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1947/10/02 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第9号
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1947/10/02 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第9号

#1
第001回国会 商業委員会 第9号
  付託事件
○貿易組合法を廃止する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○中小商工業の再建に関する陳情(第
 百六十四号)
○マツチ産業公團制の実施に関する陳
 情(第二百八十九号)
○財團法人理化学研究所に関する措置
 に関する法律案(内閣提出)
○板ガラスの配給機構及び取扱ひに関
 する陳情(第三百四号)
○百貨店法を廃止する法律案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月二日(木曜日)
   午後一時五十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○貿易組合法を廃止する法律案
○財團法人理化学研究所に関する措置
 に関する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(一松政二君) それでは只今から貿易組合法を廃止する法律案を上程いたします。昨日貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案を財政金融委員会と商業委員会の連合審査会で予備審査をいたしまするときに、いろいろ当局の方で資料の持ち合せが非常に少なかつたので、その程度では審議することができないということになつて、質問も匆々に切り上げた恰好になつておりますので、委員の方の中にもまだ別の角度から貿易組合法を廃止する法律案、或いはその他いわゆる商業委員会当然の任務として貿易資金その他について、多大の関心を持つておるのでありまするから、その件をも今日質問があろうかと存じまするので、特に大臣の御出席を煩わしたのであります。どうぞその意味におきまして、十分に皆さんの納得の行くまで御質問なり、御意見なり御発表を願いたいと存じます。
#3
○油井賢太郎君 商工大臣がおいでになりましたので、特に貿易資金の関係についてお尋ね申上げたいと思います実は繊維貿易公團の関係におきましていろいろ話を聞きましたところが、現在繊維貿易公團として取扱つておる織物関係におきましても、すでに百億円くらいの資金がなければ、円満に運轉できないということを申しておるのです。今囘の一時借入金は僅かに五十億円に対して、一繊維貿易公團がすでに百億円も資金を所要するということにつきましては、果して五十億円で他の貿易関係の資金を賄い得るかどうか。そういうお見透しについて御囘答願いたいと思います。
#4
○委員長(一松政二君) ちよつとお待ち下さい。只今の質問は、商工大臣に対して御質問でありましたが、永井長官からのお答えで差支ございませんか油井君にお伺いいたします。
#5
○油井賢太郎君 できたら商工省全体としてのお考えが承りたいと思います。
#6
○國務大臣(水谷長三郎君) お手許に差出しておりまする貿易資金の九月、十月の資金のやり繰りがございますがそれに拂出と受入がございまして、九月、十月を合算いたしまして、差引資金の不足額が三十九億なにがしということになつております。それを余分を見て五十億としたのでありますが、これは飽くまでも一時の繋ぎでございまして、やがて十一月になり、或る程度の見透しが立ちますときには、相当額の資金が要るのではないかと思います只今御指摘の繊維貿易公團の資金不足の点に関しましても、業者の人々から或いは関係者から再三いろいろの御注文も承つており、只今御指摘のように百億なにがしかの資金が、現下の只今においても入用であるということはよく承つておるのでありまするが、いろいろの事情におきまして、今一挙に尨大なる貿易資金の増加ということがなかなかむづかしい事情にありますので取敢えず九月、十月をめどとして五十億をお願いしたのでありますが、或いは通常議会のときにおきましては、相当額の増加ということは必至であろうと思うのであります。まあ繊維公團の方は、これは業者から聞きますと、こういうことをいうのは責任逃れかも知れませんが、金融面においても、外の業者と違つて相当の信用がありますので、なんとか今やり繰りをやつて頂いておるような状態でありまして、十月十一月の交になれば、一つこちらにおいても責任を持つて解決したい。このように考えております。
#7
○油井賢太郎君 只今大臣からのお話で、十一月あたりまでには、御解決下さるということであるますが、現在繊維関係の各業者、生産者といわず、或いは今囘認められましたところの貿易関係の織物の代行者、そういつたような者の間において、生産者から実際貿易のために品物を引取る。その間において莫大なる資金を所要しておるのであるます。これについて生産業者は、今或いは復興金融金庫、又は市中銀行等より借入金を行なつておるのであります。中にはもう商工省あたりから一應了解の下に借りなくてはならない借入金も、事情を訴えて、地方において特別操作によつて銀行の肚で以て借入金を行なつておるというようなものも沢山あるのです。而もこの九月三十日が決算期等になつて、大藏省関係、或いは日銀関係等において銀行のバランスを、檢査するというような関係で、至急この際返済をして貰いたいというようなために、四苦八苦の態で、あらゆる方面で資金の補充方に努めておるというような話も耳にしたのであります。こういうふうにいたしまして、生産者は製品ができておるにも拘らず、それが資金にならない。又折角貿易商は品物を獲得して、早くこれを海外に出して、日本の再建のために貿易を通じて御奉公したいという、そういつたような念願が、資金のために動くことが、できないというふうな話が沢山あるのであります。一刻も早くこの解決を図らなくては日本の將來の経済上においても、或いはインフレの対策等においても困難を來たす点であるかと思うのです。御承知のようにインフレーシヨンというものは、資金が迅速に廻轉することによつて資金面の多額の節約にもなると思いますが、これがどつかへ行つてつかえておりますと、非常に資金の流通の阻害をされておるということが、経済界において又大きな影響を來たすものと思います。一刻も早くこの難局打開のために、大臣初め皆樣方のお骨折によつて解決して頂きたいと思うのです。どうぞこの点につきまして、將來のお見透しについて御決意の程をお聞かせ頂きたいと思います。
#8
○國務大臣(水谷長三郎君) 公團の資金問題は、これは單に繊維貿易公團だけでなしに、一般公團資金というものは、非常に今行詰つておるということは御案内の通りでありまして、これは至急経済安定本部その他と相談いたしまして、何とか一刻も早く解決したいと考えております。只今御指摘の問題でございますが、御案内のように加工賃の決定が非常に遅れるものでありますので、その点が御注文通りなかなか捗捗しく行かなんだのでありますが、そういう点に関しましては、或る程度貿易スタンプ手形の割引なんかで賄えるという工合に考えておりますので、御趣旨の点はよく分りましたので、できるだけ早く何とか解決したいと、このように考えております。
#9
○油井賢太郎君 尚繊維の價格の点についてお伺いいたしたいのですが、実は二三日前、輸出品に関する繊維製品の價格が発表になつたのです。それを見ますと、やはり今までと同樣に、單に一本のマル公を以て表示されておりまして、何等その間において輸出品のために特に手心を加えるとか、或いは加算額を決めるというようなことは書いておらないのであります。この前或いは大臣からのお話があつたように記憶するのですが、貿易品の優秀な品物については、加算額制度を以て貿易伸展のための一助としたいというような話があつたのですが、それについて具体的のお話を承りたいと思います。
#10
○委員長(一松政二君) 永井長官でよろしうございますか。
#11
○油井賢太郎君 はい。
#12
○政府委員(永井幸太郎君) 繊維品の値段につきまして、海外に輸出するものに対して、別の値段を定めることが必要でないかというお話で、これはよほど微妙な点があると思いますので、内地と海外に價ります値段を変えるということは、戰前にも日本の輸出貿易がダンピングをやるとかいうようなことで頻りに叩かれましたので、よほど愼重な取扱を要するかと思います。
 それから特に優良な品物に対する値段を別に決めるとか、或いは非常に混入つた包裝を必要とする地域の輸出に対する物の値段を決めるとか、こういうようなことを迅速に査定いたしまするために、物價廳と貿易廳の間に特別査定委員会を拵えておりまして、迅速適切にそういうことができまするようにいたしておりますから、できるだけ御不便を業者にかけないように、又優良品の輸出促進に叶いまするようにいたしておる積りでありまして、精々そういうようにいたしたいと思います。
#13
○委員長(一松政二君) ちよつと皆さんにおはかりいたします。大臣は衆議院の方の本会議が始まつて、何か決議案が出るそうでありますから、その際にはどうしても是非御出席にならなければならんということでありまして、呼びに來るようになつておりますけれども、二、三十分の間に呼びに参るかも知れない状態にあるのでありますから、大臣に御質問を希望するお方はどうぞその間に是非、今日のところはその時間の間にお済まし下さるようにお願いしたいと存じます。
#14
○波多野林一君 昨日貿易資金のバランスにつきまして一應御説明がありました。いずれその内容につきましては御提出になる訳でありますから明白になることと思いますが、私、或いは聽き誤まりかも知れませんが、このバランスの五十億の差金の中に、食糧の輸入に使つた金が入つておるかのように聽いたのでありますが、それはどういうふうになつておるのでありますか。
#15
○國務大臣(水谷長三郎君) それは入つております。
#16
○波多野林一君 食糧の輸入は、これは別勘定じやないのですか。貿易廳が扱うべきものなのでありますか。
#17
○國務大臣(水谷長三郎君) 左樣でございます。
#18
○委員長(一松政二君) 私が一つ質問いたしたいと存じます。一体物の生産なり、或いは貿易業なり、商工業を促進する上において、金融面の働き力が厖大であるということは私から改めて申すまでもないことと思うのでありますが、それで貿易を振興させる、或いは貿易が日本の国家再建の基礎にならなければならんと称せられておるのでありまして、貿易の金融に対しましては、特別の御配慮をされておることと思いますけれども、すでに貿易業者が資金の窮屈、或いは当局の怠慢を訴えてから月がもうすでに何ケ月、年久しいという言葉は使われませんが、少くとも月久しいことであろうと思うのであります。それで昨日貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案の上程されました際に、九月、十月が約四十億ばかり足りない。而も提出されておるのは十月になつてからであります。或いは九月中に十五日まで休会でありましたから、正式の休会ではありませんが、休んでおりましたので、出せなかつたのかも知れませんが、私は九月、十月に足りないという分を、何故八月や七月にこれを以て出さないのでありまするのか。又十一月以降足りないと言えば、何故これを今日審議しないのでありますか。経済というものは見透しが一番大事なのであります。これはもう私が常にいう通りに、政治は後からでもまだいい場合もあるのでありますけれども、経済に関する限り、見透しが一番大事なんであります。何時いつかになれば資金が足りないといえばそれに対する準備を、間に合うように準備をせなければならんのを、これを政府が、而も今は官廳貿易でやつておりますのでありますから、官廳がその資金に対しては民間でやつておると同樣に予め手け打つて、そうして貿易業者に窮屈な目を感じさせないというくらいにして奬励しなければならん性質のものであるにも拘わらず、九月、十月において足りない分を、十月になつてから提出するようなやり方では、私は商工当局として貿易に対して甚だ不熱心であると感ぜざるを得んのであります。口では或いは奬励している。あよゆる施策を講じていると申されましても、そう業者から不足を訴えられているに拘らず、これらが極く僅かの二ケ月足らぬ分を、しかも二ケ月足らぬ分もその半分をすぎてから後に漸くそれが法案になつて議会に出される。そうして又十一月からは足りない。こんなことでは貿易の振興は私は思いもよらんと思うのであります。で昨日承れば、貿易資金の大部分を別の勘定によつてこれを処分されているような御説明でありまして、これは特別会計法の精神を蹂躙していることと思うのであります。いわゆる資金の横流しを政府自らしているということであります。何故にこれを食糧関係なら食糧関係によつてこれをはつきり始末をつけ、貿易資金なら貿易資金として行かないか貿易資金というものが、私は損をせざる限り、これがなくなるわけはない。だから私共は貿易資金が窮屈であるということならば、それは貸付金の囘收不能であるか、或いは余計に物を抱きすぎているか、採算上損失がない限り変化はないと思うのであります。昨日の説明によれば、大部分が空になくなつたような説明で甚だ驚いたのであります。今後若しこういうことが繰返えされるならば、これは特別会計法という精神に頗る悖るし、貿易資金それ自体の使用方法を政府自ら蹂躙していることに相成るのでありまして、これは今後直ちに改めて頂きたい。それからそれでは今この九月、十月において約四十億も足りないというのを、何故八月中或いは我々から言えば七月中、遅くも八月中に何故これを議会に提出されなかつたか。而も昨日の如きは資料も何にも揃えておらず、説明も数行で足りる説明を以てこの委員会に臨まれた態度に対して私は甚だ慊らないのであります。しかも貿易について最も主力を注がなければならん貿易廳におきまして、何故かくの如きことを今日まで放置されておつたか。その理由を承りたいのであります。
#19
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今御指摘の十一月以降の問題に関しましては今関係方面と折衝中でありますので、その点は御了承を願いたいと思います更に又御案内のように九月中旬から貿易廳の証明がございますれば、特に金が借りられるということになつておりますので、不十分ではありまするが、只今申されましたような不便はこの点で或程度緩和できるようになつているということを一つ御了承を願いたいと思う次第であります。
#20
○委員長(一松政二君) 只今の商工大臣の答弁によりますれば、九月中旬から特別の措置で以て業者の一部の不満は緩和されたかの如きお話でありまするが、私が聽いているのは、そういう事実はありましようけれども、九月と十月においてともかく約四十億足りないということに変りはないと思うのであります。これを何故八月中、詰り九月から足りないならば、足りなくならん前に予めこれを審議に付せなかつたかということを聞いておるのであります。
#21
○國務大臣(水谷長三郎君) 御指摘の点は誠に尤もでありますが、只今の日本の状態というものは、そういうような機動性を発揮するのに対しまして、いろいろの難点がありますので、昔の自由貿易をやつておつた時代のようになかなか参り兼ねるということを、一つ賢明なる委員長として御了承を願いたいと思います。
#22
○委員長(一松政二君) 只今の商工大臣の御答弁に対して私は甚だ不満であります。なぜならば、今の御答弁にあります占領下における貿易であるということは、無論私も承知しておるのであります。でありますから若し関係方面と折衝するのに暇が要るならば、その暇の要ることを十分見透して、その見透しの下に、例えば五十億が九月、十月に足りないといえば、或いはそれがどの程度足りないのか、或いは五億か十億の食い違いがあるかも知れません。とに角足りないことは事実二、三ケ月前からはつきり数字が出ておるわけであります。今の大臣の御答弁によりますと、その間の折衝に何ケ月かかるのか存じませんが、その折衝に暇が要るから、私は自由貿易のように、という意味で言つておるのではありません。自由貿易のときならばこんなものは議会にかかることはないのであります。自由貿易なら、各自勝手な信用によつて貿易金融をやつておるのでありますから、これを曲りなりにも國家がこれを奨励してやろうとするのに議会の承認を求めるならば、それが間に合うように、できるだけ早くやらなければならんのが、物事が決つて、いよいよ駄目になつてしまつてから、そろそろ出発するというのが今までの官廳のやり方の私は通弊であると思うのでありますつまり政治が経済に優先しておるために経済状態が頗るまずい、この面がこの貿易の面においても現れておるのであつて、それは経済問題を政治的にやるということは最も禁物だと思うのであります。いかに官廳がやらなければならん立場においても、できるだけこれは経済問題は経済問題に即應した方法でやらなければならんのであります。これを政治的に取扱つて止むを得んとしておるならば、これは官廳が経済問題を扱う資格なしということになるのであります。どうかこの点につきまして、私は今の日本のおかれておる情勢からしてかくの如きことができておるという大臣の答弁に対しましては、私はその儘返上いたします。その状態の下において最善を盡さなければならんと思うのでありますが、今の御答弁によりますると、最善を盡して、かくの如き結果になつておるという御答弁のように承るのでありますが私はさようには信ずることが、できませんので、若し大臣が御答弁になりませねば、私はその儘これは私の見解だけを披瀝して留保いたします。
#23
○國務大臣(水谷長三郎君) 只今の点は二、三ケ月前から勿論予定しておりましたので、いろいろ折衝を重ねたのでありますが、この問題をば借入金でやつて行くか、それとも追加予算に計上するかということがなかなか決まらなかつたものでありまして、遂に今日のような状態になりましたのですから、その点は惡しからず御了承を願いたいと思います。
#24
○油井賢太郎君 先程の長官のお答に対して、又一二質問申上げたいと思います。例の輸出品の繊維製品の價格の形成ですが、これを詳細に聞きましたところが、以前は生産者が製品を作つた場合には、五分なり或いは一〇%なりの生産利益というものを見込んで計算をしたのである。然るにも拘らず、今囘の價格の形成は生産者の利潤というものは全然認めない。而も生産者は何によつて経営をして行くか。それは能率を上げてあらゆる方面において経費の節約をして、以て工場の経営に充てるべきだというような計画になつておるということを伺つたのであります併し御承知のように人件費というのは千八百円べースを唱えられておりまするが、これ亦いつ変更するかも分らず既に政府におきましても、いつまでも千八百円ベースを固執するものでないと明言をしておるのでありまして、更にこの昂騰をすることは必然であります。そういうふうな際におきまして、人件費の將來も考えますると、生産者の立場というものは非常に氣の毒な状態にさえ考えられてまいるのであります。將來價格の形成につきまして今のような限度を以ていたしましては、又忽ち公定價格の変更ということを訴えてまいると思うのであります。これに対しまして長官といたしましてどういうふうな御措置をとられるかを承りたいと思います。
#25
○政府委員(永井幸太郎君) 只今の御指摘の点は、目前のことだけを考えますれば價格を安く抑えて出した方が輸出にためにいいのでありますが、目前のことだけでありませんで、それがために輸出産業が萎靡衰滅いたしましてはいかんので、ここに利潤があつて輸出産業を振興しなければならんと思つております。物價廳の考えまするところは、私も今のところ多少の生産能率、工場、企業の合理化をはかりましたならば、その余裕があるという認定の下に物價廳がそれを決めたものと思います。尚若しこれが原因で輸出産業が萎靡するような状態であるか否かを貿易廳といたしましては研究いたしましてそういう憂いがありますれば更に物價廳へ物價の形成の改正方を話したいと思います。
#26
○油井賢太郎君 尚、日歩の点、或いは資本の対する利子の点等におきましても、物價廳においては僅か一銭七厘を基準として計算しておる、併し実際今資金を借入れて事業をしておる者が大部分である。今日一銭七厘という利子で以て金を貸すことは殆どないと思うのであります。甚だ時代の認識が足りないのではないかと思われるのであります。こういもうのも適当な実際の利潤を以て計算されるのが当然だと思うのであります。
 尚貿易につきまして價格の形成は、とかくまるで業者が何か惡いことでもするのではないかというふうに見て、すべての点において圧迫を加えれば、事足れりというようなことであつては、甚だ貿易品を扱うメーカーといたしましては迷惑千万である。國家大計の上からいいましても、價格の形成等におきましては、商工省の御当局において公平妥当の價格の形成方に努力されるのが当然だと思います。この努力が幾分今まで欠けておつたのではないかと考えられておるのであります。これに対しまして、いかなる御措置をとられるのか伺いたいと思います。
#27
○政府委員(永井幸太郎君) 今御指摘になりました点につきまして、絶えず注意を拂つておるのでありますが、尚この上とも商工省の現局竝に物價廳ともよく話をいたしまして、御趣旨に適うようにいたしたいと思います。利息その他の点も物價廳の関係方面と連絡をすることにいたします。
#28
○油井賢太郎君 もう一つお伺いいたしたいのですが、とかく今の貿易は貿易廳の役人が介在してすべてを行なつておるというふうな状態になつております。このような取引状態を以て今後継続して行なつていつて宜しいかどうか日本の貿易の進展に寄與することがこれでできるか。昨日もいろいろ資料の不足などのお話がありまして、肝賢の資料を作るべき当面の事務官が商賣のために、或いは横濱に行き、或いは神戸に行き、というようにして、実際の事務は疎そかになつておるというような話も聞いておるのであります。この官廳方面において、実際の取引方面に奥深くタッチすることが果して貿易の進展のためによいか惡いかという御囘答を願いたいと思います。
#29
○政府委員(永井幸太郎君) 只今御指摘になりましたように、官廳が貿易に深く立入るということはできるだけ避けるべきものである。できるだけ民間の手に委せまして、そうして民間の創意なり、工夫なり、眞劍なる努力なりをして頂くのが本当であると思います。それから今の管理貿易の関係上並びにまだ交換率が決まつていない関係上、どうしても貿易の方は貿易廳が介在せんと解決ができんことが非常に多うございまして、現在輸出品を製造いたします原材料の割当等につきましても、官廳が中に入らなければならんというようないろいろ事情がありまして、貿易廳の役人にしても、成るべくそう立入りたくないのですけれども、止むを得ずやつておるようなことが多かろうかと思いますが、できるだけ併しこの商貰というものは早く民間の方でやつ一貰つて、官廳でなければできない統制、指導ということを官廳で握つて、実際の活動は民間でして頂くように、できるだけ早くその方へ向うべきものではないかと思つています。
#30
○油井賢太郎君 最後に、もう一つ資材の面について、價格の形成というのに立戻りますが、資材がやはり公定相場を以て現わされておるとき、商工省としてその資材について責任を持つて全面的に御心配願えるかどうか。これは実際業者におきましては、資材の恐らく半分以上は闇を以て取入れておるというような噂が巷間に傳えられておるのでありますが、これについて当局の御言明を願いたいと思います。
#31
○政府委員(永井幸太郎君) 輸出品に対する原料材は民間の要求と睨み合せまして、できるならば全部割当てるという建前になつておるのであります。できるだけまあ資材を円滑に輸出品に廻りますよう努力いたすつもりであります。
#32
○油井賢太郎君 これは是非一つ眞劍にやつて貰いたいと思います。
#33
○委員長(一松政二君) 尚この際委員長からちよつと皆さんにお諮りいたします。今の貿易組合法を廃止する法律案でありますが、事が貿易の問題でありまして、只今油井委員からの御質問にも、價格の問題が非常なまあ重要な要素を占めておるので、これは御尤もの話であります。それから波多野委員から資金の面につきましてもいろいろ御質問があつたのでありまするが、これを可決するにつきましては、尚、もう少し價格の問題及び資金の問題について御議論があろうかと存じますのでこれは安定本部の物價廳の責任者をここへ一應御出席を願つて、そうしてもう少し皆樣の満足の行くような……。どうしてもこれは今の機構であれば永井長官一人じやどうにもならん。貿易廳だけではどうにもならん。大体において安定本部だけでもどうにもならんであろうとは思うけれども、大体安定本部が最終の決定者みたいになつておるのでありますから、その責任者をここへ出席させまして、そうしてそれの説明を求めると同時に、大いに啓蒙する必要があるだろうと思うのであります明日これを引続き上程いたしましてそうしてその上で採否を決したら如何かと思うのでありますが、如何でしようか。
#34
○委員長(一松政二君) それでは明日一時半から物價廳の次長、それから大藏省の、若し大臣に差支えがあれば、政務次官か局長をこの席においでを願つて、そうして更に檢討を加えるというようにいたしたいと存じます。それで尚まだ時間がありますので、若しこれを続行する必要を認めますならば続行することにし、或いは明日に譲るということであれば、この問題は一應これで明日まで留保するということで如何でございましようか。
#35
○黒川武雄君 明日まで留保した方がよいと思います。
#36
○委員長(一松政二君) 今黒川委員の明日まで留保しようという御意見が出ておりますが、これに対して御異議ございませんか。
#37
○委員長(一松政二君) それではそういうことに決定いたします。ちよつと速記を止めて。
#38
○委員長(一松政二君) それでは速記を始めて。
 次に財團法人理化学研究所に関する措置に関する法律案を上程いたしますこれはすでに今日で第三囘目であります。第一囘の審査を先週にやりましてから、引続いて本郷の本富士町に、研究所の実地調査に参つて親しく視察して來ておるのであります。それから本日の審査に移るわけでありまするからどうぞ質疑と御意見のある方は十分に質疑をお盡しく願いたいと存じます。何か結城さんが最も熱心にやつておられますので、一つ結城さんに御所見でも何かありましたら伺いたいと思います。
#39
○結城安次君 この第一囘の五百万円で会社を作る。その株主は、財團法人の資産はどこへ來るのですか。
#40
○政府委員(松田太郎君) 法律の第一條にもございますように、一應理化学研究所がその持つております現物を、今度できます新しい会社の方に出資をいたすことになりまして、そこで会社が成立いたすわけでありまするが、会社が成立されますると同時に、從來の財團法人理化学研究所は解散になります。從いましてこの株式の問題につきましては、理窟を申しますと、一應從來の財團法人理化学研究所が新会社に現物を出資いたしまして、それに應ずる株式を取得いたしまして、その株式は更に理化学研究所に対する債権者でありますとか、それから或いは理化学研究所の職員、從業員、更には一般の民衆の方に持つて頂くという工合に、いわゆる最後は公募のような形になりまして理化学研究所の持つておりますものが一般に分けられる。こういうことになります。
#41
○結城安次君 そうすると、財團法人理化学研究所の持つておるものを現物出資として株式に換える、その株を賣る。その株を賣つた金はどなたが持つのでありますか。
#42
○政府委員(松田太郎君) 株式を賣ると申しますか、結局今申しましたように、理化学研究所が現物出資をいたしまして得た株式を、結局金融機関等の債権者もございますし、それから又理化学研究所の從業員、職員その他もおられるわけであります。そういうところに今の株式を讓渡するという形になりますが、そうして尚そこだけでそれを消化し切れぬ分につきましては、公にこれを公募するというような形になりまして、それにつきましては証券処理調整協議会というのがございまして、そこでそういつた株式の再分配の仕事をやつて呉れるようになつておりますが、今申しましたような方向に、実際問題としては株が分れるようになる次第であります。
#43
○結城安次君 私の伺つておるのは、財團法人理化学研究所の持つておつた財産を株として提供して、一應は理化学研究所が株主になります。その株を今度は賣る。賣つた金はどなたがお取りになりますか。或いは理化学研究所の人が功労株として色々にお分けになりますか。國にお取りになりますか。どちらか……。
#44
○政府委員(松田太郎君) それは現在の社團法人理化学研究所は、從來の戰時金融金庫でございますとか、或いは安田銀行その他の方面から相当の融資を受けております。そういう方の債務の弁済等にそれが充てられております。
#45
○結城安次君 そうすると理化学研究所は今のところ、財産は銀行の借銭その他で、プラス・マイナス・ゼロという形になりますね。
#46
○政府委員(松田太郎君) 現在のところでは特損の関係につきましては、先般もちよつと申上げましたように、戰爭保險金の打切の問題でございますとか、それから或いは從來投資しておりました株式の値下り等によりまして、いわゆる企業再建整備法に則つた特別損失の計算の仕方をいたしますと、二千四百万円ばかりの損に相成ります。
#47
○結城安次君 そうすると政府委員の御説明は、理化学研究所の資産というものは、プラス・マイナス・ゼロになるのですか。或いはマイナスが出るのですか。どうなんですか。
#48
○政府委員(松田太郎君) 今申上げました二千四百万円というものが、それだけのマイナスになります。そこで関連して申上げますと、こういうマイナスの状態になつておるというと、理化学研究所というものは、結局潰れてしまいますから、そこでいわゆる企業再建整備法で申しますというと、第二会社を作るわけであります。言い換えれば昨年の八月十一日を現在といたしまして、新旧勘定というものを分けまして、そうしていわゆる從來の安田銀行からの借金でありますとか、或いは戰時金融金庫からの借金でありますとかそういつたようなものは、全部いわゆる債権債務の中に入れてしまいましてそうして新らしく理研株式会社を作ります場合に、それに必要ないろいろな不動産でありますとか、その他いろいろな設備というようなものを、新らして会社の方に引継ぎまして、そうしてその新らしい会社で引継ぎました資産というものと、それから昨年八月十一日以後理研がこの再建のために今度は復興金融金庫から融資を受けておりますものが二千数百万円でございますが、そういう借金というものを差引きますと、大体百万円くらいの黒字になるのであります。その外に特許権等が沢山ございまして、これを別に評價をいたしますと、大体新らしい会社といたしましては最初スタートするときには五百万金くらいの資本金になるのでございます。併し五百万円だけでは何分にも苦しいものでありますから、それで例えばこの十一月に國会を通して頂くと仮定いたしますと、更にそれを早速千万円増資する予定にいたしております。それからその外、政府の方から三百万円ばかりの補助金がございます。それから又研究その他について理化学研究所が他の企業から委託を受けましたもので入つて参ります委託料というようなものが大体二百万円、合計しましてそれだけで五百万円でございますそれから尚この会社がペニシリンでありますとかそれから或いはワクチンでありますとか、そういつたようなものを中心にいたしまして、自分のところで事業をするという今計画をいたしておりますが、そういうものを入れますと、それが約五千六百万円程に計上してございます。それからその外の特許権を方々に出しておりますので、その收入が約四百万円程であります。
 そういたしますと、今申上げましたものを仮に営業收入という工合に名附けますと、それの合計が六千五百万円になりまして、その六千五百万円に、先程申しました一千万円の増資を直ちに拂い込んでもらうことにいたしまして、それからペニシリン、ワクチン等の工場を更に充実いたします意味で、復興金融金庫から更に一千万円を借り入れる予定にしておりますので、その方から拂込み徴收の千万円と、営業收入の今の六千五百万円、借入金の千万円を加えるというと、約八千五百万円になります。これで先ず新発足後の第一年度の予算というものを考えておるわけであります。こういうふうなわけであります。
#49
○結城安次君 私がお伺いしたいのは営業開始後の状態でなくて、会社設立の日の状態です。理化学研究所が現物出資、つまり特許とか或いは受取り勘定千六百何十万円、支拂うべき債務千五百何十万円、差引百何万円、それらこれらを合せて五百万円の資産として評價する。それを現物出資として五百万円の会社とする。その現物の所有者はどなたか。即ちそれが株になつた場合に、それを今度は企業なんとかいうもので、その他各種の機関を通じてこの株を処分したときには、その五百万円というキヤツシユが出るわけであります。その株券はどなたが所有になるのですか。
#50
○委員長(一松政二君) 速記を止めて下さい。
#51
○委員長(一松政二君) それでは速記を始めて下さい。
#52
○結城安次君 私はうかつでこの法律案を持つて來るのをすつかり忘れたのですが、これだけで、今後会社を作るのに、我々が三ケ條か四ケ條でこれだけでもつて株式会社か、理研製造会社と申しますか、何かをやり得るという御説明を申上げる勇氣はないのでありますが、今後も或いは会社に対する定款とか、経営方法要綱とか、それから今後理化学研究所のつまり研究部と業務部と申しますか、それらとの関係、そういうものがお考えがあればちよつと伺つて置きたいと思います。
#53
○政府委員(松田太郎君) 新らしくできます株式会社理化学研究所の設立目論み要旨というものを、実は先般お手許に差上げてあるのでございますが、この中には今お話の定款その他は、拔けておりますが、これは別に早速お配りいたすようにいたしたいと存じます大体この事業方針等について大体について御覽いただけば分りますように、結局今後は飽くまで從來と……根本的においては同じ趣旨でありまするがやはり基礎研究の方に十分の力を注ぐ。そうして又研究の中の約一〇%とか或いは一五%程度というものは、本当に何等事業というようなものに直接関係のないような基礎研究を飽くまで中心にしてやつて行く。そうしてその研究ができますれば、それを更に應用して参りますような意味の應用研究に第二段階に移る。そうしてそれを更に中間試驗を通しまして、いわゆる産業家に移して参るというような意味で、研究に根本を置きますと同時に、それを事業化いたす点、言い換えれば産業化いたす、産業の促進に向けるという点に主眼点を置きまして、大体事業の内容としましては、いわゆる研究部というものとそれから事業部というものに分けまして、今申しましたような考え方を進めて参る。尚先般來申上げておりまするように、事業部におきましては今申しましたようないろいろなワクチンでありますとか、或いはペニシリンでありますとか、その他お手許に別に差上げました理化学研究所の主要研究題目というものに應じまして、理研で直接実施をすることを適当とするもの、言い換えすれば事業化をしております過程におきましても、いろいろ又研究改良するような必要が特にありますものにつきましては、理化学研究所自体において事業として実施をして参りますし、そうでないものにつきましては、他の企業等に対して最も適当と思うところに、そういつたものの研究に対する権利等についてはその実施をそちらの方に認めて参る。或いは各会社のいろいろな研究というものが、最近御承知のように財閥解体等に伴いまして、段々と各会社の研究機関が不十分な現状におきましては、そういう点についても、できるだけ理化学研究所としてましても、研究に対する應援なり斡旋なり、委託なりを一つして参るというようなことも、この事業としてやつて参るということにいたしまして、両々相俟つて、この間うちから御議論がありましたように、從來の理研としての民間的な色彩というものを十分一つ発揮して参つて、日本の産業の振興の上に役に立ちたい。かように今考えておる次第であります。
#54
○波多野林一君 只今承りますと、研究が主体になつておりまして、それに対して事業化されるようでありますがこの事業の中にはいろいろの事業があつて、関連のないものもありましようが、一應経済力集中排除法との関係がどうなりますか。承つて置きたいと思います。
#55
○政府委員(松田太郎君) お話のように、独占禁止法でありますとか、新聞等に出ておつて、又近く本國会に提出せられますところの経済力集中排除法案の観点から申しますというと、一つの会社、一つの機関がいろいろな関連のない事業に手を出すということは、それ等の法律の上から申しますというと、お話のように控えなければならん問題でありますけれども、この点につきましては、この理化学研究所自体の性格というものが、先般來申上げておりますように、いろいろな研究を個々別々にやるのではなしに、一つの研究につきましても、それぞれの專門の分野の人がそれぞれの知識というものを相集め、相綜合してやつて参る。こういうような関係になつておりますために、そこに一つの当然の結果といたしましていろいろ出て参りまする研究その他が、お話のように関連のないような……事業化してみる場合においては結局出て参りますが、併しながら先程も申しましたようにできるだけそういうものについて……特別に理化学研究所が実施して参りまする分については格別でありますが、それでない分につては理化学研究所でやつて行くというのでなしに、理化学研究所が一應そういつた研究をし、それを大体事業化し得るまでの程度育て上げました場合には、これをできるだけそれぞれの專門の企業の方に仕事を移して行くというようなやり方をして參りますために、今お話のような、いわゆる独占的と申しますか、又所有権その他において集中的な、いわゆる企業体として考える必要はないと、かように考えておるような次第であります。
#56
○委員長(一松政二君) では、私から一つ伺いますが、今度株式会社になつた場合には、表向きには政府とは何等関係のない、或いは道徳的やその他の点については、いろいろな繋がりがあるのでありましようが、少くとも法的には何等の関係のない純然たる民間の一個の企業会社である体裁を備えるようになると思いますが、さよう解釈してよいのでありますか。
#57
○政府委員(松田太郎君) そうでございます。
#58
○結城安次君 今度の財産出資目録を見ると、非常にこれは價格が安いように思います。それからもう一つお伺いしたいのは、特に將來のために有利にしてやるのだということなんでしようか。その点と、それからもう一つは、これは会社にして行くということは誠に結構ですが、ただ特殊の会社で、或る意味において研究の方が主という会社で、それらの研究部と事業部との関係をうまく円満に支障なく行くように予め基準か何かお作りになりますかどうか。その点を一つ。それから定款もこの審議期間中に拜見することにいたしたいと思います。
#59
○政府委員(松田太郎君) お尋ねの中の第一の資産の評價の問題につきましては、いわゆる企業再建整備法に基く資産評價基準というものに則りまして從つて固定資産につきましては、いわゆる帳簿價格を基準にしております。それから流動資産等につきましては、いわゆる時價を原則といたしておりますが、何れにいたしましても、この企業再建整備法と同じような意味で、この際できるだけ会社の基礎を、例えば経理の面から申しましても堅実なものにしておいて、將來この会社が融資を受けるにいたしましても、それから又この上げた利益というものをできるだけこの事業に、なかんずく研究費に充てて行く上から申しましても、本をやはりはつきり堅実にしておく必要があるという意味におきまして、企業再建整備法と同じ基準にいたしておりますそれから第二のいはゆる研究部と事業部との問題につきましては、お話のようにこれはいわゆる事業のために研究が食われることがないように、むしろ研究のために事業というものがある。言い換えれば事業で得た利益の大部分というものが研究費にあてがわれるように、これはしなくちやならんと思うのでありまして、その辺の点につきましても、この会社の事業の運営の上から、そういう点につきまして、大いに明暸にして参る必要があると考えております。それから定款につきましてはこれは最後の決定版とは申されぬかと思いますけれども、大体のところの内容を盛りました定款というようなものにつきましては、早速お手許に差し上げることにいたします。
#60
○結城安次君 有難うございます。
#61
○委員長(一松政二君) ちよつと先程の結城さんの質問と重複するかも知れません。或いは私聽き洩らしておるかも存じませんが、この現物出資すべき資産の明細書というものが参考資料の一番あとに附いております。例えば五百万円の株式会社として、固定資産だけをこれを五百万円にして出資するというのですが、これでは現物出資金は百十二万一千円となつておるのですがあとの四百万円というものは、これは何か考えておるのですか。
#62
○政府委員(松田太郎君) それはですね。この百十二万一千円に、帳簿外の特許権が大分ございますので、これを大体評價いたしまして、四百万円ばかりの金額を計上いたしました。それにこの百十二万円を加えまして、約五百万円と、こういうことに相成つております。
#63
○委員長(一松政二君) さようでありますか。資産が著しく安いから、特許権もそれだけ水増しするということになりますな。
#64
○波多野林一君 ちよつとお尋ねしますが、このパテントの收入というものは非常に大きな問題であります。將來パテントが変るようなことがないでしようか。年限を縮められるとか……。
#65
○政府委員(松田太郎君) 將來のことにつきましては、ちよつと私も申上げ兼ねるのでありますが、やはりこの特許法等の改正の問題も、一部もうすでに本國会の御承認を得たものもございますが、いわゆる特許権の内容、或いは特許権制度というものにつきましては、近い機会に、これをむしろ発明というものの今後の振興という意味からいたしまして、発明者の保護という考え方、言い換えれば特許制度というものを通じて、更に充実するなり確立して行くという上に、檢討すべき余地は今後も私は残つておると思うのでありますが、その場合に、特許権の存続期間等について、現在の日本の存続期間というものが、外國の例等に徴しまして、特に長過ぎるというようなこともないようでございまして、恐らく今後そういつた特許制度の改革がありましても、この特許権の存続期間というものをそう無闇に縮めるとかいうようなことは考えなくてもいいのじやないかかように考えております。
#66
○油井賢太郎君 そうしますと、この法案の第四條に「第一條の規定による株式会社の成立の時、解散する。」という事項があるのですが、もう解散すれば、最早政府としてはなんらこの会社に対しては関係しないということになりますか。
#67
○政府委員(松田太郎君) その点につきましては、先程申上げましたように法律上はなんら関係ございません。ただ現在理化学研究所に対しまして、本年度と申しますか。三百万円ばかりの補助金を出しておりますが、それは新らしい会社になりましても、その補助金は継続して参りたいと思いますし、それから又今後國会等の御承認を経ますならば、やはり永久とは申されぬと思いますが、或る期間はこの理化学研究というものの仕事が十分できて参りまするように、大いに今後大きくなつて参れますように、その過渡的な措置としましては、補助金等も考えなくちやならん、かように考えております。
#68
○油井賢太郎君 新しい会社に対する人事問題等は、やはり政府で以て相当干渉をなさるわけでございますか。
#69
○政府委員(松田太郎君) これにつきましては、この新会社に十分お委せするつもりでありまするが、勿論これにつきましては、御承知のように、この新会社の役員の方々のお考え如何ということが、結局この会社をいわゆる営利会社に惰するようなことにするか、或いは從來の考え方というものを飽くまで貫き通す立派な会社になるかどうかというところに大きな問題があると思いまするので、そういう問題については、私はむしろお願いでございますが、この委員会等におきましてそういう点について、或いは附帶決議なり、その他によつて、この会社の今後のあり方等についての御注意を頂きましたならば大変仕合せと思います。
#70
○委員長(一松政二君) その点につきまして私から一言発言をしたいと思います。先程私が申上げましたのもその点にあるのでありまして、純然たる民間の会社である。併しながらいわゆる特技的に、或いは今後いろいろな事業を経営して行く、或いは研究を続けて行く上において、殆ど國家機関たる自覚を以て研究に当らなければならん性質の会社と思うのであります。又そういうふうに我々としてはこれを、言葉が或いは当らんかも知れませんが、保護、助長、育成すべきであると信ずるのであります。
 從つてこの人事問題について、私は官廳がこれを絶対に干渉してはいけないと信ずるのであります。誰か一人天降り的な人間を入れたり、或いは推薦するということは、もうそこに非常に濁つた空氣を注入することになりまするし、又議会としても成るべくそういうことは避けてそうして経営者が眞にこの設立の意義なり、今後の情勢を考えて、献身的にそれをやつて行けるという他から掣肘の加わらざるみづからの、いわゆる近頃の言葉を以てすれば創意工夫によつて、他からの掣肘を受けずにその目的にみずから合致して行けるようにこれを育てて行かなければならん。そうしてその目的を達成せしめるためには、私はこの本商業委員会が少くとも國会の一翼として重大な責任を持つて行くべきであると私は信ずるのであります。その意味におきまして、政府と言わんよりは、國会が無論衆議院も……私は國会と申上げるときは衆議院も一緒でありまするが、衆議院の商業委員会と、或いは参議院の商業委員会、これは両方がむしろ合体してその今後の育成に盡力すべきであると私は信じておるのであります。
#71
○油井賢太郎君 只今委員長からお話がありましたが、私は別の考えからして、この新会社が財團法人理化学研究所から引受ける資産というものは、時價に見積れば実に尨大なものと思われるのでありますが、その尨大なるものをやはり民間にのみ委して置いて、幸いに人を得れば今委員長のおつしやつたような理想的のものができまするが民間にのみ委して置くこともどうかと思います。
 これについては、やはりこの日本の商工関係の中枢となつているところの商工省も、或る程度これに関聯して絶えずこれを刺戟し、或いは保護、助長等の途を講ずるというような何らかの制度を作るのが至当と思います。勿論國会として國会が中心となつてこの事業というものの運営を見て行くということは結構ですが、やはり商工省もこれに加わつて行くのが至当じやないかと思われます。
#72
○委員長(一松政二君) 尚、私がなにも政府委員でもなけりやなんでもありませんが、今油井さんの御意見に対しては、商工省は、私はそれは今後まあ商工行政のいわゆる行政官廳でありまするから、私法人が事業をやつて行く場合には、当然商工省には色々な問題が、これは起すなと言つたつて起るのが当然でありまするから、特別にその監督権を、法律的にある監督権を、法律の命令上にはなくても、事実問題としては当然私は起るものと考えるのであります。でありまするから、それは油井さんの御意見は御尤もでありまするが、油井さんの御意見はなにか法律的にそういう措置を講じたがいいという御意見でありまするから、ちよつと甚だ妙な関係になりましたが、ちよつと伺つて置きます。
#73
○油井賢太郎君 私は法律的の問題でなく、商工省がやはり自発的にこの新会社の育成について加わつて、共に行けるような方法を今から講じたらどうか。法律的に色々むつかしい法案を作つたりなんかするというような手数を省きましてなにか委員会制度等におきましても、商工大臣、或いは各係りの局長さんなりがお入りになるというような委員会制度を作るとか、そういつたようないわゆる民主的にこの育成をして行けるような方法を今から講じて置いた方がいいのじやないか、こう思うのです。
#74
○中川幸平君 一言お尋ねします。先般の理化学研究所の視察は、時間の関係で十分に拜見することはできませなんだけれども、見ました点におきましては、どの部屋へ参りましても頭の下がる思いをしたのであります。最近國家再建の産業の基礎ここにありという感じがしたのであります。かようなところは財團法人として篤志家の寄附或いは政府の金によつて、どうでもやつて貰いたいという感じがしたのでありますが、四囲の事情で会社に変更せんければならんということは止むを得ん次第でありまして、ただ先程からお話のありまする通り、この研究所の拵えられたときの意義、又現在の使命を会社になりましても長く保てるようにこの会社の切替の際に余程考えて貰わんければならんと思うのであります。先程から委員長さんなり、油井委員から言われた通りに、政府としても本年三百万円、今後も事情の許す限り助成をすると申されておりまするが、その点はこの法律に変える今現在出ております法律に盛り上げるとか、或いはそうでなくとも定款にそれらの点をはつきり入れて貰う。又政府として助成をする以上は、それだけの人間のことなんぞも構つて貰うということは当然でありまするが、國会においてもそれが面倒を見られるということは、定款に國会から顧問とか或いは相談役というような名前の人達を、この國会からどうあつても入れるように考えたらどうかということも考えられます。それらの点につきまして政府委員のお答えを承りたいと思う次第であります。
#75
○政府委員(松田太郎君) この理化学研究所が或いは会社という形によりまして新発足をいたします場合には、その從來の踏んで参りました道、又將來における日本の産業の振興の見地から申上げまして、最も重要なる基礎的な研究機関であるというその趣旨に則りまして、できるだけこの趣旨を今後も十分わきまへてこの新会社が発足しなければならんことは、先程來皆樣の仰しやつておる通りに私も存ずるのであります。從いまして國会におかれましては勿論のこと、商工省といたしましても、蔭になり日向になり、いい意味におきまして、いわゆる官僚的な監督とか、或いは官僚的な又いろいろの何と申しますかお節介とかいうのでなしに、本当にいい意味で國民全体がこの新会社というものを立派に今後も、大きくさして行くという誠心誠意の氣持からいたしまして、我々商工省の者といたしましても、できるだけ蔭になり日向になつて、援助、指導、御協力をして参りたいと思つております。
 つきましては、先程來委員会の点もお話がございましたし、又顧問制度その他を布いて國会等からも適当な方が委員、顧問としてお入りになるというような点も、いずれも私は十分研究に値いすることであり、又大いにそういう線で進んで参るということがいいことじやないかと思うのでありまして、そこらの点につきましては、これの実際の会社が発足いたします場合に、その会社の責任者とも十分打合せをいたしまして、そういう点についてできるだけ今囘の皆樣の御趣旨というものを活かして参りますように努力いたしたい。かように存する次第であります。
#76
○委員長(一松政二君) ではちよつと私から皆さんにお諮りいたします。更にこの問題に限らず、理化学研究所は將來日本の産業を左右する立派なものにお互いに育て上げなければならんということは皆樣の意見の一致するところでありまして、それで、この設立も成るべく早くできるようにやつてやりたいというので、皆さん非常な熱意を以てこの審議に当つておられるのでありますから、更に研究を重ねて審議するといたしまして、若し差当り只今御質問がありませんければ、今日はこの程度に打切つて、そうして更に日を改めて御審議を願つたら如何かと思いますが、如何ですか。
#77
○委員長(一松政二君) それでは明日は同じく午後一時半から、先程の貿易資金の問題と物價の問題がありますので、他の問題に移れんと思いますからその問題に対しまして、皆さんよく又十分な御質疑を重ねて頂きたいと存じます。それでは本日はこれを以て開会いたします。
   午後三時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     一松 政二君
   委員
           椎井 康雄君
           松下松治郎君
          大野木秀次郎君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
          深川榮左エ門君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           佐伯卯四郎君
           波多野林一君
           結城 安次君
           廣瀬與兵衞君
  國務大臣
   商 工 大 臣 水谷長三郎君
  政府委員
   貿易廳長官   永井幸太郎君
   商工省総務局長 松田 太郎君
ソース: 国立国会図書館
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