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1947/08/30 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第5号
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1947/08/30 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第5号

#1
第001回国会 電気委員会 第5号
  付託事件
○日本發送電株式會社水力發電工事に
 關する請願(第百十號)
○電力復興問題に關する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月三十日(土曜日)
   午後一時三十八分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○電力復興問題に關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木良作君) それでは委員會を開會いたします。豫定に從いまして今日は電氣勞働者諸君から電氣の復興關係に關する説明を求めることになつておりますが、その前に一昨日の委員會で説明を聽く筈になつていた經濟復興會議の御意見を併せて簡單にお伺いしたいと思います。從つてこの兩者の説明員として經濟復興會議の幹事長の帆足さん、それから電産勞働組合の小野さん以下數名の方を説明員として御説明を聽くことに御異議ございませんですか。
#3
○委員長(佐々木良作君) それでは説明をお伺いいたしたいと思いますが、その前に簡單に昨日の委員會終了後の打合會で以て檢討されましたことを簡單に御報告して置きたいと思います。それは第一に基本調査に關する件でありまして、現在進行しつつある電力復興竝びに電源開發に關する調査、これと竝行的といいますか、これの中に入るといいますか、ともかく電氣關係の的確な現状把握の上に立つていろいろなる施策を考えたいというので、專門調査員を中心として基本的な調査をこの九月早々からでも直ぐに始めて頂きたいという話合いがありまして、それに基ずいて基本調査の要綱を現在作つて貰つております。後程今プリント中でありますからお目にかけまして、そうして御檢討を願いたいと思います。それが決定されましたならば基本調査を、そういう方針で以て進めて行きたいということ。それから二番目に、この基本調査の案と關聯しまして、緊急對策としまして、特に今冬期の、今年の冬の渇水期對策をどのようにやるかということにつきまして、ともかく政府が持つておる今冬期對策案を提示させて、そうしてこの委員會において檢討したいということ。それからもう一つの緊急對策としましては、電力の、電氣事業の超重點産業扱いについてのいろいろの意見がありまして、超重點産業扱いにした方が、いいかどうか、するためにはどういう方法を取らなければならんか、ということを總會では取上げて研究しなければならんということが、打合されました。それから三番目に、この電氣委員會の運營方法につきまして、例えば大體問題も或る程度方向ずきましたから、例えば分科會なり、小委員會そういうものを作つてやつたらどうかという意見と、尚暫くの間、全員で以てやつたらどうかということがありまして、一應これも休會中十分に御考慮を願うというふうに打合わされましたが規在のところやはりまた全員會議でやつた方がいいじやないかという空氣が濃厚でありました。それからその次には、農地開發法案に關する意見が参考的に出まして、農地開發法案が通れば、電源開發に支障を來たす部面が非常にあるのじやないかという御意見がありまして、專門調査員を中心として、この休會中にその關係の調査を願つて行くということにお願いしました。それから希望意見といたしまして、この電氣關係の仕事は非常に廣汎なので、それが例えば國會にかかる場合におきましても、例えば農事電化、鐵道電化というようなこと、或いは電氣税というようなこと、そういうのが殆んど總てこの委員會にかからすに、農林委員會なり、運輸交通委員會なり、それから財政金融委員會なり、そういうところで殆ど審議されてしもう、それでは電氣事情が餘り考慮されずに、それが決定されることは非常に綜合的なる對策の上に遺憾があるのじやないか、という點が指摘されまして、その關係の委員長會議或いはその他におきまして、そういう方面の連絡を十分に密に取る方法を考えたいということを申合せされましたが、大體以上五點の相談打合をがされましたことを御報告いたします。後ち程基本調査に關するプリントができましたならば、この問題に關する御審議を最後に附加えてして頂きたいと思います。今の打合せの報告につきまして御質問がなければ、次の説明員からの説明を聽きたいと思いますが、如何でございましようか。進行して宜しうございますまか。
#4
○委員長(佐々木良作君) それでは經濟復興會議の幹事長の帆足さんから説明を求めることにいたします。
#5
○説明員(帆足計君) 御紹介に與りました帆足であります。先般は皆さんわざわざお時間をお繰合せ下さいましたが、私技術院の方と上高地の方に電源状況の調査に參つておりましたので失禮いたしました。電報を頂きまして當日の朝歸つて參りましたが、お打合せの手違いで流會になりまして、皆様に御迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫びいたします。そこで本日は僅かの時間をお借りいたしまして、經濟復興會議におきましてこの電力問題を研究いたしておるのでございまするが、その經過の中間報告を簡單に御參考までにさして頂きます。
 復興會議におきましては、勞働組合竝びに經營者代表、技術者の方々お集まり下さいまして、電力問題の特別委員會を作ることにして、當面の緊急對策と將來の恆久對策との二つに分けて審議いたしておりまして、お手許に差上げました若干の資料はこの中間報告のようなものでございます。お手許に御參考に差上げましたのは「電力擴充ヲ基調トスル日本再建計畫」、それから電力危機突破緊急對策實施についての申出れ、それから「水力開發候補地點」等の資料を差上げてあります。
 皆さん御承知のように、敗戰の結果日本は一切の勢力範圍を失いまして、又同時に舊來の植民地全部を放棄いたしました。國土は四割五分減少し、又資源の非常に多くのものを喪失したしまして、そうしてこの小さな島國の中で昭和二十五年には八千萬の國民が生きて行かねばなりません。その上國内の都市は三割以上燒けてしまいました。又國内の鑛工業生産は御承知の如く戰前の三割前後くらいしか動いておりません。これを昭和六年に比べますと、生産は當時の四割前後しか、而もそれはストツクを含めて四割前後しか動いておりません。從業員は十五割を抱えております。人口は當時の六千五百萬より更に一千數百萬増加いたしまして八千萬近くに垂んといたしております。この八千萬の人口と申しますれば、御承知のように、フラス又はイギリスの倍の人口でございます。その上又私共が日本を新しい民主的、文化的な基盤の上に再建すると申しまして、よくスエーデン、スイツツル、デマルクの例等を擧げますけれども、それらの國々は四百萬乃至六百萬の人口の國であります。一東京都の人口にも及びません。然るに我々はこのアジヤの小さな島國の中で八千萬の國民が、安定した生活と、人として生れた意義を感じ得る文化國家にこれを仕上げねばなりません。このような観點から日本の現状を眺めますると、まさに絶望的と申してもよいくらいの慘憺たる現状でございます。從いましてこの日本の民主的、文化的再建ということは舊來の鹽業構成又は産業施設をただ機械的に組合せましたところで、又舊來の科學技術、教育文化の水準で漫然とこれを再編成しましたとて致底八千萬國民の生活の基盤はおろか、生活の最低限の維持すら困難であろうと存じます。從いまして私共は舊套を脱して、憲法に規定されております八千萬の國民に勤勞の機會を與え、缺之の恐怖から免かれしめ、人としての教養と希望を享受し得るような經濟體制を將來作つて參らねばなりません。勿論その出發の手初めといたしましては、賠償問題を控えておりますし、講和會議を控えておりますし、我々は無謀な戰爭に對する責任者として、國際列強に對して謙虚であり、又日本の民主的な再編成につきましても、過去の體制、過去の獨善的な又軍國主義的な、體制を清算するということについて、忠實であり、謙虚でなくてはならないと思います。從いまして最初の出發點におきまして、只今傳えられておるところによりますると、昭和五年乃至九年の生活水準を基盤として日本經濟再編成の出發が考えられるように傳えられておりまするが、何れにいたしましても、これは日本政府經濟の民主化を前提とし、そして國際諸國の信頼と理解を得ることが、祖國再建の先決問題であることは申すまでもありません。併しながらこの前提の下に日本の現状を考えましたところ、現状は餘りにも悲惨てございます。只今輸入爲替の七割というものは殆ど食糧に使われておるような現状でございまして、又現在の安定本部の物資需給計畫案と申しますものは、少數の勤勉な吏僚の方々が廢墟と化した祖國の諸資料を斷片的に集めまして、そうして輕うじて一つの豫測を描いたというだけでございます。日本再建の物資需給計畫につきましては、技術者の精密な料學的な檢討も十分加えられておりませんし、經營者の創意も十分織り込まれておりませんし、況んや勞働大衆の皆さんの熱意なり要望も十分織込まれていない。一種の官僚的な機械的な計畫案が輕うじて纒まりかけておるというような現状でございます。これに對しまして私共は、八千萬國民に先ず最低の生活の安定、それから將來への希望を約束し得るような産業構成を皆様と共に御相談し、守り立てて行かねばならん。復興會議としましてはこのように考えておる次第であります。
 ところで然らば復興の基準をどのような點に置くかと申しますると、とにかく過去の日本經濟は官僚と軍閥がその脊椎をなして方針の大綱を決め、財閥がこれの諮問に應えて總てはこの三つのものに奉仕するように組立てられておりました。而して今後における日本の再建は、我々が憲法で國民の皆さんと共に約束し協議して決めましたところの、國民の勤勞の機會を與え、そうして國民に生活と文化とを保障し得るような經濟體制を作るということを、先ず至上命令にせねばならんと思います。こうして考えますると、日本經濟の再建のためには、先ず第一に農業の復興が必要でありまするが、これは私共工業に從事しておりまする者の立場から申しますならば、端的に五割三分を占める農業入口がその殘つた四割三分の國民を養い得る體制、即ち一人の農民が一人の國民を養い得る體制を早く確立することであります。現在のように輸入爲替の六、七割を食糧に全部つぎ込んでしまい、日本の工業の原材料は殆ど海外に依存しておるのでありますが、それを殆んど滿足に購入することもできないガソリンも、ゴムも、羊毛も、十分に購入することすらできないというような状況が續きましたのでは、致底組國の復興は不可能であります。而も昨年のような稀有な豐作の後に、我々は尚且つ今日のような困窮状態を呈しておるという現状でありまするから、どうしても一人の農民が少くとも一人の國民を養い得る體制に持つて來ねばなりません。このためには現在一割六分しか耕されていない國土をせめて二割五分程度に開拓することが必要であります。又協同組合等の力によりまして、農民の協力、又科學技術を共同で取入れる、小型の機械を取入れるというようなことも必要でありまするが、更に端的には肥料を増産しまして即效的に食糧の増産を圖ることも必要であります。
 第二には、日本の鑛工業、殘つた四割三分の人口の中の主要勢力であるところの鑛工業の能率の増進、又科學技術を取入れまして、先産費を安くし、そうして國際競爭に、國際市場に奉仕し得るような體制を付ることが大事でありまするが、そのためにはどうしてもその動力をなしまするところの熱源竝びに動力源のエネルギーを、我々は確保せねばならんわけでございます。この世界で最も小さな四つの島國の中に八千萬の國民が生きて行かねばならんわけでありますから、一つは太陽と土地の恵みを餘すところなく開發しますと共に、もう一つは工業の原動力になるところの諸要素を開拓して參らねばならんことを痛感する次第であります。この問題につきまして經濟復興會議の首腦部をGHQのコーエン氏竝びにオブライエン氏が御招待下さいまして、いろいろ懇篤なるお話がございました。特にこの小さな島國の中で、八千萬の國民が希望を以て生活し、民主化及び文化國家への道を進みますためには、科學技術の振興が重要である。又國内に眠つておる資源を呼び覺まし、それを有效に使うことが必要であるというようなことにつきまして、數ヶ條の項目を擧げまして兩法から我々にいろいろな忠言を與えて下さいました。これらのことが動機となりまして、我我は各界からの科學技術者の方々にお集まり願いまして、いろいなな角度からする日本再建の技術的なプランについて、各界權威のお話を伺いました。それが動機となりまして、電力界の技術者の方々から、電源開發こそは日本の民主的再建の基盤をなすものであるという強い主張が展開されました。更にいろいろな角度からしまするところの、電力擴充につきましての案が提出されました。
 復興會議としましては、二つの専門委員會を臨時に設けまして、一つは緊急對策、一つは恆久對策としまして、それぞれ檢討を進めておりまするが、緊急對策といたしましては、お手許に差上げました意見書が中間案としてございまするが、お暇の節にお眼通しを願いたいと存じます。その要點は第一には、燃料對策は、燃料竝びに動力對策としましては、綜合的な燃料對策をこの際至急樹立して頂きたい。熱竝びに動力はそれぞれ互に連聯しておる問題でありまするから、電熱對策、動力對策、ガソリン對策、自動車、汽車等に對する對策、鹽業又ガス等に對する對策等、各種の動力竝びに熱量を綜合的に勘案いたしまして、對策を、強力な對策を樹立して頂きたい。それから火力の修理補修を更に急いで頂きまして、又良質炭の確保に全力を注いで頂きたい。水力につきましては現在の補修を更に急ぎますと共に水路の取入れ等による増量を圖り、又數年前から著手中のもので振興の量もでき易いものから急いで完成をして頂きたいというようなことが強く指摘されました。更に恆久對策におきましては、これはコーエンさん、竝びにオブライエンさんのような技術的觀點からの御示唆もありまして、一應現在の並治竝びに社會條件の制約から離れまして、技術者としての不霸奔放な案を作つて貰いたいという注文に應じまして經濟復興會議の中央常任委員會の即ち政治的又は社會的諸關係を考慮しての案としてではなく、單に専門委員會としての技術家としての案といたしまして、お手許に差上げましたような電力擴充を基調とする日本再建計畫案というような一試案が提示いたされました。これによりますると、日本の火力電氣は現在六百萬キロでございまするが、冬季には渇水期の最もひどいときには二百五十萬キロしか動かないという惨憺たる現状でございます。これを助けるのが火力發電の任務となつておりまして、莫大なる石炭量がこの水力補給用として使用されて參つておるわけであります。又我が國の鐵道は時代の趨勢に遅れておりまして、その效率において最も不利なところの機關車の形體をまだ取つておりまして、このために非常に電力を使いますならば非常に僅かの分量で濟みますところを、非常に多くの石炭を費しておることは御承知の通りであります。又化學工業におきましても多量の石炭を動力又は燃料として使つておりますというような現状であります。これに對しましてこの技術案におきましては日本の六百萬キロの水力を冬季にもこれを動かす爲に至急に重要據點にダムを作りまして、そうして夏季の水を溜めまして、そうして随意に調節いたしまして、現在の設備をフルに使うようにする。そうして最も著工し易い琵琶湖、又は上高地等から著手いたしまして、第一年度にすでに十數萬トンの火力用の石炭をこれによつて節約して行く、そうしてその節約した石炭をセメントと鋼材に廻しまして、そうしてそれを以て第二期の工事にすぐ移つて行く、こういたしまして、政治諸條件、社會諸條件を度外視して眞空の中において一應技術的に考えますならば、年に十三%ずつ増加するとしましても、二千萬キロの増加が十年にして可能であるというような案でございます。勿論賠償の問題も未解決でありまするし、講和會議もまだ前に控えておりまする日本といたしまして、このような案を社會的、政治的に提出いたしますことは時期尚早でございまして、これは技術者としての一つの案に過ぎません。
 併しながら日本の將來の民主化、又文化國家としての希望ある前途を考えますると、そうして現在既に一千萬人近くの失業者、今後又豫想されておりまする失業問題に對しまして、雇傭條件を確保しまするという直接の目標を考えましても、どうしても電力の開發に重點を注がなければ、日本再建どころか、國民に最低限の勤勞と生活安定の機會を與えることすらむずかしいという現状であります。況していわんや現在のような低い農業水準、又家庭における婦人の封建的な生活環境、又勤勞者大衆の低い生活水準、これらの下におきましてはどうしても封建主義セクシヨナリズム、非文化主義、バーバリズム等々の殘滓を拂い落すことは困難でありまして、日本を眞に民主化し、又文化性の高い國にしまするためには、婦人を家庭の勞苦から解放し、農村をして科學技術を理解せしめ、又工業をして封建的な低賃金制度その他能率に依存せずして忍苦に依存するというような體制から解放しまするためにも、どうしても電力の開發、電力の助けを借ることなくしては日本の民主的再建というものは不可能であるというのが私共の結論でございます。電源の開發は日本に光明を與えるところの唯一の根元である。これを通じて治水灌漑の仕事も圓滑になり、農村の生産力の増加も圖られ、都市の住民は安んじてその勤勞に專心することできるようになる。家庭の婦人の苦痛も緩和される。中小商工業にも生計の機會を與え、多くの失業者竝びに勤勞階級にも豐かな雇傭の條件を與える基盤となるものはどうしてもこの電源の開發を置いて外はない。これが一致した結論でございまして、只今の技術案を而も賠償問題さえ決まらない今日、直ちに強行せよというのでございません。これらの案を参議院竝びに衆議院の電力委員の皆樣の御參考に供し、又國民各界の御參考に供して、そうして將來日本が許されました枠内におきまして、希望を以て民主的日本經濟の再建を圖りまするのにつきましての一つの技術的参考案としまして研究いたしておるような次第でございます。從いましてこの案の内容につきましてはお手許に差上げてございまするので、お暇の時にお目通し願うことにいたしまして、又次の機會にこの案の作成に参加しました各專門家の方に御出席願いまして、皆樣とゆつくり御懇談申上げたいと存じまして、本日は經濟復興會議としましてここに辿りました徑路と心組だけを御參考まで申上げました次第でございます。
#6
○委員長(佐々木良作君) それでは今の經濟復興會議からの案は説明者帆足さんからのお話によりまして、資料が提出されただけで概論のお話を聽いただけですが、別の機會に別な内容的な專門的なことを伺いたいと思います。次の説明者の説明を聽いてよろしうございますか。
#7
○委員長(佐々木良作君) その前に、この資料が電産の勞働組合から提出された資料と、復興會議から提出された資料とが大分混がらがつておるらしく感じますから、經濟復興から提出された資料をはつきりとどれとどれであるということを印でもして頂かないと……。
#8
○説明員(帆足計君) もう一度讀みます。「電力擴充を基調とする日本再建計畫、」これは復興會議の技術案でございます。「水力開發候補地點、」これは只今の附録でございます。それから「電力危機突破緊急對策實施についての申入れ」、これは當面の對策についての復興會議の專門委員會案でございます。この三つを皆樣に差上げております。
#9
○委員長(佐々木良作君) それでは次に電産勞働組合關係の方から、現在實際に働いておる電氣勞働者諸君が、電力復興を中心とする現在の電力の關係にどのような意見を持たれておるか御説明を聽きたいと思います。
#10
○説明員(小野憲司君) 只今御紹介に預かりました電産の副執行委員長を務めております小野と申します。本日はお忙しいところを、日本の電力復興の問題につきまして、我々勞働者の御意見をお聽き下さることに對しまして、先ず深甚なる謝意を表します。私共は戰争中、又終戰後今日に至るまで、日本の電氣事業について最大なる熱意と努力を以てこれが復興なり、又これが補修に懸命の努力をなして來たものであります。それで私共の觀點から申しまして、何故終戰後本日に至るまで、日本の電力が少しも復興されず、ますます事態が窮迫して來ておるかということを申上げますならば、企業者及び一般社會人は、通常日本は、戰時中火力發電所を非常に酷使した。それで戰後急激に火力發電所の故障が續發し出した。水力發電所も戰時中に建設されたものは、應急建設方法しかとつていないために、その故障が戰後において起つて來たとも申しております。それからこれが復興のためには、戰後澎湃として起つた闇とインフレのために資材が思うように手に入らない。資金の融通ができない。食糧が逼迫して勞働者が働かないということを申して、この電力復興が遅延しておることの口實にしております。併し我々實際に働くものの身になつて考えますならば、この理由は何ら根據のないものでありまして、我々は電力の復興が何故こんなに遅延しておるかの最大原因は、日本の電氣事業が本當に社會化されていないためである。日本の電氣事業が、これ程完全な官僚統制の枠の中に閉じ込められておるものはないというところに根本原因があると私共もは考えておるのであります。それで本當の原因は終戰後、即座に將來の見通しをした官僚の電力問題に對する將來の見通しを誤つたこと。それから同じ官僚でも電氣官僚が非常に無氣力で、そのために電氣官僚の統制下にある我々電氣事業者の、企業家たちが非常に無氣力になつて、これが復興に對して積極的に努力しなかつたこと。こういうことが私共の電力復興が遅延した最大なる原因であると考える次第であります。その外又實際國民大衆一般の消費者がですね、本當に電力會社か、又國家再建のため、平和國家を作つて行くための、本當に大事なものであるという認識を國民大衆が持つていなかつたからである。一番直接な原因は何かと申しますると、我々電氣勞働者は戰時中から終戰後今日に至るまで、非常に惡い勞働條件の下に働いて來たというようなことが、我々の電力復興が遅延された一番根本の原因ではないかと私共は考えておる次第であります。それで私共はどのようにして、これを突破して、電力を復興して行こうか、そうして平和國家日本を再建して行こうということが、組合發足以來種々努力して參つたわけでありますが、御承知のように、昨年の我々の電産十月闘争ということは、實にこのための闘いであつたのであります。その時に我々が會社側に要求しました要求事項は、皆樣方も十分御承知の方もあると思いますが、一番目に電氣事業に對する官僚統制撤發と、發送、配電事業の全國一社化という問題を先ず最初に取上げました。それから生活費を基準とする最低生活の確立、これを二番目に取上げました。三番目に退職金の改正、この三つの要求を通すことによつて我が國の電氣事業を一日も早く復興させたいという念願から昨年のストライキに、なつたわけであります。そうして政府が中に入り、その他の中勞委の斡旋等によりましてこれが解決を見ました時においては、この電氣事業に對する官僚統制撤廢と發送配電事業の全國一社化という問題は會社側も組合側もなんら異存なくこのまま一應協定を結んだわけであります。この協定の内容は大體簡略に申上げますならば、一番初めに電力管理法を中心とする一連の國家管理法の廢止、二番目は社會大衆による電氣事業の監督及び指導機關の設置、三番目に全國發送配電事業の一社化の實現、四番目に前二項の實現のため電氣事業社會化法の制定及びこれが民主的なる立案機關の設立、こういう具體的な内容が會社側との間に協定ができたわけであります。それでこの協定の線に沿いまして我々は會社側と電氣事業民主化協議會なるものを設置いたしまして鋭意これが實現に向つて現在努力しつつあるのでありますが、諸種の事情によりましてまだ具體的な問題として皆さん方に御提示できないことを殘念に思つておりますが、そこに差上げておりますような社會化法案の骨子も大體でき上がりまして、我々といたしましては、こういうことを通して眞の電力の復興ができ上がるのではないかという確信の下に今後ともこれが實現に向つて最善の努力をいたしたいと考えておる次第であります。
 併しながらこれは根本的な解決問題でございますが、この電力の危機は日日惡化して參りまして、既に御承知のように今年の冬はどうしてこれを過ごして行くかという問題がさしずめ迫つて來ておるわけであります。それで一方におきまして我々電氣事業に働く勞働者として今年の冬の危機をどのように切り拔けて行かなければならないかということにつきましても鋭意勞働者としての努力を傾けつつあるのであります。それにつきまして簡單にその問題につきまして御説明申上げます。この電力の復興につきましては先程經濟復興會議の帆足氏よりも御説明もありましたが、恆久的な對策も當然講じられなければならないとは考えまするが、當面の國内情勢、それから經濟情勢、そういうものから急激にこれは實現はなかなか困難ではないかと考える次第であります。それで我々は現在のこの危機を克服することによつて恆久的なる對策が講ぜられて行かなければならないという見地をとつておるわけであります。それで現在私共が考えておりますところの緊急對策といたしまして一番目に電源の對策、つまり發電所對策でございます。この發電所對策の中に一番目に水力の電源、水力發電所の増強という問題が取り上げられております。これは戰爭中資材とか勞力の不足のために未完成に終つておる水力發電所を急激に補修することによつて、大體多期五萬九千キロワツトの電力を増強することができるという確信を持つております。それから二番目、すでに終戰前から著手されておる未完成の水力發電所を早急に完成させること、これによりまして大體冬期二萬六千キロの出力を増加させることができる筈であります。それから三番目に、東北、北海道、北陸方面にありまする水力發電所の冬期の間に暖流をとり入れることによつてこの水力を増強して行くということによりまして、冬期約八千キロワツトを増強することができる。こういう計畫になつております。併しこれは飽くまでこのためには鋼材、セメントその他の資材を確保しなければならない。これを政府の方に斡旋をして頂いて、これだけの増強を實現させたい。こういうふうに考えております。それから同じ電源對策の中の二番目は、火力發電所の増強であります。この火力發電所は御承知のように賠償對象になつておる火力發電所が多多ありますが、これも我々はずつとこの賠償除外の運動を續けてきております。日本のこの電力事情から申しまして、是非この賠償指定より一部除外して貰いたいということを今後とも賠償除外申請につきまして、強力に推進して行きたい。こういうふうに考えております。それから二番目に現在施行中の新設發電所、火力發電所を早急に工事を實施する。その他戰災に遭つて、復舊工事中のものもあります。それから故障でその儘になつておる發電所も補修をやる、こういうことを計畫しております。これによりまする出力は約二十四萬キロワツトという厖大なものになります。それから大體火力發電所の石炭割當を政府は百七十五萬トンと見積つておりますが、この石炭割當も今少し殖やして貰うことによつて火力の出力を増加させたい。こういうふうに考えております。これが今年の冬に對しまする當面の危機に對する電源側の勞働者としての對策であります。
#11
○委員長(佐々木良作君) ちよつと御連絡して置きますが、本會議中委員會を繼續、或いは開く場合には、議長の許可が要りますので、豫めダブつた場合は許可を得ておりますから、緊急必要の場合は、議長の方から御連絡がある筈でありますから、このまま繼續したいと思います。御了解を得たいと思います。
#12
○説明員(小野憲司君) それから今のはこの電力を超す方の勞働者としての對策でありますが、今度はこれを供給する側の、供給の對策として我々はどういうふうな對策を立てておりますかといつたら、先ず電力の使用を合理化すること、炭鑛、鑛山それから製鐵、肥料會社、こういう大きな何千キロという契約を持つておる大きな消費者は勿論のこと、小さい豆腐工場とか製麺所とか、こういう小さい工場に至るまで、すべて電力を合理化して使うこと、これによつて私共が計算しますところによりますると、年間約十億キワツトアワーの電力の消費節減が可能であるのであります。これが今まで戰爭末期から現在にいたる間、非常にこの電力の使用の合理化という問題が抛擲されておつたのであります。それで是非これを強力に推進したい。そういうふうに考えております。
 次に戰爭中、又終戰間際におきまして、爆撃その他によりまして、變壓器を燒き、又送電線路が爆撃を受けて潰滅に瀕したために、そうして電線の供給が都合よく行かないために、今の各配電線路、送電線は非常に容量が小さい。それから變壓器の容量も小さい。そういうことによつて電力が發電所から末端に至るまでの間に非常なロスを生じておるのであります。それでこれも早急に政府が資材の確保その他によりまして、これを著々復興して行くことによつて、電力のロスを少しでも少なくしようということなのであります。次に擅用防止、これはちよつと專門的になりますが、つまり各家庭において電熱器は使えないようになつておるのに電熱器を使つたり、それから大きな工場でも、五十馬力しか使えない設備しかないのに百馬力を使つておる。こういうふうなことをしております。こういう擅用を極力防遏して行く。そうして本當の必要面だけに電力を送つて行くことによつて、この供給面の合理化をやつて行く。それからそんなにいたしましても、結局今年の冬はどうしても一定の制限をしなければならない。つまり電力の需要を調整しなければならないという問題が起つてきます。これは現在商工局におきまして調整方法を考えられておることと思います。我々が仄聞するところによりますれば、今年の電力の調整は官僚案といたしましては割當制にやろう。つまり切符制によつて、我々の家庭の電燈から大は五千キロワツトの炭鑛の電力に至るまで、すべて割當の切符制で電力消費をやらせようというようなことを考えております。そうしてその案によつて見ますと、すべて電力局の官僚と安本の官僚によつてこの割當を實施して行こうというような、大それた考を持つておられるように我々は關知しております。併しこういうことで果して電力制限が完全に行われ得るかどうか。昨年のような大幅の電力制限方法によつても、非常に混亂をきたして、緊急停電と申しまして、止むに止まれず電力を止めなければならないような事態が日本全國、諸所方々に起つております。九州の如きはすでに炭鑛も止まろうというような事態が發生しております。それ程の状態でありますのに、今年これを各家庭の末端に至るまで、お前の家庭は何キロ、お前の家庭は何キロというような割當をして、果してその通りに守り得るかどうか、これは政府が法律を作つて、その法律によりまして、正直者が馬鹿を見て行く今までのやり方そのままを踏襲するのか、又罪人を作るために、つまりその法律を犯したといつて罪人を數多く作るために、いずれを目的にするか知りませんが、こういう法律によつては我々は絶對今年の電力調整はうまく行かないということを確信しております。
 飽くまで我々は最初申しましたように電氣事業を一日も早く社會化して行つて、民主化して行つて、そうして本當に需要家大衆、本當の民主化、自分自身で自覺をして、本當に自分の氣持の上から立つて日本の電氣のことを考え、自分の周圍の電氣を考えて、そうしてお互いが話合の上で電力制限を實施して行かなければ、到底今年の冬の電力危機を突破できないと考えております。安本が計畫しておりますところのこの割當制度も、五百キロ以上の大口工場に對しましては或る程度成功するかも知れません。併しそれから下の何千萬という需要家に對しましては、到底成功するどころか、ますます混亂を甚だしくするものと私共は確信しております。それで我々勞働者といたしましては、今年の電力調整も、飽くまで我々が念願としておるこの電氣事業の社會化の線に沿うて、本當に民主的な協議機關を通じて電力制限をやつて行こうというふうに我々は考えております。それから差當り小さい問題でありますが、中國九州方面に對しまして一日も早く送電線路を早急に建設して、日本の産業の中心である九州の危機を救い、中國の危機を救つて行く、こういうようなことで我々勞働者としては考えられておる次第であります。
 それから最後に申上げますが、この電力危機を招來しました大きな一つの原因といたしまして、戰後の電熱使用の増加であります。各家庭が電氣焜炉、ストーブ、こういうものを煖房用、炊事用に使つたために、電力危機が非常に急迫してきたということは間違いないことであります。これが何に原因するかと申しますと、即ち政府の燃料對策が失敗であつたことであります。つまり薪炭の割當配給が完全に失敗したことである。それで私共は今年のこの危機を突破するもう一つ大きな仕事は、是非綜合的な燃料對策を講じなければならない、これを政府に要求して、そうしてこの綜合燃料對策を通じて電熱を消費を規正して行くというふうにならなければならないと考えておる次第であります。我々電氣事業勞働者といたしまして、もう終戰以來今日まで一日もこの電力の増強のことについて念願を離れたことはありません。ただ一日も早く日本の電力事情を豐かにすることによつて、一日も早く平和日本を建設したい、そのためには是非電氣事業を完全に社會化、民主化して行かなければならないと考えております。專門的な社會化法の問題、その他の問題につきましては專門委員も澤山見えておりますので、御質問がありましたらお答えいたします。我々電氣勞働者が考えております電力復舊の問題につきまして概略でございましたが、これを以て私の説明を終らせて頂きます。ありがとうございました。
#13
○委員長(佐々木良作君) 概括的な説明を伺いましたわけですが、提供された資料について、或いは今説明された説明内容につきまして御質問がありましたら、どしどし御質問をして答えて頂けばいいのじやないかと思います。御質問かございましたならば願いたいと思います。
#14
○松嶋喜作君 今のお話しの中で、配電送電會社を一社にすると仰しやつたのですが、一社にすることと増産になる關聯性、一社にすれば増産によりよい效果があるというその點はどういう點でございますか。
#15
○説明員(友永信夫君) 簡單に御説明申上げますが、一社にすればなぜ電力の増産に關係するかということでございまするが、現状を申上げますと、現在電源の方を擔當するのは發送電が全國を一社としてやつております。それから配電部門は全國を九地區に分けて、九配電會社がそれぞれ獨占的に掌握しておるわけであります。これは技術的にいつても、發電配電間の技術的に、直結しておるものを分けておる點において矛盾があるのであります。このことは現在の状況において、分りやすくいうならば、例えば九州のように非常に電力制限がひどくなつておる、それを需要家は配電會社の方に對して、こんな状態では困るじやないか、解決しろという、そうすると、配電會社の方は、これは日發の電源が足らんからだという、その間に責任の轉嫁の工合が段階的にあつて、これはどこが責任を負うか分らないような状態にある、これは經營部においても端的にいえば出て來るわけであります。それから技術面の無理がそこに出て來るわけであります。だから全國地區は一つにならなければならないということは、日本の電氣技術の發達が全國を一つのネツトワークと申しますか、送電線を通じ配電網を通じて一つの直結した枠の中に入つておる、それで電氣は全國を一つの單位として流れておる、だからそれを經營上分斷するということは今まで發達して來ておる技術に逆行することである。それでこれが現在一社でないがためにどういう支障があるか、これは技術的にはその點があるわけでありますが、例えば電氣の運營の擔當者である現在の事業者の努力はどこに集中されておるか、それを申上げますならば、現在十社の首腦者はお互いに全國民から上つて來た動力收入、電力收入を如何に十社にうまく分けるかということに大半の努力が集中されておる、もう一つは現在どこにでも起つておる對勞働組合問題と、勞働不安定に對する問題、要するに電氣事業内部に對する經營者の關心というものはそこへ全部集中されておりまして、電氣は國民のものであるという觀點に對する努力は拂う暇がない、そういう機構上の矛盾があるわけであります。それで現在この十社がどういうふうにして利益を分けておるか、なぜ經營者その間の利益の分取りに努力をせさるを得ないかということになりますと、十社は各需要家から電氣料金が入つて參りますが、これは地域的に需要密度とか、需要の種類、そういうものによつて收入が違う。それを一應均等の、獨占事業でありますから、これは例えば俺の地域は儲かるからといつて、そこの會社が獨占すべきものでなくて、これは全電氣事業の收入は國民の監視の下に公平に分配さるべきものであつて、この地域は儲かるから、その儲かつた會社のものだという考えで行くべきものじやない。それでありますから、全國から入つて來た金を九つの配電會社が、それから一發送電會社がどういうふうに分けるかといいますと、要するに發送電が卸す電氣の料金の高さを操作することによつて、利益の均分を圖つて行く、そういうことになつておるわけであります。いわゆるプール計算でありますが、これが、十社が分れておるために、プール計算といいながら、それが非常に不明朗なわけであります。不明朗であればこそ、各社相互間において經營の秘密性を楯を取つて、豫算プールをやり、決算プールをやるといつて、プールの秘密性を守りいいような資料を作り、お互いに利益を隱匿し合う、そうして肚の讀み合いをする矛盾があるわけであります。その矛盾に乘じて官僚があらゆる電氣事業の資料を握り、經理檢査權を握つておる、だからその實力を以ち、それから權限を以て發送電の料金を適當に裁定して行く、だから事業者は官僚に頭が上らん。だから戰時中を通じて官僚が權力を楯に取り、いろんな細かい面において、或いは人事面において官僚の介入があつた。これは總て官僚が介入し、不當な官僚的統制をして執行したのもこの機構上の矛盾があつたからであります。これを現在の電氣事業の技術の發達段階、それから電氣事業が完全な獨占事業であるということ、すでに獨占禁止法の中においても電氣事業がとくに除外されたことは、これは普通の企業を以て律すべきでない、これは外の公共的監視の下に置かれるものであるから、普通の企業と同一視すべきものでないという建前上、特にあれは除外されてあるんだろうと思います。その趣旨として現在の企業形態のままであつては、完全にそれに副い得ていない。先程申上げましたように事業者相互間の經理の秘密性があつて、なぜこれが國民の中に公開されるような經理になつていないか。でありますからこれをそういう相互間の利害對立を操作するような餘裕がないように、一つのものにして、そうしてその經理を公開することによつて、始めて國民の電氣事業になる、そうして經營者の利益も内側の代りに外に向う、こういうところに確信を以ちまして、一社にするということを根本としたわけであります。併しながらこれを一社にするならば、全國的な獨占會社になるんじやないか、而もそれは絶對に許されないのでありまして、そのために我々は社會大衆に基盤を置く監督機關を設けて、それを不可分のものとして實施しなければならん。そういう觀點で以てこの案が立てられておるわけであります。そうしてこれは電氣事業社會化法というのは、これは假稱でありまして、或いは電氣事業民主化でも結構であります。このプリントの方は、今まで我我が研究して、今到達した段階の案の骨子であります。こちらの差上げてあります二十六頁に一應やはり電氣事業社會化法の骨子案というのがありますが、これは以前の案でありまして、その後の檢討の結果、修正されておる點がありますから、こちらの方が中心になるものとお考え願いたいのでございます。こちらでちよつと違つておりまするところは、この一つになつた電氣事業を運營する最高の指導機關、大衆に基盤を置いた民主的な委員の構成を以てできておる基盤、そこで電氣事業に關する最高計畫、重要事項を決定するそうしてその決定は政府を抱束するという案がこれであつたのでありますが、それにつきましては我々は更に檢討を加えた結果、そういうことをやると、國家の中にもう一つの小さい國家を作るような、二重政權を豫想せざる限りできない、例えば物動計畫の一環としか電氣事業は扱われない。最高の計畫を決定しても、これが物動となればそれは動きがつかんじやないか、だからその決定は政府を拘束するとという構想を變えて、最高計畫、重要事項は國家が決定するが、その決定手續において、民主的な國民の參與によつて最高の諮問機關、或いは建議機關、或いは審議機關、そういうふうな性格を持つた委員會にすべきだという案にこれがなつているのであります。御質問の點はそれであります。
#16
○原口忠次郎君 今の御説明についてちよつとお伺いしますが、國民の委員會に關與するというのはどういうのでありますか。
#17
○説明員(友永信夫君) これは大衆による指導監督機關のどういうふうな構成になるかというわけでございますか。これはこの案では指導機關と監督機關と二つに分けてありまして、監督機關はこういうふうに電氣の技術性から言つて一體として運營しなければならない。だからこれが地方的にいろいろな面で仕事を分離すると一體の運營ができないから、指導機關は一つの中央集權的な色彩を持ち、その代り事業運營が公平に行つているかどうかを見る監視機關の方は地方から中央にピラミツド型に盛り上げた澤山な機關で監視するという構想になつておりまして、委員の構成は、指導、機關の方においては電氣生産者、つまり電氣經營者と電氣勞働者、それから大口産業消費者に、小口産業消費者、それも勞資代表者が入つております。それに一般學識經驗者、そういうような者が民主的な手續を經て一方的に政府の任命でなく、民主的な手續をして政府が決定任命するという手續の委員會を構成しているのであります。監視機關の方は先程申しました指導機關の委員の中、電氣に直接關係している電氣經營者と電氣勞働者以外の者で以て監視機關を作るという考えでおります。
#18
○原口忠次郎君 今國民が委員會に關與するという言葉がありましたが、それは結局委員を選擧するということになると思いますが、そうなると大變だと思いますが……。
#19
○説明員(友永信夫君) 大體はそういう構想でございます。
#20
○飯田精太郎君 先程ちよつと御説明になつたのですが、電力制限を民主化するというお話であつたのでありますが、もうすでに具體的な方法でやられておりますか。
#21
○説明員(小野憲司君) 大體今私の方に入つております政府の今年の調整の計畫は安本から出す生産命令と供給面、つまり電力の供給設備、それから供給力に應じて割當をするということでございます。それは大きい工場ならば可能であるが、それを小さい工場にも、一馬力の動力にも、六百ワツトの電力にも、各家庭にも或る一定の基準を以て制限をしていくという方法であります。そうしますとそれが省令なり法令なりで出ておるわけであります。それが果してその通りに全國的に實現できるや否やという問題です。皆がその制限を遵守し得るや否やということでございます。電氣はすでに各家庭にはもうその手許まできているのであります。新氣器具も街には賣つております。焜爐も賣つております。いつまで點けられる状態のところにもつてきて今の制限で三十キロしか使えないということは果してその通り實行できるや否やということでございます。それで我我といたしましてはこの電力事情を實際に國民大衆に本當に認識して頂いて、これは或は變壓器なら一つの變壓器に關係のある各家庭が寄り合つてでも……、變電所からは配電線が出ております。なになに家庭方面には一本の配電線が出ている、なになに家庭方面には一本の配電線が出ている。この配電線別に民衆が寄つて、お前の工場は今月は何キロ、俺の家庭は何キロという相談づくでやつたならば、制限が完全に自主的に守れやしないかというふうに考えております。又それで實際施行しておるところも二、三あるのであります。大體以上であります。
#22
○委員長(佐々木良作君) 外に御質問なければ電産勞働組合からの説明に關する件は終了したいと思います。
 次にお諮りすることがあります。先程打合會の方でいたしました際に、今年の冬の渇水期對策について政府案ができたならば政府案を委員會に報告をさせて、案を檢討したいというふうに申上げたわけですが、早速休會に入りますので、こういうふうに打合會になつておるが、政府の案としてあるのかないのか、あればそういう報告を受けて、それを檢討したいという意向が委員會にあるということを言いましたところ、商工省の方で、實は商工省の電力局で大體の案が今できかかつておるので、休會に入られる前でも何とか御報告したいと思つたところだということであります。ただ今のところまだ正式發表をする段階に至つていないので、例えば安本とか、その他との關係で對外的發表の時期に至つていないが、さればと言つて放つておけば休會に入つてしまうので、時期を逸して困る。でき得れば今日委員會があるそうだが、今日の委員會にでも概括的な説明でもさせて頂きたい。かように言つて來ておるわけであります。でお諮りする點は、そういう概括的な説明でもともかく聽くかどうかという點、聽くとすれば、政府の方から要求しておるのは、今のようにまだ對外發表の時期に至つていないので、秘密會として發表させて頂きたい、かように言つておるわけです。その二點を、どのように秘密會として聽くかという點を御決定、御審議願いたいと思うわけです。概括的な説明は二三十分で濟むそうです。それでは秘密會で話して頂くことにいたしましようか。
#23
○委員長(佐々木良作君) それでは早速説明を求めることにいたしましようか。
#24
○委員長(佐々木良作君) ではこのままの恰好でお待ち願います。
   午後三時十四分秘密會に入る
   ―――――・―――――
   午前四時二十一分秘密會を終る
#25
○委員長(佐々木良作君) ただちよつとお諮りしたいことがありますので、もう公開委員會になりましたから、ちよつとだけ御了解を得たいと思います。先程秘密會で申上げました通り、今冬渇水對策に對する檢討は、この委員會における檢討は、先程申上げましたように、昨日の打合會におきましても、十分檢討したいという意見もありますので、休會明けなるべく早い機會に、もつと十分な意見交換、或いは檢討をお願いしたいと思います。それからもう一つは、先程打合會の内容だとしてお傳えいたしました基本的な電力關係の調査につきまして、お諮りいたしますが、昨日の打合會におきまして、專門調査委員から、大體現在の電力の現状を調査する項目の案として説明願つたわけですが、それを一つプリントにして見せて呉れないかというので、お手許にプリントが行つておる筈です。昨日の打合會でも大體檢討されておりまして、今後やりながら調査を進めて行きながら、これを加えたり削除したりすることもできるのだから、一應こういう調査項目で直ちに出發したらどうかということが話されておりましたが、その打合會の方針に從いましい、ここに提示されたおる電力現状調査項目案の方針に從つて、直ちに調査を進めて貰う、專門調査委員を中心として調査を進めて頂くことに、御異議ありませんでしようか。
#26
○委員長(佐々木良作君) それでは休會中も尚專門調査員を中心として、できる限り重點的にこの調査を進めて貰おうと思いますから、尚休會中この調査を進めるために、委員で指導し相談を受ける必要があります場合は、東京に殘つてておられる委員方に随時御相談をしながら進めて行きたいと存じますから、御了承願いたいと存じます。
 それから秘密會中の會議録は先程の要請もありますので、會議録をそのまま發表することを差し控えたいと思いますが、御異議ありませんか。一般に頒布することを差し控えたいと思いますが、よろしうございますか。
#27
○委員長(佐々木良作君) それでは非常に長くなりましたが、これで散會いたします。
   午後二時二十四分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事      飯田精太郎君
   委員
           清水 武夫君
           下條 恭兵君
           重宗 雄三君
           西川 昌夫君
           松嶋 喜作君
           木檜三四郎君
           岡本 愛祐君
           宿谷 榮一君
  政府委員
   商工事務官
   (電力局長)  古池 信三君
  説明員
   經済復興會議事
   長       帆足  計君
   日本電氣産業勞
   働組合中央副執
   行委員長    小野 憲司君
   日本電氣勞働組
   合民主化協議會
   組合側常委任員  友永 信夫君
   ―――――・―――――
八月二十六日本委員會に左の事件を付託された。
 一、日本發送電株式會社水力發電工
  事に關する請願(第百十號)
  ―――――――――――――
 (請第百十號)昭和二十二年八月十
 二日受理日本發送電株式會社水力發電工事に關する請願
  請願者  東京都中央區築地三丁
       目八番地日本建設工業
       會會長 竹中藤右衞門
  紹介議員 原口忠次郎君日本發送電株式會社の計畫による水力發電工事を日本建設工業會の有力な會員である土木工事業者が施工を請負ひ、あらゆる困難を克服して實施中であつたが、最近セメントその他の主要資材の配給量が著しく減少したため、工事中止を案じており若し中止となる場合は關係者の物心兩面において困惑するのみでなく政府に對する不信を招き且つ從業員勞務者を失業せしめ、あらゆる方面に與える影響が大であるから右工事を續行せられたいとの請願。
ソース: 国立国会図書館
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