くにさくロゴ
1972/10/04 第69回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第069回国会 商工委員会流通問題小委員会 第1号
姉妹サイト
 
1972/10/04 第69回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第069回国会 商工委員会流通問題小委員会 第1号

#1
第069回国会 商工委員会流通問題小委員会 第1号
本小委員会は昭和四十七年七月十二日(水曜日)
委員会において、設置することに決した。
七月十三日
 本小委員は委員長の指名で、次の通り選任され
 た。
      稲村 利幸君    小川 平二君
      海部 俊樹君    鴨田 宗一君
      北澤 直吉君    八田 貞義君
      増岡 博之君    松永  光君
      武藤 嘉文君    石川 次夫君
      加藤 清二君    中村 重光君
      岡本 富夫君    松尾 信人君
      吉田 泰造君
七月十三日
 武藤嘉文君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
昭和四十七年十月四日(水曜日)
    午後一時四十二分開議
 出席小委員
   小委員長 武藤 嘉文君
      小川 平二君    田中 榮一君
      石川 次夫君    加藤 清二君
      中村 重光君    松尾 信人君
      川端 文夫君
 小委員外の出席者
        農林省農林経済
        局企業流通部商
        業課長     岩野 陽一君
        通商産業省企業
        局次長     橋本 利一君
        中小企業庁次長 森口 八郎君
        参  考  人
        (東京商工会議
        所常務理事)  田原 大千君
        参  考  人
        (日本チェーン
        ストア協会会
        長)      中内  功君
        参  考  人
        (全日本商店街
        連合会会長)  並木 貞人君
        参  考  人
        (日本百貨店協
        会会長)    古屋徳兵衛君
        参  考  人
        (日本商業労働
        組合連合会事務
        局長)     山本 勝一君
        参  考  人
        (全国商品取引
        委員協会連合会
        副会長)    清水 正紀君
        参  考  人
        (全国商品取引
        所連合会会長) 西田嘉兵衛君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
九月十四日
 小委員増岡博之君七月十七日委員辞任につき、
 その補欠として木部佳昭君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員小川平二君八月二十二日委員辞任につ
 き、その補欠として小川平二君が委員長の指名
 で小委員に選任された。
同日
 小委員八田貞義君八月二十二日委員辞任につ
 き、その補欠として八田貞義君が委員長の指名
 で小委員に選任された。
十月四日
 小委員稲村利幸君及び吉田泰造君同日小委員辞
 任につき、その補欠として田中榮一君及び川端
 文夫君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員田中榮一君及び川端文夫君同日小委員辞
 任につき、その補欠として稲村利幸君及び吉田
 泰造君が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 流通問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○武藤小委員長 時間でございますので、これより商工委員会の流通問題小委員会を開会させていただきます。
 この流通問題小委員会、いままではたいへん活発ではございませんでしたが、いろいろ問題が大きく取り上げられ、たとえば流通の資本の自由化の問題とかあるいは百貨店法の改正の問題が論議をなされつつある事態でございますので、今後は積極的に活発にこの委員会を行なっていきたいと思っております。
 私が小委員長を仰せつかっております武藤嘉文でございします。
 きょうは流通の問題につきまして調査を進めるわけでございますが、まず百貨店等の問題につきまして、ただいまから議論を展開するわけでございますけれども、後ほど商品取引所の問題につきましても、これもその調査のために参考人の御出席をお願い申し上げておりますので、なるべく時間を有効に使わせていただきまして進めさせていただきたいと思いますので、御協力をお願い申し上げたいと思います。
 ただいま百貨店等の問題の参考人といたしましては、お手元にお届けいたしております方々をお招きをいたしておるわけでございます。
 この際、参考人の皆さま方に一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。
 参考人の各位には、御多用中のところをまげてこの小委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 本日は、百貨店、スーパー、中小小売り商業それぞれのお立場から、あるいはまた百貨店におつとめの労働組合の代表の方もお越しいただいておりますから、これは百貨店における労働者の立場から、それぞれ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 なお、議事の進め方でございますけれども、初めにそれぞれの参考人の方々から大体十分ということで御意見をお取りまとめをいただいてお述べをいただき、次に小委員の皆さんから、これらの皆さん方の御陳述に対し、あるいはまた、せっかくきょうは関係官庁からも政府委員あるいは説明者に御出席をいただいておりますから、御質疑をお願い申し上げたいと思います。
 それでは、これはあいうえお順でいたしましたので、この順序に従いまして、まず田原参考人からお願いを申し上げたいと思います。
#3
○田原参考人 さっそくでございますけれども、商工会議所の立場から今回の産構審流通部会の答申等によりまして御意見を申し上げたいと思います。
 ただいまお話しございましたように、現下の流通業界は対外的には資本の自由化あるいは輸入の自由化といったような、一そうの国際化を迫られておりますし、また、国内を見ましても、産業が一そう高度化してまいります傾向があることや、さらに消費者物価の問題というようなことがたいへん注目されておりますので、したがいまして、これらの情勢に対応いたしまして、生産部面よりとかくおくれがちになるといわれておりまする流通のより一そうの近代化、合理化を強く要請されるというようなことが、内外両面からそういう情勢に直面していると存じます。
 このときにあたりまして、さきに産業構造審議会の流通部会におきまして、現行の百貨店法の改正を中心にしました大型大規模小売り業に対する法制のあり方という問題につきまして答申が行なわれました。
 この答申につきまして、私どもの意見といたしましては、これは実は日本商工会議所という全国で四百六十一現在メンバーがございまするが、全国の四百六十一の会議所をメンバーとする日本商工会議所のほうでも、答申についてはいろいろ検討をいたしておるのでございますが、先般九月の八日に関東地域の商工会議所の連合会の総会が行なわれまして、これには関東地方にございまする八十九の商工会議所が参加しておりますが、その総会の席上、この答申についての意見が出されまして、一つの決議があったわけでございまして、その決議について、さらに全国的な日本商工会議所というレベルでいろいろ検討していただくことにして、日本商工会議所のほうにその決議を提出いたした次第でございますが、本日は何らか御参考になるかと思いますので、この決議につきまして申し上げたいと思うのでございます。
 まず今度の答申には、一つは、従来、数年来各地域におきましてややもすれば問題がいろいろございましたいわゆる疑似百貨店をこの対象に取り入れるということがうたわれております。それから二番目に、消費者の利益という観点を新たに百貨店法の中に取り入れる必要があるということも述べておられます。同時に、流通の近代化を一そう促進するというような視点も加えられております。
 こういう観点に立って答申がなされておりますが、一方、一定規模以上の大規模小売り店の進出に対しましては、とかく地域によりまして若干問題を生じておりました中小、零細な小売り商業者が、この大規模店の進出に対して対応するいとまを与えるという意味において、いわゆる事前届け出制に改めようということでございまして、御承知のような現行の許可制から事前届け出制に改めよう、こういうことが述べられております。
 私たちといたしましても、こうした答申の基本的なラインにつきましては、根本的に考えまして賛意を表する次第でございます。
 ただ、答申の文言等を読んでまいりますと、いろいろ具体的な点でなお詳細不明な点もございまするし、今後立法の過程におきましていろいろまた詳しい問題が出てくるかとも思いまするけれども、さしあたりといたしまして、答申につきまして、私どものほうでは三つばかりの点を申し上げたい、こう思っておるような次第でございます。
 特に諸先生方の御考慮をわずらわしたい、こう思っておりますその第一点は、従来商工会議所が各地域におきまして、それぞれ地元においての商業問題に取り組んでおるかたわら、特にこの百貨店法の通用をめぐりましては、御承知のように、法によりまして商工会議所の意見というものを提出するというような仕組みに相なっておりまして、したがって、地元において商業活動のいわば調整に関する機能というものを百貨店法成立以来十一年余にわたりまして今日まで続けてまいったような実績もあるわけでございます。
 商工会議所という団体は、申し上げるまでもなく、法律に基づいた一定の地域を活動範囲といたしまする地域的な経済団体であり、大中小さまざまの規模の企業を含んでおりますので、この団体の性格から申しまして、商業活動の調整といったような機能を発揮するにちょうどふさわしいのではないかというように考えられますし、また、現行の百貨店法も、そういった考えからおそらくこの商工会議所の意見を求められておるのではないかと思いますが、今後におきましても、この法律が改正になりました暁におきましても、この商工会議所の持っておりまする商業活動に対する調整機能をどうかひとつ十分に御活用をお願いしたいということでございます。
 と申しますのは、答申によってかりに届け出制が施行されますといたしましても、やはり大型小売り店の新、増設が、特定の地域で周辺の中小小売り商に何か問題を起こすというような場合においては、主務大臣の勧告とかあるいは措置命令というようなものが発動できるというような答申の線になっておりますが、こういう際におきまして、勧告、措置命令が出されます以前の段階におきまして、でき得べくんば、地元の商工会議所の商業活動調整に関する機能を引き継いで活用していただきまして、あらかじめ会議所の意見も求めるというようなことにいたしていただければ非常にいいのではないかということを長年の経験からいたしまして感ずる次第でございます。
 以上が第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、この許可制から届け出制への移行ということに伴いまして、事前届け出によって地元の小売り商が対応策を講ずる時間的いとまをあらかじめ与えるという趣旨に答申はなっておりますが、その際、その期間を含めまして、この大型店の設置と並んで地元の中小小売り商業者に対しまする適切な商業対策というようなものをぜひこの際強化していただく必要があるのではないか、両々相まってまいりませんと、なかなか周辺の小売り業者にとっては、そうでなくてもきびしい環境にございまするので、そういうような環境を整備する意味におきましても、何らか零細小売り商に対する対策ということを一段と充実していただきたい、こう考えておる次第でございます。たとえば、零細な小売り業者に対する経営資金の問題でございますとか、あるいは地域ぐるみの商店街の近代化でございますとか、あるいは地域全体を含めた商業近代化地域計画、現在やっておりますが、ああいうような施策でございますとか、中小小売り業者の近代化と体質の改善に資するような施策をさらに一そう強くしていただきたい、こう思っておるわけでございます。
 現在、商工会議所におきまして、各地において最近は商店の従業員の確保ということはなかなかむずかしくなりますと同時に、現在ある従業員の方々の資質、能力をさらに向上せしめるというような意味で、商業販売士といったようないろいろな名称はそれぞれございまするけれども、そういうような一定の資格試験、資格を認定いたしまして、そういう方々に能力向上の励みを与える、また社会的にも一定の資格を強化されるといったような資格認定の制度を現にやっている会議所もございまするし、こういった従業員に対する対策等もあわせまして、小売り商業、特に中小小売り商業の振興に関する法案のようなものを出していただけるならば非常にありがたいというように考えておる次第でございます。
 時間が参りましたので、あと多少申し上げたいこともございまするが、この程度で一応お話を終わらせていただきたいと思います。
#4
○武藤小委員長 ありがとうございました。
 次に、中内参考人にお願いいたします。
#5
○中内参考人 まず最初に、流通問題の小委員会で発言の機会を与えていただきました諸先生方に厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 私どもチェーンストアの業界としましては、かねがね公正にして自由な商業風土の浸透と拡大、この旗じるしを長期のビジョンといたしまして流通の近代化に取り組んでまいったわけでございます。したがって、流通市場の本来のあり方としましては、この公正、自由な競争、これこそ柱とすべきものである、このように考えておるわけでございまして、これによって、いま一番この国でおくれておるといわれております流通を近代化することによりまして、その合理化されました成果を消費者に還元し続けていきたい、そして低物価政策に寄与したい、これこそ流通革新の究極の目的である、このように考えておる次第でございます。したがって、古い規制的な法令や制度、また古い既存の権益を守ろうとするいろいろな保護の体制の撤廃、これを唱えておるわけでございます。それらの要望活動をこの十年間にわたりまして繰り返しながらお願いをしてきたわけでございます。
 たとえば、最近のことでございますが、米穀小売り登録制への新規参入、また中央卸売市場法の改正による小売りの売参権の取得、また薬事法に基づきます薬局、薬店等の距離制限の撤廃――もっともこれは向こう三カ年間の猶予期間が設けられておるわけでございますが、このようなこと、また、酒の免許証の下付の拡大、一方では、輸入制限物資の貿易面での緩和、拡大、このようないろいろな規制、制限的な立法に関しまして、いろいろお願いを申し上げてきたわけでございますが、着々として消費者の立場からこのような制限的な立法に対しての改正が行なわれておるわけでございます。情勢の流れが変わりつつあるわけでございまして、私どもも、今後とも大いに期待を続けていきたいと考えておるわけでございます。また、諸先生方の御努力に深く感謝をいたしておる次第でございます。
 ところで、こうした規制的な法令、制度の中で私どもが最も問題にしておりますのが百貨店法でございます。さきに申し上げましたように、私たちは、自由な競争、この原理、これこそ創意くふうを生み、そして流通の近代化ということに最も役に立つ、このように考えておるわけでございまして、かねがね百貨店法に関しましてはその撤廃を要請し続けてきておるわけでございます。その実現を目標としまして、企業努力を傾け、われわれ実績をつくることに力を尽くしてきたわけでございます。
 さかのぼりまして、四十三年度の産業構造審議会流通部会からなされました答申におきましては、「流通近代化の展望と課題」、このような題のもとに、制限的、規制的な法令、制度は、向こう五カ年のうちに撤廃すべきである、このようにお示しがあったのでございます。われわれとしましても、流通の近代化に対しまして、これこそ非常に期待を持っておったわけでございますが、本年の八月十四日に出されました今回の答申におきましては、その基本方針が急に曲げられたようにわれわれは感じたわけでございます。われわれ流通の近代化に取り組んでおりましたチェーンストアのグループをもその規制対象に取り込むように提案されておるわけでございまして、非常に大きな変化に現在直面しておるわけでございます。
 推察いたしますのに、法の撤廃へは一挙に進み切れないから、ひとまず規制の緩和を行なって改善へ一歩前進する。もう一面は、いわゆる百貨店というものの規制が非常に困難になった。地下街、また駅ビル、寄り合い百貨店、そのような非常に大規模な新しい店舗が多々開設されたわけでございまして、そのような店舗間におきます公平論ということで、許可制というのがむずかしくなり、届け出制に変わったのではないか、このように考える次第でございまして、われわれとしましては、公平とはあくまで法の撤廃された暁における公平であり、撤廃に至る道程での公平のために規制対象を広げるということは規制の強化としか受け取らないのであります。流通の近代化に逆行する施策として、あくまでもこの点に関しましては納得しかねるのでございます。
 今回の産業構造審議会の答申は、法の許可制を排して届け出制を導入された点、思い切った内容の修正を行なわれたことは、われわれも高く評価するところでありますが、規制対象の拡大ということからは、結局小売り業界の利害調整、当面のそのような小手先の技術ということにしかすぎない、このように考える次第でございまして、この答申に書かれております前文におきます流通の近代化、そして消費者の福祉、このような考え方自体も実現されないのではないかと考える次第でございます。
 八月二十九日に行なわれました新任の中曽根通産大臣を囲んでの小売り業界との懇談会におきましても、その席上、大臣からは、消費者の福祉と流通の近代化を達成しようとするこの答申は高く評価するものであるが、利害の複雑に対立する小売り業界のことだから、それぞれ立場があろうが、業界でよく話し合いをするようにというふうな御指示がございましたので、その後、大臣の提案されました王者の懇談会におきましても、私どもも出席いたしまして現在話し合いを行なっているような事情でございます。
 しかしながら、われわれはあくまでも百貨店法の中に取り込まれたくない。現在われわれが通産省の御指導で行なっております出店届け出制度の運用で十分に目的が達成できるのではないか。現在までにおきましても大きな紛争は起こっておらない、このように考えるわけでございます。この意味におきまして、百貨店法の撤廃は、あくまでわれわれチェーンストア業界の信条として主張を続け、また、撤廃の後においても公平な処遇を理想としまして、その一日も早い実現を要請いたしておる次第でございます。
 重ねて申し上げますが、法改正の骨子におきましても、許可制から届け出制に移すなど、かなりの配慮を加えられました審議会の御努力には敬意を表しておりますが、勧告及び措置命令を加えられることは、今後のわれわれチェーンストア業界におきましては、出店阻止にも利用されるおそれがありますし、営業時間等の規制が残されましたことは、最近の消費者の購買動向にも逆行するものがある、ともに消費者福祉をそこなう競争制限につながるものであると考える次第でございます。
 また、視点を変えまして、自由競争を基調としております、国際化しておりますこの市場の中にありまして、内資と外資とを通じて共通のものにならなければならない、このように考える次第でございまして、われわれチェーンストア業界としましても、資本取引自由化に関しましては、原則としては賛成を申し上げておる次第でございます。
 しかし、このような外資に備えるために、外資と競争し得る企業力の培養、企業体質の充実こそが最も緊急不可欠な条件であると考える次第でございまして、いたずらに法規制によりまして外資の進出テンポを緩和することは同意いたしかねるところでございます。この意味におきまして、消費者の利益を第一義としなければならない流通業の本質から見まして、また国際信義の面から考えましても、さらに意欲ある小売り業の育成をはばむおそれがあるという観点からも、この百貨店法の改悪に関しましては納得いたしかねるところでございます。
 以上、今回提案されました産業構造審議会の答申には、われわれとしましては基本的に大きな不満を持つ次第でございます。つきましては、当業界としましては、念願であります百貨店法の撤廃を重ねて要望したい、このように考える次第でございますので、もう一度この方向に沿いまして御検討いただきますことを心からお願いを申し上げる次第でございます。
 ありがとうございました。
#6
○武藤小委員長 ありがとうございました。
 次に、並木参考人にお願いいたします。
#7
○並木参考人 私は、全国二百二十万に及び中小商業者あるいは雇用を含めまして一千万になんなんとする人口をかかえているところの商業者の統合いたしておりまする地域団体である全日本商店街連合会の会長の並木でございます。
 本日ただいまから御説明、御要望申し上げる点につきましては、私のほうの全日本商店街連合会の役員会並びに各種団体等の幹部のお集まり等におきまして十分討議をされまして、その結論をひっさげてきょう発言するものでございますので、この点とくと御了承をお願い申し上げたいと思います。
 本日はまた、大型店等についてお話がございましたが、大型店、スーパー等が中小商業者に及ぼす影響はきわめて大きく、御承知のとおり全国各地で種々問題を起こしており、さらに長年にわたる要請等も各地からありましたので、本年四月十九日にはやむを得ず、私ども全日本商店街連合会が中心となりまして、日大講堂に全国各地の代表者一万余名を参集をいただきまして、スーパー、大型店の規制を第一点とし、その他付加価値税等も踏まえましたところの決起大会を開催いたしまして、御承知のとおり、その席においてスーパー、大型店によるところの影響がいかに大きいかという点の悲壮なる、深刻なる開陳がるるありまして、それらに基づきまして決議いただきましたものを先生方にそれぞれ陳情申し上げたことは御承知のとおりでございます。その後におきましても、さらに各地におけるスーパー、大型店等の非常なる影響によるところの紛争が絶え間なくて、しかたがなく私どもも各地におもむき、いろいろな実情を調査しながらも、今日何とかその方途を見出そうと検討中でございましたところ、せっかく本日そういう機会を与えていただきましたことは、まことに感謝にたえなく厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 まず最初に、本日お話のありました中小商業施策につきまして申し上げますと、二つに大別いたしまして、中小商業者への圧迫条件の排除ということと、いま一つ、中小商業振興強化対策、この二本にしぼって申し上げたいと思います。
 なお、商業対策その他についての資料は、先生方のお手元にも御配付してございますので省略させていただいて、なるべく圧迫要因のほうを中心にお話し申し上げたいと思います。
 圧迫要因の第一は、大型店、スーパー等を法によって規制せよということでございます。この理由は、資本の自由化対策上の見地からでございます。これは御承知のように、今回の資本の自由化は、御努力によりまして完全自由化は見送られたのでございますけれども、一〇〇%自由化ということになりますと外資の進出が非常に目ざましいものがあるのではないか。これから非常なる進出が予想されるのでございますし、さらにいずれの日か段階的に一〇〇%自由化が全面的になった場合を考えるときに、いまからそのルールをつくっておいて、その場における中小施策のあり方等をそれまでに強化していかなければならないという点等も配慮いただきまして、規制の第一要因に入れているわけでございます。
 なお、自由化について一つつけ加えて申し上げておきたいのは、過般箱根で、自由化になったばかりでございますけれども、大蔵大臣が羽田での第一声で自由化の促進をやるのだというお話がございましたけれども、私どもは、自由化は段階的にやっていただくことにお願いをいたしまして、その間に、私どもの零細商業者の資質の強化をはかっていただくようにお願いをし、それを待ちながら段階的に完全自由化に持っていこう、こういうようなことを私ども自体も努力を重ねる考えでございますので、この点ひとつ先生方にも、いますぐというわけではなくて、段階的に中小商業者の整備を待ちつつ、それをとらえつつ、自由化への道をお願い申し上げたいと思います。
 次に、中小商業者に影響がきわめて大であるということでございます。これはあとで理由、影響度は申し上げます。
 第三点が百貨店法及び中小企業基本法並びに小売商業調整特別措置法、これらの趣旨に照らしても、大型店、スーパーの自由放任は、はなはだもって不合理であるということでございます。
 第四点、この大型店、スーパー等は、その扱い商品が、当初は食料品とか日用雑貨の一部でございましたけれども、最近におきましては、大型化とともに多様化し、対面販売に移行されまして、もう百貨店と同様な形態をなしてきているということでございます。
 第五点、大型店、スーパーの進出、開店は、お手元に配付いたしました表の一番最後にございますとおりに、大型化すればするほど進出度合いが非常に大きくなってございます。大型店ほど進出のパーセンテージが年々大きいということでございます。
 第六点、中小商業者の営業はその日その日の私ども生活設計である、しかしながら、大型店、スーパー等は大体大企業でございますので、それらは直接的には企業性、収益性を考えておるものであるという、私どもはもう生活のためにその日をやっておる、こういう大きな違いをお考えを願いたい。
 以上が大体の理由でございますが、先ほどお話がありました、しからば、大型スーパー等が中小商業にどういう影響を与えるかという点を申し述べたいと思います。
 商店街に及ぼす影響をまず申し上げますると、第一点といたしまして、中小商業者が永年にわたりまして営々と築いた、あるいは団結と努力によって築いたところの、ようやく繁華街に発展をしてきたような既成市街地に、あとから突如として出てくるのが大体大型店、スーパーでございます。こういうようなことによって、次のようないろいろな問題が出てまいります。
 第一に、地元商店街に比較的に非協力であるということ。次に、大型店、スーパー等の開店により商店街の客の流れを変えるため、ごく一部を除いては全体の町づくり、商店活動等に好ましからぬ影響を与えておるのでございます。また、大型店、スーパー等の無秩序な進出、開店は、後日、地域再開発等において非常なるガンとなるおそれがあることでございます。
 一般の営業商業者への影響、これは業種によっては、開店数カ月にして地元商店は回復して好転しているものもありますけれども、業種によっては、地元といえども大きい打撃を受けております。特に周辺商店街の打撃はきわめて大きいものがございます。また、従業員対策上から見ましても、従業員の雇用が困難化する状態にあるとかあるいは離職、引き抜きその他の定着性がなくなるとか、雇用条件の影響が小規模雇用店に及ぼす影響が大であるとか、さらに、セルフ化の影響によって従業員が、接客対面販売をやっているのに接客態度が悪くなるとか、いろいろな、地域の営業上に及ぼす影響はきわめて大きいのでございます。
 大体以上が及ぼす影響でございますが、しからば現在の百貨店と大型店との運用はどうか、この点で申し上げます。
 現在の百貨店の運用は、空間的な規制と時間的な規制と運用上の規制と、三つに考えられるのでございまするが、全般的に、百貨店法による現在の百貨店は、法の運用においては、必ずしも満足とは言えないまでも、一応法によって規制され、地域商店街、商業者との調整下に、法の精神を理解され運用されているので、地元との協調もよく、開店後は問題を起こしておりません。一方、大型店、スーパーについては、現在規制もなく、行政指導による運用の道はありますけれども、必ずしも満足のいく結果は得られないで、各地に問題を起こしているのが現状でございます。
 また、大型スーパーのおっしゃるような消費者性向、これを大型スーパーさんはおっしゃるけれども、これは百貨店はもちろん、われわれ中小商業者といえども、時代環境を十分認識し、消費者のニーズにこたえるべく、それぞれの話し合いの場を設けながら目下努力中でありますし、また、全国の売り上げ額を見てもおわかりのように、中小商業者と消費者の接触面はきわめて大きいのでございます。したがって、大型スーパーのみが消費者性向の店であるというのは、一部の声をお聞きになっているのではないか、かように考えるのでございます。したがいまして、さらに消費者ニーズ等に今後おこたえしたいという道は、私ども中小商業者の活用に今後まつべきところが大きいのではないか、かように考える次第でございます。
 百貨店法の改正のあり方につきましては、せっかく田原さんがお話しになりましたように、流通部会の答申もございましたので、一応それを踏まえて申し上げます。実は大型スーパー等の規制は単独法でお願いをしたのでありましたけれども、一応答申等もございましたので、それを踏まえて私のほうの見解を申し上げます。
 現行百貨店法の規制内容は変えないで、大型スーパー等を建物単位を対象にしてその中に組み入れていただきたい。
 第二点、現行の基準面積はさらに引き下げていただきたい。これは御承知のように、配付いたしました資料にございますように、三百平米以上のスーパーが非常に大きな進出と大きな影響を私どもに与えている点を加味してございます。
 次に、許可制を届け出とすることについては反対でございまして、許可制でぜひお願いを申し上げたいと思います。しかしながら、このために私どもが主として考えておるところの大型スーパー等の規制の提案とか、成立に支障を来たすおそれがあるなどということを考える場合には、大型店、スーパー等が優先でございますので、そういう場合には届け出制もやむを得ない、かように考えておるわけでございます。この場合には事前届け出制として、その時期等については十分の御配慮をお願い申し上げたい。また、届け出の場合に、地元小売り商業者、関係諸団体等については十分その旨の周知徹底をさせることが必要であると考えるわけでございます。
 第三点、商調協のごとき制度は、田原さんからもお話がありましたように、調整の機関としてぜひ現状のままのような形で置いていただきたい。しかし、この場合には小売り業の代表の数を多数確保していただくようにお願い申し上げたいと思います。
 次に、大型店の進出が地元小売り商に影響を与える場合、または地元との調整ができない場合等には、必ず出店延期や面積削減ができる、そういうような勧告とか措置命令のできるような権限を所管大臣に付与していただくようにお願い申し上げたいと思います。いわゆる勧告措置命令の具体例でございますが、そういうことのできるようにぜひお願い申し上げたい。
 次に、営業時間、休日の規制は現行どおり許可制のままで残しておくことにお願いいたしたい。
 次に、営業方法に関する勧告の規定は現存のとおりでお願いいたします。
 次に、建物はそのままでも、一応建物を千五百、三千――現行三千ですが、あとで中の入った者が入れかわる場合に、百貨店あるいは大型スーパー等の入る場合には特別の配慮をもってあらためて届け出するとか、いろいろな特別な御配慮をお願い申し上げたいと思います。
 それから寄り合い百貨店、共同店舗、中小企業者の近代化、集団化によるところの建物等については、運用を弾力化していただくようにお願い申し上げます。
 それから社会性向より販売、取引、宣伝の適正なる秩序保持を必要とすることをお考え願いたい。
 以上のとおりでありまするが、最後に一つつけ加えたいことは、大型スーパーの規制につきまして法の改正までには相当日数を要するものと思われますので、それまでの間に、かけ込み開店というような言い方は悪いかもわかりませんけれども、こういうものもなきにしもあらずと予想されますので、法改正までの暫定期間については、特に前記同様の方向によるところの何らかの規制措置がとられるような御配慮をお願い申し上げたい。
 以上種々申し上げましたが、私ども中小商業者は、激しい経済環境の変化と消費者ニーズを十分認識し、国の負託にこたえるべくせっかく努力中である点等御理解くだされまして、お話し申し上げました大型店、スーパー等の規制は必ず実施させていただくよう切にお願い申し上げる次第でございます。
 また一方、中小商業者対策としては、御配付いたしました資料にございますように種々ございますけれども、その中で特に中小商業振興法というのが盛り込んでございますが、時間がございませんので省略させていただきますけれども、これは百貨店法改正に関連を持つ条項も入ってくるものと予想されますので、あわせて同時制定にぜひ御考慮をお願い申し上げたいと思います。たいへん長時間ありがとうございました。
 ひとつちょっと加えさせていただきたいと思います。いまのどうして必要かという点、実は九月二十九日の日経に載っておりますけれども、熊本の岩田屋さんが百貨店の申請をいたしましたところが、これが商工会議所の商調協にかかりましたら、全部否決をされてしまった。これは新聞で申し上げるので、事実はわかりません。新聞紙上によりますと、全部商調協の否決を受けた。そうしたらば、すぐ取り下げまして、今度は全額出資の別会社で同様の大型のショッピングセンターをつくることに踏み切ったと新聞報道がなされております。こういうように、現在は、百貨店で出してだめだったならば、小売り店を少し入れるとか、別会社で入れるとかいうことで、同じ大きさをもって大型スーパー等ができるような仕組みになっております。あわせて御参考までに申し上げます。
#8
○武藤小委員長 ありがとうございました。
 次に、古屋参考人にお願い申し上げます。
#9
○古屋参考人 私、日本百貨店協会会長の古屋です。本日、皆さんお忙しいところ、私どものために貴重な時間をおさきくださいまして、こうした機会をつくっていただきましたことをまことにありがたく存じます。厚く感謝申し上げます。
 さて、本日この席で御理解をお願いいたしたいと存じますことは二つございまして、第一は、百貨店を取り巻く環境の整備、改善に関することでございます。
 第二は、消費者福祉と流通近代化の線に沿っての百貨店自身の体質改善、強化に関する事項でございます。
 まず、百貨店を取り巻く環境の整備、改善について申し上げたいと存じますが、この百貨店を取り巻く環境の整備、改善に関する問題のうち、最も重要、最も緊急というふうに私たちが考えておりますことは、百貨店法のあり方に関することでございます。
 御承知のとおり、いまの百貨店法は、昭和三十一年に施行されましてそのまま今日に至っておりますが、この間に、百貨店法のよって立つ経済社会情勢というものは、全く一変してしまったのでございます。そのために、この法律は、いま問題になっております百貨店とその他の大型小売り業との競争条件の不公平という点、また、流通近代化の推進、消費者福祉の増進、さらには外資の自由化の推進というような新しい流通政策の流れの中にありまして、時代に適合しないものになってきている形でございます。
 こうした理由から、私どもは、昭和四十五年以来、たびたびの機会に、いまの百貨店法の見直しを行なっていただきたいという要請をしてきました。その見直しの内容は、次の三つでございます。
 第一は、法律の目的、趣旨を、いままでは中小小売り商の立場というものが重点でございましたが、今後もこれは考慮しながらも、流通近代化の推進、消費者福祉の増進に重点を置いた前向きのものにしていただきたいということ。
 第二は、先ほども申しましたとおり、百貨店とその他の大型小売り業について、法律上の公平を実現していただきたいということ。
 それから第三は、この法改正は、その規制対象及び規制内容について、いわゆる現代に合うように合理化、近代化していただきたいということでございます。
 これに対しまして、他方、政府におかれましては、通産省の産業構造審議会の流通部会でこの問題を取り上げられて、精力的に検討を進められました結果、去る八月十四日の流通部会で中間答申の運びになりました。
 私どもは、この流通部会中間答申の基本的方向につきましては賛意を表し、ぜひその立法化の実現を急ぐよう要望いたしておる次第でございます。
 国会におかれましても、この問題をぜひお取り上げいただきまして、現行百貨店法を新しい時代に適合した法律に改めていただきますよう、この席を拝借いたしましてお願い申し上げる次第でございます。
 なお、以上申し上げましたことと並行して、わが国小売り業界全体の合理化、近代化を促進するという観点から、その大きな部分を占めます中小小売り商の振興対策の強化充実、このために、この際、中小小売商業振興法と申しますか、その立法化も同時に実現されますようお願い申し上げます。
 それから、百貨店法の改正と並んで私どもが取り組んでいるもう一つの課題がございます。それは、独禁法とか景品表示法についても、内資、外資を問わず、大型小売り業が、百貨店またはいまの疑以百貨店すべてと同一の基盤で公正な競争ができるよう、不公正な取引方法の排除及び公正取引の確保のための適切な処置を講じていただきたいということでございます。
 この点につきましても、第三次資本自由化及び第四次資本自由化の機会に、これに関する対策として申し上げているところでございますが、独禁法体系における小売り業におけるフェアプレーのルールづくりということ、これは競争の国際化時代において、消費者保護の観点、国内小売り業の健全な発展のために、先ほど申しました百貨店法の改正による近代化、合理化と並んで推進を急がなければならない重要な課題であると思います。
 この件につきましては、公正取引委員会の御意向も聞きながら小売り業の競争の国際化時代にふさわしい公正競争の規範づくりというものを目途としまして、ただいま内部で鋭意検討を進めております。
 さて、以上申し上げましたことは、いま百頭に申しました第一の問題、つまり百貨店を取り巻く環境の整備改善に関する事項でございます。
 次に、第二の問題、つまり消費者福祉と流通近代化の線に沿っての百貨店の体質改善、強化に関する事項について申し上げます。
 私ども百貨店業者は、一般消費者の御支援のもとに、伝統的に正しい商法によって、よい品を適正な価格で販売することに努力してまいりました。今後は、ますます多様化し高度化する消費者嗜好に対して、快適な雰囲気の中で楽しい賢いものが安心してできるよう万全の体制をとるべく、鋭意努力しているものでございます。
 このような観点から、私どもは、かねて、各地区におきまして消費者の代表の方々との懇談を重ね、消費者嗜好の反映につとめておりますが、一方諸法令に基づく表示の適正化とか計量の適正化等の体制整備をはじめ競争の適正化、合理化についての具体的なやり方、商品検査体制の整備等につきましても、一そう努力を払っていく所存でございます。
 また、先ほども申しました公正な競争ルールの確立、これをはかることも消費者の利益の保護、福祉の増進に寄与するところが大きいというふうに考えております。
 それから次に、取引改善の問題ですが、百貨店業界の体質改善、近代化に関する事項について申し上げます。この点につきましては、納入業者との取引の改善、これをいま重点問題として取り上げてその推進をはかるために、昨年秋に専門の推進機関であります取引改善専門委員会を発足いたしまして、いままでの古い取引慣行の見直し、そしてその改善に着手いたしております。これはもう皆さま方も御存じかと思いますけれども、かねてから問題となっておりますこの派遣店員の問題等につきまして、改善対策を策定いたしました。今後さらに会員各社の成果を期待することができるよう関係者の協力のもとに、公正取引委員会それから通産省はじめ関係官庁の御指導も受けながら、これを推進してまいる所存でございます。
 また、対納入業者の取引改善策とも関連いたしまして、伝票の統一とか標準契約書の作成等についても、流通システム化の推進の一環として積極的に取り組むこととしまして、その具体化の作業に入ったところでございます。
 以上、私は、第一に百貨店業界を取り巻く環境の整備改善に関する問題、それから第二に、消費者福祉増進と流通近代化の線に沿っての百貨店の体質改善、強化に関する事項について申し上げまして、御理解をお願い申し上げた次第でございます。
 このうち、第二の百貨店の体質改善、強化というものにつきましては、これはわれわれ会員各社の努力と協力によってその成果を期し得るところでございますが、第一の、私どものこの業界を取り巻く環境条件の整備改善の面につきましては、ひとえに国会並びに政府関係皆さまの御理解と御指導にまたねばならないところでございまして、何とぞよろしくこの点重ねてお願い申し上げまして、私の公述にかえさせていただきます。ありがとうございました。
#10
○武藤小委員長 どうもありがとうございました。
 次に、山本参考人にお願いいたします。
#11
○山本参考人 意見を述べさしていただくにあたりまして、私たちにこのような機会を与えていただきましたことを感謝申し上げたいと思います。
 私たちは、日本商業労働組合連合会と申しまして、百貨店、月販店、スーパー等のチェーン店など、おもに大型小売り業に従事する労働者約七万名をもって組織いたしております産業別労働組合であります。したがいまして、私がここで申し述べますことは、あくまでも大型小売り業労働者の立場からの意見であるということをまず前提として申し上げたいと思います。
 私たちは、産業全体の近代化、効率化を通じまして、そこに働く者の労働条件の向上を実現することを運動の目標といたしております。そのために流通産業自身が近代化し得る諸環境をつくり上げるという立場で商業立法を見直すべきであると、そのように考えております。
 そこで、将来的には、従来の百貨店法にこだわらず、新しく流通近代化促進法というようなものの制定をここに提唱するものであります。参考資料としてそちらに提出してございますけれども、四ページの右側に、その流通近代化促進法の内容といたしまして、たとえば営業時間、閉店時刻、週一回の休業日の確立等の基本的な統一あるいは消費者保護の諸施策というような内容のものがそこに書いてございます。すなわち、単なる企業の育成強化または企業間調整のための立法という観点だけではなくて、消費者福祉または従業員福祉をも総合的にとらえた立法が望まれるというぐあいに考える次第でございます。しかし、ここでは現在焦点となっております百貨店法の改正の問題に論点をしぼりまして私どもの意見を申し述べさしていただきたいと思います。
 百貨店法の改正については、私たちは次のように考えております。
 第一番目に、公正競争条件確立の立場から、すべての大型店に平等に適用させるよう改めること、第二に、面積制限については、消費者の便益、選択範囲の拡大の見地から、弾力的運用に改めること、第三に、営業時間、休日の規制については、現在の制限ワクを見直し、別記のような内容に改善することということで、別記といたしまして一〇ページから一一ページに私どもの具体的な考え方を述べております。
 以上の三点が主張したい点でございますが、前の二点につきましては、産構審流通部会の答申案を拝見いたしますと、おおむね私どもとして賛成できる意見のように拝見いたしております。しかし、三番目の営業時間の問題につきましては、私たちの立場からここに意見を申し述べたいと思います。
 私たちは、現行百貨店法に基づく営業時間並びに休日の規制を緩和する措置には反対いたします。逆に、現行見られる地方都市と政令都市の格差を解消しまして政令都市並みに規制を加えられることを特に強くお願いしたいと、そのように考えております。
 その理由としましては、第一に、労働時間短縮は時代の趨勢であると思います。労働時間に密接不可分の関係にある営業時間の延長は、ある意味で時代逆行とすらいうことができると、そのように考えております。とりわけ最近におきましては銀行、官庁にも週休二日制導入というような世間的な動きもございまして、そういう社会的な機運の中で、さらにここで営業時間そのものを緩和するということは、もしなるとすれば、時代逆行といわざるを得ないのではないかと思う次第であります。
 それからさらに、現在の地方都市につきましては、現在のワクでございましても休業日二日といわれるような状況でございまして、週一回の休業日すら確保されていないというのが現在の実情であるわけであります。こういうような点はぜひとも改められるよう、ひとつ御検討いただければと、そのように考える次第であります。
 第二に、営業時間並びに休日のワクの拡大が各小売り店従業員の労働福祉面に及ぼす影響の問題があります。
 現在は人手不足の時代でございますし、労働組合もあるところが多いので、したがって規制ワクを拡大するということは直ちに個別企業の営業時間延長にストレートに結びつくというぐあいには私どもも考えません。しかし、営業時間が延長されても、個別労働時間が延長されることに必ずしもならないということも事実であります。
 しかし反面、小売り業の中には未組織のところも多く、労使関係も未熟なところが非常に多いわけでございます。したがって、労働組合が労働条件面の歯どめの役割りを果たすというところばかりではないという現実も見ていただきたい、そのように考えるわけであります。
 また、営業時間延長や一斉定休日削減に伴います交代制等の不規則な勤務態様というものは、私たち働く者の立場から言いますと、健康管理の問題あるいは社会生活、家庭生活の犠牲、教育時間、有効自由時間の削減等、非常に働く人たちにさまざまな犠牲をしいる結果となっているわけであります。また、機械稼働の一般製造業と異なりまして、交代制そのものがそうスムーズにまいらないという実情がございます。特に顧客との接客等により定時に帰れないというようなケースが多いという実情があるわけであります。また、政府が提唱し、推し進めようとしていらっしゃいます週休二日制につきましても、実は出退勤という、そういう中におきましては、その完全な運用を行なうことはできないと、そのように考えているわけであります。したがって、現実に地方百貨店あるいは大型スーパーの労働組合の中にありましては、週休二日制に取り組む前提としまして、営業時間面の合理化から取り組まねばならないところが非常に数多くある実態でございます。
 またさらに申し述べたいことは、地方におきます交通機関の問題がございます。午後八時、九時というような時間帯になりますと、列車のダイヤの問題あるいは過疎地域に向けてのバスの運行回数の問題等々考えてまいりますと、非常におそい時間に帰らざるを得ないという実情が出てまいるわけであります。先般実施いたしました新潟地区の百貨店労働者のアンケートによりますと、もし午後八時まで営業時間を延ばしたといたしますと、帰宅時間が十時以降になる人は、調査対象千六百名中二割弱の二百七十六名にも達しているという調査結果が出ているわけであります。十一時以降の人は五十六名にも達する。これは営業時間を終わりまして直ちに帰れるとしてのことでございまして、これに残業等、居残りの時間を考慮いたしますと、私たちとしましてはきわめて深刻な問題であると、このように考えております。
 第三に、営業時間延長が及ぼす一般小売り業、他産業従業者への影響の問題であります。もし時間が延長されるということになりますと、一般小売り店に対しましてはたいへんな影響を及ぼすことになります。一般小売り店の時間延長にまず拍車をかけ、そこに働く人たちにしわ寄せをもたらすだけではなくて、さらに従業員の雇用難、経費の増大等、経営全般に及ぼす影響も当然出てくるのではないか、そのようにも思います。また、大型小売り店と密接な取引関係を持つ問屋業、その他関連企業全般にも非常に影響を及ぼすということも申し上げておきたいと思います。
 第四の点としまして申し上げたいことは、消費者へのサービスに関する問題でございます。営業時間のワクを拡大するということだけがはたして消費者へのサービスになるでしょうか。もちろん消費者には購買に必要な適当な時間が保障されることはきわめて必要なことだと、そのように考えます。しかし、そういう観点で考えてみますと、日本では、欧米諸国に比較いたしまして買い物時間は比較的多く確保されているのではないかと、そのように考えます。たとえば、わが国では、すべての小売り業が、ほとんどの国民が休んでおります日曜日に営業いたしております。また、一般小売り店の中では、現状では夜間営業する店も多いというような実情もございます。また、長時間営業による小売り業の経費増というものは、当然のことながら物価という問題にもつながるのではないか、そのようにも思うわけであります。
 こういう点を考えてみますと、営業時間を延長することによって消費者の便益にプラスになると、そのように単純に考えることがはたしてできるであろうかということは疑問なしとしないわけであります。
 以上、営業時間問題を中心に私たち商業労働者の立場から意見を申し上げたわけでございます。
 もちろん百貨店法は、大型小売り店である百貨店と中小小売り店との調整を目的とする法律であることは百も承知しております。しかしながら、現実にはこの法律におきまして労働者の労働時間が守られ、いわば小売り労働者に対して労働基準法に似たような役割りすら持つということを申し上げることができると思います。
 特に今後における流通近代化の施策にありましては、消費者福祉、小売り店の健全な発展のほかに、そこで働く従業員の福祉をあわせ考えまして、バランスのとれた政策が必要ではないかと、そのように考えます。
 そこで、私たちがヨーロッパなどに見られるような商店法的内容を含みます流通近代化促進法を提唱するいわれはそこにあるわけでありまして、百貨店法改正にあたりましても、十分私たち労働者の立場も考慮いただけるよう、特に要望申し上げたいと思います。
 十分意を尽くせない点は参考に資料を添えておりますので、よろしく御検討いただきたいと思います。
#12
○武藤小委員長 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#13
○武藤小委員長 以上で参考人各位の御意見の開陳は終わりましたので、これから質疑を進めさしていただきたいと思います。
 申し入れがございますので、順次これを許します。
 その前に質疑者にお願いをいたしておきます。あとの商品取引の関係の参考人をお呼びいたしておる関係もございますので、たいへん恐縮でございますが、質疑時間はお一人十五分程度くらいでおとめをいただきたいと思います。
 なお、質疑に際しましては、参考人及び政府当局者の氏名を御明示いただけるとたいへんありがたいと思います。
 なお、参考人または政府当局者にもお願い申し上げておきますが、答弁はできるだけひとつそういうことで簡潔にお願い申し上げたいと思います。
 では田中榮一君、お願いいたします。
#14
○田中(榮)小委員 私は、まず中内さんにちょっとお尋ねいたしたいのです。
 今日の状況におきましてチェーンストア、大型スーパーマーケット、それから百貨店等が漸次拡大して、お互いに自由競争でやるということは、もう当然なことであると思うのです。最近におきましても、自由競争があってこそ産業、経済の発展があるということをわれわれは根本的には認識いたしております。したがって、大型スーパー並びにいろいろ疑似百貨店等ができてきて、お互いに自由競争をされて、同時に経済の発展を遂げられるという点はよくわかるのでありますが、中内さんのお説のように、すべて流通機構の改善は自由競争を進めることにあるというようなお考えでやることも一つの主義であると思いますが、ただ、私どもは、やはりお互いに中小企業、それからスーパーマーケット、チェーンストア、それから疑似百貨店、百貨店、お互いがやはり経済の内部における公正なる秩序ある競争をすることによってそれぞれが発展するのじゃないか、こう思っております。
 ただ、自由競争それ自体がすべての業界を発展させるものではない、やはり自由競争の中にも、ある程度の秩序ある競争というものを保持しながらいくところにそれぞれ発展するのじゃないか、こう思っております。ただ自由競争して弱い者はどんどん倒れる、強い者は残るというような考えだと、日本の産業、経済の秩序ある発展、健全な発展というものはできないのじゃないかと思うのです。
 その根本的な今度の百貨店法改正についても、自由競争の点からいって、これは百貨店法というものは撤廃すべきである、こういう御意見はよくわかるのでありますが、今日まで百貨店というものがとにかく健全に発展してきたというのは、百貨店の各業態がそれぞれ法の精神をよく了解していただいて、やはり秩序ある競争をしておったからこそ今日まで百貨店が健全に発展したのじゃないか、こう思うのであります。まあ中内さんの御意見によると、百貨店法というものはもうこの際撤廃しちゃって、何でもかんでもみんな自由競争にしたほうがいいのではないかという御意見のように私拝聴したのですが、その点はいかがでございましょうか。
#15
○中内参考人 ただいまの田中先生の御質問にお答えしたいと思います。
 もちろん私ども完全な自由競争ということを申し上げておらないわけでございまして、現在は出店届け出制ということで、一応の秩序が守られておるというふうに考えておるわけでございます。先ほども少し御説明申し上げたわけでございますが、百貨店というものの規制自体が、昭和三十一年の状態と非常に違ってきておる。商店街の近代化の、そういうふうな地下商店街もしくは駅ビル、寄り合い百貨店、いろいろな大型店舗自体がふえつつある。また、消費者のいろいろな嗜好の多様性また複雑性ということで、店舗面積がふえておるわけでございます。
 一方、労働力不足ということで、店舗面積を大きくすることによりまして、合理化をはかる、生産性をあげるということが必要になってきたわけでございます。店舗は、家具であれば、現在は千坪から二千坪なければ家具屋はできない。注文があってから、それを倉庫から出してくるということはできませんから、できるだけ広い売り場にたくさん商品を並べてお客さまに選択していただく。また、われわれのほうではセルフサービスと申しまして、御高承のことと思いますが、できるだけ商品はたくさん陳列する。一週間一回補充するということで、生産性をあげようということを考えておりますので、簡単に申しますと、店舗の面積は七倍にふえる。一週間に一回ずつ入れるとなりますと、毎日補充しておりましたときの七倍ぐらいの面積を必要とするというふうなことで、生産性をあげるためには大きな店舗をつくって、そして資本を使う、そして労働力を削減するということを考えざるを得ない。
 この意味で、時代の要請としては店舗面積が拡大しつつあるということを申し上げたわけでございまして、この意味で、現在日本の国の一番問題になっております中小企業と大企業との二重構造の問題ということは、やはりこれを解消するということで生産性をあげなければならないというふうに考える次第でございます。
 この意味では、現在のような競争原理というものをもっと活用することが大事ではないか。そしてわれわれが中小企業を圧迫しておるかと申しますと、そうではない。通産御当局の統計によりましても、この五年間におきまして小売り商の数は百四十万から百四十七万へふえておる。先進国の中で唯一の小売り商が増加する国であるということは申せるわけでございます。また、一店当たりの売り場面積、一店当たりの利益に関しましても、これも小売り商自体が拡大しつつあるというふうな状態で、昭和三十一年から四十七年まで、小売り商と百貨店との調整ということで業界の利益の調整だけで行なわれておりました百貨店法自体を温存することは、これは最近出ております産構審の流通部会の御答申にもありますように、消費者の福祉と、そして流通近代化という点からやはり競争原理をもう少し導入していただくということのほうが近代化に大いに寄与するのではないか、このように考えておる次第でございます。
#16
○田中(榮)小委員 それでは次に、商店街の並木さんのほうにお伺いさせていただきたいと思いますが、現在答申されました中間答申の百貨店の扱い方でございますね。それに対して商店街の個々の意見を私聞いてみたのですが、やはり許可制から届け出制になると、どうも許可制のほうが強いんじゃないか、届け出制のほうが弱いのだ、だからどうもちょっとわれわれの商売にも影響してくるというような心配をされる向きも相当あるし、中には、まあやむを得ぬかもしれぬ、今日までの状況ではまことにやむを得ぬじゃないかと思うぐらいの考えもあるし、ちょっと私もいろいろ意見を聞いておって――まあしかし大体においてはやはり現行どおりにしておいてもらえぬかなという声が相当強いものですから、先ほど私ちょっと聞き漏らしたかもしれませんが、それに対してのはっきりした御意見はいかがなものでしょうか。
#17
○並木参考人 これは先ほど申し上げましたように、百貨店はなお現行法の規定でお願いしたいこと、面積はなお下げるということ、その前提は大型店スーパーをその中に組み入れて建物単位とする形、こういうことが前提でございます。
 それから先生の御質問の、懸念をされておりました許可制と届け出制の問題でございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、許可制でお願いを申し上げたいということが総意でございます。しかし、私どものねらうところは、大型店スーパーが野放しであるから、これを百貨店並みに規制をしていただきたいというのが最優先でございます。したがいまして、許可制で突っぱっておるために、法案の進め方において、提出であるとか成立であるとか進め方において相当な時日を要したり、そごを来たすおそれがある場合も考えられますので、そういうことを考慮した場合にはやむを得ず届け出制に移行する。その場合でも、許可制に見合ったところの勧告なり措置命令等ができて地元商店会との意見の調整ができる、いわゆる意向が十二分にくみ上げていただけるような措置のできる法をつくっていただきたい、かように考えておりますので、原則的には許可制そのままでございます。万やむを得ない場合の二次的な措置として届け出制を認める、かように考えております。
#18
○田中(榮)小委員 では古屋さんにお尋ねしたいと思いますが、いま答申の内容が、大体において先ほどお話がありましたとおりに許可制から届け出制ということに答申はいっておるのですが、百貨店側としては、届け出制でならばよろしい、こういう御意向でございますか。いかがなものでしょうか。
#19
○古屋参考人 百貨店といたしましては届け出制でいいと思っております。ただ、結局いまの並木さんの言われるように、届け出制の場合でも特に影響があるときはどうするというふうな、つまり勧告とかそういうものがございますが、この運用がどこまでいくかということにやはり一番問題があると思いますけれども、私自身としましては届け出制のほうがいいんじゃないかというふうに思っております。
#20
○田中(榮)小委員 それでは、企業局長はいらっしゃいますか。
#21
○武藤小委員長 企業局長はまだ病気でございますから、次長がかわりに来ております。
#22
○田中(榮)小委員 じゃ次長にちょっとお伺いしたいのですが、いまお話しのように許可制から届け出制にするということに対して、もしそれに対して違反をした場合においては一応通産大臣が勧告をする。その勧告に従わざるときには通産大臣がいわゆる命令をしていろいろなことを差しとめをする。それでいかないときには一般的にこの百貨店はかような違反行為をやっているということを社会的に公告する。それでいかぬときには処罰の方法があると、こういう何段がまえかのあれになっておるのですが、勧告をして命令をして、そして公告して処分するという。ところが実際問題として、場合によってはそういうことをしてもなおかつ、やっても利益があればできないことはないというようなあれもあるのですが、そういう程度でチェックできるということでしょうか。それはどうでしょうか。
#23
○橋本説明員 ただいま田中先生御指摘の点は、去る八月十四日の流通部会の答申に示された方向の一部でございまして、われわれはその方向に従いまして各界の意見を聴取しながら検討を続けておる、こういう段階でございます。
 具体的に先生の御質問につきましては、まだ検討過程ということでございますが、ただ許可制から届け出制に移るということは、考え方としては非常な差があるかと思いますが、現実の問題といたしまして、現行百貨店法のもとにおける許可制の実施にあたりましても、新聞ざたになるケースといたしましては非常にわずかになっております。それも何らかの行政指導を加味いたしまして、事実上地元との折り合いもつけまして円満に解決の運びに至っておるケースが大半でございます。さような点から、最初の段階ではいかがするか、公告しあるいは処分をしても聞かない場合はどうするかという問題はあるかと思いますが、大半の問題は解決つくのではないかと考えております。
#24
○田中(榮)小委員 もう一度商工会議所のほうにお伺いいたしたいと思います。
 いまお聞きのとおり、商店街のほうでは現行でやってくれ、それから百貨店のほうではとにかく届け出制でいいんじゃないか、それから中内さんの御意見では、百貨店のほうは、こういうものは撤廃してくれないかという、非常に意見がみんな違うわけなんですけれども、そこでその中立体である商工会議所として、最終的にもう一度意見を聞かせていただきたいのでございますが、これらに対してどういうように御判断いたしますか。
#25
○田原参考人 ただいまの田中先生のお尋ねでございますが、百貨店法が三十一年に制定されましてから、私どもの場合、特に東京商工会議所の場合を申し上げるのでございますが、以来十数年にわたりまして商業活動調整協議会の運営をやってまいりましたその経験からいたしますると、これは時代の趨勢もございますが、最初の五、六年間は百貨店さんと小売り店さんのほうの対立と申しますか、意見の食い違いというようなものもかなり先鋭に出た時代もございますが、最近におきましては、商業活動調整協議会の場でお互いにいろいろお話し合いをするということによって、いま橋本次長からもお話ございましたように、ほとんどうまく運営をやっておるというようなことでございます。
 そういうことでございまするから、届け出制になりましても、地方地方によりまして特殊な事情もございまして若干問題になったところもございますけれども、そういうところはほんの例外的なことでございまして、大部分の場合にはうまく、大岡さばきといいますか何といいますか、調整協議会の場で適当に折り合いをつけてやっておるということでございます。こういう実績が十数年続いておりますので、これがだんだん定着していけば、法律が許可制とか届け出制とかいうことを越えましてうまくいくんじゃないかと思うのでございます。しかし、届け出制になったということを機会に、また何か別のムードが、違った動きが出てまいりますと、必ずしもいままでどおりのようにはいかないかもしれませんが、実態においてはそう変化なくいくんじゃないかというように考えておるわけなんでございます。
#26
○田中(榮)小委員 どうもありがとうございました。
#27
○武藤小委員長 次に、加藤清二君。
#28
○加藤(清)小委員 時間が短うございまするので、要点を簡単にしぼって質問しますので、お答えなさるほうの方もどうぞ簡潔でけっこうでございますのでお願いいたします。
 実は三十一年にこの法律ができましたときのことを私はしみじみ思い出すのです。あのときに決して百貨店側と小売り側をけんかさせるとか、どちらに軍配を上げるという趣旨で法律をつくったんじゃございませんです。どちらかというと、消費者を守るという立場のほうが多かったのです。しかし、結果は百貨店法である程度百貨店の規模その他を規制するということになったわけです。そうしたら、あとで江戸のかたきを長崎じゃなくて、江戸のかたきを選挙でとられましてね。それでああいうことがありますと、いまこの答申についても賛成、反対があるようでございますけれども、勇気をもって発言するということができなくなっちゃうのですね。ですから、私はこの際、皆さんの意見が分かれておるようですから、どっちに賛成とかどっちに反対とかという立場はとりません。あくまで消費者を守る、日本の流通経済の発展によって消費者にしあわせをもたらす、そこに主眼を置いて行ないますので、最初にそれを御理解いただきたい。
 助けられたというほうの中小企業の小売りさんのほうは、選挙のときにどっち向いてみえるやらわけわからぬですからね、これは。ほんとのこと言うておきますわ。だから私どもは、これを選挙に利用しようとは思わないのです。そのかわり皆さんのほうも、江戸のかたきを選挙で討つなどというようなあさはかなことはおやりにならぬようにしていただきたい。これが前提です。
 消費者の立場からながめてみました場合に、小売り屋さんもスーパーさんも百貨店さんも、それぞれ特徴がございます。ですから、それぞれ存在意義があり、存立しているわけなんです。お尋ねしたいことは、同じ品物をどこで買うと安いだろうかということです。定価のきまっておるものは別です。
 そこでお尋ねしたい。たとえばこの洋服、ネクタイ、何でもいいです。そのマージンを一体何ぼぐらいずつかけてみえますか。百貨店さんとスーパーさんと小売り屋さんにお尋ねしたい。
#29
○武藤小委員長 それでは古屋参考人からお願いします。
#30
○古屋参考人 品種によって違いますけれども、大体、百貨店のほうはマージンが二割一分くらいでございます。
#31
○加藤(清)小委員 仕入れ値段のね。
#32
○古屋参考人 いいえ、売価です。
#33
○加藤(清)小委員 売価の二割一分。
#34
○古屋参考人 ええ。これはただ、各百貨店によって仕入れの方法がいろいろ違いまするから、そこに一、二分の差はございます。しかし、大体においてその程度が標準になっております。
 それから、さっき江戸のかたきを選挙でとったというのは、あれは百貨店の話でございますか。
#35
○加藤(清)小委員 そうです。
#36
○古屋参考人 百貨店が何かそんなへんてこりんなことをしたのですか。
#37
○加藤(清)小委員 はい。
#38
○古屋参考人 ちょっと私記憶がないですけれども……。
#39
○加藤(清)小委員 いいえ、それはあなたじゃないのです。あのときの百貨店協会の会長さんはあなたでない。松屋さんでなくて別な人でした。名前は言いません。
#40
○古屋参考人 そういうことは今後絶対――私は過去においてもないと思いますけれども、これはまあ私も議論できませんので、絶対そういうことはいたしませんです。
#41
○加藤(清)小委員 スーパーさんと、それから小売り屋さん。
#42
○中内参考人 平均しまして、食料品を含めますと一六・五ぐらいでございます。これは平均のマージンでございます。
#43
○加藤(清)小委員 衣料。
#44
○中内参考人 衣料だけでございますと、やはり一八から二〇ぐらいでございます。
#45
○加藤(清)小委員 小売り屋さん、呉服屋さん。
#46
○並木参考人 私どもは地域団体で多業種を扱っている、非常に多くの多業種にわたりますので、一律には申し上げられませんし、地域差もございますし、その地域にスーパーさん等の競合するもの、いろいろ控えておりますので、申し上げますが、大体に衣料品を中心に申し上げまするならば、二割弱だと思います。はっきり集計は出ておりません。
 ただ、私のほうで一つ申し上げたいのは、私のほうは零細でございますために、メーカーから卸の段階で、各卸の段階を大企業と違って一つか二つはよけいに受けてきておるだろう。したがって、売価は非常に、百貨店、スーパーと見合って安く売ろうとすると、大きな犠牲を払わざるを得ない。いわゆる仕入れの段階が零細企業ほど多く段階を経るために、それだけマージンも少なくなる、価格に響いてくる、かようなことを御理解願いたいと思います。
#47
○古屋参考人 ちょっと申し上げてよろしいですか。
#48
○武藤小委員長 どうぞ。
#49
○古屋参考人 これは常識問題なんですが、私は全部同じだと思っております。つまり、各企業とも大体同じようなマージンになっておると思っております。ただ、たとえば食料品というふうなものは、百貨店も非常にマージンは低うございます。ですから、扱っている商品によってマージンが相当違います。つまり売っている商品の構成がどうなっているかということによって相当違っておりますので、原則として、私はほとんど全部が同じようなマージンだと考えていいというふうに考えております。
#50
○加藤(清)小委員 大体百貨店さんの発足が呉服屋さんで、呉服屋さんから発足している。したがって、衣料にしぼってお尋ねしたわけですが、次にお尋ねします。
 通産省が来てみえますからわかりますが、百貨店法には罰則がございますね。過去十七年間この法律がまかり通ってきた。その間に罰則を適用された企業があるかないか。名前はこういうところで言いにくければ、件数だけでけっこうです。
#51
○橋本説明員 ただいま資料を持ち合わせておりませんが、記憶の上では罰則の適用を受けたケースはございません。
#52
○加藤(清)小委員 そのとおりです。ほとんどないのです。皆さん、よく聞いておいてください。規制のあれがあっても、ほとんど罰則の適用はないのです。ただあったのは、私の記憶するのでは、新しい百貨店ができようとするときに、進出しようとするときに、商工会議所でチェックされた。それが何でチェックされるかというと、商売がたきですね。審議する人がやはり商売やってみえるものですから。そういう例を私は見ておる。しかも、その例を商工委員会で審議したことがある。何も東京の商工会議所であったとは言いません。ですから、商売がたきの争いというのは、何も小売りとスーパーとか、スーパーと百貨店でなくて、百貨店内部にある。いままでの百貨店と、これから百貨店をその地区でやろう、そういう場合に難いがあった。これは事実です。
 そこで、次にお尋ねしたいことは、体質改善で取引慣行をだんだん改善していきますとおっしゃられまして、まことにけっこうなことであると存じます。
 そこで古屋さんにお尋ねしたいのですが、この百貨店ができますおりに、たいへん論議の対象になったことがたくさんありますが、そのうちで、これはいけませんからやめますると時の百貨店の代表の方がここで述べられた件があるのです。それはどういうことかと申しますと、問屋の店員の派遣です。納品業者から店員を手伝いに出させるという。これが小売りでは競争ができなくなる。こういうことでこれはいたしませんということでございましたが、デパートへ行ってみますると、どうもそこのデパートの労働組合の人ではなさそうな服装をなさった人がやってみえますことがございます。新製品とか技術を要するものであれば、これはやむを得ないと思います。が、そうでない場合にも間々それを見受けることがありますが、一体これはどうなっているのだろうか。監督側も両方意見を承りたいと思います。
 それからもう一つは止め柄返品の問題なんです。これは消費者とは関係が少なくなりますが、納入業者が糸へんの場合にいろいろ柄をつくって持っていく。すると、これはおれのところで買うからというのでよそへ持っていくことは相ならぬと称してとめられる。それからそれが季節ものでございますと季節の間は並んでいる。しかし、その季節が終わってシーズンオフになりますと、一ぺんにどっと問屋からメーカーのところまで返品がくる。問屋では引き受けられないから、どうなるか。メーカーのところへ返ってくる。これをやられたら、メーカーもまた大企業ではない。返品を受けるようなメーカーはたいてい小さい業者です。そこで、そういうことはやりませんということになっておりましたにもかかわりませず、いまだに依然としてそれは直っていないようでございます。直ったところもあるかもしれません。おたくの松屋さんのごときはりっぱにやってみえるだろうと思っておりますが、そうでないところのほうが多いようでございます。それが、百貨店はいいけれどもあとがこわいという通り相場になっておるようでございます。そういうことをやられますと、今度は柄をつくるほうも、返品を受けたほうも、来年それをやられちゃかなわぬからということで、翌年からはギャンブル値をつけなければならぬことになりますね。したがって、売る値段にそれがはね返っていって、消費者が高いものを買わされなければならぬ、こういうことになりまするので、これはひとつ、よくよく御検討願いたい。そこへいくと、小売りのほうは返品になるということはちょっとできない相談ですね。
 それからもう一つ、商品の国籍をどうしてみえるかということです。消費者に正直に本質を知らせるという意味において、品質なり国籍なりは明らかにするというのが先進国の小売りの行き方のようでございます。もっと親切にすれば、そこへ専門家を連れてきてそして消費者に訴えるということですが、ここで承りたいのは、実例を申し上げますと、しぼりですね。これは高級品も下級品もございますけれども、どちらかというと値が高い。いまオール日本の消費の七割五分以上は韓国から輸入されております。しかし、韓国のしぼりでございますというて売っている店は一軒もございません。したがって、純粋の内地のほんとうのしぼり――このほうが質がいいのです、技術がいいのですから。それまで疑われてしまう。というのは、にせもののほうが数が多いのですから。それでしぼりという平安時代、奈良朝時代からずっと伝わってきた日本の伝統芸術に対して、今日の消費者が疑いを持つようになる。こんなに高く売って、こんなに早く悪くなってしまうものか、こんなにすぐ伸びちゃうものか、これではかなわぬ、こういう空気が出てきておる。
 大畠つむぎがまた同断でございます。あれ、大島でできるなどと思っておったらとんでもない大間違い。それも一部ありますが、これはほとんど韓国からの輸入でございます。こういうものに対して、この小売りをなさる皆さんは、どうお客に対して表示なさるでございましょうか。これを承りたい。
 一応その程度にしておきます。どなたでもいいですから……。
#53
○古屋参考人 いま先生のおっしゃる手伝い店員の問題、返品の問題、これはざっくばらんに言えば、百貨店の恥部だと思います。これは戦後あの混乱期に発生いたしました悪い習慣と私たちは思っています。
 それから返品問題。返品といっても、たとえば大きな特売をいたしますね。そのときみたいなのは、返品を最初から契約しているわけでございます。ですから、返品の中にもいろいろと、つまりもう返してもいいから、ここで百貨店が十入れるというときに百入れてというのもございます。ただ、問題は、つまりわれわれが問題にしている返品というものは、返品の契約をしてないですね。それで、それがはっきりした契約以外にも暗黙の契約もあると思いますが、そういうふうな、つまり全く予期しないもの、それから問屋手伝いについてもそうでございます。それだけのマージンを問屋さんのほうへ渡しております。つまりそういうことのない手伝い店員、これは決してないとは申しません。現実にありますし、これは、われわれが先ほど申しましたとおり、この二つの問題というのは、徹底的にわれわれとして、ほんとうにわれわれが自立するためにそういうものがない状態をつくらなければいけないわけです。ですから、そういう意味では、非常に積極的にいま取り組んでおります。決して、いま先生のおっしゃるようにないなどということは申し上げません。これはわれわれとしてはむしろ非常に残念に思っているという形でございます。ですから、これはもうほんとうに精力的に――これはとにかくいままでのごみ騒動みたいなもので、ここのところで何とかしなければならない、これはたいへんなこっちゃと、実は私も困っておる次第でございます。
 それからいまの国籍の問題ですが、この問題、私ちょっと御返事できないのですけれども、いわゆるしぼりがつまりどこのしぼりであるということまで表示しなければいけないのかどうか。たとえば大島でできないのを大島つむぎといっていいか、ここへくると大問題だと思います。しかし、たとえば、そば粉は大体いま南方から入っておりますね。それをそば屋が南方のそばだというかどうかということと同じで、そこのところへいくと私ちょっと御返事できませんけれども、ただ全体的な表示の問題につきましては、これは確かに現在のところまだくずれております。ことに、前にチョコレートや何かで、向こうから原料を入れたものを日本でチョコレートをつくった。それが向こうの名前でそのまま出ている。それを消費者がそのまま思ってしまう。百貨店の――百貨店だけじゃないのですけれども、そのいわゆる外国チョコレートというものが一体どこまで外国なのかというふうな問題があるわけでございます。これは、通産省その他、公取や何かから非常に厳重な注意がいま出ております。ですから、どんどんと正しくなるだろうと思います。また同時にこのことは、実をいうと、メーカーのほうに一番問題がございます。私たちのほうとしては、メーカーにそこを表示してくれということを頼んでおります。
 大体その程度しかただいま御返事できません。
#54
○加藤(清)小委員 はい、わかりました。
 この問題は材料の問題を申し上げておるのじゃございません。最終加工の段階はどこでできたかということをいうのが当然じゃないか。たとえば、この洋服の生地はイギリス製である、ドーメルフレヤーである。日本のものでしたら御幸毛織であるとか、つや金仕上げであるとかということを言うと、一段と品物の値打ちが上がりまして、そういうものだけはちゃんと言う。しかし、最終仕上げのところを言うと価値の下がるものだけは言わない。そういうことに問題があるじゃないか。そこを消費者の利益、消費者は王さまですから、王さまという立場から考えて、これは一考を要する問題である、かように存じます。
 最後に、もう時間でございまするから、あと簡潔にお尋ねしますが、中小零細企業の店員の商品知識をどの程度教育していらっしゃるだろうか。商品学とまでいかなくても、お客さんの前へ出て、お客さんに尋ねられたときに、これはこういうものでございますという、その説明のできるようにしろということは、百貨店あたりでは職場がだんだん変わっていきますから、全部のものを覚えろといったって、これはむずかしいことだと思います。しかし、一個の店舗の呉服屋さんだったらこれはできると思うのです。ですから、そういう特徴を生かしてもらいたいと思うのです。ただ、百貨店が栄えるのだけがねたましいではいけないので、向こうで蔵が建ったらこちらで腹を立てているのじゃ、これはいつまでたってもいけないと思う。自分のほうも研究しなければならない。
 一番の恥部といいましょうか、例を言うと、私がかつてデパートの毛糸売り場へ行きまして、梳毛の四子をくださいと言った。そうしたら、その店員さん、うちの店は日本で最高の店でございます、さような悪いものはありません、純毛ならばありますと言われた。これには驚いた。ウイスキー買いにいって、ジョニ黒くれと言ったら、そんな悪いものはありません、普通のウイスキーならありますと、こう言われておるのと同じことなんです。ちゃんとあるんです、並んでいるのがこちらから目に見えるんですから。そういう点は、百貨店に求めることは無理だと思う。労働組合の代表の方も来てみえますが、これは教育期間が短いんですから、それを全部覚えさせようというようなことは無理だと思う。しかし、普通の呉服屋さんならできると思う。そうして先進国、アメリカ、イギリスのように、百貨店は中級品だ、いい物はほんとうの小さい専門店だ、こういうふうになれば、小さい商店、規模が小さくても生き延びる余地は十分にあると思うのです。ここらのところを小さい規模の方々もよくお考えいただきたい。
 以上でございます。
#55
○古屋参考人 確かにサービスが全然落ちております。これはもう全部について言えると思います。ですから、いま先生のおっしゃるのは私も同感でございます。これはわれわれ教育を徹底的にやっております、それは専門店ほどはいきませんけれども。ところが、むずかしいことを言ってもうわのそらで聞いているというのが多いと思います。それであまりむずかしいことを言うと、それをぎゅうぎゅう言いますと、しまいに、もっと給料がよくて楽なところが幾らでもあると言います。それですから、ほんとうに落ちております。これは非常に残念であります。
 先ほど梳毛、粗末という話がありましたけれども、たとえばこの間、中元で粗品をあれして、ちゃんとのし紙をつけて、お客さまが店員に書かした。ところが書いてきたのが、粗品と書いて、下にABCのAと書いて子と書いてあるんですね。お客さんおこっちゃったんです。それでしまいに課長まで呼び出されまして、このAとは一体何だとお客さんがおこったんですね。それで課長がその子に聞いてみたんです。そうしたら、えい子と書いてくれと言われたと言うんです。えいとはどういう字ですかと言ったら、英語の英だと言った。英語のえいだからと、女の子、Aと書いてきた。英国の英と言えば英という字を書くでしょう。こういう要するに常識の問題なんですね。英語の英と言ったときはこの英を書けというところまでわれわれちょっと知識がいかない。梳毛で粗という……。
 それから、われわれがよく思いますけれども、お客さまが売り場へ来て、ちょっとすみませんがこれを見せてくださいとおっしゃるのですね。お客さんがすみませんがと言うのは一体何事だと言うんですね。こっちは買っていただいている相手ですね。そういうふうな時代になっているということは、もう非常にわれわれとしては残念に思います。ですから、できるだけ努力はいたしますが、あるいはそういうことがあり得るということは決して私は否定いたしません。
 それからさっきの小売り屋さんの話、これは私どもかってな話ですが、百貨店は確かに売り場が変更いたします。ですから、たとえば私なんかネクタイ買いにいくときに、ぼくらにいいネクタイくれと言っても、百貨店の女の子というのは五つぐらい出します。どれが似合うのかと言ったら、お好き好きですときますよ。私は専門店でときどき買うんですが、専門店へ行って買ったときは、とにかく徹底的に一つ品を要求するわけです。そうすると、専門店は一つ出しますね。それは十年ネクタイをやっているからです。五年しかネクタイをやってない、三年ぐらいしかネクタイやってない百貨店ですと五つぐらい出して、決して一つ出せません。やはりそれだけの違いがある。そこに私は専門店の強さがあるんだというふうに思っております。それでお答えになりましたかどうか……。
#56
○並木参考人 簡単にお答えいたします。
 いまの小規模店の生きる道、専門店化というお話でございますが、そのとおりでございまして、現在私どもは専門店化を目ざし、あるいは近代化その他の集団化等を含めまして、お役所の御指導を受けながら、それに向かって一生懸命努力中でございます。
 なお、お話にありました店員指導の問題につきましては、中小都市はわかりませんけれども、私東京でございますが、東京を中心とした大都市におきましては、それぞれの地域で接客指導をいたしてございます。その結果に基づきまして、接客コンクールなどということも、東京もやっておりますが、各地でやるようなことで、接客態度の強化をはかる施策はやっておりますけれども、遺憾ながら定着率が非常に悪いために、移動が激しいために、なかなか御期待に沿うような結果が出てこないというのが事実でございます。しかし、専門店化のところではある程度進んでいるところもございますので、私ども短期間のうちでもお客さまのニーズにこたえる方法はできないことはないということを前提にいたしまして、一生懸命お役所の指導のもとに努力をさせていただきたい、かように考えております。
#57
○武藤小委員長 中村君。
#58
○中村(重)小委員 いまいろいろお話を伺ったのだけれども、それぞれの立場があるので、それなりの主張というものは理解ができるわけですけれどもね。この百貨店法の改正案が国会に出てまいりますと、皆さんに来ていただくかどうかは別として、関係者はまた参考人として来ていただきますから、その際に詳しく御意見を伺いたいと思っております。
 ただ一、二点お尋ねをしておきたいのですけれども、先ほど山木さんの御意見の中で、百貨店法にこだわらず流通近代化促進法という商業立法の実現を指向する云々、こういったような御意見があったわけですね。これはどういう意味なのか。百貨店法の改正よりも全体を一つの法の中に含めて立法したほうがよろしいという意味の御意見なのかどうか、その点を伺っておきたいということです。
 それから古屋参考人にお尋ねをしたいのですが、先ほど山木参考人から日曜、休日の問題等の御意見があったわけですね。私は当然な主張だ、こう思ったのですよ。いまの日曜営業ということと、これはむしろ私は消費者に対する過大サービスだと思っているのです。それから、日曜営業やったりしておる上に時間延長はもちろん慢性的にやっているのですね。これも過大サービスだ。日曜というのはショッピングの日にしないで、むしろレジャーの日にするといったくらいの協力体制というものが百貨店側にあってもよろしい。それをおやりにならないので、最近は小売り店まで日曜は休まないで交代で従業員を休ませるという行き方が非常に多くなってきた。やはり店をやっておりますと、休みましても落ちついて休めないですね。ほんとうの休養というものをとらせるように、今日日本の商業関係の方々もおやりにならなければ、日本の長時間労働とか低賃金とか、日曜すらも仕事しているんだという悪評が非常に強まってくる傾向も国際的にも強くなってくるんじゃないか。そういった点は、ただ物を販売するというような、売れ行きのいい日に商売するんだというのを脱却してもらわなければならない。だから、古屋参考人として、日曜とか祭日に営業しなければならぬという積極的な理由があるのかどうかということ、そのことをひとつお尋ねいたしたいと思います。
 それから、たしか中内参考人の御意見の中に出てきたと思うのですが、流通産業の自由化の問題、これは受け入れる余裕があるというお話があったわけですが、私も流通産業の自由化というのはたいへん心配しているのです。日本の流通事業者というのは競争力が弱いですから、影響というものは非常に大きいと思うのです。ですから、並木参考人にしましても、あるいは古屋、山本参考人から流通産業の自由化、いま五〇%ですが、これを一〇〇%にしよう、もちろん十一店チェーンということを言っているのですけれどもね。それから向こうさんの品物ばかり売るのだと言っておりますけれども、一〇〇%自由化をしたら、そんなことではありません。これはもう国内に来て自由自在に資本力にものをいわせて活動するようになりますと、規制なんてそんなできるものではない。そんな甘い考え方を持ってはいけないと思います。その点に対しての考え方はどうか。これは中内参考人から伺いましたから、田原参考人を含めてひとつ四人の方からこの点についてはお答えをいただきたい。
 それから、先ほど私は、それぞれの立場での主張なんで理解できると申し上げたのですが、中内参考人からは、百貨店法はむしろ廃止してしまったほうがよろしいという御意見があったわけですね。それに対しては、田中委員その他からも御意見がございましたけれども、ただ常識的に言えることは、百貨店と同様あるいは面積なんかにつきましても、それ以上のものがある。いわゆる私どもが言う疑似百貨店、これが百貨店と同様の規制を受けるのはあたりまえだというようにいつも思っているのです。ですから、中内参考人のその点に対する考え方はどうなのか。それらの点について、それぞれひとつお答えをいただきたいと思います。
#59
○山本参考人 流通近代化促進法案につきまして、私どもの考え方を述べさせていただきたいと思います。
 ヨーロッパの先進国あたりを回っておりますと、たとえば閉店時間法でありますとか、あるいは商店法でありますとか、そういうようなことで、すべての商店の営業時間が規制されている。それによって、いわゆるそこで働く人たち、あるいは経営者を含めて、商店主婦等を含めまして、いわゆる社会的な、文化的な、市民的な生活が、不満足でありますけれども、ある程度享受できるような体制がとられている。そういうようなことを見まして、私ども、やはりそういうようなことがとれないものだろうかという願望を非常に強く持っているわけであります。
 とりわけ現在は、百貨店法の中では、いわゆる大型店の労働者は、ある程度百貨店法によって保障されるわけでありますけれども、そのほかのチェーン関係とか、その他のところは年中無休、夜間営業とか、そういう中でやらざるを得ないとか、そういうことで非常にいろいろな面でしわ寄せがきているという実情でございます。
 特に週休制といいますか、週一回の休養日の確立というようなものなどは、現代において最低限の要請ではないだろうか。特に営業時間、休日はお互いに各店が補完し合って消費者へのサービスは考えられるのじゃないか。ですから、一店だけですべて消費者への満足を考える必要はないのじゃないか。ですから、そういう商店法的な営業時間の基本的な統一とか、そういうようなものと、それからさらに消費者保護の中で、先ほどもちょっと出ましたけれども、販売技術資格者の査定というような問題では、たとえば、私ども小売り業に携わっておりましても、具体的にそれの資格といいますか、技能というものが社会的に評価されていないという問題もございます。そういうような技能者をある程度規模別の企業に有資格者の定員配置を義務づけするとか、あるいはそういうような問題を含めまして、総合的な流通近代化という立場に立った立法を考えていただくほうがよろしいのではないか、私たちのほうは、そういうような考え方を持っております。
#60
○古屋参考人 日曜に休んだらどうかということですが、いまそこまで脱却していかなければいけないのだという先生のお話がございましたが、結局お答えとしては、現段階ではちょっとそこまで脱却できないということでございます。とにかく過去においては、商人というものは、みんなが遊んでいるときに店を開くべきものだ、働くべきものだというふうなことを私たち子供のころといいますか、戦前は教わりました。結局いまでも会社があれしていて、会社を休んで買いものをしなければならないのは困る、だからその時間帯をもっとずらしてくれ、つまり営業が八時間でもいいから、それは会社の勤務時間でないところにずらしてくれというふうな御要望というものは相当ございます。それで、私のほうも、とにかく先生のおっしゃるように外国がそうやっているのですから、将来ならないとは私ども決して申しませんし、小売り商のほうもそれだけのいわゆる近代化――それが近代化といいますか、合理化であるかどうか、そうしたものになるのかもしれませんけれども、ただいまのところ、ちょっとそこまで私たちのほうは踏み切れないというのが実情でございます。それで御返事さしていただきたいと思います。(中村(重)小委員「流通産業の資本自由化は……。」と呼ぶ)
 資本自由化の問題ですね。自由化の問題は、結局いなめない問題だというふうに思っております。ただ、一挙に出られたら、向こうと日本の商習慣が違いますし、それから力も違いますし、いろいろなことで、これこそひどい目にあうんじゃないかというふうに思います。ですから、いわゆるわれわれに刺激を与える程度でわれわれをつぶさない程度の、順々に段階を置いてやっていっていただきたいというのが一番のあれでございます。
#61
○中内参考人 中内でございます。
 一番最初に日曜営業の問題でございますが、私どもの考えとしましては、営業時間と労働時間とは完全にはっきり分けて考えたいというふうに考えるわけでございまして、営業時間は、お客さまの利便から考えましてできるだけ長いほうがいいんではないか。その中で働いております従業員としましては、これはシフトを組みまして週休二日制を完全に実施していく、そして週四十時間以下の労働に押えていくというふうに現在やっておるわけでございまして、一応日曜日だけ休む、またその次に二日休みにするということは、現実としてはほとんど不可能に近いんではないか。その意味で、チェーンの業界では週休二日制を現在では採用しておりますが、一部では、それに対して非常に積極的に取り組んでおるわけでございます。ただし、営業時間に関しましては、お客さまの利便から日曜日営業、夜間は八時ごろまでは営業をやりたい。と申しますのは、扱っておりますのが、百貨店もしくは小売り店と違いまして、非常に生活に密着した日常雑貨というものを主体にしておりますので、この点お客さまの要望から、営業時間はやはり現状の線でいきたいと考える次第でございます。
 なお、流通産業に関します自由化の問題でございますが、結論から申しますと、外資の進出を現在食いとめることは非常にむずかしい。それよりも現在の日本の流通業界自体を近代化し、そして対応力を強めるということが大切ではないか。そしてそのためには私的独占禁止法というものを活用していただく、公正で自由な競争の場というものをつくっていただく、外資が巨大な資本で自由にふるまえないようにいろいろな施策をしていただく、その中で公正で自由な競争を行なっていくということによりまして、日本の流通業全体が近代化をするという方向をわれわれとしては期待をしたいというように考えている次第でございます。
 なお、百貨店法の撤廃の問題でございますが、百貨店法を改正して、そして現在われわれ企業努力を続けておりますチェーンストアの業界自体をそれに取り込むということは時代に逆行するのではないか、このように考えるわけでございます。百貨店と申しますと、現在では一万坪以上、三万平米以上のものが大体百貨店ではないかと思うわけでございます。私どものほうは、大きな店舗と申しましても実際に自社でやっておりますのは三千坪もしくは五千坪、大体一万平米から一万五千平米ぐらい、この辺のところが最大の規模を持っておるわけでございまして、他はいわゆるショッピングセンターの形態をとっておるわけでありまして、地元の小売り店の方の御協力をいただきまして、先ほど御指摘のありましたように、われわれの扱えないような専門品、非常に高度の商品知識を要する商品というものに関しては、われわれは専門店の御協力をいただく。われわれの場合はセルフサービスで、お客さまがよく御存じの商品、ことに日常雑貨または金額の低い商品というものを、これを商品回転率を上げて、生産性をあげてお客さまに安く御提供申し上げるということだけに主力をしぼっておるわけでございます。この意味で、百貨店とは全然企業形態を異にしておるわけでございますので、百貨店法の中にわれわれ自体が取り込まれるということは、今後のわれわれの業界としましては非常にいろいろの規制を受けるということで、この件に関しましては、百貨店法の拡張解釈ということに対しては御反対を申し上げておる次第でございます。
 現在は、通産御当局の御指導によりまして届け出制によりまして、地元商店街と十分に話し合いをするということで、先ほども御指摘がありましたように、あまり大きなトラブルもなしにやってきたわけでございます。
 現行におきましても、東京商工会議所の東京五十キロ圏におきます大型スーパーマーケットの現状、昭和四十六年四月、この統計を見ましても、回答店舗数百六十四で、積極的に大型店が誘致された場合が十四、それから積極的な勧誘は受けなかったが出店を歓迎された、これが五十三、特に反応はなかった、六十八、出店に反対する空気が見られた、二十五、出店に対して強い反対の意思表示があったのが二、その他五ということの統計の結果が出ておるわけでございます。現行の出店届け出制ということでわれわれはいろいろ御指導を賜わりたい、このように考える次第でございます。
#62
○並木参考人 自由化についてだけお答え申し上げます。
 自由化につきましては、私ども一生懸命近代化あるいは運営合理化等に努力をさしていただいておりまするが、いかんせん弱いので、自由化は現在でとめておいていただきたいというのが基本でございます。しかしながら、国際情勢、国際経済等もわからないわけではございませんので、それらを踏まえて、考える場合には段階的にぜひお願いを申し上げたい。私どもその間にお役所等の御指導を得まして力をつけ、広げていきたい。特に外国につきましては、いまお話がありましたように風俗、習慣、労働条件あるいは取引条件等に大きな違いがございますので、これらの入ってきた場合を予想する場合には、非常な混乱を来たして労働力にまず影響が出てまいります。その他慣行においても出てまいりますので、十分私ども努力をさしていただいて、できるだけ合わせるようにいきますので、ひとつ段階的にお考えを願いたい、かように考えております。
#63
○田原参考人 流通の自由化につきましては、日米会議等におきましても、しばしば向こうのほうからも強く要請せられるところでございまして、国内の流通業者といたしましては、何とかこの要望にも沿いながらまいりたいという希望は持っておるわけでございます。
 いろいろ自由化によって海外の流通技術の導入とか、また新しい刺激を受けるというようなメリットもございますので、未来永劫自由化に反対ということではございませんが、現時点におきましては、どうも私どもの会員の皆さま方のいろいろな御意見を伺いましても、まだ自由化に対しましては非常に危惧の念、不安の念を抱いておるということが現状でございます。そこらの点を十分お考えいただきまして、先ほど申し上げました中小商業、特に零細な商業者に対する振興施策でございますが、金融、税制その他の振興施策、このほうをぜひ推進していただきまして、力をつけて十分近代化し、体質が改善されまするようにその施策を進めていただきたい、こう思います。その暁においては十分自由化にもたえ得るのではなかろうか、こういうふうに考えております。よろしくお願いいたします。
#64
○武藤小委員長 松尾君。
#65
○松尾(信)小委員 最初に、商工会議所の田原さんにお聞きしたいと思いますが、百貨店が新たに進出する、このようなときに、商工会議所としましては、商業活動の調整機能という面から、いろいろ協議調整というのですか、そういうことがあると思うのですけれども、どのくらい商工会議所としては、そのような進出というものにタッチができて、それであなたたちの意見がどのくらい許可というものに反映されているかということなんです。
#66
○田原参考人 ただいまのお尋ねでございますが、私も全国の事情全部について必ずしも通暁しておるというわけではございませんが、私どもの取り扱っている場合につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、三十一年に百貨店法ができまして数年間はかなり調整ということに手間をとりまして、実はその当時、法律に対する理解も小売り業の方々に十分ではなかった、PRが行き届かなかったというような点もございますし、また、ああいう会合を開きましてもそれになれていない、お互いになかなかなれないというようなこともございまして、あるいは運営がまずかったというようなこともあろうかと思いますが、いずれにしましても、かなり手間を要したことがございます。三回、四回と会議を開いてもきまらないというようなこともあったわけでございます。最近の数年間におきましては、大体において――一つは営業の、百貨店の売り場の拡張ということが最近においてはそう大きなものがございません。せいぜい既存の百貨店が増設をするというようなことでございます。あるいは小規模な支店ができるというようなことが多うございまして、全然大きな何万坪という百貨店ができるというようなケースも少なくなったという事情もあるかと思いまするが、比較的スムーズに、この会議を開きましてから一回なり二回なり一もちろん事前におきましていろいろ説明も申し上げたりすることもございますが、大体スムーズに決着がついて、そう一カ月も二カ月もということは、まあ地方によりましては非常にそういうまれな事例もございますようですが、私どもの関与している限りにおきましては、最近では非常にうまくいっているという実感を持っております。
#67
○松尾(信)小委員 わかりました。
 それで特にお聞きしたいと思いますのは、地元の中小企業の小売りの方々の意見、そういうものがどのくらい反映されておるんだろうか。商工会議所がいろいろ分ける場合がありますね。地元の中小の小売り業の方々の意見というものが、どのくらい商工会議所の意見の中に取り上げられておるのか。非常に反対が起こっている場合もあると思うのですけれども、坪数の増設等につきましても結局は許可になっているんじゃないか。ということは、どうも中小の方々の意見というものが結局最終的には通らないで、そして通産省のほうで許可になっているんじゃないか。こんな感じを持つものですから聞いておるわけなんですが、中小の人々の意見というものをどのくらいそこで反映できるかということを主眼にお答え願いたい、こう思うのです。
#68
○田原参考人 私どもの扱っておりますケースで見ますると、かつて申請されました面積の約半分が、商調協においていわゆる調整されたと申しまするか、面積の削減をして答申をしたということもございます。それから、もちろん小売り商業に対して非常に大きな影響ということが百貨店法に書いてございます。そういう顕著な大きな影響がある場合につきましては……(松尾(信)小委員「簡単でいいですよ、大いに反映しておるとか」と呼ぶ)全部とは申し上げませんが、一応話し合いによりまして若干削減をするというような形でやっております。
#69
○松尾(信)小委員 その点は大いに御努力願いたいことでございます。
 次に今度は、チェーンストアの進出の場合には、商工会議所としての意見、そういうものはどうなんですか。チェーンストアというのは全然関係ないのだ。法律上の許可とかなんとかの問題ではありませんから。ですから、チェーンストアはどんどん進出してくる、地元の中小の小売り店はいつも泣き寝入りしているというようなかっこうであるのかどうか、そういうところに商工会議所の意見というものが非常に含まれているのかどうか、無視されておるのか、こういうことをちょっと聞きたいのですけれども、チェーンストアの進出に対する商工会議所のいまの調整とかなんとかいうもののあり方はどうなんですか。
#70
○田原参考人 ただいま、百貨店法といたしましては、商調協の場で取り上げるということにはなっておりませんことでございます。ただ、いろいろ通産省の通達もございましたが、スーパー、中内会長さんのほうの団体からいろいろ通産局に届け出がございますのですが、その届け出に関する写しと申しますか、そういうものを私どものほうにもいただきまして、そしてこういう店が今度できるのかなということは事前に承知をいたしております。それを関係の、商工会議所の場合もございますが、各方面に連絡は申し上げるというようなことをいたしております。
#71
○松尾(信)小委員 それからこれは私が聞きそこなったのかもしれませんけれども、従業員の素質の向上と申しますか、そういうところで、要するにお客さんに対するいろいろお答えができる、専門的なお答えができるとかいうような面で、何か商業販売士ですか、そのようなことをちょっと述べられたのじゃないかと思うのですけれども、これはどんなことなんですか。もしもそうであるならば、もう少し内容を知りたい。
#72
○田原参考人 先ほどちょっと冒頭に触れたのでございますが、いま実は日本商工会議所の中に商業販売士、仮の名前でございますけれども、そういうようなものをつくってはどうかということで特別の委員会を設けまして、ことし初めごろから検討はいたしておるわけでございます。まだはっきりした成案を得ているわけではございませんが、いままで各地の事例として、方々で自主的に各会議所がいろいろな方式でもってやっておる例がございますが、そういう自主的にやっておる例を見ますと、一級、二級、三級といったような級をつけて一種のテストを行なう、記述テスト、あるいは一級になりますと面接的なテストもやる、こういうような形で、それで資格を一定の……(松尾(信)小委員「会議所から出すわけですか」と呼ぶ)そうして会議所で会頭の名前で認定したという賞状を出す場合もございましょうし、あるいは地方自治体、県知事さんあたりと一緒になって連名でそういう賞状といいますかを出すというようなことを考えておるところもございますし、幾つかそういう例がございます。今度は何かそれをもうちょっと広範に進めていってはどうだろうか。ついては、あまりばらばらでなく統一した基準によってそういう制度を設ければ、商店の従業員の皆さんも非常に励みがつくでしょうし、そういうことでただいま考えておるわけでございます。中小企業庁さんのほうにもその点はお願いし、考えていただいておるわけでございます。
#73
○松尾(信)小委員 わかりました。
#74
○並木参考人 いまの商業士並びに販売士、仮称でございますが、これにつきましては、私のほうからも要望を出してございます。これの目的とするところは、中小従業者の資質の向上及び経営合理化により、消費者ニーズにこたえるとともに、従業員にプライドを持たせることにより、定着率を高めることを目的としてお願いを申しておるわけでございまして、これが商工会議所に委託されるかどうかということは私のほうは聞いておりませんけれども、こういうような制度によって定着を高めたい。また、せっかく消費者のニーズにこたえたい、かような意味でお願いを申し上げておるわけでございます。
#75
○松尾(信)小委員 わかりました。
 それから、週休二日制の問題で、先ほど中内さんからお答えがありましたけれども、デパートのほうはどうなんですか。週休二日制というのは、これはいま完全に日本全国実施されておるかどうかという点、簡単でいいですから……。
#76
○山本参考人 百貨店関係は、全国的に見まして大体隔週二日の段階にございます。ところによりましては、完全な意味の週休二日のところもございますけれども、それともう一つは、地方百貨店の中では依然として取り組めない状況にあるところも幾つかございます。
#77
○松尾(信)小委員 まちまちですね。
 最後になりますけれども、いろいろこの中小小売り商に対する国家の助成という問題も商工会議所のほうからも出ましたし、政府としましては、この答申の中にもありますけれども、立法措置を検討するなど、中小小売り商振興のための施策の飛躍的な強化拡充が必要である、こういわれておりますけれども、それはどういうことですか。内容的にちょっと代表的なものを並べてもらってもけっこうですけれども、どんなようなことをどういうふうにしていこうとしているのか、こういうことですが、いかがです。
#78
○森口説明員 先ほど来お話ございますように、中小小売り商業の振興を制定しろというような非常に強い要望が中小小売り商の間でございますので、当方で現在、中小小売商業振興法を提案するという予定のもとにさまざまな検討をいたしております。
 骨子といたしましては、現在まだ最終的に考え方はまとまっておりませんけれども、やはり中小小売り商の広義の組織化と申しますか、それをはからなければいけない。一つは、商店の集合体であります商店街の近代化の問題、それからさらに一つは、商店の連鎖化の問題、ボランタリーチェーン等に対する考え方、こういうような広義の組織化を中心にして小売り商の体質改善をはかりたいというように考えておりますが、御案内のとおり、小売り商の中には非常に種々雑多な小売心商がございます。独立した、商店街に属してない小売り商もございます。専門店として活路を開いておる小売り商もございます。そういうような小売り商にも別途振興の方途を示せるような法案を現在検討いたしておりますが、いずれにしても助成が中核になります。助成の方途について、現在大蔵省等に来年度の予算案等に盛って要求をいたしております。その実現を待ってこういう法案についてさらに詰めてまいりたいというように考えております。
#79
○松尾(信)小委員 いまの御説明よくわかりましたけれども、もう一つ、資金的な面ですね。これで無担保、無保証の問題がありますね。それはいまあなたがおっしゃった立法措置のほうでいくのか、別の措置でいくのか、どうなんですか。
#80
○森口説明員 来年度予算で要求申し上げております小企業改善資金は、当然中小小売り商業振興のために役立つものではございますが、本法案とは一応別途のものというようなたてまえで進めております。
#81
○松尾(信)小委員 並行的にですね。
#82
○森口説明員 はい。
#83
○松尾(信)小委員 わかりました。
#84
○武藤小委員長 参考人各位には、貴重な御意見をいろいろといただきましてまことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 今後この百貨店法の改正問題がいろいろ煮詰まってまいりますと、また参考人としてお越しをいただくことになると思いますが、きょうはそれぞれの御意見を率直に承りまして、私どもにとりましてもたいへん参考になりまして、まことにありがとうございました。
    ―――――――――――――
#85
○武藤小委員長 引き続きまして、商品取引所問題につきまして、参考人から御意見を聴取することにいたします。
 それでは参考人といたしまして、お手元にございますように、お二人、清水君、西田君に御出席をいただいております。
 この際、参考人の各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の各位には、お忙しいところをこの小委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 本小委員会におきましては、流通問題に関する件について調査をいたしておるわけでございますが、特に、従来商工委員会におきましていろいろ商品取引の問題につきましては審議をいたしたところでございますけれども、引き続き新しい視点に立ってこの問題を審議をしていきたいと思っておりますので、忌憚のない御意見をいただきたいと思います。
 なお、議事の順序でございますが、初めに参考人から御意見をそれぞれ十分程度いただきまして、次に委員のほうから質疑をし、それにまたお答えをいただくということになると思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず清水参考人にお願いをいたします。
#86
○清水参考人 商品取引所について申し上げます。
 商品取引所は、自由主義経済にあっては欠くことのできない機関であると定義されておりますけれども、商品取引所の長い歴史を振り返ってみますと、あるときは迫害を受け、あるときは取引所が閉鎖され、また理解ある人の手によって復活するというようなことを繰り返し続けてまいりました。
 しかし、近代的に世界の制度を取り入れて改革されましたところの明治に入って以後におきましては、第二次世界大戦で十一年間中断されましたけれども、そのほかは取引所が閉鎖されるというようなことはなく、健全な歩みを続けて運営されてきたのであります。
 アメリカにおきましては、一九二一年に商品取引所は存続すべきか、あるいはこれを廃止すべきかということが国会で論ぜられまして、その結果、投機をするお客さまが損をすることや、時として価格の行き過ぎがあるという弊害等、小さな問題点は残るけれども、商品取引所の本来の機能であるヘッジングやあるいは代金が先取りできること、物品が先取りできることというような大きな効能が買われまして、先物取引法が国会を通過して、今日の繁盛の基礎をつくったのであります。
 アメリカは、商品先物取引が非常によく理解されて、各業界、各層にこれが利用されております。
 私は、アメリカの商品取引所を数回にわたって視察してまいりましたけれども、その中から一つだけお話を申し上げて、日本の業界と比較していただきたい、かように存ずるのであります。
 私がカーギル社という雑穀業者を訪れて伺った話でございますけれども、このカーギル社は、カントリーエレベーターという、いわゆる倉庫業者を兼ねた雑穀取り扱い業者で、ブローカーでございます。そのかたわら、大豆から大豆油をしぼる設備を持っており、大豆油、大豆かすも販売するという、いわゆる一貫した業務を持っているアメリカ随一、これすなわち世界随一の雑穀業者であります。
 このカーギル社のセールスマンが農家に行って大豆を仕入れる場合、大豆の相場が、日本の相場にいたしましてかりに三千円であるといたしますと、そのことを農家に告げます。農家は、三千円は安いから三千五百円なら売る、こう言ったとします。すると、そのセールスマンは、せっせと大豆をトラックに積み始める。私は売らないと言っているんですよ、こう農家が引きとめようとすると、その農家に対して、それではシカゴの穀物取引所でいま買い付けますからと言って電話をかけて、三千円の買い付け報告書を農家に渡すわけです。そして、これで売らないのと全く同じことです、同じ数量だけ買ってありますから、どうぞ三千五百円になるのをお楽しみくださいと言って、大豆は持って帰るわけですけれども、そのとき三千五十円の代価をトラックに積んだ代金として払っていくわけです。三千円の買いに対して五十円というものはベーシスといっております。日本のベーシス取引とはニュアンスが違っております。
 カーギル社の申しますことには、三千五百円という農家の希望するこの相場はことしじゅうに出るものか、はたまた来年になっても出ないものか、これから先十年たってもそんな値にはならないのかわからないわけです。そんないつくるかわからない値段を待って、私の会社の油をしぼる商売をあしたから休むわけにはまいりません。大豆はその重要な材料でございますから、明日から必要なのでございます。先物取引を利用して、物品を先に確保したということになるわけです。こうして持ち帰った大豆は、その量からはたして大豆油が何キロとれるか、そして大豆かすが幾ら出るかということをコンピューターによって計算いたしまして、商品取引所で大豆油と大豆かすとを同時に売りつないでしまって、原料の大豆の買い入れ値段との差の利益を計算して、すでに確保した形になります。そうして明日から安心して大豆油をしぼる作業が始まるというお話でございました。
 日本の商品取引所は、非常にまわりが理解がないために、当然取引所に上場さるべき商品が上場されておらないという実情でございます。たとえば、鶏卵でございますけれども、農林省の御指導によりますと、神武以来の稲作はやめて、かんきつ類をつくるかあるいは酪農になれ、こう言われておりますけれども、百姓にしてみれば、牛にいたしましてもミカンにいたしましても、一年や二年では収穫されない、お米の場合は毎年収穫される、そういうところから比較いたしまして、どこの村にでもある鶏を飼うことなら、これはやさしいからやってみようということで、諸々方々で養鶏が盛んに行なわれつつあります。しかし、卵は大玉が小売り価格で十五円が十一円に下落してしまうときは業界は倒産だという、非常に価格変動からくるリスクの多い商品でございます。何の対策もないままに、卵を生産してしまってから、この卵を幾らで買ってくれるかということを続けておるのでございます。
 アメリカならどうかというと、十カ月も先の先物相場を売って代価を確保いたしましてから、養鶏場をつくり、それから白色レグホンを買ってきて卵を生ませ、十カ月後には卵を渡して、すでに確保した代金をそこで受け取る、こういう仕組みでございます。
 三年以前か、鶏卵をひなにかえらせてブロイラーをつくることによって、一方には貧困な日本の食卓を潤し、一方には鶏卵の数量を減少させるということで、一種の生産調整が行なわれて、鶏卵の価格維持ということには成功いたしましたけれども、貿易の自由化の第一弾、すなわちグレープフルーツなどよりも一足早く、冷凍のブロイラーが大量にアメリカから輸入されまして、昨年は、ブロイラーの業界は、上位八社がまくらを並べて倒産するという事実がございました。これはブロイラーの価格が二二%急激に下落したためだと聞いております。ブロイラーが商品取引所に上場しておりましたなら、ヘッジの機能によって価格変動からくるリスクを回避できたことでありましょうけれども、残念ながら日本の産業構造は欠陥だらけといえそうでございます。
 再び話は卵に戻りますが、これからどんどん増産するということによって価格は下がり、大玉の小売り価格が十一円を下回るという時期が参りましょう。しかし、そのときは業界がこぞって倒産のときであるという、これは自己の生産力で自己の業界を倒産に導く、これが経済大国と蓄えるでしょうか。私は、さきに通商産業大臣に親しくお目にかかった際もこのことに触れて、日本は生産大国であるかもしれないけれども、経済大国ではない、こう申し上げたわけでございます。
 世間でとやかく言われております小笠相場、これこそりっぱに私はその機能を発揮しているものであると確信しております。これは大方の御理解がないためにまことに残念でございます。小豆は昨年二万一千円の高値をつけましたけれども、ことしは日中問題など解決し、豊作気がまえで七千円と、実に三分の一の価格に下落しております。しかしながら、この二十年間、雑穀の現物業者あるいは成田のようかん屋である柳屋とか米屋というようないわゆる糖業者が一軒も倒産を見ていないということは、その裏に商品取引所の偉大な力があったことを私は確信しております。また、このことを昨年のブロイラーの業界とぜひ先生方に比較していただきたい、このように思うのであります。
 戦後の復興と経済成長の波に乗りまして、あらゆる物資は、戦後上昇の一途をたどってまいりました。下落による大きな衝撃というものを受けておらない戦後の日本経済界におきましては、ややもすれば商品取引所の存在というものは軽視されるおそれなしとしませんけれども、いまや商品価格というものは国内の事情のみでは左右されることはありません。まして日中の国交も回復し、ますます商品は国際化の傾向にございます。このときにあたりまして、もう一段商品取引所というものは見直されてしかるべき存在ではなかろうか、このように感ずるわけでございます。
#87
○武藤小委員長 ありがとうございました。
 次に、西田参考人からお願いいたします。
#88
○西田参考人 ただいまお呼び出しを受けました全国商品取引所連合会の会長をいたしております西田でございます。
 まず最初に、当会の概要から御報告を申し上げたいと思います。
 本会は、昭和二十七年四月、全国商取連絡会として発足いたしまして、その後二回の名称変更を経まして、四十二年四月、社団法人全国商品取引所連合会として、現在十九カ所の取引所によって構成されております。商品取引所法に基づく商品取引所相互間の連絡調整を行ない、その健全な発展をはかり、もって商品の生産流通を円滑にし、国民経済の適切な運営に資することを目的として設立されたものでございます。
 事業といたしましては、第一に、商品取引に関する制度の研究並びに調査、広報、第二に、商品取引所が行なう商品取引員に対する指導監査の連絡調整、第三に、登録外務員に対する講習及び資格試験の実施、第四に、商品取引員の広告宣伝に関する規制の連絡調整、第五に、商品取引に関する苦情処理の連絡調整等を行なうことになっております。
 特に本年度の事業といたしましては、商品取引への大衆参加を背景とした商品取引の事故防止及び紛議調停などの委託者保護を中心とした事業を前年度に引き続いて行なっております。すなわち、商品取引の機能、取引にあたって必要な知識等につきまして啓蒙を行なっておりますはか、東部、中部、西部の三つの場所にそれぞれ支部を置きまして、商品取引事故が発生した場合の相談所並びに合同紛議調停委員会を設けて、それらの解決に当たっております。
 次に、商品取引員の営業姿勢及び財務内容の向上につきましては、受託業務の適正化の指導徹底、経営者セミナー及び外務員の再教育等の実施、また各商品取引所の合同によります重点的な合同指導監査の実施を通じて、その効果は次第にあらわれております。
 また、商品取引所制度の改善策の検討を行なうため、制度研究委員会におきましては、商品取引所審議会の意見書に基づく検討項目に従い、緊急かつ重要な事項につきまして検討を重ねておりますが、このうち、外務員制度につきましては、外務員の研修期間につきましてこのたび改定をいたしました。今回の外務員の基本要綱の改定によりまして、社内研修期間六カ月を三カ月に短縮いたしましたことに伴いまして、当会といたしましては、今後は講習及び資格試験を充実強化いたしまして、実施体制の整備に力を入れてまいりたいと思っております。たとえば、この講習期間は従来二日ずつでございましたものを六日間に延長いたしまして、なおその必修科目をふやし、時間をふやし、同時に資格試験の点数を高度にいたした次第でございます。
 次に、外務員の数の規制につきましては、従来の規制の経緯、経験にかんがみまして、これを一挙に自由化することはなお過当投機及び過大な大衆参加による弊害の現出のおそれがないとは断定できませんので、今回の緩和の実績を見た上で、さらに今後の方向を考えるべきものではなかろうかと考えております。
 また、営業所の新設及び営業権の譲渡につきましては、認可時におきましてこれらの問題は今後に処理さるべき問題といたしまして解決を取り残された経緯もございますので、取引員の経営の合理化のためにも早急に調整を要する必要があると考えますので、営業所の新設並びに営業権の譲渡等については、これからさらに検討を進めたいと考えております。
 次に、自己玉についてでございますが、商品取引員の自己玉につきましては、本来その性格から取引所法では禁止行為となっております委託玉に相対する自己玉以外のものは認めらるべきものであると思いますが、過去の弊害事例及び過度の手張りによる倒産等の事例にかんがみ、自己玉の規制を全廃することはむずかしいと思います。しかし、自主規制の緩和につきましては、弊害の発生防止可能範囲内において今後検討を行なうべきものと考えております。
 以上のほか、商品取引員の営業の正常化につきましては、制度研究委員会の結論を待ち、逐次実施していくことになりますが、業界正常化のためには、取引員の財務内容の向上と指導監査の強化が絶対必要でありますので、目下その具体的方策を検討中でございます。
 ただいま申し述べましたことが連合会の現況でございます。
 これをもって終わります。
#89
○武藤小委員長 ありがとうございました。
#90
○武藤小委員長 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。中村重光君。
#91
○中村(重)小委員 西田参考人にお尋ねをいたします。
 この農林、通産の二元行政というものを、現実に調整業務をやっておる全商連としてどのような受け取り方をしておられるか。
 それから、取引所の格差というものが非常に大きいと思います。十九の取引所の調整をおやりになって、これを合理化と申しますか、打開をしなければならないとお感じになっておられる点等も多々あるのではないかと思いますが、それらの点について、ひとつ考え方をお聞かせいただきたい。
#92
○西田参考人 お答えいたします。
 ただいまの初めの部分でございます二元行政についてどういうふうに考えるかということでございますが、前回私が商工委員会に参考人として出ましたときに、そういうお話を承りました。実際におきまして好ましい形は一元的になるのが好ましい形であるとは存じますけれども、現在の農林、通産を物資別に分けました場合に、これを一挙に一つの窓口にするということは事実上なかなか困難であるというふうに了解いたしております。
 次に、十九の取引所の間に格差があるというお話でございますが、これは遺憾ながら認めざるを得ません。と申しますのは、大阪、東京等にあります取引所は、その背景に巨大な経済力を持っております関係上、商いもできますし、したがってまた、取引員も大きな資本を擁しまして、いわば信用程度も一般的に申しまして高いということもありますけれども、地方都市は、ローカルな取引所として、その狭い地域の当業者並びに大衆等を相手にいたします関係上、自然、資産基準も低うございます。それに伴いまして、取引所自体の、何と申しますか、資産の充実の程度も、都会に比べると劣るということは事実でございます。しかしながら、当連合会といたしましては、大きいところ、小さいところということの区別でこれを改廃するということは、この会は、十九の取引所全部が賦課金を出し合ってつくっております関係上、私どもの口から整理をするとか統合するとかということは申しかねますけれども、実力に格差ができているということにつきましては、それは認めざるを得ないと思います。
 これで終わります。
#93
○中村(重)小委員 あなたは十九の取引所をもって組織している全商連の会長として、合理化の問題には触れにくいといった点があることはわかるのです。ですけれども、これは意見になるわけですが、地域性ということに今日の情報化時代にこだわっていいのかどうか、いつまで旧体制といいますか、古いからに閉じこもっておるのかということを私は批判として持っているわけなんです。ですから、この点については清水参考人からもお答えをいただきたいと思うのですが、現在の地域性尊重というものを、全商連の会長としてのあなたとしてはどうお考えになっておられるのか。格差はお認めになったわけですね。その格差がそれでよろしいということには私はならないと思うのです。格差をやはり解消していくという方向でなければならぬ。格差の解消ということになってまいりますと、どうしても整備統合ということが必要になってくるのではないか、また整備統合は今日の情報化時代においては可能ではないのか、そのことがより相場の公正を期するということにもなるのではないかというように私は思うのですが、会長としては答弁しにくい面もありましょうけれども、少なくともあなたは会長であるがゆえに本来のあり方を追及していくということでなければならないと思っております。ですから、その点に対してのそれぞれお考え方を聞かせていただきたい。
#94
○西田参考人 お答えいたします。
 まことにごもっともな御質問だと存じます。将来にわたりまして現在の形のままで取引所がやっていけるかということになりますと、やはり大都会の取引所は、商品の上におきましてもやはり国際化ということを目標にいたしておりますし、ローカルな取引所はまた別な目的で動いていかざるを得ないようなことになると思いますので、自然地域性ということも今日まではございましたけれども、結論的には、取引所の整理統合ということが発生するものと私は予測をいたします。それからまた、同時に、取引員自体も、やはり同じような方向で進むのではないかというふうに考えています。
  〔小委員長退席、田中(榮)小委員長代理着
  席〕
#95
○清水参考人 商品取引所の格差ということでございますけれども、いまから一世紀以前のころには、商品取引所の存在そのものが、その商品の産地、集散地というものを中心に発展したように考えております。しかしながら、今日アメリカの商品取引所を見ましても、大豆はミネアポリス取引所よりむしろシカゴの取引所のほうが繁栄し、綿ではメンフィスよりもニューヨークが繁盛するというような形になって、消費者はやはり王さまだという形で、大都会へ集約される傾向にあります。これは商品の先物取引が、やはり証券の市場と同じく、投機を糾合するヘッジの場所であるということからきていると私は思うのでありまして、北海道の札幌にも証券の取引所はございます。しかしながら、ここの取引所にヘッジの機能が果たせるか。自分が大量売りをするために自分の売りで価格が下がってしまうというような市場よりは、同じ株式でも東京の市場へ売ったほうが有利であるというようなことから、これは大都会に集約される傾向にあると私は存ずるわけで、やはり商品取引自体がヘッジ、代金の先取りの機能を十分に発揮するのには、投機が過熱の状態、むしろ割れ返っているような状況でこそ初めて一銭のロスもなしにヘッジできる、こういうふうに信じておりますので、現在の商品取引所法では併合という形がとれませんけれども、これは先生方のお力によって何とか改正していただいて、統合できるようになさることが日本の指導者として望ましいんではなかろうか、こういうふうに思考いたします。
#96
○中村(重)小委員 先ほど清水参考人は、アメリカの例をお引きになりまして、日本の商品取引の後進性ということになりますか、不安定さを指摘されたわけです。そこで、私は御意見を伺いながら感じておったわけですが、商品取引というものは本来アメリカのようにあるべきだと私は思う。しかし、日本の商品取引所は若干変則になっている。現物取引でない大衆参加というところに非常にウエートがかかっているところに問題があるのではないか。いまの日本の商品取引の実態というものがここにあるのではないか。ですから、アメリカの例をお引きになって、そういったような方向がより好ましい、これを追及していくということになってまいりますと、現在の日本の商品取引というもののあり方をやはり再検討していく必要が出てくるのではないか、あなたの御意見を伺いながら私はそういう受け取り方をしたわけです。その点は違うのかどうか、もう一度その点をはっきりした御意見を伺いたい。
#97
○清水参考人 私は、日本の商品取引所の繁栄のしかたは間違っておらない、このように思っております。と申しますのは、商品取引所は先物の市場として開発されれば最高なものでありまして、現物市場とは切り離して考えてけっこうではなかろうか、こういうふうに考えております。それは流通の市場として発展はいたしましたけれども、現在は流通の市場ではない。それには羽がはえてすでにヘッジの機能というほうに発展してしまっているということが、アメリカでも考えられるわけでございます。価格変動の激しい商品、この激しい商品が価格変動をします。それによって起こりますところのリスクを何とか保険しなければ当業者が倒産してしまうというところに、商品取引所の芽ばえた原因があるやに存じております。
 日本の商品取引所は、徳川幕府の給料制度が禄米制度でございましたので、米で給料をもらっても、この米を換金しなければならないというところに始まっておりますけれども、これが私は国内為替市場として発展したというように解釈しております。中華民国の銀の相場、そして今度新たに建設されるところのシカゴの金の上場というようなことは、金は金本位制の国の国内為替市場であり、銀の市場は銀本位制の国の国内為替市場であると同じように、日本は米本位制の国であるというふうに徳川の時代は解釈してよろしいんじゃないか、こう思うわけです。それが移動してしまっては困るというところに先物取引が発達したのでありまして、当業者が倒産になったのでは、何としてもこの業界が持たないというところにヘッジの必要性が生まれた。いまコーペルとかセパというような、鉄鋼の業界にはこの制度はありませんけれども、お互いに玉の預け合いという制度が行なわれております。これは先物取引の発生する原点の行為だと思うのですが、その預け合いによって大きく買い大きく売った商社は、その価格が反対の方向にまいりますと倒産をいたします。つまり下落の場合、買い過ぎた商社は倒産し、上昇の場合、売り過ぎた商社は倒産をいたしております。ばば抜きのばばを拾った、つかんだ商社が倒産をする。こういうことをもしも米の業界でいたしたならば、上昇のときにA社がつぶれ、下落のときにB社がつぶれていけば、十年もたたないうちに、さしがね一本で、この米は越後の越路一号であるか二号であるかというようなことのわかる人は一人もいなくなってしまうというようなことになるやに存ずるわけです。
 そういう発展をしました商品取引所でありまするから、決して現物の受け渡しというものは一枚もなくてもよろしい。仕切り決済をした姿は同じである。このように考えるわけで、これは商品取引の権威者であるさきの商品取引所審議会の会長藤田国之助先生の著書にも出ているわけでございまして、商品取引所というものは受け渡しをする場所というよりは仕切り決済をしてしまえば、それは投機もヘッジもその姿は非常に見分けにくいものであって成果は同じである。このように論説がありますので、そういう観点からしますと、決して日本の商品取引所は遅行しておらない。非常に経済力がつき過ぎておりまして、物資が少ないという点はあります。これはさらに新しい商品をアメリカ並みにどんどん上場して、そうしてその方向に投機を向けたらよろしいんではないか、このように考えております。
#98
○中村(重)小委員 あとの答弁はできるだけ簡潔にひとつお願いいたします。専門家であられるからなかなか専門的なお答えでして、また適当な機会にいまのような非常に権威のある御意見を聞かしていただきたい、こう思います。
 先ほど西田参考人が触れられた自己玉の問題です。私は、いつかの委員会でもその問題に触れたと思うのですが、当業者仲買い人というのがありますね。これは外務員が六人まで認められている。これは自己玉は制限がない。ところが、いわゆるデパート仲買い人と称するものは百枚以下、一〇%というようになっているわけです。ところが、同じ仲買い人であって、片や当業者ですからその物を売る、買うということが中心になっていくだろうし、片一方は委託を受けるということが、デパート仲買い人はそれに重点が置かれるということになっていくのですが、そこで委託をした一般投資家と申しますか、それと当業者であるとか、あるいはその他の大企業等が当然これに参加してくるということなんですが、これとの対決ということが出てくる。資本力を非常に持っている者と、資本力の弱い大衆投資家というようなものがそこで勝負をすることになってまいりますと、どうしても強い者が最終的には勝つということばが当たるのか当たらないのかわかりませんけれども、そういう結果が生まれてくると思います。そのような場合に、デパート仲買い人というものが、むしろ大衆投資家を守るという立場にも立つことがあるのではなかろうか。また、一面自己玉を持って、それに伴って向かい三等を、いまは禁止されているが、これが認められるということになってまいりますと、何と申しますか、委託者と相対立をするというような場面もなきにしもあらず。もちろんそれは特定の委託者ではないでしょう。多数の委託者を相手にするわけでしょうから、特定の委託者との対決ではないということにはなりましょうけれども、そういう場面が出てくる。そうすると、デパート仲買い人が、本来そういうことは好ましくないじゃないかということが、これは政府の考え方としてもあって、弊害除去ということで、向かい玉を禁止しているんだと私は思っているわけであります。ですけれども、先ほど私が触れましたように、大衆投資家を守るという役割りを期待できるのではないか。だとするならば、自己玉の百枚とか一〇%というようなものは、これはそれだけの力をデパート仲買い人が発揮する役割りを果たすということにならないのではないかというような感じを私はいつも持っているわけですが、この点に対して、西田参考人あるいは清水参考人の御意見もひとつお聞かせいただきたい。非常に重要な点であるわけですから、それぞれ簡潔でよくわかりやすくお答えいただきたい。
#99
○西田参考人 お答えいたします。
 最初の部分、当業者仲買いが自己玉については制限がない、それから専業仲買いについては規制があるということについて、それがかえって大衆の委託玉に対して力の差があって、大衆をいじめるようなことになりはしないか、当業者の過当投機を容易にさせる心配はないのかという御質問でございますが、私どもの従来までの経験によりますと、当業者が会員として市場に大きな玉を売ったり買ったりするということは、これはことに繊維の場合でございますけれども、ほとんどその例がございません。必ず仲買いを通じてヘッジをするというのが一般的でございます。そして、そのヘッジということになりますと、自然、受け渡しというものが場合によってはついてまいりますし、また、場合によっては、それを最終の現物におきまして買い戻しまして、受け渡しゼロになることもございますけれども、当業者の自己玉が自由であるがために大衆が迷惑をこうむるということは、私どもの経験ではございません。
 それから次に、非常にデパート的に幾つかの取引所に仲買いとして参加をされている、いわゆる専業仲買いの方々に対する規制が現在行なわれておりますことは事実でございます。しかし、これにつきましては先ほども申し述べましたように、これから諸般の事情を調査いたしまして、もう少し緩和の方向に進めたいものだとは思っております。と申しますのは、大体この自己玉の中で今日まで非難を受けましたものは、客殺しの向かい玉というような形でいわれております。しかし、これは実際こういうことに明るい方々が見ましても、そう簡単に、これは客にまつ正面から向かっているものであるということの断定は非常にしにくいのでございます。ただ、そのワクが多くなりますと、不特定多数ではありますけれども、ある程度客に対して向かい玉の形になってきて、ある程度の相場を見ながらの操作が可能になってくるという心配がございます。そういたしますと、その弊害が目立ってまいりますので、やはり現在のところにおきましては、自己玉を自由にするということは不可能じゃないか。ある程度ゆるめたいとは思っておりますけれども、その限度があるんじゃないかというふうに私は考えております。
#100
○清水参考人 本来商品仲買い人と申しますのは取引所の会員であり、もう一つの人格として商品取引員という二つの資格を持っているわけでございます。
 それで、今回の役所のきめた規制によりますると、委託玉をとれる、いわゆる重層した資格を持っているところの商品取引員のみが、自己玉を百枚ないしは委託玉の一〇%、こう規制を受けているわけでございますけれども、一般会員であれば何百枚でも何千枚でもできるということになっております。また委託者であればできる。つまり、私の女房が建てる場合は千枚でも千五百枚でも建つ。しかしながら、私の会社カネツ商事の例を申し上げてまことに恐縮でございまするけれども、二十年の歴史を持つ地場仲買い人としてこれをやる場合、百枚しかできない。こういうことが憲法十四条の平等の趣旨に沿うことであるかどうか非常に疑問でございます。
 向かい玉であるか、向かい玉でないかという点は、この業界には売りと買いと二つしかございません。じゃんけんぽんのように三つあるならば、私は、お客さまを石と紙に分けてはさみを持つでしょう。しかしながら、これが売りと買いと二つしかないのですから、いずれかに自分が建玉をしなければなりません。その場合、買いならば買っているお客では乗り玉であるわけです。売っているお客には向かい玉になるかもしれません。この乗り玉のほうはあまり皆さんは御指摘なさらない。こういう点に非常に妙な問題が起こっているのではなかろうか、こういうふうに解釈するわけでございます。
 アメリカの市場にはスキャルパーというのがございまして、これは何かというと、証券市場の日ばかり商い、その日のうちに決済をしてしまう。商品取引所では現落ち売買といっておりますが、朝買って夕方売るというたぐいでございます。小さな値幅でもやったほうがやらないよりはましだ、こういういわゆるブローカー的な見地でもって商いをする、それを業としているのがスキャルパーとして存在するわけでございます。
 しかし、日本では、このスキャルパーの役割りを果たすものは何かというと、これはやはり自己玉以外にはあり得ないのであります。商品取引所というものは、先ほど御指摘がありましたように、当業者のヘッジであるとか、あるいは代金先取りであるとか、平準化作用による商いというような、取引所の本来の望む取引、これを受け入れるのには投機玉というものがなければならないということは、どなたにもおわかりいただける段階に入ってまいりました。初めは投機もいけないというようなことで、ヘッジだけやれというようなことでありましたが、それには雌ばかりで卵を産めというのと同じだということがよくおわかりになりまして、最近では投機玉の存在を認めていただきました。しかし、その投機玉がさらに円満にいくのには、これはどうしても自己玉というものが必要な場合が出てくるということを御存じないというのが多いのであります。
 要するに、アフリカの草原の中にライオンを残せということを御指摘ですけれども、ライオンはウシカモシカなりシマウマを食べて生きていく。そして、そのえさであるところのシマウマは草食動物ですから、草原の草を食べております。それをアフリカの野を焼き払ってライオンを残せといっても、これはライオンは残り得ないということで、私はスキャルパー的存在の自己玉は、これは御緩和いただきたい。決して全部をやらしてほしいとは申しません。ただいま西田参考人からの御指摘がありましたように、全部を開放するということは無理である、こういう御意見を尊重いたしましてけっこうでございますけれども、現在のように、百枚あるいは委託総玉の一〇%ということは、今日大量の売り先であり、大量の仕入れ先ということを取引所がうたっておきながらあまりにもみみっちい数量ではなかろうか、かように考えるわけでございます。
#101
○中村(重)小委員 企業局次長にお答えをいただきたいのですが、いま清水参考人から非常に専門的なことでお答えがあったことは、私は十分消化ができないわけです。ですけれども、冒頭私が質問で触れましたように、これはきょうだけではなくてもう何回もこの問題についてお尋ねをしてきた、政府の見解をただしてきたが、依然としていまの当業者仲買い人とそれからデパート仲買い人との差が非常に大きい。同時に、このデパート仲買い人は、委託者から委託を受けるという立場で、一面お客を守っていかなければならぬという役割りが当業者仲買い人と違ってあるということ等を考えると、私は、防衛的立場、そういうことから、その玉というものが必ずしも同じでなくとも、そこを見透かされない程度の玉というものを認めていくということでなければ、ほんとうに委託者を守る、そして公正な相場を確立するということにつながってこないのではないかという感じがしてならない。
 それから向かい玉というものも、自主規制という形で取引員の問題が非常に物議をかもしておったときでありますから、規制をされたということもわかりますけれども、もう今日、改善命令等によって相当まじめに業務に取り組んできておられるというようなことも伺っておるということからいたしますと、緩和するところは緩和する、そしてほんとうに正しい業務の運営を行なう。そこで倒産なんというような危険な状態におちいって、大衆投資家というものに大きな損害を与えるというようなことにならないように、十分配慮していかれる必要があるのではないかというように私は思うのですが、その点に対しての考え方はいかがなんですか。
#102
○橋本説明員 自己玉の問題でございますが、自己玉につきましては、はなとりといったようなことで、一般のメリットがあることは重々わかるわけでございますが、先ほども指摘されておりますように、取引員につきましては、会員として自己玉を売買し得る資格と、委託者から委託を受けるいわゆる委託者資格と、二つの面を持っておるわけでございます。そういった面から、向かい玉の弊害の除去あるいは過度の手張りによる経営の不健全化の防止といったような立場から、現状で定められておる一〇%ないしは百枚というのが一応の限度ではなかろうかと考えております。ただ、先ほど来先生から御指摘の点もございますので、さらに検討はしてみたいと思いますが、実は商品取引所審議会の審議の過程におきましても、専業仲買い人については自己玉を認めないほうがいいのではないかといったような意見を出す方もあったわけでございまして、そういった点も勘案いたしまして、御趣旨の点とあわせてさらに検討してまいりたいと考えております。
#103
○中村(重)小委員 農林省の考え方はどうです。
#104
○岩野説明員 自己玉の問題につきましては、ただいま企業局次長から御答弁いたしましたことにつきまして農林省としても全く同じ考えでおるわけでございます。アズキの問題につきまして、当初、五%、五十枚、こういうようなことで自己玉について規制をしていた時代がかつてございました。その時代は、先ほど中村先生御指摘のように、かなりの自己玉の弊害が出てきたというようなこともございまして、現在の一〇%、百枚、こういうふうになっておるわけでございます。この問題につきましては、全商連の制度研究委員会で現在検討を実施しておりまして、そこら辺の検討の結果を待ちたいというふうに考えております。
#105
○中村(重)小委員 私も、ああした世論のきびしい批判の前に立って、その際、農林、通産両省が規制措置を講じたということは当然のことだと思って、これは評価をしておる。しかし、いつまでもそのようなことでいいのかどうか。あまりその規制がきびし過ぎると、角をためて牛を殺すという結果が起こりかねないということです。だから、あくまで基本というものは、委託者を保護するのだということが基本でなければならない。同時に、公正な相場を確立するということ、それから企業、この場合、取引員等ということになるのでしょうが、それが健全な事業の運営をやるということ、そこを忘れて、あまりにも役所が一つの権限を振り回すという形になってくると、あまりにも介入し過ぎるという形になってまいりますと、私は好ましい結果は生まれないと思うのです。私個人の考え方から言いますならば、この商品取引というものの存在をあまり評価をしていない。だからといって、しかし資本主義社会の中において、これは政府も認めていることだし、また、それなりの役割りをいまも果たしているということでありましょうから、そうした現実の時代の流れに立って私どもは議論をし、よりいい結果が生み出されることを期待して議論をしておるわけですね。だとするならば、やはり当時は当時、本来のあり方はあり方ということで弾力的な運営というものがなされなければならない、私はこう思うのです。ですからその点に対して、多くのことばは必要としませんから、きっぱりと――次長の答弁ははっきりしておったようですが、あなたの答弁は当時にこだわり過ぎたという感じでもって私は受けておりますから、どうあるべきか、私のただいま申し上げたことに対しての考え方をきっぱりここで言っていただきたい。
#106
○岩野説明員 この自己玉の規制を見まして――改正法の成立から施行にかけまして、すなわち商品取引所の仲買い人、取引員、まあ取引員としてその後改正法に基づきまして現実にやってきておるわけでございます。その間、社会的ないろいろな批判と申しますか、そういうことから、いろいろ自主的にあるいは行政指導として諸規制をいろいろ実施してきたわけです。その過程におきまして、最近取引員につきましても、いわゆる営業姿勢と申しますか、許可制以降そういうような点につきましての改善も見られてまいりました。さらには法令違反、紛議、こういうような面につきましても、昨年に比べまして本年は姿勢が正しくなってきたというような点で、紛議等の件数も大幅に減少をいたしてきている次第でございます。
 そういう実態を踏まえまして、私どもにおきましても通産省と十分連絡をいたしまして、いままで現状凍結というような感じの規制をいたしておりました外務員の問題につきまして、あるいは営業所の看板の問題等につきまして、当面のそういう営業姿勢とか、そういうものの姿勢を正しくするというような成果を踏まえまして、そういうような取引につきましては、今後営業所の看板でありますとか、外務員の登録というような問題について逐次調整をしてまいるというようなことを考えて実施をいたしておるわけでございます。これにつきましては、去る二十二日に両局長の通達を出しまして、今後そういうような措置を講じていくということで実施をいたしておるわけでございます。
 さらに、自己玉の問題につきましては、これは先ほど申されましたようないろいろのメリット、デメリット、こういうような両者を十分検討いたしていかなければならない面が多いわけでございまして、そういうところで、先ほど申し上げました制度研、全商連の機関に制度研というものがございます。そこの中でいろいろな関係者、これは取引員の代表の方も入っておられます。そういうところの中でいろいろ検討して、その成果を、検討結果を踏まえて実施をしていくというのが私どもの現在の考えでございます。
#107
○中村(重)小委員 答弁は質問していることに対して答えてもらいたい。看板の問題とか外務員の問題はあとで私が尋ねる。自己玉の問題と向かい玉の問題を私はお尋ねしたわけだから、あまり多くのことばを使わないで、質問に対しきっぱりと簡単に答えてもらいたい、こう言っているわけです。
 私は重ねて申し上げるのだけれども、観念的ではだめだということなんです。メリットとかデメリットということで、デメリットが大きいのだったら、委託者保護ということにつながらないのだったら、これはやはり認めるべきではない。しかしながら、メリットもあるであろう、しかし具体的にこういったようなデメリットがあるではないか、自己玉を持たせることによって、あるいは向かわせることによって委託者というものに大きな損害を与えるのだという結論が出るならば、これはあくまでも基本は投資家を大衆を守っていかなければならない。それなくしては商品取引の存在はあり得ない。だから私は、それならそれでよろしいというのだ。しかしながら、はっきりしたものがないじゃないかということなんです。ただ何かしら頭の中で考えて、向かわせるということは、大衆とそうした取引員と向かい合うのだから、片一方が負けて片一方が勝つことになるから、それは大衆に大きな被害を与えるのだというような観念ではだめなんだということです。
 それから自己玉の問題につきましても、先ほど私が申し上げましたように、やはり大衆投資家というものに、その当業者仲買い人というもの、あるいはその他の大資本等がこれに強い力を持って向かい合うことがあるであろう。そういう場合は、力の弱い大衆が結局敗れるということになって、大きな被害をこうむることになるのではないか。そういったような場合に、だれかこれを守るというようなことがなければいけないのではないか。
 たとえば、私はここで一つの例を申し上げるのだけれども、ある投資家が一千枚買いたい、ところが売るものがないということになってくると、相場はずっと上がってくるわけで、高いものを買わなければならぬという結果が生まれてくる。そういう場合に、今度は自分がお客さんである仲買い人、あるいはそうでなくても、デパート仲買い人というものが自己玉を相当持っておるならば、その売りが出た場合に、安いときにそれを買うということになってくると、安いものを大衆が買うことができるではないか。今度は下がる場合も同じことが言えるわけです。だから、そういったようなメリットというものもあるわけです。だから具体的な問題、ただ頭の中だけで観念的にものを考えて処理していくということは正しい行政のあり方ではないということを私は指摘するわけです。その点に対して、よほどこの問題に対して取っ組んでおられるのだから、そこあたりはずばりと答弁ができるんじゃありませんか。
#108
○岩野説明員 向かい玉の弊害につきましては、これは私ども経験的に、各取引におきまして、やはり結果的にお客さんといいますか委託者の買いに対しまして取引員が売りに回る場合に、検査等を通じまして見たときに、やはり結果的にそういうようなケースというものが、これは意識的に委託者に対して取引員が勝負をした、こういうようなこととは私どもは見ていない、そういうケースが非常に多いわけであります。
 それからいま一つ、やはり相場でございますから、見込み違いから、取引員自体が相場の見込みを違えまして、いわゆる自己玉からかなり経営を悪化している、こういうようなケースもあるわけでございます。いま先生がおっしゃったように、極端な売りに対しまして自己玉がそのショックを緩和するというようなメリットの面もございますが、その反面そういう取引員であっても相場の見込み違いというのはかなりあり得るわけでございまして、そういうことから自己玉というもので経営不振におちいっている、こういうような例も現実にございますし、それから結果的にお客さんに損を与えるというような結果もございます。そこら辺の弊害等も見きわめながら、どの程度で規制していくかというような感じはなかなかむずかしいわけでございます。
 過去の、確かに五%、五十枚、こういう点につきましては、逆に会員の面から取引員の手の内を全部読まれてしまいまして、非常に取引員が窮地におちいった、会員が取引員の手の内を見ながら相場を左右した、こういうような弊害もございまして、現在のところにいま落ちついているわけでございます。これをさらにどの程度にするか、こういうようなことにつきましてはいま少し検討の結果を待ちたい、こういうふうに考えております。
#109
○中村(重)小委員 時間の関係がありますから、先に重要な点を何点かお尋ねをして終わることにいたします。
 あなたが触れられたことをお尋ねしていくのだけれども、看板調整の問題については、当時の両角企業局長が私の質問に対してお答えになったことは、本店にある看板は営業所にこれを認めていくということでなければ、いたずらに違反を起こす、罪人をつくるという結果になる、また委託者の利便を守ることにはならない、はかることにはならない、そういったようなことから、当然本店に認めた看板であるから営業所にもこれを認めていくということでなければいけないのではないかということに対して、そのとおりするという答弁が行なわれた。当時の森流通部長も、同意見かということに対しては同意見でございますという答弁がなされている。ところが、今回あなたのほうから私どもにいただいております資料を見ると、そうではない。全くと私はあえて申し上げてよろしいと思うのだけれども、両角答弁というものが、いまあなたのほうでやろうとしている看板調整の中では出てきていない。これは先ほど私が触れましたように、地域性ということに非常に比重を置いているところに問題があるのではなかろうか。先ほども申し上げましたように、今日情報化時代、それから参考人からお答えになりましたように、取引所同士で非常に格差がある。その格差是正ということもやらなければならないということになってくると、当然これは取引所の整理統合というものが出てくる。そうなってくると、この看板調整の問題との関連というものがここに生まれてくるわけですから、この点に対する考え方というものはどうなのかということなんです。いまの取引所の整理統合の問題を含めて、両角答弁がどうして生かされていないのか、それをひとつそれぞれ簡潔にお答えをいただきたい。
#110
○橋本説明員 ただいま御指摘のように、まさに片看板の問題は地域性の問題にかかってくるかと思いますが、現行法ないしは現行の取引所制度が地域性の実情に応じて運用するたてまえになっておりますので、現状では、今回の措置でとりあえずやむを得ないのじゃないかと思いますが、昨年来産業構造審議会の流通部会の中に定期市場小委員会を設けまして、この場で今後の取引所のあり方を含めまして検討いたしておりますので、その検討結果をまって判断いたしたいと考えます。
#111
○岩野説明員 現在の法律の体系におきましては、先生御承知のように、各商品取引員の許可は商品ごとに実施をしておるわけであります。商品ごと、取引所ごとに許可をしていくたてまえになっております。穀物でございますと、取引所が現在全国に六つございます。この取引所は、一応法律のたてまえで、地域性というものを考えて、その商品の流通といいますか、価格形成、その流通取引といいますか、そういうものに役立つものとして取引所の許可をいたしておるわけであります。その取引所ごとに取引営業所というものは許可するということのたてまえになっておりまして、そういう地域性を考えてやはり営業所というものを許可していかざるを得ない、こういうことであります。その中におきまして、できるだけ片看板是正、こういうようなものにつきましても可能な限りほうり込んでいって今回の調整、こういうことに相なったわけであります。
#112
○中村(重)小委員 私の質問は、あなたもお聞きになったように、現状肯定の上に立ってものごとを判断するということだけではだめなんだ、こう言っている。情報化社会なんだから、参考人から貴重な参考意見もあって、格差がある、好ましくない、そういう意見がなされているわけだ。そうした意見の上に立って、この格差を是正するために、是正をすることにおいて公正な相場だって立つわけだから、そういうことを考えるならば、現在の地域性を維持していこうという考え方を一歩出て、そしてより最善な策を講じていくということでなければいけないのではないかということを中心にしてあなたの答えを聞いたわけです。しかし、先ほど橋本さんのお答えもあったわけですから、時間もありませんから、十分検討されるでしょうから、あとの質問にあわせて一言でよろしいわけだから答えてもらいたい。
 外務員の規制の問題ですが、この外務員の規制の問題についても、私はどうも納得がいかないのは、当時は規制措置を講じた、これはよろしかったと思うのです。それによって改善計画を立てて、そしてそれを実施をさせてきたんだと私は思う。それであるならば、今回外務員の規制の問題を若干ゆるめようとしておることだから、それは改善計画に見るべきものがあったということでこれを緩和されようとしたんだろうと思う。それであるならば、この外務員というものは、やはり第一義的に企業の責任でこれはきめなければいけないのではないか。これはあまり過ぎると、何というのか役所が個々の企業の実態にまで大きく干渉するということになる。これは行き過ぎという形にもなりかねないわけだから、いわゆる全商連ルールというものは、全商連だけが離れて一つのルールをつくっているのではない。あくまで通産、農林両省が最終的にはこれに対してサインをしなければ、これは発動しないということになるわけです。だから、形式がどうであろうとも、実態は私がいま指摘をしたとおり。してみるならば、この外務員のいまの規制のあり方というようなものは、やはりこれは再検討しなければならないのではないか。単に緩和したということだけで問題の解決にならない。本来外務員というようなものの制度を、まあ全商連ルールの問題を含めて、本来のあり方はどうあるべきかということです。
 それから当時、改善計画を指示されたところが二十九社というものがある。それによって今度は同じように緩和の方向へ持っていったのでしょうから、その改善計画は、先ほど申し上げたように見るべきものがあったんだ、それならばそのようにやはり振り出しに戻って実態を十分につかんで、それに対して適切な措置を講ずるということでなければ、これはあくまで不合理のままの状態を維持、温存していくという形にならないのかどうか。これだけ同じような、三五%なら三五%でふやしますよと言っても、前の状態というものは、依然としてこの規制の状態が残っておるということがある。それでは正しい意味の問題の解決にはならないというように私は思うのです。
 先ほども申し上げましたように、あまり無理をすると、これは最も危険な倒産という状態に追い込まれて、最大の紛議、最大の投資家に対する被害を与えるという結果をかもし出すということにもなるわけだから、そこらはあまり前にこだわらないで、実際の実情の上に立って問題を処理していくということでなければいけないのではないかと私は思う。そうしなければ、いまのようなルールで、二対一とか一対一とかという形になってくると、悪い外務員であっても、これを首を切ったんでは、二対一で、二人減らなければ一名入れてくれないという形になってくると、悪い外務員を温存するという形になってくる。これは正しい問題の解決のしかたではない。規制をするということは、その投資家を守るというような考え方でやっているのだろうけれども、一歩深く突っ込んで問題と取っ組んでみると、そうではない。むしろそういう大衆投資家というものに被害を与える、損害を与えるという答えが出てくる危険性というものが十分あるということを私は考えるのだけれども、その点はどうなんです。
#113
○橋本説明員 外務員の登録につきましては、原則として自主規制によることが望ましいと考えます。ただ、われわれの立場といたしましては、かつての過当投機あるいは過度の大衆参加に戻らないように常に配慮いたしまして、社会的信用を確立する必要があるかと考えております。そういった観点に立ちまして、今回とりあえず九月二十二日の措置を実施したわけでございます。これに関連いたしましていわゆる改善計画を提出していただき、条件つき許可をいたしました二十九社につきましても、この措置を一般取引員と同等に適用いたしたいと考えております。したがいまして、三五%のワク内で新規外務員を登録する余地がございます。かたがた、そういった外務員の定着率を高めるように努力していただくことによりまして、適正な外務員の確保につとめられたい、かように考えておるわけであります。
#114
○岩野説明員 先ほどの取引所の関係についてまずお答えいたしますと、私どもで函館の海産物、こういうような取引の実態が自主的にとまっておる、こういうものにつきましては、現在解散というようなことの準備、事務を進めて、近く解散をいたすことになっておるわけであります。
 そのほか、現在いろいろ活動いたしております取引所につきましては、これは実際になかなかむずかしい問題でございます。先ほど先生がおっしゃったように、格差があるということも事実でございます。取引所の合併というような問題についても、今後前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから外務員の登録に関しましては、先ほど企業局次長から御答弁のあったとおりでございます。私ども、営業姿勢の良好なもの、こういうものにつきましては、そういう差別というようなことをせずに、今回もう一回レビューいたしまして、その中の営業姿勢の良好なものについては差別をしていかない、こういうような面で考えておるわけでございます。
 失礼いたしました。先ほどの函館の海産物、七月末に清算も完了いたしております。
#115
○中村(重)小委員 あと二点で終わります。
 いま橋本さんの答弁で理解ができないのは、いまの全商連ルールを変えようとは考えないという答弁でしたね。問題を感じませんか。基準数というのがあるんですよ。いいですか。基準数というものは、この事業運営を健全にやらせるためにはそれだけの外務員が必要であるということで基準数をつくるのです。ならば、その基準数まではいつでも補充するという体制をとらなければ、どういう形で外務員がやめるかわからぬじゃありませんか。悪い外務員を首切らなきゃならない、あるいは労使の間に問題が起こってきて、そして労働者が納得いかないということで、いわゆる労働者である外務員がこれをやめるということだってある。いろんなケースがあると私は思う。そのことを考えてみると、基準数までは外務員はいつも認めていく。ただし、その外務員は資格がなければいけない。質の悪い外務員は採用はさせない、そこでチェックしていく。そして一年ごとに基準数を見直す。営業姿勢がよくて、企業の規模、経理、能力、いろんな点から考えてみて、悪い営業姿勢を持つ経営能力の低下した企業に対しては、それなりの基準を今度はつくっていく。いい企業に対しては、今度は増員をさせるというような、いわゆる一年ごとに見直していくということでなければいけない。しかし、一たん基準数をきめたならば、その基準数を見直すまではいつでもこれを補充するという体制をとらなければ、いまの全商連ルールというものは、減った場合に、一対一で認める場合と、二対一で認める場合とあるわけです。それでは、基準数をきめたということは何を意味するのか、意味がないではないかということになる。どうもあなた方の答弁を聞いてみると、何か、どこか一本筋が通らないというのか、常識的に判断できないところがあるのです。だから、先ほど私が申し上げましたように、あくまで大衆投資家を、委託者というものを守っていくという考え方の上に立たなければいけない。そのためには、やはり企業の健全な経営というものをさせなければいけない。そのためには、やはり看板の問題も外務員の問題も、すべての問題がこれは関連づけられてくるのだということです。ただいたずらに、あなた方があまりきびしい規制をするということは――役人として規制をするということは、あなた方にはないかもしれないけれども、りゅういんの下がるような思いをすることだってあるかもしれぬ。しかし、そういうことであってはいけない。やはり、だれが聞いても常識的にわかるような、官僚独善だというような批判を受けないようなこと、そういうことでやはり問題を処理していかなければいけないのではないか、こう思うのですが、これは間違いですか。
#116
○橋本説明員 先ほど申し上げました三五%につきましては、過去三年間の平均離職率を計算いたしましたところ、三三%という数字が出てまいったわけでございまして、それを一応根拠にいたしまして、従来の二五%を三五%に引き上げた。その範囲内で不足する外務員の登録を受けられる、こういうことでございます。
 いま一つ、基準数の見直しについては、さらに検討させていただきたいと思います。
#117
○岩野説明員 基準数につきましては、過去二年というものをベースにいたしましてそれの三五%、こういうことで現在自主規制を実施いたしておるわけでございます。先ほど先生がおっしゃいました異例の場合につきましては、全商連に中央審査委員会、こういうものがございまして、そこで、そういう特例については特例措置を実施できるようになっておるわけでございます。
 それから、三五%ということで、過去の定着率というものを十分勘案して三五%にきめておるわけであります。その企業の努力によりまして定着率を高めていくということによりまして、その企業努力を外務員の実数に反映できるように、現在の制度はなっておるわけであります。
#118
○中村(重)小委員 私が言っているのは、基準数というものをきめて二五%であったものを三五%にした、それはあなた方が解説つきの資料をくれているのだから、読んでいるのだからわかっている。しかし、基準数をきめたということは、先ほども申し上げたように、この企業に対してはこれだけの外務員が必要だというところで、あなた方が基準数をきめられた。ところが、そこへ全商連ルールなるものがあって、その外務員がいろいろな事情でやめたりやめさせられたりした場合の、その基準数に達するまでは二対一で補充するという、そのルールというものは生きているわけなんだから、それでは基準数をきめた意味がないではないか、こう言っているわけである。必要な外務員がいないということになってくると、営業と管理部門とのアンバランスが出て、そうして経営へ圧力がかかって、そのことが企業の倒産におちいる一つの危険な道が生まれてくるということなんだ。だから、三五%にふやしてくる問題については、私は一年ごとに経理内容、それから営業姿勢等々を、見直して、基準数を減らすことだってあるだろう、あるいはふやしていくことだってあるだろう、そういうことをすることが一番妥当な行き方ではないのかということです。どうも、前につくったルールなんというものを何か固執していこうとするような考え方があって、この実態とは遊離するというような感じがしてならない。私は、独善的にこれを押えつけようとは考えておりませんから、私が申し上げたことについて参考にならないと――私は参考にならないようなことは言っておらないつもりだから、いつもあなた方とお話しをするのだから、まあいろいろと非公式にでも御意見を伺うということにいたしたいと思います。きょうは時間の関係で切りがありませんので……。
 それから業務保証金の問題等々に触れたいのですけれども、ただ、これは私の意見としてこれも申し上げておきますが、業務保証金として固定部門と流動部門とある。私これは異質のものだと思っております。固定部門というのは、その企業の規模によって全額を保証金として積み立てる。流動部門というのは、建玉によって、玉を建てた場合お客さんから預かった金の半分を積み立てる。そうでしょう。それでは、その固定部門と流動部門というのは異質のものです。これを業務保証金という形でまあ一本のものとして見ているのは適当ではないというように私は思います。同時に、この委託保証金の問題も、私は、これがより健全な行き方であるとするならば、建玉で、玉を建てたときだけそれに応じて積み立てをするということはいかがなものであろうかということも実は考えている。しかし、それはそれなりに役所と当事者同士と話し合いをやって、お客がこの取引をやめた場合お客に金を払わなければならぬ、そういったようなこと等々も配慮されてのことであろうと私は思っておるのでありますが、まあ危険を防止する方法としては、固定部門をまずふやすこと、これは仲買い保証金と申し上げたほうがいいのかもしれぬ。つまりいまの取引保証金、それはもっとふやしなさい。
 それから、商品取引受託債務保証組合というのができているはずです。この組合が、一取引所の加入取引で二千万、二取引所の加入者でもって三千万、三取引所の場合五千万と、こうある。お互いが、倒産なんかの場合に委託者に損害を与えないためにということで、相互扶助という形でこういうものができているのだ。こんなものはふやしなさい。そして、委託者に対して、まさかの場合に安心を与えるようにしていかなければならぬ。ですから、そういったようなことで、何というのか、これは委託者を守るという方向で、きびしくするところはきびしくしていくということでなければいけないと私は思うのです。これも再検討される必要があるということを申し上げておきたいと思います。
 参考人に対してお尋ねをしなければならないことはたくさんありましたが、いまいろいろ役所との間に、あなた方にお尋ねしたいと考えておりました業務保証金の問題であるとか、あるいはいろいろ触れたわけですが、最後に、いまの点に対して役所から答弁を受けまして、これを簡潔に、何かそれぞれ最後に御意見を伺って、そして終わることにいたします。
#119
○橋本説明員 ただいま先生から御指摘のあった点については別途検討いたしたいと思います。
#120
○清水参考人 中村先生から先ほど自己玉問題について御意見がありました際に、私勘違いしておりました点がございますので、ここで申し上げますと、それは仲買い人の中に、当業者とデパート仲買いとが区分される。その区分の限界点が外務員を六人以内のものは当業者とみなす。六人以上ものはデパート仲買いとみなす。
  〔田中(榮)小委員長代理退席、小委員長着席〕
こういう不文律から、専業仲買い人でありながら規模が小さい仲買い人、これは外務員を六人以上持っておらなかった。こういう仲買い人が自己玉規制という事実に便乗いたしまして、そして自分が一種の向かい玉屋を開業したという形を中村先生から御指摘があった、このように解釈するわけでございます。これはわれわれの業界が自己玉規制によってゆがめられた現状、要するに別な公害があらわれた、こう先生から御指摘があったように思うわけでございます。それはその事実のように、実は自己玉一手引受所のような仲買い人が二、主ないでもなかったわけです。そしてこれが完全な向かい会社というか、よその仲買いがやれないわけですから、その分を自分がやるというようなことで横行をいたしまして、一種の価格操作のような形をとりました。そこで、穀物取引市場におきましては、価格操作防止特別委員会というものを新たに設置いたしまして、価格の公正を期すべく措置をとったほどでございます。
 なお、このような実情は、いまにしてもありますように、私どもの仲買い人というものはたくさんの委託玉をかかえておりますので、取引員と取引員とはその領域内で一つの戦争をしているわけでございます。と申しますのは、取引所をはさんで買い方、売り方に分かれて、出勘、入り勘という勘定のやりとりがございます。その出勘のほうは少しでも少なくしたい、入り勘のほうは少しでも大きくしたいというのが人情の常で、そういう戦争をしておるわけでございます。その際に、自己玉が自由ではありませんので、みすみす出勘であるということを知りながら、その勘定に甘んじなければならない。お客さまに、あなたの買っているのは御損でございますからこれは売ったほうがよろしゅうございますと幾らすすめても、お客さまというものは、それを売ることによって損が出る、損という決済をするのは非常にいやだという立場をとるわけでございまして、いや、元の値段に戻るまでしんぼうする、こういう御意見を出しやすいわけでございます。それに乗じまして、かの六人以内の仲買い人が非常にはびこるという現状は出ておりまして、これはこういう弊害を除く上にもいま一段の自己玉規制緩和ということが望ましいように思いますので、中村先生の御意見に、ちょっと間違った私の答えがありましたことを申し上げておきます。
#121
○中村(重)小委員 それではいいです。あなたのほうから出ておる資料だろうと思うのだけれども、商品取引所の会員制度というものがありますね。これは定款で定めている。ところが、会員の定数が充足されていないという取引所というものが非常に多い。取引所の運営、その健全化というようなものを考えていく場合に、これはそれだけが必要だということで定款で許可をしておられる。だからこれを充足する必要があればこの充足をする。必要がないのだったら、この定款そのものを変更させるというような指導をなさらないと、これは非常に役所は無責任だということになる。何をしているんだということになる。批判だって起こってくる。これに対する考え方をひとつ、先ほど申し上げたことに対してのお答えを含めてお聞きします。
#122
○岩野説明員 ただいま先生のおっしゃいましたのは会員の定数の問題かと思います。会員の定数は最高を定めておりまして、その範囲内におきまして取引所で認めていく、こういうことに相なっております。
#123
○中村(重)小委員 どうもいまの答弁わからなかったね。あなたのほうでは会員についての――各取引所に会員は何名だということで定款で置くようになっておる。これを許可するのだな。ところが、この資料によると、各取引所に定数残というものが、ある取引所においては四名だとか、ある取引所においては七名とか十名とか十一名とかあるわけだ。その取引所の円滑な運営をはかるためにはこれだけが必要なんだと、そこで認可をしておるわけだ。だから、満ぱいにしているところと、欠員が非常に多いところとあるわけだから、ばらばらになっておる。こういうことも格差が拡大をすることにつながっていくわけだ。だから、必要だとして認可をしたものはそれだけを認めなさい。不必要であるということであるならば、欠員になるというような形にしておくことはおかしいから、あらためて定款の変更をさせなければいけない。そうしなければ役所としての責任ある態度でないではないかということを私は言っておるわけです。
#124
○岩野説明員 各取引所から会員の充足につきましての実情を報告させ、その充足について私のほうは検討をさせております。
#125
○武藤小委員長 両参考人には貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト