くにさくロゴ
1947/10/16 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第15号
姉妹サイト
 
1947/10/16 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第15号

#1
第001回国会 商業委員会 第15号
  付託事件
○中小商工業の再建に関する陳情(第
 百六十四号)
○マッチ産業公團制の実施に関する陳
 情(第二百八十九号)
○板ガラスの配給機構及び取扱いに関
 する陳情(第三百四号)
○百貨店法を廃止する法律案(内閣送
 付)
○昭和二十二年法律第五十四号私的独
 占の禁止及び公正取引の確保に関す
 る法律の適用除外等に関する法律案
 (内閣送付)
○石綿輸入促進に関する請願(第二百
 六十五号)
○商工協同組合法の改正に関する陳情
 (第四百二十八号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月十六日(木曜日)
   午前十時三十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十二年法律第五十四号私的独
 占の禁止及び公正取引の確保に関す
 る法律の適用除外等に関する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(一松政二君) それでは只今から委員会を開会しまして、この前上程になりました昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律案の御審議を願うことにいたします。つきましては先般和田安本長官から朗読的に提案理由の説明があつたので、よく熟読含味する時間も何もないので、それでは審議上甚だ不便だというので特に提案理由書の複写を皆さんに差上げるように要求しておきましたので、只今お手許に届いておるはずと思いますから、どうぞ御一読の上はどしどし御質問をされんことを希望いたします。
#3
○中平常太郎君 この私的独占禁止法が制定されまして、公正取引委員会が明らかになつて参りました、決定されました後におきましてどうしてもこの除外例の出て來るのは当然でございますが、今調べてみましたところによりましては、まだ私の調べが足らないのではございますが、中小商工業者の極めて軽い意味、或いは資本に対しましてならば、例えて見れば一千万円以下というような程度の子会社或いは又個人の営業等につきまして、本当これが独占禁止法に触れるようなことはありはしないか、そういうものは全然競爭に委して、相当発展しておるものがあつても、それはそのままで競爭に委して、要するに自由経済の原則に立つてそういうものはこの禁止法の牴触しないと解釈してよろしいのか。小さい五万、十万の会社と雖も、やはりそれがその土地において一つの独占的のものがあるなればいけないのか、その辺を少し当局の方に御説明願いたいのであります。一千万円以下の子会社或いは事業者等が始終この私的独占禁止法に煩いされて、神経を惱ますことは、商業上の発展に及ぼすところの影響は大変大きいのであります。だからこういうものは極めら限られた大きな部分に制約されるものであると思うのでありますが、この除外された項目を見ますというと、そういう中小商工業者の立場に対して除外されておらんように思いますが、その点に対して御説明を願いたいのであります。
#4
○政府委員(中山喜久松君) 只今の御質問にお答え申上げますが、いわゆる中小商工業の極めて小規模なものの集りであります協同組合につきまして、特別な除外例は法律そのもので設けてありますことは、御承知のことと思いますが、それは私的独占禁止法の第二十四條では、小規模の業者又は小規模の相互扶助を目的とする組合については適用を除外することになつておるのであります。
#5
○中平常太郎君 小規模の範囲について御説明願います。
#6
○政府委員(中山喜久松君) それ以上或いはそれと同等のものでございましても別にその大きさ、規模そのものには限界を設けないことになつております。と申しますのは、私的独占なり不当なる取引制限、不当な事業能力の画策というような私的独占禁止法に定めております事項は、結局公益に反します競爭制限を齎らし、又はその虞れがあるというようなこと、経済的に言えばその範囲におきまして、いわゆる市場支配、マーケツトの支配ということが起りますから、これを取締ろうというものであることは勿論でございますが、この場合の市場と申しますのは、法律で一定の取引分野という言葉で言い現わされております通り、苟くも取引のございますところ、又取引の対象範囲の廣い、狭い、取引の段階の需要に対する距離がいろいろ遠いなら遠いところ、近いところなら近いところとありますというような、そういうような又取引の地域の廣さに関係いたしませずして、こういうことが起り得るのでございます。そこで例えばどういう日用品の、どういう小さい区域のどんな僅かな量の取引というような如き場合でありましても、その事業相互の範囲内においては、その総体的関係というものが常に公正で且つ自由な競爭関係の上に立つておることが必要なのでありますから、その間に結合的な、合意的、又支配的、排他的なものがあつてはならないという考でございます。それで格別規模そのものにつきましては、つまり事業の大小につきましては制限を設けないようになつております。
#7
○中平常太郎君 大体その点は分りましたが、会社の四個以上の重役になれないという点について一つお尋ねいたしたいと思いますが、これは競爭状態にあるところの相手方の会社との問題は只今のお話で分つたのでありまして大小を論ぜずというようなことに対しては、私的独占の傾向を持つものには排除さるべきものでありますが、そうでない場合におきまして、会社の役員は四個以上の重役を兼ねられない、役員を兼ねられないというところの法規でありますが、それは競爭状態にない場合にでも皆それによつて制限されるのでありますか、どうもそういうふうに受取れるように思いまして、いわゆる生産意欲及び相当財力のあられる人がそれぞれに活動なさんとする分野は二つや三つではない、あらゆる方面に頭が働いて行くのでありますから、いろいろ契約されることがあるに相違ない、それが産業の発達に貢献するところが極めて大きいのでありますが、それが四個に決められてしまうということになりますと、その四個のものが解散してしまわなければ新らしいものを興されないという結果に陷る虞れがある。企業意欲というものは何人にもあるものではない、やはり選ばれたるところの少数の者がとかく立派な企業意欲を持つておりまして、資本が伴うて相当大きな仕事が世の中に現われて來るのでありますから、ただ普遍的に四個以上は持たれないと決めてしまわれましたなれば、企業意欲というものは確かに減殺せられる虞れがあつて、むしろ生産増強には極めて役立たないような結果を見ると思うのでございます。それで競爭状態にない、何ら差支ないものに対しても御質問は私的独占禁止法の十三條に関係する問題でございまするが、この條文の解釈から参りまして、四個以上の会社の役員の地位を占めることができない、つまり三個までしか会社の役員の地位を占めることができないということは、競爭関係でないやはり四個以上の役員になれないのか、その点を一つどうぞ御説明を願います。
#8
○政府委員(中山喜久松君) 只今のものにつきましても適用せられることになつております。
#9
○結城安次君 只今お話の競爭関係とというものが、例えば東京に玩具の製造会社があるという場合、東京都内に若し二つあつたとしたならば、これは幾十という関係会社があると思いますが、それはどういうふうに御覧になりますか、若しそれが東京に一つあつて、大阪に一つあるというような場合に、やはりこれは競爭関係になりますかどうですか、ちよつとその点を一つお伺いいたします。
#10
○政府委員(黄田多喜夫君) 只今の御質問で玩具というものを抽象的に仰しやつたのでありますけれども、その玩具の種類の具体的の問題においてその内容が変つて來ると思われますので、具体的にどういうものであるということを、その場合々々に当りませんと、抽象的にはお答えできないと思うのでありますけれども、大体同種類のものでありますれば、東京に幾十ある場合と、それから東京に一つあり、大阪に一つある場合と否とを問わず、それは競爭関係にあると大体見られるのでありますけれども、先程申しましたように、具体的の内容によりませんと個々の判断はでき兼ねるかと存ずるのであります。
#11
○結城安次君 只今具体的云々というお話ですけれども、玩具といえば、これは子供が使うもので、例えばセルロイドのおもちやというようなものが、幾十メーカーか東京にあり、これはおのおの競爭しておる。或いは又今は玩具といつてもまるで違つた玩具があるが、併しこれはそういう工場ならば競爭をするような品物を製造するための轉換がまだ容易であるという立場にあるというものとの差引はありましようが、現に競爭しつつあるものは競爭会社と見るかも知れませんが、併し東京と大阪、或いは北海道と九州というようなものも同種類のものは競爭会社と見るのかどうか。それから今やつておることはただ競爭の立場に立つておらんけれども、併しその工場の設備は容易に競爭品製造に轉換し得るというようなものは差当つてどういう取扱いにするか承りたい。
#12
○政府委員(黄田多喜夫君) 現に同種類のものを作つておりますれば、それは東京に両方とも存在する場合と、それから北海道と九州でやつておる場合とを問わず、それは大体競爭関係と認められます。それから現在は異種類のものを作つておつても容易に同種類のものに轉換し得る、いわゆる潜在的競爭という言葉を使つております。競爭関係というものは顯在的競爭関係のみならず、潜在的競爭関係、つまり只今そういうものを作つておらなくても容易に轉換し得るというものはこれ又競爭関係に見ざるを得ないと思います。
#13
○結城安次君 続いて更にお伺いいたします。仮りにここに東京に玩具の工場がある。それが元自分の支店であつたのを大阪にこれを子会社として育てよう。別個のものとしよう、資本関係は親子の関係にある。而も両者は両々相俟つて互いに業務の発展を企画しながら、競爭でなく話合でうまく持つて行うというふうに現にやりつつある。つまり親子関係、こちらに品物が足りなかつた場合には向うで余計に作つて貰う。或いはこちらで作り過ぎたものを場合によつて向うに廻すというような親子の関係にあるものもやはり競爭会社と御覧になりますか。
#14
○政府委員(黄田多喜夫君) 只今御設例のような場合にも、これ亦競爭関係と見ざるを得ないと思います。それで第十條にそういう場合の会社の株の問題は規定してありますので、そういうことに当りますれば、その方で又行くことも考えられるかと思いますけれども御設問のような場合はこれはやはり競爭関係と見るものと考えております。
#15
○中平常太郎君 今お尋ねになりました問題につきまして私からもお尋ねしたいのでありますが、仮りに東京の小間物商と大阪の小間物商がありまして、そこで製造しておつた場合、一方が成立たなくなつて來て、これを一つの機構の中に買つてくれんか、この工場を買收してくれんかというような相談があつた場合、その時には販賣製品のコストを下げるために、二つの工場を一緒にして両工場で製造するというふうにするならば市中に出すところの品物の値段も安くなるという意味におきまして、成立たなかつたところの会社を買入れるということがこれまでも絶えずあるのでありますが、これをわざと一方を潰して買收したといえば私的独占にかかるわけでありますが、そうでなく善意に、もうやれないから俺の工場を一つ買收してくれんかという相談を持ちかけれらた場合、それはその相談に應じてそれを買收することができないのでありますか、してもよろしいのか、その点を一つ……。
#16
○政府委員(中山喜久松君) 只今の御疑問は法律第十六條の営業の讓渡に関する規定に関することでありまして、これには十五條の会社の合併に関する規定が準用されております。それで只今お話にありましたように、その営業の讓渡なり合併につきましては、これはすべて公正取引委員会の認可事項になつておりまして、認可につきまして四つの條件が付いております。相手を圧迫して倒してしまつたというような結果で営業讓渡という場合は、その第四項の不公正な競爭方法によつて強制されたものということに該当するじやないかと思いますけれども、そういうことがないという今の例のようでございます。そうしますとその他の営業の讓渡によりまして、その結果非常な事業能力の格差が生ずる、或いはその取引分野におきまして競爭を実質的に制限するということでなくて、むしろ非常に合理化されておるというような場合には、認可してはならないという場合には、大体において該当しないと先ず考えてよろしいじやないかと思います。
#17
○中平常太郎君 只今の問題についてもう一つお伺いいたします。その場合の競爭は眞に民主的競爭を互いにやつておりまして、その競爭に負けた場合を意味することもあります。実際盛んにやつておりましても、どうも自分の方は持てないから買收してくれというようなことを持ち出す場合もあり得るのであります。そういう場合にでも、それが善意であれば競爭に一方は負けたのですから、競爭状態に置くということは必要があるというので独占禁止法ができておるのでありますから、競爭し得るのが当り前でありまして、競爭するということになると負けた形ができるわけであります。その場合に負けた方が買うてくれというのは当り前といわなければならん結果になる、そういう場合に公正な競爭状態に置かれたものが、ついにもう破れたというつもりで、他の仕事をしたいから買收してくれということがあつた場合に、それを買收することは、その行爲は独占禁止に触れるかどうかという問題ですね。その点をお伺いします。そういう場合でもいけないか、又よろしいか、その点をお伺いいたしたいと思います。
#18
○政府委員(中山喜久松君) 只今のお話は、公正な競爭状態にあつた場合ということになると思いますが、これは今の第十五條の第二項四号の不公正な競爭方法によつてそういう状態になつたということに解釈できない場合と思われますので、認可して差支えないものだと解釈いたしております。
#19
○中平常太郎君 分りました。
#20
○委員長(一松政二君) では私が一、二伺つて見たいと思うのでありますが第一條の法律の目的の中に、「事業支配力の過度の集中を防止」するという言葉があるのであります。過度の集中であるということを特に謳つてある所以のものは、事業というものはそういう甲でも乙でも丙でも丁でも、何人でも事業を営み得るものではない。又誰がやつてもできるという性質のものじやないのであります。從つて事業経営の能力というものは、これはある意味においては多少の天分も必要である場合が多いのでありまして、自然集中さるべき性質を持つているもの、これは委員長もよくお分りのことと思うのであります。現にアメリカにおきましても殆どすべての事業は、全部とは申しませんが、大きなものは集中によつて経営されていると思うのであります。從つて過度の集中でなければいいはずなんであります。過度の集中を防止するという意味におけることと、この十三條における会社の役員は三つまではいいが、四つ以上はいけない。三つまでならば適度の集中であつて、四つから後は過度の集中になるのかどうか。これも、この集中を排除するためにある規定だと思うのであります。而もこの十三條には、殆どすべての國民が不思議に思うことは、日本の実情に合わないということであります。一万円の合資会社も、十万円の有限会社も、或いは十九万五千円の会社も、一億円或いは一千万円、或いは数百万円というものと一律一体にこれを見るということは、日本の実情とは凡そかけはなれた私は、法律條文の規定だと思うのであります。これに何らの制限を設けずして、そうしてこういう規定をそのまま存続することと、この第一條の、今の「過度の集中を防止して」ということと、更に二行程隔てまして、「事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし雇傭及國民実所得の水準を高め、以て一般消費者の利益を確保する」ということと私はやや矛盾がありはしないかという考えがあるのでありまするが、政府はこれを如何にお考えになつているのか。その点について御答弁を願いまして、更に質問を継続したいと思います。
#21
○政府委員(中山喜久松君) この十三條の二項で、四つ以上の会社の役員の地位を占めてはならないということを定めておりますが、これはやはり一人が沢山の会社の役員を兼ねますというと、自然その事業を結合的に合意的に支配的にして行くという虞れがあるということから出ているのでありましてそれについては、じや小さい規模のものは問題がないじやないかというような議論も聞くのでありますが、これも先程ちよつと申上げましたように、その取引分野における、やはりその分野におけるという総体的な関係から出ておることであると考えられるのであります。それ故に只今の御質問のありました小規模のものはそういうふうに考えなくてもいいじやないかというようなことでないように解釈しております。尚、この第一條の精神からいろいろ考えて行きますと、事業の自主的合理的な、且つ積極的な活動ということを期待しているのでありまして、そのためには一人一業とまでは行きませんでも、成るべく自己の事業に專心せられまして、その事業を通して社会福祉のために貢献せられるようにという考え方が加わつているのでございます、と私は申上げておきたいと思います。
#22
○委員長(一松政二君) その一人一業という考えは私は敢えて否定しないのであります。併し一人一業である場合には、その一人一業しかできない事業を営んでいる場合、一人一業でいいのでありまして、三万円か五万円、一万円の有限会社、或いは合資会社、そういうものもただ一人一業でやらなければならんのか。その点について私はそれでもいいのだというお考えであるか、それでは日本の実情と合わないというお考えであるのか。ちよつとここで速記を止めて下さい。
   〔午前十一時七分速記中止〕
   〔午前十一時四十四分速記開始〕
#23
○委員長(一松政二君) 速記始めて。先程懇談会におきまして、いろいろ論議されまして通り、この法律の目的は事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び國民実所得の水準を高め、そうして一般消費者の利益を確保する、こういうことがこの禁止法の目的なんでありますから、この目的と背馳する懸念のあるような事項につきましては、これは当然何らかの方法によつて、これを匡正して行くことが必要である。つまり修正するなり或いは運用の手心によつてこれをこの目的と相反しないようにやつて貰わなければならんと思うので、中山委員長におかれましては、これが運用について深甚の考慮を煩わしたいと思うのであります。
#24
○政府委員(中山喜久松君) 只今本委員会の委員長から私的独占禁止法の原理、趣旨とするところを貫徹するために、若しこの法律の中に、その趣旨を行うに不適当と考えられるような点があるならば、修正をいたしたいというような御希望でございましたが、私共といたしましてもこの第一條に明記されてございますところの本法律の原理精神を飽くまでも貫こうということにおきましては、この御希望は当然なことと考えます。又十分委員会といたしましても研究をいたして行きたいと思います。尚運用につきましての御希望につきましては、誠に御尤もなことと考えまして、私就任いたしまして以來日本の実際産業経済の実情に即して、そうして尚この法律の精神が行われるようにということに常に努力、研究してやつておるということをこの際申上げて置きます。
#25
○中平常太郎君 日本の政治機構が民主的に全然変つて参りまするにつきまして商業上の面におきましてもここに新らたに今年四月に独禁法が現われて参りまして、今日この除外例につきまして問題を議するに当りまして、実際におきまして独禁法の各條項につきまして我々も再檢討を要するところの條項があるように思うのであります。日本は今日敗戰の状態でありまするから極めて困難な経済状態に置かれております。アメリカの如き富裕な國は一人の商業者が何個会社を持つておろうとも、或いは又相当いろいろな商業上の勢力を持つておる業者がありましても今日実際において極めて、いわゆる資本的の民主主義が行われておるのでありますけれども、日本再建の立場におきましてこういう一つの窮屈な法律ができて参りまして、一面におきましては財閥を、過度の弊害を生じ易い財閥の発生を防ぐという長所があると同時に、そこまでに至らないところの、企業意欲を一般に持つところの中小商工業者から言いましたならば、この独禁法によつて神経的に極めて危惧の念を持つて、発展の途上にあるところの業者が逡巡姑息、從つて日本の産業の発展には極めて不利な点が出て來やしないかという疑を持つ点があるのでございます。このことにつきましては、すでに制定された法律でありまするから適当な方法を以て適当な機会に立法府といたしましては考えざるを得ないと思うておりますが、今日問題になつておりまする公正取引の確保に関する法律の適用除外につきまして、ここにそういう氣持ちを持つた上から御質問を申上げたいと思います。ここに列記されております除外例に適当いたしておりまする会社、或いは組合法事業法等が十四五項出ておりますが、これはこれ以外のものは処理されないで独禁法の方に触れるというものがありやしないかと思うのでありますが、そういうものはあるならば十分お調べの上でもつと除外例を沢山のお出しになる必要がありやしないか。何を申しましても、産業の発展を阻害するということに相成り、又法規に一度許されておるものが除外例を受けずして独禁法にかかつてしまうということは、誠に業者の方の側から申しますと大変困難を感ずると思うのでありますからして、唯ここに列挙されておりまするだけのものでなくして、もつと詳しく御調査になりまして、除外すべきものはどしどし除外の方法を取つていただきたいと思うのでございます。一應お伺いいたしますが、これ以外のものはないとお考えでございましようか、中山委員長にちよつとお伺いいたして置きたいと思います。十四項出ておりますが。
#26
○政府委員(中山喜久松君) お答えいたします。この法案に掲げました以外には適用除外すべきものはないということになつておりまして、これにつきましては各省の担当官と共に詳細な研究をいたしたのでございます。それ以外にはないとお考え願います。
#27
○中平常太郎君 只今のお答えで大きな各種の法律、組合法その他統制法にはないということでございますので一應了承いたしましたが、この独禁法の運用につきましては、日本におきましては極めて新らしい最初の問題でございまして、これを運用されるということにつきましては、私はこの法規によつて運用せられるのでありますが、國情が大変欧米とは違つております関係から申しまして、誠に破壞されてしまつておる産業の発展の道程から申しましても、抑えるような氣持ちを含んだ法案は私は好ましくない。発展せしめるような目的を持つておりながら、而もその内容においては抑えるようなことになつておるような独禁法から申しまして、これを運営される委員会におきましては、しばしば申請されるところの要件が出て來ると思います。全國からさまざまな問題を委員会の公正取引委員会の方へは申請して來ると存じますが、この点は中山委員長の手腕に委せまして、十分に一つ日本の國情を十分お弁えになつておられることでありますから、産業の圧迫になるようなことのないように、少くとも独占……不正な不当な考えを持つていないのでありますが、その起きて來た事件に対してはその解釈を十分に善意に解釈されまして、如何なる場合でも明かに不正、不当でない限りは、この発展の途上にあり、破壊された産業の途上からいうて、どうぞ独禁法の法律の運用につきましては、十分なる幅のある事項について十分な御配慮を願いたいと思うのでございます。只今は質問の條件を持つておりませんが、まだ法案審議中に御質問することがあるかも存じませんが、これだけのことを差向き御要求申し上げます。
#28
○委員長(一松政二君) それでは皆さまにお諮りいたしますが、政府委員から先日の答弁について訂正を要する箇所があるとか申しておりますから、訂正を許して差支ございませんか。
#29
○委員長(一松政二君) それでは政府委員……。
#30
○政府委員(黄田多喜夫君) この前の本委員会で御質問が第二條に関聯してございましたが、その際に私から第二條に本法律の規定に反するものはその効力を有しないということがあるのでございますが、この荒つぽい規定について、業界を萎靡沈滯せしめる虞れがありはしないかという御質問が中平委員からありました。それに私からお答弁申し上げまして、これに触れる虞れのあるものが約四百ある。但しその多くは統制團体に関するものであつて、現に発動していないものが多いから、実際上の影響は問題にするに足らないものであるという旨を御答弁申し上げたのでありますけれども、それは間違つております。本法律第二條に触れて、関聯して問題になります法律は約十四、五でございますが、それらはいずれもすでに本会議にその改正乃至廃止を御審議を願つておるものが殆んど全部でございまして、その十四、五項を除きましては後約八つばかり、或いは第二條の法文上問題になることがありはしないかと思われるところがあるのでありますけれども、これ亦実際上には発動しておりませんので、影響は問題とするに足りないと、こう思われるのであります。この点御訂正いたして置きたいと思います。
#31
○委員長(一松政二君) それでは本日は午後は本会議がありますので委員会はこの程度で散会することにいたします。
   午前十一時五十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     一松 政二君
   理事
           鎌田 逸郎君
   委員
           中平常太郎君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
          深川榮左ェ門君
           小林米三郎君
           島津 忠彦君
           高瀬荘太郎君
           波田野林一君
           結城 安次君
  政府委員
   (公正取引委員
   会委員長)   中山喜久松君
   総理廳事務官
   (公正取引委員
   会事務局総務部
   長)      黄田多喜夫君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト