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1947/08/29 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第4号
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1947/08/29 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第4号

#1
第001回国会 電気委員会 第4号
  付託事件
○日本發送電株式會社水力發電工事に
 關する請願(第百十號)
○實地調査班の報告
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十九日(金曜日)
   午前十一時三十二分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○實地調査班の報告
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木良作君) それでは委員會を開會いたします。先だつて二十五日の委員會におきまして御承認を得ました豫定に從いまして、今日の委員會は、本委員會に付託されておる電力復興と、それから電源開發に關する調査の一環としてなされた先だつての黒部方面、それから御獄方面、それから九州、大阪を中心とする火力關係の現地視察の御報告を順次お願いしたいと思います。都合によりましてどの班からでも結構ですが、いかがいたしましようか、御獄からでもやつて頂きましようか、黒部からでもやつて頂きますか。
#3
○原口忠次郎君 ちよつと私用事がございますから、先にやらせて頂きます。
#4
○委員長(佐々木良作君) それでは原口委員から黒部方面關係と言いますか、むしろ北陸を中心としての、黒部を中心の北陸關係の現地視察の報告をお願いいたします。
#5
○原口忠次郎君 それでは調査報告を申上げます。お手許に調査報告書を差上げてございます。簡單にいたしますために條文は讀んで頂くことにいたします。
 それで十二日の夜上野を立ちまして、十三日の朝八時富山に著きました。著きましたところが縣廳から直ぐ來てくれという話がありまして、縣廳からどういうわけかさつぱり分らなかつたのですけれども、知事や縣會議長が全部待つているからというので、それから參りました。そういたしましたところが縣廳へ行つて話を聞きますと、富山縣の縣内の水利利用料の値上問題を盛んに言われました。これは後で申上げますけれども、現在の一圓を大體五倍程度の五圓に引上げて貰いたいということが富山縣の言い分でございました。それからその日すぐ黒薙第二水力發電所建設所に參りまして、そうしてずつと現場を見まして、ここに所見と書いて、黒薙第二水力發電所のことがいろいろ書いてございますが、これは戰爭中に中心になつた部分でありまして、それで工事の、全體の工事の八割ができておつたけれども中止になつた、後二割を繼續、本年四月から繼續しております。併し八割できておつて、殆ど後二割位な建設工事だけれども、非常に困難だ、それでこれは五千キロ、常時五千キロ、最大七千キロ餘りの發電工事らしい、是非これを會社ではやりたいという話でした。而もこれが現地の關係上十一月までに進行しないと來年に持越されると、冬を越しますので、來年は更に新規事業となつて眞に工事に困難を來す、だから何でも彼でも今年中にやりたい、こういう希望でした、併しここへ書いてございまするように、いろいろな工事用資材が非常に不足しておる、それでなかなか困難だと思いますけれども、私共もこの發電、これはもう既に大部分でき上つておりまして、後僅かでございますので、是非本年中に進行して貰いたい、こういう希望でございます。それからの晩宇奈日へ一泊いたしまして、そうして翌る日十四日には第三發電所、それから第二發電所を見まして、そうして魚津を午後の八時五十三分の汽車で立つて歸つて來たわけであります。大體以上のような状況でございますが、私共が特に感じた點を二三申上げます。
 それは建設だけじやなくて、營業するために必要な資材が非常に不足しておる。例えば水車に必要な潤滑油、或いは發電機に必要な潤滑油、こういう潤滑油が非常に缺乏しておる。後僅かに會社の話によりますと七ヶ月くらいしか潤滑油の手持ちはない、而も割當は非常に少ない、どうしてもこの發電をうまくやるためには何をさて置いても會社としては潤滑油の入手ということに非常に努力をしておる、こういう話です。建設セメントも黒薙の第二發電所で見たのでありますが、殆ど入つておりません。セメント樽二本に入つているものを私見たのですが、セメントじやなくてどうも石灰じやないかと思われるようなものが入つておつた状態です。全體では千三百トンくらい要るらしいのですけれでも、六百トンくらいあれば工事か大體できるくらいにできるのだが、その六百トンがなかなか入らない、こういう状態であります。
 それからこの黒部川の特殊性を簡單に申上げますと、この附近が私感じました所は非常にこの水力發電に惠まれた地點で勾配が急なことと雨量が多い、それから關東と關西に殊ど等距離近くにあつてそうして五十サイクル六十サイクルに切替えが非常に便利だ。五十サイクルから六十サイクルに切替え、或いは六十サイクルを五十サイクルに切替えるのは僅か三四十分間で切替えるのが可能である。こういうふうな説明を聽きました。こういうふうな點からこの黒部川沿線を將來も若し事情が許すならば開發したら非常に日本の再建に役立つのじやないか、こういう感じがいたしました。ただ非常に場所が困難である。殆ど道路がない。工事の運搬用の電車しかない。而も冬季になりますと、何丈という雪が積りまして、それから發電に從事している人たちは半年間山奥へ冬籠りをする。そうして病氣などになると非常に困るという状態を聽きました。こういう所はできるだけそういう勤勞者の設備をうまくして、そうして非常に惠まれた地點でございますのでここで集中的な開發をして貰いたいというふうに感じました。簡單でございますけれども以上を以て私の視察報告といたします。
#6
○委員長(佐々木良作君) 今原口さんからの報告にありましたこの資料の最後に附いております、資料一部よりなきため委員長の手許において存置せられたし、と書いてありますが、その資料として日發の北陸支店の二十一年度の上期下期の事業報告書一通と、それから北陸管内の水力地點の一覽圖、その他資料その一、その二、その三、その四という恰好に先程の潤滑油の關係やら、或いは會社の設立以來今までの一般の状況やら、それから黒薙の第二の工事の一覽圖やらその他數件があります。これは資料を一括して少し整理した上で皆さんの御參考に供したいと思いますが、生のままでもいつでも御覽になりたい方がありましたら、私の手許に一應揃えておきますから御覽願いたいと思います。それでは次の方を御報告願います。御獄方面の……。
#7
○飯田精太郎君 御獄方面に參りました御報告をいたしたいと思います。御獄班は石川さん、大山さん、加賀さん、赤澤さん、私の五人が參りました。會社の方から平井さんが同行されて、八月の十三日に中央線で木曾福島に參り、その晩は木曾福島に泊り、翌日バスで出發しまして、途中常盤水力を見て、それから御獄水力の復興工事ですが、工事中の状況を一覽しました。それから森林軌道に乘りまして、田島を經て三浦の貯水池まで參つたのであります。丁度貯水池に著きましたのが十五時三十分、一時間ばかり貯方池を見て又同じ道を引返して、夕方福島に到著しまして、その晩は再び福島に泊つたのであります。十五日朝早く六時六分の福島發で名古屋に向つて、名古屋の大曾根に九時半頃著きました。そこで中部配電の會社に參りまして、配電事情を聽取してその日の午後今渡水力發電所、木曾川の一番下流にある發電所を見に參りました。その晩は又名古屋に歸つて一泊したのであります。十六日の午前中名港火力發電所を視察して午後の十三時二十四分の急行列車で名古屋を出發して歸つたのでございます。
 この木曾川の水系は御承知のように一番上流に三浦の大きな貯水池がありまして、それからの水系に現在開發されております發電所が約十四、それから工事中のものが二ヶ所、それからまだ末開發で計畫中のものが三ヶ所、合計十九ということになつております。それでこの水系の開發はまあ一水系を開發するのに大體理想的と言われるように、無駄の少いように開發ができておるように思つたのであります。これは元大同電力が一手で纒めてやつておりました關係で、その後昭和十四年に今の日發ができまして、やはりその大同で計畫しておつたのを引繼いで、幾らか改良されつつ開發を續けられた、非常に纒まりよく開發されておるように見て參りました。それで三浦の貯水池と申しますのは、海拔千三百二メートルばかりの高いとこでありまして、一番下にあります先程申しました今渡發電所というのが五十八メートルばかりありますので、その間の落差が約千二百四十三、八メートル、この落差を利用して、先程申しました十九の發電所ができております。この三浦の貯水池というのは、人工貯水池では我が國で一番大きな貯水池でありまして、昭和十年に著工して十八年に竣工しております。非常に長い年月をかけております。これができまして、そのために下流の既設の發電所が相當出力も増しますし、有效に使われるようになつたのでありまして、會社の説を聽きますと、大體十八年度には一億五千六百萬キロワツト、十九年度には一億三千六百萬キロワツト、二十年度には六千萬キロワツト、それから二十一年度に一億三千六百萬キロワツトばかり、可なり有效に發電したということで、合計しますと五億一千六百萬キロワツトばかり、まあ一キロワツトを一キロの石炭に換算しますと、五十萬トンばかり範約されたということになるので、可なり有效に働いておると思うのであります。それでこの三浦の貯水池を運營しますのに、大體各三月までにこれをすつかり使い盡しまして、そうしてその後段々それを降水時に滿水させて、そうして夏の八九月の渇水のときに會社としては約半分くらい使う。それからその後又水を貯めて、そうして冬の渇水時にできるだけこれを活用して渇水の對策にしておるということであります。この木曾川の支流に飛騨川という川があるのでありますが、この飛騨川の上流にも朝日貯水池という貯水池を造つたらというので計畫中のような話を聞きました。この二つができますと、この木曾川水系というものは、三浦の貯水池と朝日の貯水池から渇水期には十分水を流すことができるようになりまして、下流の發電所が有效に使えるようになると思うのであります。今後外の水系でも、大體こういうような形にできれば理想的ではないかと思います。
 それから先程申しました御嶽の發電所は、丁度戰爭中に工事をされたものでありまして、發電所の要領は、最初の計畫は六萬六千キロ發電するつもりで計畫されたのでありますが、戰爭中できるだけまあ早くやらうというので縮小されて、四萬四千キロ、二萬二千キロと二臺造るということに計畫を變更されて、十七年の七月に著手して、一臺だけは二十年六月に送電を開始したのであります。ところが戰爭中無理をして使つたために故障が續出して、間もなくその補修のために一時運轉を中止しておつたのであります。その作業中に、二十年の七月ですか、の豪雨で建物のすぐ裏の切取りの土砂が崩れて、それか發電所の中に流れて、發電所の建物も、戰時中でありますので、骨組だけは鐵筋コンクリートでできておりますが、後は板張りになつておつたために、土砂が中へ流れ込んで、發電機、水車、全部土砂で埋まつたそうであります。工事中、同じ年の十月の九日に又大洪水があつた。それでトンネルがすつかり壞れてしまつて、土砂で埋まり、又崩れたり何かして、殆ど使えなくなつてしまつた。それを大急ぎで又修理をしましてやつておるのでありますが、本流の水の隧道がなかなか被害がひどくて急に直らんので、西野川という方の隧道だけ急いで復舊して、取敢えず一萬二千八百キロだけ二十一年の二月から發電をしておつのでありますが、これも灌漑用水とかなんとかの關係で、結局四月頃に又運轉休止をして、それから引續き壞れた所の補修ばかりをやつておるのだそうであります。漸く十月の二十五日頃に西野川の方の補修だけできて再發電して、今年の七月二十日までやつたのでありますが、又いろいろな事情で、工事の關係や何かで今發電を休止して修繕をしております。同時に二臺目の増設工事を今やつております。先程黒部の方でお話のありましたように、いろいろ資材が不足するために、なかなか工事が思うように進まない。そこへ第二・四半期にセメントを削減されたので、その方の工事は殆ど今中止をしておるような状態でありまして、二番目の鐵管の工事だけをやつております。それでやはり工事の方に必要ないろいろな資材だとか、殊に食糧が非常に窮屈で、なかなか思うように、働けない、何とか食糧をもう少し正確に配給して貰えないかということを強く要請しておられました。
 御嶽の發電所はそのくらいにしておきまして、一番下流にあります今渡の發電所というのは、先程申しました飛騨川と木曾川とが合流したところのすぐ下にできておりまして、御承知のように木曾川と飛騨川の途中にダム式の發電所が大分あります。自然その發電所で使う水の量が、電氣の使用量によつて時間的に非常な變動がある。澤山水が流れたい、又水がずつと少くなつたり、川の水の流れが多くなつたり少くなつたり、非常な變動を起すわけであります。そのまま下流に流れて行きますというと、灌漑用方の取入れだとか、或いは今渡から下の方には船も大分通つております。それらにいろいろ惡い影響があるので、どうしてもここで自然の流れのような状態に戻す必要があるというので、この今渡というところに、大きなダムを作つて、上の方から時間的に變動をして流れて來る水を一時そこに溜めまして、それから下に大體自然の流れに近いような、できるだけ變動の少いように流してやろうというために、大きなダムができておる。そのダムを又利用して、二萬キロばかりの發電所がそこにできておりまして、それは逆調整と言つておりますが、そのために非常な金を使つて、立派なダムと發電所を作つて調整しております。ダム式の發電所の下流には是非こういうものが必要だろうと思います。
 それからその翌日に參りました名港火力發電所、これは賠償に指定されておりまして、あの邊では一番新らしく、それから又日本でも優秀な火力發電所の一つであります。丁度行きましたときは停つて使つておりませんでした。ただ賠償に指定されて、いつ撤去されるか分らんというようなことで、だいぶ從業員の方が心配しておりました。それと、日本の電力の不足の際に、こういう能率のいい優秀な設備の發電所は、なんとかして殘して貰いたいという、公私兩方面からの意味で陳情を受けて歸つたのであります。
 それから中部配電で、いろいろ配電の事情を聽きましたうちに、氣のついたことを二三申上げてみます。先だつてもこの委員會で問題になりました電氣の地方税のことを、こういう大衆課税は撤廢して貰えまいか、電柱税だけでも八月中に一千萬圓ばかりかかつておるというような話がありました。
 それから特に會社として困つておることは、金融が非常に行き詰つておる。これをなんとか打開して貰わんと、仕事がやれなくなりそうだ。それから資材が非常に手に入りにくい。殊に地下足袋だとか軍手、衣料、自轉車などが不足して困つておる。食糧の不足にやはり困つておる。それから電熱器の盗用が非常にあつて、冬の渇水對策として、なんとかこれを防止したいというので、電熱器のことについてはいろいろ研究しておられるようでありました。今、週に三囘工場方面の消費規正をやつておるということであります。
 それから勞働組合からいろいろ陳情的な話を聽きました。賃金の値上をもう少しして貰いたい。結局、最近新物價體系で決まつた電氣料金が、どうも少し安過ぎる。なんとかならないかというようなことがありました。細かいことはいろいろまだありますが、大體この程度で御報告を終ります。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(佐々木良作君) 報告がまだ一件殘つておりまして、途中ですが、今經濟安定本部の岡部動力局長から、發言を求められております。それは、先だつて衆議院の電氣委員會においての質疑應答のうちで、なにか新聞面に誤解されて報道されておつた記事があるということで、今申上げましたように、安定本部の岡部動力局長から發言を求められておりますから、許可いたします。
#9
○政府委員(岡部邦生君) 先般衆議院の電氣員會で、配電事業の民主化についてどう考えるかという質問がございました。事業の性質上これは獨占的なものであるからこの民主化につきましてはできるだけ民主化をやるように現在研究しておりますという趣旨の答辯を申上げたのでありますが、それがたまたま私の言い方も惡かつたのでございましようが、誤解されまして、近く日發が閉鎖機關に指定されるというように一部で誤傳されております。併しながらこれは絶對にそういうことを政府で考えておるのでございませんので、この事業の性質上、これは獨占的なものを民主化するという趣旨でございますので御了承願いたいと思います。
#10
○原口忠次郎君 ちよつと御質問申上げてよろしうございますか。日發は獨占企業整備法か何かとの關係は何もございませんのでしようか。
#11
○政府委員(岡部邦生君) まだ全然決定してはございません。
#12
○委員長(佐々木良作君) 繼續してよろしうございますか。それでは九州方面の御報告を願います。
#13
○栗山良夫君 それでは僭越でございますが、九州班を代表いたしまして私から視察の結果の概要を御報告申上げたいと思います。私共は今度視察の對象といたしました各火力發電所におきまして、それぞれの立場から復興對策竝に當面なされつつあるところの非常な努力及び國會への要望事項を具さに伺いましたが、ただ單にこれだけではなく、更に大阪、中國、九州の各地區全般の事業運營に關する諸般の問題につきまして、各關係者即ち經營者、勞働組合竝に地方の行政廳の係官の方より詳細且つ熱心な状況報告竝に具申を受けることができました。特に火力發電所につきましては技術的な問題に立ち至りまして、深く掘り下げた説明を伺い、且つ詳細な資料も用意願つたわけであります。今日は時間の關係もありますので、各點を綜合いたしまして順を遂うて要點を御報告したいと思います。詳細な個々の點につきましては御質問の折、又は今後の電力問題の調査研究の發展の過程において申上げたいと、こう存ずるのであります。又私の報告の中で十分意を盡さないような點、又は報告の内容に脱落がございましたならば、岡本竝に西川兩委員より適宜御附言御補足を頂きたいとこう思うのであります。
 最初に日程竝に派遣者の點を申上げます。九洲班といたしましては岡本西川兩委員と私と三名、それに事務局からは上田君、更に日本發送電よりは賠償部の技術課長の寺田重三郎君が參加せられまして都合五名でございます。最初の豫定では八月の十五日に東京を立ちまして、二十三日の歸郷の豫定を以ちまして、九州大牟田市にありまする港火力發電所竝に大阪にありまする尼崎火力發電所の復興状況を視察する、こういうことが主目的でございましたけれども、その後状況を調べて見まして、北九州で今只最も困難な條件の下に火力發電に從事し、重要な役割を果しております戸畑、小倉の發電所竝に大阪、九州の丁度中間に所在いたしまして、本州の水力電氣の九州への融通上極めて重要なる役割を果しておる中國地方の視察を除外視しては、今度の視察の効果を半減するのではないかという見地からいたしまして、日數はそのままといたしましたが、旅程を變更いたしまして、都合火力發電所といたしましては八ヶ所を視察することにいたしたのであります。その視察いたしました個所は、お手許に御配布いたしました視察火力發電所一覧表に極く概略的な要點を摘記いたしまして記述いたしておきましたので御覧を頂きたいと思います。
 この九州班の視察の目的についてちよつと申上げたいと思うのでありますが、一般的の目的は第一班、第二班と同じように院議で承認せられた通りであります。ただ九州班として特別な任務があつたように思いました。而もその任務は、今後西日本の電力問題の調査竝に對策の樹立上、この點明かにしておくことが極めて便利であろうと考えまして、一言附加えるわけであります。その第一は、九州、中國地區の特異性であります。本州の電源が水主火從で、水力を常時、火力を補給用としておるのに反しまして、九州におきましては火主水從でございます。九州の電力對策は火力發電で度外視しては、その解決策は考えられないということであります。特に日本の火力發電所が一般的に同一條件にありますけれども、分けても年間運轉に終始いたしておる中國以西に火力發電設備は、長年の酷使によりまして、又最近の石炭の質竝に量の低下によりまして、その發電量が極めて低下しておること。その第二は大阪地區の特異性でございます。大阪は西日本の六十サイクル系の負荷の中心點でございまして、且つ六十サイクル系は、關東の五十サイクル系と違いまして、水主火從ではございますけれども、貯水地によつて發電力調整の能力が低いのでございます。補給用とは申しながら、火力設備の運營は九州以上に重要なのであります。ところがその主力である尼ヶ崎第一及び第二發電所が戰災によりまして、相當大きな被害を受けております。この兩發電所の復興が、關西六十サイクル系の電力の安定の鍵を握つておるということがいえると思う。以上の二點を現地視察によりましてその實情を詳かにし、問題解決の足掛りを掴むのが、この視察の要點ではなかつたかと、こう考えるのであります。
 次に電力の需要と發電力の關係でございますが、正確な數字とは申せませんが、極く大ざつばに申しまして、電力の需要は九州において五十萬キロ、中國において三十萬キロワツト、關西において九十萬キロワツトというところでございまして、これに應ずる發電力は、水力及び火力を動員いたしましても、需要電力にマツチしないというのが現状でございます。と申しますことは、水力發電は御承知の通りに河川流量によりまして制約されております。火力設備の損耗、戰災の被害、炭質の低下等によりまして、著しく發電力が低下しておるためであります。今度視察いたしました火力發電所における設備、認可出力、竝に現在までの出力の點は、只今お配りいたしました表の中にも掲げておきましたが、これだけでなくつて、西日本全體の出量を勘案いたしましても、九州におきましては主要火力發電所七ヶ所の合計許可出力は、四十八萬五千キロワツトに及ぶのでありますが、現在の可能出力は、僅かに十四萬二千キロワツトであります。只今急速に復舊中のものを見込みましても、今年の冬でやつと二十四萬六千キロワツトまでに囘復しただけだそうでございます。中國におきましても合計許可出力は二十六萬四千キロワツトに對しまして、可能出力はざつと三分の一、約十萬キロに過ぎないのであります。大阪の尼崎第一及び第二發電所の双方では實に六十一萬八千キロワツトの厖大な許可出力を持つておるのに對しまして、只今のところでは八萬キロワツトより出ない。今年の冬でもやつと二十七萬キロワツトにまでしか囘復しない、こういう状況にあることを報告を受れて來たのであります。從いまして石炭を現可能發電力一ぱいに入手するといたしましても、使用電力には遠く及ばないのであります。勿論今後の渇水の程度、火力設備の復舊状況、石炭の質量の確保と、重大な關係がありますけれども、今冬において相當嚴しい電力の制限は不可避的であろうと豫想せられるのであります。特に九州におきましては、丁度私共が參りましたときには一般電燈は午後七時から午後十時まで一燈點火の強度節電が行われておりました。これは今冬の渇水對策といたしまして相當思い切つた火力の補修工事をやるたるに火力設備の一部を運轉休止しておつたことと、全國的な夏の渇水のたるに水力發電能力が低下して來た理由によるものでありまして、八月十六日の如きは所有電力五十萬キロに對しまして、約三十二萬キロに下つておりました。九州は御承知の通りに石炭の全國生産量の五十四%、化學肥料は二十%、セメント工業は二十三%等、重要物資の生産のために電力制限の不可能な電力が大幅にありまして、このために總體の三十%弱に過ぎない一般家庭用及び小口電力に對して大幅の制限が實施されておるのも止むお得ない實状にあるやに聞きました。中國地方もほぼ同樣の状況でありまして、要するに西日本におきましては、力復興の問題はいろいろありましようが、先ず第一に火力發電所を急速に復舊いたしまして、許可出力にできるだけ近く發電可能出力を上げまして、これに石炭を集中いたしまして發電力を確保するという緊急措置を講ずることが焦眉の急であろうとこういう工合に考えたのであります。
 ところで私共が視察いたしました八ヶ所の火力發電所は九地區で、港、小倉、大門、戸畑發電所、中國地面におきまして坂發電所、大阪地區では尼崎第一、第二發電所でございますが、これ等の復興の要點にはそれぞれ特徴がございますが、これを極く大別いたしまして摘記いたしますと、大體五つの點に分類できるのじやないかと思うのであります。發電所自體の復舊の状況につきましては、一覧表の一番下の備考欄のところに、只今なされつつある大きな程度の状況を掲げておきました。先ずその第一發電所のボイラーの復興であります。ボイラーは適正炭を以ちまして余程綿密な年々の補修をやりましても、若し年間運轉をやるならばその壽命は十年を出ないという言われておるのです。然るに九州、中國方面の發電はボイラーをベストコンデイシヨンに置くような嚴正な補修を加えず、いわゆる玉碎主業を以ちまして倒れるまで使用するというような戰爭中の運轉方針が設備を極端な惡い條件にまで損傷せしめておりまして、非常に只今不安定な運轉をやつておる實情であります。私共が視察いたしました中でも、港第一發電所、戸畑發電所、大門發電所、坂發電所等は全部これに屬するのでありまして、ボイラーのチユーブの取替等徹底的な修理が必要であり、現在計畫的に實行をされております。この表で發電可能出力が現在と二十二年の、今年の冬との間に相當な差がございます。今年の冬は電力が殖えるようになつておりますのは、こういつた、今なされつつある大きな修理工事の完成を見越してのことであります。
 その次に第二は適正炭の配給竝びに所有量の確保という問題であろうと思います。發電所を最も能率よく運轉するには申すまでもなく、その發電所の特質に適合した、いわゆる設計炭を使用いたしまして、炭質においても、カロリーにおいても、完全を期することが建前であります。若し粗惡炭で運轉いたしまするならば、發電力は著しく減小するのでありまして、尼崎發電所の資料によりますると、六千カロリーの適性炭として使用せられた發電所は、若し五千カロリーの石炭を受けるならば、そのボイラー容量は半減すると、こういう工合に聞いたのであります。私共が視察いたしました發電所の中における、適正炭と現在配炭されておる炭とのカロリーの表をやはりその一覧表に掲げて置きました。只今設計炭の通り納炭されておりまするのは小倉、それから九州の大牟田の港第一、大體これだけでございます。即ち戸畑は五千五百カロリーに對しまして四千四百カロリー、坂は六千五百カロリーに對しまして四千八百カロリー、尼崎は六千五百カロリーに對しまして五千カロリーといつた工合でございます。どの發電所でも異口同音に、若し適正炭が入手できるならば、現在のごとく緊急修理を行わなくとも、何とかして修理を行なつたと同程度の發電力を維持することができる。こういう工合に炭を強質の改善を要望せられ、且その実情を強く私共に訴えられたのであります。又石炭の納炭の状況でございますが、本年春以來、火力發電所向けの石炭は若干好轉をいたしておりまして、九州中國方面はほぼ割當量の九十パーセントぐらいのところまで行つておるようであります。併し關西の補給用の炭は極めて貧弱でありまして、今冬までの見通しを取りましても、割當量の約半分ぐらい、こいうことでございます。そうして而もカロリーが六千五百カロリーを要求するのに五千と、こういうことでございまして、その能率の半減することを考えますと、日發近畿支店の支店長の話によりますと、現在の状態で行けば恐らく割當量に對して實際の炭の納炭量、これら還元いたしまするならば三分の一ぐらいになるであろう。從いまして發電力もそこまで低下すると、こういうことをいわれたのであります。カロリーの向上を圖りますと共に、發電所の要求する所要量の充足をするということが最も緊急な問題であろうかと思います。
 第三番目は戰災發電所の復興の問題でございます。大阪の尼崎發電所は御承知のように、その第一發電所、第二發電所を合しまして、總出力は六十一萬八千キロワツト、東洋第一の近代式發電所でございましたが、戰災のために第一發電所は出力が三分の一、第二發電所はその全部の機能を失つたのであります。目下非常な努力を以て復舊工事が進められておりまするが、第一發電所におきましては、只今やつと八萬キロワツトを發電しております。今年の冬は二十萬キロという状態であります。それから第二發電所は今年の冬に七萬キロ、明年の冬に十四萬キロ、明後年の冬に二十萬キロまで復舊するという計畫の下に進めております。併しながら資材、勞務者等の關係は非常に困難でありまして、この計畫通りに果して進行し得るや否や非常な努力を要するということを心配しておられましたが、この復興計畫につきましては確實に實行できるような手を考えなければならないと考えて參りました。
 次に第四の問題は、九州、中國、大阪地區を通じて勞働者の愬える意見でありますが、勞働問題について一言申述べたいと思います。電氣勞働者の全般的な問題は別に述べるといたしまして、火力發氣所關係に重點を置いて進めます。火力勤務の勞働者は運轉中又補修中を問わず二十四時間連續運轉の性質上、又高熱且つ塵埃に滿ちた極めて不潔な場所で勤務をするのであります。石炭、鐵鋼關係の勞働者と何ら遜色のない重且つ惡勞働條件の下に置かれているのであります。今日までこれを遇する途は非常に薄かつたのであります。この物的な諸惡條件が勞働者の奮起にも拘わらずその能率を擧げ得なかつた重大なる障害となつておつたと思うのであります。先ず主食の問題でございますが、電氣勞働者はすべて一合の加配を受けておつたのであります。併し火力發電所のような重勞働をやるところではこれでは到底勞働に耐えないのでありまして、石炭と同樣に特別加配を要求しておりましたが、やつと九州及び山口地區に限り本年七月から十月までの暫定措置として二合の中央直配が許されてほつとしておりました。併しながら同じ中國方面におきましてもその主力發電所でありますに拘わらず私共の視察いたしました坂發電所はその所在地が廣島縣にあるという理由だけで、現在二合配給がなく一合据置になつておりますので、この坂發電所の從業員は非常な不滿を藏しておりました。このことは日本の全火力發電所に關係のあることでありまして、來る十一月よりの新年度では根本的に加配米の問題が修正せられるやに聽いております。なんとかして火力發電所の勞働者の主食加配米の問題はこの機會に解決をして頂きたいという要望を強くされております。
 次に住居の問題でありますが、港發電所及び尼崎發電所は人員の不足を補充するにも、又疎開者を勤務地に定著させるにも住宅問題で非常に苦しんでおりました。發電所のごとく二十四時間勞務者を足止めしておかなければならないような勞働を要求するところでは、この勞働者の住宅問題は最も優先的に解決せねばならない問題であろうと思います。又電氣勞働者に對する作業衣の配給も極めた惡いのでありますが、火力發電所における作業衣の消耗は相當激しいのであります。これの確保ができるかできないかということは直ちに勤勞意欲の問題にも大きな繋がりをもつておる一つであります。とにかく重要産業として國家的見地に立つてこの第一級の重勞働者として火力發電所勞働者の優遇の途を至急に講ぜられるべきではないかと痛切に認識をいたしたわけであります。九州で伺つた話でありますが、今春食糧が窮迫して火力の運轉に支障を來たしたときに、九州電産の勞働者はその不足の食糧の中から一握り獻納運動をやりまして、火力發電所勤務員を助けた實例を説明しまして、九州電産の勞働者は意識的に勤勞意欲が低下しているのではないかという一般的な風評があるそうであります。それに對してその認識の不足を愬えて嘆いておりました。我々は却つてその眞面目な態度に心を打たれた次第であります。又大牟田では石炭企業家からも電氣勞働者は少くとも石炭と同樣にみてやるべきではないか、かような意見も述べられたのであります。
 第五といたしまして資材の問題でございます。火力發電所の修理には極めて多種多樣の重要な物資を必要としておりますが、これがなかなか思うように配給されない。又配給切符は得られても現物化に煩瑣な手續と多くの日時を要するのが現状であるようであります。幸い各發電所共非常な努力を以ちまして、この重要資材の手當は一應目鼻が附いておるやに聞いておりましたが、併し全部を完了いたしますためには量は少くても非常に要重な物資であるというので間に合わないものが相當あるようであります。ここで一々その名前、數量の列擧は止めますが、多數種類の中には充足しなければならないということの報告を受けました。特に私共が關心を以ちましたことは、先程第一班、第二班の視察報告の中にもございましたが、この發電所の運轉にはどうしてもなくてはならないところの機械油、或いは電發絶縁物、こういうものがどの發電所も非常に缺乏しておりました。もう一歩進むならば恐らくこの油の面から運轉ができなくなるのではないかという状態に入つております。油は勿論國内では賄われない性質なものでありますが、なんとかして聯合軍にでも愬えまして輸入の途を講じなければならない重要な問題であろうかと、こう考えるのであります。
 次に九州、中國を通じての電力の安定方策について私共の聞きましたこと竝びにこれに對する私共としての意見を申上げたいと思います。今まで申上げたことで極く概略ではありましたが、一應各火力設備の復舊の状況と申しますか、復舊過程にある要點について、且つその資料について報告をいたしましたが、九州及び中國方面の電力安定の方策として取り上げるべき重大な點が二三あるように伺いました。その第一は九州は現在日發の火力發電所の外に自家用發電と申しまして、石炭その他の各企業家で所有しておられる火力發電所が約二萬キロあるそうであります。そうしてこの發電所は石炭さえあれば、そうしてその運轉をする時の經費負擔の問題だけが解決するならば何らの修理を要することなく直ちに發電し得るものだそうであります。すでにいろいろ手は打たれておるようでございますが、根本的な運轉に至るまでの問題の解決がつかないために運轉に入つていないようであります。至急に手を打つべきではないかと思います。第二といたしましては、火力發電所は完全補修を續けなければ今日のようなこの憐れな状態に發電力が低下することは當然でありまして、完全補修をどうしてもやらなければならない。そうして完全補修をやるためには發電所を全部停電して根本的な處置をしなければならないのであります。然るに現状におきましてはどの發電所も年間運轉をやつておりまして、到底全停電をやつて修理をするというようなことは思いもよらないことなのであります。從つて少くとも豐水期におきまして本州の豐かな水力電氣を九州まで延長いたしまして、中國及び九州地方の火力の補修と電力の安定を期するために、緊急に大送電幹線を大阪より延長すべきである。このことはすでに日發においても計畫中と聞いておりますが、一刻も早く實現されることを希望するのであります。又これと竝行いたしまして、九州は五十サイクル系の電力と六十サイクル系の電力とがほぼ半半になつておるのであります。このことが九州全體の電力の能率的運用上非常な障害になつておるようであります。サイクルの九州における統一も是非斷行しなければならん一つであろうと思うのであります。
 その次に大阪、中國及び九州方面の電氣事業全般の問題につきましては、それぞれの地區の代表の方から伺いました。例えば金融難打開の問題、資材確保の問題、電源開發の問題、特に戰時中著手いたしまして未竣工の發電所の完成促進の問題、或いは電氣勞働者の勞賃及び厚生關係改善安定の問題、電力制限竝びに電氣盗電防止の問題等に關しまして、熱心なる而も建設的な御意見を伺つたわけでありますけれども、これらの問題はただ單に大阪以西の電氣事業の問題ではないのでありまして、すでに電氣事業者との懇談會の席上でも、實状が報告せられまして、それぞれ國會の問題にまで發展せしめ得るような状況下にあるようでございますので、省略をいたします。ここでただ一言だけ申上げたいことは、これは各地區の代表者からも聞き、私共も意見は一致しておるのでありますが、電氣事業自體が只今完全なマル公營業をやつておる、そうして而もこれに加えまして販賣電力の一割と想定せられるところの盗電電力すらありまして、そうして頗る彈力性の乏しい事業、言換えれば眞面目な企業であると言うことが電氣事業には言うことができるのであります。然るにも拘わらずあらゆる面で電氣事業育成のために、特別の行政的な措置が講ぜられていないということが、非常に遺憾であります。このことが電氣事業を今日のような状態に陷れた根本的な原因ではなかろうかと考えるのであります。又電産の勞働者からも各地で現在給與について生活苦から來る苦況打開の愬えがございましたが、これも要するに電氣事業自體がマル公營業であると同樣に、電氣勞働者も雜給與その他現物給與の途の開かれていない窮屈な給與で、而も主食、作業用必需品等の配給は極めて乏しい状況でありまして、これを打開しなければどうしても職場に挺身し難いというような見地から、只今熱心なる運動をやつておるのでありますが、電氣事業の再建のためにも、この勞働者の問題を眞劔に而も眞面目に取上げて解決せられるべきではないかというようなことを感じたわけであります。
 最後に結論といたしまして、以上報告いたしましたことを綜合いたしますると、電源開發、火力設備の増強の問題にいたしましても、金融資材等の問題にいたしましても、又勞働問題にいたしましても、現在電氣事業が逢著しておる難問題は決して、個々の問題の個別解決を圖つても、拔本的でないのであつて、これが根本的な解決は、綜合的な問題として大きく取上げて解決することが必要であろう、こういう結論に達したのであります。最も健全な企業として信用せられておりましたところの電氣事業も、今日では縮小再生産の過程に入つてしまつたのであります。これは電氣行政の弱體、電力運營機構の不完全等の根本的な原因もありましようが、要するに電氣事業が本當に我が國産業の復興のために、石炭と共に、絶對的に育成すべきであるということが確認せられまするならば、その民主的發展のために、石炭企業と同格の重點産業として、重點的な措置が講ぜられなければならないと信ずるのであります。從いまして國會は、特に電力委員會は、電力復興の問題につきまして、愼重に且つ迅速に當面の問題を取上げ、電力政行機構の強化、電力機構の民主的再編の問題をも含めまして、最善の對策を樹立せらるべきであるということを、今囘の視察の機會にますますその信念を深めた次第であります。以上を以ちまして極く概略ではありましたが、九州班の視察概要報告を終ります。
#14
○委員長(佐々木良作君) 只今の九州視察につきまして、九州班から持歸り提出されております資料があります。九州關係では、九州の日發の支店から九州地區五ケ年計畫需給バランス表以下十一件の調書目録として參つております。更に九州地區の制限種別電力調書、それから更に九州配電の四月の電力制限の状況に關する調書、この外港の火力發電所の施設及び現状の概要の報告書、それから大阪の尼崎第一、第二發電所の状況報告書等が提出されておりますから、一應保管して置きまして、必要なときに御覧願いたいと思います。尚附加えて置きますが、先程の御嶽班からの視察報告と關聯しまして、同樣な各種の資料が提出されております。内容は省略いたしますが、御嶽發電所その他の工事個所の説明書であるとか、或いは一般的な電力需給の資料であるとか、その他であります。御覧のような格好のものと御承知を願います。
 この際ちよつと附加えて御報告して置きたいと思いますが、それは三班の現地視察のために、二十六日に東京附近の特に給電状況の視察をしたことであります。これは御承知のように委員會にお諮りしまして、現地、特に發電所竝びに送電線を視察した後に、大きな消費地まで持つて來られた電力がどういうふうにして分配されておるかということを、現地について概略見たいというわけで企畫したものでありまして、二十六日に關東配電の本店におきまして、先ず給電業務及び施設の視察、更に川崎變電所に參りまして、變電所の設備及び神奈川管内で扱つておる電力事業を中心とする關東一圓の電力事情を聽取し、その次に潮田の火力發電所に參りまして、現在運轉中である補給用火力の状況を視察したわけであります。總じて現在の深刻な電力の不足状況が制限の大要となつて來ておる状況を、給電業務を通じて觀察したということであります。簡單に御報告いたして置きますが、ただその途中川崎變電所におきまして、日發の電産と日發神奈川分會から要望書を貰いまして、そうしてこの委員會に傳えることを約束いたしましたので、事務の方からちよつと簡單に讀んで頂きたいと思います。
#15
○委員長(佐々木良作君) 尚今の三班の報告關係につきまして、電力局の電政課長から發言を求められておりますが、政府委員でないそうでありますから、發言を許してよろしうございましようか。
#16
○委員長(佐々木良作君) それでは許可いたします。
#17
○説明員(中川哲郎君) 商工省の電政課長の中川でございます。今三班に分れまして、御視察頂きました現地の報告につきまして、誠に適切な且つ非常に示唆に富みました御報告を私どもも拜聽さして頂いたのでありまして、誠にお教え頂く點が多かつたのでございます。何れこういう點につきましては機會を改めまして、政府委員でありまする電力局長その他から又御答辯申上げわけるでありますが、今の報告の中にございました九州地區の發電所の囘復その他についての御意見中、最近の情勢におきまして、若干實施を見ました點について簡單に御報告いたして置きたいと思います。それは自家用火力發電の動員の件でございまして、約二萬キロ動員する能力があるというお話がございましたわけでありますが、この中炭鑛の火力發電につきましては、事態は先般來の渇水によつて非常に差迫つておりまして、地方におきましても關係方面、これの經費の負擔、石炭の捻出方法等につきまして協議をいたしました結果、今月の下旬から火力發電といたしまして、炭鑛の自家用約一萬三千キロワツトにつきまして、自動用を動かすことに入つております。下旬以來實施いたしております。このために一日約五百トン餘りの石炭を消費いたしております。これは炭鑛の山元消費の方へその配炭を廻しまして、火力發電の實施に入つております。この點御報告をいたして置きたいと思います。
#18
○加藤常太郎君 ちよつとお尋ねいたしますが、費用負擔はどうなつておりますか。
#19
○説明員(中川哲郎君) 費用負擔の點につきましては、物價廳との打合せに基ずきまして、大體本年の費用は、原則として電氣事業者と石炭事業者と折半するということにいたしまして、九月一ぱいまで日本發送電の負擔によりまして自家用に動員し、十月以降は契約した自家發電分だけ落しまして、契約キロワツトを下げまして、石炭業者が原則として負擔いたしまするけれども、先程申しましたように、本年の見込需要を折半するという趣旨によりまして、若干經過的に詳細に申しますれば、十月及び十一月の經費負擔等について特別の措置を講ずる豫定になつております。大體の模樣はそういうわけでございます。
#20
○委員長(佐々木良作君) 外に特に御發言がなければ、先程開會の時に申上げましたように、尚詳しい意見交換その他につきましては、午後の打合會にでも讓りまして、一應散會いたしたいと思います。御異議ございませんか。
#21
○委員長(佐々木良作君) それでは一應これで散會いたします。
   午後零時五十七分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事
           石川 一衞君
           飯田精太郎君
   委員
           原口忠次郎君
           清水 武夫君
           下條 恭兵君
           加藤常太郎君
           重宗 雄三君
           西川 昌夫君
           木檜三四郎君
          橋本萬右衞門君
           赤澤 與仁君
           岡本 愛祐君
           宿谷 榮一君
           栗山 良夫君
  政府委員
   商工事務官
   (電力局長)  古池 信三君
   經濟安定本部動
   力局長     岡部 邦生君
  説明員
   商工事務官
   (電力局電政課
   長)      中川 哲郎君
ソース: 国立国会図書館
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