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1947/12/06 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第28号
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1947/12/06 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第28号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第28号
  付託事件
○石炭生産確保に関する陳情(第二十
 一号)
○自轉車の價格改訂に関する陳情(第
 三十四号)
○石炭増産運動に関する陳情(第四十
 四号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 百七号)
○炭鉱國家管理に関する陳情(第百四
 十四号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 百八十三号)
○石炭政策審議会設置に関する陳情
 (第百九十五号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 二百四十九号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 二百五十六号)
○臨時石炭鉱業管理法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○亞炭増産に関する請願(第二百七十
 一号)
○配炭公團を即時廃止することに関す
 る請願(第二百八十四号)
○石炭生産損失補償金支拂促進に関す
 る陳情(第三百七十九号)
○配炭公團法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○亞炭増産に関する陳情(第四百六
 号)
○釜石製鉄所銑鋼一貫作業再開促進に
 関する請願(第三百七十九号)
○生産合作社法制定に関する陳情(第
 四百四十七号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 四百八十号)
○東北地方銑鋼業振興に関する請願
 (第四百二十四号)
○炭鉱國家管理反対に関する陳情(第
 五百六十四号)
○炭鉱民主化に関する陳情(第五百七
 十九号)
○製塩用燃料割当に関する請願(第五
 百五十二号)
○野鍛冶業用燃料増配に関する請願
 (第五百六十一号)
○釜石製鉄所銑鋼一貫作業再開促進に
 関する請願(第五百七十三号)
○北海道における家庭越冬用燃料の價
 格に関する陳情(第六百三号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十二月六日(土曜日)
   午前十時五十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○臨時石炭鉱業管理法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(稻垣平太郎君) それではこれより委員会を開会いたします。逐條審議に入りまする前に、かねて板谷運輸交通委員長より御希望がありました運輸大臣が御出席になりましたので、その御通告によりその質疑を許します。
#3
○委員外議員(板谷順助君) 私は運輸交通委員長の立場におきまして、石炭の増産に不可分の関係のありまする輸送問題について運輸大臣にお伺いいたしたいと思います。
 運輸大臣は今囘新たに御就任になりましたので、運輸行政に対する抱負経綸はいずれ又お伺いする機会があると存じまするが、先ず大体論として承つておきたいことは、我が國は御承知の通り細長い島國である、でありまするから將來の運輸交通に対しましては、縱貫鉄道、即ち長距離は乘客本位で、貨物は成るべく海運による、横断鉄道も勿論貨物も乘客も鉄道によらなければなりませんが、御承知の通り戰前に我が國の船舶は約六百万トンありまして、戰時中に約三百万トンの新造船ができて、九百万トンの殆んど大部分は喪失をしたのであります。現在約百二三十万ト残ンつておりまするが、その中実際に運航し得るものが漸く八、九十万トン、併しながら貿易が再開をされましたとしても、航路に制限がありまして、現在の海運の状態から申しまするならば、只今私が申上げましたる方針に基いて、海運の運送ということとについても困難である、ところで將來今申上げましたる通り、できるだけいわゆる大量の貨物は海運による、これには港湾を多く作り、港湾を利用して貨車囘轉率を多くするというような方針によつて進んで行くべきものである、こう考えるのでありますが、この点について運輸大臣の御意見を承りたいと思います。
#4
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今板谷さんの御意見私は極めて同感でございます。どうしても將來運輸の方に俟たなければならん、從いまして陸運の海運への轉移につきましては、現に極力その推移のために努力いたしております。全く仰せの通りでありまして、そういう方向に向つて進まなければならんとかように存じておる次第であります。
#5
○委員外議員(板谷順助君) そこで私は当面の問題といたしまして、北海道の状態について伺いたいのでありまするが、御承知の通り石炭三千万トンを出すといたしまして、北海道の割当は約九百万トン、最近においては月に八十万トン出る、相当の成績を收めておるという政府当局のお話でありまするが、現在の北海道におけるところの貨車の状況は、月に約百八十万トンから二百万トンくらい要請がある。ところが実際運行しておるのは約百二十万トン、ところで最近の状況を見ますと、ますます輸送力というものは低下しておる。從業員の方面におきましても、北海道の奥地あたりは山猫爭議というか、或いは買出しというようないろいろな理由の下に、非常に從業員の働きというものが低下しておる。青森におきましても、御承知の通り最近において、貨物列車約六列車もこれを休止をして、それがために或は石炭、木材、リンゴその他のものが二十万トンも停滯しておるというような現在の情勢であります。そこで現在北海道におきましては木材のごときは約千万石も滯貨しておる。その外食料品のごときも相当に滯貨しておる。ところで石炭が優先的に、御承知の通り約半分は石炭を輸送せねばならんというが、現在北海道における機関車、貨車の状態を調べて見ますと、手持ちが、機関車が約七百輛ある、その中実際働いておるのが約五百輛、又貨車が約九千輛あるけれども、この中実際において動いておるのが六千輛あるのであります。この点につきましては、本委員であられる中川君が先般北海道に参りまして、如何にも輸送状況が不円滑である、このままでは如何に石炭を増産しても、到底その目的を達することはできないというようなことで、その当時警告をしておられるというような状況でありまして、この数字から見ても、現在三千万トン出すとしても、この輸送力というものが伴つておらない、それを一体どう打開するお考えであるか、その点を伺いたい。
#6
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の板谷さんの御質問の点にお答え申上げたいと思います。大体年間一億一千六百万トンの輸送計画を立てまして、極力その実現のために努力をいたしておるのでございますが、これには大体石炭が七百七十万トン、鉄が十二万トン、その供給を受けるものとして計画を進めつつあるのでございますが、現状では石炭が七百万トン切れるのじやないか、鉄も五万トン程度しか手に入らんという現状でございまして、これでは大切な北海道炭の輸送並びに木材等の輸送に相当影響いたしますので、先般來相当これは交渉いたしておるのでございます。幸いに最近やや好轉いたして参りまして、その方面の方はだんだん私どもの願う方向に向つておりますので、漸次輸送力を囘復することになると存じております。北海道におけるところの大体の輸送の要請としては百八十万トン乃至二百万トンでございまして、残念ながらこの実績は百三十万トン、これではどうしても相済まんというので、各方面の力を綜合いたしまして、殊に又関係の各省とも連絡を取りまして、一貫して輸送力の増大に努力しておる次第であります。かような現状で、十一月はどうも予定の九五%しか送ることができなかつた。十二月に入りまして何とかこれを取戻したいと考えておりますところへ、たまたま北海道において石炭の増産が、これは誠に嬉しい悲鳴でございますけれども石炭の増産がどうも意外に出たものでございますから、これに追われて必要な滯貨の輸送等が非常に遅れておる、こういう現状でございますが、何とかして滯貨をなくいたしまして、少くとも予定の輸送を実現いたしたい、こういうことで只今計画を進め、いろいろ関係方面とも折衝いたし連絡を取りまして、努力中でございます。さように御了承願いたいと思います。
#7
○委員外議員(板谷順助君) 政府当局は石炭が出る出ると仰しやるが、十二月二日の現在におきまして、山元においては九万三千三百六十四トン、港頭において九万三千二百五十九トンより出ていない。それがために、私も先般北海道に参りましてよく調べて來たのでありますが、先ず第一に海運と鉄道、山元の連絡が何もついていやしない。今あなたが各方面との連絡を取るようなお話があつたようでありますが現に小樽のごときは、一日に二千数百トンより出ていない。そこへ持つて行つて、中央におけるところの配船計画と物動計画が一致しておらんがために、四万トン以上の船が滯船して、それがために滯船料何百万円というものを毎月支拂つて、國家に大なる損害をかけておるような現状であります。でありますから、あなたは御就任早々でありますけれども、先ず最初に今申上げまする通り、中央の配船計画と物動計画、或いは又地元におけるところの海運と鉄道と山元との連絡、これを將來密接な関係をお取りにならん限りは決して円滑なる運行はできないことと考えるのでありますが、今抽象的の、努力するとか、將來はこういうところに持つて行くとかいうことでなく、今当面に差迫つておる問題であります。この点に対しまして、あなたは新らしいから、なんですけれども、鉄道総局長官もおいでになつておることでありますから、政府委員の御答弁を願います。
#8
○政府委員(伊能繁次郎君) 只今板谷さんのお尋ねでございましたが、本月初におきましては御承知のように、本月の鉄道にかかります石炭の輸送計画は必ずしもそう大きなものではございませんでした。然るに最近の実績は北海道の出炭が非常に強くなりまして、三万トンを超す日もあるような状態で私どもこれに対して北海道の地方商工局、札幌鉄道局、小樽海運局等と緊密な連絡をいたしまして、只今御指摘のありました月末における船舶の滯船等も逐次整理がつきまして、目下石炭に関しましては著々出炭に対する輸送の手配が取られつつあるような状態でございます。只今大臣からも御説明申上げましたように、何分にも我々予想以上の出炭が最近において行われておりますために、北海道におきまして今月のごときも百八十万トン近い輸送計画を持つております。十月のごときは百七十三万トン程度の輸送計画に対しまして、百六十万トン近くまで輸送が進展するように相成りまして、從つて本月につきましても、輸送計画と実績とをできるだけ合せるために、あらゆる努力を拂つております。最前労働問題その他に関しましてもいろいろと御指摘がございましたが、北海道の北見地区或いは釧路地区等におきまして、一部労働事情による澁滯がちよつと見られましたが、現状におきましては、それらの問題も特に輸送に重大な影響を及ぼすということには全然相成つておりませんので、機関車運用並びに貨車運用効率の向上、特に北海道に対しましては夜間列車の運行による機関車の捻出という問題を強力に推進いたしましてから、北海道の輸送は可なり改善されつつありますので、今後も御鞭撻によりましてでき得る限り御期待に副いたい、かように存じておる次第であります。
#9
○委員外議員(板谷順助君) どうも抽象的のお話では満足できませんが、当面の差迫つた問題であります。今現在の三千万トンを目標としても、輸送がこれに伴わなかつたならば、何ら効果はありはしない。そこで私は更に伺いたいのは、二十三年度には三千三百万トン増産をするという見込みだ、二十四年度は三千六百万トンということでありまするが、現在三千万トンでも輸送力が足りていやせん、三百万トン増加した場合には大体商工省と運輸省の間にどういうようなつまり計画が立つておりますか、その点をお伺いいたしたい。
#10
○政府委員(伊能繁次郎君) 板谷さんから石炭三千万トンの輸送ができないというお尋ねでございますが、これは私どもさようには毛頭考えておりません。最前大臣から一億一千万トンの輸送計画を本年度持つておるということを申上げました次第で、その内容につきましては御承知のごとく、物資需給計画によりまして詳細に内容が規定をされておりまするが、少くとも石炭につきましては御承知のごとく、國の政策としても輸送上フアースト・ブライオリテーがつけられておる以上、私どもは政府部内におきましていろいろ協議の結果、万一輸送に支障を生ずる際には、他の物資を切りましても、少くとも石炭に関しては三千万トンが送れないというようなことは万ないように措置いたしておる次第でございまして又明年度の三千三百万トンというような計画の問題につきましては、目下來年度の予算といたしまして、機関車の大型化の問題、又貨車の大型化、特に北海道の石炭車は御承知のごとく三十トン貨車でございますが、これを四十トン程度、アメリカと同じ形の四十トン程度の貨車の設計にしよう、これを差当り千六百輛程度造ろうというような計画で、石炭輸送につきましてはあらゆる角度において私ども輸送上方遺憾なきような措置を講じてはおるつもりであります。
#11
○委員外議員(板谷順助君) あなたは三千万トンは必ず確保するというお話であるけれども、それは長い時日かかつたら運ぶことはできるでありましよう。けれども國有鉄道の現状は、これは実相報告にも明らかに示してあるのでありまするが、この輸送が極度に詰つておる。會つては貨物輸送の最高が一日三十五万キロであつたのが、現在はやつと二十万キロ、從つて重要物資については要求の三分の二、一般物資については要求の僅か三分の一程度しか運んでおらない。これが現状なんであります。駅頭の滯貨は現在二百万トンから超えておりますよ。若しその背後における計算をして見ますというと数百万トンも現在滯貨がある。これでは折角増産しても輸送が間に合わなかつたならば何もなりはしない。大体、國有鉄道の行詰りの原因はどこにあるかといえば、これは申上げるまでもなく先ず第一に燃料の不足、或いは車輛の不足、又從業員が満足に働いておらない。作業能率の低下、いろいろ原因があるのでありましようが、來年度に対してこれらの打開をして石炭三千万トン、加うるに更に三百万トン増送を完遂する確信が一体おありになるのかどうか。御承知の通り本年度の輸送の総計は一億一千六百万トン見込んでおりますが、一体これに対するところの確信があおりになるのかどうか。ただ將來できるだけ努力するというのでは折角石炭を増産いたしましても、輸送がこれに伴わなかつたならば何も効果はありはしないのであります。確信ありや否や、これを伺いたい。
#12
○政府委員(伊能繁次郎君) 只今私から申上げましたように、國有鉄道が今年度一億一千六百万トンの輸送計画をいたしております。九月の初旬におきます水害によりまして、やや輸送の澁滯を來たしまして、又輸送全般の情勢といたしましては、先般輸送白書において公けにいたしましたように、國有鉄道が他の産業機関に比して特に健全であるとは私共申上げておりません。御指摘の如く極めて困難な事情にあるということは白書に明らかにいたしました通りであります。併しながら困難な現状におきまして私共はあらゆる障碍を、現下の日本の國情に照らして排除し得る限りのものを排除する。最前大臣が御説明申上げましたように、一億一千六百万トンの輸送の前提といたしましては、石炭は七百七十万トンが供給せられ、鋼材は十二万トンが確保せられるという條件の下に、私共は輸送をお引受いたしておるのでございます。併しながら石炭の現状は、私共に年間七百七十万トンの配当をいたし得る程余裕がない。僅かに七百万トン以下の配当しか鉄道には與えられないだろうと私共思つております。從いまして、旅客輸送の面におきましても貨物輸送の面におきましても、いろいろと御迷惑はかけております。又御指摘のような車輛の問題、線路の補修の問題等につきましても、最小限度十二万トンの鋼材が所要せられるものが、僅か五万トン程度しか入手できない今日におきましては、線路の補修も車輛の補修も私共が期待しました如く急速には改善せられない。かような状況ではございますが、私共一億一千六百万トンの輸送についてはあらゆる努力を拂い又効率の向上を図りまして、これが目標達成に邁進をいたしております。最近までの結果といたしましては、九六・七%の実績を持つておりまするので、必ずしもそれ程惡い成績であろうとは考えておらないのでございます。ただ御指摘の如く背後の滯貨、背後の貨物が極めて多いということは、これは事実でございます。從いましてこれらの問題につきましては今後如何に輸送力を整備するかという問題が十分檢討されなければならないと私共は考えております。当初の一億一千六百万トンを運びながらも、而も更に背後に滯貨がある。現に最前板谷さん御指摘になりましたが、当面駅頭滯貨が二百万トンを超えているというお話でございましたが、現在では三百万トン近くに相成つております。又背後の滯貨は木材等につきましては相当大きなものがあるだろうと存じますが、当面の本年度の物資の需給計画といたしまして、陸運においては一億一千六百万トンだという計画でございますので、それを達成すべくあらゆる努力を傾けております。殊に石炭に対しましては第一順位としてあらゆるものに先きがけて運んでおりますので、現在では石炭が鉄道輸送に支障を受けて運べなかつたというようなことにつきましては、私共そういうことの万ないように運んでいるつもりでございます。現に北海道が最近非常な増産状勢にありまするに対しましても、あらゆる努力を傾けまして港頭へ石炭を迅速に運ぶという方向に努力いたしております。
 又來年度の三千三百万トンに対して自信があるかというお尋ねがありましたが、本年度の一億一千六百万トンに対して來年度は果してどれだけの輸送をしなければならんかということにつきましても、政府部内においてまだ明確な決定をいたしてはおりません。併しながら少くとも石炭に関しまする限りは、三千万トンが一割増しになつて三千三百万トンになろうとも、私共はあらゆる努力を拂いまして、これを送り得ると、かように考えている次第であります。
#13
○委員外議員(板谷順助君) 成るべく簡單にやりますが、今お話のように明年度三百万トン殖えた場合においては現在計画はないが、できるだけやるつもりであるというお話でありますけれども、現在の状態が重要物資に対する輸送が恐らくは三分の二でありましよう。或いはその他の一般物資については約三分の一、要求の三分の一しか車が廻らない。であるから、石炭を優先的にやるとすれば、他の物資を犠牲にせねばならん。その犠牲にする重要物資については、申上げるまでもなく、木材或いは鋼材、又坑木の如く、石炭の増産に重大な関係のあるところの物資を犠牲にせねばならん。こういう結果になる。でありますからして、この國有鉄道の輸送力を増強するということにつきましては、先程來申上げまするように、機関車や貨車の修繕、新造、この計画をお立てになつているのでありますか。これが伴わざる限り御承知の通り現在の運行しているところの貨車にしても機関車にしても殆んど老朽で役に立たないのが段々多くなる。であるからこれだけの計画が伴わざる限りは、石炭三千三百万トンの増産計画を立てましても、実施して行けない。その点を伺いたい。
#14
○國務大臣(北村徳太郎君) 段々板谷さんから剴切なお話を拜聽したのでございますが、貨車の輸送力増強のためには、先程事務当局から申上げましたように、只今四十トン貨車を作る計画をいたしまして、これは関係方面からも大変お奬めを受けておるのでありますが、來年度の予算の関係があることでございますが、そういう計画を立てまして、石炭が三千三百万トンになりましても、これは必ず輸送するというような確信を以て計画を進めております。さよう御了承を願います。
#15
○委員外議員(板谷順助君) 要するに現在の輸送力を打開することにつきましては、或いは海運関係、鉄道関係、労務関係、これらの人々を集めて一大委員会を組織して、そうしてその委員会において十分に檢討する必要があるように私は考えるのでありますが、大臣の御意見は如何でありますか。
#16
○國務大臣(北村徳太郎君) 実は鉄道に関しましては鉄道の輸送協議会というものがございますし、それから海運についても又同様なものがあるのでありますが、お話の如く綜合的にこれを処理しなければならんということは勿論でございます。殊に労働者の労働の現在の状勢等も非常に考えなければならん点もございますので、これは綜合的に効果を挙げる意味において、只今お話の点は十分考慮をいたしまして、実現するようにいたしたいと存じております。
#17
○委員外議員(板谷順助君) 私は先程も申上げました通り、まず第一に官廳の方面が一向連絡がついておらんように感ずるのであります。でありますから、とにかく石炭の増産というものに伴つてこの輸送計画というものが立たなければ、いかに國管案が通過をされましても、いわゆる生産増強の方面に廻すということ現在の輸送力ではできやしないのでありますから、この点につきましては当局の間に十分連絡をとつて、そうして三百万トン明年は増産をするという考えであるならば輸送計画をまず立てて、そうして両々相俟たざる限りは、何らこれに対する効果がないということを申上げます。
 私はまだいろいろお尋ねしたいこともありますけれども、他の委員諸君の妨げになると思いますから、この程度で中止いたします。
#18
○委員外議員(一松政二君) 関連質問をお願いいたします。
#19
○委員長(稻垣平太郎君) 板谷委員長の通告による御質問はこの程度で打切りまして、先程に続きまして第二班長の御報告を得ることにいたしたいと思います。ちよつと速記を止めて……。
   午前十一時二十五分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時四十一分速記開始
#20
○委員長(稻垣平太郎君) それでは速記を始めて。労働大臣の御出席を得ましたので、どうぞ労働大臣に対する御質問をお願いいたします。
#21
○堀末治君 折角お忙しいところを労働大臣御出席下さいましたものでありまするし、又できるだけ審議を急がなければならない。かようなことでございますから、成るべく簡單に御質問申上げます。この私共の國管案の審理が大分進みまして、今丁度四節にかかつておるのであります。昨日大分各委員から生産協議会の問題で論ぜられたのであります。水谷商工大臣の御意見は十分に拜聽いたしました。併し水谷商工大臣の御意見の中にも、どうもちよつと矛盾があるようなふうにも感じたのでありまするが、段々各委員からの質問に答えて、昨日は田村委員のお言葉に再三はつきりとしたこの生産協議会の性格について御説明がございましたが、事苟くも労働問題に関係することでございまするので、この機会に是非ともこの点について労働大臣の明快な御答弁を承つて置くということは、本案の最後の私共の意見を取纏めるに非常に必要なことだ。実はかように存ずるのであります。これはひとり私ばかりでなく、恐らく他の各委員におかれましても、私と同樣にお考えになつておられることだろう。実はかように存ずるのでございまするが、労働大臣はこの國管案に盛られておりまする第二十六條「指定炭鉱ごとに生産協議会を置く。」こういうことになつておりますが、この生産協議会というものの性格をどういうふうにお考えになつておりまするか、この点について大臣のお考えを承りたいのであります。
#22
○國務大臣(米窪滿亮君) 生産協議会の性格についてのお尋ねでございまするが、この生産協議会は單なる労資の間の問題を決定する機関ばかりでなく炭鉱を経営することについても、この協議会で審議するのでございまするが、然らばその性格がどういうものであるかというと、大体において諮問機関と決定機関の間の程度、こういう工合に考えておるのであります。即ち生産協議会で決定してそれで最後であるという意味になる場合と、ならない場合がございまして、さればといつて單なる諮問の機関であるかというと、そうでもなくて、相当の決定権がある。こういう工合に解釈しておる次第であります。そういう問題によつて、場合場合によつて、その点がはつきり定められてよろしい。こういうふうに考えております。
#23
○堀末治君 それでは重ねて御尋ね申上げますが、この経営協議会とはどういう関連に相成りましようか。
#24
○國務大臣(米窪滿亮君) 経営協議会は御承知の通り労資の間の労働問題に関する團体協約を決める機関でございまして、從つてこの生産協議会でそういう問題は、問題になつた場合において、一應は生産協議会にかけることになるのでございまするが、生産協議会で議が纏まらない場合、こういう場合は、当然それは経営協議会によつて最後の決定をすべきである。こういう工合に考えております。
#25
○堀末治君 それでは重ねてお尋ね申上げますが、今大臣は、経営協議会は経営協議会によつて團体協約を作るのだと、こういうように御説明になつたのでありますが、私はそうでなくして團体協約によつて経営協議会は生れるもののように心得ておりますが、違いませんのでございましようか。
#26
○國務大臣(米窪滿亮君) これはまあ鶏と玉子のような関係でありまして、團体協約はそれではどこで拵えるかといえば、勿論これは経営協議会で作るのでございますが、さらばといつて、そのできた團体協約の変更であるとか或いはこういつた問題については、当然その團体協約が経営協議会を拘束するものである。こういう工合に考えます。
#27
○堀末治君 私はあまり労働問題は詳しいことは存じませんので、実はこの生産協議会と経営協議会との関係がどうも分らないので、この間今の労働委員長をしておる原君にこの点について尋ねたのであります。経営協議会なるものはどうして生れるかと尋ねたら、それは團体協約によつて生れる。然らば経営協議会の運営は何によつて決めるか。團体協約を憲法として経営協議会の運用をする。こういうことで、実は原君に教えて貰つたのですが、労働委員長の原君のお言葉とあなたのお言葉と少し喰い違いがございますが、いかがでございましようか。
#28
○國務大臣(米窪滿亮君) 團体協約というものは、天下りに決められるものでなくして、労資の間の経営協議会で以てその團体協約を決める。この点は一点の疑いもない次第であります。
#29
○堀末治君 どうも原君の私に教えてくれたのと少し違うように思うのでございますが、それはその辺といたしまして、それでは更にお尋ねいたしますが、大臣は常に労資の関係のことについては何事も自主的にやらなければならない。又労働組合法にも自主的にという言葉を特に強く決めてあるのでありまするが、この生産協議会ということになりまするというと、これに一種の政府の力が入つてくる。今大臣は、生産協議会において議の合わないときは、経営協議会に移して相談する。こういうことでございまするけれども、そうでなく、この法律の中には、生産協議会で議を経ることのできなんだものは、よくその当時の状況を細々と書き列ねて石炭局長に出す。石炭局長はそれらの條項を管理委員会に諮つてこれを裁定する。こういうようなことになつておるのでございますが、今あなたの御答弁とは全然反対のように思いますが、いかがでございましようか。
#30
○國務大臣(米窪滿亮君) 私はそういう細々した過程を申上げなかつたのですが、順序は堀委員の仰つしやつた通りだと思います。即ち石炭局長に裁定を求めるということになるのでございますが、石炭局長の裁定が得られない場合においては、当然経営協議会に移るのでございます。結局は私が先程申上げた通り、主として労働問題ですが生産協議会で議が纏まらないということは、いわゆる生産協議会を主宰しておるところの石炭局長の裁定を求められないときは、当然これは経営協議会に移すべきだ。こういう工合に申上げた次第であります。
#31
○堀末治君 そうすると生産協議会で協議の纏まらないもの、それから大臣の裁定を経たるものを、改めて経営協議会にかけて決める。こういうあなたの御解釈でございますか。
#32
○國務大臣(米窪滿亮君) 労働問題に関する限りは、労調法の解釈、或いは労働組合法の解釈によつて、そうしてこれは労働組合法に基いて決められた経営協議会において、最後の決を採るというのが私の解釈であります。
#33
○堀末治君 それでは恐れ入りますが平井局長、あなたのこの間からのこれに対する説明と、いわゆる苟くも労働を所管しておる、労働大臣の御説明とどうも喰い違いがあるように思いますが、如何でございましようか。
#34
○政府委員(平井富三郎君) 只今労働大臣が御説明申上げましたことと、昨日私が申上げましたこととは、一つも喰い違いがございません。労働大臣が経営協議会で最後の決を採るのだということは、生産協議会において議が経られなかつた場合のことを指すわけであります。議の経られなかつた場合に生産協議会の全員の一致で石炭局長の裁定を求むることについて、同意がありました場合には、石炭局長の裁定を求める。それで裁定があれば決まるわけであります。併し労資双方の委員が全員一致で裁定を求めることに同意したのでありますから、いわゆる労資双方の合意によつてやつたことになるわけであります。併し全員が裁定を求むることについて同意しなかつたという場合におきましては、この法律のその條項の末項に、その取扱は労働関係調整法の定むるところによるとしてありまして、いわゆる労資の間の交渉になるわけであります。その労資の間の交渉を、只今労働大臣が経営協議会においてこれを協議するというふうに申上げましたような次第であります。
#35
○堀末治君 併し今まで局長は一遍も生産協議会の議を経ることのできないものを、再び経営協議会に移して、そうして労資の経営協議会の議の纏まつた上で石炭局長の裁定を経る、こういうことに対して、一つも承わつておらないと思いますが、如何でございましようか。
#36
○政府委員(平井富三郎君) 石炭局長の裁定を求めます場合において、全員の一致で同意が必要であるということは、申上げた次第であります。全員の一致が得られません場合は、その労働條件については、石炭局長の裁定というのはないわけで、裁定を求めることのできないという場合については、その條項の末項に書いてございますが、その点について御質問がございませんでしたので、申上げなかつた程度のものでございます。
#37
○堀末治君 質問がないというので……、私は経営協議会との関係も、何遍もお尋ねしたと思うのでありますが、経営協議会との関係は、商工大臣がどう答えたかと申しますと、これは経営協議会を立法化したのだ、この点について昨日玉置委員がお尋ねしたときにはつきりそう商工大臣が申したのであります。どうもその言葉にまだはつきりせないところがあつて、昨日大分夜遅くでありましたが、田村委員がそれを再び蒸し返して尋ねました。初め大臣は頗るそれに対して曖昧な御答弁をしておつたので、どうも奇怪なことだと耳を欹てて聞いておつたのであります。然るところ、繰り返し繰り返し田村委員がお尋ねいたしましたところが、そのお答えには、要するにこれは経営協議会を立法化したのだ、こういうふうにはつきりおつしやつておりましたがこの辺如何でございますか。
#38
○政府委員(平井富三郎君) 経営協議会につきましては、いわゆるこの生産協議会の制度というものが設けられました場合には、経営協議会は消滅するというようなことは、商工大臣は言つていないのであります。一應並列はいたしますが、生産協議会において、労働條件も議するわけでありますので、生産協議会において、その労働條件について意思の合致があつたという場合には、経営協議会というものは、働かずにそのままの形で活動しない、いわゆる休業しておるというような形になるわけでありますが、生産協議会において、議の纏まりません場合、而も尚且つ石炭局長の裁定を求めることに生産協議会の議が纏まらないという場合におきましては、労資の間の更に折衝になるわけであります。経営協議会を法制化するという意味は、只今申上げましたように、生産協議会において労働條件その他について協議をいたすわけでありますので、そういう経営協議会が行なつております実体というものを、生産協議会の間に盛り込んで來たわけでありまして、そういう意味におきましては、経営協議会を法制化したと言いましても、一向差支ないものと考えられる資第であります。経営協議会において協議をするということは、言葉を換えますれば、労資間の話合いで事を片附けて行くという意味と同じようなことでありまして、そういうふうに御承解を願いたいと思います。
#39
○堀末治君 それでは大臣にもう一遍お尋ねいたしますが、いわゆる労資間の問題は、自主的にやらなければならない。労働組合法でもはつきり自主的という言葉を謳つておりますし、又大臣も度々それはあらゆる機会に仰せられておるのでございますが、つまり経営協議会を立法化するということによつて、政府の自主的にやるというた方針に、政府が多少とも干渉して來るというような結果を生みませんでございましようか。
#40
○國務大臣(米窪滿亮君) 労働組合法という法律を政府が作つて、又労働関係調整法という法律を作つておる以上は、その法規の命ずる範囲内においては、政府の意思が働くことは当然であります。労働組合或いは経営者の自主的にということを尊重するという意味は、やはり労働関係法規の範囲内に、おいてという條件がつくことは当然のことであります。如何に自主的であるといつても、関係法規に違反するようなことは、これは許されないことであります。こういう工合に考えております。
#41
○堀末治君 今の大臣のお答弁は、私よく分りました。要するに関係法規の取締を受ける。これは法治國の者としては、如何に労働組合であろうとも、明確なことでありましようが、折角自主的に團体協約によつて経営協議会というものができておる中に、今度はこういうものを拵えて、それの法制化を認めるというようなものを作るということは、本当に自主的に労働組合の下から盛り上る力を助長して行こうという御趣旨に、そぐわないことになりませんでしようか。
#42
○國務大臣(米窪滿亮君) 堀委員のお問いにならんとするところは、こうじやないかと思うのです。團体協約というものが自主的に労資の間に決められる。場合によつては、これを法制化されたという工合に取扱つてよい場合もあり得る。然らば生産協議会との関係はどうなるか。生産協議会が優先するか、或いは経営協議会が優先するかという、結局はそういうお問いだろうと思いますが、これは問題によるのでございまして、労働組合に関してその生産協議会の議を経ることができない場合、或いは全員一致で以つて石炭局長の裁定を求めることができない場合には、当然経営協議会においてこれは決定する。こういう工合に御解釈願えれば結構であると思います。
#43
○堀末治君 大体それで労働大臣のこの問題に対する御返事は分りました。併しどうもこの生産協議会というものの性格に対しては、私共今以て不明朗な感じがいたすのでありまするが、あまり長くなつても失礼に存じますからもう一つ別な問題を、これはまだこの法案審議の上で、どなたも触れていなかつた問題であつて、商工当局の御返事も承わつておらんのでありますが、併し折角労働大臣がお見えになつておることでありますから、大臣に先ずお尋ね申上げます。
 三十五條に「炭鉱管理者は、前條第一項又は第二項の場合において、生産協議会の議を経ることができないときには、命令の定めるところにより、所轄石炭局長の裁定を求めることができる。但し労働條件の適正化その他從業者の待遇に関する事項については、石炭局長の裁定を求めることにつき、生産協議会の議を経た場合に限る。」こういうことになつておるのであります。そうしてその次に「前項の規定による石炭局長の裁定は、地方炭鉱管理委員会に諮つて、これを行わなければならない。」こういうことになつております。要するに、炭鉱のいわゆる労働條件の適正化及びその從業員の待遇に関する事項、こういうことでございますので、要するに石炭局長が管理委員会に諮つてこれを行なう、こういうことになつておるのは、どうもそこに矛盾があるのではないか。それはどういうことかというと、いはゆる労働條件の問題は総て、大体において、全國ならば中労委に移る。或いは地方ならば地方労働委員会に先ず調停を申込む。こういうことになつておるのだと思います。然るにこの炭鉱の労働條件だけは、要するに石炭局長が炭鉱管理委員会に諮つてこういうことを決める。折角労働立法で地方労働委員というものを取り決め、全國労働委員というものを決めて、それの調停に俟つということになつておるにも拘わらず、炭鉱業者だけをここで炭鉱管理委員会……、これは労働專門のお方でないと私は思う。これらの構成を見ますと、労働專門家も固より多少おりましようけれども、労働專門家のお方でない人に持つて行つて、労働條件を取扱つておらない石炭局長が諮つて、これをポンと決めてしまう、こういうことになつておるのでありますが、これには大分官廰の間に矛盾がございませんでしようか。
#44
○國務大臣(米窪滿亮君) その問題は相当関係各省の間に問題になりましてそうしてそれを調整するために、各府縣毎に地方労働委員会というものがありまするが、特に炭鉱地域における四つの場所を選びまして、札幌、平、山口、福岡、そこに炭鉱特別労働委員会というものをその地方労働委員会の外に設けました。そうして今堀委員の御質問のような点があつた場合においては、当然私としては、管理委員会にかける前であるか後であるか、その辺ははつきり覚えておりませんが、当然この石炭特別労働委員会というものにこれを諮問することが必要だ。こういう工合に考えております。
#45
○堀末治君 それでは商工当局にお尋ねいたしますが、今の労働大臣の御答弁から行くというと、ここに持つて行つてただ地方炭鉱管理委員会に諮つてというだけでは、政府部内の御統一もはつきりできておらないと、私かように思うのでございますが、如何でございましようか。
#46
○政府委員(平井富三郎君) 石炭局長が裁定をいたします場合におきましては、石炭局長の裁定を求めることにつき全員の同意を必要とするということは先程申上げた通りであります。ただその裁定を行います場合に、地方炭鉱管理委員会に諮りましてそれを裁定を行うのでありますが、地方管理委員会の委員というものは、労資双方から出ました代表者が大部分になるわけでありまして、決して労働問題に関係のないどころか、むしろ日常の業務におきましては常に労働問題を扱つている労資の代表者というものが大部分を占める管理委員会であります。その管理委員会に諮つて、愼重審議を行なつた上におきまして決定をするということに相成るわけでありますが、只今労働大臣のおつしやいましたいわゆる今般の増産に対する要綱によつて、主要の産炭地における地方労働委員会の構成メンバーが、相当石炭について專門的な委員というものを整備されるに伴いまして、若し必要がありますれば、そういう委員会の意見も是非聽いてやつて行くということは、当然運用上考えられることでありまして、労働大臣のおつしやつた意味もそういう御趣意でおつしやつたことと考えている次第であります。
#47
○堀末治君 御趣意は分ります。御趣意は分りますけれども、併しこの法文から行くというと、そうならない。当然私、今のあなたのあれであれば、そのことが法文の上に現われるのが、法文として適当なやり方でないか、若しも特に又今のお話の通りに炭鉱特別労働委員会というものが、而もこの炭鉱のために特別労働委員会というものを作つているのならば、要するにこの問題だけは特に炭鉱労働委員会に諮つて、と直すのが適当でないか、それがために政府がそれを認めておるのに、殊にわざわざ炭鉱委員会にかけるというのは、私どうも少し矛盾があると思うのでございますが、どちらかに一本にするか、乃至は、もう一つ炭鉱特別労働委員会というものをそこの中に入れるのが本当だと思いますが如何でございましよう。
#48
○國務大臣(米窪滿亮君) 先程の私の答弁が少し不十分であつたのですが、炭鉱委員会の機構については、先程局長の言われた通りであります。従つて当然経営者側及び鉱夫側の利益をそれぞれ十分に代表し得る人が構成メンバーになると思います。これに諮問されるということで、労働條件の解決に決して遺憾はないと思うのでございますが、念のために、この特別炭鉱労働委員会に諮問することを勿論石炭局長としても異議あるまいと思うのであります。この特別労働委員会は主として紛爭の起つた時の調停をする場合に、普通の地方労働委員会では專門家の人が少いから、特にこの炭鉱地域の四ケ所にはそういう特別労働委員会を設けた主たる原因は、紛爭が起つた場合、そういう事態窮迫した場合の諮問機関であるのでございますが、平素においてもこの炭鉱委員会に附議する前後にその意見を採択することも決して違法ではない。こういう工合に私は解釈しておる次第でございます。
#49
○堀末治君 よく分りました。併し私今申上げました通りに、幸いに炭鉱特別委員会というものも、それがために設けられるのでございますなら、私はこの中に地方炭鉱管理委員会及び地方特別炭鉱労働委員会に諮つてと、こうはつきり決めておくことが必要だと思います。ただそれは私希望を申上げておきます。
 尚この序での労働大臣にお尋ね申上げたいのでありますが、実は私はこれは何遍もお尋ねしたのです。北海道の石炭が成績が惡いということで、その原因について政府がお調べになつたかということを度々お尋ね申上げたのでありますが、不幸にして今日までとうとう詳しい報告を聽くことができませんでした。漸く先刻一班、二班、三班のお方が帰つて來た。まだプリントその他もできないが、ただ口頭だけで報告するということで、わざわざ大勢の方に寒い北海道に三週間おいで願つて精細に調べた御報告を午前中承わつた。誠に有難く思うのであります。その中にただ、これもお尋ね申上げようと思いましたが、川上委員からお尋ねがあつたというので私は時間の関係上差控えたのでありますが、この報告なさつた人々は結論として、北海道の三班は廃坑したとか休坑したということでございましたが、併しそれは割合にこの頃、終戰後成績がいい。誠に結構だと思います。ただ一班、二班の行きました夕張、美唄方面を聽きますと、この間の戰爭中に痛んでない、その程度も聽きたかつたのでありますが、つい殘念ながら聽くことができませんでした。お話の中から察するところ、設備その他もあまり痛んでおらない。又修理も相当できているのに拘らず、要するに生産能率は非常に上つておらないということで、大体大勢さんの前ですから、あの人たちははつきり結論付けておりませんでしたが、どうも労務者の方が稼がないようである。こういうような御報告を受けたのであります。誠にそれは遺憾に存じます。併し最近は非常に熱意を盛り上げて、六十万トンより行かないのが八十万トンに行つて、國家のために、又北海道に住む我々にも有難く思うのでありますがそれについて労働省として、今日まで北海道があれほど不振であつたに拘わらず、どういう手を北海道に打つておられるか。いわゆる生産意欲を盛り上げるために、北海道労働者諸君に対して労働省ができて、どれだけの呼び掛けをしたか。この点について私疑惑を持つているのであります。殊に今日午前中に御報告下さいました派遣團の目的というのを拜見いたしますというとこうなつております。綜合調査の中、こうある。綜合調査の中、技術面を担当するものである。ここで今日三班のお帰りになつたお方は、いわゆる綜合調査をする中、技術面を担当している。かるが故に技術面を報告する。こういうことでございました。私実はこの間も労働委員会で、あなたがお見えになりませんでしたが、確か労政局長だと思いますが、この調査班の中にはどうしても労働関係のお方が入つておらなければならないと思うのでございますが労働関係のお方が入つておりますか。労働省からどなたか出しているかと尋ねたら、どうもこの調査班のあるのも御存じのないように、どうもそれは一向処置をとつておられません。こういうことでありました。どうもこういうようなことに対して、非常に労働省が折角片山内閣において、労働省のあらゆる施策のために新しい省がおかれ、又その道のエキスパートとして自他共に任じているあなたが颯爽として初代労働大臣とおなりになつて、最も手を盡さなければならない方面に何ら手を盡さない。今日又そうしてこのいわゆる最も重大だ、あなたの所属しておる社会党としては最も重大だ。この重大な問題を審議するのにつきまして、いわゆる北海道、最も生産の上らない北海道の技術面だけの報告は受けたけれども、ここで頻りと論議されておるいわゆるこの労働問題について、あなたさんから御報告を受けることができない。調査團から何らの報告を受けることができないということは、私は非常に遺憾に存ずるのでございますが、どういうことであなたさんの方では、これを、この調査等に持つて行つて加わらなんだか、その辺のあなたのお考えを承りたいと存じます。
#50
○國務大臣(米窪滿亮君) 第一の点は労働省ができてから石炭増産のために何らか手を打つたか、打たなかつたかというお尋ねだと思います。これは労働省の性格からいつて、石炭増産のみが労働省の任務ではない。これはもう本委員のすでに御承知の通りでございまして、釈迦に説法ですが、あらゆる産業の興隆を図るために、労働省の生産性と昂揚するというのが、労働省の任務でございまして、それがためには甚だ微力ながら日夜肝胆を碎いて今日に至つたのでございまして、それがために私は経済復興会議等を通じて、いわゆる生産復興運動等のいわゆる労働政策を計画し、又最近においては経済復興会議の協力を得て、段々とその軌道に乘つて來つつある。私としては要するに石炭を初めその他の重要産業は能率給を適用して、そうして出來高拂いということで生産を増進しなければならんというので、いわゆるスタハノフ運動にヒントを得た対策を立てて参つておるのであります。これがためには十月二日以來労資双方の懇談会をいたして、そうしてそれがいわゆる増産対策の重要なる一つの政策となつて現われておることは、御承知の通りであります。ただ問題は、第二の点である。調査班になぜ労働省が加わらんか、労働省からそういう調査委員が行かなかつたのが、甚だ不熱心じやないかというお叱りですが、私はこれに加わることを命令しております。まだ正確な報告を、果して誰がどの方面に行つたかということを、まだ私のところへ報告して來ておりませんが、恐らく北海道へ行つたか、九州へ行つたか、そういうことは分りませんが、少くとも目下各石炭区域に出ておる調査班には、労働省から事務官を加わらしておる筈です。何れ後日の機会において正確な報告を申上げることの機会があるだろうと思つております。
#51
○堀末治君 それは労働大臣、何でございませんか、私の尋ねたのと少しそこが違うように思うのであります。あなたが労働省を加えておるというのはこれは全國へ持つて行つて特別調査團というものをお出しになつたのを、加えておると仰しやつておるのではございませんか。
#52
○國務大臣(米窪滿亮君) そういうわけです。
#53
○堀末治君 私の尋ねたのはそうでないのであります。先に出ておる調査班を申すのであります。これでない。これは私は実は申上げるのは、九月にこの席上において商工大臣にお願い申上げた。私も北海道で生れて、北海道で六十年も育つた。どうも北海道が惡い惡いといわれることは、誠にどうも恥かしく思うことだから、何はともあれ多少なりとも私共が微力を盡すことができるならば微力を盡したいと思うから、どうか北海道の石炭の上らないという原因を調査して欲しい。商工大臣は、何れその中調査いたします、その後度々尋ねたところによると、十月の末には御報告できましよう。こういうことで、実は十月の末は何とか北海道のその調査報告を得られることであろうと思つて、心待ちに待つておつたのですが、なかなかできないで、先月八日になつて私は商工大臣にお尋ねした。いや実はいろいろと人選等に暇取つて、漸くこの頃出ました、こういうことでありました。この月末には御報告できましよう。こういうことであつた。と同時に、商工大臣はわざわざ言葉を添えて、國管案の審議に間に合うように何とか一つ中間報告でもいたさせます。こういうことであつた。さようなことで、実は私この石炭増産については北海道のフアクターが非常に重いのであります。かるが故に、どうしても北海道が不振だといわれれば、多少とも北海道の事情に通じておる我々がその点に対して十分に関心を持つということは、これは当然なことだと、かように存じて度々尋ねたところが、もう今いつた通り逐條審議もまさに終らんとする今日、漸く僅かばかりの報告を聽いた、かようなことである。
 そうして私はわざわざあなたの部下の労政局長に尋ねました。この調査班の方にはあなたの方から入つておりますかと尋ねたにも拘わらず、労政局長は、そういう調査班が出たか出なかつたかも知らないような樣子で、実は行つておりませんとこう言う。私は甚だ失望した。そうして今日承つたところは、今言うた通り技術的方面である。技術的方面になると、我々は頗る縁遠いのであります。非常に技術という方面になると縁遠いので、報告を受ければ、フンフンいつて聽くくらいのもんで、何らそれに対して批判を加えることもありませんが、私もあなたさんの所管するわざわざ労働委員を志望して本院でその常任委員を勤めておるだけに、少くとも労働問題においては多少の関心を持つておるだけに、実はこの調査班の中にあなたの省からどなたも出ないということに、非常に矢望を持つておる。併しそれは商工省の所管である技術方面の調査、或いは資材方面の調査だけであるならば、それもいたし方ないかと実はかように考えておつたのであります。然るに今日ここに貰つたこの表の中には、綜合調査の中とこういうことに書いてあれば、私はどうしても技術方面は固より、或いは資材方面もやらなければならん、金融方面もやらなければならん。同時に最もフアクターの大きい労働問題はやらなければならん、私はかように思うのであります。然るにも拘らず、あなたはこの中に入つたことを一言も仰しやらずに、この頃出した石炭特別調査團の中には入れてあると、大見栄切るということに対して、私は甚だあなたの労働行政に対しての不熱心を、この機会において遺憾に思うものであります。と同時に、この内閣が本当に石炭増産に熱意を上げておるかどうか、私これも実は疑うのであります。本当に石炭増産の鍵は技術にもあり、資材にもあり、金融にもあり、ましてや労働力の問題にあるのだということが分つたならば、何はともあれ、商工省がこの調査班を出すときに、労働省からも行つてくれ、何処からも行つてくれ、何処からも行つてくれ……。必ず行けなかつたら、各班別々にでも私は出すべきのが、本当に石炭増産のために熱心な姿だと、私はかように思うのでございますが、私の言葉が聊か過ぎましようか。
#54
○國務大臣(水谷長三郎君) その言葉は大分に過ぎると思います。技術の調査班が帰つて報告したが今日で、それに先立つて特別調査班というものが九州、北海道へ行つておる。引続いてやつておるのであります。前のときには技術だけのことをやつた。この内閣ができてから石炭の増産に熱心が足らんというのは、自由党の内閣が一生懸命にやつても、二千五百万トン出なかつたじやありませんか。もう少し言葉を愼しむ方が宜いでしよう。
#55
○堀末治君 自分のときにできないのを他人の例を持つて來てやるというのは、ちよつと卑怯でございますよ。お前がやれないくせに、俺のやるのを非難する、そういうことはちよつと、私の口よりもあなたさんの方がまだ過ぎると思います。併しそんなことは言うても仕方がございませんから、この辺で止めましよう。とにかく私は甚だ遺憾に存じます。わざわざここに技術方面の報告ならばとにかく、綜合調査ということに持つて行つて、労働省が労働方面の調査に対して聊かも出しておらない。このことに対して最もこの生産協議会のこの問題が論議されるに当つて、私特にそれをお尋ねしたのでありますが、その問題に対して労働省は何もこれに加わつておらなかつた。而もあなたが仰しやつた通り、何処へ誰が行つたか知らないということは、本当に石炭を熱心に増産する熱意ありや否や、私は甚だ疑うのであります。私はただこの点だけ申上げて、労働大臣に対する質疑を打切ることにいたします。長いこと失礼いたしました。
#56
○委員長(稻垣平太郎君) 労働大臣への外に御質問ありませんですか。
#57
○小林英三君 私はこの國管案は、我我の委員会におきまして審議する上において誠に重要なる問題でありまするから、この問題について一應水谷商工大臣に承りたいと思います。それは度度本委員会におきましても問題になつておることでありまするが、私は先般の片山総理の本委員会におきまする演説の中で、本日片山総理の速記が手に入りまして、具さにこれを熟読いたしました。この問題に関しましては昨晩の委員会でありましたか、玉置委員、或いは田村委員からも御質疑があつたと考えておりまするが、それは片山総理がこういうことを言つておられるのであります。「私の率直なる心持は、石炭問題について、今までのような状態を続けて行くわけには参らない。どうしても國家においてその増産に対してできるだけの方法を講じて援助をいたしたい。そうしてその増産計画の遂行を図らなければならない」云々。尚又「國家が官僚的な國家でなくして、本当に産業國家と申しますか、或いは民主國家、即ち國民のために仕事をしなければならないところの職能を持つものであると思います。國家が國民の幸福のために働かなければならない。國民に必要な仕事をしなければならない。そういう意味におきまして、新憲法の下、國家の樣相が変つて來たのであります。これから國家はどしどしと國家みずから仕事をしていいのであるかように考えております。それから尚かような建前で行きますから、現下最も必要でありまするところの石炭増産に対しまして、國家が拱手傍観するわけには参りません。どうしても積極的に乘り出しまして、仕事をして國民のために奉仕する、産業発展のために奮闘努力するということが必要だと思います。」そうして最後にこういうことになつておるのであります。「これは國家のために必要である。産業発展のために、是非共この計画を育成して行かなければならないと私は考えるのでありまして、そういうことからいたしまして、先ず手始めに産業の母体でありまするところの石炭に手を着けました。國家が仕事をする。そうして産業の働きをする。こういう我が國の民主國家としての計画を挫折せしめないように各方面の御協力を願いたい。」こういう意味を大体片山総理が言われたのであります。この石炭の國管案というものは、この外にすべての重点的なものに対して國家がこれを管理する。或いは國営にするという意味でありまするが先ず手始めにこの石炭の増産について國家管理をする。こういうことを片山総理が本委員会におきまして仄めかしておられるのであります。私は昨晩の委員会におきまして、この片山総理の御答弁を引用されまして、玉置委員でありましたか、或いは田村委員でありましたか、水谷商工大臣に、この社会党の國管案というものは社会党のいわゆるイデオロギーじやないかということを最後にお確かめになつた。私もこの問題につきましては、度々水谷商工大臣のお答えを聽いておるのであります。昨晩最後にそういうお尋ねがあつたのであります。これに対しまして、水谷商工大臣は、イデオロギーじやない。石炭の増産のためだということをはつきりここでお答えになつた。私もそうだろう、こういうふうな一應考えて私の質問をいたしたのであります。私は今日片山総理のこの御答弁を拜聽いたしまして、何かまだそこに割り切れない点がございまするので、誠にしつこいようでありまするけれども、いよいよ本案の審議というものを、僅かに数日の中に迫つておりまするので、もう一囘はつきりと片山総理もこういうことを言つておられるのでありますから、もう一囘しつこいようでありまするが水谷商工大臣に伺いたい。尚私はなぜそういうことを申上げるかというと、確か玉置委員がそれを水谷商工大臣に御質問なさいましたときに、玉置委員の御質問に対して、確か社会党の濱田さんでありましたが、イデオロギーだというような意味のことが発言中にあつたように思います。これは片山総理も暗にそういうことを言つておられますし、社会党の議員の中にも、又本委員会の委員の中にも、この國管案はイデオロギーを加味したものであるというようにお考えになつておるようにも考えられるのであります。水谷商工大臣は昨晩はつきりとそうでないということをお答えになりましたが、私は昨日の議場におきまして、社会党の党員の中からもそういうようなイデオロギーだというようなことを表明するような言葉があつたように聽いておりまするので、我々は本國管案を審議する上におきまして、相当重要な点であると考えまするので、水谷商工大臣のもう一囘の御答弁を願いたい、若しでき得れば濱田委員のこれに対する御意見も承つて見たい、こう考えておるのであります。
#58
○國務大臣(水谷長三郎君) この國管法案は飽くまでも増産のための法案でありまして、イデオロギーによるものではございません。こういうような増産のための法案である。私はむしろこの法案に対して、これがイデオロギーに基く法案であると、しつこく尋ねられる自由党その他の諸君が、これが資本主義のイデオロギーに立つて、しつこく尋ねられておるのだろうと思います。勿論社会党といたしましては、立党当初から重要産業の國有國営、或いは國有國営を前提とした國家管理ということは、これは天下に発表しております。而もその重要産業を石炭、電力鉄鋼、船舶、肥料、この五つを挙げておることも事実でございます。併しながらそれは社会党のいわゆる党の政策綱領でございまして、現在の片山首班内閣としての政策でも何でもないのでございます。片山内閣成立に先立つて四党政策協定が行われましたときに、その四党政策協定のときに、重要産業の部門において必要があれば、國家管理が行われるということは、四党政策協定においても行われ、その場合に西尾君から先ず取敢えず石炭をやるのだその以外はやらないということも四党政策協定で行われておる次第であるのであります。從つてこの片山首班内閣におきましては、この石炭の問題に関しまして、このような法案を提出いたしましたが、その他の重要産業に関しましてはそういう法案を提出する準備を只今は持つておりません。この点ははつきりと申上げる次第でございます。又片山総理が、先ずこれをやつて他の産業にも及ぼすということを云われても、それはイデオロギーのためにそういうことを云われたのか、或いは又生産増強のためにそういうような発言をせられたのかどうかということはもう少し檢討して見ねば分らんと思うのでございます。從つて私はこの法案の飽くまでも現在の経済危機を乘り切るための生産増産、而もその生産増強をば石炭の生産増強を中心にして行わねばならないという緊急措置といたしまして、この法案を提出したというのが事実でございまして、その他に何らの他意もございません。
#59
○濱田寅藏君 私が玉置委員の発言中に、とんでもない彌次を飛ばしまして問題になつておるようで困つておりますが、一應この点は小林委員から説明を求めるようなお話がありましたので私の見解を申上げます。そもそも玉置委員のこの國管案がイデオロギーであるかないかという御質問程愚劣なことはないと思つております。固より当初我が社会党は、少くとも社会党の政治理念に立つて、いわゆる内閣を担当したことは事實であります。しかしながら御承知のような経偉もございまして國民協同党とそれから民主党と三派聯立の内閣を作り上げたのであります。しかして社会党の持つております政治理念と、國民協同党が抱いておりまするところの政治理念と、それから民主党が抱いておりまするところの政治理念とを混淆いたしまして、そうして急場に合うところの日本の政局を收拾して行こうという話の下に出発したのであります。從つて本日我々がここで審議いたしておりまする炭鉱國管案というものも、私、玉置委員に対して申上げましたことは、このイデオロギー、政治理念というものは頗る私廣義に解釈しております。又私は水谷さんとは常にお知合の者であります。私社会党の一議員といたしまして、この國会管理案に社会党の持つておる政治理念が聊かも作用していないと断言できないと思います。はつきりと何ほどか社会党の政治理念が混つておるということだけを特に申上げたい。
 これは私、我が党の名誉のために、廣義におけるところの我が党の政治理念がこの中に作用しておるということを、商工大臣も認めて戴きたい。これは我が党の名誉のために少くともその点は商工大臣にお願いいたしたいのであります。
#60
○小林英三君 只今の水谷商工大臣の御答弁を承わり、又或いは濱田委員のお話を承つておるのでありますが、水谷商工大臣は、國管案に関する限りは少くともこの本國会に提出する國管案に関する限りは、絶対にイデオロギーはないのだ。もう我々が承わりましても共産党の細川さんが聞きましても、誰が聞きましても増産一本だ、何らイデオロギーはないのだ。こういうことを我々は承わつておつたのであります。只今濱田委員のお話は相当これに違いがあるように考えておりますが、これは審議の上に重要な問題でありますから、もう一囘水谷商工大臣の御意見を承わりたいと思います。
#61
○國務大臣(水谷長三郎君) 私は小林さんから、一体イデオロギーとはどういうものであるかということを、もう少し科学的に御説明を聞きましてから私の答弁をいたします。
#62
○小林英三君 社会党のイデオロギーというのは、あなた方がよく御承知のイデオロギーであります。
#63
○中川以良君 議事進行について……いろいろお話、御意見もあるようでございますが、本論に戻りまして逐條審議をお進め戴きたいと思います。
#64
○委員長(稻垣平太郎君) それでは、只今中川委員から御発言がございましたが、これから逐條審議に入りたいと思います。
#65
○大屋晋三君 もう少し、このイデオロギーをもう十分ほど承わりたいですが、私も濱田君の御発言並びに商工大臣の御発言によりまして、たまたまさような問題がもうどこかに拂拭されておつたと思つたのを、むらむらとこの胸の中に只今湧いて來ましたから……
#66
○委員長(稻垣平太郎君) 如何でございますか、時間もないようでございますから、審議に一つ移りたいと思いますが、如何ですか。
#67
○大屋晋三君 採決して下さい。十分間かそこらはいいじやないですか。
#68
○委員長(稻垣平太郎君) 如何ですか審議を進めたいと思ますが……
#69
○國務大臣(水谷長三郎君) この委員会にイデオロギーということがこれが非常に無造作に使われておりますが、私がはつきりと答弁するがためには、そういう問題を提起した自由党から、一体イテオロギーというのはどういうようなものであるということを、もう少し社会科学のA、B、Cを習つた私に納得のできるような科学的の説明をされれば、私も科学的の説明をしたいと思います。
#70
○小林英三君 私はこの委員会席上において、図らずも濱田委員からして只今お間きの通りの御意見があり、この濱田委員の御意見に対して、少くとも水谷商工大臣は、あなたははつきりとイデオロギーは入つていないと言う、濱田委員は入つておると言う、この件についても御答弁願う必要があると思います。
#71
○國務大臣(水谷長三郎君) 濱田委員はイデオロギーということは少しも使つておりません。政治理念とか、そういうようないろいろ別の言葉を使つておる。だから小林さんのイデオロギーとは一体どういうことを言うのか。もう少し僕に納得できるように説明して貰えば、僕も納得できる説明をします。
#72
○小林英三君 これは水谷商工大臣がこの委員会が始まつて以來イデオロギーではないといつて答弁しておるイデオロギーなんです。
#73
○大屋晋三君 どうもイデオロギーの定義が非常に禪問答みたいになつて、甚だその点は遺憾でありまするが、小林君もよろしくイデオロギーの定義をもう少し科学的に御解明を願いたいと思いますが、若しできないなら拙者が少し解明いたしましよう。大体このイデオロギーという観念は、いわゆる観念とこれは訳します。そうして社会党の諸君は最も近代の、いわゆる進歩的な社会主義の思想に目覚めた諸君でありまして、あらゆる部門におきましていろいろな、大衆のために在來の資本主義の欠陥を矯正される、非常に結構な意見を沢山お持ちになつておるのであります。そこでその起源といたしまするところは、御承知の通り資本主義はジョン・スチュアート・ミルから段段発達いたしまして、いわゆる約百年前に御承知の通り社会主義の理念と相錯綜して、ここに後退を段々しかけまして、昨今は聊か國民大衆、若い人々は社会主義の理念の方に共鳴を持ちたがる傾向があるのであります。御承知の通り、あなた方に社会主義の歴史的発展を私が説明するのは釈迦に説法でありますが、かく言う私自身も、いわゆる昨今の五十過ぎた連中が皆持ちまする通り、二十代において社会主義の思想に私もかぶれた一人でありまして甚だ失礼ながら水谷君なぞより私の方が先輩であります。その点は……。甚だ失礼でありますが……。つまりあなた方が資本主義の発展経路から、社会主義の発展経路から、十分に御承知であるところの、あらゆる政治、社会、文化という面に対しまするものの考え方であります。その考え方、いわゆる観念――それをイデオロギーと称するのであります。即ちこの國管案に対して資本主義的の考え方でこれを多分に律して行くか、或いは社会主義的の考え方で多分に律して行くか、そのいずれを取るかということを今目標にしておるのでありまして、均しくその目途とするところは増産でありましようがその増産をやつて行く上に対しまして社会主義的の観念を多分に採り入れてやつて行くか、或いは在來の資本主義的の観念を採り入れてやつて行くか。必ずしも社会党の諸君のおつしやる通り資本主義の理論が惡い訳ではありません。又資本主義の諸君につきましては、資本主義即万能ではないのであります。つまりその点をここで解明いたしますならば、私達が本案に対しましていわゆる愼重なる、進路を誤らざるところの解釈ができるという面に立脚いたしまして、イデオロギー論を闘わしておるのでありまして、私は自由党に属しておりまするが、いわゆる資本主義の意味を遵奉する者でもなく、社会主義の良い所も多分に採り入れております。その点を十分に、率直に御理解下さいまして、商工大臣は親切に一つその問題をはつきりして頂きたい。又濱田君にしても、苟くも社会党の商工大臣と、社代党の名誉あるこの参議院議員の、而も当委員会の委員であらせられるところの濱田君と、苟くも社会党の内部において、意見がこの委員会に臨んで対立するということは、これは何事でありますか。この点に対しましても、十分諸君は足並を揃えて、出直して來たまえ。かく私は申上げるのであります。
#74
○國務大臣(水谷長三郎君) 今大屋君から、先輩振つたお設教を頂きましたが、そのくらい先輩ならば、一体この法案がどのイデオロギーに立つておるかどうかということは、お分りであろうと思う。例えば六月十一日に、この内閣が発表した緊急経済対策においても、企業形態は原則として変更しないということ。又この法案というのもいわゆる修正資本主義の立場に立つており、資本と経営の分離も行われておらないのであります。いわゆる企業形態は、そのままに継承しておるところの案である。このいわゆる法案を見てこれが一体社会主義のイデオロギーに立つておるとか言われるのは、あなたは一体社会主義とは何ぞやという理論も知つておらないところの議論であろうと思う。これが一体どこが社会主義か、よく分つていない。資本と経営とが分離されておらず、企業形態も変更されておらないこの案が、どこが一体社会主義のイデオロギーに立つておるか、これを私は聞かして頂きたいと思うのであります。
#75
○大屋晋三君 私は水谷さんに対しまして、これが社会主義のイデオロギーであるかないかということを聞いておるのじやない。濱田君とあなたとの意見が相違しておるという点に重心を置いて私は言つておるのであります。あなたは北海道の炭鉱に行つて、どういうことをおつしやいましたか。それを一つ想い起して下さい。
#76
○國務大臣(水谷長三郎君) 私は北海道でどう言つたこと、こう言つたことを言つておるのじやない。私はこの法案が、どういうイデオロギーに立つておるかということを答えておるのであります。社会党は共同戰線党でありますから、党員の中に、いろいろの意見があることはこれは当り前であります。そんなことを一々他の干渉を受ける必要はない。
#77
○大屋晋三君 これで打ち切りましよう。
#78
○委員長(稻垣平太郎君) それではこれから審議に移ります。大分時間を費しましたので、第四節は大体皆さん議論も盡きたように思いますが、第四節の審議は、終つたことにして宜しうございますか。
#79
○堀末治君 もう一つ。短くやりましよう。この第二十七條の業務委員、これはこの間、初めに平井さんに大分喰い下つて聞いたのでありますが、その当時はよく分りません。併し今になれば、すつかりこれは資本家代表だということは分りましたから、その点については、再び蒸し返しませんが、ただこの中に、炭鉱管理者を事業主以外の者に決めたときには、この業務委員に事業主がなれるかどうかというお考えは如何でございますか。
#80
○政府委員(平井富三郎君) 法律的には別に特別の制約を設けておりませんが、炭鉱管理者が議長で、議事を主宰して行きますときに、事業主が委員として入るということは、事実上予想できないと、かように考えております。
#81
○堀末治君 併し平井さん、昨日もどなたか、田村さんでしたか、細かい実際上の問題をお尋ね申上げたことから実は私は氣がついて尋ねたのでございますが、小炭鉱で、あまりいわゆる業務代表になる者がない炭鉱、三つあつて、全部自分の手下は炭鉱委員になつておるということになれば、これは事業主が一人の委員になつてもよいのじやないかと私は思いますが、如何ですか。
#82
○政府委員(平井富三郎君) その場合には、事業主が、炭鉱管理者を兼ねますような運用になるわけであります。
#83
○堀末治君 入つてもよいが、成るべく入らん方がよいと、こんな解釈ですね。大体言えば……。
#84
○政府委員(平井富三郎君) これは企業内の一つの規律の点から申しましても、炭鉱管理者が主宰します中に、事業主が委員として入るということは、私共としては考えられないのであります。むしろ事業主がこの生産協議会に関聯を持ちます場合は、炭鉱管理者を兼ねるという形において、事業主が、この生産協議会に関聯を持つというふうに考えております。
#85
○堀末治君 それじや徹頭徹尾入らん方がいいという考えですね。
#86
○政府委員(平井富三郎君) 入るのはおかしいんじやないか。又入れないと法律的の制約は別にございませんが、そういう場合は予想しておりません。
#87
○堀末治君 それではもう一つ。この「生産協議会の委員の数は」とございますが、これは大小の山によつて、いろいろ数が違うことだろうと存じますが、大体何名から何名ぐらいのことをお考えになつていらつしやいますか。
#88
○政府委員(平井富三郎君) これは、山の規模、状況等によつて決定いたすべき問題でありまして、私共といたして、何人から何人までというような予想はいたしておりません。ただ余り数が多いということは、却つて議事の進行を妨げますので、先ず一番大きな山でも、労資双方から二十人以上の者が出るということは、先ず考えられないのではないかというように考えております。
#89
○堀末治君 この二十九條でございますが、「業務委員と労働委員とは、互にこれを兼ね、又は代理することができない、」ということになつておりますがこれは御尤もでございましようが、業務委員又は労働委員は別になさる結果或いはちよつと業務委員ですと、出張中で、欠員で、同数が出られないというような場合は、他の代つた者ができるというようなことも、三十六條の協議会で、適当にこれが相談できると、こうお考えでありますか。
#90
○政府委員(平井富三郎君) 業務委員と労働委員とは、前囘申上げましたような性格がございますので、これは兼ねるということは面白くないように思います。その趣旨の規定であります。これは先日も申上げましたように、非常に事故があつて欠けるというような場合に、どうしても全員或いは同数の者が出なければならんという場合には三十六條の規定によりまして、補欠委員制度というものを事実上運用して行きたいと考えております。
#91
○堀末治君 もう一つ、三十五條第一項但書の場合には、出席した委員全員でこれを決する。こうなつておりますから、これは満場一致ということを意味するのでございますか。それとも多数決を意味するのでございますか。
#92
○政府委員(平井富三郎君) これは出席した委員全員であります。満場一致であります。
#93
○堀末治君 出席委員全員、満場一致の意味ですか。
#94
○政府委員(平井富三郎君) はい。
#95
○委員長(稻垣平太郎君) 堀君、よろしうございますか。それでは大体第四節は、御審議を終えたことにいたしまして、「第五節雜則」の御審議をお願いいたしたいと存じます。
#96
○平岡市三君 最初の第三十七條の関係でありますが、利益処分の認可を、特に指定炭鉱の会社に限つて適用する特別の理由はどこにありましようか。
#97
○政府委員(平井富三郎君) 指定炭鉱の業務につきましては、生産協議会或いは管理者、或いは又は業務計画は、政府がこれを指示するというような強度の管理を行なつておりますので、その利益の処分につきましては、少くともそれが増産に必要な方に余計向けられる。そういうことは、事実上は余り起らんと思いますが、利益が出ました場合に、それを全部配当に廻してしまうというようなことは、特に強度の管理を実施する指定炭鉱については、これは阻止する必要があるのではないかという意味におきまして、指定炭鉱に限定した次第であります。
#98
○平岡市三君 大体今日の状態といたしましては、利益の発生する見込というものは、当分ないと思いますが、結局利益配当をさせないと、こういう方針からこの規定が生れたものでございましようか。
#99
○政府委員(平井富三郎君) その規定の趣旨は、利益の配当をさせないという趣旨ではございません。結局利益の上りました上の配分が適正にそれぞれ株主の配当に、或いは又労務者のために、或いは又設備の拡充に使用されますようにいたして参りたいと、かように考えております。
#100
○平岡市三君 若しも利益の出た会社が一営業期間の途中におきまして、この指定の解除せられたような場合にはその利益配当はどういうふうに扱われるのでございましようか。実際問題といたしまして……。
#101
○政府委員(平井富三郎君) これは期の途中におきまして解除を受けました場合、解除後利益処分のことをいたします場合には認可を必要といたします。
#102
○委員長(稻垣平太郎君) 第五節は御質疑ございませんか。
#103
○平岡市三君 次の第三十八條でございますが、この第三十八條に規定せられておるところの内容というものは、大体業務計画の内容と思われますが、特にこの「雜則」において、この命令事項を特別規定いたしたのは何か特別に理由があるのでございましようか。
#104
○政府委員(平井富三郎君) 業務計画の中にも設備の拡充計画を取ることになつておりますが、これは三ケ月毎にその拡充計画を如何に実施して行くかということが業務計画におきまする主体になるわけであります。而して例えば新坑を開発する、或いは新しい坑口を開ける、或いは選炭機に大改修を加えるというような大きな企業計画につきましては、これを実施せしめます場合には、毎期に三ケ月毎の業務計画において処置するよりも、新らしき拡張計画、或は新坑の開発計画等につきまして命令を出すということが必要であろうかと考える次第であります。
#105
○堀末治君 三十七條の会社の場合は利益処分に対して制限ができておりますが、個人企業の場合はどうなさいますか。
#106
○政府委員(平井富三郎君) 会社の場合におきましては、経理その他の関係が非常にはつきり出て参りまして、利益金処分という一つの法律行爲によつて利益金が処分されて参りますが、個人会社の場合につきましては、從來はそういうようなことが直ちに会社並みに利益金の処分という形において処分することは、これは適当でないじやないかという意味におきまして、会社に限定した次第であります。尚これは小さな炭鉱につきましては、……勿論個人会社も相当数ありまするが、実際上の運用におきまして、会社に限定しても左程不都合は生じないのではないかというふうに考えます。
#107
○堀末治君 今度はこの指定炭鉱になりまするというと、一切の経営内容がはつきり分る、そうすると、殊にこの個人炭鉱の中でも、この間お話のありました通り、十万トン以上の山が二つもあるということですから、経営の合理化、而もこうして政府から強力なる御援助が得られるということになればそれは相当の利益が出るだろうと思いますが、これはそつくりその儘事業主の懐ろの中にたんまり入れてしまうのは、少し他の会社の方に比べてうまくないように思いますが、何かやはりこれにも……どうせ会社の方にも多少の制約を試みるならば、個人の方にも制約を試みる、或いは上手に分配をさせるとか何とかいうような條項を入れて直く方がよいのではないのでございましようか。
#108
○政府委員(平井富三郎君) これを会社に限定した意味は、只今申上げましたように、この管理法の運用上におきまして対象になる事業体というものの実態は、会社が殆んど大部分であろうというふうに考えられるのでありまするし、個人企業の場合におきましては経理内容が明確になりましても、その処分等につきましては、やはり別個の体系を持つておりますので、一應この処分につきましては、会社の利益処分というふうに、現在商法上において明瞭に行なわれておりますような場合に限定いたして、実体上はさして不便もないという意味で、会社等に限定したのであります。
#109
○委員長(稻垣平太郎君) それでは第九節はこれで御審議を終了したことにいたしまして、第四章の「協力命令」について御質疑をお願いいたします。
#110
○平岡市三君 この「協力命令」でありますが、これを読んで見ますと、金融機関というものは極めて積極的に増産に協力を必要といたすにも拘わらずこの金融機関に対する協力命令のないというのは、政府がこの資金について特別の配慮をいたしておるから、そのためにこの金融機関に対する協力の必要もない、こういう御解釈でございましようか。
#111
○政府委員(平井富三郎君) 現在の炭鉱に対する融資の関係は、企業資金は殆んど大部分と申しましようか、殆んど全部と申上げてもよいと思いますがこれは復金からの金融であります。現在の状況におきましては、運轉資金につきましても、御承知のように復金から融資をいたしておるということでありまして、いわゆる岩鉱の経営に必要とする資金は、殆んど大部分が復金資金で賄われておる。從つて復金の資金を投じておるということは、これは復興金融金庫法において商工大臣を主務大臣としてその業務を監督しておるのでありますので、金融につきまして特に命令事項を置くという必要性はないと、かように考えまして、協力命令は金融以外の面に限定した次第であります。
#112
○平岡市三君 今日の実情からしますると、勿論殆んど多くのものは復金から仰かれておるようでありますけれども、三井、三菱あたりの市中銀行からも相当の金額が融資せられておりますし、これらの市中銀行に対して協力して貰うということは、結局インフレーシヨン抑止というような立場から考えても必要ではなかろうかと思うのでございますが、その点は如何でございましようか。
#113
○政府委員(平井富三郎君) この法律の施行の期間は三年でございまして現在でも殆んど大部分が復金の融資によるものであり、今後益益市中銀行からの借入が困難になるような状況でございますので、復興金融金庫法の運用によりまして、十分これは達成し得る。いわゆる政府が金融すると同じようなことでありますので、ここに命令規定を設けなかつた次第であります。尚現在市中銀行から融資を受けておりますのは、殆んど大部分復金が保証いたしておるのでありまして、結局全部の資金が復金関係から融資をされておる、こう申しても差支ないのであります。
#114
○小林英三君 議事進行について……。今日は各党派共本案の審議につきましていろいろ打合せがあることと思われますので、明日は委員会を開かずに打合会として、本日は本案の審議を終ることに努力し、明後日は午前中に努めて討論採決をすることにいたしたいと思いますので、一應委員会にお諮り願つて、そうして本日皆さんで一つ審議を終了することにいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
#115
○委員長(稻垣平太郎君) 只今の小林委員の御動議につきまして如何でございましようか。
#116
○委員長(稻垣平太郎君) 皆さんに御異議ないものと認めます。それではそのように取計らいたいと存じます。尚御審議を御続行願います。第四章はそれではよろしうございましようか……それでは第五章の「損失の補償」、これについて御審議をお願いいたします。
#117
○入交太藏君 この第四十條の損失の補償のところでありますが、「前項の規定により補償すべき損失は、通常生ずべき損失とする。」というわけでありますが、この「通常生ずべき損失」ということは、どういうことか御説明願いたいと思います。
#118
○政府委員(平井富三郎君) これは損害賠償、例えば一般の事業法によつて命令をいたしまして、その生じます損失に対して補償いたしまする一般的基準として「通常生ずべき損失」という言葉を使用しておるのでありますが、その命令によつて直接的な因果関係がある、相当因果関係があるというように見られる場合でございまして、いわゆるその命令と、その命令によつて行いました業務によつて生じた損失というものとの間のその損失が、通常起るべきものであるという関係がそこに結ばれておるというふうに解釈するのでありまして、これはそういう一つの法律関係を、因果関係を現した言葉でありまして、具体的に起りました損失と、その命令と関係ある具体的な事例につきまして、今申上げました尺度からこれを測つて行くということになるわけでありまして、命令と損失と因果関係さえあれば、何でもこれは補償するというのではなく、その損失が通常その命令によつて生ずるであろうと予想されるべき範囲内にあるというふうに解釈いたしておるのであります。
#119
○入交太藏君 そういたしますと、やはり経営の全般に亙りましての損失になるように解せられますが、これは炭價も、先般伺いますところによりますと、炭價についての損失は、補償しないというような御説明であつたように記憶しておりまするが、そうすると経営全般に亙りましての、或いは会社であればその決算をいたしましての損失又その損失についての判定と申しますか、そういう場合でもその結果によるわけでございましようか。ちよつとその点が何だかはつきり理解できにくうございますから、もう一遍願います。
#120
○政府委員(平井富三郎君) 損失の判定は、いろいろやり方もあると思います。例えば設備の拡張の計画を命ぜられまして、その設備の拡大を行なつて行きます上に、通常生ずべき原因によつて、その拡張計画が遂行できなくて非常に損失を受けたという場合におきましての損失は、結局その年度における最終決算の尻に現れて來るわけであります。而もその損失が、いわゆる命令とその損失との間に通常生ずべきものであつたかどうか、例えば拡張計画を命ぜられまして設備をいたして、それがまあ極端な例を申しますと、落雷で壊れたといつたような場合に、それは通常生ずべき損失であるかどうか、これは通常予想できない損失であります。そういうような一種の天災でできたような損失は、これは通常予想できない、併しながらガス爆発が頻繁に起る、非常に危險であるということが明白な地区に対して、強制命令によつて拡張計画を実施して、そうしてガス爆発によつて非常に損失を受けたという場合については、これは通常予想される損失であり、そこに因果関係が……その地区の特殊性の因果関係が認められるかどうかというような問題は、具体的な判断で決めて行きます。尚炭價の決め方による損失というものが生じました場合におきましては、これは公定價格一般の問題でございまして、先日來大藏大臣、商工大臣から申上げておりますように、炭價改定によつて講ずべきものである。かように考えるわけであります。
#121
○中川以良君 今の補償に対しまするお答えでございまするが、これは補償は、飽くまで損害賠償に関しまするところの一般原則によるべきものでないかと思います。この点は先般概活的な質問を私が申上げた際に、飽くまでこれは相当因果関係説によるものに基くという御答弁があつたのでありまするが、今の御答弁とちよつと喰い違うように思いますが、如何ですか。
#122
○政府委員(平井富三郎君) 相当因果関係という言葉は、いわゆる通常生ずべき損失というものと同樣に解釈しておるわけでございます。
#123
○中川以良君 「特に一通常生ずべき」ということを書きますると、これは相当不明確になると思いますので、どうもこの点が將來いろいろな疑義を殘すと存じますので、この点につきましても先般のお答えと本日の御答弁とは、相当私は違うように思いますが……。
#124
○政府委員(平井富三郎君) これは民法の損害賠償の原則、これを通常生ずべき損失と、一般の学術的な用語といたしましても通常生ずべき損失という言葉で表現しておりますし、こういう一つの命令によつて生じます損失補償をいたします從來の各種の立法例によりましても、通常生ずべき損失という言葉で表現しておるのでありまして、これは從來の慣用語であり、別段変つた言葉ではございません。
#125
○中川以良君 そういたしますると、それは損害賠償に対しまするところの一般常識的の学説によりまするところの相当因果関係に基くものと解釈してよろしうございますか。
#126
○政府委員(平井富三郎君) 先程申上げましたように、通常生ずべき損失ということは、相当因果関係とも称しております。
#127
○中川以良君 それからこの補償に対しまして、不服の申立についてこれは規定しておりません。この損失補償審査会の議を経て決めるわけでありまするが、一方土地收用法等によりますと土地收用法の八十二條に規定をいたして、それに不服の申立ができることになつておりますが、特にこれが規定をしてないのはどういうわけでありますか。
#128
○政府委員(平井富三郎君) これは一般の法律にもありますように、資材の讓渡等につきまして、裁定をいたすという場合に、不服があれば、通常裁判所に出訴するというふうな、一つの立法上の譲渡と同じような効果を生じます場合につきまして、裁定という行爲をやつた場合につきましては、大体その機会を認めておるわけであります。併しその損失の認定ということが、この委員会の主たる任務になるわけでありますが、その認定につきまして、損失補償審査会の議を経てこれを決めるという場合の取扱い方につきましてはいわゆるその法律自体につきましては一審制度を採ることになつております。但し新憲法によりましては、この決定がこの法律の趣意に合わない、その損失の見方が、通常生ずべき損失であることを、そうでないと認定したというような場合につきましては、新憲法下におきましては、これは裁判所に出訴し得る仕組になつております。この決定に不服であり、これは違法の処分であるというように考えられます場合に、憲法の規定によつて当然出訴し得ることになつております。
#129
○中川以良君 そういたしますると、或いは土地收用法等に規定をされております收用審査会において額を決定するのでありますが、それに異議のある場合には、通知を受けた日から三ケ月以内にこの申立をすることになつておりますが、こういうようなことは、特に規定をしておりませんが、今のお話のように、新憲法によつて当然訴をなす権利があるということに考えてよろしうございますか。
#130
○政府委員(平井富三郎君) さように考えておる次第であります。
#131
○中川以良君 そういたしますと補償を受けました金額に対して、その額に対して不服のある場合も同様に考えてよろしうございますか。
#132
○政府委員(平井富三郎君) 結局額と申しますということは、言葉を換えますれば、通常生ずべき損失の認定の問題になると思います。從つて通常生ずべき損失は、商工大臣なり大藏大臣が決めて、その決まつたものが、いわゆる通常生ずべき損失ということではございませんで、通常生ずべき損失というように客観的に認定される問題であります。それに対して不服がございます場合には、裁判所に出訴するというようになつております。
#133
○中川以良君 もう一つお尋ねいたしまするが、政府から拒まれた場合におきましても同様でございますか。
#134
○政府委員(平井富三郎君) 同様でございます。
#135
○平岡市三君 この損失補償をなす評價決定する時期が非然に重大性を持つて來るだろうと思うのでありますが、それは損失が発生した時期における評價決定であるか、或いはその後のものか、どの時期か知りませんが、評價決定の時期はどこにお置きになるかということを一つお尋ねしたいのであります。
#136
○政府委員(平井富三郎君) 損失発生ということが決定した時であります。
#137
○平岡市三君 今日のこのインフレーシヨンの時期におきましては、たとえ補償を受けましても、その補償の支拂が非常に遅れますと、業者といたしましては大きな損失を蒙むるわけであります。それが今御答弁のような工合に現実の原理から申しますれば、損失発生の時期を標準として決定することが妥当かと思いますが、実際政府のやり方を以て見ますれば、過日の石炭の赤字補償の問題でありましても、非常に遅れて支拂つておるのであります。これはただ金額の問題でないので、業者は莫大なここに損失を被むるわけなんでありまして、これは行政運営の問題と思われますが、そういうことは何か一つ調節する方法がありましようか、それともそれは泣き寝入りだとこういう御解釈でございましようか。
#138
○政府委員(平井富三郎君) これは損失の範囲が結局確定した時期ということになりまするので、その後の補償額の算定、それから支拂というのは行政運営の問題になりますので、こういうインフレ時代におきましては、損失の認定ということがありました場合、直ちに遅滯なくその金額を決定してやつて行くというようにいたして参りたいと思います。
#139
○平岡市三君 そういうふうにお願いいたします。
#140
○中川以良君 損失につきましては、今日の炭鉱の状態を見ましても、資材等が仮に割当がございましても、予定の期日にこれが取得できない。これは政府の方で切符を発行いたしましても現物は非常に遅れる。又輸送の面において制約を受けて、これが入らないいろいろの点におきまして、非常ないわゆる損失を炭鉱は被つておるのでありまして、又資金の面におきましてもこの資金が遅れたためにまあ予期しない損失を受けるというようなことが沢山あるのであります。こういうようなあらゆる面におきまするところの炭鉱経営上における損失というものはどういうように認定をされるか、殊に炭價につきましては公定價格は決まつておる、もう今日各炭鉱の中に黒字を出しておる炭鉱は極く少数しかないという状態でございますが、こういうところに対しまするところの損失は補償をされるのでございましようか、その点を一つ承わりたいと思います。
#141
○政府委員(平井富三郎君) 只今資材の割当があつて、実はそれが融資が非常に遅れておる、これは政府の責任であるから損失として補償するかどうかこういう御質問であると思います。これは命令、指示による損失でないのでございまして、それにつきましては、損失の補償ということはございません。
#142
○中川以良君 そういたしますると、一方においては公定價格で縛られ、一方においては資材を非常に高い値段で買い、又いろいろの制約を受けて、必要な時期に必要量が入らないというようなことがあるのでありまするが、こういう場合の損失は全然見られないのでありますかどうですか。
#143
○政府委員(平井富三郎君) これは先程申上げましたように、公定價格設定の際に、資材費をどれだけ見込むか、こういう問題で解決すべき問題だと思います。これらの損失を全部補償するということになりますれば、これは恐らく完全なる國営というような形になるのであります。
#144
○中川以良君 結局赤字金融というような問題にこれはなると思いますが、これ以上御質問いたしましてもしようがないのでありますが、先般商工大臣は、公定價格は変えない、現在の融資に対しても公定價格を変えなければ、炭鉱は返済計画もできなければ、全く返済も不可能な状態にあるのであります。然らば將來においては、結局はこれは赤字金融と同じようなものになるだろうというような御言明があつたのでありますが、その辺もう一遍承わりたいと思います。これは商工大臣に伺いたい。
#145
○國務大臣(水谷長三郎君) 先日私の答えたところは、大体そういうような見通しが立つということを言いましたのですが、その点は炭價の問題と非常に絡みますので、結局炭價を業者の希望通りのような炭價に引上げることができますれば、それは返りますけれども、併しその炭價が希望通りの炭價にならない場合においては、いろいろの事情によりまして赤字金融になる虞れが十分にあるという意味に一つ御了解願いたいと思います。
#146
○中川以良君 それから今後地方石炭局等が拡充されまして、多くの役人が民間からも入つて、いろいろ炭鉱の管理の業務に携わるのでございますが、私が考えまするに、果して只今政府の考えておられるように、あの大勢の役人に民間のエキスパートを集め得られるか、あの薄給にして、而もあの待迪において立派な人が入るかどうかということを非常にあやぶむものでございます。さようになりますると、恐らく入る人間は相当レベルの低い、而も能力の非常に惡い者が相当に殖えるのではないか、かような者が役人として殖えました場合には、必ずこれはいろいろな惡いことをするということを先ず我々が考えなければなりません。それによりまして炭鉱は非常な迷惑を被むるのではないかということは、今日からすでに想像されるのであります。かような公務員がその職務を行うに当りまして、故意又は過失によつて違法に事業主並びに炭鉱関係の者に加えましたるところの損害の賠償についてはどういうことに相成りますか。これもこれを以て賠償されるのでありますかどうですか。
#147
○政府委員(平井富三郎君) 官吏の違法行爲によつて損失を受けました場合には、この管理法には別段関係ございませんが、一般の官吏の違法行爲による損失は、國家に対して賠償の要求ができます。
#148
○中川以良君 それは先般決まりました國家賠償法に基くものでございますかどうですか。
#149
○政府委員(平井富三郎君) これは憲法の條文に基くものでございまして、ただ何條か私ちよつと忘れましたが、新憲法下におきまして、官吏の違法な行爲によつて損害を受けた場合には、國が補償して行くということに相成つておるのであります。
#150
○中川以良君 それは憲法第十七條及び國家賠償法に基くものじやないかと思いますが、御見解を一つ承わりたい。
#151
○政府委員(平井富三郎君) 國家賠償法であると思いますが、具体的にちよつと法令の関係を忘れましたが、そういう事実がございますことは間違いないと思います。
#152
○中川以良君 そういうようなことは特にこの法令に定めなくても、今の憲法第十七條並びに國家賠償法の規定するところによりまして立派に補償されると私は思うのでありまするが、それでよろしいのでございましようか。
#153
○政府委員(平井富三郎君) そういうように解しております。
#154
○堀末治君 これは私ちよつとこの問題についてお尋ね申上げたいのでありますが、それは「補償金の総額が國会の議決を経た予算の金額を超えない範囲内で、これをしなければならない」、こういうことに決まつております。そうして「補償の金額は、商工大臣が、大藏大臣に協議して、石炭鉱業損失補償審査会の議を経てこれを定める」となつておりまして、幾らかの金額が、審査会の議を経て、商工、大藏両大臣が決定して、予算に計上するわけでございましようが、若しもこれを國会で承認しなかつたときはどうなりますか。
#155
○政府委員(平井富三郎君) これは若し万一國会において承認しないという場合がございますれば、その規定によつて拂えなくなるのでありますが、いわゆる損失補償の規定は法律でありますから、國会がこれを否認するということは、先ずあり得ない問題であります。この法律の規定によつて、その命令によつて生じた損失は補償するということは、これもやはり憲法に淵源を持つ規定でありまして、それによつて法律的に國家が支拂うべきものという一つの関係にありますので、從來の言葉でいえば、いわゆる法律費と申しておりますが、その限度の多いか少いかにつきましては、勿論これは審議いたしますが、予算全体を全部否認してしまうということはあり得ないことと考えております。
#156
○田村文吉君 只今の問題について、分らない点を伺いたいのでありますが明年の四月からこの法律が施行になりますると、三千三百万トンでありまするか出炭をしなれけばならん。それにはいろいろの命令指示を行なつて行かなければならん、こういうことになるわけでありまするから、大体明年度の予算には、この金額は國会にどの位の金額をお出しになりますか。又その金額を出さなければ、出炭の計画は立たぬ。こういうことになるだろうと思うのでありまするが、凡々どのくらいの金額を御予定になつておりまするか、伺いたいと思います。
#157
○政府委員(平井富三郎君) 損失の補償につきまして、一番関連を持ちます指定炭鉱等の範囲がまだ確定しておりませんので、現在どれだけの損失を來年度見込んで予算に計上いたすべきかまだ具体的に算盤を彈いておらない状況でありまして、この法律が施行されまして、指定炭鉱の範囲も管理委員会において決まつて來るという場合におきまして、できるだけ早い機会に、予算の形において提出して参りたい、かように考えております。
#158
○田村文吉君 そういたしますと、予算が決まらない丙は、補償を伴う命令は絶対出せない。又その金額が非常に少なければ出すということに相成るわけでありまするから、折角計画される出炭計画も増産もできないでも止むを得ない、こういうことになるわけであります。殊に昨今の予算の編成は御承知の通りでありまして、いいことでやろうと思つても、財源がないということでは、やるつもりであつたのが、なかなか組めないというような場合が、随分多いのでありまするが、何かこれについての凡その、こうすればこのくらいの補償をすることによつて、どのくらいの石炭が出るのだというような大体の御予定がありませんでしようか。
#159
○政府委員(平井富三郎君) これの命令、指示によつて、具体的にどの程度の損失が出るかという点につきましては、只今申上げました一般的な管理の範囲というものがまだ決定しない時期において、これを申上げかねるのでありますが、要するにこの算定は非常に大ざつぱなものになるわけであります。この予算の範囲内において、これをしなければならない、と言います趣旨は、要するにこれは損失の補償という点についても、財政の負担ということにも関連いたしますので、大体計画的に命令、指示というものを行なつて行かなければならんという、一つの行政のやり方に対する一種の訓示規定的なものであります。且つ損失の出ます時期というものも、必ずしも本年度内にこれだけの損失が出るというふうに予め明確にこれを決定することもできませんので、只今の指定炭鉱等の範囲が或る程度見通しがつき、それに関連いたしまして、いわゆる設備の拡張命令、或いはその命令を出す場合におきましては、企業においてすでに持つておれば命令は出ないわけでありますから、これらの状況と睨み合せて一應の予算を立てて行くという以外には、やりようはないというように考えております。
#160
○田村文吉君 新鉱の開発をお命じになる場合は、その補償は当然この中に入るわけでありますか。
#161
○政府委員(平井富三郎君) それは普通の年度限りの予算というような予算ではございません。從來予算外國庫負担というのがございましたが、ああいう漠然とした形においてなされるというわけであります。
#162
○田村文吉君 新鉱開発にやる場合の助成金か或いか補償金となりまするかは、大体どういうようなめどを以つておやりになる御方針でありますか。
#163
○政府委員(平井富三郎君) ちよつと聽き取れませんでしたが……。
#164
○田村文吉君 新鉱開発をやる場合、例えば一尺について幾らやる、補助をやる、或いはそれがために、石炭は出ないのに、掘進だけは進んで行くというような経費は、全部補償してやるという意味でお取扱になるのでありましようか。新鉱開発について助成なさる或いは補償なさる方針は、大体どういう方針でおいでになる御予定でありますか。
#165
○政府委員(平井富三郎君) 新鉱の開発等に対する損失の補償という問題につきまして、一メートル何円というのは、これは補助金でございます。これはいわゆる補助金でありまして、損失の補償ではございません。損失の補償をどういう形で組むかということは、例えば大ざつぱに申上げると、こういう推定のやり方があると思います。例えば普通のやり方で行けば、三千万トン、この各種の命令を睨み合せて、三百万トン増産する、この三百万トンに一トン幾らという損失が出るのだというようなやり方で行くより仕方がないのではないが、かように考えております。
#166
○田村文吉君 石炭鉱業損失補償審査会は、政令で定めることになつておりますが、これは法律によらないでもよろしいというお考えでありますか。
#167
○政府委員(平井富三郎君) 損失補償委員会、この委員会の構成につきましては、法制局の解釈によりましても、政令を以て定めるということで適当である、こういう解釈であります。
#168
○委員長(稻垣平太郎君) それでは第六章に移りたいと存じます。
 第六章、石炭局についての御質疑をお願いいたします。
#169
○堀末治君 丁度四局おかれることになるのでありますが、大体これで局長以下一局どのくらいの人員で、その総經費はどのくらいかかるか分りませんですか。
#170
○政府委員(平井富三郎君) それは四月一日から実施いたされますので、目下大藏省と折衝を続けておりますのでどの程度の規模になるかということにつきましては、暫く御猶予願いたいと思います。ただ追加予算におきましては、当初施行の時期は政令を以て定める、こういうことになつておりましたので、実は石炭局というものが、この管理を実施して行きます中心の機関になります関係もあり、三月一日から実施し、更に発足するという意図の下に取敢えず現在の商工局において石炭関係を取扱つております人間の定員というものを殖やす、四月一日から本格的に管理に入るように増員いたす。こういう予定で進んでおつたのであります。法律案が修正になりまして、四月一日ということになりましたので、大藏省とも更に改めて折衝をやつておる状況であります。この点暫く御猶予願いたいと思います。
#171
○堀末治君 そうするとその間の準備は商工省と地方商工局でやるわけですか。
#172
○政府委員(平井富三郎君) 石炭局が四月一日から発足いたしますので、來年度の通常予算に石炭局の整備の予算が計上されるわけです。それまで各種の準備がございますが、その事務は商工局において準備を行なつて参りまして、四月一日に石炭局に切り替えることになります。
#173
○田村文吉君 凡その人数とか金額は他官廳との釣合も分つておりましようが、凡そどのくらいになりますか、見当だけでもお知らせ願いたいのですが。
#174
○政府委員(平井富三郎君) 只今申し上げました三月一日から應急的に準備もあり、石炭局だけ先に出発するという場合に考えましたのは、石炭局の職員として約七百名の増員をいたすということで計画いたした次第でございます。
#175
○田村文吉君 來年度はどうなりますでしようか。
#176
○政府委員(平井富三郎君) この指定炭鉱の関係、或いは開発関係の点もありまして、目下大藏省と折衝しておりますので、その点については御勘弁願いたいのでありますが、大体石炭局の職員が七百名では不足であろうとかように考えまして、更に相当大幅な増員を現在折衝しております。
#177
○田村文吉君 別に御責任を負うて頂くわけでありませんが、こういう法律ができるについては、國費がどのぐらい要るものかというくらいの見当は分りませんとこういうことを審議するのに困るのでありますが、これはおよその概算でもよろしゆうございます。どのぐらいの予算が要るのだということくらいはお知らせ頂いても結構じやないかと思います。
#178
○政府委員(平井富三郎君) 只今申し上げました石炭局の七百名というものを相当できるだけ殖やしたいということで、現在大藏省とも折衝しておりますが、方針といたしましては、ただ徒らに人数を殖やすということでは、却つて管理の運用が不適正となりますので、少数精鋭主義で行きたいと考えておりますが、取敢えず石炭局の職員として七百名、これに相当程度の増加、五割程度の増加というような点で現在進んでおります。
#179
○田村文吉君 その点その金額を大体どのぐらい御予定になつておりますかくらいのことは……現に大藏省にどのくらいを貰いたいと御折衝になつておるのが、若しそうなる場合にはどうというぐらいのことはお分りになつていそうなものだと思いますが……。
#180
○政府委員(平井富三郎君) 只今準備として大藏省と話がつきました点は、大体開発関係の機構及び今の石炭管理に必要な人員が殖やすということで、來年の一月から発足するということでありますが、二千万円余であります。
#181
○田村文吉君 それは今年度予算の追加予算でありますか。
#182
○政府委員(平井富三郎君) 約三月分であります。それからちよつと申上げます。その中には調査費も入つておるわけでございます。人件費のみではございません。いわゆる新鉱開発に必要とする調査費等も含めまして、約二千万円が決定されておるような状況でございます。
#183
○田村文吉君 その数から御推定下されても結構でございますが、いよいよこれが実施に移りまして、各地方に石炭局長その他の職員が行かれるわけでありますが、どのくらいの金額に一年の予算はなりますか。
#184
○政府委員(平井富三郎君) その点はあとで書類を見まして御返事申上げたいと思います。
#185
○堀末治君 ちよつと政府委員にお尋ね申上げますが、今のお話ですと、全局で七百名程要るということでございますが、四十三條の規定で局員の過半数は成るべく民間人から採りたい、この法律は特に民間人を多数入れるということが特色だということでありましたが、そうするとあとの半分はいわゆる配置轉換で埋め合せる、こういうおつもりでございますか。
#186
○政府委員(平井富三郎君) 大体三月一日から発足いたします分の予算といたしましては、現在の人員の約倍の人員に整備いたすということで進みましたわけであります。現在の人員の倍の人員を民間人から採りたいと考えております。
#187
○堀末治君 そうすると半分は現在ある人数で間に合せる、こういうわけですか。
#188
○政府委員(平井富三郎君) 現在おる人間及び今後補充される人間も入るわけでございますが、いわゆる官吏の身分、從來の官吏というものが現在石炭行政に携つておる者の数に相当いたします。それに相当数を殖やして行きたいという意図で今やつております。
#189
○堀末治君 行政整理が非常にやかましい時でありますので、私は実際のエキスパートとして民間人から採ることは賛成でありますけれども、相成るべくならば、國費の節約の上、行政整理の上から、より以上エキスパート以外の民間人を採用しないことを特に一つ希望いたして置きます。
#190
○中川以良君 この法案を見ますと、四十四條に「局長は、石炭の生産に関し学識経驗ある一級の商工事務官又は商工技官を以て」云々とございます。それから四十六條に「局員は、石炭の生産に関し学識経驗ある者又は一級若しくは二級の商工事務官」云々とございます。そういたしますと局長は、これで見ますと、民間人からは絶対に採れないということになつておりますがそういうことでございますか。局長には学識経驗ある民間人は採れないということになつておりまして、学識経驗ある一級の商工事務官というふうにここに謳つております。
#191
○政府委員(平井富三郎君) この局長は学識経驗ある一級の商工事務官、商工技官を立てるという理由は、局長は石炭局の長といたしまして、直接管理の仕事を担任いたしておりますので、いわゆる官吏法上の官吏というはつきりした身分を取得することが必要であります。從つて民間人を起用いたします場合は、民間人は官吏の身分を取得してこれに当るということになりますので、「一級の商工事務官又は商工技官」と書きましたので、その頭にわざわざ一石炭の生産に関し学識経驗ある」と書きましたのは、学識経驗ある者を一級の事務官又は技官にいたしまして局長に任ずる、こういう趣旨であります。それからあとの方の局員を「学識経驗ある者」と書いてありますのは、いわゆるワン・ダラー・マンともいいますものでありまして、民間人の身分を保有したまま政府職員として石炭局において執務をする。それから学識経驗ある官吏といいますものは、民間人に官吏の身分を取得せしめて石炭局に勤務いたさせる、こういう意味であります。
#192
○中川以良君 民間から採用されますところの人の待遇をいかようにお考えでしようか。ワン・ダラー・マンというお話でありましたが、今とてもそういう氣持で行く人間はおそらくなかろうと思うのであります。
#193
○政府委員(平井富三郎君) これはできるだけ優秀な人を集めるということでありますので、これを採用いたします場合におきまする給與は、その給與を運用して行きます内規、それの一番いいところで給與して行きたいというふうに考えます。
#194
○中川以良君 これは先般もちよつと私申上げたのでありますが、只今の公團その他最近各方面で、政府が採用されております人の状態を見ましても、どうも政府としては金が拂えないからお前の会社で以て一つこれはなんとか補なえというようなものが往々あるようであります。場合によつては、退職の際に、或る程度の、一年なら一年分二年なら二年分、なんとかやつて呉れというように、内面的の御指導があるようでありますが、今囘のこの炭鉱関係におきまして、仮にそういうことがありといたしますと、やはりその出身会社の糸が引かれておりまして、つながりができて、將來の公務員といたしましての公平を欠くようなことになると思いますので、この点を余程注意いたしませんと、今日予算のない折柄とかくそういう無理な行き方が起ると思います。そうなると、私は、非常に良い人も集まらんという又弊害が起きると思いますので、私は一番これを心配するのでありますが、これは一つ、商工大臣によくお考えを頂きたいと思いますが、これに対して一つ御所見を頂きたいと思います。
#195
○國務大臣(水谷長三郎君) その点は私も最近経驗いたしたのでありまして例えば貿易廳の課長に、民間人から來て貰つたところが、なかなか給與が前程出ないので、辞められる人が一、二あつたというような経驗もあるので、この点に関しましては、特になにか除外例とか、或いは又内規でも作りませんと、折角半分の者をば、民間人から採るという場合においても、非常に支障を來すと思いまして、この点に関しては、なにか給與の点に関しては、便宜の方法を設けまして、民間会社におられた時と、その内容を同じくするように、極力したいと考えております。
#196
○中川以良君 それからもう一つ、私が懸念するのは、さような便法を講じて、民間から入つた者が從來の給與系統の者よりか特別に貰えるということになると、從來おつたところの官吏と非常な不均衡になつて、從來一生懸命長い間働いておつたところの官吏が、非常に不満を抱くと、そこで折角民間から入つても、その間に、そういうような点において摩擦ができるということが往々あり勝でありまして、こういう点は、なにか是正をされるようなお考えを頂きたいと思います。要するにやはり少数精鋭主義でやれば、働く者に十分給與をやるというような方法にお進みにならなければならんと思いますが、この点もう一つ伺います。
#197
○國務大臣(水谷長三郎君) その点は最近官吏の給與が相当上廻るように、今整理されておりますので、その差は非常に縮まつて來るのではないかと考えております。
#198
○大屋晋三君 中川議員から、民間人を今度の役人に採用する場合のいろいろな質疑應答がありましたが、私は特に第四十四條の局長の登用に関しまして、特に商工大臣にお伺いしたいのですが、この四ケ所に設置されますところの局長は、大臣のお氣持といたしましては、官吏を、既成の官僚人を御登用なさるおつもりか、或いは民間人を御登用なさるおつもりか、或いは先のことだから、まだお考えになつておらんということであるか、この辺の点を一つ伺いたい。
#199
○國務大臣(水谷長三郎君) 若し、その時に私が商工大臣でいるかどうか分らんことですが、若し仮にいるといたしますれば、これははつきり申して置きますが、民間人から採用いたします。而もその採用の方法も、或いは参議院でも申したか知りませんが、例えば九州地区の局長は、労資双方の共同推薦によつて、どちらからも納得の行くという人を選んで來てもらつてそれをば商工大臣が承認するというような形を取りたいと思つております。
#200
○大屋晋三君 大変よい御答弁で満足いたします
#201
○委員長(稻垣平太郎君) それでは第六章はそれで御審議を終つたといたしまして、第七章の炭鉱管理委員会について、御審議をお願いいたします。
#202
○帆足計君 私は國家管理委員会の機構についてお尋ねしたいのであります。國家管理をいたしますのには、國家管理をする意思と能力がなくてはならないと思います。その國家管理の意思と能力と申しますのは、重要な石炭政策に対しまして、國民の意思が、即ち誠実な経営者、労働組合、技術者、消費者等の意思が、石炭政策に適切に反映するようになつていなくてはならんと思います。從いまして管理委員会の狙いとするところは、又國家管理の狙いとするところは、國家管理というものが、國家という名の下に、官僚の管理であつてはならないという國民の批評は極めて適切な批評であると思います。從いまして、旧來のようにただ行政というものは官廳だけの、そうして法律の知識のある官吏だけの知識にによつて行政を行うのではなくして、國民のこういう重要な産業の政策に対しましては、國民の体驗、又はその他に基く貴重な知識が政策に反映されねばならんと思います。然るに從來の政府の各委員会を見ますると、私もこれまでいくつかの政府の委員会の委員になりましたけれども、殆んど刺身のつまのような委員会でありまして、甚だしきに至つては、一寸もあるような書類をただ朗読いたしまして、それで委員会の決議をすると、このようなことがもう常住不断の官廳委員会のしきたりでありました。このような委員会のやり方は、以後私は徹底的に改めて頂きたいと思います。でこの普通の官廳の委員会におきましても、仕事の手順というものが決まつておらず、何ら方法論というものがなく、そうして委員に十分な資料を提供し、勉強するような機会を與えるように考えておらず殆んどおざなりのものに過ぎないというのが從來の例でありました。從いまして、この管理委員会に対しまして、これでは單なる刺身のつまになりはしないか、そうして國家管理ということが、單に官僚独善を強化するためのいちじくの葉になりはしないかということが、危惧されておりますことは、当然であろうと考えております。從いまして、お尋ねいたしたい点は、第一にはこの管理委員会は、諮問機関ということになつておりまするが、それはどの程度の重要性を、どういう機能を果すものであるか。第二には、管理委員会の決議のし方はどういうふうにお考えになつておるか。それから第三には私は管理委員会の人の数が多過ぎると考えておりますが、労資双方とも中央では十名ずつ、地方では二十名以内ずつ、となつておりまするけれども、日本の現在の文化水準を以てしまするならば、それ程多くの人が、綜合的に且つ專門の知識を持つておる人の数というものは限られておりまするし、又非常に多くの人がただ議論をしますることは、小田原評議になる虞もありますので、このような点をどのように考えておられますか。更に重要なことは、この委員という者が、労資その他を代表すると申しまして出て参りましても單なる狭い意味の利益代表でありましては、一々経営者團体に帰つて相談し又労働組合に帰つて、皆の意見を聽かなければ、自分の発言は留保しなければならんということでありましたならば、緊急増産に應ずるような愼重な、且つ生産的な審議が行われにくいというような弱点もあろうと思います。その点をどういうふうにお考えでありますか。
 それから最後に、関聯産業の中に、ただこれは石炭鉱業と密接な関係を有する事業というように書いてありまするが、どういう産業をお考えになつておられるか。先ずこれらの点につきまして、そう少し立ち入つた説明を伺いたいと思います。
#203
○國務大臣(水谷長三郎君) この炭鉱管理委員会というものは、決して官僚独善の刺身のつまというような意味でなしに、常置機関的な運用をばこれでやつて行きたい。このように考えております。この管理法案におきましては管理の運用上重要事項は殆んどすべて管理委員会に諮つて達せられるのでございまして、これらの委員会が從來の委員会のようにおざなりに運用されるのでは到底円満な行政を期することはできません。從いまして、現在石炭増産協力会が常任委員制度によつて常置的に運用されておりますように、管理委員会も事実上常置機関としての実質を持たせたい。このように考えております。殊にその地方管理委員会は石炭局機構と一体化するように運用いたす必要がありますので、石炭局の一部を委員会の事務局というようにいたしまして、言わば二枚看板のような形でやつて行く、このように考えておりますので、只今御指摘になりましたようにこの炭鉱管理委員会というものを單なる官僚統制の刺身のつまとするような考えは持つておりませんので、これによりまして、いわゆる從來の官僚統制に陷る弊をば矯めて行きたいと思つておる次第であります。
 それから数をもう少し少くする必要があるのじやないかというような御質問でございましたが、全國炭鉱管理委員会の委員としては、学識経験者が五人の外に労資代表各十人を命ずることになつておりまして、一見人数が多過ぎるように見えますけれども、労資代表の一部はおのおの地方の四地区の代表を以て当てる必要があることを考慮いたしますと、全國的に見まして十人ずつというのはそう必らずしも多くないように思つております。又地方委員会が四十五人となつておるのは、他のおのおのとの地方毎に生産の規模が異なり、これに應ずる石炭局の支局の数及び大きさが異なるために、委員会の下部機構である地区部会の数及び大きさが異つて参りますので、一律に決めず彈力性を持たす趣旨でございます。從つて四十五人というのは、丸々四十五人となるのは九州及び北海道というところは四十五人となりますが、宇部等は二十人位の委員で十分やつて行けるのじやないかと思つております。九州及び北海道はそれぞれ数区の地区部会を持ちまして、通常の事項はこれらの地区部会で決定されるのでございまして、全体の委員が集まつて審議するのは、特定の重要事項に限られておりますので、数の多いことから來る事務の煩瑣というものは避けられるのではないか、このように考えております。あとの足らないところは政府委員から申上げることにいたします。
#204
○政府委員(平井富三郎君) 関連産業に関する委員でありますが、この関連産業を管理委員会の委員にいたします場合に、中央の全國炭鉱管理委員会の委員は、いわゆる石炭の需要者代表というものは五人となつておりますが、石炭の需要者は同時に又関連業者になるものが相当部分であります。例えば鉄鉱業は需要者、鉄鋼業は需要者でありますが、同時に鉄鋼業は石炭鉱業に鉄を供給する関連業ということになりまして、ここでいわゆる表決権を持つた関連業者が委員として参加する。その外に臨時委員といたしまして、石炭鉱業と密接な関係を持つ業種から臨時委員として管理委員会に参加させる。これは一律に人数を決めておりませんので、その卒要性に基いて適当に人数を管理委員会に参加せしめまして、やつて行きたいと考えておる資第であります。
#205
○帆足計君 それでは更にお尋ねいたしますが、管理委員会に諮る、この法案に関連します命令事項を多くは管理委員会に諮るということになつておりますが、この諮るという諮問機関という意味はどういうように考えておられましようか。それからその決議の方法はどういうようにお考えでありますか。
#206
○政府委員(平井富三郎君) ここに諮ると書いてございますのは、これはいわゆる法的にこれを解釈すれば、諮問機関に該当するわけでありますが、特に諮るという言葉を使いました意味はこの石炭の管理を行なつて行きます上の行政上の責任ということは商工大臣がこれを負うものである。或いは地方の場合におきましては、石炭局長がその全責任を負うべきである。即ち議会に対する行政上の責任は内閣が負う。その内閣を具体的に考えますれば、石炭管理については商工大臣が負うという意味におきまして、責任の一元化を図るという趣旨から諮るといたしておる次第であります。併し管理委員会の目的が先程大臣の申上げましたようなところにありますので、これが具体的に運用されるという意味におきまして、管理委員会で議決した事項につきましては、これが決議機関と同様の重みを持つて各商工大臣、石炭局長はその権限を尊重して行政を行なつて行くというようにいたしまして、いわゆる行政の責任のあり方というもののことを明確にいたしますと同時に、そのために生じまする管理委員会と行政機関との間の関係は実質的な運用によつて十分保持し得るものと、かように考えておる次第であります。
#207
○帆足計君 諮問委員会の意思の表明は即ち決議という形になるのですか。
#208
○政府委員(平井富三郎君) これはこの法令には管理委員の議事の方法は別段の規定がございませんが、これは管理委員会における意向を十分斟酌いたしまして、命令によつてこれを決定して行きたいというように考えております。
#209
○帆足計君 炭鉱事業主を代表する者又は炭鉱の從業者を代表する者とありますが、まず第一にはその選出の方法はどういうふうにお考えになつておりますか。
#210
○政府委員(平井富三郎君) この代表する者と書きました意味は、いわゆる政府側におきまして政府側の判断にのみ基きまして、事業主から十名、労働者側から十名というようなやり方をせずに、それぞれの團体によく協議をいたしまして選任をして参りたい、かように考えております。
#211
○帆足計君 只今のは選任の方法でありまするが、私もそのような方法が適当であるとは思つておるのでありますが、代表ということの意味はどういうことでありましようか、先程申上げましたように委員が出まして、石炭増産のために、業界の、又は石炭増産の実情に詳細なる知識を持つておる者が出て、そうしてこの問題を考究審議することは、私は必要であると考えますけれども、それが單なる利益代表として、利益を爭うためだけに重点が置かれる。從いまして又利益代表として一一その母体に戻つて、即ち自分を推薦した團体に戻つて、そうしてその総会の決議に拘束されるとか、そこで少くも了解を得ねばならんということに甚だしく制約されるということになりますと、私は運営が円滑を欠くと思うのであります。勿論それぞれの母体の実情に精通しており、その適切な意思を反映することは私は客観的に必要であろうと存じまするけれども、それの利害に甚だしく拘束されるというようなことにこれが解釈されましたのでは、一々戻つて相談せねばならんということになりまするから、その辺のところは、これを運用なさる大臣又は当局の御意見が明確になつていなければならんと思いますが、どうお考えでありましようか。
#212
○政府委員(平井富三郎君) 代表という言葉を使いましたのは、いわゆる利益代表という意味で、代表という言葉を使つたのではございませんので、この委員の選定の基準は、炭鉱管理委員会の任務というものに即應して委員の選任が行なわるべきであり、又そういう意味において代表する者という言葉を使つておるのであります。つまり代表というのは利益を代表する意味ではございませんで、いわゆる石炭増産上におきまする経営者の主張、労働者の主張というものが、この管理委員会に結集されまして、増産計画達成上必要な施策が行われて行くということを狙いにしたものでございます。ただその委員を選任する場合に、商工大臣の判断のみによつて、例えば事業主から十人というような採り方でなしに、経営者側より十分これは自分らの代表として石炭増産施策について意見を述べる貢献ができるというような意味における代表という意味であります。
#213
○帆足計君 その点につきまして、この括弧の中にちよつと粉らわしい言葉があるのであります。(炭鉱の事業主の利益を代表すると認められる者を除く。)とございますが、これは只今の問題と関連なしに、ただ從業者の定義という意味に解釈していいのですか。
#214
○政府委員(平井富三郎君) その解釈の通りでありまして、この炭鉱の從業者の下にのみ掛かる意味であります。
#215
○帆足計君 先程商工大臣から、この管理委員会が旧來のすべての委員会のような弊害を脱却して、そうして簡素強力な、且つ能率的なものにしますために、そういう体制を取るというお話でありましたが、それは常任委員制度のごときものを設けておやりになるとこういうお考えでございましようか。
#216
○國務大臣(水谷長三郎君) 今あなたのおつしやつたような制度でやつて行きたいと思つております。
#217
○帆足計君 先程の代表する者という意味は私了承いたしましたが、併しながらこれを別なように解釈しまして、事業主は事業主で、自分の所属の鉱業連盟その他に一々正式に戻つて相談しなければ代表にならん。労働組合も亦そのようだというような解釈も人によつては成り立つのではないかと存じますが、その点につきまして、更に明確なお答えをお願いいたしたいのであります。
#218
○政府委員(平井富三郎君) 代表という意味は、只今申上げたような意味でございまして、若しこれを利益代表であり、又同時にすべての事柄につきましてその選挙母体に相談しなければならんということになりますと、或いは選挙で選ぶというようにいわゆる選挙方法等も規定しなければならんわけでありまして、そういうことを省いておる点から見ましても、この代表という言葉は先程申上げましたような趣旨の代表でありまして、委員としてこの國家管理の施策一般につきまして発言して行く。單に推薦母体の利益を代表し、一々それに相談して諮つて行くという必要は亳もございませんし、又そういうような運用は先ず起らんというふうに考えております。
#219
○帆足計君 私はこの國家管理が時勢の要求に從いまして、能率的に且つ円滑に参りますためには、國民の國家管理に対する理解と、それを運用する能力が成熟せねば十分の成果は挙げられないと思います。その意味におきまして経営者團体がよきアソシエイシヨンを持ち、そうして充実した調査機関を持つて、労働組合の諸君も單に生活権を擁護するだけでなくして、当刻業界の建設的な面につきまして充実した調査機関を持ち、建設的な意見を持ち得るようにならなければ、眞に官僚主義の弊害を抑えて、國民自身の能力を十分に反映することはむずかしいと思います。從いましてこの法案の実施と並行しまして、労働組合並びに経営者團体がそれぞれ科学的基礎のある調査能力を充実して行く。一般的に申しますれば國民自身の政治的自覚を高め、文化的教養の水準を高めるということが管理における官僚主義の弊害を除去する基本的な原則であると考えております。從つてそのような観点から、只今政府当局がこの管理委員会に対しまして、從來の官僚主義の弊を一掃し、從來の刺身のつまのような無駄から各種の委員会の弊を徹底的に打破し、この管理委員会の出発に当りましては、管理委員会の機構輸営、それからその方法論を先ず十分に檢討して頂きまして旧養を脱した方法にして頂きたいと存じます。私の質問はこれで打切ります。
#220
○玉置吉之丞君 私はこの管理委員の構成につきまして、商工大臣にお尋ねしたいと思つております。本法は、これは増産を狙つておるのでありますから、私は全國炭鉱管理委員会の中に金融の面の人、又輸送に関する関係者、その他坑木であるとか、そういう資材方面のエキスパートをこの中に入つて貰つて、相談をして行くということが必要であると思います。かように考えるのでありますが、それらの点につきまして学識経驗という中に含まれておるのか、或いは又石炭の需要者というものもこの中に含まれておるかのようにも考えますが、私共は今日の石炭の生産のできない一番重大なる隘路は何処にあるか、主なるものは何であるかと考えますと、大体資金即ち金融の面それから資材の面、これが非常に隘路になつておるように思うのでありますが、こういう側の人をこの中に取り入れるということが必要であろうと思うのであります。そこでまあ炭鉱の事業主とか、労働者という者も無論入らなければならんが、先刻大臣の御説明では全國的に指定地区の関係があるから十名にしたというので、これもよく分るのでありますが、幾らか総体の人を殖やすということが……、帆足君の御意見等のようにもつと減らしたらどうかという御意見もありますが、それを被れ此れ申すのではありませんが、少し山の関係の人を減らしても、この中に金融、資材、輸送というような面のエキスパートを入れるということが、本法の精神を生かす上において、商工大臣の中央にあつては諮問機関としての機能を発揮する上において適切なものでないか、併しながら又地方においても石炭局長の諮問に應ずるために、そういう含みを持つということが最も必要であるかのように考えるのでありますが、その点につきましての御所信はいかがでありますか。
#221
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今玉置さんの御質問でございますが、大体我我の含みといたしましては、石炭の生産に関し「学識経驗ある者」というところへそれらが含まれるものと思つておりますし、更に又修正案の「商工大臣は、必要があると認めるときには、石炭鉱業と密接な関係を有する事業を代表する者を、臨時委員として委嘱することができる。」この二つの活用によりまして大体そういうことはできるのじやないかと思つております。今この臨時委員の制度は地方炭鉱管理委員会にはございませんが、併し資金、資材の面は、大体全國的規模において解決されるものでありますが故に、全國的の炭鉱管理委員会に、そういう「石炭鉱業と密接する関係を有する事業を代表する者」というものを臨時委員として委嘱すれば、十分その点が賄つて行けるのではないかと、このように考えております。
#222
○玉置吉之丞君 大体大臣の考えておられることによつてこの問題は了承いたしましたのでありますが、昨日もいろいろと伺つた第十五條なり第十六條に基いて、炭鉱の経営者、事業主がいろいろなこまごました表を出して行かなければならない。それに基いて生産協議会に諮りまして、いろいろな事業計画なり業務計画も立つわけでありますが、そういうような事柄によつて又炭鉱管理委員会の議に諮らなければならんことができることと思うのでありまするが、こういうことを考えまするというと資材とか、金融とかいう面につきましては、重大なる深い関係を持つことと思うのであります。臨時委員の委嘱につきましては、十分御考慮あらんことをお願い申上げる次第であります。
#223
○田村文吉君 この第七章の炭鉱管理委員会の制度を見ますると、大体に非常にあらつぽく御規定になつておりますので、先刻帆足委員から御尋ねがあつたように何だか刺身のつま見たいで丁度戰時中に各種の委員会が設けられまして、案を出して大体これでよろしうございますか、結構でございますというような形になるようにできておるようなふうに拜見できるのでありまして、先刻大臣の御答弁で、もつとしつかりした氣持で民主的に取り運ぶという意味の炭鉱管理委員会であるという、こういう御答弁であつたのでありますが、それにつきましてお伺いいたしたいのは、炭鉱管理委員会は私の條文の見ようが惡いのですが、任期はありますのですか、ありませんですか。
#224
○政府委員(平井富三郎君) 任期は決まつておりません。
#225
○田村文吉君 そういたしますと、この任免黜陟すべて自由に商工大臣或いは石炭局長がいつでも変えるということができるという意味でありますか。
#226
○政府委員(平井富三郎君) 一應形式的には商工大臣、石炭局長がなし得るわけでありますが、先程申上げましたように、代表する者というような意味で、その選任につきましてはそれぞれの團体と十分協議をいたして行うのであります。從つてこの委員会の運用上或いは交代した方が適当であるというようなことがございますれば、それぞれの件につきまして、又それぞれの関係の團体なりと十分協議をして善処して参りたい。ただ一年であるとか、二年であるとか、或いは半年であるとかいうように法律で画一的に規定する必要はないという意味から、別段の規定を設けなかつた次第であります。
#227
○田村文吉君 重要なことを審議させる機関でありますのに、その任期がなく、いつでも任免黜陟ができるというようなことになつておりますると、私共が惧れますのは、例えば内閣が変つたとか、或いはいずれの党から商工大臣になつた、その都度思わしくないということで、全部入れ替えすることもできるのであります。御承知でもありましようが、労働委員の選定になりまするというと、いわゆる中立委員を選ぶ場合でも、労働者側或いは経営者側から、それぞれの機関によつてその五分の四くらいの人数を選ばせて決定されておるのでありますが、この選任の方法が、いわゆる今日の民主的な運営方法としては甚だ不十分であるというふうに考えられますので、そういたしますると、余りにこれを重要視されておらないというような形に私は見えるのでありまするが、その点についてのお考えいかがでありましようか。
#228
○國務大臣(水谷長三郎君) 任期の点は、大体その委員になられた方が自発的に辞任を申出られるとか、そういうことがない限りは、大体三ケ年間やつて頂きたい、このように考えております。
#229
○田村文吉君 尚只今お尋ねいたしましたように、何かその母体から選出されることについての基準とかいうものを、或いは政令でお設けになつても止むを得ないか知りませんが、何か基準というものをお作りになる必要があるのではありませんか。
#230
○國務大臣(水谷長三郎君) その点は代表するという言葉で現しておりますので、何か政令その他で選挙の手続というようなものは、却つて作らない方がいいのじやないか。大体御案内のように、経営者側におきましても、労働者側におきましても、全國的な組織ができておりますので、それから自主的に選んで來る方が、変な法令なんかでいろいろの規則を作るよりも却つていいのじやないか、このように考えております。
#231
○田村文吉君 もう一つ伺いたいのでありまするが、五十四條の経営者側の代表、労働者側の代表二十人以内となつておりますが、これは同数でなくてもよろしいのでありましようか。
#232
○國務大臣(水谷長三郎君) これは同数でやつて行きたいと思つております。
#233
○田村文吉君 それはこの條文にはございませんね。
#234
○國務大臣(水谷長三郎君) その点は御指摘のように、條文にはありませんが、当然そういうようにして同数にやつて行きたいと思つております。
#235
○田村文吉君 それをはつきりとこれに明示なさる御意思はありませんですか。
#236
○國務大臣(水谷長三郎君) この点は生産協議会その他からしまして、大体この種の委員会におきまして労資同数ということが常識になつておるものですから、その点はいいのじやないか、このように考えております。
#237
○田村文吉君 生産協議会でははつきりとさようなことについての数も示してございますしいたしておりまするが先刻私が申上げましたのは、炭鉱管理委員会等を余り重く御覧にならないのじやないかということを申上げたのはそれぞれの任期もなければ、どういう選挙母体でどういう選挙法をするか、或いは又労働者側の委員と経営者側の委員と同数であつてよいのか惡いのかかような点をお決めになつておりませんので、そこでこれをお決めになつた御趣旨は、やはり在來の地方等で行われておりました普通の委員というようなことで、形式的にお設けになつたのじやないか、こういう私は疑いを持ちましたので、二、三の点について申上げた次第でございます。
#238
○國務大臣(水谷長三郎君) 生産協議会というところでは、具体的な労資の問題が競り合うところでありますからちやんとはつきりと決めて置く必要はあります。併しこの管理委員会というものは、生産協議会とその使命なり本質が全く異なるものでございますが故に、こういう言葉で現わしたのでございますが、その言葉を捕えられて、何だかこれは月並みの委員会のような感が、潜在意識が、政府にあるのじやないかと取られることは、これは從來の政府のやり方が惡かつたから、そういうような御観察も御尤もかどうか知りませんが、自分としては、そういうような軽視するという意味で決めたのではありません。私はむしろこの任期の問題なんかは、法律の有効期間中やつて頂く方が、こういうような常置機関であつて、行政的機構と表裏一体化する委員会としてはよいのでありまして任期を一年とか決めないで、三年間なら三年間、この法律の適用期間やつて貰うというところに、私はこの委員会を重視するこちらの意図があるというように一つ御了解を願いたいと思います。
#239
○田村文吉君 尚細かく伺いますが、若し欠員が生じました場合でも、以内でありますから、別に補充等の必要もないというくらいにお考えになつておりますか。
#240
○國務大臣(水谷長三郎君) 絶えず労資同数の形を保つて行きたいと思つております。從つて一方に欠員ができれば、直ちにその欠員を補充するというようにやつて行きます。
#241
○田村文吉君 もう一つ伺いたいのでありますが、この中に地方炭鉱管理委員会の地区的事項につきましては、委員が分れまして、地区的に審議するわけでありまするが、さような場合の議決方法等について、何らの決めがございませんが、どういうふうに御運びになる御予定でございますか。
#242
○政府委員(平井富三郎君) 地区部会の運用につきましては、五十五條の末項に「地方炭鉱管理委員会は、その定めるところにより」ということがございまして、炭鉱管理委員会において地区部会の運用を決定いたすことになつております。
 それから先程田村さんから御質問のありました石炭局の職員の数でございますが、これを御囘答申上げます。現在確定いたしまして分は、増員分が四百七十名であります。現在員も約四百七十名であります。更に二百名程度殖やす必要があるということで、折衝を続けておる次第であります。
#243
○田村文吉君 その今の数字は三月までの問題でありますか、四月からの人数でありますか。
#244
○政府委員(平井富三郎君) 四百七十名分は三月の第一次の増加分、それから二百名は四月以降直ちに殖やして行きたい。こういうように考えております。
#245
○田村文吉君 凡そ七百名内外の人でやつておいでになる、こういう御予定でございますか。
#246
○政府委員(平井富三郎君) 増加分がその程度になつて行きます。現在員が四百七十名。
#247
○田村文吉君 予算の大体は分りますか。
#248
○政府委員(平井富三郎君) 実は予算の書類が見当らんものでありまして、人数だけはこれは確実な資料であります。金額はちよつとございませんので御勘弁を願います。
#249
○帆足計君 先程御質問いたしましたが、管理委員会が、單に官僚機構の附属物になるようなことは好ましくないと存じまするのは、石炭局或いは管理委員会に対しまして、政府当局におきましては、新機軸を出すというお話でございまして、そうして先般の委員からの質問に対しまして、商工大臣は、官僚統制の事実が頭にこびりついておるから、人情として、皆さんが心配するのは無理からんことであるというような御答弁もございましたが、これは單に人情のせいではなくして、石炭局と雖も、あの厖大なる官僚機構の一環となつておるものでありますから、その可能性は非常に多いと考えるのでございます。又日本の官僚制度に対しまして、國民が心配していろいろ攻撃しますが、その攻撃は、一面、國民における自信の欠如ではないかというような御意見がありましたが、私は確かにそうであると思います。國民自身が政治的竝びに文化的に低いということが官僚独善を相体的に現わしておると思います。從いまして、政府の施策としましては、そのように遅れた國民の能率と文化を引上げ、それを強く政治に反映せしめるように、あらゆる便宜と方法を計るという氣持がなければ、政府の施策は民主化しないのではないかと考えまして、そのような御質問を申上げた次第であります。私は日本の炭鉱の能率の点は、これは企業におきましても封建的であり、勤労におきましても封建的であり、行政におきましても封建的である。一言にして申しますならば、日本のすべてが封建的であることが、僅か三千万トンという世界の水準から見れば僅かな石炭さえ掘れないところの遅れた状況を見る原因であると思います。この点につきましては南北戰爭直後のアメリカの炭鉱業も、まさに日本の現状のごときものである。又産業革命当時のイギリスの炭鉱もそのようなものであります。併しアメリカにおきましては、南北戰爭後におきまして、非常な民主化が進みまして、労働者も目ざめ、経営も責任化され、そうして非常な今日の大増産の前提を作つたのでありますから、結論としましては、一國の生産水準は、結局一國の政治竝びに文化の水準にあるのではないかと思います。從いまして官僚機構を改革して、そうして國民のあらゆる創意と能力とを発揚せしめる、到る処にそういう機会を作るということは、増産上最も重要なことであると思います。ところで管理委員会の機能としましては、五十一條に一、二、三と竝べてありまするけれども、例えば炭價の問題につきましても、最も痛切な問題であるに拘わらず、事が利潤と連関する問題でありますため、そうして利潤という言葉が一種の呪われた言葉になつております関係上、深くこの問題を主張することは、いかにもただ炭鉱業の利益を守るかのごとく思われ勝ちでありまして、そうして適正な價格すらなかなか決められないというような現状になつております。この管理委員会におきまして、炭價問題のごときは、当然能率発揮のことと連関して論議され、そうしてそこで立てられました意見というものが、勿論綜合的な物價対策との連関において、政府は御決定になるでしようが、相当重要視されるということになりますならば、炭價問題の解決のごときは、非常によい効果を齎らすのではないかと思います。その点につきまして政府当局におきましては、管理委員会はそのような機能を持たせるお考であるかどうか、即ち炭價問題に対しまして、管理委員会の意見を相当重視せられるおつもりであるかどうか。これをお伺いいたしたいと思います。
#250
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今帆足委員の申されました炭價の問題なんかは、私といたしましては、小さい文字の三の石炭鉱業の最高能率発揮に関する事項ということがありますので、これで十分に論議されることと思います。更の又めくつて頂きますと、それに炭鉱管理委員会は、石炭生産に関するその事項について関係行政廳に建議することができるということもあるのでございまして、お説のような趣旨はこの炭鉱管理委員会において十分やつて行けると、このように考えております。
#251
○帆足計君 もう一つお伺いしたいのでありますが、先程の業界又は労働組合を代表する委員の点でありますが、組合などにおきまして労働者の役員が始終交代することは御承知の通りであります。そのような点が始終委員会の在任期間に直接影響するのであるのでありましようか、即ち組合の情勢の変化によりまして、管理委員は始終変つて來るのでありましようか、その点をお伺いしたいと思います。
#252
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の御質問でございますが、それは選びました組合から、あの代表は困るからというようなことを言つて來れば別でございますが、そうでない限りは執行委員長が執行委員になるとか、或いは常任委員が執行委員になるとか、こういうようなことによつて、それに應じてそういうように管理委員会の委員が変るという考えは持つておりません。例えて申しますならば、執行委員長が平組合員になりましても、組合から積極的な反対の意思表示がない限りは、その委員は、こちらといたしましては変つて貰うという考えは持つておりません。
#253
○田村文吉君 選ばれる時には両方の立場から選ばれるわけでありますが、これを論議し、やる場合にはすべてその個人の資格でやるものと判断してよろしいのでありますか。
#254
○國務大臣(水谷長三郎君) それは当然なことだと思います。
#255
○委員長(稻垣平太郎君) それでは管理委員会の第七章の御審議を終了いたしまして、第八章の罰則を御審議願います。罰則について御質疑がございませんければ附則を御審議を願います。
 別に御質問ございませんか。
#256
○田村文吉君 この際全部施行される日ということについて、明瞭な記録を殘して頂きたいと思います。政府委員の御説明を頂きたいと思います。
#257
○國務大臣(水谷長三郎君) その点は直つておるのじやありませんか、田村さん。この法律の施行の日からということになつているのですが……。
#258
○委員長(稻垣平太郎君) 田村さんよろしうございますか。
#259
○田村文吉君 結構であります。
#260
○委員長(稻垣平太郎君) それでは別に御質疑がございませんければ、これで本法案の一般質疑並びに逐條審議は終了いたしたことにいたしまして御異議ございませんか。
#261
○委員長(稻垣平太郎君) 御異議ないと認めます。
#262
○宿谷榮一君 ちよつとこの機会に一言大臣に御希望を申上げて置きたい。
#263
○委員長(稻垣平太郎君) よろしうございます。
#264
○宿谷榮一君 御所信と御希望を申上げて置きたい。本案が提案されまして大臣及び政府委員の方はなかなか精根を盡されて、本院にこれが廻りまして只今無事に逐條審議すべてが終了したのであります。これが政府の期待されるように無事通過いたしまして、実施ということになつた場合、かねがね発表しておられましたところの三千万トン、三千三百万トン、順を逐うて生産を挙げて行く。あの数字に対して必ず実現できる。又実現をするという大臣の御覚悟を一度ここでお伺いして置きたいことと、それから不幸にして政府の期待に反し、これが否決になつたというような場合にも、大臣、政府委員皆さんの精根を盡されたこの氣持が鶴嘴の先まで滲透するように、石炭救國の意味を以て十分御熱意を一層盡して頂くことを御希望申上げて置きたいと思うのであります。一應生産を挙げて行くという点について、もう一度大臣の御氣持をはつきりお披瀝を願つて置きたいと思うのであります。
#265
○國務大臣(水谷長三郎君) 私が商工大臣にあります限りは、この法案の運命如何に拘わらず石炭の生産増強に邁進せねばならんということは、これは言うまでもありません。併しながら私の石炭増産の熱意をば百パーセントに遂行するがためには、この法案が可決されることを熱望しておることもこれ亦事実であります。
#266
○委員長(稻垣平太郎君) それではこれで皆さんの非常に御熱心な御審議によりまして、衆議院から見ますと十時間以上も余計な御審議を願つたことに相成つておるのであります。速記録によりますと十三時間御審議を願つたことになつておるのであります。非常に我々として満足いたしておる次第であります。尚明日は午後二時から委員打合会を開きたいと存じます。それから明後日甚だ恐縮ですが、八日の午前九時半から討論採決に入るために、委員会を開きたいと思いますので、さよう御了承を願います。本日はこれを以て散会いたします。有難うございました。
   午後五時三十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     稻垣平太郎君
   理事
           下條 恭兵君
           小林 英三君
           川上 嘉市君
           中川 以良君
   委員
           大畠農夫雄君
           カニエ邦彦君
           濱田 寅藏君
           村尾 重雄君
           荒井 八郎君
           大屋 晋三君
           寺尾  豊君
           平岡 市三君
           堀  末治君
          池田七郎兵衞君
           入交 太藏君
           林屋亀次郎君
          深川榮左エ門君
           鎌田 逸郎君
           佐伯卯四郎君
           宿谷 榮一君
           玉置吉之丞君
           田村 文吉君
           藤井 丙午君
           帆足  計君
           細川 嘉六君
           佐々木良作君
  國務大臣
   商 工 大 臣 水谷長三郎君
   運 輸 大 臣 北村徳太郎君
   労 働 大 臣 米窪 滿亮君
  政府委員
   商工事務官
   (石炭廳管理局
   長)      平井富三郎君
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      伊能繁次郎君
ソース: 国立国会図書館
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