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#1
第075回国会 商工委員会 第12号
昭和五十年四月十五日(火曜日)
   午前十時四十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     斎藤 十朗君     矢野  登君
     山崎 竜男君     熊谷太三郎君
     森下  泰君     剱木 亨弘君
     浜本 万三君     鈴木  力君
     山中 郁子君     安武 洋子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり
    委員長         林田悠紀夫君
    理 事
                楠  正俊君
                小柳  勇君
                須藤 五郎君
    委 員
                岩動 道行君
                小笠 公韶君
                剱木 亨弘君
                斎藤栄三郎君
                福岡日出麿君
                矢野  登君
                阿具根 登君
                鈴木  力君
                対馬 孝且君
                桑名 義治君
                中尾 辰義君
                安武 洋子君
                藤井 恒男君
   国務大臣
       通商産業大臣   河本 敏夫君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房審議官     大薗 英夫君
       通商産業省立地
       公害局長     佐藤淳一郎君
       資源エネルギー
       庁次長      熊谷 善二君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  大永 勇作君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       環境庁水質保全
       局調査官     小川 洋二君
       消防庁予防課長  永瀬  章君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○高圧ガス取締法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十八日、山崎竜男君、森下泰君、斎藤十朗君、浜本万三君、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として熊谷太三郎君、剱木亨弘君、矢野登君、鈴木力君、安武洋子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(林田悠紀夫君) 高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○対馬孝且君 高圧ガス取締法の一部改正に関する法律案に関しまして提案をされておるわけでありますが、これは四十年に改正され、さらにまたその後、液化ガスの保安確保に関する法律等高圧ガスに対する関心は、その後、非常に事故発生を初めといたしまして関心が高まっております。特に、各種エネルギー問題の中においては、利用度が高まるにつれまして関心も高まっておりますが、特に私は、今日的な情勢の中で、コンビナートにおける事故の発生、またLPGガスの、プロパンの家庭用ガスが相変わらず増大の一途をたどっており、最近、これによる痛ましい事故が次々に発生をいたしております。
 そういう意味で、特にこの石油化学全般に対しましても、保安、事故防止に対しても積極的に取り組むよう要望されているというのが、今日の国民の世論でございます。したがいまして、その意味においては、今回の提案は、高圧ガスの取り締まりを強化する目的の法案ですから、この趣旨については基本的に私も賛成をするものであります。しかしながら、この法案の内容全般を検討してみますと、幾多の問題点があるということをまた指摘をしなければなりません。
 最初に私は、この法律案の提出に至る基本的な考え方を、まずひとつ河本通産大臣にお伺いをしたいと思います。
#5
○国務大臣(河本敏夫君) 今回、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案の御審議をお願いをいたしております基本的な考え方でございますが、一昨年一連のコンビナート事故がございまして、その反省の上に立ちまして、いろいろと対策を強化していきたい、これが基本的な考え方でございまして、一連の対策を今回の改正で行うことになっております。
#6
○対馬孝且君 そこで再度、いまのコンビナート事故続出のために、法案の必要が迫られておるということで提起をいたしましたというお答えでありますが、私は、昨年十一月の七日に開催をされました商工委員会で、北瓦斯問題に関連をいたしまして追及をいたし、質問をいたしております。
 当時、現地に調査団が入りまして、阿具根調査団長の現地調査報告がございますが、この中にも、阿具根調査団長からも報告されておりますけれども、この問題に関しまして、特に高圧ガスだけではなくてガス事業法改正が必要ではないかという問題、改めて公聴会のあり方、それからガス事業法の一部改正等に関する必要性などにつきましても報告をされております。特に、当時の中曽根通産大臣に私も質問いたしておりますが、この答えとしまして申されておりますが、こういった痛ましい事故が起きているという事態の中で、特に反省を深めてまいりました、時に行政指導を強め、できるだけ早い機会にひとつ国会に立法の改正をいたしてまいりたい、こういうふうに当時の中曽根通産大臣が答えているわけであります。これは議事録をごらんになっていただけばわかるんでありますが、その意味では高圧ガスだけではなくて、ガス事業法の改正が、北瓦斯の七名という、結果的に八名になりましたが、痛ましい事故の発生から考えまして、ガス事業法の今日の改正ということは急を要しているんではないか、こう私考えますが、今回、その点の兼ね合いでのガス事業法の改正をする意思がどうして通産省としては考えられないのかどうか、この点につきまして、ひとつ、当時の中曽根通産大臣がそういう答えを出しているんでありますが、河本通産大臣、基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(河本敏夫君) 高圧ガスの取り締まりの強化の体系と都市ガスの安全確保のための体系を確立するということは、これはおのずから別の問題でございますが、しかしながら、御指摘がございましたように、北海道瓦斯でもああいう事故等もございましたしいたしますので、やはりこのガス事業の安全を強化していくということはどうしても必要であろう、こういうふうに考えておるわけでございますが、今回はとりあえず、高圧ガスの取り締まりの一部を強化していく、この点だけをお願いすることにしたわけでございます。
#8
○対馬孝且君 今回は高圧ガスだけということなんですが、当時の大臣が、できるだけ早い機会に国会提出をしたいと、こう言っておるわけですから、そういう意味では、このガス事業法を改正する意思があるのかどうか、また、これ出すとお約束しているんですから、いつごろこの事業法を改定しようとするのか、その点明らかにしていただきたい。
#9
○政府委員(大永勇作君) 先般の国会でも、中曽根当時の大臣から申し上げましたように、北瓦斯の事故にかんがみまして、保安の強化を図ることがどうしても必要であるということで、現在ガス事業大都市対策調査会というのがございますが、そこで熱量変更の基準の問題、それから、そのほかにガスの消費機器に関する保安問題全般につきまして、この一月から検討をやっております。そういった検討の結果を踏まえまして、必要があれば事業法の改正ということでございますが、御承知のように、ガス事業法というのは非常に広範な授権立法になっておりますので、そういった審議の検討の結果、事業法の改正が必要になるかどうかという点につきましては、なお審議の経過を見きわめたいというふうに考えておるわけでございます。
#10
○対馬孝且君 いまガス事業部長から、必要があればと、こう、言葉じりをとらえるわけではありませんけれども、大臣が、立法改正をいたしますということを言っているのに、必要があればって、七人も殺しておいて、犠牲者を出して、あの大臣の答弁の中にも、できるだけ早い機会にやっぱり法律改正を必要とするということを答弁されているわけですよ。必要があれば改正をするなんというのはとんでもないことだ。当時の大臣自身が立法改正をいたしますと、こう言っているわけだから、その点はっきりしてもらいたいですよ。
#11
○政府委員(大永勇作君) 大臣が申されましたのも、いま申し上げましたように、調査会等の議を経まして、必要があれば法律の改正を考えるということではなかったかというふうに了解しておるわけでございます。
#12
○対馬孝且君 必要があればって、この間の熱エネルギーの変更の関係では、必要があるんじゃないですか。あなた自身がここで認めたでしょう、熱エネルギー変更に伴う器具全般の改善、点検、そういう意味の保安教育の指導ということが、従業員に対する指導が必要だと、こう言っているわけですから、必要があればなんて言い方にならないでしょう。
#13
○政府委員(大永勇作君) 当時申し上げましたのは、たとえばガス事業法の四十条の二というふうな規定もございまして、それの運用の仕方では、さらに規制を強化するということは十分可能であると思いますので、当面現行のガス事業法の運用強化によりまして、消費機器等に対します保安監督の強化を図りたいというふうにお答え申し上げている次第でございます。
#14
○対馬孝且君 これ、法案を――いずれにしてもきょうは高圧ガスの問題ですから。現実に犠牲者が出て欠陥があったと認めているわけです、原因が明らかだということ。しかも刑事事件にまで発展をして、北海道道警本部が今回明らかにしたじゃございませんか。こういう関連からいって法改正が必要でないなんて、必要があればとかって、そんな言い方にはならない。北海道の道警本部が刑事的に幹部の責任、刑事訴訟として責任を追及するということが明らかになった限り、法の改正が必要あるんじゃないですか。この点どうですか。
#15
○政府委員(大永勇作君) 先ほども申し上げましたように、規制の強化をさらに一層徹底的に図っていくということは、これはどうしても必要であろうというふうに思います。それを行います手段といたしましてどういうことが必要であるか、現行法の運用の中でいけるかどうか、いけない部分があれば、もちろん法律改正ということになるわけでございますけれども、われわれといたしましては、何分この保安の強化というのは緊急のことでございますので、できるならば現行法の運用で当面対処していきたい。なお、それでも不十分な点があれば将来の問題としまして法律の改正も検討したい、こういう趣旨でございます。
#16
○対馬孝且君 いずれにしても、いま言った刑事事件にまで発展をして、幹部が刑事対象になったわけですから、根本原因というのは調査団の報告にもありますとおりでございましてね、これはやっぱり、あわせてひとつできるだけ早い機会に法の改正をすべきだということを明らかにしておきたいという点だけを明確にしておきます。
 そこで、高圧ガスの問題につきましてちょっと具体的に考え方をお聞きしたいのでありますが、四十八年の工場立地法の衆議院の附帯決議というのがございますが、既存の工場についても工場立地法改正の趣旨にのっとりまして、「公害防止、地域環境保全のため、緑地等の整備について強力に指導すること。」ということで、付されているわけであります。しかし、政府がこの附帯決議を尊重してコンビナートの総点検を行っておれば、水島における石油流出等の事故は未然に防止できたのであったのではないか。そういう意味では、政府はこのコンビナートの総点検に限らず、石油タンク、高圧ガス、都市ガス等の総点検を実施したかどうかということをお尋ねいたします。
#17
○政府委員(佐藤淳一郎君) 水島事故が非常に大事故につながりまして、われわれといたしましてもこの問題を深刻に受けとめまして、通産省所管のタンク類につきましては高圧ガス、それから消防庁関係の石油タンク、それから都市ガス関係のタンクにつきまして一斉点検をやりまして、その結果の報告もまとめてございます。
#18
○対馬孝且君 そこで、最近この政府調査団といたしまして、水島事故に対する中間報告というのが新聞に載っておりますが、この点に関しましてどこに原因があったのか、それから今後の諸対策をどう考えているのか、その点明快な答えをひとつここで報告をしてもらいたいと思います。
#19
○説明員(永瀬章君) 先生お尋ねの、三菱石油水島製油所のタンク事故の原因調査の委員会の中間報告のことでございますが、この中間報告は、三月三十一日に委員会の委員長から消防庁長官になされておりますが、実はこの報告、現在の調査の段階におきまして、事故タンクの屋根が危険な状態にございまして、まだ内部に入っての作業ができません関係で、破断部の、切れました底板の切り出し及びその試験が手がついていない状態でございます。そのような状態の中で、いままでの審議の結果につきまして中間的な報告がなされたものでございます。
 その内容の主なものといたしましてはいろいろの問題がございますが、事故原因の総合的な判定をある程度推測を交えて報告がなされております。
 想定されます事故の原因といたしましては、幾つかの項目がございますが、まず、地盤に対しましてプレロードの量とかあるいは期間、これが不十分ではなかったかという認められ方をしておりますし、また、タンクが切れました原因の一つといたしまして、直立階段の基礎工事が、タンク基礎ができました後、しかもタンクの水張り中に行われました関係上、掘りました後その埋め戻しの工法が必ずしも十分でなかったために、基礎の支持力が局部的に弱まったというようなこと。あるいはほかにタンクの強度、構造、それから地盤とタンクとの関係についての検討が不十分である、施工管理に問題がある、あるいはタンク建設におきますところの業者間の連携が十分ではない、あるいは使用後のタンクの保安点検が十分でないというような点が指摘されまして、その結果といたしましては、不等沈下だとか、あるいは油によりますところの荷重、あるいは油の温度、初期におきます底板の変形等の要因から、底板の溶接部分のうちの、三枚重ね部分に下の方に向かっての変形が起きて、そしてその部分から漏洩が起き、漏洩が起きたために基礎地盤が弱くなった、そして側板とアニュラプレートとの溶接部の間、ここに沿って亀裂が生じて流出したんではないかという考え方がとられております。なお、つけ加えられておりますのは、このような三枚重ね部分に初期欠陥がなくても事故が起こる可能性はある、したがって、現段階におきましては、これが事故の原因であるというところまで明確には報告がされておりません。
 しかし、そのほか「今後の安全対策への提言」といたしまして、問題になりました基礎の工法につきましての圧密を十分にやって、地盤をあらかじめ十分締め固めるようにする必要がある。あるいは、今度の直立階段のような構築物をタンクに近接して設ける場合は、基礎に悪影響を及ぼさないような配慮が必要である。あるいはタンクの構造につきまして、地盤とのバランスを考慮した構造設計及び施工をすべきであるとか、防油堤についての構造、位置、容量等の指摘がございますし、また、油が不幸にして漏れました場合、事業所の外部へ流出するのを防止するために、事業所の敷地の周辺に流出油の防止堤を設置するとともに、排水溝の方に閉鎖をするバルブ等を設けるという措置について検討すべきである。あるいは、地震対策についても十分考慮すべきである。または、設計・施工に関しましての記録の作成が不十分であるので、記録の作成及び保存をさせておくことが必要である。
 また、検査体制の問題についても、今後の保安検査の体制を十分に強化していくことが必要であり、そのためには中立的な検査機関を設けるべきであるという提言がなされておりますほか、設計・施工の技術的な基準につきまして、従来必ずしも十分ではないように思われますので、学識経験者、技術者を網羅しました研究体制を確立しまして、わが国の実態、特に土質、地盤の特殊性に即応しましたタンクの設計・施工に関します自主的な基準をつくるべきであるということが指摘されておりまして、現段階におきましては、その原因がどこにあるかという明確な結論、あるいは責任関係がどこにどのような形で分散されているか、あるいは一ヵ所に集まっていると考えるべきかという点については、現在はまだ触れられておりません。
 以上でございます。
#20
○対馬孝且君 いま水島の中間報告を聞きましたが、四月一日付の朝日新聞の報道にはっきり出ておるのでありますが、水島石油タンク事故原因調査委員会の委員長の木原東大名誉教授のあれで明らかにされておりますけれども、これでも、いまもあなたも認めておりますように、いずれにしましても企業の管理怠慢ということが明確に指摘されていますね。
 そこで私はお尋ねするのでありますが、今国会にコンビナート防災法案を提出しようとしておりますけれども、これはいつの時点でコンビナート防災法案というものを提出をするのか。あるいはいま準備を進めておる、こう聞いておりますが、大体どういう基本的な考え方で構想をまとめておられるのか、この点、もしあったらお聞かせ願いたいというのが一つ。
 もう一つ、これは明らかに責任の所在がもちろん明確にならなければなりませんが、問題はやはりいままでの災害、北瓦斯でもそうですけれども、大災害が起きても、すべて末端の従業員なり末端の働く者だけに責任が問われているわけです。企業の管理者、会社の最高責任者は、いかなる場合があってもこれは刑事的な責任を負ったことがない。一回北炭の事故でありましたけれども、問題はそこらあたりにあるので、刑事責任をどうこれから、企業最高責任者としての責任のやはりとり方というものを一体どう考えているのか、この二つをまずお伺いしておきたい。
#21
○説明員(永瀬章君) 最初のお尋ねの、石油コンビナート地帯の防災に関しますところの法案の問題でございますが、総理から自治大臣に御下命がございまして、自治省と申しますよりも、現実的には自治省を含めまして消防庁が中心になって、各省と現在なお基本的な部分の調整を行っているところでございまして、御提出申し上げます時期は、まだ必ずしも明確にはなっていない状態でございますが、今国会には提出できるものと私どもは考えております。
 次の御質問の、企業責任の問題でございますが、これは各法律あるいは消防法の中におきましても、多くは所有者、管理者、占有者の義務がほとんどうたわれておりまして、行為者についての義務は余り大きな部分にわたっては消防法ではうたわれておりませんで、ほとんどが形の上では管理者と企業側の責任というのが法体系の現状でございます。今後とも、先生御指摘のような行為者そのものだけでなくて、管理者の企業責任の方に重点を置いていくような考え方で進めたいと考えております。
#22
○対馬孝且君 いまそういうお答えがございましたから、いずれにしましても今国会でコンビナート防災法案が出されるということと、その場合の企業責任についていまあなたがおっしゃるように、より企業責任のあり方というものにウエートを置いて責任の所在を明確にする、これを出さないとやっぱり強化をすることにならないんじゃないか、この点特に明らかにしておきたいと思います。
 そこで、立地公害局長にお尋ねしますが、これも関連ございますが、ガス事業法第四十七条の二において、高圧ガス取締法の適用除外を定めているわけであります。今回の改正では、第二十六条の危害予防規程並びに省令改正によって規定の強化が行われるが、この考え方がガス事業にも適用するものと考えてはどうか、この点どう考えますか。
#23
○政府委員(大永勇作君) 現在、ガス事業につきましては、高圧ガス取締法の規定の適用除外をしておりますけれども、取り締まりの中身としましては、やはり高圧ガスにつきましては高圧ガス取締法と同様の規制をすべきものというふうに考えております。したがいまして、いま御指摘になりました危害予防規程につきましても、高圧ガス取締法の趣旨と同様、これはガス事業法にはガス事業法第三十条というものがございまして、保安規程というものをガス業者に義務づけておりますけれども、その保安規程の中身を改正いたしまして、危害予防規程で定めるものと同様の措置をとらせることといたしたいというふうに考えております。
#24
○対馬孝且君 そこで、特定ガス工作物の構造、この離隔の距離等の問題についてちょっとお伺いしたいんでありますが、通産省令で定めているのは、たとえば離隔距離は、最高使用圧力が高圧のもので二十メーター以上、こうなっているわけであります。今回その点が改定の部分で触れられておりますが、高圧ガス取締法の対象になっている高圧ガスと同じように、ガス事業の場合も五十メーターないし三百メーターというふうに離す必要があるのではないか。
 なぜそれを私言ったかというと、これも北瓦斯の例に関連をいたすのでありますが、実際に行った現地調査団は異口同音に――ここに団長の報告もございますし、楠先生、まあ自民党の方々も一緒に行っていただいているわけですからおわかりのとおり、北瓦斯のそばにほとんど十メーター足らずで人家が密集しているわけですよ、あそこは。私は北海道の選出ですから、地元ですからもちろんあれですけれども、あれ危機一髪、もし事故が起きたら大変な人災になるということは、はだ身で感じたと思うんです。自民党の諸先輩も行ってわかっておりますから、したがって、こういう問題については阿具根団長の調査報告書にもございますように、この際、やっぱりきちっとそういう意味での改正というものが必要だ、こういう考え方を持っているわけですが、この点どうお考えですか。
#25
○政府委員(大永勇作君) ガスタンク等のガス工作物のうちで高圧ガス設備につきましては、高圧ガス取締法と同様に、離隔距離につきましては、先ほど申し上げましたような同じ考え方で規制をやっておりますので、高圧ガス取締法の規制が強化されます場合には、それに応じまして、ガス工作物につきましても規制を強化してまいりたいというふうに考えております。
 ただ、御指摘になりました北瓦斯の場合でございますが、これは全部中圧ないし低圧ということになっておりまして、高圧ガス取締法の対象にはなっておらない、高圧ガスではないわけでございます。したがいまして、おのずからこれにつきましては、やはり取り扱いが変わってこようかというふうに考えております。
 いま御指摘になりました北瓦斯のガスホールダーでございますが、これは高圧ではなくて中圧及び低圧のものだけでございます。したがいまして、今回の高圧ガス取締法の改正に伴いまして、ガス工作物の規制も強化してまいりたいというふうに考えておりますが、北瓦斯の中圧、低圧のものにつきましては、現在のところは規制の改定を行うという考え方は持っていない、こういうことでございます。
#26
○対馬孝且君 いつも通産省は、公益事業部長はそれを言うんですが、私は現地で専門家にちょっと聞いてみたんですが、やっぱりあの場合北瓦斯で事故が起きると、縦に立方型にガスが噴き出してくるということよりも、漏れた場合の危険というのは非常に引火する場合に大変なことになると言うのです。これは中圧とか低圧とか言っていますけれども、問題はその場合の事故の方が大変だということです、引火をした場合に。この保証はありますか。これは北大の科学者も言っているんですが、まさにその保証は全くないと言うのです。非常にやっぱり危機一髪で危険な状態にある。これはあなたがいまそんなこと言ったって、北大の科学者でもって田中一という先生がございますけれども、この方が言っているのは、結局、立方型だけにガスが噴き出るものではない、むしろそのことにおける引火した場合の事故というのは大変な危険性が含まれている、こういうことは科学的に証明される、こう言っているわけです。そういたしますと、いま言ったように北瓦斯の場合はこの高圧ガスが適用にならないんだという言い方では問題がありますよ。絶対にこれはわれわれ納得できませんね。
#27
○政府委員(大永勇作君) いま、ガス事業法の規定に基づきまして中圧のガスホールダー及び低圧のガスホールダーにつきましてどういう規制になっているかと申しますと、境界までの距離が中圧の場合には十メーター、ホールダーから境界まででございますが、それから低圧の場合には五メーターということになっております。これはいま先生御指摘のように、たとえばガスホールダーに穴があきまして、それに何らかの火が引火したというふうな場合に炎の長さがどうなるか、それによりまして近辺にあります木造その他の引火物にどういう火災の影響を及ぼすかというところを計算いたしまして十メーター、五メーターというふうな規制が加えられているわけでございまして、現在は、消防法でナフサのタンク等につきまして同じような規制がございますけれども、そういったものとほぼバランスがとれているというふうに考えております。
 そこで北瓦斯の場合、現実にどの程度の距離があるかということでございますが、これは札幌の資料が手元にございますけれども、中圧のもので一万立米のもので、一例でございますが、境界までが二十六メーター、それから民家までが三十七メーター。それから低圧の一例でございますが、やはり境界線までが二十六メーター、それから民家までが三十七メーターというふうなことになっておりまして、いま申し上げましたような十メーター、五メーターという基準は十分に満足しておるわけでございます。
 それから、そういったガスホールダーをなるべく都市から外に移転したらどうかというふうな面もございますけれども、ガスにつきましては、やはり供給の圧力の維持ということがサービス面からいたしましても、保安の面からいたしましてもどうしても必要であるということで、そういう点からいきますと、やはり都市の市街地の中にどうしてもある程度のガスホールダーというものは持たないと、ガス事業の保安、サービスというものが図られないという非常に苦しい面がございます。ただ、この北瓦斯の場合につきましては、先生も御承知のように、将来の計画としまして夕張炭鉱のガスを使おうというふうな計画がございます。そういうことになりますと、ガスの製造設備がいわば札幌の市内になくてもよくなる、それを移転するということが可能になる。そうしますと敷地に余裕ができますので、その中でのガスホールダーの再配置といいますか、そういうことを将来考えてまいりたいというふうに考えております。
#28
○対馬孝且君 いま将来計画は、私も地元におりますから承知しておりますが、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、いまの問題は、中ガスあるいは低ガスにかかわらず、離隔距離という問題は今回の高圧ガスに準ずる、こういう考え方でやっぱり改正をしていかないと――私は、科学的根拠を出せって言えば出しますよ、これは北大の田中教授の根拠を出してもいいんですが、これは明らかに、再びそれ以上の事故が起こる可能性がある、こういうことがきちっと証明されているんです。そうなれば、私は改正をすべきだと思うんです。同じ高圧ガスに準ずる離隔間を持つべきだ、こう考えるんですが、どうですか。
#29
○政府委員(大永勇作君) これは、タンクの中に入っております物によりまして、離隔距離の問題も相当変わってくるのではないかと思います。
 高圧ガスの場合には、やはり爆発するというふうな点からする離隔距離ということが必要でございます。それから低圧の場合には、爆発ということはございません。ただ、穴があいてそこに火がついた場合に、炎がどの程度延びるかというふうなところから離隔距離というものが決まってくる。あるいはまた、石油の場合には、流出してそれがどの範囲に広がるかということで離隔距離が決まってくるものでございますので、そのタンクの中身が高圧であるか低圧であるか、あるいは液体であるか気体であるかというふうなことによりまして、やはり離隔距離の考え方というものは変わってくるでんはないかというふうに考えております。
 それで現在、先ほど申し上げましたように、十メーター、五メーターという距離を、そういう低圧あるいは中圧のガスの特性に照らしまして、理論的に計算してそういう距離を決めておるわけでございますけれども、なお、そういった問題につきましては、保安の強化という見地から、さらに検討することはいたしてまいりたいというふうに考えております。
#30
○対馬孝且君 保安の見地から検討いたしてまいりたいということですから、その点は、いま言ったように、やっぱり専門家がそう言っているんだからそれは――事故が起こらない、起こらないと言ったって、水島の石油事故は絶対起こりませんとか、北瓦斯の熱エネルギー変更事故はございませんとかとたんかを切ってみたって、結果的にはあなた、事故が起きて犠牲者が出たということは事実なんだから。この点だけは断言ということはできないですよ、保安の問題では。そういう意味で、積極的にひとつ検討をしてもらいたいと思う。
 そこで私は、改正につきましては、離隔距離を広げることになれば通産省令を改正することになるんですが、この省令案は審議会にかけなくてもよいのかどうかという問題が一つあるんです。これもひとつガス事業に関連してちょっと聞くんですが、高圧ガスの場合は審議会があるわけです。ところが、ガス事業の場合は審議会がないんだね、ただ公聴会だけだ。公聴会も、これははっきりしているんだ。料金値上げの公聴会だけやって機動隊までぶち込んで、それで強行突破してやるわけだ。
 ところが、いざ保安、熱エネルギー変更だとかそういうときには、公聴会なんかほとんどなされていないんですよ。こういう問題について、少なくとも私は、この北瓦斯の事故を顧みた場合に、やっぱり一般ガス事業に対しても審議会制度があったならばああいう事故は防げたのではないか、こういう反省に立って考えるべきことではないか、こう考えるんです。ところが通産省は何をしたか。私は常に言うように、企業側にべったり立っているのかと言いたいのは、何か、料金改定とかそういうことだけはもう熱心に公聴会だ、やれ何だとか言うけれども、保安の問題とか人命の問題にかかわることになったら、さっぱりそれをやらぬ。それは結果的には企業家の経営指導になるからやらないんだと、こういう意味で企業べったりと、こう言っているんだが、この点について、少なくとも高圧ガス審議会が行われているように、ガス事業に対しても審議会を設置してはどうかとこう思いますが、この点どうですか。
#31
○政府委員(大永勇作君) お答え申し上げます。
 ごもっともな御質問であると思いますが、実はガス事業法制定あるいは改正のときに、かつて審議会という点も検討したことがあるようでございますが、ただ、審議会といった行政機構をつくる点につきましては、いろいろこれは行政管理の面からする制約がございまして、新たに審議会をつくることがなかなか困難であるというふうな状況があったわけでございます。ただ、先生御指摘のように、この保安の問題というのは、一面はなはだ専門的でありますと同時に、また消費者等にも影響する問題でございますので、適切なる審議機関をつくりましてその御意見を伺うということは、これは必要であろうというふうに考えております。そこでガス事業大都市対策調査会という、これは法律上の審議会ではございませんが、そういう組織を現在資源エネルギー庁の諮問機関として置いておりますけれども、先般の非常に痛ましい北瓦斯の事故にかんがみまして、そこに保安専門委員会というものを設けまして、学者の先生、それから消費者の代表等にも入ってもらいまして、現在保安問題につきまして検討していただいているところでございます。今後この検討をさらに活発化してまいりたいというふうに考えております。
#32
○対馬孝且君 それでは、審議会をつくるという考え方に立って諸般の御意見をいま聞いている、こういうふうに理解していいんですね――。それじゃ、高圧ガスに準じて審議会がつくられる、こういう理解を、いつの時点は別に、できるだけ早い機会につくられる、こう理解していいですね。その点どうですか。
#33
○政府委員(大永勇作君) 将来、法改正いたします場合には、行政管理面等の問題がございますけれども、そういうことも真剣に検討したい。それまでの間は現在のガス事業大都市対策調査会等の活用によりまして機能を発揮するようにいたしたい、こういうふうに考えております。
#34
○対馬孝且君 それじゃ調査会の意見を聞く場合に、いまもお答えがちょっとありましたが、私は特に消費者、利用者、こういう代表の意見をやっぱり中心にしてもらいたいと思うんです。概して、政府のやるいままでの機関というのは、すぐ学識経験者と称して――まあ学者は結構だけれども、企業側を入れてやったって、こんなものは改善されるわけはないじゃないですか、あなた。企業はいかに高く売り込んでもうけるかという体質を持っているものを、たくさんメンバーを送り込んで意見を聞いたって、そんなものは改善にならないと思うんですよ。そうではなくて、実際に利用される立場にある者の、どう保安上人命を保って管理していくか、保安改善ができるかということにウエートを置くとするならば、学識経験者を初めとする利用者側の意見を十分に聞く、こういう点についての基本的な考え方をひとつはっきりしてもらいたい、こう考えますが、いかがですか。
#35
○政府委員(大永勇作君) 現在も、ガス事業大都市対策調査会は稲葉秀三先生を会長にいたしまして、それから言論機関の方、それから消費者の代表といたしまして主婦連の副会長の高田ユリ先生、それから全国地域婦人団体連絡協議会の事務局長の田中里子先生に入ってもらってやっておりますけれども、なお、必要に応じまして消費者のサイドの方の充実強化ということをさらに考えてまいりたいというふうに考えております。
#36
○対馬孝且君 そういうことであれば、できるだけ早い機会にそういう意見を徴して審議会を、ひとつ法改正を早めていただく、こういうことを特に私は要望しておきます。
 それでは次に、石油タンクについて関連してちょっと申し上げますが、現行では、消防法でタンクの安全性についてチェックをすることになっているが、御案内のように、現在の消防組織というのは市町村の消防ということで、小さい町や小さな村における消防署には、高度の科学的な安全性や耐久性を判断する能力が全くないと指摘してもいいんじゃないか、こう思うわけです。この点につきまして、戦前においては圧縮ガス及び液化ガス、すなわち、現在の高圧ガスを含めたものは内務省の所管で行われておったわけでありますが、昭和二十六年に産業官庁である通産省に所管が移行されている。そこで、高圧ガスが通産省の所管になったようでありますが、この石油タンクについても、これは消防庁が持っているということは、一体安全、保安強化の面から言ってなるのかと。先ほど言ったように、消防庁というのは、全く一般に国民が考えていることは、やっぱり火災による消防ということであって、いわゆる今日の科学的に発達してきた災害、事故という次元になれば、庁の段階というものを再検討してみる時期に来ているんではないか、こう考えますが、この点についてひとつ大臣にお伺いしたいんでありますが、私は、通産省に移管をすべき段階に来ているんじゃないか、こう考えますが、どうですか。
#37
○国務大臣(河本敏夫君) この問題は、今度のコンビナートの防災対策の基本法、いま自治省で作業しておられまして、関係各省といろいろ協議中でございますが、その基本法におきましても、一番の懸案の問題でございまして、やはりいま御指摘のような問題が出ておりまして、コンビナートというふうな近代的なものに対して、一体従来のような消防組織でいいのかどうか、どうすべきかということについて各方面の意見を徴しまして、いま議論をしておる最中でございます。
#38
○対馬孝且君 十分いま検討中だということでございますから、そういう意味での積極的な安全性というものを基本に据えて、通産省の段階で掌握をしていくということをひとつ努力をしていただきたいということを特に要望しておきます。
 それでは、高圧ガスの問題で申し上げますが、高圧ガスタンクの不等沈下においての総点検を実施中とのことですが、先ほど立地局長からも、調査をいたしておりますということを聞いておりますが、不等沈下についての高圧ガスの保安面からの対策が一体どうなっているかという問題が一つ。
 それからもう一つは、高圧ガスタンクの安全基準はどのように設定する考え方があるか。具体的には地盤の基礎工事、タンクの厚さあるいは材質、構造等についてひとつ説明をしていただきたい。また、消火装置、ガス漏れ探知装置、警報装置の設置は義務づけられているのかどうか、この問題。それから、これらの装置は研究段階のものか、実際に使用できる段階なのか、その基準は設定をされているのか。また、ガスタンクの建設や防災装置などについて工事関係者、事業者、都道府県、通産省の点検は一体どうなっているか、それを義務づけられているのかをお伺いしたい。
 それから、液化ガスタンクの防液堤はどういう法令で取り締まっているのか、その構造等の基準についての規制は一体あるのかないのか、この点をお伺いしたい。
 以上の点についてお伺いしたい。
#39
○政府委員(佐藤淳一郎君) まず第一点の、高圧ガスタンクの不等沈下の問題でございますが、この高圧ガスタンクの基盤の構造はやや石油タンクと違っておりまして、石油タンクの場合は、この間の水島で起きた事故に関連するタンクも、砂の上にタンクが乗っかっているかっこうでございますけれども、高圧ガスの場合は、基礎がコンクリートの基盤になっておりまして、その基盤の上にタンクが乗っかっているということでございますので、したがいまして、部分沈下というような現象ではございませんで、基盤そのものが地盤のゆるみによりまして傾くという問題が出てくるわけでございます。従来の高圧ガスタンクの保安の問題につきましては、タンクそのものにつきましては、先生がおっしゃいましたようにいろいろな保安基準を設けておりまして、いままでもガス漏れという事故も起こしたことはございませんが、コンクリート基盤そのものについての保安基準というのは実はなかったわけでございます。それで、水島事故にかんがみまして、一斉にこの点検を全国約千九百のタンクにつきまして実施いたしました結果、このたびその結果が判明いたしましたが、約〇・五%以上の傾きがあったものが約四十八基あったわけでございます。そのうちさらに一%以上のものが八基ございまして、これにつきましては、ガスを抜きまして内部点検をやるということにいま指示をいたしております。
 それから、幾ら石油タンクと構造は違うとはいうものの、今後いろいろ地震等の問題も考えますと、やはり水平の形で設置されておることが望ましいわけでございますので、今後は省令改正を早急に行いまして、このタンクの基盤につきましても、測定の義務を設置者に義務づけるとともに、監督上の体制の中にもこの基盤の問題につきましては十分に注意するように織り込んでまいりたい、こう考えております。
 それから、いろいろな保存のための施設といたしまして、先生がおっしゃいましたようなタンクそのものの基準の問題につきましては、技術基準といたしましてすでに肉厚の強度の問題、あるいは耐圧の問題、あるいは気密性の問題につきましてすでに規制されております。
 さらに、一定量以上の大きいタンクにつきましては防液堤を設置するとか、あるいは緊急遮断装置をつけるとか、それから安全弁、圧力計等の設置をすでに義務づけております。
 それから、材質につきましてもいろいろとガスの種類あるいは性状につきまして、あるいは圧力に応じましてきめの細かい内容の基準がございますけれども、さらにこれをもっときめの細かい形で省令を改正いたしまして万全を期すように、近いうちに改正いたす段取りをつけております。
 そういうことでございまして、今回法律改正をお願いするのを契機にいたしまして、省令関係等につきましても整合性のある、われわれとしましてはよりよい基準をつくるべく、ただいま準備を進めておる状況にあります。
#40
○対馬孝且君 いま、整合性のある省令その他をきめ細かくつくっていきたいという考え方ですから、了といたします。
 そこで、高圧ガスタンクの漏れ事件件数はどれぐらい今日まであったのかということが一つと、それから、高圧ガスタンクやプラントの保安年数といったものはどういうふうに定められているのか、この点お伺いしたいのですが。
#41
○政府委員(佐藤淳一郎君) 高圧ガスタンクからのガス漏れにつきましては、われわれといたしましても十分に注意いたしておるわけでございますが、そういう意味で、いろんな技術基準をつくりまして、また、いろいろチェックもやってきておりますが、タンク本体につきましては、一般的な高圧ガス設備と同様に、常用の圧力の二倍以上の圧力で問題が起こらないような肉厚を有するように定めておりますし、それから、設備が完成した段階におきましては、常用の圧力の一・五倍以上の圧力で行います耐圧試験をやっておりますし、いろんな試験をやりまして十分チェックいたしております。そういうことによりまして、現在までのところは、高圧ガスタンク本体からのガス漏れという事故は起きておりません。
 それから第二点の、高圧ガスプラントのタンクの保安年数ということでございますけれども、これは別に保安年数という問題は特段定めてはございませんけれども、現在の法律におきまして一年一回の保安検査^あるいは定期的な自主検査におきまして、非常に過酷な耐圧試験あるいは気密試験、それから肉厚の確認試験等々の試験をやっておりますし、あるいは通常、企業側におきましても、パトロールやそれからいろんな保守点検の際におきまして、十分にそういう問題につきましての観念に基づきましてチェックをいたさせておるわけでございます。われわれとしましても、いままで起きました事故とそういう設備の保安年数との関係につきましても、いろいろ調べてみましたけれども、特段古い設備が事故につながったという問題ではございませんので、むしろそういうことじゃなくて、ふだんから十分にわれわれとしては点検もいたすし、自主的にも十分に体制を、設備を改修、あるいは不断の管理を十分にさせるということの方が大事かと、こう考えております。
#42
○対馬孝且君 大臣が十二時までのようですから、基本的な問題で先にちょっともう一つだけお伺いしておきます。
 コンビナートを設置をする場合の基本的な考え方についてお伺いしたいのでありますが、企業側の意向を優先をして、どうしても安全性というものが無視されたということが、やっぱり今日の水島コンビナートの場合でもかなりそういう事故が発生をしたのではないか。いまも石油タンクの場合、立地公害局長からありましたが、全く砂地にタンクをつくって沈下をしていったというような、それは地域開発、環境の破壊ということが無視をされて、やっぱり企業立地が優先をされると。こういう基本的な姿勢が今日のこのタンク事故につながっているのではないのか、私はそういう指摘をしたいんです。少なくとも、地域の基盤がどうなっているのか、あるいはその地域の地域性の環境がどうなっているのか、環境破壊につながらないかどうか、環境基盤としての安全性は一体どうなのかという、住民の生命という問題を中心にし、環境というものを最優先にしてコンビナートの立地条件というものを考える。こういう考え方をするのが基本的に正しいのではないか。
 ところが、在来やってきた実態を見ますと、そうではなくて、とにかく最もコストが安く、企業側が最もコストが安い条件がつくられるところだったら、まあ北海道の場合で言えば苫小牧なんか、一番あそこが中心地で、比較的近距離で便利がいい、コストも安く上がるというだけの理由でどんどんコンビナートが進出しているわけですよ。そういうタンク設置のやり方というものについては、やっぱり企業優先、住民軽視、こういうことを言わざるを得ないんですね。この点について、ひとつ大臣のこれからの根本的な考え方はどういうふうに考えられているのかということをお伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(河本敏夫君) このコンビナートは、主として石油化学工業を中心とするわけでありますが、わが国にこの石油化学工業が初めて発展をいたしましたのは昭和三十年代の前半からでございまして、わずか十数年の間に現在の規模に達したわけであります。で、各地にできましたコンビナートの経過を見ますと、確かに御指摘のような点は私はあったと思うんです。無計画にある程度の企業をつくり上げた、そこで公害対策であるとか、環境保全、あるいは保安対策、これがおくれたままに進んだ、ここにやはり大きな問題点があったと思います。それは御指摘のとおりだと思います。そこで、遅まきではありますが、今後はそれらのおくれた対策を十分整備いたしますと同時に、今後の進め方につきましては、いま御指摘の幾つかの点を最優先的に考えていかなければならぬ、こういうことを基本方針としなければならぬ、かように考えております。
#44
○対馬孝且君 大臣の基本的な姿勢として、最優先にひとつ住民の環境というものを基本に据えてやりたいということですから、了といたします。きょうは環境庁来ておりますか。――来ておりますか。そこで、環境庁にちょっとお伺いしたいんでありますが、このコンビナートの今日的な、いま大臣から基本的な姿勢をお伺いしましたが、環境庁として、コンビナートの地区なり、環境庁としての基本的なコンビナート対策に対する今日行われておる対策はどのような対策が行われておるか、これをちょっとお伺いします。
#45
○説明員(小川洋二君) 水島の流出事故にかんがみまして、特に瀬戸内海におきましては、瀬戸内海環境保全臨時措置法に基づきまして排水の規制、特に産業排水にかかります汚濁物質の排出量を二分の一にする措置、あるいは工場立地のための埋め立ての免許に当たっての環境保全上の配慮、それから汚水を排出する工場設備の新増設についての許可制の導入、まあ瀬戸内海環境保全臨時措置法に基づきましてそういうような措置をとっておるわけでございますが、さらに同法に基づきまして、基本的な対策を推進するために昭和五十一年までに環境保全に関します基本計画をつくることになっております。そこで、環境庁といたしましても、この基本計画の策定作業を目下進めておるところでございます。
#46
○対馬孝且君 そこで、コンビナートのこの保安規則制定に関しまして、保安距離の飛躍的拡大を図るが、この場合、コンビナート等は高圧ガスだけ適用されるのか。また、保安距離は法律で定めるものだと思いますが、既存の設備で新しく決められる保安距離をとることが困難な場合にはどのような対策をとるかをちょっとお伺いをしたい、こう考えます。
#47
○政府委員(佐藤淳一郎君) 今度の省令改正におきまして、コンビナート等保安規則というのが新しくつくられることになるわけでございますが、これは単独立地の石油化学工場は一応除外されまして、集団で大きな工場が密集している地域にこの保安規則を適用してまいりたい、こう考えておるわけでございまして、これは、対象といたしましては高圧ガス取締法の対象となる工場につきまして実施してまいりたい、こう考えております。
 それで、これを実は法律で規定したらどうかという先生の御趣旨でございますが、確かに事の重要性から申しますと、法律に匹敵するような非常に大きな問題であることは、われわれも十分認識いたしておるわけでございます。ただ、この保安距離の実際の決め方といいますのは、むずかしいガスの種類とか、ガスの圧力とか、それから毒性のあるとかないとか、非常に技術的な問題のもとに計算いたしまして距離をつくるというような仕組みになっておりまして、中身としては、法律に匹敵する重要な問題ではございますけれども、実際問題として適用する場合は、そういうような非常に技術的な問題が相当入ってまいりますので、そういう観点から省令にゆだねておるわけでございまして、運用に当たっては、われわれは十分に法律と同じような考え方で対処してまいりたい、こう考えております。
 それから、この義務づけは確かに企業にとっては非常に大きな問題でございまして、相当実際問題としてお金もかかる問題でございます。できるだけわれわれとしましては、既存のものにつきましても、設備を移転する等のことによりまして実施をお願いするわけでございますけれども、どうしても土地の関係でできない個所もある程度は予想されます。これにつきましては、距離を離したと同じような効果を持たせるような防災壁をつくりまして、その防災壁の構造、あるいはまた、その防災壁をつくったことによる二次的な問題も起きないように、細心の注意を払った形での代替の方法を講じさせることによりまして、その効果を持たしていきたいと考えております。
#48
○対馬孝且君 それでは次に、今回の改正では保安の統括者というものを専任することになっておるわけですが、これに対して私は、鉱山保安法を体験しておりますので申し上げるのでありますが、なぜ国家試験が入れられない、考えることができないのか、その点についてひとつ、少なくとも「保安統括者は、当該事業所においてのその事業の実施を統括管理する者をもつて充てなければならない。」ことになっているが、保安統括者と言えば、社長にして責任をとらせるべきではないか、こういうことになるのですが、そういう考え方を持つべきではないか、こう考えるのですが、この点をまずお伺いしたいのです。
#49
○政府委員(佐藤淳一郎君) 今回の法律改正の中にも、われわれとしてはこの保安統括、保安組織の改正というものが非常に重大な内容と考えておりまして、保安組織の中でも、その保安統括者の設置というものが非常に重大な意味を持っているとわれわれ承知いたしておるわけでございますが、要は、先ほどの御議論の中にもございましたように、保安問題というのは、現場の末端の係員の方にだけ負わせる問題じゃなくて、やはり企業のトップから末端に至るまで、それぞれの持ち分に応じまして責任を持っていただくということが大事でございます。特に、企業のトップの方が保安問題について十分責任を持っていただくということが最大の問題でございます。そういう観点からこのたびこの保安統括者を置きまして、現場の最高の、いわゆる工場長に保安の最高責任者になっていただくということがこの趣旨でございます。
 ただこの場合、先生のおっしゃるように、国家試験の免状を持った者にさせるということが一番望ましいわけでございまして、われわれも、できるだけこの統括者の方には勉強していただいて、取っていただくにこしたことはないわけでございますけれども、それよりもやはり、その現場の工場長が何と言ってもこの統括者になるということの方が、免状を持っている、持っていないの問題よりもより優先するであろうという考え方でございます。また、この試験も、どうしてもやはり技術屋さんの方には大体受かりやすいのでございますけれども、一般的に事務屋の方では非常にむずかしい問題でもございます。したがいまして、場所によりましては、やはり事務屋のりっぱな方が工場長になり得るということもございますので、そういう点も含めまして、やむを得ず国家試験の資格は別に付与いたさなかったわけでございます。ただ、これを補佐するその下におる者につきましては、保安技術の管理者につきましては、これは国家試験を受かった者に補佐させるということで補完させておりますので、その点はやむを得ざる措置として御了解いただきたいと思います。
#50
○対馬孝且君 次の点ちょっとお伺いしたいのですが、今回の改正で保安管理組織の強化を行い、各事業所でいま言った保安管理者がふえるわけでありますが、現在資格を持っている者は何人ぐらいいるのかということと、その足りない分はどうするかという点についてお伺いをしたいことが第一点。
 それから第二点目は、企業における保安管理を取り込む体制の問題です。体制強化の問題で次の点についてひとつ考えてみる必要があるんじゃないかと思うのは、保安関係者の待遇改善をすべきではないか。これが二点目の第一です。
 第二は、本社に保安担当重役を置く。これは北瓦斯の例でもそうですけれども、ほとんどこういう点はないですね。生産向上のためには、増産体制をするためには重役はたくさんいるけれども、保安体制のための重役というのはほとんどいないんじゃないですか。これは北瓦斯の例で皆さんが言いますけれども、こういう点でひとつ保安担当重役を置くべきではないか、本社の保安担当部門の強化を図る必要があるのではないか、こういうふうに考えますが、この点ちょっと立地局長の考え方をお聞きしたい。
#51
○政府委員(佐藤淳一郎君) 第一番目の御質問の、現在の資格保有者数は約六万人でございます、それで、今回の法律改正によりまして新たに必要とされます資格者の数は、大体現段階におきましては約五万人程度が必要と思われます。ただ、これはいろいろ資格も種類がございますし、上級の者と下級の者等々の区別があるわけでございますが、今度は各設備ごとに相当の保安係員を、しかも、資格を持った者を置かせるということに相当拡大強化いたしますので、いま言いましたように、全体の数としては合っておりますけれども、若干保安係員の数がやや不足する感じがございます。これにつきましては、できるだけ早く資格を取らせるように、講習会等も頻繁に密度を上げさせて保有させたいと思いますが、その間は若干猶予期間を置きまして、それに代替する方法を経過期間としてとって万全を期してまいりたい、こう考えております。
 それから、保安体制の強化の一環といたしまして、保安担当者の待遇改善、あるいはまた本社機構の問題につきましては、全くわれわれといたしましても同じ考え方を持っておりまして、過去に、特に四十八年頃起きました幾多の事故を契機にいたしまして、われわれの方も二回にわたりまして大臣から特にコンビナートの責任者に対しまして指示をいたしまして、待遇改善も行わしておりますし、それから、特に本社におきましては保安担当重役を設置するように、すでに指示いたしておりまして、大体において、すでにそういうことに本社機構はなっております。
 それから、担当部門の強化につきましても、本社におきますところの保安査察制度を現場に十分に行わせるとか等々の問題も含めまして、随時われわれといたしましてはこの問題につきまして指示をいたしておるところでございます。
#52
○阿具根登君 ちょっと関連して質問します。
 先ほどの防災装置の問題と保安統括者の問題についてお尋ねいたしますが、当然これは経営者側の方から統括者が出るのはあたりまえかもしれませんが、局長の話では、工場長が統括者になると、これは炭鉱なんかでも同じことですが、企業の責任者が保安と両方持つ場合に、企業を優先にするか、保安を優先にするか、いつの場合でも企業が保安の優先になっておるからいつも起こるわけなんです。そこに問題があるから、まあ対馬君の方から国家試験ということが出てきておると思うんです。これはお考えになればわかるように、企業を担当する人は企業が第一です。保安が第二になるんです。だから、企業の責任者が保安の統括者になるとするならば、刑事責任というのを明らかにしなきゃならぬ、これが一つ。
 もう一つは、防災装置、これはやらねばできません。これは当然のことですが、たとえば水島の問題を見ましても、防油壁というのができておったはずなんです。理論的に言うならこれはちゃんとできておらにゃいかぬ。しかし、企業優先だからこれに金かけなかった、だからタンクが傾いてあのはしごが落ちたら防油壁が壊れた、それから油が流れて海に出ていった。これは何かと言えば、企業優先でなるべくそういうやつは形式的に、いわめる官庁からの指令どおり、形式どおりになっておる。それに金をかけておったら防油壁は倒れておらないはず、そうしたらああいう災害はできないはず。しかし、机上で局長なんかが考える場合は、ちゃんと防油壁ができておったはずだと、こう思うのだけれども、そのくらいで倒れるような形式的な防災装置をつくられておった、それが今日の大きな災害をもたらした原因になっておるわけなんです。だから企業の責任者にこういう防災の責任を負わせてみたり、あるいは統括の責任を負わせてみたりすれば、企業優先でそういう手抜かりをしてくる。そこに大きな監督の目を向けにゃいかぬが、それにどういう考えを持っておられるか、お聞きしておきたいと思います。
#53
○政府委員(佐藤淳一郎君) 先生の御指摘のように、高圧ガスにつきましても、四十八年から四十九年にかけまして連続の頻発災害が起きまして、われわれとしましては、その事故一つ一つにつきまして十分に内容を検討いたしました結果、保安体制にも、あるいはまた設備面におきましても非常に欠陥が発見されたということでございます。そういう反省の上に立ちましてわれわれはより保安優先、いわゆる、従来のような生産優先じゃなくて、保安優先の形をとり得る仕組みとして、法律上あるいは省令上国としてどういうものが一番望ましいかということにつきまして、高圧ガス審議会におきまして約二年間にわたりましていろいろ消費者の方々にも御意見をいただきまして、あるいはまた、消費者の方も一緒になって海外に調査に行っていただきまして、いろいろ二年間検討いたしました結果、今度のような内容が一応望ましい仕組みであるというような御答申を得ましたので、それに基づきまして、今回の法律並びに省令の改正ということにつなげたわけでございまして、御趣旨は、全く先生のお考え方を入れまして今度の改正に踏み切ったわけでございます。
#54
○対馬孝且君 それでは次の問題で、時間が迫ってきましたから、保安教育計画及び危害予防規程の作成に当たりまして、労働組合などの現場の労働者の意見を聞くよう制度化する必要があるんじゃないか、こう考えますが、いままでどうもそういう体制になっていないという実態が出されておりますので、特にこの点ひとつお伺いをしたいという点が一点。
 それから、休日や夜間における保安管理体制をどのようにして維持確保をしていくのかを聞きたい。特に、宿直制度ということで夜間の事故ということが非常に多いわけですね。こういう問題についての強化策というのをどう考えるか、この二点をまずお伺いします。
#55
○政府委員(佐藤淳一郎君) 今回の法律改正の中で、まあ非常に重要な問題といたしまして保安組織の問題、あるいはまた保安教育、あるいは危害予防規程の充実ということをわれわれの非常に大きな問題点として挙げておるわけでございますが、特にこれらの保安教育あるいはまた危害予防の規程をこれから充実する際につきまして、現場の従業員の意見をこの中に織り込むということは、われわれといたしましても非常に重要な問題だと考えております。特に部署部署ごとにいろいろ張りついておりますので、この方々が平常の運転のときのみならず、ひとたび事故が起きたときの対処の仕方等々につきましては、その対処の仕方が非常に問題になるわけでございます。
 一昨年来の事故を分析いたしましても、誤操作の問題とか、あるいは管理の不十分というものが事故につながっている問題も非常に多いわけでございまして、そういうものはやはりふだんの日常の保安教育なり、あるいはそういうものを防ぐような予防規程というものがきちっとはまっていなければいかぬわけでございますが、これは上から預けられたものじゃなくて、やはり従業員の方々がこの規程の、あるいはまた教育の中に十分に参加した形で受けとめておりませんと空文化する危険がございます。そういう観点から、われわれといたしましては今後保安教育をやっていく場合、あるいは危害予防規程を作成する場合には、十分に現場の従業員の方々の宙が反映されるように企業を指導してまいりたい、こう考えております。
#56
○対馬孝且君 次に、ぜひいま働く者の立場からの意見を十分にひとつ聞いていただいて、それが一番やっぱり生の体験をしているわけですから、それが保安の生きた充実になっていくのじゃないか、こう考えます。そういう意味で、ぜひひとつ聞いてもらいたいと思います。
 それから次の問題で、高圧ガス保安協会のあり方の問題についてちょっと局長にお伺いしますが、私調べてみましたら、高圧ガス保安協会の役員構成についてどうも天下り人事というものが行われているのじゃないか。しかも前歴、出身をちょっと調べて見ておりますけれども、この点現在の構成でいくとどうも中立性が無視されているのじゃないか。つまり、公正中立を保っていけるかどうか、また、業界や通産省との交流を統制していく考えはないのか、こういう点についてちょっとお伺いしたいのでありますが、どうも保安協会というのは、私によりますと、非常に企業一辺倒になってしまって、実際に公正中立を欠くようなあれになっているのじゃないか、こういう感じがいたします。感じだけでなくて、実態がそうなっているということをまず指摘をしなければなりません。
 もう一つの問題でありますが、高圧ガス及び火薬類保安審議会の委員です。
 このメンバーを見ますと、これは確かに最高の顔ぶれがそろっていますけれども、これにはやっぱり少なくとも労働組合、働く者の立場からこの保安という問題は、どんなうまいこと言ったって労働者が一番知っているんだ、保安という問題。私、炭鉱の経験があるから言うわけじゃないけれども、工場保安法があったって、そんなものは上の社長が知っているわけないんだよ。坑内の穴の中に入ったら、一番知っているのはだれかと言ったら、やっぱり炭鉱の労働者が一番知っているわけだ、危ないかどうかという問題は。そういう問題を抜きにこの高圧ガス及び火薬類保安審議会の委員のメンバーを見たら、何々会社の社長だとか、副会長だとか、そんなものばかり名前並べて、LP協会の協会長やっているとかという、財界で金持って、そんな保安の保の字も知らないような者が入って、それでりっぱな保安の審議会ができると考えていること自体がちょっとずれているんじゃないか。それで高圧ガスの保安を強化しましょう、こう言ったって、その点率直に申し上げてピントがはずれている。私は、そういう点の改善をする意思があるかないか、そこのところひとつ……。それより、改善すべきだということを私、はっきり申し上げておきます。
#57
○政府委員(佐藤淳一郎君) お答えする前におわびしなきゃいかぬですが、ちょっとさっきお答えを一つ漏らしまして、宿直制度の問題がございますけれども、現在は宿直は、日直制度につきましての法律上の義務づけはやっておりませんけれども、今回の法律改正によります保安管理組織の強化によりまして、保安技術管理者あるいは製造保安主任者等に加えまして、主要製造プラントごとに、直ごとに、したがって夜間、休日も含まれるわけでございますが、これに国家試験によりまして知識経験を担保されました製造保安係員を必ず配置させるということによりまして、保安管理体制の強化を図っていくということにさしてまいりたいと考えております。
 それから、いまのもう一つの問題でございますが、保安協会の役員の問題でございます。これは、法律に基づきまして設置されておりますところの協会でございます特殊法人でございますから、御指摘を待つまでもなく、中立性が一番――中立性もあり、公共性もなきゃならないということが最大の使命でございます。
 ただ、この協会の役割りといたしまして、この高圧ガスの保安を確保するために、この協会の果たす役割りといたしましていろんな保安基準をつくるとか、保安の確保のためのいろんな講習会を開いたり、普及徹底するような役割りを持たしておるわけでございますが、また一方、この産業というものは、先ほど大臣もお答えしましたように、まだ十数年きりたっていない、しかも非常に飛躍的に拡大発展しました高度な技術を要する産業でございまして、この業界を指導し、あるいは保安を確保させるためには、相当の専門家でなくてはこの役員の任務が遂行できないという面もあるわけでございます。そういう面もございますので、われわれといたしましては、もちろん中立性、公共性を十分に配慮しつつ、しかも、専門的な技術問題にも十分にたえ得るような役員を任命いたしてまいったわけでございますが、そういう意味で、特段いわゆる、言われておりますところの天下り的な人事というものはわれわれとしてはとってまいらないつもりでございますし、その目的に応じたりっぱな中立性のある方を今後とも役員の最大要件として考えてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 それから、高圧ガス等保安審議会の委員に労働者の代表を入れるべきじゃないかという御指摘でございますが、この審議会の委員のメンバー構成につきましては、先生の御指摘になったような形になっております。これはいろいろ非常に技術的な問題が多いものですから、それぞれのガスの種類ごとに、あるいはまた産業の構成別に、それぞれの代表者を入れてやってまいっておるわけでございますが、しかし、この審議会の中に労働者の方が入っていただいて、その体験をもとにした御意見を拝聴するということは非常に貴重なことでもございますし、また大事なことと思いますので、早急にこの問題については対処するように措置してまいる所存でございます。
#58
○対馬孝且君 いま局長から二つの問題で、一つは、公正中立を期し保安協会を充実していきたいということですから、ひとつそういう姿勢で臨んでもらいたいということ。それじゃ、高圧ガス及び火薬類保安審議会委員にはひとつ労働者の代表を入れるということは間違いございませんね。この点どうですか。
#59
○政府委員(佐藤淳一郎君) 労働者の方が入るように措置してまいります。
#60
○対馬孝且君 それじゃ、以上をもって私の質問を終わります。
#61
○委員長(林田悠紀夫君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十七分開会
#62
○委員長(林田悠紀夫君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#63
○桑名義治君 全国のコンビナートの中では、高圧ガスのほかに危険物、毒物、劇物、汚染物等の危険物が大量に扱われておるわけでございますが、一たん事故が発生すると、このコンビナートのみならず周辺住民、あるいは海等に非常に大きな被害を与えるわけでございます。そうやった意味で、今回の水島のコンビナートの事故というものが端的な事例を示しているのではないかと思うのであります。
 そこで、コンビナート地域における企業ごとの保安体制の強化は、これはもう当然なことではございます。それとともに共同保安体制というものを強化すべきだ、こういうふうに私は考えるわけでございますが、この点については消防庁、通産省はどのようにお考えでございますか。
#64
○政府委員(佐藤淳一郎君) コンビナートにおきます保安問題は、単独立地の工場地帯に比べまして、防災、それから災害発生時の対処の問題、両面におきまして非常に大きな問題だとわれわれは痛感いたしております。
 それで、特に高圧ガス関係、これは通産省関係の所管でございますが、高圧ガス関係につきましても、四十八年、四十九年にかけて一連の事故が頻発いたしまして、それらの事故をいろいろ反省をいたしました結果、やはりいろいろの問題点が指摘されておりますので、その指摘の線に沿いまして、特に問題となっております共同防災体制ということにつきましては、われわれとしましても最大の問題点として考えておりまして、実は四十八年の事故後、各地区にコンビナート防災協議会というものをつくらせまして、この協議会に自主的に防災資材の共同備蓄の問題なり、あるいは共同訓練の問題なり、あるいはまた災害時の共同の出動体制の問題等を、それぞれ取り締まり官庁の指導を受けつつ体制を整備いたしておるわけでございます。
 さらに、国の仕組みといたしましては、災害対策基本法というものがございまして、この災害対策基本法の中に地域防災会議というものがございまして、都道府県知事ベース、あるいは市町村ベースでやっておるわけでございますが、これらの行政ベースの共同保安の問題、あるいは自主的なコンビナートの企業ベースにおきますところの自主保安体制、両面合わせまして、両々相まってコンビナートの防災体制をやるべくやってまいったわけでございますけれども、水島事故というああいう事件が起きまして、果たしていままでのとおりで万全であったかどうかという問題につきましては、さらにまた反省すべき点が多いわけでございまして、この点につきまして関係省庁とただいまいろいろ協議をいたしている段階にございます。
#65
○説明員(永瀬章君) コンビナート地帯の防災体制につきましてお答え申し上げますが、消防法の危険物の規制の中におきましては、指定数量の三千倍以上の取り扱い数量のございます工場については化学消防車の設置の義務づけをいたしておりますが、これに伴いまして必要な薬剤も、その法令の中の規定として設けさしているわけでございますが、この化学車を必要とする工場だけが実際に危険であり、また、自衛的な消火活動等が必要なわけじゃございませんで、先ほど通産省からもお話ございましたが、災害対策基本法の中の地域防災計画、この中に細々と、工場地帯のことは市町村ごとには書いてはございますが、ただ単にそれだけでは必ずしも十分とまいりませんので、工場を集めました防災協議会のようなものを設けさせまして、その協議会の中で、各工場が共同して助け合って防災の任に当たるということを指導してまいってきております。
 この制度は、ほかに消火薬剤の共同備蓄も現実的にやっておりますし、都府県も、市町村に対しまして薬剤備蓄のための補助金、あるいは現物を支給するなどいたしまして共同防災体制の強化に努めてまいってきておるところでございますが、今後の問題といたしまして、水島の事故を契機といたしまして、やはり海上の部分におきますところの防災体制、これをどのように強化していくか。たとえばオイルフェンスを備蓄する、あるいはオイルフェンスを展張する船を有する、油回収船をどのように設けるか、こういうようなことについては、現在いろいろ寄り寄り協議会をいたしておるところでございます。
#66
○桑名義治君 コンビナートにおける共同保安体制、これを実効あらしめるためには、現在の会社がそれぞれ企業の秘密ということを盾にとって、なかなかその実効が上がらないということがありがちでございます。そこで、この企業秘密と共同保安体制との強化、この兼ね合いをどういうふうに通産省としてはお考えになっていらっしゃいますか。
#67
○政府委員(佐藤淳一郎君) コンビナートにおきます工場の中で、特に石油化学の関係は戦後三十年代に入ってからの新しい産業でございまして、ほとんど外国からの技術導入によって発達してきた産業でございます。したがいまして、技術面におきましては相当ノーハウとか特許の問題がからんできております。そういう意味で、確かに御指摘の問題があろうかと思いますが、われわれといたしましては、生産面におきますそういう特許の問題は、国際信義上の問題もございますから当然制約はございますが、事保安に関する問題ににつきましては、われわれは一切企業秘密があってはならないというたてまえをとっておりまして、われわれがいろいろ省令を改正するときとか、あるいはまた自主的な保安基準をつくるときとか、あるいはこういう共同で保安体制を確立する、そういう場合に関する技術上の問題で保安に関する問題については、企業秘密を超えて、お互いに謙虚に出し合って検討するという形でぜひいってもらいたいし、また、そういう姿勢でいくべきであろうということで考えて指導してまいっておるわけでございます。
#68
○桑名義治君 この問題は、言うにやすく行うにがたしという問題なんですよ。そこで私はこの問題を取り上げたわけです。こういうコンビナート等の火災等はいつも手おくれになるわけですね。手おくれになるということは、その企業が、消防庁なりその地域のこういう関係者になかなか通報しないというところに問題があるわけでしょう。水島の場合を例にとってみてもおわかりのように、一番最初に消防庁に連絡する時間がまずおくれた。そして、その連絡をとったときにどういう連絡をとったか。それは救急車を呼んだというんでしょう。それから完全な災害対策がとられたというふうに、時間的な経過が非常にあるわけです。そこで問題を大きくしてしまうということが間々あるわけです。
 その原因になるものは何かと言えば、この企業秘密ということが一番問題になっているわけです。したがって、通産省としては、具体的にどういうふうに今後対策を進めていくか、また、過去どういうふうな対策をとってこられたか。ただ通報通報だけじゃだめなんです、簡単な指導指導だけじゃだめなんです。だから、そこら辺を固めない以上は、この共同防災体制というのは、これはあくまでも紙に書いた計画にすぎなくなってしまう恐れが十二分にあるわけですから、その点を留意しながら答弁をしていただきたいと思います。
#69
○政府委員(佐藤淳一郎君) 一たび事故が発生いたしました場合のまずやるべきことは、関係の機関に対して通報を早くいたしまして、初期の行動を素早くやるということが最大の要件だろうと思います。それで実はわれわれの指導が、従来は、爆発とか火事とかを想定いたしましていろいろなことをやってまいっておりまして、水島の石油タンクの流出事故のようなことを想定した訓練は、実はやっておらなかったという大きな手落ちを今度は反省いたしておるわけでございます。
 そういうことで、先生御指摘のように、まず、事故が起きたときの最初の行動というのが一番問題になるわけでございますが、四十八年から四十九年にかけての一連の事故をいろいろ反省いたしてみますと、通報の問題ももちろんございますけれども、起きた事件の内容というのはわりと誤操作の問題とか、それから管理面の不十分な問題とか、わりに単純な事故が大きな事故につながっているケースが多うございまして、企業秘密にかかわるような非常に高度な問題から発生した事故は、たまたまでございますけれども、なかったわけでございます。
 しかし、いままではなかったにしろ、今後そういうことも当然想定されますので、われわれとしましては、その企業秘密があるがために事故が起きた場合に、通報がおくれるというようなことがあっては非常に問題でございますので、そういうことのないように、今回の法律改正を機会に従業員の保安教育なり、あるいは危害予防規程の内容の充実なり等々を改めまして、それと共同の防災訓練の中にそういうことが絶対ないように指導してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#70
○桑名義治君 そういうふうにおっしゃいますけれども、実際は、企業秘密という問題が頭になければすぐに通報するはずなんです。ところが、そういう頭があるものですから、なかなかそういう通報をしないということになってしまうのじゃないかと思うのです。
 そこで、過日、ある新聞で、巨大コンビナートを持つ全国の十一の自治体の消防局の石油タンク火災に対する調査をやっているわけです。その対象になったのが室蘭、鹿島、市原、川崎、三島、名古屋南部、堺、新潟、水島、徳山、大分、この十一の市に対してこの調査をやりました。
 その調査の内容というのは、四日市事故程度の火災が起きた場合、誘爆で大事故を起こさない消防力があるかという、この設問があるわけですがその設問に対して、自信ありとしたのは十一の消防局のうち五つの消防局のみであった、こういうふうに新聞では報道されているわけです。これは毎日新聞の記事でございますけれどもね。そうしますと、一体こういうふうな四日市程度の事故が起こった場合には、これは今後どう対処していくのか。これは非常に不安がつのるわけでございますが、この点についてはどういうふうにお考えでございますか。これは特に消防庁の方になると思いますが。
#71
○説明員(永瀬章君) 先生御指摘の、新聞紙上に出ました各消防本部の消防長あるいは担当の警防課長の発言でございますが、挙げられました調査の対象になりました十一市の中には、かなり工場規模の小さいところもございますし、大きなところもございます。また、それに応じまして市の規模あるいは消防本部の規模の大きいところ、小さいところがいろいろございますので、一概には申し上げられませんが、一般に大きな市では、力を持っております関係上、十分に消火できるという考え方に立っているように見受けられます。なお、小さいところにおきましては、全体の消防機関の規模が小そうございますのと、化学車の設置がまだ必ずしも十分でないというところからあのような発言をしているのではないかと考えております。今後市町村の消防力、特にコンビナート地帯に対しますところの化学消防力、さらには高いところからあわを放射できる、あるいは大量のあわを一度に放射できるような装備を消防機関に持たせるよう今後の指導を続けてまいりたいと考えておりますが、薬剤に関しては、ほぼ十分なだけの備蓄はできている現在の状態であると考えております。
#72
○桑名義治君 消防庁としてはそういうふうにお考えになっていらっしゃるのかもしれませんが、問題はこれは地方の財政力です。今国会の予算委員会におきましても、地方財政の問題が一番焦点になったわけでございますが、そうやったいわゆる防災体制をしなければならないという考え方はどこもしていると思うのです。しかし、それに充当できる予算がどういうふうに組み込まれるかというところに一番問題点が浮き彫りになるのじゃないか、こういうふうに思うのです。だから、それを予算面についてどういうようにお考えになっていらっしゃるか、これを消防庁に一つ。
 それから通産省の方には、いわゆるこういう化学工場あるいはコンビナート等がたくさんできてまいります。もちろん消防庁としての考え方は、自衛消防という方向を打ち立てているようでございますけれども、しょせんはこの自衛消防だけではおぼつかないというのが現在の日本の実情ではないかと思います。そうやった意味から考えますと、そういうコンビナートに対していわゆる防災のために多額な費用を充当しなければならないとするならば、当然この各それぞれの地方自治体に企業は一定額の負担金を持つべきではないか、払うべきではないか、こういうふうに私は考えるわけでございますが、その点についてどういうふうにお考えですか。
#73
○説明員(永瀬章君) 先生御指摘の考え方を消防庁が持ちましても、現地の市町村が財政問題で行き詰まって、現実的には思うに任せない整備の状態ではないかという御指摘でございますが、確かにその点はございます。しかし、全国的にながめてみますと、かなり財政力のあるところでまだ十分に整備をしていないところもあれば、かなり財政力が厳しい中で整備しているところもございますので、財政力を持っておりますところ、あるいは持っておりますところはもちろん、それ以外につきましても、実は交付税の算定基準の中にさらに強化をいたしてまいりたいという考え方を持っておりますが、そのほか、みずからの力で、あるいは認識でやれる面もございますので、この点をひとつ十分指導をして、強くさせていきたいと考えております。
 なお、企業の方の消防力につきましても、これとのバランスの問題が市町村消防の問題にございます。市町村消防だけで大きなコンビナート地帯のあらゆる災害に対応できる装備を持つということは、いろいろな面から検討をいたしますと、必ずしも可能な状態ではない問題でございます。企業の方にも今後どのようにかぶせていくか、整備をさせていくような考え方を検討をいたしてまいりたいと考えております。
#74
○政府委員(佐藤淳一郎君) コンビナートにおきますところの防災体制のための防災器材の備蓄の問題なり、あるいはまた、体制の整備に多額のお金がかかることは現実の問題でございますが、われわれとしましては、先ほど申し上げました防災協議会の中でできるだけ自衛力を向上させるということで、地元の消防署とも十分に連絡をとりながら必要な器材を整備さしておるわけでございます。一部は消防署に保管していただくとか、そういうことで最低限必要なものは現在においても十分に備えさしておるわけでございますけれども、やはり今後、水島の事故のような問題もございますので、これにつきましてはもう一回見直しをいたしまして、不足がある場合は、やはりこれについて企業みずからも自衛力を増すようなことで手だてをやっていかなくちゃならないというふうに考えております。したがいまして、費用負担の問題は、結局、コンビナート全体として消防署と自衛力と合わせましてどの程度必要かということを地域防災会議の中で、関係機関とそれから企業集団のコンビナート防災協会とが十分にひとつ協議してもらって、その中で解決するという方向で対処してまいりたい、こう考えております。
#75
○桑名義治君 なぜこういうふうに私が申し上げるかと言いますと、そういうコンビナートがなかりせば、それほどまでの消防力の強化は必要ではないわけです。あるがために、そこの一般の住民の税負担を食うようなことがあるとするならば、これは平等を欠くと思うのです。そういう意味で、自衛消防だけではなかなか大災害の場合には対応できないことは当然でございますし、これは工場内の消火だけではなくて、地域住民、周辺の住民にも大きな災害を与えるわけですから、それもやはり普通一般の火災よりもそうやったものの爆発等の事故はさらに緊急性を持ち、また、非常に拡大をする、こういうふうに考えなければならないわけです。そうやった意味からも、企業の一定額の負担は当然必要ではないかというふうに私は考えるわけです。
 それと同時に、消防庁の方からいま説明がございましたように、器材をそろえるための交付税で手当てをする。しかし、これは一たん器材がそろえば、そのためには今度は人員の確保もなければならない。あるいは薬剤であるならば有効期間がまだありますから、それに対する通常経費的なものが大いにかさむという、こういう二重の負担をしていかなければならないわけです。そういう意味から、やはり企業が一定額の消防に対する負担額を支払いをすべきではないか、こういうふうに私は考えておるわけですが、どうでしょう。
#76
○政府委員(佐藤淳一郎君) コンビナートの防災体制を拡充強化するための施策の中で、実は費用負担の問題は非常に大きな問題でございまして、ただいま実はコンビナート防災法なるものを関係省庁と相談している中にも、そういう問題が提起されておりますので、いろいろと御指摘の面については今後検討してまいりたいと思います。
#77
○桑名義治君 消防庁にはこれ一問で終わりたいと思います。
 コンビナート防災法は、大体いつごろのめどで作業を進めていらっしゃいますか。
#78
○説明員(永瀬章君) 先ほど対馬先生の御質問にもお答え申し上げましたが、実は私、直接担当でございませんので細かいところは十分には知り得ておりませんが、現在各省庁との間で鋭意調整に努めておりますので、近々その調整ができて、今国会には法案が提出できるものと私ども一同考えている次第でございます。
#79
○桑名義治君 大臣は三時ということでございましたが、まだお見えにならないのですが、どうなっているのでしょうか。
#80
○委員長(林田悠紀夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔午後三時二分速記中止〕
  〔午後三時十七分速記開始〕
#81
○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
#82
○桑名義治君 今回の法改正におきまして、保安統括者、いわゆる保安技術管理者等の体制をピラミッド型に強化するということになっているわけでございますが、このピラミッドの頂点は、事業所の最高責任者というふうに言われております。しかしながら、これは先ほども質問が出ておったようでございますが、この本社の社長もしくは重役を保安体制の中に組み入れるべきである、こういうふうに私は考えるわけでございますが、これはなぜそういうふうに私が言うかといいますと、今日まで事故がたびたび繰り返されております。しかも、同じ企業の中で繰り返されているということは、トップの意識が、いわゆる生産第一に立っているところに大きなネックがあるんじゃないか、こういうふうに私は考えるわけでございます。また現場の中では、少々のことでも運転を中止をするようなことがなく、全くその事故を無視しておるというのが現実でございまして、こうやった意味から、本社のトップクラスが、この保安体制の強化を推進するという意味においても私は担当すべきではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点どうですか。
#83
○政府委員(佐藤淳一郎君) 保安問題に対します企業の責任の問題といたしましては、考え方としては確かに社長をトップにいたしまして、一番企業の最高責任者たる者がその責任を感じて、また、そういう出所進退を明らかにするということが、考え方としては確かにあり得るし、また、そうでなけりゃならないと思います。
 ただ、この法律の体系の中でどういうふうにこれを仕組んでいくかということになりますと、たとえば高圧ガス取締法というこの法律の体系は、まず事業開始の許可といいますのは、各地域の事業所ごとに製造の許可を与えるということの仕組みになっております。したがいまして、企業に対する事業の許可ということじゃなくて、事業所単位に許可を与えていくという仕組みになっておるわけでございます。そういう仕組みでございまして、すべてその他保安管理組織につきましても、もろもろの保安の体制はそういう形になっております。これは単に高圧ガス取締法だけじゃなくて、事業所に対しまする保安の規制のあり方というのは一般的にそうなっておるわけでございまして、法体系上やむを得ざる措置としてこうならざるを得ないわけでございます。
 しかし、さればといって大きな事故が起きた場合に、企業のトップである社長がこれに対して全然責任を感じないということは全く遺憾なことでございまして、これについてはやはり道義的には、社会的にも当然企業責任というものが問われなくちゃならない。また、一たび事故が起きた場合には、これは安全が確かめられるまでは操業を再開させないというのが一般的な仕組みになっておりまして、大事故であればあるほど生産の停止の期間が相当長くなりまして、それによりますところの営業的の企業に対します打撃というものは、相当大きなものになるわけでございます。そういう面からも、社長の責任というものは問われてくるわけでございまして、御趣旨はもっともでございますけれども、そういうことで、法体系上はやむを得ず今度も保安の統括者は工場長にせざるを得なかったということでございます。
#84
○桑名義治君 先ほど申し上げましたように、非常にこういうコンビナートを持っている会社の事故が多いわけです。たとえばゼネラル石油精製株式会社、昭和四十五年の九月の二十日、四十六年の八月二十四日、四十六年の十一月二十四日、四十七年の十月三日、四十八年の三月二十日、四十八年の三月三十日、これは四十八年度の三月の月に二回事故が起こっております。それから四十六年の三月二十七日、四十六年度はこれは三回起こっておるわけです。こういうふうに非常に事故が多いし、それと同時に、日本石油の場合は、四十四年の八月は五人死亡、四十五年の二月は三人死亡、四十八年の十月は四人死亡と、こういうような事故が続発をしております。
 実際にここに資料がございます。各工場別の資料がございますけれども、大量の事故が続発をしているというこの実態をながめてみましても、私は、ただ工場長が最高の責任者というだけでは、これは責任の所在がむしろうやむやになるんではないか。全体の事業所を統括をするその会社のトップが責任をとるというそういう体制、いわゆる絶対に事故を起こさないというその意識を革命する上におきましても、私は、そうやったトップの責任を問う必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点について通産大臣はどのようにお考えでございますか。
#85
○国務大臣(河本敏夫君) これは各企業の状態を調べてみますると、工場と本社の所在地が違う場合が多いわけでございます。そういう意味で、先ほど局長が答弁した趣旨になったわけでございますけれども、ただ根本的に考えますと、やはり防災対策というものは、企業の最高の責任者である社長が全責任を持たなければならぬ。したがいまして、私は、先般も各企業の主だった代表を集めまして要請をしたわけでありますが、各企業ごとにもう一回防災体制を見直してもらいたい、そして、本社に防災体策本部というものをつくって、社長みずから陣頭指揮する、そういうことをしながら各工場を指揮していく、こういうことにすべきである、こういう趣旨を言ったわけでありますが、その趣旨といま局長が答弁いたしましたことは、私は必ずしも矛盾はしない、こう思うのです。
 今回の規定は、現場における防災体制のあり方ということを決めておるわけでございまして、趣旨そのものは、私の言ったような趣旨にのっとって、そして現場の指揮はいま局長の答弁したような方向でやっていく、これでいいんではないか、こう思います。
#86
○桑名義治君 そこで、いま通産大臣が言われましたが、それは二月の二十四日の日のお話じゃないかと思いますが、コンビナート関連七団体六企業の代表者を呼んで、コンビナート事故を起こさないようにという勧告があった、その大部分は非公開で行われ、また、その大半が代理人が出席をした、こういうふうに新聞では報道をされておるわけでございます。そのことはどういうことを意味するかというと、これだけの事故の続発にもかかわらず、それぞれの業界側が非常に真剣に取り組んでいないという姿をこうやった中に見出さざるを得ないわけです。
 これは断定するわけにはまいりませんけれども、その姿勢がトップを集めておりながら、トップの代理人が大半だった、しかも、一社は欠席であったというふうに言われているわけでございますが、こういう事柄から考えましても、私は、トップが責任者になるのが最も妥当な方法ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
 この会合で、今後の事故防止に対し業界側からどんな意見、どんな発言がなされたか、まず伺っておきたいと思います。
#87
○政府委員(佐藤淳一郎君) 二月二十四日に通産大臣から業界の責任者に対しまして、事故防止につきましての指示を行ったわけでございますが、この日はもっぱら通産省として、企業のあり方あるいは責任体制についての指示を行ったわけでございまして、別に保安問題につきまして意見を交換する場ではなかったわけでございます。ただ、通産大臣からの指示に対しまして、石油連盟会長から事故の多発に対するおわびの言葉と、今後通産大臣の指示を忠実に守りまして、安全確保に一層の努力をするという意味の発言がありまして、ちょうど国会の日でもございましたので、時間はまあ十数分で終わっております。
#88
○桑名義治君 全国十七ヵ所の石油化学コンビナートに事業所を持つ約二百社に、安全対策の強化を行うよう大臣通達を文書で出しましたが、もし今後事故を起こしたならば、どのような処分を考えていらっしゃるのか。これはコンビナートのいまから先、また新しく法案ができる段取りにはなっておりますが、その間の問題といたしましても、今後事故を起こしたならばどういう処分を考えるのか。あるいは、コンビナート事故をなくするために企業の生産第一主義から防災という考え方、この姿勢の転換が最も大事でありますが、それに対する行政指導をどのように行っていくか、その点について伺っておきたいと思います。
#89
○政府委員(佐藤淳一郎君) 重大な事故が発生した事業所につきましては、特に厳しい態度で臨まなければならないという方針で臨んでおりまして、事故が発生いたしました問題にかかわります設備につきましてはもちろんのこと、その他の設備も含めまして、重大事故の場合には操業停止命令を出しまして、それで徹底的に事故原因の究明をいたしまして、それに基づきますところの改善措置が十分にとれて、安全だという見きわめがついた段階で、慎重に設備の再開、操業再開ということに考えてまいっておるわけでございます。
 さらに、細かい問題としましては、その事故の原因の発生の責任につきまして、どういう問題があったかということで、もし責任者がはっきりすれば、たとえば、保安統括者の解任の問題とかいう問題にもつながりますし、いろいろその点は事故の内容を十分に分析いたしまして、そういうような操業上の問題あるいは責任の問題について追及して、二度と事故の起きないように指導していくということをたてまえにとっておるわけでございます。
#90
○桑名義治君 現在までこうやった企業の本社内に保安部門が整備をされておるところはございますか。
#91
○政府委員(佐藤淳一郎君) 実は四、五年前はそういう体制はあまり十分でなかったわけでございます。それで、四十八年、四十九年と事故が頻発いたしましたときに、当時の通産大臣から本社に保安担当の役員を置くように、それから、本社に保安査察制度を設けるように指示いたしておりまして、現在におきましては、大きい会社については保安担当の役員を大体置いておられるような状況になっております。
#92
○桑名義治君 政府は、自治省を中心にコンビナート防災法といわれるものをまとめていられるわけでございますが、この法案は高圧ガス関係だけの保安管理の強化改正を行うわけでございます。そこで、本法案とコンビナート防災法との整合性、調整あるいはまたコンビナート防災法の基本的な考え方、これはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#93
○政府委員(佐藤淳一郎君) コンビナートの中に置かれております工場の保安問題に関連いたします法律は相当ございます。その中でもわりに重要なものといたしましては高圧ガス関係の取締法、それから石油タンク等につきましては消防法、それから労働者の安全のための法律といたしまして、主に高圧ボイラー等を規制いたしておりますが、これは労働安全衛生法がございます。それから、コンビナートの中におきますところの電気関係については電気事業法、それから、都市ガス関係につきましてはガス事業法等がございます。それで、こういうものが集積して、同一地区に工場が集積されておりますが、これらにつきましては、いろいろ産業につきましての特性がございますので、その特性に応じました、まず最低のその産業に即した技術基準というものをきちっと決めまして、まず、あらゆる事故を、災害を想定をしました保安の技術基準をつくり、それから、一たん万一事故が起きた場合の防災の体制もそれぞれ態様が違いますから、それぞれの産業に応じましたそういう最低の基準を自分の守備範囲においてつくっていくということがまず当面要求されると思います。
 しかし、コンビナートの場合には、さらに集積した場合の一つのまた違った要素が当然考えられますので、このいろんな法律、保安の法律を全体としてかぶせたような整合性を持たしていかなければならないという問題が非常に大きな問題でございます。それで、今度のコンビナート防災法の考え方もまさにその防災という各個別の企業、あるいは産業に対しての保安体制はそれぞれ高圧ガス取締法なり消防法なりの中できちっと保安基準を改めるものは早急に改めまして、それでなおかつ、全体としての防災体制をどうするかということの仕組みをその中に有効に、しかも働き得るような形での防災体制をこの中に織り込んでいくということが、今度のコンビナート防災法の最も大きなウエートになるのじゃなかろうかという考え方で、いま各省庁と連絡をとっております。
 特に、いままではともすると、陸上部門の対策がやや中心でございましたけれども、やはりコンビナート地区というのは当然海上部門の保安問題、防災体制も十分にリンクした考え方をとっていきませんといけませんが、その点については非常に欠けておった面もございますので、水陸両面から保安体制、防災体制をどうするかということもまた今後の大きな課題になろうかと思っております。
#94
○桑名義治君 いずれにしましても、災害を起こさないのがやっぱり一番大事なことでございます。そうやった意味から申しますと、通産省は直接のこうやった工場の担当所管の省でございますから、したがって、このコンビナート防災法が、たとえ自治省が中心にまとめられておられるとはいいながら、占める比重というものはあくまでも通産省が最大の比重を占めている、また、意見が投入されなければならぬ、こういうふうに私は考えるわけでございますが、そこで大臣、このコンビナート防災法については、早急にこれは国会に提出をしなければならないというふうにお考えになっていらっしゃると思いますけれども、いつごろまでをめどに出してもらいたいというふうに考えていらっしゃいますか。
#95
○国務大臣(河本敏夫君) できるだけ早くまとめてもらいたいということで、自治省も中心になって各省が協力をいたしまして、いま作業を進めておるわけでございます。ただ、いついつという、いま確定した日を申し上げるのはちょっと申し上げにくいわけでございますが、いずれにいたしましても、各省の意見をできるだけ早くまとめまして、一刻も早く提出をしたい、かように考えております。
#96
○桑名義治君 じゃ、いついつまでにという期日を切るのはやめまして、本国会に間に合いますか、どうですか。
#97
○国務大臣(河本敏夫君) 間に合うと思います。
#98
○桑名義治君 先ほど局長からお話がございましたが、いままでのコンビナートの事故、これはいわゆる機械のいろいろなミスではなくて、作業員のミス操作ということが一番中心になっている、こういうふうに答弁されたわけでございますが、これは一つにはコンピューターに対する過度の依存度、こういう信頼体制というものが事故に直接つながった面が多かったんではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点についての指導もしくは管理体制、こういうふうなものに対してどのように指示をし、指導をなさっていらっしゃいますか。
#99
○政府委員(佐藤淳一郎君) 最近の近代的な工場におきまして、コンピューターの導入といいますのは単に生産の面だけではなくて、保安管理の面において相当有効な働きをやっておることは事実でございますけれども、先生御指摘のように、過度に依存いたしますと、何らかコンピューターに事故が起きた場合に、非常に大きな問題につながるわけでございます。そういうことを考えまして、やはりコンピューターも故障はあり得るわけでございますから、一たん故障した場合の対応の措置を十分に事前に整備しておく必要があろうかと考えております。
 特にコンピューターが作動しなくなった場合は、これは当然手動に切りかえるわけでございますが、こういった異常緊急時の作業マニュアルを十分に整備いたしまして、それを従業員の末端まで徹底さしておくということが絶対必要でございます。さらに、こういった異常事態を想定いたしまして、常時訓練を重ねておくということも必要かと思います。
 通産省といたしましても、こういう観点から今後とも企業を指導してまいりますけれども、今回の法律改正によりまして、たとえば、保安教育計画の中の問題を法律改正としてお願いいたしておりますけれども、この中の重要事項といたしまして、このコンピューターの事故を想定いたしました異常時の訓練も内容として織り込んで、マニュアルも整備する等々のことを図りまして先生御指摘の問題を解決してまいりたい、こう考えております。
#100
○桑名義治君 今回の法改正の中で、いわゆる高圧ガス保安協会が大きな比重を占めておるわけでございますが、今回からこの法改正の後にはこの保安協会には資金並びに補助金、これらが投入をされるわけでございます。で、いままでの保安協会とそれから今後の保安協会とは性格的にはどういうふうに違うのか、あるいは政府の規制力というものがどのように違ってくるのか、その根本的な問題をまず最初にお聞きをしておきたいと思います。
#101
○政府委員(佐藤淳一郎君) この保安協会は、三十八年に法律改正によって設置された特殊法人でございまして、協会という名前がちょっと誤解を与えますが、特殊法人でございまして、あくまで国の付属機関でございます。そういう意味では、非常に中立性あるいは公共性が高く求められる機関でございます。ただ、従来この機関に対しましては国からの出資等の財政的の助成はほとんどごいませんで、会員会社からの会費で賄ってきたわけでございます。ただ、今回この法律改正に伴いまして、一億円の出資を含めまして相当多額の補助金がこの協会に投入されることになるわけでございますので、われわれといたしましては、従来以上にこの機関の中立性、公共性を強く求めますとともに、具体的には、特にその財務関係につきましては、大半通産大臣の承認を求めるというかっこうにいたしたいと思いますし、それから、いろんな給与関係についても、一々役所の指示あるいは監督のもとに承認を求めながらやっていくということで監督を一段と強化させてまいりたい、こう考えております。
#102
○桑名義治君 そこで、いまから先のこの保安協会の業務というものは、次第に拡大をされるであろうというふうに考えられるわけです。そこで、それに伴う人員の計画や、あるいはまた予算規模の現状と将来にわたる考え方、これをまずお聞きをしておきたいと思います。
 それともう一つは、現在まで会員制でその会費でもって賄っておった。ところが今回からは、この法改正ができれば、当然国からの資金の導入並びにいわゆる補助金の導入が行われるわけでございますが、この会員制あるいは会費を取っているこの実情はそのまま持続されるんですか、どうですか。この二点について伺っておきたいと思います。
#103
○政府委員(佐藤淳一郎君) 高圧ガス保安協会の業務は、いままでは会費を中心にして運営されてまいったわけでございますが、今回国の資金が入ることに伴いまして、協会の財務関係を区分経理させまして、いわゆる補助対象事業部門と非補助対象事業部門とに区分けをいたしてまいりたいと思います。
 それで人員は、ただいま役員を含めまして七十二名の人員がおるわけでございますが、今度相当の事業が拡大してまいりまして、補助対象事業といたしましては、国の補助金をいただきまして、LPのセンターの関係の業務といたしまして消費者保安センターをつくるつもりでございますが、この関係の業務、それから保安情報センターの業務、あるいは技術基準を強化改良するための保安技術作成のための仕事等々が補助対象事業の部門になろうと思います。それから非補助対象事業といたしましては、いろんな機器の検定、検査をこの協会がやっておりますが、これは独立してやっていくということで非補助事業になるわけでございますが、さらに会員並びに一般の方々のこの高圧ガスあるいはLP関係の教育、講習関係の業務をいろいろやっていくということにしているわけでございます。そういたしますと、現在の七十二名では人が足りませんので、今回の改正によりまして補助対象部門に約二十五名の増員を考えております。この二十五名を含めまして、七十二名から合計約百名の人員の予定を五十年度においては考えているわけでございます。
 それで、今回の予算の中身といたしましては、全体の資金計画が、従来の四十九年度が約七億程度であったわけでございますけれども、五十年度は十五、六億程度に拡大するわけでございます。
 長期計画といたしましては、先ほど言いましたような補助事業部門が相当拡大いたしますし、それから非補助部門といたしましても、今度設備の拡充強化をいろいろ協会に義務づけいたしましたし、それからいろんな機器の検定につきましても相当対象範囲を広げたということで、非補助部門につきましても相当事業としてはふえてまいる予定になっております。
 ただ、この協会といたしましては、ことしの予算も一億円の出資でございますが、これはLPガス消費者保安センターの技術研究所をつくるための土地の購入代でございますし、それから全体三億五千万のうちの一億がそういうことで、残りの二億五千万が補助事業部門のいろんな補助事業に対する補助金でございまして、人件費は実は一銭も入っておらないわけでございます。したがいまして、ここにおりますところのまあ百名近い人員につきましては、やっぱり従来とも会費あるいは非補助事業部門の剰余金で充てなきゃいかないということでございまして、当面はやはり会費制度をそういう意味から続けてまいらざるを得ないという予定になっておりますけれども、しかし、特殊法人でございますから、いつまでもこういう形がいいのかどうか、これは一つの問題でございますので、次年度以降のその予算のあり方についてはまたいろいろ検討し、改善を加えていかなくちゃならない、こう考えている次第でございます。
#104
○桑名義治君 今後の構想についてお話がございましたが、いわゆる器具の検定あるいはLPセンター、あるいは消費者保安センターあるいは情報センター、こうやったいろいろな機関ができるようでございますが、これ一切を保安協会の統轄下に置くということでございますか。それが一つと、それからLPセンターにしましても、消費者保安センターにしましても、情報センターにしましても、今後でき上がっても後に運営という面についてはこれは財政的なものが当然つきまとうわけでございます。それから、さらに百名の増員ということになれば、いままでの会員制度をとっております、会費を徴収はしておりますけれども、財政的に破綻がくることは当然だと思うんですよ。先ほどの説明の中では、百名のいわゆる増員についての予算措置というものが全然お話しにならなかった。現在の会費制度というものは、七十二名の現在の職員を抱えている、これは会費で賄わなければならないというお話でございましたが、そうやった面についての財政的措置はどのようにお考えになっていらっしゃいますか、運営について一言。
#105
○政府委員(佐藤淳一郎君) 今度は予算によりまして、特に補助対象事業部門につきましては新しい仕事を導入いたすわけでございますが、これは協会の中におきます組織の一部門として運営することになるわけでございますが、当然特殊法人でございますので、通産大臣の十分な監督のもとにこれは運営していくということでございます。しかし、非常に範囲の広い一般の、特にLP関係につきましては相当広いユーザー、約一千八百万世帯のお使いになっている方々の啓蒙普及という問題も含めておりますので、これにつきましては相当程度自主的に活発な活動を期待しておりますが、肝心なところについてはもちろん通産大臣の指揮下に置いて、十分な監督のもとに運営していくということになろうかと思います。
 それから、先ほど私ちょっと説明が不十分で申しわけないんですが、七十二名から百名になるわけでございますので、約三十人程度の増員ということになります。しかしながら、確かにこの人件費の問題につきましては、長期的にどうするかというのは一つの課題でございます。当面は、五十年度につきましては、若干会費の植上げ等によりまして、あるいは従来の剰余金の取り崩し等によりまして、百名程度の人員の人件費は十分にまかない得ることになっております。一、二年程度はこの形で進み得ると思いますけれども、さらに長期になった場合会費だけで人件費がまかない得るかどうかということは、非常に問題でございまして、この点につきましては、当然改善の問題がいずれ二、三年後には出てまいるわけでございますので、その点につきましては財政当局とも十分に、まあ特殊法人でもございますので、この点についての改善措置を十分に協議いたしまして、この仕事が少なくともお金の面で支障を来さないように十分に配慮してまりたいと思っております。
#106
○桑名義治君 いまお話がございましたように、保安協会は、昭和十九年にできた社団法人高圧ガス協会が母体として三十八年の改正でこのようになったわけでございますが、その出発自体が各業界の方々がお集まりになってでき上がったものであり、したがって、現在急に公的責任を持たすということに私、多少無理があるんじゃないかというふうに考えるわけでございますが、その点どうですか。
#107
○政府委員(佐藤淳一郎君) 確かにこの協会は、戦前に関係業界が自主的に集まりましてつくった団体でございます。その意味では、自主保安体制をしかせる意味でも一つのメリットはあったかと思いますが、その後三十八年に特殊法人という形に切りかえたわけでございます。これはやはり特に石油化学というような非常にむずかしい高度な技術を扱う産業でもありますし、しかも保安問題からいきましても、他産業に比べて非常に危険度の高い業種であるということで、あえて特殊法人に切りかえたわけでございます。これは当時、確かに新しく特殊法人として新設することも一応考えられたようでございますけれども、せっかく戦前からそういうような知識の結集があります団体がありましたし、また、この保安問題と言いますのは、他の特殊法人と比べまして非常に特殊な団体でもありますために、従来の協会を特殊法人に切りかえたわけでございます。しかし、一たん切りかわった後におきましては、当然ほかの特殊法人と同じように中立性、公共性というのは高く求められてきておりますし、また、そういうことですでにもう約十年以上も経過しておりますので、もはやそういうことから脱皮いたしまして、やはり公共性の高い機関として運営されておるし、またわれわれとしても今後ともそうでなければならない、こう考えております。
#108
○桑名義治君 そこでさらにお尋ねしたいことは、先ほどのようにLPセンター、あるいは消費者保安センター、いろいろなものができ上がるわけでありますが、当然こうやったいわゆる施設ができ上がれば、それを指導するべき立場に立つのが現在のこの協会の役員、あるいは従業員の方々だろうと思います。そうやった意味で、現在のように技術が非常に急速に伸びている、あるいはこの保安問題につきましても非常に多様化しているという中で、技術革新が当然行われていかなければならないわけでございますが、それに対する財政的な措置や、あるいは指導というものがどういうふうに今後行われていくかによって、こうやった設備が有効に作動するどうかということが私は決定されるのではないか、こういうように思うわけでございますが、その点についてどのような対策をお考えになっていらっしゃいますか。
#109
○政府委員(佐藤淳一郎君) われわれといたしましても、今回の法律改正を機会にこの高圧ガス保安協会の果たすべき役割りというのは、一層従来以上に重大になってまいったという認識を持っております。したがいまして、単に業務の拡大にとどまらず、質的の改善をやらなくちゃならないということを強く痛感いたしておりまして、そのためには、この職員の質的向上を図らなくちゃならないというふうに考えております。これは上は役員から全員の職員に至るまで徹底させなきゃいかぬわけでございますが、職員につきましては、常に教育訓練を行いまして、新しい技術に負けないように不断の研修をさせておりますけれども、しかし、何といっても相当高度な技術でございまして、しかも、海外からの技術導入が激しい産業でございますので、特段と注意しなくちゃならないということに考えております。
 今回新たに先ほど申し上げましたように、三十名程度の人員を増員するわけでございますけれども、この増員につきましては、特に優秀な方に来てもらってそれで充実することを考えております。これは各企業の中から、特段とそういう公的マインドが強くて、しかも技術的に優秀な、人格もりっぱな方をいろいろお願いいたしておるわけでございます。これは特に、単に先ほど言いました業務の拡大にとどまりませず、今度の法律改正によりまして、たとえば、危害予防規程をつくる場合には高圧ガス保安協会の意見を聞かなければならないというふうにさせましたのも、そういう高度の専門家の意見を企業の保安体制の中に十分に織り込んでもらいたいという趣旨でもございますので、そういう観点からも高度の専門家をぜひこの際充実させたい、このように考えております。
#110
○桑名義治君 そうやった意味からは、現在の役員の一覧表を見ますと、非常に高年齢者が多いわけでございますが、この協会に対する通産省のいわゆる人事はどのように――人事とのからみはどういうふうになるわけでございますか。たとえばこの保安協会の人事異動あるいは交代、こうやったものに対する通産省の規制力というものはどの程度あるのですか。
#111
○政府委員(佐藤淳一郎君) 役員の任命につきましては、現行法律におきましても、会長、副会長、監事につきましては通産大臣が任命いたすことになっております。それからその他役員につきましては、会長が通産大臣の承認を受けて任命することになっておりますので、一人一人結果的には通産大臣の承認を受けて任命するということになります。われわれといたしましては、この選任に当たりましては、特に公的マインドの強い人を最優先的に考えておりまして、いやしくも、単に自分の企業だけにこだわるような人は一切排除したいということでまいっておりますし、それからこの協会の特殊事情――相当高度の技術的の要素がありませんと協会の指導ができませんので、そういう面も強く要請されるわけでございます。したがいまして、相当の知識経験を経た人でなければいかぬということでございまして、結果的にまあ高年齢にならざるを得なかったわけでございまして、この点につきましては、今後とも新進気鋭の役員もぜひ入っていただくように今後は配慮してまいりたいと思います。
#112
○桑名義治君 いままでの生成の過程から言えば、こういうふうに企業者の代表的な方々が入って来られるのは、これは当然のことだと思います。しかしながら、今回の法改正において非常に公的な色彩が強くなるわけでございまして、そうやった意味からは、企業代表的な方々がいわゆる公的マインドが強いからとかなんとかいっても、余りにも片寄った人事の中からは公平な運営というもの、公的な運営はできない、こういうふうにこれは当然だれでもが考える問題だろうと思います。そうやったことを勘案しながら、先ほどからの通産大臣との協議が必要だというふうに仰せならば、そこら辺も十二分に配慮しながら、この協会の今後の発展のために、あるいは公平な、しかも完全な運営ができるように、これは人事面においても大いに考えていただかなければならない問題だと、こういうふうに考えるわけでございます。それを含めて、一切を含めて通産大臣から、この協会に対する今後の運営、あるいはまた今後の構想についての決意なりあるいは考え方なりを総括的に伺いたいと思います。
#113
○国務大臣(河本敏夫君) 協会の運営は、やはり人を得ないと十分な働きができませんので、人の問題につきましては、いまいろいろ御意見がございましたが、そういう御意見を参考といたしまして、十分慎重に配慮、運営をしていきたいと考えております。
#114
○桑名義治君 次にお伺いしたいのは、特定設備に対する製造段階の検査でございますが、高圧ガス製造設備の規制は、現行法では完成時の検査を、あるいは改正案では、省令で定める設備に対し、プラント建設の段階から設計、材料の品質、それから溶接方法の検査、こういうものを行うということになっているわけでございますが、これは当然なことだと思います。しかし、ここで問題なのは、協会なり検査機関が、日進月歩の土木、建築工学、あるいは材料の力学あるいは溶接工学、こういう新しい技術や工法、材質等に対応していけるかどうかということがまず心配でございますけれども、このことは現場の人も不安感を持っているのが私は実情じゃないかと思います。そこで協会では、どこの部門が検査を担当するのか、またその人員は、あるいは土木工学、建築工学、材質、地質学、溶接工学等の専門家が担当部門におられるのかどうか、この点についてまず伺っておきたいと思います。
#115
○政府委員(佐藤淳一郎君) 特定設備の検査につきましては、今度の法律改正で新たに発生いたします業務でございますので、これに対する対応の措置につきましては、いろいろのやるべきことがあるわけでございます。特にこの権査体制の問題につきましては、現在考えておりますのは、そのものによりまして国と都道府県と、あるいは通産局あるいは協会と、大体こんなおのおのの、装置によりまして、設備によりまして区分をいたしまして、検査をさせていこうというふうに考えております。国といたしましては、通産省にはいろいろな試験研究機関もございますし、検定機関もございますが、その中で工業品検査所というものがございまして、相当の検査関係のなれた人員とそれから設備を持っておりますので、国の機関といたしましては、これらの工業品検査所の人員を使ってまいりたいと。
 それからさらに、設備の割りに小型のものにつきましては、指定検査機関を活用してまいりたいということでございます。指定検査機関といたしましては、機械電子検査検定協会という財団法人がございまして、これは非常に公共性の強い、しかも通産省の監督を受けておる協会でございますが、ここにも長年の蓄積がございますので、小型類の小さいものにつきましては、こういう機関を活用していくということを考えております。それから、協会につきましては、ただいまのところは従来の機器の検査検定で手いっぱいでございまして、新たに特定設備の検査に当たる人員は現在おりません。したがいまして、これにつきましては、しかるべき方を六、七名今回採用いたしましてこの業務に当たらせたいと、大体大ざっぱに言ってこういうような考え方を持っております。
#116
○桑名義治君 実際には検査業務を行えるのは広島支部、九州支部の二支部だけでしょう。したがって、他の支部、検査所は保安講習、容器検査、冷凍試験の実施等だけで、これでは五十六条の三にいう業務は行えない状態にあるのではないかと思うのです。したがって、その増員の二十名前後がそれぞれに配分されたとしても、全体の特定設備の検査は事実上不可能である、こういうふうに私は考えるわけですが、これの対応策はどのようにお考えですか。
#117
○政府委員(佐藤淳一郎君) 今度の特定設備の検査につきまして、協会の役割りとしては、当面間に合いませんので、六、七名採用はいたしますけれども、当面の検査人員としては考えておりませんで、われわれとして考えておりますのは、先ほど申し上げましたが、工業品検査所がまずあるわけでございますが、これは大体支所が全国に三ヵ所、出張所が八ヵ所ございまして、人員が、所員がいま三百四名ございます。それから、都道府県の職員が現在完成検査で年間八千件ぐらいの設備検査をやっておられますけれども、この中で優秀な方々には、一部やはり特定設備検査も担当していただくというふうに考えております。
 それから、小型の機器類につきましては、指定検査機関を使うと申し上げましたが、この機械電子検査検定協会という機関がございますが、これは全国に十七の事業所がございまして、職員が五百三十名おられます。したがいまして、これらの機関のそれぞれの区分に応じまして検査に当たらしめれば、十分に体制は整え得るというふうに考えております。
#118
○桑名義治君 そういうふうに検査をする所管の機関がばらばらであるというところに、また私は大きなミスが出るおそれがあるのではないかと思うのですが、これらの話し合いなり研究の成果を検討し合うという、そういう一つの機関なり、あるいはそういうシステムを考えていらっしゃいますかどうですか。ただ委託をするというだけでは、私は問題は必ず残ると思うのです。その点はどうですか。
#119
○政府委員(佐藤淳一郎君) 考え方としては、相当設備の中でも高度であり危険につながるような問題につきましては、できるだけ国の機関である工研を使いたいと思っております。それで小型のものは逐次指定検査機関というような民間のものを使うということで区分けはいたしますけれども、しかし、全体としてやはり整合性を持っていかなくちゃならないという問題は確かにございます。したがいましてこの点につきましては、現在やり方等につきましても、高圧ガス保安協会と特に工研との間にいろいろ協議を重ねております。この仕組みを、県なりあるいは指定検査機関も含めまして、先生御指摘になったようなことを十分に図られますように、今後ひとつ十分に注意してまいりたい、こう考えております。
#120
○桑名義治君 指定検査機関の指定の基準として五十六条の九があるわけでございますが、業界の研究機関でも指定を受けられるようになってはいますけれども、これはなるべく関係業界の研究機関は除くべきだというふうに私は考えるわけですが、こういう業界の研究機関というものは、それぞれの業界相互の研究発表をし、あるいは知識の導入を図り合うということは、当然これは必要なことですけれども、こういう検定をする場合に、私はこういう業界の研究機関はなるべく避けるべきである、こういうふうに考えているわけでございますが、その点どうですか。
#121
○政府委員(佐藤淳一郎君) その点は全く同じでございまして、われわれとしては、業界のそういう研究機関を使う気はございません。この機械電子検査検定協会といいますのは公益法人でございまして、通産省の監督のもとに置かれている公益法人でございますので、そこに限って、公益法人に限ってだけ活用してまいるということに考えております。
#122
○桑名義治君 時間がありませんので、次に移りたいと思いますが、一般家庭でのLPのガスの事故が毎年急増しているようでございます。非常に大型化していると言っても決して過言ではないと思います。団地等で爆発事故が起こりますと、その一軒にとどまらず、その周辺、前の部屋、上の部屋、下の部屋、隣り合わせというふうに死亡事故につながっている事件が多いわけでございますが、いままでのこの事故の中で主な原因はどういうところにあったのか、それに対して今後どういうふうな対策をとっていかれようとしているのか、その点について伺っておきたいと思います。
#123
○政府委員(佐藤淳一郎君) 先生御指摘のように、このプロパン関係の事故につきましては、相当都道府県を指導いたしまして、あるいは販売店を通じまして対策を講じておるわけでございますけれども、結果的にはまことに遺憾でございますけれども、年々増大いたしておりますし、事故も大型のものが頻発しておる実態でございます。これにつきましては、いろんな原因があるわけでございますけれども、事故原因をいろいろ分析いたしてみますと、大部分はやっぱりガス漏れによりますところの事故でございます。
 そのガス漏れの事故がどうしてあんなに大きくなるかといいますと、要するに都市ガスと違いまして、ガスそのものがどうもやっぱりLPそのものの本来の特性がございまして、都市ガスに比べまして重いとかいう問題からああいう悲惨な事故につながるケースが多いわけでございます。それで、われわれとしましては、とにかくこのガス漏れを何とかして防ぎたいということで、いろいろ研究をするつもりでございますけれども、まず当面は先ほど申し上げましたように、協会内の付属研究所の中でプロパンガスの特性をいろいろ研究させまして、特に当面の、当座の急といたしましてはにおいをつけさせて、漏れたらもう消さなきゃおれないというような形をひとつ考えたい。それから、その開発ができるまではガス漏れ警報器をとにかく早急に普及させたいということを考えております。
 それから、何といっても事故の原因の八割方が一般ユーザーの方々の消し忘れとか、あるいはゴムホースからの漏れとかいうような問題でございますので、一般消費者の方の啓蒙普及といいますか、それを徹底的に今後この協会を中核にしてやっていく。それから、瞬間湯沸かし器とか等々の機器類についても、ガスが漏れたら元栓が締まるような仕組みの機器を開発するとか、それから、工事につきましても導管の設置につきましても国家試験を受けた者にやらせるとか、いろんなやはりきめの細かいことの蓄積によりましてひとつこの問題を解決する。一つのきめ手でこの問題に対処するなかなか妙案がございませんので、きめの細かいことを積み重ねながら、一件でも事故を少なくするようにいろいろ業界を指導してまいりたい、こう考えております。
#124
○桑名義治君 においをつけるとか、色をつけるとかいう、そういう研究はどの程度いま進んでますか。
#125
○政府委員(佐藤淳一郎君) 実は過去にもいろいろやらしてみたわけでございますけれども、ボンベに入っている状態では液体状態でございまして、使うときには気化いたしますものですから、どうも中に入れておいたにおいが気化する段階でガスとにおいが分離してしまうというような結果でございまして、その点がなかなかうまい、一緒に気化するようなにおいが出てこないということが非常に問題でございますが、そういう問題点はわかっておりますので、早急にひとつやらせたいということで、現在のところではいい製品はまだ生まれておりません。
#126
○委員長(林田悠紀夫君) 桑名君、あと一分ぐらいで時間です。
#127
○桑名義治君 ああ、そうですか。
 そうしますと、高圧ガスタンクの調査結果についてお伺いしたいんですが、通産省は高圧ガスタンクの安全点検を進めていたわけでございますが、その調査結果がどういうふうになっているか、数字で示していただきたいと思います。
 それと同時に、もう一点は、傾斜が一%以上の八基に補修命令を出しましたけれども、その他は安全と、こういうふうに見ているのかどうか。
 あるいはまた、もう一点は、基盤の傾き、それから貯槽の直径の〇・五%以上のものを一つの基準にした、こういうふうに言われておりますが、その一%以上の基準というものはどこから導き出したものであるかどうか、この点について伺っておきたいと思うのですが。
#128
○政府委員(佐藤淳一郎君) 水島事故に関連いたしまして、高圧ガス関係のタンク並びに都市ガスの関係のタンクにつきまして、全国一斉の点検をやったわけでございます。それで、全国で貯蔵能力五百トン以上の可燃性ガスのタンクと、それから貯蔵能力二十トン以上の毒性ガスのタンクを中心にいたしまして、全国で千八百八十六基の点検が行われたわけでございます。その結果基盤の傾きにつきまして、貯槽の直径の〇・五%以上傾いておりましたのが全国で四十八基ございました。それからさらに、一%以上のものが八基あったわけでございます。で、この八基につきましては、中のガスを抜きまして内部点検をやるようにすでに指示を終わっております。
 それで、この問題でございますけれども、実は水島で事故を起こしました石油タンクと高圧ガスタンクの構造がだいぶ違っておりまして、高圧ガスの場合は鉄筋コンクリートの強固な基盤をつくりまして、その上に足をつくりまして、その上にタンクをつくるとか、あるいはコンクリートの基盤の上にタンクそのものを置くとかという構造になっておりまして、相当基盤自体が強固になっております。したがいまして、不等沈下という現象は高圧ガスタンクの場合にはあり得なくて、基盤全体がどちらかに傾くというような問題になるわけでございます。したがいまして、一般的には一%ぐらい傾いても本体自体が、いろんなテストを行って、それ自体の強度も十分にテストいたしまして、しかもそのコンクリート基盤の上に乗っけているわけでございますから、相当な安全性は持たしております。したがいまして、われわれとしましては、〇・五%程度のものであれば十分に安全であろうというふうに考えております。
 この〇・五%あるいは一%なぜとったかと申しますと、実はこれについての安全基準はないわけでございます。これは石油タンクにおいてもないわけでございまして、われわれとしましても、今度の調査の段階で安全限界をどういうふうに考えるか、非常に迷ったわけでございますけれども、国際的にもこういうような基準がございませんもんですから、まあ一応安全を見て〇・五%ということで一つの安全限界に考えたわけでございますが、さらにガスを抜いてまでやるということになりますと、〇・五ではちょっと安全のとり過ぎだということで、一応一%というめどでやったわけでございまして、必ずしも学理的なことを踏まえてやったわけではございません。しかし、今後はこの問題につきまして、われわれとしても積極的にひとつ解明してまいりたい、こう考えておりますし、それから、従来基盤についての測量義務、測定義務は実は課してなかったし、それから監督も実はしてなかったわけでございますが、今度の事故を契機に測量義務を課させるということと、それから監督の場合も、その点について点検もやるように省令の改正を近いうちにやりたい、こう考えております。
#129
○桑名義治君 もう一問だけ。
 先ほどからいろいろと質疑を続けてきたわけでございますが、時間がもうどうしても足りませんので、最後に大臣にお伺いしたいと思いますが、まあいろいろと、今回の法改正の中の一つの中心議題は、やはり協会の強化ということにつながると思います。いずれにしましても、こうやった法改正がなされても、問題は、技術革新をどのようにやっていくか、あるいは保安教育をどういうふうにやっていくか、あるいは財政的な措置をどういうふうにやっていくか、こうやった、大別するとこの三つが一番重要課題になってくるんだろうと思います。そうやった意味で、ひとつ大臣も、財政的な面あるいは教育的な面、こうやった問題に対しての最終的なお考えを、あるいは決意なりをお聞きして質問を終わりたいと思います。
#130
○国務大臣(河本敏夫君) 三つの点について特に注意するようにというお話がございましたが、その点は私も全く同感でございます。十分心しまして運営をしてまいりたいと思います。
#131
○須藤五郎君 私は改正案について質問をいたしたいと思います。
 今回の改正案で、設備メーカーへの規制措置として、特定設備に対する設計検査、材料検査あるいは製造中の検査を行うことを定めておりますが、今回これを入れることにしたのはどういう理由によるのか、伺っておきたい。
#132
○政府委員(佐藤淳一郎君) 従来高圧ガスの設備につきましては、新しく設備をつくった場合には都道府県の職員が現場に参りまして、現場の本体を目で見たり、あるいは測定器を用いましていろいろチェックをいたすことになっているわけでございます。ただ、この高圧ガスの関係の設備は非常に複雑でございまして、でき上がった段階では十分目の届かない個所もございますし、それから材質等につきましても、でき上がってからでは中に入って十分に検査できない個所も多々ございますので、そういうものにつきましてはやはりメーカー段階、つくっている段階において一々それをチェックをしなければ保安の万全は期し得ないということに着目いたしまして、今度の特定検査設備制度を導入いたした次第でございます。
#133
○須藤五郎君 いろいろ理由はあると思いますが、いずれにしましても特定設備、つまり大企業設備の場合、事故が発生すれば甚大な被害を労働者や地域住民に与えることにつながります。その保安対策には万全を期さなければならない、それは同感です。ところが、今回の改正で対象になるのは新規設備だけで、既存の設備についてはそのままであるということが言える、これでは私は片手落ちと言わざるを得ないと思うんですが、どうでございましょうか。
#134
○政府委員(佐藤淳一郎君) 今回のこの新しい制度を新設いたしました理由といたしましては、特に過去の一連の事故を分析いたしましても、設備そのものの原因で重大事故を起こしたという例は実はないわけでございます。しかし、われわれとしましては、やはり保安対策上万全を期さなきゃいかぬということに着目いたしまして、この制度を導入することに踏み切ったわけでございます。
 また、先生御指摘のように、既存の設備につきましては、すでにもう設備が内部に組み込まれておりますから、分解しない限りは点検は実際問題できませんけれども、一遍設備が完成いたしましても、定期的に保安検査をやらせることになっておりますし、それから定期自主検査もやらせるように法律で規定されております。しかも、その両検査とも十分にきめの細かい保安基準が決められておりまして、その保安基準に適合しない限りにおいては、その設備はその段階で使えないことになるわけでございまして、そういう面で、既存の設備につきましては十分な事後のチェックにおいて担保し得るというふうに考えております。
 さらに、従来その検査の回数につきましても、非常に優良な工場については期間を少し長くして、何年に一回とかいうことにしておったわけでございますけれども、今後はそういう級別の事業所制度をやめまして、いかなる事業所も、必ず最低一回は都道府県の保安検査を受けなきゃならないということにいたさしております。それから、今度の法律改正によりまして、消火設備やらいろんな装置についての義務づけも強化いたしておりますので、御指摘のような問題は確かにあるかもしれませんけれども、十分にそれの心配をなくするような措置も一方において講じておりますので、保安の万全を期し得るものと、こう考えております。
#135
○須藤五郎君 いまの話だと、定期的に検査をすることになっているという当でしたが、私は、既存の設備についても事故発生のおそれは十分にあると思うんですね。むしろ、設備が古くなるから、新規設備以上に危険があるということが言えるだろうと思うんです。話然その既存の設備に対しましても新しい技術上の基準を定めて規制を強化すべきである、こういうように私は思いますが、どうでございましょうか。
#136
○政府委員(佐藤淳一郎君) 過去におきまして相当の災害を発生させておりますので、事故の原因につきましては究明いたしまして、いろいろレポートも出ております。これらのレポートによりますと、特に設備が古いから、古い個所において事故が起きたということじゃございませんで、新規あるいは旧設、古い設備とか新しい設備によるということよりも別の原因での事故がほとんどすべてでございます。したがいまして、そういう観点での問題はなかろうかと思います。
 ただ、いろいろおっしゃるように、古くなれば老朽化による事故の心配というのは確かに考えられないことじゃございませんので、その点につきましては、十分に設備の耐用年数というものは当然設置の段階から計算されておるわけでございますし、そういう点も含めまして、先ほど申し上げました保安点検を十分に目の届くように強化いたしましたし、それから既存の設備につきましては、新規も含めてでございますけれども、今度の法律改正によりまして保安基準もいろんな面において格段と拡充強化されておりますので、そういう御心配は今後は一段となくなるであろうというふうにわれわれは確信いたしております。
#137
○須藤五郎君 そういう災害が既存の設備から起こると考えられないこともないがじゃなしに、考えられるというのが私は本当だと思うんですよ。考えられないこともないがと言うのでは、それはちょっとおかしい。考えられると、こう言うのが私は本当だと思うんです。
 というのは、私はそれではここに例を挙げましょうか。適切な例ではないかわかりませんが、かつて和歌山の住金ですね、住友の製鉄所、そこのバルブの事故で人が二人ほど死んだことがあるんです。私はすぐ見に行きましたよ。バルブの故障なんです。それでそのバルブはいつから使っているかというと、ずいぶん長いんだね、これ。それで事故がなかったから、こういうことなんです。溶鉱炉に熱気を、ガスか何かを送るそのバルブなんです。そのバルブのいわゆるゴムの部分が摩滅してしまってきかなくなった、それで事故が起こったのです。それで私はそのときに、これは一体何年前から使って、それで一年に一回とかちゃんと検査しておるのかと、こう質問しましら、検査するためには溶鉱炉をとめなければならない、溶鉱炉をとめると大変だ、こう言うんです。したがって、そう常に検査をすることがむずかしい、そういうことを聞いたんです。
 それではいけません、こういうバルブは壊れやすいから耐用年限をちゃんと決めて、何年間以上は使わないというようなことを決定し、そして、検査は溶鉱炉とめてやりなさい、年に一回でも二回でもいいから溶鉱炉をとめてやらないと人命に危害が、こういう問題が起こるような災害が起こるのではないか、溶鉱炉をとめるのと人が二人でも三人でも死ぬのとあなたたちどっちを重要視するんだと、私、そのときに言ったことがあるんです。よくわかりましたと言って、いまどういうふうになっているか、まだその後私は調べには行ってませんが、通産省がもしもなんだったら一遍よく調べる必要があると思うんですが。そういうバルブなんというもの、これは部品ですが、耐用年限はどのぐらいに見ているのか。そして検査は何年に、何ヵ月に一遍というふうにしておるのか、そこらはどういうふうにあなたたちは考えているのか。溶鉱炉をとめなきゃならぬから余り再三検査できませんなんて、そんなばかなことはない。どうなんだね。
#138
○政府委員(佐藤淳一郎君) この設備の老朽化に基づきますところの災害が、先ほど申し上げましたように、いままでの過去の例ではないと申しましたのは、要するに、設備本体的なものについて申し上げましたわけでございまして、先生がおっしゃいましたように、バルブ等はやはりその設備に伴います一種の消耗品的な個所でございますので、これにつきましては当然年に一回保安点検、これは大体普通は設備をとめまして総ざらい、総点検するわけでございますから、その際に老朽化、あるいはそういう消耗いたしました部品につきましては一切取りかえさせるという仕組みをとっておるわけでございまして、先生いま具体的な事例としておっしゃったことにつきましては、あるいはそれは調査漏れ、あるいは点検のミスだたったかと思いますけれども、たてまえとしてはそういうことで、設備が新しかろうが古かろうが、そういう部品的な問題については常に更新していくということが当然の措置として要請されるものと考えております。
#139
○須藤五郎君 それじゃ、このバルブの耐用年限なんというのはどれぐらいに見積って、何年ごとに新しく取りかえるように規則をつくったんですか。
#140
○政府委員(佐藤淳一郎君) 高圧ガスの場合は、非常に設備が複雑でございまして、バルブがいろんなところについておるわけでございまして、やっぱりそれは使用個所によってそれぞれ耐用年数というのが使う頻度にも応じますし、ガスの種類、それから圧力等々によってみんな違いが出てくるわけでございますので、一律には規定いたしておりません。それは当然自主的に基準の中に定め、あるいは点検の際に、保安検査の段階でそれをチェックして、悪いものは取りかえるというふうに工事させておるわけでございます。
#141
○須藤五郎君 その使用個所によって違うというのはどういうふうに違うのか言ってごらんなさい、どこどこは何年とか。
#142
○政府委員(佐藤淳一郎君) 要するに、個所によって摩耗の限度、程度が違いますので、その点につきましては正常にバルブが働くかどうかということを保安点検の際に十分着目してやって、故障がある場合はいち早くそれは取りかえるということが大事だということを申し上げておるつもりでございます。
#143
○須藤五郎君 私が言っているのはそういうのじゃないんだな。使っていればだんだん古くなるに決まっているんだ。見たときにそれが漏れなくても、もう古くなっておれば明くる日に漏れるときもある。だから原則としてそういうバルブは、どこどこのバルブは何年しか耐用年限は認めない、だからそのたびに新しい製品にかえていくという、それぐらいまでの注意をしないとああいう問題が起こる、私の言っているのはこういうことなんですよ。だからそういう規制を通産省の方で、ここはこうこう痛みやすいところだから、ここは何ヵ月ごとにかえるとか何とかちゃんとしておるかどうかということなんです。そこまで規制する必要がありますよ。
#144
○政府委員(佐藤淳一郎君) 現在のところはそういうことで、保安点検の際に故障個所あるいは摩耗したバルブ等については取りかえさせるようにいたしておりますけれども、あらかじめそういうものをやっぱり考えておく必要があるという御指摘もごもっともでございますので、その辺はどこに規定していいかまだいま直ちに答えられませんけれども、危害予防規程の中に入れるか、何らかの形においてひとつ事前にそういうものが入り得るかどうか、先生の御趣旨もよくわかりますので、ひとつ検討させていただきたいと思います。
#145
○須藤五郎君 検討するだけじゃいけないんで、大臣、私は事実を見てきて、それで非常に危険だと思ったんです。ところが工場は案外に、いま使えるからということで、古いものを平気で使っているわけなんですね。何年前のものでも使っているんです、実際は。ところが、そのときにそういう災害が起こるわけです。だから、そういう災害をなくすためには、やはり耐用年限を、こういうものはここでは何年以上使ってはいかぬ、何ヵ月以上使ってはいかぬということを決めて新品に取りかえていく、そういうことが私は必要だと思うんです。それでないと、いつ何どき災害が起こるかわからない。これから検討するんじゃいけないんだ。通産省はもっと早く検討してちゃんとやっておくべき性質のものだ。人命に関するものだよ。大臣そうじゃないでしょうか。私は、検査もできるだけ頻繁にやるがいいし、それで新品と取りかえるのもやはりきちんと、耐用年限どのぐらいということであればそれでさっさと取りかえる、それぐらいなことはやっていかぬと、保安というものは十分にいかぬと思うんですがね。大臣、あなたどうお考えになっていますか。
#146
○国務大臣(河本敏夫君) 保安のためには万全を期するということは、これはあくまで大事でございます。生産よりも保安を大切に考えていくということがいまの政府の考え方でございますから、いまお述べになりましたことを十分に参考にさしていただきまして、今後の保安行政上大きな指針として進めていきたいと思います。
#147
○須藤五郎君 大臣、誠意をもって検討していただきたいと思います。
 次に、特定設備の技術上の基準を定めることにしておりますが、その基準に適合しているかどうかの判断を行う検査の水準、方法については何らこれでは触れていないと思うんです。これはなぜでございましょうか。
#148
○政府委員(佐藤淳一郎君) 現行の省令におきまして、耐圧性、それから気密性、それから肉厚等の検査、あるいは防火基準というものがすでに規定されております。さらに省令の補完基準というものがございまして、これはさらに相当精度の――精度といいますか、さらに詳しい基準でございますが、これらの補完基準におきまして検査基準あるいは検査方法についても定められております。たとえば耐圧試験は常用の圧力の丁五倍の水圧によりましてある時間を実施しなきゃならないということが規定されておりますし、それから耐圧試験を行うときには、主要な溶接、継ぎ手等につきまして、規格によりますところの溶接部分につきまして放射線試験等を実施する、そういう方法もすでに規定されておりまして、いま御指摘のような問題につきましては一応内容として織り込みまして、いろいろ遺憾のないようにやっておるつもりでございます。
#149
○須藤五郎君 指定検査機関の水準を定めることと、おのおのの個々の検査の方法とは私は別問題だと思うんですね。幾ら検査の設備を持っていても、その設備を使って検査をするという場所がないわけですね。したがって、実際にどういう検査をするのか、その方法、水準について何ら触れていないというのは、私は問題があるんじゃなかろうか、こういうふうに思いますが。
#150
○政府委員(佐藤淳一郎君) 検査の基準につきましては、設計検査あるいは材料検査、溶接検査、構造検査等々が入っておるわけでございますが、これらの検査のいわゆる技術基準というものは省令で詳しく定められておりますし、それから方法につきましては、先ほど申しましたように補完基準で定められております。で、先生のおっしゃった水準というのは、やはり高度な水準を持たせなきゃいかぬというふうな御趣旨かと思いますが、この辺につきましては、当然日進月歩の技術革新を伴う装置でございますから、高圧ガス保安協会におきますところの技術委員会等を活用いたしまして、常にこの見直しをやっておりまして、新しい装置の水準に伴った技術水準を見直しをやって改定につなげていくということをやっておるわけでございます。
#151
○須藤五郎君 昭和三十八年に大幅な高圧ガス取締法の改正が行われましたね。その際、業界は省令案に対する要望書を提出しました。また、通産省当局は、本法施行規則の改正に対する各業界の希望を聞いておると思います。こういう事実をお認めになりますか、どうですか。
#152
○政府委員(佐藤淳一郎君) いまの御質問の点につきましては、実は私存じておりませんけれども、どうもいま調べますと、そういう要望があったようでございますが、詳しいことはちょっといま直ちにわかりませんので、調べさしていただきたいと思います。
#153
○須藤五郎君 それじゃ、そういう要望が業界からあったという事実だけ認めますね。認めた方がいいんだよ。認めないと言ったら、私、証拠があるんだから。
#154
○政府委員(佐藤淳一郎君) そういう事実があったようでございます。
#155
○須藤五郎君 石油化学工業協会は昭和三十八年の改正の際、「高圧ガス取締法施行規則の一部を改正する省令案に対する要望書」というものを提出しておるんですね。その中で、当業界は、高圧ガス取締法改正に際しては石油化学製品製造設備を自主検査のみにしていただきたく再三再四要望してきた、今日においてもいささかもその要望に変わりはない、こういうふうに述べておりますね。そして十七項目の設備を列挙しております。その理由として、「石油化学工業は各企業間が緊密な連繋」――いわゆるコンビナート――「を成しており、保安検査が頻度にわたると、一企業のみならずコンビナート各企業間の生産体制に大きな支障を来たす」と、そういうふうに明記しておるわけです。つまり、生産に支障が生ずるから保安検査をやめてくれ、こういうふうな要求をしておるんです。通産省はこの要望にどう対処したか、お答え願いたい。
#156
○政府委員(佐藤淳一郎君) 当時のいきさつを十分承知いたしておらぬものですから、まことに恐縮でございますが、石油化学産業というのは、昭和三十五、六年ごろから本格的に海外から導入されてきた産業でございますが、海外におきましては、一般的に自主保安というのが中核になっておりまして、技術基準等につきましても自主基準をつくりまして、それでみずからを守っていく体制が相当強く残っておるわけでございます。したがいまして、当時、三十八年ごろでございますと、まだこの産業が日本に入って間もないころでございましたので、物の考え方が、やはりそういうような海外の考え方を反映した意見があるいは多かったと思います。その一端がこういうような意見の開陳になってあらわれたのじゃなかろうかと、私、これは想像でございますけれども、そういう感じがいたします。
 しかし、その後もうすでに十数年たちまして、この産業も非常に重要な産業になってまいりましたし、一方、事故もいろんな面で起きまして、国民にいろいろ迷惑をかけてきた実績もございまして、現状においては、業界自体もいささかもこういう考え方は持っておるわけもございませんし、また、われわれといたしましてもこういう考え方は取らないわけでございます。考え方の一部といたしましては、確かに保安というものはみずからが姿勢を正してきちっと守っていくということが要諦ではございますけれども、さればといって、自主保安だけで保安体制の万全が期し得られないわけでございまして、やはり国の保安の監督というものと両々相まって保安の体制というものは万全を期し得るというふうにわれわれは確信いたしておりますし、業界もいまやそういう考え方をとっておるわけでございます。たまたま当時はそういう事実があったかと思いますけれども、まあそういう意見は現在としてはとり得ない意見だろうと私は考えております。
#157
○須藤五郎君 ここにそのときの要望書が全部あるんですよ。これは昭和三十八年十一月四日の石油化学工業協会からの通産省に対する要望書です。その中にいまあなたがおっしゃったようなことがちゃんと書いてあります。だから、あなた知っているんだろう。だってね、「また、当業界における企業は挙げて自主保安体制の確立に万全の努力を払っております。」とか、「石油化学工業についてはそのほとんどが企業の自主検査によっております。」とか、あなたがいまおっしゃったようなことがちゃんとこの中に書いてあるんだな。それで、こういうものが三十八年に出たが、そのとき通産省はこれに対してどういうふうな答えをしたか、どういう対応をしたか。よろしゅうございます、あなたたちのおっしゃるとおりにいたしましょうと答えたんだろうと私は思うんだ。そうでなかったら、どういうふうに答えたか、はっきりしてもらいたい。そこなんだ、問題は。
#158
○政府委員(佐藤淳一郎君) まことに申しわけないんですが、どういう答えぶりをしたのか、私承知をいたしておりませんけれども、その後三十八年に行われました法律改正の内容を見ましても、それから政府としてとりました保安の措置等の歴史を振り返ってみますと、相当国の監督体制の強化が行われておりますので、結果的にはその業界の意見どおりには進まなかったということは一つ申し上げられるんじゃなかろうか、こう考えます。
#159
○須藤五郎君 その後、岩国かどっかで爆発が起こって、災害が起こったりしているでしょう。だから、この業界の要望を通産省は認めたんじゃないですか。それじゃなしに、認めないで、そういうことはいかぬ、もっと厳重にやらにゃいかぬというふうに通産省が態度をはっきりしたら、ああいう災害も起こらなくて済んだんじゃないだろうか。その後、ずうっと石油企業で、コンビナートでたくさん災害が起こっていますね。一年に何回も起こっているじゃないですか、四十八年ごろには。そういうふうな問題が何で起こったのか。このときに通産省が業界に甘い顔をしたから、だからそういうことが起こってるんじゃないか、こう私は思うんですよ。
 だから、そのとき通産省が業界に対してどういうふうに答えたか。あなたがどういうふうに答えたかわからぬと言うんじゃ、これはどうも答弁の引き出しようがないんだけれども、はなはだそれはおかしいと思うのです。そのぐらいのことは、通産省にあなたは長いこと勤めているんだ。三十八年に入省したわけでもないでしょう。そしたら、そのぐらいのことは知っているはずだと思うんだ、こんな重要な文書に対する答弁は。もっとよくわかった人はだれかいないですか、あのとき通産省がとった態度。通産省は認めたんじゃないですか、これを。よろしゅうござんすと、そうでしょう。
#160
○政府委員(佐藤淳一郎君) 答え方は承知いたしておりませんけれども、その後の行政の実績をごらんになっていただきますと、相当法律の面あるいは保安技術の面、基準のつくり方あるいは監督体制、これは人員、それから予算等も含めまして相当強化されてきておりますので、これは結局自主保安だけじゃなくて、国の機関によりますところの監督体制の強化と両々相まっての体制整備をやってきておりますので、結果的には自主保安だけにとどまらなかったということは一つ言えるかと思います。
#161
○須藤五郎君 まあ答弁する局長が、その当時どういう回答を石油協会にしたかわからぬと言うのだから、いまはもうそれは保留しておきましょう。後ほど文書で出してください、どういう回答をしたかということ。回答の文書があるはずです。その文書を出してください。いいですね。――いいならいいとここでちゃんと言ってもらわぬとだめだ。
#162
○政府委員(佐藤淳一郎君) 当時の経緯を早速調査いたしまして、御報告申し上げたいと思います。
#163
○須藤五郎君 昭和三十八年といいますならばかなり古い話に聞こえますが、しかし、高圧ガス取締法の改正の歴史で言いますと余り古いというわけにはまいらないと思うんですね。大幅改正で最も最近と言えば三十八年なんでしょう。だから私は、当時との対比で問題にしておるのでございますが、先ほどの要望書に関して、昭和三十九年に石油化学工業協会はこの件で次のように言っておるんです。それは三十九年ですよ。「昭和三十八年七月に高圧ガス取締法が改正され、ただちに通産省当局による改正法の説明および同法施行規則改正に対する各方面の希望事項の調査が始められた。石油化学工業協会においては、――石油化学プラントに対する保安検査の廃止を強く当局に要望した。幸いにして協会の要望が当局の認めるところとなり、」となっているんですね。「下記の石油化学プラントの諸設備については、保安検査が廃止されることとなった。」として、四項目の設備が明記されております。このようないきさつは事実かどうか。大臣どうでございましょうか。――これは証拠を持っているんだからね。ごまかさずにはっきり言えよ。
#164
○政府委員(佐藤淳一郎君) まことに申しわけないのですが、その件については十分承知いたしておりませんので、早速調べまして御報告申し上げたいと思います。
#165
○須藤五郎君 ここにありますよ、ちゃんと。「昭和三十九年五月七日石油化学工業協会高圧ガス製造設備保安基準」と書いてある。「高圧ガス製造設備保安基準について」として、一、二、三、四とずっとあるんですよ、これね。持っていなかったら、私は貸してもいいから読んでみなさいよ。これも重ねて後刻はっきりと回答してください。
 こうなってくると実際、質問続けるのは無理なんですけれどもね。
#166
○委員長(林田悠紀夫君) どうぞ続けてください。
#167
○須藤五郎君 まあ続けましょう。通産省、もう少し勉強してもらわぬと、私は質問を本当にしにくいよ。
 高圧ガス取締法は、全体として省令、規則、基準に多くの重要事項をゆだねており、国会審議を形骸化した体系になっておる面があると思います。しかも、労働者と住民の安全にとって重要な事項を定めるに当たって、いま私が明らかにしたように、企業サイドに立って進められることは一層私は重大だと思います。今後省令等を定めるに当たって、そのやり方を改善する考えはないかどうかという点ですね、企業サイドに立って決定をしないと約束できるかどうか、この点まず聞いておきましょう。
#168
○政府委員(佐藤淳一郎君) この省令の内容につきましては、われわれとしましては、法律の定められた趣旨に基づきまして具体的な措置を定めておるわけでございまして、決してこれを法律よりも軽いというような認識のもとにやっているわけじゃございません。これは高圧ガス取締法だけではございませんで、一般的な他の保安法規――消防法あるいは労働安全衛生法、あるいは火薬類取締法と同様な扱いで省令で定めておるわけでございます。これはなぜかと申し上げますと、保安上の技術基準といいますものは、特に、高圧ガス取締法におきます場合においても同じでございますけれども、技術進歩や経済、社会の変遷は応じまして適切にそのときに応じた、しかも機動性のある仕組みを基準として定めなけりゃならないということの必要性からそうせざるを得ないわけでございます。しかも、特にこの保安上の技術基準といいますものは、非常に詳細でかつ膨大でございます。したがいまして、これを現実問題として、法律として規制してまいるというわけにはなかなかまいらない面も持っておるわけでございます。特に高圧ガスの分野におきましては、対象設備が非常に多いわけでございます。また、日進月歩の技術革新も激しいということでございまして、常に新しい技術基準の見直しをやって、それを改正につなげていかなくちゃならないというような問題も要請されておるわけでございます。そういうことで、保安技術基準というものは他の法令におきましても、大体省令にゆだねられているというのが一般の通例でございます。ただ、非常に重要な問題も含んでおりますので、この技術基準を改正し、あるいは新たにつくる場合におきましては、十分に国会審議において議論されました問題点も頭に置きまして、それで審議会の御意見なり、あるいはまた、高圧ガス保安協会の専門家の意見も聞きまして、いよいよ最終的につくる段階におきましては、公聴会の手続を経ましてこの省令の改正に踏み切るという手続を経ておりまして、その点におきましては十分な配慮をいたしておるわけでございます。そういう意味で、一般的に通例としてこういう措置にならざるを得ないということを御了解いただきたいと思います。
#169
○須藤五郎君 私が何で通産省につらく当たるかいうと、通産省が常に企業サイドに立っておるとということは、先ほど私が読んだ文書でわかるわけなんだね。この四項目を読んでみましょうか。どんなことか、「(1)ナフサ分解法によるエチレン製造のための設備のうち、精製設備およびこれに付属する分離設備 (2)ポリエチレンの製造のための設備のうち、重合設備およびこれに付属する分離設備 (3)エチレングリコールの製造のための設備のうち、反応設備および精製設備 (4)ブタジエン系合成ゴムの製造のための設備のうち、ブタジエンの抽出精製設備、重合設備および回収設備」こういうものは石油化学プラントの設備については安全検査が廃止されることになったと、こういう通達をずっと出しているわけなんだね。こういうものの検査を廃止するということは、やっぱり危険があるということです。そういうことをあなたたちは業界の要望をそのまま入れて、それで危険をそのままに認めているということがあるわけです。だから、私はいまそういういきさつを述べて言うと同時に、いま言ったように、省令とかなんとかにいろいろなことをゆだねているでしょう。そうすると、ここで法律の審議をして法律を通すのは私らの任務であるかもわからぬ。その通った法律に何にも具体的なものがなくて、具体的なものは全部省令に委任しちゃっているわけですね。そうすると、省令で何でも自由にできるという結果が起こってくるのです。そうすると、その結果に対して私ら法律つくった者がやっぱり責任を持たなければならぬのです。そうでしょう。あなたたちは、法律さえつくってくれたら議員は黙っておれと言うのかもわからぬ。
 こんなことは言いたくないけれども、おととい、私の秘書があなたのところへ、今度の法律について、また省令を考えているだろうと。この中にたくさん省令の条項があるでしょう、四通りも五通りも出てくる。一体これに対してどんな考えを持っているか述べてもらいたい、聞かしてもらいたいと言ったら、そんなことは国会が言うべきことじゃないんだ、行政官の責任でやることだ、いわゆるこういう意味のことを、そういう言葉でなかったかもわからぬけれども、そういうふうに受け取れるようなことを言った。
 私はそのそばについておったんです。それで、私の秘書もちょっとむかっとしたんでしょう、怒ったですよ。それが通産省の考え方ですか、こういうふうに私の秘書は言いましたよ。彼やったなと思って私は聞いておった。そして、電話を切ったら、今度は通産省からあわてふためいてやって来ましたよ。何しに来たんですかと言うと、先ほど先生の秘書といろいろ話し合った、どうも誤解があるらしいのでやって来ました、こう言うわけです。そういう何でも都合の悪いところというと、少しあなたたちには意地悪に聞こえるかもしれぬけれども、国会に余り発表したくない問題、いろいろな問題はすべて省令とか政令とか、そういうことにゆだねているのがこれまでの例です。法律の中にはそういうものがたくさん出てくるのだ。だから、そのたびに私は、ここはどういう政令を出すつもりか言いなさいと言うと、まだできていません、まだ法律が通らぬとできません、こう言ってそのときは通産省は逃げるわけです。
 それは理屈としてはそうかわからぬ。法律ができないのに省令が先にできることはないかもわからぬけれども、どういうものをつくろうというぐらいの考えはあってしかるべきじゃないか。だから、それを示してもらいたいと言ったら、先ほど言ったような言葉であなたの方が拒否したわけです。それはおかしいと思いませんか、どうなんですか、どういうふうに思いますか。やはり国会に、私たちはこういうことを考えていますぐらい出したらどうですか、出さないのはおかしいじゃないか。あなたが返事しなければ、大臣どうですか、これ。
#170
○国務大臣(河本敏夫君) 御質問に対して穏当を欠くような返事があったということでございますが、その点もしそういうことがあれば、私からもおわびをいたします。
 ただ、この法律と省令の関係はどの法律にもあることでございまして、法律で決められた基本的な条項、精神を生かしまして、細かい手続を省令にゆだねることは、これは普通の場合、いずれの場合でもあるわけでございまするが、結局その法律の条項、精神を受けまして、そういう手続をとるわけでございますから、これは私は、案外おっしゃることは不当ではない、こう思います。普通のことだとこう思うのです。
 それから、立ったついでに申し上げますが、先ほど昭和三十八年当時のことをお話しになりましたが、昭和三十八年は、日本で石油化学工業がスタートした直後のことでございまして、保安とかあるいは公害、環境の保全、そういうことにつきまして、まだ十分な政府の基本的な対策というものはなかったんではないかと私は思います。でありますから、あるいは若干、現在と違うようなことがあったかもわかりませんけれども、その後はやはりコンビナート、特に石油化学を中心とするコンビナートにおきましては、保安問題があくまで大事であるという観点に立ちまして、いまいろいろの行政をやっておるわけでございますから、昭和三十八年ごろこうだったからいまもこうだ、こういうことではございませんで、よほどその当時と考え方は変わっておる、私はこう思います。
#171
○須藤五郎君 法律の条項なんというのは、もう本当に限られた言葉で、何かどう解釈していいかわからぬような言葉で法律ができるんです。それで、実際の法の内容というものですね、具体的な内容というものは、みんな省令、政令にあなたたちは譲っているわけです。これは非常な違いだと思うんです。やはり法律は国民に大きな影響を与えるものだから、そういうやり方は私はよくないと思う。省令の最終決定まで国会にも資料提出を全くしないのです。これは一体どういう理由によるのですか。
#172
○政府委員(佐藤淳一郎君) これは、いまの御議論は高圧ガス取締法だけの問題じゃなくて、一般的な通産省以外の保安法につきましてもやっております一つの仕組みでございまして、いま大臣からもお答え申し上げましたように、一つの仕組みとしてそうなっているわけでございます。ただ、でき上がったものにつきましては、省令集ということでこれは公に出されておるわけでございまして、だれ人も十分にこれを調査し得る仕組みになっております。ただ、まだ案の段階につきましては、これはやはりこの法律に基づきまして、法律の精神をくんで、行政庁の責任においてつくる仕組みになっておりまして、まず案をつくりまして、それから関係者の御意見を十分に聞くという仕組みがやはり法律上に規定されております。それは、いわゆる関係人の御意見を聞くという場が、公聴会という場がございまして、そこでまた一般の関係人の方々の御意見を十分に組み入れまして、そこで省令として施行することになるわけでございまして、確かにその間国会との関係はございませんけれども、それはやはり行政庁の責任の分野として、われわれが責任を持ってやり得る分野であろうということでやっておるわけでございます。
#173
○須藤五郎君 あまりこれは議論しておる時間がありませんから先へ進みますが、今回省令の改正に着手したのは何年の何月ごろからでしょうか。今回のこの中にある省令ですね。
#174
○政府委員(佐藤淳一郎君) 今回の法律改正に伴いますところの省令の改正は、これから省令を決定するわけでございまして、まだ最終決定はいたしておりませんが、もちろん検討はいたしております。
#175
○須藤五郎君 コンビナート等の保安規則の制定に伴いまして、その関係基準の作成について官民合同の委員会を編成して作成したと聞きますが、この点は事実でしょうか。
#176
○政府委員(佐藤淳一郎君) 一昨年の頻発災害を契機といたしまして、特にコンビナート地帯におきますところの技術基準を新設するということが高圧ガス審議会におきまして提起されまして、われわれもその必要性を認めまして、その再議会におきまして約一年にわたりましていろいろ御検討をいただいたわけでございます。その検討の結果を見まして、高圧ガス保安協会におきまして、その技術基準なるものが実際問題として現場にうまくミートするかどうかということを、ただいま一々チェックいたしておるわけでございまして、そのチェックの終わり次第省令の改正という形で施行をいたしたい、こう考えております。
#177
○須藤五郎君 その委員会の構成メンバー、運営の責任者は一体だれかということですね。それから審議内容や、審議、研究の過程は非公開を原則にしているのかどうか。これらの点について伺っておきたいと思います。簡単に答えてください。
#178
○政府委員(佐藤淳一郎君) 保安協会の中に、コンビナート等保安関係基準作成委員会というものをつくっていま検討していただいているわけでございますが、この委員長は東京大学工学部の教授の疋田先生でございます。約二十人ぐらいの学識経験者に入っていただいて検討をいたしているわけでございます。
#179
○須藤五郎君 わかりました。構成メンバーはわかったけど、後の方……。
#180
○政府委員(佐藤淳一郎君) それから、一般的に省令をつくる場合には、高圧ガスの審議会にお諮りするわけでございますけれども、これは別に非公開とか公開ということじゃなくて、一般的な審議会のやり方でやっておるわけでございまして、特段そういう意識ではやっておりません。それから、この基準作成委員会というのは、あくまで保安協会の一つの協会の仕事の一環としてやっておいていただいているわけでございますけれども、あくまで通産省の省令でございますから、われわれもこの問題については十分に参加いたしまして、われわれの指導監督のもとに行われておるということでございます。
#181
○須藤五郎君 非公開かどうかということはどうですか。
#182
○政府委員(佐藤淳一郎君) 保安問題でございますから、特段秘密の問題を議論はいたしておりませんので、別に公開、非公開ということはあまり問題にいたしておりません。ですから、原則としてどうということもございません。
#183
○須藤五郎君 それじゃ公開だと理解していいんですか、どうですか。
#184
○政府委員(佐藤淳一郎君) 別段非公開を原則にいたしておりませんので、御関心のある方が傍聴されるのは一向差し支えないと思います。
#185
○須藤五郎君 じゃ、だれでも、これからこういう場合には傍聴に押しかけて、拒否するようなことはありませんね。自由に傍聴はさせますね。あなた、変な答弁をすると後日に問題を残すよ。
#186
○政府委員(佐藤淳一郎君) 多人数の方が傍聴されて審議に支障を来すということは問題でございますし、それから、まあ原則は別に決めておりませんけれども、審議が円滑に行われなければならないというのが大前提でございますので、やはり委員の方々の一応了解を得ました上で――もしそういうことであれば、委員の了解を得た上でやるということで考えてまいりたい、こう考えております。
#187
○須藤五郎君 審議内容や研究の過程を非公開にするという法的根拠があるんじゃないですか。高圧ガス取締法にあるんじゃないんですか。ないですか。いや、公開の原則ならば結構なんだ。私は非公開にせいなんて言っているんじゃないんだ。あなたたちが非公開だと言うならばまた問題があるけれども、私が聞いているのは、高圧ガス取締法に非公開の条項がある、法的根拠があるんだというようなことをちょっと耳にしたから、それでぼくはここで確かめておくんです。どうなんです、それは。
#188
○政府委員(佐藤淳一郎君) 高圧ガス取締法の法律の条文としては、公開とか非公開という条項は入っておりません。一般に審議会の運営の仕方としまして、一般的なルールをやり方として踏襲いたしておるわけでございますが、一般的に言いますれば、やはり関係者の方々に集まっていただいて審議が十分に行われますような配慮をしながら現実やっておりますので、先生のおっしゃった問題も、そういう常識的な範囲内において行われるというふうに理解いたしておるわけでございます。
#189
○須藤五郎君 最後の常識的なということが、あなたたちの判断で何人ならいい、この人はよい、この人は悪い、この人には傍聴を許さないとか、そういうことをあなたたちの認定で決めるんじゃないですか。どこで決めるんですか、それでは。だれでも自由に傍聴ということなんですか、そこをはっきりしてください。そうじゃないと、われわれ皆押しかけますよ。
#190
○政府委員(佐藤淳一郎君) 実は、われわれの審議会におきましては、そういう問題の提起をいままで余りされたことがなかったわけでございますので、新しい御提案でございますので、委員会のあり方としてひとつ検討させていただきたいと思います。
#191
○須藤五郎君 委員長、これまでは大体非公開だったらしいんです。それで、だれも行けなかったらしいんだね。あなたは非公開ということはないと言うけれども、事実は非公開の形なんだ。ところが、そういう非公開であるときにもかかわらず、ある企業では、四十九年十一月、高圧ガス取締法省令改正中特に規制が厳しくなるコンビナート等の保安関係基準案を入手しましたので、これを社内に配付します、どうぞ検討してくださいと、そういうことを言うて、そしてリコピーをとって社内報でずっと流したところがあるんです。その会社の名前は言いません。それがこれなんです。こういうものを流した。あなたはどこから流れたかと思っても、皆そんなものはわからぬようにちゃんとなっているから、そんなことは心配ない。
 四十九年十一月、高圧ガス保安協会、その名前で、コンビナート等保安関係基準案ということでこういうものが通産省から業界に行っているわけです。そして、本当はこれまでは非公開だったわけなんです。だれも行ってはいない。業界の側にはそんな審議内容は、いま言ったようにこの文書で全部筒抜けになっているわけです。三十八年度の際にも、業界報による通産省の姿勢を具体的に指摘されているはずです。今回の最も重要なコンビナート保安規則の制定に際しましても、国会じゃ国民には全く秘密にしながら、業界には筒抜けになっておるというのが事実です。これでどうして企業本位に立たない省令や規則をつくることができるかどうか、これはきわめて私は重要な問題だと、こう思うんです。大臣にこの点はひとつ御答弁を願っておきたいと思います。
#192
○国務大臣(河本敏夫君) 私はその事実は知りませんが、先ほどもちょっと申し上げましたように、昭和三十年代のコンビナートにおける保安対策というものと、現時点における保安対策というものは根本的に違っておるわけでございます。でありますから、今度の国会におきましても、総理から特別の指示がございまして、コンビナートの防災のための基本的な法律をつくって、とにかく、この防災体制を一元的に強化していこう、これが最高の課題であるということで、この問題と取り組んでおるわけでございまして、その点は私は隔世の感があると思います。そういうことでございますから、一概にいまの政府のやり方は企業寄りであると、そういうふうにきめつけられるということは、われわれとしても大変遺憾に思うわけでございます。やはり防災体制を確立するということ、そういう基本的な立場に立って、いま手続をしておるわけでございますので、どうかその点は誤解のないようにお願いしたいと思います。
#193
○須藤五郎君 私も誤解はしたくないと思うんです。誤解はしたくないから、私たちの不審な点を解明していただきたい、こういうことなんです。ただしかし、事実見ると、ある会社の社内報ですね、それが十一月幾日付で出されておるわけなんです。それでこの通産省の文書は、やはり十一月二十七日という日付まで入っているんです。こういうものがある企業にいっているわけです。それでこれを受けて、その企業は検討をせよということを前もって社員に言っているわけです。
 そういう点を考えると、どうも、大臣は通産省を信頼せいと言われても、通産省は相変わらず企業本位で、こういう状態でいろいろな省令が出てくるならば、私たちとしては信頼のできない省令が出てくるんではないかというふうに、勘ぐるわけじゃないですけれども、考えざるを得ないわけです。それで私が、通産省が用意している省令案を出しなさいと言ったら、それは行政官の任務だ、権利だというふうな言葉で私の秘書が要求したときにそれをはねつけた。それははなはだ私は不愉快に存じましたから、それで私はこういうことを言ったわけです。こういう事実はあるんですよ。この事実は認めますか、どうですか、この文書が業界に流れたということは。
#194
○政府委員(佐藤淳一郎君) 省令といいますのは、特に保安基準につきましては、現場の従業員がやはり守らなきゃならないという問題を含んでおりまして、そういう意味では、机上の技術基準じゃ十分でございませんので、十分に現場においてワークするような形の実践的な技術基準をつくっていかなくちゃならないわけでございます。そういう意味で、単に学識経験者だけの検討では不十分でございまして、やはり現場の従業員の方方の御意見も十分に反映させなきゃいかぬというのが、この保安基準の一つのたてまえになっておるわけでございます。そういう意味では、十分に現場の方の御意見、あるいは現場の技術者の、技術屋の高度の専門家の御意見も素案の段階ではいろいろ聞くことに、むしろそういう面での必要性がございますので、お聞きすることにいたしておるわけでございます。したがいまして、その途中の段階のいろんな素案の情報が末端まで流れるということは十分に考えられるわけでございますが、それは単に秘密が漏れたということじゃなくて、むしろ現場とのすり合わせ、それから実効性を十分に担保させる一つの手続として、そういう問題はむしろ積極的に私は評価すべき問題だろうと考えております。しかし、最終的にこれを判断し、決定するのは通産大臣でございますから、われわれとしては、最終段階においてはいろんな方の御意見を踏まえて決定するということでございますが、いま先生の御指摘になっておりますのは、そこの途中段階に行きます、途中の経過についての資料をいろいろお出しなされておられるのじゃないかというふうに考えておりますけれども、われわれの意図するところが、そういう過程を経た方がむしろベターであるという判断に立ってやっておるわけでございまして、その辺の趣旨は十分に御理解いただきたいと思います。
#195
○須藤五郎君 もう一つ言わしてもらいますが、それじゃ、私が資料を出せ、省令の内容がわかっているのなら出してもらいたいと言ったら、きのうこの文書が届いた。「高圧ガス取締法一部改正に伴う関係省令内容(予定)一覧」という文書が届きました。最初私が要求したときに、黙ってこれを持ってくりゃいいんですよ。それを秘書だと思ってなめたようなことを答弁するから私はむかついたんです。そしてきのう持ってきた。私、これを調べました。ところが、まだこれでも不十分な点があるんです。
 一例を挙げますなら、二十三条の技術基準ですが、その技術基準を出したんだけれども、その内容が全然わからないんです。二十三条、「通商産業省令で定める技術上の基準に従ってしなければならない。」技術上の基準という言葉を使っているが、その基準というものが何を内容としているかということがこれではわからないです。それで、きのう届けてくれたこれでもわからない、その点は。
#196
○政府委員(佐藤淳一郎君) 先生のおっしゃいました二十三条といいますのは、法律の二十三条でございましょうか。
#197
○須藤五郎君 そうですよ、法律の二十三条。二項ですね。
#198
○政府委員(佐藤淳一郎君) 法律の二十三条は、高圧ガスを移動する場合の「その容器について、通産省令で定める保安上必要な措置を講じなければならない。」ということが定められておりますが、さらに今度の法律改正で、移動の際の積載の方法並びに移動の方法について通産省令で定める技術上の基準に従ってしなければならないというふうに新しく入ったわけでございますが、この面についての通産省令はただいま検討いたしておりまして、先生にお渡しした資料には確かにこれはまだ入っておりません。これにつきましてはいま検討中でございますので、ある程度の見通しのついた段階で先生のところにお届けいたしたい、こう考えております。
#199
○須藤五郎君 それからもう一点指摘するならば、五十六条の三ですよ。「省令制定事項」というところをずっと見ますると、「通産省令で定める設備の製造をする者は、通産省令で定めるところにより、通産省令で定める製造の工程ごとに」云々となっているんですね。ところがその欄の内容の方になるといろいろもっと詳しく書いてあります。特定設備については、貯槽、塔槽類、それから設計検査とか材料検査、溶接検査、構造検査、こういう工程を考えておる、こういうふうに頭の中にはあるということは書いてあるんです。「検査の基準は設計(規格、反応条件、溶接方法、加工方法、応力除去および検査方法)構造については耐圧、気密性についての検査を考えている」と、こう書いてあるのですが、この耐圧ですね、圧力を何気圧にするとか、そういうことについては、何も私のもらった資料にも出てないわけです。
 ところが実際は、その気圧をどれだけにするかということが重要な問題でしょう。言葉じゃないんです。その内容が重要なんです。われわれの知りたいのはそこなんだ。だから、そういう点でわれわれは資料を欲しいと言ったところが、資料を出さぬと言うから私はきょうこんな質問したわけです。これは私だけもらうのじゃなしに、各委員にこれを出されたらいいと思うんです。私が小言を言ったから私にだけ資料を出すというのじゃ片手落ちだと思う。各委員に出して検討してもらいなさいよ、そういうこと。
 最後に私は、もう時間がありませんから、私の意見にもなるかとも思いますが、最後に申しますが、本法はきわめて重要な部分を省令、政令等にゆだねており、国会審議を事実上形骸化していることを私はいま指摘しましたが、その上にこのようなことがやられておる。これでは全く国会審議を無視していることは明白だと言わなければなりません。省令案について国会に提出をすべきであると私は思います。このままでは審議が十分にできないではないかということを私は大臣に申し上げたいわけなんです。われわれが満足のできる審議のできるように、資料をちゃんと出してもらいたいということです。
 それから、協会の運営の民主化、省令作成段階での住民、労働者の意見を反映すること、こういうことは重要だと思います。こういうことを保証してよりよい法案をつくるように努力してもらいたいというのが私の意見でございますが、大臣、私の意見に対して何か御意見がございますか。
#200
○国務大臣(河本敏夫君) 必要な参考の資料は幾らでもつくって提出をいたしますが、ただ、省令案の原稿を出せと、これは従来に例がなかったことだと思いますから、これはできないと思います。
#201
○須藤五郎君 しかし、こういう考えでというのは、大臣、ここへ出たのですよ、私の手元へ。ですからこれが出るならば、もう少し完璧なものを出してもらいたいということなんです。
#202
○政府委員(佐藤淳一郎君) ここにお渡ししましたのは、ここにというか、先生にお渡ししました資料は、今回の法律改正の考え方に基づきまして、省令改正の方向を一応書いたわけでございまして、したがいまして、先生も御指摘のように、具体的な数字は一切入っておらないわけでございます。これは手続としましては、法律の改正が整いましたならば、できるだけ早い機会に具体的な数字を定めてこれは施行するわけでございまして、決まった段階では、特に関係の方々にはお配りするように今後は心がけてまいりたいと思いますが、まだ案の段階といたしましては、相当の数字がこれまた入ってくる関係もございますので、これは時間的に今度の法案審議の途中では決定いたしかねますので、その点はやむを得ないことでございますので御了解いただきまして、決定次第お配りするということに御了解させていただきたいと思います。
#203
○須藤五郎君 以上です。終わります。
#204
○委員長(林田悠紀夫君) 他に御発言もなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時三十九分散会
     ―――――・―――――

ソース: 国立国会図書館
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