなつて、漁港にも劣るような港灣設備もあるのであります。この前農林省において管理しておる、漁港に對する行政を右左しておるという意見もあつたのでありますが、私は商船港と漁港の間についての區分けというものにつきまして、非常に現在の状況から眺めるならば、非常にむずかしいではないかと、かように考えますが、その點政府のお考えはどういうお考えをもつておりますか、お伺いいたします。
#53
○政府委員(後藤憲一君) 漁港と商港との區分けは極く概念的に申せば簡單のようでありますが、今御質問の通り實際に當りますとなかなか複雜であります。全くの漁船の基地だけというところでも、他の物資が入つて參りますると商港的色彩を帶びて參ります。又純然たる商港の積りでありましても、その内に漁船が入つて參るとこれが漁港的色彩になつて參ります。この點につきまして農林省との間に一々一港について御相談申上げて、いずれで以て御世話するということを、分け合つて扱つておるようなわけであります。兩省の間におきましては、そういうふうに緊密な連絡を取つておりますから、その間少しも支障がないのであります。これは漁港だけ、これは商港だけというような意味での區分けになりますと、今お話の通り判然せんのが随分あります。
#54
○丹羽五郎君 純然たる商船港と言いますと、総トン數一萬トン、二萬トンという船舶が港に横付けになつておるという状況ではつきり分つたのでありますが、今日日本の國は一つの制約を以ちまして、商船のトン數に對しても一つの制約を受けておる。又今商船は極く僅かな寂々たるトン數でありますところに、漁船は劃期的にこの食糧を充實するために相當の漁船が建造されて參つておるのであります。只今のところでは商船と漁船とは隻數におきますると、むしろ漁船の隻數が相當多い隻數になつておるのであります。この點重ねて政府に要求をして置きたいのでありますが、商港と漁港しの綜合的な港を拵える一つの方法を私は考えて頂きたい、かように考えます。
 それからもう一つの質問は、この法案の港灣法の一部ともなるべきもののように考えておりますが、今政府委員の話にも港灣法というものを拵えて見たいという話でありますが、この港灣法の一部になるべき性質のものであらうとかように考えておりますが、その意味のように考えて差支ないのでありますか。
#55
○政府委員(後藤憲一君) 漁船も數が多くなり、船型も大きくなるという點につきまして、最近の機帆船と餘り開きのないようになつておるのが現實でありまして、商港と漁港との間がさように接近しつつあるということはこれは現實であります。それで私どもも港灣施設の整備につきましてもその點を十分考えに取り入れて計畫をし、施設をするようなふうにいたしておりますし、漁港專用のところにつきましては農林省の方とも詳細な打合せを、抜本的な打合せをいたしまして扱つておるようなわけであります。それからこの法案は港灣法の一部となるべきではないかという御質問でありますが、目下港灣法を研究中でありますので、はつきりしたことを申上げられませんが、恐らくそういうような性格になるのじやなからうかと思います。又こういう思想を表現を變えて、港灣法の中に織込むようになるのではなかろうか、こうも實は考えられるのであります。その點につきましてはまだ研究の餘地が十分あります。
#56
○丹羽五郎君 こういう重大な法案を殆んど議會が終らんとする瀬戸際に出されたこと、又我々がこの法案を審議する時間が殆んどないというようなことで、こういう明瞭な法案を今まで提案がなかつたということは、關係方面との折衝がつかなかつたので提案がなかつたのだと、私どもはかように解釋していいのでありますか。
#57
○政府委員(舟山正吉君) お話の通りでございます。
#58
○理事(小野哲君) 丹羽さんよろしうございますか……。大隅さん。
#59
○大隅憲二君 この法案の中に關係する問題であろうと思うのですが、倉庫の問題ですが、現在國有の倉庫が、私は横須賀の場合を申しますが、長浦港に二十數棟ありまして、その坪數は恐らく二萬坪以上に上るだろうと思います。これを一會社で獨占して倉庫に使つておるのですが、これはやはりこの法案と關聯して來年からは公共團體にも扱わせて、重點的にこれを經営させることにいたすのでありますか。或いは重點的に拂下げて、そうして使用させるような方をお取りになりますか。その點を一つ伺いたいと思います。
#60
○政府委員(舟山正吉君) 只今特定の港灣における倉庫の問題でございますが、これは國有財産法によりまして、一時使用なり或いは貸付或いは拂下げを將來考えて行きたいと思つておるのでありまして、將來港灣法等ができました場合に、これとの關聯をどうするかということはまだ方針が決つておりません。將來の研究問題であろうと思います。
#61
○大隅憲二君 將來の御方針は公共團體に拂下げるのですか。それとも個人とか、會社或いは法人に拂下げるおつもりですか。
#62
○政府委員(舟山正吉君) 只今の現行法によりまして、これは公共團體に拂下げ得ますし、又私人へも拂下げるわけであります。
#63
○理事(小野哲君) 皆さんにお諮りいたしますが、只今議題になつておりまするこの法律案につきましては、他に御質疑がございませんようでしたら、一應質疑が終了したものといたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
#64
○理事(小野哲君) 御異議ないと認めます。
 それでは引續きまして船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案に關しまして質疑を許します。
#65
○小野哲君 船舶關係につきまして私から簡單に政府のお答えを頂きたいと思いますが、先ず第一はこの法律は明治三十二年の制定されたように聞いておるのでありますが、我が國の今日の實情から見まして、相當改正を要する點があるのではないか、かように思うのでありますが、例えば日本船舶たる資格要件等の規定は、根本的に考え直して見る必要があるのではないか、従つて船舶法の全面的な再檢討をなす必要があるように考えられますが、これらの點に關して政府の御所見を伺いたい。
 第二點はこの法律の第二十一條であつたと思いますが、いわゆる船鑑札船、こういうふうなものは現在どれくらいあるのであるか。
 第三といたしましては、この船鑑札船に關する事務は地方廳即ち府縣廳で行なつておると聞いておりますが、府縣廳では專門的な技術者も非常に少ない、殆んどないといつていいくらいで、とかくその處置が正鵠を失する場合があるようにも聞いておるのでありますが、この點は今後どういうふうに府縣廳を指導されて行かれるつもりであるか。以上の三點について伺いたいと思います。
#66
○政府委員(有田喜一君) 第一の御質問である船舶法を根本的に改正する必要はないか、こういうお尋ねのように承るのであります。御指摘の通り船舶法は明治三十二年の制定の法規でありまして、又聯合國司令部の指令の趣旨から見ましても、今御指摘のように日本船舶の資格要件などに關する制限など、根本的に檢討すべき點があることは、政府としてもよく了承しておるのでありますが、併しこの問題は相當愼重に研究する必要がありますので、折角我々も研究中でございます。今囘は取敢ず昨日も申上げましたように、新憲法の施行に伴つて、差當つて必要な改正をするということに止めた次第でございます。この點御了承を願いたいと思います。
 第二の船鑑札船がいくらかということは、記憶いたしておりませんので、説明員から申上げたいと思います。
 第三番目の船鑑札事務は府縣廳でやつておるが、正鵠を失しておるということは、誠に御指摘の通りでありまして、我々といたしましてもこの府縣廳の扱いを何とか變えて行きたいというので、寄り寄り研究もしておりまして、或いは直接管海官廳にやらしたらどうだというようなことも、一應は考えておるのでありますが、御承知の通り府縣廳の事務も最近非常に今變革しつつある最中でありまして、このどさくさに紛れてやるということもどうかと考えまして、この問題はまだ表面化しておりませんが、内面におきましては只今相當研究を進めて、機會があるならば或いは直接管海官廳に移したいということも考えておるのでございます。
#67
○理事(丹羽五郎君) 今小野君の質問に對して、船鑑札船の隻數その他について、齋藤説明員の方で説明して頂きたいと思います。
#68
○説明員(齋藤良平君) 今ここにはつきりした數字は持つておりませんが、大體三十萬トン前後と考えられます。
#69
○理事(丹羽五郎君) 隻數は……。
#70
○説明員(齋藤良平君) それはちよつと分りません。
#71
○理事(丹羽五郎君) 小野君に代つてお聞きしますが、總トン數五トン以上二十トン未滿の船のことでありますか。
#72
○説明員(齋藤良平君) さようでございます。
#73
○新谷寅三郎君 船舶法の根本的な改正は、近い中御提出になるそうでありますからそのときに讓りますが、船舶安全法に關しまして戰時中からいろいろの特例が出ておつたようですが、今日ではこの船舶安全法に關する限り、船舶の慣行制に關する限りは、例の國際條約をそのまま實行しておる、つまり國際條約に合致した船舶安全法の運用をやつて行くというふうに了解してよろしいでしようか。その點先ず伺います。
#74
○政府委員(有田喜一君) 御指摘の通り戰爭中は戰時特例その他によりまして、相當船舶安全法の特別な扱いをして參つたのでありますが、今日はそれは全廢しておりますので、一應國際條約というと言い過ぎかも知れませんが、一般の國際慣行によつてやらなければならんことに相成つております。
#75
○新谷寅三郎君 船舶安全法の關係で、貨物船に對する無線電信施設の整備の問題でありますが、これも大體條約の要求している程度にいつているのでしようか。
#76
○政府委員(有田喜一君) 遺憾ながら今完全にその通りになつておるとは申兼ねますが、著々無線施設を今整備して段々とその方向に變えつつあるような次第であります。
#77
○新谷寅三郎君 それからこの「船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案」と又別に最近提出されました「昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律の一部を改正する法律案」との關係についてでありますが、結局船舶法及び船舶安全法に關する限り、今議題になつております法律案によつて大體命令事項で新憲法の上から言つて困るものを法律に擧げたというふうに、提案理由でもお述べになつておる、その通りに考えておつたのですが、實はこれはなにか問違いがあるのじやないかと思うのですが、今配付された正誤表によりますと、この昭和二十二年法律第七十二號の關係の法律案中の正誤として、最後に船舶法施行細則、船舶安全法施行規則、船鑑札規則というものが載つておるのです。これでいきますと、結局この法律の改正をしなくつて、現行の船舶法施行細則、船舶安全法施行規則、船鑑札規則がそのまま法律になるという法案ですが、これはなにか正誤表の間違いではないかと思うのですが、この點は特に兩方共お出しになる必要があつてお出しになつたのか、或いはそれがどちらかが間違つておるのか、如何ですか。
#78
○政府委員(有田喜一君) 實は當初から我々は今お手許に配付しておるような船舶法及び船舶安全法の一部を改正する、こういう方針で進んでおつた。處が途中關係方面のアツプールが少し遲れるようなことで、果してこの議會中に一部改正が間に合うかどうかということが非常に疑念になつてきた。そこで一方第七十二號でございますか、今御指摘の法律の方に、それでは外の法律も相當延期されるのがあるから、その方の中間入をして、延期の方をやつたらどうかということでございましたので、従つてその印刷のような方向でいつておるのですが、一昨々日でございましたか、突如又我々の當初考えておつたこの船舶及び船舶安全法の一部改正という方の承諾を得たので、そこで追つかけまして、急ぎ衆議院なり參議院の方に一部改正案を提出したわけであります。同時に一方第七十二號關係の法律の方のものを修正して貰うということで進んでおるのであります。恐らくお手許にあるのは、その修正される前の案が印刷になつておるのじやならうかと私は想像いたすのであります。司法委員會でその問題を扱つておりますが、私どもの今日まで了解しておるところでは、司法委員會で修正の手續を執りましたか、或いは印刷の誤謬の手續を執りましたか、その邊はよく存じませんが、とにかくそれは訂されておるということは私は了解しております。
#79
○理事(丹羽五郎君) 速記を止めて。
#80
○理事(丹羽五郎君) 速記を始めて。
#81
○新谷寅三郎君 只今の政府委員のお話で最後の船舶法施行細則、船舶安全施行規則、船鑑札規則、これは更に正誤で以て落されるものと考えてよろしいのですか。
#82
○政府委員(有田喜一君) さように御了解下つて結構であります。
#83
○新谷寅三郎君 もう一つ關聯して伺いたい。それは海運關係であつて、尚新憲法の施行に伴いまして今申上げた昭和二十二年法律第七十二號關係の法律案、これに盛られてなくて、今日まで出ていないもので、而も法律にした方がよいという考えを持ち得るものがあるように思うのです。それはなにか見解の相違で、御檢討の結果、それは法律は要らないのだというお考えかも知れませんが、この際に一應お差支なければ聞かして頂きたいのは、これは船舶安全法關係の規定だと思いましたが、危險貨物の運送に關する規則、それから船用品の檢査とか試驗に關する規定、これは省令で出ておると思いましたが、海事に關する代書人、代願人、これは確か營業免許のような規定があつたと思う。それから關東州とか外地と日本内地との間の船籍の移轉に關する政令があつたと思います。これらは當然法律を以て規定した方がよい事項じやないかと思いますが、御研究の結果或いは落されたかも知れませんが、若しそういうことであれば、どういう御見解か、この際伺つておきたいと思います。
#84
○政府委員(有田喜一君) 實はこの問題は、私の方でも最初は法律事項として入れなくちやならんのじやなかろうかというので研究を始めたのであります。最後の結論としましては法律でない方がよかろうということで、一應法律の改正の手續を取らなかつたのでありましたが、詳細は法制局と直接折衝した經過を説明員に説明さして頂くことをお許し願いたいと思います。
#85
○小林勝馬君 私遲く參りまして、皆さんから御質問があつたかと思いますが、この第二十二條第一項中の罰則でございます。罰則はあらゆる條文を見まして、從來のものは「百圓以方千圓」という具合に幅があつたのでございますが、今囘の改正案の分は全部一律に「一萬圓」、「五千圓」に改める、こういうふうになつておりますが、これに對する政府の御所見を承りたいと思います。
#86
○政府委員(有田喜一君) 決して改正案は一律に一萬圓となつておるわけではないのであります。例えば第二十三條の例を取つて見ますならば、現行法では「二百圓以上二千圓以下ノ罰金ニ處シ」とあります。それ以下は現行法に生きておるのであります。即ち「一萬圓以下ノ罰金ニ處シ」ということに變つておるのであります。
#87
○小林勝馬君 只今の御説明でその條文に對するあれははつきり分りましたが、この書き方でそういうふうになりますか。
#88
○政府委員(有田喜一君) これは少し立法技術の問題になりますが、この二十三條中「二百圓以上二千圓」というその引つかけの部分を「一萬圓」に改めるだけでございますから、そうすると元の條文を見ますと、「第三條ノ規定ニ違反シタルトキハ船長ヲ一萬圓以下ノ罰金ニ處シ」云々ということになりますから、私はこの書き方で當然今申しましたような説明の通りの改正になると、かように了解いたしております。
#89
○小林勝馬君 「一萬圓以下」ということになると、「以下」はもう最低は今度は入つておらないことになるわけでございますか。「以下」のいわゆる最低の金額は……。
#90
○政府委員(有田喜一君) さように御了解下さつて結構でありますが、實際問題としまして常識上おのずから「一萬圓以下」であります。最低は極端に言えば一圓ということになるのでありましようが、そこは常識上判斷で解決できると考えます。
#91
○理事(丹羽五郎君) ちよつとお斷りをいたして置きたいのでありますが、私昨日から非常に發熱をいたしまして、今日こちらへ參りましてから扁桃腺が脹れまして、醫務室で診て貰いましたら、ちようど三十九度五分程ありまして非常に苦しいのでございますが、今日は委員長がちよつと差支があるものですから、委員長報告を私がやる段取りになつておりましたが、咽喉がそういう關係でできないものでありますから、小野理事にお願いをいたしまして、私委員長代理は務めておりますが、外套、襟巻を一つお許しを願つて置きたいと、かように考えます。
 それから今新谷君の質問に對して大見説明員から説明を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。
#92
○理事(丹羽五郎君) どうぞ。
#93
○説明員(大見和雄君) 第一の危險物船舶運送及貯藏規則につきましては、船舶安全法第二十八條によりまして、その根據があるというので特に措置を取りませんでした。第二十八條と申しますのは、「危險物ノ運送禁止、遭難者救助、救命艇手、操練及操舵命令ニ關スル事項竝ニ危險及氣象ノ通報其ノ他船舶航行上ノ危險防止ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム」とございますので、この根據に基いたものと考えて措置いたしました。それから第二の船用品取締規則の關係でございますか、これらには製造免許の點、罰則の點等に若干法律の根據を有する部分がございますが、これらは研究の結果、特に必要としないので、失效に任せ、そうして明年になりましてから省令の改正によつて製造免許を全部型式承認の分野に取入れて措置するということをいたしまして、それから第三に海事代願人の關係でございますが、これも法律に別に根據はないことになりますので、明年以後新たな研究をした結果、特別の制度を作ることになつております。
#94
○新谷寅三郎君 大體分りました。もう一つ今の法律案の第一條の末項にあります「前項ノ罰則に規定スルコトヲ得ル罰ハ千圓以下ノ罰金トス」という規定がありますが、これは政府當局の方の考えは如何でしようか。こういう法律で以て命令に委任し得る罰の限度は大體千圓というふうにお考えになつて「千圓」となすつたのでしようか。この規則のような關係は「千圓」であつて、命令に委任し得る罰則の限度というものは「千圓」という額に拘わらず、尚今後別に何か標準でも考えようということでありましようか。この點の經緯をお話願いたいと思います。
#95
○政府委員(有田喜一君) お尋ねの點でございますが、これは私が了解しておるところでは、船鑑札規則というような場合には、千圓以下の罰金で適當じやなかろうかというような考えで、關係各廳の意見では一致したような次第でございますが、全般的に省令に委任するときに千圓以下にするということは餘り論議されませんので、私自身としては正確なお答えはできませんが、恐らくこれは本件に關して「千圓」ということにつけたように了解しております。
#96
○理事(丹羽五郎君) この船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案でありますが、問題は至極簡單な、十二月三十日で執行するからという問題でありますので、船舶檢査規定とか、そういうことに關係しては一つも觸れていないので、過日政府委員から説明がありましたが、ただ罰金の金額を現在のインフレ状況に合わせて上げたというようなことで、外は僅か一、二の手續上の問題らしく考えておりますが、いろいろ外にもありますから、できますならばこれを一つ早く御審議を願いたいと思つております。
#97
○小林勝馬君 大體質問も盡きたようでございますから、一應質問を打切られて、討論、採決に入られんことの動議を提出いたします。
#98
○理事(丹羽五郎君) それでは豫備審査はこれで打切りまして、あと法案が二つ程ありますが、國が施行する内國貿易設備に關する港灣工事に因り生ずる土地又は工作物の讓與又は貸付及び使用料の徴收に關する法律案、これが今もうじきに衆議院の方が上ると考えておりますので、一括してここで討議に入つて頂きたいと考えます。衆議院の方が上り次第に又やつて頂きたいと思います。休憩に入りたいと思つておりますが、その前に大隅さんから何か御發言があるようであります。
#99
○大隅憲二君 この議會に私お禮を申上げます次第であります。横須賀開港につきまして、海運當局竝びに港灣當局の御理解のあるお計らいと、尚又本委員會の先輩諸氏の御熱心なる御審議と、尚且つ御視察を願いまして、そうして衆議院の方は二日に、参議院の方は本日、横須賀開港を決定してくれました。私地元議員といたしまして、厚くお禮を申上げます。いろいろどうも御配慮ありがとうございました。お禮を申上げます。
#100
○理事(丹羽五郎君) それでは船舶安全法の豫備審査の質疑はこれで打切りまして、暫く休憩をいたしたいと思います。
   午後三時二十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後六時二十八分開會
#101
○理事(小野哲君) それでは只今から再開いたします。議題となりました國が施行する内國貿易設備に關する港灣工事に困り生ずる土地又は工作物の讓與又は貨付及び使用料の徴收に關する法律案竝びに船舶法及び船舶安全法の一部を改正する法律案、これらにつきましては、すでに質疑を終つておりますので、これより討論に入りたいと存じます。内容はすでに政府議案の理由にもありますように、明白なものでございますので、討論を省略して採決に入りたいと存じますが、如何でございましようか。
#102
○理事(小野哲君) それではこの兩法律案に對しまして贊成の諸君の御起立を願います。
#103
○理事(小野哲君) 全會一致可決すべきものと決定いたしました。
 尚本會議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、豫め多數意見者の承認を經なければならんことになつておりますが、これは本委員長において、本案の内容、委員會における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
#104
○理事(小野哲君) 御異議ないものと認めます。
 尚本院規則第七十二條によりまして、委員長か議院に提出する報告書には、多數意見者の署名を附することに相成つておりますので、本案を可とする方は順次御署名を願います。
#105
○理事(小野哲君) 御署名漏れはございませんか。
#106
○理事(小野哲君) 御署名漏れはないと認めます。それではこれを以て散會いたします。
   午後六時三十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           丹羽 五郎君
          橋本萬右衞門君
           小野  哲君
   委員
           内村 清次君
           小泉 秀吉君
           鈴木 清一君
           中村 正雄君
           若木 勝藏君
           大隅 憲二君
           水久保甚作君
           植竹 春彦君
           小林 勝馬君
           高橋  啓君
           飯田精太郎君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           早川 愼一君
           北條 秀一君
           村上 義一君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
  政府委員
   大藏政務次官  小坂善太郎君
   大藏事務官
   (國有財産局
   長)      船山 正吉君
   厚生政務次官  金光 義邦君
   厚生事務官
   (保險局長)  宮崎 太一君
   運輸事務官
   (海運總局長
   官)      有田 喜一君
   運 輸 技 官
   (海運總局港灣
   局長)     後藤 憲一君
  説明員
   運輸事務官
   (船舶局造船課
   勤務)     齋藤 良平君
   厚生事務官
   (保險局年金課
   長)      岩瀬 繁一君
   運輸事務官
   (海運總局總務
   室勤務)    大見 和雄君
ソース: 国立国会図書館
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