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1947/09/18 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第6号
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1947/09/18 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第6号

#1
第001回国会 電気委員会 第6号
  付託事件
○日本發送電株式會社水力發電工事に
 關する請願(第百十號)
○電力復興問題調査(今冬期渇水對策
 について)に關する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年九月十八日(木曜日)
   午後一時二十七分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○電力復興問題調査(今冬期渇水對策
 について)に關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木良作君) 大變お待たせしました、開會いたします。十五日の打合會におきまして、今日の委員會では主として今年の冬の渇水期對策につきまして商工省、安定本部竝びに事業者關係から説明を求め、質疑應答を中心にしてやろうというわけだつた次第でありますが、その方面へ連絡しましたところ、現在まで説明員としてお見えになつておるところは經濟安定本部の動力局の吉岡課長、局長は今閣議か何かで差支えて、直ぐこちらへ廻られるそうでありますが、それまで吉岡課長が見えられております。それから商工省からは電力局の技官の三井さん、それから森電業課長、それから事業者からは、今のところ、日發だけで、配電の方が見える豫定になつておりますが、まだ到着されておりませんが、日發關係から調査部長の木村さん、給電課長の山崎さん、それから調査部の竹内さん、この三人が見えております。いずれ役所の方の局長さんも見える筈でありますが、これらの説明員の方から、今年の冬の渇水期對策を中心として説明を求めることに御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐々木良作君) 尚その前に、何時かここで御決定を願いました專門調査員の渡邊一郎氏の外に林さんが見えておりますから御紹介いたします。こちらが林さんでございます。
#4
○専門調査員(林誠一君) どうぞよろしく。
#5
○委員長(佐々木良作君) 尚これは豫定には乘つかつておりませんが、委員の方からもいろいろの御質問もありましたので、特に今度の水害に付きまして、電氣關係にどのような影響があるか、今年の冬の渇水期對策の前にちよつと御説明を願つたらと思いますが、如何でございましようか。
   〔「結構ですね」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(佐々木良作君) それでは電力局の三井さん、一つお願いしたいと思います。
#7
○説明員(三井新次郎君) 私電力局の三井でございます。簡單に今度の颱風による電氣設備の水害について御報告申上げます。十五日の臺風の先觸れの雨によりまして、關東地區において相當の被害がありましたことは、新聞に相當詳しく出ておりますので、極く要點だけを申上げます。最初に電力方面に被害の生じましたのはその日の午後五時十分でございますが、鐵道省の信濃川送電線の鐵塔が倒壊いたしまして、そのために信濃川方面から送うておりました電力が全部停電いたしまして、それと前後いたしまして、日發の上越線、これも信濃川の方から參つておるのでありますが、その系統に付いております佐久發電所がやはり利根川の洪水のために侵水いたしまして發電所の附属建物の一部が倒壊いたしました。それ等の關係で相當の電力が一時になくなつたために全系統が壊れまして東京都を中心とした廣い區域に亙つて全停電が起つたのでありますが、それに對しまして直ぐに復舊の手を講じまして、大體東京に對して電力の供給が徐々に開始されましたのはその日の午後五時十分から後十五分、二十分というふうに段々區切つて送電をいたして行きまして、七時半頃から漸次囘復いたしまして、八時半頃には進駐軍關係その他水道、電鐵等に對する送電の手筈が完了いたしました。十六日の朝には緊急でない需要を除きまして約六十萬キロワツトの送電を開始いたしたのであります。その後水力發電所、送電線等に對しまして緊急の復舊工事が行われまして、鐵道省の送電線は十六日の夕方、明る日の夕方、一囘線だけが假工事で復舊いたしました。送電が開始して一囘線は十七日に更に假復舊ができました。現在二囘線とも假施設によつて送電がされております。又佐久發電所の水害に伴いまして、上越線が全停電をいたしたのでありますが、これは佐久支線、佐久の發電所に出ております支線を切り離しまして、十六日の朝假復舊で上越線が送電を開始いたしましたので、東京方面に對します送電幹線といたしましては、現在送電に支障がない状況でございます。今日の午前中の状況で申しますと、これを水害直後の事情と比較して申上げますと、日發、關東配電その他におきまして約七十萬キロ以上の水力發電所が停電又は出力の制限をいたしたのでございますが、現在本日の午前の状況におきましては、合計それが半減いたしまして、約三十二萬キロワツト位のものが停電若しくは出力を制限いたしております。この中には水害前から停電をいたしておるものも多少入つておるのでありますが、この三十二萬キロの電力は、關東地區に對する現在の水力發電可能力に比べましておよそ四分の一程度に相當すると思います。
 水力發電所及び送電線につきましては以上の通りでありまして、變電所については日發關係については殆んど被害はありません。關東配電で埼玉縣の方の變電所が濁流に包圍されていると考えられるのでありますが、詳細不明でございます。それから東北地域におきましては、現在までのところ判明いたしておりますところでは、被害は比較的僅少の見込みでありまして、全停電又は出力制限をいたしております水力發電所は、五ヶ所で約二萬キロワツト程度のものでございます。配電線に對しましては、水害地域の状況がまだ判明いたしませんので、目下調査中でございますが、相當甚大な被害があると考えられますので、それ等の復舊につきましては相當の資材その他を必要とするものと考えております。尚先程申しました佐久發電所の被害は、發電所中でも最も猛烈なものなのでございまして、これの復舊には相當の時間を掛けなければならないと思います。今のところその復舊の見込はちよつと立て兼ねておるような状況でございます。佐久發電所は六萬六千キロワツトの發電所でございます。利根川筋におきましては最下流の發電所でございます。
 今申しましたのは害の方でございますが、水力の増加に對する影響を極く簡單に申上げますというと、この九月に入りまして八日、九日頃が水力の最低でございましたのでありますが、關東、關西方面を合計で申上げますというと、自然流量の發電所で申上げますが、即ち調整しない……貯水池を持つておらん發電所の自然流量のままで發電したならば、どれだけ出るかという數字で申上げますが、八日、九日頃は關東、關西を合せまして、百三十五萬から百三十八萬キロワツト程度の發電をいたしておつたのであります。これに對してこの十日から僅かばかり雨が降つておつたのでありますが、この十五日の雨によりまして、推定でございますが、百三十五萬乃至八萬キロワツトであつたものが約二百九十萬キロワツトの自然流量を持つたのでございます。倍以上になつたのであります。併し先程申しましたように、關東方面におきましては、その半分に相當するものが發電不能の状態に陷つたような次第であります。十六日はそういうわけで、自然流量が非常にあるに拘わらず、關東方面の供給は相當混亂をいたしております。關西方面は殆んど被害を受けておらんので、相當豐富に電力の供給がされておのたのであります。現在十八日の状況では、この二百九十萬キロワツト程度に上つたものが、約二百四十萬キロワツトをちよつと割つた程度であります。それにいたしましてもこの八日、九日頃の最低であつたものに比べましては、自然流量としては約百萬キロワツト増加しておるのであります。この中には勿論先程申しました、水害のために發電不能になつておるものが出るものとしての勘定でありますが、先程申しましたように關東地區におきましては、約三十萬キロワツト餘りのものが停電又は制限中のものを含んでおります。八日、九日頃の最低の、最渇水の時には、火力は關東、關西を合せまして、約十六萬キロワツトを發電いたしておつたのであります。現在は石炭を節約するために、電壓保持のために必要なる最小限度、即ち二萬キロワツトを發電しておるわけであります。尚貯水池につきましても、冬季對策といたしまして、水を搾つて貯水に努めておるような状況でございます。猪苗代の貯水池に對しましては、この最渇水の時には、相當猪苗代の貯水池を使いましたために、あすこの本湖の、猪苗代本湖の方でございますが、水位が〇・九メーターぐらい近くまで下つておつたのでありますが、現在は一・五メーターにまで囘復をいたしております。尚これを相當節約すると同時に、まだ流れ込みが多少あると思われますので、大體猪苗代貯水につきましては、非常に心配しておりましたけれども、ほぼ計畫程度のものが、即ち渇水を迎えるための準備としては、ほぼ必要なものが溜まるのじやないかというふうに考えておる次第であります。
 大體水害については以上であります。
#8
○委員長(佐々木良作君) 尚今の説明者の方で、事業者側から、先程のまだ見えてなかつた、配電側から、關東配電の社長の高井さん及び同業務部長の伊賀さんが見えました。尚關西配電の副社長の五島さん、それから九州配電の常務の小川さんが見えましたから、さよう御了解願います。
#9
○大山安君 誠に勝手なわけでありますが、國土計畫の方で、止むことを得ず至急出なければならんので、時間の關係もありますから、簡單でありますから發言のお許しを願います。
 只今商工省のお方の申されることでよく分つたのでありますが、電氣につきまして、重點産業の枠内に入つていないということですが、主として産業に力を入れる場合に、如何なる關係で重點産業の枠内に入れられないかということをちよつとお尋ねしたいのであります。
#10
○委員長(佐々木良作君) 説明員が見えておりますが、どなたに御質問……。
#11
○大山安君 只今の商工省の方で結構です。
#12
○委員長(佐々木良作君) 三井さんですね。
#13
○大山安君 名前はちよつと……。
#14
○委員長(佐々木良作君) 今の水害に關しての御質問を先にしたいと思いますが、大山さんは、時間の關係で、外に聽きたいということについての緊急質問にお答え願いましてよろしうございますか。
#15
○大山安君 若しなんなら、あとでも機會がありますから……。
#16
○委員長(佐々木良作君) 水害關係の方から先にやりましようか。或いは先に答えてもらつてよろしうございますか。
#17
○大山安君 今の場合でなくても、今日でなくても、後に機會があると思いますから……。
#18
○委員長(佐々木良作君) それでは先程三井政府委員から、水害の状況の説明を聽きましたわけでありますが、これに對して御質問がありましたら……。
#19
○松嶋喜作君 自然流量の二百九十萬キロワツト、これは直ぐ減つてしまうのですか。繼續する見込みはどんな工合ですか。
#20
○説明員(三井新次郎君) お答えいたします。十五日の推定、二百九十萬、詳しく申しますると、二百八十八萬九千という數字になつておるのでありますが、これが十六日には大體同じ程度、二百八十七萬二千ということになつております。十七日にはそれが約三十萬キロ減りまして、二百五十七萬一千ということになつております。今朝は二百三十九萬でありますから、更に二十萬キロ減つたのであります。こういう減り方をいたしまするので、一番渇水をいたしておりました百三十何萬というふうに下るまでは、まだ十日やそこいら、十日以上は掛かると思うのでありますけれども、大體九月、十月の状況といたしましては、相當連日といいますか、追いつぎ追いつぎ雨が降つて來るのが毎年の例でございますので、普通ならば現在の二百三十九萬程度の數字を九月平均とすれば、持續するべきものだと考えておるのであります。
#21
○委員長(佐々木良作君) 他に御質問ありませんですか。事業者の方で、この水害に關して御發言ありましたら……。よろしうございますか。他にありませんようでしたら、私ちよつとお伺いしたいのですが。根本的な問題になるかもしれませんが、現在の段階で、役所の方でこの水害の原因調査、或いは今後の電力對策ですね。この水害を契機としての、或いは又この水害の復舊の具體的な計畫、或いは直ぐへの、水害地點、水害工事への電力面の應援對策と、當面の水害を契機としての應援措置、それから復舊計畫、更に大きく水害の原因調査及び大きな今後の開發計畫というものに對して、現在までになにか具體案でもありましたらお伺いしたいのですが。
#22
○説明員(三井新次郎君) お答え申上げます。現在のところ、先程申上げました程度のことが、漸くにして通信關係でわかつておるので、まだ通信が非常に不完全でございます。例えば電氣がこちらへ來ておるから、あの發電所が健全に動いておるのだろうというふうに想像しておるような發電所があるような状況でございまして、まだ的確なことを掴んでおらんのでございまして、ここではつきり呈示して、どの程度になつておるというような問題のはつきりしておるのを申上げますというと、まあ佐久發電所などは一番近いので、これは非常にはつきりいたしておるのでありますが、その他でもう既に復舊の對策を立てまして、例えば利根川筋の發電所で申しますというと、小松とか上久屋といつたような發電所につきましては、既に水害で相當發電所の中をやられたのでありますが、小松では十八日の夕刻には既に一臺運轉をする。上久屋等におきましては、二十五日までに一臺を運轉するというふうな、個々の發電所につきましては、これは主として日發の土木及び工務の方で計畫を立てて、私の方で連絡をとつておるのでありますが、具體的な復舊計畫を立てておるのであります。併しこの復舊をやるにつきましては、恐らく相當の資材、特に水車室がやられておる。水車室に土砂が入つておる問題、或いは水が入つたために油が流されておるという問題が、非常に大きいと思うのであります。その油の補給という問題が非常に大問題だと思うのであります。これは現在油は非常に困つておりますので、日發全體の手持をそこへ流して一時その穴埋めをいたしまして、更に物資の方に要求をいたしまして補充をするという手を打たなければならんと考えております。一番問題はその點であります。それから現在日發におきましては、主として關東支店の管内でございまして、關東支店におきまして、どの方面にどういう勞務の應援隊を出さなければならんかというようなことを、昨日あたり具體的に檢討いたしておるように聞いておるのであります。大體應急の措置といたしまして今やつておりますのは、主として日發關係においてやつておるのであります。配電關係のことにつきましては、まだ私どもの方に連絡をいたしておりませんので、現在至急調査をして頂くように配電會社の方に連絡を取つておるような状況でございます。それから將來の計畫といたしましては、何分この水害の根本の原因がどこにあるかという問題は、これは大問題だと思うのでありまして、河川の治水の問題と一緒に根本的な對策を立てなければならんと考えるのでありますが、現在まだ具體的なことを始めておらないのであります。
#23
○委員長(佐々木良作君) 水害關係につきまして、外に御質問ありませんようでしたら次に移つてよろしうございますか。
#24
○水橋藤作君 先程の御報告で關東は相當の被害を受けたが、關西はそれ程でない。我々素人で分りませんが、發電所に六萬六千キロの不測の障害があつたという場合には、これを合理的に關西から關東へ持つて來て、關東の急場を防ぐとか何とか、そういう便法は講ぜられておりますか。又惡いところは惡いで止むを得んと思うのですが。その状況をちよつと……。
#25
○説明員(三井新次郎君) お答を申上げます。先程申上げるのを忘れたのでありますが、十六日の、即ち約半減いたしました電力を、關東方面に對しては關東だけでは六十萬キロワツトぐらいの供給しかできなかつたので、關西方面から十五萬キロワツトの應援を受けたのであります。これは現在の発電の融通の限度でございまして、從つて關東に對しては七十五萬キロワツトの供給をいたしたのであります。
#26
○委員長(佐々木良作君) それでは水害關係の状況の説明を聽く件はこの邊にしまして、本論の今年の冬の渇水期對策について説明を求めてよろしうございましようか。どういうふうにいたしましようか。一應この前、休會前に割當制度を中心として電力局長から概略の説明を聽いたわけなのであります。電力局で今持つておる計畫の概要を聽きまして、それを實施するのは、恐らく事業者になるわけですから、實施の見込と云いますか、それを事業者から聽いて、そうしてそれの質問に移りましようか。或いは他に適當な方法がありましたらお申出で願いたい。
   〔「それでよろしゆうございます」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(佐々木良作君) それでは今年の冬の渇水期對策の説明を聽きまして、後程公報に載つけて置きましたように、G・H・Qを電氣委員として訪問する義務がありますから、その件の御相談をその後にしたいと思います。それでは電力局ですか、安定本部ですか、どちらでも結構ですが、今年の冬の渇水期對策についての概略の御説明を願いたいのです。この前ちよつと聽きましたのは割當制度を中心とした問題だつたわけですが、それの立案は安本が中心だそうですから、そこから話を聽いたら如何がと思います。
   〔「よろしゆうございます」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(佐々木良作君) それでは吉岡課長お願いします。
#29
○説明員(吉岡俊夫君) 私安定本部の動力局の電力課長であります。局長にちよつと差支えありますので、私が代りますから惡しからず……。今年の冬の電力の見通しでありますが、いろいろの原因で尚十分でないという見込がつくのであります。これに對してはいろいろな方策を立てておりますが、一つは設備の能力の點から、次は電力量を殖やすための發電用炭の配當の問題、そういのような供給力を殖やす面もいろいろ考えておるわけでありますが、その方面が豫定しておりますものもそう十分なものでありませんので、結局は需要電力の調整をやらなければ、この冬は乘り切つて行けないという見通しが立つのであります。尚電力の需給の状況は、從來は冬の渇水期、或は夏の渇水期というような水力發電が減退した場合に不足を生じ、春の豐水期とか、秋の出水時等には電力が餘つておるというのが從來の状態でありました。それが最近、特に本年度に入つてから電力需要が非常に増加いたしまして、戰時中の最高能力、これは一日平均約一億キロワツト時でありましたが、それを幾分凌駕する程増加して參りました。從つて最豐水期におきましても電力が十分でないというような状態に立ち至つたのであります。そこで今後は一年間を通じて、電力を合理的に調整して行きたいと考えまして、今囘安定本部の訓令を以ちまして、去る十三日に關係方面に電力需給調整要領というものを交付したわけであります。この目的はいろいろありますが、まず最近電力需要が非常に増加しておるのは、一つは各消費者において電力を無駄使いしておる面があるだろう。それでこれを合理的に電力の配分をすることによつてこの無駄使いを矯正して行こうというのが一つの狙いであります。それから次は、去年までは電力制限をやります場合に、或る特定の時期における消費實績を基にして、それの何割制限というような工合に消費規正をやつて來たわけでありますが、これで行きますと、電力を無駄使いした者が結局實績を多く持つていて、渇水時期に得をするという關係で、さつき申しましたような電力の合理的使用が行われないばかりでなく、必ずしも重要でない産業が、實績が多いがために渇水期に餘計に電氣を使うというような不合理なことになります。從つて今後は産業の重要度に應じ、而も産業の生産計畫に應じたように電力を配當したいというのが第二の狙いであります。それから次は、これは國民の生活上必要な電力についてでありますが、從來やはりこれも實績主義で電力規正を行なつて來た關係上、國民によつて電力の使い方に相違がある。詰り電力を普段ふんだんに使つていた人が渇水期にも使える、そのような工合で、各國民の間に不公正な取扱いがあつたわけであります。それで今後はこれを公平に、公正に國民の間に配分したいというのがその又一つの狙いであります。こういうような狙いの下に今度の調整要領はできておるわけでありますが、その内容を簡單に申上げますと、電力の需要をまず四つの分に大きく分けます。一つは産業用の大口電力でありまして、電氣事業者がら電力を五百キロワツト以上貰つておる工場、事業場がこれに入るわけであります。次は産業用の小口電力でありまして、産業用の電力の中、今の大口電力以外のものであります。第三は業務用の電力、ビルデイングとか官廳とか商店というような方面に使われておる電力であります。それから第四が住宅用の電力、このように四種類に分けております。その中産業用の大口電力につきましては、考え方は大體指定生産資材の割當手續と似ておるのでありまして、各需要家から毎四半期ごとに割當の申請書を主務官廳に出して頂きまして、主務官廳がそれを集計査定して、安定本部に需要部門別に電力の割當申請をする。そうして安定本部におきましては、各主務官廳から來ました需要要請と一方供給量、即ち電力の供給し得る量を相定いたしまして、それによつて各需要部門ごとの配當を行なつて、主務官廳にそれを通知いたします。そうすると主務官廳はにれを各工場、事業場別に假割當いたしまして、これを各地方商工局の電力部に通知いたします。それで電力部で配電會社の配電能力その他を考えて、最後の需要家に對する割當證明書を出すということになります。今申しましたように、大體は指定生産資材の割當規定とよく似ておるのでありますが、少し違う點は、最後に電力の主管官廳、つまり各商工局の電力部が間に入りまして、それが割當の切符を切るという點が違うわけであります。これは電力の特性といたしまして、各主務官廳においてはなかなか電力の實態を掴むことがむづかしいという點があります。從つて當分の間は電力部が幾分世話をしなければなるまいという點と、それから電氣を或る會社に割當しましても、配電能力の關係上そこへ電氣が行かないような場合があると困りますので、そういうことを調整するために電力部が間に入つておるわけであります。その點が他のものと少し違う點であります。
 それからあとの産業用小口電力及び業務用電力、住宅用電力につきましては、或る一定の基準を設けまして、その基準によつて公平に公正に各需要家に配分するのであります。尚從つて從來のような實績主義じやなしに、例えば住宅用の電力につきましては、ほぼ各需要家共その人數とか、或いは世帶數といふものを考えて決めた適当な公正な基準で配當することにしております。ただ少し趣の違う點は、住宅の電熱用の電力であります。この配當は、昨年はやはり實績主義によつて配當をいたしましたが、その場合に他の燃料、即ち薪炭とかガスとか豆炭というようなものとは全然關連なく配當いたしました。從つて電力を使える家庭は、それだけ餘分に使えたわけであります。今年はこれを改めまして、家庭用の燃料綜合對策というものを立てまして、電力、ガス、薪炭、煉豆炭、こういうようなものを綜合して公平に各家庭の燃料を確保しようということになつております。その場合電力の供給方針といたしましては、元來電力は、熱として使うことは、最もエネルギー的に考えて得ではないのであります。特に渇水期火力發電をして貴重な石炭を燃やしてまでそれを熱として使うことは、エネルギー的に言いまして非常に損であります。それで渇水期の家庭用の電熱用電力は極力これを減らす、他の燃料で補えない場合に、その足らん分だけを最小限度に供給するという方針によつて配當する。併し豐水期、水のありますときには、最近の薪炭状況の非常に苦しいときでありますので、それを幾分でも緩和するという意味で幾分増配する、こういうような方針をとつております。
 それから第二は薪炭は特に大都會において苦しいのであります。薪炭の生産地においては比較的入手し易いのでありますが、六大都市その他の薪炭消費地におきましては、輸送の面その他からいたしまして、薪炭の配給が非常に困難である。そういうことを考えまして、電熱の配當を行うのは、原則として薪炭を消費する府縣の都市に限るということにしております。但し薪炭生産地でありましても、市制施行地で必要とする場合には、或程度の配當をしたいと思つております。併し九州は電力事情が非常に惡いので、今年は全然認めないことにしております。
 次は殊に都市に限つて配當するわけでありますが、その中でも定額で使う家庭は非常に無制限に使われる虞れがありますので、一應認めないことにしまして、從量、メーターで使う家庭に電熱の使用を認めるということにしております。ガスが二十四時間出る區域、詰り進駐軍へのガス供給區域で、それに從つてガスの出て來る地域におきましては、電熱の配當をしない、こういうように考えております。以上申しましたような方針で今年の冬の電力配當をやりますが、ただその電力は他の物資と違いまして、水力發電というものは非常に變り易いもので供給いたします關係上、その供給力を的確に使うことが非常にむづかしいのであります。それで配當をいたします場合には、一應過去五ヶ年乃至十年間の可能發電力を見まして、普通ならばこのくらい出るだろうという豫想を立ててやりますが、或る場合には渇水をする場合もありますし、又或る場合には水が出る場合もあります。從つてそういうように豫想よりも供給力が下つたり、上つたりした場合には、何らか特別の手を打たなければならんわけであります。他の物資であれば豫想よりも供給力が不足すれば、それは空切符になる。餘ればストツクになつて來るわけでありますが、從つてあるときは次の時期に調整ができますが、電力が足りなければ、サイクルが下がる、又電壓が下る。餘れば水を捨てるのでありまして、そういう變化に應じて時々刻々手を打たなければなりません。從つて電力の調整方針としましては、そういう場合に或る一定の方針で電力の割當を減らしたり、或いは特配したりすることができるように考えております。この方針を現在商工省及び各省に連絡してありますので、現在商工省においてこの具體的の方針を立案中であります。從つて細かいことはその方面で聽いて頂きたいと思います。
#30
○委員長(佐々木良作君) 今安本の吉岡課長から概略的な説明を聽いたわけですが、次に日發關係の説明者の方から、今年の冬の需要の電力量が數字的な基礎に基いてどれくらいあつて、そうしてそれに對して供給力がどれくらいか、結局どのくらい制限するのか、數字的な裏付けの説明を聞いたらと思いますが、その次に配電の計畫の實施についての困難さ、或いは可能か、不可能か、どこにむづかしい點があるかということを承つてみたいと思います。よろしうございますか。それでは日發の方……。
#31
○説明員(山崎久一君) 日本發送電の給電の方をやつております山崎と申します。只今今年の冬の電力事情の見通しについて話をせよとのお話でございましたのですが、先程經濟安定本部からの御説明がありました通り、本年の需給につきましては、供給力に應じまして、需要の方を豫め割當をして行くという形に相なつておりますので、需給の一應のバランスは政府の方でお取りになるということに相成つておるわけであります。ただそれにつきまして、それでは一體この需給のバランスが果して昨年度とどういうふうに變わるだろうかというような點を掻いつまんで御説明しますというと、御納得が行くのではないかと思いますが、つまり需要の方におきましては、自然に放つて置きましたならば、恐らく昨年度の或いは一割増産程度になるのではないかと想豫いたされますが、供給力の方が抑えられておりますので、供給力の方から行きますと、結局そういう需要に對してどの程度の制限になるかという見當をつけることに相成るかと思います。それで御參考までに私の方で昨年度の最渇水期におきまして、二月の一番渇水いたしました當時に、當時推定されました需要に對しまして、どの程度の制限率に相なつておるかと申しますと、想定されました需要は四百四十七萬キロワツト、全國で四百四十七萬キロワツトでございましたが、これに對しまして供給力はどうかと申しますと、水力發電におきまして、二百七十五萬六千キロワツト、それから火力發電におきまして、三十一萬七千キロワツトで、その想定需要に對しますところの不足が、百三十九萬七千キロワツトでありまして、これが不足の割合で申しますと、三一%に相成つております。そこで今年度の渇水期には一體供給力がどうなるであろうかという點について御説明をいたしますと、大體水力におきましては、前年よりも増加いたしますものは、現在工事に著手いたしておりますものは、關係筋の方からの話によりまして一應保留に相成つておりますが、只今既設の水力發電所におきまして、この戰爭中の酷使によりまして非常に能率低下いたしておりますもの、その他故障をやつておるというようなものを極力復舊に努力いたしまして、大體本年の渇水期までにはその分が、約渇水期の出力にいたしまして五萬九千キロワツトを復舊する見込みで只今極力工事を進めております。それからその外に水路の附近に流れておりますところの渓流から臨時に取入れ等によりまして既設發電所の出力増加工事を可及的速かに完成いたしますことによりまして、この増加が冬期出力といたしまして八千キロワツトございます、これは現在のところ昨年度に比べまして増加するであろうところの見込みのものは大體合計六萬七千キロワツトになりますが、この程度のものを考慮いたしておるわけであります。ところが最近の颱風の事故によりまして、關東方面で相當の被害がございまして、その分の中大部分はこの渇水期までに復舊いたす豫定でございますが、中に若干殘るだろうと思います。その分がどの程度になるものかは現在のところ推定が、情報が集まつておりませんので、推定いたし兼ねますのですが、若干はこの分がマイナスになる勘定に相成ります。それから火力發電所につきましては、現在は戰災によりまして壊れましたところの最も優秀な發電所三ヶ所、これの復舊に努力いたしまして、その外尚既設の火力發電所の補修に努めまして、この分は大體昨年に比べまして約二十八萬キロワツトを増加いたす勘定でございます。火力發電所につきましては、只今のような設備上増加いたしますが、政府の石炭の割合數量が、本年度におきましては一應百七十五萬トンというふうに定められまして、その後下期につきましては、相當程度の増量を内示されておりますから、その分を考慮いたしますと、大體昨年度よりも、これは極く概略の數字で後程訂正になるかも分りませんが、大體二十萬キロワツトくらいのものが増加いたしまして、約五十萬キロワツトくらいが火力發電としては發電できるのではないかというふうに考えております。そうしますと、先程申上げました昨年度の不足電力、水力につきましてはプラスの面が六万七千キロに對しまして、火力發電所が約二十萬キロ、ところがこれに對して水害による減退などがありまして、水力の方が打ち消されるといたしますと、昨年度よりも全體の出力として、大雜把の見當で二十萬キロくらい増加いたすことに相成るかと存じます。ところが一方需要におきましては、昨年四百四十七萬キロワツトのものが、假りに一割増加いたすというような考え方をいたしますというと、四十四五萬キロワツトの増加分に相成りますので、その増加合を賄うだけ出力の方は増加いたしませんから、制限率にいたしますと、むしろ昨年度よりも若干きつくなるのではないかというふうに考えられます。
 それからもう一つ、今度の割當制の件につきましては、割當制の原則竝びにその方法については非常に結構であります。ただ問題は、これが運用にあるのでございまして、先程經濟安定本部の方からもお話ございました通り、水力は非常に變動いたしますので、これが五ヶ年平均の水力によつて一應豫定を立てて置きましても、最渇水期におきましては、その數字の上、下、年によつては最大二割くらいまで變動が、あるわけでありますから、この變動の場合に如何なる運用をやるかというような問題がまだまだ問題として残るのじやないかと思います。
 それからもう一つは、石炭の問題ですが、これも豐水期におきましては、比較的順調に割當に對する入炭ができておりますが、下期におきましては、それが一般の需給面の窮屈なるのと併行いたしまして、石炭の入手が困難になるというような事態が豫想、懸念いたされますので、この點が問題の、相當需給の均衝を左右するポイントになるのではないかと考えております。一應その程度で説明を打切らして頂きます。
#32
○委員長(佐々木良作君) 次に配電側の説明をお願いいたします。
#33
○説明員(高井亮太郎君) 關東配電の社長の高井でございます。關東配電で、この冬の危機突破について考えておりましたことは、この前に私この席で伺いまして、大體お話を申上げてしまつてあるのであります。ただその後先程安定本部の吉岡課長から申されましたように、この秋から冬に掛けて、更に引續いて實施せられると思いますが、電力調整要綱が、電力調整墾談會その他に掛けられた末、決定をいたしまして、非常に詳細な電力の割當規定が確立されたのであります。これが豫定通り實施をいたされまするならば相當な效果を擧げ得るものと私共も思つておるのでありますが、要はその目的通りに實際よく動かして行けるかどうかという點に懸つておるものと存じております。實は横濱におる第八軍の本部の電氣擔當の責任の方が先日お伺いをしましたときに、この冬の電力をどうするつもりであるか、夏でもこんなになつておるではないかというお話がありましたのに對して我々の今まで考えておつたことは、勿論一生懸命にやるし、その上この度政府でかくかくの非常に細かい規定もできたから、これを活用して一生懸命にやるの外はないでありましようと説明をいたしましたら、非常に心配の面持ちで、多分に夢が入つておるのじやないか、ここで論議はしないから來年の三月その結果をお前と話をしようという、極めて簡單な返事をされたのでありますが、その三月の話が極めて私共が立派に話のできるものになるように、この政府なり、政府で考えておられる實施方法が、私共の實際の動きとマツチいたしまして立派な效果を擧げ得るように努力をして行くというのが差し當つての問題であると存じておる次第であります。
 この調整規定等に關しまして、その後直接私共の方の業務部等において各方面と折衝もいたしておりまするので、業務部長の伊賀君からこれに關しまして、私がこの前にお話申上げました後の或いはそれ以上に詳細なことを御説明申上げたいと存じます。
#34
○説明員(伊賀秀雄君) 關東配電業務部長の伊賀でございます。
 この前及び只今私共の社長がこの冬の電力對策について根本のことを申上げましたが、私實際に現場を預かつております者といたしまして、簡單に私達の考えておることを申上げたいと思います。
 結論から申上げますと、安本及び電力局の方で非常に周到な電力の需給方針をお立てになりまして私達の方へお示し願いましたので、これで乗り切るべく諸方の情勢を觀案いたしました上で方策を立てておるのであります。乘り切り得るという確信をここで申上げ兼ねるような見通しではないかと思うのであります。いかにしてこの危機を突破しようかということにつきましてはこの前も社長から申上げたそうでございますが、第一に私達は需要家の方方の御協力を得なければならないということで、最近あちら、こちらへ私達がお願いする先から電力協議會というものができまして、一つ民間で自主的にこの電力危機を突破しよう、それには電力不足に對して配電會社の立てておる對策を示せというような強い聲がございまして、私達といたしましても非常に嬉しく思いまして、全力を擧げてこの冬の電力危機突破の困難なことを御説明申上げまして、そうして御協力を得ておる次第でございます。これが若し昨年私達の管内の群馬、栃木その他の地方で成功いたしましたように需要家の御協力によつて自主的の節約をして頂くことができれば案外今年の冬期も樂に切り抜けられるのではないかと念願しておるのであります。東京都及びその附近においてこれが成功するかどうかについては尚危惧をいたしておるものが相當にございます。
 技術的の方面といたしましては私達は定額需要家の從量化、季節電力の調整、新増設の電力の重點的の供給、電力の使い方の合理化などということの運動を起しておりますが、これらの運動にも拘わらず、又私達の努力、及び需用家の方々の御協力にも拘わらず、私達が危惧の念を持つておりますのは、總合的な燃料對策が今安本の方からお話になりましたように實行せられるかどうかということであります。若しこれが實行せられない……實行というと護弊がございますが、これが計畫通りに若し行かなかつたといたしますならば、現在の状態では安本その他で御計算になりました炭と、電力との熱量の關係からの計算で參りましても、尚炭を使うよりも電力を使う方が安いというふうな電力料金の状況になつておりますので、特別な措置の講じられない限りは電力を押えて行くことは不可能なのではないかと心配するのであります。
 尚、もう一つの心配の種になりますのは、先程の御計畫は吉岡さんからもお話がありましたように、何年間の平均の最も惡い状態の數字から割出された割當が決められるのであります。これ以上異常な渇水が來るのではないかということであります。現に今年の夏の電氣の供給上に非常な混亂を起しましたその原因は二つございまして、一つはこれ以上はあるまいと豫想した渇水よりも更にひどい渇水がありましたこと、私達が御協力を豫想いたしました需要家から得ることはできなくて、常に豫想以上の電力が使用せられたということから起きたのであります。このことを考えますと、この冬も非常に心配なのであります。そこで今折角關係の官廳の方々と全力を擧げて資料を集め打合せ中でありますが、私達といたしましては總合的の燃料對策を強力に政府の方でお進め願いたいこと、及び若しも止むを得ずこの冬の危機突破のために緊急停電をしなければならないような事態に立至るといたしましたならば、……今最もこの夏の混亂しました状態で一般の方々の御不平を釀しましたのは、公平な停電ができなかつたことでありまして、言い換えれば、進駐軍その他のどうしても確保しなければならない電力の配電線を繋がつておる需要家がいつも送電せられておるのに、一方ではいつも停電をさせられる需要があるということでありまして、このことにつきましては完全にやりますならば東京都内だけの整理につきましても數百トンの銅量を要しますので、現在では我々の及ぶ限りの努力をいたしまして、人手ですでにその三分の一ばかりの需要を切つておりまするが、尚殘りのものも半分ばかりのものを切りますために、整理いたしますために、數百トンの銅の中から百トンばかりの計畫を立てまして政府の方へもお願いいたしたいと存じております。後の半分ばかりを徹底的に整理いたしますのには、更に五百トンばかりの銅が要りまして、これは第二の問題にいたしたいと考えておりまして、かようにいたしまして、この冬を何とか切り拔けたいと存じております。御報告と合せまして今の二つの點、總合燃料對策のことと私達が努力しなければならないことに必要な資材の御斡旋をお願いいたしたいと存じておる次第であります。非常に簡單でございましたがこれで終ります。
#35
○委員長(佐々木良作君) 關西と九州の今年の冬に對する見込みと言いますか、それに對してお聽きしたいと思います。
#36
○説明員(五島祐君) 關西配電株式會社副社長五島であります。色々とそれぞれの方からお話になつておりますので、餘り重複しない程度におきまして簡單に申上げて見たいと思つております。現在の電力、この冬の電力不足對策といたしましては、一應我々配電會社の所有しております發電所の修繕等を極力やりまして、能力を殖やすことにしておりますが、これは何分にも電源といたしましては一割も自分自身の發電所はありませんのでありますから、量的に申上げては餘り大きな影響、效果は得られないものでございますが、まあたとえ少なくても發電所の修理等によりまして能力を増大したい、こういうことを努めております。それから關西地區のいろいろの有力なる官廳なり、團體なりに働きかけまして、關西における電力制限が多少でも輕減するために有效である方法をいろいろと講じておるのでありますが、それの一つとしては、成るべくこの石炭の割當を關西の方に殖やして頂きたいというような運動、それから割當てられた石炭を確實に入手いたしますための手段方法、こういうものを進めております。それから第二番目の問題といたしましては、燃料の總合對策、つまりたびたびお話が出ております通り、現在の需要が非常に殖えました原因の大きなものは、戰前は家庭用の電力は大體總需要の一割乃至一割五分でありましたものが、現在は三割五分、或いは四割に家庭用の需要が殖えておるのでございます。その主たる原因は、家庭における燃料、薪炭が得られないということに相成つておる結果ではありますが、ところが一方考えて見ますと、同じ一トンの石炭を火力用に、つまり火力の發電用に使うのと、これをガス會社に送つてガスにし、又コークスにいたしました效果から考えますと、つまり熱效率と申しますか、利用效率を考えますと、同じ一トンの石炭を火力發電に使われまして、電熱にこれを使われますならば、ガスに使われる效率の約四分の一に相成るのでありますから、或るべくならば渇水期には電熱を使われないようにして頂く、豐水期のときには別でありますが、この渇水期には燃料の代りに電熱を使われないように規正して頂く、こういう運動を進めておるのであります。
 第三の問題といたしましては、これは最も我々として力を注がなければならないと思つておりますが、電力の專用防止でございます。このためには定額需要家をメーター化する、それから又電流の、電氣の制限機を取付ける、こういう方法を進めておりまして、現在關西配電だけでの計畫といたしましては、電流制限機を約三十萬箇くらいを取付けたい、こういうことで進んでおります。又メーターも八萬五六千箇を取付けたいと思つておりますが、これはいずれも資材關係、又金融關係と關連がありますので、この實現のためにそういつた方面にそれぞれの手續なり運動なり御了解を進めつつあるわけであります。こういつたことで成るべく電力電氣の制限による需要家各位の御迷惑を多少とも輕減したい、こう思つて折角努力しております。
#37
○委員長(佐々木良作君) 次に九州の小川さんから九州の事情について説明を伺います。
#38
○説明員(小川敬次君) 九州配電の小川であります。この冬の渇水期に乘切れるかどうかということをお話する前に、すでに御承知でございますと存じますが、九州の特異性と申しますか、炭礦が非常に多いということで、これは現在全負荷の三六%である、その外に占領軍、その外の要確保電力、どうしても切ることのできないという電力を一緒にいたしまして、五〇%以上のものがあるのであります。現在數字的に申しますと、大體負荷が五十萬キロある。それに對して現在三十二三萬或いは四五萬というところへ行つておる。そうしてそれが出力になつて、その中に炭礦その他要確保電力というのが二十六七萬あります。電源が減りまして制限をする範圍というものは既に現在二十二三萬から七八萬のところに壓縮されておるのであります。この冬これ以上の渇水になつて參りますと、一般の中小工業、産業その他家庭電燈電熱というものは五萬、四萬と誠に哀れな状態になる。電源が不足というのみならず要確保電力が大きという二つの條件の間に挾まりまして、誠に非慘な状態になるのでありますが、そのために殆ど送電は三日に二日は休電するというようなことで、一般の大衆は勿論、中小工業は非常な混亂状態に陷つておる。これに對する對策といたしましては、電源の確充、これが要望されておるのであります。日發の方で九州支店で計畫して現在著々とやつております。この實施が豫定通りに行くということが一條件であります。火力發電の補充というものがうまく行かない場合には九州は大變なことになるのじやないかと憂慮されております。その外第二といたしましては、良質の石炭を現實に配給をするということ、これは現在では九州の自家用が悉く動員されておりますが、この自家用に對する石炭、それから九州配電も若干の發電所を持つておりますが、その發電所に對する石炭の配給、尚地帶間の融通電力、現在容量の許す限り三萬キロの融通をやつておりますが、これを確實にやつて貰うためにはやはり中國の方に石炭の配給をやつて頂きたいと思います。
 電源關係はそういうことでございますが、消費面につきましては、現在電力が逼迫しておりますために、會社或いは電産に對する人氣が非常に惡いのであります。そのために從業員の勤勞意欲というものが低下して來るのじやないかということが案ぜられております。例えば收入の方につきましても、今申しました石炭その他の電力は確保して、いわゆる高い料金の電力が非常な制限になつておりますので、收入が非常に減つて來る。不拂などの問題が各地で起りつつあります。未收は相當に多くなつて行きつつあります。一方支出の方は未收囘收のためにいろいろ手數がかかつて、その方で出費が要る。それから制限の宣傳などをやつております。例えば電力危機突破協議會というものを各縣に作りまして、これに對する費用も相當要りますし、それから制限が非常に甚だしくなつた場合に、一世帶一燈勵行運動というのをやつております。この宣傳などには時間外勤務が非常に多くなり基準外賃金が多額に出ることになつて、收入支出のバランスが現在では非常に崩れておりまして、結局これが會社の保守改良等の事業面にも影響して參りますし、從業員の給與面にも影響して來る。又外部の商人達に對する信用も失墜して來るというようなことで、現在會社は非常に苦境に立つておるのであります。かようなことで從業員に對する勤勞意欲を昂揚させるということに私共も力を入れております。最近組合とも協議いたしまして電力復興會議というのを九州で作る、これは民主化協議會の一つの事業としてやるのでありますが、現在準備會をやつております。これで電源の擴充は勿論、電力需給調整の方も課部の消費者その他第三者を交えまして民主的に強力に進めて行き、この危機を打開したいと念じておる次第であります。
 最後の希望といたしまして、日發の火力に加配米というものが出ました。九配の火力發電所の從業員に對しては加配米が現在何もないということで、外にいろいろお願いもありますが、これは特に皆さんで採上げて頂きたいとお願をいたしたい次第であります。
 かようにいたしまして、何とかしてこの多の渇水期を乘切りたいと思う次第であります。甚だ簡單でありますが……。
#39
○委員長(佐々木良作君) 安本關係及び、商工省關係、更に電氣事業の日發、配電の關係の方から一應説明を承つたわけでありますが、これらの説明に基きまして今年の冬の渇水期の對策についていろいろな方面からの御質問なり或いは御意見なりがあろうかと思います。廣範圍の質問から始めて頂きまして、これは特に秩序立てなくてもいいと思いますから、今日の説明だけでなくても、去年との關係やら、それからこの前の打合會あたりでもいろいろな意見が出ておつたと思いますから、關係者全部集まられておりますから、あらゆる角度からの質問を願いたいと思います。
#40
○水橋藤作君 先程からの説明で、細かい點は後といたしまして、安本の持つておられる案と會社の持つておられる案とが一致しないようなあれが見えるのですが、この點はお互いに話合い、でき得ることを安本が立てられる、又安本の立てられたことを納得されなければならぬ筈だと思うのですが、それが兩方で何だか思い思いに別な仕事をやつておられるような感を受けたのですが、この點はどうかと思つて非常に心配しておる。
 それから細かいことでお伺いしたいのですが、先程安本で言われたところの電熱及び電氣の一般家庭の割當をする、その割當をする場合に割當から以上に超過したものに對してどういうふうな方法をとられるか、これはなかなか重大問題であろうと思うのでありますが、この點に何か具體的な案があつたらお示しを願いたいと、こう思うのであります。それから昨年の九、十月頃と今年の九、十月頃との送電の實をお示し願いたいと思うのであります。私は目黒におりますのですが、目黒の例を見まするならば、二十五日の中六日送電でございまして、これ以上惡ければ丸つきり來ないということになるので、もう電氣をとやこういうあれがないのでありますから、その點に重點を置いて計畫を立てて頂きたい。あともう一つ、第一種でありますが、先程報告がありましたが、進駐軍關係の線に便乘しておる家庭及び電力でありますが、これは著々それを調整しつつあると言われまするが、一つもその效果はないのじやないか、むしろあべこべに殖えて來るんじやないか、その實例があるのであります、電氣會社を主として利用する場合につきましては、酒を一升持つて行けばその線を繋いでくれます。そういうことが事實我々の方にもある。そういうことはこれから電力に困つてくると皆やるのです。千や二千の金、或いは一升、二升の酒で線を繋いで貰えば、それで二三日仕事ができればその費用は出るのだから、それをやるのは仕方がない、會社の從業員がやるとは申しませんが、電氣に經驗がある一般の電氣屋にやらせるという實例があるのであります。私は目黒で以て強力な電力調整委員會を開催しまして、本社及び支社を鞭撻いたしておりますが、もう少し大きく採り方げまして、晝間は動力を送つて、家庭は全部晝間は使わないで、その力によつて、八時から四時まで電力を送れない場合は、八時から三時まででも、お晝まででもよい、電力は必ず使う、夜は家庭は六時から九時までなら六時から九時までは必ず使うというような大きな線を立てて行つて、この電力問題を解決して行かないことには到底三四月の渇水期の電力問題を解決し得ないのじやないかと私は考えておるのです。これが實際このまま遲れてこれ以上惡くなつた場合は、又中小商工業者から相當大きな、暴動に近いものが現われて來ることを覺悟しなけりばならんと、かように考えておるのであります。實際問題として資本家も勞働者も兩方倒れてしまうのであります。とかく電氣の點いていないところに仕事は持つて來やしない。行つた仕事は電氣のついたところに持つて歸つてしまう。電氣の點いているところに便乘しておる業者はどんどん仕事をしており、そこに働いておる工場の人は皆そこに行つて仕事をする。電氣の點いていないものはそのままいろと言つてもそのままでいる筈はない、死活問題ですから。一種、二種の電力をもう少し合理的に三種の方へも相當合理的に使うような大きな政策を立つていただきたい。もつと希望するなら、先程申しました通り、絶對的に法律が何かによりまして、晝間は動力、夜は燈といつたような工合に調整いたしまして、夜も場合によつて止むを得なければ六時から九時までと切ることも止むを得ないと思うのですが、そういうふうな大きな政策を立てていただくことを希望するのであります。
#41
○委員長(佐々木良作君) 御希望と御質問と兩方あつたと思いますが、質問の方は、これからおのおの皆さんから御質問があると思いますが、安定本部、商工省電力局、事業者側では日發、配電、各々見えておりますから、質問先をおのおの言つて質問して頂いた方が工合がよいと思う。或いは兩方からお答を得るということでも結構ですが、質問の相手を一つ指定して頂きたいと思いますが……。
#42
○水橋藤作君 それでは今の、先程の安本の持つておられる案と業者との連絡と申しますか、協議と申しますか、それがしつくりしていないように私は感じたのですが、これに對して安本から一つ御説明を願いたい。
#43
○政府委員(岡部邦生君) 今度の案は、あれを立案いたしますときには電力局及び業者とも十分協議してやつてございます。その點で連絡につきまして疎漏の點があろうとは考えておりません。ただ先程お話もありましたように總合燃料對策、殊に木炭、薪炭の入手率何如ということが非常に危ぶまれるという點に、若干意見の不一致というよりも、寧ろ危惧の念を業者側が持つておるということであります。これにつきましては、私はこれを確保しなければ電力の配電はできないということを考えております。我々といたしましても、是非これを確保するように農林當局その他にも要求してあるのであります。できるだけ計畫案に從つてやりたいと存じております。
#44
○水橋藤作君 ちよつと私の感じが政府に聞えたのかも知れませんけれども、會社の社長のいわれたのは、どうもその點が協力しようというふうには私には聞えなかつたのですが、その點を一つ……。
#45
○説明員(高井亮太郎君) ちよつと申上げます。先程の安本立案の電力調整の要領について、配電側の方に何か腑に落ちない點があるというお話でありますが、趣旨は今安本の岡部局長のいわれた通りでありまして、あれにつきましては、電力調整懇談會、それからその後におきましても官廳側とよく打ち合せをいたしております。ただ私協力しないように聞えたとありましたが、これは前の言い方が惡いので、一生懸命にこれを實行するようにしなければならない、ただ問題は横濱の第八軍の電力の擔當者が云々と言つたということ、「その規定を誰が實行するのか、誰がその通り實行させるのだ」こういう點、その點が非常にむづかしい點でありまして、我々需要家各位にそれを實行して貰うために、非常に努力をしなければならん。そこに非常にむずかしい點があるのであるということを申上げ、それからもう一つ、業務局から、「なかなかむずかしいと思う」と率直に言つてしまつたのでありますが、それは今の岡部さんの言つた通りに總合燃料對策については、配電側も隨分その前から各方面にも働き掛けまして、一生懸命やつているのでありますが、その通り行くかどうか心配であります。その二點であります。可なり細かく實行して貰わないと理想通りに行かん。燃料對策はどうであるかという點から相當心配であるという點を申しておるわけでありまして、違反しているというわけではないのであります。
#46
○水橋藤作君 そういうわけではないのであります、私の申すのは、違反しておるというわけではない。
#47
○説明員(高井亮太郎君) いや、分りました。
#48
○水橋藤作君 私の只今申上げましたのは、假りに安本で數字を出して、或いは方法を立てたその場合に、會社の方で納得し、而もその方法たるや、實現可能でなければこれはむづかしいのであつて、よくありますところの机上の空論にならないように、實のあるものを安本では立てて行かれるのでなければ目的を達しられないのであるという懸念から、私はお伺いしたので、協力が一本に行つておるならば毛頭差支ありませんから、その點はこの程度で終りますが、私の先の意見のように、希望として、それに對しての質問としてお伺いしたいのでありますが、我々素人の考えるように、晝間は電力、夜は家庭というような方法ができるかできないかということを、我々素人ですがそういうふうに考えますが、一應いろいろ不備もありましようが、これを制限するには又それ相應の大きな資材なり日限なり勞力が要るのですが、一層それにもかかりまするから、問題は、大きくそういうふうにすることができ得るかどうかということについての御質問をしたいと思います。
#49
○委員長(佐々木良作君) 今の水橋委員の御質問の内容、實はこれは餘談になるかも知れませんが、あとで御報告しようと思つておりましたが、昨日世田谷の町民大會の代表者諸君が見えまして、同樣な不滿とそうして要望をされて行つたわけですが、その要點を申上げますと、今のと關連しますのですが、それは制限のアンバランス、片方の町はいつも點いておつて、片方ではずつと消えておるというような制限單位のアンバランス、それから非常に無警告の停電というのが中心であつたと思います。今の水橋委員のポイントと大體似ているのではないかと思いますから、それについて一つ關東配電の方から御説明を願います。
#50
○説明員(伊賀秀雄君) 關東配電の實情を申上げます。只今御質問に預かりました晝間動力、夜電燈というようなことの運動は、私先年群馬の支店におりまして、桐生市を始め群馬縣下全部で實行いたしました。これは先程お話のように、強力に官廳の命令とか法律とかでやれということでなくて、需要家の方々が電力協議會をおつくりになりまして、晝間は工場の動力へ夜は家庭の電燈へというスローガンを掲げておやりになりまして、これは非常にうまく成功いたしました。群馬縣下全部、昨年東京では日々停電しておりましたときに、一日の停電もなく連日送電いたしまして、そうして節約の實效を擧げまして、決して割當の電力を超過することはございませんでした。私が先程申上げました第一に需要家の御協力を得たいと申したのはこのことでありまして、私はできると確信いたしております。東京でも最近この運動はあちらこちらで起つておりまして、現に二、三の變電所から出ております配電線に繋つておる需要家の方々が御協力になりまして、二、三ケ所、江東方面と葛飾方面、目黒でも始めたようであります。是非成功するように念願しておるのであります。
#51
○説明員(五島祐君) 關西配電の全地區でやつておりますのも、只今の御意見と言いますか、御質問の御趣旨に大體副うたようなことをやつておりますので、多少御説明させて頂きたいと思います。つまり先刻來お話のあつたようにして需要家に電力の配分を決めますと、この區域に對しての一日の電氣の割當はどのくらいかとということが分るわけであります。その割當した範圍において晝間工業にお使いになり、夜は又最も必要な電燈にお使いになるようにして頂いて、そうして無理な電熱を使つたり、又は使うべからざる所に使はないようにして頂ればよいのでありますから、このために私の方で最も今力を注いでおりますのは配電線隣組制度、隣組という言葉は戰爭中の臭いがしてまずいからもつとよい名前を附けようと考えておるのでありますが、ヒーター隣組制度と名附けまして、一本の配電線から出ております需要家さんに適當の代表のお方をお選び願いまして、そうしてあなたの方の配電線には最大電力はこのくらい割當られておる。又一晝夜の使用電力量はこのくらいである。それを超過しないように皆さんの間で最も合理的にお使いになればよいというようにして、自主的におやり願うような運動を只今進めております。
#52
○委員長(佐々木良作君) 他に御質問ございませんか。
#53
○説明員(高井亮太郎君) 大體先程業務部長から御説明申上げましたが、今度の安本の案でも、あの通りに需要家が全部おやり下さつたならば、線を切るということは殆どなしに行ける、大體そういうふうに思つております。そういう大體標準になつておりますから、全部自治的にうまく參りますれば、元から線を切るというような野蠻なことなしに、需要家各位の自制によつて行けるというようなことになるわけでありますが、率直なところ、東京とか横濱とかいつたところは非常にむづかしいのじやないか。今あなた方は非常に御努力をなさつておやりになつておるので、非常に敬意を表するのでありますが、そういうことが擴がりますれば、會社としても、今配電線隣組と仰しやいましたが、我々の方では變壓器隣組、ああいうものを盛んに奬勵してやつております。その通り行われますれば、切らないで進み得るということになつております。
#54
○水橋藤作君 私の懸念したのはそれなんですよ。つまり机上の空論になるのじやないか。これはできないのじやないか。これで電力の對策が成れりというような甘い行き方では……これはやはり見通しは會社側にあるのであつて、果して會社の思う通りに行くかどうか。そんなことを言つても國民全體がそれに協力してくれなければでき得ないのであるからして、これは机上の空論であるということが陰にあるのじやないか。その點を私は懸念するのです。ですから我々としても相當にあれは、自分の地區でも、目黒なら目黒でやつておりますけれども、それではなかなかあんな小さい所ではできないのであつて、これは日本全國安本が立てた案ですんなり行く。それで電力問題の對策が成つたという行き方は、或いは關配あたりはそう言つておられるが、私としてはそんなことでできるものかという裏書があるのじやないかというような實は正直に言いますと氣がするのであります。實際にそうなれば申分がないのだけれども、それじやできないというようにお互いに腹を割つての對策を講ぜられんことを希望するのであります。希望じやない。私の先き言つたのはそれなんで、もうすでに暴露しておる。
#55
○飯田精太郎君 今のにちよつと關連があるのですが、この割當制ということは、理論的には非常に結構なことと思いますが、今お話のように實行の面において非常にむつかしいだろう。殊に薪炭の配給に餘程努力なさらんと、豫定通りに出て來んだろう。非常にこれはむつかしい問題だろうと思いますが、薪炭の配給ができないと、これを無理に止めるということが又やれなくなり、自然盗用の防止もむづかしくなつて來るので、結局この割當制によつてやろうということが壞れて來やしないか。壞れて來れば、この夏非常に無理な電力の制限をやつて、今もお話のように、各方面で非難囂々、どんなことが起るかと思う程やかましくなつて來た。それと同じ状態に結局追込まれてしまう。それに對する御對策は何かおありになるのか。先程の安本からの御説明では、割當の制限で何もかも綺麗に行くという前提に基いてお話になつたが、それから先が一番問題でないかというふうに考えますが、そこらに何かうまい方法でもありますか。
#56
○説明員(岡部邦生君) 非常に痛いところの御質問でございまして、全くその通りであると思います。今のところメーター類が徹底的に缺乏しております。全國二百萬箇からのメーターが燒損して足りないという状況でございます。變壓器が又非常に足りません。そういう状況におきまして、電力の配當規正を計畫的にやるということは、これは非常にむつかしうございます。關東配電からお話の如く、これは專ら國民の自發的な自制運動に頼るということを一つの大きな網といたしまして、片方におきまして薪炭の確保對策に十二分の努力をするというこの兩方を併せ考えております。從つてそのどちらかが一つ切れますと、これは非常な危機になるのでありますから、私らも勿論十分にこれは注意いたしますし、又その結果の來たらんことを恐れております。だからといいまして、直ぐにこれが具體的な名案は只今持つておりません。できることはできます。資材の範圍内におきまして、できるだけ早く電線メーターを作り方げることをいたしたいと思つておりますことと、又或いはできれば、これレヴオルヴイング・フアンドを附けまして、アメリカから古メーターでも入れまして、速急にそういう手當をいたしたいということを考えております。又更に最惡の場合に至りますれば、これは電力は産業の最後の動力でございまして、これが全部駄目になりますれば、これは話になりませんので、そのときには配炭計畫につきまして、できるだけこれを考慮いたしまして、成るべくその負擔を輕くしたいというように考えているわけでございますが、配炭計畫も出炭の状況も、關係方面の了解を得なければならない。關係方面のお話は非常に電力の矛盾した使いが多いという點にすべてが出發しているような關係もありまして、非常にむづかしうございますが、大體そういう方面に努力いたしたいということを考えているのでございまして、これであれば必ず行くと申上げるような十分ななにはございません。
#57
○委員長(佐々木良作君) 今のと關連して、ちよつと私質問したいのですが、この前説明を願いましたときに、割當を超過した場合、つまり割當實施ができない。超過した場合の、つまり制限が嚴守されなかつた場合、どういう處置をするかという質問に對しまして、やつぱり止むを得んから罰金とか、或いは強硬な場合には、送電停止だというこういう方法より外にないのじやないかと思うというようなお話があつたのです。そうすると家庭の電熱割當基準ですね、總合燃料對策として規定している薪炭、炭十六俵とかいう基準ですね。今の問題の基準率が、その炭の配給が假りになかつた場合に、それで電氣を超過使用する場合が出て來ると思うのです。この場合の取締というかどうなさるつもりなのです。そうしてその認定は誰がするのですかというこういうことを一つ承りたい。
#58
○政府委員(岡部邦生君) 今の場合、大體薪炭の月別の配給計畫というものを豫定して置きまして、それによつてその計畫通りに薪炭が入らない場合には、超過料金の算定につきましては、別途考慮するという方針で進みたいと考えております。勿論そういうときの薪炭の配給計畫の算定、これは各市町村、區役所がやる以外にはできないと思いますし、又メーターの檢針等の關係で配電會社の方面の助力を得たい、かように考えております。
#59
○委員長(佐々木良作君) 重ねてなんですが、別のところがやるのですが、從來そんなことでうまく行つた例しがないのですが、炭の配給を司つておる會社と、それから配電の面と、そんなのうまく行きますか。
#60
○政府委員(岡部邦生君) それは後で超過料金を返すとかなんとかというようなことで、處理するより仕方がないと思います。
#61
○木檜三四郎君 今薪炭のことが出ておりましたが、薪炭は現在政府當局では昨年よりも薪炭の東京への搬出は確實に認められるのです。私共の知り得る範圍では、群馬縣などは今貨車が足らんので殆ど炭、薪というものは積んであるのです。炭の如きものは貨車がないというて俵が腐つておる。殊に一番炭の出る草津方面の吾妻郡の如きは薪炭を運ぶのに一車もない。現に四、五日前私はあつちへ行つて實地調査をしたのですが、今出ておるのは鐵鑛石のそれが四十車で、あとはキヤベツが、時のものですから、出るだけを運んでやる。それ以外には薪炭は一つも出せない。もう停車場に炭の俵が積んで腐る程です。それから草津輕井澤間の沿線もその通り俵や薪が積んである。だからただ私共が恐れるのは、そういうふうに積んであつても、現在の情勢で昨年の今頃と比べて東京へ確實に薪炭が確保されておれば心配ないが、その點はどうか、こういうことを伺いたいのです。
#62
○政府委員(岡部邦生君) どうも私關係が違いますので、御答辯或いは不滿足かも存じませんが、私の聞いておりますところによりますれば、少くとも東京都に對しましては、今度の計畫では炭の計畫數量は確保できるというふうに答辯されております。勿論その主力をなすものは豆炭を主力にして配給いたしますから、いわゆる炭というものはどうなるか、よく存じませんけれども、大體そういう計畫で行くというように聞いておりますが、これは委員長若しも御必要でございますれば、係官をお喚び願つたらよかろうかと存じます。
#63
○飯田精太郎君 もう一點伺いたいのですが、先程の御説明ですと、最後のところまで追い詰められたら、配炭を一つ殖やすことを考えるというお話でしたが、私の考えでは、どうも電源の擴充の方に力の入れ方が足らんように思う。そこまで行かぬ前に、石炭の配炭の増加をもつと努力されることが必要でないか、電力が不足して、電力制限をするということが、非常に産業生産に大きな影響があるのです。その點を考えますれば、もつと外の方で制限しても、電氣の方に石炭をどんどん廻して、火力をどんどん焚けば、渇水なんかは心配はない。火力をいつぱい焚けば十分やれる、同時に石炭の質を變える、適當な良い石炭を廻すということが必要になつて來ると思います。その質を變えるということに對しても、どうも政府は一向努力はしていないというふうに思うのですが、石炭の質を良くして、十分石炭を火力發電に廻せば、そう渇水は心配することは要らなくなると思います。その方が産業全體として、非常に生産を上げる點において有利なように思うのです。どういうことになつておるのですか。非常に火力發電に對する石炭をけちけちしておられるようにちよつと考えられる。
 それともう一つはそれに關連して世間でよく言つているのですが、どうも火力の發電をすると、發電費が非常に高くなる、結局今の電力料よりは發電費が高くなる、赤字を殖やすばかりだ、却つて骨を折つて火力を焚けば焚くほど赤字が殖えて損をする、まあ故意にやつているわけではないだろうが、つい力が入らないで、そういう状態になるのだというふうに、變に考えておる人もちよいちよい聞くのであります。その矛盾した點を何か合理的にして置いた方がいいじやないか、働く方も張り合いがあるし、世間からも色眼鏡で見られんというだけでも得だろうと考えますが、何かその點お考えがありますか。
#64
○政府委員(岡部邦生君) 火力に對します石炭の配當状態につきまして簡單に申上げます。去年は百十萬トンの炭を配當いたしました。約九億キロワツト・アワーの發電をいたしたわけでありますが、今年は三千トン出炭目標の場合におきまして、百七十五萬トンの配當豫想をしておりました。上期にすでに八十萬トン程入れております。併しながら今年は九州等の異常渇水がございましたのと、相當上期に使い過ぎておりますので、これではどうにもならんというので、只今我々の計畫といたしましては、年間二百二十萬まで上げたいというように考えておるわけで、去年から比べて大體倍以上の配當をしたいというふうに思つておるわけです。ただ去年も九億キロワツト・アワーを發電いたしまして、盗まれた方が二億ワツトもあるというような状況でありますので、火力を焚くことも結構でありますが、國民運動といたしまして、盗用を是非取締りたいというふうに考えておる次第であります。それから石炭を配電會社が焚かない、焚くことが非常に不生産的たから焚かないという御意見が一部にあるというお話でございましたが、私はそういうことはないというように考えておるわけであります。商工省の方の所管でございますので、商工省の方からでもお答をいたして頂きたいと思つております。
#65
○西川昌夫君 群馬縣、栃木縣方面で晝間は工場に、夜は家庭、家庭では一戸一燈主義ということを目標にしておるようですが、これを各地に實施すると、契約の料金の點はどんなお考えでありますか。十二月から三月いつぱいで、あとは夏の時期だけということになりますと、年間半年以上一燈料ということになりますと、その點關東配電の社長からでも、商工省の方からでもお願いいたします。
#66
○説明員(伊賀秀雄君) お答えいたします。實際には一燈しか使えないという期間は殆どないのでございます。そういう精神的なことでやつておいでになりますが、實際には、五燈ある中の二燈なり、三燈なりを、あちらこちらとお使いになるということで、無論從量の方は、需要キロワツトが減るわけですから、料金は減つて來るわけであります。そのことについてはまだ電力局とお打合せいたしておりません。
#67
○西川昌夫君 經濟安定本部は、昨年度における電力が、産業用、業務用、家庭用にどういう比率で供給されたか。更にこの度制限割當によつて供給される電力はどういう比率にされておるか、ちよつと御説明願います。
#68
○説明員(森誓夫君) 只今資料を持つておりませんので、後刻提出いたしたいと思います。
#69
○委員長(佐々木良作君) よろしうございますか。
#70
○西川昌夫君 よろしうございます。
#71
○委員長(佐々木良作君) それでは後程資料をお願いいたします。時間も迫つておりますが、更に質問を繼續いたしましようか、どういたしましようか、大凡この關係の質問はストップいたしましようか、必要がありましたら、又別の機會に繼續いたしてよろしうございますか。
#72
○飯田精太郎君 最近發表されておりました割當の規定に對して、なにか電熱使用は許可を得なければいかんというようなことがちよつとあつたために、業者のところへ申込みに行つたところが、全然今まで認可を受けてないのだからいかんというのではねつけられた。ところがその人は、去年ですか、その前か電熱使用を申込んだところ、今はメーターがないのだから、五百ワツト以下ならば電燈線からお使いになつて構わんからというので、ずつと使つておつて、去年罰金まで拂つて使つておつた、ところが全然使う權利がないのだからというので拒絶されたといつて非常に憤慨しておつた話を聞いたのでありますが、何かそういうことになつたのでありますか。
#73
○説明員(森誓夫君) 電熱を認める範圍につきましてちよつとお答えいたします。電熱を認める範圍は、現在の配電設備の状況から申しますると、全從量需要家にこれを認めるということにいたしますと、若干の困難が考えられるのでありますが、併しながらこれを一部の者に限定して使用させるということは、生活權の平等を侵すという見地から見て又非常に問題であります。そこでこの問題は非常に各方面でいろいろな意見が吐かれたわけでありますが、結論といたしまして、先日上層部で、閣議で大體その方針が決まりました。それによりますれば、特に薪炭の不足の激しい東京都、その他の消費都市におきましては、從量需要家の全員に原則として電熱の使用を認める、こういうようなことになりました。それでその他の都市につきましてはどうするかと申しますと、これは殘りの量が、非常に少いのでありまして、その待遇は殆んど例外的な待遇ということになります。この具體的なやり方につきましては、まだ研究中であります。大體薪炭の主要な消費都市におきましては、從量需要家で希望する者には全部使わせようということが最高首腦部の會議で決まつたわけであります。
#74
○委員長(佐々木良作君) それではこれで質問を打切りたいと思いますが、ただ私一言だけ言わして頂きますが、この割當制を中心とする今年の各の配給對策は、今日のお話を聽きますと。關係官廳におきましても、又事業者の方におきましても、只今餘り自信がないような印象を私受けたのであります。尚研究中であるというお話もありますから、一つ十分の對策を關係各省においてやられることを特に希望したいと存じます。特にこの委員會におきましても、この質問を皮切りとしまして、實質的な内容の檢討に今度の委員會から入つて行きたいと思います。それと關連しまして、現在のこの案はさつき確定しておるような話もありましたし、御研究中のようなお話もありましたが、どういう過程にありますか、ちよつとはつきり御説明を願いたいと思います。
#75
○説明員(森誓夫君) 割當制の實施につきましては、先日安定本部から商工省に對して訓令が出ましたので、その骨子に從つて所要の法規を設定して實施せよという訓令であります。それに基きました細目を決定いたしまして法規化するために、只今商工省で研究中であります。手續は大體そういうところまで進んでおります。
#76
○飯田精太郎君 先だつて新聞に出たのまだ……。
#77
○説明員(森誓夫君) あれは正式に政府が發表したのではありませんで、例えば需給調整懇談會とか、經濟復興會議とか、民間のいろいろの識者の集まりに出しまして御意見を伺つたのであります。それが漏れて新聞に出たのでありまして、決定的なものではないわけであります。
#78
○委員長(佐々木良作君) 訓令というのは安本から電力局に對して出たわけでありますか。
#79
○説明員(森誓夫君) そうです。
#80
○委員長(佐々木良作君) 現在電力局において實施方面を立案中、こういうように了解して宜しうございますか。
#81
○説明員(森誓夫君) さようでございます。
#82
○委員長(佐々木良作君) 渇水期對策に對する質疑應答をこれで打切つてよろしうございますか。一應これで打切りたいと思います。時間もありませんが、引續いて十五日の打合會にちよつと御報告しましたGHQとの連絡の件について御相談したいと思います。十五日の打合せに從いまして、GHQの電力班から參議院の委員と懇談したいというお話がありましたのでお諮りしたのですが、十九日は差支えがある、二十日にして貰いたいとのことですから、公報で連絡したように、二十日十時に伺うという返事をしておきました。それについていろいろな御懇談を願つた方がよいのじやないかと思いますから、この委員會終了後簡單な御懇談を願いたいと思います。それでは委員會を閉會いたします。
   午後三時四十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事
           石川 一衞君
           飯田精太郎君
   委員
           水橋 藤作君
           重宗 雄三君
           西川 昌夫君
           松嶋 喜作君
           木檜三四郎君
           大山  安君
           加賀  操君
           宿谷 榮一君
           栗山 良夫君
  政府委員
   總理廳事務官
   (經濟安定本部
   動力局長)   岡部 邦生君
  説明員
   經濟安定本部
   (動力局勤務) 吉岡 俊夫君
   商工省技官
   (動力局勤務) 三井新次郎君
   商工事務官
   (電業員長)  森  哲夫君
   日本發送電株式
   會社
   (給電課長)  山崎 久一君
   關東配電株式會
   社
   (社長)    高井亮太郎君
   關東配電株式會
   社
   (業務部長)  伊賀 秀雄君
   關東配電株式會
   社
   (副社長)   五島  祐君
   九州配電株式會
   社
   (常務取締役) 小川 敬次君
ソース: 国立国会図書館
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