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1947/11/29 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第22号
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1947/11/29 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第22号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第22号
  付託事件
○石炭生産確保に関する陳情(第二十
 一号)
○自轉車の價格改訂に関する陳情(第
 三十四号)
○石炭増産運動に関する陳情(第四十
 四号)
○炭鉱国家管理反対に関する陳情(第
 百七号)
○炭鉱國家管理に関する陳情(第百四
 十四号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 百八十三号)
○石炭政策審議会設置に関する陳情
 (第百九十五号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 二百四十九号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 二百五十六号)
○臨時石炭鉱業管理法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○亞炭増産に関する請願(第二百七十
 一号)
○配炭公團を即時廃止することに関す
 る請願(第二百八十四号)
○石炭生産損出補償金支拂促進に関す
 る陳情(第三百七十九号)
○配炭公團法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○亞炭増産に関する陳情(第四百六
 号)
○釜石製鉄所銑鋼一貫作業再開促進に
 関する請願(第三百七十九号)
○生産合作社法制定に関する陳情(第
 四百四十七号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 四百八十号)
○東北地方銑鋼業振興に関する請願
 (第四百二十四号)
○炭鋼國家管理反対に関する陳情(第
 五百六十四号)
○炭鉱民主化に関する陳情(第五百七
 十九号)
○製塩用燃料割当に関する請願(第五
 百五十二号)
○野鍛冶業用燃料増配に関する請願
 (第五百六十一号)
○釜石製鉄所銑鋼一貫作業再開促進に
 関する請願(第五百七十三号)
○北海道における家庭越冬用燃料の價
 格に関する陳情(第六百三号)
昭和二十二年十一月二十九日(土曜
日)
   午後二時二十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○臨時石炭鉱業管理法案
  ―――――――――――――
委員長(稻垣平太郎君) それではこれより本日の委員会を開会いたします。お手許に配つてありまする衆議院の鉱工業委員会の審議の要録でありますが、これは石炭廳でメモ式におとりになりましたものでありまするので、速記録ではございませんから、從つて内容的に責任を持つわけにも行かないのではないかとさように存じます。ただ御参考までにお手許に配付いたして置きましたような次第であります。そのお含みで御覽を願いたいと思います。
 それではこれより昨日に引続きまして修正案をこめた一般の質疑を続行いたしたいと存じます。
#2
○佐伯卯四郎君 私は石炭の実際の仕事を知つておるものではないのでありますが、私は常に疑問を懐いておることは、いろいろの法規に規定せられたるものが、それが実施せられないで、ただ空文に終るような場合を非常に私は残念に思つておるのでありますが、今度この法案を新らしく拜見いたしまして、それで私のお伺いいたしたいことは、この前も大臣は増産の責任は大臣が持つておられる。そこで私のお伺いしたいのは、直接の機関として地方石炭局、それから管理者、事業主、及び労組という四つのものが現場に生産をするものと一應考えていいのですが、増産の観点から見て、この機関に対してどういうふうなウエイトを置かれておりますか。その点を大変むづかし過ぎますれば、パーセンテージでお知らせを願いたいと思いますが、それがむずかしければウエイトをこういう順序に置いておるということを一應お伺いしてお答えを得たいと思います。
#3
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の御質問になかなかお答えするのにむづかしい問題でございますが、その四つの中、重さにおいてどれが一番生産増強のために重いかということは、これはなかなか答えにくいのではないかと思います。それぞれの職能におきまして、それぞれの働きにおきまして皆それぞれの働きをするのでありまするから、例えば石炭局なら石炭局の働きと、現場管理者の働き、或いは又管理委員会の働き、或いは又石炭廳の働き、皆それぞれ独特の働きがありまするので、同じ働きをやるのでありませんので、從つてどれが一番重いということは、これはなかなか言いにくいのではないかと思つております。
#4
○佐伯卯四郎君 私は生産というようなものをやりまするときに、その中心がなければうまく強力に実行できないというのが私共の実際のものの考え方なんであります。多く機関がありますというと、自然にどこに責任があるのか分らなくなる。そうして責任の中心がないということは、即ち強力なる経営をやるということができないということを私はいつも考えておりますので、只今おのおのフアンクションはございますとしても、凡そ重点はどこにあるかということは一應概論でもよろしうございますから御説明を願うわけには行かないのでありますか。
#5
○國務大臣(水谷長三郎君) 私の考えはやはりやまの中心は現場管理者、このように考えております。又例えば九州なら九州地区の第一線責任は石炭局、中央におきましてはやはり商工大臣がその責任を持つという工合に考えております。更に又そのやまの責任と申しましても、現場管理者の責任ははつきりしておりますので、やはりそれは企業を通しての現場管理者の責任というふうに御了承願いたいと思います。
#6
○佐伯卯四郎君 現場といたしますと管理者ということに大体解していいように思うのでありますが、現場の管理者が仕事をいたしますことにつきまして、理窟と実際と違いまして実際の行くところを私は想像しておるのであります。この管理者が仕事をいたします場合に、非常に恐れることは、昔は事業主の命令のみによつて動き得たものが、いろいろ法規をざつと拜見して見ますというと、この管理者は惡くいいますと、地方石炭局長と及び労働組合の方と事業主という三つのものからしてその命令を受けなければならんというような事情に立到るように考えますので、昔の管理者と違いまして非常に仕事がやりにくい、あちらの命令、こちらの命令というふうに参りますのと、すべてのものが生産協議会というものを……すべてじやない、或る部分は経なければならんというので、管理者が非常にむづかしいと思いますが、その点どういう御意見をお持ちでありますか。
#7
○國務大臣(水谷長三郎君) 大体私の考えによりますとこれからの企業というものは財閥が解体されまして、本社というものは大体現場の方に行く。從つて只今御指摘の現場管理者というものの相当部分は、いわゆる社長というような人が兼ねられるのではないか、このように考えております。併しその兼ねられない場合におきましても、只今四方八方から命令が來るということですが、今度の修正案によつては企業を通して現場管理者に命令が行くのでありますが、命令は一本である。一つのルートを流れて行くので、そのルートは二本も三本もないというように一つ御了承願いたいと思います。それから更に労働組合との関係ですが、これは或るほど昔のように、労働組合の組織がなかつた時代と、労働組合が強力に発達した時代とにおきまして、経営の運営ということに関しましては相当変つて來ると思いますが、併しこれは時の流れの然らしむるところでありまして、單にこの法案によつて、そういうことが起るものではないと思います。從つて運用の面におきましては、私はその現場管理者の相当の部分の社長というような方が兼ねられるというようなことになるのであり、更に兼ねられない場合において、企業を通して一本の流れに流れて行くのでございますが故に只今佐伯さんが言われましたような御心配はないじやないか、このように考えております。
#8
○佐伯卯四郎君 私の今までの僅かな経驗によりましても、ここに局長さんとそれから事業主、管理者、労組とございますと、只今のような昨日も仰しやつた沢庵を買う金もないというような非常に金のない、又資材のない時代でありますので、これを見ますのに非常に力を事業主としてはいたしておるわけですが、実際いろいろなことが得るのがむづかしいので、私もどういう機構になるか存じませんが、恐らくは局長さんを通じて資材及び資金というようなものがいろいろ御鞭撻願うことと思うのでありますが、そういたしますと、私はこの四つの中で最も強力になるものは私は地方局長だろうと思う。私は法規のみではなく、実際上資材、資金を持つておる方に力、中心が行くのではないかと私は思いますが、そういう点について如何ですか。
#9
○國務大臣(水谷長三郎君) その点でございますが、成る程石炭局長というものに相当の権限のあることもこれは佐伯さんが仰しやつた通りでありますが、併し私らはその点をば、今御指摘の御心配のないように石炭局長を民間人にして、石炭局の過半数を又民間人にし、そしてその石炭局が一つの仕事をなすときには、地方炭鉱管理委員会に諮つてやるという工合になつておるのでありますが故に、その局長がいわゆる戰爭当時のような官僚独善によりまして企業に御迷惑をかけるというようなことはないと思います。
#10
○佐伯卯四郎君 私は仮りに今仰しやつたように、民間より人をお採りになるということが、現在のところ民主化しておるかという問題につきまして、私は非常にその点において疑問を有しておる。ということは、民間人が一度政府に入ります、或いはそれに似たものに入りますと、或いは甚だ面白くない傾向を帶びて來て、より以上惡い、私に言わして頂きますが、官僚の惡いところを持ち來すと私は考えておるのでありますが、今の石炭局長というところに参りまして、その局長さんがやはり政府のお方であるならば、どうしてもそれが又商工省の方の石炭廳の本省の方からいろいろ命名が参りますので、私の考えるところではやはりその命令が一番強くなる、他の声は小さくて、やはり本省からの命令、それを局長が受ければ非常に強くなる。そういたしますと、私が恐れますことは、そこにやはり官僚式のカラーが非常に強くそこに残るということを私は心配するのでございますが、やはりそういうようなことの御心配は商工大臣として如何ですか。
#11
○國務大臣(水谷長三郎君) 佐伯さんの御心配は前に業界の麒麟兒である小林さんが單身商工省に乘り出して落第記を書かれたということもございます。それはあのときは官僚人の中に單身乘り込んだということでありますが、今度は石炭局の構成の過半数をこれまで官吏も何もやつたことのない民間人でやるということになります。更に又上からの命令と申されますが、今度の、いわゆる地方炭鉱管理委員会というものは、これは大体常置機関でありまして、絶えずその炭鉱管理委員会の制約を局長は受けなくてはならんので、私は上からの命令よりも石炭局長といたしましては地方炭鉱管理委員会というものの制約と言いますか、協力を受けるのが非常に多くなろうと思うのです。そういう点から申しましてこれまでの一、二の例を頭に描かれまして御心配になることは私は今度のこの法案においてはないのではないかと、このように考えております。
#12
○佐伯卯四郎君 今の御説明によりましてそういう官僚化することがないというふうに承りましたが、私はその点をもう少し言わして頂きますと、從來の我が國の経済政策と申しますか、商工省と申しますか、そこでおやりになる政治は経済というものを言わばチェックすることの方にはいいけれども、これを眞にプロモートしてそれを非常に盛んなものにする。或いは特権を持つていて、その特権によつての力をお用いになるということはありますが、本当に事業をやつて行くということにつきましては私は今までの、これは政府官僚の方を惡いとか良いとかいうことぢやありませんで、我が國のそういう政府というものは、そういう仕事をすることができない態になつておつたと考えて、私は今後の経満を改善したりなんかするということにつきましての政府の頭は根本的に変えないというとうまく行かないということを私は考えておりますが、そういう点において商工大臣の御意見はどういうふうに……。
#13
○國務大臣(水谷長三郎君) その点も今度私生れて初めて官吏というか、なんになりましたので、やはりあなたと同じようにこれはずつと民間人で來ておりましたから、考えは別に変つておらないと思うのですが、そういういわゆる現在の経済官廳というものの民主化と申しまする、そういうものに対する一つの試金石となるのが今度の私は石炭局の構成であろうと思うのです。これまでいろいろ日本に官吏機構というものができましたが、法文の上におきまして、その構成分子の過半数をば民間人でやらなくてはならないということを法文で謳いましたのは今度が私は初めてではないかと思うのです。このように過半数を民間人で入れて、尚且つ官僚独善になるとか、或いは官僚の弊害に陷るということを御心配になるのは、攻撃される官僚が惡いのか、それとも又官僚を攻撃される民間人に自信と氣魄があるのかないのか、どちらかだと私は疑わねばならないのではないかと思います。そういう意味におきまして私は今度の石炭局の構成というものは只今の佐伯さんが投げられましたところの問題に対して一つの解決を與えるものでありまして、そういう意味におきまして私はこの石炭局の運用というものに対して多大の期待を持つと共に、又心から民間人の協力をば期待する次第でございます。
#14
○佐伯卯四郎君 もう一つお伺いしたいのでありますが、石炭局長というものができましても、相当局長さんが仮りに非常に下僚に対して昔持つたように非常な力を持つておるかどうか、昨今新聞紙上に見ますと、非常に下の方の人の勢いが、或いは労組その他の事情によつて強くなつたのでありますが、石炭局長のごとき、そういうものが、そういうようなことに煩わされて非常に下僚の方に力が非常に強くなるといつたような方の傾向は、これは一般的にも言えることでありますが、そういう御心配は余りこれからございませんか。
#15
○國務大臣(水谷長三郎君) その点まあ心配といえば、單に石炭局だけでなしに一般の企業におけると同じことでありますが、そういう点に関しましては、我々といたしましては一刻も早くできるだけ健全なる労働組合というものを育成して参りまして、本当に経営者は労働組合の立場を認め、労働組合は又経営者の立場を認めるところの経済の民主化というものを推進したいという工合に考えております。
#16
○佐伯卯四郎君 労組のことでありますが、今度の石炭の國家管理に対して、私も若干は労働問題について関係を持つておりましたのですが、見ますというと、いろいろ大臣から、非常に燃え上る力によつて國管希望者が多いということを承つたのでありますが、私は実際問題としてそういうことを考えるお方というのは、その中に極めて少い人であつて、大部分の方は、それだけにはなつておらん、要するに労働組合というものがまだ民主化しておらん故に、僅かの煽動者といいますか、指導者といいますか、そのお方の意見のみによつて動いておるというので、これが全般的にいろいろ統計が示されておりますが、私共常識的に見ますと、どうもまだ全部が本当に必要を感じて立ち上つたというふうに言えないのでありますが、その点において石炭の労働組合民主化の程度はどのくらいにお考えになつておりますか。非常に進んでおるのでございますか、私共の考えておりますようなことは、極く一部であるかどうかというようなことは如何なものでございましようか。そこのところの御意見はどうですか。
#17
○國務大臣(水谷長三郎君) 成る程これは石炭の労働組合だけでなしに、日日全般の労働組合というものは終戰直後は非常に行き過ぎであるとか、そうような傾向もなきにしもあらずでございましたが、月日の経つに從いまして、段々自己反省、自己批判というものが強くなつて参つたのでありまして、そういう点におきまして、私は今後の労働組合民主化、労働組合の健全化ということに関しましては非常に多くの希望と期待とを持つておる次第であるのでございます。
#18
○佐伯卯四郎君 只今までいろいろお伺いいたしました要点は、先に申上げましたように、この現場の基盤が四つある。この四つのものの本当の中心がどこに來るかという、その強さというものが私は増産の一番鍵になるのじやないかというふうに考えますので、お伺いしたいのであります。私の考えますことは、恐らくや各炭鉱おのおの違つた事情であつて、どれ一つ同じ事情のみによつて、無論或る通ります一つの大きな原則がございますとしても、個々の事情は非常に違うと思うのでありすが仮りに一つの物指しでこういうものを持つて行きますと、先にお伺いしたような、できればパーセンテージで出してくれということはできないとしても、私はこの四つの基盤がうまく調和して、強力に動くということにおいて、非常な、私共の考えが間違つておるか知れませんが、どうもうまく行かないのじやないかということを私は危惧する者であります。そういう御心配はなさつておいでになるのでありますか。如何でございましようか。
#19
○國務大臣(水谷長三郎君) 今あなたの御指摘のような心配がありますならば、こういう法案を出さないのでございますが、そういう心配は全然ないものと考えましてこういう法案を出したような次第でございます。只今私の考えを率直に申上げさして頂くならば、やはりこの法案を中心にいたしまして、現場管理者というのがやまの中心体となつて、生産の増強に邁進されるということが一番結構であろうと思つております。
#20
○佐伯卯四郎君 今度は外の問題でありますが、中央及び地方の鉱業委員会の機構でございますが。ここには学識、経驗主だつた事業主、労働組合の方、事業者というものを集めて審議して、その結果を得ることになつておるようでありますが、私はこういういろいろのお方がここに集まりまして、そして一つのいわゆる決定にまで來るということにつきまして、意見の違つた場合には極めてこの決定がむづかしく時がかかるじやないかし思いますが、そういう点においての御心配はありませんですか。
#21
○國務大臣(水谷長三郎君) その点は会議のことでございますが故に、多少の時間はかかると思いますが、併しこういう場合にいろいろの方面からの方の意見を徴しまして、その結論を得た、その結論というものは非常に権威のあるものでございますが故に、私は一人の人の独裁というよりも、こういう形式を経て納得された、いわゆるやり方というものが、本当に生産の増強になるという工合に考えておる次第でございます。
#22
○佐伯卯四郎君 私はこういう機構を通して決定いたしましたものは、非常に確かなものだということについては、私は全く同感でございますが、併しながらこの事業をやつておる者から見ますると、これが迅速に決定しなければならんということを、非常に私ども要望いたしておりますが、そういう点におきまして、商工大臣が前に申述べておられました現場の四つのことと、又この委員会を以ておやりになる場合に、迅速果敢ということが無論迅速ということが脱けるじやないかと心配しております。この点如何でございましよう。
#23
○國務大臣(水谷長三郎君) その点に関しましては原案では二十七條、二十八條、二十九條というようなことで現場の即決主義をば認めた條文があつたのでございますが、いろいろな関係でそれが削除されましたので、新らしい修正案の二十五條に「指定炭鉱の事業主は、業務計画の実施に関し、命令の定めるところにより、必要な権限を炭鉱管理者に委任しなければならない。」ということになりまして、一旦決まりました方針というものは現場において着々時を移さずにやつて行けるような仕組を考えておる次第でございます。言葉を換えて申しますならば、基本方針を決めるには相当の或いは日時がかかるか知れませんが、併し決まりましたその方針に基いて、現場のいわゆる仕事の運び方というものは、できるだけ現場管理者を中心にいたしまして、着々実行に移されるという体制に持つて行きたい、このように考えております。
#24
○佐伯卯四郎君 問題を今度は変えましてお伺いしたいものでありますが、民間におりましていつも私どもが残念に思つておりますことは、商工大臣その他大臣のお方がいろいろと仰しやつたことが、お辞めになるとどこかへ消えていつてしまうと、それでその責任をどうしてとつて頂けるのかということについて、非常に私どもは残念に思つたのであります。そこでこういうことをお伺いして見たいと思うのでありますが、今度この國管案が通つて実施されたそのときに極めてよく運行して、そうして増産ができれば、これは全くこの上ない結構なことで、又さよう希望しておるのでありますが、併し仮りにこれが甚だまずい結果になりまして、実際の増産にもならんというようなことができました場合、その責任はこの國会、この法案を通した國会というものにあるのか、或いは当時の内閣にあるのか、或いはその内閣を形成しておりました社会党なり、民主党なり。國民協同党にありや、或いは又そういう議員さんを選出した人にありやと、こういつたような私は責任感ということにおいて非常に考えさせられておるのであります。で若しもこういうことが、法律上から何かこれが責任感と明快にすることができますならお教えを願いたと思います。
#25
○國務大臣(水谷長三郎君) これは只今仰せの通りでありまするが、なんと申しましてもこの法案が通過いたしました曉においては、全責任は商工大臣が負うべきものと考えております。それは言うまでもなく法律的の責任ではございませんが、政治上並びに社会上の大きな責任を負わなくてはならないと思います。從つて私は自分の政治的生命に賭けましても、この法案通過の曉は石炭増強に邁進したいという熱意に燃えておる次第でございます。
#26
○佐伯卯四郎君 只今商工大臣の御決意を承つて、ますます私共頼もしく思うのでありますが、國会というものがどういうふうに動くべきものか、或いはどうかというような点を一つ私は知りたいのでありますが、如何でございましようか。
#27
○國務大臣(水谷長三郎君) 勿論この法案の生まれて來る過程におきまして、國会がこれに参画される限りにおいて、或いは責任があるという議論も湧くかどうか知りませんが、苟くもでき上りましたところの法律をば、実際に運用するところの責任者は商工大臣でありますから、この法案通過の曉における石炭増強の問題に関しましては、全部の責任は商工大臨が負うべきでありまして、國会に対してはなんらの御迷惑はかけません。
#28
○佐伯卯四郎君 只今商工大臣が責任をお持ちになるということは、まあたびたび伺う点でありますが、今私の申したようにこれがうまく行きませんときには社会党が、或いは民主党が、國民協同党がこれの責任を負うというふうに解するように持つて行くのは政治の行き方と私は思うのでありますが、その点の御意見は如何ですか。
#29
○國務大臣(水谷長三郎君) その点はまあ社会党、民主党、國民協同党の責任でございますが、一番やはり大きな責任を負わねばならんのは社会党であると思つております。從つて私は商工大臣として、更に又社会党の幹部として二重、三重の責任を感ずるものであります。
#30
○佐伯卯四郎君 そこで又一つお伺いしたいのでありますが、來年の四月一日から実施されて、三ケ年の間これを施行されるように承つておりますが、若しこれから先に仮り内閣が送りますこともございましよう、そうした場合にその次に來るべきものはどこであるか存じませんが、仮りにそれが甚だこれに熱意を有しないというようなパーテイでございました場合、それがうまく行かないというようなときに考えるべきことはどういうことが起るとお考えになりますか。
#31
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の御質問の狙いとされるところはどこであるか、ちよつと私も了解に苦しむのでございますが、勿論この原案の第六十九條はこの法律の有効期間は三年とする。「但し、その期間満了の際における経済事情より特に必要があるときには、これを延長することができる。」ということになつておりますので、いわゆる三ケ年後にこの法律が延長されるか、或いは又それで打切りになるかということは、そのときの経済上その他の諸般の事情を斟酌して國会が決定すべきものであります。併しながらこの法規に規定された三年間というものは、これは内閣が変ろうと変るまいと、これは石炭の生産増強というものは日本の経済危機打開の大きな態度であるのでありますが故に、これはそのまま続けて行くと思います。現に私ごときも石炭二千万トンということは前内閣に決められたことでございますが、我我はその三千万トンというものをできるだけ達成するという具体に努力しておるのでございます。今日の石炭の生産増強というものはこれはいかなる党、いかなる内閣に対しましても、至上命令として止まるものでございますが故に、少くともこの法案の有効時間の間は、この法案を中心にして石炭の生産増強というものに邁進せねばならないものであると考えておる次第であります。
#32
○佐伯卯四郎君 よくこういうことが言われるのでありますが、前内閣の決められたことだから今度の内閣は責任を持たんということはないのでありますが、非常に熱意を持たないというようなことがありとするならば、これは甚だ面白くないと存じますが、そういう点においてのお考えはどういうものでございましようか。
#33
○國務大臣(水谷長三郎君) 私は人のことは知りませんが、石炭三千万トン達成のためには前のいかなる商工大臣よりも私は大いに熱意を持つておる。從つて前の内閣が立てられた方針においても、それ以上に熱意を以て邁進しておるという工合に御了解を願いたいと思います。
#34
○佐伯卯四郎君 私がこれまで質問いたしました趣旨は、最初に申上げましたように余りに沢山のこういう機関がございますものですから、その中心が分らなくなり、又責任が分らなくなるというこにおいて、私は一番心配していろいろ御質問したわけでありますが、一應私の質問はこれで終ります。
#35
○委員長(稻垣平太郎君) 最初に私失念いたしまして、御紹介するのを忘れましたが、橋上委員が御病氣で鉱工業委員を御辞任に相成りましたので、岩木哲夫君が代りに常任委員になりましたので、御紹介申します。
#36
○岩木哲夫君 私岩木でございますどうぞよろしく。
#37
○委員長(稻垣平太郎君) それでは質問を御続行願います。どなたか御質問ありませんか。
#38
○平岡市三君 政府はマ元帥の書翰に即應いたしまして、石炭増産対策要綱をお立てになり、又資金面におきましても、炭鉱特別運轉資金融資要綱を決定いたしまして、増産を企図いたされておるわけであります。にも拘らず政府は更に本國家管理法案の通過を要望せられておるのであります。即ち石炭増産対計要綱も、國家管理法案も大臣の言を借りますれば、共にこれは増産の方式なんであります。併しながら両者の根本的差異はどこにあるかと申しますれば、即ち國家管理の方式を採るか採らないかの根本的の差異なんであります。そこで本法案が、衆議院におきましては二ケ月に亘りまして審議され、且つ本会議におきましてあのような混乱を呈したのは、私の考え方では、この炭鉱の國家管理によつて眞に増産ができるかできないかということが疑問であるために、結局ああいうふうな行き方になつたのだろうと、こう推察するのであります。私も亦甚だ失礼な言葉でありますけれども、ここにいらつしやる多くの委員の諸君におきましても、眞に國家管理が増産になるかならんかということについては、非常な疑問を持つていらつしやるのだろうと私は思つておるのであります。
 そこで私は前回二回に亘りまして、大臣に、この國家管理によりまして全國の炭鉱がどれだけの増産が企図せられるかという具体的な数字をお伺いいたしたいと申しましたら、その数字は出て來ないという、こういうお話でありました。然らば北海道の一つの美唄なら美唄という特定の炭鉱を囚えて、ここで國家管理を行なつた場合に、どれだけの増産ができるか。具体的な数字を一つお願いしたいと申しましたら、これも大体できないような按配でございました。結局そういたしますと、私はここで具体的数字の要求はいたしません。ただ併し、本当に國法管理が増産をきたすかきたさないかということは、我々どうしても知りたいのであります。そこで大臣その他政府の委員にお伺いいたすのでありますが、國管によつてなぜ労働能率が上昇するか。或いはその他今日増産の隘路となつておりますところの各條項を揚げまして、そうしてこれによつて國管は増産期待することができるのだということを、是非とも今日の増産の隘路の各項目毎に、國管による増産の理由を一つプリントにでも書いて配付を願えますれば、よりよく分ると思うのであります。よく新聞紙上でも常にこのことは謳われておりますが、私等も是非この國家管理が眞に増産の糧となるのだという確信が若しありますれば、これは我々は今日の國家の現状といたしますれば、若しそれが確信され得られますれば、満場一致で可決せられる問題であろうと思うのであります。一つそういうふうな増産の隘路の項目別ごとに、國家管理によつてこういう理由で増産ができるのだということを、プリントにでも刷つて我々に配付ができるかできないかを一つお伺いいたしたいと思います。
#39
○國務大臣(水谷長三郎君) その点に関しまして、総論的に先ずお答えいたしまして、そうして平岡さんの御意見をお聽きしたいと思います。それは、今般政府が臨時に石炭鉱業を管理いたしまして、増産を達成しようというのは、次の理由に基くものであります。第一に石炭の増産及び生産に関する計画が、國家の要請に應じた國家計画の性格を有するものでありますと共に、生産現場の実情に應じた計画たらしめるものとすることでございます。現在石炭の生産に関する從來の一般方式を見ますれば、その方式は、石炭の直接の機能と責任とをすべて企業者に一任いたしまして、政府は資材、資金等の統制によりまして、側面よりこれを援助するに止まりまして、政府みずから直接に石炭の生産に関與いたしまして、強力にこれを推進するというものではなかつたのでございます。これがために、石炭の生産に関する実際の措置がすべて石炭企業の意思と能力とに左右せられまして、政府の意図が確実に生産の現場に徹底実施せられることは保障されなかつたのでございます。半面政府におきましても、石炭生産に関する詳細徹底した実体把握をなすことができませず、生産計画、資金計画、資材計画等、現実に即し適正且つ具体的に確立することが困難でございまして、その実行につきましても、必ずしも関係者の全面的協力を得ることができず、その間に不円滑の生ずることを免れなかつたのでございます。ここにおきまして、政府は石炭増産に関する資材、資金等の從來の諸施策を一層強化実施するのは勿論でございますが、右に述べたような從來の方式のみでは、根本的に不十分であると認めまして、これより一歩前進し、政府が直接に石炭の増産に関與し、石炭生産の現場を把握し、これに対しまして、積極的に必要な統制を加え、政府の企図するところが、直ちに現場に実施されていくことによりまして、石炭の増産を図らんとすることを決意するに至つた次第であります。
 これによりまして、大体次のことが可能になろうと思います。第一には、石炭生産に関する政府の実体把握が的確に詳細になすことができます。その結果、政府は確実な基礎に基きまして、適正な生産計画、資材計画、資金計画その他の計画を定めることができ、又これらの計画の実施を強力に推進することもできることとなろうと思います。從來は不確実なる資料に依存いたしまして、推定によつて計画を策案する場合もありまして、実情と違つたこともしばしば惹起されたのでございます。第二には、石炭の生産に関する政府の意図が、増産第一主義によりまして、確実に生産の現場において実施することができるのでございます。第三には、政府の定めるもろもろの計画と炭鉱における業務計画とが、直接に連繋いたしまして、相互に遊離齟齬を來すことがない。その結果、政府も炭鉱も統一をした計画に基きまして、一致した努力をなすことができると思います。第四には、政府の定める計画の基礎に、企業の経営者も労働者も参加いたしまして、これらの者の意見も尊重せられるので、計画はおのずから公正になり、且つ計画の実施に対するこれらの者の責任意識を喚起することができるのでございます。第五には、石炭の生産に密接なる関連を持つ事業部門の協力を得る途を開きまして、所要資材の現物化、設備の修理建設、貨物の輸送等につきまして、強力なる措置を講ずることができるのでございます。
 その次に我々が問題といたしますのは、從業者の経営参加よりまして、その生産意欲を向上することでございます。石炭鉱業は、一般の工業部門と異なりまして、その生産要素としての労働力の占める割合は極めて大でありまして、生産実績は勤労意欲の如何によつて決定的に左右されると言つても、決して言い過ぎではないと思います。終戰後労働者の大量離山によりまして生産が崩壊した事例は、未だ我々の腦裡に生々しい記憶でござにますが、その後極力労務者充足の措置を講じました結果、労働力としては約四十万を越え、戰前の水準を凌駕する状態となつたのでございます。然るに一月一人当りの生産量を取つて見ますと、最近は大体五・五トン程度でございまして、戰前の約二分の一の水準に沈淪しておる次第でございます。これは固より設備の不完全な稼動状態、熟練坑内夫の総体的不足、労働者の生活不安等によるものと言わねばなりません。率直に言つて、勤労体制に関係するところなしとは言い難いのであります。即ち戰時中のごとき、強制労働による能率増進方策は捨てられまして、新たに民主的な労資関保が生れつつあるのでございますが、経営者側にも、労働者側にも、この新らしい関係をいかなる具体的な形体において運用すべきかについて十分な確信がないということが、労働不安を斎らし、能率低下に至る要因の一をなすものと考えております。増産の見地から國家管理を行う立場に立つ限り、労働者の生活不安を除去するための諸方策を強力に実施することを前提といたしまして、炭鉱の生産現場における労資関係の生産る繞つての新らしい制度を國家管理方式に織り込む必要があろうと思います。経営者と労働者とが互いにその立場を生かしながら納得ずくで生産計画を設定し、その実施について積極的に責任を以て協力する組織を設定いたしまして、これによつて勤労大衆の過度的な不安と能率低下を克服する必要があろうと思います。管理法案におきましては、生産協議会に重要な地位を與えているのはかような要請に應えようとするものでございます。その次に問題になりますのは、石炭鉱業の行政及び経営の民主化を図ることでございます。すでに述べましたように、石炭増産のための諸施策の実施は、國民の犠牲の上に行われるものでございまして、石炭増産のためにこそ國民の耐乏生活における希望が繋がるのでございますが故に、石炭増産のために豊富な知識経驗を有する人事を野に一個の遺賢なく行政上その知識を活用せらるべく又その縦横の才能を経営上の制約なく発揮せられるべく、從來の行政上の慣例又は個々の企業の利害関係はすべて國民的感覚において合理的に調整されなければならないのであります。このためには、先ず行政と経営との関係におきましては、監督するものと、監督を受けるものとが直接的に対立している状態が捨てられねばならん。石炭の生産に関する技術労働経理それぞれの面における民間企業のエキスパートが生産行政に溶け込むよう措置すると共に、從來のような形式的な委員会制度と異り、経済民主化のための実のある組織の設定を考慮しなければなりません。管理法案における石炭局の人的構成と中央と地方における管理委員会の組織はこの必要に添うものである。又企業内容の関係におきましては、企業がその経理上の不安乃至將來の危險負担を恐れて、生産増強について意識的無意識に制約を與えるように施策することを前提條件といたしまして、生産現場である炭鉱がその経営者によつて推薦され、從業者によつて支持せられる人物を中心に生産第一主義によつて運営されることを保証しなければなりません。管理法案におきまして、このことは指定炭鉱における炭鉱管理者の選任及びその職務に関する規定として相当、誠細に示されております。世上、ともすればこれを企業形態の変革であるというようなことを言う人がありますが、法案はいわゆる中央の本社に業務計画の決定権を認め、この際による現場の日常業務を現場行政機構と、炭鉱管理者に委ねようとするものでございまして、現実に即した生産の彈力性ある運営を求める以外に他意はないのでございます。以上縷々と述べましたことは、只今平岡委員が申されましたこのいわゆる國家管理法案によつて何故増産ができるかということに対して総論的に御答えした所以であると思います。
#40
○平岡市三君 大臣がながなが縷々御親切な答弁でありますが、要するにこの長い御説明をコンデンスしますれば、結局炭鉱の実態を把握して、そうしてそれに應じて適切な手を打つのだ、これによつて増産が可能である、こういうふうに私は考えるのでありますが、大体この國管法案なくてもあなたのその実態把握の理想が今日遂げられるのであります。又遂げなければならないのであります。何故かと申しますれば、優先的に資金、資材を炭鉱に導入いたしてある以上は、何ら國管法がなくても、これを監査して、その監査の結果、政府が監督指導するのが当然であるのであります。殊に鉱業法の第十二條の二を見ましても十分それは達せられる規定になつておるのであります。即ち「主務大臣及鉱山監督局長ハ鉱業権者ニ対シ鉱業ニ関シ必要ナル報告ヲ為サシメ、又ハ当該官吏ヲシテ事業場、事務所其ノ他必要ナル場所ニ臨檢シ業務ノ状況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得」、この法案は、結局監査になつております。監査以上の臨檢をすることができるのだ、檢査もできるのだ、こういうようなきつい條文になつております。そこでこの國家管理法案よりもこの鉱業法の方が実態把握にはより以上十分な規定が設けられております。このことは又鉱業法の第四十七條にも「鉱業権者ハ命令ノ定ムル所ニ從ヒ鉱業ニ関スル明細表ヲ鉱山監督局長ニ差出スヘシ」といつて命令であります。而も明細表であります。実態把握はこれで十分できますが、尚且つ重要鉱物造産法を見ますれば、これ又第十七條におきまして非常な意味の規定があります。「政府ハ重要鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ニ対シ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ爲サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲スコトヲ得、政府ハ重要鉱物ヲ目的トスル鉱業権者ニ対シ其ノ業務及会社ニ関シ監督上必要ナル命令を発シ又ハ処分ヲ爲スコトヲ得」、と書いてあります。私は今大臣の述べられました実態把握によつて適材、適時、適切に資材、資金を導入して、相当増産を企図するのだということが、何ら國管法案を俟たずに、こういう鉱業法とか、重要鉱物増産法によつて十分目的を達せられるし、且つ又これがなくても当然國家が優先的に資金、資材を他の企業を犠牲にしても、これを行なつておる以上はなすべき義務があると思うのであります。これについて大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
#41
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今平岡さんのお述べになりました点は、私の國管法施行に必要とする事実の一つだけを述べられてお述べになつたことでございまして、先程私が理由を述べまいた一、二、三の理由は只今御指摘の法案においては達することができないと感じておる次第でございます。
#42
○平岡市三君 その問題は打切りにいたしまして、次に今日石炭増産が遅々として進まないところの一大原因は、労働者の生産意欲が上がらないからであると自分は思うわけであります。労働者の生産意欲は國管によつて上がるとは、私は考えられません。労組の幹部の中にはいろいろの考え方がありましようけれども、大多数の労働者は國管であろうと、現状の経営方式であろうと、要は労働條件の改善をなさなければ、生産意欲は上がらないのだ、こういうことは、我が北海道に二週間炭鉱視察に参りました場合に、殆ど多くの方が申しておるわけであります。そこで結局私はこの生産意欲を増加するにはどうしたらよいかということは、私が申すまでもなく炭住の改善をするとか、或いは労務用の物資の配給を適正にするとか、或いは勤労所得税の基礎控除の大幅の引上げをする等、即ち政府の施策に起因するものが非常に多かろうと思うのであります。即ち國管によつては労働能率は上らない。即ちかような政府の施策によつてこそ増産が挙げられるものである。こういうふうに自分は信じておるわけなんですが、これに対して大臣の御答弁をお伺いいたしたいと思います。
#43
○國務大臣(水谷長三郎君) その点は私がこれまで繰返しお述べいたしましたように、今あなたが生産増強のための有力なる施策としての根本をなす組織法がこの國管法であるという工合に一つ御了承を願いたいと思います。
#44
○平岡市三君 大臣は常に組織法組織法というお言葉を使いますが、國管の組織法即ちこれは基本的なものであります。この基本法の下に政令或いは省令が出されて具体的な運用ができるわけでありまして、この組織法即ち基本法が非常に根本的に重要な問題でありますから、私らは実際にこれによつて増産ができるかできないかということをお聽きいたしておるわけなんであります。
 そこで次に資金の問題でありますが、大臣は今日の炭鉱はその資金の大きな額が國家の融資金で賄われておる。であるからしてこれは国家管理にすべきが当然であるごとく始終言われておるのであります。併しながら経営者は戰時中政府の過まれる政策によつて濫掘りを強制せられております。又終戰後におけるところの政府の價格政策等の拙劣であつたために、この増産能率が挙らずして欠損を生じたのであります。私から申しますればこれは経営者の責任でない。却つてこれは政府の責任であると考えるわけであります。尚これは政府は前決め制の際におきまして、赤字補償をなすということを約束しておるわけであります。ところがその赤字補償について、これだけで見ますると二十一年の四月から二十二年の六月までの赤字が全体で三十三億九千六百万以上になつております。ところがその欠損金の中で赤字補償金の支拂われた額はどうかと言いますと、三億九千五百万ちよつとであります。なぜ政府は早くこの欠損を査定して、なすべき損失補償金の支拂をしないか。大体申せば三分の一だけの内拂をなしておるに過ぎないのであります。にも拘らず今日炭鉱が非常に借入金によつて経営されておる。であるから國家管理をなすべきが当然である。即ち國家資金において運営されておる。こういうようなことを大臣は時々申すのでありますが、これは拂うべき金を拂つて言うならいざ知らず、國家の拂うべき金が未拂になつておる。その施策の惡いために業者が非常に困難をしておる。即ち資金がないために、資材も買えないとか、或いはその他のいろいろの支拂ができないというようなことで、経営困難になつておるのではなかろうかと、こう思うのでありますが、何故に政府は迅速に査定をして、支拂うべきものはお支拂いにならないのでありますか。一つそれをお伺いいたしたいと思います。
#45
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今平岡さんの御指摘の点は、この度の追加予算において全部解決さるべきものと、さように政府は考えております。
#46
○平岡市三君 いつの御答弁でも、次の予算とか、或いは成るべく早くというようなことを申しておりますが、業者といたしましては、実際資金が困難であります。これが経営ができない。増産がいかんということは、総括的に申しまして、私は政府の施策が怠慢であり、拙劣であるということを指摘いたしたいのであります。
 次に資材の問題でありますが、去る九月三十日付の石炭廳の資材局の昭和二十一年度以降石炭部門主要資材割当入手状況表であります。この石炭廳から頂きました資材の割当入手状況表でございますが、これを拜見いたしますと、ただ割当と入手と、そのパーセンテージだけであります。私等が欲しておりますのは、勿論この二者並びにその比率でありますけれども、需要量がどういうふうになつておるか。その需要量と入手の比率で以て増産がどれだけできるかできないかという判断ができるわけです。勿論割当入手も大事でありますが、それよりも以上に需要量と入手量の割合が必要でありますが、その需要量が不親切にもこの表に載つておらないわけであります。そこでどうか至急当局におかれましては、参考資料といたしまして、需要量の数字並びにその比率をお示し願いたいと思いますが、如何でございましようか。
#47
○政府委員(石坂善五郎君) お答えいたしたいと思います。石炭関係におきます今年度における銑鉄の今年度における第一・四半期でありますが、需要量が七千五百トンになります。これに対しまする割当が五千五百トン、從いまして需要量と、割当とのパーセントは七三%ということになります。第二・四半期におきましては、需要量が五千九百トン、これに対しまして割当が五千トン、割合が八五%に相成つております。第三・四半期におきましては、需要量が七千二百トン、それに対します割当が五千トン、割合が七〇%、鋼材に関しましては、第一・四半期が二万五千九百トンでありまして、これに対する割当が二万一千トン、割合が八一%、第二・四半期におきましては、二万五千トンの需要量に対しまして、二万二千トンの割当であります。比率は八八%、第三・四半期におきましては、同樣に二万五千トンの需要に対しまして、二万二千トンの割当であります。割合が八八%……各品目申上げますか。
#48
○平岡市三君 余り早くお読み下さいますものですから、どうも頭が惡いものでございましようか。記憶ができませんで……。
#49
○委員長(稻垣平太郎君) プリントして、この次のときに書いて出して貰いましよう。
#50
○政府委員(石坂善五郎君) 前回御覽に入れましたと考えておりますが、昭和二十二年度第一、第二、第三・四半期主要物動資材表というものがありますが、二十二年の十月十五日作成いたしまして、御覽申上げたと、こういうふうに考えておりますが、お手許に参つておりませんでしようか。
#51
○平岡市三君 この表だけ頂いておるのですが、この中に需要量はないのでございます。それは頂いてないのです。
#52
○委員長(稻垣平太郎君) 平岡委員、今の表は前に配付けれておるようですが。
#53
○平岡市三君 需要量の入つている表は頂いておりません。割当入手の表は頂いております。
#54
○下條恭兵君 いや、ここには需要量の入つた今政府委員の読んだのはあります。私共貰つております。
#55
○委員長(稻垣平太郎君) ない方にはいずれ又お配りいたします。
#56
○平岡市三君 そのことはどうぞ一つ……私大低休まないで來ておるつもりでおりますから、後で頂きたいと思います。その需要量に対する入手の割合というものが第一・四半期と第二・四半期と比較いたして見ますと、大体パーセンテージは非常に少くなつておるようでございますが、事実そうでございましようか。ちよつとお聽きします。
#57
○政府委員(石坂善五郎君) お答えいたします。この需要量と申しておりますのは、各炭鉱からの要求は、非常に実は厖大なものが現れておるのでありますが、それはやはり過去のその炭鉱の使い方というものを十分考えまして、各商工局で査定をいたしまして、それを集計したものを需要量というふうに考えております。
 それから需要量自体につきましても相当の安全率を考えて、各商工局で査定いたしておりますので、從來の原單位計算から申しますと、早当上廻つた資材が要求されております。それから割当に関しましても、從來の原單位から申しましても、相当上廻つて、要するに坑内の復旧なり、更に機械化、こういつた点を十分考えて割当をいたしたい、こういうふうに考えております。例えて申しますと、鋼材関係におきましては昭和十四年、十五年、十六年、この三ケ年の平均を考えましても、出炭トン当りの鋼材は一キロ八百グラム程度使つております。これに対しまして昨年度は出炭トン当り三キロの割合で割当をいたしております。本年度におきましては、第四・四半期はまだ決定いたしておりませんが、仮りに第三・四半期の二万二千トンと同数に考えましても、二キロ八百七十グラム程度の割当、こういうふうに相成つております。從いまして相当過去の実績から考えますれば、坑内の復旧程度を相当に見込んだ割当をいたしておる、こういうふうに私たちも考えております。又さよう御了承願いたいと存じます。
#58
○平岡市三君 我々が今お伺いいたし、又自分が調べた調査によりますれば、需要量と入手量の割合は、セメントが約半分で、後は極めてパーセンテージが惡いわけであります。そこで殊に第一・四半期と第二・四半期とを比べて見ますれば、需要量と入手量の割合は私の調査によりますれば、低下いたしたようなことになつているわけであります。殊にこれらの資材というものは、御承知の通り今日非常に電力が低下いたし、その他の今日の経済状態から考えますると、政府が予定いたしておりますところの二十三年度の各資材の割当数量というものは、絶対に入手不可能のように、考えられるわけなんでございますが、その点は如何でございましようか。
#59
○政府委員(石坂善五郎君) お答いたします。先程第一・四半期の入手に対して、第二・四半期の入手は非常に少いじやないか。先般御配付いたしました資材は、第二・四半期の分は、八月末を以て締切つた数字でありますが、從いまして第二・四半期の分は七月と八月分と、この二月しか計算いたしておりませんから、さよう御承知を願いたいと思います。
#60
○平岡市三君 そのことはこの前お伺いして分つておりますのでございますけれども、自分が石炭工業会の方の数字で別に算出して見たのでありますが、実際からいうと、やはり少くなつておるのですが、あなたの方のお調べでは、それが少くなつていないのでございましようか。
#61
○政府委員(石坂善五郎君) 第三・四半期のまだ九月分の報告が実は参つていないのでございまして、僅かに今六十数炭鉱しか参つておりません。この割合につきまして六十数炭鉱が出炭に占める割合から算定いたしまして、今数字の計算をいたしておりますのでございますが、いずれその点は六十炭鉱だけの入手数字並びに、それが全般の割合から考えて、何パーセントになるかという数字を作成いたしまして説明いたしたい、こういうふうに考えます。
 それから來年度の資材がつまり非常に厖大で、現物入手が不安だ、こういうお話でありましたが、先般こちらで石炭廳から皆さん方に御配付いたしたと思いますが、來年の各資材の、石炭廳において予想いたしました生産額というものを御配付いたしております。石炭に必要な資材は、來年度の数字につきましては、大体現在の生産額、物資の総供給力から考えまして、石炭用の所要の資材は十分確保し得る、こういうふうに石炭廳といたしまして考えております。
#62
○平岡市三君 昨日の朝日新聞を拜見いたしますと、銑鉄などは電力不足のために、十月は九月に比して二割も減産をいたしておるような状況でありまして、電化の問題は、昨日商工大臣のお話を伺いましても全然、全然と申上げると言葉が惡いかも知れませんが、当分の間は改善されんような見込でありまして、ますます惡化するのではなかろうかと思うわけなんでありまして、九月と十月と比較して、銑鉄二割の減産をいたしておるというような現状におきましては、皆様が以前割当数量を見積りましたものは、どうも私としては獲得できないように考えられるのでありますが、その状況におきましても、その割当数量というものは獲得できる確信がおありでございましようか。
#63
○政府委員(石坂善五郎君) 來年度の電力関係はどのような程度に参りますか、これは経済安定本部の方で、各物資の全供給量というものを御算定に相成るはずと思いますが、昭和二十二年度、今年度における主要生産資材の生産見込、こういう、この供給量から考えまして、來年度はまあ政府といたしましても大体石炭に必要な分は大丈夫確保し得ると、こういうふうに考えておりますが、総供給力はどれだけに決定されるかということは、これは目下経済安定本部において策定中でありますから、石炭廳といたしましては何とも申し難いと思います。
#64
○平岡市三君 見解の相違でありますが、私は國管し却つて経営費用を多くせしめ、且つ國庫の負担を増加するのみならず、却つて減産を惹起する虞が多大にあるのではないかと危惧いたしておる者であります。その理由を申上げますと、一つの理由でありますが、今日においても政府に提出しなければならん書類は、極めて沢山なものでありまして、ここに書類を持つて來ておりますが、このように、尨大な書類を、各鉱山は提出しなければならんような実情になつております。今後この國営案が通過いたしますれば、勿論疾うに我々が提出しなければならん書類と重複する部分はありましようけれども、結局総体的におきましては、提出する書類も非常に多くなるのじやなかろうかと思うのであります。このことは、我々が戰時中書類の提出攻めに合いまして、本業の生産を阻害せられ、且つそのために莫大の経費が増加いたしたようなことはもう疾うに戰時中試驗済みであります。こういうことを政府当局の方はいかにお考えになりましようか。尚、この企業の経営というものは、最も能率的な形態をとらなければならんことは、これは申すまでもありません。ところが本法案によりますれば、一例を業務計画に取つて見ましても、非常な煩雜な手続をとらなくてはならんことになつております。即ち、石炭局長から地方炭鉱管理委員会に、業務計画案作成上の基礎事項を定めて、これを生産者に提出する。生産者はこの原案を基礎として業務計画案を立てて、これを生産協議会にかける。かけたものを石炭局長に廻すというふうな、その後それがいろいろの手続を経て参つておるようでありますが、大体我々が、國営乃至國家管理と民営とを対比いたしまして、常に非能率であるという譏りを受ける大きな原因は、かような工合になつて、いろいろの会議を開き、多数の認可、許可をとつて歩く。いわゆる繁文縟礼によるものであります。いろいろの人間が集まつて協議をして、種々の決定をすることがいかにも民主化であるかのように考えておられるかも知れませんが、かような煩雜な手続をとつているのでは、到底能率的な経営はできるものではありません。事業の経営というものは、常に時期を失わず適切な施策をとつていてこそ能率が上がる、毎四半期ごとにこういうふうに会議を開いて書類を提出しては、到底我々は能率は上りはしないと考えております。却つてこのことか経費を多くしそうして官吏の方が非常に多数になつて國庫負担が非常に大きくなるのじやなかろうかと思うわけであります。聞くところによりますれば、まだ聽こうと思いまして時間がありませんでお聽きすることができませんでしたが、相当金額が、追加予算として計上せられるかに聞いておりますのでありますが、どのくらい、その追加予算として、この國管案通過の場合の経費を御計上になつておるか、こういうふうな煩雜な手続を経ても、且つ又能率が増進できる御確信がおありになりますかどうか、お聽きいたしたいと思います。
#65
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の御質問は、平岡さんが冐頭に述べられたように、見解の相違かも知れませんと言われましたが、誠に見解の相違であると思います。即ち、計画経済、自由経済というものの根本的な考え方というものが、平岡さんの御質疑になつていると思うのでございますが、併し私の信ずるところによりますれば、この國家管理が施行されましたにおいても、大体從來のあり姿のままを変更することはそう多くないのでございまして、從つて書類の問題においてもその点は特に触れようと思いません。むしろこの法案通過の曉におきまして、現状の把握ができればできるだけそういう書類の提出、その他煩雜な手続というものは解消されるものであると、このように信じている次第であります。尚國管案は、これは四月一日から施行されるのでございまして、從つて只今追加予算におきまして國管案が施行された場合の予算というものは出しておりません。ただ僅かに國管案施行の準備のため若干の予算はありますが、それは極く僅かなものでございます。
#66
○平岡市三君 商工大臣はこの前石炭局長及び炭鉱管理者には炭鉱に練達の民間人を採用せらるると申しておりますし、又修正案の第四十六條の第三項には「各石炭局の局員の定数の過半数に相当する局員は、石炭の生産に関し学識経驗ある者及び石炭の生産に関し学識経驗ある官吏の中から、命ぜられた者でなければならない。」こういうふうに規定いたしておりますし、全國炭鉱管理委員会の委員につきましては修正案第五十三條第二項にそれぞれの規定がありますし、又地方炭鉱委員会の委員につきましては修正案第五十五條にそれぞれの規定があります。同一炭鉱に少くとも二、三年以上從事いたしておらなければその炭鉱の経営に参加する資格がないと言われておる特殊性ある石炭事業におきまして、どうしてかかる適切な、万能な局長、炭鉱管理者及び全國及び地方の炭鉱管理委員を得ることは殆ど不可能ではなかろうかと思うのであります。むしろ國管によらずして、政府が積極的に援助の手を延べまして、特定、鉱山の特殊性に明るい練達の事業家、局員、從業者が自由闊達に却つて働いた方が能率的で、効果的ではないか、こう考えるのでございますが、こういうふうな練達の土が多数政府といたしましては得られる御予定でございましようか、その点も又お伺いいたしたいと思います。
#67
○國務大臣(水谷長三郎君) 誠に平岡さんの申されましたように、結局こういうような規則を作りましても果して練達堪能の士が得られるがどうか、適当な人が得られるかどうかというところにこの法案運用の運命がかかつておると思うのでございますが、又我々といたしましては全力を盡してなにしたいと思います。ただ私見を申上げますならば、石炭局長なら局長、九州の石炭局長なら局長というものが九州の地方の石炭企業の労資双方から納得のできる人をば共同推薦して石炭局長というようなものを決めたいと思つております。更に又石炭局員に関しましてもそれぞれ同じような手続を経まして九州地方なら九州地方の労資関係が納得できる人で石炭局というものをば構成したい、このように考えております。この点に関しまして全力を盡して、野に遺賢なからしめるようにいたしたいと考えております。
#68
○平岡市三君 大臣は本法案は極めて民主的であるという説明をされましたが、私から見ますれば、強力なる官僚統制であると考えるわけであります。例えば本法案に命令という事項が非常に多いわけであります。そこでいろいろ調べて見ますと、これは申上げても非常に繁雜でありますけれども、第五條、第七條、第十二條の第六項、第十七條第一項及び第三項、第十九條、第二十條の第二項、第二十一條、第二十五條、第二十八條、第三十五條、第三十八條、第四十條、第五十條、第五十八條、こういうふうなのは、「命令の定めるところにより」又は「命令で定める」、こういうふうになつております。本法案では明確な姿を見せておりません。且つ法律の中に多くの命令事項を揚げていることは、私から見ますれば繁丈縟礼であり、官僚統制の幣を現わすものと考えておるわけであります。これが大臣は民主化であるという御説明を加えておりますが、私から見ますれば、これは却つて民主化でなくて、事実は強力な官僚統制で、而もこれが我々が戰時中非常に惱まされた官僚統制の幣を又再現するんではないかと、こういう杞憂を持つておるのでございますが、これについて大臣の御答弁を煩わしたいと思います。
#69
○國務大臣(水谷長三郎君) この前よく法律を作りますときに、勅令に譲るとか何とかいうことがありましたが、この「命令に定めるところにより」と書いてありますが、これはどういうものかということは、お手許に差上げました資料によりまして御了解を願いたいと思います。つまり法律を御審議を願うと同時に、その命令の内容を明らかにしたのでございまして、從來のように法律だけは通して貰い、そうして大幅の命令事項を残して置いて、闇から出すというようなことはしておりませんので、この法案によつて「命令の定めるところにより」という内容は、全部お手許に差上げました資料によつて御判断を願いたいと思う次第であります。更に又官僚統制というお言葉を引いて、これに関する私の意見を求められたのでありますが、よくまあ人は官僚統制と申しますが、私はあの戰争時分の官僚統制には大きな二つの特徴があると思います。それは一つは軍部を背景としておつたということと、いま一つは指導者原理によつてその官僚の行政が運営された、この二つがいわゆる官僚の統制の大きな特質であつたと思う。ところがこの度のいわゆる法案というものは、勿論軍部の背景のないということは言うまでもありませんが、いま一つの大きな特徴である指導者原理というものは、全然拂拭されまして、商工大臣は全國炭鉱管理委員会によつて制約を受け、更に又石炭局長は地方炭鉱管理委員会によつて制約を受けまして、その発する命令というものもそれぞれの皆そういう委員会に諮つてやらなくてはならんのでございまして、戰爭時分の官僚統制のように、官僚の指導者原理に基く独裁的な命令事項というものは、この法文には一つもないのでございます。勿論ただこういうようなことをやつて行く場合において、いわゆる責任の所在というものが問題でございますが、或いは責任は複数である方が民主化であるというような考えも一部にはありますが、私の考えは責任の所在は飽くまでも單数でなければならん、而もこの單数の責任の所在が民主的に運営されるところが、本当のいわゆる民主主義である、このように考えまして、それぞれの管理委員会、或いは生産協議会というものを附け加えたのでございますので、その点は十分に一つ御了解を願いたいと思います。
#70
○平岡市三君 勿論本法案におきましては、管理委員会或いは生産協議会がありまして、これによつて民主的であるということは、これは私も納得が行きますが、にも拘わらず今申述べましたような多数の命令事項があるということにおいて、私はこれは官僚統制だ、相当強力な官僚統制であると考えるのでありますが、それは見解の相違でありますから、逐條審議のときに又お伺いしたいと思います。そこで命令の問題が出ましたから、それとかけてちよつと御質問いたすのですが、改正案の第二十條に一監督上必要な命令をし、又は必要な指示をすることができる。一この命令と指示の両者の限界点、或いは相違をいかようにお考えになつておりますか、御質問いたします。
#71
○政府委員(平井富三郎君) 二十條の規定は、指定炭鉱に対しまして石炭局長が業務計画の実施上必要がある場合に命令又は指示をいたすというふうに規定してございますが、命令と指示の違いは、両者の命令又は指示によつて損失が生じました場合におきましては、命令によると指示によるとを問わず補償という問題が生じて参ります。罰則におきまして命令に違反した場合には、刑事上の罰則もつきますが、指示の場合につきましては、いわゆる罰則がないわけであります。即ち指定炭鉱につきましては、業務計画を石炭局長が指示いたしまして、その業務計画に從つて事業主、炭鉱管理者が業務を運営して行く、その間一般炭鉱と違いまして、一般炭鉱に対するよりもより強い、いわゆる普通の言葉で言えば指図といものがございますので、これを一々いわゆる罰則のついた命令を以て運用して参るということも如何かという意味で、指示という制度を設けた次第でございます。
#72
○平岡市三君 私も、命令に対しては罰則規定があるが、指示に対しては罰則規定がない、これはここに重大な相違があるのであろう、こういう意味で序にお伺いいたしたわけであります。又この点につきましては、逐條審議のときにお伺いいたすことといたします。段々時間も過ぎて参りましたから、今一つ二つお伺いして自分の責を塞ぎたいと思いますが、これは逐條審議にも関係がありますけれども、総体的に非常な関係を持つためにお伺いいたすわけでありますが、即ち第一條でありますが、政府では、産業の復興、経済の安定ということをどういうふうにお考えになつておりましようか。而してこの産業復興、経済の安定が我が國において何年くらいにおいてこれが達せられるか、その御想像、御所見を伺いたいと思います。
#73
○國務大臣(水谷長三郎君) 平岡さんの只今の御質問、なかなかむずかしい問題でございまして、果して御納得が行くかどうか知りませんが、大体この法案の狙いで、言つておる産業復興と経済の安定ということは、勿論現在のこの惡性インフレの日本の経済危機をば打開するためには、財政上において、思い切つたデフレ対策を打つことは、言うまでもございませんが、併し又他面産業面においては、思い切つた生産の増強をやつて行かなくてはならんと思います。この法案の狙いは生産の増強です。それをば、石炭の生産力増強を中心にいたしまして、日本の全体の生産の向上を図つて行つて、そうして産業復興と経済の安定というものに資したいと考えておる次第でございます。それでは一体日本の経済は、どのくらいの年数を経れば、産業の復興と経済の安定に至るかということでございますが、我々はこの法案を出すと共に、大体石炭の五ケ年計画というものを作定いたしまして、大体出炭高四千二百万トン、カロリー六千、このくらいの程度に達して、初めて日本の経済は、國内的においても、國際的においても、バランスがとれる問題であると、このように考えております。
#74
○平岡市三君 今大臣の御説明をお伺いいたしますと、産業の復興、経済の安定が、大体五ケ年ぐらいで以てできるんじやなかろうかと、こういうふうなお見透しのようであります。ところが修正案の六十四條を見ますと、この法律の有効期間は三年とすと、こういうふうに書いてあります。「但し、その期間満了の際における経済事情により特に必要があるときには、これを延長することができる。」とこう書いてあります。ところが第一條におきましては、産業の復興と経済の安定に至るまでの緊急措置としてあります。大臣が申します通り、五ヶ年間ぐらいで安定に至るだろうといたしますれば、なぜ六十四條の有効期間を五ケ年間としなかつたのでしようか。その意味を伺いたいと思います。
#75
○國務大臣(水谷長三郎君) 五ケ年掛るところをできるだけ三年でやろうと、馬力をかけるのがこの法案の目的です。
#76
○平岡市三君 それがあなたの駆引であります。法文に現わす場合に、そういうふうな駆引はなさらん方がよいと思います。五ケ年間と確信するならば、五ケ年間とすることがよろしいのでありまして、あなたのお仰しやることは政策の問題でありまして、これは法律であります。五ケ年かかるのであるならば、五ケ年とお書きになるのが一番適切であると思いますが、その点につきましては、これは逐條審議になりますから、その節篤とお伺いすることにいたします。
#77
○國務大臣(水谷長三郎君) その点は、大体五ケ年というのは、これは一應の目安です。いろいろななには、どういうふうな人に聞きましても、五ケ年なら五ケ年、七年なら七年ということを決めるのは、これは確定することはむづかしい。皆一應の目安しか決まらんのであります。故に從つて第六十四條におきましても、一應三年と決めましたが、そのときの経済事情如何によつては、そのときは延長して行く。これは極めて含みのある、彈力性のある規定を作つたのでございまして、そう平岡さんからお叱りを蒙むるような規定ではないと思つております。
#78
○平岡市三君 もう一つだけお伺いいたします。この法案は、緊急措置であります。増産の緊急対策であります。にも拘らず、この施行がこれ又四月一日からになつております。なぜこれを即刻施行するようにお定めにならなかつたか、四月一日まで施行をなぜ御延期になつたか。却つて早い方が御準備、その他、即ち増産に拍車をかけることにおいては、早ければ早い程よいと、こういうふうに考えられるのでございますが、なぜ四月一日にお決めになつたのか、その理由をちよつとお飼いいたします。
#79
○國務大臣(水谷長三郎君) それはあなたの仰しやるように、早い程いいが、こういうような調期的な法律をば、有効適切に運用して行こうというためには、一定の準備期間が、これは必要であろうと思います。大体この法案が、幸にして、國会を通る期間をめどに置きまして、三、四ケ月の猶予期間は、石炭廳の構成その他におきましても、是非必要であると考えて、四月一日を施行の日にしたのでございます。併しながらその四月一日まで、我々は手を拱いて待つているのではないのでありまして、いろいろこれまで御説明申上げました、臨時金融、或いは特別調査團、或いは非常時増産対策要綱等、それぞれ手を打ちまして、さて四月一日になれば、完全に、全面的にこの法案が滑り出すように準備をしているのでございまして、その程度の時間は十分認めて頂かなくてはならないと考えております。
#80
○委員長(稻垣平太郎君) 皆さまに御相談でございますが、大体一般的の質疑は、一應この辺で打ち切りまして、そうして次回からは、逐條の審議に移つたら如何かと思うのであります。勿論一般の質疑を全然打ち切るという意味ではございませんので、只今までの御質疑の間にも、逐條的なことの御意題も出ておるようでありますし、又逐條の場合に、一般的の質問にあと戻りしてもよろしいかと思いますが、順序といたしまして、次回から逐條的の審議に移らして頂いたら如何かと思いますが……。
#81
○大屋晋三君 誠に奇怪なる委員長の御提案を拜しまして、驚く次第であります。御承知の通り、衆議院であれ程杜撰を形を取つて参りまして、國民の大多数の人々が、この参議院が、いわゆるエルダーダラザース、上院の性格を帶びて、而もその参議院の諸君は、やはり職能代表的の素質を備えているのであります。果してこの参議院は、いかなる態度を以てこの法案を審議するかということは、天下あまねく國民諸君の耳目を聳動しておるところであると私は信ずる次第であります。
 衆議院からこの法案が当院に正式に参りましたのは、いつでございますか。去る二十七日でございます。二十七日から今日まで僅かに三日間でございます。成る程予備審査は、これは私どもは、相当の期間これを費しましたが、これは殊更に角を立てて申上げる必要もございませんが、予備審査と本審査では、委員諸君におかれましても、又主管の水谷さんその他政府委員の諸君におかれましても、その意氣込が違うのであります。又この法案の御説明を願う点につきましては、まだ主管の水谷さんに数日を御足労を願つたに過ぎないのであります。私は本委員会に、予備審査におきましても、片山首相、その他関連の米窪大臣に、一回御出席を願つたばかりで、首相には、まだ一回も御出席を願つておりません。且つ又安本長官、栗栖大藏大臣、或いは苫米地運輸大臣その他の方々に対しても。かずかずの関連の質問を持つておるのであります。然るにこの辺で総括的質問をお打ち切りとは何事でございますか。私は委員長に愼重なるお計らいを願いたいと存ずる次第であります。
#82
○委員長(稻垣平太郎君) 只今大屋委員のお話は、非常に私の申上げたことを誤解なすつておいでになるのではないかと存じます。私は一應という言葉を申上げ、又先程申上げましたように一般の御質疑の間にも逐條の御意見も可なり出ておるようでありまするし、又逐條の御意見の間に一般の御質問におかえりを願いましてよろしいのでありまするから、一應この程度で打切りまして、逐條に参りまして、尚改めて引返えして一般の質疑に移つてもよいのではありませんか、その方が逐條を審議した上で、尚一般に戻るということが余計に臣細にこの法案を審議するということに相成りはしないのだろうか、且つ御承知のように会期も僅かしかございませんので、我々勉強してできるだけこの法案を審議いたしたい。かように存じまするので逐條の方に先ず移つて、それから又一般に返つたらどうかと、かように存じまして、一應打切るということを申上げた次第でありまして、全般の審議を打切るということを私は申したわけではないのでありますから、誤解のないようにお願いしたいと思います。
#83
○大屋晋三君 私も左樣に解釈して実は申上げた次第でありますが、主管の水谷さんはお心易い仲でありまするから、逐條審議の場合にもお越し願つて結構なのでありますが、その他の大臣諸君に逐條審議の時にですね、行つたり來たりして貰うのは甚だ氣の毒と存じまして、心易い水谷さんはもう暫くお願いするとしても、又且つその他の大臣諸君も日を決めて、何日に外の大臣がおいでになる、そのときは水谷さんは連日お疲れでしようから成るべくお休みを願うということにして、もう少し私は続けて総括論をやつて、そうして逐條に勿論入つても、逐條に限界されべきものでありませんから、いろいろ議論は諸君の自由にいたすことは勿論でありますが、もう少し総括的な質問を総理大臣、大藏大臣、運輸大臣、安本の和田君、それらの人々に私はしたい氣分が旺隘しておる次第でございます。どうぞさようにお取計らい願いたいと思います。
#84
○帆足計君 私は会期も迫つておりまして、やはり全体の議事の進行につきましては委員長から委員の皆さまに一々お諮り下さいまして、そうして会期と睨み合せてこれを進行させませんければならんと存じます。勿論重要なる法案でありまするから、相当質問もそれぞれおありでございましようけれども、同時に会期の点も考慮して睨み合せ逐條審議の方に移りますことは、私は妥当であろうと存じますが、大屋さんの御意見も御尤もな点があり、我我も共鳴する点もございますので、総理大臣その他をお呼びしたときには一般の質疑をして、これと並行して頂いてそうして商工大臣に対する逐條審議をお始めになつた方がよくはなかろうかと私は思います。從いまして私は委員長の御提案に賛成です。
#85
○小林英三君 今委員長から総括的の質問を一應打切つてはどうかという意見でございますが、私は第一回のこの修正案に対しまする、去る二十六日の第一回の委員会におきましても、委員長に希望しておいた。私の希望を申上げましたことはよく委員長は御承知であります。第一回の委員会は二十六日でありました。これはミスプリントの件で殆んど審議いたしておりません。それから第二回は二十七日でありまして、僅かに二時間、第三回は昨日でありましてこれも約二時間ばかりであります。本日は二時半から只今まで一時間半であります。通計いたしますと僅かに時間におきましては七時間近所しかいたしておらんと私信じております。このくらいの程度でこの重要法案の而も衆議院においては未審査といつてもいいような状態にあつたのであります。これを只今から総括的質問を打切るお考えのあることは、私が最初委員長に希望いたしました趣旨には全然反すると考えております。もう少し総括的の質問があると思います。
#86
○委員長(稻垣平太郎君) いろいろ御意見がありましたようでありますが、私はこれを先程言いましたが打切つてしまうという意味ではないのでありまして、先程大屋委員の御意見がありましたように、総理大臣なり或いは安本長官なり、運輸大臣でございましたか、労働大臣は一度見えたように存じております。そういう方々の御意見を聽くことも亦そういう大臣に御質問のある方々は御質問して頂くことも非常に結構だと思うのですが、会期の関係もありますし、逐條の審議もやる。同時にそういう大臣方にお見えを願えるように連絡をいたしまして、御都合がつきました場合は、一般質問をやる。並行的に一般質問、逐條審議というのをやらして頂いたら如何かと思うのですが、如何でございましよう。
#87
○濱田寅藏君 先程の委員長の御説に賛成いたします。委員会の初めにおきましても、小林さんなり中川さんから参議院は非常に愼重にこの法案を審議しなければならないということを繰返し申されたのであります。誠に御尤もであります。大屋さんの只今言われた大藏大臣、それから安本長官その他に対する御質問も勿論これは必要だと思いまするので、委員長が言われましたように、毎日連絡して頂いて、どなたかに必ず総理大臣、或いは大藏大臣、或いは安本長官に出て頂きまして、委員会の開会劈頭においては一般質問を、総括的質問を行い、それが済めば直ぐ引続いて逐條審議を行う、かように並行して行くことが、國民がこの参議院の本法案の審議するをば眥を決して見ております際でありまするから、我々は短かい期間を有効に使つて、而して参議院の勉強振りを大いに國民諸君にも認めて頂きたい、かように考えておるのであります。どうか一つ皆さん委員長の御説に御賛成を願いたいと思うのであります。
#88
○委員長(稻垣平太郎君) 如何でございましよう。大屋さんにお尋ねいたしますが、総理大臣、大藏大臣御一緒というのもなかなか皆さん御一緒に來て頂くということもできないと思うのですが、個々でもよろしうございますか。それとも同時に大藏大臣、首相、或いは運輸大臣というように御一緒であれば……。

#89
○大屋晋三君 それは第二の問題でありまして、私は兎に角水谷さんが言われておられる通り、この炭鉱法案は組織法でありまして、これのつまり意図する所は石炭の増産ということにあることは勿論であります。然るに委員諸君においてしばしばいろいろなことが論議されましたが、実は私自身も一回石炭の生産の面の一部分に対して御質問しただけで、先輩諸君に、同僚諸君にチヤンスをお與えして、まだ本式の質問はまだ一回もやつておりません。そして現在の石炭業に対する本質の分析という点に対してまだ甚だ不十分なのであります。その意味におきまして勿論私もかような発言をいたしましても会期の短かいことは十二分に承知をいたしておりまして、荀も眞摯なる参議院議員といたしまして、会議を時間を稼ごうなどという卑屈な考えは毛頭ないのであります。然るに私の意図する所は逐條審議はむしろ相当の勢いで……、私は本質論の分析議論が十分に練れておりますならば、相当にスピーディにものが運ぶと思つている見解に立ちまして、もう少し総括論を主体といたしまして適当のときに逐條に入り、且つ逐條と総括論を併用してやるという方式を採用願いたいと飽くまでさように考える次第であります。
#90
○宿谷榮一君 大屋委員の仰しやる通り、この案がここに辿り落くまでには衆議院の方においても生みの惱みと言いますか、非常に陣痛で委過的手術によつて殆どここに辿り着いたというような感じがして、それが完全兒であるか不完全兒であるかという全体問題について今調査をやつておるのであります。そこで委員長のお氣持も我々十分了承できるのであります。一應そういう形をつけますと、全体問題に対する質疑も差支えるようなことも出るという意味でこの逐條審議にどれくらいの時間を要するか、一般問題についてもどうれくらい時間を要するかということをここで一つ御相談の上大体お決めになつたらよかろうかと思うのですが、仕上げはいつまでにしたらいいかということです。帰結を先にお決め願つてその範囲でお互いできるだけ、時には徹夜してもこれはやらなければならん問題であろうと思います。事の成果は可決しますか、修正するか、どういう恰好になるか、まだ皆さんが全体問題についてお尋ねしておる最中でありますから、もう一両日ぐらいはこの状態においても間に合うのではないかという私は感じを実は抱いておるのですが、その分量の点を科学的に一つ御相談をいたして貰いたいと思いますのですが……。
#91
○委員長(稻垣平太郎君) 只今の宿谷委員の御提言御尤もだと存ずるのでありますが、それでは今後の日程につきましては理事の諸君と御相談いたしまして、大体の日程を御協議の上取決めるということにいたしましてよろしうございましようか。
#92
○委員長(稻垣平太郎君) それぢやそういうことに取計らわして頂きまして、月曜日は午前十時から開きたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     稻垣平太郎君
   理事
           下條 恭兵君
           小林 英三君
           川上 嘉市君
   委員
           大畠農夫雄君
           カニエ邦彦君
           濱田 寅藏君
           村尾 重雄君
           荒井 八郎君
           大屋 晋三君
           寺尾  豊君
           平岡 市三君
           堀  末治君
           入交 太藏君
           岩木 哲夫君
           林屋亀次郎君
          深川榮左ェ門君
           佐伯卯四郎君
           宿谷 榮一君
           玉置吉之丞君
           帆足  計君
           細川 嘉六君
  國務大臣
   商 工 大 臣 水谷長三郎君
  政府委員
   商工事務官
   (石炭廰資材局
   長)      石坂善五郎君
   商工事務官
   (石炭廰管理局
   長)      平井富三郎君
ソース: 国立国会図書館
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