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1972/08/10 第69回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第069回国会 決算委員会 第2号
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1972/08/10 第69回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第069回国会 決算委員会 第2号

#1
第069回国会 決算委員会 第2号
七月十二日
 福田繁芳君委員長辞任につき、その補欠として
 笹山茂太郎君が議院において、委員長に選任さ
 れた。
―――――――――――――――――――――
昭和四十七年八月十日(木曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 笹山茂太郎君
   理事 笠岡  喬君 理事 西宮  弘君
   理事 鳥居 一雄君 理事 吉田 賢一君
      阿部 文男君    菅野和太郎君
      浜田 幸一君    藤本 孝雄君
      松永  光君    森  喜朗君
      山崎平八郎君    坂井 弘一君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 佐々木秀世君
 委員外の出席者
        警察庁交通局長 片岡  誠君
        国税庁直税部所
        得税課長    系  光家君
        運輸省鉄道監督
        局長      秋富 公正君
        運輸省自動車局
        長       小林 正興君
        建設省都市局都
        市計画課長   宮繁  護君
        自治大臣官房審
        議官      森岡  敞君
        会計検査院事務
        総局第三局長  桜木 拳一君
        会計検査院事務
        総局第五局参事
        官       石島 芳夫君
        日本国有鉄道総
        裁       磯崎  叡君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十二日
 辞任         補欠選任
  菅波  茂君     笹山茂太郎君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  大西 正男君     笠岡  喬君
  竹下  登君     中川 俊思君
  丹羽喬四郎君     江藤 隆美君
  村山 達雄君     中山 利生君
  森下 元晴君     阿部 文男君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  芳賀  貢君     美濃 政市君
同日
 辞任         補欠選任
  美濃 政市君     芳賀  貢君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  芳賀  貢君     長谷部七郎君
同日
 辞任         補欠選任
  長谷部七郎君     芳賀  貢君
八月十日
 辞任         補欠選任
  石田 博英君     藤本 孝雄君
  江藤 隆美君     森  喜朗君
  中川 俊思君     松永  光君
  水田三喜男君     山崎平八郎君
  村上信二郎君     浜田 幸一君
同日
 辞任         補欠選任
  浜田 幸一君     村上信二郎君
  藤本 孝雄君     石田 博英君
  松永  光君     中川 俊思君
  森  喜朗君     江藤 隆美君
  山崎平八郎君     水田三喜男君
同日
 理事濱野清吾君七月七日委員辞任につき、その
 補欠として笠岡喬君が理事に当選した。
同日
 理事菅波茂君七月十二日委員辞任につき、その
 補欠として福田繁芳君が理事に当選した。
同日
 理事森下元晴君七月十七日委員辞任につき、そ
 の補欠として中山利生君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
七月十二日
 一、昭和四十五年度一般会計歳入歳出決算
   昭和四十五年度特別会計歳入歳出決算
   昭和四十五年度国税収納金整理資金受払計
   算書
   昭和四十五年度政府関係機関決算書
 二、昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総
   計算書
 三、昭和四十五年度国有財産無償貸付状況総計
   算書
 四、歳入歳出の実況に関する件
 五、国有財産の増減及び現況に関する件
 六、政府関係機関の経理に関する件
 七、国が資本金を出資している法人の会計に関
   する件
 八、国または公社が直接または間接に補助金、
   奨励金、助成金等を交付しまたは貸付金、
   損失補償等の財政援助を与えているものの
   会計に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 昭和四十五年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十五年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十五年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十五年度政府関係機関決算書
 昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十五年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (運輸省所管、日本国有鉄道)
     ――――◇―――――
#2
○笹山委員長 これより会議を開きます。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 今回、はからずも当決算委員会の委員長に選任せられ、その職責の重大さを痛感しておる次第でございます。
 申し上げるまでもなく、当決算委員会は、国の予算の執行等が効率的かつ適正に行なわれておるかどうかについて調査いたしますとともに、その是非を審査する重大なる使命を持つ委員会であります。
 私ははなはだ微力ではありますが、幸いにして練達なる委員各位の御協力によりまして重責を全うし、円滑なる委員会運営を行なってまいりたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
#3
○笹山委員長 この際、おはかりいたします。
 理事濱野清吾君、菅波茂君及び森下元晴君が委員を辞任されましたので、理事が三名欠員になっております。
 これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○笹山委員長 御異議なしと認めます。よって、笠岡喬君、中山利生君及び福田繁芳君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○笹山委員長 昭和四十五年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行ないます。
 まず、運輸大臣から概要説明を求めます。佐々木運輸大臣。
#6
○佐々木国務大臣 昭和四十五年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計について申し上げます。
 歳出予算現額一千九百十三億二千百二十四万円余に対し、支出済み歳出額は一千八百八十四億九千七百七十一万円余でありまして、差し引き二十八億二千三百五十二万円余のうち、翌年度へ繰り越した額が十八億七千四十三万円余、不用となった額が九億五千三百九万円余となっております。
 次に、特別会計について申し上げます。
 まず、第一に、木船再保険特別会計でありますが、収納済み歳入額は四億四千五百二十一万円余であり、支出済み歳出額は一億八千八百四十七万円余でありまして、差し引き二億五千六百七十三万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。
 第二に、自動車損害賠償責任再保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は二千八百八十二億二千六十一万円余であり、支出済み歳出額は一千三百四十一億五千四百六十一万円余でありまして、差し引き一千五百四十億六千六百万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。
 第三に、港湾整備特別会計でありますが、港湾整備及び特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は一千百二十八億一千四十七万円余であり、支出済み歳出額は一千七十三億二百二十八万円余でありまして、差し引き五十五億八百十九万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。
 第四に、自動車検査登録特別会計でありますが、収納済み歳入額は五十五億四千七十一万円余であり、支出済み歳出額は五十二億三千二百七十一万円余でありまして、差し引き三億八百万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。
 第五に、空港整備特別会計でありますが、収納済み歳入額は二百二億五十二万円余であり、支出済み歳出額は百七十八億一千十八万円余でありまして、差し引き二十三億九千三十三万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。
 以上が、昭和四十五年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算の大要でありまして、このうち重点施策につきましては、お手元に配付いたしました資料をごらんいただきたいと存じます。
 最後に、本決算につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾であります。
 指摘を受けた事項につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後、この種の事例の発生を未然に防止するため、より一そう指導監督の徹底をはかる所存であります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 次に、昭和四十五年度日本国有鉄道決算書を国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和四十五年度における日本国有鉄道の運輸成績は、対前年度比、旅客輸送人員は横ばい、旅客輸送人キロは四%増、貨物輸送トン数は一%増、貨物輸送トンキロは四%増となりましたため、収入においては、旅客収入において、対前年度一一%、貨物収入において対前年度四%とそれぞれ増加いたしました。以下、収入支出の内容を勘定別に御説明申し上げます。
 まず、損益勘定におきましては、収入済み額は一兆一千五百五十二億二千五百六十一万円余、支出済み額は一兆一千五百三十九億八千二百二十六万円余でありまして、収入が支出を超過すること十二億四千三百三十四万円余でありますが、これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では昭和四十五年度純損失は一千五百十七億五百五十四万円余となっております。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は予算額一兆一千六百四十二億一千七百十三万円余に対しまして、八十九億九千一百五十二万円余の減収となっておりますが、その内容は、運輸収入におきまして百二十三億三百三十二万円余及び財政再建助成金一千六百五十八万円余が減少したのに対し、雑収入は三十三億二千八百三十八万円余の増収となっております。
 他方、支出は、予算現額一兆一千九百四十七億九千八百六十九万円余に対しまして支出済み額は四百八億一千六百四十三万円余下回っておりますが、そのうち翌年度への繰り越し額は三百十億八百六十七万円余で、残額九十八億七百七十六万円余は不用額となっております。
 次に、資本勘定におきましては、収入済み額は六千三百九十一億二千六百二十五万円余、支出済み額は六千三百八十六億五百四十一万円余であります。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は予算額六千一百三十六億七千六百四十六万円余に対しまして、二百五十四億四千九百七十九万円余の増収となっております。これは損益勘定からの受け入れ二十八億八千九百二十六万円余及び資産充当による二百七十四億五千四百六十八万円余の増があったのに対し、鉄道債券及び借り入れ金四十八億九千四百十五万円余の減少があったことによるものであります。
 他方、支出は、予算現額六千五百四十三億七千九百十一万円余に対しまして一百五十七億七千三百六十九万円余下回っておりますが、そのうち翌年度への繰り越し額は一百五十四億二千三十六万円余で、残額三億五千三百三十三万円余は不用額となっております。
 工事勘定におきましては、収入済み額は四千一百七十一億五千一万円余、支出済み額は四千十四億五千二百四十六万円余であります。
 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は、資本勘定からの受け入れが多かったため、予算額三千九百二十二億五千三百三十二万円余に対しまして二百四十八億九千六百六十八万円余の増収となっております。
 他方、支出は、予算現額四千六百十一億二千一百一万円余に対しまして五百九十六億六千八百五十四万円余下回っておりますが、そのうち五百八十億三千八十五万円余は翌年度への繰り越し額であり、残額十六億三千七百六十九万円余は不用額となっております。
 この工事勘定の内容に関連して主要施策の実績について申し上げますと、日本国有鉄道は、業務運営の能率化を促進し、あわせて安全の確保をはかるとともに財政の再建をはかるため、十カ年間に総額約三兆七千億円にのぼる投資を予定して去りますが、その第二年度に当たる昭和四十五年度における計画事項別決算額は、通勤輸送六百九十七億一千八百三万円余、新幹線一千二百五十億一千二百七十七万円余、幹線輸送力増強九百六億三千九百十万円余、合理化・近代化等八百三十億五百五十八万円余、合計三千六百八十三億七千五百五十万円余となっております。
 最後に、昭和四十五年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。
 以上、昭和四十五年度の日本国有鉄道決算につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。
 何とぞ御審議のほどお願いいたします。
#7
○笹山委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。
 まず桜木会計検査院第三局長。
#8
○桜木会計検査院説明員 昭和四十五年度運輸省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が三件、是正改善の処置を要求したものが一件、本院の注意により当局において処置を講じたものが一件でございます。
 まず、不当事項について説明いたします。
 八三号から八五号までの三件は、公共事業関係補助事業の実施にあたり、工事費の積算が過大になっていたり、施工が設計と相違していたりしていて、国庫補助金の経理が当を得ないと認められるものでございます。
 次に、是正改善の処置を要求したものについて説明いたします。
 空港の滑走路舗装工事の予定価格の積算につきまして、運輸省が定めた積算基準が大規模舗装工事の施工の実情に適合していないなどのため、アスファルトの舗装機械の運転経費やアスファルト舗装工及び路盤工の労務費の積算が適切を欠いていると認められるものが見受けられましたので、今後舗装工事の施工の実態を十分調査検討し、積算基準の内容を整備して、予定価格積算の適正を期する要があると認められたものでございます。
 次に、本院の注意により当局において処置を講じたものについて説明いたします。
 電気需給契約に基づく電気料金につきまして規定料金よりも割安な料金の適用を受けることができるのに、その適用を受けるための処置を講ずることなく規定料金によって電気料金を支払っているのは適切でないと認められましたので、当局に注意いたしましたところ、割安な料金の適用を受けられるよう処置を講じたものでございます。
 なお、以上のほか、昭和四十四年度決算検査報告に掲記いたしましたように、四十四年度検査の進行に伴い、航空交通管制自動化システムの保守請負契約について是正改善の処置を要求いたしましたが、これに対する運輸省の処置状況についても掲記いたしました。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#9
○笹山委員長 次に石島会計検査院第五局参事官。
#10
○石島会計検査院説明員 昭和四十五年度日本国有鉄道の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が二件、是正改善の処置を要求したものが二件でございます。
 まず不当事項について御説明申し上げます。
 一四二号は、東京第一工事局で、総武線の複々線化に伴い、増備車両を収容するために幕張電車基地の敷地を造成しておりますが、この工事費の積算におきまして、土砂切り取りに伴う補助ブルドーザー、仮通路など付随的な作業の費用見込みが合理的でなかったため予定価格が過大になり、結局、本件工事の契約額が割り高になったと認められるものでございます。
 一四三号は、東京第三工事局で、高崎車両基地の増強に伴い、高崎第一機関区の事務所を鉄筋コンクリートづくりの四階建てで新築いたしましたが、この工事におきまして建物の基礎や柱、壁などの鉄筋コンクリートの施工が悪かったため、建物の強度や耐久性が低くなっていると認められるものでございます。
 次に是正改善の処置を要求したものについて説明いたします。
 その一は、山陽新幹線の建設に伴う用地調査測量等の施行についてであります。
 下関工事局では、山陽新幹線予定路線の用地調査測量を発注する場合に、一般の郊外地区間と山間部のトンネル区間を区別しないで、一律に調査測量を行なうこととしております。しかし、トンネル区間は、郊外地区間と違い、土地を買収したりする必要がないところが大部分で、調査測量の対象も複雑ではありませんので、調査測量の幅、作業項目、作業に要する人手は郊外地に比べてかなり少なく済むはずでございます。
 ついては、調査測量の範囲及び歩掛かりを実情に合ったものに改め、調査測量の施行の適正を期する必要があると認めるものであります。
 なお、本件については、処置を要求いたしましたところ、当局においてさっそく積算要領を改め、実情に適合したものにする処置を講じております。
 その二は、車両工場における工場予備品の調達及び管理についてであります。
 日本国有鉄道の車両工場では、車両修繕用の車両部品を工場予備品として常備し、工場で修理の上反復使用することとしておりますが、その増備または補充用として調達する部品は毎年度多額にのぼっております。そこで、この予備品について調達及び管理の適否を検査しましたところ、以下申し上げますような事態が見受けられました。
 まず、予備品の調達について申し上げます。各車両工場では、予備品の準備要求に際し、その数量を年間修繕車両の増加数等を基準にして適宜算定しておりますが、しかし、予備品の性格から見まして、修繕車両数が最も多い月に必要となる数量を各工場で常時保有することにすれば足り、しかも、この最大月間修繕車両数は、前年度にあらかじめ把握できますので、この数量を基準にして、予備品の適正な保有数量を決定し、これをもとにして調達数量を決定すべきであると存じます。また、本社では、新製車両増備の際に、その調達価額を基準にして予備品をあわせて購入しておりますが、しかし、新製車両の定期修繕施行の時期はあらかじめ判明しておりますので、調達にあたっては、修繕の施行時期や各工場の予備品保有状況等を勘案して決定すべきであると存じます。
 予備品調達数量決定にあたり、このような点を考慮したとしますと、調達数量を相当に減少できたことになります。
 次に、予備品の管理について申し上げますと、調達後の経理処理が適切でなかったため、簿外品として資産外に保有されている事例が見受けられましたが、このことはひいて過大調達の一因となり適正でないと存じます。
 つきましては、この際、工場予備品の保有数量算定のための基準を策定して合理的、経済的な調達を確保しますとともに、経理が適正に行なわれますよう適切な処置を講ずる要があるというものでございます。
 なお、以上のほか、昭和四十四年度決算検査報告に掲記いたしましたように、四十四年度検査の進行に伴い、一、コンテナ貨物等積みおろし料の算定について、二、蒸気機関車の廃車及び全般検査の実施について、三、変電所における受電設備の力率について、それぞれ是正改善の処置を要求しましたが、これに対する日本国有鉄道の処置状況についても掲記いたしました。
 以上簡単でございますが、説明を終わります。
#11
○笹山委員長 次に、日本国有鉄道当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。磯崎日本国有鉄道総裁。
#12
○磯崎説明員 昭和四十五年度の日本国有鉄道の決算及び業務について、その概要を御説明申し上げます。
 昭和四十五年度におきましては、万国博覧会の開催、景気動向の変化等の影響を受けまして、旅客及び貨物輸送量は前年よりわずかではございますが増加の傾向を示しました。
 これを収入面で見ますと、営業収入は、旅客収入におきまして八千四百六十二億九千八百十四万円、貨物収入二千五百四十四億四千八百九十五万円、雑収入四百四十九億四千九百三十四万円、合計いたしまして一兆千四百五十六億九千六百四十三万円となっております。
 なお、雑収入の中には、財政再建補助金八十三億四千九百三十四万円、財政再建債利子補給金三十八億七千四百万円が含まれております。
 この営業収入を予算の予定収入と比較いたしますと、旅客収入におきまして二十六億三千三百八万円の増加、貨物収入におきまして百四十九億三千六百四十万円の減少、雑収入におきまして二十二億千七百三十八万円の減少と相なりまして、合計百四十五億二千七十万円下回る結果と相なりました。詳細は別表一につけてございます。
 これを前年度と比較いたしますと、旅客収入におきまして八百六十一億三千九十九万円、率にいたしまして一一%の増加、貨物収入は九十五億六千七十四万円、率にいたしまして四%の増加、雑収入におきまして五十九億六千三百二十三万円、率にいたしまして一五%の増加、合計いたしまして千十六億五千四百九十六万円、率にいたしまして一〇%の増加と相なっております。詳細は別表二にございます。
 次に輸送量でございますが、輸送量につきましては、旅客輸送量千九百三十五億六千百七十七万人キロ、貨物輸送量六百三十四億六千百七十五万トンキロと、それぞれ前年度に比べますと、わずかではございますが増加いたしております。詳細は別表三につけてございます。
 営業経費は、極力経費の節約につとめてまいりましたが、仲裁裁定等による人件費の増加と減価償却費、利子等の資本関係経費の増加がありました結果、営業経費の合計は一兆三千五億九千二百六十七万円を計上するに至りました。
 この内訳は、人件費五千七百二十八億四千三百二十九万円、動力費五百十八億千八百二十二万円、修繕費二千九十二億千四百六十三万円、業務費九百九十八億八千七百三十三万円、租税及び公課百二十六億千五百九万円、以上営業費の計九千四百六十三億七千八百五十六万円、次に資本経費として、利子及び債務取り扱い諸費千五百二十二億千五百十八万円、減価償却費千七百五十三億四千九百三万円、固定資産除却費百十三億三百二十七万円、繰り延べ資産償却費百五十三億四千六百六十三万円、以上資本経費の計が三千五百四十二億千四百十一万円でございます。合計いたしまして一兆三千五億九千二百六十七万円であります。
 以上の結果、営業成績は遺憾ながら営業損失千五百四十八億九千六百二十四万円を計上することとなり、営業外の損益を含めまして純損失は千五百十七億五百五十四万円と相なりました。
 このため、前年度から繰り越されました欠損金四千百三十六億九千百三十万円と合わせまして繰り越し欠損金は五千六百五十三億九千六百八十四万円を計上することと相なりました。
 他面、設備投資につきましては、山陽新幹線の建設、大都市付近の通勤対策、主要幹線の電化及び複線化、貨物輸送の近代化、安全対策等の諸工事を実施いたしました結果、工事経費の決算額は四千十四億五千二百四十七万円を計上いたしました。
 なお、昭和四十五年度の工事経費決算額の事項別内訳は、通勤輸送におきまして七百八十四億八千五百六十七万円、新幹線千三百五十三億二千三百五十二万円、幹線輸送力増強九百五十六億千四百九万円、合理化・近代化等九百二十億二千九百十九万円、合計四千十四億五千二百四十七万円でございます。
 この設備資金の調達は、主として外部資金によりました。外部資金調達額は、資金運用部等からの借り入れ金が三千百億円、鉄道債券発行額二千五百七十五億九千百三十万円、合計いたしまして五千六百七十五億九千百三十万円でございます。また、債務の償還額は二千百三十億千九百四十万円でございまして、この結果、長期負債は前年度に比較いたしまして三千五百四十五億七千百九十万円増加いたしまして、昭和四十五年度末におきまして二兆六千三十七億五百六十六万円と相なりました。
 このため、資本総額のうちに占めます負債の比率は、前年度の七六%から八一%と相なった次第でございます。
 最後に、昭和四十五年度の予算執行につきましては、ただいま会計検査院から不当事項二件と是正改善の処置を要求されました事項二件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでございまして、今後、さらに綱紀の粛正と予算の効率的運用に一段の努力をいたす所存でございます。
 以上、たいへん簡単でございますが、御報告を終わります。
#13
○笹山委員長 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#14
○笹山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西宮弘君。
#15
○西宮委員 質問に先立ちまして、ひとつ委員長にお願いをしておきたいと思うのでありますが、先ほど理事会で、きょうは大臣が参議院のほうに行かれる、こういうことで質問の時間の設定をいたしたわけでありますが、そのとき想定いたしました当局のそれぞれの説明が、予定された時間等から見ますと、これを何倍もオーバーしているわけであります。したがって、最初予定したようなそういう時間帯ではとうてい質問ができませんので、大臣にはせめて一時ごろまでぜひおっていただきたい。しかし、もちろん質問の進行いかんによりまして、各委員の質問が終わればすぐお引き取り願ってけっこうでございますから、これは進行状況と見合って委員長にしかるべく適宜判断をしていただきたいのでありますが、とにかく先ほど理事会で設定いたしました時間帯の中ではとうてい消化できないということだけはきわめて明瞭になったわけでありますから、その点だけは十分委員長においてお含みを願いたいと思います。
 さて、私は交通輸送の関係についてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、交通輸送の関係と申しますと、陸、海、空あるわけでありますが、そのうち私は陸の問題だけ、さらにその陸についても交通手段としてはバスの問題だけ、それに限ってお尋ねをしたいと思うのであります。そのバスにもさらにいろいろございまして、国鉄のパスあるいは公共企業体がやっておりますバス、民営のバス、いろいろあるわけであります。国鉄はもちろん一つでありますけれども、公共企業体が五十一、民営のバスが二百九十三、合計三百四十五の企業体がある、こういうことでありますけれども、私は、時間の関係もありますので、きょうは主としてその二百九十三といわれます民営バスを中心にしてお尋ねをいたしたいと思います。もちろんそれに限定するわけではありませんから、他のバスについてもお尋ねをいたしますが、重点をそこに置いてお尋ねをしたいと考えます。
 まず第一にお尋ねいたしたいのは、現在このようなバスが、これは民営のバスはもとより、さらに公共団体が経常をいたしております、公共企業体としてやっておりますバスともに同じような経営難に直面をしておるわけでありますが、一つは、過密地帯、これが要するに輸送の効率がきわめて低下をしている、こういうことのために起こる障害であります。それから過疎地帯、これは需要が著しく減退をしたということによって起こっている障害であります。同一の産業で、このように両面から、しかもそれぞれ別個の理由によって攻撃を受ける、そういう企業体はあまりほかに例がないのではないかと思うのでありますが、こういう現実に対しましてまず運輸大臣としてはどういう態度でこの問題の解決に臨んでおられるのか、お尋ねをいたします。
#16
○佐々木国務大臣 お答えいたします。お話しのように道路バスが最近、地域住民のためには必要欠くべからざる交通機関でありますにもかかわらず、過密地帯あるいは過疎地帯ともに非常に経営困難におちいっております。もちろん過密地帯におきましては交通の渋滞、あるいは過疎地帯におきましては乗客の減少というようなものが著しくなってきたということと、あるいは最近自家用自動車が非常に多くなりましたとか、こういうふうないろいろな原因が数えられるわけであります。
 そこで運輸省といたしましては、こういう中にありましても、バス路線というものはやはり地域住民のために何とかこれは維持していかなくちゃならぬ、こういうことで、昭和四十七年度の予算におきましても、これらに対するところの助成措置を従来の約三倍程度の予算を確保いたしました。しかし、どこまでもこれは民営でございますので、事業者の努力を待つことは当然でありますけれども、バスの購入費の補助の問題とかあるいはその他いろいろな助成問題をできるだけ積極的にやろうと考えておりまして、明年度予算におきましてはなお一そうの努力を続ける決意で、ただいま検討中でございます。
#17
○西宮委員 ただいま申しましたように、あるいは大臣も抽象的に御答弁があったわけでありますが、運輸省の調査によりましても、調査された百四十七社のうちで、昭和四十一年には八八%の企業体が利益を計上しておった。ところが、四十四年、わずか三年の間に逆に五九%が赤字を計上している。こういう状況になっておるというのでありますから、おそらく今日はさらにこれは進行していると思います。
 私は、まず第一に過疎問題についてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、これもやはり運輸省の発表によりますると、四十四年には四百九路線二千百キロが廃止され、さらに四十五年には五百八十九路線、約四千キロが廃止になっている。こういうことでありますが、こういうふうに路線が廃止、休止になりますると、まず住民からは最後の公共的な交通手段を奪ってしまう、そうして第二には労働者からは職場を奪ってしまう、こういうことになるわけでありまして、しかも、そのようになった結果は、その過疎地帯はだんだんに循環的に縮小再生産とでも申しますか、とにかく悪循環が繰り返されて、ますます地域社会は循環的に縮小していく、こういうことになっておるわけであります。まず過疎の問題については、そういうふうに過疎におちいっていくという原因をなくしていく、つまり、主として農山村でありますから、農業なり林業なり、これを振興するというようなことが当然必要なわけでありまして、われわれはそういう点についても徹底した施策が政府全体としてとられなければならぬということを考えるわけでありますが、こういう過疎化現象に対しまして、いま大臣は、今回は前年の三倍の予算を計上した、こういうお話であります。それはもちろんけっこうではありますけれども、しかし、その程度ではとうていこの窮迫した状況は救えないというのが現在の実態であります。
 いま大臣、自家用車がふえたというお話をされましたが、それも過疎化バス等について経営を困難にする理由の一つになっておると思いますけれども、ただ、ちょっと申し上げておきたいと思うのでありますが、それは自家用車がふえましても、それによって地域住民が自家用車のために救われておるという状況にはなっておらないと思うのです。なぜならば、自家用車ができましても、この自家用車を利用しておる者は、たいていの場合、一家の中心となっております人、その人がたとえばどこかに通勤をするとか、そういうのに使われてしまって、あとに残った老人であるとか婦女子あるいは病人、そういうものは依然としてその地域社会の中にそのまま残されておるわけです。ですから、自家用車ができたからといって、それで救われるわけでは決してないのであります。どうですか。来年度は思い切った措置を考えるというお話でしたが、どの程度のことを考えておられるのか、ちょっとお漏らしを願いたいと思います。
#18
○佐々木国務大臣 ただいま数字は出ておりませんけれども、先ほどお答えしたように、昨年度の三倍ですから、それ以上の予算的措置は講ずるつもりでございます。しかし、ただいま数字を申し上げる時期は、もうしばらくひとつお待ちを願いたいと存じます。
#19
○西宮委員 もちろん去年よりは、大いにがんばるというのだから、三倍以上になることは当然でありましょうけれども、そんな程度ではとうていいまの状態を改善するということはできないという実態でございます。もしこのバスが、民営のバスにしても、これは要するに民間の企業体でありますけれども、しかし、これはやはり絶対に存続をさせなければならぬ必要性があるわけでありますね。しかも、いま現にやっておりますのは、経営者のほうから申しましても、さっき言ったように、半分以上のものがすでに赤字を出している、こういう状況では経営者が当然期待するであろう適正な利潤というようなものも得られないわけだし、あるいは労働者の賃金などを見ましても、民間の私鉄バスに勤務をしております労働者の条件は非常に悪いわけであります。
 これは、中労委が毎年資料を発表しておりますけれども、運輸省でお出しになりましたこの統計表などを見ましても、たとえばこれはずっとバスが非常によかった時代から条件は悪いわけでありまして、一般の男子従業員に比べると、四十年時代で六千九百六十四円から六千九百九十九円と、七千円程度の格差があった。それがさらに四十六年になりますと、九千六百二十三円から一万四百十円と、こういう格差が発表されております。さらにそれを年齢別に、三十五歳から三十九歳まで、あるいは四十五歳から四十九歳まで、その辺を拾ってみますと、そういう高年齢になるに従って格差がますます開いていく、こういうことであります。この私鉄のバスの労働者の場合は、一般従業員に比べて学歴差が問題だ、かりにその点を組み入れて比較をいたしましても、たとえば特にバスの場合に、大手九社だけの平均賃金と比べても、なおかつ三千二百円の格差がある。こういう状態でありまして、片や経営者は適正なる利潤を得ることができない、片や労働者はそういう低賃金に甘んじながら労働強化をされておる、こういう実態であります。大臣は一体、こういうバス、民営のバス、これはどうしても存続させなければならないものだというふうにその必要性を強く考えておられるのかどうか。これはたいへん失礼な質問かもしれませんけれども、大臣はこういう民営企業の存在の必要性ということをどの程度にお考えか、お答え願いたいと思います。
#20
○佐々木国務大臣 過疎地帯に対する交通行政だけでなくて、過疎地帯に居住される方々というものは日本国全体のために、地域開発というものに貢献度が非常に高いと私は思います。あらゆる不便をこらえて地域開発のために協力してくださいました人たちのためには、お話しのような、ある程度のバスの赤字などがありましても、これは政府は親心をもって積極的な援助対策を講ずるということは当然だろうと思います。ことに私に対して、おまえはどうかという御質問でございますが、私などは、ことに北海道という地方の過疎地帯の多いところでありますから、過疎地帯に住まわれる方々の気持ちはよくわかりますから、明年度こういうバスに対する助成の問題は思い切った措置をとりたい、こういうことを考えますから、この点で御理解を願いたいと思います。
 ただ、先ほどから数字をあげられればあげろということでございますが、事務当局との連絡をいまいたしてみましたが、事務当局のほうも大蔵省と積極的な交渉をしておるようであります。大蔵省のほうもこのことについてはだいぶ理解を示しておるようだということであります。数字の点だけは申し上げられませんが、御期待に沿うような予算的措置ができるのではないか、こう私は考えております。
#21
○西宮委員 必ずしも銭を出すということだけではないと思うのですね。たとえば運輸系統の再編成であるとか、あるいは車両を小型化していく問題であるとか、いろいろあると思います。そのほか補助金を出すということ以外に、私は、税金の問題あるいはまた資金の融資の問題ですね、しかも長期、低利の融資をするというようなことも当然考えらるべきだと思う。たとえば海運業などには三・五%から五%の融資がされている。こういうものをバスに対して考えることはできないのかということを一つ質問いたします。
 それから税金の問題については、これまた自動車税、自動車取得税あるいは自動車重量税というような問題、その他揮発油税であるとか、とにかく自動車に関係する税金の種類が多過ぎるのですね。非常に繁雑なんですな。こういう点も重大な問題だと思うのです。
 それでは、長期、低利の融資という問題と税制の再検討という点についてお答えいただきたいと思います。
#22
○佐々木国務大臣 長期融資並びに税金等、西宮先生の御意見を貴重な御意見として含めまして明年度の対策を講じたい、こう考えております。
#23
○西宮委員 それでは具体的にお尋ねをいたしますが、たとえば自動車重量税を総理は今度は三倍にしようというようなことを言っておられますが、大臣はそれに対してはどうお考えですか。
#24
○佐々木国務大臣 これに対してはまだ具体的に総理からの指示を受けておりませんので、それに対する私の意見は申し控えさせていただきたいと思います。
#25
○西宮委員 それでは、総理からそういう相談を受けたときにはどうするかという大臣としての決意をお聞きしたいと思うのです。第一、自動車重量税というものは、バスの場合には要するに人を乗せて走って、それで営業するというのがバスの使命なんでありますから、相当大型の車両を使わなくちゃならぬというのも当然なんで、それを重量で税金を取られるというのは私は合理的じゃないという気がするわけです。いわんやそれを今度大幅に上げるのだ、こういうことになったら、ますます経営が悪化するということは目に見えているわけです。それでは総理からそういう相談がありましたときには、大臣は運輸大臣としてどう対処されますか。
#26
○佐々木国務大臣 税金の問題につきましては、国会を通過した問題に対して、政府・与党の閣僚としてはそれに従わざるを得ません。ただ、現在あります重量税をどう見るかということは、国会のその部門の英知をしぼって結論が出ると思いますから、その結論に従いたいと思います。
#27
○西宮委員 大臣がしばしば答弁をされました補助金の問題ですね。この問題もいろいろ問題をかかえていると思いますけれども、そのうちの一つは、乗車密度が五人以下のものは対象にしないわけですね。ということになると、乗車密度五人以下というのは、もう当然にそこは完全になくなってよろしいんだ、こういうことになる。そのバスはなくなってよろしい、もうあとかってにしろ、そういうことになるわけで、私はこれは重大な問題だと思うのです。その点はどういうふうにお考えか。
 それから、先ほど来数字はいま説明する段階ではないということを言っておられますから、それは私も了解いたします。しかし去年の例を見ますると、去年は運輸省は十四億五千万の予算の要求をしたわけですよ。そしてそのときの運輸省側の説明によりますると、それでいま助成の対象になっております三千六百の生活路線のまず大半はカバーできる、こういうふうに説明がされておったわけです。ところが実際に計上された予算は四億何がしということになったわけですね。十四億五千万の要求をして、その小さいほうが削られたのではなしに、大きいほうの十億のほうが削られちゃって、残ったのが四億何がし、こういうことで関係住民は非常に失望をしたわけであります。現在の生活路線を全部カバーしていくためにはどの程度の予算が必要なのか、これは大臣でなくてもけっこうですけれども、お答えを願います。
#28
○佐々木国務大臣 先ほどの五人未満の廃止の問題については、簡単に廃止しようなどとは考えておりません。市町村とよく話し合いをしてからでなければそういう結論は出さない、こういう考えでいきたいと思います。
 それから、いまの前年度の十四億何がしのことは、私よく承知しておりませんので、局長から答えさせます。
#29
○西宮委員 局長からは、去年の経過はどうでもよろしいから、いまの生活路線を全部カバーするためには幾らあったら間に合うのだというお答えをしていただきたい。
#30
○小林説明員 昨年度から現在まで過疎地域のバスの維持対策というものを全く新たに考え出したわけでございますが、その方式は、今後各都道府県におきまして、一定の地域を定めて、その整備地域の中において今後の路線のあり方というものをきめていく、その過程におきまして、五人から十五人というような非常に乗車密度の低い路線をどういうふうにきめていくかということがまずきまりませんと、全体でそれの対象になりますキロ数というものは正確には出てまいらないわけでございます。したがって、はっきりとした数字といたしましては、現在考えておりますそういう方式によって、これから各都道府県ごとに整備地域について作業を始めるわけでございますが、大まかに言いまして、現在の五人から十五人の路線を維持するためには、おおむね十数億あれば足りるかというふうに思っております。
#31
○西宮委員 私は、十数億という金ならば、社会党流の言い方になるかもしれませんけれども、ファントム一機節約すれば、それでもうおつりがくるわけですよ。それで日本の過疎地帯の足を奪われる住民が救われるというならば、一機ファントムを節約してもらって、それでもう十分償って余りがあるという状況ですから、私はぜひともその程度の金は過疎地帯の住民のために投ずるというのが政府全体の姿勢の中にあってしかるべきだと思うのです。去年も約十五億の金を要求して、いまのような予算に削られてしまったというようなことでは、まことに私は残念だと思うんですよ。少し余分なことを申し上げるかもしれませんけれども、私は、ああいう飛行機などを幾ら日本で備えても、それで日本の国は守れないんじゃないかと思うんですよ。なぜならば、爆撃機を山のようにつくってみても、それを動かす油がないんですから、そういうものをどんなに拡充しても、日本は平和でなくなったらもう何も動かなくなっちゃうわけです。戦争はしない、そういう立場で日本の国を守るという以外に日本の国を守る方法はない、手段はない。爆撃機をたくさんつくって、それで日本の国土防衛が完全にできるのだというなら、話はまた別なんですけれども、日本の場合はそれは不可能なんですから、そんなものに金をかけるよりは、むしろ困っておる地域の住民を助けるということのほうがはるかに重大な意義を持っておるというふうに私は考えるわけなんです。大臣、去年でさえ十五億の予算を要求したのですから、十数億というような金では、いまの状況、さらにまたますます刻々としてその状況は悪化しておるわけですから、それを救うのにはとうてい間に合わない、対処し切れないというふうに私は考えるわけなんですが、もう一点だけ、くどいようですけれども、これに臨む大臣の決意を明らかにしていただきたいと思います。
#32
○佐々木国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、先生の御意見を十分尊重いたしまして、いろんな点から、単なる金だけじゃだめだというお話もありましたが、やはり助成金の問題から税金の問題から、あるいはその他労働者に対する待遇改善の問題から含めまして最善の努力を尽くしたい、こう思っております。
#33
○西宮委員 先ほど大臣は、たとえば五人未満のところでもかってに廃止しない、十分市町村と連絡をしてやるのだ、こういうことを言っておられましたけれども、私はそれはたいへんけっこうなことだと思う。したがって、そういう路線の休止、廃止というような場合には、利用者の代表、団体等があればそれでもいいかもしれませんけれども、まず一番利害を感ずるのは地方自治体だと思います。したがって、必ず自治体の意見を徴して最終的に決定をするという方法をぜひ確立していただきたいというふうに考えるわけですが、先ほど御答弁もありましたが、重ねてその点をお尋ねしておきたいと思います。
#34
○佐々木国務大臣 御趣旨は賛成でありますが、従来の慣例もございますので、それらをよく調べまして善処したい、こう考えております。
#35
○西宮委員 つまり私が申し上げたのは、非常に公共的な性格の強い企業でありますから、それが単に企業のコマーシャルベースというようなことだけでかってに措置をするということではなしに、利用者を代表する市町村あるいはまたこれに従事をしております労働者を代表する労働者側の意見、そういうものを十分聞いてその上で処置を決定するということを、これはぜひともそういう方法を確立してもらいたいということを申し上げたいと思うのであります。
 それに関連いたしまして、このバス企業というのは全く民営の企業ではありますけれども、だんだんに公共的な性格が強くなってきたということは明らかだと思うのです。国が助成をしたり、あるいはまた自治体等が相当の助成をしておるところもたくさんあるようであります。そういうことからだんだんに公共的な性格が強くなってきた。したがって、これをさらに進めますると、たとえば公社化していく、こういうことも一つの志向すべき方向ではないかというふうに考えるわけですが、大臣はその点についてどうお考えでしょうか。
#36
○佐々木国務大臣 過疎地帯とかその方面のバス経営に公社制度をとるかとらないかというところまではいま考えておりません。
#37
○西宮委員 それでは、たとえば地方の公共団体等も現に補助しておるというようなところがあるわけでありますが、さらにその公共団体が投資をする、特に都道府県などが投資をする、こういう傾向もだんだんあらわれてきておるようでありますが、これは運輸省としてもそういう点を助長して指導されて、利害関係を非常に強く持っております公共団体もそれに思い切って投資をする、こういうようなことも指導してやらせていただきたいというふうに思うのですが、いかがですか。
#38
○佐々木国務大臣 一つの御意見として検討はしてみますが、いまのところ運輸省が投資するというようなことは考えてもおりませんが、ひとつ貴重な御意見として考えさせてもらいます。
#39
○西宮委員 これから考えるというならそれでもけっこうでありますが、とにかくそういう傾向がすでに出ておりますから、ぜひその点は運輸省でもこれを助長するようにしてもらいたいと思います。
 申し合わせに従いまして、私、大臣に対する質問時間が制限されておりますので、もう一つ、これはむしろ過密地帯の問題でありますけれども、車を制限をする、こういうことがたとえば関係閣僚の間で決定された総合交通体系ですか、あの中に明瞭にうたわれているわけです。そのいわゆる車の規制というような問題について大臣にお尋ねをいたしたいのは、私は、何といっても、ああいう大きな都市におきましては、車の規制、特に自家用車の規制ということが非常に重大な問題だと思うわけです。それなしには過密地帯のいまの混乱を緩和するということはできないと思うのです。そこで、この規制にあたって、運輸大臣としてはどういうお考えでこれに臨まれるか。それからさらにもっとこれを徹底させれば、私は、現在の自動車のメーカーに対して生産を制限する、あるいはまた国内における販売数量を制限する、こういうような問題も当然に考えなければならぬ事態にきているのじゃないかと考えますが、その点いかがですか。
#40
○佐々木国務大臣 自動車の交通規制等の問題は、私のほうの所管というよりも、むしろ取り締まり、警察関係が重点だろうと思いますが、しかしながら過密都市の交通問題は放置してはおけませんので、運輸省といたしましては、この対策は重大な問題として取り上げております。そのためには、取り締まり当局との協議、あるいはまた自動車だけではなくて地下鉄の新たな計画を立てるとか、あるいはモノレールによるところの交通緩和をはかるとか、こういうような運輸省としてやらねばならないような施策は積極的にやっていこう、こういうことにいま力を入れております。
#41
○西宮委員 いま御答弁になりましたたとえば地下鉄とかあるいはモノレールとか、そういう高速大量輸送機関というものを当然つくらなければならぬ。だから大都市にはそういうものをつくって、その都市内の交通はそれで充当する、したがっていわゆるマイカーなどはもうその都市には入れない、こういうような体制が当然それと平行しなければならぬわけだと思うのです。一方においてそういうものを用意するということ、つまり地下鉄とかモノレール、そういうものを用意することと同時に、マイカー等は規制するというようなことは必要だと思うのです。これは所管官庁も違いましょうから、その点はまたあとでゆっくりお尋ねをいたしますが、大臣、さっき最後に一つお尋ねをした車の生産制限あるいは販売制限、こういう点についていかがですか。
#42
○佐々木国務大臣 車の生産規制の問題は、これは通産省との関係もございますが、運輸省といたしましては、公害のない車を明年度からつくってもらおうということで、その方面に重点を置いておりまして、生産規制ということについては、ただいま具体的にどうこうするというところまでは参っておりません。しかし、いずれそういう問題が担当省から出てくる問題じゃなかろうかということは考えられます。
#43
○西宮委員 政府委員に対する質問を保留いたしまして、一応私これで……。
#44
○笹山委員長 鳥居一雄君。
#45
○鳥居委員 ただいまの論議に引き続きまして、特に陸運の行政でありますが、タクシーにしぼってお伺いしたいと思います。
 まず、乗り合いバスとタクシーは、単なる大きさの違いだけでなくて、機能の上で大きな違いがあるのだろうと思うのですが、法律ではどういうふうにきめられておりますか。
#46
○小林説明員 乗り合いバスとタクシーは、法律上、事業種別が別になっておりまして、簡単に申し上げますと、一個の運送契約で車両を一車借り切って、そして運送するというのがハイヤーまたはタクシーということになるわけです。乗り合いは、いわば鉄道のように旅客が乗り合わせるというようなことでございます。したがって運送行為といたしましては、個々の旅客と運送人という関係で運送契約が結ばれるということで、全く別の業種でございますし、そういった点、機能上も別の機能を果たしておるわけでございます。
#47
○鳥居委員 最近、大都市の周辺、特にベッドタウンにあたる、まあ千葉県でいいますと総武線の沿線、それから常磐線の沿線、これらでもう著しい傾向が見られるわけですが、タクシーがバスと同じように乗り合いで動く、こういう現象があります。しかも夜の九時過ぎの時間、終電車前後の時間、これはもうたいへんな問題になっております。この問題につきまして順次伺っていきたいと思うのですが、いまの自動車局長のお話で、タクシーというのは道路運送法でも一般乗用旅客自動車運送事業、法律第三条第二項第三号で示されておりますけれども、乗り合い運送を行なうことは法律的に禁止されているはずであります。タクシーがもし相乗りをした場合、これは認めていいものかどうか、まずこの点運輸当局に伺います。
#48
○小林説明員 タクシーに現実に相乗りの形態があらわれていることは先生御指摘のとおりでございます。その際に、乗客の方々が一定の方向に一緒に団体を組んで、そして一個の契約としてお乗りになるというような場合には、数人でタクシーを利用になるということが、いかなる場合でも違法であるかどうかということについては非常に問題があろうかと思います。ただ、先生御指摘の相乗りタクシーという場合に、運転手が個々の乗客を集めまして、そして一人幾らというような運賃を取って、そして一人当たりはかりに安くても、全体としての運賃が一車貸し切り運賃よりも高くなる、こういうことになるような形態の相乗りタクシーというようなものは、運賃の面からいっても違法な問題だろうと思います。
#49
○鳥居委員 要するに、言わんとされることは、違法か違法じゃないかということは、契約が一つであるか、四人乗った場合四つであるかということが違反かどうかのきめ手ですね。どうですか。
#50
○小林説明員 おおむねそういうことでございます。
#51
○鳥居委員 それでは具体的な事例をあげます。
 まず例の一、これは国電の総武線津田沼駅でありますけれども、津田沼駅から公団袖ケ浦団地までタクシーメーターにしまして百七十円です。例の一、袖ケ浦団地に住むサラリーマン、勤務先日本橋、五月の連休で行楽地が込み合うのではずして、土曜日に家族を連れて四人で郊外に出た、帰りが十時過ぎまして津田沼駅に下車して行列に並んだ、タクシーは乗り合いでメーターが百七十円のところで下車したけれども、運転手に、御家族かもしれないがこの時間は皆さんから百五十円ずついただくことになっています、と言われ、私は六百円支払った、こんなことが公然とまかり通ってよいものか、法治国家だのにまるで無政府状態だ、終バス後は一人二百円取るというからたいへんなことだ、こう指摘しております。
 例の二、同じく住宅公団の袖ケ浦団地であります。主婦四十三歳、親類をたずねて帰りが国電津田沼駅に十一時過ぎにおりた、みんなかけ足でタクシー乗り場に急ぐ様子を見て終戦時の混乱を思い出した、なぜ大あわてにあわてなければ列に並べないのか、それは帰宅で一刻を争う男性心理なのか、実はおりた電車で一番先に並ぶと最後に並ぶとでは二十分違うからだという、前の電車の客がその前の電車の客に続いて、この時間になると三十分から四十分待つのが常識で、おまけにタクシーの相乗りである、運輸省は一体夜のタクシーを求める乗客がこんな修羅場にいるのを知らないのだろうか、要約こういうふうに言っております。
 例の三、習志野市大久保から東京丸の内に通勤するサラリーマン、二十八歳、夜の十一時ごろの帰宅になると、いつも、袖ケ浦団地のお客さん、と呼び声がかかって、とても大久保まで行ってくれるタクシーはいない、いつもたくさん台数があるのに拾うのが一苦労で、県道へ出て千葉方面へ向かうタクシーを拾うようにしている、タクシーに関して需給のバランスを考えると、タクシーの極端な不足と見られる、津田沼駅に出入りする車両を大幅になぜふやせないかといつも考える、いまの陸運行政の業者過保護からくるもので、この姿勢が変わらなければ乗客はいつまでも泣かされっぱなしということだ、要約こう言っております。
 例の四、袖ケ浦団地から亀戸に通うサラリーマン、五十三歳、タクシー相乗りはわれわれはいいが、若いお嬢さんは全くかわいそうだ、おそい帰宅が悪いといってしまえばそれまでのことだが、タクシーとは客の希望するところまで行ってくれるはずのものだ、それが荒くれ男にはさまれて、おまけに運転手はやくざのような口をきく、いつまで待っても昼間あるような一人で乗れるタクシーはやってこない、運転手も夜になると雲助に変身ときては、心配で娘などとても乗せられない、腹立たしい限りだ、こう言っております。
 例の六、これは運転手さんであります。津田沼の駅からおよそ三百メートルほど離れたところに新京成の踏切がありますけれども、そこまで乗り場は移っております。そこから高根公団までメーターでは六百円のところ、一人三百円ずつ取って五人押し込める、これが通常です。花見川団地まで、十時以降になりますとメーターが六百円になりますけれども、これは一人五百円ずつ取って五人押し込める。運転手さんの話によりますと、津田沼の駅に入っているのは六社でありますけれども、この例にあげましたA社の場合、一人一日一万円の水揚げがノルマになっております。あとは何をやってもかまわないというのが運転手さんに言われていることであります。これは、いま例にあげましたけれども、全くひどい話でありまして、これにこういう具体的な事例がある。しかも夜の終電車前後の時間に大混乱を起こしておる。運輸省の実働時間というのは、昼間の時間運輸行政を丁寧におやりになっておるかもしれませんけれども、実際の問題、タクシーの混乱を起こしているのは、夜中の、しかも九時過ぎの時間、一体どうなっておるかということが最も大事なことじゃないかといま考えるわけです。総武線の沿線、常磐線に関して、これまでどういう調査をやっておりますか。それから特に悪質なものの摘発をやったと言いますけれども、今日まで具体的に半年を取り上げて考えてみますと、ことし半年、違反の摘発、これをどういうふうにやったか、何件あるか、示していただきたいのです。
#52
○小林説明員 違反の摘発につきましては、一般の場合に、乗客その他の方から苦情等の申告があるわけでございます。現在、東京陸運局管内は大都市を控えておりまして、そういったタクシーの苦情申告件数が非常に多いようでございます。陸運局全体で四十六年度一年間で九百十四件ございました。こういった申告がございますと、直ちに調査、聴聞をいたすわけでございます。一番多いのが乗車拒否、それから先ほど来お話がありました不当運賃の請求、こういうような場合が多いわけでございます。そういった際には、事業者を呼び出しまして聴聞をいたすわけでございますが、その結果、車両の使用停止という行政処分をいたすことにいたしております。なお、非常に証拠が不十分であるとか、あるいはささいな場合には警告というような措置をとっているものもございます。
#53
○鳥居委員 具体的にしぼるために、総武線の五つの駅について東陸のほうで調べておりますね。局長さんの手元にありませんか。――私のところへは資料を提出していただいておりますけれども、それによりますと、西船橋、船橋、津田沼、西千葉、柏・松戸地区、ことしの一月から七月までの間に二十四件の申告があります。実際には使用停止という処分が十三件ありますけれども、そのほか文書警告五件、口頭警告二件、処分をしたといわれるもの二十件、こういう数字が出ておるわけですけれども、運輸省はこうしたものの行政にあずかる立場で、申告がなければこうしたものの取り締まりができないものかどうか。非常に受け身だと思うのですけれども、どうですかその点。
#54
○小林説明員 総武線だけでなくて、東京の近郊の郊外地全般についての輸送全体の実態がいまどうなっておるかということにつきましては、陸運行政の非常に大事なことでございますので、バス、タクシーを含めまして、輸送の実態調査をいたしておるわけでございます。ただ、ただいま問題になっております具体的な違反につきましては、これはやはり警察からの連絡、あるいは直接乗客からの申告というものがございませんと、これは現在の陸運局の要員等ではいわゆる違反の摘発に直接当たるということは不可能かと思います。
#55
○鳥居委員 不当な料金の徴収ということになるわけですから、これは所得税、税制の上からも脱税という疑いがかかってくるのじゃないかと思うが、国税庁のほうではどういうふうに考え、どういうふうにしていくお考えですか。たとえばいまあげました事例でありますけれども、花見川まで五百円、十時過ぎ二割増しで六百円、メーターが示す六百円の料金のところを、五人押し込みまして、一人から五百円ずつ取るわけです。やはり放置しておけない問題だと思うのですが、どうですか。
#56
○系説明員 いま御指摘の点を税法の見地から考えてみますと、三つぐらいのケースが考えられるのじゃないかと思うのでございますが、まず一つのケースは、お客さんから料金をもらうのが運転手かと思うのですけれども、その運転手がその金をその会社のほうに納める、これは現実的ではないかもしれませんけれども、そういう場合にはやはり会社の所得になるはずでございます。運転手の方がそれを自分のものにしてしまったという場合には、大体その運転手の雑所得になるのじゃないか、こう思われます。その方は、通常会社に雇われておりますので、そこで給与をもらうほかにそういう雑所得が入ってくる、こういうことになるかと思います。また個人の業者である場合には、これはその個人の事業所得として課税されるべきものだ、こういうことになりまして、いずれの場合にも、これは違法、不当でありましても、そこに担税力が生じますので、当然課税されるべきである、こういうふうに考えておるわけでございます。
 ところで、それに対して課税の実情がどうかといったようなことも御質問の御趣旨に入っているかと思うのでありますけれども、現在のところは、そういう面で完全にそれを把握しておるかというと、何ぶんにもお客さんとの間の現金取引でありまして、非常に捕捉がむずかしいといった点もございますし、なかなか捕捉されていないのじゃないかというのが実情かと思いますけれども、せっかくの御指摘でもありますので、何かうまくくふうしていかなくちゃならないのじゃないかとも考えております。ただ、現在の税全体の執行の体制からいいまして、なかなか手の回りがたい分野ではなかろうかということもまたあわせて申し上げたいと思います。
#57
○鳥居委員 要するに、雑所得に関してはもうお手上げで、全く現状無政府状態であるという、そういう情勢です。申告があって運輸省としては動く、申告がない場合にはやはり野放し以外にない、こういうお寒い現状ですよ。ほんとうにこれでは乗客が泣かされっぱなしだという、もうそのとおりでありまして、一つは、バスと同じようなかっこうにして、普通のタクシー、従来の法律で定められたタクシーとは別個に乗り合いにしようという論議がいま出ております。これは私は一つは隠れみのじゃないかと思っておるわけです。過渡期における相乗りというものは、非合法でありますけれども、これはやむを得ないという線でいま検討しておる。乗り合いタクシーを検討しておるということが隠れみので、それで非合法のタクシーの相乗りを認めるような、そういう形に見えてならないわけですけれども、現状、乗り合いタクシーについては一体どうなっておるわけですか。
#58
○小林説明員 先ほど来先生が、例の一、二、三、四、五といろいろな乗り合いタクシーの例を申されましたが、それらにつきましてまず申し上げますと、例の一のように明らかに家族らしい場合に、個々の人数によって運賃を取る、これは非常に明瞭な運賃違反ということになろうかと思います。そのほか例の二あるいは三で言われたような、増車がなかなかできないからこういう相乗りタクシーがあるのではないか、業者の過保護じゃないかという御意見もあったようでございますが、この点については、全くの誤解でございまして、現在タクシーの増車につきましては、いわばフリーということになっております。ただ、事業を営んでおります事業者が、車庫その他別の面での、管理能力等において欠陥がやはり出てきておる場合がございますので、そういった場合には増車を押えますが、いわゆる需要供給の関係から見ました増車というようなものは何ら抑制をいたしておらないわけでございます。ただ現実の問題として、運転者不足その他の問題がございまして、思うような増車が行なわれてないということでございまして、こういったいわゆる需給の関係から各地に相乗りというような不明朗な事態が出ておるかと思うわけでございます。
 そこで、まず第一に交通政策の基本といたしましては、やはり一時に大量の需要が発生をいたしておるわけでございますから、まず、私どもといたしましては、バスで大量輸送をさばくというのが最も能率的であり合理的であるということで、今日まで指導してまいっておりますのは、一つは終バスの延長でございます。こういったことで最近までかなりの効果があがってきておるわけでございます。従来おおむね九時ないし十時で終車が終わっておるところにつきまして、おおむね一時間ほど終車が延長されてきておるような状況でございます。さらに地区によりまして、神奈川県あるいは埼玉県の一部におきまして、深夜バスというようなものもいたしておるわけでございますが、これにつきましては、一つは、やはり深夜に労働力を確保するというようなことが非常にむずかしゅうございます。またそれに伴って若干の割り増し料金というようなことでバス料金がはね上がるというようなこともございまして、地元方面における反対というような問題もあらわれておる。あるいは深夜バスというようなものがそれほど各地に、どこのバス業者もやるというようなわけにはまだなってないようでございますが、方向といたしましては、そういったバスを整備することによって深夜における相乗りタクシーを根本的になくしていきたいというふうに考えておるわけでございます。それと並んで、先ほどのどなたかのお話にありました、増車が押えられているというようなことはないわけでございまして、増車というものも、可能な限りタクシーをふやして、そうして需給状況から改善をいたしまして相乗りというようなものをなくしていきたい、これがまず一番オーソドックスな方法、考え方だと思っております。
 ただ、いま相乗りタクシーについて検討をいたしておるわけでございますが、現実に相乗りタクシーが行なわれておるのは、たとえば競輪、競馬というようなものが一定の地点で行なわれる、そういった際に、それと駅との間、あるいは団地と駅というような場合、非常に一定の方向がはっきりしておるような場合に、相乗りというようなもので輸送すれば乗客の皆さま方にも非常に便利であるのではないか、あるいは一人当たりの運賃というものもむしろ割り安になるのではないか、事業者にとっても全体としての収入が上がるのではないかというようなことから、この相乗り制を考えるべきであるというような御意見も各方面から従来からあるわけでございます。したがって運輸省といたしましては、そういった相乗り制というようなものを、一定の条件のもとにおいて可能であるかどうか、現在検討をいたしておるわけでございます。
 その際一番問題なのは、一つは、先ほど例の四でどなたかが申されておりました相乗りに伴う不安というようなものもあるわけでございます。御承知のとおり車内が非常に狭いわけでございまして、乗用車における相乗り制には、防犯上その他の観点からの批判というものも出ておるわけでございまして、こういった点についてさらに検討を進めなければならぬ。
 もう一つは、団地等、一定の方向については明らかでありましても、それ以外の若干はずれた方向に行く乗客の方々の輸送力というようなものを同時に確保する必要があるわけでございます。団地の乗客だけでなくて、それ以外の方向の、散在いたしております乗客の方々にタクシーの輸送力をいかに適切に配分するかというような問題もあるわけでございまして、そういった点を現在検討をいたしておる、こういうのが実情でございます。
#59
○鳥居委員 いま局長の話で、たとえば競輪、競馬の場合には、相乗りが需給の上からいいのじゃないかという意見が各方面からある、一体運輸省は認める立場なんですか。大臣どうですか。
#60
○佐々木国務大臣 相乗りをですか、それとも競輪、競馬のことですか。(鳥居委員「相乗りです」と呼ぶ)そういう声があるということで、認める認めないということはいま考えておりません。
#61
○鳥居委員 それは当然非合法なんですから、きびしく取り締まっていかなければならないわけですけれども、現状を知らないのですか、それとも現状を見て見ないふりですか。一体どうですか、大臣。
#62
○佐々木国務大臣 私はそういう現状はよく承知しております。
#63
○鳥居委員 この対策はどういうふうにしますか。
#64
○佐々木国務大臣 運輸行政には、道路交通法なりその他いろいろ関係法がありますから、やはりその法規に照らして運輸行政をやるということがわれわれのたてまえでありますから、法規に触れるようなことを認めるわけにはまいらないと思います。
 ただ、先ほどから局長の答弁を聞いておりますと、万全に取り締まりができていないということがわかりますので、非常にそういう点は遺憾であると考えております。今後先生の御指摘のようなことには、十分この問題の解消のために全力をあげなくちゃならぬ、そういう決意を先ほどから固めております。
#65
○鳥居委員 今回調べてわかったのですが、総武線の沿線で言いますと、稲毛の駅を昭和四十五年に一回調べただけなんです。あと調べてないのです。現状どうなっているかということを運輸当局はつかんでないのです。現状把握から私は動くべきだと思うのです。それを要望しておきます。きびしく取り締まらなければならない。現状においてはそういうものだと思うのです。そうした事態が私は起こるべくして起こっているように思うのです。
 ここに一つの例があります。労働省の労働基準局が調査したものであります。昭和四十六年秋、四十七年春、これは値上げ前と値上げあと調査したものでありますけれども、毎年労働基準法に照らして、一般乗用旅客の事業場そのものが、労働基準法という最低ぎりぎりの線で押えて考えてみた場合に、その法律に合っているかどうかという調査なんです。たとえば、昭和四十六年秋調査をしました監督実施事業場数が二千七ございます。そのうち違反をしている事業場数が八二・三%に当たる千六百五十一、この中身は、もちろん労働時間、休日があるはずのものがない、あるいは割り増し賃金が支払われるべきものが支払われてない。数字で申しますと、五四・四%にのぼるものが労働時間で違反、休日違反が二八・六%、割り増し賃金が三一・二%、その他が五七・四%という数字が具体的に出てきております。あまりにもひどい。八二・三%にのぼる労働基準法違反がタクシー会社の現場で起こっているわけです。非常に過酷な労働条件の中で低賃金をしいられているのがいまのタクシーの運転手さん、そういうことになってくるわけですけれども、これを前年昭和四十五年度と比べてみますと、昭和四十五年度は、適用事業場数に対しまして実際に監督実施事業場数が四千六百四十六ありますけれども、違反率が八〇・一%、そうしてことしの春監督実施事業場数が千九百二、違反が八三・一%、八〇%を上回る違反が指摘されておるわけです。一体運輸当局はどういうふうにこれを改善しようとなさっていますか。過酷な労働条件の中に追い込んでいて、そうして相乗りはいかぬというわけにいかない条件にあるんじゃないですか。どうですか、これ。
#66
○小林説明員 各事業場の労働基準監督につきましては、当然労働省あるいは労働基準局の監査というものがあるわけでございますが、それと運輸省陸運局でやっております行政の関係を申し上げますと、事業の一般的な監督は運輸省でやっておりますが、そういう労働基準行政上に非常に問題のあるようなタクシー事業者、これはトラックでも同様でございますが、そういった事業者が労働基準官署において監査され、問題があるような場合には、労働省基準局と陸運局と連絡を密にとりまして、悪質な事業者については当方陸運局に通知が回ってまいるわけでございます。陸運局といたしましては、そういった場合に、当該事業者について立ち入り検査その他の監査を厳重にいたしておるわけでございます。
#67
○鳥居委員 それでは、具体的にことしの春行なわれました労働基準局の調査の結果、悪質なもの五百二十八件、運輸省にきているはずです。これはどういう検討をし、どういう処分をしていますか、具体的に。
#68
○小林説明員 それぞれ各県の所管の労働基準局と陸運局との連絡でございまして、現在その点について件数その他承知いたしておりません。基準局から陸運局にそういった問題の通知があれば、当然陸運局が監査の計画を立ててやっておるわけでございます。
#69
○鳥居委員 大臣、現状はいまお話ししたとおりです。八〇%をこえる労働基準法違反が現にあります。これは労働省が指摘しているとおりです。タクシー業界の指導また育成、まあ数々の問題点があるだろうと思うのですけれども、要するに場当たり的な運転手指導、訓練、教育、これはもう通用しない。八〇%をこえる基準法違反を見てもわかるとおりです。この現状をどう考えられますか。最高責任者としての見解、今後の対策を伺いたいです。
#70
○佐々木国務大臣 そういう実態がいまなお横行しているようでは非常に遺憾だと思います。ただ、タクシー営業というものはほとんど民営でございますから、やはり運輸省としては業者に対する強力な指導が必要じゃないか、こういうように考えます。
 ただ、私たちのほうに最近入っている実情は幾らか違う情報も入っているのですが、非常に運転手などの数が少なくなりまして、ことにまた、最近個人タクシーという営業を多数許可をしているものでございますから、それらとも照らし合わせて、私のほうでもまた独自の調査をいたしまして、そんなことのないように十分気をつけたいと思っております。
#71
○鳥居委員 大臣、そうおっしゃいますけれども、最近の日刊某紙、ことし一月二十五日付でありますが、コンピューターによる千人調査、七四・八%が値上げを好ましくないとして反対しております。それからその後、値上げ後でありますけれども、四八・九%の人が、運転手の態度が悪い、相変わらず悪い、こう指摘しているわけです。最近よくなっていると言いますけれども、そこにやっぱり現状改善ができない節があるのじゃないかと私は思うのです。実際問題、今回の私の調べでもわかりましたけれども、運転手さんは非常に条件の悪い中で働いております。初任給が三万八千円、そうしてあとは歩合で、もうともかく相乗りでも何でも、収入を考えなければならない。八年目の運転手さんで、歩合なしにしますと四万六千円です。そうしてその上のせが相乗り等の収入、雑収入ということになるわけで、もうたいへんな状況に置かれている。こうしたものの改善がまず第一だと思いますので、ひとつ今後鋭意努力していただきたいと思うのです。
 要望しておきます。
#72
○笹山委員長 吉田賢一君。
#73
○吉田(賢)委員 大臣に、国鉄問題の基本的な課題につきまして大体三点にしぼってお伺いをしたいと思います。ひとつ所信を端的に御表明願いたいと思うのであります。
 第一点は、この財政再建の基本対策につきまして大臣はどうお考えになっておるであろうか。これをお尋ねするゆえんのものは、しばしば当委員会におきましても国鉄財政の再建は重大な課題として質疑応答がありました。また、累積赤字も依然として解消はしておりませんし、ことに多額の長期負債を持っておりますること、四十六年度におきましては三兆円をこえるようであります。金利、利払いだけでも、四十五年度には千五百二十二億円をこえております。こういう状態でございまするので、国鉄はまさに病める大きな象であるというようなことばさえ出されるのでございます。
 そこで、いまは日本列島改造論などで、この内閣も新しい意気込みをもってあらゆる面に相当積極的な施策を打ち出しつつある際でありまするので、具体的にはきょうはよろしいとしましても、基本的に大まかな線は、どこを柱にして再建の案を立てていかれるのか、この辺についてひとつ大臣に率直なところを聞いておきたい、こう思うのであります。
#74
○佐々木国務大臣 吉田先生御指摘のとおり、国鉄の財政の現状というのはもうひどいものでありまして、先ほど決算報告で申し上げましたが、お話しのように、もう収拾つかぬというような現状でございます。そこで、前国会におきましても、御承知のとおり国鉄財政再建法を国会に提出いたしまして、御審議をわずらわし、幸いに衆議院におきましては通過いたしましたが、いろんな国会の時間的都合などもございまして、参議院で流れてしまったことはたいへん遺憾でございます。そのために、国鉄が現在なお一そうの窮地におちいっております。私の手元にその窮状が事務局から出されておりますが、吉田先生よく御存じでございますから、その内容などはいまここであらためて申し上げようとは考えておりませんが、あの財政再建法にうたっております三本の柱のうち、国の助成問題というものに対しては、なお一そう政府として一段の努力をする必要があるのじゃないか、こう考えております。でき得るならば、できるだけ早い機会に先般出しました財政再建法を慎重に再考慮いたしまして、それで再び御審議をわずらわしたい、こういうように考えております。しかし、私の率直な考えを申し上げますと、単に財政再建法だけで国鉄が立ち上がるという簡単な考えは持っておりません。経営者自体、管理者自体もいままでのような考え方ではとうてい健全な運営ができるとは考えておりませんので、ことにこの労使関係というものがより一そう信頼の度を高めて、そうしてその全労使一体となった国鉄財政再建なり国鉄運営のための努力が必要でないか、こう考えております。具体的な問題は、これから関係者一同真剣に検討いたしまして、いずれ近いうちに国会に提出し、御審議をわずらわしたい、こう考えております。
#75
○吉田(賢)委員 国鉄の使命は、申し上げるまでもなく、国鉄法等によってみましても、鉄道輸送としての使命を全うすることと、反面におきましては社会公共の福祉の増進ということが重大な使命になっておりますが、こういう点にかんがみまして全額政府出資の企業体でございますし、国の援助、国の補助ということに大きくたより過ぎるということに傾きましたならば、親方日の丸になります。依然として赤字累増の原因になりはしないかとおそれます。したがいまして、いまおっしゃいましたできるだけ労使一体となって合理化するという面でありますね。単に精神的に一木になるというだけじゃなしに、具体的にいかに合理化するのか。合理化反対というようなことばがございますけれども、そんな論理矛盾したことばはございません。合理化は合理化であります。真に合理化をいたしますことは国民への奉仕でありますので、この点につきましても大臣は、また別の機会にも聞きましょうけれども、き然たる態度をもって終始一貫せられんことを希望したいのであります。
 それから二番目に聞いておきたいことは、したがいまして、国鉄内部におきまして厳正な規律を維持するということはきわめて重要な課題であります。厳正な規律、秩序を維持することなくして真に労使一体、もしくは合理化、国民福祉の増進に寄与する輸送の使命を全うするということは不可能であります。
 しからばいかに規律を正していくかという課題でありますが、最近、たとえば昨年度におきましても、五、六月ころから十一月にかけましてひんぱんに起こりました北陸あるいは関東、関西などにおける暴力ざたが話題になりました。すでに刑事事件として発展したものもあるようでございます。もし四十六万のこの職員のうちに、たとえ一人、二人たりともこのようなことがありましたならば、総裁以下えりを正してこの問題に対処することで初めて国鉄の規律ある労使一体の関係が持続されます。ほおかぶりすることは許されないのであります。また大臣は国鉄法によりまして監督権があるのでありますから、遠慮なしに、仮借なくこれらの問題について対処せねばなりません。私は、これらのような不祥事件が起こりましたことについては、一体どんな覚悟で四十数万の職員を指導していくのであるか、やはり大臣みずからも、これらの問題につきましては、運輸省内に起こった事件というほどに身近に感じて対処せられんことを希望したいのであります。どのように対処せられるか、心がまえいかん、この点をはっきりしておいていただきたい。
#76
○佐々木国務大臣 この問題が国鉄再建のやはり根本問題で、吉田先生お説のように、ただ単に口先だけの問題で解決する問題とは考えておりません。そこで、労使間がいまのような状態で不信を続けているような状態では、単に財政的な再建をお願いしたところで根本的な解決にはなりません。私自体その監督の責任にありますから、これからやはりみずから進んで労使間の接着剤になるつもりで、できるだけ双方の言い分あるいは考え、こうしたものを数多く承ったり、あるいは私から直接また足を運んだりいたしまして、できるだけその障害になっている部分を除去していくということが監督の任にある私のつとめだとも思っております。同時にまた、先ほどお話しのように、その中にありながらもやはり能率化、近代化ということも考えなくちゃなりませんので、それらの問題については、最近は合理化というものを申し上げただけでもまっ向から反対というような空気が起きますから、合理化したら、しからば一体どういう点のプラスが起きるのか、そのプラスが労働組合にどう返ってくるのか、あるいはそのプラスの面をお客さんのほうにどう奉仕するのか、こういうようなことをお互いに腹を割って話し合わなければならないのではなかろうか。私、まだ運輸省に来ましてから一カ月そこそこしかたっておりませんが、どうもそれらのことがお互いにすっきりした話し合いが欠けているのじゃないかというような気がいたしますので、まだ、ここでどういう問題をどう取り扱って話をするというお答えはできませんけれども、決意としてはそういう決意で臨みたい、こう考えております。
#77
○吉田(賢)委員 ことばの魔術ということがございます。合理化合理化といって実は合理化でない、押しつけということもあり得ます。昔、御幣で頭をたたくということばがありました。神さまの名によって人をぶつ、こういうことがございました。私は、やはりことばの魔術にとらわれることなしに、合理化と言おうとしからずとも、真に合理的に秩序を保って、そうして科学性をもって人間性豊かな職場にするということが大事でございます。だから秩序を無視しているということにつきましては峻厳たる態度を持っていく。おっしゃるように話し合いの場を広げていくということは好ましいことであります。官僚づらすることなくしてやはり積極的に民衆の立場に立って握手していく、これは必要です。先般文部大臣が和服で座談しておったのが写真に出ておりましたが、おもしろいです。あのかっこうはともかくといたしまして、その心がまえをもって臨むべきだ、こう思います。原因のいかんにかかわらず、厳たる秩序維持はあなたの責任であり、総裁の責任でなければなりません。秩序を無視して組合運動もあらゆる要求もありませんから、法治国の名をけがしてしまいますから、その点ははっきりしておいてもらいたいのであります。
 それから第三番目には、ほんとうに豊かな魅力のある職場づくりをするということは、これはすべての公務員の制度全体を通ずる大きな課題であります。この内閣も、ちょうどここの理事をしておりました濱野君が行管長官になりましたようでありますが、ともかくこの内閣も、あなた方の副総裁であった川島さんも案を出しておりましたが、行政改革は大胆に積極的にやるべきであります。そうして公務員としての国鉄の職員につきましても、待遇はいかん、どんな処遇を受けておるのかということを、ほんとうにあの暑いさ中に汗をふきふき仕事をしている場に臨んで、それを見てあげなければいけません。水害地をほおかぶりで視察に行く、これもけっこうです。長ぐつはいて視察に行くのもけっこうですけれども、ともかく暑苦しい中を冷房装置もなくして駅長さん一生懸命骨を折っているという事実もあるし、あぶないところで転轍機をいろいろやっておる、あの作業をしているところもある等々、幾多の場もありますので、処遇の実態というものをほんとうに知らなければいけません。おそらくあなたらが行かれましたならば、所長以下行列いたしましてお迎えあそばされる。そうして貴賓室みたいなところでだんだん説明するということで終わったらたいへんです。やはりそこはわらじばきのようなつもりになりまして現場に行きなさい。処遇の実態を知らなければいけない。
 もう一つは、ほんとうに魅力のある職場にするためにはどう改善するか、処遇の改善の問題です。これは給与の問題もありましょう、適材適所に配置するということもありましょう。そこは大胆に勇敢に能率的にやらなければなりません。そうして何年かつとめましたならば、この四十六万の職員も第二人生の計画をなし得るというような、未来の豊かな、前途を望み得るような姿にすることがほんとうの処遇の問題であります。私は、そこで初めて労使一体になり得ると思うのです。この意味におきまして、待遇の改善が必須の重大課題になっておるということも頭に置いておいてもらいたい。さりとて待遇改善をしなければ、お客さんに国民に迷惑をかけて知らぬ顔をしていくような、そんな反国民的な態度は許されません。それはそれ、また厳として国民の立場を防衛しなければいけません。公器を私するということは許されないのであります。国鉄はあくまでも公器であります、全額国民の負担によってできておる企業体でありますので。したがいまして、大臣なり総裁なりのお立場は、あくまでもほんとうに魅力のある職場にするということに最善の努力をしなければいかぬ、こう考えます。物心豊かな職員につくっていくということが大事であろうと思います。この点について勇敢に施策を打ち出してもらいたいと思うのですが、所信はいかがでしょう。
#78
○佐々木国務大臣 吉田さんからの非常に教訓に満ちたお説でございまして、身にしみます。私ももともと労働者上がりの国会議員でありますから、現場で働いたということは、こんな席で申し上げるのはどうかと思いますが、地下三千尺の坑道で石炭を掘った経験もございます。現場を見ることが大事だ、そのとおりであります。運輸大臣に就任いたしましてからも現場を見ました。しかし従来のような、現地視察というようなふれ込みはいたしておりません。私一人で、しかも護衛までまいて新宿の現場、こみ合っている現場、それもネクタイもせずにシャツ一枚で、たった一人で日曜に見ております。そういうことがほんとうの現場の視察だと私は思います。従来のように、運輸大臣が行くからというような視察は一回もしておりません。こういうことで、最近のいわゆる国鉄の現場というものを、なお一そう認識を新たにして真剣に取り組みたい、こう考えております。ただ、これに対する考え方をこの機会に申し上げますが、あるいは物質的な待遇を申し上げるのではございません。要するに、よく働く人と誠心誠意ものごとに当たる人、そういう人たちのことをやはりよく見てやるということも大事だと思います。いわば単に高能率高賃金ということばだけではなくて、国鉄の現状からいけば、単に数だけの問題ではない。いかにしたならば国民に奉仕でき、いかにしたならば今日の窮状を打開し得るかというような根本的な問題に取り組むことは、ひとり管理者だけでなくて、働いている方々の中からもきゅう然として起きてくるような指導が必要ではなかろうか、こういうように考えておりますので、私はそれらの点に日夜頭を悩ましているつもりでございます。
 ただ、お説のように、今日の国鉄の組織体は、昔の組織体と違いまして、昔の国鉄ですと、赤字が出ましたら一般会計からこれを補てんし、黒字が出たら一般会計に入れればよかったのですけれども、いまの国鉄は、いまさら申し上げるまでもございませんが、コーポレーションで独立採算制でございますから、そのいわゆる組織体を十分心得ていただいてお仕事をしていただきたい、こう考えております。
 これからの国鉄をしからばどうするかという問題については、やはり近代化、いわば新幹線などという鉄道は非常に国民から愛されておりますので、まあ田中総理が言っておりますような九千キロの新幹線敷設というようなことがはたしてどうかこうかは、いまから皆さんの御意見を承らなくちゃなりませんが、やはり六十年という将来を考えると、人の輸送においていまより二・四倍、六倍ないしはものによっては十倍の輸送をしなければならないということを考えますと、鉄道の使命というものは非常に大きなものがあると思いますから、これを近代化し、そうしてその使命の重大さを十分痛感してもらいながら国民の協力を得なければならない、こういう考え方を持っております。具体的にこうこうするということは時間がありませんので、ただ国鉄の将来に対する私の心がまえだけを申し上げまして御了承いただきたいと思います。
#79
○吉田(賢)委員 きょうは時間の関係がありますから、この程度にしておきまして、いずれまたあらためて伺いたいと思います。
#80
○笹山委員長 西宮君。
#81
○西宮委員 だいぶ時間がおそくなりましたので、ごく簡単にお尋ねしたいと思います。
 最初に自治省にお尋ねいたしますが、過疎バスの問題で自治省がやっております対策として、いわゆる営業バスの路線が休止または廃止されたというような場合に対する代替バスを運営しておりまするけれども、これは一つには非常に住民に直結をした、したがって住民の意思が完全に反映をする、そういう点ではたいへんにいい方法だと思うのであります。しかし何ぶんにも従来商売人がやってうまくいかない、それをいわば武士の商法でやるわけでありますから、たいへんにむずかしいことだと思うのですが、これの見通しはどうですか。
#82
○森岡説明員 過疎地域の足を確保いたしますための手段としては、先刻来御論議のありました民営バスによる運行を確保していただく、これが私はやはり基本であろうと思います。しかしながらどうしても民営がやめてしまうという場合に、地方公共団体が御指摘のような代替バスという形で運行を確保しなければならないというケースがだんだん出てまいっておるようでございます。私どもで調べましたところでは、本年の三月末で市町村が代替バスを運行いたしておりますのは、七十八市町村、路線で百十七路線程度でございます。この中で直営が市町村数で申しまして六十一、委託をいたしておりますのが十七ということになっております。
 それから運行の形態は、路線バスの運行という形、こうなりますと公営企業ということになりまして、経営面では非常にむずかしい面も出てまいりますので、自家用車の有償運送というふうな、道路運送法によります、ある意味では簡便な方式を使っている例が多いわけでございます。そういうふうな実態をいま少しく調査をいたしまして、適切な措置を将来考えてまいりたい、かように思うわけでございます。
 なお、現在までとっております措置を簡単に申し上げますと、運輸省でお出しになります補助金、これは都道府県負担を伴います。また一部市町村負担を伴うものでございます。それぞれにつきましては特別交付税で所要の財源措置を講じてまいっております。それからバスなりあるいはスクールバスのような車両の購入の場合には、過疎債を充当いたしまして、市町村が車両購入に大きな財源負担をしいられるということのないような措置を講じてまいっておるわけでございます。
#83
○西宮委員 最後にお話のありましたバスの購入費に対して過疎債を充当するということでありますが、去年は運行赤字の七五%は国が助成する、こういうことで、自治大臣は旅先の談話でそのことを明確にしたわけです。それでは、これは結局お流れになってしまって、その助成金にかえて起債を認める、こういうことになったわけですか。
#84
○森岡説明員 バス購入費に過疎債を充当いたしますことは、いま御指摘の運行費に対して何らかの財政措置を考えていくということとは別の問題でございます。運行費に対する助成につきましては、実は四十七年度予算の際に、御指摘のように自治省として何らかの措置を購ずる必要があるのではないかということを考えておったわけでございます。運輸省のほうで民間バスに対する路線維持費補助金を強化されるというふうなこともありましたので、むしろそちらのほうで基本的にやっていただく、私どものほうは、先ほども申しましたように、代替バス運行の形態がかなり区々でございますから、そういうものをさらに詳しく調査をした上で適切な措置を将来考えてまいりたい、かように思っております。
#85
○西宮委員 その経緯はわかりました。
 いま審議官は、基本は民営バスにあるのだ、こういうことを言われたわけです。したがって、いまの助成の問題もいわば運輸省の政策のほうに譲った、こういうお話でありましたが、私は、自治省、運輸省両方相談の上で十分連絡を密にして、その辺の対策を明確にうたってもらいたいと思うのです。何しろ私は、全部運行が廃止されたというようなところをそのままに放置をするということはどうしても許されないと思うのですね。しかし、さりとて、いまやっておるような、あの道路運送法の百一条とかあるいは四条とか、そういうものを使ってやっているというようなやり方も十分じゃないと思うのですね。さっき申し上げたように、非常に不完全な事業運営のあり方で、しかもそれを専門家がやってもできなかったというのをしょい込んで自治体がそれをやっていくのだということになると、自治体が直営する場合でも、あるいはだれか業者に委託する場合でも、いずれにしてもなかなか容易じゃないと思うのですよ。これはなかなか容易ならざる問題だと思うのですね。ますます自治体にそういう負担を加重するという結果にもなるわけで、その辺は明確にこの両者の間の呼吸が合うようにしてもらいたいと思います。
 たとえば事故が起こったような場合、この補償の責任はだれが持つわけですか。直営ならばその自治体が持つということだろうが、委託の場合ならばだれが持つのか。その辺は委託をした人が持つのか受託をした人が持つのか、いずれにしても明確なる契約がなされてなければならぬと思う。その辺はどうなっておるのか。
#86
○森岡説明員 前段のほうのお話でございますが、過疎地域の交通需要の態様も区々で、かなり幅があると私は思っております。特に一番問題になるのは、通学と、それから先ほど御指摘の主婦なり老人の交通の問題。そうなってまいりますと、通学についてはどちらかと申せば通学のバス、これは文部省の補助金も出ておるわけでございますが、そういうものを拡充していくというところに重点を置いてまいる。その地方負担については現在も地方交付税で措置しておりますが、そういうことを主眼として考えていったらいいのじゃないか。
 それ以外の一般交通につきましては、いま申しますように、定型的な交通需要というものはなかなかに成り立たない。それがまた民営バスが撤退して終止してしまうという一つの理由にもなっておろうかと思います。でありますので、あながち自家用車の有償運送が十分でないという御指摘でございますが、むしろ機動的にそのような方式で交通の需要を満たしていくということもやはり考えていっていいのではないだろうか、かように思っております。
 なお事故のあった場合でございますが、これは委託の場合は委託契約の内容によるのではないかと私は考えます。なお委託契約の内容については、現在まだ十分全般にわたって調査をいたしておりません。そのような点も含めて今後慎重に検討してまいりたい、かように思います。
#87
○西宮委員 いまの事故対策等について、委託の場合等は十分調査しておらぬというお話ですが、ぜひこれは調査をして明確にしておく必要があると思います。何しろ代替バスは非常に安い賃金で、さらにまた非常に労働強化ですね。そういうやり方で運営されているに違いないと思うのですよ。ですから、そのことは当然事故につながってくるというおそれがあるわけです。労働強化でありあるいはまた低賃金であるというようなことが事故につながってくるという危険性も多分にあるのですね。そういう点を明確にしてもらいたいと思います。
 それから、これは新聞に関係あるのでありますが、こういう考え方が、これは新聞には運輸省と自治省の見解というふうに書いてあるわけですけれども、自治省なり運輸省、特にいまは自治省にお尋ねをしておりますから、それでもけっこうですが、「「白バス運行は一時的な措置であり、いつまでも白バスにたよるのは好ましくない。特に車両の誘導を乗客がするのでは、安全運行の責任が不明になる」と言い、白バスはあくまでも過渡的な手段としている。」こういうふうに新聞が報道しておるわけです。それからもう一つの記事は、運行の維持費、車両の購入費の補助に対して「この対策が軌道に乗ってくれば、法律的にもやむを得ない」――道路運送法の百一条のことですね。「やむを得ない場合という条件の解釈で問題のある白バスはやめるよう指導していきたい」。これは運輸省の自動車局長の談話でありますが、こういうふうに載っているのです。
 要するに、これで見ますと、白バスの運行というのは全くの過渡的な措置だ、過渡的な手段だ、こういうふうに当局者は言っていると新聞は報道しているわけですが、そういうふうに理解をすべきものでありましょうか、どうでしょうか。
#88
○小林説明員 ただいま御指摘の自動車局長の談話というのは、どういった場合でどういう際の談話か、あるいは内容も後ほどよく拝見いたしませんと、ちょっと了解しかねるわけでございます。
#89
○森岡説明員 私どもも、いまお読み上げになりました自動車局長さんの発言の内容については、十分承知をいたしておりませんが、ただ先ほども申しましたように、定型的、定時性を持った交通需要というものが成り立っていないという実態、これはやはり考えませんと、そういうことから路線バスが成り立たない、撤収していく、そこをどうしても最終の、何とか最低限度の足を確保する、それがいまの一番緊急な課題になっておると思います。そういたしますと、先ほど御指摘のありました別途安全の問題などを考える必要が十分あるわけでございますけれども、そういうことについて慎重な配慮をいたしながら、機動的なバス運行ということをくふうをしてまいることはぜひ必要だと考えておるわけであります。
#90
○西宮委員 自治省に対するお尋ねはこれで終わりますが、私は、いずれにしても、いま現にやられておるような状態では永続はしないと思うのですよ、非常に無理な運行をしているわけですから。むろんいまはだれか特定の人が犠牲的な精神を発揮して大いに奉仕をするというようなことでかろうじて運行されているのだろうと思うのですが、もちろん犠牲的にやっていることは美談として称賛すべきことだと思いますけれども、それはとうてい万人に要求できることではないし、同時にまた長く続く問題ではないと思う。ですから、こういう状態が過疎地帯に起こってくるということであれば、これは根本的に考える必要がある。いま審議官の御答弁も大体そういう方向のようにお聞きをいたしました。これはほんとうに根本的に徹底的に考えていただいて、ほんとうにそういう一時のがれの便法だというようなやり方ではいけないと思うので、私は、基本はあくまでもさっき審議官も言われたとおり、民営バスを運行させるということが、専門のバスを運行するということがまず第一で、そういう条件をつくっていくということが政府全体としては当然考えられなければならぬと思います。しかし、どうしても結局最後に穴があいてしまうというならば、それを補てんするという政策もこれは当然なければならぬわけです。ただしそのためには、いまのような全くの一時しのぎというようなやり方ではきわめて危険だと思います。危険だというのは、へたをすると大きな事故が起こるかもしれぬ、そういう危険があるし、もう一つは自治体の財政を混乱におとしいれるという点で、これまた大きな危険を伴うわけであります。したがって、あくまでも恒久的な抜本的な対策を講じてもらいたいということをお願いをし、同時に、これはさっき冒頭に申しましたように、運輸省と非常に関連が深い問題でありますから、運輸省はまた自治省とよく相談をしながら、両省協議の上でほんとうに対策を練ってもらいたいということをお願いしておきたいと思います。
 次は警察庁にお尋ねをしたいと思います。
 過密の場合でありますが、過密の場合に起こってくる障害としては、交通事故、交通渋滞あるいは交通公害、こういう問題があることは警察庁でもすでに指摘をされておるとおりであります。そういう問題の解決というか、あるいはこれを軽減するという立場で取り組んでおるのが警察の仕事だと思いますけれども、さっきもちょっとお尋ねしました交通規制の問題ですね。この問題についてどういうふうに考えておられるか。首都圏とか近畿欄とかいったような大都市のみならず、私が住んでおりますのは東北の仙台でありまするけれども、あの仙台、人口六十万ばかりの仙台でありますが、こういうところでも今日は交通渋滞の問題はまさに極限に達しておるわけです。したがって、これに伴う交通事故なども続発をしておるという状況は巨大都市と変わりないところまで来ておるわけであります。そうなりますと、ああいう地帯においても交通の規制ということは非常に重大問題になってきた。こういうことで、むろん従来からも交通規制が行なわれておるわけですが、さらに一歩進んで相当思い切った規制が必要だと考えるわけですが、ああいう地方の都市あるいは中核都市とでも申しますか、もっとも地方の都市の状況は、仙台などよりももっと小さな都市でも、そこはそこなりに交通渋滞の問題、交通事故の問題、また公害問題は、東京で見るような光化学スモッグといったような問題はいまはまだ騒がれてはおりませんけれども、おそらくこれも時間の問題だろうと思うのですね。そういう状況だと、ほんとうに思い切った規制の問題が必要になってくると思うのだが、その点についてどういうふうにお考えですか。
#91
○片岡説明員 お答え申します。私どもの考えております交通規制の基本的な考え方をまず申し上げたいと思います。
 第一に考えておりますのは、道路そのものの機能によって道路をまず区分けして考える。一つは生活道路と申しますか、住民の生活につながる道路、それから幹線道路、この中には自動車専用道である高速道路もございましょうし、主として国道、主要府県道といった幹線道路もございましょう。それからそういった幹線道路と生活道路を結ぶ準幹線と申しますか、そういう集散道路というように区分けをして考えていく、そして生活道路については通過交通は締め出していく、そしてその道路に起終点のある交通のみを認めて、それ以外の車は通さない、そして住民の安全と交通公害の防止をはかっていく、それから幹線道路なり準幹線道路の場合には歩車分離をしていく、そして歩行者なり自転車が安全に通れるし、それから車も円滑かつ安全に通れるような施設を道路管理者と一緒になってやっていく、こういうのが基本的な考えでございます。
 それから第二点としては、わが国の場合には車の量からして道路面積が狭うございますから、その道路を最も有効に使うという考え方から、道路は走行空間として考える、したがって車庫空間なり駐車空間としては考えないという基本的な考え方、自分で車庫をちゃんと持って、出先では必ず路外の駐車場に入るという方向に規制を考えてまいりたい。
 それから同じく道路を有効利用するという考え方で第三点として考えておりますのは、バスの優先通行をはかっていきたい。これは優先通行帯なり専用通行帯をふやしていく、そういうことによって間接的に自家用車の抑制にもなりましょうし、自家用車で動いている人たちの交通需要をバスのほうに転換していくという方向で考えていきたい。
 以上、三点を基本的な考え方としてやっております。
#92
○西宮委員 いまあげられました道路はあくまでも通行するためのものだ、したがって駐車等は許すべきではない、私もこれには大いに賛成であります。もし余裕があって駐車ができるという場合には、それは全部有料にする、そういうことになりますと、料金まで払って駐車をするのではたいへんだということから、おのずから車の数が減ってくるということも期待されると思うので、この駐車規制を徹底させるあるいは車庫の規制を厳格にやらせる、これはいま警視庁あたりでもだいぶ成績をあげているようですが、それはもう徹底的にやってもらう、そしてもし余裕があるならば、それは全部公営の有料駐車場にする、こういうことをぜひやってもらいたいと思います。
 それからもう一つは実際の規制でありまするけれども、たとえば一定のある時間帯、一番ラッシュになる時間帯、その際だけは自家用車の通行を認めない、こういうことが一つの提案としてなされているわけですけれども、もっとも実際問題としていろんな障害、問題があることは私もよく承知をいたしております。なかなかやろうと思っても容易ではない、問題の多いことは十二分に承知をしておりますけれども、私は、もうそういうことでもする以外に手がないのではないかということを痛感するわけです。たとえばさっき申し上げた私の住んでおる町などにいたしましても、もう町の入口で自家用車のようなものは全部とめてしまう、そこに大きなプールをつくって駐車をしてもらう、そして町の中は大衆輸送機関にまかせる、こういうことでもやらないとなかなかコントロールし切れないと思うのですけれども、そういう点について将来の見通しはどうですか。
#93
○片岡説明員 私も昨年ですか仙台に参りましたけれども、仰せのように朝のラッシュ時間帯に道路はたいへんのようでございます。道路の片側に二車線、往復四車線あればバスの専用レーンなり優先レーンというのは非常につくりやすうございますけれども、片側一車線、往復二車線という道路が地方都市の場合には幹線道路でございます。そういう道路について一番頭を痛めているわけでございますが、やるとすれば、自家用車の規制というよりも、たとえば朝のラッシュ時間、三十分とか一時間を限ってバス以外通さない、あるいはバス、タクシー以外通さない、トラックも通さないという短時間のバス、公共輸送機関だけ通すという、そのほうがむしろ規制としてもやりやすいし、それから取り締まりの担保もやりやすいのではないか。そういう試みとして、東京の場合、立川でいま実験をやらしておりますけれども、朝、バス以外通さないという道路をつくりました。そうすると、バスもいままでの約半分以下の時間で運行できるし、バス利用者もふえてきているというような状態でございます。したがいまして、そういう地方都市の場合にもそういうことを考えていく、そして、そのかわりにバスが快適な輸送機関になるように、これは陸運行政のほうで十分手配をしていくというやり方をとらざるを得ない事態になってくる、基本的にはバイパスの問題であったり、道路の拡幅の問題であろうと思いますけれども、それの基本的な政策と並行しながらも、交通規制でできるだけのことをやってまいりたい、そのように考えております。
#94
○西宮委員 そのお話のバス優先レーンあるいは専用レーン、これは警察だけの所管なのか、あるいは運輸省も参加しておられるのか知りませんけれども、なぜもっとこれが拡大されないのであろうか。むろんいまお話しのように、その道路の条件が不可能にしているというところもあります。これは確かにあるのですが、たとえば東京なんかだと、ずいぶん広い幅員を持っているわけですから、もっとそういうことができるのじゃないかというふうに考えられる。この優先または専用レーンをやった結果がある雑誌に載っておりましたけれども、それを見ると、その実施をする前より実施後の時間がだいぶ短縮をされている。これは当然でありますが、さらに一般車もかえって時間が短縮されているという数字が出ているわけですね。私は非常にふしぎに思って、なぜそういう結果が出るのだろうかと思って、若干聞いてみましたら、バスが優先するということで、その他の車が遠慮をして通らなくなるのだ、こういう説明を聞いたのですけれども、はたして専門の当局が見てそういうことをそう考えておられるのかどうか知りませんが、あるいはいまの説明はしろうとの説明かもしれませんけれども、とにかくその結果としては、バスの運行時間が短縮をされたというのとあわせて一般車も時間が短くなっている。時間がふえているところもありますけれども、大体大勢としては短くなっている。こういう数字が出ておるので、それならばなおさらのこと、この優先あるいは専用のレーンというものをもっと拡充すべきだというふうに考えるのですが、実施をされているのはごくわずかなんです。政府の書いたいろいろなものを読んでみると、どれにもこれにもこのバスの優先とか専用、そういうことを盛んに書いているのだけれども、その声が大きいわりには実際にはごくわずかしか行なわれておらぬということなんだけれども、これはもっと拡充する方法はないのですか、あるいはそういう見通しはないのですか。
#95
○片岡説明員 いまお話しいたしましたように、片側二車線以上あれば非常にやりやすいので、そういうところはもっと拡大するように強力に指導いたしております。問題は、片側一車線、往復二車線しかない、そういう道路が、地方ではもう幹線道路がほとんどそういう状態でございます。そこに一番むずかしさがある。したがいまして、そういう道路の交通をバス以外あるいはバス、タクシー以外を通さないというのは、やはりよほど実態の調査をしてやらないと、またそれと同時にその道路の周辺の部分も車をとめてしまわないと、かえってバス、タクシー以外の車を裏通りへ追い込んでいく、そして裏通りの安全を脅かすというような問題もございます。したがって、やる場合にはその周辺道路の規制も一緒にやっていかなくてはならない、そういう技術的な問題のむずかしさもあろうと思います。しかしながら基本的な方向としては、先ほど申しましたような方向でさらにバスの優先通行の方向ではかってまいりたい、そのように考えております。
#96
○西宮委員 交通を規制するという問題はなかなかむずかしい問題で、規制の条件としてはまず公平であること、二番目にはできるだけ最小限度にとどめるということ、三番目には代替の処置を講ずる、四番目には完全に守らせる、こういう四つが基本的な条件だというふうにいわれておりますけれども、私ももっともだと思うのです。だからそういう点を十分に考えなければならぬし、またそれの条件が完全に満たされるという状態でないと、なかなか、やっても途中でまたかえっていろんな逆作用が出てくるというおそれがありますから、非常にむずかしい問題ではありますけれども、いまやそういう徹底した規制を抜きにして根本的な問題は解決ができない事態になってきましたので、ぜひこれを考えてもらいたいと思います。
 取り締まり当局であります警察庁の交通局長に意見として伺いたいのだが、さっき大臣にお尋ねしましたけれども、思い切って生産の制限をする、あるいはまた国内で販売する数量の制限をする、こういうことも必要な時代になったのではないかというふうに思うのですが、その点はいかがですか。
#97
○片岡説明員 車の制限論として一般にいわれておりますのは、生産の制限、輸入の制限、販売の制限、それから保有の制限、使用の制限、そういう段階があろうと思います。これは私どもの所管じゃございませんけれども、警察の立場から申しますと、生産なり輸入の制限というものは、これは通産行政としてもなかなかむずかしかろうと思います。それからまたそれ自体がはたして合理性があるのかどうかという問題もあろうと思います。したがって、私どもが妥当性があると考えておりますのは、保有の制限と使用の制限だと思います。保有の制限というのも、だれが持っていい、だれが持っていけないというのではなくて、やはり車を保有する人はそれだけの社会的な義務なり負担を負わなくてはならないという意味で、たとえば車庫を持たなくてはならないとか、税制上の一定の負担を持たざるを得ないとか、あるいは強制保険その他の問題で社会的責任を負う能力のある人が初めて持てるのだ、いわばこういう制限、これは必要だと思います。それから問題は、日本国じゅうで考えますと、やはり非常に混んでいるところとそうでないところがございます。混んでいるところではやはり使用の制限を考えていく、その辺が社会的に妥当な考え方ではないか、そのように考えております。
#98
○西宮委員 今日のように交通事故が続発をすると、交通事故が全く日常茶飯事のできごとになってしまって、一般の市民もたいして驚かない、あるいは事故を起こした人間もほとんどそれに罪の意識を持たない、こういうことにおちいりがちなんですね。あるいは今日交通規則に違反するということは罪ではない、規則のほうが悪いんだといったような、むしろそういう気持ちのほうが一般的に多くなっているのじゃないか。ことにいまの事故に対する罪の意識が希薄になってきたということは非常におそろしいことで、これはこういうことさえわれわれの耳に入ってくるわけです。というのは、たとえば人をけがさした場合には思い切って殺してしまえ、おそらく警察庁などではそういうこともちゃんと情報として入っていると思うのだけれども、こういうことを平気で会話をしているわけですよ。殺してしまったほうがあとの始末が簡単だ、ところがへたに生かしておくと長い間そのためにいろいろたいへんな苦労をしなくてはならぬというようなことで、そういうときには思い切って殺してしまったほうがいいんだというようなことを、かりに本心でないにしても、そういうことをわれわれ人のいる前で公然と会話をしているというような、まことにショッキングなことがあるわけですね。
 さらに、これは自分の経験でありますが、運行中にあとから。パトカーにとめられたことがあるわけですよ。いや、私は絶対に違反はしていない、こういうことでいろいろ問答をしておったわけです。問答をしている中で、それでは、もし私が違反をしたというならば、私をどんどん追い抜いていった車がたくさんあるんだけれども、あれは一体どうしたんだと言って聞いたら、あれはとっても速過ぎてつかまらないんだ、こういうことを警察官が言ったわけですね。私は実にあ然として、それではさっそく本部のほうに通告すると言ってパトカーのナンバーを控えたわけですよね。そうしたら、いやいや待ってくれ、御注意したまでだというようなことで、その場はおさまったわけです。私はほんとうの一場の笑い話だと思ったわけだ。ところが、あとでだんだんいろいろ考えてみると、あるいはいろいろなことを見聞をしてみると、そういう速くてつかまらないというような車をパトカーが追っかけていくような場合には、追っかける人が非常な危険にさらされるわけですね。現に、われわれの地域でもそういう問題があったわけです。急停車をして、そのために追っかけていったパトカーがその犠牲になってしまった。そういう例などを見て、なるほどあんまり速過ぎて追っかけられないというようなことも実際にあり得るのだということを私は感じたわけです。しかもこれは、そういうことをやる業者はもう限られています。特定の人です。つまり、非常に時間を争って大量の荷物を輸送しなければならぬという大型な輸送機関、これはもう時間を争ってかせぐだけかせぐということを要求されている、そういう運転者に限っているわけですね。ですから、こういう事実を見てまいりますると、私はもう交通道義心の麻痺なんという問題どころの騒ぎじゃないと思うのですよ。そういうことになりますると、これは手がつけられなくなってしまうというので、そういう交通取り締まりと同時に、過酷な条件で運転をさせるというようなことをさせないような、そういう営業者に対する指導も当然に必要だと思うんだが、その点についてどういうふうな処置をとっているのか、お答えをいただきたいと思います。
#99
○片岡説明員 私どもは、運転者のうちで大部分の運転者は悪くないと思います。ただ、一割あるいは五%といった危険な運転手がいる、そういう危険な運転手に対しては、二つの手を考えている。一つは、どうしても公道をパトロールするパトカーなり白バイ、これらのパトロール頻度を高めて警戒させていく、これが一つでございます。それからもう一つは、免許行政の面で、違反なり事故を起こした人にいま点数制度をとっています。四点になれば停止、十五点になれば取り消し、三カ年間の累積点数で評価しておりますので、これは相当効果が出始めていると思います。
 それから最後に、雇用者の問題でございますけれども、事故があったり違反があったりした場合には、必ず雇用者に通知するということをやって、雇用者にその原因がありそうだと思われる場合には、雇用者の責任も追及していくというやり方で対処いたしております。
#100
○西宮委員 質問の最後に、いわゆる交通規制に関連をいたしまして、一面において規制するならば代替施設を講じなければならぬということを、さっき指摘をしたわけです。その意味において、建設省あるいは運輸省にお尋ねしたいのでありますが、いわゆる代替施設としての都市における高速大量輸送機関の問題、この問題は、たとえば首都圏、近畿圏、中部圏、こういうところではすでにそういう体制がとられておりますので、私は、むしろそれ以下の地方の都市、地方の中核都市と申しますか、人口からいうならば五、六十万、六、七十万あるいは七、八十万といったような程度の都市において高速大量輸送機関はどうあるべきであるかということについてお尋ねをしたいと思うのであります。たとえば建設省では、都市交通プロジェクトチームというのをつくって研究をしておられる。私はその報告も一応見ましたけれども、そういう研究を特にしておられるので、いわゆる高速大量輸送機関ということになりますと、地下鉄かモノレールか、そのほか何か新しい交通機関があるそうであります。そういう問題はありましょうが、一応常識的に問題になるのは地下鉄かモノレールかというようなことだと思いますが、そういう点を地方の中核都市に当てはめた場合どういうことが考えられるのか、まず伺いたいと思います。
#101
○宮繁説明員 建設省では、プロジェクトチームをつくりまして、先生お話しのように、地方都市の交通処理をどうするかというようなことをいろいろ研究いたしております。先ほどからいろいろ交通混雑の話が出ておりましたけれども、地方におきます交通につきましても、自動車交通が非常に渋滞しておる、これに対応いたしましていろいろ街路の整備等を進めてまいっております。同時に公共輸送関係、バスの問題でありますとか、そういった問題についても検討いたしておりますけれども、最近の都市交通の量的な拡大、また交通の需要につきましても質的にいろいろ多様化してまいっておりますので、そういう意味ではこれに対応する機動的なネットワークをどうするかというようなことにつきまして検討いたしております。その場合に、最近におきましてはモノレールが地方都市におきます新しい高速大量輸送機関としてかなり検討されてまいりまして、モノレールにつきましては、一つは、建設費が地下鉄に比べましてかなり安いという点、あるいはまた地上を走行する交通機関といたしましては交通公害等が非常に少ないといったような特性が認められまして、地方都市におきましていま導入を計画しておるところがだいぶございます。地下鉄につきましては、人口が百万程度の都市圏域には成立が見込まれるといわれておりますけれども、たとえば人口が五十万以下の地方都市につきましては地下鉄の建設がなかなか困難でございますので、モノレールといったような大量輸送機関を導入する必要があるのではなかろうか、こんなふうに考えております。
#102
○西宮委員 この問題について、運輸省ではいかがでしょうか。
#103
○秋富説明員 ただいま先生の御指摘のように、地方におきます中核都市、ここにおきましても、将来、昭和六十年といった時点を考えますと、相当の人口の集中あるいは産業の発達、また周辺地域におきます住宅と都心との連絡、そういったような問題からきまして、従来の路面交通機関だけでは処理できなくなる時点が当然想定されるわけでございます。また、いまいろいろとお話がございましたように、自動車におきます公害の問題あるいは交通事故の問題、こういったことを考えましても、やはり将来は大量交通機関としまして地下鉄あるいはモノレール、あるいはいろいろと開発しております新しい交通システム、こういったようなものを、それぞれの都市に応じまして、その都市におきます需要といったものとのにらみ合いをもちまして、いわゆる建設費あるいはその後におきます輸送能力、収支といったような問題を考えまして検討していくべきだと思っております。なお現在地下鉄につきましては、昭和四十五年度からは五〇%方式ということをもちまして、国と地方におきまして助成を進めております。
#104
○西宮委員 いわゆる五〇%方式の補助をしておるというお話ですが、実際問題では大体三八・何がしという程度の補助に終わっているわけです。これだと建設利息を払うので一ぱい一ぱいというようなところに終わっているのが実態のようです。それではとても地方の中核都市でこれを運営していくというようなことは容易じゃない。したがって、これにはたとえば六大都市からも、建設費の三分の二を補助してくれ、こういう陳情が出ておるはずですけれども、三分の二とかないしは六割とか、その程度のものは出すのが当然じゃないか。しかもこれはいわば道路ですから、道路を助成すると同じような考え方で、道路と同じような程度の助成をするということがあってしかるべきじゃないかというふうにいわれているわけですけれども、その点について将来――将来というか、もう目の前に問題が迫っているわけで、われわれのほうでもやるとすれば来年なり再来年なりどっちかやらなくちゃならぬという状況にあるわけですから、そういうところはまさにきょうあすの問題なんです。そういう見通しはどうでしょうか。
#105
○秋富説明員 地下鉄の建設というのは、先生御承知のようにたいへんな額でございまして、ただいまのところ東京その他の大都市でやっておりますが、大体キロ当たり五十億から、高いところは九十億という工費を要することになっております。地下鉄に対します助成といたしましては、昭和三十七年からはいわゆる実勢の金利と六・五%の差額を補助するという方式をとったわけでございますが、さらに昭和四十一年からは一〇・二%の助成、四十五年からはただいまお話もございましたいわゆる五〇%方式という形で助成は強化してきたわけでございますが、工事費というものはどんどん高騰してまいりますし、また人件費といったものを考えましても、公営企業あるいは帝都高速度交通営団におきましても、単にこれを運賃にだけかぶせるというわけにもまいりませんで、この助成の強化は必要と思っております。いま六六%あるいは三分の二というお話がございましたが、私たちとしましても、現在の五〇%方式が、間接費を一五%除く、あるいは自己資本といたしまして一〇%除くということで、実際は三八%くらいの助成でございますので、来年度予算におきましても、それを強化するということで要求すべく、また努力するようにただいま前向きで検討いたしております。
#106
○西宮委員 もう一間お尋ねをいたします。
 現にモノレールについては助成のあれはないわけですね。もっともそれは具体的な対象がないからということでしょうが、さっきの建設省のお話によりましても、地方の都市でだいぶそういう計画が具体的に進みつつあるということになりますと、これは当然また助成措置が問題になると思うのだけれども、モノレールに対する助成の見通しはどうですか。
#107
○秋富説明員 モノレールは地下鉄に比べまして建設費も安く、大体いまのところキロ当たり十五億くらいかと思われるわけでございます。地方におきましてもいろいろと御計画があるようでございまして、まだ実態が正確にわかりませんでしたので、先般来運輸省におきましては、岐阜、福岡、北九州、熊本、仙台、広島、清水、こういったようなところにつきまして、それぞれ地元の計画といたしまして地下鉄の御計画があるところもございますし、モノレールというような御計画のところもございますが、現在までのところ、まだモノレールにつきましてははっきりした計画というものがつかめておりませんですが、これがつかめてまいりましたら、またその輸送の実態というものを考えまして、この助成の問題も当然考えなくてはいけない、こういうように考えております。
#108
○西宮委員 いずれにいたしましても、地方の都市も首都圏その他のような巨大都市と同じような交通渋滞におちいっている。これはもう現におちいっているわけですから、そういう高速大量輸送機関を設けるというようなことは、まさに焦眉の急を告げているわけです。したがって、ぜひそういう国として助成の道を講ずるあるいは助成をさらに拡充するということは、絶対的な必要に迫られておると思うのです。これは何ぶんにも非常に建設費が高くかかる仕事でありますから、もしそうでなければとうていあとの経営ができない、ことごとく住民の負担におちいってしまうというようなことでたいへんな問題を起こすわけですから、ぜひともそれは一日も早くそういう大方針を確立するということを強くお願いしたいと思います。
 いろいろこまかい点についてお尋ねしたかったわけでありますが、だいぶ時間もおそくなりましたので、また後日そういう点についてお尋ねすることにいたします。
#109
○笹山委員長 吉田賢一君。
#110
○吉田(賢)委員 国鉄の磯崎総裁にお伺いいたします。
 かねて国鉄としまして非常に重大な長年の課題として取り組んでおいでになっておる財政再建の問題に入るわけですが、そもそも国鉄財政はどういう実情にあるのだろうか。赤字はどう累積されておるのだろうか。若干資料をいただきましたのですが、一応結論を伺っておきたいと思います。長期の多額な負債を背負い込んだままになっております。要するに、財政の実態としまして最も特徴的な実情はどうこれを把握すればいいか、この点についてまず明らかにしておきたいと思います。
#111
○磯崎説明員 午前中も御報告申し上げましたけれども、先生御承知のとおり、単年度の赤字に転じましたのは昭和三十九年度からでございますけれども、昭和四十五年度までの繰り越し欠損の合計が約五千六百六十四億という膨大な金額にあがっております。昭和四十五年度は、万博その他の関係で若干収入もよかったおかげで、純損失は千五百億くらいで済みましたけれども、昭和四十六年度、これはもともと初めから償却前赤の予算を組んだのは御承知のとおりでございますが、昭和四十六年度の見込みは、まだ最終の決算ができておりませんけれども、国会で成立いたしました予算によりますと、約二千四百億前後の純損失になっておりますが、いまのところこれよりは百億前後いいのではないか。と申しましても、ぜいぜい二千三百億くらいでございますが。したがいまして、先ほどの五千六百億と二千三百億を足しますと、昭和四十六年度末、ことしの三月末現在におきましては、累積赤字が実に八千億ということに相なるわけでございます。
 一方、ただいまお尋ねの長期債務でございますが、これは後ほど銘柄その他を詳しく申し上げますけれども、概略四十六年度末三兆でございます。
 大体全般のごくアウトラインの財政状態はそういう状態でございます。
#112
○吉田(賢)委員 いまの八千億円は、四十六年じゃなくて四十七年じゃないのですか。
#113
○磯崎説明員 失礼いたしました。四十六年度末、すなわち四十七年でございます。
#114
○吉田(賢)委員 この第一は赤字源ですが、赤字源は何が最大の原因をなしておるのであろうか。企業なんかについて見ましても、大きな赤字をかかえておりますときは、企業の経営がまずかったとか、あるいは見通しを誤ったとか、あるいは経営するそれぞれの会社員などが十分に能力を発揮して生産を上げて利益をはかるということに努力が足りなかったとか、その他世相、経済の変動等もございますけれども、いずれにいたしましても、財政問題と取り組むときには赤字源を厳格に追及するということはきわめて重要な前提課題であろうと考えます。端的に赤字源は何と規定すればいいのであろうか。
#115
○磯崎説明員 ただいまおっしゃいましたように、赤字源はたくさんございますけれども、いろいろなものの中からごくおもなものだけを申し上げますと、まず何と申しましても輸送の伸び、すなわち収入の伸びが、客貨合わせましても四、五%しかないということでございます。そうすると、収入が約一兆でございますから、企業努力をいたしましても年間四、五百億くらいの増収しかないという問題が一つございます。これはいろいろ理由もございますが、結局、鉄道というものが欧米と同じようにほかの交通機関との競争に耐えかねて輸送が伸び悩んでいるということがまず第一の点であろうと思います。
 その次に、そういう状況であるにもかかわらず、相当ばく大な投資を毎年いたしております。しかも、その投資が実際に収入になり利益を生むには十年、二十年かかるという、非常な期間の長い投資をいたしております。したがって、その利子の負担が相当大きい。過般成立いたしました予算につきましても、約二千億の利子負担を背負っているということでございます。
 それからもう一つは、そういうような状況でございましたので、いろいろ政府にお願いいたしまして財政助成の措置も講じていただきましたけれども、やはり第一次の、いままでやってまいりました再建計画での政府助成が、私から申し上げるのはなんでございますけれども、必ずしも多くなかったということで、今度の予算で相当画期的な政府助成をお願いいたしましたところが、それが審議未了になってしまったというふうな状況でございます。
 いずれにいたしましても、輸送の伸び悩みと利子負担、そして人件費が、今度の仲裁裁定で申しますれば大体年間約八百五十億所要額がございます。したがって、収入が四、五百億しかふえないのに人件費は八百億から九百億、はね返りを入れますと約千億の人件費の増加がある。それから利子負担。取りまとめてもう一ぺん申し上げますと、収入の伸び悩みの問題が一つと、それから利子負担の問題と人件費の問題、ごくかいつまんで申しますと、こういうことになるのではないかというふうに思います。
#116
○吉田(賢)委員 国鉄というものは、明治初年に新橋から発足いたしましたあの大きな夢、国鉄のイメージというものはいま消え去ってしまったものであろうかどうか。この点につきましてももう一度われわれは原点に返るというような謙虚な気持ちで国鉄を見直してみたい。しろうとの私の観察によりますと、新幹線のあのすばらしい能力、今後なお五百キロを出すようなものが出現するようなことが伝わっておりますが、そのような技術水準を持っておる日本であるとするならば、国鉄の赤字というものは宿命的なり、トラックの発達その他の交通機関の発達に伴って、国鉄はとうてい順応し得ない、ついていけないのが国鉄の宿命だ、だから赤字はやむを得ない、日本においてたとえば綿花を栽培すると同じように、しょせん経済性のないものであるということにこれは見ねばならぬのかどうか。その点について専門家の考え方を、国民によく理解できるように端的に所信は述べておいてもらいたい、こう思うのですが、いかがでしょう。
#117
○磯崎説明員 これは日本全体の過密過疎の問題と非常に関連していると私は思います。したがいまして、克明に私どものほうの線路約二万キロを精査いたしますと、そのうちの一万キロくらいは十分収支が償っている、残りの一万キロは全然輸送力が少なくて輸送の伸びもない。これは鉄道としての生命が終わったというよりも、むしろその地域自体が非常に過疎化し、したがって人の動きも少ないし、それから物の動きも減ってきているということだと思います。したがいまして、鉄道のいま申しました残りの一万キロのほうの中でも、鉄道としての使命が終わったと考えられるものもございますけれども、そうでなくて、鉄道としての使命はあるけれども、その使命でもって輸送すべきものが非常に少なく、減ってきてしまっているということが非常に大きな問題だと思います。端的に申しますと、その一万キロと申しますのは、全体の営業キロから申しますと約半分あるわけでございますけれども、半分の設備でもって送っている物と人は約五%から八%でございます。すなわち、半分の設備でもって約九十数%の人と物を送り、残りの半分の設備でわずか五%ないし七%くらい、旅客、貨物で少し違いますが、平均いたしますと七%程度の輸送しかしてないというところに、いま先生がおっしゃった鉄道全体としての使命がどうなったという問題よりも、いま私どもの運営しております二万キロの鉄道の中で、非常に収支が償っている、経営としてもやっていける面と、そうでなしに、純粋ないわば公共事業として収支を度外視してやっておる分と、この二つの面が非常にはっきりしてきている。したがいまして、収支を度外視してやっております面については、それがそのまま形としては損失という形でもって出てきているというふうに思うわけでございます。
 したがって私は、いまこの日本の地形、ことに雪国の多い地形あるいは非常に山岳の多い地形におきまして、しかも狭い、この中でもって将来の日本の発展等から考えましたときに、これを全部道路輸送するとかあるいは全部海上輸送するということは、これは絶対不可能で、あくまでも鉄道輸送としての、旅客の面でも貨物の面でも大きなシェアを持っているというふうに思いますけれども、日本のいまの産業配置自身が何らかの力でもう少し変わってまいりませんと、太平洋の表側だけでは非常にこんでしまって、そうでない地域ではがらがらになってしまう、こういう状況が、非常によその国と違った、ことに欧米、フランス、ドイツ、イギリスなどと違った状況ではないかというふうに思うわけでございます。
#118
○吉田(賢)委員 磯崎さん、あなたは在任中にひとつ、せっかく田中内閣で日本列島改造論という、ともかく日本じゅうあらゆる面において新動脈をつくろうというような、ああいうような大胆な構想の発表をした際なんです。これは一私人の著作とは考えられません。やはり総理の立場において相当なその考え方に対しては責めを負うべきものであります。というふうに考えてまいりますと、国鉄問題にしましても、たとえば日本の道路整備計画で十数兆円を投じて日本じゅうの道路を整備しよう、国道から地方道に至りますまで整備をしようという。道路というのは、申すまでもなく人間が生活の必要上、生活のためにこれは用いるものでありますから、広い角度から見ましたならば、国鉄でも新しいイメージがそこに転換して出てくるのではないだろうか。これは、私はしろうとですけれども、ともかく大改造論をぶっておるようなときでありますので、国鉄は根本的にもう一ぺん使命感を考え直してみたらどうだろうか。そうしてほんとうに道路なんという考え方がもし通用するのなら、道路は私道もありましょうけれども、一切の公道はこれ赤字経営ですわ。何の利益も得ておりませんわ。けれども、補修はしますわ、舗装もしておりますわ、入れるだけ入れておりますね。これは何兆円という金を入れておりますね。そういうことを考えてみますと、例のイギリスのビーチングプランですか、十年前の。ああいうようなもので、イギリスの国鉄が一切の負債をたな上げしてしまったということもやったらしいですな。ということを思えば、このところ大胆に国鉄運営が、あるものは赤字を公然と背負っていく、それでよいじゃないか。あるものは黒字であるという、それもいいじゃないか。いずれにしても国鉄という輸送機関、交通機関というものを別の角度でとらえてみるというようなことも、この段階においては私は一つの発想ではないかと思うのです。したがって、あなたが在任中にそういうふうな国論をわかしたらいいと思うのです。一つの提案をなさったらいいと思うのだ。諮問委員会、また前には、昨年でありましたか、大蔵大臣、運輸大臣などの連名で、自民党の諸君の名前も出ておったようでありますが、国庫援助であるとかあるいは合理化であるとか、その他赤字線の問題等々、三項目ですか出ておりましたね。そういうこともありますけれども、そういうものも一ぺんるつぼに入れちゃって、あなた御自身も、長年の体験と、それから現在の流動化しつつあります社会情勢の変化に対応いたしまして、新しい国鉄はどうあるべきか、その観点に立って財政処理問題を考えてはどうだろうか。いまのままで、一体金利に毎年千五百億も支払って、三兆円の借金、長期負債の支払いができますか。赤字を背負っていくような国鉄で、支払いはできないわ、金利は払わなければいかぬわでは、財政再建もくそもありはしませんわ、この状態では、この条件下では。条件の変更、これが第一ではないだろうか、こう考えるのであります。そういう点におきまして、抜本的に財政の角度から、運営の角度から、国鉄のイメージの転換、その使命感、社会情勢の変化に対応するところの国鉄どうあるべきかということについて、ひとつすばらしい新しい提案をしたらどうです。これをひとつおすすめしたいのですが、これはしろうとの私からあなたに対する一つの提案ですけれども、どう考えなさる。
#119
○磯崎説明員 いまの点につきましては、かねがね吉田先生からそういう御忠告をいただいたことを私記憶しておりますが、先般の田中総理の日本列島改造論、私繰り返し読み、またその前の都市政策調査会にも関与をいたしまして、いまおっしゃったように、発想の転換と申しますか、一体国鉄というものは何なのだ、どうなければいけないのかということから考え直しませんと、常に経営がまず先にきて、それからあとそれに対するいろいろ付帯的な投資がくるということ、いままでのそういう発想と逆に、そうではなしに、いまたまたまいみじくも先生おっしゃったように、道路と同じに考える、極端に申しますれば。そうして、それからあとで経営という概念に入る部分は経営しなければいけないけれども、そうでない部分はもう公共事業なんだ、純粋な公共事業なんだ、若干の運賃をいただくことはいいけれども公共事業なんだ、という思い切った、いままでと逆な転換ができないかどうかということを、実はいまちょうど夏でございますので、いろいろ考えておる最中でございます。たとえば新幹線にいたしましても、あるいは在来線の複線電化にいたしましても、いろいろ日本国土の再開発あるいは過密過疎対策の一環としてやらなければならない前向きなことがたくさんあると私は思います。同時に、その裏づけになる経営は一体どうするのか。経営として責任の持てる範囲と、経営として責任の持てないと申しますか、純粋に公共事業的に考えなければならない面と、この二つがなければ、公共事業は赤字が出たら全部国だということも、これは無責任になると思います。したがって経営として成り立つ範囲は極力合理的な経営をしていく、しかし全く経営として成り立たない、しかも社会的に必要なものについては、これはもう全然経営という概念から離れてということができないかどうかというふうな、いまたまたまいみじくも先生のおっしゃった方向で実はいろいろ考えておる最中でございますが、いずれそういうことを世の中にお問いする時期が来るというふうに思っております。
#120
○吉田(賢)委員 それから、次元がちょっと低くなりますけれども、財政の協力といいますか補強の角度から考えまして、私鉄の場合は、このごろ土地造成屋になっております。土地造成屋かボーリング屋かです。というように、元来私鉄は赤字かもしれませんが、土地造成、宅地造成に数十億円をさっと出します。五十億、六十億さっと出すから何百町歩、あの山をひとつ分けてくれぬかということで大私鉄がさっと手を出していくという実例を私も二、三耳にしております。というような、それはすばらしい経済アニマル的な活動が行なわれております。ですから、そういうようにいくようなことになるのなら、これは全然世界は別ですわ。もう一つ、そのようにして利益を得るものが私鉄にあらずして他の開発業者であるとするならば、鉄道があるがゆえに、そこらもここらも宅地造成をやって、わずかな金で買ったものが大きな価格で転売されていくということになるのなら、その利益を吸収するということはどうだろうか、こういう提案が二、三新聞で散見されたように思います。幾つか項目が並んでおったように思いますが、そういうようなこともあれこれと考えることも、次元がちょっと低くなりますけれども、一つの方法でないだろうか。つまり利益の配分を均等にする、そうして所得を公平にするという意味におきましてこういうことも考える。これはちょっと頭に置いておいたらけっこうです。それに対してお答えはどうということは私は思っておりません。
 それから、後段におっしゃいました運用の機能を発揮するという点につきましては、輸送物資もしくは輸送人とか、輸送するもの自体を輸送する方法につきまして、かねてあなたのほうもずいぶん力を入れておられますが、神戸にポートアイランドというものをつくっておりますね。あれは原口という前の市長の発想と聞いております。ここはほとんどコンテナの場所になります、置き場のようになります。これは海の関係ですけれども、海のみにとどまりませんわ。したがいまして、コンテナをもっと融通、相互うまく使う手はないか、前から私はそのように思うのです。名古屋あたり私通ってみましたら、ずいぶん並んでおるのが見えます。見えますけれども、まだまだです。だから赤字線の廃止に至りますまで、コンテナをうまく使えないものだろうか。そうしてそれは、ただし一般の民間運輸業者の圧迫にあらずして、お互いが共通していく、私鉄とも組んでいくということ、この辺について新しい具体化の手はないものだろうか。そういたしましたら、また一つの新しい機能が発揮されていくのではないか、こう私は考えるのです。この点は前に言ったこともあるのですけれども、私はあちらこちら歩いて特に痛感するのです。ちょっと御所見だけ伺っておきたいと思います。
#121
○磯崎説明員 先般もいろいろ吉田先生から、貨物輸送がいまのままではだめじゃないかという端的な御批判を受けました。私どもも、百年前と大体似たような姿のいまの貨物輸送ではとてもだめだというふうに思っておりまして、いま御指摘のコンテナ、やはりこれからは特別な物資を除きましてはコンテナ輸送が国内でも中心になってくる、ちょうど海洋船舶がコンテナ船になってしまったと同じに、当然国内でもコンテナ輸送が中心になるべきだということで、逐年コンテナ輸送につきましては、まずコンテナをふやす、現在大体三万個を少しこしましたけれども、十万個くらいまでにしなければならないと思っております。昨年やっとコンテナ輸送トン数が一千万トンをこしまして、一千万トンと申しましても、石炭その他のバルキーな貨物を除きまして、コンテナで運び得る物資のうちのまだ二割くらいでございます。これをせめて五割以上にしたいというふうな目標をもちまして、いま全国にコンテナの急行列車と申しますか、私のほうではフレートライナーと言っておりますけれども、そのコンテナ急行列車あるいはコンテナ特急列車というもののネットをつくりまして、そして速達それから正確さ、これを二つの売りものにして、現在着々とコンテナ列車をふやしてまいっております。問題は、いま先生がたまたまごらんくだすったようなコンテナの置き場あるいは荷役場というところで、貨物のターミナルがいままでのような規模の小さいものではとてもだめでございます。したがいまして、貨物駅を極力まとめて、そのかわりきちっとした、荷役費の安い、料金のかからない貨物ヤードをつくるという方向で、そして急送のスピードがあり、しかも正確な輸送をするコンテナ列車というものをこれから中心にしていかなければいけないと思っております。
 それから、いまの神戸のポートアイランドにつきましても、あそこに線路を入れるか入れないかずいぶん議論をいたしたのでありますけれども、線路は入れない、しかしあそこまでトラックを持っていって、あそこからトラックに積んで、しかるべき駅から列車に積むということを現在やっておりますけれども、最近は海上コンテナもだいぶうちのほうに移ってまいりまして、横浜あるいは神戸へ着いた海上コンテナを鉄道に乗せて陸へ持っていく、また、いまちょうど東京の大井町の埠頭でつくっております大きなコンテナヤードとうちのヤードを一緒にいたしまして、船からおりたコンテナをすぐそのまま貨車に積むという設備投資を現在やっておる最中でございますが、大体貨物につきましては、このコンテナ列車を中心に伸ばしていきたいと思っております。
#122
○吉田(賢)委員 四面環海のわが国は、本来資源の乏しい国であることは申すまでもございません。ほとんどの重要資源は国外に仰いで、そして全国の港から入ってくる。港から入ってまいりますが、この間も神戸の問題でございましたけれども、冷凍牛肉を入れるという問題であります。こんなにコンテナが発達している時代なのに、海岸区域何とかと称しまして、そういうもので一つのなわを張っているのですね。なわを張っておりますばっかりに、牛肉をあちらへこちらへと持っていくのに便利なようになかなかつながらぬのです。そういうために牛肉が少ない、消費者は困る、値段が高くなる、こういう現象がありましたので、何だろうと思って原因を追及してみたら、そういうふうに線が引いてある。線が引いてあるということは、最近コンテナが発達いたしましたことを、地方自治体とか自治省とか、そういう方面において十分に目を開いていない。言うなれば、それは農林省あるいは通産省の貿易の関係、また運送の関係等の総合的な行政施策が伸びておらぬということにも一面から批判できるのです。そういうことも考えます。でありまするので、これを思いまするときに、やはりローカル線の問題ですね。ローカル線の問題は、私はかねて何回もあなたとやりとりしておりますけれども、だんだんいただいた資料によりますと、それぞれと処理されていっております。いっておりまするけれども、やはりこれらにつきましてももっと何か早くくふうしてもらいたい、こう思うのです。兵庫県におきましても、私の住んでいる近くでも三本あります。鍛冶屋と三木と北条と三本あります。最近中国縦貫道路ができまして、その真正面にインターチェンジができます。インターチェンジができまして、そこへはあらゆる企業体とかその他が相当建設されていっております。兵庫県におきましてもあるいはその地方の地方団体におきましても、人間尊重の環境づくりのあるプランを発表いたしましたが、人間尊重の環境づくりには交通、道路は絶対に必要ない。それには同時に国鉄の使命がなければならぬ。寄与するものがなければならぬ。あるいは都合によっては私鉄と結ぶとか、そういった国道と結ぶとか、何かその辺につきましても時を逸せず、事態の変化に即応いたしまして活用する手がないだろうか。私もあの辺の市長や何かにはよく言うんです。あなた方は廃止されたら困るということを言う前に、こうしたら国鉄の値打ちが上がる、みんなが感謝する、喜ぶ、産業の開発にもなる、生活のためにも大きく貢献する、こうしたらよろしいということを提言しないのはいかぬじゃないか、積極的に研究する意欲がないのはいかぬじゃないか、こう言うのです。これは一つの例ですが、全国見渡しましたら、私は、こういうふうにしていきまするならば、生かしていくのがまだ相当あると思うのです。そうしたら私は国鉄はきっと貴重な存在ということになると思うのです。
 第一、私は国鉄の職員の問題にもあとで触れていきますけれども、国鉄の職員は優秀な人材が多いんですよ。この職員をいいかげんに老朽さすことは、人材の点から見ましても惜しいことです。だからできるだけみずから技術も開発するわ、あるいはプランも設計するわというふうにいたしまして働かす、そうして活躍する場を与えるというふうにすることが、こういうローカル線を生かす一つの道でもないだろうか。だから管理局でもよろしい、どこでもよろしいから、それぞれあれをうんとよい線にするにはどうしたらいいかということを考えてみろ、都合によっては自治体と組んで、そうして商業団体、企業団体とも提携して研究の場をつくろうじゃないか、意見の交換をしようじゃないか、こういうふうに私はしたらい外と思うのです。その辺あたりの商工会議所の会舘連中に会って聞きましても、もどかしく思っている気持ちですよ。何か方法はある。こうしたい、ああしたいとずいぶん意見を聞きますけれども、それだけではものにならぬ。だから国鉄をうんと言わせなければいかぬ。説得力がなければいかぬ。そうして経済性があるということを実証しなければいかぬ。その辺についてはあなたら積極的に提言しなさい。人間を減らすとか、そんなこそくな手段を国鉄がとるようなことをやったら、それを待ったというくらいにやったらどうですか、こう言うのです。ですからそういうことにつきましても、ひとつこの際さらに積極的に大胆にローカル線は活用するものは活用する、地域開発、人間環境づくりに貢献する新しいイメージをそこに生かす、こういうふうにありたいと思うのですが、ひとつ総裁どうでしょうね、踏み切ってほしいと思うのです。
#123
○磯崎説明員 ローカル線につきましても、いま先生がおっしゃったとおり、例の八十三線区というものを発表しました時代といまとは、わずか五年でございますが、もうすでに相当状況は変わってきております。したがいまして、もちろんあそこの中にも要らないということに近いものもありますけれども、中にはいまおっしゃったような新しい工業整備特別地域になったり、あるいは新しい今後の工業再配置の目標の場所になったりというところが数カ所もうすでに出てきております。そういうところにつきまして、それをどういうふうにするか。実はちょうどいま先生のおっしゃった地元の人と一緒になった協議会と申しますか研究会をつくって、どうしたらこれが生きるか、どうしたら地域開発とマッチして今後発展させられるかという方向で、ローカル線の有望なものについては十分前向きで考えていきたいという考え方で、いますでに数カ所指定いたしまして、たとえばいまおっしゃった播磨の工業地帯だとか、あるいは志布志湾の開発とか、むつ小川原というような、すでに名前があがっておるところがたくさんございます。そういうところについて、すでにローカル線でなくなっているわけでございます。そういう意味で新しい意味の鉄道の活用のしかたというものをぜひ考えていかなければいけないというふうに思っておる次第でございます。
#124
○吉田(賢)委員 時間の関係もございますので、私は次の一点で終わることにいたします。
 これは四十六万の職員の問題でございます。元来の私の立場並びに考え方は、ほんとうに国鉄総裁は四十六万の職員を自分の子を愛するがごとき気持ちをもってこれに対処してほしい、こう思うのであります。それだけに私は、いけないことはいけないと言い、よいことはよいとし、かつそのためにできるだけよかれかしと祈るような気持ちで、その職員がしあわせになるような道は、これはまた全力投球で講ずる必要があるのじゃないか、こういうふうなのが根本の立場であります。
 そこで一つは、最近の、去年から続発いたしました合理化闘争とか、順法闘争とか、マル生運動とか、いろいろと名が実にそぐわないようなことが起こりまして、すでに刑事事件となって発生した事実もあり、幾つか私も現場を見せてもらって、そのことのあとをいろいろと検討したものの一人でございますが、私は、こういう公共の福祉を増進する、かつまた重要な生命を預かるような国鉄の職員の立場、この立場におきまして、いやしくも暴力ざたをもって内部が混乱するというような、社会がひんしゅくするような、刑事事件として起訴されるような、そういうことがございますということはきわめて遺憾です。この点については運輸大臣にも言ったのでありますが、それだけやはりこの種の問題につきましては、ほんとうにえりを正しまして、私は峻烈な態度をもって臨まなければいかぬ、こう思うのです。いささかもあるものを顧慮したり、気がねしたり、遠慮したりする必要はないと思うのです。愛すればこそぶったたきます。そうしなかったならばこれはいかぬのじゃないか。よいことはよいこととし、秩序は秩序とし、規律は規律として、きちんとけじめをつけてもらうということが根本の鉄則でないかと私は思うのであります。この点いかがでございましょう。
#125
○磯崎説明員 いまの御指摘の点につきましては、私どもも全く同感でございます。この点につきましては、先般の通常国会におきましても私たびたび申し上げておりますが、いわゆる私どもの職員の中に過激派学生と同じような行動をとる者が若干いるということは非常に遺憾なことでございます。そのために善良な職員が安んじて仕事ができない、あるいは通勤ができないというふうなことがあってはたいへんなことだというふうに思いまして、いま徹底的にその暴力に対する、これはもう当然のことでございますけれども、峻烈な態度をはっきりさしたいというふうに実は思っておるわけでございます。実は昨日も福岡県で十数名逮捕されたような事態がございますが、残念ながら、そういういわゆる過激派学生と同じような行動をし、同じような考え方を持っておる連中は、これはどうしても企業の中にいてもらっては困るというふうなことも考えなければいけないというふうに思います。したがって、私は、大部分の善良な職員が安んじて、そうして先生のおっしゃったように、喜々として国鉄の将来のために働けるという職場をつくることが何よりも一番大事なことだというふうに思っておる次第でございまして、その辺もたびたびの御指摘を受けまして、私も腹をきめてその問題については立ち上がっていくつもりでございます。
#126
○吉田(賢)委員 私は、そのかまえは管理職のすべての人にある、かつまた国鉄の職員四十六万は大部分信頼して可なり、相当優秀な人材が集まっておる国鉄であろうと思いますので、決してその点は顧慮することなく、正しいことは正しいとして、すべての管理職に徹底させて、身をもって範を示すようにさせてもらいたいと私は思うのであります。それが国鉄に対する信頼感を取り戻す第一の道であろうと考えております。もしほったらかしておきましたならば、極端な例を申しましたならば、裁判所あたりにおきましても、もし日本の裁判制度の中へ同僚が腕力で、暴力で、そして刑事事件を引き起こすようなことがございましたなら、日本の司法権は崩壊してしまいます。司法権が崩壊いたしましたら、日本は大混乱におちいる危険もございます。というようなことを考えましたならば、それだけ公務員のモラルの高かるべきことを要請することは、やはり国鉄に対して私は強く訴えるような気持ちで申し上げたいのであります。
 それからいま一つは、一生懸命にやっている職員は気の毒です。汗をふきふき仕事をしているあの姿、まじめに取り組んでおるあの姿、そして混乱も防ぎ、もしくは生命の危険もないように、あらゆる面において努力しておる姿を見ますると、この忠実な国鉄の職員に対しましてはしかるべき相当なる処遇はあってよいのではないであろうか。一口で申しますならば、ほんとうに魅力のある職場づくりでございます。一生をそこに職を奉じて何の悔いるところもないというような気持ちを起こさせることであります。そのためには、単に経済だけではいけませんが、しかし今日の社会におきましては経済はわれわれを縛っておりますので、しかるべき物質的な処遇も必要であります。同時にまた適材を適所に置きまして、また第二人生計画も立ち得ますように、子につきましてもりっぱに教育もなし得るように、それだけの資力も与えるように、三十年つとめておったけれども家一軒持ちかねますというようなことではどうにもいけませんです。家一軒持ちかねます、やむを得ぬから何か退職金をもらった、それで商売を始める、なれぬ商売でたちまち飛ばしてしまった、三十年間の労苦何したことやらという嘆きの現実の例も私は知らぬでもないのです。そのことを思いましたならば、老後とは言いません。第二人生の計画をほんとうにはばたいて社会に出ていけるような、国鉄の職員が次の職場を求めるようなときには、これはみんなで手をたたいて歓迎する、このくらいな未来をやはり豊かに持たせてほしいと思うのです。それには一つは専門化することです。職務に対して忠実ならしめることです。厳格に自己の職責に対して反省もするし、また研修もするし、やっていくことであります。したがいまして、老朽というとえらい悪いけれども、駅長さんが交通公社へちょっと雇われていくとか、そこらの商社へ入るというようなことをようやくする、そんな情けないことではなしに、私はあってよいのではないであろうか。できますならば四十六万の職員がみんなそんな誇りを持ち得るような職員にするように、物心両面とも処遇をほんとうに改善していくことが、国鉄を再建し経営を合理化する根本の条件になるだろう、こういうふうに考えております。かつまた日本の土地にふさわしい、合う条件になっていくのじゃないかと思われます。この点についてあなたの所信を伺っておきまして、私の質疑を終わります。
#127
○磯崎説明員 たいへん御激励を賜わりまして、私といたしましても非常に感銘いたしております。確かに四十数万という日本で例を見ない大企業を動かすためには、やはりその中の一人一人が本気に気持ちよく働く、そういう職場をつくっていく、またそういう環境をつくることが一番大事なことだというふうに考えます。したがいまして、いまおっしゃったようないろいろな子供の問題、あるいは第二の人生の問題等、いろいろございますが、ただ国鉄は、昔は非常にその点がすぐれていたのだが、近ごろはほかのほうがよくなってしまったということでございまして、全力をあげまして、その四十六万の大世帯の人間が安心して仕事ができるように最大の努力を払うということを申し上げておきます。
 ありがとうございました。
#128
○吉田(賢)委員 終わります。
#129
○笹山委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後二時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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