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1972/09/07 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 交通安全対策特別委員会 第14号
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1972/09/07 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 交通安全対策特別委員会 第14号

#1
第071回国会 交通安全対策特別委員会 第14号
昭和四十八年九月七日(金曜日)
   午前十時二十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月七日
    辞任         補欠選任
     田渕 哲也君     木島 則夫君
     小笠原貞子君     渡辺  武君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         西村 関一君
    理 事
                岡本  悟君
                二木 謙吾君
                神沢  浄君
                阿部 憲一君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                黒住 忠行君
                橘  直治君
                中村 禎二君
                中村 登美君
                橋本 繁蔵君
                矢野  登君
                山崎 竜男君
                野々山一三君
                森  勝治君
                吉田忠三郎君
                木島 則夫君
                渡辺  武君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  新谷寅三郎君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       秋山  進君
       警察庁刑事局保
       安部長      綾田 文義君
       運輸省船舶局長  田坂 鋭一君
       運輸省船員局長  住田 俊一君
       海上保安庁長官  佐原  亨君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       運輸大臣官房参
       事官       佐藤 久衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○船舶安全法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(西村関一君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 田渕哲也君及び小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として木島則夫君及び渡辺武君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(西村関一君) 船舶安全法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○阿部憲一君 運輸御当局に二、三改正法律案についてお伺いいたしますが、レジャー用のモーターボート、それからヨット、この用途だとか船体機関等、特殊なものであると思われますけれども、現行の船舶安全法の体系でこのレジャー用のボートあるいはヨットの規制を行なうことは不都合を生ずるのじゃないか、こういう心配がありますけれども、ちょっとお伺いいたします。
#5
○政府委員(田坂鋭一君) 確かに先生仰せのとおりに、レジャーボート、ヨット等は、在来の船舶安全法の対象になっております船の総体から考えますと、用途あるいはその大きさ、航行区域等、いろいろ変わった面がございますが、船舶安全法の体系の中におきましては、もうすでに従来からいろいろ変わったものの中につきましては、それぞれその種類に応じまして安全基準をきめこまかくきめております。そういうことでございますので、今回のレジャーボートあるいはヨットが入りましても、それらの種類に応じまして安全基準をきめこまかくきめていく所存でございますし、そういう準備をいたしておりますので、先生の御指摘のような心配は全くないと考えております。
#6
○阿部憲一君 ああそうですか、わかりました。
 この安全法の改正によりまして、新しく安全法の対象になる小型船のうち、レジャー用のモーターボート、ヨットの数はどのくらいになりますか。
#7
○政府委員(田坂鋭一君) レジャー用のモーターボートの数は約十万三千隻、ヨットは約一千隻と考えております。
#8
○阿部憲一君 この検査対象の隻数から考えまして、今回の法改正はレジャー用ボート、それからヨットに対する規制、これがねらいだと思いますが、いままでモーターボートだとかあるいは遊漁船、この検査について都道府県の知事が行なっていたものだと聞いておりますけれども、これを新たに国の検査機構を設けられたというのは、その事情についてお伺いしたいと思います。
#9
○政府委員(田坂鋭一君) 従来から、現在の安全法におきましても、安全法の国の検査の対象になっておりません船舶、今回検査の対象にいたしたいと私どもが考えております船舶につきましては、都道府県知事が安全基準を設けまして検査をするということは、運輸大臣の認可を得ればできるような仕組みになっております。そういたしまして、私ども従来から、都道府県知事におきましてこれらの小型船に対して安全基準を定め検査を励行していくようにお願いをしてまいったわけでございますが、都道府県におきましては、これらの船舶は、数あるいは種類が非常に多うございまして、これらの検査あるいは安全基準をつくっていくということにつきまして技術的な困難な点がございましたし、また、これらの船舶は隣接した都道府県にも行動するわけでございますが、隣接した都道府県と画一的な安全基準を設けるということが必ずしも円滑に進まなかったというようなことから、都道府県知事におきましてこれらの検査を実施することが非常にむずかしかったものと私ども考えております。実績におきましても、十四都道府県が実施しておられるにすぎませんし、また、対象船舶数は二万隻にすぎません。そういうような実態でございますので、これらの船舶の安全を確保いたしますためには、やはり国が直接これらの船舶の安全基準を定め、または国の責任において検査を実施していくというふうな体制を考えなければならないというふうに考えたわけでございます。
#10
○阿部憲一君 そうしますと、いま現在行なわれている都道府県の検査業務ですね、これを今度新しく設立させます検査機構へ業務移転をなさるようなかっこうになりますですね。それは、あれですか、当然、私、都道府県側の協力が必要だと思いまするが、それについての、何か打ち合わせといいましょうか、話し合いというようなものはなさっておられますか。
 それからもう一つ一緒に伺いますが、都道府県で現在この検査業務に当たっている人が、会の人がおられると思いますが、そういう人たちの今後の処遇というのはどうなりますか、これについてお考えがあったらお知らせ願いたいと思います。
#11
○政府委員(田坂鋭一君) 法案の準備をいたします段階で、私ども都道府県のお考えを十分に調査いたしまして、また自治省とも十分な話をいたしまして、その段階におきまして引き続きまして検査を実施いたしたいという都道府県は、東京都と滋賀県のみでございます。それから、これらの東京と滋賀県は引き続いて検査を行なう、安全基準を持ち、また検査を行なっていくということは、今回の法改正によってもできるような仕組みになっておるわけでございます。そういたしまして、さらに、現在検査を行なっておりまして、法案がお認め願えましたら検査をやめる府県につきましては、これらの職員につきましてその地方自治体におきまして適当な処遇の道がないという場合には、私ども、今回制定されます小型船舶検査機構の中で十分処遇ができるものと考えておる次第でございます。
#12
○阿部憲一君 わかりました。
 法改正をするには、言うまでもありませんが、小型船舶の将来というものの姿、これを踏まえながらなされなければなりませんが、今後のレジャーボートの伸びというものはどのくらいのものと予想されておられますか。それからまた、それに必要な小型船舶の検査機構の陣容、規模、これはどのくらいが適当だというふうにお考えになっておりますか。
#13
○政府委員(田坂鋭一君) 小型船舶、特にレジャーボートの最近までの伸びは非常に著しいものがございますし、また西欧、欧米等の現在のレジャーボートの実勢を見ましても、私どもは今後とも従来以上にレジャーボート用のモーターボートが伸びていくものと考えております。そういたしまして、いま現在の一般的な予想で申し上げますと、昭和六十年にはモーターボートの数は約百万隻になるだろうというふうな見込みが立てられております。一方、これらのモーターボートの伸びに対しまして小型船舶検査機構がどういうふうな機構を持って対処していく予定であるかという先生のお話でございますが、小型船舶検査機構は東京に本部を持ちまして、各都道府県にそれぞれ一カ所あるいは二カ所の支部を設ける予定にいたしておりますが、当面、お認め願えましたら、来年度の初年度におきましては本部を東京に設ける、また支部を三十カ所ぐらい設ける予定にいたしております。そういたしまして、これらの支部におきまして検査を実施いたします検査員の数は、当面は、直接につとめます検査員、これが大体九十名ぐらい、さらに嘱託検査員と申しますか、非常勤検査員と申しますか、各港々、地方地方に津々浦々に配置されました、小型船舶の検査を円滑に行ないますために、非常勤の検査員の制度を考えておりますが、これらの検査員の数が、仕事の量といたしまして、大体三十人ぐらい必要であるというふうに考えております。そういたしまして、機構の事業が一応安定いたします昭和五十三年――五年後くらいの状態で考えますと、地方の支部は四十八カ所ぐらいを考えております。直接勤務いたします検査員は百五十名前後、それから、先ほど申し上げました非常勤の検査員の仕事量は約七十名に相当するぐらいの仕事量があるのであろうというふうに考えておる次第でございます。
#14
○阿部憲一君 海上の問題ですけれども、陸上につきましての検査、民間の検査場あるいは整備場、要するに自動車がおもですけれども、これについての、非常にいいかげんと言っちゃなにかもしれませんが、手抜きなんかが多い。これはきょうの新聞にも出ていますように、そのためにCOに対する規制などもさっぱり守られておらない車が多いと、このようなことが出ておりますが、この海の上につきましての検査制度そのものも設けられるわけですけれども、この手抜きというような問題、このようなことは懸念がないかどうか伺いたいと思います。それから、いま仰せられました九十名ぐらいの検査員ですか、これなどの養成などもどういうふうになっていますか、ちょっと。
#15
○政府委員(田坂鋭一君) まず、検査を行ないますにあたっての手抜きのお話でございますが、陸の場合と海の場合と、手抜きの関係で関連いたすと考えられますのは、私ども、この検査を円滑に行ないますのに認定事業場制度というものを考えておりますが、この認定事業場制度の運営において検査場の手抜きが考えられるということではないかと御心配になっておるのではないかと考えます。この認定事業場制度につきましては、すでに三十八年から製造工事につきましてはすでに設けられておるわけでございますが、今回の非常に多数の船の検査を行なっていくと、それから船が小型であるというようなことを合わせ考えまして、改造、修理並びに整備につきまして認定事業場制度を拡大して設けていただくようにお願いしているわけでございますけれども、この認定事業場制度の態様は、検査は、設計、製造工事並びに性能のチェックという三段階について行なわれるわけでございますけれども、この改造・修理工事の認定事業場に対しましては、改造あるいは修理の工事そのものに対する検査を免除するわけでございます。そういたしまして、その設計あるいは性能検査につきましては、検査員が直接その船に立ち会って検査をするわけでございますので、改造、修理の認定事業場制度につきましては、万々にも手抜き工事が行なわれる心配はないと考えます。
 それから整備工事に対します認定事業場制度でございますが、これにつきましては、小修理あるいは保守点検が定期検査あるいは中間検査の前一カ月に行なわれました場合には、この定期検査あるいは中間検査を省略するという制度でございますけれども、この場合におきましても、私どもは検査の済みました結果につきまして詳細なる報告を認定事業場から提出させることにいたしておりますし、また認定事業場に対しましては、立ち入り検査をしばしば行ないまして、その事業の実態を厳重な監督をいたすことにもいたしておりますし、またさらに、万が一、これらの検査におきまして手抜き検査等の不祥の事件がありましたときには、認定事業場の認可を取り消すという厳重な手段も講ぜられるようになっております。
 そういうことでございますので、現在におきましては、手抜き工事、手抜き検査というものは絶対に起こり得ないというふうに考えておる次第でございます。
 次に、検査員の養成でございますが、発足にあたりましては、船舶に関する技術並びに経験を十分に持っていま在野の方々をこの検査員に充てるように基本的には考えております。そういたしまして、私どもの調査いたしておりますところによりますと、いままだ十分な調査でない段階におきましても七〇%近くの充足ができるというようなことでございますので、本法律が認められまして本格的に人員を募集いたしますれば、十分な数の検査員が確保されるというふうに考えております。そういたしまして、その発足にあたりましては、これは新しい法案でございますので、直ちにそれらの方々に十分な研修を行ないたいというふうに考えておる次第でございます。
#16
○阿部憲一君 このいま設けられます認定事業場制度ですか、それに基づいての認定事業場というのができるわけですね。これの一体、要するに検査業務でしょうけれども、対象の中に騒音を取り締まるようなあれはお考えになっておられませんか。ということは、いまのモーターボートについて特に私ども懸念しておりまする公害と申しましょうか、その中には騒音が最たるものじゃないかと思います。静寂な湖あるいは海辺でもって、御承知のようにポンポンポンポンとやられるのは、ちょうど陸上のあの無謀なオートバイと同じようなものでございますので、その点を懸念しているのですけれども、その辺についての取り締まりというか、それに当たる部分を認定事業場でもって行なうような機構になりますかどうか。
#17
○政府委員(田坂鋭一君) 先生のお話は、走行するモーターボートが出す騒音のお話かと思いますけれども、もしもそうでございましたら、これはモーターボートの推進機関でありますエンジンのことでございますので、これはエンジンの製造工事と申しますか、設計という段階の話になろうかと思います。そういたしまして、もうすでに従来から騒音のもとにつきましては問題も起こっておりますし、できるだけ排気を水中に出すというふうな設計にいたしまして、その騒音がむやみに外へ出るということの少なくなるような配慮をいたしております。まだ空中に排気を出す型式のエンジンもございますけれども、できるだけ私どもといたしましては水中排気エンジンを推奨いたしまして、音による公害ができるだけ防止されるというふうに指導はいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#18
○阿部憲一君 つくられるときにもちろんそういうような防音についてのチェックがされると、それから、いまのこの検査場におきましての、半年ごとにですか、そのときもそういうことをチェックするような機構になるのですか。
#19
○政府委員(田坂鋭一君) そのエンジンのちゃんとした整備を行なうというのが認定事業場の役目でございますので、たとえばその排気を少なくするための水中排気の装置が不十分であるというふうなところの整備をいたすという点におきましては、確かに先生のおっしゃるような、認定整備事業場がかかわりがありますけれども、直接的にはそういうものの推進につきましても、製造工場、それが当たることになるわけでございます。
#20
○阿部憲一君 それでは終わりに運輸大臣に伺いたいと思いますけれども、海上でもってモーターボートなりヨットが非常にふえて、それでまたそれによってレジャーを若い人たちが楽しむという傾向につきましては私ら何も反対したり否定するものじゃございませんけれども、しかし、御承知のように、海上にこのような、特にモーターボートがどんどんふえるということは、言うならば、陸上のモータリゼーションが海上にまでどんどん伸びていく、あるいは湖の上まで伸びていくということにほかなりません。言うまでもありませんけれども、陸上のモータリゼーション、特に都市なんかにおきまして非常な大きな危害あるいは危険というものを増大していることは御承知のとおりでございますけれども、これにつきましても、当然大臣としてもそれを、やはり公害あるいは交通事故の防止というようなことについての、これを阻止するための施策というものはお考えになっており、また実行もされていると思いますけれども、もうすでに御承知のように、ことしも交通事故でなくなった方が一万人をこしたと、これは交通事故といいましても、おそらくその主因はモータリゼーションの結果とも断定してもいいんじゃないかと思います。したがいまして、陸上のこのような問題をそのまま海上に持っていく危険もあるこの海上のモータリゼーション、そうしますと、それに対する相当の規制ということも考えなきゃならぬと思いますし、先ほど承りますと、現在からさらにふえて、二、三年のうちにはもう百万隻にも及ぶであろうというような推測もなされておりますが、ですから、これに対して、やはりその一環としてのこの法改正だと私は思います。一つの対策だと思いまするけれども、しかし、どんどんふえていくことについての規制ということ、要するに量を押えるということも必要じゃないかと思います。私が申し上げるまでもなく、それはモーターボート自体の衝突とか、そういうようなことももちろん考慮していただかなきやなりませんし、また同時に、海水浴とか、あるいは湖水で泳ぐ人とか、あるいは魚とりとかその他の人たちに対しても相当な危険なりあるいは危害というものも及ぼすと、このようにも想像されますので、現在以上、何といいましょうか、伸びほうだいにいく、ふえほうだいにいくというようなこの傾向に対しては、やはりさらに新しい何らかの規制をしていかにやならぬと、このようにも思うわけでございまするけれども、その辺についての大臣の御所感を承りたいと思います。
#21
○国務大臣(新谷寅三郎君) 自動車とも関係するわけですが、このごろ非常に陸上ではマイカーがふえて交通混雑のもとになっているというような原因を特に注目されまして、マイカーを規制したらどうか、こういう意見が相当やかましくいわれているわけです。いろいろ関係――私のほうだけではございませんで、自動車を持ってはいけないということを言うことは、これはなかなかできないと思います。しかし、いたずらにマイカーがこの道路交通の混雑の原因をつくるようなかっこうで動いておるということについては、これはよほど気をつけなければいかぬということで、関係各省とも相談しまして、この前に野々山先生もそれに触れられましたけれども、たとえば車庫の問題でございますとか、あるいは路上駐車の問題とか、あらゆる面からそういったことを規制することによりまして、自然にやっぱりよい結果を生むんじゃないかというような意見が有力でございました。そういう方向でいま具体的な検討をさせておりますが、このモーターボート等につきましても、やはり同様なことが言えるんじゃないかと思います。モーターボートを買ってはいかぬということは、なかなかこれはできないことだと思うんです。どんな規制をしましても、できない。非常に無理があると思います。しかし、日本のレジャーボートの数が外国に比して非常に多過ぎるというと、そうではないですね、まだ。もっと外国のほうが多いと思います。そこで、港湾法なんかの御審議の際にも申し上げたんですけれども、そういったのは、できるだけ私のほうでも、そういうレジャーボートが運航しやすいように、またこの基地になりやすいようなそういう港湾というものを一方で整備しようというので、全国適当なところにそういった、まあ、いままででいうとヨットハーバーみたいなものですが、それにモーターボートなんかも入れまして、そういう施設を持った港湾というものを幾つかこしらえて、なるべくそこに集中してもらうというようなことも考えております。
 それから、交通安全という点から見まして、これは非常に特異な現象なんですけれども、海上における交通安全というのは、いままでは船と船との関係をやっていたんですね。今度は、いま海水浴場とおっしゃいましたが、そのとおりなんでございまして、結局海上における船と人との交通の安全を考えていかなければならないというようなことになってきているわけです。で、これにつきましては、船と船との関係でございますと、保安庁長官がおりますから詳しく申し上げてもいいんですが、海上衝突予防法とか、あるいは港則法とか、その他船と船との関係については、海上交通安全法というようなものもおつくり願って、そういったもので総合的に船と船との安全をはかるための――それはある程度規制が行き届いておる上思います。ただ船と人ということになりますと、ちょっとこれは私のほうだけの問題でもないわけですが、しかし、この点は地方自治体とも連絡をいたしまして、地方自治体では、そういう他人に迷惑をかけるような船の運航をしてはいかぬというような条例を出している県も相当多うございます。そういった点をわれわれのほうも奨励をしておりまして、警察庁とも連絡をとりながら、まだそういう条例のない県もございまして、なるべく統一した思想でもって、たとえばいまおっしゃったような海水浴客のいるところにモーターボートが突っ込んでいくというような事態が起こらないように、これはそういう海水浴場における、そういう水面における交通の規制をやはりやってもらうというようなことについて関係庁とも相談をしておるわけでございまして、もしそれがどうしてもいかぬという場合には、やっぱりそれは特別の法律でもつくらなきゃいかぬということになるかと思いますけれども、いままでのところは相当効果をあげておりますので、それでやっていって、私はそういう人と船との関係の交通の安全をはかるような措置というものは一応できるんじゃないかというように期待をしておるんでありまして、この点は十分これからも注意をしなきやならぬと考えております。
#22
○野々山一三君 一般論でまず最初に伺いたいんですけれども、最近、カーフェリー対策をおきめになって発表されましたですね。このカーフェリー対策と今回の船舶安全法の一部改正による内容的なものには詳細は触れませんけれども、おわかりだと思いますが、その関連は一体どんなふうに、今度のカーフェリー対策と船舶安全法というものの内容と区分、そういうものは一体どういうものなんでありましょうか。
 それからついでに、時間が限定されていますから、今度出されたカーフェリー対策というものは、その根拠は一体どこに、何に基づいてやられたのか。それから、うかがい知るところ、カーフェリー対策というものは、すでに一定の基準といいますか、考える基礎がありまして、法律的な基礎がありましてやられたやに伺うのですが、言うならば、その対応策とでもいいますかね、カーフェリーの安全というものとこの今次の改正との関連でどういう論拠があるんだろうかということを一般論として伺いたい。
#23
○国務大臣(新谷寅三郎君) このカーフェリー対策は、これは最近カーフェリーの事故が相当続きまして、幸い人命には影響なかったんですけれども、もう一歩誤りますと非常にたくさんの人命に影響があるというようなことでございましたので、いままででも船舶安全法、船舶職員法によりまして一般的なその構造上の安全、運航上の安全というのは確保しておるんですけれども、何しろ特殊の船でございまして、のみならず、非常にカーフェリーの利用者が多いものですから、就航いたしましてもダイヤが非常に過密状態で、船員等の訓練もおろそかになりがちであるというような点がはっきりいたしましたので、この安全法及びこの船舶職員法等に基づきます通達というような形で最大限のことをしようと言っておるわけです。で、そのカーフェリーを動かしているほうの側からいいましても、一たび災害が起こるとたいへんなことになるものですから、で、われわれの通達を出すにつきまして関係者を呼んでいろいろその意見を聞いてやりましたが、何とかしてこれはやっぱり安全基準を高めなきゃいけないということでは同意しておりまして、これはもうあまりいわゆる抵抗もなしに、われわれも協力さしてもらう、そのかわり相当の経費もかかりますから、そういったものについては国のほうでめんどうを見ていただけますかというようなことで、四十九年度予算にも相当のこれは経費を計上しております。
 で、そういうことでまあ関係者がお互いに話し合い、合意をした上で、現在のところ、構造の上からいいますと、一気に船をつくりかえるわけにいきませんし、現在この船舶安全法によってできておる構造の中で、ある部分を強化する。それから設備についても、たとえば火災の発見を早くするとか、すぐブリッジのほうにアラームするとか、そういったことについてやれるだけのことをやろうじゃないかというようなことを考えましてああいう対策を出しておるわけです。船員のほうの関係についちゃ、本来、たとえば救命具の使い方とか救命ボートの使い方とか、あるいは脱出させる方法とか、火災があった場合の通報のしかたとかいうについちゃもっとその訓練をしてほしいのです。で、若干やっていると思いますけれども、出航の前に総点検をするとか、あるいは何航海かしてくると、これは船員にさらに念を入れる意味で訓練をするとかいうようなことについて、どうもダイヤが過密状態でひまがないということなんでしょうが、おろそかになっておった会社もないことはないです。そういったものには厳重に注意いたしまして、物と人との両面からカーフェリーに関する事故は今後はもう絶対これは防がなきゃいかぬということでは、役所もそれから業者のほうも全く意見が一致しておりまして、この点は多少経費がかかりますけれども実行しようということになったわけでございます。ことにこれからのカーフェリーというのはもっと大きくなります、大型になりましてね、就航航路も長くなります。ですから、危険の度合いももっと大きくなる。災害も一たん発生すると大きくなりますから、いままでの小さなカーフェリー、瀬戸内海とか湾内を動いておったのと違った見方でこれに対処していかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
#24
○野々山一三君 一般論としておっしゃるということはわかるんですけれども、カーフェリー事故か最近顕著に――まあ顕著というか、最近非常に問題のあるやつが起こっておるという一般論はわかるんですけれど、その最たる原因は何かということについて、安全対策上何を捕捉したからかくかくしかじかするというような明確なものをこれは海上保安庁にもかかわりがあるのかもしれません。運輸省の行政指導という観点からもかかわりがあるわけでございますけれども、その最たる原因を一体どう捕捉したかということを、いろんなきれいなお話はけっこうでございますから、ひとつ資料として示していただけますでしょうか。
 たとえば、この間の国鉄の鶴見の事故ね、この間の委員会で、工事中の事故ではないかと思われる節もありまして、という話だったのが、翌日になったら、あれは工事上のミスだったと。工事上のミスなら、もうきわめて私は端的にわかるわけでございますけれども、この問題も、その最たる要因というものを的確に捕捉しない限りこのカーフェリー安全対策上の措置というものが適当に正しく処置されないと思うのでございます。
 で、一例を言いますと、たとえば船の中に自動車を載せますね。正直申し上げて、前のほうはきちんと縛っている、うしろのほうもきちんと縛っている、まん中のほうは、前うしろに動かないようにだけちょっとした突っかいをかけてある、こういう事例が一ぱいある。この二つの要素が私はあると思う、危険な要素としては。船が横にゆれたら飛んでいってしまいます。片寄ります。それから、これは横にゆれるわけでございますね、前うしろばかりじゃなく。それで、これをいろいろ調べていきますと、船というやつは前うしろにゆれるんでまん中はあんまりゆれないんだと、こういう理屈はおっしゃるわけですけれども、これはまさに安全対策上からいうとサボタージュということになるわけです。風がぱっと横から来たらどうなるでしょうか、波がぱっと横から来たらどうなるでしょうかという問題がある。それから、それらに対する指導という観点からいうならば、当然これは、今度何か聞くところによると、全部一両ずつ完全にやっているので縛っているのでございますと、こういうことになっているわけなんですけれども、実際はたいへん人の問題、つまり船に乗っている船員の問題にかかわる。教育上の問題、責任上の問題それから人が足りないという問題がございます。これが発展をいたしまして、あのカーフェリーにはたとえがコーヒー・ショップがございます。食事をするようなちょっとコーナーがございますね。ところが、この人は一体船員なのか何なのかわかりませんが、ほとんどの場合、このころになると、設備はごさいます。――これはまあ一例ですよ――船にかくかくしかじかの基準を設けて、こういうものでなければいかぬよという基準を設けられてつくられているはずなのですけれども、完全にこれは人のためにでしょうか、合理化のためでしょうか、もうからぬからでしょうか、閉鎖しておるのがたくさんございます。それが、さてたいへんな天候不順な状態が起こってきたときに、この人たちの一般お客さんに対する責任は一体どういうふうになっているのかということに対しては明示されていませんね。ところが、船には書いてありますよ。何かが起こったときにはこの人の指示に従ってかくかくしなさいということが船に書いてあります。そこらが非常にあいまいなんでございます、実際には。そのために問題が起こります。
 それから、先ほど大臣がおっしゃったように、救命ボートあるいは救命胴衣というものが一体どこにあるのかわからない、お客さんは。それを飛行機の場合でしたら、こうやってつけなさいということを説明いたしますね。どこどこにございますと説明いたします。ところが、カーフェリーに乗るお客さんはそれがどこにあるのかわかんない。それから今度、一たん事故が起こったときに、脱出する手段を考えますと言うんですけれども、一体これがどうして脱出する手段を利用することができるのか。これは両者あります。お客さんのサイドとそれから船員のサイドと両方がございます。一体それの技術能力ありゃということについてたいへんな疑いを持ちます。
 それから救命ボートがありますね。一体、この救命ボートを適確に利用して――そういう事態があっちゃいかぬのですけれども、あった場合に、救命ボートを適確に操作をして人命を保全するという適確な処置があるだろうかということを実際に船に乗って聞いてみましたよ。いや、あれはあそこにありますということはじょうずにおっしゃるんですけれども、さてということになりますと、一定の限られた船員ですね、それ以外はほとんど御承知ない。こういう問題があります。それから定員に対して今度は一五%以上の救命ボートを、まあ人がそこにかかわれる状態にするとおっしゃる。さて、それを操作する人、救命ボートそのものを操作する人の能力なり責任体制が明白でない状態において、一五%であろうと二〇〇%であろうと、これを幾ら船に載せても、これは実際に運用できませんね。同様に、救命胴衣、これも正直申し上げて、船に乗ったりなどすることにかかわりのある人は救命胴衣の使用というものを御存じなんでございましょう。あれ、こうかぶったらそれでいいというわけではない。船から飛びおりたら、これはパカンといったら死んでしまいますよ、うっかりすると。そういうことの運用をどうして御指示なさるんでしょうか。これを幾らつくってみたところで、置いてみたところで、そこらの指導というものが適確でない。こう並べてみますと、たいへん数多く問題があるわけでございます。
 そこで、最初からお話ししてきた基準が、あるいは根拠は一体何か。根拠ってのは、事故の原因は一体何かということです。それを適確に捕捉して、そうして技術的にそれに対応する処置を講じそれを運用できる、活用できる人の体制をどうするか。お客さんのサイドとそれから船員のサイド、そこんところをきちんとこう示さないと、これは幾ら船に――先ほどおっしゃるように、船を一ぺんにつくり直すということはできないけれどもということはそれはわかるんですが、できている船でさえもそういう問題があったんでは意味がないので、やっぱり的確に基準を示さなけりゃいけない。それを条例で期待するとか、あるいは業界に期待するとか、船の持ち主に期待するとかというふうにおっしゃっても、これはなかなか問題解決にならないんじゃないかと考えるので、ここにこれはこの間発表したやつを持ってきてもらって説明を受けましたが、これでは、新聞に幾らこれを何ぼ書いたって、ここにも書いたって、これじゃすぐ間に合いませんね。――という感じがいたしますので、その対応策について海上保安庁、運輸省、共通して一体どういうふうになさるのかということを教えていただきたいわけなんです。
#25
○国務大臣(新谷寅三郎君) 人のほうの問題は、いま船員局長を呼びますから、こまかいことは御説明をさせます。
 そういう御心配のことはありがたいですけれども、あまりにルーズなやり方はしていないんです。で、船員のほうからいいますと、もちろんその担当者はきまっています。最高責任者はもちろんこれは法制上からいうと船長ですね。その下に航海士がおりましたり機関長以下機関部員がおったりするわけでして、そういう救命艇なり救命具の使用のしかたなんかについて指導をするのはだれと、この救命ボートはだれが主になってやるというのは、これはもうきまっているわけです。もう初めからきまっているんです。
#26
○野々山一三君 理屈はね。理屈はきまっているんです。
#27
○国務大臣(新谷寅三郎君) いや、理屈じゃなくて、きまっているんですよ。
 それで、ことにこういう旅客をたくさん扱うでしょう。こういう船には海運局が、ああいうのは定期航路で旅客航路ですから、これは免許を――免許というか、許可を与えて航路の開設ができるわけです。そのときのやっぱり条件に、何という規則か、ことばは別ですが、運航を私のほうはこことここからここまで、こういう船で何回往復しますと。で、自動車は何台ぐらい、人は何人ぐらい載せますと、こういうことになりますから、運航管理規程というのをつくらせまして、これにはいまおっしゃったようなこまかいことを詳細に書いてあるわけです。それによってこれを守りますということで許可をしているわけですね。
 で、いまさっき詳しいことは申し上げませんでしたが、今度の事故のあった船を考えますと、いろいろ理由が違うんですね。原因が違うわけです。中には――まだこれは海難審判もやっておりませんから、私が断定するのは早いんですけれども、しかし、どうも船の運航をしている人のミスだったというようなものもあると私は思います、最近の三つ、四つの事故の中にはですね。中には構造上考えなきゃならぬことがあったと、それから構造上といいますが、設備の上で早くそれを修繕したり補修したりしなけりゃならぬのをしないために火災が広がったというようなものもあるわけです。そういった最近のできごとをすっかり分析しまして、お手元にあるようなものをとりあえずきめまして、現在の動いている船にはそういう基準でもう一ぺんこれは安全基準を強化してやろう、こういうことにしたわけでございまして、まあ、運航のほうの問題については、船一隻ごとに検査官を入れて、どうやっているんだということをこれはチェックをするようなことも実はできない。これは汽車でも電車でも同じことですが、一列車ごとに監視員を置くというわけにもいきませんし、ですから、一般的にそういったことを自分たちはこういうふうにやりますと、で法規の上じゃこうなっていますと、それを完全に遵守していればああいう事故は大部分起こらなくても済むであろうというようなことが多いわけです。で、私どもが調べました結果、立ち入り検査もいたしまして、事故があった場合に。立ち入り検査の結果、どうもこれは会社にミスがある、船側にミスがあるという場合は、徹底的にやりまして、これは一時業務停止ですね、その船動いちゃいかぬと、その会社の船を動かすなということで船をとめまして、それで、どういう訓練をしたのかどういうふうに乗客に対して指導するようにし向けているんだというようなことを全部調べ上げまして、ときどき中に検査官が乗りまして、そして動くというようなことまでやらせまして事故の再発を防いでいるわけなんです。
 私の話は、どうも抽象的ですから、野々山さん、もっと具体的な話をしろとおっしゃるんでしょうから、船の面は船舶局長が申します。それから人のほうの面は、やがて船員局長が参りますから、船員局長に詳しくやらせますが、一応現在、全部洗い直しまして、物の面からいっても、人の面からいっても、そういうことをやっていけば今後の事故は防げるであろうというめどをつけて出しておるわけなんです。ただ、人のほうの面は、やっぱり人間の判断ですから、いろいろなケースで、もういかなる場合でも絶対ということは、これ、なかなか言い切れないんですが、一般的には、われわれのほうの示達を守ってくれればそういうことは起こらないだろうというところまで考えているわけでございます。その点は、これは陸上の交通機関も同じでございますから、御了承いただけると思います。細部は、ひとつ両局長から説明さしていただきます。
#28
○野々山一三君 詳細なことはまたあとであれしていただいていいんですけれども、いままで、一般論かもしれませんが、恐縮ですけれども、今度の安全対策というやつは、いろんな事故が起こりましたので、こういう処置を講じなければいけないという角度から、構造上の問題だとか、管理上の問題だとか、救命対策上の問題だとかということが示されたわけでしょう。そこで、その根拠は何だろうかと見ると、結局、法律的には、あまりいままでのものは網が――非常な抽象的、変な表現ですが、網が非常に荒いんで、少しそこんところ大事に詰めるんだという趣旨だと解するわけですが、そういうことなんでございましょうか。もしそうだとするならば、私はこの際もう少し、これ、行政通達とか指導要項みたいなものでございましょう。今度のは、安全対策、今度発表されたものは。これは行政上の権限においておやりになるということだろうと思いますけれども、やはりもう少しやや思い切ったというか、もっと先を見越して、やや強制的になるように根拠、つまり規則を変えるとか、規則で明示するとか、こういう処置を規則で明示するとかということによって対策を講じる必要があるのではないかというのが私の率直な見解でもあり、提案なんでございます。なぜか。先ほど阿部委員のお話しのこともそうですけれども、自動車でも、それから大臣のお答えでも、やめさせることはできない、取り締まることはできない、ほしいという人には、ということでまいりますと、やりほうだいやっちゃったあとで法律なり規則なりがついていくということになる危険性というものがこれからの時代に非常に多いわけでございますね。だから、やはり先行きを見通して、やや今日的には厳重かもしれないけれどもと考えられるような処置を講じておくってことが私はこれからの時代に必要だと思うんでございます。そういう意味で、どういうものですか、この対策というのは行政通達でおやりになるんですか、規則でおやりになるんですか。今度の法律との関係は、ということを先ほど伺いましたが、それとの関係はどうなるか、法律でやるならやったらいいじゃないかという、そういう前向き論でお伺いしているわけです。
#29
○国務大臣(新谷寅三郎君) こまかい内容のことは、さっき申し上げたように両局長からお答えさせますが、船舶安全法というものの体系ですね、法体系では、安全法にはほんとうの条約に基づいた基本的な事項しか書いてないんです。あとはもう御承知のように、こんなに大部のいろんな規則類が、法律に基づいて、これは委任命令で出ているわけですね。その省令に基づきまして、やはり監督官庁である地方の検査官にまかされたものもあるし、あるいは運輸省が通達によってまかなうというようなものも相当あるわけです。そうしませんと、これはあんまり船の構造なりあるいは用途なりというものがどんどん変わってくるものですから、それを一々全部法律で書くということは不可能なんです。ですから、大体省令以下になっているわけです。今度の通達の内容をなす構造上の問題は、省令に基づく行政処分でございまして、ですから、根拠は、さかのぼれば法律にあるわけです。ですから、これは強制的にやるんです。
#30
○野々山一三君 強制的ですか。
#31
○国務大臣(新谷寅三郎君) 強制的です。で、そういう意味で、私どもさっき申し上げたように、よく関係者の意見も聞いてやりまして、一ぺんにこれ、強制するについちゃ、相当初めの計画と違ってくる部分もありますから、少なくとも設備のほうの資金については国のほうでめんどうを見てやろうじゃないかということで、何か数十億の融資問題として今度は提案を財務当局に要求しているわけでございます。ただ、人のほうの問題になりますと、これは船舶職員法、それから船舶法等にございまして、この法律、規則によってやるんじゃなくて、その法律、規則に書いてあることを、さっき申し上げた運航管理規程というようなもので運用していくわけですから、そのこまかい運用をちゃんとやってくれればそういうことにならなかったろうという問題が大部分でございまして、これは省令にかわるような行政処分でやるわけじゃなしに、運航者に注意を喚起して、船員の訓練なりそういった問題について運航管理規程で約束したように、こういう条件で――これは条件つきの許可ですが、その条件を満たしてくれれば十分だと、こういうような形で指導をさらに強めていくということになっておるわけでございます。
#32
○野々山一三君 くどいようですけれども、今度の自動車のですね、先ほどお話しの。この前、私が問題にしました、たとえば排気ガス規制のために金を取って直させました。ところが、変な話だけれども、自動車の場合に、点火時期調整をやりますとエンストを起こす場合がある、なれないものですから。――でしょう。ですからと言っちゃ悪いけれども、からでしょう。そこで一週間ぐらいたったら、紙を張ってあげましたけれども、また戻ってらっしゃい、もとのとおりに排気ガス、点火時期調整は直してあげますと、こういうことは、これは総理府にもひとつ一体どういう責任をとってもらえますかと伺いたいぐらいな気持ちなのは、東京で二万台テストしたら、二割か三割はもう規格に合っていないものだったと、きょう発表されたでしょう。それは何か。つまり、ああいう点火時期調整なり排気ガスの調整をやらせますとなったわけです。なったわけですが、実際は数週間にしてまたもとへ戻しちゃうという行為が行なわれるわけですね。行なわれておるから、きょう、東京の発表があったようなああいう事態が起こるわけです。大臣の話は私は信用したいんでありますが、こういうふうにやります、こういうふうにやってください、こういうふうに強制通達をしましてと、その限りでは信用しますけれども、実際はその適用が非常にざる抜けになっているというふうな事例がこの自動車の場合に起こったわけなんですね。つい最近の話でしょう。あれはことしの五月でしょう。五月にああいう規定をつくってやったらもうすでに二割、三割はその基準に合ってないということが行なわれていると、こんな行政機関というのは、知恵のない話なのか力がないのかよくわかりませんが、どうも力がないということになる。その例をこの船の話に持ってきては悪いかもしれませんけれども、こういう通達をお出しになって、強制通達でございますというふうにおっしゃられても、これは相当やっぱり安心できないというのが私の受けとめ方なんでございます。それについてどうするかということが端的な私の伺い方なんでございます。そこで私が直観的に感ずるのは、通達で出すことは強制的である。その通達を出すということはそれはそれで一つの考え方として、さらにこれを追跡チェックをするということについてどうするかとか、そしてこの行政通達を完全に担保される手段は一体どういうふうになさるのかということを伺いたいおけなんです。この自動車の例にあまりにも顕著にあらわれてきているだけに問題がある。
 それからもう一つ、これはつけ加えまして、警察庁もお見えのようですから、ついてに伺いますが、これは自動車にかかわる陸の問題ですけれども、適性検査、これは道交法で四十六年に直して四十七年から実行していますね。どれだけやりさしたか。適性検査をどれだけやりましたか。法律に幾ら適性検査やれと書いてあったってちょっともやっておらぬじゃありませんか。これはデータを出せと言われれば出しますよ。こういうことが、警察庁でも行なわれていることについてどうなるのかということは、法律で書いてさえもという、これほど政治不信をあおるような結果になっていることは一体どうなんだろうかということを猜疑心を持つのは当然じゃないでしょうか。そういう事例を前提にいたしまして、大臣のおっしゃる行政通達ですからもう断固とやりますと、厳重にやりますとおっしゃいましても、そういう、だめですねという疑いを持たざるを得ないんで、もう一回くどいようですけれども……。
#33
○国務大臣(新谷寅三郎君) まあ、自動車のほうは先般のあなたの提案で関係各庁の歩調が一応そろったわけです。それで、おかげでと言ってもいいですが、おかげで各庁ともああいう方向でいま実施計画をつくるように努力しているんです。長い間のいままでのやり方を変えていく部分もありますから、まあ、そう短兵急におっしゃらずに、各庁のこの問題に対する真剣な取り組み方をもう少し見ていただきたいと思うんです。で、個々の問題について適性検査とかあるいは排気ガスの問題とか、よく私まだ存じませんから、これは必要があれば関係者を呼びますけれども、このほうはああいうものを、あなたが御提案になってわれわれで相談をした結果を、これはまあ最近にないできごとでしてね、ああいうものを基準にして各庁とも協力して努力しようということでいま一生懸命やっていますから、もう少し時間をかしていただきたいと思うんです。で、船舶のほうも自動車と同じじゃないかというような御懸念、これは一般的にはそういう心配をされるのもごもっともだと思いますよ。しかし、まあ、いま船舶局長いますから具体的にどういう方法でどうやるんだということを説明させますけれども、船舶のほうは、これはもっと厳重な、御承知のように、定期検査があり中間検査等がありとにかく毎年一回は見なきゃならぬということになっているわけです。ですから、構造上、設備上の問題は、これはもう十分見られるわけです。で、通達といっても省令に基づいた通達でございますから、それを、その条件を成就しないと検査は通らないわけです。検査証書を渡さないわけですよ。交付できないわけです。ですから、これには自動車と違いまして、もっと厳重といいますかね、ちゃんときまりがついているわけでございまして、その検査を利用して検査の際にどういうことをやらせるか、内容はこういうことだということは船舶局長から一ぺん説明させますから聞いてください。で、あとまた人のほうの問題は、前の海運局長ですから、船員局長と一緒になってそういう通達を出すことについての努力をしたんですから、場合によって、長官からでも御説明をしてもけっこうです。
#34
○政府委員(田坂鋭一君) カーフェリーの設備面からの安全の確保につきましては、カーフェリーが昭和三十六年ごろあらわれだしましてから直ちにカーフェリーの特殊性につきまして考えまして自動車渡船規則を昭和三十六年に出しまして、まず基本的な法制を整えまして安全基準を定めたわけでございますが、その後御承知のようにカーフェリーは非常に大型化、高速化、いわゆる高度化したわけでございます。それに対処いたしますために、昭和四十六年の四月並びに十二月にさらに設備の面を重点的に安全基準の強化をいたしました。そういたしまして、最近の事故等を見ますと、これらの安全基準が確実に実施されて、しかも、これが確実に保守点検され確実に操作されるということであれば、大体カーフェリーの安全は確保されるというふうに私ども現在いまでも考えておるわけでございますが、そのまず安全基準の面におきましては、先ほど大臣からもお話がございましたように、高度化のテンポは進んでいくだろうと考えられますので、謙虚に安全基準の見直しをさらに今後もやっていきたいというふうに安全基準については考えておるわけでございます。たとえば火災の伝播だとかあるいは危急のときの旅客の脱出だとかあるいは車両甲板の火災に対処するためにはどういうふうなことが必要なのかとか、そういう面につきまして、もう一ぺん謙虚に、基礎実験を含めて安全基準を見直したいというふうに考えておるわけでございます。一方操作の面、あるいは日常の点検の面、これらにつきましてはこれも大臣が先ほどお話しがございましたように、定期検査、中間検査で毎年一回ずつは必ず検査をいたしましてチェックをしておるわけでございますが、これらを、まあ何度も申しますけれども、船舶が高度化いたしております、現在の船員に十分理解し得ないところもあるいはある「あるいは」はじゃございません、ある点がございます。最近の事故の実例を見ますと、そういう傾向が感ぜられます。そういうことでございますので、早急に十分な整備がなされ、十分な操作がなされるように点検マニュアル操作マニュアルを早急に作成して船員の理解を高めたいというふうに考えておるわけでございます。
 さらにもう一つは、これらの高度な船舶が中小の造船業でつくられるということが最近の実態でございます。中小の造船業におきましても十分優秀なカーフェリーができますように、建造マニュアルと申しますか、建造仕様書と申しますか、非常に詳細な部分にわたってまでの船の建造の工程に対する注意を各造船所に指針として与えるというふうなことをやりまして、カーフェリーの安全を、設備の面におきましては確保いたすというふうなことを考えておるわけでございます。
 それからもう一つ申し忘れましたが、さらにそれらを確保いたしていきますために検査官を増員いたしまして、定期的な検査のほかに随時に立ち入りができるように対処いたしたい。これは検査官のみでございませんで、海上保安庁長官からお話があると思いますけれども、船舶工務官あるいは海運局の運航部のサイドの運航に関する立ち入りもやるような考えであるわけでございます。
#35
○政府委員(佐原亨君) お答えする前に、私まだ海運局長から保安庁に行ってまだ数日しかたっておりませんので、よろしくお願いいたしたいと思いますが、フェリーの一連の事故が起きました。それまではフェリーの事故というのはあまりなかったわけでございますが、ことしに入りまして、瀬戸内の火災以来、引き続きまして事故が連続したわけでございます。運輸省海運局あるいは船舶局、船員局――海事三局にとりましてこれは非常にショックでございました。保安庁を含めまして何回も関係者協議いたしまして、先生お手元にあるような一応の指導通達をまとめ上げたわけでございます。これは省令として出すものもあり、指導にとどまるものもございますけれども、その指導通達の最後のところをごらんいただきますと、「船舶検査官、船員労務官、運航管理担当官、海上保安官等」、横に非常に密接な連絡をとりまして、その通達のアフターケアをやる、こういうことが書いてあるはずでございます。いままでも当然やらなければならないことではございましたんですが、今回の事故を契機といたしまして、さらにきめこまかい連絡をとりながらアフターケアをやろう。で、その通達どおりに実施されていない場合には、海上運送法何条だか覚えておりませんけれども、運輸大臣が安全確保命令を出すことができることになっております。安全確保命令を出してなおそれに従わないようなケースがございましたならば、運航の停止あるいは一番極端な場合には免許の取り消し、強力なる行政処分をもってこれに対処する、海運局サイドでもそのようなふうに決意を固めているはずでございますから、先生の御懸念は今後はわれわれ少なくするように努力いたしたい、このように考えております。
#36
○野々山一三君 ちょっとお願いなんですけれどもね、いま長官おっしゃったように、最近の事故というやつが非常にふえてきたということと、ちょっと異常なという私は感じをする事故なんでございます。したがって、異常な事故の個別な特徴的原因と認定されたようなものの資料をひとつ出していただけませんでしょうか、これが一つ。
 それから、共通的基準と申し上げる以外に道はないだろうと思いますが、共通的基準を省令なり規則なり通達で示されるというわけでございますね。したがって、これを整理してわれわれとしてもチェックしたいという気持ちなんでございます。そして将来、これはどうなったかということに対応するためにぼくも研究したい。同時に、われわれ安全を考えるという責任のある議会という立場からも今後チェックをする必要がある。こういう意味で、そういう一連のものを示していただけないか。そして、その中で、これは通達でやります、これは通達でやります、これは通達でやりますという場合もあるでしょう。これは規則でやりますという場合もあるでしょう。これの周知徹底をはかるべきではないかということを考えますので、これは最後のところはお考え方をお伺いしてこのくだりは締めくくっておきたいと思います。いまの三点について見解をお伺いしたい。
#37
○国務大臣(新谷寅三郎君) そういう資料はまとめまして提出させます。なるべく一般の方がごらんになってもわかりやすいような形にさせます。船員局長、きょうは何か事故で休んでおるようですから、課長が来ておりますけれども、船員局の分も含めましてぜひまとめてみましょう。
#38
○野々山一三君 大臣、要望なんです。先ほどの問題の検査のお話ですけれども、船を一年に一回検査をします。そうして検査証を渡します。これはそのとおりだろうと思います。
 さて、自動車と対比をします。自動車だって、御案内のように、営業車なら一年、白ナンバーなら二年、車種によりますけれどもね、車検という検査をするでしょう。車検という検査をやって、車検という検査証がなければこれはナンバーもらえないわけですから、この車は動かないはずだと思います。だから、船だって自動車だって一緒ですよ。なのに、総理府の対策室長に伺うんですけれども、そこんところは違いますかということを、まずあなたのほうに聞きたい、総理府として統括した意味で。これは警察庁にもかかわります。いまの船も検査証が出ます、自動車も検査証が出ます、その他、考え方としては一緒ですかと伺いたいのです。それから、一緒だったら、大臣が、一生懸命、検査するんですから、だめなものはこれは検査証出しませんからその船は動きませんと。これも自動車も一緒ですね。そうでしょう。ですから、私はこれは対策室長の見解を聞きながら、検査というものをやられるというものがいかにそのことばだけで――「ことば」と言っちゃ申しわけないが、ことばだけではいかに問題があるかということを問題にしないわけにはいきませんね。これは時間をかしてくれというさっきの大臣の話もわかりますけれども、たとえば車検なんていうものはこれずっと昔からやっているわけなんでしょう。それと同じ考え方が船の場合にできないはずはないではないかという私は考え方なんで、時間かしてくれという話はどうもよくわからぬので、大臣の目の前で、大臣の言ったことを違うかどうかなんて聞くのは申しわけのない失礼な話ですけれども、国を代表する総理府としてこういう安全対策を所管していらっしゃるんですから、一ぺん率直な見解を承りたい。いまのままでいいですか。いままでとどう違うんですか、いままでのやっていることはこういうかご抜けがあるがどうするんですかということをお聞きしたいわけです。
#39
○政府委員(秋山進君) 船のほうの点についてはしろうとでございますのでよくわかりませんが、法律上は、検査をし検査証を渡すというたてまえ、これは両方とも同一かと思います。ただ、検査の内容につきましては、それぞれの性能上の問題、その他の問題でそれぞれの観点からなされていることと思います。また、あの車検につきましても、船の検査につきましても、両方とも運輸省の所管でございますので、この点につきましては、詳細、私のほうからも、専門でございませんので、申し上げかねますので、御了承いただきたいと思います。
#40
○野々山一三君 専門でないことは、担当省なり担当局が専門であることはわかりますが、それを集約して対処なさるのは、総理府交通安全対策の衝に当たっておられるのはあなたなんで、あなたが専門でないという理屈は一体どこにあるんですか。そういうことを言われると、私はちょっと開き直りますよ。専門でないからということはどこにあるんですか。このために問題が起こっているから聞いているわけですよ。私に言わせれば、私があなたの立場だったら、まだ十分に承知はしていないが、問題があるようですから、責任を持って処置しますと、こうおっしゃるのがあなたの責務じゃありませんか。違いますか。ちょっとめんどうくさい話を聞きますけれども、本質について伺います、あなたの職務について。
#41
○政府委員(秋山進君) どうも表現が非常につたなくて申しわけございませんが、私どもとしても懸命に努力対処いたしたいと思っております。なお、関係省庁とも十分連絡をとって対処するのが私の責務でございますので、努力いたしたいと思います。
#42
○野々山一三君 それじゃ、ひとついまの最後のおことばを私は信じますから、対応策について整理をなすった過程をひとつ一定の時期に示していただきたいというふうに、これは実行の問題と策をどうするかという問題はその本質は一緒ですけれども、片っ方は時間が早くてもできるんだろうとこう思うから、待ってくださいという話にはならない部分だろうと思いますから、ほんとうはこの法案を上げる前に出してもらわぬと信用できませんよというのが私のほんとうの気持ちなんですけどね。法案を上げるわけにいきませんよ、そういう調子のお話ですと。これはひとつ委員長どうなさるか、委員長として。ああいう状態でその法律を上げますというようなことは、これは私は議員として、まだ議会があした終わっちゃうわけじゃないんですからね、これはあんた、そうなまやさしくは私は目をつぶりませんがね。それはひとつそういう返事は、これだけやかましく言えばわかるだろうから、返事はいただきませんけれどね、うなずいていらっしゃることをよく確認をいたしまして、次に進めます。
 次に、検査の問題の具体化の問題ですけれども、非常に人が少ないでしょう、検査官が。それで、いまのカーフェリーだって四百何十隻あるわけでございますね。のみならず、モーターボート、これは先ほども阿部委員の御指摘のように、どんどんふえていく可能性がある。そのときに、一体先ほどもお話のありましたように、その人たちがまず数が少ないと私は思うんで、それをどうするつもりなのでしょうか、その業務量とのかね合いで。それから配置、将来の処遇という問題について、先ほどの阿部委員の御質問に対して、遺憾のないようにいたしますという趣旨のようでしたかと受け取れましたけれども、もう一回、くどいようですけれども、これならだいじょうぶ、検査、検査、検査、検査とおっしゃったものは、ああなるほど検査がこれで安心ができるわいと言えるかどうかを私聞きたいんで、ひとつ教えてください。
#43
○政府委員(田坂鋭一君) 先生御指摘のように、現在の検査官の総数は、最近の船舶の増勢、大型化、複雑化に対処いたしますために必ずしも十分であるということではございません。そういうことでございますので、私どもは毎年毎年その増員に努力をいたしておるわけでございますが、顕著な増員は得られませんけれども、逐年徐々にふえてきてまいっております。そういたしまして、この増員を今後さらに努力をいたしますとともに、検査の合理化、それから適正な人員の配置、そういうものをやりまして、検査の実施に万遺漏なきを期したいというふうに考えておるわけでございます。
#44
○野々山一三君 この検査は検査機構でやるわけですね。
 そこで、私もう一つ伺いたいんですけれども、これは自動車と比較ばっかりして申しわけないですけれども、民間委託車検をやっていますね。車がどんどんふえるからとても車検場では車検ができませんから、したがって民間委託車検をやります。そして、あとは車検場は文書で処理をするわけでございますね。これを合理化と言うんでしょうか。これが安全と言うんでしょうか。これが責任ある検査というふうに言えるでしょうか。これは運輸省ですね。これは自動車局のかかわりにあることですが、あなたに伺おうとは思いません。総理府に伺いたい。
 そこで、先ほどの話に戻りますが、第二種、第一種の車検民間委託工場がありますね、整備会社。これが検査をいたしまして、例の、先ほどの排気ガス調整、点火時期調整を全部ここでやるわけでございます。ここで調整をして、お金を取ってステッカーを渡しまして、これは検査が終わっていますというわけですが、二週間後ぐらいにまたもとへ戻しちゃう。そういうものについては、自動車では、そんなことは立ち入り検査をいたしまして、そういう悪いことしたやつはこれは指定を取り除くような趣旨で処置をいたします、その場合には監督をいたしますと、こうきっとおっしゃると思います。もうあなたのほうの答弁を先に私がしゃべっちゃうわけです。けれども、これは絶対安全の担保はできませんね、こんな状態では。それは、先ほどの話に戻るが、合理化というやっと人が足りませんからというやつで、今度は「機構」という何とか法人にこれをやらせるわけです。そういうことが一体総体的な意味で正しいでしょうか。こういう事態が起こっているから聞くわけじゃないんです。合理化というと必ずそういう論理が採用されて、そしてかご抜けになっていって危険が起こる。こういうことなんです。あなたの係としての――まあ総理府としてのという立場でどういうことをお考えになるでしょうか。船舶局も同じことが言えるわけですから伺います。
 それから大臣に、こういう事態に対して、国務大臣としてどういう処置を講ずるのか、責任ある回答をしていただきたい。説明をしていただきたい。こういうふうに思います。
#45
○国務大臣(新谷寅三郎君) 私は自動車のほうの、いまおっしゃった排気ガスの……
#46
○野々山一三君 まあ、あれは一例ですよ。
#47
○国務大臣(新谷寅三郎君) その問題についてはまだ具体的な報告を実は受けておりませんので、これはいずれ調べましてこれは明確にしたいと思いますが、こういった検査機構は、これは、私はまあ事柄によって、いろいろ実情によって考えていかなきゃならぬ問題だと思うんです。
 で、この船の関係について言いますと、御承知のことでもありましょうが、何もかも全部まかせるというわけではないと思います。何かさっき局長が説明しておりましたが、認定工場、そういったものでも、やはり大事なところは検査官が行って見るんだということでございまして、こういう制度は御承知のように世界的には行なわれておるわけです。で、世界的に大きな船は船級を持って、ここの船級を持っておればどこへ行っても通用するというようなことになっておりますし、日本でも海事協会というようなものがございまして、これはもう非常に長い間世界的な信頼を得た協会があるわけでございまして、わりあいにこの船の検査につきましては、そういうことに非常に制度的にも、それから船の所有者、造船所、そういったものもそういう機構にこれは非常になじんでおりまして、それで今日まで日本の船についてはあまり船の構造のために安全を害したというようなことは――まあ二、三、わけのわからないような海難もあったことはありますけれども、例のオア・キャリアですね、鉱石の専用船なんかでまだ今日わからないのもありますけれども、私の記憶でも、構造の上で非常に欠陥があってそのために海難で人命を失ったというようなことは、これはもうきわめてまれでございまして、で、そういうふうな機構が海運界のほうでは定着しておりますから、今後、これ、新しい機構をつくるんですから、この機構についてのまあ人事的な構成の問題とか、あるいはこれに対する指導方針とか、そういったものが誤まらなければ、御指摘のような結果にはならないで済むのじゃないか。現にもう大きな船につきましても、海事協会に対していろいろ指導をし、また人的構成についても非常に運輸省が直接、間接にタッチして間違いのないような機構をつくっておりますから……。で、私はこの新しい機構については、レジャーボートなんかふえてくるものは、これは非常に全国各地散在するもんですから、で、その限られた検査官では目が届かない。だから、最終的な、基本になる安全のところはこれは検査官が見るにしても、それ以外のところは、こういう補助機関といいますか、検査機構をつくって、十分な指導をしていって間違いのないようにすれば、安全を害することはなく済むんじゃないか、そういうふうに考えております。で、新しくつくるこの検査機構の人的構成、あるいはそれに対する運輸省の指導方針については、これは小さい船でもやっぱり人命に関する問題ですから最大限注意いたしまして、そういう結果にならないように努力をしなければならぬ、私はそう思っておるわけで、そういう点をひとつ御信頼いただきたい。
#48
○政府委員(秋山進君) ただいまの自動車の問題につきましては、先ほど大臣から船の問題でお話がありましたように、やはり制度的な問題もありましょうし、人の問題もありましょう。主管の運輸省からよく実情を伺いまして、また私どものほうもできるだけの調査をいたしまして協議して、さような、特に安全対策に支障のないように努力をいたしてまいりたいと存じております。
#49
○野々山一三君 いま何人ですか、いま予想されている検査官は。
#50
○政府委員(田坂鋭一君) 国の行なっております検査に関する検査官の数は二百十四名でございます。
#51
○野々山一三君 いまのレジャーボートだけでいいですけれども、それから、それにかかわる検査の総トータルは何隻ですか。それから、ここ数年で船がふえていく数はどう展望されているんでしょうか。それに一体どれだけの人間をこれから計画として補強するということでしょうか。先ほどの対策室長、運輸省と相談をして十分に処置をしますから安心してくださいと、こう大臣もおっしゃるわけですけれども、それだけに念のために先ほどの簡単なことですけれども……。
#52
○政府委員(田坂鋭一君) 小型船舶のほうの検査の件でございますけれども、機構の発足の当初におきましては、検査員の数は直接の検査員の数が九十名。それから非常勤の検査員の数が、これは人数は何人でも採用できるような機能になっておりますけれども、仕事の量は三十名分ぐらいの仕事の量であるというふうに考えておりまして、そういたしまして、検査を実施できるようになりましたら、まず在来船につきましては、現在既存船につきましては三年間に分散いたしまして、逐次検査をしていくということに考えておりまして、大体十八万隻を三分の一ずつにいたしまして、既存船は大体毎年六万隻ぐらいずつ検査をしていくと、それに新造船がございますので、さらにエンジン等の検査もございましょうし、そういうことで、大体検査の隻数にこれを換算いたしますと、当初の三年間におきましては大体毎年十万隻ぐらいの検査の仕事量というふうに考えております。
#53
○野々山一三君 その九十人の人が、あるいは先ほど言われた二百七十何人の人が関連の船を、十八万九千隻と推定されるわけですけれども、何分何秒かかったら一隻やれる計算になるんでございましょうか。ひとつ正確に教えてください。私は知恵がないので、コンピューターで計算をすることもできません、そんな知恵もありませんので。それで安全が担保されると言えるかどうか、ひとつ皆さんに伺いながら答えてください。
#54
○政府委員(田坂鋭一君) 何分何秒というその計算はいたしておりませんが、私どもの機構の整備の計画をいたしました当初の、平均的な小型船の定期検査に要する時間は一時間から二時間ぐらいというふうに考えて、この機構の整備計画を立てておるわけでございます。
#55
○野々山一三君 一時間か二時間掛ける九十何人で一年間に何隻になるんでございましょうか。結局、たいへん皮肉った言い方なんでございますけれども、自動車でもそうですけれども、車検場でいまの自動車の台数とか伸び率とか、車検の能力からいって、おそらくこれは五、六年前ですけれども、四十五秒に一台の割合になるんだ。帳面見るだけでも四十五秒で一台の帳面見れますか。ここに問題があるんでございます。いまの場合だって同じなんでございます。一時間から二時間かかります。その話はわかりました。九十何人とか一百何十人で十何万隻というやつを、三年間で一年間に六万隻というものでいったら、勘定合わぬですね。どう考えても合わぬ。合わぬのは私の頭が悪いのかしらぬが、頭悪いなら悪いと、おまえ頭悪いから説明してやるというなら、何時間でも説明してください。これは重大な問題でして、これで私は考え方として、答を先に出すようですけれども、この種のものを検査を強化することによって安全を確保するという道を選びたいという意味では、よりベターであるとは思いますけれども、実際とたいへんな違いがあり過ぎるというような感じ――感じじゃないですね、これは。ほんとうにそう思いますが、これ、いかがでしょう。おまえの頭が悪いんだというなら、そうおっしゃってください。余分なことは言わぬでもいい。おまえの頭は悪い、こう言ってください。こういうことについてイエスかノーかの答えをしてください。――それで委員長、いまのお答えがすぐできないなら、これはやっぱりこれもよりベターという論理だけでは、私はこれは人間の命にかかわる問題ですから、ちょっと重大なことですから、はっきりしてください。
#56
○政府委員(田坂鋭一君) いまちょっとラフな計算をいたしたわけでございますけれども、一人の一年間の検査時間は大体二千時間でございます。そういたしまして、先ほど、九十人の検査員と三十人分の非常勤の検査仕事量と申し上げましたから、百二十人の検査員の仕事量があると申し上げたわけでございますが、そうでございますので、二千時間掛ける百二十でございますので二十四万時間ございます。一方、先ほど小型船舶の検査対象隻数は約十万隻と申し上げました。それでございますので、一時間から二時間かかるということでございまして、二時間かかるといたしましても、二十万時間でございますので、大体数字的には合うというふうに考えておるわけでございます。
#57
○野々山一三君 ラフな計算とおっしゃるけれども、あなたのほうのいままでの説明と非常に矛盾があると感ずるんです。つまり、津々浦々に船がございます。そこで、ということが前提になっておるわけでございますね、そうでございましょう。津々浦々へどこで何でお行きになって、そのいまの二十四万時間を活用されるんでしょうか。これは何ぼ繰り返しても、もうこれはやめにいたしますけれども、いまの数字では合わぬのです。いまの労働事情というもの、交通事情というもの、船の配置状況、実存する状況というものからいって、どう考えたって勘定が合いません。いま、ラフな、という前提があるからあまり詰めませんけれどね、これはいかにも法律は取ってくっつけたものという――ことばは悪いかもしれませんけれども、そういう印象がいたします。大臣、一体いまの私と船舶局長との議論の間で、あなた御自身は一体どうお感じになるでしょうか、これからどうしようとなさるんでしょうか。
#58
○国務大臣(新谷寅三郎君) いまの数字のほうはいま聞いたんですけれども、検査官のほうは、大型のほうも十分とは思いませんし、これだけ世界一の海運国になって、このくらいの検査官でいけるかどうかということになると、これは非常に疑問だと思いますし、小型船についても、これからつくる機構でございますが、これは別に国の役人の定員とは違いますから、これは私はまだ伸縮性は幾らでもあると思うんです。で、必要に応じまして、これはもっと検査官をふやしてけっこうだと思います。ただ、やっぱり検査官というのは資格がありますからね、だれがやってもいいというわけにいかないです。その検査官の養成ということも、これはやっぱりやらなきやならぬと思います。そういった点については、御趣意のとおりに、実際を見ながら、安全対策上欠陥のないように、最小限度の安全基準は守ってもらうという意味で、私も内部に数字的に突っ込んで研究します。
 ただ、こういうことは言えるんですね、大きな船と違いまして、レジャーボート、特にモーターボートなんかは、大体同じ型の船が多いんですね。そこに特別に素材なんかで欠陥があるとか特別の欠陥があるものはまた別でございましょうけれども、船の安全に大事な部分のエンジンなんかも、これは同じ型ですね、大体。どこの会社でつくったものはこの型、どこの会社のはこの型というようなもので、これは自動車も同じことですけれども、そういったことが多いんで、わりあいに、一時間ぐらいで見られるかということでございますけれども、もう見る場所というのは大体きまっているわけですね。だから、そういうことで船舶局長なんかは事務的には計算していると思うんです。しかし、安全ということになりますと、これはもうほんとうに安全第一ですから、そういう意味におきましては、検査官の不足のためにいいかげんな検査にならないように、私もひとつ研究をいたしまして、これはまだ発足していませんから、発足した場合に、さっき申し上げたような、人事の問題等、いろんなものをからめまして、もう少し積極的にこれは安全対策上差しつかえないようにということで、十分の検討をしたいと思います。
#59
○野々山一三君 時間がないようですから、いまの検査官と人の問題。それから養成をしなければとても追っつけません。あなたのほうでは、検査官をふやすということは、普通のものとは違うから、もっと余裕のあるふやし方ができるはずであると、こういうことを前提にして安全をはかる、こういうお考えだと承りましたので、具体的に、こういう金で、これだけの計画で、これだけの養成をして、これだけのもので対処できますという計画書をひとつ示していただけませんでしょうか。
#60
○政府委員(田坂鋭一君) 検査員の養成につきましては小型船舶検査機構の一つの重要な附帯事業として考えておるわけでございます。そういたしまして、これらの事業費につきましてはまだ詳細なところまで詰めておりませんが、昭和五十三年には、本検査機構は手数料の収入と事業費の支出がバランスいたしまして十分な余裕も出るという計画でございますので、これらの点は十分に対処ができます。
 計画書は直ちに作成いたしまして御提出申し上げます。
#61
○野々山一三君 計画書ができて対処できるということですから、もうそれを信用する以外にいまのところないんですけれどもね。これはたいへん皮肉った言い方ですけれども、この法律ができたならば意見を聞いてかくかくしかじかいたしますというようなことは、たいへんまるい話でいいようですけれども、私は、こういう時代に法律を考えられる事務当局も、政府としても全くかご抜け的な、こうやればいいじゃないかというこれはたいへんな言い方ですけど、いいじゃないかということだけにかかっている節があると言わざるを得ないんです。ほんとうにこれは真剣にかつすみやかにそういう対応できる、いま申し上げたようなことを提示してもらいたいということを希望しておきます。
 それから次に、この種の「機構」ということばの中に、幾つかの認可法人がありますね。何と何と何でしょうか。先ほど大臣、おっしゃった船舶協会ですか、そういうものを通してというんですけれども、これなんかにも、非常に私は信用できない――と言ってはことばが悪いんですけれども――数々の問題点がある気がいたします。一体どんなものがあるんでしょうか。そして、これにはどういう間違いがないとかあるとかいうふうにお感じになっているんでしょうか。一般論ですけれども、伺いたい。
 例を言いましょう。これは陸の話です。この前から私は事故対策センター法の審議の際に、交通安全協会の全国の資料を出してくれ、収支決算報告書の総括を出してくれと言ったけれども、ちょっとも日がたっても出てきませんね。だから、ああいうものも「協会」ですね。これは警察庁にかかわるような感じがするんですけれども、そういう意味ではあれなんかもたいへんな問題がございますね。この前も申し上げたからきょうは繰り返しませんけれども、ああいうたぐいのものに類似するような認可法人、これが運輸省にもたくさんあるように思いますが、正確に言ってください。それが一つ。意味でいえばそういう意味。
 それから、船舶にかかわる公団がございますな、整備公団、あれは歴史的に見ると、ずっと昔のカーフェリーだとかあんなようなものがない時代に何とかというようなことで起こったものでございますが、たいへんな変質をしていますね。時代によって変質をしている。その変質が、あの公団というものをつくった本来の趣旨からいって非常に今日的な事情に適合しない。あれ、法律でつくったわけでしょう。にもかかわらず、その法律はずっと昔にできて、Aという名前の法律が今度はB、C、D、Eのほうの趣旨のものに変わっちゃっているわけです。法律を直すということもしない。こういうようなこともございますね。そこで、そう言うのは私のひが目かもしれませんが、たいへんな問題があるという意味で、何と何と何があって、どういうふうになっているのか、一ぺん教えていただきたい。
#62
○説明員(佐藤久衛君) 現在、運輸省の監督下にあります認可法人で発足済みのものが二団体ございます。一つは、船員災害防止協会等に関する法律、これに基づきまして船員災害防止協会、これがございます。もう一つは、道路運送車両法に基づきまして検査法人としての軽自動車検査協会というものが発足しておるものでございます。
 それから、今国会におきまして通過いたしました自動車事故対策センター法、これに基づきますところの自動車事故対策センターというのが今後発足する予定の団体でございます。
 それから、現在、船舶安全法の一部改正等におきましてただいま御審議をいただいておりますこの小型船舶検査機構、それから、これも今国会に改正案を提出しておりまして設立を予定しておりますものが、これは法律が通りますればでございますが、空港周辺整備機構というものが一応現在の段階までにおきまして構想されております認可法人でございます。
#63
○野々山一三君 同じことを何べんもしゃべらさないでください、時間がないから。それが一体、昔のやつはどういうふうにできて、どういうふうに変化しているかということを先ほど伺ったでしょう。
#64
○説明員(佐藤久衛君) 先生いま御指摘のは、現在の船舶整備公団についての御質問と理解してお答え申し上げてよろしゅうございましょうか。
 これは、ちょっと手元に資料がございませんですけれども、当初は、国内の旅客船公団ということで、いわゆる戦争後荒廃いたしました離島航路等の旅客船の整備ということで、この旅客船を運航しております業者というものは非常に零細な企業であるということで、それに対する建造を補助するという基本的な考え方で発足したわけでございます。ところが、先生御承知のとおり、その後、いわゆる戦時中に建造いたしたした戦時標準型船というのがございました。これが耐用年数も切れまして、しかも、なお日本経済の実情としましてはそういった戦時標準型船も使わざるを得ないというようなことで、これをある程度補修しながら使っておったわけでございますけれども、いろいろ安全上の問題が出てくるということで、そういった戦時標準型船をスクラップ・アンド・ビルドしましていい船にかえようということから、対象を、旅客船のみならずそういった貨物船まで入れるということで、名称を変えまして、特定船舶整備公団というふうな形に変えたわけでございます。で、その後、三十八年だったかと記憶いたしますけれども、そういった船舶の整備のほかに、港湾関係におきまして、そのころといろいろ港湾荷役能力の整備あるいは港湾施設の整備というふうなことが叫ばれましたいきさつがございましたので、はしけとかあるいは荷役機械というふうなものをこの特定船舶整備公団の手によりまして整備するということで、新たにその事業内容に港湾荷役対策の事業を加えておるわけでございます。その後、先ほど申し上げましたように、国内の旅客船整備あるいはまた貨物船の整備というふうなものもある程度の整備が行なわれたわけでございますけれども、さらに最近に至りまして、御承知のように、カーフェリー等の新しい輸送手段というふうなものが出てまいりました。それが内航関係の業者というふうな者の手によって営まれるというような事情もございまして、それらの者に対しても助成の対象にするというようなふうに変わってきているというふうに私ども承知している次第でございます。
#65
○野々山一三君 二つ伺います。
 一つは、いま言われたことでも概略わかるような気がいたしますのは、立法当初のものが順次状況の変化に伴って性質が変わってきている。これは端的な一例でございますね、いまの船舶公団のは。これらについて、まあ、途中で名前は変えたというお話はわかりました。やっぱり、今日の現状から見ると、相当の変化がなおかつ必要だという例だと思います。そういう場合に、立法措置が非常におくれているということが言えるわけであります。したがって、この種の各種認可法人ですね、これについても抜本的な私は見直しをする必要があるという感じがするわけでございます。一体そういうお気持ちがあるかどうか。これが一つ。
 それから第二に、これは済んだ話ですけれども、その一例として、事故対策センター法に基づく認可法人は、階層別、業種別、専門別な人をもって構成するようにするかということを大臣に伺いましたですね。そういうように万全を期しますと、こういうお話でした。どんなぐあいになっておるんでしょうかということを関連して伺いたい。
 それは、当然のことのように、今度のこの法律に基づく認可法人ができるわけでござんすけれども、そういう意味でいうと、いまの第一、第二、そしてこの第三は、一連の思想をもって対処しなければいけないと考えるのが私の見解でございます。そういう意味で、そのことについての所見を伺いたい。
#66
○国務大臣(新谷寅三郎君) 認可法人は、大体われわれのほうの関係は、これは法律に基づいておるわけです。
  〔委員長退席、理事神沢浄君着席〕
ですから、そういう法律の範囲内において事業の幅が広がったりあるいは多少内容が変わったりしているんだと思います。これた、私はそのほうの担当じゃありませんが、国会のほうの御要求もあり、政府としましては、あまりこういう特殊な法人、認可法人というもんですね、あるいは公団とか公社とかいうようなものを数多くすることは避けておるわけです。なるべく少なくしようということは、これは行政簡素化の趣旨からいってもそうだと思うんです。そういう意味で、いままで類似のことをやっておりまして、それをこういう用途にも使ったらどうだと、新しくつくるよりもこの法人をこういうふうに活用したらどうだというような意味もありまして、逐次ある部分が追加されたり――これはおそらく法律の改正があったと思います。
  〔理事神沢浄君退席、委員長着席〕
追加されたり、あるいはそれを解釈上広げられるものは広げたりというようなことで、これはいずれも法律に基づいているんですから、国会の審議、それから政府が答弁しました趣旨、それに反したことはないと思うんです。
 ただしかし、おっしゃるように、私、この間もあなたに申し上げたんですけれどもね、運輸省関係、わりあいに多うございますから、そういったものにつきまして逐次説明は聞いておりますけれども、廃すべきものは廃止する、改めるべきものは改める、また、特に必要なものは新しくつくってもいいじゃないかというようなことで、見直し作業を続けておりますが、何ぶん、ずいぶん、いまのところは時間がございませんで、結論を得るまでに至っておりません。しかし、この前に申し上げたような作業を続けておりますということを御報告申し上げておきます。
 それから、事故対策センターについて御審議の際に承りましたあれは、そのときに申し上げたとおりにいたしておりますが、これは十二月発足ということでございまして、まだ私の手元にはその計画もそれから将来についての方針も事務当局から上がってきておりませんので、その当時申し上げたような方針に従いまして、これは御心配のないような、また、私が申しましたような方向でつくり上げたいと考えております。
#67
○野々山一三君 次に、航行規制の問題で伺いたいんでござんすけれども、モーターボートは一体規制とはどういう関係になるのかということでござんす。「航行規制」という文言の範疇においてモーターボート、レジャーボートというものはどういう角度でこれを規制するのかしないのかということについて、率直に、まあ私はよくわからぬので教えてもらいたい。――ちょっと待ってください。時間がないようですから続けざまにいろいろ申し上げます。
 これは条例でやっているところがあるというお話ですね。その土地土地によっていろんな特殊な要素はあるといたしまして、基本的条件というものは全国共通していていいだろうというのが私の感じでございます。そこで、いままでは、条例によって航行規制をするということに期待していますというのが役所の側の、運輸省の側の、あるいは海上保安庁もそういう考え方だと私は思うんでござんすけれども、これ立法化する気持ちはないか。基本的な航行規制の基準について立法化するつもりはないか。そうしないと、これはもう、先ほどの話と同じように、非常に各地域でこぼこになってしまうという感じでございますね。これは、そういう意味で、いますぐここで立法化は、この議会でどうということはできないにしても、近い将来やはり立法化ということを前提にして、基準とも言うべき航行規制に対する考え方を全国的に示して、それによって条例化が促進され、一方、法令化が進むというようになされるべきではないかというのが意見でございます。お感じをいただきたい。
 それから、それに関連をいたしましてね、漁業、漁民の、つまり先ほど来の大臣のお話は、船と船という時代だったのが、船と船だけじゃなしに人間という問題だと言われた。船と船と魚ということになっているんじゃないでしょうか、このレジャーボートというのは。そうでしょう。私はそう思うんです。そこで、漁民の漁業権とのかね合いにおいて当然の問題が起こるのは、あれがバンバンバンバン飛んで歩けば魚が逃げていっちゃう、取れなくなる。これはほかの要素もありますね、公害だとか何とかという。そういう要素もありますけれども、この漁業権の補償という問題について一体どういうふうにお考えになるんでしょう。私は、これは非常な問題で、したがって、その第一の質問に戻りますけれども、航行規制というものを相当程度やらなければならないということになるんじゃないか。そこで、附随的に私が、一幾つかあると思いますが、当然のことのように浮かび上がってくる問題に船舶登録というものが、モーターボートの登録というものが非常に野放図ですね。これが問題でございます。
 それから、一括してどんどん申し上げますけれども、免許の問題、モーターボート運転免許の問題でございます。伺うところ、全国で何か六カ所とか、十カ所とか、二十カ所ぐらいだという、いろいろある。正確なものは言ってもらったらいいと思いますが、短時間に運航の、操縦の訓練、それから今度は法規上の規制、そういうものを覚えていくわけでございます。実際問題としては悪いことばがあるんでして、「レジャーボート」というたいへんな悪いことばがございます。楽しむのにめんどうくさい規定なんかで、めんどうくさい免許なんかでということがあるかという論理がすぐそこへ飛び出てくるわけでございます。そのために、これが野放図に、大臣は、モーターボートを持つちゃいけないぞと言うことはむずかしいとおっしゃるけれども、「レジャー」というたいへんなことばで、海は荒らし、航行は規制をする、魚は、漁業権の問題にかかわってたいへんなことになる。海水浴場など、庶民的、大衆的レジャーというものがこのモーターボートによって規制をされるというか、抑圧されるという危険性にさらされるということになるわけで、そういう意味では、免許という問題は私は重視さるべき当然のことだ。私も船を運転しましたよ。運転というか、機関長もやりましたよ。荒海の中を、大風の中でも通りましたよ。これは、私の乗った船は小さな船です。大きな船も扱いました。これはちょっくらちょいと――大臣、私と一緒に競争やりましょうか。簡単な状況で、波は静か、風はありませんという状況のもとにおいて船を扱うというような根性というものは、これはたいへんな危険があるんですね。港から出ていった、三分ぐらいたったらたいへんな風が吹いてくるという事態はいっぱいあるんですよ。それが、四十時間や三十時間ぐらいの訓練、教習で免許が取れるという状態をおいておくことがいいことか。これは、一般論でもあると同時に本質論です。この点についても一ぺんまず……。
 以上、数々の問題について一括御答弁をいただきたい。
#68
○国務大臣(新谷寅三郎君) こまかな問題についての具体的な説明は局長からさせますが、一番初めにお話しになった航行の規制問題ですね、これはなかなかむずかしい問題だと思うんです。これは警察庁のほうも御意見があると思います。しかし、私はこういうふうに考えているんです。大きくいいますと、沿岸の水域とかあるいは港湾の中だけじゃございませんで、モーターボートで外へ出ますから、そういう意味においては、やっぱりこれは非常にむずかしい問題であっても、運輸省として基本的な方針をきめていかざるを得ないと思っているんです。で、御承知のように、これには世界共通の海上衝突予防法もございます。それから港々には港則法というものもございます。で、ことしの七月から施行いたしました海上交通安全法というのもございます。そういったもので、大きな船につきましては大体どういうふうに通るかという、陸上でいいますと道交法のような思想も入れまして、規定をしてあるわけでございますが、ところが、モーターボートのようなものになりますと、小さな狭い海域で自由自在にやる危険があるわけですね。それも、さっき申し上げたように、船と船とだけの関係じゃなしに、船と人との関係なんていうものを今度考えていかなければならぬということになりまして、別の見地からこれは見ていかなきゃならない。そこで、いままでの海上の交通安全というものの基本方針として、やはりいまのモーターボートのような航海のしかたをするものにつきまして、各府県でやっておりますような、一応これは人に迷惑をかけちゃいかぬと、こういう条例でございますけれども、これについてもう少し私のほうと警察庁とよく相談をいたしまして、基本についてのこういったことだけは必ず条例でもこの中に入れて、全国的に統一した基準のもとに海上の航行をやはり取り締まったほうがいいというようなことを私は考えておりまして、先般も他の委員会でそういったことを言ったことがあるんですが、この点は懸案になっております。で、これは警察庁のほうと十分に相談をいたしまして、そういう方向に何とかして私は持っていきたいと思っておるんです。ただ、これをやりますについて、条例をつくりますと、やっぱり条例どおりに規則を遵守しているかどうかということをこれは絶えず監視してもらわなければならぬわけです。そのためには警察庁のほうの人件費物件費、その他の経費もかかると思うんですね。そういう点を考え合わせまして、これは至急に結論を出すようにしたいと思っておる次第でございまして、この点は、実は船舶職員法の御審議の際にも申し上げたんですが、まだ最終的な結論が出ておりません。で、もう少し時間をかしていただきたいと思っております。ただ、おっしゃるように、なるべくならば全国にある程度共通した基準によって航法について迷惑をかけないようにというなら、どういうふうにやらせるかというふうなことくらいは統一した基準できめたほうがいいということだけは私は考えておるということで御承知願いたいと思います。
 それから、登録の問題でございますとか、その後に御質問になりました具体的な問題につきましては関係の局長から答弁させますが、船員局長おりませんので――いま来ましたから、船員関係の問題は船員局長から御答弁させます。
#69
○政府委員(田坂鋭一君) 登録の関係でございますが、先生の御趣旨は、船舶がどこのたれのものだということをちゃんと識別をする必要があるという御趣旨かと思いますが、これにつきましては、検査にあたりまして、検査が終結いたしますと検査済み票をその船舶に交付いたしまして、またそれを票示させるということにいたしております。そういたしまして、さらにその原簿は小型船舶検査機構が持っておるということでございますので、登録にかわる、その目的を十分に果たすことに相なっておると考えております。
#70
○政府委員(住田俊一君) 船員局長の住田でございます。
 ただいまの御質問にお答え申し上げたいと思います。
 このレジャーボートにつきまして、現在、船舶職員法というのがございまして、その省令の中に、この試験について次のように規定をしております。すなわち、学科につきましては四十時間、実技につきましては十二時間。それから、この省令に基づきまして、国の養成施設が全国に二百二十カ所ございます。これに基づきましてこの操縦の完ぺきを期したいということを期しておるわけでございますが、最近、御承知のように、非常にレジャーボートの事故が頻発しております。この事故を、再発を極力押えるべく、現在、さらに職員法の改正をしております。で、現在衆議院のほうで御審議を願っておるわけでございますが、その内容につきましては、さらにこの学科あるいは実技の時間をもっとふやしたらどうか、こういうことで、みなみに一級、すなわち外洋に出る場合におきましては、学科を五十時間、それから実技につきましては二十時間、こういうような案を考えております。のみならず、沿海におきましても、二級の操縦士という規定をつくりまして、その中に学科を四十時間、実技を二十時間、さらにレジャーの実際の対象の非常に多い九キロまでですね、こういった九キロの場合は四級の免許を与える。この場合は学科を十五時間、あるいは実技を十時間、こういうような案をつくって現在衆議院のほうにおきまして審議を願っておる次第でございます。私どもといたしましては、極力この学科あるいは実技の点につきまして、十分にこの養成所の施設を通しましてこういった事故のないように万全の措置をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
#71
○野々山一三君 最後に大臣に。認可法人を減らしたいという考え方だということをおっしゃったわけですけれども、最近は運輸省だけでも、ふえておることはあっても減ったことはないという端的なことばを申し上げるのですが、これは抜本的な見直しをしてもらいたい。最近できた法律、あるいは提起されている法律、だからつくられるんだということは、それはそれなりにわかるのですけれども、これはことばでは、縮減いたします、整理をいたしますと言っても、実際にはふえている。ふえているのに問題があるから問題にしているわけでありますから、これはひとつ、これはいま法律そのものに問題があるんですから、いろいろお考えがあるでしょうけれども、注文を兼ねてさらに所見を伺いたいわけです。
 それから、省令基準をつくるということの考え方はわかりました。わかりましたが、さらにこれはやっぱり立法化ということをやるべきであろうというふうに私は思います。
 それで、船員法、あるいは船舶職員法の条件をいま伺いましたけれども、実際いまの二百二十の養成所ですか、この状況は、こういう静かなところで訓練なさる養成所ですよ。違いますか。こういうところでその実技十時間とか十五時間ということで法律をいま審議中だということですけれども、この状態は、私は、残念ながら海というものには道がないんですからね、道路という意味でいうと。海というのは道がない。そうして道路というものと違って、風だ波だというやつがたいへんな力を持っているわけですね。そういう状況では、あの養成所がございますが、あそこで実技十時間とか二十時間というものでは、これは私はどうも納得ができない。この間もテレビでやっていましたね。テレビの話をして申しわけないが、テレビでやってますあの養成所の実情を見てみましても、あれで海へ出たらということについては、たいへんな危険を感じない人はおそらくないだろうと思います。
 そうしてもう一つ、これはつけ加えた理由ですけれども、若い世代の者が多いですね。そうしてモーターボートそのものに乗せている人が、子供さんも一ぱい乗っている。家族もろとも乗っていてそのまま転覆しちゃったという事故がこの間ありましたね。これなどはそういう静かなエリアで訓練をした人がぽっと出ていくということのために起こった顕著な事例でございます。したがいまして、私は、いまの時期になすべきは、船を客観的ないろんな要素によってふえることを規制をするということが必要であろう。
 それから、繰縦する、つまり、免許の条件をもっときびしくすべきではないかというのが第二の問題。条件を、つまり学科が四十時間で実技が十時間といっても、これはこまかい話になって相済まぬのですけれども、自動車学校なんかで養成いたしますね、小さな車にぎゅっとブレーキを踏んだらどうなるかなんということは、学問的に言ったって、実際的にはどうにもなりませんね。そのために起こっている事故はたいへん多いですよ。急激にブレーキをかけたらひっくり返って横転しますね。そういう状態が自動車の場合でもあるわけでして、そういう意味でいうと、実技というものがことばだけの実技でなくて、全く実技というものの必要性というものをうんと感じますよ。私自身が船を扱ったということを言いますが、私は二年勉強させられましたよ。小さな船ですよ。四十馬力ぐらいから六十馬力ぐらいの船を、まあまあということであたりまえになるのには、二年ぐらいかかって、まあ、おまえもやれるわいということになったわけです。そういう状況のものですよ。その認識がやっぱり――つまり、専門的にいままでやっていらっしゃった人が得ている実技というものを、「実技」ということばで総称できるような状態になるためには数年を経ている。これがモーターボートの現状の増加状況にかんがみてみれば、たいへんな私は、くどいようですけれども、危険を持っているので、もっと免許条件を規制すべきである。実技をふやせ、それから学科をもっとふやせ。それから実技の条件においてはもっとあらゆる環境――波、風、そういう状況に適合するような実技というものを付加しなければ、養成所というものの中ではだめだということが言えると思いますよ。これは抜本的な検討を私はしなければいかぬと思う。
 そこで――ということでしょう――船員局長がおっしゃるように、今度の船舶職員法の改正にあたって、一級、二級、三級、四級ということで条件をチェックしていますということの考え方はわかりましたが、これを何ぼ――私なりに実際をながめ、現地へ行ってみて、それから法律の規定やなんかの、あるいは実技養成所の課程を全部調べてみましたよ、数カ所のものを全部とってみましてね。これでは非常に危険でございますね。これはいま法律が出ているからということだけでは、やっぱり私は同意できない節があるんで、その点はさらに検討される気持ちはないかということを申し上げてこの問題はそれだけにいたします。
 それから免許ということについてもう一回言いますが、免許条件というやつについては、たとえば自動車でもそうですけれども、適性検査というものをやらなければだめだと思いますね。たとえば水てんかんの人がいる。――これは悪いことばですけれどもね。水てんかんの人が楽しいから船に乗った。そこでてんかんを起こしたということかあります。そういうものをどうしてチェックしますでしょうか。海の中では火はないけれども、火てんかんという人がおったらどうなるんでしょう。というところまで適応性ということを考えなければいけない、いまにしてやらなければいけない時期だ、これからどんどんふえるわけですから。というふうに思うけれども、もう一ぺんその点について見解を伺いたい。
#72
○政府委員(住田俊一君) ただいまの先生の御質問にお答え申し上げます。
 先生のおっしゃること、まことにごもっともでございまして、私どもといたしましては、先ほど御説明いたしましたように、法律的には、現在船舶職員法の改正をいたしまして、実技あるいは学科につきましてさらに時間をふやして、そうして事故の防止ということについて万全を期していきたいと、かように考えておる次第でありますとともに、ただいま養成施設の御指摘がございました。確かに淀川地区あるいは江戸川地区におきましてこういった養成施設がございますが、今後こういった法律が幸い改正されますると、たとえばそういったところで養成された方は九キロまで、すなわち先ほど申し上げました四級の免許を使うということになりますから、九キロということで、ごく短い距離の中で航行するということに相なるわけでございます。そして先生の御指摘の、さらに外洋なりあるいは沿海に参ります場合は、もっと別の本格的な養成施設を使わなければいかぬ。こういうことで現在事務的に検討している次第でございます。
 それから、身体の問題についていま貴重な御指摘がございました。私どもといたしましては、現在、この試験につきましては、十分に身体検査については万全を期していまやっております。ただし、てんかん等の問題についてはさらに検討さしていただきます。
 また、先生のいろいろなこまかい実情に応じた気象条件なり、あるいはいろいろとその他の御指摘がございましたのでございますが、これにつきましては、さらに今度法律が改正されまして、そうして省令なりあるいは告示の段階におきまして関係の専門家を集めまして、そして万全を期していきたい、かように考えておる次第でございます。
#73
○国務大臣(新谷寅三郎君) 一番初めにお尋ねになりました法人の問題ですね、これはきょう御審議願っておるこの検査機構その他関係の局長から御説明した認可法人というものは、これはいずれも法律に基づいておるものでありますから、私も再検討しておりますと言っておりますけれども、もうこれはやめてもいいんだというものは遠慮なくやめます。しかし、新しいいろんな要望がありますので、そういう社会の要望にこたえまして新しい機構をつくっていかなきゃならぬというものもございますから、そういう必要性に応じまして、これはまた必要なものは遠慮なくつくらしてもらうという考えでございます。
 先般申し上げたのは、ちょっとこれ、ことばの上で誤解があると思いますから、御理解いただきたいのですが、私は、運輸省のそういう認可法人、法律に基づく認可法人を私だけで両院を通ったものを簡単にやめたりふやしたりということはできるはずはありませんが、ただ、いわゆる公益法人ですね、これは運輸省に実に多いんです。各局に命じていまそれを洗ってもらっております。中にはもう使命を全うしたというようなものもないことはない。形だけ残っているというものもありますから、そういったものにつきましては整理をするつもりで取り組んでおりますということをこの間も申し上げたわけでございますから、ちょっとこの認可法人とは次元が違う問題でございますから、その点、どうぞ誤解のないようにお願いします。
#74
○野々山一三君 先ほどの質問の中で、漁業補償と航行規制の問題についてということを伺ったんですが、お答えがないんで……。
#75
○国務大臣(新谷寅三郎君) これは私からお答えする問題じゃないと思うんですけれども、関係の閣僚もおられませんので……。
 大体のいままでとってきました方針、これはもうあなた御承知のとおりですが、漁業権のある区域を船が通っちゃいかぬということは、これはできないと思うんです。しかし、それについては、漁業権者と関係の機関で絶えず打ち合わせをいたしまして、最小限度操業に差しつかえのないような方法で航海をしております。これは農林省と運輸省も絶えず問題にしておるところでありまして、海上交通安全法をつくります場合にもこの点が一番問題になったわけであります。農林省としては現地におろして、こういう方法でどうか、こういう制限つけたらどうかということで合意をしております。ただ、いまの問題になっておるようなレジャーボート、こういったものにつきましては、これ、ほっときますと、やはりそういう危険がないことはございません。これからの問題であると思うんですけれども、たとえば漁網を破ってしまったり、漁業に非常な被害を与えた場合は、これはもちろん損害補償、損害賠償でいまは処理していると思います、一件ごとに。しかし、そういったものにつきましても、先ほど御指摘になったような航法の規制というような意味で、ごく近い、近間の海に対する問題については、そういう統一的な航法の規制をするような場合に、そういう問題につきましてもこれは関係庁の間で相談をしなければならぬ問題が残っておると思っておるのでございまして、これは関係庁と一ぺんよく相談させたいと思います。
 漁業権の問題は、どうも私から本来本質的なものはちょっとお答えする立場におりませんけれども、そういうように処理する以外にはないんじゃないかと、こう思います。
#76
○野々山一三君 最後に、いまの漁業権という問題ではおたくの所管ではないと思いますけれども、航行規制という観点からする、結果的漁業権の侵害といえば、そういうことになりますが、そのことについては早急に関係各省庁と協議をして、一定の考え方――考え方と言っちゃ申しわけないんですが、基準的な考え方を示すというようにさるべきではないかと思うんでございます。たとえば、ノリならノリをやっているところ、満ちているときにはそれをばっとやる、これはノリですからまだいいでしょう。魚というような場合だったらこれは重大な問題にかかわるわけですから、そういう地域はレジャーボートといえども入っちゃいけないということはこれは非常に常識的な話じゃないでしょうか。そこで協議すればいいじゃないか、網破ったら漁業補償すればいいじゃないかという、そういう現実的な、個々別的な考え方というものは私は非常な問題があると思いますから、これは要望として強く関係各省庁に伝えて、一定の考え方を示してもらいたい。そうしてこれが条例をつくる場合の基準にも当然入れるべきものであるという概念で私は問題を提起するわけでありますので、その点はよろしくお願いいたします。
#77
○国務大臣(新谷寅三郎君) そのとおりだと思います。そういう方向で関係各省で協議をいたします。
#78
○委員長(西村関一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(西村関一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。
 別に御発言もないようでありますから、これから直ちに採決に入ります。
 航舶安全法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(西村関一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#81
○神沢浄君 私は、ただいま可決されました航舶安全法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   航舶安全法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、左の事項について特段の配慮をすること。
 一 総トン数二十トン未満の漁船のうち、本決の適用除外とされる漁船については、船舶の安全性を確保するため、今後、検査の対象とすることに努めることとし、その検査にあたっては、操業の実態に対応して実施すること、
 二 船腹量の増大及び技術革新に伴う船舶の質的変化に対処し、検査効果が十分発揮できるよう検査要員の確保を図る等船舶検査体制を整備すること。
 三 今後のモーターボート等の増加傾向にかんがみ、これらの船舶に係る航法及び航行水域を規制し、海上交通の安全を確保するため、所要の措置を講ずること。
  右決議する。
 以上でありますが、何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#82
○委員長(西村関一君) ただいま神沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(西村関一君) 全会一致と認めます。よって、神沢君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、新谷運輸大臣から発言を求められております。
 新谷運輸大臣。
#84
○国務大臣(新谷寅三郎君) ただいまは、船舶安全法の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の結果御採決をいただきまして、まことにありがとうございました。
 また、決議されました附帯決議の内容につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、誠意をもって実施に当たる所存でございます。
 まことにありがとうございました。
#85
○委員長(西村関一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(西村関一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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