くにさくロゴ
1947/08/25 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第3号
姉妹サイト
 
1947/08/25 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第3号

#1
第001回国会 電気委員会 第3号
  付託事件
○專門調査員に關する件
○電力復興事情竝びに經營に關する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十五日(月曜日)
   午後一時五十二分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した議案
○專門調査員に關する件
○電力復興事情竝びに經營に關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木良作君) それでは委員會を開會いたします。先だつて電力の復興及び電源開發に關する調査要求を本委員會で決定いたしまして、そうして本院としてこの調査要求が承認されておりますから、この問題に關する限りずつと付託された事件として、本委員會でやつて行きたいと思いますから御承知願います。
 この調査關係の委員會の内容に入る前に一つお諮りしたいと思います。それは先だつての委員會におきまして成るべく早く專門調査員を選任して、そうして事務局を確立して、早く實體的な活動ができるようにという御趣旨に副いまして、一應委員長及び理事に一任して頂きました專門調査員の任命の件についてでありますが、三班に分れて現地に行つて頂いております間に、大體理事會におきまして推薦をする二名の者が決定いたしましたから、これを御披露して、そうしてできれば御承認頂きたいと思います。一人はかねて電氣事業の事業者團に對しまして、委員長の名前で以てこういうふうな仕事であるから、できるだけ現役關係で直ぐに役に立つ人を、實質的な人を一つ推薦して貰いたいと、こういうふうに要望しておつたわけでありますが、その要望に應えて、先だつて事業者の方から推薦がありましたので、理事會で大體内容を洗つてみた結果、理事會ではこれに決定したいという意向を持つておるわけであります。もう一人の人につきましても、同じように外の所から探しておつたわけですが、理事の飯田委員の推薦に基ずきまして、大體よかろうということになりましたから、御異議なければ御承認願いたいと思います。最初會社團から推薦を願つた答えといたしましては、現在日本發送電株式會社に勤めておる渡邊一郎君であります。簡單に履歴を申上げますと、明治四十三年の生れで、大阪の北野中學校を昭和三年に卒業して、それから第六高等學校の文科乙類を出て、そうして東京帝國大學の法學部を昭和十一年に卒業、それから日本電力株式會社に直ちに入社して、それから電力統合と共に日本發送電の設立事務所に入つて、そのまま日本發送電に入社、それから昭和十七年には戰爭中でありましたので、内閣總力戰爭研究所の第二囘の研究生として電力部門から送られて研究生として勉強しております。それから十八年に同所を出まして、そうして又發送電に戻つて來て現在日發の本店の調査部の經濟調査課長をしておられます。調査關係には非常に詳しい方で、この間、本人に來て頂きまして、理事の方と面會して、大體本委員會で御承認になればいいじやないかと考えておつたわけであります。それからもう一人の方は、林誠一さん、明治三十一年の七月の生れでありまして、第一高等學校の二部の甲類を卒業されて、それから大正十三年に東京帝大の工學部の電氣科を卒業されて、それから直ちに鐵道省に入つて、鐵省道の電力關係の技術家としてずつと活躍されて、その間、昭和十一年に鐵道の在外研究員として、米國及びドイツに向けて出發されて研究しておるということもあります。それから昭和十八年には、本省の、鐵道省の施設局の電力課長として仕事をされ、最後の二十年に鐵道監となつて、そのまま退官され、現在米軍の第三鐵道輸送司令部の技師として占領軍關係の仕事をしておられるそうであります。この林誠一さんには、まだ私はお目にかかつておりませんけれども、ここにおられる飯田委員が十分に御承知の方で、そうして眞面目な、實質的な技術家で、調査員としても工合がよかろう、特に官廳關係及び占領軍關係にも工合がよかろうという話でありましたので、この際決めたいと思つておるところであります。尚實際にはその關係の了解、その他がありますので、できれば成るべく早く決まれば仕事をしたいのだけれども、恐らく來月一日頃からになるのじやないかというお話であります。
 以上この渡邊一郎君と林誠一君とに異議がなければ專門調査員として委員長から推薦して、そして正式に任命して頂きたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐々木良作君) 異議はございませんですか。
#4
○大山安君 後の飯田さんの紹介した方の氣持は、飯田さんの方でも分つておるのだろうな。
#5
○委員長(佐々木良作君) 前に一緒に仕事もされたことがあるし、十分分つておるそうであります。
#6
○大山安君 氣持が……。
#7
○飯田精太郎君 商工省の電力局長に推薦を頼んだのです。技術の關係の人を……、全體で、ちよつと表を持つて來ませんでしたが、七八名推薦して來た、その中で私知つたのが二人入つておつた、林君が一番私の知つているうちでは適任だろう、そのほかにも二三の名前の人を當つて貰つたのですが、どうもちよつと適當ななにが發見されんものですから、よく氣心の分つた人の方が問違いがないだろうと思つて御推薦したのです。
#8
○委員長(佐々木良作君) 大體様子を伺いますと、まあ非常に看板のいい大物というわけではありませんが、實質的な仕事に直ぐにでも役立つて、眞面目にやつて頂ける人じやないかと思います。宜しかつたらば、御異議ありませんでしたならば推薦決定したいと思いますが……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(佐々木良作君) 御異議ありませんですか。ではそういうふうに決定したいと思います。尚專門調査員が決まりましたらば、その手足となつて働いて頂く專門書記もこの二三日中にでも直ぐに決定して、實質的な仕事ができるように態勢を整えたいと思います。
 それから第二番目にお諮りしたいと思いますが、それは先程お手許まで今週の豫定表が配られてあると思ますが、これに關する件であります。專門調査員も實質的に活動をして頂くようになれば、直ぐにでも本質的な活動に入りたいと思いまして、先だつての理事會で協議した結果、一應今週の豫定としてこういう恰好のものを作成したわけであります。そして第一日の今日は、電力復興、電源開發に關する調査のうちで、あらゆる人から内容を聽くという方針に從いまして、現在電氣事業を運用しておる會社の事業者から適當な人を選んで、この話を聽きたいと思うわけです。
 それから明日、火曜日ですね。これは東京附近の現地をもう少し視察願つた方がいいのじやないかと思つて豫定を組んだわけであります。これは御存じのように大體電力の生産、つまり發電所關係はこの間御視察頂きましたわけですが、そのときに恐らく送電關係、つまり送電線は汽車の中でも御覽になれるし、恐らく話ついでにも出て來ておつたのではないかと思います。從つて殘されている部分は、電氣が作られて都會地、特に消費地に送られて來て、その送られた電氣がどういう恰好で消費されておるかという點でありますので、大體東京を中心としまして、東京に使われている電氣は大體どの系統から出て來ておる電氣かという概略の説明を聽いた後に、それがどういうふうに配電されているかということを現地について御視察願つたら、尚はつきりするのじやないかと思つて豫定を組んだわけであります。この現地視察の内容につきましては、同じように會社團に要請しまして、そこで豫定表を現在作つておるわけであります。それからこの豫定表には二十五日、つまり今日の委員會の後に事業者と墾談をするということになつておりますが、會場の都合、その他で以て二十七日に變更して頂きたいという事業者からの話がありましたので、現在のところこの豫定表を御承認を得れば、二十七日の午後の三時から後樂園の涵徳亭において、現在事業を運營しておる日發、配電の首腦者連中とあらゆる角度における話合がしたい、墾談をしたいと考えておるわけであります。
 それから二十八日にはこの前ちよつと御報告して置きましたが、電源の開發、その他について經濟復興會議から資料を以ての要請がありましたので、委員長として一應の樣子は聽きましたが、正式にこの委員會に報告をして貰らつて、そうしてやつた方がいいと思いますが、二十八日には電力復興會議の電力部會から、電力復興關係に關する資料を持つて來て貰らつて、ここで説明を聽きたいと考えておるわけです。
 それから先頃御出張願いました三班の出張報告をこの委員會で成るべく詳しく一つして頂きたい。調書も作つて頂きたいと思うわけでありますが、九州に行かれた班はまだ昨日戻つて來られたような状況でございますので、少し延ばしまして二十九日の豫定を組んでみたわけであります。つきましては二十九日までにそういつた資料その他のものを集めて頂きまして、そうしてここで三班からの十分な出張報告をして頂けばいいのではないかと考えておるわけであります。それから週末の三十日には首腦者なりその他から話を聽いた結論と言いますか、これとの關聯におきましても電氣産業の勞働組合から一つこの問題に關する調査或いは意見を持つておると思いますので、これから一遍説明を聽くのもいいのじやないかと思つて豫定を組んだわけであります。來週をこういう風に殆ど一ぱいつめましたのですが、ご馬力をかけましてこういつた内容から入つて行きたい、更にこれと並行的に專門調査員を中心として、この調査方針、及びこの冬の、渇水期對策これを檢討する方針につきまして、順次この開らかれる委員會にかけながら、御相談をしながら進めて行きたいと考えるわけであります。つまりこういうような表面的な説明を聽いたり、或いは實地を見たりして、だんだんと專門調査員を中心として作られた調査計畫に基ずきまして、これを檢討してよかつたものから實質的に進めて行くという方針をとつたらどうかと思うのです。大體この來週の豫定、御質問がありましたら一つお願いしたいと思いますが……。
#10
○大山安君 來週は議會がまだ決まらないでしようが、今月一ぱいが會期なんでしよう。それから十五日ばかり休會して、又というような話があるのですが、これはまだ決まつていないのですが、左樣な場合にはどうしますか。
#11
○委員長(佐々木良作君) その關係につきましては實は參議院におきましても交渉會、委員長會議その他におきまして大分檢討されておるわけですけれども、今のところ正式に政府の方から會期を延長したいという申出のあるまで待とう、申出があつた時に正式に延長するかどうするか決定しようという恰好になつて來るのであります。實際問題としてはいろいろの方面から延長しなければならん、或いはこういうふうにだらだらと長引いておるのでなく、適當なところに切上ぐべきであるという空氣もありますが、この際一應今週中の豫定を組んでみたわけです。今週ですぱつと會期を切られるということならば、終了するということであるならば、或る程度この豫定を變更しましても、恐らく第一に出張をした現在までの電力の復興、電源開發に關する調査の中間報告か、或いは報告に本議場にしなければならんだろうということと、その報告に基ずいてこの結論がまだ出ておりませんから、尚繼續する調査要求を直ちに出して、そうして本會期中に、會期が終了しないうちに、繼續調査の承認を得なければならんではないかと思つております。從つて會期が今月月末で切れるということであれば、或る程度特に豫定を變更しなければならん状態になる。こういうふうに思います。御質問或いは御意見ありませんですか、大體豫定をこういうふうに組んでおいて宜しうございましようか。
   〔「結構です」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(佐々木良作君) それでは大體こういうことにしたいと思います。外に今日は特にお諮りすることがありませんですが、會社側から今朝の連絡では、日發の副總裁の進藤氏と關東配電の社長の高井氏と二人が見えてこういつた關係に關する説明をしたいというお話がありましたが、もうおつつけ來るのじやないかと考えます。直ぐ見えると思いますから、それまで明日の現地調査その他について御墾談をいたしたら如何かと思います。宜しうございますか。それでは速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#13
○委員長(佐々木良作君) 速記を始めて……。それでは休憩を閉じて再會いたします。豫定通り、先程申上げましたように、現在の電氣事業運營の直接の責任を以て運營をしておられる事業者團に要求しまして、そうしてこの關係の説明を聽くことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(佐々木良作君) 御異議ないと認めます。それでは先程申上げましたように、日發から副總裁の進藤さん、それから關東配電から社長の高井さんが業務課長を連れて參られておりますからお話を聽きたいと思いますが、進藤さんとそれから高井さんを御紹介いたします。
#15
○説明員(高井亮太郎君) 私高井でございます。
#16
○説明員(進藤武左衞門君) 私進藤でございます。
#17
○委員長(佐々木良作君) 尚序でに申上げますが、先程お話しまして決定いたしました專門調査員の渡邊一郎さんも見えておりますから御紹介して置きます。
#18
○專門調査員(渡邊一郎君) 私渡邊でございます。
#19
○説明員(進藤武左衞門君) 進藤でございますが、佐々木委員長から電氣事業の諸問題について話をしてくれというお話がございましたのでありますが、實はプリントか何か用意してお手許に差上げて置きますとはつきりしますが、ちよつと間に合いませんので準備も不行屆で誠に相濟みません。電氣事業の極く最近のいろいろ逼迫した状況がございますから、こういうふうな點を主としてお話申上げたいと思います。
 我々電氣事業に携つておりますものは、日本の經濟復興の大きな主力として電力がどうしてもつつかい棒にならなければならんということを考えておりますが、特に最近の石炭の生産等から考えまして、石炭中心の經濟復興から段々電力中心の經濟復興の方へ進んで積極的に進んで行くべきじやないかというふうな考を強く持つておるような譯であります。この點で電力が日本の經濟の復興の中心になつて參るのには現在の需給の状況でありますと御承知のように、昨年の暮から本年の三月まで非常な制限をいたしまして、尚例年だと豐水期と申しまして、雨の多い夏は電力制限がない譯でありますが、昨今又電力制限を強くいたしておるような状況でありまして、業者としましては、一方では經濟復興の中心にどうしても電力を持つて行かなければならないというふうに考えておりながら、今のような制限をやつておる點で、まことに我々心苦しいと同時に、この問題をどうしても積極的に解決して行かなければならん。こういうふうに考えております。
 最近電力問題の一番中心になつておるのは、電力の不足、つまり需給が非常にバランスが破れておるということが電力問題の一番大きい問題でございます。この電力の需給が破れておるという原因を擧げまするというと、これは勿論發電力に對して需要が非常に多いのでありますが、發電力方面から申しますと、なぜ一體こんなふうに發電力が減つておるかということを申方げますと、一つはこれは昔から言いならわされておるように、日本の發電力は水主火從と申しまして、大體水力發電所で夏の水力の多い間はやつておりますが、冬になりますと、渇水で水が約四割くらい減つてしまう。その足りない部分を火力發電力で補うというようなことで今までやつておつたのでありますが、肝腎の火力發電所が殆んど半身不隨になつてしまいまして、一方では殆んど火力發電所は爆撃でその發電力がなくなつてしまう、尚殘つた發電所も戰爭中非常に酷使されまして、修理等も思うようにいたらなかつたのでありますが、もう一つは、最近の石炭の事情が御承知のうよに非常に逼迫いたしまして、石炭の量が不足した。或いは質が非常に低下しておるというような原因で、火力發電所の出力が非常に減退をいたしておりまして、このために水力發電所の積極的な増設ができなくて、殊に火力と同じように戰爭中水力發電所も非常に酷使をいたしまして、出力が、能率が非常に落ちておる。こういうような點と相俟つて發電力の増強というよりも、發電力の現状維持さえなかなかむつかしいような状況になつておるわけであります。これが一つは需給が非常に不均衡になつた理由がありますが、もう一つ戰爭後特に不均衡になつた原因といたしまして、需要の内容がすつかり變つてしまつたということなのであります。これは殊に需要の内容の變りましたのは、戰爭中、或いは戰爭前は家庭用の電氣というものは、戰爭前は大體一割二三分から二割見當でありまして、戰爭中は御承知のように家庭の需要あたりは電力を規正いたしまして、工場の方へ持つて參りましたから、これは大體全需要の八%程度であつたのでありますが、戰爭後家庭需要は非常に殖えまして、家庭及び電燈用引括めておりますが、非常に殖えまして、四割乃至多いときには四割五分近くまで一般の需要が、一般家庭、或いは電燈需要が増加したいというこの問題が、電力需要を著しく不均衡にした原因でございます。これは水力の發電所と、それから需要とは日本では丁度逆になつておりまして、水力發電所は大體全國で六百萬キロばかりの設備がございますが、冬になりますと水が、先に申上げましたように四割くらいに減つてしまうからして、三百十萬キロ、三百萬キロくらいに減つてしまう。ところがそれを火力發電所で補つておつたのでありますが、需要はどうかと申しますと、夏は熱度も非常に減つて來る。それから電燈の點火時間も少い。それから工場の作業時間と家庭の需要との重なる時間も、夏はこれが殆どないのでありますが、冬になりますというと、水力發電所が減つて來るのに拘わらず、逆に家底用の需要は、電燈の點火時間が長く、電熱その他の需要が非常に多くなるというふうなことで、電氣の需要と電源の状況とが状況とが丁度逆になつてしまつておるわけであります。この點我々といたしまして非常に需給状況の逼迫し、殊に家庭用の需要が殖えたということが、秩序を立つて電力の供給秩序をしつかり確立するということが必要にむつかしくなつた原因なのでございます。こういうふうな點で最近の需給状況は非常に逼迫いたしまして、そうして夏も、今におきましても家庭用の需要は、例えば粉を非常に配給します。そうしますというと、どうしても電熱で家庭でパンを燒くというふうなことで、家庭用の需要は昔のように夏になつてもなかなか減らない。そういう點で夏も今のような制限をしなくちやならんというような現状になつておるわけであります。
 それで我々といたしましてはこの對策としまして、積極的には電源の開發はやらなくちやならんということでありますが、この電源の開發はなかなかむつかしい状況になつております。資材關係もあります。色々の點でむつかしいような状況になつておりますが、いずれにしましても日本の電力問題の根本は電源の開發しかない、開發でなくちやならんというふうに考えておりますし、又日本の殘柾れた資源の一番大きいものは私は電力の開發であるというふうに考えておりますから、將來日本が經濟の復興をやつて行きますのにはどうしても電源の開發が秩序だつて立てられなくちやならん。併しこれは今年の問題にはなかなかなり得ないのでありまして、このために我々といたしましては、今既設水力發電所の出力をできるだけ増強するということを一生懸命にいたしております。
 それからもう一つは火力發電所に割當てられた石炭を必ず確保する。そして火力發電所へは良い石炭を頂くということを、これは安本その他當局の方へお願いいたしまして、實は本年度の石炭の割當は電氣料金の計算のときには、發電用炭として二百萬トンの割當を受けたのでありますが、そのうちに電力の方はこれを削られまして、百七十五萬トンに減らされたわけであります。昨年の實績をみますというと、十二月から本年の一月、二月にかけまして、非常に電氣事業に對する配炭が惡うございまして、ひどいときになりますと、月によりましては割當の一割、或いは二割というふうなこともあつたわけでございます。本年は是非割當の石炭だけは確保しまして、そうして電源の確保を圖りたいと思つております。尚日本の火力發電所は大體設計の時に六千三百カロリー及至六千五百カロリーの設計をして發電所を作つたのでありますが、最近の炭は非常に惡くなりまして、今はいつておりますのは大體五千二三百カロリーということになつておりますから、折角發電所の設備はありますが、ありながら石炭の質が惡いために出力が二割乃至三割低下するというふうな状況になつておりますので、特に安本その他にお願いしまして、發電用炭に對しましては、良質の石炭を是非廻わして頂きたいということをお願いいたしておるわけであります。これはちようど我々米食に慣れておつた者が、玉蜀黎の粉や團栗の粉等をやりますと胃腸が弱わるのと同樣に、火力發電を質のよい石炭で設計されましたのに、戰爭中非常に酷使され、その後非常に惡い食物け受けておるのであるから段々弱わり込んでしまうというような今現状にありますので、是非今年は割當の石炭は必ず政府が確保してくれる、もう一つは良質の石炭を我々に割當て貰うということで行きたいと思います。
 これから我々の會社で本年度は大體水力發電所で十萬キロぐらい電力の増強をいたしたいと思います。又火力發電所で二十二三萬キロの増強をいたしたいと思つておりますが、これは即設發電所の出力の増強に對するいろいろ手配をしまして、大體そういうふうなことを全力を畫してやりますと、本年一ケ年間の全國の總發電力量キロワツトアワーが、三百八十億キロワツトアワーになるわけでありますが、ところが各配電會社が出しました需要の總數を見ますと、三百二十二億キロワツトぐらいの需要がある。ですから一ヶ年を通じまして三十億キロワツトアワーの需要と供給が合わない、この三十億キロワツトアワーを何とかひねり出さなければならん、これは後で關東配電の社長からお話があると思いますが、今度需要の方面でこれを是非調印して行かなければならんということになりますが、需要で今我々がどうしてもやらなければならんのは、電氣が足りないにも拘わらず非常に電力が無駄に使われているということでございます。これは丁度戰爭中我々のいわる電力使用合理化運動というのをやつたのですが、大體需要の一割ぐらいは、氣をつけてくれさえすれば、使い方を注意しますと一割ぐらいは需要の合理的な使方をやつて電氣を生み出すことができるわけであります。それで需要の合理化と言いますか、浪費の防止といいますか、こういうことを是非やつて、今の需要の五、六%はれそで浮かび出す、それからもう一つこれはその筋から再三注意があつたのでありますが、どうも電氣の盗用ということが非常に輕視されまして、家庭の電氣の需要の二割乃至三割程度は今實は盗用になつておる。盗用の主なる原因は、一つは燃料が非常に不足しておる、つまり各家庭へ配給される燃料というものが非常に少いために、どうしても電熱の方に需要が流れ込みまして、そうして戰爭前は大體全國の需要の三割程度まで定額の需要家、つまり月決めの需要家でありまして、後の七割ぐらいがメーターの需要家であつたのでありますが、戰爭中都市の殆んどが爆撃により皆滅いたしましたのと、メーターの生産が非常に減りましたために、今は六割程度が定額の需要家で、四割程度がメーターの需要家と大體逆轉したわけです、ですから今のように家庭用の電力がなくて電熱器が氾濫した、そうしてこれを抑える技術的な處置ができないというふうなことで今の電力の盗用が非常に多いわけであります。これを何とかして處理しないというと需給調整ができない。極端に言いますと盗用が全然なくなると、大體今の制限は餘りやらんでも濟むのじやないかというぐらいの數字的の見當がつくぐらい盗用が多い。これは進駐軍の方からも非常な注意がありまして、盗用の取締りを嚴重にやれという注意があつて、この盗用は今は技術的の處理も餘りできませんし、配電會社は始終廻り歩くわけにも行かない。廻り歩いて取締りをしようとしても燃料の配給がありませんから、配電會社から行つて取締りと申しますか、注意しますというと、お前たちは一體我々を殺す氣かというような反撃まで食うような状況になつております。これは一つは國民道徳的に、これを國民道徳の振起という廻り諄い立場からして、この問題を解決しなければならない。もう一つは電氣事業者においてこれを技術的に解決する、詰り電力を制限する自動的の機械を附けるとか、或いはメーターを附けてこれを防止する。それからもう一つは綜合燃料對策を是非政府に立てて頂きたい、つまり今これは去年から實は配電會社でも、がス會社、それから東京都の燃料薪炭課と相談しまして、そうして冬は薪炭を是非一つ廻して貰いたい。夏は電氣を使つて貰いたい。ガスは朝晩の電氣を非常に使う時間にガスを出して貰いたいというふうな申合せをしたのでありますが、がス會社も生産が非常に減つてしまう。薪炭は我々と約束した三割も家庭に入つておらんというふうなことで、結局電熱器が電氣の一番不足する時に無秩序に家庭に流れますけれども、而もこれは政府が綜合燃料對策を立てて、そうして薪炭とガスと或いは電氣というようなものをうまく使うような手配をして、電熱の制限をすると一緒に、今の盗用も何とかして防ぎたい。こういうふうに今申しましたような電力の浪費を防止して盗用をなくして、或いは綜合燃料對策をやつて電熱器の使用を規正するというふうなことをいたしまして、何とかしてこの三十億キロワツト時の辻褄を合せようということで、實は最近會社或いは復興會議等から一般家庭に呼びかけ、國民に呼びかけまして、こういうふうな措置を取る手配をいたしております。殊に盗用に對しましては電氣事業法にもありますし、その他でも盗用の取締に對しましては、刑事問題としてもなり得るのでありますが、實際にはなかなかなり得ない。我々としては非常にむずかしい問題でありますが、一定の限度の使用量だけを認めて、それ以上亂雜に使うものに對しましては、やはり國がこれを處分するというような建前を、電氣の不足の間には取つて頂きませんと、供給秩序はなかなか立てにくいというふうに考えておるわけであります。こういうふうにいたしまして、電源の確保と、もう一つは供給秩序を付けまして、本年度の電力制限を是非秩序を付け、或いは電力制限の犠牲をできるだけなくするような手配をいたしておりまして、今準備を進め、既に一部各方面にお願いをいたしておるわけであります。これが現在の電力需給の逼迫の原因及び大體の實状でございます。
 それで電源の増強問題でありますが、これに對しましては、實はこれも既にお耳に入つておると思いますが、この間復興会議で二千萬キロ電源開發というような問題が飛び出しまして、これに對しましてはその筋から非常に注意がございました。これは専門委員會から秩序を經ずして急にぱつと飛び出して、世間に色々誤解を招いておるのでありますが、この二千萬キロ問題はこれは別といたしましても、やはり日本に残された資源の開發として、電源の開發はどうしても今後國の大きな政策として取り上げなくちやならんと思います。殊にさつき申上げましたように、水力發電所は全國で約六百萬キロでございますが、冬になると水が減つて約半分になるから、その半分になつた水を何とか補給しますと、水力發電所は六百萬キロだけ働き得るわけであります。そこで我々といたしましては、去年からいろいろ相談したのですが、治水利水の面からこの問題を取上げて各河川の上流へダム、堰堤を造りまして、そうして夏の間降つた水を溜めて置いて、そうして冬これを流す。これはこの間御覧を願いました三浦の貯水池、或いは福島縣の猪苗代貯水池、青森縣の十和田湖水のように夏の間降つた水を溜めて置いて、冬水がなくなるとどんどん流す。水力發電所で六百萬キロあるのですから、冬の水さえ確保できればこの電力不足の問題は解決するわけであります。この問題を失業對策の面より、或いは治水利水の面から是非取上げて頂きたいと考えております。殊に今度の秋田、山形の水害を御覧になりましても、これは水害の非常にひどいのは雨の量よりも明らかに山林の濫伐であります。各河川ともそうでありますが、最近の水害の状況を見ますと、雨の量よりも水害の程度がひどい。水の出方を見ると、山に木の多い時には川へ水の出方が非常になだらかである。又減り方もなだらかに丁度富士山のような恰好で減るのですが、最近は森林を濫伐した爲に、急に妙義山のような恰好で急に出て來、急に減つてしまう。非常に荒れ方がひどい。これは發電所でも非常に困ることで、本年の東北地方の水害のような状況を出して來るわけであります。これは山林をこれからものにしようとしても、今後三、四十年はかかるのであります。それまでの措置としては矢張りダムの建設をして、治水の面を十分考慮する必要がある。そうしてその水を冬下流へ放流して頂くことが電源開發の大きなやり方である、こういうふうに考えておるわけであります。我々日本發送電におきましても、水力發電所に對しては大體五ヶ年間に出力を六十萬キロばかり作る計畫を立てまして、本年約十萬キロ、一年平均十萬キロの計畫を立てておるのでありますが、これは資材の面、資金の面、その他からまだ正式に政府の御承認を經ておるわけではありませんが、何とか電源の開發をして、今の電力不足を補いたいと考えております。
 もう一つは、火力發電所は御承知のように一部賠償の對象になります。これは對象になりました内、或程度緩和して頂くようにお願いをいたしております。これは一部緩和は必ずなるような氣がいたしておるのでありますが、その他残在した火力に對しましては戰災の復舊を十分にいたしまして、そうして出力の確保を圖る。これも大體五年間に六十萬キロぐらいの出力の確保を是非圖りたいと考えておるのでありますが、今のような需要の状況から行きますと、家庭用の需要がうまくコントロールされない限り、この程度の需要でありますと、今後日本の貿易の復興、或いは産業の復興に應ずるような電力は、なかなかむずかしい點があるのじやないかということを心配いたしておるわけであります。まあこういうふうな開發をする。もう一つは、我々非常に苦心しておりますのは、既設發電所が大變疲れて参つておるということであります。發送電の水力發電所は全體で三百八十六ヶ所ばかりございますが、その内建設後二十年以上たつたものがすでに四割四分でございます。そうしてこれが戰爭中殆ど修理資材が貰えなかつた、そうして休むことができなかつたということで發電所が非常に疲れておる。これの修理を徹底的にやりませんと、これから先折角建設しましても、一方では尻抜けの状況になるような氣配が見えて參つております。
 火力發電所に至つては、建設後二十ヶ年以上經過したものが五割五分もございます。これはさつき申しましたように戰災に遭つた發電所、それを修理いたしまして、立派にいたしたいと思つておりますが、水力發電所の方は殆ど戰災を受けておりません。これをできるだけ計畫的に改修をいたしまして、そうして出力の確保を圖つて行くということを、どうしてもいたさなくちやならんわけであります。そこで今申上げましたように、一部許される範圍において、電源を擴張をし、一方疲れた發電所の修理をやつて行くという、そういう仕事をやりますというと、資金が非常に要るのであります。これは配電會社とそれから日發と引くるめまして、現在のような状況で建設をいたしますのに、年々建設關係だけで約四十億ぐらいの金が必要であるようであります。それから修理の金も日本發送電だけで、水力發電所を、若しこれを三ヶ年に修理しますと、一年に八億七八千萬圓の金が要る。その外配電會社にまだ發送電の持つておる水力發電所は、一割四五分配電會社に殘つておるのでありますが、これを引くるめますと、毎年水力發電所の修理さへも十億見當の金は要ることになるわけであります。ところが現在電氣事業に對する資金の融通というものは非常に逼迫いたしまして、それは日本發送電は、資本金の三倍までは社債の發行を許されておるのでありますから、日本發送電は一應置きまして、各配電會社は社債發行の限度まで達しております。それでありますから、どうしても借入金によるか、増資によるかということになりますが、既に各配電會社におきましては、増資の決議をやつたところもありますが、今のような經濟の状況では、増資をいたしましても拂込が非常に困難であります。そこで殘された途は是非一つ借入金、銀行からの融資を仰がなければならんのでありますが、遺憾ながら電氣事業は、何時も基本産業ということは言われておりまして、鐡、石炭、電力というふうな産業面からいうと、何時でも基本産業には數えられておりますが、實際の扱いは非常に鐡や石炭よりも低い扱いになつておるのであります。資金の面におきましても、或いは資材の配給におきましても、色々の點で電氣事業が第一位の産業の次になつておるわけでありますから、この點我々は何時でも當局にお願いいたしまして、資金のランクを上げて頂きたいということを申上げておるのでおりますが、なかなか實はお許しにならない。併し産業の重要性から申しましても、亦資金の需要高から申しましても、國の特別の配意がありませんというと、實はここ暫くの間に行詰つてしまいはしないかという心配を、我々經營者といたしましては、多分に持つております。この點特に關係官廳、或いは議會方面で事業の窮状を御理解願いたいと思うのであります。
 それからもう一つは資材の面でありますが、日本で一番大きな産業でありますだけに、資金の面から申しましても、資材から申しましても、需要高は非常に多いのであります、でありますから電氣事業の方を確保しますというと、外への飛ばつちりが大きいということかどうか、とにかく削るのが電氣事業が一番大きく削られるのでありまして、例えば鐵にしましても、セメントにしましても、建設も勿論そうでありますが、建設どころでない、補修用資材も我々の需要の三割も割當てて貰えないというふうな状況であります。それから一般の細まかいことになりますが、作業衣等の割當も、これは普通の産業と同じ割當であります。そういうふうな状況で資金の面も、資材の面に對しても電氣事業のランクが低いためになかなか思うように行かないで困つておりますが、今申上げましたような計畫を實行いたしますのには、どうしても資金と資材の裏附がないと實行できないものでありますから、この點ぜひ一つ議會方面も電氣事業の状況を御認識願つて、資金、資材については少くとも鐡、石炭と同等の扱いが願えないものだろうかということをお願いする次第でございます。
 それからまあ大體そういうふうな點が現在我々大きな問題として取上げられておるのでありますが、その他最近この前ここの参議院の委員會でも特にお取上げ下さつた電氣税の問題に絡んで申上げますと、最近地方の財源が非常に枯渇して參りましたために、電氣事業が地方財源の對象にあつちこつち出ております。電氣税は勿論でありますが、動力税であるとか、或いは電氣の縣外移出税、電柱税の値上げでありますとか、或いは報償契約であるとか、或いは單なる寄附金であるというふうに、電氣税が地方財源の對象になりつつあるわけでありますが、事業者としては勿論公正な料金に對しては當然負擔すべきだと思います。併し一方今の電氣料金、これは御承知のように公共事業の料金でありますから非常に低い。今年の四月に三倍に上がりまして、この前に石炭が値上げになりましたから、三割八分七月から値上げになつたのでございますが、それにいたしましても現在の電氣料金というものは戰爭前に比べて、恐らく非常に値上げの一番低い部類の一つでないかと思います。薪や炭が幾ら配給されても、今の料金は必ず我々は電熱器を使うだろうと思います。一つは電氣料金が安いためでありますが、安いのは公共的性格であるからして料金が安いということは我慢しますが、併し我々は事業を潰しては經營ができないわけでありますから、料金で見て頂くか、或いは金融で見て頂くかしないと、我々は資金の出所がないわけであります。一方若し料金を特別に見て頂かなければ、料金をどうしても適正にして頂かなければならんというふうに考えておるわけであります。これは電氣料金が圖抜けて今の生産コストから見て低い點にあることは御承知の通りでありますが、いずれにいたしましても、現在資金の面が非常に低い。それ故今申しましたような地方財源がどんどんかかつて參るということになりますというと、電氣事業の經營というものは非常に困難の度を加えて行くような氣がいたしますので、今のような逼迫した電力の需給状況でありまして、殊に經濟再建の基を電氣事業がどうしても荷わなければならんという立場からして、我々は事業の健實なる經營をどうしてもいたさねばなりませんが、現在の國が電氣事業に對する取扱いは重要産業とはいつでも言われておりますが、資金の面におきましても、資材の面おにきましても、鐡や石炭に比べて相當低位にあるわけであります。でありますからしてこの點を特に一つ御檢討を願いまして、事業が力強く運營できて、日本の經濟復興のつつかい棒になり得るように一つ御盡力をお願いいたしたいと思います。これだけを申上げておきます。
#20
○委員長(佐々木良作君) どういたしましようか。ちよつとお諮りいたしますが、説明全部、關東配電の社長からも伺いました後に質問その他やつた方が能率的でないかと思いますが、宜しうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○説明員(高井亮太郎君) 關東配電の社長の高井でございます。只今日發の副總裁からしていろいろお話がございまして、大分似通つた所もあるのでありますが、配電側を主といたしまして、特に關東配電の實例を上げるというようなやり方におきまして、極く最近の電力需給の趨勢、それから今期間、四月から始まつております今期間において電力制限というのはどの程度にやつたか。それから大體今非常な電力飢饉の状態に入つております。この盛夏、この夏の渇水の状況、それからそれならこの冬一番電氣に向つて惡い時期でありますが、この冬は大體どういうふうになりそうか。それに對してどういうことを考えておるのであるかということ、それからそれに附隨しまして燃料との關係を特に申上げまして、結局今ではこういうようなことが大變苦しいし、支障になつております。我々としても努力いたしますが、よろしくお願いいたしたいというような順序で、簡單に御説明を申上げたいと存じます。
 關東配電の實例におきまして、一番、半期なり、年度を通じまして電氣が餘計使われましたのは、戰爭中では昭和十八年度でありましたが、これは段々といろいろな破壊に伴いまして、需給が減つて參りまして、二十年八月、二十年九月、終戰の直後では昭和十八年の三分の一ぐらいに減少してしまいました。ところがその後燃料の不足が最大の原因ではありまするが、需要電力がどんどん増加いたしまして、最大電力は昭和二十一年十二月に、二十年九月の約三・一倍になり、更に二十二年六月に三・三倍ぐらいに増加したのであります。二十二年度では昭和十八年度の需要を上廻つているという状況であります。先程副總裁から發電所も古くなり、石炭はなく、發電が非常に困難な状態であるといわれましたが、それは實際でありますけれども、幸いに水力發電力というものは殆ど爆撃なしに殘つておつたという状況と、今年度あたり、昨年度の末からでありますが、昨年度の秋からですが、割合に雨の状態が全般としてはよかつたという状況、そうしてとにもかくにもできるだけの發電全能力を擧げたということに伴いまして、少くとも關東配電の區域に對しましては十八年度戰爭中總力を擧げました供給キロワツトアワーよりも大きな電力量を二十一年度の下期にしろ、二十二年の上期にしろ供給いたしておるのであります。試みに十八年度の四、五、六、七月と、この四ヶ月と、二十二年度の四、五、六、七、最近の四ヶ月の關東配電の供給といいますか。供給というのは實は日本發送電から大部分は受電し、小さい發電力は自分で持つておりますから、それを加えたもの、日本發送電から大部分を受電いたし、大部分といつて八十五%ぐらいです。後は自分の小さな發電所を加えたもの、その發受電電力量におきましても、十八年度の四、五、六、七月に比較して、今年の四、五、六、七月は二割強、二割三分ぐらいの増加供給をいたしております。十九億八百萬キロワツトアワーに對して、本年度は二十三億五千五百萬、そういうような状況でありまして、假りに昨年の、これから先は分りませんから昨年の八月から今年の七月までという一ヶ年をとりまして、昨年の八月から今年の七月の終までという一ヶ年の總發受電電力量は六十三億一千四百萬なのに、十八年度、即ち十八年の四月から十九年の三月までの戰爭中の最盛期の電力量は五十七億七千三百萬というわけでありまして、約一割、供給の總量において増加している。これは雨の工合にもよるのであります。とにかく他の産業におきましては、生産量ががた落ちになつておりますが、急増はいたしておりませんけれども、地域の關係も、或は關東は水力の近いという點もありますが、このような状況でありまして、とにかく戰爭中の總力を擧げた時よりも以上な電氣を最近一年ぐらいは供給申上げておるという状況であります。そこで二十一年度の冬、この間の冬であります。これは今申上げたように、水力發電が割合に好調であつた。それで電力制限は約二十%をいたしたという結果になつております。又今年の四、五、六これは又やはり非常な豐水でありまして、六月におきましては、平年に比較して約百十%あつたという状態でありましたが、この期間は大體電力制限という程のことなく、やや需給は充たしているという状態でありました。このような状態に對しまする電源増強方面では、今進藤さんの言われましたように、日發で五ヶ年で五六十萬キロ開發するということでありますが、配電會社におきましても小さくはございますが、水車發電機の修理をやるとか、水路を直すとか、これは非常な努力をいたしまして、僅かなものを集めまして、二十一年度は十ヶ所で千七百五十キロワット、これは小さなものでありますが、二十二年度は三十五ヶ所四千三百五十二キロワツト増加する計畫を實行している。これは僅かではありますけれども、電源の積極的方面に向つてもできるだけの努力はいたしているという状況であります。
 そこで今期間、この四月からの電力制限の實情でありますが、これは前に申上げましたように、今年の四、五、六月というものは極めて豐水でありました。併しながらその需要というものは昨年の約三割程度も要求せられるという状態でありましたが、常時用の電力は全面的に供給いたしましたけれども、鹽を作る電氣製鹽とか、電氣ボイラー、石炭不足に對應する電氣ボイラー、これに對しては、全然制限なしに供給するということは勿論できませんでした。四月から五月の中旬までは試驗用というので二三萬キロワツト程度供給いたしました。五月の十五日、これは全體的の趨勢から、工場に對して週一日の指定休電を設定いたしまして、その結果製鹽、ボイラー等にも六七萬キロワツトを晝間に限つて供給したという事實がございます。要するに製鹽、ボイラーというようなものに對しては全面的の供給は、この豐水期でもできなかつたと、そういうわけであります。これらがどうしてこういう状態になつたかということについては、進藤さんも言われたのでありますが、例えば十九年の二月、これは戰爭中の非常に電力を要望せられた時でありますが、電燈、これに電熱が僅か入つておりますが、それが全需要の十五%で、電力というものが八十五%も入つていたので、それが二十二年の二月においてはどういう分布になつておるかと申しますと、關東配電の例によりますと、要確保電力、これは進駐軍、通信、水道であるとかいう是非とも確保しなければならぬ電力、これは二十%、初めから取り除けて確保しなければならぬものが二十%、電燈が十六%、電熱が三十二%、元は言うに足らないパーセントでした電熱が、三十二%、電熱の中にも幾分産業用のものもありますけれども、とにかく産業復興に要つた電力は全體の三十二%であるというような状況でありまして、而かも絶對量は戰爭中の最大限要求せられたときよりも多いという状況であります。そこで二十三年の二月という一番電氣の窮屈のときの豫想がここにあるのでありますが、二十三年の二月というものに對して恐らく要確保電力というものは全部のうちの三十二%程度、電燈が二十%程度、電熱が十七%程度、電力が三十一%程度になろう。そうして電氣キロワツトアワーが三億七千百キロワツトアワーぐらいどうやら供給できるであろうという豫想があるのであります。それに對して需要はどのぐらいあるであろうかということを考えますと、これはパーセンテージは今申上げましたように少しずれますが、全部で四億八千キロワツトアワーはある。四億八千キロワツトアワーはあるであろうが、三億七千キロワツトアワーぐらいしかあるまいというような、これはいろいろの推定による數でありますが、そういつた状態で非常に數字が殖えておりますというこによりまして、こういう一般の需要になつておるというわけであります。それで四、五、六の模樣を申上げたのでありますが、唯本洲中央部の自然流量出力が減退しまして、六月下旬に最豐水時の八十%、これは本洲中央部にも繋つておりますから、日發の自然流量出力で一番下つたところで二百九十萬キロワツトが二百四十萬キロワツトまで下りまして、そこで關東配電といたしましても、全部に亙りまして一週二日の指定休電日を六月二十八日から實施いたしたのであります。これは普通の工場、家庭等を含めまして……、ところが更に堀々流量が減りまして、八月に入りましてからは十八日から更に一週間三日の指定休電日制を實施しなければならなくなつた。こういう窮境になりまして、今日におきまして日發の關東配電に對する割當は六十二萬キロということになりまして、非常な最近のレコード的に減つて參りまして、サイクルも四十八サイクルを割りそうである。實は御承知の通りでもありましようが、本年進駐軍の要望がありまして、前程サイクルをだらだらに下げるということは絶對に不可能になつたのであります。少くとも四十八・五以上というような約束がしてあるようでありますが、四十八を割るということはこれは占領治下における電力給供状態に非常に惡い影響を及ぼすということを覺悟しておりますから、今日は官廳方面にも連絡いたしまして専用線で行つております相當重要な工場に交渉して、納得ずくで以て電力を減らすために危險がない、又非常なる事態のないというところには送電を停止するなり、使用を制限をして貰らいたいということを今朝からそれに奔走いたしておるような窮境になりました。だがこれは非常な渇水期の又その一番ボツトムと考えております。九月の末には少くとも雨が降りましようし、もう少しで降りそうなところであります。電氣としては非常によく使つて來たて思いますが、今日の状態は非常に惡い状態であります。それで東京都を除きましてこの状態をどういうように實際處理しているかといいますと、東京都はどうも間に合いませんのと、非常に旺盛なところでありますので、これを除きまして、各地方の縣民の方の要望もありまして、自主的に制限をする。お産もあり急病人もあるのに電氣も來ていない。こういう非文明なことはないじやないかというのですが、いつもこれを放任して置きますと、四十七になり、六になる、これは却つて非常に惡い事態を惹起いたしますので、涙をふるつて制限して行かなければならん。それにいたしましても地方の縣におきましては、割によく電力の割當による自主的制限というものが實行されまして、關係者が集りまして非常に大切な需要というものを分けまして、大體自主的にやつておる方面も相當にあるのでありまして、栃木、茨城、群馬、山梨というような方面は縣民が擧げて協力して成績のいい縣になつておりますが、これについては後で尚申上げます。
 次にこの夏の渇水期の窮状について申上げます。只今の状態でありますが、今一體どんな電力需要があるかと申上げますと、進駐軍の直接需要、これはどうしても缺くべからざるものであります。概數の見當でありますが、約十八萬キロワツト、それから通信、放送、上下水道というような都民の生活に缺くべからざるも、これが約十萬キロワツトと見ております。それで一般の電燈とか電熱とかというものが、これは晝は約二十八萬キロ、夜が四十七萬キロ見當、それから動力の方が、晝が四十二萬キロ、夜が二十三萬キロ見當というような見當をつけますと、晝が九十六萬程度で、夜が九十八萬キロであります。これは特殊電力を除外したものであります。關東配電に對してこういうような見當がつく、これに對して日發からの割當が、八月に入つてからは概略六十六萬キロワツトそこで進駐軍その他要確保電力というもの二十八萬キロというものを除外して考えますと、一般の電燈電力が七十萬キロくらいある、そこへ持つて來て……間違えました。全體の振當が六十六キロというわけでありまして、それに進駐軍、その他要確保電力を引きますと、二十八萬キロ引きますと、後一般電燈電力七十萬キロワツト欲しいというところに、三十八萬しかないという數字になります。ところが最近進駐軍の放出物資を確保しまする製粉工場、その他これを非常に重要工場の取扱をせよということがありますので、實情は七十萬キロに對して三十五萬キロある一般に……。こういうような特殊な、非常に重要なものを取りますると、後に對する割當の率が非常に減るという状況にあるのであります。それで週三日の休電日制というものをやつておるのでありますが、机の上の計算では、週一日休電は約十萬キロ助かるという勘定で、週三日で三十萬キロというのが概算でありますが、實際は家庭の協力が足りないというために、七十%ぐらいしか目的が達せられないというような實情に相成つておるのであります。それで尚停電をしましても、停電をしない日にうんと使おうというような心理状態で以て、停電しない日に使われまするので、どうしても我々が目の子で立てたものよりも電氣を餘計使われております。それで今のような非常な状態になれば、連日でも晝の中停電しなければならないというようなことに追い込まれて來るというような實情にあるわけであります。それからもう一つ申し遅れましたが、停電しようと思つても、一率に停電ができない負荷もある。進駐軍にぶらさがつておるとか、非常に重要なところにぶらさがつておつて、技術的に非常に困難がある。そういうところに餘計に電氣が行き過ぎておるということも難といえば難であります。尚この夏は常時電力の約一割というものを化學肥料の會社には是非供給せよというので、これを給供いたしております。これも國家の政策上止むを得ない大事なことでありと思いますが、そういうふうに電氣も使われておるというわけで、一般の方の非常に御迷惑を掛けとおるという實情であります。
 序でながら申上げますが、制限に對しましては需要の分類は第一種の甲のイのロ、第一種の乙と、第二種、第三種、第四種というようなことになつておりまして、第一種の甲のイというのがさつき申上げましたような水道、ガスであるとか、通信であるとか、放送であるとか、場所によりますれば石炭であるとか鐵道であるとかいうようなものでありまして、要確保電力。ロと申しますのが政府の指定しておりまする通信機の工業であるとか、日立、芝浦というような重要な工場でありまして、乙というのが一般の工場。第二種というのは事務用。第三種は家庭用が主でありますが、普通のものになります。第四種はネオンサインというような贅澤品であつて、絶對禁止になるという取扱い方でいろいろやつておるのであります。
 そこで夏とか、春とかいうものはまだいいのだ。春は宜しい、夏は苦しい。併しながら一番苦しいのは冬なんである。この冬は一體どうなるのか、こういうことをざつくばらんに申上げますと、私共は大體こんなふうに考えております。關東配電だけで要確保電力が先ずざつとラウンド・ナンバーで三十萬キロと考えまして電燈、電熱が夕方の五時から六時くらいの間を取りますと、四十四萬キロ貰おう、それから動力は三十六萬キロくらい貰おう。これは時刻によつて違いますので、晝の方へ行きますと電燈、電熱は減つて動力が殖える。もう少し夜になると電燈、電熱の方が四十九萬で、動力が二十四萬キロで四割から五六割に家庭用が殖えて來る。それでピークを出しますと、約百十萬キロワツト、それから眞つ晝間なんかでありましたら百二萬キロとか夜の七時から八時くらいは百三萬キロ出そう。これは細かくなりますから、ピークのところで百十萬キロくらい使います。それでもつと多くあるか分りませんが、先ずこれくらいはどうしても欲しがると思います。ところがこの電力量の一ヶ月、これに対して考えますと、約四億八千萬キロワツトアワーである。さつき申上げたくらいのものが欲しい。ところが供給可能の電力は、これに對して大約七十六萬キロワツト見當で、電力量では三億七千萬キロワツトアワー見當ではあるまいか。即ちキロワツトアワーでは制限率が少くなりますが、ピークでは相當な制限の率になります。最大電力では四割以上も不足になるのである、こういう見込でありまして、隔日停電とか、連日停電がこの夏の一番ひどいときのように餘儀なくされるのではあるまいかという心配を持つておるわけであります。キロワツトアワーでは三割……最大では四割見當の不足になる、こういう懸念を持つておるわけであります。
 これに對して一體どういうことを配電會社は考えておるのであるか、今でも一部分やつているのであるが、それに對して考えておりますことは、これはちつよと話が脇道に外れますが、電力制限の方策に關しては、やはり電力調整懇談會というようなものが役所の方からも話出されまして、できまして、近くその會議もあることになつている筈でありまして、そういうところへは會社、供給者、それから供給者に所屬する勞組の代表者、それから大口の化學工業とか、なに工業とかいうところの代表になる需要家の方々、學識經驗者というような者も入れまして、尚審議せられる筈であります。そこで本極りということになるのじやないかと思いまするが、併しそこし絶對の最後でなく、いろいろこちらに相談があるのだろうと思いますが、そういう状態に今あるのでありますが、その詳細というものはまだ我々本當に實は存じておりません。でそういうところと全然離れまして、今實際になにを考え、なにに努力しているかということをちよつと申上げます。一番よい方法は各地域別的に電力量を割當てまして、自主的に電力制限をして頂くことである。先程申上げましたように從業員もあり、豫算もありそれであるのに電氣を切るのは何と野蠻なことであるというお叱言が非常に聞えて來るのでありまして、私もそう思います。そこで先程申しましたように各地方の縣ではいろいろの電力協議會というようなものを作りまして、需要家も會社も入りまして、そうしてお互に自肅して、その使う時間、晝は工場を主にし、夜は家庭を主にするというようなことを詳しく決めまして、可なりよく行つておるところもありますし、中には地方ではありますけれども、割合にまずくて而も叱言が來ておるというような尚更して頂かなければならん所もあります。これを東京はそれならどうする、實は先般からいろいろ需要家にも呼びかけまして、會社勞組、需要家全部一緒になつて何とか協議をいたしまして、そうして變電所であるとか、配電線の分離で電氣を切らない方法で何とかいかないかということを大分具體的に進めておりまして、この冬には元から切るというようなことなしに行きたいものであるというので、今懸命の努力をいたしております。地方の縣では既に實施し始めて成績のよい所と惡い所とあるという實情で、これは理想的の行き方であると思つております。それからもう一つは後でもう一遍申上げますが、さつき副總裁から申上げましたが燃料の綜合對策、非常に澤山の電氣を燃料に使つておるわけでありましてこれを他の燃料と綜合的に處理して頂きますれば、電力不足の相當部分は緩和できるわけです。それから第三番目に新規又は増加電力というものに對しましては、重點的供給をやる、これは商工局長から指示されております。その取扱方針に基ずきまして重點供給をやる。それから臨時建築の制限規則等の實施をしまして、復興院の方に持つていつて資材は許可を貰わなければならん。それを扱うにも戰爭中の日本でなく、今の日本として大切なものに重點を置くという嚴選をすることによつて制限する。それからもう一つ考えておりますことはどうせ年中一ぱいには供給できないような條件に對して、これは特殊電力であるというようなことを初めから言いまして、契約を表ばかりよくて、實はそれ程供給できないことでなく、實態に即したような契約にして行つたらどうか、そうして非常な渇水をしたときのみ、特に緊急處置をやつて、平常は今のような施設にはあなたの電氣は減るのですよという契約にできるようにしたいということを考えております。尚先程からの進藤さんの話のようにバラツクができ定額が多くなる、これに對してメーターを注文いたしましい本年内に約八萬個を附けたい、それから電流制限器という各家庭の中で制限するのであります。年内に十萬個くらい附けたい。これは定額需要家が三十萬戸くらいある、全部には及ばないのでありますが附けたいのであります。實際の仕事の量といたしまして、そのくらいのことを考えて盗用を防ぐことを今考えておるのであります。それから尚供給規定につきましてさつき契約を變えたらということなんですが、供給規程というものが電氣が一ぱいあるときに相應したように今までの供給規程ができておつて、何キロワツト年中やりますと大きく構えておりますが、實際はそれはいかん、むしろ今の日本であるならば、電力を増加するとしても、それは理想としてすべきではありますけれども、急場のことではできないというような状態に照しまして、発電力が冬でも年中ずつと供給できるものと、それから常時と特殊の合の子みたいな、水の多い時と少い時の境くらいに動くものと、それから水の多い時でなければ供給できないものとがありますが、初めから需要家の方で、これは常時がいくら、いわゆる調整常時、常時に準じたもの、特殊とかいうことを供給規程の中に織込んで置きまして、年中そういう發電状態に應じて使用して頂くことを頼み放しにしてやつて行く。これはちよつと頼んだところでできないと思いますから、年中頼み放しで例の供給規程でありますよと注意をしても、それにかれこれ言はれればぶつぶつ切るより仕方がないということになりまして、自然守られるようになる方法はどうだろうという案を立てておりますが、これは官廳方面はどうでありましようか。又關東配電でやつておることでありましても具體的にこういう供給基準にしたらどうだろうかというような案を立てまして、これは全國發電會社の會議による必要がありますが、こういうことを今實際に考えております。その外これは或るメーカーの如きは、柱上變壓器に電流が規定以上餘りに多くなればブザーをぶうつとならす。そうするとその近時の變壓器に所屬する隣組で自肅するとか、或いは各家々にもブザーを附けたらどうか。實際ブザーを附ける會社を始めたものもあります。それから地方の縣でいろいろな制限をやつて、大變協力して頂いておる所がありますが、場所によりましては變電所のフイーダーが過負荷すると、假りに一分間停電すると、これは警告なんだから、使い過きておるところを正直に規正して下さるというようなやり方で、非常に成績を擧げておる所もあります。一分できかなければ五分とか十分とかいうくらいまで入ることになつておるそうであります。まあ大綱は決つておりますが、成るべく需要家に迷惑をかけんで規正して頂きたいということを考えておりますけれども、東京の如きはいろいろの手當が間に合いませんので、必要確保電力というものを除きましては、大變に制限の率が多くなるということで、非常に需要のぶら下つていない線を變電所で切るとか、或いは配電所の分室で切るというような、非常に止むを得ないことをやつておるという状況でございます。
 そこでこの燃料問題を、ちよつとなんでありますが、今のこの電力の不足は多分に燃料に起因しておる。昭和十九年の二月の家庭用電力の年金使用量は十五%であつたが、二十二年の二月には、四十八%に飛んだということはさつき申上げた通りであります。從いまして現在の電力不足を打開して行く根本の鍵は、燃料を頂くという外ないのでありますが、この中一番可能性があるのは木炭、薪でありますから、思い切つた薪炭を出す方策によりまして、この冬をなんとかしてやり切る方法はないだろうかというわけで、先程申しましたように、東京都であるとか、商工當局であるとか、或いは安本とかに呼びかけまして、東京都におかれましても家庭熱源綜合調整委員會というものを經濟局長が委員長になつてつくつて下さり、尚新制度に應じて、住田副知事を委員長として燃料對策委員會というものをつくつて、これによつてただ役所側のみでなく都會の經濟關係の委員長がその副委員長になるというように、都會の方も關係して頂いて、そういうものをつくる。或いは商工省の中にも電力調整打合會があり、安本の中の動力局電力課、生活物資局というようなものは皆繋がるのでありますが、できるだけこの運動を展開いたしますと共に、經濟復興會議等にも呼びかけまして是非實現をしたいということを考えて、薪炭を十一月から三月くらいまでに配給をして貰いたいという運動をやつておるのであります。この二十一年度における東京都の燃料配給實情というものは、標準の家族一世帶當り木炭で換算して約八俵、木炭、薪、煉炭等の合計であります。それから他にガスで木炭二俵分位、電熱で木炭十二俵分位供給したということになつて、木炭に換算して一世帶當り年二十二俵という木炭をやつたことに相當する。本當に木炭をやつたのは八俵だが、ガスと電氣で後を補つて、二十二俵の中の十四俵は電氣ガスを使つたという今年度の調査ができておるのでありますが、昭和十六年度では東京では實は木炭に換算して約四十俵分を消費しておるというレコードがありますが、その頃から見れば、皆難澁してやつておられるというわけであります。ところが二十二年度の燃料配給計畫でありますが、これは標準家族一世帶當り十六俵である。直接燃料としての配給は十俵分で、後の六俵分は電氣ガスによれということであります。この十俵はくれるというのでありますが、これは經濟自書によりますと、どうも少し怪しいという状態でありまして、實際問題としましたならば、電熱を制限して行くことは非常にむずかしいのじやないか、何しろ電氣が來ておるのでスイツチを入れればすぐ電熱になるのでありますから、これは要するに闇の燃料よりは遥に安い。マル公の燃料に比較しても電氣というものはまあこれは使用能率にもよりますが、電氣の能率がよろしいから半値にしか當らないというのでありますが、闇値に比較して非常に安いという状態でありますので、どうしても電氣がどんどん使われる。それでどうしてもこれは東京都なりその他の方々にお願いをいたしまして、少くとも一世帶に冬は毎月二俵位はどうしても炭を配つて頂きたいということを熱望をいたし、それをいろいろな方面に運動をしておるという状態であります。東京の世帶數が何でも百二十萬位あるそうでありますが、まあ二俵ずつとしましても、相當なものになりますが、一月に二俵はぜひ配つて頂きたいということで、電熱の方は幾分緩和されるのじやないかと考えます。それで二十一年の上期と下期に電熱で炭八俵分の外にどの位使われたかというと、東京と地方と大ざつぱな見當でありますが、要するに東京では六億五千キロワツトアワー、地方で三億五千キロワツトアワー、上期、下期合計で東京都が炭千三百萬俵、地方で七百萬俵、合せて二千萬俵くらい電熱で使つたんだ。これは今の電力の總使用量の三十%である。そうして生産は戰時中の三割であるとかいうような状態に對して電氣の總需要量は戰時中よりも大きいのである。幾らでも需要があるという現状なのであります。それから尚先程副總裁が言われましたように、いろいろな電氣を使つております工場で、シヤフトが曲つておるとか、べアリングがまずいとかいうようなことで、僅かなことでも五%、十%、三%というような電氣が無駄になるというようなことを電氣會社の方面から申さして頂きまして、これを工場と共同して補正して行くという運動、これは戰時中にも電力を生み出すべく一生懸命やつたことでありますが、又更に強化してこれを電氣會社としても需要家と協力申上げて、ぜひやつて行かなれけばならんことであるということに復活をして參りまして、これにも努力して行きたいとこう考えておるわけであります。
 そこで、大變長くなりましたが、大體終りに近いのでありますが、我々のこういうような状態で、何が問題になつておるか大體要點はお取れになつたと思いますが、電壓が低いぞ、ラジオが聽えない、新聞が讀めんぞというようなことがあるのでありますが、こういう状態はこれは戰爭後に燒跡に小さいバラツクが立ちましたときに、何が何でも電燈を上げなければ治安上も惡いし、不便であるというので、トタン屋根の電氣を引くと危いようなところでも、或いは役所から叱られるような程度の建物にさえ細い電柱に針金をかけて電氣を供給しました。そのつもりは何が何でも電燈を上げなければいかん。水道はなくても、ガスは出なくても電燈だけはつけなければならんということでやつたつもりでありましたが、初めは非常に感謝されたのでありますが、それでは生きて行けい。ガスも燃料もないのだ。黙つて電熱器を買つて來て突つ込めば直ぐ飯も炊ける。せいぜい一軒に二燈ぐらいの小屋であつてそれに對して細々とした針金と、ほそぼそとした電柱で先ずやつておつたのでありますが、そこへ五六百ワツトの電熱器を盗用されるというようなことで、非常に電壓も惡くなり、停電も多くなつた。今はそう貧弱な線ばかりでもありませんが、電熱がどんどん規定外に出まして非常に惡い状態である。これには矢張り主に電線變壓器というものが要るのでありますが、これらの割當というようなものに對しまして、實際これを直すには何トンぐらいの銅量が要るのであるかというようなとこは調べておりますが、今の日本の状態としてそこまで行かん。できるだけ奮發さしておるという状態でありますけれども、何としても物量が足りない、電線變壓器というようなものが不足をいたしまして、進駐軍に對するサービスが先ず第一になつております。そこへ持つて參りまして從業員の態度がよくない。これは、組合幹部等においても非常に氣を附けまして、會社當局者は勿論でありますが、お互に力を合せて盡力をいたしておるところでありますが、こういう物の不足がある時代には、その納得が行くように、少くともサービスに對する熱意は我々は大いに持つておるつもりであります。愛想は惡いかも知れませんが、とにかくサービスの總量、キロワツトアワーにおいては外の産業に負けないつもりでやつておるのでありますのに、非常に非難がある。これには我々も非常に反省すべき點があると思いますが、組合幹部等においても、もつと從業員の態度をよくする。一生懸命仕事をやるということに最も力を向けておるのでありますが、物の不足ということと相俟ちまして、非常に惡感情を抱かれておるというような状態で非常に恐縮しておるのでありますが、私共としては唯恐縮だけでは濟まん。何としても積極的に改善をして何とかやつて行きたいという熱意には燃えておるわけであります。それで今申上げましたようにサービスの低下、これは人間の心持の點もありまするが、物資の點もある。さつき日發から言れましたセメンとその他、日發では殊にセメントが非常に大きなあれになりましようが、そういうものを電柱、電線變壓器、絶縁油、自轉車、作業衣、地下足袋というようなもの、この需要量とそれから配給計畫の數というものを對照いたして見ましても、國力の關係で止むを得ないかも知れませんが、なかなか低い。電柱の如きも十%ぐらいである。絶縁油はこれは進駐軍の世話で特別配給を頂いたので七十%ぐらいになつております、電線が八%自動車が七%作業衣が五十%、これは計畫數量で、計畫數量だけ來ないのであります。これより低いのであります。そういうような状態でありまして、これに對しましては、副總裁からも言われましたようにいろいろな物資、金の面等におきまして電力の重要性というものに相當したランクを與えて頂きまして、我々としましても所轄官廳なり、所轄方面へ盛んに運動いたしておりますが、こういう強力なる議員の皆樣におかれても一つできるだけの御支援を頂きたい。個々のものにつきましては尚一々お願いに上ると思いますが、一つ先程の副總裁の話と重複いたしますので簡單にこの邊で何して置きます。それで一番停電が頻發するのは何だといわれますが、これはかいつんで申しますと、電力不足による緊急停電措置で今やつておるのであります。これは雨が降れば範圍が少くなります。變壓器が過負荷使用によつて燒ける。燒ければ何日も掛りますから、燒けないように變壓器の中の油が或る一定以上の温度になるとひとりで切れ、油が冷えるとひとりでつくというふうに仕込んだものであります。その結果といたしまして、熱くなり過ぎますと變壓器の油が冷えるまでの時間だけ停電を多くする。それが場合によつて冬は早く冷えましよう。三十分は非常に好成績で、三十分乃至一時間、或いは一時間以上も出ることがあるということがありまして、この間停電するのでありますが、これは直ぐそれで復舊するのであります。焼けてしまつたものはあけ代えに何日も時間がかかりますが、そういう装置を入れたものは非常に負荷が多くなりますと三十分そこそこで停電をする。併しながらこれは時々切れるのですが、毎晩々々切れておるというようなところもあるそうでありまして、誠にこれは申譯ないのであります。たまたま非常な使用をしたならばそうなるので毎晩々々そういう事態に合う、これは變壓器の不足で、もつと變壓器を獲得して直さなければならない事態なんでありますが、可なりそういうところもあつて非常に申譯なく思つております。それから變電所の大きな變壓器も全體が過負荷で切らなければならない。一番使用度の少いところから切るということもあります。これは頻繁度が少いのであります。それから配電線それ自身も應急の復活はいたしましたが、尚弱體である。暴風雨で切れるとか、何處なの繼ぎ目がぞんざいであつたとか、非常に電力が多くなつたというようなことで配電線の弱體それ自身に原因するものもある。大體こんなような状態から停電が非常に多くなつておるというわけでありまして、燃料對策というようなものがきますれば、餘程これが緩和されるのであります。
 それから附加えまして資金の點、先程も進藤さんから言れましたが、配電會社方面としましても假りに二十二年、二十三年、兩年で配電會社九つだけで五十億くらいの資本が要るという状態でありますが、御承知のように收支とも非常に大きんなつております。料金は前より上つて、十二、三倍になりましたが、他の公共事業は二十倍から五十倍になつております。公共の事業の中で値上り率の一番低いものであります。十二倍くらいになりまして前より大きな收支でありますけれども、建設方面がまだ必要でありますのと、いろいろな物資の買入金というものが是非とも必要である。その方面に對して收支の中から得た減價償却金というような保留金のみを以て、これからの擴張を賄うということには到底至りません。これは償却金というものは矢張り法定の公正妥當の償却金しか計上してありせまん。そういうもののみを以てこれからの擴張、その擴張なり復舊なりの金が非常に高いのでありますから、どうしても外からその分は借りる。勿論保留金も使うということになりますが、これに對して資金は、甲のイどなくして、ロでありますが、第一位でなくして次位以下にある。それから銀行の貸附けに對しても、預金増加額の二分の一とかいろいろな枠があるのでありますが、これは一つこのような重點産業には特別の取扱いができないものであろうか。それからもう一つ具體的に復興金融金庫につきましては、これは日發さんは相當使つておられるようでありますが、配電會社というものは、實際上市中の銀行につきまして四苦八苦をいたしまして融通を受けておるという状態でありまして、これは同じ電氣事業でありまするから、復興金融金庫の中にも配電會社としての枠、或いは電氣事業として日發、配電を含めた大きな枠でも結構であります。日發では先般來この中に入られまして、使つておりますが、配電會社方面にも是非共この復興金融金庫の中に相當な枠を得たいということを、具體的な要望として一つここへ参りましたチヤンスにお願い申上げて置きたいと存じます。
 その外電氣税とか、電柱税とかもおつしやいましたが、從來町営で電氣事業をやつておられた町長等が來られまして、戰争も終つたから從前通り戻して貰いたい、地方の財源にするからということで、電氣局長の方にもお話があつたようでありますが、僕の方にも來られて甚だ驚いた次第でございまするが、これは國の方針としてやつたのでありまして、我々は伊豆八島からあの邊全部を統合させられた。これに對して戰時中いろいろ施設をさせられました。これが或る島では爆撃をされました。尚大島の如きは進駐軍關係の保養所もありますので、相當増設をする。その外の島に、ジーゼル・エンジンでありまするが、夜數時間という供給でしかありませんが、このジーゼル・エンジンも壊れた。それに對して何百萬圓というような非常に高い機械を持つて参りまして、收支を度外視した供給をやるのであります。これは關東全部としての話であり、國の方針としての統合である。伊豆八島とか、あの邊に對して、特に施設のぼろのものがあり、惡くなつておつて、新しいものを施設すると非常に大變なものである。非常に貧弱な事業なんですが、そういうものに對しまして一應考えて頂きたいということを申出したのですが、これは全體として收支の行くようにやるのであつて、そこまでは御盡力は頂けません。非常な收支からは度外れなものをやつておるという状態であつて、必らずしも小さな考えから統合するというだけでなく、大きな見地からやられたのであるから、むしろ私の方から電力局に行つて國の方針が變つたということを伺わなければ、それはできませんということを返事したのであります。これは本當に小さなことであります。これらは、大局的見地から御處理を願いたいと思つておる次第であります。
 それから一つ申し忘れましたが、資金の關係につきまして、先程進藤さんが言われましたように、日發は資本金の三倍の社債を發行することができるような特別法になつております。配電會社は資金の二倍までを發行できるような特別法による、配電統制令による會社であつたのでありますが、それが去年の十月一日から普通商法による會社になりまして、普通商法によるには、電氣事業というものは安固な、堅實な、そうして守り立てて行くべき事業であるから、社債の限度はやはり資本金の二倍を貰いたいということを言つたのでありますけれども、その筋との關係がありまして、これはやはり特別處置なり難しというので、今資本金と同額の社債しか發行できないことになつておる。日發は三倍までできるが、我々は一倍しかできないということになつております。その筋の方の主張だと聞いておりますが、何かのチヤンスがありましたら、電氣事業というような堅いもののは、社債の限度はせめて資本金の倍額までにして頂きたい。何かのチヤンスに當局へ申上げますが、そういうようなときには、事業の性質上是非加擔をして頂たいと、ここへ出ました序でにお願い申上げて置く次第であります。これで大體終りなんであります。要するに電氣事業というものは、今まで堅實第一主義というもので、堅いことは堅いけれども、經営者の方でも堅い一方である。外からの見方も、電氣は大事だと、けれども石炭は尚大事だと、段々調べ詰めて來ると、外の資源は枯渇して、電氣は随分大事な役割をしておる。それなら大事だということになつておるようでありますが、まだ實質的に具體的に認めておられないようなところもあるように思います。それで電氣料金というような點につきましても、餘程堅實な緊縮方策からできております。前から見れば上つておりますが、修理費というようなものの完全な金額を見たりして行きまするならば、まだ考えるべきところがあるのではないかと、要するに、我々は積極的に出てサービスを改善すると同時に、積極的に供給力も日本の國力相當には増して行きたいものだということに向つて我々は進むべきであると思つておる次第でありますから、ここへ參りました序でに何遍も申上げて甚だ厚かましいのでありますが、この電氣事業というもののいろいろな産業内における取扱いにつきましては、從業員に對する加配米とか、勞務方面も固よりであります。それから作業用の工具その他も固よりであります。資金についても固よりであります。我々としても積極的に出るべきであるが、周りからも是非認めて頂いて、産業中における重要度を是非第一位のものに認めて頂きまして、私共としても從業員と一緒に懸命の努力をしたいと思つておるわけであります。大變お願いがましいことが混つておりまして申譯ございませんが、大體の模樣をざつくばらんに申上げた次第でございます。長時間ありがとうございました。
#22
○委員長(佐々木良作君) ちよつと御質問に入られる前に、時間も大變来ておりますし、二十七日の懇談のチヤンスもありますので、その時に又いいろいろの角度から質問、或いは懇談をして頂きたいと思いますので、時間も來ておりますから、一つ要點的な質問をやつて頂いて切り上げたいと思いますから、先の進藤さんと、それから今の高井さんと兩方に對しまして、質問がありましたらお願いしたいと思います。
#23
○大山安君 只今のお話の盗電關係は、非常に國民のためにはよいわけでありますが、これらの方法は、少數のために數多を苦しめるというようなことに私は行くと思います。然らば、この盗電で浮いて來るところの電力も相當あるようでありますが、これはとにかく會社として、これは發電所でやる仕事か、配電所でやる仕事か知りませんが、盗電ということについては、これは取締る責任があると私は思います。
#24
○説明員(高井亮太郎君) 電氣を盗む話ですか。
#25
○大山安君 それが困つておると、それらのためには市中の、つまり消費地の燃料まで心配しておるというようなお話もありましたが、併し國家的に決まつた燃料をそういうふうに盗ませてよいか惡いかというのが一つの責任問題であるかと思います。これはどこまでも徹底的に、新氣會社で何も個人の家の燃料まで心配する必要もなし、相當強猷的に不正なものはどんどん責任を問う、それらについて、ここで……。
#26
○説明員(高井亮太郎君) 電然器をこれは間違いがあるのじやないかと思いますが、電然器はちやんと手続きをいたされましてお使いになつておるものが勿論大部分でありまして、小さなバラックへ配電線を延ばして電氣を使つておるというような場合には、盗用、潜用になりますけれども、大體が電熱器の使用を會社に申し込まれて使つておられるのと、それから今の定額燈で電燈を一つか二つぐらいしか申し込んでなくて、ぼつぼつ電熱を差込むのと、兩方あるのでありますが、これはメートルを通しておるのが大部分であります。盗んでおるのは、勿論これは非常に惡いことでありますが、盗んでおる方は、これは會社として方法がありまして、現場調査というのを時々いたしまして、これせ成るべくなくするようには努力をいたしております。
#27
○大山安君 そうして盗用という問題については、會社としても國家に對する責任問題があると私は考えます。なぜというと、今國家は盗まれるということは算盤に入れないで、これだけはあるだろうというような計算で、或いは石炭を減らしておるかも知れません。そういう場合を考えますと、電氣會社は自分の責任ですから、どんどんやつてようございます、何々委員會なんというものを設ける必要もなし、當局に當つて、どんどん取締つて、それを徹底せられるためにはその方の當局がある。法律が足りなければ又法律でもこさえていいわけであります。それでないと米のように、農林省で、米があるのに數多の人間を苦しめて食はせないというような状態になつておる。その在り方に電氣會社はなつておる。盗む者に盗ませて、實際國家的見地から見て必要なものにあてがうことができないというようなやり方は、現在農林省が、米が田舎にありながら、消費地に食はさないでおるというようなやり方はいかんので、法律が足りなければどしどし私が法律を出します。
#28
○説明員(高井亮太郎君) まあ需要家と會社ですから、成るべく穏便にやるべきでしようが……。
#29
○大山安君 こういうことは國家的に見て、少數の者のために決して數多の者を苦しめたりしてはいけません。何とかそれを盗用させないという途は開けるわけでしよう。我々はまだ知らないからわからないが……。
#30
○説明員(高井亮太郎君) ただ委員會を作るといいまいたが、盗用を防ぐというのは、メートル需要家でも、ちやんと何キロを使うのだと契約をなすつておる方で、これを殺那的にもつと減す、工場では作業時間を變更するとか、そういうことです。
#31
○大山安君 勿論只今申しました國家に對して、足りないというのは會社の責任だ、例えば委託品を盗まれたということでは濟まないと思う。だから嚴格にやつて下さい、燃料などは心配する必要はなし、君等は君等の歩く途を歩いて國家のために盡してくれればいいのです。
 それからこれは前の進藤さんに伺うのですが、燃料を定額量だけ寄越さないということは……これは石炭問題ですが、燃料を豫定しておつて、豫定は假りに十トンとしたものが、三割、四割は減らされておるというようなお話がありましたが、これは出炭量が足りなくて、減炭にして寄越すのか、或は出炭は豫定通りの量を掘つておるにも拘わらず寄越さないかというところは分りませんか。
#32
○説明員(進藤武左衞門君) 昨年度は出炭量も豫定通り行かなかつたために、一番大きい需要だつた電力の方への配炭を食つたという結果だろうと思います。
#33
○大山安君 それは止むを得ないというわけですね。それから夏と冬の關係は四割ぐらい違う、つまり冬場になれば燃料を四割使わなければならんというようなことであつたのですが、これらについては基本計畫が立つておりますか。
#34
○説明員(進藤武左衞門君) それは將來に對しては立て得ないのです。火力發電所は壊わされまして、後は貯水池を造つてそれを補給して行かなくちやならん、それが今水力發電所は……。
#35
○大山安君 豫相だけで計畫は立つて、いないのですか。
#36
○説明員(進藤武左衞門君) 計畫は立つていないのです。先程申上げましたが、例えば現在どこかで發電しておるのがあります。これについてはこれだけの貯水量で十分だ、後水が足りないという場合に、これだけのものを造れば……。
#37
○大山安君 別に發電所を造らなければならんということですね。
#38
○説明員(進藤武左衞門君) それは一應の計畫といいますか、甚定はできておりますが、計畫としては完全というところまでは至つておりません。
#39
○大山安君 そうすると新らしい四割の石炭の代りに、そこで量を増させるためには、やはり發電個所を別にこさえなければならんのですか。
#40
○説明員(進藤武左衞門君) これは池をうんを造れば相當補えるということになります。
#41
○大山安君 それから電力料金も、これは當然上くべきです。これらはどこで上げるのか、下げるのか分らんから、これも私は國會にこれを上げる提案を出します。やりきれないことをやるというということは、これは違法なんです。やることをやつて國家のためになる……、それですべての機構も、できるものなら國會の方で國家の利益になることはどんどん犠性になつて私はやります。
#42
○松嶋喜作君 先程いろいろ詳細、亘細な説明をして頂いて誠に感謝します。伺つておると、私は細かいことは澤山ありますが、結局日本の電力の開發、素人的には増産、電力の開發を増加するということに歸すると思いますが、それに伴います前提條件は、資金だと思います。配給會社の資金に困らてれおる様子を見ますと、その資金調達は非常にむずかしい、しの窮餘の一策として増資をしておられます。この増資は我々から見ると如伺にも無理でありまして、實情に適しない増資である。こういうことをしても金は集まらん。何となれば市場で四十何圓かの株が賣買されておるにも拘わらず、増資をして五十圓拂込め、こういうことになれば、公共的犠性のために努力することは勿論でありまするけれども、何といつても自分の利益が先であるますから、四十何圓しておる市場の株を買わずして、五十圓出して同じ株を買うということは無理じやないか、ここに一つ考慮を拂つて頂きたい。募集の方法は考えれば方法もあります。例えば優先的な意味を附加するとか、何らか後に拂込むのに優先的な氣持を持たす、こういうことが一つ考える重點ではないかと私は思います。九州配電なんかも相當無理じやないか、あの方法ではいけない。だから何らかここの一つ條件を附加せねばいかんということが一つ、これは對内的であります。
 もう少し大きく考えて、これはまだ發表すべきところではありませんけれども、日本の電力というものは、日本の國の富を代表する非常に重要な産業でありますから、これは一つ外資の導入に俟つというようなことを考えて、曾ては、時代も違いますけれども、大同電力あたりが、相當あの外債を輸入して非常な發展を遂げた。これは今來ておる人も知つておるでしようが、松永、神谷というような人は今でもアメリカでは知つております。だから日本の外債というものは決して迷惑をかけなかつた。日本は非常に堅い國である。殊に電力外債については信用がある。こういうことは今直ちに發表することはどうかと思いますけれども、將來この大きな狙いを以てしないと、なかなか復興金庫がどうとか、或いは銀行がどうとかいつても、それはできるだけの枠で活動しておるので、復興金庫を責めても、政府を責めてもこれはなかなか動き難い實情にあるのだ、それはインフレ對策、健全財政という名の下にむずかしいじやないか、併しながら電力というものは絶對で、こういう意味において内には増資の條件を考えることが一つ、大きくは外に向つて借金をする用意をすること、という意味において私は一つ考えて頂きたいと思う。
 それからもう一つ薪炭の話、誠に結構ですが、薪炭の如きは薪炭を多く出せば又何處かで缺點ができる。或いは山を濫伐するとか、或いはその他の過程にギヤツプができるとか、電力をセーブせんがために薪炭の配給に力を入れるということは我々門外漢として、第三者として甚だ聞き辛い。だから薪炭の配給ということは勿論餘れば廻して頂くことは望むところでありますけれども、資材の少い日本においてはそう薪炭を電力會社はかりに廻す、瓦斯會社、電力會社のために緩和するということはなかなかむずかしいじやないか、これはお任せしますが、私の言うのはそういうことでなく、大きく狙つて欲しいということ、もう一つ我々心配しておりますのは、發送電は今尚關西の餘剩電力を關東に廻し、關東に餘剩がある時には關西に廻し得るようになつておるかどうか、それが一つと、もう一つこれまでの軍需工場が專用の發電所を持つておる、例えば富士川を基調とする日本輕金属の庵原の上にある大きな發電所、あれは直流でありますけれども、變えようによつては或いは我々の使用電力になるじやないか。こういうものがあつた場合も直ちに日本發送電はそれを配下に入れて、そうして一般の電力に廻し得るかどうか、關西、關東の有無相通ずる作用ができておるかどうか、又そういう工場は直ちに配下に置き得る用意があるかどうかであります。
 それから最後に聞く所によれば、時代の趨勢によつて日發なるものを解體して各地方の配電會社に發電所を配分して、昔の如く地方々々の單獨な會社にするやにも聞えるのですが、私はそれはまずいじやないかというような氣がするのですが、その點一つ詳細な御意見を伺いたい。
#43
○説明員(高井亮太郎君) 御説の通りで、非常に良い御注意のお言葉を伺いましたが、大變無理でありましてあの時も言つたのですが、この増資が率直に言つて簡單にできるとは言えません。從つて又金の方から言えば十月頃金が欲しいけれども、證券市場の模樣によつてはそれが適當な時期まで何とか善處して株主に迷惑をかけないように努力しますということを囘答申上げたのでありますが、餘り無理ならば何とかしなければならん。外資のことはまだはつきりちよつと……。
#44
○松嶋喜作君 それは大きな問題ですから……。
#45
○説明員(高井亮太郎君) 非常に良い御注意でありまして、但し増資の決議をして置きませんと動かない。増資の決議をやる以外に手がないところまで詰つておりますから、併し増資の決議をするということが又一つのまあ資産にやや近いものであるといたしますれば……。
#46
○委員長(佐々木良作君) 次に電力を融通する自家用の問題について簡單に一つ、次に日發解體論の問題が出ておりますから日發としての考え方を……、これは問題と思いますが、個人の考えでもいいですから……。
#47
○説明員(進藤武左衞門君) 今お尋ねの關東で關西に融通できるかどうか、これは融通できることになつております。現に今日あたりも送つております。それから冬關東が困る時は向うから來ることになつております。尚關西から九州まで今日は二萬キロ送つております。尚日本で初めての二十二萬ボルトの設備を考えまして建設中であります。そうすると中部の餘剩電力が中國、九州まで行きます。現在自家用火力の殘つておるのは住友の共同火力、それから古河の足尾銅山が約三萬キロ、日本輕金属が十萬キロばかりで、電力の統制の際、ああいう自家用まで全部入れようと思つたのですが、できなくてああいう大きな財閥だけたまたま殘つておつた。それで日本輕金属は前の東京電燈が建設した關係がありましたので十分に連絡ができて、向うの餘つたものは全部貰つております。
 それから外債問題について、これは私個人の意見ですが、お説の通りだと思います。これは將來の日本に残された大きな資源でありますから、これの開發にはやはり外資を導入し、更に進んでは向うの技術を導入しなければならん。これは私個人の意見として考えております。
 それから發送電解體問題でありますが、これは御承知の通り昨年電産爭議がありましたが、あの時は組合と私の方の意見は一社、つまり全國發送電一社にする、これは國営の形を取るかどうかということがありましたが、一社ということで一應進んでおります。今の發送電を解體するということは聞いておりません。聞いておりませんが、ただ私個人としましては發送電會社法という戰時中できました特別會社の形式がありますが、これは早晩廢止されなければならんと考えております。
 それから私も公共事業の性質として、これが折角こういうふうな方向に行く、殊にイギリスは御承知の通り電氣は國營になつた、又最近のアメリカの状態から見ましても株式會社の電力事業が州の經營に移りつつある。つまり公共事業として段々公共團體の方向に進みつつあるようでありますが、日本では殊に資材、資金の面で非常に大きく國から分けて貰わなければならん。事業がこま切りになつて果してうまく行くものであるかどうか、殊に電力不足の際に技術的にうまく行くであろうかということを考えまして、輕々に小さくすることはなかなか實際問題として結果がうまく行くかどうかということで、却つて別の方向に行くべきじやなかろうかと思います。これはまだ結論を得ておりません。發送電を解體するということは聞いておりません。
#48
○石川一衞君 いろいろ御兩所から細かいお話を承つたのでありますが、この問題は石炭と鐵と電力という國家の三大事業中ひとり電力が只今まで取殘された形があります。先ず以て我々委員は石炭、鐵、電力と同じ歩調で政府にやつて貰わなければ到底電力の開發はできない、こう思います。それに對しまして今後この委員會はその方面に向つて極力努力する、こういうことにお願いしたいと思います。
#49
○栗山良夫君 發送電とそれから全國の配電會社の代表で關東配電の責任者の方から、それぞれ事業者が持つておられる電力事業に對するいろいろの問題を細かく聞いたわけであります。この問題の質疑だけやりましてもなかなか盡きないことであります。又それに意見を述べることになれば尚更盡きないことであります。而もこういう問題はいろいろこういう固苦しい席上で述べ得ないようななかなかデリケートな問題も澤山包藏しておりますと思います。從いましてこれは議事の進行上の問題でありますが、本日は適當なところで區切つて頂きまして、そして二十七日の懇談會のときにいろいろな問題をお考え頂いて、そうして兩者で以て意見の交換をいたしたならば一番いいじやないかと考えます。
 それからもう一つ、この電力事業の問題を國會が取り上げてどうするとか、電氣事業者が取り上げてどうするとか、或いは商工省が取り上げてどうするとか、そういつたようなそれぞれの經威のあるものが抜け駈けの功名をやつて解決するような問題ではなくなつておると思います。すべてのものが固く手を取り、深い理解の上に、日本の重要な産業までのし上げて行く、こういう努力が一番大事な時じやないかと思います。そういう點で私共は及ばずながら今石川さんから仰つしやつたような工合に進めて行きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#50
○飯田精太郎君 私一點お伺いいたします。渇水期突破のためのいろいろのお話を伺つたのですが、一番大きな點は、電力の制限をやろう、去年も大分やられたが、この電力の制限が生産に非常に深刻に響いていると思う。その生産に響く數量、どのくらい生産が減つておるかというようなことは、何かお分りじやないのですか。
#51
○説明員(進藤武左衞門君) これは非常に想像が入つておるようですが、本年のこの間の冬の制限の影響については商工會議所が調べておりますが、ちよつと數字は記憶しておりません。
#52
○飯田精太郎君 大きな工業については、これは或る程度分つておるようですが、中小工業には相當ひどく響いておると思います。それらがどの程度であるかということは、若し數字的にお分りであつたら、一つお示しを願いたいと思います。はつきりしたことを皆な御存じなくして、びしびし制限を平氣でやつておられるように取れるのでずが、これが深刻に響くということが數字的に分れば、もつと火力用の石炭が取れると思います。制限するのはわけがないものだから、制限ばかりやつておつて、電力を殖やしてやろうというふうな力が、どうも商工省あたりでも力の入れ方が足らんように思います。
#53
○説明員(進藤武左衞門君) 去年あたりの實績を見ますと、石炭が豫定通り行きませんと、あつちこつちの産業を少しばかりたたき切つても何にもならん、だから一番大手筋の電力を切るというようにされた、併しその影響がどこへ行くかということは……。
#54
○委員長(佐々木良作君) 今の飯田委員の資料の問題は非常に重要な問題でありますと同時に、今直ぐ返答もできないと思いますから、できるだけ至急に、或いはできるだけの資料をお集め頂きまして、そうしてこつちへ頂ければ結構と思います。尚それに附加しまして、先程の高井さんの御説明の中にもいろいろな意味の數字關係の御説明が大分あつたと思います。例えば薪炭關係の問題であるとか、或いは現在の制限の大要だとか、そういう資料がありましたら、後程で結構ですからできるだけ資料を頂きたいと思います。
#55
○水橋藤作君 先だつて黒部川の水力を視察に行きましたが、或る一部の工事が八分通り仕上つていて、僅かなところで未完成になつている。キロは五千キロ、僅かのようでありますが、御存じの通り黒部は冬期になると、今やつている設備が全部駄目になるそうであります。來年になると、四月頃でなければ、雪があつて工事が始められない、而も八分通りできている、後僅かでできる施設が、雪で皆崩れてしまつて、全部駄目になるそうであります。ですから新たに小屋とかいろいろなものをこさえて土臺をこさえなければならん。十一月までにコンクリーが來さえすれば完成する、その準備が十分できているそうであります。もう僅かのところでできない。もう二分通りのコンクリーが足りないために、五千キロの電力を送ることができないのだ、而もそれが來年になると、四月にならなければ、工事が始められないし、今準備している仕事が全部雪で以て駄目になつてしまう。新たに小屋なんか作らなければならん。私共は現場を見て來たのですが、これに對して、今日の新聞にも出ておりまするが、未完成の水力等には相當強力に今年中に實行するようにするということが、今日の新聞に出ておりますが、黒部はその中に入つておりますか、どうですか。
#56
○説明員(進藤武左衞門君) 黒部は入つております。實はセメントを査定で大分押えられた。その點で今セメントを盛に頼んでおります。セメントが手に入ればできます。外にも利根川の奥にもやつております。セメントを確保すればできます。
#57
○水橋藤作君 これは非常に要望されまして、私も畫力しようということを約束して來たのであります。後二割のところですから、一ふんばりふんばつて貰いたいということを頼まれましたから、是非一つお願いいたします。
#58
○飯田精太郎君 先程のお話の中に、どうも電力の料金が適正でないというようなお話があつたのですが、これはいろいろ賃金の問題その他が響いて來ると思います。政府では今の新物價體系はあれで適正だというふうに言うているようでありますけれども、適正でないという基礎は……。
#59
○説明員(高井亮太郎君) さつき申上げたことが適正でないという響きがありましたようですが、そこまで言つたつもりはないのでありまして、この四月に査定された料金が、この間、石炭費その他物件費の上昇で三割何分あがりました。それは一應今までの經理のやり方におきまするものに對應した解決にはなつております。それでただ、今までの電氣事業の經營面の立て方というものは、どちらかというと、非常に堅實主義といいますか、保守主義といいますか、になつているから、我々としても尚積極的にものをやるのに考えなければならんし、そういう場合には又當局の御考慮も得たい、こういうわけでありまして、只今の點は、料金は不適正なりというところまで申上げたつもりはないのであります。それは一應我々の出した數字が物價廳で相當檢討されて、その上でその節關係等もこれに對して非常な削減を加えるということはなしに、よく理解せられて一應できたものであります。ただその建前それ自身が、電氣事業というのは、どちらかというと、非常に固くやつておりますから、もう少し積極的に動けるような方向へ考えればいいのではないかという意味のことでありますから、少し言い方がまずかつたと思います。
#60
○飯田精太郎君 先だつて中部に行きましたときにも、これはむしろ勞働組合の方からそういうような意味が出たのです。で、ただ忙がしいものですから數字的には細かく聽く暇もなかつたので、そのままで歸つたのです。何かそういうようなものの不合理な扱い方があるんじやないかと思うのです。
#61
○説明員(進藤武左衞門君) 御承知のように固定資産が非常に小さいのです。今度又修理してやろうとすると一萬圓から一萬五千圓かかるから、今までの償却金ではどうしようもない。そういう點でこれから先經營できるかどうかということになります。
#62
○委員長(佐々木良作君) 料金の問題もまだいろいろあつて、これからやるのは……。
#63
○飯田精太郎君 懇談のときにもう少し突込んだ意見を承りたいと思います。
#64
○委員長(佐々木良作君) それでは今日はまだいろいろな御質問その他もあると思いますけれども、時間も迫つておりますし、先程栗山委員のお話もありましたので、一應委員會は閉會をいたしまして、殘つた問題があれば、別個に資料を要求するなり、或いはこの二十七日の懇談會で改めて又資料の提出方を願うなり、更に又改めての懇談の機會或いは話を聽く機會を作るなりすることにいたしまして、今日は一應閉會いたしたいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(佐々木良作君) では閉會いたします。
   午後四時三十二分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事
           石川 一衞君
           飯田精太郎君
   委員
           水橋 藤作君
           加藤常太郎君
           西川 昌夫君
           松嶋 喜作君
           木檜三四郎君
           赤澤 與仁君
           大山  安君
           岡本 愛祐君
           宿谷 榮一君
           栗山 良夫君
  説明員
   日本發送電株
  式會社哉總裁  進藤武左衞門君
   関東發電株式
   會社社長    高井亮太郎君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト