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1972/07/20 第69回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第069回国会 地方行政委員会地方公営企業に関する小委員会 第1号
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1972/07/20 第69回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第069回国会 地方行政委員会地方公営企業に関する小委員会 第1号

#1
第069回国会 地方行政委員会地方公営企業に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和四十七年七月十二日(水曜日)委
員会において、設置することに決した。
七月十三日
 本小委員は委員長の指名で、次の通り選任され
 た。
      上村千一郎君    大石 八治君
      岡崎 英城君    塩川正十郎君
      中村 弘海君    中山 正暉君
      豊  永光君    山口 鶴男君
      山本弥之助君    和田 一郎君
      門司  亮君
七月十三日
 塩川正十郎君が委員長の指名で、小委員長に選
 任された。
―――――――――――――――――――――
昭和四十七年七月二十日(木曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席小委員
   小委員長 塩川正十郎君
      菅  太郎君    中村 弘海君
      宮澤 喜一君    山本弥之助君
      和田 一郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 福田  一君
 小委員外の出席者
        地方行政委員長 谷垣 專一君
        自治大臣官房審
        議官      森岡  敞君
        自治省財政局長 鎌田 要人君
        自治省財政局公
        営企業第一課長 柴田 啓次君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
七月二十日
 小委員岡崎英城君及び中山正暉君同日小委員辞
 任につき、その補欠として宮澤喜一君及び菅太
 郎君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員菅太郎君及び宮澤喜一君同日小委員辞任
 につき、その補欠として中山正暉君及び岡崎英
 城君が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方公営企業等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○塩川小委員長 ただいまより地方行政委員会地方公営企業等に関する小委員会を開会いたします。
 私、小委員長の指名を受けまして、前国会に引き続きまして小委員長に就任いたしましたので、何とぞよろしくお願いいたします。
 まず、小委員会の運営でございますが、審議は懇談方式で進め、速記については、必要に応じてこれをつけ加えることといたしたいと存じます。
 傍聴その他につきましては、小委員長におまかせ願いたいと存じます。
 なお、小委員以外の委員が出席して発言の申し出がございました場合には、そのつど小委員会におはかりしてこれを認めていきたいと存じます。
 それでは、地方公営企業等に関する件について調査を進めます。
 この際、福田自治大臣より発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。
#3
○福田国務大臣 このたび自治大臣を拝命いたしました福田一でございます。どうぞ今後よろしくお願いいたします。
 現在、経営悪化の著しい公営交通事業、特に大都市の公営交通事業につきまして、経営健全化のための抜本的対策の確立が急務とされているところでございます。この抜本的対策は、昭和四十八年度から、一、バス等路面交通事業の累積赤字の処理、二、企業経営の改善合理化、三、財政措置の見直し等の財政対策をはじめ、四、地下鉄経営の健全化方策、五、公共交通機関の優先通行の確保等、企業環境の改善、六、運賃制度のあり方等、広範にわたっているものでありまして、本委員会の御理解と御協力を得なければ、とうていこれらの諸問題解決は困難でございます。
 これらの問題につきまして、公営交通問題研究会をはじめ、各機関で鋭意御検討をいただいているところでありますが、この間にも、公営交通事業の経営状況はますます悪化の一途をたどっている状況であります。
 私といたしましても、この問題に真剣に取り組んで努力してまいりたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 簡単でございますが、ごあいさつとする次第でございます。
#4
○塩川小委員長 次に、お手元に配付いたしております資料について説明を求めるのでありますが、資料は三種類ですが、森岡審議官から説明をお願いいたします。
#5
○森岡説明員 それでは、資料につきまして御説明申し上げます。
 「大都市公営交通事業財政再建の経過と反省」という資料をお配りいたしてございますが、四十八年度を目途に新たな抜本的な財政再建対策を考えてまいります上におきまして、現在行なっております財政再建の状況と、それの包蔵されております問題点をまとめたわけでございます。それを踏まえて新たな再建対策を考えていくべきではなかろうか、かように考えているわけでございます。以下、読みながら御説明申し上げます。
 まず、第一に、現在の財政再建計画の目標及び経過でございますが、大都市公営交通事業のうち、軌道・バスなどの路面交通事業につきまして、現在財政再建計画を実施中でございますが、横浜市が五十四年度までの再建計画になっておりますが、その他の都市はすべて四十八年度で再建計画を終了するということに相なっております。この再建計画は、四十年度末の不良債務、これが四百六十五億円でございまして、再建債を四百二十五億円発行いたしまして、たな上げをしたわけでございます。この差額四十億円は、大阪市につきまして地下鉄の資金残がございましたので、その分は資金不足にはならないということで、それを控除して、再建債の発行額は四百二十五億円にしたという経過があるわけでございます。この発行いたしました再建債を再建期間中に償還をしていくということ、同時に経営体質を改善をいたしまして、財政の健全性を回復しようとするものであったわけでございます。
 なお、地下鉄事業につきましては、経営健全化を別途の措置によることといたしまして、再建計画の中に地下鉄の収支は組み入れておりません。別途、御承知のように、昭和四十五年度から、地下鉄に対しまして、建設費の間接費などを除きましたおおむね二分の一、実質は約三割八分でございますが、その程度の財政援助を行なう。国と地方公共団体が折半をいたしまして、交通特別会計に繰り入れるということにいたしております。繰り入れのしかたは、一度に繰り入れませんで、八年間にわたって分割して繰り入れるという形に相なっております。そのような繰り入れ方が必ずしも十分でないというふうな意見もかなり出ておるところでございますが、ともあれ、さような措置によりまして、地下鉄事業につきましては別途の措置を講じておるということでございます。
 この財政再建計画の基本方針は、以下に掲げております。
 まず、第一に、不採算でありますし、また、都市構造の変化によりまして、大都市の交通手段としての役割りを果たし得なくなりました路面電車については計画的に撤去をしてまいる。その上で、基幹交通施設は地下鉄の整備によることといたします。ただ、地下鉄建設までの間と、それから地下鉄を敷設しない、主として郊外部などにつきましては、バスでもって代替をするというのが第一でございます。
 第二は、バス事業につきまして、ワンマン化あるいは路線の再編成などの合理化を行ないまして収支の改善をはかる。これによって収入を確保して、路面交通全体の赤字の解消に資していくということでございます。
 第三は、一般会計との負担区分を明確化するとともに、財政再建達成のために、国及び一般会計から援助を行なうということでございます。一般会計との負担区分を明確化するといいますことは、要は、交通事業の中で、料金収入でまかなうべき分は料金収入でまかなうけれども、一般会計が公共負担として持つべきものは、公共負担として租税収入でもって充てていくという趣旨でございます。
 それから、第四点は、路面電車の撤去などによりまして、車庫用地とか軌道敷という非常な不用財産が出てまいります。それを売り払いまして赤字解消財源に充てる。
 第五点は、人員の縮減、給与体系の合理化、物件費の節減などの経費の合理化をはかる。
 第六点は、料金改定、乗客増によって収入増をはかる。
 このような基本的な方針によりまして再建計画を立て、それに基づいて経営の立て直しをはかってまいったわけでございます。
 どのような経営上の合理化が行なわれたかということを、次に掲げております。
 まず、第一は、路面電車の計画的撤去でございますが、再建当初は五百二十キロメートルの路面電車の延長がございました。それが四十六年度末では百二十八キロに相なっております。四十八年度末では、この前御説明いたしましたように四十五キロメートルに相なりまして、京都市の市電の約二分の一弱、それから、東京都の都電の一線だけが四十八年度末で残るという状況で、まずまず、ほとんどの都市につきましては、路面電車は撤去するという形に相なります。
 バスのワンマン化の推進でございますが、再建当初はワンマン化率が二八・五%でございましたが、四十六年度末では八六・二%、四十八年度末では九三・四%と、ほぼ一〇〇%に近いワンマン化率が実施できる形になっております。
 人員の縮減でございますが、再建当初は四万四千人程度おりましたのを、二万四千人というふうに、半分近くにまで減少いたすわけであります。
 それから諸手当の合理化でございます。交通職員につきまして、再建前まではかなりな種類の手当がございました。東京都では、ここに掲げておりますように四十四種類ほどございましたが、それを九種類まで整理統合いたしております。
 かような合理化を推進してまいったわけでありますが、経営状況は、御案内のように、一向に好転しておりません。別に新たな不良債務が累積してまいっております。その結果、毎年の給与改定も一年ないし二年遅延する状況にあります。四十六年度末の不良債務は、財政再建債未償還元金、すなわち、先ほど申し上げました四百二十五億円発行いたしましたものを年々返してまいっておりますが、それのまだ返していない分を除きまして、新たな不良債務が五百八十四億円に達しております。しかし、四十六年度現在では、四十五年度ないしは四十六年度の給与改定をまだ予算化していない団体が相当あるわけでございますので、それをさらにその上に積み重ねますと、五百八十四億円という数字は六百八十四億円、約七百億円の不良債務に相なるという状態でございます。
 この上に、四十七、四十八両年度の給与改定、これはいまの状況から申しますと避けられないと思うのでございまして、これをコストの増に積み重ねてまいりますと、既定の財政再建計画を四十八年度で終了するということはとても至難な状態でございます。さらに現行の財政再建計画では多額の財産売却が見込まれております。数字等についてはしるしておりますのであとでごらんいただきたいと思いますが、これを完全に消化することは実に困難でございますし、一般会計からの援助も限度に達しております。まあ、そういう意味合いで、公営交通事業は破綻の寸前にあると申しても間違いではないと思っております。
 そこで、現行の再建計画の反省でございますが、大きく分けまして、計画策定上にどんな無理があったかということと、それから計画を実行していく上においてどういうそごが生じたかということについて、分けて考えてまいりたいと思います。
 まず、第一に、計画策定上の無理といたしまして、財政再建債を四百二十五億円にたな上げしたわけでございますが、四十年度末の不良債務は四百六十五億円でございました。したがって、四十億円は地下鉄の資金残ということでたな上げの対象の外になってしまったということが一つ。しかも、再建発足時、これは横浜、名古屋は四十一年度の年度の終了する直前、それから東京、京都、大阪、神戸は四十二年度に再建債を発行しております。そういたしますと、四十一年度で、すでに、ここに掲げておりますように、不良債務が新たに百三十四億円増加しております。新たに累積された不良債務についてのたな上げは実は行なわれなかったということでございます。地下鉄の資金残ということで対象外にいたしましたのと合わせますと、百七十四億円のたな上げ不足といいますか、そういう状態で最初から出発しておった。まあ、そこに一つの問題があったわけであります。
 それから、第二は、再建計画の策定につきまして、再建期間中の給与改定と料金改定をともに見込んでおりません。これは非常に議論のあるところであろうと思いますが、基本的な考え方といたしましては、給与改定、人件費の増加が出てまいりました場合にはタイムリーに料金改定を行なうという趣旨のもとに再建計画が立てられておったというふうに理解すべきであろうと思います。しかし、現実問題といたしまして、給与改定は、毎年、低いときで七・九%、高いときで一二・六七%というふうな大幅な給与改定が行なわれました。料金改定のほうは、再建計画発足後、四十六年度までに一回しか行なわれていない。この結果、当然、給与改定財源は確保できない。給与改定が、先ほど申し上げましたように、一年ないし二年おくれてまいり、赤字が累積するという事態に相なったわけでございます。
 次に、第三点でございますが、国の財政措置も、率直に申しまして不十分であったと思います。財政再建債を、政府資金によらず、縁故資金によることにいたしました。それが第一であります。それから、第二に、再建債に利子補給を国庫からいたしましたが、それは、三分五厘超の部分について利子補給したわけであります。期間中の利子補給額は六十九億円でございます。これが不十分でありましたことと、それから、先ほど申しました給与改定が毎年大幅に行なわれる、料金の改定はそれに見合って行なわれないというふうなことが相重なりまして、一般会計からの財政措置に全部しわ寄せがまいりました。同時に財産売却にしわ寄せがまいりました。その結果、再建計画当初では一般会計からの財政措置は二百二十六億円を見込んでおりましたが、その三倍に当たる六百一億円を現在見込んでおります。それから、財産売却につきましては、当初五百五十三億円を見込んでおりましたが、その二倍に当たる千七十三億円に増額計上せざるを得ない。それで、一般会計の財政援助は、先ほども申しましたように、一般会計の財政自身が非常に苦しい状態に立ち至っておりますから、そういう意味合いで問題がございます。限度にきておるということをしばしば訴えられております。また、財産売却も、昭和四十六年度までに、約一千億円のうち半分近くは売却いたしましたが、残りの半分は四十七、八両年度で売却するということになっております。これを一体十分消化できるかどうか。また、同時に、公有地を民間に切り売りしてしまうということは、都市の将来のあり方から申しましても問題がございます。やはり交通から売るといたしましても、一般会計でこれを買い取りまして、将来の都市づくりの用地に使っていくということでなければいけないのではないか。そうなりますと、これはまた、一般会計に対する資金なり財源の措置というものを考えていかなければなりません。そういうふうなこと。それから、財産売却で一千億を売りますと、これは率直に申しまして、ほとんどまる裸になるわけでございます。企業といたしまして経営する場合に、資本を全部売ってしまって、全くの無手勝流で将来やっていくということが妥当なのかどうかという基本的な問題もあろうかと思います。
 それから、そのあとのことは、まことに申しわけないことでございますが、そういう非常に苦しい状態でございますから、率直に申しました、再建計画を改定いたします前に収入の過大見積もりをやったり、経費の過小見積もりをやらざるを得ないというような団体もあったわけでございます。
 第四に、都市交通をめぐる企業環境の悪化。これは御案内のとおりでございます。それから、料金制度の仕組み。この料金制度の仕組みと申しますのは、運賃改定をいたします場合に、審議会の議決を経て、政府、運輸省の認可を経るわけでございますが、その場合の運賃改定の算定基準は、過去の累積赤字とか不良債務を解消するような料金改定は認められません。今後の単年度の収支、すなわち標準原価などをとりまして単年度の収支をとるというところに料金の算定基準が置かれておるわけでございます。そういたしますと、再建計画の基本方針が、バス事業の収入を確保して赤字の再建に資するということであったわけでございますが、運賃改定自身がそういう昔の債務を消化する、解消するための料金改定は認められないわけでございます。その辺のところにも基本的に問題があったということでございます。
 それから、実行上のそこでございますが、第一に、企業環境の悪化。何度も申し上げておりますように、都市構造もドーナツ化現象が変わってまいりまして、それから、乗用車、マイカーがふえるというようなモータリゼーションの拡大に伴って、路面が渋滞し、企業環境は急速に悪化いたしまして、バス等の路面交通機関の表定速度の低下、定時性の喪失をもたらし、利用者からいえば信頼できない。そこで、乗客がバスから逃げていってしまうということで、予想外の収入減を来たしたわけでございます。
 それから、第二が給与改定の問題でございまして、四十二年度七・九%、四十三年度八%、四十四年度一〇・二%、四十五年度一二・六七%、四十六年度一一・七四%というふうに、大幅な給与改定が毎年行なわれました。一般会計の地方公務員につきまして給与改定が行なわれるわけでありますので、交通事業職員についても、それに見合った給与改定を余儀なくされ、これによる人件費の増加が大きな経営圧迫要因となってまいりました。
 これに対しまして、次は、先ほど申し上げたところでございますが、料金の問題でございます。地方団体の長や議会の地域住民への配慮あるいは地域住民のいろいろな要請、そういうふうなことが重なり合いまして、また、政府の公共料金抑制政策というふうなものも影響いたしまして、タイムリーにこの料金改定が行なわれない。給与改定は毎年やりましたけれども、再建期間中に、四十六年度までに行なわれた料金改定はただの一回であった、こういうことでございます。
 それから、第四番目に、経営合理化のおくれの問題でございます。バス路線の再編成や、あるいは路面電車を撤去したことに伴う代替バスの運行などについて見てみましても、相当長期間代替バスを運行してくれという地域住民の要請がどうしても強い。あるいはまた、運輸省その他の関係当局が、代替バスの運行期間を、まあ率直に申せば、かなり長い期間要請をする。それの整理を認可しないというふうなことで合理化が徹底できないという問題がございます。
 それから、給与体系の合理化、勤務体制の改善合理化、これは非常に議論のあるところであります。率直に申しまして、公営バスの場合にいたしますと、公務員の給与体系をとっておりますために、年齢が高まるにつれまして本俸がどんどん上がってまいります。ところが、民営バスの場合には、本俸につきましては、そのような年齢の上昇に伴う昇給というふうなものは見込んでおりません。そういう差がございます。反面また、初任給は民営のほうが公営よりも高いという面もあるわけでございます。そういう基本問題を含めました給与体系の合理化の問題などが必ずしも徹底していないのじゃないかというような問題がございます。
 それから、軌道撤去やバスのワンマン化に伴って人員が減ってくるわけでありますけれども、それを何らかの形で配転をしていかなければなりません。しかし、職種の関係もございまして、なかなか配転が困難であるというふうな各般の合理化のおくれの問題がございます。
 それから、さらに、第三番目の問題といたしまして、以上申し上げましたような再建計画の反省を通じて指摘される問題とも関連いたしまして、何度も申し上げることでございますが、公営交通事業についての基本的な問題というものを考えて、これを踏まえて今後の再建対策を考えていかなければならないだろうと思います。しかも、この点については、自治省あるいは公営企業というふうなワク内だけでとても処理し切れません。政府関係各省庁の協力体制をぜひ確立していく必要があると思うのでございます。
 その一が、今後の新たな再建問題というのは、単なる財政赤字の解消では片がつかないという問題でございます。都市交通の中での公営交通事業の位置づけと、その果たすべき役割りを明らかにして、それに即した事業のあり方なり経営体制等について抜本的な検討を行なうことが必要でございます。バスの事業について申しますと、民営事業もあり、また公営事業もあるわけでございます。そういうふうな錯綜した中で、公営交通事業の位置づけをどういうふうにしていくか。民営事業について申しますれば、やはり、どうしても採算を中心に考えていく。公営交通事業については、採算がとれないところも、地域住民の足の確保ということで路線の運行を要請されてまいる。一例でございますが、そういうふうな問題も含めまして、本来公営交通事業が果たすべき役割りをどういうふうに考えていくかということを基本に考えてまいらなければならない、こう思うのであります。
 それから、第二は、企業環境の思い切った改善でございます。よく言われますように、優先通行を確保いたしますとか、あるいはその前提となる道路を整備いたしますというようなことを、この際ぜひ抜本的に行なってまいらなければならぬと思うのであります。それによってバスを走りやすくし、定時性を確保して、乗客の信頼を得て乗客にバスに乗ってもらうようにする。これが一番大事なことであろうと思います。
 第三番目は、国なり一般会計の財政措置の拡大につきまして、根本的な見直しを行なうことが必要であろうかと思います。やはり、交通事業でありますから、原価主義というものを基本に持たなければなりませんけれども、しかし、基本的な原価主義のたてまえを踏まえながら、公共負担というものをどの程度まで導入していくかということがこの際真剣に検討されなければならない問題である。
 それから、最後に、料金、路線の免許というふうな許認可制度につきまして、端的に申しまして、重箱のすみをつつくようなところまで政府の許認可を求めなければ事業の運営ができないというふうな仕組みになっておるわけであります。さらにまた、都市交通全般につきましての地方公共団体の権限なり責任というものが、率直に申しまして明確ではございません。権限に至りましては、ほとんど地方公共団体には与えられていない。停留所一つ位置を変えるというふうなことについてまでも運輸省の認可を求めなければならないというふうな状態でございます。これでは、率直に申しまして、都市交通に関する責任を地方公共団体が果たすというふうな体制にはなっていないと思うのでございます。そういうふうな問題につきまして、ひとつ総合的に検討を加える必要があるのではないか。
 以上、現在の財政再建計画の経過なり、それに対する反省を申し上げたわけであります。
 続きまして、四大都市交通の料金改定状況を申し上げたいと思います。
 まん中の欄の申請料金というところをごらんいただきたいと思いますが、横浜、名古屋、京都、神戸は、それぞれ、横浜市は四十七年三月七日、名古屋市は四十七年四月十七日、京都市は同年三月二十一日、神戸市は同年五月十日に申請をいたしました。申請料金は、それぞれ七月一日から実施をすることといたしまして、料金の内容は、横浜市は、従来が、バスについて申しますと、三十円の初乗り料金でございましたのを五十円にいたしたいということであります。ただ、四十七年の七月から十二月まで、すなわち四十七年中は、暫定料金といたしまして均一四十円にするということでございます。それから、名古屋市は、バスのほかに軌道と地下鉄の申請をいたしております。軌道、路面電車につきましては、従来二十五円でございましたのを三十円にいたしたい。これは、名古屋市は、路面電車の撤去がほとんど終了いたしますので、ここのところはそれほど料金アップを考えないということであろうと思います。それから、地下鉄につきましては、初乗り三十円でございましたのを五十円にいたしたい。なお、暫定期間は、バスと同様に年内は四十円にいたしたい。それから・京都が、バスのほかに軌道、路面電車の申請をいたしております。これは名古屋と違いまして、先ほど申し上げましたように、約半分近くのものが四十八年度以降も存置をするということになっております。そういたしますと、この原価に見合う必要な料金を算定いたしますと、やはり五十円いただかなければならない。暫定は年内四十円というふうなことで申請をいたしたわけであります。
 次のページをごらんいただきたいと思います。大阪市につきましては、内容は、バスにつきましては、従来の三十円を五十円にいたしたいということ。それから、地下鉄につきましては、名古屋と同様に、初乗り三十円を五十円にいたしたい。ここは同じでございますが、ただ、大阪市は、市議会の議決を経る前に、市独自の審議会がございまして、その審議会で慎重な検討を行ないたいということで、申請期日がずれまして、四十七年の七月十三日に申請をしてまいりました。八月十日から実施をいたしたいという申請をしてまいっておるわけでございます。そういう意味合いで、内容的にはほぼ同じでございますけれども、申請期日がずれておる。そういう点の違いがございます。
 それから、東京都でございますが、東京都は、当初都議会に、初乗り三十円をバス、地下鉄ともに四十円にいたしたい、それから、路面電車につきましては、二十円を三十円にいたしたいという提案をいたしまして、継続審議に相なっております。六月の都議会で再度審議が行なわれましたが、さらに継続審議になっており、九月都議会で審議の予定でございます。東京都の四十円で公営交通の財政再建計画は成り立つかと申しますと、私どもは、非常に疑問を持っております。
 ところで、料金改定の申請に対する政府の取り扱いの状況でございますが、内閣の改造がございましたり、そのようなこともありまして、七月一日から実施をいたしたいという申請どおりの認可が不可能に相なりまして、現段階では、八月一日から実施をいたしたい、できるようにしたいということで、現在運輸審議会で検討をいただいておるわけでございます。私どもといたしましては、各都市で公聴会なども開き、市民の意見を十分反映した上で、市議会で議決を経て持ってまいった申請でございます。ぜひ、できるだけ早く、かつ申請どおり認可してもらいたいということで強く要請してまいったわけでございます。期日につきましては、おおむね一カ月程度おくれざるを得ないだろうし、また、内容につきまして、なお若干の流動的な面があるわけでございまして、そういう点で、現時点で、私どもといたしましては、内容は、できるだけ申請に即応するような認可をお願いしたいということで、なお引き続き努力を続けておるところでございます。
 それから、最後の、「公営交通事業の経営健全化に関する検討事項に関する各種答申の意見」という資料がございますが、この公営交通事業の経営健全化に関する検討事項といいますのは、前の小委員会におきまして、一枚紙で、今後検討いたしたい事項というものを列記をいたしておりまして、その列記をいたしました事項につきまして、従来の各種の審議会なり調査会で出されております意見を抜粋して収録したものでございます。今後の御検討の御参考に、一応資料として作成したものでございまして、この際は説明は省略させていただきたいと思います。
 以上でございます。
#6
○塩川小委員長 それでは、ただいまから懇談に入ります。
     ――――◇―――――
    〔午前十一時十一分懇談に入る〕
    〔午後零時四分懇談を終わる〕
     ――――◇―――――
#7
○塩川小委員長 それでは、これにて懇談を終わります。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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