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1947/08/22 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第4号
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1947/08/22 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第4号

#1
第001回国会 商業委員会 第4号
  付託事件
○貿易組合法を廢止する法律案(内閣
 送付)
○中小商工業の再建に關する陳情(第
 百六十四號)
○生鮮食料品及び青果物に關する小委
 員選定の件
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十二日(金曜日)
   午後一時二十七分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○貿易組合法を廢止する法律案
○生鮮食料品及び青果物に關する小委
 員の選定の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(一松政二君) それではこれより委員会を開きます。商工省から貿易組合法の廢止のことにつきまして御説明があると思いますので、お聽き取りを願います。
#3
○國務大臣(水谷長三郎君) 貿易組合法を廢止する法律案を今度國會へ提出することになつたのでありますが、昨日ですか、衆議院の商業委員會には正式に出したのでございますが、參議院の方におかれましても、豫備審議をしてやろうということでございますので、簡單でございまするが、私から説明申し上げまして、その他いろいろ専門的な點につきましては、ここに貿易廳の次長がまいつておりまするから、御質問して頂けば結構かと思います。私今日衆議院の電氣委員會の方からも呼ばれておりますので、誠に失體ですが、大體二時前後までということで御勸辨を願いたいと思います。
 貿易組合法は、昭和十二年八月、法律第七十四號として、從來の輸出組合法に代りまして制定されたものでござまいするが、その立法の趣旨は、貿易業者の組合結成を促しまして、輸出輸入兩部門の亙りまして組織化を實現し、協同組合的機能よりもむしろ貿易統制の機能を整備強化しようとしたものでございます。終戰後社會機構一般の民主化は、經濟機構の民主化を當然要請いたしまして、公正且つ自由な競爭を促進し、國民經濟の民主的で健全な發達を目的といたしまする私的獨占禁止法の制定を見たのでございまするが、かかる状況の下におきましては、貿易組合法を舊態のままに抛つておくということは、そのアウトサイダーに對しまするところの統制權、これは第十八條でございます。統制業務のみを營む無出資組合の設立、これは二十八條でございますが、議決權の不平等、これは十六條、三十五條でございます。更に又強制設立、強制加入、これは二十二條、四十五條、四十九條でございますが、これらの規定がそをぞれ獨占禁止法の趣旨でございまする私的獨占の禁止、不平等なる取引制限、不公正なる競爭方法の排除に牴觸するものであります。又一方現下の貿易は連合軍最高司令部の厚意によりまして、漸次軌道に乘りまして、近くはバイヤーの來朝を見まして、いよいよ貿易再開の明るい希望を持つに至つたのでございますが、御案内の通りこれらの貿易は、いわゆる民間貿易再開後といえども、總司令部の管理の下の運行される管理貿易でありまして、この方式の枠内でのみ行われます、貿易業者の活動も現在におきましては貿易組合おば存置する必要はないのでありまして、貿易組合は大部分解散いたしまして、先般までありました九つの組合もそれぞれいずれも閉鎖機關に指定せられまして、目下清算の過程にあるというのが現在の状態でございます。從いまして、貿易組合廢止後は、貿易公團の運營と共に業者の創意と工夫を十分活用いたしまして、貿易振興を圖りたいと考えております。
 以上の理由によりまして今囘貿易組合法を廢止しようというのがこちらの狙いであるのでございますが、何卒衆議院から參りました上は御可決あらんことを一重に切望する次第でございます。
 以上簡單でございますが、貿易組合法廢止の理由につきまして、若干御説明申上げました。
#4
○委員長(一松政二君) 只今商工大臣から御説明のありました法案の内容につきましては、皆さんも御了解のことと思いますのでありますが、丁度大臣もお見えになつておりまするので、この貿易、又はいわゆる商工行政について皆さんのかねてお聽きになりたいと思うことが多々あろうかと思うのであります。どうか一つ腹藏のない御意見を吐露して頂いたらば如何かと存ずるのであります。
#5
○佐伯卯四郎君 お伺いしたいことは、商工協同組合法でありますが、私ども輸出に關係しておる中小工業者が向うところは、協同組合の精神を持つより仕方がないというので、その方向に進んで參りましたところ、閉鎖命令が急激に參りましたので、我々中小工業の人間がどういう線に沿つてこれから行くべきか、いずれにしろ中小工業は絶對に協同でなければ、おのおの小さいものが獨立して行くということは到底不可能なことは自明のことでありますが、然らばどういう線において我々が協同したらいいかということが明示されておりませんので、ただ潰されたものでございますから、今一體どうするのかということが非常に困つておりますので、この點につきまして政府の方でも統制の施行は政府自體でやるというお話になつておるのでありますが、自體でやるべき、今すぐ力を持つておらん、貿易再開が目の前にあるにも拘わらず、今低迷したる状態にありますことは、甚だ貿易振興の上から見ましても、實はまずいと思いますので、その邊のところをはつきりして頂きまして、今後中小工業の向うべき協同組合、承りまするとそこで或いは會社はいかん、或いは五十人じやいかんというようなお話も耳にしておりますが、そういうことがございますならば、そういうことがございますように、それから除かれた人間も、一つの組合が作られまして、そうして謂わばいい意味における私的獨占に引つかからんようにして協同動作というものがどこまでできるのか、どういうことがいいのか、どこがいけないのか、その見當が一向わからない状態におかれておりまして、首だけ締めて放つておいて、死んでしまえというのではなく、又生きて政府の方で何とか援助、補助機關がなければいけないということは、私はその點ではいい政治じやないと思う。恐らくアメリカの商賣人がそういうような行くべき途を見つけないで、ただ締めてしまうというようなことはないように思います。彼等實際家はそういうような考えを持たないように私は實は考えるのでありますが、その間御當局におかれましてもいろいろ苦心をなさつておるでありましようが、一刻も早く協同して行くべき途を御明示願いたい、それについての御話を伺いたいと思います。
#6
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今佐伯氏から御指摘の點は極めて尤もなことでございまして、我々といたしましても中小企業の協同組合化ということはかねがね考えておりましたことでございまして、我が國經濟の民主化の上から申しましても、この中小企業というものの在り方が非常に重大であることは言うまでもないのでございます。従つて七月の上旬の一般質問の時にも大體お答えしたと思つておるのでありますが、この中小企業振興に關して成案を得るならば、今度の議會に出したいということで目下著々準備いたしまして、閣議におきましても大體或程度固まつたような次第でございますが、一口に申しますと、これまでの協同組合というものは、協同組合本來の使命よりも、何らか一種の統制機關というようなものでございまして、而もその範圍は全國土に跨がり、又組合員の資格というものも、協同組合として加入していいのかどうかというような點もありましたのですが、大體我々の狙つておりますところは、地域的には、できるならば産業地域を中心にし、まあたかだか大きくても府縣單位というようなところでありまして、更に又構成メンバーはこれは中小企業なんかは、法人と個人との區別がなかなかむずかしいので、我々の考えといたしましては、小さいところの法人というようなものは、その構成メンバーにしていいのじやないかという考えを持つてはおりますが、その點はまだ未解決というような状態になつております。大體一口に申しますならば、本當の協同組合の性格を持つたものであり、地域的には産業地域を中心にしたものでやり、そうして大體その構成メンバーは、個人が中心という工合になるのではないか、このように考えております。これは恐らく今度の議會にも提出できるのじやないかと思つております。そうしてそういう中小企業の協同組合を組織いたしまして、できるだけ資金、資材の面をば解決して行きたい、このように考えておりますので、これ以上のいろいろ具體的な點は、今ここではつきりと私がいう所まで至つておりませんが、大體の構想はそういうような構想を持つておるという工合に御了解願いたいと思います。
#7
○委員長(一松政二君) 尚皆さんに御參考のために申し上げておきますが、大臣は二時まではおられますけれども、それ以上は公務のためにここを去らなければならないということでありまするので、大臣にお伺いする點につきまして、皆さんから御質問を願いたいと思います。
#8
○油井賢太郎君 只今大臣から、貿易公團法ができたからもう貿易組合法は廢止しても宜しいというような御趣旨に承りましたが、その貿易公團法ができております今日、貿易業者關係に對しまして、日本の再建を圖るために資金、資材の面の運營というものはどうなつておるかということを現實に見ますと、むしろできる前よりも非常に窮屈になつております。貿易に對する生産意慾というものも殆ど行われてないというような状況にまで陷つておるのであります。こういう際におきまして、大臣といたしまして、貿易公團法によつて本當に我が國の貿易再開のためにあらゆる面において打開することができるかどうか。隘路を克服することができるかどうかということを、現實的にお話を願いたいと思うのであります。
#9
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今貿易公團に對して御指摘の點は主として資金の面だと思つております。これが我我が考えておるように十分の資金が今うまく行かないで、それが元となりまして今御指摘のようにいろいろの弊害が起つておると思うのでありますが、この問題は極めて短い期間において解決できるという目處を持つておりますので、その點が解決いたしまするならば、これまでのいろいろのもつれが解けるのではないかと思つておりまして、一日も早くその點をば解決するように努力しておりますので、その點何卒御了承を願いたいと思います。
#10
○油井賢太郎君 具體的に何日、或は何ケ月くらいのうちに解決できるかお聽かせ願いたいと思います。
#11
○國務大臣(水谷長三郎君) 具體的に何月何日ということは申し兼ねますが、大雜把に申しまして、この議會中には何とか目處をつける見透しがあるという工合に一つ御了承を願いたいのであります。
#12
○委員長(一松政二君) 尚私は水谷商工大臣にちよつと伺いたいと思うのでありますが、今後の我が國の經濟再建は主として貿易が殆んどすべての基本になるというのであります。殊に今後の輸出はいわゆる輸入が、先であつて、今の資材、資金、或いは工場の能力、或いは從業者の氣分その他からいきまして、如何に十五日以後各國からバイヤーが參りましても、殆んどめぼしい筋の通つたものの輸出は見込のないというのがみんなの意見であると思うのであります。今後我が國の經濟を再建する上において、貿易の確たる見透しであります。この見透しとその數量を把握せずして、如何に安定本部において、いろいろ資材の割當その他を計畫しても、この根本の貿易というものがはつきり把握できなければ、殆ど砂上の縷閣に等しいことになるのじやないか、という感がいたしまするのでありますが、その點につきまして、この間貿易廳から責任者に來て貰つて、この七月から來年の六月までの貿易計畫について説明を求めたところが、一事務官を寄越されまして、そうして何ら責任のある返答ができない。而もそれも今年の一月かにその筋に提出されたのであつて、その中の單に二三割が實現できるかどうかというような、甚だ心細い夢のような話を承つたのであります。若しそういうものを基本にして今日の我が國の計畫經濟をおやりになるのであるとすれば、計畫經濟そのものの根本が甚だ脆弱なものであり、「くらげ」のようなものでなければならんと思うのであります。その點につきまして、もう少し具體的な貿易の内容について、商工大臣の把握するところがありますれば、そいつを承りたいと思うのであります。
#13
○國務大臣(水谷長三郎君) 一松委員長の御質問に對しまする正確なる御答辯になりかねると思うのですが、大體我々の考えによりますると、日本の貿易方式は、言うまでもなく加工貿易方式を採らなくてはならないことは、御承知の通りでございまして、終戰以來一ケ年の輸出入のバランスは、御承知の通りに一億八千萬ドルの入超でございますし、それが衰えるどころかますますきつくなりまして、今年の十二月の末に行きますれば大體どのくらいになるという見透しは、一應は立つておるのでございますが、相當數の輸入超過になると思います。それではいつ時分になれば大體その輸出入のバランスが取れるかということに關しましては、目下經濟安定本部が中心になつて、いろいろのバランスを立てておりまするが、今後やはりそれには大體三ケ年程度の月日を假さなくてはならないのではないかというのが、現在の大雜把な見透しになつております。例えば石炭を一つの例に取りましても、四千五百萬トン程度出て來なければ、日本の産業といたしまして、輸出入のバランスが立たないのではないかという目處を持つております。その他いろいろの細かい數字を擧げましての各論につきましては、貿易廳の次長からでも御説明申し上げたいと思つております。
#14
○委員長(一松政二君) 只今商工大臣の御答辯で、商工大臣にこれ以上具體的な説明を求めることは、或いは無理かと存じまするので、私も具體的な問題につきましては、これを他日に留保いたしておきます。ただ私が殘念に思うことは貿易の再開という言葉を政府が頻りに使つております。而も貿易廳の注官もいらつしやるはずだと思うのでありますが、貿易はもう昨年から始まつておるのであります。單に民間のバイヤーが直接來てここで相談をなし得る、それが十五日から後になつたということを恰かも貿易の再開のごとくに國民はこれを誤解せしむるということは、私は甚だ國民を誤るものであり、他日の失望を招く所以であると私は考えるのであります。況んや直ちに五億ドルのクレジツトが旱天に慈雨を望んだがごとくに議會で總理大臣が説明されておるのでありますが、若し五億ドルのクレジツトが確實に許されておるということでありますれば、その使途について或いはそれをいかに政府は處理するか、若しクレジツトになつておるのでありますならば、それは政府がそれを自分ゐイニシヤチーブを取つて自分からその計畫に當り得るはずであると思うのであります。單に連合國の司令部の中に、唯一億三千七百萬ドルの貿易基金を連合國の中に設定した。加うるに綿布の輸出代金その他を合してこれで約二億ドルになる。それを基金にしてそうして將來日本に必要なるこれをリヴオルヴイング・クレジツトの形にして、そうして日本に原料を輸入する制度を取つたということであると私は思うのでありますけれども、それを恰かも直ちに借款ができてそうして旱天に慈雨を望んだごとくであるならば、直ちに夕立が、雨が只今降つて來なければならない。國民はそれを翹望しておるのであります。又それを非常に心強く思い祝つておるのでありますけれども、然らば私は商工大臣にこの點を伺いたいのであります。若し果して然らば今五億ドルをいかようにこれをお使いになつて、いつからどういう品物をどういうふうに政府がみずから計畫を立ててこれに當つておるのであるか、この點につて私は商工大臣にはつきりした御答辯を頂きたいのであります。
#15
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今委員長の御指摘の通り、この度のいわゆる俗に借款と言つておりますが、これは嚴密な意味のクレジツトでなくして、これは一つの貿易囘轉資金でありまして、その點に關して野放しの樂觀をすべきでないということは正に仰せの通りでございます。我々といたしましても、あのいわゆるケーンズの、つまり大借款を得ましたところのイギリスの現状にも鑑みまして、十分その點は留意いたしまして、本日の閣議におきましても、このいわゆる限られたる囘轉資金をばいかに有用に計畫的に使うかということに關しまして、一定の結論を得たのであります。それには經濟安定本部を中心にいたしまして、主として商工省、大藏省がそれに参畫いたしまして、極めて計畫的にこれ等の囘轉資金をば使うということになつたのでございまして、主として安定本部がその幹事役を勧めてやつて行くという工合に本日の閣議であらまし決まつたのであります。この閣議の決定に基きまして、更に具體的な詳細なる計畫がなされまして、仰せの趣旨の通りに、このいわゆる囘轉資金というものをば極めて有効に使いまして、この囘転資金をいたしましてできるだけ最大限に日本經濟再建に役立たせるように努力するというふうになりましたので、その点は惡しからず御了承願います。
#16
○油井賢太郎君 先程と只今の問題に關連しまして申し上げますが、大臣から今議會中に資金の面については解決をお圖りになるというお話でしたが、今議會というのは今月一ぱいでもつて終結するものと私等は存じておりますが、その範圍で解決できるものですか、又一ケ月延長ということを前提となさつておるのですか、これを一つお示し願つて置きます。
 第二番目には貿易組合法が廢止になつてその後におきましてとかく日本の商品が海外に出ますと、品質が非常に不良だということがつねづね國民に指摘される點でありますが、その品質不良を防止する案はどういうふうにいたされるものでありますか、又もう一つ價格の問題でありますが、價格の設定ということが、内地にできました品物は内地のマル公で買つて、それは貿易の方に向けるのだという建前になつておりますが、それについては新らしい措置で何か緊急に價格を設定する方式をお決めになると聞いております。併しながらいつも今までの例によりますと、價格の設定というものは非常に遲れまして、業者といたしましては恰も盲人が杖を取られたような思いをして、價格の面につきましては何ら目標がないということ、從つて立派な製品を作るとか、或いは新らしい製品を創案するというような意慾がなくなるという缺點があると思います。この點につきましてどういうふうな方法をお採りになりますか。以上三點、お答を願います。
#17
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の第一の御質問ですが、今度の議會中にということは八月中を意味するかどうかという御質問でございましたが、勿論國會の會期の問題は國會自身が自主的に御解決されるところの問題でございまして、政府としてはとやかく言うべき筋合のものではございません。併し私らの立場から言わして頂きますと、一番大事な豫算の問題がこの月末には間に合わないで、來月へ入らなければ國會に提出できないというような状態でございまして、而も豫算審議に當りましては、大體三週間なら三週間くらい要るということは、これまでの古い憲法の豫算審議の期間その他を併せ考えまして頭に描いておつたもんでありまするから、そういう點を目安といたしまして、今會期中ということを言うたのでございます。併しそう意味は決して政府自らが國會の意思をば無視しまして勝手に議會が延びるものだというふうな不謹愼な考えの下に言うておるのではございませんので、その點は十分に區別して御了承を願いたいと、このように思つております。更に第二點の問題でございますが、貿易の再開に當りまして、從來の貿易のように、或いはややともすれば從來の貿易の一部にありましたように、メード・イン・ジヤパン、安かろう惡かろうというようなことでは、折角今後文化國家といたしまして立つて行く日本といたしましては、非常に致命的な點になりますので、この點に關しましては、今後文化國家として立つて行くその面における貿易の重要性というようなことに考えまして、乏しき、限られた資材の中においても、できるだけ最大限に良心的な品物を造る。そのためには政府といたしましては檢査制度その他いろいろの點に關しまして嚴重なる檢査を行いまして、そういうような世界の顰蹙を買うような粗惡品は一品といえども外國へ輸出されないという工合に今準備をしておるような次第でございます。更に第三の、いわゆる貿易價格の問題でございますが、これは目下物價廳を中心にいたしまして種々檢討しておりまして、仰せのようにマル公にプラスを、それぞれの状況を物品に對しまして適當のプラスを加えましたところの貿易價格、輸出價格というものを我々は考えております。そういうことにすれば、或いは國内にインフレーシヨンその他の問題とどうかといういろいろと關連した問題がございますが、それらは別に對策を立ててそういうような弊害の起らないように一つ輸出價格を考究したいと、このように考えております。
#18
○深川榮左エ門君 今後の日本の貿易には中小工業が貢獻することは非常に大きいと思いまするが、この中小工業をして貢獻せしめるためには、政府としては思い切つた施設を講ずるか、或いは強力なる政策でもつて中小工業の貿易に貢獻するのを助長しなければならないというように私は感ずる者でございます。商工大臣これにつきまして具體的な御抱負がありましたならば、お聞かせをお願いしたいと思います。
#19
○國務大臣(水谷長三郎君) 今後の我が國の經濟におきまして中小企業がその中心になるということは國際經濟の上におきましても、國内經濟の上におきましても、只今の御質問者と私は全く同意見でございます。從いまして今度の議會におきまして、これは七月の初めの一般施政方針の質問のときに申しましたように中小企業振興方策というものをできるならば出したいということを言つておりましたが、只今のところまだ今度の議會に出せるかどうかというところまで至つておりません。併しながら我々の考えといたしましては、この中小企業の一番大きな問題である資金の面に關しましては、これは中小企業專門のいわゆる金融機關が必要じやないかということを考えまして、いろいろ安本或いは大藏省に折衝したのでございますが、最近の閣議の決定ではそういう場合にはつきりと中小企業專門の金融機關というものは形式の上においてはできないのでございますが、運用の面におきましては復金を中心といたしまして市中銀行その他の協力によりまして、大體中小企業に對する金融に關しましては、從來と格段違つた改善の途をば圖ろうという工合になつたのでございます。併しながら商工省といたしましては、これはかねがね主張しておりましたように、中小企業專門の金融機關が必要である。これは現在の大藏大臣も興業銀行におられたときにはそういうような意見を持つておられたのでありまして、その點は今後極力折衝いたしまして、この中小企業の培養の一番大きな點であるところの金融面をば何とか解決したいと、このように考えております。
#20
○中平常太郎君 大臣も時間がありませんので長い御質問はできませんが、從來の枠に入つております貿易關係から申しますと、どうも資材面、つまり製造するものの側から申しますと、最も必要な資材が早く入らない、それで火がついたような注文があつたところでその品物を拵える間がない、それは前から貰つておくわけにも行かずさればといつて俄かに造るとよいものができない。あと口が惡いことになつて困る。でありますから、今後は聊かその點は貿易商においても又政府におきましても積極性を持たれることと存じますが、私はこれを十分考えておられると思いますが、資材面におきましては前渡し、要するに注文を貰つていない部分に對して十分に工場の基礎、信用等に對して、十分なる調査ができておるものなればどしどし資材を廻してやつておく必要があると思うのでありますが、先程金融面におきましては御説明がありましたが、資材面については御説明がないのであります。金融面も大事だけれども資材面も大事だと思います。貿易關係におきましては殊に早くその工場へ廻してやるということが極めて必要なのでありますが、而もその資材なるものが、第二次製品見たいなものであつては決して良い品物はできない。本當の純良なものはどんどん始めなければならんという意味の下に特製でもさして、特別な方法を以て製作さした資材をどの方面に向つても、ゴムであれ、鐵であれ、何であれ、かんであれ、とにかく必要なものは悉く特別な檢査を受けた立派なものを工場に早く廻して、それが注文があろうがなかろうが注文があるものとみなして本腰を入れて適當な數量を消化させるように、安心して工場が製作ができるようにしてやらなければならんということでないと、注文があつた場合に速やかに應ずることは絶對できないと思います。この點は資材面は大臣はどうお考えになりますか。伺いたいと思います。
#21
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の御質問も御尤もでございまして、私は前に中小企業の問題としては資金と資材ということを言いましたが、今の前の御質問者に對しまして一例として資金の面に關しましてはこういうことを考えておるといつたのでありまして、その中小企業は資金と資材が同じ程度において必要であるということは否定したのではございません。大體この中小企業の資材の問題でございますが、我々は中小企業なるが故に資金、資材をば重點的に考えるということでなしに、中小企業の中におきまして、輸出産業に關聯のあるものを特別的に重點的に採り上げて資金資材というものを解決したいと思うのでございますが、大體資材の面にたいしましては、競爭的申告制度と申しまするか、自分らの工場はこれこれの資材がある、しかしこれは足りない、だから僅かばかりの資材を持つてくればこれだけのものができるというようなことを、競爭的申告制度を考えまして、乏しい資材のうちから迅速に、そうして極めて有效にやつてゆきたい、こういう考えをもつております。だから理想といたしましては資材と資金にたいして一種の中小企業專門の公團というようなものでも作りまして、それが中心になつて競爭的申告制度と結び合いして、賄つてゆけば、非常に迅速に且つ的確にゆくんじやないかと考えますが、これらの點に關して繰り返して申しまするように、成案がつき次第何とか一つ皆さんの御審議を仰ぎたい、このように考えておる次第でございます。
#22
○佐伯卯四郎君 大變貿易振興策その他で、政府におかれても非常にできそうなお話と承るんですがね。實際やる人間は本當に物を造らなければならんときに、その言われておることとやることと非常な開きがございます。これは今までの日本の事情で止むを得ないと思いますが、そういう場合にもつていつても解決して貰うものがないのです。そういう所は大臣自らお暇がある限りにおいて、問題によりけり、法文上本當に定まつたことでなくても、イエス・オア・ノーをやつて頂きまして、振興を圖つて頂く、いわゆるクレーム承り所という所がありませんと、言つておることはうまいことを言つておるけれども、實際上廻らないということが、そんなことが政府の行きかたかというふうに、えて考え易いのでありまして、そういう場合に大臣に快く聽いて頂くような、大臣でなくとも宜しうございますけれども、お傳え願つて採決して頂きたいということを、實際人は皆考えておるようでありますが、その點を御努力願いたい。希望を申し上げたい。
#23
○國務大臣(水谷長三郎君) 大體これで御退席をお許し願いたいと思うのですが、只今佐伯さんの御意見は、極めて御尤でございまして、今日の閣議で行政機構の窓口刷新の決定をいたしました。そうしていろいろの官廳事務に對する批判とか、その他の承り所を作りまして、而も窓口には極めて有能なる役人であつて、極めて地位の高い者を却つて窓口に据えて、事務の敏活を期したいと考えております。いずれ明日の新聞には恐らく窓口改善の政府の考えておる全貌が發表されると思いますので、而も我々はそれを發表したら、それで今仰しやつたようなことが、全部解決できるというような甘い考えは持つておりません。それに基きまして扨て實行面に移して、いろいろ足りない點は適切なお叱りを思いまして、タイムリーに事務は運んで行きたいと思います。大臣みずからがそういうようなことをやれということでございますが、私も時間の許す限りやつて行きたいと思います。どうかこの政府が發表いたしました窓口改善の組織をば、あなたがたのお力によつて大體實を與えて頂きたいと考えております。
#24
○委員長(一松政二君) 商工大臣甚だ相濟まないが、三十秒か一分……。私は貿易に關しては、貿易業者を社會では正當に買つておるだろうと思う。貿易業者という商賣人の存在を、社會は正當に買つておるだろうと思うのでありますが、近頃の風潮なり、特に一部の方の政黨筋では、商賣人を恰も闇をする者である。闇商人と商賣人との區別もなし、或いは商賣人は中間の要らん存在で、中間搾取者であるがごとき思想が非常にはびこつておるのであります。これにつきまして苟くもその衝に當つておられる主管大臣であられるところの商工大臣は、商業というものを、商業の有用性、これを官廳の公團とか或いは何々の役所ができてもあきたらないのはそこにあるのであります。商賣人は夜の夜中でもどこえでも行つて親切に探してくれるのでありますが、役所になりますと四時になれば退けるのであります。朝は九時か十時頃にならなければ出て來ない。それが今日になろうと明日になろうと明後日になろうと、なんら痛痒を感じない。商人になると相手方の苦しみがぴんぴん頭に響くのであります。そういう商賣人の宜いところを全然無視されて、商賣人が手數料を取れば、これは中間の搾取者のごとき考えを持つておる人が私は非常に近頃特に多いように考えるのでありまして、苟くも商工行政に當られる商工大臣は、この商業というものを、商業の産業に對する有用性というものを十分認識されまして、そうして正當なる商業の一日も早く樹立されることに御盡力を願いたいと思うのであります。甚だお急ぎのところをお止めして相濟みませんが、それだけのことを特に御注意申し上げて置きたいと思います。
#25
○國務大臣(水谷長三郎君) その點でございますが、これもいつか七月の初めに、或いは參議院の質問のときに、これは恐らく一松さんの質問じやなかつたと思いますが、私はざつくばらんに答えたのであります。中小企業というものは、工業方面の對策は曲りなりにも立ちますけれども、商業の方は實際扱うところの品物が絶對的に少いときに、なかなか中小企業の振興といつては立たないのでありまして、逆に私は商賣人諸君に、買繰りに行きましても、あなたの方に名案があれば教えて頂きたいというような工合に下手に出ておるのであります。併しそんなことをいつてなかなか立たないからといつても、手放しに放つて置くわけに行ませんので、あの流通秩序の確立の要綱におきましても、流通方面における場合、公團組織或いは切符制というようなものを採つた場合においても、その末端機構組織と言いますか、第一次、あの場合におきましてはできるだけ商賣に從事しておつた人をお使いしてお働きを願うという方針を立てておるのでありまして、一松さんのごとき有能な方は、できるだけこの中小商業というものを單にお叱りだけでなしに、それじやこういう案があるから一つ商工省でやつたらどうかというような工合にお教え願いますれば、私共も十分良いところは參照いたしましてやりたいと思いますが、ざつくばらんに中小工業の對策と違つて、中小商業の對策ということは非常にむずかしいのですから、その點は今後一つ皆さん方の御協力によりまして、できるだけなんとかやつて行きたいと、このように考えております。
#26
○中平常太郎君 只今の問題ですが、私は社會黨であつて、ややもすると實際これは内輪のことだけれども、商工業に關しては水谷大臣以外にこの商業委員會としては縋るところはないんだが、ややもすると一般の空氣が、社會黨は商賣の方を閑却していかんというような難を聞くのでありますが、何も社會黨が商賣を閑却することは決してないのであります。そこは水谷商工大臣がしつかりと踏止まつて三面六臂の力を振つて商業者の立場、殊に物の偏在を直すということは商業者でなければならんのですから、今日のように物の少いときに偏在を直すという役目は商賣人が持つておられるのですから、一つその點をよく考えられて、遺憾のないようにやつて貰わないと、商賣の方がとかくなにか閑却されておるように委員長も言つておるが、そういう氣味合が他の方々にもあろうと思いますが、どうぞそういうところを一つしつかり考えて、この商業というものが、貿易は即ち商業でありますから、工業があつても商業がなければならんのでありますから、特に中小商工業者はなかなか現在のところ獨禁法の關係がありまして小さいものばかりになるのでありますから、その力は水谷商工大臣にあるのでありますから、これが育成について特に力を注いで頂きたいと思います。
#27
○委員長(一松政二君) 尚今商工大臣が私に逆襲されましたから、私は一言ここで申し上げて置きたいことは、安定本部で重要な物資については公定價格制度を維持するが、比較的有用ならざる部門については、早く外すということを言明されておりますが、三ヶ月になつてもまだ一つも外しておらない。これは甚だ怪しからん。商賣人はそういう外された部分があれば、その方面から必ず商賣人は著目して、これを改善して行つて、今日のごときただ統制を強化するだけで、作ることをしないから伸びることがない。商賣人は恐らく伸びる方面に活用して來ると思いますから、商賣人の活動の範圍を廣くするということは、公定價格制度の範圍を成るべく縮めるということになる。その點につきまして特に商工大臣の御盡力を私は要望するわけであります。
#28
○國務大臣(水谷長三郎君) それはお説御尤もですが、この價格の問題は私等の方も非常に商工省の立場から、餘り遲いために弱つておるので、基礎物資に對しては價格ができておる。例えば石炭においては、原則はできたが各論はなかなかできない。況んや價格を外すということはなかなかいかんのであります。これは一松さんも御存じのように安本だけで、或いは商工省だけでできないいろいろの事情もありますので、多少遲れておると思いますが、これはできるだけ督促いたしまして、早く不必要なマル公は、不必要な品物に對しては外すという方針は變つておりませんので、一つ御了承を願いたい。いろいろ御意見もありましたが、日本政府に商工省があり、商工大臣があり、國會に商業委員會のあり限りは、商業というものは決して無視されるものでないということを一つ御了承を願います。
#29
○委員長(一松政二君) どうも長く有難うございました。
 それではちよつと中間でありまするが、御了承を願いたいことは本月の四日の本委員會で決定し、議長の承認を得ました實地調査をいたしましたのでありまするが、生鮮食糧品及び青果物に關する調査のための小委員會を設けるということなつておりましたのでありまするが、それは取り急ぎましたので、委員長におきまして中平常太郎君、黒川武雄君、油井賢太郎君、佐伯卯四郎君、廣瀬與兵衞君を選定し、それに私が加わることにいたしたのでありまするから、その小委員會の件はこれを以て一つ事後承諾でありますが、御了承を願いたいと存じます。
 それからこの貿易の問題につきましては、今までは商工大臣がおられたのでありますが、皆さんの御意見のあるところをどうぞいかようにでも質疑をして頂きたいと思います。貿易廳の次長が見えておりますので、この前皆さんは、先程私が大臣にちよつと一口申し上げましたけれども、貿易の計畫が、あんな計畫では甚だ頼りない。見込數字にしてもひど過ぎる見込數字であると思つたのでありますが、そういう點につきまして、皆さんに資料だけは差上げてあつたはずと思いますが、この際に御意見のあるところをお述べになつて頂きたいと存じます。
 それでは私が一番先きに申し上げますが、貿易公團についてもう既に非常に非難があるのであります。貿易廳はこの貿易公團の動き方はこれでいいと思つておるのか、どういうふうに改善したらいいという、なにか考えがありますか。
#30
○政府委員(新井茂君) 貿易公團は七月一日から實務を開始いたしましたが、いろいろ資金の點とか、人事の機構の點とか、整備をしない點がございまして、正直に申し上げて只今までのところすでに活動しておるというところまでに至りませんが、こういう問題も段々動きつつありますので、次第に本格的な機構を動かして參りたいと思います。只今非難というお話でございましたが、その點私共は具體的のことをよくお伺いしていない。貿易公團の取引と申しますか、實務の相手方になつておりまする業者の問題でありますが、これは從來は御承知の通り代行機關というものがございまして、その代行機關の相手方になる業者の方は非常に制限をいたしておるのでありまして、貿易公團發足後におきましても、業者の範圍は取り敢ずは從來の範圍を踏襲をいたしておりましたが、最近各業種ともこの相手方となるべき業者の範圍を相當擴げて參りまして、更に最近基本的の方針を定めまして、本當に資力ある信用のある業者であれば、誰でも取引の相手となることができるというふうなことで近く決定を見るはずであります。
#31
○委員長(一松政二君) 貿易公團の役員なり係員が殆ど權根がないのじやないのですか。一々主務官廳に聽かなければ、なんにも、いわゆる決定的意見を述べられないというようなことはないのでしようか。
#32
○政府委員(新井茂君) その點は形式的に申せばお話の通りです。今の貿易は對内的には貿易廳が全部の權限を持つておる、外に對しては司令部が全部の權限を持つておるという建前でありますが、併し實質上は貿易廳といたしましてもそう陣容が非常に整備されておるわけでもありませんので、できる限り公團の實質上のものを仕事をお願いをして、そうして圓滑になつて行きたいという心組みで行くつもりなんでありますが、具體的になにかございましたらどうぞ御指摘願いまして、できるだけ改善いたしたいと思います。
#33
○委員長(一松政二君) 實はこの間衆議院で話しておつたのでありますけれども、結局公團でもなんにもできない、貿易廳に行かなければなんにも分らないというので、結局そこに二重の機關になる危險がないのですか。
#34
○政府委員(新井茂君) 私共としてはそういうことはないと思つておりますのですが。どういう問題ですか、そこを一つもう少し具體的にお教えを願いましたらいいかと思いますが。
#35
○油井賢太郎君 議事進行を諮られたらどうですか。議事の進行上貿易組合法を廢止する法律案というのが議案になつておりますが、議事の進行を諮られたいと思います。
#36
○委員長(一松政二君) これは戰時中にあつたので今は殆ど實質上役をしていないので、これを廢止するというのでありまするから、この點につきまして、これは廢止してはいけないとか、或いはなにかどういうふうに變えろという御意見がありますれば……。
#37
○油井賢太郎君 その意味において議事の進行をお諮り願いたい。
#38
○委員長(一松政二君) これは豫備審査でありますから、まだ法案になつていないのでありますから衆議院から送達を受けていません。衆議院が昨日始めてやつたものです。
#39
○中平常太郎君 次長にお伺いしたいのですが、貿易公團は……。近頃公團という名前のものが澤山できて參りまして、なにもかも官僚統制になるように國民は誤解するのでありますが、この貿易公團につきましても、極めて勢よく發足せねばならんものが全國におきまして、中小商工業者の中でこういうものをアメリカへ出したい、こういうものを印度へ出したいと思つておりましても、貿易公團というものでなにかお役所が二重の枠を作つたような考えで、つい自からの産業に對して勇氣を缺いて、十分ないわゆる理解がないために國民の貿易意慾というものが減殺をされはしないかと思うのでありますが、貿易公團の趣旨竝びにその方法は新聞には出ておりますけれどもが、もつと他の方法を以て各地域、いわゆる都道府縣におきまして、それぞれの産業者を縣廳にでも寄せて、そうして貿易公團の側からか、商工省の側からか、貿易廳の側からか、十分に實際問題を捕えて業者の意見を聽いて頂かなければならんと思うのでありますが、そういうようなことはまだお始めにならんのですか。
#40
○政府委員(新井茂君) 貿易公團ができました時に、各地でそういうふうな會合を開いたわけでありまするが、恐らくその時はまだ公團の發足後間もななかつたために、或いはお集まりになる業者も少かつたかも知れませんし、更に公團の業務の運營のやり方等についてもまだはつきりしたことを申し上げるまでに至らなかつた點もあるかとも存じまするが、御注意大變有難うございますので、そういう機會をできるだけ作りたいと思います。
#41
○中平常太郎君 八月十五日を期して總理大臣から議會であの通り感謝の報告もあつたのでありますから、國民も開き直つてこの問題を考えておるのであろうとは思いますけれども、貿易廳からいたしましたら、こういう場合には、公團なり貿易廳なりからは本當に開き直つて府縣廳へ言つて貰いたいと思う。それで前のように低調な而も五里霧中のどうしてよいか分から時分に又言われた人も五里霧中で言つておられ、聞く者も五里霧中であり、敗戰の直後であり、恐らく沈衰極まりないところに貿易思想ができるわけもない。だからして今日五億のクレジツトの問題で多少とも貿易に關係を持つておる人は皆何かの方法でやつて見たいというような意慾ができつつありますから、これを一つ利用し育成して品物をどんどん一ヶ所に集めるなり、或いはこれを斡旋をしてやるなり、一つ貿易廳はお役所と言うても番頭の積りでやつて貰いたい。それでやはり今委員長がおつしやつたように、實際四時になつたら歸るというような考えでなく、業者のよい所は晝夜を分たず生命をかけて事に熱中して行く。そこに初めて熱も出れば、そこに效果が現われて來る。平熱では効果が一つも現われない。だから貿易廳ができて五億のクレヂツトができたといつたところで他動ではいけない。みずからが能動的に本當にみずからが儲ける積りで商工業者を指導して貰わないと、ただお役所のようなつもりで、言つて來たことだけは聽いてやる。それはまだ分らんけれども、調ベて置くというような考えで受動的ではいけない。これは本當の場合には、能動的にどこまでもやつて貰わなければいかんのですが、實際各府縣廳廻つてもう一邊開き直つて、當業者と一つぶつかつてそれぞれ見本を提出さしたりして、あらゆる方面において斡旋の勞をとるというようなふうに力強く商賣人らしく貿易廳はやつて貰いたいと思います。その點を御注文申し上げて置きます。
#42
○深川榮左エ門君 私も只今の御質問と同じようなことになるのでありますが、最近中小工業のことにつきまして、大臣に御意見を承りましたのですが、この中小工業者というものは、只今現實に貿易したいという意慾に燃えておるものであります。殊に今後の貿易には非常に貢獻するところが大きいものである。併しそれに對して具體的な力強いいわゆる貿易の振興策を講じなければお座なりに終つてしまつて、やはりその使命を完うすることはできない。この際政府としては思い切つたことをやらなければならんというように考えるのでございますが、今地方の各縣に或いは工業試驗所とか、或いはその他の協同組合とかいうものがありまするが、それをどういつたふうに商工省の方では一つ纏めて行くか、そうそてこの貿易のことに貢獻せしめるために、それを指導なり育成なりをして行こうと思われる點がございましたら、その點を一つお聞かせ願いたいと思います。
#43
○政府委員(新井茂君) 中小工業の振興の問題につきましては先程商工大臣よりお答え申したのでありますが、貿易廳といたしては、實は貿易の部面だけしかやつておりませんのであります。只今の各府縣の試驗所、指導所等の點につきましては、貿易の觀點から見ましても、日本の輸出品の品質向上ということは非常に急を要する問題でありますので、そういう機關はできるだけ商工省といたしましても活用して、そうして業者の品質改善の指導なり、斡旋なりをするようにやつた方が宜かろう、かように考えております。
#44
○油井賢太郎君 先程來からお伺いしております點ですが、價格の問題についてもう一點次長さんによくお伺いしたい。先程の大臣のお話では、できた製品がマル公に或程度の加算額を認めるというようなお話ですが、實際業者といたしましては、貿易品に對しては心血を注いでこれを作るという意慾を持つておると思います。而も今までの例で申しますと、貿易業者はその品物を見て、この品物を扱つたら本當に海外において喜ばれる、或いは自分が利益になる、本當に命がけの仕事として取扱つておるのですが、先程の單なる加算額を認めるなどという程度であつて、果して業者はそれに滿足して心血を注いだ立派な製品ができるかどうかということは、私は疑わしいと思うのであります。それについてはやはり責任がある貿易業者を活用して、マル公というような基準を無視して、本當に海外との取引の妥當なる價格を以てバイヤーとの間に直接交渉させるように進めなくてはならんと思います。この八月十五日から來ておりバイヤーに對して、日本のいわゆる生産者が取引をしておる状態はどういうふうになつておるのか、只今の状況をお知らせ願いたいということ、先程の私の意見に對する貿易廳の御意見を承りたいと思います。
#45
○政府委員(新井茂君) 輸出品の價格の決め方の問題につきまして、從來は大體公定價格を基礎にして、それに必要な諸掛りを加えた價格でやつておりました。從いまして實際上輸出品を斡旋して價格ということは必ずしも言いがたいよあな價格で買上げをしておつたのでありますが、今度貿易代表團が來朝せられまして、いろいろな品物について取引が始まりますというと、こういう價格では到底良い品物を輸出するわけに參らんということで、このいわゆる民間貿易の再開を機會にしまして、輸出品の價格を本當に契約のできた品物にふさわしい價格を設定するという意味におきまして、近く物價廳の中に輸出品の價格審査委員會というものを作りまして、各商品の種類毎に數箇の部會を設けまして、その部會には本當に商品の知識に經驗のある方に委員になつて頂きまして、各輸出取引の決まりました商品毎に、本當に契約の目的で、商品の一々につきまして、早急に一兩日中に價格をどんどん決めて行くという、こういうふうな組織で以てやつて參りたいというので、近く最後的の決定を見ることになつております。
#46
○油井賢太郎君 只今のお話ですと、できた製品をその都度審査し、價格を決めて行くという制度を今後引續いてやつて行くわけですか。それともできた製品を基準として、これならこの値段で買うということで、それをずつと作らせるという意味ですか。もつと良い品物ができたら、その都度どんどん上げて行くという意味ですか。
#47
○政府委員(新井茂君) 一定の規格品につきましては、豫め價格を決めて置きまして、そうしてその規格品はどんどんその價格でやつて行く、それから規格に當て嵌まらないものにつきましては、商賣のできた都度、價格を決めて行く、かように存じております。
 それから御參考でございますが、更にいわゆる生産原價の外に、業者の創意工夫によりまして斬新なる意匠のものを作つたために、非常に高い値段で賣れたとかいうふうな場合におきましては、その適正な原價の上に更にそういうふうな努力に酬ゆるようなふうに價格を決めて參りたいということも、只今研究をいたしております。
#48
○中平常太郎君 次長にお伺いいたしますが、先程大臣は工場に附屬する資源に對して特別な融通を圖つて製品を作らしめるというようなお話がありましたが、それは固より何人も考えるところであつて、これは當り前のことでありますが、私が申し上げたのはそういう意味でなくして、本當は貿易業者が發注を受けて後に貿易廳へ行つて資材の割當を貰うというようなことではいけないと私は言うのであります。だから先ず相當信用のあるものに對しては豫め資材をどんどん廻してやらなければならんが、それができるか。それからその金融はもとよりしてやらなければならん、そこまで行つて生産意欲を高めねば、貿易廳の方で、できた品物がいいか惡いか、出ただけのものを見るようでは決していけないということを言うのです。これは人間が子を孕むようなもので、できた子供のことを言うのでなくて、作らせるようにしなければならんということを言うのです。その點について、金融は固よりでありますけれど、資材の面において必要なものは、業者の言うことをよく聽いて貰つて、同じ商賣人になつたような氣持でやつて貰いたいというのであります。資材面にそれくらいの御融通をつける考えがあるのですかどうですか。
#49
○政府委員(新井茂君) お話の點は、理想といたしましては、誠にそういうふうに行かなければならんのでありまするが、實は正直に申しまして、これまでの輸出品というのは、大體において規格の決まつたような品物ばかりでありまして、從つてそういうものにつきましては、或る程度お話の通りの見込生産と申しまするか、豫め注文を待たないで品物を作るというふうなことが可能でありまして、例えば綿花等につきましては、どんどんそういうふうにやつておるわけであります。ところがいわゆる雜貨につきましては、實はこれが見込生産をして置けば必ず賣れるのだというところの確信がまだ得られないような實情でございまして、從つてできたものが將來必ず輸出に向くというふうな、或いはなにかできるような實情になりましたら、お話の通りの見込生産もやるつもりでありますが、只今のところではちよつとそこまで實際問題としてでき兼ねる實情ではないかというふうに考えております。從つてお話の豫め注文のない場合においても、資材を供給して作らせるというところまでは行つておりません。
#50
○委員長(一松政二君) それではどういたしましようか。皆さん外の委員會などもあるようでありますし、尚この前の貿易計畫を承つたのでありますけれども、丁度貿易組合法の廢止という法律案が出ておりますので、殊に今度貿易基金の設定、或いは民間當業者の渡來等によつて、又多少考え直した點もあろうと思いまするから、この二十五日の午後一時、つまり月曜日の午後一時からこの委員會を繼續して貿易に關する、特にそういう貿易計畫に對して當局の御説明を求める。特に長官に出て貰つて、責任のある人に出て貰つて、當局と貿易政策について尚皆樣の意のあるところをお話願う。そういうことでいかがでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(一松政二君) それでは次の委員會は二十五日の午後一時開會ということにいたして置きます。どうぞ皆さん御承知を願いたいと思います。それでは今日のところはこれで散會いたします。
   午後二時四十三分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     一松 政二君
   理事
           林屋亀次郎君
           鎌田 逸郎君
   委員
           中平常太郎君
          大野木秀次郎君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
          深川榮左エ門君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           佐伯卯四郎君
           島津 忠彦君
           高瀬荘太郎君
           波田野林一君
           結城 安次君
           廣瀬與兵衞君
  國務大臣
   商 工 大 臣 水谷長三郎君
  政府委員
   貿易廳次長   新井  茂君
ソース: 国立国会図書館
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