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1947/09/27 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第8号
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1947/09/27 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第8号

#1
第001回国会 商業委員会 第8号
  付託事件
○貿易組合法を廃止する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○中小商工業の再建に関する陳情(第
 百六十四号)
○マッチ産業公團制の実施に関する陳
 情(第二百八十九号)
○財團法人理化学研究所に関する措置
 に関する法律案(内閣提出)
○板ガラスの配給機構及び取扱いに関
 する陳情(第三百四号)
○百貨店法を廃止する法律案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年九月二十七日(土曜日)
   午後二時九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した議案
○貿易組合法を廃止する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(一松政二君) 只今から商業委員会を開催いたします。本日は商工大臣が最初にお見えになる約束でありましたが、よんどろこなくこちらに來られる見込みが非常に薄くなりました。幸に永井貿易長官がお見えになりましたから、最初に貿易組合法を廃止する法律案、これを上程したいと思います。これは衆議院をもうすでに通過しておりまして、正式に参議院に回付された法案でありまして、今まで二回これについて予備審査をしておる次第であります。今日から改めてこれが本審査に変る次第でありまするから、どうか委員諸君におかれましてはさよう御了承の上御審査を願いたいと存じます。
#3
○油井賢太郎君 只今上程されました法案につきまして、九月一日から正式にバイヤーが参りまして、日本の商社と取引ができる状態になつたのでありますが、その取引の状態をあらまし伺いまして、この法案の種々檢討をいたしたいと思いますが、どうぞ宜しく御報告を願いたいと思います。
#4
○政府委員(永井幸太郎君) 八月十五日から民間貿易が極く制限せられた範囲で開始せられたのですけれども、契約は九月一日後でなけりやできんということになつておりましたので、九月一日より実際上店開きをしたのでございますが、御承知のように政府対政府の貿易の範囲の方が先す約八割を占めておりまして、民間の折衝に任しておりまする分量が約二割くらいなのであります。從つてそのできまする金額にも制限があるのみならず、こちらへ参つております貿易代表團の人の目的は、只今日本にある乏しいストックを買うて帰るというよりも、むしろこちらへ参りまして戰前の取引関係を回復したり、新らしい取引先を決めたりというような、今後の貿易の途を拓いて行くということに彼等の目的の主眼があるようでありますので、九月一日以後にできました契約の金高は必ずしも多くないのでありまするけれども、その金額の大小によつてこの貿易再開の價値を論ずることができんのであるということは御承知の通りであります。
 そこで只今までに司令部の承認がありまして、正式に契約ができ上つたものが大体七十三件で、約百二十五万ドるであります。過日対日理事会で百八十万ドルという発表がありましたのは、まだ手続中でありまして、司令部の承認が全部済んでいないものを含んでおります。そういうものを加えますと遥かに百八十万ドルをまだ数十万ドル越すだろうと思いますが、いろいろな原料、資材の檢討等に暇取りまして、今までに司令部の承認があつて正式に契約ができ上つたものが今申す七十三件、百二十五万ドルであります。金額にして敢えて誇るに足らんようでありますけれども、今申しましたような事情を御了察願いたいと思います。
 賣買契約の成立しました代表的な製品は、農水産、藥種関係等でありまして、筍の鑵詰、蟹鑵詰、百合根、毛波、仁丹、わかもと、雜貨関係では陶磁器、セルロイド製品、チョップスチックス、イースター用の裝飾品、それから模造眞珠、繊維関係では羽二重、綾織物、クレープ、ジョーゼット、レーヨン、富士絹等であります。御承知の通り綿布、綿製品、そういつたものは大体政府対政府の貿易に残してありますので、こういつた繊維関係では全体の商賣の極く小部分であります。東洋各國のバイヤーも段々到着しておるようでありますので、漸次東亞向の商品もできると思いますけれども、ドルの資金の関係で今のところ非常に向うに品物の需要があるにも拘わらず、決済の関係で余り直ちに大きい商賣ができるということは望めませんが、漸次この方面もやつて行きたいと考えております。こういうような状態であります。
#5
○結城安次君 南方の方にドル資金がないために契約の方は困難というのは、これは一考せなくちやならんが、物交にしてやればどうなんですか、ドルに関係なしにゴムを呉れ米を呉れと。
#6
○政府委員(永井幸太郎君) 米を呉れ、ゴムを呉れ、呉れたらこつちから雜貨を出して物交をしたら一番いいのでありますが、ゴムはそういう点には到りませいでも、今までのところは大体ドルで拂つておりますが、南方と申しましても蘭印とかフイリッピンあたりは、割にドルの資金がありますのでよいのです。それから米を貰つてこつちから雜貨を出せばよいのですが、米は輸出用のものはあの近傍の英領植民地で取られてしまうので、日本に來る余裕がないのと、大体の仕組としまして、ワシントンで以て國際緊急食糧委員会の人々が、一々割当てまして、どこの米はどこへ持つて行く、滿洲の大豆さえもどこの國とどこの國がどれだけ分けるという割当をいたしますので、多少南方に日本に向けるような余裕がありましても、先ずワシントンの委員会が割当てて呉れる、買えないような状態であつて、それでもできるだけ買えますものは物交でする。例えば海南島の鉱石をとつてこちらから機関車を出すとかいつたようなドルの決済のつかん分は物交でやりたい。物交をするにしましてもこれは向うから必要な止むを得ないものしか買えないものですから……。
#7
○油井賢太郎君 只今最近の状況をお伺いしたのですが、話を聞きますと、先方から來たバイヤーが非常に不滿を以て日本の貿易に対しては感じを持つておる。又一方日本の生産者側、メーカーにおいても、今回の取引方法が非常に複雜多岐を極めて、実際品物を出しても書類が山ほど要る。又金の入るのが非常に遅れてとてもこんな風では困るという不平も度々聞いておるのであります。実際状況について長官から御説明を煩わしたいと思います。
#8
○政府委員(永井幸太郎君) 只今のお話のありましたバイヤーの中に不平を言うておる者もあります。併しそれらの人の苦情を大体考えてみますと、アメリカ人が多いようですが、非常に自由奔放な取引のできるアメリカから日本に來まして、統制経済のことを余り……多少向うにもO・P・Aというようなものがありまして、手続の要るようなものがありますが、大体自由なんです。それが日本に來て、いろいろなこの原料はどうするとか、資材の配給はどうする、随分統制経済には止むを得ない手続がありますのです。それらはああいつたような自由奔放にやつておつた人たちから見ると、誠にしちめんどくさいもののように思うのでしよう。そういうこともありますし、それから一つは日本に行つたら非常に安い物が買えると思つたのが、案外そうでなかつたというような感じを持つておる人があります。併し少し考えた理解のある人は、大体これはこれだけ長い間戰爭しておつて、こういうむづかしい統制経済をやつておるのだから止むを得ないだろうというような理解を持つてくれる人が相当多いように思います。中には今申しますように非常に不平を抱いておるのもあります。品物の値段をつけることにしましても余り安いという評判を取りましても今後非常にやりにくい点がありまして、至る所で日本の商品のダンピングだとか、或いは日本商品に対する関税を上げなければいかんという声が、安いという評判を取ると起ると思います。ここらが大変むづかしいかと思います。そういうようなこともありまするし、又限られたるストックよりありませんので、今のところ生産力も又少ないので、後へ後へと買手が参りますので、初めに來た買手を喜ばすために一遍に賣つてもちよつと困るというようなことで、ここから先は賣らんというようなことを言つたのを非常に不平にしております。そういうこともありまして、こちらの不行届きの点もありますが、まあそういうことがどうも不平の種のようであります。それから手紙が非常に煩雜で、契約書でも随分書かなければならんというようなことがありますので、できるだけ簡素にしなければならん。初め十六通要る。GHQと貿易廳に残したり、公團に出したり、爲替を取る銀行へやつたりしますと十六通ぐらい要るようになる。それを極力縮めて十通に縮めることにしました。それでも十通というと馬鹿な話じやないかということになりますが、GHQで繊維部門と海外貿易の部門と又爲替とかいうようなことをやつておる部門ということになつて來ると四通くれというようなことは止むを得ないのです。貿易廳にも会計をやる人と商賣をやる人のも要るし、貿易公團にもやつて置かなければならんというようなことを考えて見ますと、非常に複雜になりまして、こういう状態の場合に止むを得んことかと思いますが、できるだけ簡素にいたしましてやりたいと思います。
#9
○委員長(一松政二君) 私がちよつと伺いたいのですが、今の百二十五万ドルというのは、その大部分は合衆國向けでありますか。
#10
○政府委員(永井幸太郎君) 大部分は合衆國向けであります。
#11
○委員長(一松政二君) それの爲替は大体どのくらいの見当についておりますか、御発表願えますか。
#12
○政府委員(永井幸太郎君) それはちよつと一々見ておりませんが、先す百五十から三百ぐらいの間を上下しておるとお考え下さつたら結構と思います。
#13
○委員長(一松政二君) でその百五十円乃至三百円前後の爲替で決められた日本の円價格が今の内地にあける公定價格とどういう程度の差額になつておりますか、その点を御説明願いたいと思います。
#14
○政府委員(永井幸太郎君) 大体輸出に対してはこの物價廳の指示せられたる公定價格よりは買い上げんことになつておりますので……。
#15
○委員長(一松政二君) 何か一割高、二割高で特別な値段を出すような話であつたのですが、それはどうなつたのですか。
#16
○政府委員(永井幸太郎君) それは輸出價格審議会で包装を特に念入りにしなければならんといつたようなことで、一割とかそこらを加えることを承認してやつておるわけです。
#17
○委員長(一松政二君) そうすると今の大体内地物價を基準とした輸出商品を拵える場合には、爲替は大体そういつた程度と見て差支えないわけですね。
#18
○政府委員(永井幸太郎君) 今のB表にあるものは、そういう民間取引に委されておるものは、大体そういうものでありますけれども、この物價廳の新物價体系を決めますから、それがもう少し多少の変更を必要とするものであろうと思います。
#19
○委員長(一松政二君) アメリカでは今年は非常に物價高になつておるし、殊に穀類の如きは百年來の高値だというようなことも出ておるのでありますが、その高値が影響して、つまり石炭坑夫の非常な賃金増額から鉄鋼に響き、すべての製品に大体響いて、アメリカ自身でも問題になつておるように考えるのでありまするが、それよりも日本の物價のいわゆるインフレの進行速度は無論比較にならんほど高くなつて行くのでありまするから、今の程度の日本の生産力及び経済状態では結局百五十円や或いは二百円、三百円ではまだ輸出がそう簡單にはいかない。向うでもまだ日本の物價が高いというコンプレーイントがあるということであると、日本のいわゆる円の地位というものは大体に想像がつくように思うのですが、それと今度は今の政府貿易との爲替の決め方との差額について何か別に考を持つておるか、或いはそれをどういうふうに一体今後考えるかということについて、何か御意見ありますか。
#20
○政府委員(永井幸太郎君) 政府貿易の決定を見ますものは、どちらかといえば、爲替がこういう雜貨類よりも有利なものであります。政府におきましては、そういうものと、こういう雜貨類に対するやや不利なる爲替等をプールすることになつております。やはりこの方式で有利な爲替を持つものと、余り有利でない爲替を持つものと或る程度まで並立して混合して行くについて、つまり日本の得意な品物の輸出が多少そうでないものの輸出を促進するように手傳うておるというような方式を続けることが必要かと思うのであります。併しながらどこまでもドルに対する円が不利な爲替を忍んで五百でも六百でもやつて行こうということは、國民経済の全体の利益を考えましてやつて行かなければならんことと考えまして、どこか四百だとか一つの天井のレートを拵えて、これ以上不利な輸出品はもう輸出を断念する。そうして人力なり生産力なり燃料動力を外のもつと有利なものに廻すというような方向に向けるべきものかと思いますが、やはり只今やつております形式を続けて行く、多少爲替の不利なものも続けて行くということの今の形式を続けて行つて、ただ甚だしく不利な点だけをどこかでちよん切るというような方式で進むべきものかと考えております。
#21
○委員長(一松政二君) 尚今政府貿易で爲替の決済は五十円になつておるままのように記憶しておるのでおりまするが政府貿易がおよそ見合いがつくということで、つまり輸出入がとんとんになる程度ならばアメリカも損をしないけれども今までのように一ケ年約一億ドル乃至一億五千万ドルも日本の方に多く持つて來なければならんということになると、結局アメリカ側の損失になるわけで、その問題は長く放置しては置けない状態になるじやないかと思いますが、その点如何でしようか。
#22
○政府委員(永井幸太郎君) 只今お話の点に対しては、輸出入のバランスは一ドル五十円という計算は一つもしておりません。ドルはドル、円は円、おのがじしに任せておりますから、その連結を取つておりません。それから仰しやる通り一億ドル、一億五千万ドル毎年借款が今殖えておるわけでありますが、いつの日か自立のできるようにならなければなりませんが、ここ数年のところ我が國の経済再建ができましたらそういうことは訂正できると思います。アメリカとしましても、日本のみならず大体毎月十億ずつの輸出超過をやつておるものでありますから、日本への貸も今のところ止むを得ず貸付けておるわけでありますが、いつまでも併し続けておるというわけではないと思います。できるだけ自立できるように努力しなければならんと思います。
#23
○委員長(一松政二君) リボルブィングファンドによるいわゆる輸出向の資材の輸入についても爲替率は決定しないのでありますか。
#24
○政府委員(永井幸太郎君) これも決定しておりません。大体今のところ回轉基金で輸入しますのを決定したのは米綿だけであります。これは大体輸入した八割を日本の紡績で賃加工契約で加工させまして、やつておるのでありますから、この点においては爲替の必要がない。いわゆる内地に流しますのは日本の綿糸布の販賣の公定價格に合うようにしてやつておりますから、そこに爲替が起らんことになつております。甚だ妙なことになつております、内地に流せる分の代金については。
#25
○委員長(一松政二君) そういうことになりますね。
#26
○政府委員(永井幸太郎君) 今度は少し訂正してもらいたいと思つております。非常に安く來ることになつております、内地に流すものの原綿代は。
#27
○委員長(一松政二君) それから更に伺つて置きたいことは、直ぐリボルブィングファンドが決定されたからといつてから一ケ月以上になると思います。綿だけできて今現にどういうものが懸案中になつておるか、それを一つ伺いたい。
#28
○政府委員(永井幸太郎君) これは安定本部でも纒めまして、どういうものの輸入を懇請するかということにつきまして研究しております。今のところは米綿の六千万ドルが大体決つておるのであります。その他羊毛、ゴムとか人絹パルプといつたものもいろいろありますが、先ず十中八九決つておりますのは今のところ米綿だけであります。回轉基金でやることがはつきり決つたのは米綿の六千万ドルであります。本当の運用はやはり向うから管理委員が來てからのことだと思います。
#29
○委員長(一松政二君) そうすると一ケ年という期限はその管理委員が來て正式にそれが活動し出してから……。
#30
○政府委員(永井幸太郎君) 一ケ年というのは金を借りる期限が一ケ年でございます。あの貿易基金なる制度は年限は限つてない。平和條約ができればあれは一旦清算して、他のいろいろの取決めに移るわけであります。一ケ年というのは金を貸したら必ず一年内に回轉することに使う。
#31
○委員長(一松政二君) そうすると今の、殊に民間貿易の原材料を輸入するという方面に対してはまだ何も働いていないというわけでありますか。
#32
○政府委員(永井幸太郎君) その方面に対しては働いておりません。それは働かないでも必ず輸出できるというものについては輸入ができることになつております。回轉基金でやるのと、これまでのようにやつておりました輸出入貿易と両方やれるわけでありますから、回轉基金に必ずしもよるわけではありません。
#33
○委員長(一松政二君) 例えば自轉車の輸出の如き、鋼材にしても塗料にしても輸入した良い製品で拵えたものでなければ到底規格通りの、外國の市場において競爭し得るような優良品はできないと業者は云つておりますが、それを輸入してやるということについてはどういう配慮がめぐらされておるか、その点を伺いたい。
#34
○政府委員(永井幸太郎君) それは輸入を申請しておりますが、鋼材につきましても、御承知の通りアメリカそのものが鋼材が足りません。自動車でも製造能力の四倍も注文を持つておるけれども、資材が入らないというわけであります。ヨーロッパでも御承知の通り千二百万トンできておつたドイツの製鉄能力を約五百万トンぐらいに殖やそうといつておつたのですが、それじや足らんから千百万トンにしろということでありましたが、フランスの方では自分の方が、恐しいのでそんなに殖やさしてはいかんということで、ヨーロッパても鋼材が足りないのでありますけれども、併しせいぜい輸入の懇請はしております。必ずしも回轉基金でなくとも輸入はできますが、今のところ非常に資材の方面でも、輸入資金の方面でも早く回轉基金でやりたいと考えております。
 尚回轉基金の活用が少し遅れておるということは管理委員もまだ來ておりませんのと、一つはいろいろドルで物を買わなければなりません。ポンドでは賣らない。賣上金をポンドで貯めてドルに替えるということについてもまだ英米の問題になつております。そういうことで多少その間運轉開始が遅れておるのじやないかと思う。これは私個人の杞憂かも知れませんが、そんなこともあるじやないかと思います。
#35
○油井賢太郎君 この前ちよつと政府委員の方にお願いしておいたのですが、今アメリカからの輸入品というものは食糧品或いは棉花というものに限られておるかのように思われましたが、この都内或いは全國的に相当沢山のアメリカ映画が上映されておりますが、あの輸入金額或いは輸入数量というものは相当厖大なものに上つておると思いますが、これについて御発表願いたいと思います。
#36
○政府委員(永井幸太郎君) あれは我我の方では輸入はしておりません。或いは私の想像するところでは、巷間傳うるところによりますれば、スバルというものが向うの映画会社と契約をして、向うが勝手に持つて來て賣上金を日本に貯めて置くということを巷間に傳えられております。
#37
○油井賢太郎君 そうしますと、他の事業についても、アメリカが自分で持つて來てこつちに賣り捌くとか、いろいろな事業を起すということも今後はなし得ることになるわけですか。
#38
○政府委員(永井幸太郎君) 今のところはできません。今のところは無爲替でものを持つて來て円に替えて仕事をしたいという申込みがありますけれども、今のところはまだ司令部は許しておりません。個人同志は許しておりません。
#39
○油井賢太郎君 今の映画も一種の投資みたいになつておるわけですか。
#40
○政府委員(永井幸太郎君) なるわけですね。これはどういう手続でやつておるか知りませんが、我々の輸出入の差額には関係しておりません。
#41
○油井賢太郎君 じや分りました。
#42
○鎌田逸郎君 聞くところによれば、交易営團の手持品、あれは非常に安い價格で、今度バイヤーが來て輸出を契約したということを聞いておりますが、それは事実でありますか。主に綿織物とか、そういうものらしいですが……。
#43
○政府委員(永井幸太郎君) 交易営團でやつたのはテーブル・クロスを少し賣つたらしいのですが、何ダースじやなくて不揃いもあつたために、幾分市價より安かつたかと思いますが、先ず処分するのが得策と見られたものでありますから……。
#44
○鎌田逸郎君 何でも非常に安い價格で勿体ないということをそのとき聞いたものですから、來た連中が非常に爭奪戰で買漁つたということを聞いておるのですが……。
#45
○政府委員(永井幸太郎君) 一應調べて見ましよう。安ければ安いで何かいわれるし、又高ければ高いで何かいわれる……。
#46
○油井賢太郎君 先程長官からお話しの中に、絹織物がバイヤーによつて契約されたというお話がありましたが、実は絹織物につきましては、例の五万五千俵の中の軽目羽二重というものが相当契約されておるのであります。然るにも拘わらず、今日まだ正式に貿易廳の引取りがないために、生産業者は非常に資金の面において困つておるというのが現状なんであります。これは何か資金関係で貿易廳に枠がないためにお取りにならないのですか、その点をちよつとお聽かせ願いたいと思います。
#47
○政府委員(永井幸太郎君) それは貿易廳が公團に契約させますから、輸出契約ができたら、その契約者は手形を日本銀行に持つて來て頂いて、スタンプ手形にして頂くと割引ができる筈なんですが、契約ができたならばそれで金融がついたというふうに考えております。
#48
○油井賢太郎君 それが実際は契約書は公團からメイカーの方で今月中に発送したものについて書いて送つて貰いたいという話しがある。ところが契約書というものがメイカーの手に入らない……
#49
○政府委員(永井幸太郎君) それでは恐れ入りますが、どの手形で、どの契約かということを仰しやつて頂いたら、調べまして御迷惑が成るべく解決するように処置いたしたいと思います。
#50
○油井賢太郎君 貿易公團から福島縣に対する羽二重の契約書であります。福島縣の織物業者全般であります。
#51
○政府委員(永井幸太郎君) 福島縣の全体ですね、軽目羽二重ですね。一遍調べまして、契約ができておれば、無論こういうものですから、数字の分つたものですから、スタンプ手形になる筈でございます。
#52
○油井賢太郎君 それからもう一つは、價格がまだ決定されないということを聞き及んでおるのでありますが、價格が決まらなければ、契約というものは、数量だけで契約したところで資金に還元する契約ができないのではないかと思うのでありますが……。
#53
○政府委員(永井幸太郎君) 多分新マル公が決まらんものですから……。待つておつた方があなたの方でもよかつたと思うのでありますが、新マル公が決まらん関係上契約が遅れたのではないかと思うのですが……。
#54
○油井賢太郎君 結局貿易品というものは、成るべく早く……全部に欲しいものだから成るべく早く出してやつて、先方にも喜こんで貰い、又生産業者も早く資金化するということが必要だと思うのです。それが現在の日本の再建の上において大きな役に立つと思うのですが、こうばらばらに……貿易廳関係とか、物價局関係が非常にばらばらになつておるために、生産がとかく澁滯がちになつておるということは、これは非常に損失だと思うのです。それの解決策を至急講じて頂きたいと思います。
#55
○政府委員(永井幸太郎君) その点我我も同感なのでありまして、輸出品の統制價格だけは外してはどうかというような話もありますが……。
#56
○油井賢太郎君 是非そう願います。
#57
○政府委員(永井幸太郎君) 一つあなた方の御後援を得たし、成るべくこういうことを決めたいと思いますが、できるだけ御希望に副うようにいたしたいと思います。
#58
○深川榮左エ門君 ちよつとお伺いします。貿易会館及び松坂屋で陳列しております商品、あの管理は貿易廳が扱つておりますか、貿易公團が扱つておりますか。
#59
○政府委員(永井幸太郎君) 管理は貿易廳の輸出局でやります。
#60
○深川榮左エ門君 陳列館で只今商取引は具体化したものはどのくらいありましようか。
#61
○政府委員(永井幸太郎君) あすこは大体品物を見て貰つて、これはどういう人か、どうしたらいいかということを聽きまして、そういつたお世話をいたしますが、取引は例の東京ホテルで……バイヤーとの契約をやりますのはあすこで契約をやることにいたしておりますから……。
#62
○深川榮左エ門君 問題が小さくなりますが、貿易のことで聽きますが、貿易は全部名古屋で商取引をなすことになつておりますが、事実上なつておりますか。
#63
○政府委員(永井幸太郎君) 事実上はこれまで名古屋で行われておつたらしいが、名古屋が話が早いわけですから。しかし必ずしも名古屋でなければやらんということになると……。
#64
○深川榮左エ門君 併し松坂屋あたりで陳列されておりますものは、名古屋で工場を持つておつた者は名古屋でやつて、名古屋で工場のない者はどこでも取引できるようにしたらどうですか。
#65
○政府委員(永井幸太郎君) 勿論東京ホテルの貿易廳の出張員がおりますからそこでやつておるはずであります。
#66
○深川榮左エ門君 松坂屋の陳列館では実際の取引はできないのですか。
#67
○政府委員(永井幸太郎君) 貿易館でもできない。
#68
○深川榮左エ門君 ホテルでやるのですか。
#69
○政府委員(永井幸太郎君) 実際陳列してあるものはできないわけですね。非常に不便であるということをいつておるようであります。
#70
○深川榮左エ門君 何でできていてどうとか、そういう説明をするわけですね。そうすると陳列場にも人を置かなければならず、こちらの東京ホテルの方にも人を置かなければならんということになりまして、とても人が足らんのです。むしろ陳列館に置いた方がいいのじやないですか。
#71
○政府委員(永井幸太郎君) 陳列館を見て、これで商賣しようという氣持になる人は割に少いのですね。
#72
○深川榮左エ門君 商品があすこにずつと比較のできるように陳列してありますが、ホテルに行きますと、大体各人が持つて行かなければならないというので……。
#73
○政府委員(永井幸太郎君) 大体予備知識を持つておりますからあすこで商取引するのはなかなかむつかしいですね。
#74
○深川榮左エ門君 聞くところによりますと、貿易廳であすこに陳列されて実際の商取引ができないので非常に不便であるということを実際言つておるようでありますが……。
#75
○政府委員(永井幸太郎君) あれは大きな陳列館でもありまして、そこで実際事務所もあればそれは非常に適当なんですが、何分商品の種類が多いのと、その一人々々の專門家をあつちにもこつちにも置くということになりますと大変なんです。
#76
○深川榮左エ門君 今後考えますに、從來の貿易をしておつた地方で貿易するのは当然ではありますけれども、今後の交易品殊に貿易品について申しますと、中小工業の貿易の方に貢献をしますから力が多いと思います。例えば交易について申しますと名古屋だけが陶磁器の産地ではないのでありまして、九州にもありますし、或いは九谷にもある、京都にもあるということになつておりまして、殊に從來貿易をしていなかつた京都、九州、九谷で今後貿易に対して貢献をしたいという業者の熱意は非常にあると思う。それを纒めて從來の貿易を名古屋でする。成る程名古屋で工場を持つておる者はよいでしようが、その外の地方は非常に困りはしないかと思う。その辺はどうですか。
#77
○政府委員(永井幸太郎君) 御尤もです。或る程度下相談等は貿易館だけでやれるものはやつております。いよいよ完結するのは東京ホテルの事務所でやることになつております。
#78
○深川榮左エ門君 私考えますのに、むしろ名古屋でされるよりも、産地の違つておるものは、実際取引の成立した場所でした方が当然だと思う。その辺は今後……。
#79
○政府委員(永井幸太郎君) 尚一つ考慮いたしましよう。何分貿易廳も予算が足りない人が足りないので、又その辺からも考えを出して頂きたい。人なんかいないと困るので……。
#80
○深川榮左エ門君 さつき申上げたように各地方が今後貿易に対して十分貢献しなければならんという決心に燃えておるわけです。私はそういう点をお願いしたい。
#81
○政府委員(永井幸太郎君) その熱意はこの際大いに考慮したいと思います。できるだけやります。
#82
○中川幸平君 これは政府の方というよりも、物價の問題が出ましたから、委員長に考えて貰いたいのですが、物價廳でなんでもかんでも價格を拵えねばならんという建前でやつておる関係上非常に遅れるのですね。そのために生産業者も難儀し、又商人も非常に難儀しておるということは申すまでもないことです。その價格は、商工省関係は商工省関係で價格を拵えて、そうして物價廳でそれを再査定をして直ぐ発送するというようなことに変えなければ、どうも実際に即せんやり方に思われてならん。どうか委員長の方でお考え下すつて、政府とその点の機構の改善についての御相談を願いたいと思います。
 それなら今もお話がありましたが、値段が決まつて、そこで再建整備法によつて政府にどれだけの金を取られるかということは常にはつきりしておらんわけです。その價格を上げると同時に再建整備法によつてこういうものは何割政府に取られるかということを示して貰い、又一昨年の暮の在庫禁制品に対する差金の半分を業者に返すということを我々はその当時聞いておつたのにも拘わらず、あれに使つたこれに使つたと言つて、業者は当てにしておるに拘わらず、一文も未だにもらつておらんという実情にあるわけです。その点もお分りになつたら政府の方から御答弁を願いたいと思います。
#83
○委員長(一松政二君) 只今の中川委員からの、物價の決め方に対して、甚だ遅い、そうして当該主管官廳で何ら決定権がなくて、すべてを安本に持つて行かれておる、それがために遅いというのでありますが、これは恐らく主管官廳にさしても遅いのであろうと思つております。大体この物價の決め方が遅いから、新物價体系も拵えない先から……まだ一應行き渡らないうちから又改めなければ先のものが無駄になるということは、本会議でも述べてある通り私も頗る同感であります。これは機会あるごとに当局に要望いたしますことを以て中川委員の御質問にお答えしておきたいと思います。
 それから今深川委員と永井長官との質問應答を伺つておつてつくづく感じたのでありますが、いわゆる官廳貿易の弊であります。今例えば松坂屋なり、三越なり、或いは貿易館なりに陳例してあるものはその場で取引ができる可能性のあるものもあるだろうと思うのです。ただ人が足りない、予算がない、これが官廳の附け言葉であります。商賣ができるのとできないのとでは大違い。そういうことは民間でやれば予算には関係なくやります。一つ商賣ができればその人の一人分ぐらいは直ぐ賄つてしまうほどのものもあるのでありまして、商賣をやるということと予算がない、人がないということは、これはどうも両立しない。これは永井長官自身も恐らく同感であろうと思いますが、立場上止むを得ないのでありましようが、これは一日も早く全部を民間業者に移してしまわなければそういう問題は解決しないし、金融の問題にしても、先程油井議員から話された問題にしても、私はやはり官廳でやつておれば、セクショナリズムと無責任と、それから或るところでそういう重大なことをやつていながらも長官は知らないということになるのでありまして、又長官にいたしましても、長官が何々貿易会社の社長であれば、そのコムプリメントを受けたならば、早速係を呼んで明くる日にでも対策が講ぜられるに違いないのでありますが、貿易長官であるために聽きながら、知りながら、遅れてはならんと思いながら、荏苒日を暮らしておるということも私は想像がつくのであります。ですからこれらはやはり我々この商業委員会としてこの問題を採り上げて、一日も早くこれを官廳貿易を改めるという方面に持つて行くことに努力しなければならんと、我々みずからを励まさなければならん次第であります。ただ先程も申したようになにしろまだ独立國じやない。講和條約の結ばれていない前ですから、そうこちらばかりの言うことも通らないであろうとは存じますが、これは我々の責任でありまして、商業委員会としては、政府がいかなる政策を持つておるかということを聞くよりも、どちらかと言えば商業委員みずから政策を立てて政府をしてこれを行わしめるという立場の自覚に立つて頂きたいと私は考える次第であります。これは今の中川委員に対する私の答弁からついでにそういうことを申上げたのでありまして、これは委員会本來の活動ではありませんので、この問題はこれで一應打ち切つておきます。
 私は尚永井長官に伺いたいのでありまするが、貿易業者の渡來はいわゆる尻切れとんぼになるのであるか、或いは今後続々継続されて來るのであるが、常時四、五百人程度は來る見込であるのか、或いはアメリカに帰つた人の評判で、これは駄目だ、費用損になるということで、あとは來ないような傾向にあるのか、その点についてどういう見込みをもつておられるか伺いたいと思います。
#84
○政府委員(永井幸太郎君) 今申上げた通り、來て直ちにできる商賣というものも限られておりながら、取引先の関係を更新するとか、メーカーと関係を附けてやつておりますから、この結果は必ず尻切れとんぼにならずに続いて行くかと思いますし、又その後の渡來代表團も続々と続いて來ておりますので、段々と一歩々々、そう非常に急激な増加ということはむづかしいかも知れませんが、相当続いて商賣ができる途が開かれるものと思いますし、この渡來の貿易團も今のところ代る代る出て來て呉れておりますので、続いて相当の成果を挙げるものと考えております。貿易の金額の上のみならず、これが段々と平和條約でもできまして、自由な貿易ができまするまでの一つの段階としまして、一遍に……十年になんなんとする間、國際経済社会から孤立しておりました経済を、一遍に國際経済と直ちに接触するというよりも、こういう方式によりまして、できまする貿易金額は少なくても、段々と外の空氣に触れて行くというふうな役目をするに、大いに價値があると考えております。
#85
○油井賢太郎君 貿易組合法が廃止になりまして、現在の状態におきまして官廳、つまり貿易廳を中心として縦の連絡というものは、各業者についておりますが、横の連絡というものは全然今度はなくなると思うのですが、お互いバイヤーと直接交渉いたしましても、いろいろ益するところもあり、又感ずるところもあると思います。そういうのを横の連絡によつて発表し合い、お互いに関連を持つことによつて、この貿易の伸展に資するというような、そういうことも必要かと思うのであります。この法案の廃止によつて、どういうものを以て代行するおつもりであるか、ちよつと伺いたいと思います。
#86
○政府委員(永井幸太郎君) これは貿易課長より説明いたさせたいと思います。
#87
○委員長(一松政二君) 説明員に説明させてよろしうございますか。
#88
○委員長(一松政二君) それではどうぞ。
#89
○説明員(越智實君) 御説の通り貿易組合法の廃止につきまして、直接これに代るものは実は今考えておりません。と申しますのは御承知のように現在の立場におきましては、貿易は管理貿易でありますので、管理貿易下におきまして、貿易業者が如何なる立場にあるかということは、事実上或る程度分つておりますが、嚴密の意味において、どういう立場にあるかということをはつきり申上げがたい状態にありますので、この管理貿易はどういうふうになるかという見極めをつけまして、貿易業者は事実上どういう立場に立つかということを改めて考えて行かなければならんのじやないか、こういうふうに考えておる次第であります。尚関連して申上げますと、從前は貿易組合は相当いわゆる統制的な考え方もありましたので、御承知のように從前の統制組合は、それは全面的に改組になつておりまして、現在現実の協同組合というふうに考えておられますけれども、貿易関係におきましては、未だ内地関係の商工業関係の方針が協同組合的のものまだ未だ結論に至つていない、こういうことでありますので、現在何らかの必要があるかと思いますが、今直ちにこれに代るべきものは立ち得ない状態にありますので、御了承願います。
#90
○政府委員(永井幸太郎君) 中小工業者の方向におきましては、やはり技術指導とか、海外貿易市場の調査というようなものを協同でやるとかというような協同組合的な或る施設が必要かと思いますのですが、初めからアンチトラストの関係と多少牴触せんようにやつて行かなければならんと考えております。そういつたような中小工業者に対しては、自分らで何とかそういう共同調査をするとか、共同の技術の伸展を図るとかいうような施設の必要があるものと考えております。
 油井賢太郎君 今お話を承つたんですが、実際状態を見ますと、資材を持つておる者、例えば輸出梱包資材を持つておる者というようなものが非常に有利な状態になつておつて、横の連絡というものはついておらないために、そういう独占的の資材を持つておつても、お互いにそれは発表し合うこともできず、又融通し合うこともできず、一面においては、その資材を持つておるということは、非常な力としてメーカーの方に渡りをつけられる商社がある一方、全然そういう面において資材の不足を感じておるために取引が円滑に行かないという商社もある。この間に凸凹のできる状態になつておりますから、何かこの横の連絡をつけて、そいう凸凹の是正をして頂くように、親心を以て御配慮願いたいと思います。
#91
○政府委員(永井幸太郎君) 何とか一つ考究いたしまして、或いは公團でもそういう世話はできるかと思うのでございますが、何かそういう方向に進んで行こうと考えております。御了承願いたいと思います。
#92
○委員長(一松政二君) 尚私は先程の百八十万ドル乃至二百万ドル、或いはそれ以上の今度商取引ができたのと、できつつあるのとあるようでありますが、それは現物に限られておりますか、或いは先物にまで進んでおりますか。
#93
○政府委員(永井幸太郎君) 今のところ現物ばかりでありまして、先物の取引を段々やろうと考えております。更に進んでは、こういうものなら見越し生産をしておいてもよいというようなものは見越し生産もできるように進んで行きたいと考えております。
#94
○林屋亀次郎君 百二十五万ドルの貿易の中に、繊維関係はどれ程の金額になるのでありますか、成るべく綿、人絹、絹と区別して頂けば結構であります。
#95
○政府委員(永井幸太郎君) 詳細な統計は後からお見せいたしましてもよいのでありますが、繊維関係の大きな筋合のものは政府対政府の貿易でやつております。絹織物が少しありましたが、二、三十万ドルに過ぎんかと思つております。詳しいことは、御必要であれば後でお見せいたします。
#96
○林屋亀次郎君 絹織物に対する爲替はどうなつておりますか。
#97
○政府委員(永井幸太郎君) 絹織物は百二、三十だろうかと思います。
#98
○油井賢太郎君 只今のに関連して……絹織物も入つておるというお話ですが、それはいわゆる貿易廳から見越し生産なり、或いは見越し注文というようなことでやつておるものを除いて、全然規格外の品物になつておりますか。
#99
○政府委員(永井幸太郎君) 前の絹、人綿輸出組合から引続いたストックであると思つております。規格外であるかどうか、ちよつと調べて見んと分らんのであります。
#100
○油井賢太郎君 先程ちよつと申上げましたが、新公價が決まらんために、まだバイヤーとの取引が果してどの程度できておるか分りませんが、貿易廳と生産者との間では…………。
#101
○政府委員(永井幸太郎君) 今のは貿易廳のストックになつておつたものだと思います。
#102
○油井賢太郎君 貿易廳のストック品だけでありますか。
#103
○政府委員(永井幸太郎君) 絹、人絹輸出組合が持つておりましたものを、公團ができるために解敗いたしますについて買取つたストックだけだろうと思います。
#104
○油井賢太郎君 そうすると新規取引ではないのですか。
#105
○政府委員(永井幸太郎君) 政府の公團の手持品でございます。
#106
○油井賢太郎君 先程の百二十五万ドルというのは、すべての…………。
#107
○政府委員(永井幸太郎君) いやそうでないのもあります。新らしく買付けたのもあります。絹製品はそうであります。
#108
○油井賢太郎君 それにドルの價格は御発表願えないのでしようか。
#109
○政府委員(永井幸太郎君) 調べましてお知らせいたしましようか。
#110
○油井賢太郎君 是非一つお願いいたしたいと思います。
#111
○委員長(一松政二君) 大体皆さんの御要求があるだろうと思いますから、貿易廳の方へ大体今度の、民間業者によつて契約をされたリストができておるのもあるだろうし、又作りつつあるのもあるだろうと思うのでありますが、本月ももう後一両日でありまするから、今月一杯にでき上つた民間業者との契約の内容について、種類別に、値段も入れて、それに大体の決めた、いわゆるそれはドルの値段で決まつておる筈でありますから、それを一つ委員の方にお知らせ願いたいと思います。
#112
○政府委員(永井幸太郎君) それでは油井さんへの御返事もそれによつていたします。
#113
○油井賢太郎君 どうぞお願いします。
#114
○中川幸平君 貿易廳長官に一つお願いしたいのですが、絹、人絹製品の貿易公團の代行店ですが、これはこの法案と直接の関係はありませんけれども、こういう百貨店法を廃止するというような時代でありますに拘わらず、非常に窮屈な決め方になつておるので、代行に選考された店は喜んでおりますけれども、それに漏れた所は大変憤慨しており又嘆いておるという状態であるわけであります。それでそういうような人達の統合体を認めて、これ以上殖えてはいけないというようなお考えでなしに、何とか緩和して貰うということが非常にいいのじやないかと思いますのですが、どういうお考えでございましようか。
#115
○政府委員(永井幸太郎君) 理想は、どなたにも喜んでやつて頂きたいのが理想なんであります。責任を持つてやつて貰える人ならば、信用すべき統合体ができますれば、無論十分考慮いたしたいと思いますが、統合体を拵えれば誰か責任者が要るわけですね。司令官のようなものを拵えて頂きまして、立派な統合体を拵えて頂きますれば、必ず中へ入つて頂けると思うのであります。又そういう方針でおるのでございます。何分この國際信用ということをどうしても維持して行かなければなりませんものですから、本当に責任を持つた方にやつて貰いませんと、内部の不平よりも外部の國際信用を保つて行くという方を先ず第一に考えておりますものですから、どうか責任のある司令官のような方ができまして、そうしてよいかたまりができましたら、必ず考慮したいと思います。
#116
○委員長(一松政二君) それからこの貿易基金、先程のレヴォルヴィング・ファンドが、向うの運用管理委員が來ないからして、まだ綿花が決まつただけだというお話でありますが、これは一体商業委員会がそこまで今後は活動して、その内容等についても、むしろこちらが活動するだけの準備を整えるのが本当でありますけれども、まあ新國会が始まつたばかりでもあるし、まだそこまで手が届いておりませんので、甚だ反対な立場で、我々としては実は自分のやるべきことを人に聞くようなことで、甚だ不本意な次第でありまするが、安本において計画を立てる、今後の政府貿易は無論のこと、民間貿易の見込みも無論立てるのであろうと思いますが、その貿易計画をすぐにも立てるようなことであつたのでありますが、それはどういうことになつておりますか。貿易廳の方と安本ともうすでに今後向う半年か、或いは一年間の貿易についていわゆる政府貿易、或いは多少の民間貿易というものを見込んで計画が樹立せられたかどうか。それはレヴォルヴィング・ファンドができてから後の形勢であります。それができたとすれば、それを至急その計画表と共にその内容の説明を願いたいと思うのでありまするが、その点如何でありましようか。
#117
○政府委員(永井幸太郎君) それは安本を中心といたしまして、我々からも大分持ち寄りまして、折角やつておるのでございますが、動力、電力、石炭等の問題と絡み合いまして、まだ成案には達していないようであります。成案に達し次第、相当の手続を経まして御報告申上げたいと思います。
#118
○委員長(一松政二君) 今の長官のお話で、私は事実はその通りであろうと存じますけれども、それがいわゆる日本の今後の計画経済なり統制経済の進むべき途の根本的な弱点だと私は思うのであります。外國貿易に大部分の原材料を依存するという日本の経済の建て方が、その外國貿易自身をはつきり予想することが今日は困難で、而もそれは、何も外國貿易に限つたことではありませんが、電力とか、石炭とか、或いは鉄道とか、殊に今日のこの風水害のようなアクシデントまで手傳いまして、一應仮りに立てた計画といつても、ほんの机上プランに終つてしまつて、直ちにそれが大変革を生ずるというようなことになると、いかに計画を立てたとか、統制をしようと思つて枠を決めたとかいつても、それはもう直ぐに又変更しなければならんという立場に立つわけでありまして、その点は殊に日本の経済の最大弱点かと思うのでありまするが、その点に対して先程永井長官から、輸出物資については少くとも價格をはずしたいという御意見であるが、私は輸出物資に限らず、一体公定價格制度というものは廃止しちやつて、峻嚴なる暴利取締令を以てこれを一應抑えれば、あとは物價は自然の成行きに任して置く方が経済全体のためによいというのが私の意見でありまして、本会議でも述べて置いたのでありますが、計画しながら、これが無計画よりもまだ惡いような状態になつて、計画あるがために変化に應じ得ないという弱点を暴露するのであります。殊に今後の日本の貿易を指導するということになつて來れば、この変化に対処するに当つて、最も迅速果敢に行われなければならんところへ、このセクショナリズムといろいろな制約によつて、官吏制度がとかくこれに應ずることが最も後手々々で遅れてしまうということは、日本の経済のために非常に嘆かわしいことと思うのであります。その点につきましては、恐らく長官においても御同感じやないかと私は想像するのでありますけれども、殊にこの貿易の点から見ると、早く自由の部面をできるだけ多く獲得して行くということに対して、長官の抱負なり努力なりを要望したいと思うのであります。
#119
○政府委員(永井幸太郎君) 全く御尤もなんでありまして、できるだけ手枷足枷を取つてしまつて、本当に民間の創意工夫が活きるように一日も早く仕向けたいというふうに貿易に関する限りは考えて、段々とその方へ向いて來ております。今回の個人取引の再開も、ごく限られた範囲ではありますけれども、まあそれに向つての一歩前進だと思うのであります。統制経済、計画経済というものは、机上では間違いなく行く筈になつておるのでありますが、今も委員長の仰しやいましたように、計画あるがために機動性を欠くということ、理窟上はいいのですけれども、何だか言つて見ればピターミンが足らん食物のようなもので、どうしてもうまく行きせんので、成るべくピターミンのある食物のように機能を発揮いたしますように、できるだけそういつた方へ個人の工夫、創意、活動力を発揮して働けるようにいたしたいと考えております。殊に貿易方面でさように考えております。輸出の方は段々と自由に民間で取引のできるように仕向けたいと思つております。輸入の方はどうしても相当長い間政府の嚴しい統制ということは止むを得んかと思います。輸出の方面、殊に雜貨方面の輸出というような方から、漸次個人の自由裁量、自由活動ができるように仕向けたいと思つておる次第であります。
#120
○油井賢太郎君 長官にちよつとお聽きしたいのですが、輸入品は食料品と棉花というようなことにもう殆ど制限されていて、その外のもので國内の國民の必需品を次に許可するということは困難なのですか。具体的に申上げますと、日本の一番今不足を感じているのは食糧品ですが、その次に恐らく衣料品の不足というものが重大な問題だと思います。日本人は今別に新しいものとか、立派なものを着たいという考えより、如何にして寒さを防ぐかという点ばかりだと思うのであります。それに対しまして、アメリカでは御承知のように、日本人の一年間僅か一ポンド八に対する配給と違いまして、一年間少くとも五十ポンド以上の纎維品を使用しているのじやないか、そうするとその古いものが相当あると思うのです。而もそれを日本で要り用なら格安に送つてもいいというような照会を消費者が寄越しておるところもあるように聞き及んでおるのです。こういうものも入れまして、日本の衣料品の解決策を講じたら如何かと思うのですが、そういう点についてはどんなお考を持つておられますか。
#121
○政府委員(永井幸太郎君) 食糧飢饉に次いで着物の飢饉といいますか、誰も彼もぼろを着なければならんようになつておりますが、すべてその必要を感じておりますのですが、輸入します綿とか羊毛とかいうものは、大部分は早く輸出して米代に代えたり、回轉基金の回轉が早くなるようにいたしております。その中の輸入したものの原料の八割は輸出して、二割は内地に残す、その二割を三割にして貰うとかいつたことも、いろいろこちらの事情を話しますればできんことはないかと思います。一年間に原料代を拂いさえすればよいのですから……。管理官が來ましてこの実情を訴えますれば、三割内地に残すというようなこともできないことはなかろうかと思います。先だつて古軍服の拂い下げをしたものが六千トンですか、あるのだが、こちらへ取つて炭坑労務者とかそういつたものに配給したい、配給することができるかも知れんというようなことで、是非一つそれは実現して貰いたいというようなことも頼んでおりますが、結局アメリカ陸軍省で日本に対する輸出を許しております範囲内でいろんなことを賄う、あとは輸出が促進せんといかんということになつておりますので、今は先ず第一に食物ということになつております。
#122
○油井賢太郎君 その制限はすべて金額によるのですか、つまり只今おつしやつたいわゆる…………。
#123
○政府委員(永井幸太郎君) 金額によります。金額で制限されておりますから、百六十万トン日本へ食糧を持つて來ようと思つたのが、金高が上れば、向うの食糧品が上れば、やはり外の方を辛抱して貰わなければならんというようなことになるわけです。
#124
○油井賢太郎君 そうすると食糧の輸入数量如何によつて更に又そういう古纎維みたいなものの輸入もでき得る可能性もあるのですね。
#125
○政府委員(永井幸太郎君) あると思います。
#126
○油井賢太郎君 そういうことをお骨折り願つて國民が衣料危機を免れるようにして頂きたいと思います。
#127
○委員長(一松政二君) 尚永井長官にちよつと御意見を伺いたいのですが、さつきスバル興業のフィルムの話がありましたが、それ以外に例えば向うがこつちへ持つて來て五年でも十年でも置いておいて構わんというような商品は僕は必ず沢山あると思うのです、アメリカ人のことですから……。講和條約ができてしまえば無論問題はありませんが、できない以前に今日まだそれが阻止されておるということについては凡そどういう理由であるか、何か想像がつきますか。
#128
○政府委員(永井幸太郎君) ぼろとかそういうものを持つて來て賣つて、その代金で眞珠など買つて帰りたいというようなことを言つた人がありました。それはちよつとデリケートですけれども、余りたちの良くない人らしく、スキヤップでもあてにしなかつたようです。その他無爲替で荷物を持つて來てそれを日本で金にして日本の事業に投資したいというような申込みもありました。これは私大藏大臣にも紹介しましたが、大した金額ではありませんでした。今のところ司令部でも個人の投資ということはまだ許さんという態度らしいのです。外に二三人そういう話もありましたから、持つて來て投資せられるのは、日本がどうしても輸入しなければならん必要欠くべからざるものを無爲替で持つて來て呉れれば結構だ、その資本を使うにしましても、今日本人のやつておる工場を安く買取つたり、日本の株を安く買取られたりしては困るけれども、日本人がやれんような特許でも持つて來て、日本にないような仕事をクリエートして呉れるのだつたら私はスキヤップにも日本の政府にも話をしてできるだけ盡力するというような返事をしたのですが、そういうものは今のところありません。それから持つて來て日本に投資しようということはまだ司令部でも許さんようであります。
#129
○委員長(一松政二君) それでは本日のこの委員会は三時半で打切ります。
   午後三時三十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長
           一松 政二君
   理事
           林屋亀次郎君
   委員
           鎌田 逸郎君
           齋  武雄君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
          深川榮左エ門君
           油井賢太郎君
           波田野林一君
           結城 安次君
  政府委員
   商工事務官
   (総務局長)  松田 太郎君
   商工事務官
   (生活物資局
   長)      和田 太郎君
   貿易廳長官   永井幸太郎君
  説明員
   貿易廳貿易課長 越智  實君
ソース: 国立国会図書館
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